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審決分類 審判 全部無効 1項3号刊行物記載  A63F
審判 全部無効 2項進歩性  A63F
管理番号 1200682
審判番号 無効2008-800270  
総通号数 117 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-09-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2008-12-03 
確定日 2009-06-29 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第4038014号発明「遊技機」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件出願からの主立った経緯を箇条書きにすると次のとおりである。
・平成12年12月6日 特願2000-371731号として本件出願
・平成19年11月9日 特許第4038014号として設定登録(請求項数2)
・平成20年12月4日 本件審判請求(書面に記載された日付は同月3日)
・平成21年2月13日 被請求人より答弁書及び訂正請求書提出(いずれも書面に記載された日付は同月12日)
・同年3月24日 請求人より弁駁書提出(書面に記載された日付は同月23日)

第2 当事者の主張
1.請求人の主張
(1)無効理由1
被請求人が行った訂正請求については争わない。
訂正前の請求項1には「前記有利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出させる」とあるが、不利な遊技状態において「前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出させる」かどうかの限定はない。
不利な遊技状態においても「前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出させる」との解釈が可能であり、同解釈であれば請求項1に係る発明は、甲第1号証記載の発明(以下「甲第1号証」を「甲1」と、「甲第1号証記載の発明」を「甲1発明」などと略記する。他の甲号証についても同様。)と同一発明(特許法29条1項3号該当)であり、請求項2に係る発明は甲1発明及び甲2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、請求項1,2の特許は特許法29条1項又は2項の規定に違反してされた特許であるから、同法123条1項2号の規定により無効とされるべきである。

(2)無効理由2
訂正前の請求項1の上記記載を、不利な遊技状態においては音出力手段に待機画面に応じた音を出させないと善解した場合には、請求項1,2の発明は甲1?甲4記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1,2の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であり、同法123条1項2号の規定により無効とされるべきである。

2.被請求人の主張
訂正により、請求人が主張する事項については、不利な遊技状態においては音出力手段に待機画面に応じた音を出させないことが明らかとなった。そのため、無効理由2についてのみ反論する。
甲2?甲4には、遊技状態の種類を判別し、その判別結果に応じて音を変化させることが記載されているだけである。甲1発明は、遊技状態の種類の判別を行うことなく「デモンストレーション信号」に応じた「効果音」を出力するものであるから、甲2?4記載の技術を甲1発明に適用しても、「デモンストレーション画面」の表示中において、遊技状態の種類の判別を行うことなく「デモンストレーション信号」に応じた「効果音」を出力することに変わりはない。

3.請求人が提出した証拠
請求人が提出した書証は次のとおりである。
甲第1号証:特開2000-116845号公報
甲第2号証:特開平11-70215号公報
甲第3号証:特開平9-192296号公報
甲第4号証:特開2000-126365号公報
甲第5号証:特許第4038014号公報(本件特許公報)

第2 訂正の許否の判断
1.訂正事項
平成21年2月13日付けの訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)は以下の訂正事項からなる。
[訂正事項ア]訂正前請求項1記載の「前記有利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出させることを特徴とする」を「前記有利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させ、前記不利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させないことを特徴とする」と訂正する。

[訂正事項イ]明細書の段落【0012】の「本発明の遊技機は、遊技に必要な複数の図柄を可変表示する可変表示手段と、前記図柄の可変表示とは別の表示である待機画面を表示する別表示手段と、音を出す音出力手段と、前記可変表示手段、前記別表示手段及び前記音出力手段の動作を制御し、遊技者にとって有利な遊技状態への移行をするか否かを決定する制御手段とを備えた遊技機において、前記制御手段は、前記有利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出させることを特徴とする。」との記載を「本発明の遊技機は、遊技に必要な複数の図柄を可変表示する可変表示手段と、前記図柄の可変表示とは別の表示である待機画面を表示する別表示手段と、音を出す音出力手段と、前記可変表示手段、前記別表示手段及び前記音出力手段の動作を制御し、遊技者にとって有利な遊技状態を発生させる制御手段とを備えた遊技機において、前記制御手段は、前記遊技者にとって有利な遊技状態と、この遊技状態に比して遊技者にとって不利な遊技状態と、において、一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態の場合に、前記別表示手段を介して同一の待機画面を表示する制御機能を有し、前記有利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させ、前記不利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させないことを特徴とする。」と訂正する。

[訂正事項ウ]添付図面の【図10】を訂正する。具体的には、ST53の判断がNOの場合に、訂正前にはST51に移行すると図示していたものを、ST53の判断がNOの場合にST55に移行するように訂正する。

2.訂正目的の検討
(1)訂正事項アについて
訂正事項アに関する訂正前の記載は、請求人が無効理由1の根拠とした記載であり、文言上は、不利な遊技状態において「前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出させる」かどうかの限定はない。
しかし、請求項1には訂正前においても「前記制御手段は、前記遊技者にとって有利な遊技状態と、この遊技状態に比して遊技者にとって不利な遊技状態と、において、一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態の場合に、前記別表示手段を介して同一の待機画面を表示する制御機能を有し」との限定があり、非遊技状態であれば遊技状態が有利か不利かに関係なく「別表示手段を介して同一の待機画面」を表示する。
他方、訂正前の発明は「遊技者が特別の遊技中に何らかの理由で一時的に遊技機から離れている場合は、待機画面が表示されていても、それは特別遊技中の中断であり、当該遊技者が戻ってきてゲームを再開することになる。それ故、その遊技機でゲームをしようと考えた他の遊技者は意欲を損なうか、或いは他の遊技者が当該遊技機でゲームを開始してしまったときには、先の遊技者との間でトラブルが生じ得る。」(段落【0009】)ことを解決し、「待機画面が表示されている状態が、本当の非遊技状態なのか或いは特別遊技の中断している状態であるかを区別できる遊技機を提供すること」(段落【0011】)を目的としてなされた発明である。
そして、非遊技状態であれば遊技状態が有利か不利かに関係なく同一の待機画面を表示する以上、待機画面によって「特別遊技中の中断」かどうかを区別することはできず、区別のために「前記有利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出させる」との構成を採用したと解すべきであるから、不利な遊技状態において「前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出させる」ことはないと解さねばならない。
訂正事項アは、そのことを明文化したものであるから、明りようでない記載の釈明を目的とするものと認める。

(2)訂正事項イについて
明細書の段落【0012】は【課題を解決するための手段】を記載した段落であり、【課題を解決するための手段】は特許請求の範囲に反映される。
訂正事項イは、特許請求の範囲【請求項1】の記載ぶりと段落【0012】の記載ぶりが、訂正前において異なっていた部分を整合させるとともに、本件訂正により請求項1の記載ぶりが変更された点についても整合を図るものであるから、明りようでない記載の釈明を目的とするものと認める。

(3)訂正事項ウについて
発明の詳細な説明には、「サブCPU74は、現在の遊技状態が「CT遊技状態」であるかどうかを判別する(ST53)。具体的には、主制御回路71により送信された「遊技状態コマンド」に基づいて判別する。ST53の判別が“YES”のときは、ST54の処理に移り、“NO”のときは、ST55の処理に移る。」(段落【0071】)との記載があり、同記載は訂正前の【図10】と整合しないから、段落【0071】又は【図10】の何れかが誤記と解すべきである。
訂正前の【図10】によれば、CT遊技状態でない場合に待機画面表示コマンドを受信すれば、ST51の「待機画面表示コマンドを受信したか?」、ST52の「待機画面を表示」、ST53の「現在CT遊技状態か?」の間でループすることになり、ST55の「コイン投入コマンド受信したか?」に移行せず、ST56の「待機画面表示を終了」及びST57の「待機画面用の音消音処理」を実行することができず、著しく不可解かつ不都合なことは明白である。
他方、段落【0071】記載のとおり、ST53の判別が“NO”のときはST55の処理に移るのであれば、ST53の判別結果はST54の「待機画面用の音を出音」するかどうかに影響するだけであり、CT遊技状態でない場合に待機画面表示コマンドを受信しても、ST55の「コイン投入コマンド受信したか?」に移行し、ST56の「待機画面表示を終了」及びST57の「待機画面用の音消音処理」を実行することができ、合理的である。
そうである以上、段落【0071】の記載が正しく、【図10】が誤りであると解さざるを得ず、訂正事項ウは【図10】の誤りを正すものであるから、誤記の訂正を目的とするものと認める。
なお、被請求人は訂正事項ウにつき、明りようでない記載の釈明を目的とする旨主張するが、訂正前の【図10】は明らかに誤記であり、この主張は認めない。

