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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2007800273 審決 特許

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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  G06F
審判 全部無効 特39条先願  G06F
管理番号 1207679
審判番号 無効2007-800270  
総通号数 121 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-01-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2007-12-07 
確定日 2009-12-18 
事件の表示 上記当事者間の特許第2756483号発明「広告情報の供給方法およびその登録方法」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 1 手続の経緯
本件特許第2756483号は、平成7年7月14日に出願され(特願平7-179227号)、平成10年3月13日に特許権の設定登録が行われた。その後、平成10年11月25日に特許異議の申立て(平成10年 異議第75697号)があり、平成11年6月7日付で訂正明細書が提出され、平成11年8月16日付で異議決定(訂正を認める。請求項1ないし9に係る特許を維持する。)がなされたものである。
そして、本件無効審判請求後の手続きの経緯は以下のとおりである。

無効審判請求 :平成19年12月 7日
答弁書 :平成20年 3月14日
口頭審理陳述要領書(請求人) : 6月25日
上申書(請求人) : 6月25日
口頭審理陳述要領書(被請求人) : 6月25日
口頭審理陳述要領書(被請求人2回目) : 6月25日
口頭審理 : 6月25日
上申書(請求人2回目) : 7月 4日
上申書(被請求人) : 7月 4日


2 本件発明
本件特許第2756483号に係る発明は,平成11年6月7日付け訂正明細書及び図面の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1ないし請求項9に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】 サーバー側からコンピュータネットワークを介して広告情報を供給する広告情報の供給方法において、
広告依頼者の端末に対しては、
広告情報の入力を促す一方、
前記サーバー側に予め記憶された地図情報に基づいて地図を表示して、当該地図上において広告対象物の位置指定を促す段階と、
前記地図上において位置指定された広告対象物の座標を、入力された広告情報と関連づけて前記サーバー側で逐一記憶する段階とを備える一方、
広告受給者の端末に対しては、
前記サーバー側から前記地図情報に基づく地図を表示するとともに、当該地図上の地点であって、記憶された広告対象物の座標に相当する地点に、図象化した当該広告対象物を表示して、所望する広告対象物の選択を促す段階と、
選択された広告対象物に関連づけられた広告情報を前記サーバー側で読み出す段階と、
読み出された広告情報を、前記広告受給者の端末に対して出力する段階とを備えることを特徴とする広告情報の供給方法。
【請求項2】 広告依頼者に対し、依頼者自身の識別IDの入力を促す段階と、
入力された識別IDによって、前記広告情報の入力を許可するか否かを決定する段階とを備えることを特徴とする請求項1記載の広告情報の供給方法。
【請求項3】 前記広告情報は、少なくとも前記広告対象物の業種を示す業種情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の広告情報の供給方法。
【請求項4】 広告対象物の図象化は、前記業種情報毎に異ならせて行うことを特徴とする請求項3に記載の広告情報の供給方法。
【請求項5】 広告受給者に対しては、所望の業種を少なくとも1つ以上選択するように促す段階を備え、
地図上には、選択された業種の広告対象物のみを図象化して表示することを特徴とする請求項3に記載の広告情報の供給方法。
【請求項6】 読み出された広告情報を、前記広告受給者に対して出力する段階の後、
広告受給者に対し、当該広告情報あるいは受給者自身に関する事項の入力を促す段階と、
入力された事項を、当該広告情報を入力した広告依頼者に転送する段階とを備えることを特徴とする請求項1に記載の広告情報の供給方法。
【請求項7】 コンピュータネットワークを介してサーバー側へ広告情報を登録する広告情報の登録方法において、
広告依頼者の端末に対し、
広告情報の入力を促す一方、
前記サーバー側に予め記憶された地図情報に基づいて地図を表示して、当該地図上において広告対象物の位置指定を促す段階と、
前記地図上において位置指定された広告対象物の座標を、入力された広告情報と関連づけて前記サーバー側で逐一記憶する段階とを備えることを特徴とする広告情報の登録方法。
【請求項8】 広告依頼者に対し、依頼者自身のIDの入力を促す段階と、
入力された識別IDによって、前記広告情報の入力を許可するか否かを決定する段階とを備えることを特徴とする請求項7記載の広告情報の登録方法。
【請求項9】 前記広告情報は、少なくとも前記広告対象物の業種を示す業種情報を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の広告情報の登録方法。」
(以下、請求項1?請求項9に記載された発明を、「本件発明1」?「本件発明9」という。)


3 請求人および被請求人の主張
3-1 請求人の主張する無効理由および証拠方法
<無効理由1>
本件の請求項1ないし9に係る発明は、本件出願前に頒布された刊行物である甲第1号証ないし甲第7号証に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<無効理由2>
本件の請求項1ないし5に係る発明は、甲第10号証の請求項1、4?7に係る発明と同一であり、同日になされた同一人の特許出願に係るものであるから、特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。

[証拠方法]
甲第1号証 NTT R&D Vol.39 No.6 1990年 「高付加価値型番号案内システム」
甲第2号証 特開平7-121617号公報
甲第3号証 特開平1-10383号公報
甲第4号証 特開平2-101580号公報
甲第5号証 特開平5-94129号公報
甲第6号証 日経パソコン 1995年6月5日号 第158?166頁
甲第7号証 特開平7-134695号公報
甲第10号証 特許第3324602号公報

また、請求人は周知技術として以下の刊行物を提出した。
甲第11号証 K.WESTLAND編「パソコン・マッピング入門-地図の図形処理-」昭和62年3月27日、日刊工業新聞社発行、第1頁、第35頁
甲第12号証 (社)日本コンピュータ・グラフィックス協会編「コンピュータ・マッピング入門」1988年11月4日、日本経済新聞社発行、第34頁?第37頁、第58頁?第61頁、第141頁?第145頁
甲第13号証 「コンピュータ・マッピング(これからの画像情報シリーズ2)」1992年10月16日、株式会社 昭晃堂発行、第78頁?第81頁、第112頁?第114頁、第116頁?第121頁、第152頁?第155頁
甲第13号証の2 「コンピュータ・マッピング(これからの画像情報シリーズ2)」1992年10月16日、株式会社 昭晃堂発行、第88頁?第90頁
甲第14号証:特開平1-271877号公報
甲第15号証:特開平5-61407号公報
甲第16号証:特開平5-66712号公報
甲第18号証:特開平4-177574号公報

3-2 被請求人の主張
<無効理由1>に対して
本件の請求項1ないし請求項9に記載された発明は、甲第1号証ないし甲第7号証に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、特許法第29条第2項の規定により拒絶されるべきものでなく特許を受けられるものである。
<無効理由2>に対して
本件の請求項1から5に係る各特許発明は、特許第3324602号の請求項1、4から7に係る発明と同一でなく、特許法第39条第2項の規定に該当せず特許を受けることができるものである。


4 <無効理由1>について
4-1 甲第1号証ないし甲第7号証
4-1-1 甲第1号証には、以下の記載がある。
1.高付加価値型番号案内システム(CUPID)の概要
「CUPIDでは,電話帳情報に住宅地図情報,広告情報,伝言情報を有機的に連動し,これらの情報を電話帳情報とともに案内するサービスを実現した.」(833ページ)
「現在の電話帳情報は,「名前」「電話番号」「住所」「職業分類」の項目から構成され,これらの項目をキーワードとして該当する電話番号が抽出できる.「地図上の位置を表す座標」や企業の「広告」などを付加すれば,電話帳をインデックスとして,電話帳掲載のお客さまの様々な情報が得られ,日常生活の利便向上に役立てることができる.」(834ページ)
「3.2 システム構成
本システムは,東京23区の電話帳情報と企業付加情報を収容する情報センタとお客さまの端末およびこれらを接続する公衆網(加入電話網,ビデオテックス網,ファクシミリ網)とから構成される(図1).」(834?835ページ)
「表1 CUPIDのサービス概要と利用できる端末
地図案内サービス 1.電話帳掲載者の周辺の地図案内
2.地図上で領域を指定する電話帳の検索」(835ページ)
「表4 データベース一覧(記載内容は省略)」(838ページ)
「4.2 電話帳データベースと地図データベースの結合
電話帳情報と地図情報の結合により,電話帳掲載者の周辺の地図を表示したり,逆に地図上で電話帳情報を検索するための領域を指定可能とした.具体的には,電話帳情報に地図上の座標情報を追加することにより,電話帳情報を地図上の位置へ対応付けた.
4.3 電話帳データベースと広告データベースの結合
企業の広告情報として,多様な利用形態を評価する観点から,次の3種類の広告を電話帳と関連付けて格納した.
(1)簡易広告:1?2行の簡単な広告
(2)画面広告:画面単位の広告
(3)営業内容広告:営業時間,設備状況等,業種ごとに統一した営業内容に関する情報
簡易広告は、複数の電話帳掲載者の電話帳情報が表示されている時に,表示項目の一項目として表示され,同一業種の企業や店を選ぶ際の補助的な情報として利用できる.
一方,画面広告は,特定の電話帳掲載者が指定された場合に表示され,メディアとして,文字,イメージデータ,ビデオ動画をサポートした.
営業内容広告は,電話帳の検索条件として利用する.例えば,「授業料が20万円以下の英会話学校」のような検索が可能である.」(839ページ)
「(2)電話帳情報と地図情報,広告情報,伝言情報を有機的に結合した付加価値サービスを実現した.」(839ページ)

