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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 補正却下を取り消さない。原査定の理由により拒絶すべきものである。 G02F |
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管理番号 | 1208980 |
審判番号 | 不服2009-15515 |
総通号数 | 122 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2010-02-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-08-25 |
確定日 | 2009-12-17 |
事件の表示 | 特願2007-536416「液晶表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 3月29日国際公開、WO2007/034622〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2006年7月24日(優先権主張平成17年9月22日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成20年1月31日付け、平成21年1月22日付け及び同年6月9日付けで手続補正がなされたところ、同年7月9日付けで前記平成21年6月9日付け手続補正が却下されるとともに同日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月25日付けで拒絶査定不服審判請求がなされたものである。 第2 平成21年7月9日付け補正の却下の決定の当否 請求人は、審判請求の理由において、平成21年6月9日付け手続補正(以下「本願却下補正」という。)を却下した同年7月9日付け補正の却下の決定(以下「本件却下の決定」という。)は不当である旨主張しているので、本件却下の決定の当否について以下検討する。 1 本件却下の決定の理由 本件却下の決定の理由の概要は、次のとおりである。 「・請求項1 ・引用文献1 特開2005-106856号公報 2 特開2003-216068号公報 3 実願昭57-105751号(実開昭59-9326号)のマイクロフィルム (理由1) 請求項1についての基板の厚さについて補正「各々、厚さが0.5mm以下である」は限定的減縮を目的としている。 しかし、補正後の請求項1に係る発明は、引用文献1?3により、理由1、2により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 引用文献1(特開2005-106856号公報)には、重力ムラや低温発泡等の発生を防ぐために、高さの高いスペーサと、高さの低いスペーサを設けている液晶表示装置の発明が記載されている。更に、高さの低いスペーサほど形成された個数が多いことが好ましいとも記載されており(【0020】)、実際に、【実施例1】【実施例2】では、上記のような条件を採用した結果、指押し試験、低温発泡試験ともに良好であったことが記載されている。 引用文献1【0032】には「最も高さの高い柱状スペーサの高さと最も高さの低い柱状スペーサの高さとの差が、0.02μm?0.5μmの範囲内、中でも0.05μm?0.35μmの範囲内とされることが好ましい。」と記載されている。「最も高さの高い柱状スペーサの高さ」として、3.81μm(【0071】)、3.85μm(【0073】【0074】)、3.95μm(【0075】)が記載されている。この最も高さの高い柱状スペーサの高さは、液晶層厚と考えることができ、この値を概略4μmとすると、「第2支持部と対向する基板との間隔の、液晶層に対する割合」の値は、計算をするとおよそ0.005?0.125にり、この数値は、本願請求項1に記載された数値範囲と、一部重複しているような近い値をとっている。 更に、基板の厚さを「0.5mm以下」とすることは、液晶表示装置の軽量化のためなどに、このような値をとることは周知であって、例えば、引用文献2【0012】、引用文献3第4頁第5行に記載されている。 したがって、引用文献1?3に記載された発明より、本願請求項1に係る発明と成すことは、当業者が容易に想到し得ることである。 ・・・ (理由2) ・・・ 本願【発明の詳細な説明】【0093】には「また、表1の押圧判定結果において、第1支持部と第2支持部との支持部の密度比〔(第2支持部の密度×第支持部の横断面の径)÷(第1支持部の密度×第支持部の横断面の径)〕が1であるものの中に、表示不良のものが二つ含まれていた」とも記載されており、【0018】【0093】には、「第2支持部の画素領域単位における配置密度が第1支持部の1.2倍以上」と記載されており、この条件を満たしたときに「耐押圧ムラ特性においてより優れた表示装置を実現できる」と記載されている。 しかし、本願請求項1には、上記のように「上記第1支持部よりも高さが低く且つ数が多く形成された複数の第2支持部が設けられ」としか記載がされておらず、この構成では、1支持部と第2支持部との支持部の密度比が1.0より大きく、1.2未満である表示装置の場合も含まれ、その場合には、【発明の詳細な説明】【0093】に記載されているように「耐押圧ムラ特性においてより優れた表示装置を実現」できるか、更に、上記密度比の場合、第2支持部と対向する基板との間隔について、「第2支持部と対向する基板との間隔が、液晶層の0.06倍以上0.2倍以下」という範囲で本願の効果を奏することができるかどうかも定かではない。 したがって、本願請求項1は、発明の詳細な説明に発明として記載していない範囲について特許を請求しようとするものであり、特許法第36条第1号(審決注:「特許法第36条第6項第1号」の誤りと認める。)の規定に適合しない。 したがって、当該補正後の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項、特許法第36条の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 よって、この補正は、同法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、同法第53条第1項の規定により上記結論のとおり決定する。」 2 請求人の主張 これに対し、請求人は、審判請求書の請求の理由において、以下のような主張をしている。 「1.理由1について ・・・ (3)本願発明と引用文献に記載された発明との対比 (ア)・・・本願発明は、第1及び第2基板のいずれの厚さも0.5mm以下であること、及び第2支持部が第1支持部より高さが低く且つ数が多く、また、第2支持部と対向する基板との間隔が液晶層の0.06倍以上0.2倍以下であることが組み合わされている点で、これらの組み合わせの構成を有さない引用文献1?3のいずれに記載された発明とも相違する。引用文献1?3のいずれにも、この組み合わせについて開示も示唆も何等ない。 本願発明は、・・・液晶表示パネルの薄型化、つまり、基板の厚さが旧来の1.1mmから0.7mm、さらに0.5mm以下と薄くなったことにより発生した課題を解決するものである。そして、本願発明によれば、例えば約80?150Nといった大きさの荷重が負荷されることによる不可逆な表示ムラや低温衝撃気泡の発生が抑制される、といったその課題を解決する作用効果が奏される。