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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B65C 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65C |
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管理番号 | 1200168 |
審判番号 | 不服2006-24883 |
総通号数 | 116 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2009-08-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-11-02 |
確定日 | 2009-07-15 |
事件の表示 | 平成 7年特許願第344195号「値付システム」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 7月15日出願公開,特開平 9-183426〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
I.手続の経緯 本願は,平成7年12月28日の出願であって,平成18年9月28日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,平成18年11月2日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに,平成18年12月4日付けで明細書についての手続補正がなされたものである。 II.平成18年12月4日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成18年12月4日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.補正後の本願発明 本件補正により,特許請求の範囲の請求項1は,次のように補正された。 「商品を指定する指定手段と,商品毎に印字情報を記憶する記憶手段と,前記指定手段によって商品が指定されると,前記記憶手段に記憶されている該商品の印字情報に基づいて,ラベルを発行するラベル発行手段とからなる値付システムにおいて,画像表示手段を具備し,前記記憶手段は,商品毎に,正しい位置と向きでラベルが貼り付けられた商品の画像情報も記憶し,前記画像表示手段は,ラベル発行の際に,前記指定手段によって商品が指定されると,前記記憶手段に記憶されている該商品の画像情報に基づいて,該商品の画像を表示し,ラベル貼付作業者にラベル貼付位置と向きを画像により指示することを特徴とする値付システム。」 2.補正の目的,特許請求の範囲の拡張,変更及び新規事項の追加の有無 本件補正は,請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「画像表示手段」に,「ラベル発行の際に,」との限定を付加するものであり,かつ,補正後の請求項1に記載された発明は,補正前の請求項1に記載された発明と,産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。そして,本件補正は,新規事項を追加するものではない。 3.独立特許要件 そこで,本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下,「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。 3-1.引用例の記載事項 (1)引用例1 原査定の拒絶の理由に引用された,特開平7-148987号公報(以下,「引用例1」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。 (a)(特許請求の範囲の請求項1) 「各商品毎に品名,単価等の商品情報を記憶した商品情報記憶手段を備え,商品の指定入力により前記商品情報記憶手段から前記商品に対応する商品情報を呼出し,この呼出した商品情報に基づいて値付ラベルを印字発行するラベルプリンタにおいて,発行した前記値付ラベルを商品に貼付ける値付作業に付随して行われる付属作業の情報が各商品毎に記憶された付属作業情報記憶手段と,商品の指定入力により前記付属作業情報記憶手段から前記商品に対応する付属作業情報を呼出す付属作業情報呼出手段と,この付属作業情報呼出手段により呼出された付属作業情報を出力する付属作業情報出力手段とを設けたことを特徴とするラベルプリンタ。」 (b)(段落0002?0006) 「【0002】 【従来の技術】 一般にラベルプリンタでは,通常各商品毎に,品番(商品コード),品名,単価,有効期間等の商品情報を記憶したPLUファイルを備えたものが知られている。 【0003】 従来のラベルプリンタでは,品番をキーボードのテンキー等を用いて入力すると,その品番に対応してPLUファイルに記憶された品名,単価,有効期間等の商品情報を呼出し,この呼出した商品情報に基づいて,品名,単価,内容量,値段等の値付情報が印字された値付ラベルを発行する。 【0004】 この発行された値付ラベルが商品に貼付けられ,値付ラベルを貼付けられた商品が店の陳列場所,例えば陳列棚に陳列されて販売される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかし,商品によっては商品を陳列場所に陳列するためには,商品に値付ラベルを貼付ける値付作業に伴って,商品に添え物,例えば葉蘭や菊の花等を添え, 「お買得」や「特売品」等の商品宣伝用のPOPシールを貼付ける等の付属作業を行う必要がある。しかし,この付属作業は商品毎に作業内容が異なり,商品知識のある作業員しかできないという問題があった。 【0006】 そこでこの発明は,値付ラベルを貼付ける値付作業に伴って行なわれる付属作 業の案内指示を行うことができ,商品知識のない作業員にも値付作業及び付属作 業を行うことができるようにしたラベルプリンタを提供することを目的とする。」 (c)(段落0010?0023) 「【0010】 図1は,この発明を適用したラベルプリンタの概略の回路構成を示すブロック図で,1は,制御部本体を構成するCPU(central processing unit )である。 【0011】 このCPU1が行う処理のプログラムデータが記憶されたROM(read only memory)2,前記CPU1が処理を行う時に使用する各種メモリのエリアが形成されたRAM(random access memory)3,品番やPLUデータ等が入力されるキーボード4とのデータの伝送制御を行うキーボードインターフェイス5,表示器6を制御する表示コントローラ7,ラベル発行装置8との伝送制御を行う発行装置インターフェイス9は,それぞれシステムバス10を介して前記CPU1と接続されている。 【0012】 前記RAM3には,商品情報記憶手段としてPLU(price look up )メモリ3aが形成され,このPLUメモリ3aには,図2に示すように,品番,品名,値段,…,商品値付作業情報等のPLUデータ(商品情報)が記憶された各種データエリアが形成されている。 【0013】 付属作業情報記憶手段としての前記商品値付作業情報のデータエリア31には,さらに添え物,シール等の商品値付作業情報(付属作業情報)が記憶されたデータエリアが形成されている。 【0014】 図3に,前記キーボード4がキー入力操作されたときに,前記CPU1が行うPLU処理の流れを示す。 【0015】 まず,キーボード4からのキー入力が品番呼出しのための入力か否かを判断する。 【0016】 キーボード4からのキー入力が品番呼出しのための入力でなければ,そのキー入力がPLUデータの設定のための入力か否かを判断し,そのキー入力がPLUデータの設定のための入力でなれば,再びこのPLU処理の最初の処理に戻るようになっている。また,そのキー入力がPLUデータの設定のための入力ならば,キーボード4からのキー入力を処理してPLUデータの設定の処理を行い,その処理を終了すると,PLUデータの設定の処理を継続するか否かを判断する。ここでPLUデータの設定の処理を継続するならば,前述のPLUデータの設定の処理に戻るようになっており,PLUデータの設定の処理を継続しないならば,再びこのPLU処理の最初の処理に戻るようになっている。 【0017】 また,キーボード4からのキー入力が品番呼出しのための入力ならば,PLUメモリ3aからそのキー入力された品番に対応する品名,値段,…,商品値付作業情報,…等のPLUデータを呼出し(付属作業情報呼出手段),この呼出したPLUデータに基づいて,商品値付作業情報のデータエリア31から呼出した添え物及びシール等の商品値付作業情報を表示器6に表示出力する(付属作業情報出力手段)。 【0018】 この商品値付作業情報の表示器6への表示出力を終了すると,このPLU処理を終了するようになっている。 【0019】 このPLU処理が終了すると,図示しないラベル発行キーの入力などにより,前記CPU1は,PLUメモリ3aから呼出したPLUデータに基づいて,前記ラベル発行装置8に値付ラベルの発行を指示する。このラベル発行装置8は,CPU1から転送されたデータに基づいて値付ラベルを印字して発行するようになっている。 【0020】 このような構成の本実施例においては,キーボード4によりキー入力が行われると,PLU処理が行われる。 