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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2008800290 審決 特許
無効2009800029 審決 特許
無効200335239 審決 特許
無効2010800100 審決 特許
無効200580142 審決 特許

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審決分類 審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A61K
審判 全部無効 2項進歩性  A61K
審判 全部無効 特36条4項詳細な説明の記載不備  A61K
審判 全部無効 1項3号刊行物記載  A61K
管理番号 1214782
審判番号 無効2008-800249  
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-06-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2008-11-10 
確定日 2010-03-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3893292号発明「毛髪化粧料組成物」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第3893292号の請求項1?4に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯

(1)本件特許第3893292号の請求項1?5に係る発明についての特許は、平成14年1月17日に出願され、平成18年12月15日にその発明について特許の設定登録がされたものである。

(2)これに対して、請求人は、「特許第3893292号の請求項1?5に係る発明についての特許を無効とする。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、甲第1?16号証を提出し、本件特許の請求項1、2、4、5に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に規定する発明に該当し、また、請求項1?5に係る発明の特許は、同条第2項、第36条第4項第1号、同条第6項第1号第2号の規定に違反してなされたものであり、無効とすべきであると主張した。

(3)被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、上記請求人の主張する無効理由は、いずれも理由がない旨主張し、乙第1?18号証を提出するとともに、平成21年1月30日に訂正請求書を提出して訂正を求めた。

(4)これに対し、請求人は、平成21年3月11日に弁駁書、及び証拠方法として甲第17?25号証を提出して、同弁駁書において、訂正後の請求項1、2、4に係る発明は、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、同請求項1?4に係る発明は、同法第29条第2項の規定に違反するものである旨主張し、当該特許は無効とすべきものであるとの無効理由を追加する補正をなし、この補正は、平成21年8月10日付け補正許否の決定において許可された。審判長は、平成21年8月10日付け通知書において、被請求人に対し、上記弁駁書複本を送付の上、答弁並びに訂正請求の機会を与えたが、指定期間内に被請求人からの応答はなく、被請求人は、期間経過後の平成21年10月13日付け審理方式の申立書において、平成21年1月30日付け答弁書記載のとおり答弁の趣旨が明確であるとし、書面審理によることを求めた。
なお、請求人は、上記弁駁書において、被請求人が平成21年1月30日付けで提出した訂正請求書に記載された内容の訂正が認められる場合には、平成20年11月10日付けで提出した審判請求書に記載された無効の理由のうち、丸付き数字4-1-1と丸付き数字4-1-2に基づく無効理由20および丸付き数字4-2-1と丸付き数字4-2-2に基づく無効理由21を除く無効理由1?22を撤回する、とした。

2.訂正事項

平成21年1月30日に提出された訂正請求の内容は、本件特許の設定登録時の特許請求の範囲(以下、「特許請求の範囲」という。)、明細書(以下、「特許明細書」という。)を、各々、同訂正請求書に添付した特許請求の範囲(以下、「訂正特許請求の範囲」という。)、明細書(以下、「訂正明細書」という。)のとおりに訂正しようとするものである。
すなわち、以下の特許請求の範囲
「【請求項1】
下記のA成分及びB成分を含有することを特徴とする毛髪化粧料組成物。
A成分:ポリフェノール類を含有する植物エキス。
B成分:ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ-フェニルプロピルアルコール、シンナミルアルコール、アニスアルコール、p-メチルベンジルアルコール、α-ジメチルフェネチルアルコール、α-フェニルエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール及び2-ベンジルオキシエタノールから選ばれる少なくとも一種の芳香族アルコール、
硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、ベヘン酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、カプロン酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩酸アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、ジミリスチン酸アルミニウム、ジ-dl-ピロリドンカルボン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、イソステアリン酸アルミニウム、グリシンアルミニウム、ラノリン酸アルミニウム、モノステアリン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPG及び硫酸アルミニウムから選ばれる少なくとも一種のアルミニウム化合物、
パラフェノールスルホン酸亜鉛、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛から選ばれる少なくとも一種の亜鉛化合物、
並びにサポニンから選ばれる少なくとも二種(但し、芳香族アルコール、アルミニウム化合物及びサポニンからなる組み合わせを除く)。
【請求項2】
前記A成分が、オウゴンエキス、センコツエキス、ワレモコウエキス、茶エキス、トチュウエキス及びケイヒエキスから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項3】
前記B成分が、前記芳香族アルコールと、前記アルミニウム化合物又は前記亜鉛化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項4】
前記B成分が、前記芳香族アルコールと前記サポニンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項5】
前記B成分が、前記アルミニウム化合物又は前記亜鉛化合物と、前記サポニンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。」

を、下記の訂正特許請求の範囲のとおり訂正するとともに、当該訂正に対応する明細書及び図面の記載事項を合わせて訂正することを求めるものである。

「【請求項1】
下記のA成分、並びにB成分としてB1成分及びB2成分を含有することを特徴とする毛髪化粧料組成物。
A成分:ポリフェノール類を含有する植物エキス。
B成分:
(B1成分)硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、ベヘン酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、カプロン酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩酸アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、ジミリスチン酸アルミニウム、ジ-d1-ピロリドンカルボン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、イソステアリン酸アルミニウム、グリシンアルミニウム、ラノリン酸アルミニウム、モノステアリン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPG及び硫酸アルミニウムから選ばれる少なくとも一種のアルミニウム化合物。
(B2成分)ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ-フェニルプロピルアルコール、シンナミルアルコール、アニスアルコール、p-メチルペンジルアルコール、α-ジメチルフェネチルアルコール、α-フェニルエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール及び2-ベンジルオキシエタノールから選ばれる少なくとも一種の芳香族アルコール、
パラフェノールスルホン酸亜鉛、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛から選ばれる少なくとも一種の亜鉛化合物、
並びにサポニン、
から選ばれる少なくとも一種。
(但し、B成分は、前記芳香族アルコール、アルミニウム化合物及びサポニンからなる組み合わせを除く)。
【請求項2】
前記A成分が、オウゴンエキス、センコツエキス、ワレモコウエキス、茶エキス、トチュウエキス及びケイヒエキスから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項3】
前記B2成分が、前記芳香族アルコールであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項4】
前記B2成分が、前記サポニンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。」

