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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01J |
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管理番号 | 1197438 |
審判番号 | 不服2006-4135 |
総通号数 | 115 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2009-07-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-03-06 |
確定日 | 2009-05-07 |
事件の表示 | 平成 8年特許願第510620号「色特性の測定及び解析用を主とするスペクトル放射を測定・解析する装置及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 3月28日国際公開、WO96/09524、平成10年 9月 2日国内公表、特表平10-508940〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件は、1995年9月24日(パリ条約による優先権主張1994年9月24日、独(DE))を国際出願日とする特許出願(平成8年特許願第510620号。以下「本件出願」という。)につき、拒絶査定が平成17年11月25日にされた(発送日:同年12月6日)ところ、拒絶査定不服審判が平成18年3月6日に請求されるとともに同年4月5日付けで手続補正書が提出されたものである。 第2 平成18年4月5日付けの手続補正について (1)平成18年4月5日付けの手続補正書による手続補正(以下「本件補正」という。)の内容 本件補正は、本件出願明細書の特許請求の範囲の請求項1?21を以下のとおり補正することを含むものである。 ア 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1?21 「【請求項1】 所定波長範囲におけるスペクトル放射を測定及び解析することにより色特性を検出する装置であって、 スペクトルがある波長範囲に分布する放射を発するN1個の放射源であって、N1は1以上であり、前記放射は該所定波長範囲中で少なくとも部分的に存在し、N1が1より大きいときに、個々の前記放射源のスペクトル特性は互いに異なり、 前記所定波長範囲内の放射を検出し、検出された放射の強度を表す電気信号を発生する検出器と、 本装置の放射を制御し、N1が1より大きいときに、前記放射源が、連続する複数の時間的区間において所定の組み合わせで駆動されるように制御する制御ユニットと、 前記放射源の組み合わせが複数であるときに前記組み合わせの各々に関する前記検出器により検出された値が記録及び格納される記憶装置とを有し、 前記制御ユニットは、前記格納値から、前記放射源のスペクトル特性を決定するための値を算出するものである装置において、 前記放射源は、そのスペクトル特性が前記所定波長範囲中で重畳するように選択され、 N2がN1以下であるとし、N1が1より大きいときに、1より大きい少なくともN2個の前記放射源のスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 前記検出器はM1個のセンサを有し、M1は1以上であり、それらセンサの前記所定波長範囲におけるスペクトル特性は該所定波長範囲を全てカバーするように重畳しており、 M2がM1以下であるとし、M1が1より大きいときに、1より大きい少なくともM2個の前記センサのスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 N2及びM2の値を乗算して得られる積P(=N2*M2)は1より大きく、 前記記憶装置内にP個の較正関数が格納され、それらは前記所定波長範囲に少なくとも一部がかかり、個々の機器により測定されるP個の標準サンプルのスペクトル強度分布とそれらの既知の反射スペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記反射スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立及び、全波長範囲が記録されるように少なくとも部分的に重畳し、前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル行程を決定できることを特徴とする装置。 【請求項2】 前記数N1及びN2は1より大きく、少なくとも2つの互いに重畳及び一次的に独立なスペクトル特性を有する放射源が設けられ、また、前記数M1及びM2は1に等しく、前記所定波長範囲の全体に感応する1つのセンサが設けられることを特徴とする請求項1記載の装置。 【請求項3】 前記数N1及びN2は1であり、前記所定波長範囲にわたる放射を発するただ1つの放射源を要し、また、前記数M1及びM2は少なくとも2に等しく、前記所定波長範囲の全体がカバーされるように少なくとも部分的に特性が重畳した少なくとも2つのセンサが設けられ、該特性はまた互いに一次的に独立であることを特徴とする請求項1記載の装置。 【請求項4】 前記数N2及びM2はそれぞれ1より大きく、少なくとも2つの互いに重畳及び一次的に独立なスペクトル特性を有する放射源が設けられるとともに、前記所定波長範囲の全体がカバーされるように少なくとも部分的に特性が重畳しかつ該特性がまた互いに一次的に独立である少なくとも2つのセンサが設けられていることを特徴とする請求項1記載の装置。 【請求項5】 前記放射源は前記被測定放射を発し、前記所定波長範囲は前記放射源から発せられる放射が検出される波長範囲であることを特徴とする請求項1記載の装置。 【請求項6】 前記所定波長範囲において、x個の波長区間が設定され、前記被測定放射のスペクトル分布が前記x個の波長区間からそれぞれ決定されるように前記較関数が生成されることを特徴とする請求項1?5いずれか記載の装置。 【請求項7】 前記所定波長範囲において、前記較正関数は、前記x個の波長区間の各々において、P個の未知の係数を有するP個の方程式を含む一連の一次方程式が解かれることにより決定されることを特徴とする請求項6記載の装置。 【請求項8】 前記放射源及び前記センサが固定される測定ヘッドが設けられることを特徴とする請求項1?4、6、7のいずれかに記載の装置。 【請求項9】 前記測定ヘッドはベル形に形成され、測定用の開口部が設けられ、これに沿って被測定エリアの上にベル部を配置でき、前記放射源及び/または前記センサが前記ベル部の被覆部内に設けられることを特徴とする請求項8記載の装置。 【請求項10】 前記放射源は光照射デバイスであることを特徴とする請求項1?4及び6?9のいずれかに記載の装置。 【請求項11】 前記光照射デバイスは発光ダイオード(LED)であることを特徴とする請求項10記載の装置。 【請求項12】 所定波長範囲におけるスペクトル放射を測定及び解析することにより色特性を検出する方法であって、 スペクトルがある波長範囲に分布する放射を発するN1個の放射源であって、N1は1以上であり、前記放射は該所定波長範囲中で少なくとも部分的に存在し、N1が1より大きいときに、個々の前記放射源のスペクトル特性は互いに異なり、 前記所定波長範囲内の放射を検出し、検出された放射の強度を表す電気信号を発生する検出器と、 本装置の放射を制御し、前記放射源が、N1が1より大きいときに、連続する複数の時間的区間において所定の組み合わせで駆動されるように制御する制御ユニットと、 前記放射源の組み合わせが複数であるときに前記組み合わせの各々に関する前記検出器により検出された値が記録及び格納される記憶装置とを設け、 前記制御ユニットは、前記格納値から、前記放射源のスペクトル特性を決定するための値を算出するものである方法において、 前記放射源は、そのスペクトル特性が前記所定波長範囲中で重畳するように選択され、 N2がN1以下であるとし、N1が1より大きいときに、1より大きい少なくともN2個の前記放射源のスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 前記検出器はM1個のセンサを有し、M1は1以上であり、それらセンサの前記所定波長範囲におけるスペクトル特性は該所定波長範囲を全てカバーするように重畳しており、 M2がM1以下であるとし、M1が1より大きいときに、1より大きい少なくともM2個の前記センサのスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 N2及びM2の値を乗算して得られる積P(=N2*M2)は1より大きく、 前記記憶装置内にP個の較正関数が格納され、それらは前記所定波長範囲に少なくとも一部がかかり、個々の機器により測定されるP個の標準サンプルのスペクトル強度分布と それらの既知の反射スペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記反射スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立及び、全波長範囲が記録されるように少なくとも部分的に重畳し、 前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル特性を決定できることを特徴とする方法。 【請求項13】 前記数N1及びN2は1より大きく、少なくとも2つの互いに重畳及び一次的に独立なスペクトル特性を有する放射源が設けられ、また、前記数M1及びM2は1に等しく、前記所定波長範囲の全体に感応する1つのセンサが設けられることを特徴とする請求項12記載の方法。 【請求項14】 前記数N1及びN2は1であり、前記所定波長範囲にわたる放射を発するただ1つの放射源を要し、また、前記数M1及びM2は少なくとも2に等しく、前記所定波長範囲の全体がカバーされるように少なくとも部分的に特性が重畳した少なくとも2つのセンサが設けられ、該特性はまた互いに一次的に独立であることを特徴とする請求項12記載の方法。 