【0021】 ここで,キーボード4からのキー入力が,PLUデータの設定の処理のための入力ならば,PLU設定の処理が行われる。 【0022】 また,キーボード4からのキー入力が,品番呼出しのための入力ならば,PLUメモリ3aから品名,値段,…,商品値付作業情報,…等が各種PLUデータが呼出される。さらに,呼出したPLUデータに基づいて,呼出した商品値付作業情報の添え物及びシール等のデータが,表示器6に表示出力される。 【0023】 一方,ラベル発行キーが押下されると,呼出されたPLUデータに基づいて,ラベル発行装置8から値付ラベルが印字発行される。」 (d)(段落0025?0027) 「【0025】 さらに,呼出した添え物「菊」及びシール「POP1」のデータを表示器6に表示出力する。このときの表示器6の表示画面を図4に示す。 【0026】 すなわち,表示画面の左上には,登録モードであることを示す「登録」という文字が表示され,さらに,中央上段の枠の中には,「品名」として「さんま」という文字が表示されている。中央下段の枠の中には,「値段」として「350円」という文字が表示されている。この中央下段の枠の下部には,「添え物:菊」,「POPシール:特売品」という文字が表示されている。なお,POP1は,他のファイルにより「特売品」というデータと対応するようになっている。 【0027】 従って,値付作業者は,ラベル発行装置8から発行された値付ラベルを,商品「さんま」に貼付ける値付作業を行う時には,表示器6の表示により,添え物として菊を添え,また,「特売品」という文字が印刷されているPOPシール(POP1)を値付ラベルと共に貼付けることを知る。」 (e)(段落0033) 「また,この通信インターフェイスを設けて,回線を介してホストコンピュータ等の外部機器と接続し,PLUデータがホストから送信されてPLUメモリが設定されるラベルプリンタにも,すなわち,商品値付作業情報がホストコンピュータ等の外部危機からの送信により設定されるラベルプリンタにも,この発明は適用できるものである。」 これら記載事項及び図示内容を総合し,本願発明の記載ぶりに則って整理すると,引用例1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されている。 「商品を指定するキーボードと,商品毎に商品情報を記憶する商品情報記憶手段と,前記キーボードによって商品が指定されると,前記商品情報記憶手段に記憶されている該商品の商品情報に基づいて,値付ラベルを発行するラベル発行装置とからなるラベルプリンタにおいて,表示器を具備し,前記商品情報記憶手段は,商品毎に,ラベルが貼り付けられた商品の情報も記憶し,前記表示器は,ラベル発行の際に,前記キーボードによって商品が指定されると,前記商品情報記憶手段に記憶されている該商品の情報に基づいて,該商品の商品値付作業情報を表示し,作業員に指示することを特徴とするラベルプリンタ。」 (2)引用例2 同じく引用された特開平7-334758号公報(以下,「引用例2」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。 (f)(特許請求の範囲の請求項1,2) 「【請求項1】 商品のバーコードを読み取るスキャナ部と,コマンドの入力するキー部と,商品の音声データを記憶する音声記憶手段と,商品の画像データを記憶する画像記憶手段と,商品の音声を発生させる音声発生手段と,商品の画像と取引情報を表示させる画像表示手段と,これら各要素を制御する制御部とを具備することを特徴とするPOSレジスター。 【請求項2】 商品に印刷または貼付されたバーコードを読み取るスキャナ部と, 商品のバーコードを直接入力したり,合計を計算させるためのコマンドを入力するキー部と,入出力装置の制御,登録された商品の音声・画像・文字データの検索および,音声・画像データの変換処理などを行なう制御部と,商品のバーコードをキーとして,コードに対応した商品音声データを検索するために用いられる音声記憶手段と,商品のバーコードをキーとし,コードに対応した商品画像データを検索するのに用いられる画像記憶手段と,商品のバーコードをキーとし,コードに対応した商品文字データを検索するのに用いられる文字情報記憶手段と,音声データが入力されることにより音声を発生する音声発生手段と,画像データおよび文字データが入力されることにより,商品画像,商品文字データを表示する画像表示手段とを具備することを特徴とするPOSレジスター。」 (g)(段落0007) 「……画像表示手段7は,画像データおよび文字データが入力されることにより,商品画像,商品文字データを表示する。」 (h)(段落0008) 「顧客当りの本POSレジスターの動作を説明する。顧客の売上商品はオペレータにより一品ずつスキャナ部11でスキャンされる。