3.訂正の可否に対する判断
(1)特許請求の範囲の訂正について
(1)-1 「特許請求の範囲」の請求項1の訂正について
この訂正は、
「A成分及びB成分を含有することを特徴とする毛髪化粧料組成物。」を「A成分、並びにB成分としてB1成分及びB2成分を含有することを特徴とする毛髪化粧料組成物。」とし、少なくとも二種の「B成分」を「(B1成分)・・・から選ばれる一種のアルミニウム化合物。」と「(B2成分)・・・から選ばれる少なくとも一種の芳香族アルコール、・・・から選ばれる少なくとも一種の亜鉛化合物、並びにサポニン、から選ばれる少なくとも一種。」とすることを求めるものである。
特許明細書の請求項1には、上記「B成分」は、B1成分に相当する一種のアルミニウム化合物、B2成分に相当する一種の芳香族アルコール、一種の亜鉛化合物、並びにサポニンから選ばれる少なくとも二種」とされているから、上記の訂正は、、A成分とともに含有される少なくとも二種のB成分について、B1成分から少なくとも一種とB2成分から少なくとも1種として、B成分として選ばれる種類の組み合わせを限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
「特許明細書」には、(1)ポリフェノール類を含有する植物エキス(A成分)と、芳香族アルコール、アルミニウム化合物、亜鉛化合物及びサポニンから選ばれる少なくとも一種(B成分)とを含有しているため、本実施形態の毛髪化粧料組成物によれば、毛髪に弾力性を付与することができる旨が段落0027に記載されている。
そして、段落0030、0031には、(4)B成分を、芳香族アルコールと、アルミニウム化合物又は亜鉛化合物とすれば、上記(1)の効果を向上させることができることや、(6)B成分を、アルミニウム化合物又は亜鉛化合物と、サポニンとすれば、上記(1)の効果を向上させることができるとともに、毛髪化粧料組成物で処理した後の毛髪の風合いも向上させることができることが記載されており、ここに、アルミニウム化合物はB1成分に相当し、芳香族アルコール、亜鉛化合物、サポニンはB2成分に相当するものであり、B1成分とB2成分とを組み合わせてB成分とすることが一般的に記載されているほか、実施例5、8、10に、具体的に、硫酸カリウムアルミニウム(B1成分に相当)とベンジルアルコール、硫酸亜鉛、サポニン(B2成分に相当)から選ばれた少なくとも一種を含有してなる毛髪化粧料組成物が記載されている。
そうすると、この訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更するものでもないことは明らかである。

(1)-2 「特許請求の範囲」の請求項3の訂正について
この訂正は、「特許請求の範囲」の請求項1を訂正したことに付随して、「B1成分」とともに含有される「B2成分」を明記するために、選択的に記載された発明特定事項の一部を削除することを求めるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更するものでもない。

(1)-3 「特許請求の範囲」の請求項4の訂正について
この訂正は、「特許請求の範囲」の請求項4を削除することを求めるものである。これは、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更するものでもない。

(1)-4 「特許請求の範囲」の請求項5の訂正について
この訂正は、「特許請求の範囲」の請求項1を訂正したことに付随して、「B1成分」とともに含有される「B2成分」を明記するために、選択的に記載された発明特定事項の一部を削除することを求めるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更するものでもない。

(2)「特許明細書」の訂正について
「特許明細書」の訂正は、いずれも、「特許請求の範囲」の訂正に伴い、対応する明細書の記載を訂正することを求めるものである。
「特許請求の範囲」の訂正については、上記(1)記載のとおりであるから、「特許明細書」の訂正は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許請求の範囲を実質上拡張又は変更するものでもない。

(3)したがって、平成21年1月30日付けの訂正は、特許法第134条の2第1項第1号乃至第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項の規定によって準用する特許法第126条第3項及び第4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

4.請求人の主張

請求人は、1.(4)に記したとおり、上記弁駁書において、被請求人が平成21年1月30日付けで提出した訂正請求書に記載された内容の訂正が認められる場合には、平成20年11月10日付けで提出した審判請求書に記載された無効の理由のうち、丸付き数字4-1-1と丸付き数字4-1-2に基づく無効理由20および丸付き数字4-2-1と丸付き数字4-2-2に基づく無効理由21を除く無効理由1?22を撤回する、とした。
そして、上記3.のとおり、訂正請求は認められた。したがって、無効理由1?22(但し丸付き数字4-1-1と丸付き数字4-1-2に基づく無効理由20および丸付き数字4-2-1と丸付き数字4-2-2に基づく無効理由21を除く)は取り下げられたものとして審理する。
そうすると、請求人が主張する無効理由、及び証拠方法は以下のとおりである。
なお、以下にあっては、請求人が平成20年11月10日付けで提出した審判請求書中の請求項5は、上記のとおり、請求項4が削除される訂正がなされたので、番号を繰り上げて請求項4と読み替えて検討する。また、以下、訂正後の特許請求の範囲に記載された請求項1?4に係る発明を、各々「本件特許発明1」?「本件特許発明4」、あるいは単に「本件特許発明」といい、訂正後の特許明細書を「本件特許明細書」という。

<無効理由>
理由20-1 丸付き数字4-1-1
請求項1に記載の発明特定事項のうちの「ポリフェノール類を含有する植物エキス」について、実施例はオウゴンエキスとしか記載していない。
しかし、本件発明の詳細な説明は、いかなる成分からなるオウゴンエキスがいかなる含有量であっても、実施例のオウゴンエキス5.0重量%と同等の効果を奏することを、実験的な確認を要するまでもなく合理的に推認できるような技術的説明を記載してはいない。
したがって、本件特許発明1は、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていない。同様に、本件特許発明2?4も当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていない。
よって、本件特許は特許法第36条第4項第1号に違反してなされたものである。

理由20-2 丸付き数字4-1-2
本件明細書段落【0011】にポリフェノール類を含有する植物エキスの種々の具体例、および本件明細書段落【0013】にポリフェノール類についての種々の具体例を記載している。
しかし、本件発明の詳細な説明は、いかなる化学構造のポリフェノールがいかなる含有量であっても、実施例のオウゴンエキス5.0重量%と同等の効果を奏することを、実験的な確認を要するまでもなく合理的に推認できるような技術的説明を記載してはいない。
したがって、本件特許発明1は、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていない。同様に、本件特許発明2?4も当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていない。
よって、本件特許は特許法第36条第4項第1号に違反してなされたものである。

理由21-1 丸付き数字4-2-1
本件発明の詳細な説明の記載は上記理由20-1記載のとおりであり、いかなる量のオウゴンエキスを用いても、実施例の記載のオウゴンエキス5.0重量%の場合と同等の効果が、被請求人の主張するように必ず奏されるとは推認できない。
したがって、オウゴンエキス5.0重量%のみの実施例から、いかなる量のオウゴンエキスにまで一般化または拡張できず、本件特許発明1は明細書に記載されたものであるとはいえない。同様に、本件特許発明2?4も明細書に記載されたものであるとはいえない。
よって、本件特許は特許法第36条第6項第1号に違反してなされたものである。

理由21-2 丸付き数字4-2-2
本件発明の詳細な説明の記載は上記理由20-1記載のとおりであり、いかなる量の植物エキスを用いても、実施例の記載のオウゴンエキス5.0重量%の場合と同等の効果が、被請求人の主張するように必ず奏されるとは推認できない。
したがって、オウゴンエキス5.0重量%のみの実施例から、いかなる量の植物エキスにまで一般化または拡張できず、本件特許発明1は明細書に記載されたものであるとはいえない。同様に、本件特許発明2?4も明細書に記載されたものであるとはいえない。
よって、本件特許は特許法第36条第6項第1号に違反してなされたものである。

理由23
本件特許発明1、4は、甲第17号証に記載された発明であるから、当該特許は、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものである。