【請求項15】 前記数N2及びM2はそれぞれ1より大きく、少なくとも2つの互いに重畳及び一次的に独立なスペクトル特性を有する放射源が設けられるとともに、前記所定波長範囲の全体がカバーされるように少なくとも部分的に特性が重畳しかつ該特性がまた互いに一次的に独立である少なくとも2つのセンサが設けられていることを特徴とする請求項12記載の方法。 【請求項16】 前記放射源は前記被測定放射を発し、前記所定波長範囲は前記放射源から発せられる放射が検出される波長範囲であることを特徴とする請求項12記載の方法。 【請求項17】 前記所定波長範囲において、x個の波長区間が設定され、前記被測定放射のスペクトル分布が前記x個の波長区間からそれぞれ決定されるように前記較正関数が生成されることを特徴とする請求項12?16いずれか記載の方法。 【請求項18】 前記所定波長範囲において、前記較正関数は、前記x個の波長区間の各々において、P個の未知の係数を有するP個の方程式を含む一連の一次方程式が解かれることにより決定されることを特徴とする請求項17記載の方法。 【請求項19】 所定波長範囲におけるスペクトル放射を測定及び解析することにより色特性を検出する装置であって、 スペクトルがある波長範囲に分布する放射を発するN1個の放射源であって、N1が1より大きい場合に、前記放射は該所定波長範囲中で少なくとも部分的に存在し、個々の前記放射源のスペクトル特性は互いに異なるような放射源と、 前記所定波長範囲内の放射を検出し、検出された放射の強度を表す電気信号を発生する検出器と、 本装置の放射を制御し、前記放射源が、連続する複数の時間的区間において所定の組み合わせで駆動されるように制御する制御ユニットと、 前記放射源の組み合わせが複数であるときに前記組み合わせの各々に関する前記検出器により検出された値が記録及び格納される記憶装置とを有し、 前記制御ユニットは、前記格納値から、前記放射源のスペクトル特性を決定するための値を算出するものである装置において、 前記放射源は、そのスペクトル特性が前記所定波長範囲中で重畳するように選択され、 N2がN1以下であるとし、N1が1より大きいときに、1より大きい少なくともN2個の前記放射源のスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 前記検出器はM個のセンサを有し、Mが1に等しい場合に、センサの前記所定波長範囲におけるスペクトル特性は該所定波長範囲を全てカバーし、前記センサが前記所定波長範囲の全体に感応し、 N2及びMの値を乗算して得られる積P(=N2*M)は1より大きく、 前記記憶装置内にP個の較正関数が格納され、それらは前記所定波長範囲に少なくとも一部がかかり、個々の機器により測定されるP個の標準サンプルのスペクトル強度分布とそれらの既知の反射スペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記反射スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立及び、全波長範囲が記録されるように少なくとも部分的に重畳し、前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル行程を決定できることを特徴とする装置。 【請求項20】 所定波長範囲におけるスペクトル放射を測定及び解析することにより色特性を検出する装置であって、 スペクトルがある波長範囲に分布する放射を発するN個の放射源と、 前記所定波長範囲内の放射を検出し、検出された放射の強度を表す電気信号を発生する検出器と、 本装置の放射を制御し、前記放射源が駆動されるように制御する制御ユニットと、 前記放射源に関する前記検出器により検出された値が記録及び格納される記憶装置とを有し、 前記制御ユニットは、前記格納値から、前記放射源のスペクトル特性を決定するための値を算出するものである装置において、 前記放射源は、Nが1に等しい場合に、前記所定波長範囲にわたる放射を発するように選択され、 前記検出器はM個のセンサを有し、それらセンサの前記所定波長範囲におけるスペクトル特性は該所定波長範囲を全てカバーするように重畳しており、Mは1より大きく、 M個の前記センサのスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 N及びMの値を乗算して得られる積P(=N*M)は1より大きく、 前記記憶装置内にP個の較正関数が格納され、それらは前記所定波長範囲に少なくとも一部がかかり、個々の機器により測定されるP個の標準サンプルのスペクトル強度分布とそれらの既知の反射スペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記反射スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立及び、全波長範囲が記録されるように少なくとも部分的に重畳し、前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル行程を決定できることを特徴とする装置。 【請求項21】 所定波長範囲におけるスペクトル放射を測定及び解析することにより色特性を検出する装置であって、 スペクトルがある波長範囲に分布する放射を発するN1個の放射源であって、N1が1より大きい場合に、前記放射は該所定波長範囲中で少なくとも部分的に存在し、個々の前記放射源のスペクトル特性は互いに異なるような放射源と、 前記所定波長範囲内の放射を検出し、検出された放射の強度を表す電気信号を発生する検出器と、 本装置の放射を制御し、前記放射源が、連続する複数の時間的区間において所定の組み合わせで駆動されるように制御する制御ユニットと、 前記放射源の組み合わせが複数であるときに前記組み合わせの各々に関する前記検出器により検出された値が記録及び格納される記憶装置とを有し、 前記制御ユニットは、前記格納値から、前記放射源のスペクトル特性を決定するための値を算出するものである装置において、 前記放射源は、そのスペクトル特性が前記所定波長範囲中で重畳するように選択され、 N2がN1以下であるとし、N1が1より大きいときに、1より大きい少なくともN2個の前記放射源のスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 前記検出器はM個のセンサを有し、それらセンサの前記所定波長範囲におけるスペクトル特性は該所定波長範囲を全てカバーするように重畳しており、Mは1より大きく、 M個の前記センサのスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 N2及びMの値を乗算して得られる積P(=N2*M)は1より大きく、 前記記憶装置内にP個の較正関数が格納され、それらは前記所定波長範囲に少なくとも一部がかかり、個々の機器により測定されるP個の標準サンプルのスペクトル強度分布とそれらの既知の反射スペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記反射スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立及び、全波長範囲が記録されるように少なくとも部分的に重畳し、前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル行程を決定できることを特徴とする装置。」 イ 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1?21 「【請求項1】 所定波長範囲におけるスペクトル放射を測定及び解析することにより色特性を検出する装置であって、 スペクトルがある波長範囲に分布する放射を発するN1個の放射源であって、N1は1以上であり、前記放射は該所定波長範囲中で少なくとも部分的に存在し、N1が1より大きいときに、個々の前記放射源のスペクトル特性は互いに異なり、 前記所定波長範囲内の放射を検出し、検出された放射の強度を表す電気信号を発生する検出器と、 本装置の放射を制御し、N1が1より大きいときに、前記放射源が、連続する複数の時間的区間において所定の組み合わせで駆動されるように制御する制御ユニットと、 前記放射源の組み合わせが複数であるときに前記組み合わせの各々に関する前記検出器により検出された値が記録及び格納される記憶装置とを有し、 前記制御ユニットは、前記格納値から、前記放射源のスペクトル特性を決定するための値を算出するものである装置において、 前記放射源は、そのスペクトル特性が前記所定波長範囲中で重畳するように選択され、 N2がN1以下であるとし、N1が1より大きいときに、1より大きい少なくともN2個の前記放射源のスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 前記検出器はM1個のセンサを有し、M1は1以上であり、それらセンサの前記所定波長範囲におけるスペクトル特性は該所定波長範囲を全てカバーするように重畳しており、 M2はM1に等しく、M1が1より大きいときに、1より大きい少なくともM2個の前記センサのスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 N2及びM2の値を乗算して得られる積P(=N2*M2)は1より大きく、 前記記憶装置内にP個の較正関数が格納され、それらは前記所定波長範囲に少なくとも一部がかかり、個々の機器により測定されるP個の標準サンプルのスペクトル強度分布とそれらの既知の反射スペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記反射スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立及び、全波長範囲が記録されるように少なくとも部分的に重畳し、前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル行程を決定できることを特徴とする装置。 