3.新規事項追加及び特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項ア,イについては、前項(1)で検討したとおり、訂正前においても不利な遊技状態において音出力手段に待機画面に応じた音を出力させないと解すべきであり、訂正前の「「CT遊技状態」において待機画面が表示された場合には、プロペラ飛行機99のプロペラが回転する音、例えば「プルプルプル」という音がスピーカ21L,21Rから出される。「CT遊技状態」以外の遊技状態において待機画面が表示された場合には、このプロペラ機99のプロペラの音は出されない。」(段落【0057】)との記載からみても、新規事項追加に該当しないことが明らかである。
訂正事項ウは誤記の訂正を目的とするものであるところ、願書に最初に添付した明細書の段落【0071】には「サブCPU74は、現在の遊技状態が「CT遊技状態」であるかどうかを判別する(ST53)。具体的には、主制御回路71により送信された「遊技状態コマンド」に基づいて判別する。ST53の判別が“YES”のときは、ST54の処理に移り、“NO”のときは、ST55の処理に移る。」と記載されており、訂正事項ウはこの記載に基づくものであるから、これも新規事項追加に該当しない。
また、訂正事項ア?ウが、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでないことも明らかである。

4.訂正の許否の判断の結論
以上のとおり、本件訂正は特許法134条の2第1項の規定並びに同条5項で準用する同法126条3項及び4項の規定に適合する。
よって、本件訂正を認める。

第3 本件審判請求についての判断
1.本件発明の認定
本件訂正が認められるから、請求項1,2に係る発明(以下「本件発明1」及び「本件発明2」という。)は、訂正請求書に添付された訂正明細書の特許請求の範囲【請求項1】及び【請求項2】に記載された事項によって特定されるものであり、それらの記載は次のとおりである。
【請求項1】
遊技に必要な複数の図柄を可変表示する可変表示手段と、
前記図柄の可変表示とは別の表示である待機画面を表示する別表示手段と、
音を出す音出力手段と、
前記可変表示手段、前記別表示手段及び前記音出力手段の動作を制御し、遊技者にとって有利な遊技状態を発生させる制御手段とを備えた遊技機において、
前記制御手段は、前記遊技者にとって有利な遊技状態と、この遊技状態に比して遊技者にとって不利な遊技状態と、において、一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態の場合に、前記別表示手段を介して同一の待機画面を表示する制御機能を有し、
前記有利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させ、前記不利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させないことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1記載の遊技機において、
前記有利な遊技状態は、遊技者の停止操作のみに基づいた停止制御が可能となる遊技状態である遊技機。

2.甲1の記載事項
甲1には、以下のア?ケの記載が図示とともにある。
ア.「図2は、この発明の一実施形態が適用されたスロットマシン10の正面図である。スロットマシン10は、周面に複数のシンボルがそれぞれ表示された3個のリール11a,11b,11cを備え、機体の前面には、リール表示窓12、メダルの預け枚数表示器14、メダルの払い出し枚数表示器15、メダル投入口16、始動レバー17、停止釦スイッチ18a,18b,18c、メダル投入スイッチ19、メダル投入枚数切換スイッチ20、精算スイッチ21、液晶表示器22、ランプ23およびスピーカ24等が設けられている。」(段落【0022】)
イ.「液晶表示器22は、ゲームの雰囲気を盛り上げるための表示や、通常のゲームから高配当のメダル払い出しが保証されるいわゆるボーナスゲームに移行したことを知らせる表示や、ゲームのやり方を説明したり、ゲーム内容の見本を表示したりするためのデモンストレーション表示等を行うためのものである。ランプ23およびスピーカ24は、共にゲームの雰囲気を盛り上げるためのものであり、光と音とにより、ゲームの雰囲気を盛り上げるためのものである。」(段落【0025】)
ウ.「制御回路は、複数の制御基板に分割されている。具体的には、制御回路は、主制御基板30、リール制御基板31、ホッパ制御基板32、画像制御基板33、および音声制御基板34を含む構成になっている。各制御基板間はコネクタおよび接続線により接続されている。」(段落【0027】)
エ.「この実施形態の特徴は、主制御基板30に対して画像制御基板33および音声制御基板34が直列に接続されていることである。より具体的には、主制御基板30の出力用コネクタ35と画像制御基板33の入力用コネクタ36とが接続線37で接続されており、画像制御基板33の出力用コネクタ38と音声制御基板34の入力用コネクタ39とが接続線40で接続されている。この構成によって、主制御基板30から画像制御基板33に対して、予め定めるメッセージ信号が与えられる。メッセージ信号は、画像制御基板33を経て音声制御基板34へも与えられる。メッセージ信号は、たとえば2バイト?6バイト程度の容量で構成された信号であり、入賞メッセージ、メダル投入メッセージ、メダル払い出しメッセージ、ボーナスゲームメッセージ、デモ画面表示メッセージ等を知らせるための信号である。」(段落【0029】)
オ.「BB(big bonus)信号, RB(reguler bonus)信号, SB(small(single)bonus) 信号とは、通常のゲームから高配当のメダル払い出しが保証されるボーナスゲームに移行したことを表わす信号であり、ボーナスゲームのうちのどのボーナスゲームであるかを表わす信号である。ボーナスゲームに入賞すると、高配当の入賞確率の高いゲームが複数回実行される。たとえば、SBでは1回、RBでは8回実行される。また、BBに入賞すると30回の通常ゲーム中に3回のRBに入賞する確率の高いゲームが実行される。」(段落【0033】)
カ.「各ボーナスゲームの信号であることが判別されると、それぞれ、その判別された信号と同じ信号を音声制御基板34へ出力するとともに(ステップS5,S8,S11)、液晶表示器22にそのボーナスゲームであることを知らせてゲームの雰囲気を盛り上げるための予め定められた表示を行わせる(ステップS6,S9,S12)。たとえばBB表示では打ち上げ花火が連発されるような表示が行われ、RB表示ではファンファーレの鳴り響くような表示がされ、SB表示では花が咲き乱れたような表示がなされる等が例示できる。同時に、ランプ23が所定の態様で点滅される(ステップS6,S9,S12)。」(段落【0034】)
キ.「主制御基板30から与えられるメッセージ信号が、いずれのボーナスゲーム信号でもない場合は、さらに、デモンストレーション信号か否かの判別がされる(ステップS13)。この実施形態では、スロットマシン10に電源が投入されており、遊技者がゲームをしていないいわゆる空き台である状態が一定時間(たとえば10分)以上継続した場合に、主制御基板30からデモンストレーション信号が出力されるようにプログラムされている。」(段落【0035】)
ク.「画像制御基板33では、与えられたメッセージ信号がデモンストレーション信号であることを判別すると、それに基づいて液晶表示器22にデモンストレーション画面を表示させる。さらに、必要に応じてランプ23を点滅させる。またこの表示に合わせて、スピーカ24から音声が出力されるように、音声制御基板34に対して音声出力コマンドを与える(ステップS14)。この場合の音声出力コマンドは、液晶表示器22に表示されるデモンストレーション画面に合わせた音声が出力されるようなコマンド信号であり、この音声出力信号は、主制御基板30からの指令には基づかない、画像制御基板33から音声制御基板34へと与えられる信号である。」(段落【0036】)
ケ.「この結果、遊技者が遊技をしていないスロットマシン10において、液晶表示器22に、たとえばゲームの内容を表わすデモンストレーション画面が表示されるとともに、その表示画面に則した効果音がスピーカ24から出力されることになる。デモンストレーション画面の内容は、ゲームの内容を表わすものではなく、たとえば、3頭の競争馬がトラックを走りながら競争している様子を、たとえばキャラクタ等を用いて表示するような画面であってもよい。」(段落【0037】)

3.甲1記載の発明の認定
上記記載ア?ケを含む甲1の全記載及び図示によれば、甲1発明は次のようなものであると認めることができる。
「 周面に複数のシンボルがそれぞれ表示された3個のリール、液晶表示器及びスピーカを備えたスロットマシンであって、
主制御基板、画像制御基板及び音声制御基板を有し、
通常のゲームから高配当のメダル払い出しが保証されるボーナスゲームに入賞することが可能であり、
ボーナスゲームに入賞すれば、主制御基板から画像制御基板に、画像御基板から音声制御基板にボーナス入賞信号が出力され、液晶表示器及びスピーカにより、ボーナスゲームであることを知らせてゲームの雰囲気を盛り上げるための予め定められた演出を行い、
遊技者がゲームをしていない状態が一定時間以上継続した場合に、主制御基板から画像制御基板にデモンストレーション信号を出力し、画像御基板から音声制御基板に音声出力コマンドを出力し、液晶表示器にデモンストレーション画面を表示させるとともに、スピーカからデモンストレーション画面に合わせた音声が出力されるように構成したスロットマシン。」