理由24
本件特許発明1、2、4は、甲第21号証に記載された発明であるから、当該特許は、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものである。

理由25
本件特許発明1、2、4は、甲第22号証に記載された発明及び甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、当該特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

理由26
本件特許発明1?3は、甲第23号証に記載された発明及び甲第22号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、当該特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

<請求人が提出した証拠方法>
甲第1号証:発明協会公開技報 公技番号99-7422
甲第2号証:発明協会公開技報 公技番号98-8854
甲第3号証:特開平5-221838号公報
甲第4号証:化粧品ハンドブック 254?257頁 平成8年11月1日 日光ケミカルズ株式会社外2社
甲第5号証:化粧品原料辞典 145頁 平成3年11月29日 日光ケミカルズ株式会社外2社
甲第6号証:特開昭63-174915号公報
甲第7号証:化学大辞典 6頁 1996年4月1日 株式会社東京化学同人
甲第8号証:特開2001-81038号公報
甲第9号証:特開昭59-101412号公報
甲第10号証:特開平7-2627号公報
甲第11号証:特開2001-2550号公報
甲第12号証:一丸ファルコス株式会社 オウゴンリキッド 製品カタログの写し
甲第13号証:丸善製薬株式会社 化粧品用天然抽出物製品 製品カタログの写し
甲第14号証:香栄興業株式会社 植物抽出液 製品カタログの写し
甲第15号証:ポリフェノールについての報告書
甲第16号証:サポニンについての報告書
甲第17号証:特開平10-194923号公報
甲第18号証:特開平8-301737号公報
甲第19号証:フレグランス ジャーナル,臨時増刊No.1(1979)
18?25頁
甲第20号証:フレグランス ジャーナル,臨時増刊No.6(1986)
161?170頁
甲第21号証:特開平4-69324号公報
甲第22号証:特開昭55-108812号公報
甲第23号証:特開平6-305942号公報
甲第24号証:生化学辞典(第3版) 974?975頁 1999年2月15日 株式会社東京化学同人
甲第25号証:化学大辞典 2302?2303頁 1989年10月20日 株式会社東京化学同人

5.被請求人の主張
一方、被請求人は、請求人が主張する無効理由は成り立たない旨主張し、以下の証拠方法を提出した。

<被請求人が提出した証拠方法>
乙第1号証:「全成分表示に対応した化粧品成分ガイド(第2版)」
(編著者:湯浅正治ら) フレグランスジャーナル社 平成13年11月15日
乙第2号証:「化粧品ハンドブック」 331?363頁 平成8年11月1日 日本ケミカルズ株式会社外2社
乙第3号証:「PRODUCT LIST (1.医薬品及び化粧品用甘草製品一覧表)」 丸善製薬株式会社
乙第4号証:「日本草薬全書」(監修/水野瑞夫 編集/田中俊弘) 243?245頁 、438?440頁 平成7年2月22日 新日本法規出版株式会社
乙第5号証:特開平8-280365号公報
乙第6号証:「香粧品原料便覧(第4版)」 604頁 2000年12月15日 有限会社フレグランスジャーナル社
乙第7号証:「化学大辞典」 (「収斂(れん)性」、「タンニン」、「タンニン酸」、及び「ポリフェノール(多価フェノール)」の欄) 1006、1380、1339頁 東京化学同人
乙第8号証:「FRAGRANCE JOURNAL」臨時増刊No.1(1979) 91?95頁 フレグランスジャーナル社
乙第9号証:「毛の医学」(監修/小堀辰治) 第1版第1刷 280?290頁 昭和62年6月23日 株式会社文光堂
乙第10号証:「実験成績証明書」 ホーユー株式会社総合研究所作成
乙第11号証:特許第2523419号公報
乙第12号証:特開平8-26940号公報
乙第13号証:特開平7-69836号公報
乙第14号証:特開平7-330551号公報
乙第15号証:特開2001-192323号公報
乙第16号証:特開平11-315013号公報
乙第17号証:特開平7-187961号公報
乙第18号証:「植物化学」稲垣勲著 第5版 154?175頁 昭和41年3月31日 医歯薬出版株式会社

6.本件特許発明に対する判断

(1)本件特許発明
本件特許発明は、「訂正特許請求の範囲」に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認める。

「【請求項1】
下記のA成分、並びにB成分としてB1成分及びB2成分を含有することを特徴とする毛髪化粧料組成物。
A成分:ポリフェノール類を含有する植物エキス。
B成分:
(B1成分)硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、ベヘン酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、カプロン酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩酸アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、ジミリスチン酸アルミニウム、ジ-d1-ピロリドンカルボン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、イソステアリン酸アルミニウム、グリシンアルミニウム、ラノリン酸アルミニウム、モノステアリン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPG及び硫酸アルミニウムから選ばれる少なくとも一種のアルミニウム化合物。
(B2成分)ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ-フェニルプロピルアルコール、シンナミルアルコール、アニスアルコール、p-メチルペンジルアルコール、α-ジメチルフェネチルアルコール、α-フェニルエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール及び2-ベンジルオキシエタノールから選ばれる少なくとも一種の芳香族アルコール、
パラフェノールスルホン酸亜鉛、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛から選ばれる少なくとも一種の亜鉛化合物、
並びにサポニン、
から選ばれる少なくとも一種。
(但し、B成分は、前記芳香族アルコール、アルミニウム化合物及びサポニンからなる組み合わせを除く)。
【請求項2】
前記A成分が、オウゴンエキス、センコツエキス、ワレモコウエキス、茶エキス、トチュウエキス及びケイヒエキスから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項3】
前記B2成分が、前記芳香族アルコールであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項4】
前記B2成分が、前記サポニンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。」

(2)特許法第29条第1項第3号(理由23)について
ア.甲第17号証
甲第17号証には、 段落0022に、【実施例8】クリームの調製 として、
下記の組成、配合(単位:重量部)により油中水(W/O)型クリームを調製したことが記載されている。
1.モノオレイン酸グリセリル 6.0
2.トリイソステアリン酸ジグリセリル 4.0
3.ステアリン酸マグネシウム 1.2
4.ステアリン酸アルミニウム 0.6
5.ラウリン酸亜鉛 2.0
6.ミツロウ 2.0
7.パラフィンワックス 3.2
8.流動パラフィン 15.0
9.プロポリスエキス 3.0
10.部分水素添加馬油 8.0
11.パラベン 0.2
12.グリセリン 10.0
13.アロエエキス 0.1
14.ホホバ油 0.1
15.グルタミン酸ナトリウム 2.4
16.精製水 残量
合計100.0」
以下、上記油中水(W/O)型クリームを引用発明1という。