【請求項2】 前記数N1及びN2は1より大きく、少なくとも2つの互いに重畳及び一次的に独立なスペクトル特性を有する放射源が設けられ、また、前記数M1及びM2は1に等しく、前記所定波長範囲の全体に感応する1つのセンサが設けられることを特徴とする請求項1記載の装置。 【請求項3】 前記数N1及びN2は1であり、前記所定波長範囲にわたる放射を発するただ1つの放射源を要し、また、前記数M1及びM2は少なくとも2に等しく、前記所定波長範囲の全体がカバーされるように少なくとも部分的に特性が重畳した少なくとも2つのセンサが設けられ、該特性はまた互いに一次的に独立であることを特徴とする請求項1記載の装置。 【請求項4】 前記数N2及びM2はそれぞれ1より大きく、少なくとも2つの互いに重畳及び一次的に独立なスペクトル特性を有する放射源が設けられるとともに、前記所定波長範囲の全体がカバーされるように少なくとも部分的に特性が重畳しかつ該特性がまた互いに一次的に独立である少なくとも2つのセンサが設けられていることを特徴とする請求項1記載の装置。 【請求項5】 前記放射源は前記被測定放射を発し、前記所定波長範囲は前記放射源から発せられる放射が検出される波長範囲であることを特徴とする請求項1記載の装置。 【請求項6】 前記所定波長範囲において、x個の波長区間が設定され、前記被測定放射のスペクトル分布が前記x個の波長区間からそれぞれ決定されるように前記較関数が生成されることを特徴とする請求項1?5いずれか記載の装置。 【請求項7】 前記所定波長範囲において、前記較正関数は、前記x個の波長区間の各々において、P個の未知の係数を有するP個の方程式を含む一連の一次方程式が解かれることにより決定されることを特徴とする請求項6記載の装置。 【請求項8】 前記放射源及び前記センサが固定される測定ヘッドが設けられることを特徴とする請求項1?4、6、7のいずれかに記載の装置。 【請求項9】 前記測定ヘッドはベル形に形成され、測定用の開口部が設けられ、これに沿って被測定エリアの上にベル部を配置でき、前記放射源及び/または前記センサが前記ベル部の被覆部内に設けられることを特徴とする請求項8記載の装置。 【請求項10】 前記放射源は光照射デバイスであることを特徴とする請求項1?4及び6?9のいずれかに記載の装置。 【請求項11】 前記光照射デバイスは発光ダイオード(LED)であることを特徴とする請求項10記載の装置。 【請求項12】 所定波長範囲におけるスペクトル放射を測定及び解析することにより色特性を検出する方法であって、 スペクトルがある波長範囲に分布する放射を発するN1個の放射源であって、N1は1以上であり、前記放射は該所定波長範囲中で少なくとも部分的に存在し、N1が1より大きいときに、個々の前記放射源のスペクトル特性は互いに異なり、 前記所定波長範囲内の放射を検出し、検出された放射の強度を表す電気信号を発生する検出器と、 本装置の放射を制御し、前記放射源が、N1が1より大きいときに、連続する複数の時間的区間において所定の組み合わせで駆動されるように制御する制御ユニットと、 前記放射源の組み合わせが複数であるときに前記組み合わせの各々に関する前記検出器により検出された値が記録及び格納される記憶装置とを設け、 前記制御ユニットは、前記格納値から、前記放射源のスペクトル特性を決定するための値を算出するものである方法において、 前記放射源は、そのスペクトル特性が前記所定波長範囲中で重畳するように選択され、 N2がN1以下であるとし、N1が1より大きいときに、1より大きい少なくともN2個の前記放射源のスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 前記検出器はM1個のセンサを有し、M1は1以上であり、それらセンサの前記所定波長範囲におけるスペクトル特性は該所定波長範囲を全てカバーするように重畳しており、 M2はM1に等しく、M1が1より大きいときに、1より大きい少なくともM2個の前記センサのスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 N2及びM2の値を乗算して得られる積P(=N2*M2)は1より大きく、 前記記憶装置内にP個の較正関数が格納され、それらは前記所定波長範囲に少なくとも一部がかかり、個々の機器により測定されるP個の標準サンプルのスペクトル強度分布と それらの既知の反射スペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記反射スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立及び、全波長範囲が記録されるように少なくとも部分的に重畳し、 前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル特性を決定できることを特徴とする方法。 【請求項13】 前記数N1及びN2は1より大きく、少なくとも2つの互いに重畳及び一次的に独立なスペクトル特性を有する放射源が設けられ、また、前記数M1及びM2は1に等しく、前記所定波長範囲の全体に感応する1つのセンサが設けられることを特徴とする請求項12記載の方法。 【請求項14】 前記数N1及びN2は1であり、前記所定波長範囲にわたる放射を発するただ1つの放射源を要し、また、前記数M1及びM2は少なくとも2に等しく、前記所定波長範囲の全体がカバーされるように少なくとも部分的に特性が重畳した少なくとも2つのセンサが設けられ、該特性はまた互いに一次的に独立であることを特徴とする請求項12記載の方法。 【請求項15】 前記数N2及びM2はそれぞれ1より大きく、少なくとも2つの互いに重畳及び一次的に独立なスペクトル特性を有する放射源が設けられるとともに、前記所定波長範囲の全体がカバーされるように少なくとも部分的に特性が重畳しかつ該特性がまた互いに一次的に独立である少なくとも2つのセンサが設けられていることを特徴とする請求項12記載の方法。 【請求項16】 前記放射源は前記被測定放射を発し、前記所定波長範囲は前記放射源から発せられる放射が検出される波長範囲であることを特徴とする請求項12記載の方法。 【請求項17】 前記所定波長範囲において、x個の波長区間が設定され、前記被測定放射のスペクトル分布が前記x個の波長区間からそれぞれ決定されるように前記較正関数が生成されることを特徴とする請求項12?16いずれか記載の方法。 【請求項18】 前記所定波長範囲において、前記較正関数は、前記x個の波長区間の各々において、P個の未知の係数を有するP個の方程式を含む一連の一次方程式が解かれることにより決定されることを特徴とする請求項17記載の方法。 【請求項19】 所定波長範囲におけるスペクトル放射を測定及び解析することにより色特性を検出する装置であって、 スペクトルがある波長範囲に分布する放射を発するN1個の放射源であって、N1が1より大きい場合に、前記放射は該所定波長範囲中で少なくとも部分的に存在し、個々の前記放射源のスペクトル特性は互いに異なるような放射源と、 前記所定波長範囲内の放射を検出し、検出された放射の強度を表す電気信号を発生する検出器と、 本装置の放射を制御し、前記放射源が、連続する複数の時間的区間において所定の組み合わせで駆動されるように制御する制御ユニットと、 前記放射源の組み合わせが複数であるときに前記組み合わせの各々に関する前記検出器により検出された値が記録及び格納される記憶装置とを有し、 前記制御ユニットは、前記格納値から、前記放射源のスペクトル特性を決定するための値を算出するものである装置において、 前記放射源は、そのスペクトル特性が前記所定波長範囲中で重畳するように選択され、 N2がN1以下であるとし、N1が1より大きいときに、1より大きい少なくともN2個の前記放射源のスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 前記検出器はM個のセンサを有し、Mが1に等しい場合に、センサの前記所定波長範囲におけるスペクトル特性は該所定波長範囲を全てカバーし、前記センサが前記所定波長範囲の全体に感応し、 N2及びMの値を乗算して得られる積P(=N2*M)は1より大きく、 前記記憶装置内にP個の較正関数が格納され、それらは前記所定波長範囲に少なくとも一部がかかり、個々の機器により測定されるP個の標準サンプルのスペクトル強度分布とそれらの既知の反射スペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記反射スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立及び、全波長範囲が記録されるように少なくとも部分的に重畳し、前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル行程を決定できることを特徴とする装置。 【請求項20】 所定波長範囲におけるスペクトル放射を測定及び解析することにより色特性を検出する装置であって、 スペクトルがある波長範囲に分布する放射を発するN個の放射源と、 前記所定波長範囲内の放射を検出し、検出された放射の強度を表す電気信号を発生する検出器と、 本装置の放射を制御し、前記放射源が駆動されるように制御する制御ユニットと、 前記放射源に関する前記検出器により検出された値が記録及び格納される記憶装置とを有し、 前記制御ユニットは、前記格納値から、前記放射源のスペクトル特性を決定するための値を算出するものである装置において、 前記放射源は、Nが1に等しい場合に、前記所定波長範囲にわたる放射を発するように選択され、 前記検出器はM個のセンサを有し、それらセンサの前記所定波長範囲におけるスペクトル特性は該所定波長範囲を全てカバーするように重畳しており、Mは1より大きく、 M個の前記センサのスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 N及びMの値を乗算して得られる積P(=N*M)は1より大きく、 前記記憶装置内にP個の較正関数が格納され、それらは前記所定波長範囲に少なくとも一部がかかり、個々の機器により測定されるP個の標準サンプルのスペクトル強度分布とそれらの既知の反射スペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記反射スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立及び、全波長範囲が記録されるように少なくとも部分的に重畳し、前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル行程を決定できることを特徴とする装置。 