4.本件発明1と甲1発明の対比
甲1発明の「周面に複数のシンボルがそれぞれ表示された3個のリール」、「デモンストレーション画面」、「液晶表示器」及び「スピーカ」は、本件発明1の「遊技に必要な複数の図柄を可変表示する可変表示手段」、「前記図柄の可変表示とは別の表示である待機画面」、「別表示手段」及び「音を出す音出力手段」にそれぞれ相当する。
甲1発明の「ボーナスゲーム」(正確には、ボーナスゲームに入賞してからボーナスゲームが終了するまでの状態)は、本件発明1の「遊技者にとって有利な遊技状態」に相当し、それ以外の状態は「この遊技状態に比して遊技者にとって不利な遊技状態」であるということができる。
甲1発明が「前記可変表示手段、前記別表示手段及び前記音出力手段の動作を制御し、遊技者にとって有利な遊技状態を発生させる制御手段」を備えることは明らかであり、「スロットマシン」は「遊技機」である。
甲1発明の「遊技者がゲームをしていない状態が一定時間以上継続した場合」は本件発明1の「一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態の場合」に相当し、甲1発明ではボーナスゲームであってもなくても、遊技者がゲームをしていない状態(いわゆる空き台である状態)が一定時間以上継続した場合には、液晶表示器にデモンストレーション画面が表示されると解されるから、「前記制御手段は、前記遊技者にとって有利な遊技状態と、この遊技状態に比して遊技者にとって不利な遊技状態と、において、一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態の場合に、前記別表示手段を介して同一の待機画面を表示する制御機能を有」することは、本件発明1と甲1発明の一致点である。さらに、「デモンストレーション画面に合わせた音声」(甲1発明)と「待機画面に応じた音」(本件発明1)には表現上の相違しかない。
したがって、本件発明1と甲1発明の一致点及び相違点は次のとおりである。
〈一致点〉
「遊技に必要な複数の図柄を可変表示する可変表示手段と、
前記図柄の可変表示とは別の表示である待機画面を表示する別表示手段と、
音を出す音出力手段と、
前記可変表示手段、前記別表示手段及び前記音出力手段の動作を制御し、遊技者にとって有利な遊技状態を発生させる制御手段とを備えた遊技機において、
前記制御手段は、前記遊技者にとって有利な遊技状態と、この遊技状態に比して遊技者にとって不利な遊技状態と、において、一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態の場合に、前記別表示手段を介して同一の待機画面を表示する制御機能を有する遊技機。」

〈相違点〉
本件発明1では「前記有利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させ、前記不利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させない」のに対し、甲1発明が「前記不利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させない」とはいえない点。

5.無効理由1についての判断
無効理由1は、訂正前の請求項1に係る発明につき、不利な遊技状態においても「前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出させる」との解釈が可能であること前提とした無効理由であるが、「第2 2(1)」で述べたように、訂正前であっても、不利な遊技状態において「前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出させる」ことはないと解さねばならない。
加えて、本件訂正により、本件発明1が不利な遊技状態において「前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出させる」ものを排除することはより明確になり、無効理由1の前提は成立しないことが明らかとなった。
そして、前項で述べたとおり、本件発明1と甲1発明には明確な相違点があるから、本件発明1が甲1発明と同一発明でないことは明らかである。
本件発明2についての無効理由1は、本件発明1が甲1発明と同一発明であることを前提とする主張であるから、この主張も成立しない。
以上のとおり、無効理由1によって、請求項1,2の特許が特許法29条1項又は2項の規定に違反してされた特許であるということはできない。

6.無効理由2についての判断
(1)本件発明1について
前々項で認定した相違点は、無効理由2において請求人が認定した相違点2(審判請求書30頁下から2行目?末行)と実質的に同一であり、請求人はこの相違点2に係る構成を採用することが、甲2?甲4から想到容易であると主張するものである。そして、この相違点2は、有利な状態での非遊技状態と不利な状態での非遊技状態があること、及びこれら2つの非遊技状態のどちらであるかを遊技機が判断することを前提とするものである。
この前提について請求人は、「本件発明1は「遊技状態が「有利な遊技状態」か「不利な遊技状態」かの判別をする」ものであるということになる。しかしながら、「遊技状態が「有利な遊技状態」か「不利な遊技状態」かの判別をする」という構成は、請求項1のどこにも記載されていない。」(弁駁書3頁下から3行?4頁1行)と主張するが、「有利な遊技状態」であるのか「不利な遊技状態」であるのかによって、非遊技状態のときに、音出力手段に待機画面に応じた音を出力させたり、させなかったりする以上、本件発明1が有利な遊技状態における非遊技状態と不利な遊技状態における非遊技状態とを判別する構成を備えることは、そのことが直接的に請求項1に記載されていなくとも明らかである。
甲2には、「制御部50は、BB(一次特別ゲーム)に入賞したものと判定し、・・・ヒットランプ10がBB用の点滅を行うようヒットランプ部10aをセットすると共に、スピーカ20からBB用の効果音が鳴るよう音声出力部52をセットし、BBゲームの処理に移行し、BBゲームとしての抽選やリール14制御や入賞判定等を行う。」(段落【0082】)、「制御部50は、BBゲーム終了後、ヒットランプ部10aにおけるBB用点滅のセット及び音声出力部52におけるBB用効果音のセットを解除」(段落【0083】)、「CTフラグがセットされている場合(T2)、制御部50は、抽選表示用デジタル表示器36の数字変更速度を徐々に低下させ、表示開始から4-5秒後に偶数を表示して停止させる(T4)。これにより、CT開始の抽選に当選したことが遊技者に報知される。従って遊技者は、BBゲームをCTゲームの開始に結びつく期待を大きく抱きつつ行うことができて興趣が増大する。更に、その期待の対象であるCTゲームの開始の可否についての決定を、抽選表示用デジタル表示器36による抽選結果の報知によって知ることができるので、興味が大きくそそられる。」(段落【0085】)、「次いで制御部50は、スピーカ20からCT用の効果音が鳴るよう音声出力部52をセットし(T5)、ヒットランプ10がCT用の点滅を行うようヒットランプ部10aをセットし(T6)、CTゲームの処理に移行し、CTゲームとしての抽選やリール14制御や入賞判定等を行う。」(段落【0086】)及び「制御部50は、CTゲーム終了後、ヒットランプ部10aにおけるCT用点滅のセット及び音声出力部52におけるCT用効果音のセットを解除し、ステップS1に戻る。」(段落【0087】)との各記載があり、「BBゲーム」は甲1発明の「ボーナスゲーム」と異ならず、「CTゲーム」は「ボーナスゲーム」ではないものの、本件発明1の「遊技者にとって有利な遊技状態」に相当することは認める。そして、「BB用効果音のセット」又は「CT用効果音のセット」は、「BBゲーム終了後」又は「CTゲーム終了後」に解除されるのだから、「遊技者にとって有利な遊技状態」の間は、このような効果音がセットされた状態であることも認める。「BBゲーム」や「CTゲーム」は、スロットマシンで用いられる用語であり、スロットマシンでは、「遊技者がゲームをしていない状態が一定時間以上継続」しない状態(非遊技状態でない)であっても、遊技者が何の操作もしないインターバル期間があり、そのような期間も含めて、「遊技者にとって有利な遊技状態」であれば常にBB用効果音又はCT用効果音を発するとまでは甲2の記載事項から認めることはできない。換言すれば、スタートレバー等の操作により遊技を行っている期間のみ、効果音を発する可能性を否定できない。遊技を行っている期間のみ効果音を発するのであれば、非遊技状態にはBB用効果音又はCT用効果音は発せられないから、有利な状態での非遊技状態と不利な状態での非遊技状態を区別する意味がなく、相違点に係る本件発明1の構成に至ることはない。
甲2において、「遊技者にとって有利な遊技状態」であれば常にBB用効果音又はCT用効果音を発するとした場合の検討を次に行う。BB用効果音又はCT用効果音を発する以上、それを聞かせる対象者があるが、それが誰であるのか甲2には記載されていない。効果音ではないものの、「CT開始の抽選に当選したことが遊技者に報知される。従って遊技者は、BBゲームをCTゲームの開始に結びつく期待を大きく抱きつつ行うことができて興趣が増大する。」(段落【0085】)との記載があることを考慮すると、効果音を聞かせる対象者としても遊技者を想定していると解するのが自然である。ところが、甲1発明の非遊技状態(「遊技者がゲームをしていない状態が一定時間以上継続した場合」)には、効果音を聞かせる対象者が席を外している可能性が濃厚であり、対象者がいないにもかかわらず、効果音を発する合理的理由がない。さらに、非遊技状態であるどうかにかかわらず、「遊技者にとって有利な遊技状態」であれば常にBB用効果音又はCT用効果音を発するとしても、有利な遊技状態における非遊技状態である場合に、BB用効果音又はCT用効果音を発することがかろうじて導かれるだけである。そして、これら効果音が甲1発明の「待機画面に応じた音」に相当すると認めることは困難であるから、有利な遊技状態における非遊技状態である場合に「待機画面に応じた音」を発するとともに、又は「待機画面に応じた音」を発することに代えて、BB用効果音又はCT用効果音を発することはありえても、「前記不利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させない」との構成には至らない。
以上のとおり、甲2に基づいて、相違点に係る本件発明1の構成に至ることが遊技機の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)にとって容易であるとはいえない。