2.高付加価値型番号案内システム(CUPID)の電話帳検索方式
「3.1 電話帳情報の構成要素
CUPIDで扱う電話帳情報の構成要素として、以下の項目がある.
(1)名義
50音別企業電話帳や職業別電話帳では「企業名」、50音別個人電話帳では、「姓」「名」からなる。さらに「企業名」は、会社名である「主掲載名」と会社組織を表す「下部組織名」に分類される.
(2)場所情報
行政区分を表す「住所」および、地理的な位置を表す「座標」が考えられる.(ただし、現在の電話帳には、「座標」は含まれていない.)
(3)職業
電話帳に掲載される企業やお店の業種を分類したもので、職業分類という.
(4)電話番号
ここで、「名義」「座標」「電話番号」は、電話帳に掲載される企業やお店等の掲載者に依存するデータであるため、異動を考慮すると直接電話帳の検索キーとすることが望まれる.
一方、「住所」「職業」の分類は、電話帳掲載者とは独立に管理できる情報であり、これらをコード化し、電話帳の検索キーとすることも考えられる.
3.2 電話帳の利用形態と検索仕様
電話帳の調べ方は,目的によって次の3つに大別できる.
(1)名義による検索
「名義」+「住所」等により電話番号を調べる.(検索相手をひとり特定する)
(2)職業による検索
「職業」+「住所」等により該当する会社やお店を調べる.(検索相手を特定しない)
(3)電話番号による検索
「電話番号から逆引きし,電話帳掲載者の「名義」「住所」を確認する.・・・
これら3つの調べ方に加えて,住所の区名や町名が不確かな場合,「○○駅近く」など,目標物を指定したり,地図上で領域を指定する方法が有効である.
本システムでは,これらの目的に対応するため,「名義」「住所」「職業」「電話番号」に加えて,「目標物」,地図上で指定した「領域」を検索条件項目とし,これらの条件を組み合わせることにより,多様な検索を実現した.」(842ページ?843ページ)
「「目標物」を指定した場合,その周辺領域を条件とする検索を実現するため,目標物の位置を示す2次元の座標情報に変換し,これを中心とする決められた範囲の矩形の「領域」で電話帳を検索するようにした.
「領域」で検索可能とするため,電話帳データベースには,地図上の座標情報を収容した.」(844ページ)

3.高付加価値型番号案内システム(CUPID)における地図情報利用技術
「(1)異種DBである電話帳DBと地図DBを自動結合する技術を提案し,「名義」+「住所」により結合処理を行い,約60%の結合率を得た.」(851ページ)
「本システムでは、付加価値の1つとして地図情報を取り上げ,これを利用した種々の付加価値サービスを実現している。電話帳に掲載されている企業や店の所在地を地図上で案内する,地図上で指定した領域内からレストランを探し出す等がその一例である.」(851?852ページ)
「2.1 地図情報を利用する付加価値サービス
本システムでは,地図情報を利用した以下の5種類の付加価値サービスを実現することとした.
(1)目標物による検索案内サービス
指定された目標物(駅,学校,博物館等)を中心とした矩形領域の範囲から企業や店を調べる.
(2)範囲指定による検索案内サービス
地図上で指定した矩形領域内からレストラン等の企業や店を調べる.
(3)目標物指定検索サービス
調べた企業や店をさらに目標物として新たな企業・店を調べる.
(4)所在地案内サービス
種々の条件の下に調べた企業・店等の所在地を地図上で指示案内する.
(5)ピック検索案内サービス
地図上でピック指定された建物内の企業名を案内する.
2.2 開発技術
この付加価値サービスを実現するために,以下の技術を開発する.
(1)電話帳DBと地図DBの結合
地図情報を利用した付加価値サービスでは,「電話帳情報から地図情報の参照・案内」および,「地図情報から電話帳情報の参照・案内」という双方向のサービスを実現する.このため,電話帳DBと地図DBの間に関連付け(電話帳DBと地図DBの結合)を行う.」(852ページ)
「3.2 電話帳DBと地図DBの結合処理
電話帳DBと地図DBの関連付けは,地図座標データを電話帳掲載者ごとに付与することにより行った(図1).
住宅地図は,建物ごとの名義,住所,座標および表示用地図データ等からなり,電話帳は,名義,住所,電話番号等からなる.地図座標データを電話帳掲載者に付与するため,各々独立に作成された住宅地図と電話帳を,両者の共通情報である「名義」と「住所」により自動照合した.本照合により,住宅地図の座標を,対応する電話帳掲載者に付与し、座標付きの電話帳DBを作成した.」(852?853ページ)
「図1 電話帳DBと地図DBの結合および地図データ構造(記載内容は省略)」(853ページ)
「3.4.1 地図データ収容方式
地図データの収容方式については、地図案内の応答時間,作成・補正等のメンテナンスを考慮する必要があり,(1)センタ収容方式,(2)端末収容方式,の2形態が考えられる(表5).データのメンテナンスにおいてセンタ収容方式が望まれるが,オンラインサービスにおいてはマンマシンインタフェース上,応答時間を短縮することが重要である.」(855ページ)
「また,実データを用いて技術確認を実施した結果,以下の成果が得られた.
(1)電話帳DBと地図DBの結合は,自動結合処理を行った結果約60%について結合することができた.」(856ページ)

4.高付加価値型番号案内システム(CUPID)の広告・伝言情報処理方式
「本論文では,広告・伝言情報と電話帳情報の結合方式と広告・伝言の登録更新,参照の処理方式について述べる.」(857ページ)
「本システムでは,電話帳情報をリレーショナルDBとして格納している.すなわち,電話帳情報は,電話帳の掲載単位を「行」(電話帳レコードと呼ぶ)に,検索対象項目(住所,名前等)を「カラム」として電話帳テーブルに格納した.
電話帳情報と有機的に結合したオンライン広告,掲示板サービスを実現するには、次の課題は解決して,リレーショナルDBへの格納形式および電話帳テーブルと連携した処理方式を実現する必要がある.
(1)広告の多様や利用形態,各種メディアに対応できる処理・管理方式
(2)利用者の各種端末から広告を参照・登録更新する処理方式
(3)広告登録・更新におけるセキュリティを確保する利用者管理方式」(858ページ)
「3.1 広告の種類
電話帳と結合した広告情報の利用形態として,(1)検索された企業のリストから各々の広告情報を比較しながら絞り込むために利用する形態,(2)検索された企業の詳しい情報を個々に参照する形態,(3)企業の営業内容を条件に検索された企業を絞り込む形態,が考えられ,それぞれに対応して,(1)簡易広告,(2)画面広告,(3)営業内容広告と呼称する3種類の広告を設けた(表1).」(858ページ)
「表1 広告の種類(記載内容は省略)」(858ページ)
「以上の点から,電話帳情報との結合方式は,電話帳情報と同時に検索され,データ量が少なく定型的な簡易広告と営業内容広告は,電話帳テーブルへ格納する方式を,多様なメディアが使用可能でデータ量が大きく,1広告ごとに参照する画面広告は,別のテーブルに格納して掲載ごとに付与した掲載ユニークコードで対応づける方式を採用した(図1).
3.2.2 簡易広告の検索
簡易広告は,検索された電話帳掲載者の情報を表示する際に,一表示項目として表示される広告であり,電話帳テーブルの1カラムとして収容し,電話帳情報「掲載名」「電話番号」「住所」と同時に参照する方式とした.」(859?860ページ)
「3.2.4 営業内容広告の検索
営業内容広告は,企業等を検索する際,職業に加え詳細な絞り込み条件として使用できるようにするため,以下を検討する必要がある.
(1)営業内容の項目
(2)営業内容の検索方式」(860ページ)
「表3 営業内容項目一覧(記載内容は省略)」(861ページ)
「3.3 広告の登録・更新方式
本システムでは,端末に格納された動画広告を除いて,広告情報を広告の持主が端末から即時登録・更新する機能を実現した.
広告の登録・更新機能を利用者に提供する場合,以下の点に留意することが重要である.
(1)第3者によるいたずら防止等を考慮したセキュリティ管理機能
(2)目的とする電話帳レコードへの広告の登録,更新および管理機能
3.3.1 セキュリティ管理
セキュリティ管理では,(1)利用者認証(契約した本人かどうかの識別),(2)データアクセス管理(間違った掲載への広告の登録防止),が重要である.
(1)については,端末,電話回線等に制約されない利用者IDおよびパスワードによる認証を採用し,さらに1つの利用者IDを複数の人が利用することを考慮して広告登録サービス利用時に広告登録パスワードによる認証を併用してセキュリティを高めた.」(861ページ)
「図3 広告の登録・更新に関するテーブル関連図(記載内容は省略)」(862ページ)

5.高付加価値型番号案内システム(CUPID)の利用者端末の開発
「本システムは,一般の利用者が直接端末を操作するタイプの情報案内システムであり,電話帳,地図,広告,伝言等の情報を案内する.」(865?866ページ)
「3.1 端末の種類と機能
利用者端末として,パソコン端末および公衆利用型端末を開発した.利用者端末から利用できるサービスの画面体系を図1に示す.
さらに,各利用者端末がサポートするサービス範囲を表1に示す.」(866ページ)
「図1 利用者端末の画面体系(記載内容は省略)」(867ページ)
「表1 利用者端末の提供サービス(記載内容は省略)」(868ページ)