このような作用効果は、上記の組み合わせについて開示も示唆も何等ない引用文献1?3からたとえ当業者であっても予想することはできない顕著なものである。 (イ)・・・ (i)表示ムラの発生の抑制について ・・・引用文献1に記載された発明が対象としているのは、低荷重負荷であり、それ故、可逆な表示ムラである。 これに対して、本願発明が対象としているのは、約80?150Nといった高荷重負荷であり、それ故、不可逆な表示ムラである。 従って、本願発明と引用文献1に記載された発明とでは、表示ムラが発生する荷重レベル及び表示ムラの種類(不可逆、可逆)が全く相違する。 ・・・本願発明では、薄型基板に対する約80?150Nといった高荷重負荷に対する表示ムラの発生の抑制を課題としているが、その課題に対応する構成として、基板の厚さを「0.5mm以下」と規定している。・・・ (ii)低温気泡の発生の抑制について ・・・引用文献1に記載された発明が対象としているのはいわゆる低温保存気泡である。この低温保存気泡は、上記のような現象に基づくことから、一般的には、液晶表示パネルの周辺部分(主として角部付近など)に生じることが多く、また、加温等により消失する可逆なものである。 これに対して、本願発明が対象としているのは低温衝撃気泡である。この低温衝撃気泡は、低温雰囲気下において、例えば基板上に落下物等が落ち、瞬間的且つ局所的に液晶層の容積が小さくなり、それが衝撃が解放されてスペーサの弾性によって直ちに復帰した際に、液晶層の体積の復元が追随できないために生じる不可逆なものである。 ・・・本願発明では、衝撃が解放された際に、高さの低い第2支持部の弾性が液晶層の容積の復帰にあまり寄与せず、また、基板が薄いために変形容易であることから、その部分における液晶層の容積の復帰が緩やかとなり、その結果、液晶層の体積がその復帰に追随でき、それによって低温衝撃気泡の発生を抑制する。 従って、本願発明と引用文献1に記載された発明とでは、対象とする低温気泡の種類(不可逆な低温衝撃気泡であるか、可逆な低温保存気泡であるか)が全く異なり、それに関連して、低温気泡を抑制するメカニズムも全く異なる。特に、本願発明の低温衝撃気泡の抑制メカニズムにおいて、基板の厚さが薄いことが関与することは大きな相違点である。 (ウ)・・・本願発明の上記作用効果は、第1及び第2基板のいずれの厚さも0.5mm以下であるという薄い基板を前提としており、それに第2支持部が第1支持部より高さが低く且つ数が多く、また、第2支持部と対向する基板との間隔が液晶層の0.06倍以上0.2倍以下であるという構成とが組み合わさって初めて奏されるものである。・・・ (4)従って、本願発明は、引用文献1?3に開示も示唆も何等ない組合せの構成を備え、しかも、それによって、引用文献1?3から予想することができない顕著な作用効果を奏する以上、たとえ当業者であっても引用文献1?3に記載された発明に基づいて容易に想到し得ないものであることから、理由1は存在しない。 2.理由2について (1)・・・本願明細書の表1に記載したデータは、本願発明とは異なる態様、具体的には、両基板の厚さ、並びに第1支持部及び第2支持部の配置密度の関係の観点から課題解決手段を検討した結果を示したものである。これに対し、本願発明は、第2支持部と対向する基板との間隔及び液晶層厚の関係の観点から課題解決手段を検討した表2に記載したデータに基づくものである。これらの表1の結果に基づいた課題解決手段の発明及び表2の結果に基づいた課題解決手段の本願発明は別発明であり、それらは必ずしも一致しない。・・・上記審査官の認定はそれらの両発明が同一であるという誤解に基づくものである。・・・ (2)従って、本願の特許請求の範囲の記載の請求項1の記載は、発明の詳細な説明に発明として記載していない範囲について特許を請求しようとするものではなく、特許法第36条第6項第1号の規定を満たすものであることから、理由2も存在しない。」 3 本件却下の決定の当否についての判断 本件却下の決定の当否について検討する。 (1)補正の内容 本件却下補正は、補正前(平成21年1月22日付けの手続補正)の請求項1を、以下のように補正するものである。 「互いに対向するように設けられ、各々、厚さが0.5mm以下である第1及び第2基板と、それらの間に挟まれるように設けられた液晶層と、を備えた液晶表示装置であって、 各々、上記第1及び第2基板の一方から他方に達するように延びて形成された複数の第1支持部が設けられ、 各々、上記第1及び第2基板の一方から他方に向かって延び、上記第1支持部よりも高さが低く且つ数が多く形成された複数の第2支持部が設けられ、 上記第2支持部と対向する基板との間隔が、上記液晶層の0.06倍以上0.2倍以下である液晶表示装置。」(以下「本願補正発明」という。」) 本件却下補正は、補正前の請求項1の「第1及び第2基板」に関して、「少なくとも一方の厚さが0.5mm以下である」との事項を、「各々、厚さが0.5mm以下である」と限定を行うものであるから、上記補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)独立特許要件 そこで、本件却下補正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。 ア 引用刊行物記載の発明 本願の優先日前に頒布され、原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開2005-106856号公報(以下「引用刊行物」という。)には、図とともに以下の事項が記載されている。 (ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 2枚の透明基板と、少なくとも1枚の前記透明基板上に形成された着色層と、前記2枚の透明基板間に封入された液晶層と、前記2枚の透明基板間に形成され、前記2枚の透明基板間を所定の間隙に保つ柱状スペーサとを少なくとも有する液晶表示装置であって、 前記液晶表示装置の有効表示領域内に形成された前記柱状スペーサは、前記着色層を構成する着色層形成用層が積層されたものであり、高さの異なるものであることを特徴とする液晶表示装置。 【請求項2】 前記高さの異なる柱状スペーサが、積層された前記着色層形成用層の層の数により高さの差を設けたものであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。 ・・・ 【請求項5】 前記高さの異なる柱状スペーサのうち、最も高いものと最も低いものとの高さの差が0.02μm?0.5μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の液晶表示装置。 【請求項6】 前記高さの異なる柱状スペーサは、高さの低いものほど形成された個数が多いことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の液晶表示装置。」 (イ)「【0001】 本発明は、均一なセルギャップを維持することが可能な、表示品質に優れた液晶表示装置に関するものである。」 (ウ)「【0008】 ・・・図6に示すように、カラーフィルタ11の内面側であってブラックマトリックス層16が形成されている位置と重なり合う領域(非表示領域)に、セルギャップに対応する高さを有する柱状スペーサ22を形成することが行われるようになってきた。