甲3には、「図10には、各種遊技状態に応じて役物制御回路300から呼出制御回路600に送信される音声出力に関するコマンド信号、および、そのコマンド信号に基づいて出力される音声内容の示された図表を示す。」(段落【0188】)及び「遊技状態が変動状態のときには「音コマンド○1(審決注;実際の表記は丸数字の1であるが、都合によりこのように表記する。以下同様。)」が、通常リーチ状態のときには「音コマンド○2」が、スペシャルリーチ状態のときには「音コマンド○3」が、通常大当たり状態のときには「音コマンド○4」が、確変大当たり状態のときには「音コマンド○5」が、確変状態のときには「音コマンド○6」が、時短状態のときには「音コマンド○7」が、それぞれ役物制御回路300から呼出制御回路600に送信される。」(段落【0190】)との各記載がある。段落【0190】の上記記載は、パチンコ遊技機を前提とした記載であり、パチンコ遊技機において非遊技状態に対応するのは、一定時間以上発射ハンドルが操作されない状態であるが、変動状態、通常リーチ状態、スペシャルリーチ状態、通常大当たり状態及び確変大当たり状態において、非遊技状態となることは通常考えられない。すなわち、段落【0190】記載の各種遊技状態のうち、非遊技状態になることが想定できるのは「確変状態」及び「時短状態」のみである。しかも、甲3【図10】には、「確変状態」及び「時短状態」(これらが「遊技者にとって有利な遊技状態」であることは認める。)において、変動音をステレオ変動音の出力に変更することが示されているところ、「変動音」とは遊技中に発せられる音であるから、有利な状態での非遊技状態と不利な状態での非遊技状態を区別することなど、甲3からは到底導くことができず、甲3に基づいて、相違点に係る本件発明1の構成に至ることが当業者にとって容易であるとはいえない。さらに、モノラル音とステレオ音の区別は、「待機画面に応じた音」かどうかの区別ではないから、この点から見ても、甲3に基づいて相違点に係る本件発明1の構成に至ることなどあり得ない。

甲4には、「図7に示すように、3個のリール5a?cのうち、最後に停止するリール(通常は右側リール5c)の回転が停止したタイミングで、ビッグボーナス・ゲームの入賞が判断され、ビッグボーナス・ゲームの入賞態様である場合には、所定枚数の遊技メダルが払い出される。」(段落【0077】)及び「そして、遊技メダルの払い出しが終了したタイミングで、入賞音の選択を行い、選択した入賞音1?3をスピーカ21から発生させる。さらに、入賞音の発生が終了したタイミングで、スピーカ21からビッグボーナス・ゲームの作動音を発生させる。」(段落【0078】)との各記載があるが、「ビッグボーナス・ゲームの作動音」は「入賞音の発生が終了したタイミング」で発生するものであるから、甲1発明においてボーナスゲームに入賞時にスピーカから発せられる音と変わりはなく、甲1発明に対して何もつけ加えるものではない。当然、甲4に基づいて、相違点に係る本件発明1の構成に至ることが当業者にとって容易であるとはいえない。

以上のとおりであるから、甲1発明に甲2?4記載の技術を組み合わせて相違点に係る本件発明1の構成に至ることが当業者にとって想到容易であると認めることはできない。
なお、請求人は、「遊技者は、一時的に遊技機から離れるとき、その遊技機で他の遊技者によってゲームが行われることを防ぐことができるために、安心して遊技機から離れることができる。」(段落【0014】)との作用効果につき、「他の遊技者」が、待機画面が表示されなおかつその待機画面に応じた音が出力されている場合には「有利な遊技状態」で「非遊技状態」となっていることを知っており、前の遊技者が「有利な遊技状態」で一時的にその遊技機から離れていると善意に解釈した上で可能となることであって、「他の遊技者」の心理及び倫理観に訴えるにすぎず、技術的な作用効果として顧みるに足るものではないと主張するが、「その遊技機で他の遊技者によってゲームが行われることを防ぐこと」を100%達成できなくとも、相違点に係る本件発明1の構成を採用しない場合と比較して、その達成度が向上しておれば、技術的な作用効果というべきである。
請求人はまた、「遊技店の係員にとっても、特別遊技状態か或いはその他の理由に基づく場所取りかの判別が容易になり、場所取りを行っている遊技者に適切に注意を促すことができ、効率的に遊技機を稼動させることができる。」(同段落)との作用効果についても、本件発明1のみで可能となるものではないと主張するところ、ここに記載の作用効果を現実に奏するには、遊技店係員の注意や行動が必要であろうが、相違点に係る本件発明1の構成を採用しない場合と比較すれば、「遊技店の係員にとっても、特別遊技状態か或いはその他の理由に基づく場所取りかの判別が容易」となることは明らかであるから、本件発明1の作用効果として評価すべきである。
以上のとおりであるから、本件発明1についての無効理由2には理由がなく、請求項1の特許が特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるということはできない。

(2)本件発明2について
本件発明2は本件発明1に「前記有利な遊技状態は、遊技者の停止操作のみに基づいた停止制御が可能となる遊技状態である」との限定を加えるものである。本件発明2についての無効理由2は、本件発明1が進歩性を欠如することを前提とした無効理由であるところ、その前提が誤りであることは前示のとおりであるから、請求項2の特許が特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるということはできない。