以上の記載から、甲第1号証には、以下のような発明が記載されていると認めることができる.
「1 電話帳情報と、住宅地図情報、広告情報、伝言情報を有機的に連動し、これらの情報を電話帳情報とともに案内するサービスであって、
2 CUPIDセンタと利用者が使用するパソコン端末等が公衆電話網を介して接続されており、
3 CUPIDセンタからパソコン端末等に電話帳情報や住宅地図情報、広告情報等が供給されるものにおいて、
4 電話帳情報は電話帳掲載者の情報であって、名義(姓名、企業名)、電話番号、住所、職業などの情報から構成され、電話帳DBに格納されており、
5 住宅地図情報は、表示用地図データ、建物毎の名義、住所、(地図上の位置を示す)座標などから構成され、地図DBに格納されており、
6 広告情報には、簡易広告、画面広告、営業内容広告などの情報があり、
7 電話帳情報と住宅地図情報に基いて、両者の共通情報である「名義」と「住所」により自動照合し、電話帳情報に座標を対応付けた電話帳DBが作成され、
8 広告情報のうち、簡易広告と営業内容広告は、それぞれ電話帳情報の1項目として電話帳情報に結合され、電話帳DBに格納され、
9 パソコン端末から検索キーとして、名義、住所、職業、電話番号、目標物、地図上の領域などが指定されると、これに対応する情報が電話帳DBから検索され、
10 番号案内サービスにおいて、検索条件に合う電話帳掲載者の情報が提示され、
11 地図案内サービスにおいて、電話帳DB中の当該電話帳掲載者に対応する座標に基づき、地図DBが検索されて当該電話帳掲載者の付近の地図が表示案内され、
12 ピック検索案内サービスにおいて、地図上でピック指定された建物内の企業名が案内され、
13 また、電話帳掲載者の情報を提示する場合、広告サービスにおいて、電話帳掲載者の簡易広告や営業内容広告が表示され、
14 電話帳情報と結合した広告情報は、端末、電話回線等に制約されない利用者IDおよびパスワードによる認証を経て、広告の持主がパソコン端末から即時登録・更新することができる、
高付加価値型番号案内システム」
(なお、12 の内容は、データベースの構造から見て、「利用者に所定領域の地図を表示し、利用者が該地図上に表示された建物(イメージ)の1つの位置を指定すると、その建物位置の座標に対応する情報を電話帳DBから検索し、電話帳掲載者[企業名]の情報を表示案内する」という意味に解釈できる。)