・・・ 【0009】 このような柱状スペーサには、微小な荷重に対して容易に変形する特性が要求される。これは以下の理由によるものである。例えば液晶が低温に置かれた場合、液晶表示装置を構成する部材はすべて収縮しようとし、構成する部材の中では液晶材料の収縮率が最も大きいため、透明基板間のギャップが狭くなる方向に収縮することとなる。このとき、柱状スペーサの変形が上記ギャップの狭まりに追従できなくなると、液晶表示装置内部に負圧が生じ、その結果液晶表示装置内に真空気泡(低温発泡)が発生し易くなるからである。 ・・・ 【0011】 一方、柱状スペーサには、強い力を加え、その後力を除去した後の変位量が小さいことが要求される。これは、局所的に液晶セルに加重が加えられた場合、例えば指押し試験等の耐圧試験等において、力が除去された後の変位量が大きい場合には、表示不良が発生する可能性があるからである。 ・・・ 【0013】 以上のことから、微小荷重域での変位量が大きく、上述したような重力ムラや低温発泡等が発生することがなく、また局所的な荷重に対しても十分な耐性を有し、さらに透明基板間のギャップを一定に製造することが可能な液晶表示装置の提供が望まれている。」 (エ)「【0014】 本発明は、2枚の透明基板と、少なくとも1枚の上記透明基板上に形成された着色層と、上記2枚の透明基板間に封入された液晶層と、上記2枚の透明基板間に形成され、上記2枚の透明基板間を所定の間隙に保つ柱状スペーサとを少なくとも有する液晶表示装置であって、 上記液晶表示装置の有効表示領域内に形成された上記柱状スペーサは、上記着色層を構成する着色層形成用層が積層されたものであり、高さの異なるものであることを特徴とする液晶表示装置を提供する。 【0015】 本発明によれば、上記液晶表示装置の有効領域内に、高さの高い柱状スペーサと、高さの低い柱状スペーサが形成されていることから、微小な荷重がかけられた場合には、高さの高い柱状スペーサのみによって、その荷重が支えられることとなり、柱状スペーサの変形が生じやすい。これにより、液晶表示装置の変位が大きいものとすることができ、例えば重力ムラや低温発泡等が生じることを防止することができるのである。一方、液晶表示装置に大きな荷重がかけられた場合には、高さの低い柱状スペーサおよび高さの高い柱状スペーサによって、その荷重が支えられることとなることから、柱状スペーサがその荷重に対して大きな抗力を有する。したがって、液晶表示装置を局所的な荷重に対しても十分な耐性を有するものとすることができ、また透明基板間のギャップを一定に製造することが可能なものとすることができる。・・・ 【0016】 上記発明においては、上記高さの異なる柱状スペーサが、積層された上記着色層形成用層の層の数により高さの差を設けたものとすることができる。・・・ ・・・ 【0019】 上記発明においては、上記高さの異なる柱状スペーサのうち、最も高いものと最も低い ものとの高さの差が0.02μm?0.5μmの範囲内であることが好ましい。これにより、上記特性を液晶表示装置に付与することが可能となるからである。 【0020】 また、上記発明においては、上記高さの異なる柱状スペーサは、高さの低いものほど形成された個数が多いことが好ましい。これにより、液晶表示装置に大きな荷重がかけられた際に、その荷重に対する抗力を大きなものとすることができ、局所的な荷重に対しても、耐性を有する液晶表示装置とすることができるからである。」 (オ)「【0021】 本発明によれば、微小な荷重がかけられた場合には、柱状スペーサの変形が生じやすく、例えば重力ムラや低温発泡等が生じることを防止することができる。一方、液晶表示装置に大きな荷重がかけられた場合には、柱状スペーサがその荷重に対して大きな抗力を有することから、局所的な荷重に対しても十分な耐性を有するものとすることができ、透明基板間のギャップを一定に製造することが可能なものとすることができる。」 (カ)「【0024】 本発明の液晶表示装置は、例えば図1に示すように、2枚の透明基板1と、そのいずれかの透明基板1上に形成された着色層2と、上記透明基板1間に封入された液晶層3と、上記透明基板1間を所定の間隙に保つ柱状スペーサ4(4tおよび4s)とを有するものである。本発明においては、上記柱状スペーサ4は、複数の高さとなるように形成されたものであり、かつ上記着色層2を構成する着色層形成用層5が積層されたものである。 【0025】 本発明においては、上記柱状スペーサが異なる高さを有することから、例えば図2(a)に示すように、比較的微小な力が液晶表示装置にかけられた場合には、高さの高い柱状スペーサ4tのみによって荷重が支えられることとなる。したがって、その荷重に対する抗力は小さいことから、その柱状スペーサ4tは変形しやすく、液晶表示装置の変位量を大きなものとすることができる。一方、液晶表示装置に大きな荷重がかけられた場合、例えば図2(b)に示すように、荷重は高さの高い柱状スペーサ4tおよび高さの低い柱状スペーサ4sによって、支えられることとなる。したがって、液晶表示装置にかかる荷重は分散され、その高さの低い柱状スペーサより下方への液晶表示装置の変位が起こりづらく、それ以上の液晶表示装置の変位を少ないものとすることができる。 【0026】 これにより、本発明の液晶表示装置を、低温発泡や重力ムラ等のないものとすることができ、かつ局所的な荷重がかけられた場合であっても、変形等のない、高品質な液晶表示装置とすることができる。」 (キ)「【0028】 1.柱状スペーサ まず、本発明の液晶表示装置に用いられる柱状スペーサについて説明する。本発明の液晶表示装置に用いられる柱状スペーサは、後述する2枚の透明基板間の間隙を一定に保つために液晶表示装置の有効表示領域内に形成されるものである。本発明においては、この柱状スペーサは、後述する着色層を構成する着色層形成用層が積層されたものであり、複数の高さを有するように形成されているものである。なお、上記有効表示領域とは、液晶表示装置の表示部として用いられる領域である。 【0029】 上記柱状スペーサは、例えば図1に示すように、後述する着色層2を構成する着色層形成用層5(例えば赤色用の着色層形成用層5R、緑色用の着色層形成用層5G、および青色用の着色層形成用層5B)が積層されたものである。 【0030】 ここで、上記の高さの異なる柱状スペーサは、例えば図1に示すように、高さの高い柱状スペーサ4tは着色層形成用層5が3層積層されたものであり、高さの低い柱状スペーサ4sは着色層形成用層5が2層積層されたものである等、積層された着色層形成用層5の数の差によって高さが異なるように形成されるものであってもよい。・・・ 【0031】 また、本発明に用いられる上記複数種類の柱状スペーサは、高さの低いものほど個数が多いことが好ましい。これにより、液晶表示装置に微小な荷重がかけられた場合、少ない柱状スペーサによってその荷重を支えることとなり、それらの柱状スペーサの変形が生じやすいものとすることができる。一方、大きな荷重が液晶表示装置にかけられた場合には、荷重をかければかけるほど、その荷重に対する抗力が大きくなり、柱状スペーサの変位を小さいものとすることができる。したがって、荷重が小さい場合には、液晶表示装置の変位が大きく、荷重が大きい場合には液晶表示装置の変位が少ないものとすることができるのである。 【0032】 ここで、本発明において形成される柱状スペーサの高さは、液晶表示装置の種類等により適宜選択されるものであり、特にその高さは限定されるものではない。