第4 むすび
請求項1,2の特許は特許法29条1項又は2項の規定に違反してされた特許ではないから、請求人が主張する理由によって、請求項1,2の特許を無効とすることはできない。
審判に関する費用については、特許法169条2項の規定において準用する民事訴訟法61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に必要な複数の図柄を可変表示する可変表示手段と、
前記図柄の可変表示とは別の表示である待機画面を表示する別表示手段と、
音を出す音出力手段と、
前記可変表示手段、前記別表示手段及び前記音出力手段の動作を制御し、遊技者にとって有利な遊技状態を発生させる制御手段とを備えた遊技機において、
前記制御手段は、前記遊技者にとって有利な遊技状態と、この遊技状態に比して遊技者にとって不利な遊技状態と、において、一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態の場合に、前記別表示手段を介して同一の待機画面を表示する制御機能を有し、
前記有利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させ、前記不利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させないことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1記載の遊技機において、
前記有利な遊技状態は、遊技者の停止操作のみに基づいた停止制御が可能となる遊技状態である遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技に必要な図柄を可変表示する可変表示手段と、その可変表示を制御するマイクロコンピュータ等の制御手段とを備えたスロットマシン、パチンコ機その他の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、スロットマシン或いはパチスロと称される遊技機は、正面窓内に、複数の図柄を円周面上に配列したリールを複数配列して構成した機械的可変表示装置、或いはリール上の図柄を擬似的に表示するように構成した電気的可変表示装置を有する。
【0003】
このような遊技機では,遊技者のスタート操作に応じて可変表示装置が駆動され、各リールの回転動作によって図柄の可変表示が行われる。この可変表示は、一定時間経過後自動的に或いは遊技者の停止操作により各リール毎に順次停止制御される。そして、全リールが停止した時、表示窓内に停止表示される各リールの図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが所定の停止態様になれば、コイン、メダル等の遊技媒体を払い出し、遊技者に遊技価値が付与される入賞となる。この入賞には、遊技価値の異なる入賞の種類(入賞役)が複数設定され、停止態様によって区別される。現在主流の機種は、複数種類の入賞態様を有するものである。特に、停止図柄が所定の入賞役に該当する入賞となったときは、1回のコインの払い出しに終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態となる。このような入賞役として、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームが所定回数行える特別増加入賞役(「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と略記する。)と、遊技者に相対的に小さい利益を与える遊技を所定ゲーム数行える入賞役(「レギュラーボーナス」と称し、「RB」と略記する)がある。
【0004】
また、現在主流の機種において、回転しているリールが停止した時に入賞役を構成する図柄の組合せが有効ライン上に揃うのは、遊技機の内部抽選で入賞役に当選した場合(具体的には、マイクロコンピュータでの乱数抽出による抽選で当選したとき)である。これは、遊技者の停止操作(タイミング)だけで図柄の停止態様が決定すると、遊技者の熟練度によって遊技の結果(勝敗)が決まってしまい、遊技者の技量のみが強調されて遊技の健全さが損なわれると共に、遊技店にとっても遊技機からのコインの払出率等の管理が困難になるという問題を解決するためである。
【0005】
従って、遊技者によるリールの停止操作が可能なタイプの遊技機(例えば、パチスロのような停止ボタンを備えたスロットマシン)でも、内部抽選で入賞役に当選(以下、「内部当選」という)しなければ、遊技者がどのように停止操作しても、入賞役に該当する図柄の組合せを有効ライン上に揃えることはできない。
【0006】
一方、一定の条件下で遊技者の停止操作に応じた遊技結果が得られるようにした遊技機が開発された。その一例が、特公平5-74391号公報に開示されている。これは、上記のようなスロットマシンにおいて、遊技中所定の条件が成立したときには、所定のゲーム回数分、又は遊技者の獲得した遊技媒体から遊技のために消費した遊技媒体の枚数を差し引いた「純増枚数」が所定数に達するまで、複数のリールの一部又は全部について内部抽選による停止制御を中止するようにしたものである。この中止期間(これを「チャレンジタイム」と称し、以下「CT」と略記する)中は、遊技者の停止操作のタイミングでリール停止時の表示態様(図柄の組合せ)が決定されるので、遊技結果に対する遊技者の技量が反映する。この中止期間における遊技状態を以下「CT遊技状態」という。
【0007】
ここで、遊技者はボーナス(上記のBB又はRB)に内部当選しているか、及びCT遊技へ移行するか否かについて興味を持って遊技に臨むこととなる。そして、遊技者の興味に応えるべく、遊技機の正面に設けたランプ(例えばWINランプ)の点灯によってボーナス内部当選を報知したり、リールの背後に設けたランプ(バックランプ)による点灯のパターン或いは発生する音の種類によってボーナス内部当選及び上記「CT遊技状態」への移行を報知するようにした遊技機が開発されている。
【0008】
また、遊技に必要な図柄を表示する表示装置及び上記のような報知手段とは別に、ゲーム中の演出画像を表示する別表示手段を備えた遊技機もある。この遊技機においては、別表示手段での演出表示により内部当選役等を報知するようにしている。この別表示手段は、遊技機の電源が投入された状態で、コインの投入によってゲーム開始が可能であることを遊技者に報知するために、一のゲーム終了から次のゲーム開始まで等の非遊技状態のときに、予め定められた待機画面を表示する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の待機画面を表示し且つ「CT遊技」のような特別の遊技が可能な遊技機においては、遊技者が不在で待機画面が表示されていれば、他人すなわち他の遊技者や遊技店員は、当該遊技機は空いていると判断する。しかし、遊技者が特別の遊技中に何らかの理由で一時的に遊技機から離れている場合は、待機画面が表示されていても、それは特別遊技中の中断であり、当該遊技者が戻ってきてゲームを再開することになる。それ故、その遊技機でゲームをしようと考えた他の遊技者は意欲を損なうか、或いは他の遊技者が当該遊技機でゲームを開始してしまったときには、先の遊技者との間でトラブルが生じ得る。
【0010】
また、遊技者がいない遊技機で待機画面が表示されていても、その近くに鞄などの携帯品が置かれていれば、遊技の中断であると推定されるが、この状態が続くことは好ましくない。そこで、遊技店では、そのような遊技者を探すなどの措置をとることになる。しかし、当該遊技機では遊技者が戻ってきてゲームを再開する可能性が高い中断状態なのか、或いは既に遊技が終了して携帯品が残された(忘れ物がある)状態なのかといった判別ができないので、遊技店としても適切な措置をとることが難しく、遊技機の効率的な稼動の妨げにもなるという問題点があった。
【0011】
本発明の目的は、待機画面が表示されている状態が、本当の非遊技状態なのか或いは特別遊技の中断している状態であるかを区別できる遊技機を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、遊技に必要な複数の図柄を可変表示する可変表示手段と、前記図柄の可変表示とは別の表示である待機画面を表示する別表示手段と、音を出す音出力手段と、前記可変表示手段、前記別表示手段及び前記音出力手段の動作を制御し、遊技者にとって有利な遊技状態を発生させる制御手段とを備えた遊技機において、前記制御手段は、前記遊技者にとって有利な遊技状態と、この遊技状態に比して遊技者にとって不利な遊技状態と、において、一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態の場合に、前記別表示手段を介して同一の待機画面を表示する制御機能を有し、前記有利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させ、前記不利な遊技状態において一のゲーム終了から次のゲーム開始までの非遊技状態のときに、前記音出力手段に前記待機画面に応じた音を出力させないことを特徴とする。
【0013】
本発明の実施態様では、前記有利な遊技状態は、遊技者の停止操作のみに基づいた停止制御が可能となる遊技状態である。
【0014】
【作用及び効果】
本発明によれば、前記有利な遊技状態の一のゲーム終了後から次のゲーム開始前の非遊技状態のときに、待機画面に応じた音が出される。従って、遊技店内の人は、その遊技機の遊技状態を容易に認識することができる。この結果、遊技者は、一時的に遊技機から離れるとき、その遊技機で他の遊技者によってゲームが行われることを防ぐことができるために、安心して遊技機から離れることができる。また、遊技店の係員にとっても、特別遊技状態か或いはその他の理由に基づく場所取りかの判別が容易になり、場所取りを行っている遊技者に適切に注意を促すことができ、効率的に遊技機を稼動させることができる。
【0015】
本発明の実施態様によれば、前記有利な遊技状態は、上記「CT遊技状態」のように、遊技者の停止操作のみに基づいた停止制御が可能となる遊技状態である。このような遊技状態は、他の特別な遊技状態よりも長い時間継続する。なぜなら、例えば「CT遊技状態」はゲーム数が150回、或いはコイン純増枚数が200枚に達したときに終了するように定められているので、比較的長時間にわたって当該遊技状態が続くからである。それ故、このような遊技状態では、遊技者が遊技機から離れる可能性が高いが、待機画面に応じた音が出るので、遊技店内の人はその遊技機の遊技状態を認識することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、スロットマシンに本発明を適用した場合について説明する。
【0017】
図1は、実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、遊技媒体としてコイン、メダル又はトークンなどを用いて遊技する遊技機であるが、以下ではコインを用いるものとして説明する。
【0018】
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。表示窓4L,4C,4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b、センターライン8c、及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。これらの入賞ラインの一端は表示窓4L、4C、4Rの左に設けられているBETランプ9a、9b、9cに結ばれている。1-BETランプ9aは、ゲームに賭けられたコイン数が“1”のときに点灯する。2-BETランプ9bは、ゲームに賭けられたコイン数が“2”のときに点灯する。3-BETランプ9cは、ゲームに賭けられたコイン数が“3”のときに点灯する。BETランプ9a、9b、9cの点灯は、有効化された入賞ラインを示す。