【請求項21】 所定波長範囲におけるスペクトル放射を測定及び解析することにより色特性を検出する装置であって、 スペクトルがある波長範囲に分布する放射を発するN1個の放射源であって、N1が1より大きい場合に、前記放射は該所定波長範囲中で少なくとも部分的に存在し、個々の前記放射源のスペクトル特性は互いに異なるような放射源と、 前記所定波長範囲内の放射を検出し、検出された放射の強度を表す電気信号を発生する検出器と、 本装置の放射を制御し、前記放射源が、連続する複数の時間的区間において所定の組み合わせで駆動されるように制御する制御ユニットと、 前記放射源の組み合わせが複数であるときに前記組み合わせの各々に関する前記検出器により検出された値が記録及び格納される記憶装置とを有し、 前記制御ユニットは、前記格納値から、前記放射源のスペクトル特性を決定するための値を算出するものである装置において、 前記放射源は、そのスペクトル特性が前記所定波長範囲中で重畳するように選択され、 N2がN1以下であるとし、N1が1より大きいときに、1より大きい少なくともN2個の前記放射源のスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 前記検出器はM個のセンサを有し、それらセンサの前記所定波長範囲におけるスペクトル特性は該所定波長範囲を全てカバーするように重畳しており、Mは1より大きく、 M個の前記センサのスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 N2及びMの値を乗算して得られる積P(=N2*M)は1より大きく、 前記記憶装置内にP個の較正関数が格納され、それらは前記所定波長範囲に少なくとも一部がかかり、個々の機器により測定されるP個の標準サンプルのスペクトル強度分布とそれらの既知の反射スペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記反射スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立及び、全波長範囲が記録されるように少なくとも部分的に重畳し、前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル行程を決定できることを特徴とする装置。」 (2) 本件補正の目的について 本件補正は、本件補正前の請求項1、12に係る発明について「M2がM1以下であるとし」を「M2はM1に等しく」と限定的に減縮するものであって、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例とされる同法による改正前(以下、「平成18年改正前」という。)の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 第3 本願発明について (ア)平成18年4月5日付けの手続補正は、上記のとおり特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものに該当するものであるが、請求項1,12以外の請求項については実質的に補正がされていないものである。 ところで、平成18年改正前の特許法17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮に該当するかは、補正に係る個々の請求項に限定して判断すべきであるから、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1,12以外の、実質的に補正がされていない請求項に係る発明については、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)についての、いわゆる独立特許要件の判断を要しないものである。 そこで、実質的に補正がされていない本件補正後の特許請求の範囲の請求項20に記載された事項により特定される発明が、特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。 なお、この点に関して知財高裁判決(平成19年10月31日判決言渡:平成19年(行ケ)第10062号)は、 <<改正前特許法17条の2第4項柱書きは「・・・第1項第3号及び第4号に掲げる場合において特許請求の範囲についてする補正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。」と、同項1号は「・・・請求項の削除」、同項2号は「特許請求の範囲の減縮・・・」、同項3号は「誤記の訂正」、同項4号は「明りょうでない記載の釈明・・・」とそれぞれ規定し、また、同条5項は「第126条第4項の規定は、前項第2号の場合に準用する。」と、改正前特許法126条4項は「第1項ただし書第1号及び第2号の場合は、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。」と、それぞれ規定する。したがって、法は、特許請求の範囲の減縮に係る補正の場合のみ、いわゆる独立特許要件の有無を判断することを要するとし、その他の補正(例えば、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明に係る補正等)の場合にはいわゆる独立特許要件の有無を判断することを要しないこととなる。 ところで、改正前特許法17条の2第4項2号所定の特許請求の範囲に減縮に該当するか否かは、当該出願に係る特許請求の範囲の全体により判断すべきではなく、補正に係る個々の「請求項」に限定して判断すべきである。 けだし、出願人が、特定の請求項について、「誤記の訂正」ないし「明りょうでない記載の釈明」のみに係る補正をしたところ、他の請求項に「特許請求の範囲の減縮」に係る補正がされ、結果として出願に係る特許請求の範囲の全体として減縮しているという理由によって、特許請求の範囲の減縮に該当しない請求項について、いわゆる独立特許要件を充足しない限り、補正が認められないとすることは、そのような解釈を支える条文上の根拠がないというべきである。のみならず、そのような手続を前提とすると、出願人に不慮の不利益を及ぼす可能性を生じ、また、審査、審判の実務の煩雑化を招来することになる。その意味で、独立特許要件について「この要件が課されるのは限定的減縮に相当する補正がなされた請求項のみであり、これに相当しない『誤記の訂正』又は『明りょうでない記載の釈明』のみの補正がなされた請求項及び補正されていない請求項については、独立して特許を受けることができない理由が存在する場合に於いて、それを理由として補正を却下してはならない」とする審査基準に基づく運用は合理性があるというべきである。>>と判示しているところである。 (イ)本件出願に係る発明 上記「第2 平成18年4月5日付けの手続補正について」に記載したように、本件出願の請求項1?21に係る発明は、平成18年4月5日付け手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1?21に記載された事項により特定されるとおりのものであって、その請求項20に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものと認める。 「【請求項20】所定波長範囲におけるスペクトル放射を測定及び解析することにより色特性を検出する装置であって、 スペクトルがある波長範囲に分布する放射を発するN個の放射源と、 前記所定波長範囲内の放射を検出し、検出された放射の強度を表す電気信号を発生する検出器と、 本装置の放射を制御し、前記放射源が駆動されるように制御する制御ユニットと、 前記放射源に関する前記検出器により検出された値が記録及び格納される記憶装置とを有し、 前記制御ユニットは、前記格納値から、前記放射源のスペクトル特性を決定するための値を算出するものである装置において、 前記放射源は、Nが1に等しい場合に、前記所定波長範囲にわたる放射を発するように選択され、 前記検出器はM個のセンサを有し、それらセンサの前記所定波長範囲におけるスペクトル特性は該所定波長範囲を全てカバーするように重畳しており、Mは1より大きく、 M個の前記センサのスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 N及びMの値を乗算して得られる積P(=N*M)は1より大きく、 前記記憶装置内にP個の較正関数が格納され、それらは前記所定波長範囲に少なくとも一部がかかり、個々の機器により測定されるP個の標準サンプルのスペクトル強度分布とそれらの既知の反射スペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記反射スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立及び、全波長範囲が記録されるように少なくとも部分的に重畳し、前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル行程を決定できることを特徴とする装置。」 第4 引用刊行物記載の発明 原査定の拒絶の理由に引用された特開昭60-135832号公報(以下、「引用刊行物A」という。)には図面とともに、以下の事項が記載されている。 (A-1)「(産業上の利用分野) 本発明は、カラースキャナ・カラーファクシミリ・カラー複写機などにおいて、色原稿の色の判定に用いるために用いる色分離方式に関する。 (従来技術) カラースキャナ・カラーファクシミリなどにおいて、色原稿の色に含まれる三色(赤と緑と青)を光検知素子(例えば、電荷結合デバイス)で測光し、この測光量から色を判定し、あるいはCIEのRGB表色系の三刺激値R,G,Bで色を表示していた。 