イ.対比・判断
(本件特許発明1について)
本件特許発明1と引用発明1を対比する。
前者は、A成分、B1成分、B2成分以外の成分も含有し得る組成物である。そして、後者の組成物の成分であるステアリン酸アルミニウムは、モノステアリン酸アルミニウムのことであり、前者のB1成分に相当する。次に、後者の組成物の成分であるラウリン酸亜鉛は、前者のB2成分に相当する。また、後者の組成物の成分であるアロエエキスは、アロエは植物であるから、前者のA成分である植物エキスに相当するが、後者では、ポリフェノール成分を含むものであるかどうかは記載されていない。
したがって、両者は、
(i)植物エキスが、前者ではポリフェノール類を含有する植物エキスであるのに、後者では、アロエエキスがポリフェノール類を含有するかどうかは記載されていない点
(ii)組成物が、前者は毛髪化粧料用組成物であるのに対して、前者は油中水(W/O)型クリームである点
で一応相違する。
そこで、これらの一応の相違点について検討する。

一応の相違点(i)について
甲第17号証には、アロエエキスの有効成分については記載されていない。そこで、引用発明1の組成物の成分であるアロエエキスがポリフェノール類を含有するか否かについて検討する。
甲第18号証は、整髪剤組成物に関する発明であり、その成分として、ポリフェノール誘導体を含有するものである(特許請求の範囲)。そして、ポリフェノール誘導体について、「ポリフェノール誘導体を含有する生薬及び植物エキスを用いることもできる。」(段落0022)と記載されており、ポリフェノール誘導体を含有する植物エキスとして、アロエから得られる植物エキスが特に好ましいものとして挙げられている。そして、その抽出方法も、公知抽出方法である(段落0023、0024)。そうすると、(ii)について述べるとおり、引用発明1の油中水(W/O)型クリームは毛髪を適用対象に含むクリームであり、引用発明1において用いられるアロエエキスも毛髪化粧料に一般的に用いられるアロエエキスであると考えるのが自然であるから、引用発明1のアロエエキスはポリフェノール誘導体を含有するものである。そして、「ポリフェノール誘導体」が「ポリフェノール類」と同義であることは明らかである。
したがって、一応の相違点(i)は、実質的な相違点ではない。

一応の相違点(ii)について
引用発明1のクリームは、甲第17号証に記載された「プロポリスエキス及び金属セッケンを含有することを特徴とする乳化組成物」の発明(特許請求の範囲)の実施例である。そして、甲第17号証には、「プロポリスエキス及び金属セッケンを含有することを特徴とする乳化組成物」の発明について、「本発明はプロポリスエキスを含有する乳化組成物、具体的には皮膚や毛髪に適用するクリーム、乳液、パックといった化粧料である乳化組成物に関する。」(段落0001)と記載されている。
そうすると、引用発明1の油中水(W/O)型クリームの適用対象が毛髪を含むことは明らかであり、引用発明1の油中水(W/O)型クリームは毛髪化粧料用組成物である場合を含むものである。
したがって、一応の相違点(ii)は、実質的な相違点ではない。
以上のとおりであるから、本件特許発明1と引用発明1には実質的な相違点はなく、本件特許発明1は、甲第17号証に記載された発明である。

(本件特許発明4について)
本件特許発明4と引用発明1を対比する。
両者は、上記の一応の相違点(i)、(ii)に加えて、
(iii)B2成分が、前者ではサポニンであるのに対して、後者では、サポニンが含まれることが記載されていない点
で一応相違する。
そこで、これらの一応の相違点について検討する。(i)、(ii)は、上記のとおり実質的な相違点ではない。ついで、(iii)について検討する。
引用発明1の組成物の成分として、サポニンは記載されていないが、アロエエキスを含むと記載されている。
ところで、アロエはサポニンを含有する植物である(甲第19号証 21頁右欄6?12行、甲第20号証162頁左欄最下行?右欄1行)。そして、サポニンが、一般に、水、メタノール、エタノールに可溶で、他の有機溶媒に不溶であり(甲第4号証 254頁右欄最下行?256頁左欄3行、化学大事典3 縮刷版 853頁 「サポニン」 共立出版株式会社 昭和53年9月10日発行)、水、アルコール等で抽出されるアロエエキスにサポニンが含有されていることは明らかである。
そうすると、アロエエキスは、ポリフェノール類を含有する植物エキスに相当するのみならず、B2成分であるサポニンにも相当するから、上記(iii)の点も実質的な相違点ではない。
以上のとおりであるから、本件特許発明4と引用発明1には、実質的な相違点はなく、本件特許発明4は、甲第17号証に記載された発明である。

(3)特許法第36条第4項、第6項第1号違反について
(3)-1 理由20-1、21-1について
請求人は、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、いかなる成分からなるオウゴンエキスが、いかなる含有量であっても、実施例のオウゴンエキス5.0重量%と同等の効果を奏することを、実験的な確認を要するまでもなく合理的に推認できるような技術的説明を記載していないと主張している。
そこで、この主張について検討する。
本件特許明細書には、A成分としてオウゴンエキスを5.0重量%含有し、B1成分として硫酸カリウムアルミニウムを1.0重量%、またB2成分としてベンジルアルコール、及び/又は酢酸亜鉛、及び/又はサポニンをそれぞれ9.0、1.0、2.0重量%含有する組成物について、弾力性付与率、持続性の効果が具体的に確認されている。そして、本件特許明細書には、本件毛髪化粧料組成物における植物エキスの含有量に関して、0.001?20重量%が好ましく、0.1?10重量%がより好ましい、と記載されている(段落0012)。
本件特許発明は、A成分とB1成分及びB2成分を含有することにより(段落0027、0028)、毛髪に弾力性を付与すること、及びその持続性を向上させることを解決すべき課題とするものである(段落0046)。オウゴンエキスの成分は、天然物からの抽出物であるから、その成分の種類、含有量は実施例のオウゴンエキスと幾分変動することがありうるものの、A成分として、オウゴンからの一般的な抽出法により得られたオウゴンエキスであれば、含有量が5.0重量%でなくとも、実施例5と程度の差こそあれ、毛髪に弾力性を付与し、その持続性を向上させるとの効果を奏するであろうことは当業者が推認しうるところである。
よって、請求人の主張する上記の理由で、本件特許発明1?4について、本件特許が、特許法第36条第4項及び同法第36条第6項第1項に違反してなされたものであるとすることはできない。