本発明においては、最も高さの高い柱状スペーサの高さと最も高さの低い柱状スペーサの高さとの差が、0.02μm?0.5μmの範囲内、中でも0.05μm?0.35μmの範囲内とされることが好ましい。」 (ク)「【0054】 4.透明基板 次に、本発明に用いられる透明基板について説明する。本発明に用いられる透明基板としては、液晶表示装置用に用いられるものであれば特に限定されるものではなく、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。・・・」 (ケ)「【0062】 <実施例1> ・・・ 【0065】 ・・・厚み1.1mmのガラス基板(旭硝子(株)製AN材)上に上記遮光層用組成物をスピンコーターで塗布し、・・・遮光層を形成した。当該遮光層を、超高圧水銀ランプで遮光パターンに露光した後、0.05%水酸化カリウム水溶液で現像し、・・・遮光部を形成すべき領域にブラックマトリックスを形成した。 【0066】 (着色層および柱状スペーサの形成) 上記のようにしてブラックマトリックスを形成した基板上に、下記組成の赤色硬化性樹脂組成物をスピンコーティング法により塗布(塗布厚み1.5μm)し、その後、70℃のオーブン中で30分間乾燥した。 次いで、・・・赤色画素を形成すべき領域、および柱状スペーサを形成する領域に、20μm×20μmのレリーフパターンを所定の個数密度となるように形成した。 【0067】 次に、下記組成の緑色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、緑色画素を形成すべき領域、および柱状スペーサを形成する領域に緑色のレリーフパターンを形成した。 さらに、下記組成の青色硬化性樹脂組成物を用いて、赤色のレリーフパターン形成と同様の工程で、青色画素を形成すべき領域、および柱状スペーサを形成する領域に青色のレリーフパターンを形成し、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色からなる着色層および柱状スペーサを形成した。 ・・・ 【0071】 (保護膜の形成) 上記のようにして着色層および柱状スペーサを形成した基板上に、・・・塗布膜を形成した。 ・・・硬化性樹脂組成物の塗布膜の未硬化部分のみを除去した。その後、・・・保護膜を形成した。このとき3色重ねて柱状スペーサを形成した部分の高さは3.81μmとなり、2色重ねて柱状スペーサを形成した部分の高さは3.70μmとなった。」 (コ)「【0073】 <実施例2> 3色重ねて形成する柱状スペーサおよび2色重ねて形成する柱状スペーサの個数密度が異なる以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を作製した。このとき、3色重ねて柱状スペーサを形成した部分の高さは3.85μmとなり、2色重ねて柱状スペーサを形成した部分の高さは3.68μmとなった。」 (サ)「【0074】 <実施例3> 3色重ねて形成する柱状スペーサおよび2色重ねて形成する柱状スペーサの個数密度が異なる以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を作製した。このとき、3色重ねて柱状スペーサを形成した部分の高さは3.85μmとなり、2色重ねて柱状スペーサを形成した部分の高さは3.65μmとなった。」 (シ)上記(カ)及び(ケ)に照らして図1を見ると、以下のa?dが見て取れる。 a 「2枚の透明基板1」は、下側の透明基板1と上側の透明基板1とからなること、 b 「注状スペーサ4」は、「高さの高い柱状スペーサ4t」及び「高さの低い柱状スペーサ4s」からなること、 c 「高さの高い柱状スペーサ4t」は、下側の透明基板1から上側の透明基板1に達するように延びて形成されていること、 d 「高さの低い柱状スペーサ4s」は、下側の透明基板1から上側の透明基板1に向かって延びて形成されていること、 よって、これらの記載を総合すると、引用刊行物には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「2枚の透明基板1と、そのいずれかの透明基板1上に形成された着色層2と、上記透明基板1間に封入された液晶層3と、上記透明基板1間を所定の間隙に保つ柱状スペーサ4とを有する液晶表示装置であって、 前記2枚の透明基板1は、下側の透明基板1と上側の透明基板1とからなり、 前記柱状スペーサ4は、前記着色層2を構成する着色層形成用層5が積層されたものであり、高さの高い柱状スペーサ4t及び高さの低い柱状スペーサ4sからなり、 前記高さの高い柱状スペーサ4tは、前記下側の透明基板1から前記上側の透明基板1に達するように延びて形成され、前記高さの低い柱状スペーサ4sは、前記下側の透明基板1から前記上側の透明基板1に向かって延びて形成されており、 前記高さの異なる柱状スペーサは、高さの低いものほど形成された個数が多い、液晶表示装置。」 イ 対比、判断 本願補正発明と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明の「液晶表示装置」は、「2枚の透明基板1と、そのいずれかの透明基板1上に形成された着色層2と、上記透明基板1間に封入された液晶層3と、・・・を有する」ものであり、「前記2枚の透明基板1は、下側の透明基板1と上側の透明基板1とからな」るものであるから、 a 引用発明の「2枚の透明基板1」を構成する「下側の透明基板1」と「上側の透明基板1」は、本願補正発明の「互いに対向するように設けられ(た)『第1及び第2基板』」に相当するとともに、 b 引用発明の「透明基板1間に封入された液晶層3」及び「液晶表示装置」は、それぞれ、本願補正発明の「それら(第1及び第2基板)の間に挟まれるように設けられた液晶層」及び「液晶表示装置」に相当する。また、 c 引用発明の「液晶表示装置」は、本願補正発明の「互いに対向するように設けられた第1及び第2基板と、それらの間に挟まれるように設けられた液晶層と、を備え」との事項を備える。 (イ)引用発明の「液晶表示装置」は、「透明基板1間を所定の間隙に保つ柱状スペーサ4」を有するものであり、「前記柱状スペーサ4は、・・・高さの高い柱状スペーサ4t及び高さの低い柱状スペーサ4sからなり、前記高さの高い柱状スペーサ4tは、前記下側の透明基板1から前記上側の透明基板1に達するように延びて形成され、前記高さの低い柱状スペーサ4sは、前記下側の透明基板1から前記上側の透明基板1に向かって延びて形成されて」いるものであり、「前記高さの異なる柱状スペーサは、高さの低いものほど形成された個数が多」く、さらに、「高さの高い柱状スペーサ4t」及び「高さの低い柱状スペーサ4s」は、それぞれ複数設けられていることは明らかであるから、 a 引用発明の「高さの高い柱状スペーサ4t」及び「高さの低い柱状スペーサ4s」は、それぞれ、本願補正発明の「各々、上記第1及び第2基板の一方から他方に達するように延びて形成された複数の第1支持部」及び「各々、上記第1及び第2基板の一方から他方に向かって延び、上記第1支持部よりも高さが低く且つ数が多く形成された複数の第2支持部」に相当するとともに、 b 引用発明の「液晶表示装置」は、本願補正発明の「各々、上記第1及び第2基板の一方から他方に達するように延びて形成された複数の第1支持部が設けられ、各々、上記第1及び第2基板の一方から他方に向かって延び、上記第1支持部よりも高さが低く且つ数が多く形成された複数の第2支持部が設けられ」との事項を備える。 