ところで、光感知素子や光源の分光特性が違うと、同じ色原稿についても測光量が変る。従来は、この分光特性が相違するごとに、赤,緑,青の標準色標などを用いて、色分離装置内の回路定数を調整しなければならなかった。さらに、このように調整しても、光源に蛍光燈や発光ダイオードを用いている場合は、分光特性は、温度により変るし、また、蛍光燈の場合は、周囲の温度によっても変り、このため、正常な色の判定ができなかった。」(1頁右下欄8行?2頁左上欄8行) (A-2)「(発明の目的) 本発明の目的は、色の判定に際し、光源や光感知素子の分光特性などが変化しても、正確な判定ができる色分離装置を提供することである。 ・・・ RGB表色系において、色Fは、一組の値(R,G,B)で表わされる。3つの原刺激I,J,K(波長の規定された赤,緑,青)を等エネルギースペクトルの白色光に等色した場合の原刺激I,J,Kの明るさ(測光量)を、それぞれ、L_(r),L_(g),L_(b)であるとする。次に、原刺激I,J,Kを適当に混色して色Fに等色した場合の原刺激I,J,Kの明るさ(測光量)を、それぞれP_(r),P_(g),P_(b)であるとする。このとき、色Fに対する原刺激の混合量(刺激値という)R,G,Bは、L_(r),L_(g),L_(b)を単位として、次のように表わせる。 R=P_(r)/L_(r),G=P_(g)/L_(g),B=P_(b)/L_(b) (1) すなわち、ベクトルで表現すると、 (R G B)=(M_(1),M_(2),M_(3))(P_(r )P_(g )P_(b)) (2) (当審注:(R G B)及び(P_(r )P_(g )P_(b))の行書きは列書きを意味する) ここに、 M_(1)=1/L_(r),M_(2)=1/L_(g),M_(3)=1/L_(b) (3) これを書きなおすと、 (M_(1 )M_(2 )M_(3))=(R,G,B)(1/P_(r) 1/P_(g) 1/P_(b)) (4) (当審注:(M_(1 )M_(2 )M_(3))及び(1/P_(r) 1/P_(g) 1/P_(b))の行書きは列書きを意味する) したがって、今、三刺激値R,G,Bの判明しているフィルタを用いて、このフィルタを透過する三刺激I,J,Kを測光すると、得られた測光量P_(r),P_(g),P_(b)から(4)式に従って、変換ベクトルが計算できる。 本発明による色分離方式による装置は、赤,緑,青のフィルタでそれぞれ被覆された3種の光感知素子を備え、色を判別すべき物体(色原稿)からの白色光源の反射光を測光し、・・・上記の物体からの光源の反射光を測光するようになっている。上記物体が挿入されていない状態では、可視光領域で一様に高い反射率を有する背面板からの反射光が上記光感知素子上に入射するようになっている。 今、上記知見に基づき、R,G,B値の判明しているフィルタ(無色のフィルタが好ましい)を背面板と光感知素子との間の光路に挿入し、三刺激値を測光すると、得られた測光量P_(r),P_(g),P_(b)と上記R,G,B値とから、(4)式に従って変換係数M_(1),M_(2),M_(3)が計算できる。次いで、物体の色を測光すると、(2)式に従って、三刺激値R,G,Bが求まる。この方法を用いると、光源や光感知素子などの特性のばらつき(温度変化、経年変化を含む)などは、変化ベクトルが総合的に繰り込まれるので、R,G,Bの値が、装置ごとに変わることなく、正確に決定できる。」(2頁左上欄9行?右下欄12行) (A-3)「(発明の構成) 色を判別すべき物体の光源からの反射光に含まれる赤,緑,青の三色を光感知素子で測光し、色を判別する色分離方式において、 上記の物体からの光が上記の光感知素子に入力しない状態で、上記の光源からの光が上記の光感知素子に直接または間接に入力するようにし、入射の光路に、CIEのXYZ表色系における既知のx,y,Yの値を有するフィルタを挿入して測光し、この測光量と上記のフィルタのx,y,Yの値とから、色を判定するための計算に用いる変換係数を計算し、物体の色を判定する前に、本方式の構成要素の特性のばらつきを、予め上記の変換係数に繰り込んで総合的に補正できることを特徴とする。 また、色の判別をすべき物体の色の判定の際、CIEのXYZ表色系におけるx,y,Yの値に変換し、x,yの値と所定の複数個の色とを対応させたxy色度図をもちいて上記物体の色の判別を行うことを特徴とする。 (実施例) 第2図は、本発明の実施例において、色原稿からの光を測光しているところを示す図式的な図である。色原稿1は、白色の原稿背面板2の上に置かれる。光源3は、第2図に矢印で示すように、色原稿1の原稿背面板2上の部分を照らす。色原稿1からの反射光4は、レンズ絞り5の開口を通り、レンズ6で集光されて、光感知素子7で測光される。光感知素子7は第3図に示すように光感知素子である電荷結合デバイス(CCD)の単一列からなるリニア・イメジ・センサである。リニア・イメジ・センサを構成する各素子S1,S2,・・・の上には、順次、赤(R),緑(G),青(B)のフィルタがかぶせてあり、一組の素子(たとえば、S1とS2とS3)が色原稿1の反射光4の中の赤,緑,青の明るさを測光し、この測光値から、上記のように、(9),(10)式を用いて下記の処理回路により、色を判定できる。 ところで、上記の原稿背面板2は、可視光領域で一様に高い反射率を有していて、そして、色原稿1が挿入されていないときには、原稿背面板2からの反射光が、光感知素子7上に至るようになっている。色分離装置の電源投入時に、または、色原稿が挿入されていないときに、既知のx,y,Y値を有する赤,緑,青の3個のフィルタ8,8,8を反射光の光路に順次挿入し、透過光の明るさV_(rp),V_(gp),V_(bp)(p=1,2,3)を測光する。第4図は、各フィルタ8の透過率のグラフである。下記の処理回路を用いて変換マトリックス(M_(ij))を求める。 第5図は、測光量から、変換マトリックス(M_(ij))を求め、また、色相を判定する処理回路の回路図である。光感知素子で測光された赤,緑,青の明るさP_(r),P_(g),P_(b)は、それぞれ、ADコンバータ11_(r),11_(g),11_(b)で・・・デジタル値に変換され、次いで、マトリックス計算回路12X,12Y,12Zと入力用メモリ13に入力される。一方、出力用メモリ14は、M_(11),M_(12),M_(13)をマトリックス計算回路12Xに、M_(21),M_(22),M_(23)をマトリックス計算回路12Yに、M_(31),M_(32),M_(33)をマトリックス計算回路12Zに出力している。マトリックス計算回路12X,12Y,12Zは・・・入力値V_(r),V_(g),V_(b)とマトリックス要素M_(ij)とから(8)式右辺のマトリックス計算を・・・行い、それぞれ、計算値X,Y,Zを出力する。変換回路15は・・・マトリックス計算回路12X,12Y,12Zからの入力値X,Y,Zを(7)式により、x,y値に変換して出力する。色判定回路も・・・輝度を表わすY値を出力するとともに、予め定めてある所定のm色とx,y値との対応により色を判別し、m個の色に対応する色判定出力C_(1),C_(2),・・・,C_(m)の中の判別された色判定出力の電圧を高レベルとする。 マトリックス計算回路17は・・・入力用メモリ13に記憶されている9個の測定量と、マトリックス計算回路17の中に記憶しているフィルタのX,Y,Zの値とから、(9)式に従い、その結果を出力メモリ14に出力する。・・・制御回路18は、変化マトリックスの計算を制御する。第6図は、この制御のフローチャートである。まず、制御回路18は、ドライバー回路19よりパルスモータ20を駆動する。このパルスモータ20の軸には、上記の3個のフィルタ8が接続されているが、そのうちの1個が原稿背面板2と光感知素子7との間の光路に挿入される(ステップP1)。光感知素子で測光された明るさP_(r),P_(g),P_(b)はそれぞれADコンバータ11_(r),11_(g),11_(b)によりデジタル値に変換された後、入力用メモリ13に記憶される(ステップP2)。次に、このフィルタ8を退避し、別のフィルタ8を上記の光路に挿入する(ステップ3)。次いで、同様に、光感知素子7による測光量P_(r),P_(g),P_(b)を入力用メモリ13に記憶する(ステップ4)。さらに、このフィルタ8を退避し、最後のフィルタ8を上記の光路に挿入する(ステップ5)。次いで、同様に、光感知素子7による測光量Pr,Pg,Pbを入力用メモリ13に記憶する(ステップ6)。次に、マトリックス計算回路17は、以上の9個の測光量と、上記3個のフィルタ8,8,8のX,Y,Z値とから、(9),(10)式に従って、マトリックスの要素M_(ij)を計算する(ステップ7)。そして、出力用メモリ14に出力する(ステップ8)。最後に、フィルタ8を退避する(ステップ9)。 色分離装置の電源を投入した時に、または、色原稿を挿入する前に、自動的に上の手順で変換マトリックス(M_(ij))を求めるようにしておくと、光源,光感知素子などの特性のばらつきを総合的に補正できる。」(3頁左下欄17行?5頁左上欄17行) (A-4)「なお、RGB表示系で色を判定する場合も、以上の場合と同様に、R,G,B値の判明しているフィルタ(無色のフィルタが好ましい)を背面板と光感知素子との間の光路に挿入し、三刺激値を測光すると、得られた測光量P_(r),P_(g),P_(b)と上記R,G,B値とから、(4)式に従って変換係数M_(1),M_(2),M_(3)が計算できる。次いで、物体の色を測光すると、(2)式に従って、三刺激値R,G,Bが求まる。この方法を用いると、光源や光感知素子などの特性のばらつき(温度変化、経年変化を含む)などは、変化ベクトルが総合的に繰り込まれるので、R,G,Bの値が、装置ごとに変わることなく、正確に決定できる。」(5頁右上欄10行?左下欄2行) (A-5)また、第4図には赤,緑,青の3つのフィルタ8の波長領域に対する各透過率が、一部の波長領域において重畳するように描かれている。 上記(A-1)?