4-1-2 また、甲第2号証には、以下の記載がある。
「【0048】
【実施例】
[問い合せ応答システム1]本発明の一実施例である問い合せ応答システム1の全体構成図を図1に示す。問い合せ応答システム1は、1台の親機3、使用者用子機5a?使用者用子機5n、および被使用者用子機7a?使用者用子機7nを備えている。親機3、使用者用子機5a?使用者用子機5n、および被使用者用子機7a?使用者用子機7nは、各々異なる位置に配置されており、親機3と使用者用子機5a?使用者用子機5n間、および親機3と被使用者用子機7a?使用者用子機7n間は通信路を介して各種の命令またはデータのやりとりを行なう。
【0049】
[使用者用子機5の機能ブロック図説明]使用者用子機5について、図2を用いて説明する。使用者用子機5は、命令入力手段13、使用者用子機通信手段15、使用者用子機報知手段17、使用者用子機位置データ記憶手段19、印字手段21、および使用者用子機制御手段11を備えている。」
「【0051】
使用者用子機制御手段11は、[地図表示モード]においては、つぎのような制御を行なう。命令入力手段13に地図データ取得命令が入力されると、当該地図データ取得命令を送信する送信命令を、使用者用子機通信手段15に出力する。また、使用者用子機通信手段15から地図データが与えられると、使用者用子機位置データ記憶手段19に記憶された位置データを読み出し、当該位置データおよび前記地図データに基づいて、当該位置データを含む目的地図データを、使用者用子機報知手段17に報知させる報知命令を出力する。
【0052】
使用者用子機制御手段11は、[店舗データ表示モード]においては、つぎのような制御を行なう。命令入力手段13に店舗状況データ取得命令が入力されると、当該店舗状況データ取得命令を送信する送信命令を、使用者用子機通信手段15に出力する。また、使用者用子機通信手段15から店舗状況データが与えられると、当該店舗状況データを、使用者用子機報知手段17に報知させる報知命令を出力する。
【0053】
使用者用子機制御手段11は[予約モード]においては、つぎのような制御を行なう。命令入力手段13に、特定の店舗に対して予約を行なう予約命令が入力されると、当該予約命令を送信する送信命令を、使用者用子機通信手段15に出力する。そして、使用者用子機通信手段15から、予約を行なう店舗に設置された被使用者用子機7に対する予約が完了したことを示す予約完了データを受け取った場合は、当該予約完了データを使用者用子機報知手段17に報知させる報知命令を出力する。また、使用者用子機通信手段15から、予約が不可能であることを示す予約不能データを受け取った場合は、当該予約不能データを使用者用子機報知手段17に報知させる報知命令を出力する。」
「【0055】
[親機3の機能ブロック図説明]つぎに、親機3について、図3を用いて説明する。親機3は、親機通信手段25、地図データ記憶手段23、混雑度記憶手段29、親機制御手段31、および優待券発行目的地記憶手段27を備えている。
【0056】
親機通信手段25は、通信路を介して各使用者用子機5との間、および各被使用者用子機7との間で命令またはデータを送受信する。地図データ記憶手段23は、地図データを記憶する。
【0057】
混雑度データ記憶手段29は、被使用者用子機が配置された店舗の混雑度データを記憶する。優待券発行目的地記憶手段27は、優待券が使用される目的地を優待券発行目的地データとして記憶する。
【0058】
親機制御手段21は、[地図表示モード]においては、つぎのような制御を行なう。親機通信手段25から地図データ取得命令が与えられると、当該地図データ取得命令に基づき、地図データ記憶手段23から地図データを取得する。つぎに、当該地図データを使用者用子機5に向けて送信させる送信命令を、親機通信手段25に出力する。
【0059】
親機制御手段21は、[店舗データ表示モード]においては、つぎのような制御を行なう。親機通信手段25から店舗状況データ取得命令が与えられると、店舗状況データを取得したい店舗に設置された被使用者用子機7に向けて前記店舗状況データ取得命令を送信させる送信命令を、親機通信手段25に出力する。また、親機通信手段25から前記店舗状況データが与えられると、前記店舗状況データ取得命令が入力された使用者用子機5に向けて、当該店舗状況データを送信させる送信命令を、前記親機通信手段25に出力する。
【0060】
親機制御手段21は[予約モード]においては、つぎのような制御を行なう。親機通信手段25から特定の店舗に関する混雑度データが与えられると、混雑度データ記憶手段29に、当該混雑度データを記憶する。親機通信手段25から特定の店舗に対して予約を行なう予約命令が与えられると、当該予約命令に基づき、混雑度データ記憶手段29から混雑度データを取得し、この混雑度データに基づき、前記予約命令で示される予約データを予約可能か否か判断する。
【0061】
前記予約データを予約可能と判断した場合は、当該予約データを混雑度データとして混雑度データ記憶手段29に記憶するとともに、前記予約命令を送信した使用者用子機および予約を行なう店舗に設置された被使用者用子機に向けて、予約が完了したことを示す予約完了データを送信させる送信命令を、親機通信手段25に出力する。
【0062】
前記予約データを予約不可能と判断した場合は、前記予約命令を送信した使用者用子機5に向けて、予約が不可能であることを示す予約不能データ出力命令を送信させる送信命令を親機通信手段25に出力する。」
「【0064】
[被使用者用子機7の機能ブロック図説明]つぎに、被使用者用子機3について、図4を用いて説明する。被使用者用子機7は、混雑度データ入力手段33、被使用者用子機通信手段35、予約データ出力手段37、店舗状況データ取得手段39および被使用者用子機制御手段41を備えている。
【0065】
混雑度データ入力手段33には、当該被使用者用子機が配置された店舗の混雑度データを入力する。被使用者用子機通信手段35は、通信路を介して前記親機との間でデータを送受信する。予約データ出力手段37は、予約完了データ出力命令が与えられると、当該予約完了命令で示される予約データを出力する。
【0066】
被使用者用子機制御手段41は、[店舗データ表示モード]においては、つぎのような制御を行なう。
【0067】
被使用者用子機通信手段35から店舗状況データ取得命令が与えられると、店舗状況データ取得手段39に当該店舗状況データ取得命令を出力し、店舗状況データ取得手段39から店舗状況データが与えられると、当該店舗状況データを親機3に向けて送信する送信命令を、被使用者用子機通信手段35に出力する。
【0068】
なお、本実施例においては、店舗状況データ取得手段は、撮像手段および音声取得手段の双方を備えている。また、前記撮像手段および音声取得手段は、取得対象変更命令を受けると取得対象を変更する取得対象変更手段を有している。
【0069】
被使用者用子機制御手段41は[予約モード]においては、つぎのような制御を行なう。混雑度データ入力手段33から混雑度データが与えられると、当該混雑度データを親機3に向けて送信する送信命令を、前記被使用者用子機通信手段35に出力する。また、被使用者用子機通信手段35から予約完了データが与えられると、当該予約完了データを予約完了データ出力命令として、前記予約データ出力手段37に出力する。」
「【0074】
図6に、親機3をCPUを用いて実現したハードウェア構成を示す。親機3は、CPU153、ROM155、RAM157、ハードディスク161、キーボード163、プリンタ159、DCU169、I/F171およびバスライン150を備えており、使用者用子機5とほぼ同様の構成している。なお、親機3においては、ハードディスク161は、地図データ、混雑度データ、および優待券発行目的地データ等を記憶する。
【0075】
図7に、被使用者用子機7をCPUを用いて実現したハードウェア構成を示す。被使用者用子機7は、CPU253、ROM255、RAM257、ハードディスク261、キーボード263、CRT265、DCU269、入出力I/F271およびバスライン250を備えており、使用者用子機5とほぼ同様の構成している。なお、被使用者用子機7においては、入出力I/F271には、ビデオカメラ277、およびマイクロフォン279が接続されている。本実施例においては、ビデオカメラ277が撮像手段を、マイクロフォン279が音声取得手段を構成している。ビデオカメラ277は、ズーム機構および首振り機構を有しており、撮像対象を変更することができる。なお、マイクロフォン279はビデオカメラ77に固定されており、ビデオカメラ277が移動すると一緒に移動する。
【0076】
[処理フローチャート]つぎに、図8のフローチャートを用いて、全体の処理動作について説明する。まず、地図表示モード(図8ステップST1)について、図9を用いて説明する。地図表示モードでは、以下の様にして、使用者用子機5のモニタテレビ73に所望の地図を表示させることができる。
【0077】
予め登録してある複数の候補地名がモニタテレビ73に表示されると、使用者様子機5の操作者は、希望する目的地を表示させる地図表示命令を、キーボード63から入力する(図9ステップST11)。使用者用子機5のCPU53は、DCU69を介して前記地図表示命令を親機3に送信する(ステップST12)。
【0078】
つぎに、親機3のCPU153はDCU169を介して前記地図表示命令に基づき、ハードディスク161から対応する地図データを読み出す。ハードディスク161に記憶されている地図データについて、図11を用いて説明する。図に示すように、本実施例においては、地図データは、目的地名、地図No、中心座標、描画データおよび存在使用者用子機名から構成されている。地図データは、目的地名毎に地図Noが付与されている。中心座標および存在使用者用子機名については後述する。なお、描画データはイメージデータとして記憶している 図9ステップST14において、CPU153は、当該地図データを使用者用子機5に向けて送信させる送信命令を、DCU169に出力する。これにより、当該地図データが使用者用子機5に送られる。
【0079】
使用者用子機5のCPU53は、かかる地図データをDCU69を介して受け取ると、モニタテレビ73に当該地図データの初期画面を表示する(図9ステップST15)。
【0080】
本実施例においては、地図データが全体として表示されるのではなく、カーソル座標を中心として一定の領域が画面に表示される。例えば、図11に示す地図No1の地図データについては、イメージデータA全体がモニタテレビ73に表示されるのではなく、図13に示すように、表示範囲100内だけがモニタテレビ73に表示される。地図データの中心座標とは、当該地図データが初期表示される場合のカーソル座標位置をいう。なお、後述するように表示範囲100外の範囲については、画面を縦方向または横方向にスクロールさせることによりモニタテレビ73に表示することができる。本実施例においては、カーソル位置として人形の頭の位置を採用した。
【0081】
操作者は、表示された地図データを見て、他の目的地を選択するか否かをキーボード63から入力する。CPU53は、このような入力があった場合は(図9ステップST16)、図9ステップST11以降の処理を繰り返す。キーボード63からこのような入力がない場合は図10ステップST18に進み、CPU53は、カーソルが移動したか否かを判断する。カーソルが移動した場合は、ステップST19に進み、カーソル位置に対応した画面を表示する(ステップST19)。例えば、カーソルが点P1から点P2に移動すると、表示範囲100から表示範囲101に変化する。
【0082】
操作者は、カーソルを移動させることによりスクロールされる地図データを見ることができる。そして、地図表示モードを終了する場合は、終了命令をキーボード63から入力する。CPU53は、ステップST20にて、当該終了命令が入力されたか否かを判断する。前記終了命令が入力された場合は、地図表示モードは終了する。前記終了命令が入力されない場合は、CPU53は、図9ステップST16以下の処理を繰り返す。
【0083】
このようにして、使用者用子機側にて、所望の目的地の地図を容易に表示させることができる。
【0084】
本実施例においては、モニタテレビ73に目的地周辺の町並みを表示し、その地図上をあたかも歩いていけるかのように操作できるようにしている。したがって、目的地に着くまでにどのような店が並んでおり、また、どの程度時間がかかるのかを知ることができる。これにより、目的地にいっても目的の店舗を的確に把握することができる。
【0085】
つぎに、店舗データ表示モードに移る(図8ステップST3)。本実施例においては、図11に示す地図データは、図12に示す様な店舗データを含んでいる。したがって、以下に説明するように、目的地までの地図データだけでなく、当該地図データの中の店舗データについても地図データとしてモニタテレビ73に表示することができる。
【0086】
まず、図12の店舗データについて説明する。地図データ中に表示される店舗データについては、表示する店舗毎に通し番号が付されている。これにより、店Noを特定するだけで、地図Noを特定しなくとも店舗を特定することができる。本実施例においては、(Xmin,Ymin),(Xmax,Ymax)の2点で、当該店舗の地図上の店舗領域が決定される。例えば、図13のそば屋○△151は、座標(X101,Y101),(X102,Y102)の2点で表される。
【0087】
カーソル(人間印の頭部分)が座標P1から座標P2に移動すると、カーソルが前記そば屋○△151の店舗領域に入った状態となる。なお、これにつれて、表示領域101が画面上に表示される。この状態で、マウス66(図5参照)の左スイッチ(図示せず)をクリックすると、CPU53は、図12の店舗データから該当する店Noのメッセージを表示する。例えば、店No2の領域内でクリックされた場合、メッセージMS2がモニタテレビ73に表示される。図15に、メッセージの一例を表示する。
【0088】
なお、図12に示す店舗データのうち休業フラグとは、休業日を日または曜日で記憶しておくものである。営業日とは異なる休業メッセージを予め記憶させておき、店舗データの表示命令が入力された日が当該休業フラグの記憶された日と同じであれば、CPU53は、当該休業メッセージを表示する。休業日か否かは、CPU53の有するカレンダー機構(図示せず)を用いればよい。休業日メッセージの一例を図16に示す。これにより、現地に着いてから目的店舗が休業であるということを防止することができる。
【0089】
なお、休業日フラグは、被使用者用子機7から随時書換え・追加可能に構成することにより、店舗側から臨時休業の表示も容易に行なうことができる。これは、つぎの様に行なう。図7に示すキーボード263から臨時休業日として、何月何日と入力すると、CPU253は、当該追加命令をDCU269を介して親機3に送信する。親機3のCPU153は、当該追加命令に基づいてハードディスク161の店舗データの内容を変更する。
【0090】
メッセージ表示後(図14ステップST21)、使用者用子機5の操作者は、ジョイステック74のレバー(図示せず)を操作することにより、以下の様にして、現在の店舗状況を知ることができる。」
「【0092】
使用者用子機5は、当該画像データ及び音声データをモニタテレビ73およびスピーカ75から報知する。このようにして、使用者用子機5に非使用者用子機7が配置されている店舗における現在の店舗状況を知ることができる。
【0093】
これにより、リアルタイムの店舗情報を得ることができ、店舗を選択する際の有用情報を得ることができる。
【0094】
つぎに、図8ステップST4の予約モードについて、図17及び図18を用いて説明する。図17に示す様に、操作者は、使用者用子機5のキーボード63から、予約命令を入力する(図17ステップST31)。本実施例においては、予約命令は図19に示すようなデータ構造とした。予約命令は予約する店No、予約日、予約開始時刻、予約終了時刻、予約人数、予約者名から構成した。
【0095】
図17ステップST32において、CPU53は、前記予約命令をDCU69を介して親機3に送信する。親機3のCPU153は、当該予約命令を受けると、ハードディスク161に記憶されている混雑度データを読み出す。混雑度データとは、被使用者用子機7の配置された店舗の混雑度を表すデータである。本実施例においては、混雑度データとして図20に示すようなデータ構造とし、店No毎に、定員、現在の客数、現在の客数を入力した時刻、予約日、予約開始時刻、予約終了時刻、予約人数、および予約者名を記憶するようにした。」
「【0099】
CPU153は、前記予約命令に基づいて、予約が完了したこと示す予約完了データを使用者用子機5に送信する(図18ステップST35)。
【0100】
使用者用子機5のCPU53は、前記予約完了データを受け取り、モニタテレビ73に表示する。これにより、操作者は予約が完了したことを知ることができる。
【0101】
一方、親機3のCPU153は、前記予約完了した予約データを被使用者用子機7に送信する(図18ステップST36)。被使用者用子機7のCPU253は、前記予約データを受け取り、モニタテレビ73に表示する。これにより、店舗側は新たな予約があったことを知ることができる。
【0102】
なお、被使用者用子機7側から、当該被用者用子機を配置した店Noに関する予約データ請求命令が送信されると、親機3は、前記混雑度データから予約データを読み出し、当該予約データ請求命令を送信した被使用者用子機7に送信する。被使用者用子機7のCPU253は、送信された予約データをCRT265に表示する。これにより、いつでも予約状況を知ることができる。」
「【0115】
また、被使用者用子機の予約頻度を知ることができるので、システム提供者としては、加盟料等の請求を適切に行なうことができる。端末の増設や広告料請求を適切に行なうことができる。さらに、発行年月日を記憶することにより、季節的な利用状況等を提供することもできる。」