(3)-2 理由20-2、21-2について
請求人は、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、いかなる化学構造のポリフェノールがいかなる含有量であっても、実施例のオウゴンエキス5.0重量%と同等の効果を奏することを、実験的な確認を要するまでもなく合理的に推認できるような技術的説明を記載していないと主張している。
そこで、この主張について検討する。
ポリフェノールとは、「同一ベンゼン環上に2個以上のヒドロキシル基を持つ化合物の総称」であり、植物エキスに含まれるポリフェノールとして、数多くのポリフェノールが知られている。そして、植物の種類によって含まれるポリフェノールの種類や成分比も異なる(甲第15号証の添付資料、乙第7号証)。
さらに、植物エキスは、ポリフェノール以外の成分も多数含むものであり、植物の種類によって含まれる成分は異なる。
そうすると、A成分として、オウゴンエキス以外のポリフェノール類を含有する植物エキスを採用した場合にも、毛髪に弾力性を付与し、その持続性を向上させるとの課題が解決できることが本件特許明細書に記載されているとは認められない。
この点に関し、被請求人は、乙第1?9号証を提示し、ポリフェノール類は収れん作用に関連する成分であり、収れん性は毛髪に対する関連作用であるとしている。
しかしながら、提出された乙第1?9号証には、ポリフェノール類のうち、毛髪に対する収れん性が記載されているのはタンニン、タンニン酸についてだけである。さらに、本件特許明細書には、毛髪に対する収れん性を有する成分をB1成分及びB2成分と併用することと、本件特許発明が解決すべき課題とする毛髪に弾力性を付与すること及びその持続性を向上させることとの関連が記載されていない。
請求人は、さらに、乙第10号証により、本件特許明細書記載の実施例とは異なるA成分、B1成分、B2成分を含有する組成物を調製し、その性能を、弾力性付与率、持続性、風合いの観点から確認した実験結果を提示している。
しかしながら、上記のとおり、本件特許明細書は、特許法第36条第4項及び同法第36条第6項に規定する記載要件を満たさないものであり、出願後に行われた実験結果をもって、本件特許明細書の記載不備を補うことはできない。
なお、提出された試験結果はいずれもタンニンを含有する植物エキスについての試験結果であり、タンニン以外のポリフェノールを含有する植物エキスについては試験結果が提出されていない。
したがって、特許発明1?4について、本件特許は、特許法第36条第4項及び同法第36条第6項第1号に違反してなされたものである。

(4)特許法第29条第1項第3号(理由24)について
本件特許発明1?4は、A成分、B1成分、B2成分を含有する毛髪化粧料組成物である。すなわち、文言上は、A成分、B1成分、B2成分及び適宜その他の任意成分からなる組成物である。
しかしながら、本件特許明細書には、本件毛髪化粧料組成物に関して、「なお、毛髪化粧料組成物が用時に混合調製される複数の剤からなる多剤式の形態である場合、A成分及びB成分はいずれの剤に配合してもよい。」(段落0026)と記載されている。ここで、B成分とは、B1成分とB2成分の両成分の意である。
そして、実施例12には、具体的に、二剤式の毛髪化粧料組成物(酸化染毛剤)の調製例が記載されているところである。
そうすると、本件特許発明の毛髪化粧料組成物は、A成分、並びにB成分としてB1成分及びB2成分を含有する単一の剤からなる形態のもののみならず、それら成分を別々に含有する複数の剤からなる多剤式の形態のものをも包含する発明であるともいえる。
請求人は、本件特許発明は多剤の形態のものをも包含する発明であるとの考えの下、理由24を挙げているのでこれについても検討する。

ア.甲第21号証
ア.-1 記載事項
甲第21号証には、
a「試験例6
処方例2の処方に準じたジュ抽出液5gを含有する染毛料および下記第6表の金属化合物を0.5g含有させる以外は実施例1の処方に準じた前処理剤を用いて、試験例1と同様に染毛し、金属化合物の種類による色調の変化を観察した。
下記第6表に結果を示す。」

b 第6表には、金属化合物として、ZnSO_(4)、ZnCl_(3)、AlK(SO_(4))_(3)、AlCl_(3)が記載されている。

c「実施例
処方例1
下記の成分を用いて、染毛料および前処理剤を調製した。
(染毛料)
銅クロロフィルナトリウム* 0?10.0g
塩化セチルトリメチルアンモニウム 0.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5
精製水 全量を100.0
クエン酸でpH5.5に調整
*銅クロロフィリンナトリウムを0、0.05、0.1、0.2、0.5、1.0、5.0または10.0g含有させた。
(前処理剤)
ラウリル硫酸トリエタノールアミン 7.0g
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 5.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 2.0
2-アルキルーN-カルボキシメチル-N- 1.0
ヒドロキノエチルイミダゾリニウムベタイン
エデト酸二ナトリウム 0.1
炭酸ナトリウム 0.5
塩化第二鉄 0.5
精製水 全量を100.0
クエン酸でpH5.5に調整
試験例1
脱色山羊毛を、その1/20重量の処方例1の前処理剤で2分間処理して、同量の処方例、1の染毛料で1分間処理した。上記の銅クロロフィリンナトリウムの配合量が異なる染毛料について、染毛効果および皮庸への着色を試験した。結果を下記の第1表に示す。
第1表・・・であることがわかった。」

d「処方例2
下記の成分を用いて染毛料および前処理剤を調製した。
(染毛料)
ジュ抽出液* 0?10.0g
塩化セチルトリメチルアンモニウム 0.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5
精製水 全量100.0g
クエン酸でpH5.5に調整
*ジュ抽出液を0、0.5、1.0.2.0、5.0および10.0g含有させた。
(前処理剤)
処方例1に同じ。
試験例2
処方例2の染毛料および前処理剤を用いて、試験例1と同様にして染毛し、ジュ抽出液の配合が異なる染毛料について、その染毛効果を調べた。
下記の第2表に結果を示す。
第2表・・・であることがわかる。」(4頁右下欄下から7行?6頁左上欄下から7行)

e「1 銅クロロフィリンナトリウムおよび/または銅クロロフィリンカリウム0.05?1重量%;並びに/或いはタンニン0.1?10重量%を含有する植物抽出物1?10重量%が配合され、かつpH2.5?7.5に調整された染毛料。
2 略
3 アニオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤1?20重量%、鉄、銅、アルミニウム、亜鉛、鉛、スズ、クロム、マンガンおよびコバルトの塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩および酢酸塩から選ばれた金属化合物の少くとも1種0.02?1重量%およびナトリウム化合物および/またはカリウム化合物0.05?1重量%が配合され、かつpH4.5?8.5に調整された請求項1に記載の染毛料のための前処理剤。」(特許請求の範囲)

f「植物抽出物としては、草木染めに使用できる植物の抽出物を1種または2種以上を用いることができる。例えば、ジュ(ワレモコウの根)、・・・などのタンニンを含有する植物の抽出物を挙げることができる。・・・植物抽出物は、通常の抽出方法で得られ、例えば、溶媒を用いて室温または穏やかに加温して抽出する、溶媒抽出後に加温濃縮または減圧濃縮して適当な溶媒で濃度を整えるなどの操作により得られる。植物抽出物中には、タンニン、フラボノニド、サポニン、アミノ酸なとが倉まれる。本発明において、植物抽出物としては、タンニンを0.1?10重量%含有するものが用いられ、染毛1中1.0?10重量%配合される。配合量が1.0重量%未満であれば、染毛効果か弱く、また10重量%を超える量を配合しても、染毛効果は向上しない。」(2頁左下2行?右下6行)

g「金属化合物は、媒染剤として作用し、人体に悪影響を及はさないものか用いられ、通常鉄、銅、アルミニウム、亜鉛、・・・の塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩および酢酸塩などを用いることかできる。このような化合物を単独で或いは2種以上を組合わせて用いる。」(3頁右下欄14行?4頁左上欄1行)
が記載されている。