(A-5)の記載のうち上記(A-2)及び(A-4)の記載を特に参照すると、上記引用刊行物Aには、 「色を判別すべき物体(色原稿)からの白色光源の反射光を測光して、色の判定をする色分離装置であって、 白色光源と、 背面板、又は物体からの白色光源の反射光を測光量(明るさ)P_(r),P_(g),P_(b)として測光する赤,緑,青のフィルタでそれぞれ被覆された3種の光感知素子と、 R,G,B値の判明しているフィルタとを有し、 光源や光感知素子などの特性のばらつきを補正するために、 R,G,B値の判明しているフィルタを背面板と光感知素子との間の光路に挿入し、背面板からの白色光源からの反射光を測光して得られた測光量P_(r),P_(g),P_(b)と判明しているフィルタのR,G,B値とから変換ベクトル(M_(1 )M_(2 )M_(3))の変換係数M_(1 )M_(2 )M_(3)を計算して求めておき、次いで物体で反射した白色光源からの反射光を測光して得られた測光量P_(r),P_(g),P_(b)と変換ベクトル(M_(1 )M_(2 )M_(3))の変換係数M_(1 )M_(2 )M_(3)とから物体の三刺激値R,G,Bを求め、色を判別する色分離装置。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 また、同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開平5-223642号公報(以下、「引用刊行物B」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。 (B-1)「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、人間の肌やその周辺などの被測色物の色を測定するための測色方法及びその装置に関する。」こと、 (B-2)「【0007】図1に示すように、基準測色手段4は、例えば分光光度計であり、色彩基準値をRGBデータで得るべく予め基準色票を測色する。カラー画像入力手段1は、例えばカラービデオカメラ,カラーイメージスキャナであり、前記基準色票と被測色体とを含む被写体を同時または別個に撮像することによりRGBデータを得る。画像抽出手段2は、このカラー画像入力手段1で得たRGBデータの中から前記基準色票のRGBデータと前記被測色体のRGBデータを抽出する。演算手段3は、前記画像抽出手段2で得た基準色票のRGBデータと前記基準測色手段4で得た基準色票のRGBデータとの差分を求めこの差分を用いて少なくとも前記被測色体のRGBデータに対して補正を行なう。画像抽出手段2,演算手段3は、例えばCPU(中央処理装置),MPU(マイクロプロセッサユニット)である。」こと、 (B-3)「【0010】また、出力手段43は、例えばプリンタ,カラーモニタ,フロッピーディスクなどであり、演算手段3の結果を出力する。 図2は第2の発明に係る測色方法の原理フローである。基準測色ステップS1で、色彩基準値をRGBデータで得るべく予め基準色票を測色し、カラー画像入力ステップS2で、前記基準色票と被測色体とを含む被写体を同時または別個に撮像することによりRGBデータを得て、画像抽出ステップS3で、このカラー画像入力ステップ(S2)で得たRGBデータの中から前記基準色票のRGBデータと前記被測色体のRGBデータを抽出し、演算ステップS4において、前記画像抽出ステップ(S3)で得た基準色票のRGBデータと前記基準測色ステップ(S1)で得た基準色票のRGBデータとの差分を求めこの差分を用いて前記被測色体のRGBデータに対して補正を行なう。」こと、 (B-4)「【0025】ステップS11で、基準測色器44を用いて、予め図5に示すような基準色票50の黒51、灰52、白53、基準色票60の青61、緑62、赤63を測色し、色彩基準値をRGBデータで得る。 【0026】次に、ステップS12で、測色済みの前記基準色票50,60と被測色体としての人の顔72を含む被写体70をカラービデオカメラ11によって、同時に撮像することにより、RGBデータを得る。このとき、光源75から光を基準色票50,60と顔72とに照射して撮影を行なうが、光強度が同一レベルとなるように設定して行なう。なお、光強度条件が同じであれば、基準色票50,60と人の顔72とを別個に撮像してもよい。光源75は、人工照明であっても、太陽光であってもよい。 ・・・ 【0030】ステップS16で、画像抽出部32によって、画像メモリ21に記憶された被写体70のRGBデータの中から、前記カーソル80で指定した基準色票50,60及び顔72に対応する基準色票50,60のRGBデータと顔72のRGBデータを抽出する。 【0031】ステップS17で、比較部33によって、画像抽出部32で得た基準色票50,60のRGBデータと、色基準値メモリ42からの基準測色器44で得た基準色票50,60のRGBデータとを比較する。 【0032】さらに、ステップS18で、演算部34によって、両方のRGBデータの差分が最小になるような補正係数を求め、この補正係数だけ画像メモリ21の中の全てのRGBデータに対して補正を行なう。演算部34では、補正されたRGBデータをXYZ表色系の3刺激値XYZに変換し、この3刺激値XYZをマンセル表色系のH,V,Cに変換する。 ・・・ 【0041】そして、画像抽出部32によって、カラービデオカメラ11で得たRGBデータの中から基準色票50,60のRGBデータと顔72のRGBデータが抽出され、比較部33及び演算部34によって、画像抽出部32で得た基準色票50,60のRGBデータと基準測色器44で得たRGBデータとの差分が求められるで、基準色票50,60のRGBデータに対するカラービデオカメラ11のRGBデータの誤差が得られる。 【0042】さらに、顔72のRGBデータに対して差分だけ補正を行なうから、カラービデオカメラ11のRGBデータの誤差がなくなるので、測色精度を高めることができる。よって、測色方法及びその装置は、化粧品の色彩や人の肌色とその周辺の色の精度向上にも寄与できるという効果がある。」 第5 本願発明についての対比・判断 (5-1) 本願発明と引用発明とを対比する。 (i) 引用発明の(a)「色分離装置」、(b)「白色光源」、及び(c)「赤,緑,青のフィルタでそれぞれ被覆された3種の光感知素子」がそれぞれ本願発明の(a’)「装置」、(b’)「放射源」、及び(c’)「検出器」に相当する。 (ii) 引用発明の「色分離装置」は、物体で反射した白色光源からの反射光を赤、緑、青のフィルタでそれぞれ被覆された3種の光感知素子で測光し、測光された測光量P_(r),P_(g),P_(b)と変換ベクトル(M_(1 )M_(2 )M_(3))とから物体の三刺激値R,G,Bを求め、色を判別する装置であるから、本願発明の「所定波長範囲におけるスペクトル放射を測定及び解析することにより色特性を検出する装置」に相当する。 (iii) 上記引用刊行物Aの摘記事項(A-2)には「本発明による色分離方式による装置は、赤,緑,青のフィルタでそれぞれ被覆された3種の光感知素子を備え、色を判別すべき物体(色原稿)からの白色光源の反射光を測光・・・するようになっている。上記物体が挿入されていない状態では、可視光領域で一様に高い反射率を有する背面板からの反射光が上記光感知素子上に入射するようになっている。」と記載されていることから、引用発明の「白色光源」は、赤,緑,青のスペクトル領域を含む可視光領域をもつ光を放射する光源であって、本願発明の「スペクトルがある波長範囲に分布する放射を発するN個の放射源」の「N=1」の場合に相当する。さらに、引用発明の「白色光源」は、本願発明の「放射源」と同様に「前記放射源は、Nが1に等しい場合に、前記所定波長範囲にわたる放射を発するように選択され」るものである。 (iv) 引用発明の「3種の光感知素子」は、背面板、又は物体からの白色光源の反射光を測光量(明るさ)P_(r),P_(g),P_(b)として測光する光感知素子であるから、この光感知素子は白色光源の反射光に含まれる赤,緑,青の各スペクトルを検出することは明らかである。さらに、引用発明の「3種の光感知素子」は、上記引用刊行物Aの摘記事項(A-3)に記載されているように、電荷結合デバイス(CCD)で構成される光感知素子であるから、本願発明の「検出器」と同様に、「前記所定範囲内の放射を検出し、検出された放射の強度を表す電気信号を発生する」ものであり、さらに、引用発明の「3種の光感知素子」と本願発明の「検出器」とは「検出器はM個のセンサを有し、Mは1より大きく、M個の前記センサのスペクトル特性が互いに一次的に独立であ」る点で共通するものである。 (v) 上記(iii)及び(iv)の記載を参照すると、引用発明では、1つの白色光源と3種の光感知素子で色分離装置が構成されているから、N=1、M=3となり、P=N*M=1*3=3となり、引用発明の「色分離装置」は、本願発明と同様に「N及びMの値を乗算して得られる積P(=N*M)は1より大きく」構成されている。 (vi) 上記引用刊行物Aの摘記事項(A-4)には、「光感知素子で測光された赤,緑,青の明るさP_(r),P_(g),P_(b)は、それぞれ、ADコンバータ11_(r),11_(g),11_(b)で・・・デジタル値に変換され、次いでマトリックス計算回路12X,12Y,12Zと入力用メモリ13に入力される。一方、出力用メモリ14は、M_(11),M_(12),M_(13)をマトリックス計算回路12Xに、M_(21),M_(22),M_(23)をマトリックス計算回路12Yに、M_(31),M_(32),M_(33)をマトリックス計算回路12Zに出力している。」ことが記載されており、さらに、摘記事項(A-5)には「なお、RGB表示系で色を判定する場合も以上の場合と同様に、R,G,B値の判明しているフィルタ(無色のフィルタが好ましい)を背面板と光感知素子との間の光路に挿入し、三刺激値を測光すると、得られた測光量_(Pr,Pg,Pb)と上記R,G,B値とから、(4)式に従って変換係数M_(1),M_(2),M_(3)が計算できる。」