【0019】
パネル表示部2aの内側には、3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に設けられ、可変表示部を形成している。各リールの図柄は表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。
【0020】
表示窓4L、4C、4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rの間には、図柄列の可変表示手段とは別の表示を行う、別表示手段として液晶表示装置5の画面5aが設けられ、ここに待機画面及び演出画面が表示される。
【0021】
液晶表示装置5の右側にはコイン投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1-BETスイッチ11、2-BETスイッチ12、および最大BETスイッチ13が設けられる。1-BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているコインのうちの1枚がゲームに賭けられ、2-BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているコインのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のコインが賭けられる。コイン投入口22にコインを投入すること、又は各BETスイッチを操作することで、所定の入賞ラインが有効化される。
【0022】
台座部10の前面部の左寄りには、スタ-トレバ-6が所定の角度範囲で回動自在に設置されている。遊技者はスタ-トレバ-6を操作し、前記リール3L、3C、3Rを回転させて、表示窓4L,4C,4R内の図柄の可変表示を開始させる。これによって一のゲームを開始し、基本的に全てのリール3L、3C、3Rが停止することにより一のゲームが終了する。
【0023】
スタ-トレバ-6の左側には、C/Pスイッチ14が設けられ、遊技者はこれを押しボタン操作することによって、ゲームで獲得したコインのクレジット/払出しの切換えを行い、払出コインはコイン払出口15から払い出され、コイン受け部16に溜められる。
【0024】
台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。
【0025】
表示窓4L,4C,4Rの右側には、WINランプ17及び払出表示部18が設けられる。WINランプ17は、BBに内部当選した場合に所定確率で点灯し、BBの入賞が成立した場合に消灯する。払出表示部18は、7セグメントLEDから成り、入賞成立時のコインの払出枚数を表示する。パネル表示部2aの左側上部には、BB遊技状態ランプ25、CT遊技状態ランプ26、再遊技表示ランプ27、遊技停止表示ランプ28が設けられる。BB遊技状態ランプ25は、後で説明するBB遊技状態において点灯し、CT遊技状態ランプ26は、CT遊技状態において点灯する。再遊技表示ランプ27は、再遊技(リプレイ)の入賞が成立したときに点灯する。遊技停止表示ランプ28は、前回のゲームと今回のゲームとの間(例えば、前回のゲームのリールの回転開始から今回のゲームの開始操作までの間)の時間が所定時間(例えば4.1秒)未満の時やエラー発生時等に点灯する。
【0026】
表示窓4L、4C、4Rの左側には、クレジット表示部19が設けられる。クレジット表示部19は、7セグメントLEDから成り、貯留されているコインの枚数を表示する。
【0027】
キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L,21Rの間には、入賞図柄の組合せ及びコインの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。
【0028】
図2は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5及びスピーカ21を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
【0029】
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
【0030】
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0031】
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数抽出による確率抽選処理により、内部当選役、すなわち、どの入賞役に当選したかを判定するために、基本的に遊技状態に対応して設けられた確率抽選テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止制御テーブル、上記確率抽選処理によりBBに内部当選したとき、後述のBB遊技状態終了後にCT遊技状態へ移行するか否かを抽選するためのCT抽選テーブル、更に、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。このコマンドには、「待機画面表示コマンド」、「コイン投入コマンド」、「遊技状態コマンド」等がある。これらのコマンドについては後で説明する。
【0032】
図2の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1-BETランプ9a、2-BETランプ9b、最大BETランプ9c、WINランプ17、BB遊技状態ランプ25、CT遊技状態ランプ26、再遊技表示ランプ27、遊技停止表示ランプ28)と、各種表示部(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)と、コインを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のコインを払出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
【0033】
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がI/Oポート38を介してCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0034】
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1-BETスイッチ11、2-BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、投入コインセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。これらも、I/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
【0035】
投入コインセンサ22Sは、コイン投入口22に投入されたコインを検出する。スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、コイン検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたコインの枚数)が指定された枚数データに達した時、コイン払出完了を検知するための信号を発生する。
【0036】
図2の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数値及びROM32内に格納されている確率抽選テーブルとから内部当選役が決定される。
【0037】
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0038】
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルがROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0039】
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のコイン配当枚数と、その入賞を表わす入賞確認コードとが対応づけられている。
【0040】
上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0041】
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選役が決定した場合、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
【0042】
内部当選した入賞役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU31は、払出し指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のコインの払出しを行う。その際、コイン検出部40Sは、ホッパー40から払出されるコインの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、コイン払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、コインの払出し処理を終了する。
【0043】
図3は、副制御回路72の構成を示すブロック図である。副制御回路72は、主制御回路71からの制御指令(コマンド)に基づいて液晶表示装置5の表示制御及びスピーカ21L,21Rからの音の出力制御を行う。この副制御回路72は、主制御回路71を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)73を主たる構成要素とし、液晶表示装置5の表示制御手段としての画像制御回路82、スピーカ21L,21Rにより出力される音を制御する音源IC79、及び増幅器としてのパワーアンプ80からなるスピーカ駆動部78とで構成されている。
【0044】
サブマイクロコンピュータ73は、主制御回路71から送信された制御指令(コマンド)に従って制御動作を行うサブCPU74と、記憶手段としてのプログラムROM75及びワークRAM76とを含む。副制御回路72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU74の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。
【0045】
プログラムROM75は、サブCPU74で実行する制御プログラムを格納する。ワークRAM76は、上記制御プログラムをサブCPU74で実行するときの一時記憶手段である。
【0046】
画像制御回路82は、画像制御CPU83、画像制御ワークRAM84、画像制御プログラムROM85、画像ROM87、ビデオRAM88及び画像制御IC89で構成される。画像制御CPU83は、サブマイクロコンピュータ73で設定されたパラメータに基づき、画像制御プログラムROM85内に格納する画像制御プログラムに従って液晶表示装置5での表示内容を決定する。画像制御プログラムROM85は、液晶表示装置5での表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルを格納する。画像制御ワークRAM84は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU83で実行するときの一時記憶手段として構成される。画像制御IC89は、画像制御CPU83で決定された表示内容に応じた画像を形成し、液晶表示装置5に出す。画像ROM87は、画像を形成するためのドットデータを格納する。ビデオRAM88は、画像制御IC89で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0047】