したがって、両者は、 「互いに対向するように設けられた第1及び第2基板と、それらの間に挟まれるように設けられた液晶層と、を備えた液晶表示装置であって、 各々、上記第1及び第2基板の一方から他方に達するように延びて形成された複数の第1支持部が設けられ、 各々、上記第1及び第2基板の一方から他方に向かって延び、上記第1支持部よりも高さが低く且つ数が多く形成された複数の第2支持部が設けられた液晶表示装置。」 である点で一致し、次の点で相違する。 相違点 [相違点1] 第1及び第2基板の厚さが、本願補正発明では、各々、0.5mm以下であるのに対し、引用刊行物には、その実施例1において、厚み1.1mmのガラス基板を用いることが記載されてはいるものの(上記ア(ケ)【0065】参照。)、引用発明では、その値が必ずしも明らかでない点。 [相違点2] 第2支持部と対向する基板との間隔が、本願補正発明では、液晶層の0.06倍以上0.2倍以下であるのに対し、引用発明では、液晶層に対してどの程度であるのか明らかでない点。 上記相違点につき検討する。 [相違点1]について 対向配置された2つの基板の間に液晶層を挟んだ液晶表示装置において、当該2つの基板の厚みを各々0.5mm或いはそれ以下とするものは本願の優先日前に周知であるから(例えば、特開2005-91391号公報(【0073】?【0091】、図3(a))、特開2003-43501号公報(【0013】、図1)、特開2003-295162号公報(【0002】?【0004】、【0026】、図1)、特開2004-5516号公報(【0120】?【0125】、図17)、特開2005-49561号公報(【0021】?【0024】、図1)参照。)、引用発明の「液晶表示装置」において、「2枚の透明基板1」の厚みを0.5mm以下のものとなして、本願補正発明の上記相違点1に係る構成となすことは当業者が容易になし得ることである。 [相違点2]について 引用刊行物には、「最も高さの高い柱状スペーサの高さと最も高さの低い柱状スペーサの高さとの差が、0.02μm?0.5μmの範囲内・・・とされることが好ましい。」(上記ア(キ)【0032】参照。)と記載され、また、液晶表示装置の実施例として、「3色重ねて柱状スペーサを形成した部分」、すなわち「高さの高い柱状スペーサ4」の高さを「3.81μm」(実施例1)、「3.85μm」(実施例2)及び「3.85μm」(実施例3)としたものが記載されている。しかるところ、前記「高さの高い柱状スペーサ4t」の高さは液晶表示装置の液晶層3の厚さにほぼ一致するということができ、また、「最も高さの高い柱状スペーサの高さと最も高さの低い柱状スペーサの高さとの差」とは、「高さの高い柱状スペーサ4t」の高さと「高さの低い柱状スペーサ4s」の高さの差、すなわち「高さの低い柱状スペーサ4s」とこれに対向する「上側の透明基板1」との間隔に相当する、といえるから、引用発明の「液晶表示装置」において、液晶層3の厚さを3.85μm程度となすとともに、「高さの高い柱状スペーサ4t」の高さと「高さの低い柱状スペーサ4s」の高さの差、すなわち「高さの低い柱状スペーサ4s」とこれに対向する「上側の透明基板1」との間隔を例えば0.5μm程度となし、その結果、「高さの低い柱状スペーサ4s」と対向する「上側の透明基板1」との間隔を、液晶層3の0.1299倍(=0.5μm/3.85μm)程度となるようになして、本願補正発明の上記相違点2に係る構成を満たすような液晶表示装置を構成することは当業者が容易になし得ることである。 そして、本願補正発明によってもたらされる効果は、引用発明、引用刊行物の上記記載事項及び上記周知技術から予測し得る程度のものである。 なお、請求人は、審判請求の理由において、「本願発明は、・・・液晶表示パネルの薄型化、つまり、基板の厚さが旧来の1.1mmから0.7mm、さらに0.5mm以下と薄くなったことにより発生した課題を解決するものである。そして、本願発明によれば、例えば約80?150Nといった大きさの荷重が負荷されることによる不可逆な表示ムラや低温衝撃気泡の発生が抑制される、といったその課題を解決する作用効果が奏される。」と主張し、「本願発明の上記作用効果は、第1及び第2基板のいずれの厚さも0.5mm以下であるという薄い基板を前提としており、それに第2支持部が第1支持部より高さが低く且つ数が多く、また、第2支持部と対向する基板との間隔が液晶層の0.06倍以上0.2倍以下であるという構成とが組み合わさって初めて奏されるものである。」と主張している。 この点に関し、本願明細書(平成21年6月9日付け手続補正書)には、次のように記載されている。 (a)「【0003】 ・・・液晶表示パネルのガラス基板の薄型化には以下のような問題が伴う。 【0004】 ・・・液晶表示パネルは、一般的に、その表面に所定の強度以上の押圧力が加わるとその表示部に表示ムラ(表示シミの定着)が生じるが、基板が薄くなるとその傾向がより顕著になるという問題である。・・・」 (b)「【0011】 本発明の課題は、特に薄型の液晶パネルに対して生じる局所的な荷重に対する歪みに起因して生じる不可逆な表示ムラ(表示シミの定着)の防止と、局所的に生じる低温衝撃気泡(低温下で局所的な衝撃を受けた際に生じる気泡)と、を同時に解決することである。 【課題を解決するための手段】 【0012】 本発明に係る液晶表示装置は、互いに対向するように設けられ、各々、厚さが0.5mm以下である第1及び第2基板と、それらの間に挟まれるように設けられた液晶層と、を備えた液晶表示装置であって、各々、第1及び第2基板の一方から他方に達するように延びて形成された複数の第1支持部が設けられ、各々、第1及び第2基板の一方から他方に向かって延び、第1支持部よりも高さが低く且つ数が多く形成された複数の第2支持部が設けられ、第2支持部と対向する基板との間隔が、液晶層の0.06倍以上0.2倍以下である。 【0013】 このような構成によれば、液晶表示装置の対向する第1基板と第2基板との間に、各々、第1及び第2基板の一方から他方に達するように延びて形成された複数の第1支持部が設けられていると共に、各々、第1及び第2基板の一方から他方に向かって延び且つ第1支持部よりも高さが低く形成された複数の第2支持部が設けられているため、基板に全体的に荷重がかけられた際には第1支持部及び第2支持部によってその荷重を支える。また、第1支持部より高さが低くなるように形成された第2支持部を設けているため、液晶層の変位に追随するように第1及び第2基板が相対的に変位できる。これにより、低温衝撃気泡の発生を規制することができる。また、本発明に係る液晶表示装置は、第2支持部が第1支持部よりも数が多いため、局所的な荷重がかけられた際に第1支持部は最小限にして高さの低い第2支持部をより多く設けることによって、液晶層の変位に対して第1及び第2基板がより柔軟に追随することができる。従って、このような場合に生じていた局所的な低温衝撃気泡の発生をより的確に規制することができる。さらに、第2支持部と対向する基板との間隔が液晶層の0.2倍以下であるため、薄型液晶表示装置の液晶パネルでの押圧ムラ試験においてより効果的に耐強度性を確保できる。また、第2支持部と対向する基板との間隔が液晶層の0.06倍以上であるため、低温衝撃気泡評価で気泡発生や不良ドメイン発生をより効果的に抑制できる。」 (c)「【0019】 本発明の構成による第2支持部は、低温衝撃気泡の発生を規制し、基板厚を薄板化したときの耐押圧ムラ改善に主体的に寄与することになる。