と記載されていることから、引用発明においても、R,G,B値の判明しているフィルタを背面板と光感知素子との間の光路に挿入し、背面板からの白色光源からの反射光をフィルタを介して得られた測光量P_(r),P_(g),P_(b)をメモリに記憶し、メモリに記憶されているフィルタの判明しているR,G,B値とから変換ベクトル(M_(1 )M_(2 )M_(3))を計算し、計算された変換ベクトル(M_(1 )M_(2 )M_(3))の変換係数M_(1 ),M_(2 ),M_(3)をメモリに記憶しているものと推認され、引用発明の「色分離装置」も、本願発明と同様に「放射源に関する検出器により検出された値が記録及び格納される記憶装置とを有」するものである。 (vii) 上記引用刊行物Aには白色光源の発光を制御することが記載されていないものの、上記引用刊行物Aの摘記事項(A-3)には「色分離装置の電源を投入した時に、・・・自動的に上の手順で変換マトリックス(M_(ij))を求めるようにしておくと、光源,光感知素子などの特性のばらつきを総合的に補正できる。」ことが記載されていることから、引用発明の「色分離装置」は、電源投入して、色分離装置の白色光源を点灯するものである。そうすると、引用発明の「色分離装置」は、本願発明の「装置」と同様に「本装置の放射を制御し、前記放射源が駆動されるように制御する制御ユニット」を有することは明らかである。 また、上記引用刊行物Aの摘記事項(A-3)には、「まず、制御回路18は、ドライバー回路192よりパルスモータ20を駆動する。このパルスモータ20の軸には、上記の3個のフィルタ8が接続されているが、その内の1個が原稿背面板2と光感知素子7との間の光路に挿入される(ステップP1)。光感知素子で測光された明るさP_(r),P_(g),P_(b)はそれぞれADコンバータ11_(r),11_(g),11_(b)によりデジタル値に変換された後、入力メモリ13に記憶される(ステップP2)。次に、このフィルタ8を退避し、別のフィルタ8を上記光路に挿入する(ステップ3)。次いで、同様に、光感知素子7による測光量P_(r),P_(g),P_(b)を入力メモリ13に記憶する(ステップ4)。さらに、このフィルタ8を退避し、最後のフィルタ8を上記光路に挿入する(ステップ5)。次いで同様に、光感知素子7による測光量P_(r),P_(g),P_(b)を入力メモリ13に記憶する(ステップ6)。次に、マトリックス計算回路17は、以上の9個の測光量と、上記3個のフィルタ8,8,8のX,Y,Z値とから、(9),(10)式に従って、マトリックスの要素M_(ij)を計算する(ステップ8)。最後にフィルタ8を退避する(ステップ9)。 色分離装置の電源を投入した時に、・・・自動的に上の手順で変換マトリックス(M_(ij))を求めるようにしておくと、光源,光感知素子などの特性のばらつきを総合的に補正できる。」ことが記載され、さらに摘記事項(A-4)には、「なお、RGB表示系で色を判定する場合も以上の場合と同様に、R,G,B値の判明しているフィルタ(無色のフィルタが好ましい)を背面板と光感知素子との間の光路に挿入し、三刺激値を測光すると、得られた測光量P_(r),P_(g),P_(b)と上記R,G,B値とから、(4)式に従って変換係数M_(1),M_(2),M_(3)が計算できる。」と記載されているから、引用発明においても、変換マトリックス(M_(ij))を求める場合と同様に、色分離装置の電源を投入した時に、R,G,B値の判明しているフィルタを背面板と光感知素子との間の光路に挿入し、背面板からの白色光源からの反射光を測光して得られた測光量P_(r),P_(g),P_(b)をメモリに記憶し、記憶された測光量P_(r),P_(g),P_(b)とメモリに記憶されているフィルタの判明しているR,G,B値とから自動的に変換係数M_(1),M_(2),M_(3)を計算し、メモリに記憶するための「制御回路」が必要なことは明らかであり、さらに、電源を投入した時には上述したように白色電源を点灯する制御も行われることから、引用発明の制御回路は白色光源を制御することになる。そして、引用発明においても、この「制御回路」により、物体で反射した白色光源からの反射光を測光して得られた測光量P_(r),P_(g),P_(b)と変換ベクトル(M_(1 )M_(2 )M_(3))の変換係数M_(1 )M_(2 )M_(3)とから物体の三刺激値R,G,Bを求めており、この求めた三刺激値R,G,Bはスペクトル特性に相当することから、引用発明の「制御回路」と本願発明の「制御ユニット」とは「前記格納値から、測定物のスペクトル特性を決定するための値を算出するものである」点で共通するものである。 (viii) 引用発明の「変換ベクトル(M_(1 )M_(2 )M_(3))の変換係数M_(1 ),M_(2 ),M_(3)」は、上記引用刊行物Aの(A-2)の(4)式のごとくフィルタの判明しているR,G,B値と光感知素子で測定された測光量P_(r),P_(g),P_(b)を関係づけてメモリに記憶されるものであり、R,G,Bの各波長ごとに変換係数M_(1 ),M_(2 ),M_(3)が対応しており、ある特定の波長については、例えば、赤であれば変換係数M_(1)に対応する。 ところで、本願明細書の14頁14?21行の記載によれば、放射源Nが1に等しく、検出器Mが1より大きい場合に対応する本願発明の較正関数は、本願明細書11頁に記載の1.5式のK_(1)(λ)?K_(n)(λ)であり、1つの標準サンプルで1つの波長の区間Δλに対しては、本願明細書9頁23行の1.1式のI_(Δλ)=K_(1)L_(1)+K_(2)L_(12)・・・+K_(n)L_(n)で与えられ、標準サンプルn(当審注:標準サンプルmは標準サンプルnの誤記、本願明細書の10頁4行の「一次的に独立な光源の数nに等しいmの標準サンプル」の記載から明かである。)については、 I_(1λ)=K_(1λ)L_(11)+K_(2λ)L_(21)+・・・+K_(nλ)L_(n1) I_(2λ)=K_(1λ)L_(12)+K_(2λ)L_(22)+・・・+K_(nλ)L_(n2) ・ ・ ・ ・ ・ = ・ + ・ + ・ + ・ 1.2 ・ ・ ・ ・ ・ I_(nλ)=K_(1λ)L_(1n)+K_(2λ)L_(2n)+・・・+K_(nλ)L_(nn)で与えられる。(当審注:「K_(nλ)L_(nm)」は「K_(nλ)L_(nn)」の誤記) そして、本願明細書の11頁10?17行には「式1.2の右側では、離散的な係数K_(I、Δλ)が(当審注:「k_(I、Δλ)」は「K_(I、Δλ)」の誤記とした。)λの関数となり、転置の後、一連の式について以下の解が得られる。 ・・・ ・Li.kは動作光源が標準サンプルkに作用するときの測定センサ信号 ・Ik(λ)は、標準サンプルkの反射スペクトル ・K_(i)(λ)は、・・・較正関数(当審注:「k_(i)(λ)」は「K_(i)(λ)」の誤記とした。) である。」と記載されているから、上記の1.2式の右側の各係数K_(1λ)?K_(nλ)がλの関数となり、較正関数の1つの波長の区間Δλでの関数値は、K_(1)?K_(n)となる。 そうすると引用発明の、例えば1つの波長の区間である赤の波長領域の区間に対応する変換係数M_(1)が本願発明の較正関数の1つの波長の区間Δλでの関数値の例えばK_(1)に対応することになり、赤、緑、青の各波長領域の区間の各変換係数M_(1 ),M_(2 ),M_(3)がそれぞれ1つの波長区間の関数を形成し、その関数は1つの波長区間で1となるから、引用発明の「変換ベクトル(M_(1 )M_(2 )M_(3))の変換係数M_(1 ),M_(2 ),M_(3)」は本願発明の「較正関数」に相当する。 そして、「変換ベクトル(M_(1 )M_(2 )M_(3))の変換係数M_(1 ),M_(2 ),M_(3)」は、それぞれ、R、G、Bの波長に対応するから、本願発明と同様に「所定波長範囲に少なくとも一部がかか」るものである。 また、引用発明の「R,G,B値の判明しているフィルタ」は、本願発明の「標準サンプル」に相当する。そして、引用発明の、3種の光感知素子から得られた光のスペクトルである赤,緑,青の三つの原刺激I,J,Kの「測光量P_(r),P_(g),P_(b)」は、本願発明の「標準サンプルのスペクトル強度分布」に相当し、さらに、引用発明の判明しているフィルタの「R,G,B値」と本願発明の「既知の反射スペクトル」とは「既知のスペクトル」の点で共通するものであるから、引用発明の「変換ベクトル(M_(1 )M_(2 )M_(3))の変換係数M_(1 ),M_(2 ),M_(3)」と本願発明の「較正関数」とは、「それらは前記所定波長範囲に少なくとも一部がかかり、個々の機器により測定される標準サンプルのスペクトル強度分布とそれらの既知のスペクトルとの間の関係を決定するものであ」る点で共通する。 (ix)引用発明の「色識別装置」は、物体で反射した白色光源からの反射光の測光量P_(r),P_(g),P_(b)と計算で求められた変換ベクトル(M_(1 )M_(2 )M_(3))の変換係数M_(1 )M_(2 )M_(3)とから物体の三刺激値R,G,Bを求め、色を判別するものであり、反射光の物体の三刺激値R,G,Bを求めることは、反射光の赤、緑、青の各スペクトルを求めることになる。したがって、引用発明の「色分離装置」と本願発明の「装置」とは、「前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル行程を決定できる」点で共通するものである。 そうすると、本願発明と引用発明とは、 「所定波長範囲におけるスペクトル放射を測定及び解析することにより色特性を検出する装置であって、 スペクトルがある波長範囲に分布する放射を発するN個の放射源と、 前記所定波長範囲内の放射を検出し、検出された放射の強度を表す電気信号を発生する検出器と、 本装置の放射を制御し、前記放射源が駆動されるように制御する制御ユニットと、 前記放射源に関する前記検出器により検出された値が記録及び格納される記憶装置とを有し、 前記制御ユニットは、前記格納値から、測定物のスペクトル特性を決定するための値を算出するものである装置において、 前記放射源は、Nが1に等しい場合に、前記所定波長範囲にわたる放射を発するように選択され、 前記検出器はM個のセンサを有し、Mは1より大きく、 M個の前記センサのスペクトル特性が互いに一次的に独立であり、 N及びMの値を乗算して得られる積P(=N*M)は1より大きく、 前記記憶装置内に較正関数が格納され、それらは前記所定波長範囲に少なくとも一部がかかり、個々の機器により測定される標準サンプルのスペクトル強度分布とそれらの既知のスペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル行程を決定できることを特徴とする装置。」