ア.-2 引用発明2
甲第21号証の試験例6には、AlK(SO_(4))_(3)、又はAlCl_(3)を0.5g含有させる以外は実施例1の処方に準じた前処理剤を、処方例2の処方に準じたジュ抽出物5gを含有する染毛料を用いて、試験例1と同様に脱色山羊毛を染色することが記載されている(a、b)。そして、実施例1(審決注:実施例1はなく、実施例とのタイトルの下、処方例1、試験例1、処方例2、試験例2・・・が記載されていることから、実施例1を処方例1の意であると解し、検討する。)には、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキルーN-カルボキシメチル-N-ヒドロキノエチルイミダゾリニウムベタイン、エデト酸二ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化第二鉄、精製水を含有する前処理剤が、処方例2には、ジュ抽出液、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、精製水を含有する染毛料が記載されている(d)。また、試験例1には、脱色山羊毛を、その1/20重量の処方例1の前処理剤で2分間処理して、同量の処方例1の染毛料で1分間処理した、と記載されている(c)。
以上のとおりであるから、試験例6には、結局、AlK(SO_(4))_(3)、又はAlCl_(3)とラウリル硫酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキルーN-カルボキシメチル-N-ヒドロキノエチルイミダゾリニウムベタイン、エデト酸二ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化第二鉄、精製水を含有する前処理剤で処理したのち、ジュ抽出液、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、精製水を含有する染毛料で脱色山羊毛を染色する発明(以下、引用発明2という。)が記載されている。

イ.対比・判断
引用発明2は、前処理剤と染色剤とからなる2剤式の染毛剤である。さらに、引用発明2である試験例6は、山羊毛を用いた試験例であり、前処理剤で処理した後、そのまま染色剤を混合し染色するものであり、本件特許明細書にいう「用時に混合される複数の剤からなる多剤式の形態である場合」に相当するものである。
ここで、引用発明2の前処理剤には、AlK(SO_(4))_(3)、又はAlCl_(3)が含まれるが、これらは、本件特許発明1のB1成分に相当する。
そして、引用発明2の染毛剤には、ジュ抽出液が含まれている。
ジュ抽出液は、植物ジュの抽出物である。甲第21号証には、ジュは、ワレモコウの根の意であり(f)、タンニンを含有する植物として記載されている(特許請求の範囲、f)。そうすると、上記ジュ抽出液には、当然にタンニンが含有されているものであるといえる。
次に、甲第21号証には、それら植物抽出物の製法について、「通常の抽出方法で得られ、例えば、溶媒を用いて室温または穏やかに加温して抽出する、溶媒抽出後に加温濃縮または減圧濃縮して適当な溶媒で濃度を整えるなどの操作により得られる」(f)、と記載されており、その際の抽出条件は、タンニンを含有する植物抽出物が得られる条件であるべきであるから、上記溶媒とは、タンニンを溶解することができる溶媒であると認められる。そして、乙第2号証には、ワレモコウエキスの主成分はタンニン、サポニンであって、それらはワレモコウの水、エタノール、1,3-ブチレングリコールまたはこれらの混液で抽出される旨の記載があり(356頁)、タンニンが抽出される条件下においてサポニンもまた抽出される成分であると認められる。このことは、サポニン、タンニンともに、水、エタノールに溶ける、という両物質の性質とも符合するものであり、当業者であれば容易に理解することができるものである。
そうすると、上記ジュ抽出液には、タンニンとともにサポニンもまた含有されているものである。
ところで、本件特許明細書には、ポリフェノール類の成分として、タンニン酸、ガロタンニン、エラジタンニン、縮合型タンニン等(段落0013)が記載されており、それに照らせば、ジュ抽出液に含有されているタンニンは、本件特許発明2のポリフェノール類に相当する成分である。
そうすると、引用発明2の染毛料の成分であるジュ抽出液は、本件特許発明1のA成分ポリフェノール類を含有する植物エキスに相当するのみならず、B2成分サポニンに相当する。
そして、引用発明2は、山羊毛を染毛するものであるから、本件特許発明の毛髪化粧料に相当する。
したがって、本件特許発明1、2、4は、甲第21号証に記載された発明である。

(5)特許法第29条第2項違反(理由25)について
ア.甲第22号証
ア.-1 記載事項
甲第22号証には、
a「実施例1
毛髪をロールに巻き、ラウリル硫酸ナトリウム1%及び水酸化ナトリウム0.25%を含むpH約13の水溶液(第一処理液)に浸し、室温で10分間放置したのち水洗し、次いで塩化アルミニウム3%及びラウリル硫酸ナトリウム1%を含む水溶液(第二処理液)に浸し、室温で10分間放置したのち、水洗した。次に局方タンニン酸1.0%、ラウリル酸ナトリウム2.0%、トリエタノールアミン4.0%、精製ラノリン0.5%及びポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート2.0%を含み、クエン酸でpH5.5に調製した水溶液(第三処理液)に前記の毛髪を浸し、室温で10分間放置後、これを取り出し、ロールをはずし、水洗したのち、ろ紙上で風乾した。このようにして得た毛髪のウェーブの強さは7.5であった。比較のために、第三処理液による固定化処理を行わずに風乾したものについて測定したウェーブの強さは4.0であった。」

b「本発明は、毛髪を損傷することなく、それに効果的なヘアウェーブ、ヘアストレートを施すことができ、しかも柔軟性、光沢、強力、弾性を付与し、かつ良好な風合いを与えることができる毛髪処理剤に関するものである。」(2頁右下欄下から9?5行)

c「前記の第一処理液は、アルカリ金属化合物及びアミン化合物の中から選ばれた少なくとも1種の塩基0.2?5%を含む塩基性水溶液に0.1?5.0%の濃度で非イオン性界面活性剤又は陰イオン性界面活性剤を溶解させることによって調製することができる。・・・、また陰イオン性界面活性剤の例としては、・・・高級アルキル硫酸エステル塩、・・・等を挙げることができる。・・・次に、前記の第二処理液は、非イオン性界面活性剤又は陰イオン性界面活性剤の中から選ばれた少なくとも1種の湿潤剤0.2?5%を含有する・・・・によって調製される。・・・この場合の非イオン性界面活性剤又は陰イオン性界面活性剤としては、第一処理液で用いられるものと同じようなものが用いられる。」(3頁左下欄1行?4頁右上欄2行)
が記載されている。

ア.-2 引用発明3
そして、上記記載からみて、甲第22号証には、ラウリル硫酸ナトリウム1%及び水酸化ナトリウム0.25%を含むpH約13の水溶液(第一処理液)、塩化アルミニウム3%及びラウリル硫酸ナトリウム1%を含む水溶液(第二処理液)、及び局方タンニン酸1.0%、ラウリル酸ナトリウム2.0%、トリエタノールアミン4.0%、精製ラノリン0.5%及びポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート2.0%を含み、クエン酸でpH5.5に調製した水溶液(第三処理液)を組み合わせてなる毛髪処理剤(以下、引用発明3という。)が記載されている。