・・・」 (d)「【0041】 (実施形態1) (液晶表示装置10の構成) ・・・ 【0042】 液晶表示装置10は、対向するTFT基板20及びカラーフィルタ基板30(CF基板)、それらの間に設けられた液晶層40、対向する両基板20,30間に設けられた第1支持部50、第2支持部51及び配向制御体52で構成されている。 ・・・ 【0046】 尚、CF基板30のガラス基板32及びTFT基板20のガラス基板21は、TFT基板20のほうが薄く形成されていてもよく、また、同じ厚さに形成されていてもよい。 【0047】 第1支持部50は、TFT基板20からCF基板30に達するように延びて形成されている。第1支持部50は、CF基板30のブラックマトリクス54上に形成されている。第1支持部50は、液晶層40の厚さを保持しているため、その高さが液晶層40の厚さを決定している。第1支持部50の形状は、どのようなものであってもよく、例えば、円柱状、角柱状、又は、それらの先細形状等に形成されている。第1支持部50は、本実施形態では樹脂製材料で形成されているが、基板に対する押圧力に対抗できるものであれば特に限定されず、セラミック製又は金属製のものであってもよい。 ・・・ 【0051】 第2支持部51は、CF基板30の反射領域22となるべき領域に形成された透明誘電体層57上に形成されている。これにより、光透過領域26と、反射層23を有して周囲より高くなっている光反射領域22とに、同時に支持部を形成することができ、それぞれ高さの異なる第1及び第2支持部50,51を効率よく形成することができる。第2支持部51は、本実施形態では樹脂製材料で形成されているが、基板に対する押圧力に対抗できるものであれば特に限定されず、セラミック製又は金属製のものであってもよい。また、第2支持部51は、対向するTFT基板20へ延びるような切頭円錐状に形成されており、その頭頂部とTFT基板20との間に間隙58が形成されている。これにより、基板に荷重がかけられた際には第1支持部50及び第2支持部51によってその荷重を支えることができる。また、第1支持部50より高さが低くなるように形成されており、第2支持部51の頭頂部とTFT基板20との間に間隙58が形成されていることで、液晶層40の変位に追随するように両基板20,30が相対的に変位できる。これにより、低温衝撃気泡の発生を規制することができる。 【0052】 ここで、この間隙58、すなわち第2支持部51の頭頂部と対向するTFT基板20との間隔が液晶層40の0.2倍以下であれば、薄型液晶表示装置の液晶パネルでの押圧ムラ試験においてより効果的に耐強度性を確保できるためである。また、第2支持部51の頭頂部と対向するTFT基板20との間隔が液晶層40の0.06倍以上であれば、低温衝撃気泡評価で気泡発生や不良ドメイン発生をより効果的に抑制できるためである。 ・・・ 【0054】 第2支持部51は、各サブ画素31領域上に設けられているため、サブ画素31領域に隣接するブラックマトリクス54上に1つのサブ画素31領域を空けて設けられている第1支持部50よりその数が多い。このように、第2支持部51が第1支持部50より多く設けられていることで、局所的な荷重がかけられた際に第1支持部50は最小限にして高さの低いより多くの第2支持部51の存在で液晶層40の変位に対して両基板20,30をより柔軟に追随させることができる。従って、このような場合に生じていた局所的な低温衝撃気泡の発生をより的確に規制することができる。また、第2支持部51は、それぞれがサブ画素31内で同様な位置に設けられている。具体的には、図1に示すように、すべての第2支持部51が各サブ画素31の反射領域22の略中央部に位置するように透明誘電体層57上に配置されている。従って、基板への局所的な荷重に対しても均一に配置された第2支持部51がその荷重を均等に受けることができる。このため、より効果的に局所的な基板歪みを規制し、液晶表示装置10の表示機能をより安定して良好なものとすることができる。 【0055】 尚、第2支持部51の配置は、これに限らない。すなわち、第2支持部51の配置密度は第1支持部50の1.2倍以上であってもよい。本実施形態における第2支持部51は、低温衝撃気泡の発生を規制し、基板厚を薄板化したときの耐押圧ムラ改善に主体的に寄与することになる。・・・」 (e)「【0059】 (実施形態2) (液晶表示装置60の構成) ・・・」 【0061】 液晶表示装置60は、対向するTFT基板70及びカラーフィルタ基板(CF基板80)、それらの間に設けられた液晶層90、対向する両基板70,80間に設けられた第1支持部100及び第2支持部101で構成されている。 ・・・ 【0065】 尚、CF基板80のガラス基板81及びTFT基板70のガラス基板71は、TFT基板70のほうが薄く形成されていてもよく、また、同じ厚さに形成されていてもよい。 【0066】 第1支持部100は、TFT基板70からCF基板80に達するように延びて形成されている。第1支持部100は、CF基板80のブラックマトリクス91上に形成されている。第1支持部100は、液晶層90の厚さを保持しているため、その高さが液晶層90の厚さを決定している。第1支持部100の形状は、どのようなものであってもよく、例えば、円柱状、角柱状、又は、それらの先細形状等に形成されている。第1支持部100は、本実施形態では樹脂製材料で形成されているが、基板に対する押圧力に対抗できるものであれば特に限定されず、セラミック製又は金属製のものであってもよい。 ・・・ 【0068】 第2支持部101は、CF層82のブラックマトリクス91上に形成されている。第2支持部101は、対向するTFT基板70へ延びるような切頭円錐状に形成されており、その頭頂部とTFT基板70との間に間隙58が形成されている。これにより、基板に荷重がかけられた際には第1支持部100及び第2支持部101によってその荷重を支えることができる。また、第1支持部100より高さが低くなるように形成されており、第2支持部101の頭頂部とTFT基板70との間に間隙58が形成されていることで、液晶層90の変位に追随するように第1及び第2基板が相対的に変位できる。これにより、低温衝撃気泡の発生を規制することができる。 【0069】 ここで、この間隙58、すなわち第2支持部101の頭頂部と対向するTFT基板70との間隔が液晶層90の0.2倍以下であれば、薄型液晶表示装置の液晶パネルでの押圧ムラ試験においてより効果的に耐強度性を確保できるためである。また、第2支持部101の頭頂部と対向するTFT基板70との間隔が液晶層90の0.06倍以上であれば、低温衝撃気泡評価で気泡発生や不良ドメイン発生をより効果的に抑制できるためである。 ・・・ 【0071】 第2支持部101は、図6に示すように、各サブ画素84を区切るブラックマトリクス91上において、第1支持部100を中心としてその周りに8つが均一に設けられている。このように、第2支持部101が第1支持部100より多く設けられていることで、局所的な荷重がかけられた際に第1支持部100は最小限にして高さの低いより多くの第2支持部101の存在で液晶層90の変位に対して両基板70,80をより柔軟に追随させることができる。従って、このような場合に生じていた局所的な低温衝撃気泡の発生をより的確に規制することができる。また、第2支持部101は、それぞれが画素パターン85内で同様な位置に設けられている。