である点で一致し、次の相違点(あ)?相違点(う)で相違している。 ・相違点(あ) 決定するスペクトル特性が、本願発明では、「放射源のスペクトル特性」であるのに対して、引用発明では物体(色原稿)である点。 ・相違点(い) 本願発明の検出器はM個のセンサを有し、「それらセンサの前記所定波長範囲におけるスペクトル特性は該所定波長範囲を全てカバーするように重畳して」いるのに対して、上記引用刊行物Aにはそのような記載がない点。 ・相違点(う) 記憶装置内に較正関数が格納され、それらは個々の機器により測定される標準サンプルのスペクトル強度分布とそれらの既知のスペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立し、前記較正関数を、前記検出器により得られる被測定放射に関する前記測定値と結合することにより、前記被測定放射のスペクトル行程を決定する際に、 本願発明では、較正関数、標準サンプル、及びスペクトルがそれぞれ、「P個の較正関数」、「P個の標準サンプル」、「既知の反射スペクトル」であり、「P個の較正関数」は、「個々の機器により測定されるP個の標準サンプルのスペクトル強度分布とそれらの既知の反射スペクトルとの間の関係を決定するものであり、前記反射スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立及び、全波長範囲が記録されるように少なくとも部分的に重畳し」ているのに対して、引用発明ではそのような構成を備えていない点。 (5-2)当審の判断 ・相違点(あ)について 上記引用刊行物Aの摘記事項(A-2)に「3つの原刺激I,J,K(波長の規定された赤,緑,青)を等エネルギースペクトルの白色光に等色した場合の原刺激I,J,Kの明るさ(測光量)を、それぞれ、L_(r),L_(g)、L_(b)であるとする。次に、原刺激I,J,Kを適当に混色して色Fに等色した場合の原刺激I,J,Kの明るさ(測光量)を、それぞれP_(r),P_(g),P_(b)であるとする。このとき、色Fに対する原刺激の混合量(刺激値という)R,G,Bは、L_(r),L_(g)、L_(b)を単位として、次のように表わせる。 R=P_(r)/L_(r),G=P_(g)/L_(g),B=P_(b)/L_(b) (1)」と記載されているように、3つの原刺激値を混色して等色にする原理を用いており、この等色にする際の光は、引用発明のように、物体で反射した白色光源からの反射光だけでなく、光源から放射された光や、物体を透過した光においても適用できることは、例えば、「福田 保著、『色の測定と応用』、日刊工業新聞社、昭和37年7月31日発行、70頁末行から10?8行、参照」に記載されているように自明な事項であるから、引用発明においても、物体で反射した反射光を測光して得られた測光量P_(r),P_(g),P_(b)と変換係数M_(1 )M_(2 )M_(3)とから物体の三刺激値R,G,Bを求める代わりに、光源からの光を測光して得られた測光量P_(r),P_(g),P_(b)と変換係数M_(1 )M_(2 )M_(3)とから光源の三刺激値R,G,Bを求めること、すなわち、本願発明のごとく、決定するスペクトル特性が「放射源のスペクトル特性」であるようにすることは当業者が容易になし得るものである。 ・相違点(い)について 引用発明の、赤,緑,青のフィルタでそれぞれ被覆された3種の光感知素子は、白色光源からの各赤,緑,青の波長範囲のスペクトル光を感知するものであり、さらに、上記引用刊行物Aの摘記事項(A-5)に「第4図には赤,緑,青の3つのフィルタ8の波長領域に対する各透過率が、一部の波長領域において重畳する」ことが記載されていることから、引用発明の赤,緑,青のフィルタは、3つのフィルタ8と同様に、波長領域に対する各透過率が、一部の波長領域において重畳するものと推認されるものであり、この相違点は実質的な相違点とならないものである。 また、仮に、推認ができないとしても、各光感知素子が感知する光の波長範囲におけるスペクトル特性を所定の波長範囲を全てカバーするように重畳させることは周知(例えば、特開昭62-284226号公報の9頁右下欄4行?10頁左上欄5行、第10図(a)参照)であることから、引用発明明の赤,緑,青のフィルタでそれぞれ被覆された3種の光感知素子おいても、赤,緑,青のフィルタでそれぞれ被覆された3種の光感知素子の各スペクトル特性を所定の波長範囲を全てカバーするように重畳させることは当業者が容易になし得るものである。 ・相違点(う)について 光源や光感知素子などの分光特性を補正するために赤,緑,青等の標準色標を用いて色装置を補正することは上記引用刊行物Aの従来技術として摘記事項(A-1)に記載されているごとく周知である。そして、これらの標準色標が既知の既知のR,G,B値を有する標準サンプルであることは、上記引用刊行物Bの摘記事項(B-2)に「【0007】図1に示すように、基準測色手段4は、例えば分光光度計であり、色彩基準値をRGBデータで得るべく予め基準色票を測色する。」と記載されているように技術常識であり、また、これらの標準色標のR,G,B値は標準色標からの光の反射を測定して得られるものであり、さらに、各標準色標の反射する波長は、例えば、特開昭62-3628号公報の第5図に描かれているように、赤、緑、青の波長成分からなり、しかも標準色標ごとにその赤、緑、青の波長成分の大きさは独立して異なっていることから、各標準色標で反射される光は、既知の反射スペクトルであり、反射スペクトルのスペクトル特性は互いに一次的に独立及び、全波長範囲が記録されるように少なくとも部分的に重畳することは明らかである。 よって、引用発明においても、光源や光感知素子などの特性のばらつきを補正するために、R,G,B値の判明しているフィルタの代わりに、R,G,B値の判明している標準色標を背面板と光感知素子との間の光路に挿入して変換係数M_(1 )M_(2 )M_(3)を求めることは当業者が容易になし得るものである。 ところで、上記相違点(い)で検討したように、赤,緑,青のフィルタでそれぞれ被覆された3種の光感知素子の各スペクトル特性を所定の波長範囲を全てカバーするように重畳させる構成を採用した場合に、R,G,B値を有する標準色標の反射光を測定すると、例えば、G(緑)の波長領域では緑のフィルタで被覆された光感知素子から出力が発生するほかに、赤のフィルタでそれぞれ被覆された光感知素子や、青のフィルタで被覆された光感知素子からも出力が発生する。そして、他のR(赤)やB(青)の波長領域でも同様に赤のフィルタで被覆された光感知素子や青のフィルタで被覆された光感知素子から出力が発生するだけでなく、他のフィルタで被覆された光感知素子からも出力が発生することは明らかである。 そうすると、引用発明の摘記事項(A-2)の式(1)の例えばG値は各赤,緑,青のフィルタでそれぞれ被覆された3種の光感知素子からのそれぞれの出力である測光量を含むことになる。そこで、式(1)の例えば、G値の各赤,緑,青のフィルタでそれぞれ被覆された3種の光感知素子からのそれぞれの出力をそれぞれ、P_(rg)、P_(gg)、P_(bg)とし、そのときの3種の光感知素子からのそれぞれの出力に寄与する単位をL_(rg)、L_(gg)、L_(bg)をとすると、 G=P_(rg)/L_(rg)+P_(gg)、/L_(gg)+P_(bg)/L_(bg )(a) となることは明らかである。 このときL_(rg)、L_(gg)、L_(bg)は未知数であるから、この未知数を求めるには、R,G,B値の判明している3種類の標準色標を用いることが必要であることは数学的見て自明な事項であり、赤,緑,青のフィルタでそれぞれ被覆された3種の光感知素子の各スペクトル特性を所定の波長範囲を全てカバーするように重畳させる構成を採用した場合には、R,G,B値の判明している3種類の標準色標を用いて変換係数を求めることは当業者が容易に想到しうる事項である。 さらに、R,G,B値の判明している3種類の標準色標を用いた場合には、例えば緑の波長領域のG値に対して、上記(a)式の、1/L_(rg)、1/L_(gg),1/L_(bg )がそれぞれ変換係数になり、3個の較正関数、3個の標準色標となることから、本願発明と同様に、較正関数、標準サンプルがそれぞれ、「P個の較正関数」、「P個の標準サンプル」となることは明らかである。 また、3個の標準色標のR,G,B値はそれぞれ異なることから、標準色標の「反射スペクトルのスペクトル特性が互いに一次的に独立である」ことも自明な事項である。 そして、本願発明によってもたらされる効果は、引用発明及び周知の技術事項から予測される範囲内のものであり、格別のものではない。 したがって、本願発明は、引用発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるので、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は、拒絶をすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-10-27 |
結審通知日 | 2008-10-28 |
審決日 | 2008-12-18 |
出願番号 | 特願平8-510620 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G01J)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | ▲高▼場 正光 |
特許庁審判長 |
後藤 時男 |
特許庁審判官 |
信田 昌男 田邉 英治 |
発明の名称 | 色特性の測定及び解析用を主とするスペクトル放射を測定・解析する装置及び方法 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 渡邊 隆 |