イ.対比・判断
引用発明3は、毛髪を第一処理液で処理後水洗し、次いで第二処理液で処理後水洗し、次いで第三処理液で処理する三剤式の染毛剤である。本件特許明細書にいう「用時に混合される複数の剤からなる多剤式の形態である場合」に相当するものではないが、本件特許明細書の記載から、本件特許発明が含有するものともいえる複数の剤からなる多剤式の形態に相当するものである。
一方、本件特許発明1は、B2成分としてサポニンを含有する場合を実施の形態として含む。
そこで、B2成分がサポニンである本件特許発明1と引用発明3を対比すると、引用発明の第二処理液の成分のうち塩化アルミニウムは、本件特許発明1におけるB1成分に相当するので、両者は、
(i)前者は、ポリフェノール類を含有する植物エキスを含むのに対して、後者は、局方タンニン酸を含む点
(ii)前者は、B2成分としてサポニンを含むのに対して、後者はサポニンを含まない点
で相違する。
以下、相違点について検討する。

相違点(i)について
第三処理液を組成する成分である局方タンニン酸は、「通例、五倍子または没食子から得たタンニンである。」(第九改正 日本薬局方解説書 A・B・C 1976 C-898?900 株式会社廣川書店)をいい、五倍子または没食子を粉砕し、エーテル/エタノール混液で抽出し、浸出液に1/3量の水を加えて振り混ぜ、タンニン酸を水に移し、精製して製造されるものであり、また、タンニン酸は、本件特許明細書の段落0013に、ポリフェノール類の成分として記載されている成分である。
そうすると、引用発明3の第三処理液の局方タンニンは、本件特許発明1のポリフェノール類を含有する植物エキスであるA成分に相当するものであるから、上記(i)の点は実質的な相違点ではない。

相違点(ii)について
引用発明3の第一処理液及び第二処理液を組成するラウリル硫酸ナトリウムは、高級アルキル硫酸エステル塩であり、当該成分は、甲第22号証記載の発明において、陰イオン性界面活性剤の一種として選ばれたものである(c)。そして、甲第22号証において、陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とは置き換え可能な成分とされている(c)。
ところで、サポニンは、天然界面活性剤であって、その構造からみて非イオン性界面活性剤であり、植物抽出物として頭髪用化粧品等に使用されるものである(甲第4号証 255、257頁)。
そうすると、引用発明3の第一処理液及び第二処理液のラウリル硫酸ナトリウムに換えて、上記したとおり、同じく頭髪用化粧品に用いられることが本件出願前に知られている界面活性剤であるサポニンを用いてみることは当業者が容易に行い得るところと認める。
そして、本件特許明細書記載の本件特許発明の効果も、甲第22号証記載の毛髪処理剤が有する「弾性を付与し、かつ良好な風合いを与えることができる」という効果と同様な効果にすぎない。
したがって、本件特許発明1は、甲第22号証及び甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、同様の理由により、B2成分としてサポニンを含む本件特許発明4も、甲第22号証及び甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