一品スキャンするごとに制御部2はスキャナ部11より出力されたバーコードの数字列により音声記憶手段3と,画像記憶手段4と,文字情報記憶手段5の検索を行なう。制御部2は,音声記憶手段3から検索された音声コードより,商品名,価格を参照し,音声データへと変換する。音声発生手段6は,入力された音声データを基に音波に変換を行ない,商品名と価格を「○○○ ××エン」と発生する。また,画像記憶手段4より検索された画像コードを画像データに変換するとともに文字情報記憶手段5より検索された文字情報を画像データと合成する。画像表示手段7は,画像と文字の合成データを映像信号に変換し,商品画像,文字情報として画面に表示する。」 (i)(段落0010) 「……以上説明したように,本発明は,POSレジスターより商品の画像を表示させるとともに,商品の名称,価格などを音声によりオペレータおよび客に通知することにより,商品の値段や個数の入力間違えを防止し,情報確認の確実性を高める効果を奏する。」 (3)引用例3 同じく引用された特開平5ー73773号(以下,「引用例3」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。 (j)(特許請求の範囲の請求項1,2) 「【請求項1】 商品コードを入力する入力装置と,前記商品コードに対応する商品の価格を含む商品関連文字情報を格納する第1の記憶装置と,前記商品コードの入力に従って前記第1の記憶装置に格納されている前記商品関連文字情報を出力する出力装置からなる商品管理装置において,前記商品の画像情報を格納する第2の記憶装置を設け,前記出力装置は,前記商品関連文字情報を出力する際に,前記第2の記憶装置に格納されている前記画像情報を出力することを特徴とする商品管理装置。 【請求項2】 請求項1の商品管理装置において,前記出力装置は,前記商品関連文字情報を前記画像情報と重ね合わせて出力することを特徴とする商品管理装置。」 (k)(段落0016) 「【作用】 上記本発明の望ましい実施態様によれば,従来の商品名の文字表示に代えて商品を画像表示するので,表示内容の確認の困難さを軽減することができる。またその変形例によれば,商品価格と同一画面への表示や重ね合わせ表示することにより,表示内容を短時間で確認できる。さらに他の変形例によれば,現商品の画像を表示できるので,表示内容の確認のための負担を軽減できるという効果も得られる。さらに他の変形例によれば,画像データが接続する他の商品に関する管理装置の記憶装置に格納されるので,該商品管理装置の必要な記憶装置の容量を少なくすることができ,さらに該商品管理装置を小型にすることができる。」 (l)(段落0029) 「表示部13の表示画面例を図5及び図6に示す。図5では,左が画像表示エリアであり,商品の画像を表示し,右が文字表示エリアで価格を表示している。なお,画像表示エリアと文字表示エリアの位置及び大きさの関係は任意でよい。……」 (m)(段落0043) 「図14にステップ7004?7006および7008により表示されたデータの表示部13への表示例を示す。図14に示す表示例では,左側の画像表示エリ-アに商品の画像が表示され,右側の文字表示エリアには,上から商品名,発注先,入力した発注数“20”が表示されている。」 3-2.対比 本願補正発明と引用発明とを対比すると,その構造または機能からみて,引用発明の「キーボード」は本願補正発明の「指定手段」に相当し,以下同様に,「商品情報」は「印字情報」に,「ラベル発行装置」は「ラベル発行手段」に,商品情報記憶手段」は「記憶手段」に,「値付ラベル」は「ラベル」に,「ラベルプリンタ」は「値付システム」に,「表示器」は「表示手段」に,「作業員」は「ラベル貼付作業者」にそれぞれ相当する。 そこで,本願補正発明の用語を用いて表現すると,両者は次の点で一致する。 (一致点) 「商品を指定する指定手段と,商品毎に印字情報を記憶する記憶手段と,前記指定手段によって商品が指定されると,前記記憶手段に記憶されている該商品の印字情報に基づいて,ラベルを発行するラベル発行手段とからなる値付システムにおいて,表示手段を具備し,前記記憶手段は,商品毎に,ラベルが貼り付けられた商品の情報も記憶し,前記表示手段は,ラベル発行の際に,前記指定手段によって商品が指定されると,前記記憶手段に記憶されている該商品の情報に基づいて,該商品を表示し,ラベル貼付作業者に指示することを特徴とする値付システム。」 そして,両者は下記の点で相違する。 なお,対応する引用例記載の用語を括弧内に示してある。 (相違点) 本願補正発明は,正しい位置と向きでラベル(値付ラベル)が貼り付けられた商品の画像情報に基づいて,ラベル貼付作業者(作業員)にラベル貼付位置と向きを画像により指示するのに対し,引用発明のものは,ラベル貼付作業者(作業員)に指示するための商品の情報が画像情報でない点。 