すなわち、本実施形態においては、図6に示したような6つのサブ画素84で構成される画素パターン85内に配置された8つの第2支持部101が、液晶表示装置60におけるその他の画素パターン85内においても同様に第1支持部100を囲んで8つ配置されている。従って、基板への局所的な荷重に対しても均一に配置された第2支持部101がその荷重を均等に受けることができる。このため、より効果的に局所的な基板歪みを規制し、液晶表示装置60の表示機能をより安定して良好なものとすることができる。 ・・・ 【0073】 また、第2支持部101の配置密度は第1支持部100の1.2倍以上であってもよい。本実施形態における第2支持部101は、低温衝撃気泡の発生を規制し、基板厚を薄板化したときの耐押圧ムラ改善に主体的に寄与することになる。」 (f)「【0080】 (試験評価1) 両基板の厚さ、第1支持部及び第2支持部との配置密度と、表示装置の荷重付加による表示ムラとの関係を調べるための評価試験を、実施形態1に示したのと同一構成の液晶表示装置を用いて行った。 【0081】 (試験評価用液晶表示装置) 第1基板厚/第2基板厚がそれぞれ0.5/0.05及び0.5/0.1mmの第1及び第2基板、及び、それぞれ所定の密度(単位面積あたりの個数)を有し且つ所定の横断面(ここでは、径の大きさで表す)が形成された第1及び第2支持部で構成される液晶表示装置をそれぞれ数個ずつ準備した。また、液晶パネルは所定の偏光板を基板外側に一対貼合したものを用いた。 ・・・ 【0093】 表1によれば、ほとんどの表示装置についても押圧ムラ試験の判定が良好であった。また、これらの基板厚がいずれも0.5mm以下であった。従って、第1又は第2基板の基板厚が少なくとも0.5mm以下という薄型液晶表示装置についても良好な耐押圧ムラ特性を有することがわかる。」 (g)「【0104】 (試験評価3) 次に、第2支持部の間隔と液晶層厚との関係と、押圧ムラ及び低温衝撃気泡の発生との影響について検討するために、第2支持部の対向基板との間隔が異なる試験評価用液晶表示装置について、上記と同様な押圧ムラ試験及び低温衝撃気泡試験を行った。 【0105】 (試験評価用液晶表示装置) 本試験において、第2支持部と対向する基板との間隔がそれぞれ異なる液晶表示装置を用いた。 【0106】 ここで、評価条件としては、第1基板厚/第2基板厚=0.5/0.05(mm)であり、第1支持部はその密度が25個/mm2で径が17μm、第2支持部はその密度が125個/mm2で径が6μmであるものを用いた。 【0107】 (試験評価結果) 試験結果を表2に示す。表2によると、第2支持部と対向基板との間隔が液晶層厚の0.06?0.19倍のもの(液晶層厚が3.40μmの場合)及び0.10?0.20倍のもの(液晶層厚が5.10μmの場合)について、それぞれ押圧判定及び低温衝撃気泡判定が良好であった。従って、第2支持部と対向する基板との間隔が、液晶層の0.06倍以上0.20倍以下である場合、特に良好な耐押圧ムラ特性及び耐低温衝撃気泡特性を有することがわかる。 【0108】 【表2】 ・・・」 (h)「【0114】 (作用効果) 次に、作用効果について説明する。 【0115】 本実施形態1,2に係る液晶表示装置10,60は、互いに対向するように設けられたTFT基板20,70及びCF基板30,80と、それらの間に挟まれるように設けられた液晶層40,90と、を備えた液晶表示装置10,60であって、各々、TFT基板20,70及びCF基板30,80の一方から他方に達するように延びて形成された複数の第1支持部50,100が設けられていると共に、各々、TFT基板20,70及びCF基板30,80の一方から他方に向かって延び且つ第1支持部50,100よりもそれぞれ高さが低く形成された複数の第2支持部51,101が設けられている。 【0116】 このような構成によれば、基板に全体的に荷重がかけられた際には第1支持部50,100及び第2支持部51,101によってその荷重を支える。また、第1支持部50,100より高さが低くなるように形成された第2支持部51,101を設けているため、液晶層40,90の変位に追随するようにTFT基板20,70及びCF基板30,80が相対的に変位できる。これにより、低温衝撃気泡の発生を規制することができる。 【0117】 また、本発明に係る液晶表示装置10,60は、第2支持部51,101が第1支持部50,100よりも数が多いものであってもよい。 【0118】 このような構成によれば、局所的な荷重がかけられた際に第1支持部50,100は最小限にして高さの低い第2支持部51,101をより多く設けることによって、液晶層40,90の変位に対してTFT基板20,70及びCF基板30,80がより柔軟に追随することができる。従って、このような場合に生じていた局所的な低温衝撃気泡の発生をより的確に規制することができる。 ・・・ 【0127】 さらに、本発明に係る液晶表示装置10,60は、第2支持部51,101と対向するTFT基板20,70との間隔が、液晶層40,90の0.06倍以上0.2倍以下であってもよい。 【0128】 第2支持部51,101と対向するTFT基板20,70との間隔が液晶層40,90の0.2倍より大きければ、薄型液晶表示装置の液晶パネルでの押圧ムラ試験において十分な耐強度の確保が難しいという問題が認められるためである。また、第2支持部51,101と対向するTFT基板20,70との間隔が液晶層40,90の0.06倍より小さければ、低温衝撃気泡評価で気泡発生や不良ドメイン発生などの問題が認められるためである。 【0129】 また、本発明に係る液晶表示装置10,60は、TFT基板20,70及びCF基板30,80のいずれの厚さも0.5mm以下である。 【0130】 このような構成によれば、液晶表示装置10,60のパネル全体の薄型化や軽量化を図るためにガラス厚を薄く設計する必要がある場合に、TFT基板20,70及びCF基板30,80をそれぞれ同一のガラス厚設計として薄型化を行うだけでなく、TFT基板20,70及びCF基板30,80のガラス厚をそれぞれ非対称に設計することも可能となる。」 本願明細書の上記記載(f)及び(g)によれば、 (i)第1基板厚/第2基板厚がそれぞれ0.5/0.05及び0.5/0.1mmの第1及び第2基板、及び、それぞれ所定の密度(単位面積あたりの個数)を有し且つ所定の横断面(ここでは、径の大きさで表す)が形成された第1及び第2支持部で構成される液晶表示装置は押圧ムラ試験の判定が良好であり、第1又は第2基板の基板厚が少なくとも0.5mm以下という薄型液晶表示装置についても良好な耐押圧ムラ特性を有するようにすることが可能であったこと(下線は審決で引いた。以下同じ。)、 (ii)第1基板厚/第2基板厚=0.5/0.05(mm)であり、第1支持部はその密度が25個/mm2で径が17μm、第2支持部はその密度が125個/mm2で径が6μmである液晶表示装置(以下「液晶表示装置A」という。)において、第2支持部と対向基板との間隔が液晶層厚の0.06?0.19倍のもの(液晶層厚が3.40μmの場合)及び0.10?0.20倍のもの(液晶層厚が5.10μmの場合)について、それぞれ押圧判定及び低温衝撃気泡判定が良好であったこと、 が把握できる。 しかしながら、上記(i)によれば、第1又は第2基板の基板厚が少なくとも0.5mm以下という薄型液晶表示装置についても良好な耐押圧ムラ特性を有するようにすることが可能なのであるから、当該第1又は第2基板の基板厚が0.5mm以下の液晶表示装置でないとそのような良好な耐押ムラ特性を得ることはできない、と解することはできない。 