以上の記載および図面の記載を総合すると、甲第2号証には、以下の発明が記載されていると認めることができる。
「1 問い合わせ応答システムであって、
2 親機と複数の使用者用子機と店舗等に配置された複数の被使用者用子機とが通信回線を介して接続されており、
3 親機は、店舗データ(図12)を含む地図データ(図11)と、混雑度データ(図20)を記憶するとともに、使用者用子機に所望の領域の店舗データを含んだ地図データ(図11,図12)を送信し、
4 使用者用子機は、前記地図データを受信して、画面に地図(図13)を表示し、
5 使用者用子機の操作者が、表示された地図を見て、カーソルによって地図上に特定の店舗名が標記され位置が特定された枠の枠内を指定すると、使用者用子機は、当該位置に対応する店舗の店舗データ(メッセージ、休業日フラグ等)を読み出し、店のメッセージや休業メッセージ等を表示し、
6 親機が記憶している休業フラグは、日や曜日で休業日を記憶しておくもので、被使用者用子機から随時書き換え・追加が可能になっており、
7 メッセージ表示後、使用者用子機の操作者が、現在の店舗状況を知ることを要求する操作を行うと、取得対象変更命令が親機に送信され、親機が被使用者用子機に該命令を送信すると、被使用者用子機は、店舗の撮像情報を親機を介し使用者用子機に送信し、
8 また、使用者用子機の操作者が、店の予約をすることを要求する操作を行うと、予約命令(図19)が親機に送信され、親機は、記憶している当該店の混雑度情報から予約の可否を判断し、予約が可能であれば、混雑度データに予約データを追加して記憶し、予約が完了したことを使用者用子機に送信するとともに、被使用者用子機に送信し、
9 被使用者用子機は、親機に混雑度データの送信要求をすることにより、混雑度データを取得することが出来る、
問い合わせ応答システム。」

4-1-3 また、甲第3号証には以下のような発明が記載されている。
「1 電話番号と、該電話番号の該当地区の地図等のデータ検索システムに関し、
2 電話番号、住所、持ち主、住所コード等のデータと、住所コードに対応した複数のイメージデータを対応させ、また、表示された地図の該当地番の場所にポイントを表示するための地番座標変換テーブルを備え、
3 電話番号あるいは住所コードを入力すると、該当する地図(区分地図)を表示し、かつ、地番に対応する地番ポイントを地図上に表示(第2図、14)するものであって、
4 指定された地区の地図を表示し、該地図画面上にライトペン等により所望の位置を指定してその座標を読み取らせるとともに、キーボードにて角番地、住所コードのデータを入力して、座標-角番地対応テーブルが作成され、続いて地番座標変換テーブルを自動作成する、地番座標変換テーブル作成システムを有する、
電話番号-地図データ処理システム。」

4-1-4 また、甲第4号証には、以下の発明が記載されている。
「1 災害通報電話等からの通報者または災害場所の決定システムであって、
2 通報された特定されるエリアに該当する地図をタッチパネルを有するディスプレイ上に表示し、
3 地図上に表示された建物、橋などの目標とする対象物を判断し、当該目標物点をタッチすることにより、目標地点の地図座標が入力され、
4 該地図座標に対応するメッシュエリアの住所・地名・目標物のリストを表示し、これを選択することにより目標地点の決定を行う、
地点決定方式。」

4-1-5 また、甲第5号証には、以下の発明が記載されている。
「1 ユーザによって施設の情報を登録できる機能を備えたナビゲーション装置におけるメモ情報を効果的に表示する装置において、
2 ユーザは、表示地図上において、その施設が存在する位置をカーソルによって設定し、その後、その施設の名称などを文字、アルファベット等で入力し、また、施設の位置を表示する際の目印となる記号を入力することにより、その施設の位置や内容、目印等を装置に登録することができ、
3 ナビゲーション装置側では、係るメモ情報の位置および内容を互いに関連付けてメモリに記憶し、
4 車両の現在位置を表示している地図上に登録された記号が表示され、現在位置と登録地点とを同時に表示できないときは、地図の表示領域ないし縮尺を変更して、現在位置と登録地点とを同時に表示できるようにした、
地図情報表示装置。」

4-1-6 また、甲第6号証には、以下のような発明が記載されている。
「1 デジタル地図上にユーザー独自の情報を登録する機能を持つ、パソコンで利用できるデジタル地図である。
2 地図上にアイコン、コメントなどをユーザーが設定できる。(図1)
3 アイコンを設定し、名称、電話番号、メモなどの項目をユーザーが設定できる。(図3)
4 個人情報は地図上にアイコンを設定し、タイトル、属性、メモ、画像などの項目を登録できる。(図5)
5 地図上にアイコンを配置でき、そこに名前、住所、種類、キーワード、メモなどの情報を登録できる。(図6)」

4-1-7 また、甲第7号証には、以下のような発明が記載されている。
「1 仮想地図空間内にユーザの分身を移動させて、地図上のサービスを任意に選定するとともに、情報交換を行いつつ、最終地点に到達することにより容易にビジュアルアクセスできるようにしたシステムであって、
2 サーバに地図情報を持つことにより、全てのユーザが同じ地図情報を持つことができる、ビジュアルアクセスシステム。」

4-2 対比・判断
まず、請求項に記載された「広告情報」の意味を検討する。
本願明細書には、
「【0012】
(中略)
そして、記憶手段17には、顧客ファイルが記憶されている。かかる顧客ファイルは、店登録番号毎に作成されるものであり、1つの店登録番号に対応する顧客ファイルは、登録者ID、パスワード、店舗情報、(x,y)情報等のように店舗固有の情報から構成される。このうち、店舗情報は、さらに店名や、電話番号、ファックス番号、(最寄り駅から店舗までの)行程、店舗の業種を示す業種情報、(他の情報と結びつける場合に、参照すべきネットワーク上の情報の行先を示す)リンク情報、(広告の内容を示す)広告メッセージ等のように、広告対象の店舗に関する種々の情報から構成される。本願の広告情報とは、狭義では広告メッセージを指すが、広義には、店舗情報よりも上位であって、顧客ファイル作成に必要な情報のすべてを指す。なお、店登録番号は、端末からの登録があった場合に、制御手段11により自動的に付与されるものである。」
という記載がある。
したがって、本件発明1における「広告情報」とは、顧客ファイル作成に必要な情報、すなわち広告メッセージのみならず、電話番号、業種、店名等の店舗情報、登録者ID、パスワードなど(本願の図2参照)を示すものであると理解される。

そして、本件発明1と甲第1号証に記載されたものとを対比すると、甲第1号証記載の「CUPIDセンタ」、「公衆電話網」、「利用者のパソコン端末」、「広告の持主のパソコン端末」は、本件発明1の「サーバー」、「コンピュータネットワーク」、「広告受給者の端末」、「広告依頼者の端末」に相当する。
また、甲第1号証記載の「電話帳情報」は、名義、電話番号、職業、および簡易広告や営業内容広告を含む情報であるから、本件発明1の「広告情報」に対応する。
さらに、甲第1号証に記載された「ピック検索案内サービスにおいて、地図上でピック指定された建物内に企業名を案内する」とは、「利用者の端末に所定領域の地図を表示し、利用者が該地図上に表示された建物(イメージ)の1つの位置を指定すると、指定したその建物の位置の座標に対応する情報を電話帳DBから検索し、電話帳掲載者の情報である[企業名]を表示案内する」という意味に解され、また、地図情報に関しては、端末のCD-ROMに記憶しておくことが記載されているが、この地図情報をセンタに記憶しておくことも示唆されている(甲第1号証の第855ページ)。
そして、この案内表示される「企業名」は「広告情報」ということができ、また地図上に表示された建物(イメージ)は当該建物の「企業名」を知るための対象物、すなわち広告対象物といえるものであるから、甲第1号証に記載された「ピック検索案内サービスにおいて、地図上でピック指定された建物内に企業名を案内する」とは、本件発明1の「広告受給者の端末に対しては、前記サーバー側から前記地図情報に基づく地図を表示するとともに、当該地図上の地点であって、所望する広告対象物の選択を促す段階と、選択された広告対象物に関連づけられた広告情報を前記サーバー側で読み出す段階と、読み出された広告情報を、前記広告受給者の端末に対して出力する段階」に一応対応しているといえる。
さらにまた、甲第1号証に記載された「電話帳情報と結合した広告情報は、広告の持主が端末から即時登録・更新することができる」ことは、広告の持主に対して広告情報(本件発明1でいう顧客ファイル情報の一部ではあるが、狭い意味の広告情報)の登録・更新情報の入力を促すことが前提であるから、本件発明1の「広告依頼主の端末に対しては、広告情報の入力を促し」ていることに一応対応する。

したがって、本件発明1と甲第1号証に記載されたものは、
<一致点>
「サーバー側からコンピュータネットワークを介して広告情報を供給する広告情報の供給方法において、
広告依頼者の端末に対しては、
広告情報の入力を促す一方、
広告受給者の端末に対しては、
前記サーバー側から地図情報に基づく地図を表示するとともに、当該地図上の地点であって、所望する広告対象物の選択を促す段階と、
選択された広告対象物に関連づけられた広告情報を前記サーバー側で読み出す段階と、
読み出された広告情報を、前記広告受給者の端末に対して出力する段階と
を備えることを特徴とする広告情報の供給方法。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