スピーカ駆動部78は、音源IC79及び増幅器としてのパワーアンプ80で構成され、サブCPU74から音出力信号としてのサウンドデータを受けて、スピーカ21L,21Rの動作を制御する。
【0048】
図4は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“1”?“21”のコードナンバーが付され、データテーブルとしてROM32(図2)に格納されている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図4の矢印方向に移動するように回転駆動される。
【0049】
実施例の遊技機1において、遊技者は、通常の遊技状態である「一般遊技状態」、BBに内部当選した遊技状態である「BB内部当り遊技状態」、多数のコインを獲得可能な「BB遊技状態」、及び「CT遊技状態」においてゲームを行うことができる。なお、内部当選する可能性のある入賞役の種類は、いわゆる確率抽選テーブルによって定まるものであるが、一般に、確率抽選テーブルは、各遊技状態毎に設けられている。従って、同一の遊技状態のゲームでは、内部当選する可能性のある入賞役の種類が同一となる。ただし、「BB遊技状態」は、「BB中一般遊技状態」及び「RB遊技状態」を含むものであり、内部当選する可能性のある入賞役の種類が異なる状態を含む。
【0050】
「BB遊技状態」(ビックボーナス遊技状態)は、遊技者にとって最も有利な遊技状態であり、「一般遊技状態」において、有効化された入賞ライン(以下、「有効ライン」という)に沿って“赤7(図4の図柄91)-赤7-赤7”、又は“白7(図4の図柄92)-白7-白7”が並び、BBの入賞が成立することにより発生する。このとき、15枚のコインが払出される。この「BB遊技状態」は、次に述べる「RB遊技状態」、及び「小役」の入賞が成立する可能性のある「BB中一般遊技状態」により構成される。本実施例では、「BB遊技状態」において、「RB遊技状態」は最大2回発生する。また「BB遊技状態」において、最大30回、ゲームを行うことができる。
【0051】
「RB遊技状態」(レギュラーボーナス遊技状態)は、「BB中一般遊技状態」において、有効ラインに沿って“PAINT(図4の図柄93)-PAINT-PAINT”が並ぶこと(一般に「JAC IN」と称される)により発生する。この「RB遊技状態」は、コインを1枚賭けることによって、所定の図柄の組合せ“PAINT-PAINT-PAINT”が揃い、15枚のコインを獲得できるボーナスゲーム(「JACゲーム」ともいう)に当たりやすいゲーム状態である。「RB遊技状態」では、最大12回のJACゲームを行うことができ、その入賞可能回数は、例えば8回である。
【0052】
「CT遊技状態」は、BBに内部当選した後、“0”?“255”の範囲から乱数を抽出し、抽出した値が“0”?“127”のいずれかであればCT当選となり、「BB遊技状態」に続いて発生(CT発生条件)するものである。そして、この「CT遊技状態」では、リール3L,3C,3Rの停止制御が「無制御」となる。「無制御」では、「一般遊技状態」と同様の確率抽選テーブルが参照されるが、特別の入賞役(本実施例では、「BB」及び後述の「再遊技」)以外の入賞役(はずれも含む)に内部当選した場合には、それらの内部当選役に基づいた停止制御、すなわち内部当選役の入賞成立を示す図柄の組合せを有効ラインに沿って並べる制御、いわゆる「引き込み制御」が中断される。従って、遊技者が停止ボタン7L,7C、7Rを停止操作したときに主表示窓4L、4C、4R内に位置していた図柄が基本的にそのまま停止表示されることになる。すなわち、遊技者の停止操作のみに基づいた主リール3L,3C,3Rの停止制御が行われる。
【0053】
再遊技(リプレイ)は、「BB遊技状態」以外の遊技状態において、“PAINT-PAINT-PAINT”が有効入賞ラインに沿って並ぶことによって発生する。「再遊技」入賞が発生すると、投入したコイン数と同数のコインが自動投入されるので、遊技者は、コインを消費することなく、ゲームを続行できる。
【0054】
小役入賞、例えば、「ポテトの小役入賞」又は「スケートボードの小役入賞」は、「一般遊技状態」において、“ポテト(図4の図柄94)-ポテト-ポテト”又は“スケートボード(図4の図柄95)-スケートボード-スケートボード”が有効入賞ラインに並ぶことにより発生する。「ポテトの小役入賞」又は「スケートボードの小役入賞」となると7枚のコインが払出される。
【0055】
「ペイントボーイ上の小役入賞」は、“ペイントボーイ上(図4の図柄96)”が左の主表示窓4L内に停止表示されることにより発生する。また「ペイントボーイ下の小役入賞」は、“ペイントボーイ下(図4の図柄97)”が左の主表示窓4L内に停止表示されることにより発生する。「ペイントボーイ上の小役入賞」となると1枚のコインが払出され、「ペイントボーイ下の小役入賞」となると7枚のコインが払出される。「CT遊技状態」において、“ペイントボーイ上”及び“ペイントボーイ下”がそれぞれ左の主表示窓4Lの中段及び下段に停止表示されると15枚のコインが払出される。
【0056】
図5は、非遊技状態における表示画面5a上の待機画面を示す。ここで、実施例では、非遊技状態は、遊技者が遊技をしていない状態を示す。具体的には、一のゲームが終了した後にコインを投入する操作、又はBETスイッチの操作が行われることなく“30秒”経過した後、コインを投入する操作、又はBETボタンの操作が行われるまでの間の状態を示す。
【0057】
実施例の待機画面は、プロペラ飛行機99が飛んでいる様子を示す。「CT遊技状態」において待機画面が表示された場合には、プロペラ飛行機99のプロペラが回転する音、例えば「プルプルプル」という音がスピーカ21L,21Rから出される。「CT遊技状態」以外の遊技状態において待機画面が表示された場合には、このプロペラ機99のプロペラの音は出されない。
【0058】
次に、主制御回路71のCPU31の制御動作について、図6?図9を参照して説明する。
【0059】
図6において、初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップ[以下、STと表記する]1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の記憶内容を消去する(ST2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
【0060】
次に、CPU31は、コインの自動投入の要求があるか、すなわち前回のゲームで再遊技の入賞が成立したか否かを判別する(ST3)。この判別が“YES”のときは、投入要求分のコインを自動投入し(ST4)、ST6の処理に移る。ST3の判別が“NO”のときは、投入コインセンサ22S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する(ST5)。この判別が“YES”のときは、ST6の処理に移り、“NO”のときは、ST7の処理に移る。ST6の処理では、CPU31は、「コイン投入コマンド」を副制御回路72へ送信する。「コイン投入コマンド」は、遊技者がコイン投入口22へコインを投入したこと、又はいずれかのBETスイッチを操作したことを示すものである。ST7の処理では、前回のゲーム終了後30秒が経過したか否かを判別する。具体的には、後述のST40(図9)の処理でセットされた待機画面表示用タイマの値が“0”であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、待機画面表示コマンドを副制御回路72へ送信し(ST8)、ST3の処理へ移る。ST7の判別が“NO”のときは、ST3の処理へ移る。次に、CPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する(ST9)。この判別が“YES”のときは、図7のST10の処理に移り、“NO”のときは、ST3の処理へ移る。
【0061】
図7のST10の処理では、前回のゲームが開始してから4.1秒経過しているか否かを判別し、この判別が“YES”のときはST12の処理に移り、“NO”のときはST11の処理に移る。ST11の処理では、「ゲーム開始待ち時間消化処理」を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから4.1秒経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
【0062】
次に、CPU31はリールの回転処理を開始し(ST12)、抽選用の乱数を抽出し(ST13)、1ゲーム監視用タイマをセットする(ST14)。ST13の処理で抽出した乱数は、次に説明する確率抽選処理において使用される。ST14の処理の1ゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタンの停止操作によらずに自動的にリールを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
【0063】
次に、ST15の処理では、CPU31は、上記ST13の処理において抽出した乱数値に基づいて確率抽選処理を行う。この確率抽選処理は、遊技状態に応じて確率抽選テーブルを使用し、乱数値がどの入賞役の乱数値範囲に属するか否かを判別し、内部当選役(成立フラグ)を決定するものである。次にCPU31は、今回のゲームにおいてBBに内部当選したかどうかを判別し(ST16)、この判別が“YES”のときは、「CT抽選処理」を行い(ST17)、“NO”のときは、ST18の処理に移る。この「CT抽選処理」では、CPU31は、0?255の範囲から乱数を抽出し、抽出した乱数値が0?127のいずれかであればCT当選とする。次に、CPU31は、「内部当選役コマンド」を副制御回路72へ送信する(ST18)。例えば、「確率抽選処理」(ST15)において内部当選役が「BB」に決定されることにより、「BB」に内部当選したことを示す「内部当選役コマンド」が送信される。続いて、図8のST19の処理に移る。
【0064】
次に、図8のST19の処理において、CPU31は、停止ボタンがオンか、すなわちリール停止信号回路46からの入力があるか否かを判別する。この判別が“YES”のときはST21の処理に移る。“NO”のときは自動停止タイマが“0”であるか否かを判別する(ST20)。この判別が“YES”のときはST21の処理に移り、“NO”のときはST19の処理に移る。
【0065】
次にCPU31は、当選要求(内部当選役のこと)及び停止操作がなされたときの図柄位置等から、いわゆる「滑りコマ数」を決定し(ST21)、その「滑りコマ数」分リール回転させた後、停止させる(ST22)。ここで、「CT遊技状態」では、「BB」又は「再遊技」に内部当選したとき等を除き、基本的に「滑りコマ数」は、“0”となる。続いて、CPU31は、「リール停止コマンド」を副制御回路72へ送信する(ST23)。この「リール停止コマンド」は、停止したリールの情報及びそのリールに対応する表示窓内の図柄の停止態様、具体的にはセンターライン8cに位置する図柄のコードナンバーの情報を含む。続いて、全てのリールが停止したか否かを判別し(ST24)、この判別が“YES”のときは、ST25の処理に移り、“NO”のときはST19の処理に移る。
【0066】