また、上記(ii)によれば、本願明細書には、第1基板厚/第2基板厚=0.5/0.05(mm)という特定の基板厚を有する液晶表示装置Aについて、第2支持部と対向基板との間隔と液晶層厚との関係を定めることにより、押圧判定及び低温衝撃気泡判定が良好なものが得られることは示されているものの、第1及び第2基板の厚さが各々0.5mm以下であるその他の液晶表示装置についてまで、良好な押圧判定及び低温衝撃気泡判定が得られることを裏付ける試験評価について開示されている、ということはできない。 しかるところ、本願明細書の上記記載(a)?(e)及び(h)によれば、本願補正発明の「液晶表示装置」は、 (iii)「液晶表示装置の対向する第1基板と第2基板との間に、各々、第1及び第2基板の一方から他方に達するように延びて形成された複数の第1支持部が設けられていると共に、各々、第1及び第2基板の一方から他方に向かって延び且つ第1支持部よりも高さが低く形成された複数の第2支持部が設けられている」との構成により、 (iii′)基板に全体的に荷重がかけられた際には第1支持部及び第2支持部によってその荷重を支え、との作用効果を得、 (iv)「第1支持部より高さが低くなるように形成された第2支持部を設けている」との構成により、 (iv′)液晶層の変位に追随するように第1及び第2基板が相対的に変位でき、これにより、低温衝撃気泡の発生を規制することができ、との作用効果を得、 (v)「第2支持部が第1支持部よりも数が多いため、局所的な荷重がかけられた際に第1支持部は最小限にして高さの低い第2支持部をより多く設ける」との構成により、 (v′)液晶層の変位に対して第1及び第2基板がより柔軟に追随することができ、従って、このような場合に生じていた局所的な低温衝撃気泡の発生をより的確に規制することができ、との作用効果を得、 (vi)「第2支持部と対向する基板との間隔が液晶層の0.2倍以下である」との構成により、 (vi′)薄型液晶表示装置の液晶パネルでの押圧ムラ試験においてより効果的に耐強度性を確保でき、との作用効果を得、 (vii)「第2支持部と対向する基板との間隔が液晶層の0.06倍以上である」との構成により、 (vii′)低温衝撃気泡評価で気泡発生や不良ドメイン発生をより効果的に抑制でき、との作用効果を得る ものと理解されるものであり、第1及び第2基板の厚さが各々0.5mm以下でないと局所的な荷重に対する歪みに起因して生じる不可逆な表示ムラの防止と局所的に生じる低温衝撃気泡とを同時に解決することができない、と解する根拠は記載されておらず、そのように解することができないものである。 そして、引用刊行物には、上記のとおり、「互いに対向するように設けられた第1及び第2基板と、それらの間に挟まれるように設けられた液晶層と、を備えた液晶表示装置であって、各々、上記第1及び第2基板の一方から他方に達するように延びて形成された複数の第1支持部が設けられ、各々、上記第1及び第2基板の一方から他方に向かって延び、上記第1支持部よりも高さが低く且つ数が多く形成された複数の第2支持部が設けられた液晶表示装置。」との点で本願補正発明と一致する引用発明が記載されており、当該引用発明の「液晶表示装置」において、「2枚の透明基板1」の厚みを0.5mm以下のものとなすこと(相違点1)、及び、「高さの低い柱状スペーサ4s」と対向する「上側の透明基板1」との間隔を液晶層3の0.1299倍程度となるようになすこと(相違点2)は、いずれも当業者が容易になし得ることといえるのであるから、引用発明の「液晶表示装置」において、上記(iii)?(vii)の各構成を採用し、結果として、それらに対応する上記(iii′)?(vii′)の各作用効果を奏する「液晶表示装置」を得ることは当業者が容易になし得ることである。 以上のとおり、本願補正発明は、引用刊行物記載の発明、引用刊行物の記載事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (3)むすび 上記(2)のとおり、本件補正は、平成18年改正前法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 以上のとおり、本願却下補正について、本件却下の決定の理由1に基づいて補正の却下を行った本件却下の決定は、本件却下の決定の理由2について検討するまでもなく、相当なものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本願却下補正について補正の却下を行った本件却下の補正は上記のとおり相当なものであるので、本願の請求項に係る発明は、平成21年1月22日付け手続補正後の特許請求の範囲の請求項1?15に記載された事項によって特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明は次のとおりのものである。 「互いに対向するように設けられ少なくとも一方の厚さが0.5mm以下である第1及び第2基板と、それらの間に挟まれるように設けられた液晶層と、を備えた液晶表示装置であって、 各々、上記第1及び第2基板の一方から他方に達するように延びて形成された複数の第1支持部が設けられ、 各々、上記第1及び第2基板の一方から他方に向かって延び、上記第1支持部よりも高さが低く且つ数が多く形成された複数の第2支持部が設けられ、 上記第2支持部と対向する基板との間隔が、上記液晶層の0.06倍以上0.2倍以下である液晶表示装置。」(以下「本願発明」という。) 2 刊行物記載の発明 本願の優先日前に頒布され、原査定の拒絶の理由に引用された引用刊行物及び引用発明は、上記第2の3(2)アに記載したとおりである。 3 対比・判断 本願発明と引用発明とを対比する。 本願発明は、上記第2の3(2)イで検討した本願補正発明において、「第1及び第2基板」に関する「各々、厚さが0.5mm以下である」との限定を元に戻して「少なくとも一方の厚さが0.5mm以下である」としたものである。そうすると、「第1及び第2基板」が「各々、厚さが0.5mm以下である」本願補正発明が、上記第2の3(2)イで検討したとおり、引用刊行物記載の発明、引用刊行物の記載事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、「第1及び第2基板」の「少なくとも一方の厚さが0.5mm以下である」とする本願発明も、同様の理由により、引用刊行物記載の発明、引用刊行物の記載事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用刊行物記載の発明、引用刊行物の記載事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2009-10-01 |
結審通知日 | 2009-10-06 |
審決日 | 2009-11-04 |
出願番号 | 特願2007-536416(P2007-536416) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
ZB
(G02F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 廣田 かおり |
特許庁審判長 |
吉野 公夫 |
特許庁審判官 |
右田 昌士 服部 秀男 |
発明の名称 | 液晶表示装置 |
代理人 | 竹内 祐二 |
代理人 | 前田 弘 |