<相違点1>
本件発明1は、広告情報の登録に際し、
「広告依頼者の端末に対し、サーバー側に予め記憶された地図情報に基づいて地図を表示して、当該地図上において広告対象物の位置指定を促す段階と、
前記地図上において位置指定された広告対象物の座標を、入力された広告情報と関連づけて前記サーバー側で逐一記憶する段階とを備える」ものであるのに対し、
甲第1号証は上記構成を具備していない点。
<相違点2>
本件発明1は、
「記憶された広告対象物の座標に相当する地点に、図象化した当該広告対象物を表示」する、すなわち、地図上に表示されるのが、広告情報と座標情報とが関連づけられてサーバに記憶された「広告対象物」であり、かつその広告対象物を「図象化して表示する」ものであるのに対し、
甲第1号証は、地図上に表示されるのは、地図データに記憶された建物イメージであって、電話帳情報と関連づけられた建物イメージではなく(自動照合により建物イメージに電話帳情報が関連づく場合もあるが、そもそも建物イメージは電話帳情報と関連していないので、地図上には電話帳情報と関連していない建物イメージも表示される)、そしてそれを「図象化して表示」していない点。
<相違点3>
本件発明1は、
「広告依頼者の端末に対しては、広告情報の入力を促す」ものであり、このとき促されて入力されるのは、顧客ファイル作成に必要な情報であるのに対し、
甲第1号証は、促されて入力されるのは、電話帳情報(本件発明1でいう顧客ファイルに相当する)の一部の情報である点。

<相違点1>について
まず、本件発明1における「広告依頼者の端末に対し、サーバー側に予め記憶された地図情報に基づいて地図を表示して、当該地図上において広告対象物の位置指定を促す段階と、
前記地図上において位置指定された広告対象物の座標を、入力された広告情報と関連づけて前記サーバー側で逐一記憶する段階」の構成の意味を検討する。
本件明細書には、
A.「【0014】
2-1:登録
まず、顧客ファイルの作成過程を説明すべく、端末操作者が新規の広告依頼者(あるいはその代理人)であるとする。
【0015】
2-1-1:新規登録
(中略)
【0018】
ステップSb3において、制御手段11は、端末101に対して、図7に示す位置指定画面を表示させる制御を行なって、端末操作者に対し、広告すべき店舗の位置指定を促す。ここで、表示される地図は、記憶手段15に記憶された地図ファイルに基づくものである。なお、図7に示すものは、東京都千代田区神田界隈(秋葉原駅周辺)を示す下層の区分地図である。
端末操作者は、表示された地図上において、広告の対象となる店舗の位置を、マウスカーソルMCにより指してクリックする。すると、制御手段11は、この地図を示すコードと、この地図上において指定された位置の座標を示す(x、y)情報とを求めて、これらの情報を一旦格納した後に、次のステップSb4の処理を行なう。
【0019】
ステップSb4において、制御手段11は、端末101に対して、図8?図10に示す店舗情報入力画面を表示させる制御を行なって、端末操作者に対し、店舗情報の入力を促す。なお、図8?図10に示した店舗情報入力画面は、別個の画面ではなく、ボタン22Uまたは22Dにより上下スクロールする連続画面である。」
B.「【0020】
ボタン281が押下されると、制御手段11は手順をステップSb5に進ませ、入力された店舗情報を、端末101の表示部に表示させて、その内容の確認を端末操作者に促す。この際、端末操作者が、店舗情報の再入力を行なうのであれば、所定の操作を行なう。これにより、制御手段11の制御によって先の店舗情報入力画面に戻る一方、店舗情報に誤りがなければ、手順はステップSb6に進む。
ステップSb6において制御手段11は、端末101の表示部に対し、「登録しました」旨の表示を行なうとともに、登録メニュー画面、位置指定画面および店舗情報入力画面において入力された情報を、1つの顧客ファイルとして、特に、店舗情報入力画面において入力された情報については店舗情報として記憶手段17に格納する。この際に付与された店登録番号は、制御手段11の制御により端末101の表示部に表示されて、端末操作者に告知される。この後、制御手段11は、手順をステップSb1の登録メニュー画面表示に戻す。
このようにして、新規の広告依頼主が行なった入力に対して1つの顧客ファイルが作成される。」
という記載がある。

上記記載から、上記<相違点1>に係る構成は、「地図上の任意の位置に対応付けて、広告依頼者が新規に広告情報を登録するために、サーバに予め記憶された地図情報に基づいて広告依頼者の端末に地図を表示し、その地図上の任意の位置を広告依頼者に指定させ、かつ、広告依頼者が入力した広告情報と前記地図上で指定した位置の座標情報を関連づけてサーバに記憶(登録)する」ことを意味するものと理解できる。
これに対し、請求人は、上記<相違点1>は、甲第3号証ないし甲第6号証に記載されたものから当業者が容易に想到し得た旨主張している。
そこで、甲第3?6号証記載のものを検討すると、甲第3号証には、上記4-1-3に記載したように、地図を表示し、その地図上の任意の位置を操作者に指定させ、当該指定した位置の座標と操作者が入力した住所等とを対応付けて記憶するものが記載されており、地図座標に対して所望の情報を登録する手法に関しては上記相違点1と共通する部分もある。
しかしながら、甲第3号証記載のものは、端末に記憶された地図情報に基づいて端末に地図を表示し、地図上の座標を指定すると共に、端末操作者が入力した情報と前記指定した座標とを関連付けて端末に登録し、そして該情報を端末から読み出して利用するものであり、情報提供者の端末から入力した情報と地図上の座標を関連付けて第三者のサーバに登録するようなものではない。
要するに、甲第3号証に記載されたものは、地図上の位置と地番とを対応付ける地番座標変換テーブルを作成するようなシステムであって、本件発明1のように、広告依頼主が広告受給者に対して自分の広告を出すことを目的として、データを管理している第三者のサーバに対し、広告依頼者の端末から座標情報と関連づけて広告を登録し、広告受給者がサーバにアクセスして広告等を見ることができるようにしたシステムではない。
また、甲第1号証には、利用者端末から「広告」を登録・更新することができることが記載されているものの、甲第1号証で登録・更新できる「広告」は、既に地図上の座標と電話帳情報とが関連付けられて登録された情報に対して「(狭い意味の)広告」を登録(付加)したり更新することができるということであって、甲第1号証には、利用者端末から広告情報(電話帳情報)と地図上の座標情報を関連づけてサーバに登録できることは記載されていない。
さらにまた、甲第1号証記載のものにおいて、地図情報を利用した付加価値サービス(目標物による検索案内サービスやピック検索案内サービス等)で対象となる電話帳情報は、簡易広告、画面広告といった狭い意味での広告が登録されている電話帳情報のみではないから、電話帳情報と座標情報との対応付けは、広告が登録される以前から行われている必要がある。つまり、甲第1号証記載のものは、(狭い意味の)広告の登録以前から電話帳情報と座標情報が関連づけられて登録されており、この情報の登録を、広告依頼者ではなく付加情報サービスの提供者(センタ側)が行うことを前提としたシステムである。(そして、この情報の登録に、既存の電話帳情報と住宅地図情報との自動照合による手法を採用している。)したがって、自動照合では座標情報が算出できない等の理由により自動照合以外の手段で電話帳情報と座標情報とを対応付けて登録する必要があるとしても、該登録は付加サービスの提供者が行うことは明らかである。
よって、甲第1号証に記載されたものと甲第3号証に記載されたものを組み合わせたとしても、広告依頼者自身が新規に広告情報(店舗情報)を登録するために、サーバに記憶された地図情報に基づき広告依頼者の端末に地図を表示させ、その地図上の任意の位置を広告依頼者に指定させ、かつ、広告依頼者が入力した広告情報と前記地図上で指定した位置の座標情報を関連付けてサーバに記憶すること、が容易に想到できたとは認めることができない。
さらに、他の証拠を検討するに、甲第4号証に記載されたものは、すでに座標と住所等とが関連づけられたメッシュ情報ファイルを検索する際の、地図座標の指定に関するものであって、座標と入力情報の登録手法に関するものでない。
甲第5号証には、地図上の座標情報と入力情報を関連付けて登録し、地図上に登録された情報を自端末(ナビゲーションシステム)で利用する、つまり、地図上に自分で利用するメモ情報等を登録し表示するようなものが記載されており、また、甲第6号証には、パソコンで利用できるデジタル地図において、地図上に自分で利用するメモ情報等を登録し表示するようなものが記載されているが、これらもまた広告依頼者の端末から座標情報と関連づけて広告を第三者のサーバに登録し、広告受給者がサーバにアクセスして広告等を見ることができるようなシステムに関するものではなく、上記相違点1に係る事項が記載されているとはいえない。
(なお、請求人が提出した甲第18号証には、地図を表示して位置指定を行い、電話帳掲載者に座標を付与することが記載されているが、これもまた、電話帳データベース管理者が自身のデータベースにデータを追加するものである。)
そして、甲第7号証には、上記相違点1に係る構成は記載されておらず、甲第2号証にも(後述するが)、相違点1に係る構成は記載されていない。
さらにまた、請求人は、甲第11号証ないし甲第16号証を提示し、地図を表示して位置指定による座標入力、属性入力を行う装置をネットワークやLANを介してネットワークと接続することは周知である旨主張しているが、甲第11ないし16号証記載のものは、ホストコンピュータで記憶・管理される情報(地図情報や属性情報)を該ホストコンピュータに接続された端末で作成、修正(編集)、削除するシステム、つまり情報を蓄積・管理しているセンタ(ホスト)のデータを、センタの管理下にある複数の端末によって、作成、照会、編集、登録できるようなシステムに関するものであって、そもそも広告依頼者が広告を出すために、広告依頼者の端末から第三者のホストに情報を登録するようなシステムではないから、広告依頼者が自分の端末から地図座標と広告情報を関連付けて第三者のサーバに記憶させることが周知技術であるとは認められず、上記相違点1に係る事項が甲第11号証ないし甲第16号証に記載されたものから容易に想到できたということはできない。
(甲第1号証は、地図座標の登録をサービス提供者側すなわちサーバ管理者側が行うことを前提としたシステムであるから、甲第11号証ないし甲第16号証記載の周知技術を組み合わせたとしても、広告依頼者ではなくサーバ管理者側の者が、CUPIDに接続された端末から地図座標に関連付けられた情報の登録を行うことが想到できるにすぎないといえる。)
そして本件発明1は、上記構成を備えることにより、サーバー管理者が広告依頼者からの依頼を受けて地図と関連付けられた広告情報を登録するのでなく、広告依頼者自身が自分の端末からサーバに対して広告情報と関連付けられる地図座標の指定および登録を行うことができるため、広告配布までのタイムラグが短くなるという作用効果が生じるものと認められる。
(なお、明細書に記載はないが、例えば、ある広告依頼者に新たに支店が出来、その支店の広告を出したいときに、広告依頼者の端末から該支店の広告がすぐ登録出来るというような効果があることは、本件発明1の構成から予測できる。)
以上のとおり、甲第1号証、甲第2号証?甲第7号証、甲第11号証?甲第16号証、甲第18号証に記載されたものを総合しても、広告依頼主が広告受給者に対して自分の広告を出すために、広告依頼者の端末からホストに地図上の座標情報に関連づけて広告を登録することは、前記した刊行物に記載されているとも、あるいは周知技術であるとも認められないので、上記相違点1に係る事項、すなわち、広告依頼者の端末に地図を表示し、広告依頼者に地図上の位置を指定させ、そして指定された座標と広告依頼者が入力した広告を関連づけてサーバに登録することが容易に想到できたということはできない。
したがって、上記相違点2、および相違点3を検討するまでもなく、本件発明1は、甲第1号証、甲第2号証?甲第7号証及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものとは認められない。