3-3.相違点の判断 (相違点について) 一般に,POSシステムなどの値付システムの分野において,画像情報を用いて商品の表示を行うことは,引用例2及び引用例3に記載されているとおり,従来周知の技術的事項である(上記3-1(2)(g),同(3)(l)等参照)。 そして,一般に,正しい荷姿の画像情報を表示することにより、作業者に正しい位置と向きなど,所望の荷姿を指示することも、従来周知の技術的事項である(例えば,特開平5-61878号公報、特開平7-24673号公報等参照)。 そうすると,引用発明に,上記のような従来周知の技術手段を適用して,相違点に係る本願補正発明の構成のようにすることは当業者が容易に想到し得たことである。 そして,本願補正発明による効果も,引用発明及び周知技術手段から当業者が予測し得た程度のものであって,値付けシステム特有の格別のものとはいえない。 したがって,本願補正発明は,引用発明及び周知の技術手段に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができない。 3-4.むすび したがって,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので,特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 III.本願発明 本件補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1ないし7に係る発明は,平成18年2月1日付けの手続補正書により補正された明細書の,特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ,請求項1に記載された発明(以下,「本願発明」という。)は,以下のとおりのものである。 「商品を指定する指定手段と,商品毎に印字情報を記憶する記憶手段と,前記指定手段によって商品が指定されると,前記記憶手段に記憶されている該商品の印字情報に基づいて,ラベルを発行するラベル発行手段とからなる値付システムにおいて,画像表示手段を具備し,前記記憶手段は,商品毎に,正しい位置と向きでラベルが貼り付けられた商品の画像情報も記憶し,前記画像表示手段は,前記指定手段によって商品が指定されると,前記記憶手段に記憶されている該商品の画像情報に基づいて,該商品の画像を表示し,ラベル貼付作業者にラベル貼付位置と向きを画像により指示することを特徴とする値付システム。」 IV.引用例の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は,前記II.3-1に記載したとおりである。 V.対比・判断 本願発明は,前記II.1の本願補正発明から,「画像表示手段」の限定事項である「ラベル発行の際に」という構成を省いたものである。 そうすると,本願発明の構成要件をすべて含み,さらに,他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が,前記II.3-3に記載したとおり,引用発明及び周知の技術手段に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も,同様に,引用発明及び周知の技術手段に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。 VI.むすび 以上のとおり,本願発明は,引用発明及び周知の技術手段に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。 それゆえ,本願出願は,特許請求の範囲の請求項2ないし請求項7に係る発明について検討するまでもなく,拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-11-14 |
結審通知日 | 2008-11-18 |
審決日 | 2008-12-03 |
出願番号 | 特願平7-344195 |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(B65C)
P 1 8・ 121- Z (B65C) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 白川 敬寛 |
特許庁審判長 |
松縄 正登 |
特許庁審判官 |
村山 禎恒 佐野 健治 |
発明の名称 | 値付システム |
代理人 | 村山 靖彦 |
代理人 | 高橋 詔男 |
代理人 | 鈴木 三義 |
代理人 | 西 和哉 |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 青山 正和 |