ST25の処理では、CPU31は入賞検索を行う。入賞検索とは、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役を識別するための入賞フラグをセットすることである。続いて、入賞フラグが正常であるか否かを判別する(ST26)。この判別が“NO”のときはイリーガルエラーの表示を行う(ST27)。この場合、遊技は中止となる。ST26の判別が“YES”のときは、遊技状態に応じてコインのクレジット、又は払出しを行い(ST28)、図9のST29の処理に移る。
【0067】
次に、図9のST29の処理において、CPU31は、入賞役を示す「入賞役コマンド」を副制御回路72に送信し、一のゲームが終了したことを示す「1ゲーム終了コマンド」を送信する(ST30)。次に、現在の遊技状態がBB遊技状態であるか否かを判別する(ST31)。この判別が“YES”のときは、BBの「遊技数チェック処理」を行う(ST32)。この「遊技数チェック処理」では、RB遊技状態が発生した回数、BB中一般遊技状態のゲーム回数、RB遊技状態における入賞回数、及びRB遊技状態におけるゲーム回数をチェックする。
【0068】
次に、BB遊技状態の終了時であるか否かを判別する(ST33)。具体的には、2回目のRB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか、又はBB中一般遊技状態においてゲーム回数が30回であるか否かを判別する。ST33の判別が“YES”のときは、BB遊技状態の終了時のRAM33をクリアし(ST34)、ST39の処理に移る。ST33の判別が“NO”のときは、直接ST39の処理に移る。
【0069】
ST31の判別が“NO”のとき、すなわち遊技状態が「BB遊技状態」でないとき、CPU31は、遊技状態が「CT遊技状態」であるか否かを判別する(ST35)。この判別が“YES”のときは、ST36の処理に移り、“NO”のときは、ST39の処理に移る。ここで、ST17(図7)の処理で「CT」に内部当選した場合、「BB遊技状態終了後」に「CT遊技状態」となる。ST36の処理では、「CT終了条件」が成立したかどうかを判別する。「CT終了条件」とは、例えば「BB」に内部当選したこと、「BB入賞」が成立したこと、「CT遊技状態」におけるゲーム数が“150回”となったこと、或いは「CT遊技状態」におけるコインの純増枚数が“200枚”に到達したことである。ST36の判別が“YES”のときは、「CT遊技状態」の終了時のRAM33内に格納されたデータをクリアし(ST37)、「CT遊技状態」が終了したことを示す「CT終了コマンド」を副制御回路72へ送信し(ST38)、ST39の処理に移る。ここで、「CT終了条件」として、「BB入賞」が成立したとき、次のゲームの状態は「BB遊技状態」となり、それ以外の「CT終了条件」が成立したとき、次のゲームから「一般遊技状態」となる。ST39の処理において、CPU31は、その時点での遊技状態を示す「遊技状態コマンド」を副制御回路72に送信し、待機画面表示用タイマを30秒にセットし、スタートさせ(ST40)、続いてST2の処理へと移る。
【0070】
次に、図10を参照して、副制御回路72のサブCPU74により行われるサブ側非遊技状態検知処理について説明する。
【0071】
初めに、サブCPU74は、「待機画面表示コマンド」を受信したか否か、すなわち「非遊技状態」が開始したか否かを判別する(ST51)。この判別が“YES”のときは、待機画面表示処理を行う(ST52)。この待機画面表示処理では、サブCPU74は、待機画面を表示するように画像制御回路82を制御する。続いて、サブCPU74は、現在の遊技状態が「CT遊技状態」であるかどうかを判別する(ST53)。具体的には、主制御回路71により送信された「遊技状態コマンド」に基づいて判別する。ST53の判別が“YES”のときは、ST54の処理に移り、“NO”のときは、ST55の処理に移る。ST54の処理では、サブCPU74は、待機画面用の音出力処理を行う。具体的には、プロペラ飛行機99のプロペラが回転する音を出力するようにスピーカ駆動部78を制御する。
【0072】
次に、サブCPU74は、「コイン投入コマンド」を受信したか否か、すなわち「非遊技状態」が終了したか否かを判別する(ST55)。この判別が“YES”のときは、待機画面終了処理を行う(ST56)。具体的には、サブCPU74は、待機画面の表示を終了し、通常の演出表示を行うように画像制御回路82を制御する。続いて、サブCPU74は、待機画面用の音消音処理を行う(ST57)。具体的には、プロペラが回転する音を消音するようにスピーカ駆動部78を制御する。
【0073】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0074】
実施例では、遊技者にとって有利な遊技状態として、「CT遊技状態」を採用しているがこれに限られるものではない。例えば、所定の入賞役の入賞成立を実現するために必要な「停止操作の順番」が報知される、いわゆる「スーパータイム(ST)」、「再遊技」に入賞しやすい状況、いわゆる「シングルボーナス」の入賞が成立しやすい状況(S・B高確率状態)、いわゆる「アシストタイム(AT)」、「小役の集中」、「BB遊技状態」等を採用することもできる。また、遊技者にとって有利な遊技状態として、特定役に内部当選したとき、特定役の入賞成立を示す図柄組合せを構成する図柄が報知される遊技状態を採用するようにしてもよい。この場合、一の特定役の入賞成立を示す図柄組合せを複数用意する。特定役に内部当選したとき、抽選処理により一の図柄組合せのみを有効ラインに沿って停止することを許可することとする。許可された図柄組合せを構成する図柄のうち、他の図柄組合せを構成しないものを報知するようにしてもよい。
【0075】
ここで、有利な状況は、必ずしも全ての遊技者にとって有利なものであることが必要とされるものではない。例えば、「目押し」の技量の高い遊技者、或いは遊技の理解度が高い遊技者にとってのみ有利な状況であってもよい。なお、「CT遊技状態」等の遊技者にとって有利な遊技状態の発生条件、及び終了条件は任意に定めることもできる。
【0076】
また、実施例では、非遊技状態として、一のゲームが終了した後にコインを投入する操作、又はBETスイッチの操作が行われることなく“30秒”経過した後、コインを投入する操作、又はBETボタンの操作が行われるまでの間の状態を採用しているがこれに限られるものではない。例えば、一のゲームが終了した後、コインを投入する操作等が行われるまでの間、一のゲームが終了した後、スタートレバー6が操作されるまでの間等を採用することもできる。
【0077】
また、実施例では、待機画面としてプロペラ飛行機99が表示された画面、非遊技状態に出力される音としてプロペラの音を採用しているが、任意の待機画像、その際出力される音を採用することもできる。
【0078】
また、実施例では、副制御回路72を設けるようにしているが、副制御回路72の有する機能を全て主制御回路71に持たせるようにしてもよい。また、主制御回路71の機能の一部を、副制御回路72に持たせるようにしてもよい。副制御回路72は、「待機画面表示コマンド」を受信したとき、待機画面を表示するようにしているが、例えば「1ゲーム終了コマンド」を受信したとき、副制御回路72がタイマをセットし、“30秒”経過したか否かを判別し、待機画面を表示するようにしてもよい。また、投入コインセンサ22S、或いはBETスイッチからの入力信号を直接副制御回路72に入力するようにしてもよい。この場合、主制御回路71は、「コイン投入コマンド」を送信する必要がない。従って、法令で機能が制限された主制御回路71の負担を軽減することもできる。
【0079】
更に、本実施例のようなスロットマシンの他、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することもできる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD-ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスロットマシンの斜視図。
【図2】実施例のスロットマシンの回路構成を示すブロック図。
【図3】副制御回路の回路構成を示すブロック図。
【図4】3つのリール上に配置される図柄列を示す図。
【図5】待機画面を示す図。
【図6】メインフローチャートを示す図。
【図7】図6に続くフローチャート。
【図8】図7に続くフローチャート。
【図9】図8に続くフローチャート。
【図10】サブ側非遊技状態検知処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…遊技機、2…キャビネット、2a…パネル表示部、3L,3C,3R…リール、4L,4C,4R…表示窓、5…液晶表示装置、5a…液晶表示画面、6…スタートレバー、7L,7C,7R…停止ボタン、8a…クロスダウンライン、8b…トップライン、8c…センターライン、8d…ボトムライン、8e…クロスアップライン、9a…1-BETランプ、9b…2-BETランプ、9c…最大BETランプ、10…台座部、11…1-BETスイッチ、12…2-BETスイッチ、13…最大-BETスイッチ、14…C/Pスイッチ、15…コイン払出口、16…コイン受け部、17…WINランプ、18…払出表示部、19…クレジット表示部、20…ボーナス遊技情報表示部、21L,21R…スピーカ、22…コイン投入口、22S…投入コインセンサ、23…配当表パネル、25…BB遊技状態ランプ、26…CT遊技状態ランプ、27…再遊技表示ランプ、28…遊技停止表示ランプ、30…マイクロコンピュータ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…クロックパルス発生回路、35…分周器、36…乱数発生器、37…サンプリング回路、38…I/Oポート、39…モータ駆動回路、40…ホッパー、41…ホッパー駆動回路、45…ランプ駆動回路、46…リール停止信号回路、48…表示部駆動回路、49L,49C,49R…ステッピングモータ、50…リール位置検出回路、51…払出完了信号回路、71…主制御回路、72…副制御回路、73…サブマイクロコンピュータ、74…サブCPU、75…プログラムROM、76…ワークRAM、77…INポート、78…スピーカ駆動部、79…音源IC、80…パワーアンプ、81…OUTポート、82…画像制御回路、83…画像制御CPU、84…画像制御ワークRAM、85…画像制御プログラムROM、86…INポート、87…画像ROM、88…ビデオRAM、89…画像制御IC。
【図面】










 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2009-04-07 
結審通知日 2009-04-10 
審決日 2009-05-19 
出願番号 特願2000-371731(P2000-371731)
審決分類 P 1 113・ 121- YA (A63F)
P 1 113・ 113- YA (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岡崎 彦哉  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 川島 陵司
池谷 香次郎
登録日 2007-11-09 
登録番号 特許第4038014号(P4038014)
発明の名称 遊技機  
代理人 藤田 和子  
代理人 黒田 博道  
代理人 北口 智英  
代理人 藤田 和子  
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