そして、本件発明2ないし本件発明6は、少なくとも本件発明1の構成要件を全て備えた発明であるから、本件発明1と同じ理由で、当業者が容易に発明できたものとは認められない。

また、本件発明7と甲第1号証に記載されたものを対比すると、両者は少なくとも、
<相違点>
本件発明7は、「広告依頼者の端末に対して、サーバー側に予め記憶された地図情報に基づいて地図を表示して、当該地図上において広告対象物の位置指定を促す段階と、
前記地図上において位置指定された広告対象物の座標を、入力された広告情報と関連づけて前記サーバー側で逐一記憶する段階とを備える」ものであるのに対し、
甲第1号証は上記構成を具備していない点。
で相違しているが、この相違点は本件発明1と甲第1号証記載の発明の相違点1と同じであり、さらに本件発明8および本件発明9は、本件発明7の構成要件を備えているのであるから、本件発明7ないし本件発明9もまた、本件発明1と同じ理由で、当業者が容易に発明できたものとは認められない。


なお、請求人は、甲第2号証に記載されたものを主引用発明として、本件発明1の容易性を主張しているので、次に、本件発明1と甲第2号証に記載されたものを対比する。
甲第2号証記載の「親機」、「通信回線」、「被使用者用子機」、「使用者用子機」は、本件発明1の「サーバー」、「コンピュータネットワーク」、「広告依頼者の端末」、「広告受給者の端末」に相当する。
そして、甲第2号証記載の「店舗データ」は、店のメッセージや休業メッセージ、店名等からなるデータであるから、本件発明1の「広告情報」に対応している。
また、甲第2号証に記載された「(図13に示されるような)地図上に特定の店舗名が標記され位置が特定された枠」は広告対象物であることは明らかであり、「親機は、使用者用子機に店舗データを含む地図データを送信し、使用者用子機は、前記地図データを受信して画面に地図を表示し、使用者用子機の操作者が、表示された地図を見て、カーソルによって地図上に特定の店舗名が標記され位置が特定された枠の枠内を指定すると、当該位置に対応する店舗の店舗データを読み出し、店舗店のメッセージや休業メッセージを表示する」ことは、本件発明1の「広告受給者の端末に対しては、前記サーバー側から前記地図情報に基づく地図を表示するとともに、当該地図上の地点であって、記憶された広告対象物の座標に相当する地点に、広告対象物を表示して、所望する広告対象物の選択を促す段階と、選択された広告対象物に関連づけられた広告情報を、前記広告受給者の端末に対して出力する段階」に対応する。
さらに、甲第2号証記載の「休業フラグ」は、店舗データの一部ではあるが一応広告情報といえるものであり、甲第2号証に記載された「親機が記憶している休業フラグは、被使用者用子機から随時書換・追加が可能である」ことは、被使用者用子機に対して休業フラグの入力を促すことを前提としているから、本件発明の「広告依頼者の端末に対しては、広告情報の入力を促す」ことに一応対応する。

したがって、本件発明1と甲第2号証に記載されたものは、
<一致点>
「サーバー側からコンピュータネットワークを介して広告情報を供給する広告情報の供給方法において、
広告依頼者の端末に対しては、
広告情報の入力を促す一方、
広告受給者の端末に対しては、
前記サーバー側から前記地図情報に基づく地図を表示するとともに、当該地図上の地点であって、記憶された広告対象物の座標に相当する地点に、広告対象物を表示して、所望する広告対象物の選択を促す段階と、
選択された広告対象物に関連づけられた広告情報を、前記広告受給者の端末に対して出力する段階と
を備えることを特徴とする広告情報の供給方法。」
において一致し、以下の点で相違している。

<相違点1>
本件発明1は、「広告依頼者の端末に対して、サーバー側に予め記憶された地図情報に基づいて地図を表示して、当該地図上において広告対象物の位置指定を促す段階と、
前記地図上において位置指定された広告対象物の座標を、入力された広告情報と関連づけて前記サーバー側で逐一記憶する段階とを備える」ものであるのに対し、
甲第2号証に上記事項が記載されていない点。
<相違点2>
本件発明1は、選択された広告対象物に関連付けられた広告情報を、「サーバー側で読み出し、広告受給者の端末に対して出力する」ものであるのに対し、
甲第2号証に記載されたものは、広告対象物に関連した広告情報は、既に地図情報と共に使用者用端末に送られているので、選択された広告対象物に関連付けられた広告情報は広告受給者の端末から読み出すものである点。
<相違点3>
本件発明1は、地図上の広告対象物の座標に相当する地点に、「図象化した」当該広告対象物を表示するのに対し、
甲第2号証に記載されたものは、広告対象物の座標に相当する地点に、広告対象物を図案化した枠を表示するものの、「図象化した広告対象物」は表示していない点。
<相違点4>
本件発明1は、
「広告依頼者の端末に対しては、広告情報の入力を促す」ものであり、このとき促されて入力されるのは、顧客ファイル作成に必要な情報であるのに対し、
甲第2号証は、促されて入力されるのは、店舗データ(本件発明1でいう顧客ファイルに相当する)の一部である休業フラグである点。

<相違点1>について
この相違点は、本件発明1と甲第1号証に記載されたものを対比したときの相違点1と同じである。
そして、甲第2号証には、店舗情報の一部である休業フラグを被使用者用子機(広告依頼者の端末に対応するもの)から随時書換え・追加可能であることは記載されているが、この休業フラグの追加・更新に関しては、既に地図上の座標と店舗情報とが関連付けられて登録された情報(図12)に対して「休業フラグ」を登録(付加)したり更新することができるということであって、図13のように表示される地図上の所定位置(座標)に描かれた店舗名およびその店舗情報(図11、図12等)を、被使用者用子機から新規に登録することは記載も示唆もされていないのであるから、甲第2号証の記載に基いて、被使用者用子機から広告情報(店舗情報)と地図上の座標情報を関連づけて登録できることが容易に想到できるとは到底いえない。
したがって、甲第2号証を主引用例と考えたとしても、上記相違点1に係る構成が甲第1号証、甲第3号証ないし甲第7号証に記載された発明および周知技術に基づいて当業者が容易に想到できたということはできない。
さらに、本件発明2ないし本件発明9についても、前記したとおりである。

4-3 まとめ
以上のとおり、本件特許の請求項1ないし請求項9に係る発明は、甲第1号証ないし甲第7号証に記載された発明および周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたということはできないので、<無効理由1>についての請求人の主張は採用できない。


5 <無効理由2>について
5-1 甲第10号証
甲第10号証(特許第3324602号)は、本件特許に係る特許出願(特願平7-179227号)の分割出願に係る特許発明であって、その特許請求の範囲の請求項1、請求項4ないし請求項7に記載された発明は以下のとおりである。

「【請求項1】 サーバが、コンピュータネットワークを介して接続される広告依頼者の端末に対し、広告情報の入力を促す一方、前記サーバ側の記憶手段に予め記憶された地図情報に基づいて地図を表示させて、当該地図上において広告対象物の位置指定を促す段階と、
前記広告依頼者の端末によって位置指定された広告対象物の座標を、当該端末によって入力された広告情報と関連づけて、前記サーバが前記記憶手段に記憶させる段階とによって登録した広告情報を、広告受給者に供給する広告情報の供給方法であって、
前記サーバが、前記広告受給者の端末に対し、前記地図情報に基づく地図を表示させるとともに、当該地図上の地点であって、記憶された広告対象物の座標に相当する地点に、図像化した当該広告対象物を表示させて、所望する広告対象物の選択を促す段階と、
前記広告受給者の端末に表示された地図上において、前記広告受給者によって指定された座標に一致する、または、最も近傍の座標の広告対象物に関連づけられた広告情報を、前記サーバが検索して読み出す段階と、
前記サーバが、読み出した広告情報を、前記広告受給者の端末に対して出力する段階とを備えることを特徴とする広告情報の供給方法。
【請求項4】 前記サーバが、広告依頼者の端末に対し、依頼者自身の識別IDの入力を促す段階と、
入力された識別IDによって、前記広告情報の入力を許可するか否かを前記サーバが決定する段階とを備えることを特徴とする請求項1記載の広告情報の供給方法。
【請求項5】 前記広告情報は、少なくとも前記広告対象物の業種を示す業種情報を含むことを特徴とする請求項1または4に記載の広告情報の供給方法。
【請求項6】 広告対象物の図像化は、前記業種情報毎に異ならせて行なうことを特徴とする請求項5に記載の広告情報の供給方法。
【請求項7】 前記サーバが、広告受給者の端末に対して、所望の業種を少なくとも1つ以上選択するように促す段階を備え、地図上に、選択された業種の広告対象物のみを図像化して表示させることを特徴とする請求項5に記載の広告情報の供給方法。」
(以下、甲第10号証の請求項1、請求項4ないし請求項7に係る発明を、分割発明1、分割発明4ないし分割発明7という。)

そして、請求人は、本件発明1は分割発明1と、本件発明2は分割発明4と、本件発明3は分割発明5と、本件発明4は分割発明6と、そして、本件発明5は分割発明7と実質的に同一であると主張している。

5-2 対比・判断
そこでまず、本件発明1と分割発明1を対比する。
両者の構成要件を対比すると、両者には少なくとも以下の相違点がある。

A.本件発明1は「選択された広告対象物に関連づけられた広告情報を前記サーバー側で読み出す段階」を備えているのに対し、
分割発明1は「前記広告受給者の端末に表示された地図上において、広告受給者によって指定された座標に一致する、または、最も近傍の座標の広告対象物に関連づけられた広告情報を、前記サーバが検索して読み出す段階」を備えている点。

このA.の点について検討する。
本件発明1の「選択された広告対象物に関連づけられた広告情報を前記サーバー側で読み出す」とは、広告受給者によって広告対象物が選択され、選択された広告対象物に関連づけられた広告情報を読み出すこと、を意味すると理解できる。
すなわち、本件発明1は、「広告受給者によって広告対象物を選択する」こと自体に技術的な意義があり、そして、選択のための構成は特定されていないのであるから、「広告対象物を選択する」ための構成としては、本件発明1の実施例に記載されたような手法に限定されないものである。
一方、分割発明1の「広告受給者によって地図上の座標が指定され、この指定された座標に一致する、または、その座標に最も近い座標を持つ広告対象物を選択する」とは、分割発明の趣旨ないしその明細書の記載から見れば、「広告受給者によって指定された座標に一致する広告対象物が有ればそれを選択し、無ければ、指定された座標の最も近傍の座標の広告対象物を選択する」と解釈するのが自然である。
そして分割発明1は、「広告対象物を選択する」ための構成を上記のようにすることに技術的な意義があるものと解され、この構成により、分割発明1には、おおよその座標を指定するだけで広告対象物を指定できる、といった独自の作用効果が生じるものと認められる。
しかも、分割発明1のように、広告対象物を登録する際に行う地図上の座標指定を、サーバ管理者でなく広告依頼者が行うものにおいては、広告依頼者が、既に登録された他の広告対象物の邪魔にならないよう配慮して広告対象物の座標指定を行うことは期待できないのであるから、複数の広告対象物が近接して配置された地図となることが想定され、このような場合、分割発明1が採用した「広告受給者によって地図上の座標が指定され、この指定された座標に一致する、または、その座標に最も近い座標を持つ広告対象物を選択する」構成であれば、広告受給者が容易に広告対象物を選択できるといった作用効果も生じるといえるのである。
ところで、請求人は、地図上で指定した座標に一致する、または、最も近傍の座標の対象物を選択するという手法は周知であり、そして本件発明1と分割発明1との間で、発明の構成とその作用効果との具体的関係において技術的意義の上で特段の差異がないから、両者は実質的に同一である旨主張している。
しかし、「広告対象物を選択する」ための具体的な手法として「地図上の座標が指定され、この指定された座標に一致する、またはその座標に最も近い座標を持つ広告対象物を選択する」ことが周知であるとしても、上記したように、本件発明1の「広告対象物を選択する」という構成に基づく技術的意義および作用効果と、分割発明1の「地図上の座標が指定され、この指定された座標に一致する、またはその座標に最も近い座標を持つ広告対象物を選択する」という構成に基づく技術的意義および作用効果は異なるというべきであるから、両者の技術思想が同一であるということはできない。
してみると、上記相違点A.に係る本件発明1と分割発明1の構成要件は、同一の技術思想を表現したものではないから、この相違点は実質的な相違点であるということができる。
したがって、本件発明1と分割発明1に係る構成要件の他の相違を検討するまでもなく、本件発明1は分割発明1と実質的に同一ではない。

次に、本件発明2と分割発明4を対比すると、本件発明2は本件発明1の構成要件に「広告依頼者に対し、依頼者自身の識別IDの入力を促す段階と、入力された識別IDによって、前記広告情報の入力を許可するか否かを決定する段階」を付加したものであるのに対し、分割発明4は分割発明1の構成要件に「前記サーバが、広告依頼者の端末に対し、依頼者自身の識別IDの入力を促す段階と、入力された識別IDによって、前記広告情報の入力を許可するか否かをサーバが決定する段階」を付加したものであるが、この付加された構成要件は、実質的に同一であるから、結局の所、本件発明2と分割発明4は、前記A.の点で相違している。
したがって、上記した理由により、本件発明2は分割発明4と実質的に同一ではない。

次に、本件発明3と分割発明5を対比すると、本件発明3は本件発明1または本件発明2の構成要件に「前記広告情報は、少なくとも前記広告対象物の業種を示す業種情報を含むこと」を付加したものであるのに対し、分割発明5は分割発明1または分割発明4の構成要件に「前記広告情報は、少なくとも前記広告対象物の業種を示す業種情報を含むこと」を付加したものであるが、この付加された構成要件は、同一であるから、結局の所、本件発明3と分割発明5は、前記A.の点で相違している。
したがって、上記した理由により、本件発明3は分割発明5と実質的に同一ではない。

次に、本件発明4と分割発明6を対比すると、本件発明4は本件発明3の構成要件に「広告対象物の図象化は、前記業種情報毎に異ならせて行うこと」を付加したものであるのに対し、分割発明6は分割発明5の構成要件に「広告対象物の図象化は、前記業種情報毎に異ならせて行うこと」を付加したものであるが、この付加された構成要件は、同一であるから、結局の所、本件発明4と分割発明6は、前記A.の点で相違している。
したがって、上記した理由により、本件発明4は分割発明6と実質的に同一ではない。

次に、本件発明5と分割発明7を対比すると、本件発明5は本件発明3の構成要件に「広告受給者に対しては、所望の業種を少なくとも1つ以上選択するように促す段階を備え、地図上には、選択された業種の広告対象物のみを図象化して表示すること」を付加したものであるのに対し、分割発明7は分割発明5の構成要件に「広告受給者に対しては、所望の業種を少なくとも1つ以上選択するように促す段階を備え、地図上には、選択された業種の広告対象物のみを図象化して表示すること」を付加したものであるが、この付加された構成要件は、同一であるから、結局の所、本件発明5と分割発明7は、前記A.の点で相違している。
したがって、上記した理由により、本件発明5は分割発明7と実質的に同一ではない。

以上のとおり、本件特許発明1ないし5は、分割発明1、4?7と実質的に同一ではないので、<無効理由2>についての請求人の主張は採用できない。


6 むすび
以上のとおりであるから,請求人の主張及び証拠方法によっては,本件特許の請求項1ないし9に係る発明の特許を無効とすることができない。

審判に関する費用については,特許法169条2項の規定で準用する民事訴訟法61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-08-22 
結審通知日 2008-08-27 
審決日 2008-09-09 
出願番号 特願平7-179227
審決分類 P 1 113・ 121- Y (G06F)
P 1 113・ 4- Y (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 野崎 大進  
特許庁審判長 立川 功
特許庁審判官 手島 聖治
多賀 実
登録日 1998-03-13 
登録番号 特許第2756483号(P2756483)
発明の名称 広告情報の供給方法およびその登録方法  
代理人 高橋 詔男  
代理人 三輪 昭次  
代理人 結田 純次  
代理人 高木 千嘉  
代理人 金山 聡  
代理人 竹林 則幸  
代理人 村山 靖彦  
代理人 渡辺 浩史  
代理人 藤枡 裕実  

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