7.むすび

以上のとおりであるから、本件特許発明1、4は、甲第17号証に記載された発明であり、本件特許発明1、2、4は、甲第21号証に記載された発明であり、本件特許発明1、2、4は、甲第22号証及び甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、請求項1、2、4に係る発明について、本件特許は、特許法第29条第1項第3号、並びに第2項の規定に違反してなされたものである。
ゆえに、請求項1、2、4に係る発明について、本件特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
また、請求項1?4に係る発明について、本件特許は、特許法第36条第4項、第6項第1号の規定に違反してなされたものである。
ゆえに、請求項1?4に係る発明について、本件特許は、特許法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
毛髪化粧料組成物
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のA成分、並びにB成分としてB1成分及びB2成分を含有することを特徴とする毛髪化粧料組成物。
A成分:ポリフェノール類を含有する植物エキス。
B成分:
(B1成分)硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、ベヘン酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、カプロン酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩酸アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、ジミリスチン酸アルミニウム、ジ-dl-ピロリドンカルボン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、イソステアリン酸アルミニウム、グリシンアルミニウム、ラノリン酸アルミニウム、モノステアリン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPG及び硫酸アルミニウムから選ばれる少なくとも一種のアルミニウム化合物。
(B2成分)ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ-フェニルプロピルアルコール、シンナミルアルコール、アニスアルコール、p-メチルベンジルアルコール、α-ジメチルフェネチルアルコール、α-フェニルエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール及び2-ベンジルオキシエタノールから選ばれる少なくとも一種の芳香族アルコール、
パラフェノールスルホン酸亜鉛、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛から選ばれる少なくとも一種の亜鉛化合物、
並びにサポニン、
から選ばれる少なくとも一種。
(但し、B成分は、前記芳香族アルコール、アルミニウム化合物及びサポニンからなる組み合わせを除く)。
【請求項2】
前記A成分が、オウゴンエキス、センコツエキス、ワレモコウエキス、茶エキス、トチュウエキス及びケイヒエキスから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項3】
前記B2成分が、前記芳香族アルコールであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項4】
前記B2成分が、前記サポニンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、染毛剤、パーマネントウェーブ用剤等として用いられる毛髪化粧料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に毛髪を染毛剤やパーマネントウェーブ用剤で処理すると、髪本来の弾力性が低下することが知られている。また、生まれつきの軟毛、加齢に伴う軟毛化により毛髪の弾力性が低下することや、日常的な洗髪やブラッシング、ドライヤの熱、さらには紫外線によっても毛髪の弾力性の低下が進行することが知られている。
【0003】
そこで、毛髪に弾力性を付与してやることによって毛髪の弾力性を回復させることのできる毛髪化粧料組成物として、例えば特開昭59-101412号公報の生薬配合毛髪保護用化粧料組成物や特開平11-5719号公報の毛髪化粧料が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示された毛髪化粧料組成物で処理された毛髪を調べると、処理直後は良好な弾力性を有しているものの、処理後しばらく経過すると元の弾力性の低い状態に戻ってしまい、持続性については満足いくものでなかった。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、毛髪に弾力性を付与することができるとともに、その持続性にも優れた毛髪化粧料組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、下記のA成分、並びにB成分としてB1成分及びB2成分を含有することを要旨とする。
A成分:ポリフェノール類を含有する植物エキス。
B成分:
(B1成分)硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、ベヘン酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、カプロン酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩酸アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、ジミリスチン酸アルミニウム、ジ-dl-ピロリドンカルボン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、イソステアリン酸アルミニウム、グリシンアルミニウム、ラノリン酸アルミニウム、モノステアリン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPG及び硫酸アルミニウムから選ばれる少なくとも一種のアルミニウム化合物。
(B2成分)ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ-フェニルプロピルアルコール、シンナミルアルコール、アニスアルコール、p-メチルベンジルアルコール、α-ジメチルフェネチルアルコール、α-フェニルエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール及び2-ベンジルオキシエタノールから選ばれる少なくとも一種の芳香族アルコール、
パラフェノールスルホン酸亜鉛、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛から選ばれる少なくとも一種の亜鉛化合物、
並びにサポニン、
から選ばれる少なくとも一種。
(但し、B成分は、前記芳香族アルコール、アルミニウム化合物及びサポニンからなる組み合わせを除く)。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の毛髪化粧料組成物において、前記A成分が、オウゴンエキス、センコツエキス、ワレモコウエキス、茶エキス、トチュウエキス及びケイヒエキスから選ばれる少なくとも一種であることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物において、前記B2成分が、前記芳香族アルコールであることを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物において、前記B2成分が、前記サポニンであることを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態について説明する。
本実施形態の毛髪化粧料組成物には、ポリフェノール類を含有する植物エキス(A成分)と、芳香族アルコール、アルミニウム化合物、亜鉛化合物及びサポニンから選ばれる少なくとも一種(B成分)とが含有されている。
【0011】
はじめに、ポリフェノール類を含有する植物エキスについて説明する。
ポリフェノール類を含有する植物エキスの具体例としては、ブドウ葉エキス、アセンヤクエキス、イラクサエキス、カワラヨモギエキス、ゼニアオイエキス、エイジツエキス、ヒキオコシエキス、オウゴンエキス、オトギリソウエキス、ヨモギエキス、カモミラエキス、スイカズラエキス、ケイヒエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、コンフリーエキス、セージエキス、シャクヤクエキス、ワレモコウエキス、シラカバエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウネズエキス、センコツエキス、ツボクサエキス、茶エキス、甜茶エキス、トウキンセンカエキス、トチュウエキス、セイヨウニワトコエキス、スイカズラエキス、セイヨウハッカエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マロニエエキス、メリッサエキス、モモ葉エキス、ユキノシタエキス、ヨモギ水、ノバラエキス、ローズマリーエキス等が挙げられる。その中でも好ましいものとしては、オウゴンエキス、センコツエキス、ワレモコウエキス、茶エキス、トチュウエキス及びケイヒエキスが挙げられる。そして、毛髪化粧料組成物には、上記の植物エキスの中から選ばれる一種以上が含有されている。
【0012】
毛髪化粧料組成物におけるA成分(ポリフェノール類を含有する植物エキス)の含有量は0.001?20重量%が好ましく、0.1?10重量%がより好ましい。
【0013】
なお、上記の植物エキスには、ポリフェノール類として、没食子酸、没食子酸エステル、ピロガロール、フロログリシン、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、グルコガリン、プロアントシアニジン、カテコール、カフェー酸、ラッコール、ビロボール、ペルソノール、ギンキョウ酸、アピゲニン、オウゴニン、バイカリン、バイカレイン、フラボン類(ルチン、クエルセチン、クエルセタギン、クエルセタギチン、ゴシペチン等)、エラグ酸、ペンタ-o-ガロイルグルコース、タンニン酸、ガロタンニン、エラジタンニン、縮合型タンニン等が含まれている。
【0014】
次に、芳香族アルコールについて説明する。
芳香族アルコールの具体例としては、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ-フェニルプロピルアルコール、シンナミルアルコール、アニスアルコール、p-メチルベンジルアルコール、α-ジメチルフェネチルアルコール、α-フェニルエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール、2-ベンジルオキシエタノール等が挙げられる。毛髪化粧料組成物に芳香族アルコールを配合する場合には、上記の芳香族アルコールの中から選ばれる一種を単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0015】
毛髪化粧料組成物が芳香族アルコールを含有する場合、毛髪化粧料組成物における芳香族アルコールの含有量は0.5?50重量%が好ましく、1?30重量%がより好ましい。
【0016】
次に、アルミニウム化合物について説明する。
アルミニウム化合物の具体例としては、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、酢酸アルミニウム、ベヘン酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、カプロン酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩酸アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、ジミリスチン酸アルミニウム、ジ-dl-ピロリドンカルボン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、イソステアリン酸アルミニウム、グリシンアルミニウム、ラノリン酸アルミニウム、モノステアリン酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロハイドレックスPG、硫酸アルミニウム等が挙げられる。毛髪化粧料組成物にアルミニウム化合物を配合する場合には、上記のアルミニウム化合物の中から選ばれる一種を単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0017】
毛髪化粧料組成物がアルミニウム化合物を含有する場合、毛髪化粧料組成物におけるアルミニウム化合物の含有量は0.1?20重量%が好ましく、0.5?10重量%がより好ましい。
【0018】
次に、亜鉛化合物について説明する。
亜鉛化合物の具体例としては、パラフェノールスルホン酸亜鉛、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛等が挙げられる。毛髪化粧料組成物に亜鉛化合物を配合する場合には、上記の亜鉛化合物の中から選ばれる一種を単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0019】
毛髪化粧料組成物が亜鉛化合物を含有する場合、毛髪化粧料組成物におけるアルミニウム化合物の含有量は0.1?20重量%が好ましく、0.5?10重量%がより好ましい。
【0020】
次に、サポニンについて説明する。
サポニンは、植物界に広く存在する配糖体で、天然の界面活性剤として古くから用いられている。サポニンの具体例としては、キュウリ、サボンソウ、シナノキ、ワレモコウ、セイヨウキズタ、ツボクサ、トウキンセンカ、ニンジン、チクセツニンジン、スイカズラ、ビワ、ナギイカダ、ヘチマ、セイヨウトチノキ、ムクロジ、ダイズ、茶実、アズキ、サイコ、アマチャヅル、オンジ、キキョウ、セネガ、バクモンドウ、モクツウ、チモ、ゴシツ、カンゾウ、サンキライ等から水や有機溶剤を用いて抽出されたものが挙げられる。
【0021】
毛髪化粧料組成物がサポニンを含有する場合、毛髪化粧料組成物におけるサポニンの含有量は0.1?20重量%が好ましく、0.5?15重量%がより好ましい。
【0022】
本実施形態の毛髪化粧料組成物には、その用途や剤型に応じて、以上説明したA成分及びB成分以外の成分がさらに含有されている。
まず、本実施形態の毛髪化粧料組成物の用途としては、染毛剤、毛髪脱色剤、パーマネントウェーブ用剤、シャンプー剤、ヘアトリートメント剤、ヘアスタイリング剤、染毛用の前処理剤、同後処理剤、パーマネントウェーブ用の前処理剤、同中間処理剤、同後処理剤などが挙げられる。また、本実施形態の毛髪化粧料組成物の剤型としては、液状、ゲル状、クリーム状、フォーム状、スプレー状などが挙げられる。
【0023】
そして、これらの用途や剤型に応じて毛髪化粧料組成物に配合されるA成分及びB成分以外の成分としては、ラウリル硫酸ナトリウム・POE(30)セチルエーテル等の界面活性剤、カルボキシビニルポリマー等の高分子化合物、水・有機溶剤等の溶剤、アンモニア等のアルカリ剤、黒色401号・紫色401号・橙色205号・赤色227号等の直接染料、p-フェニレンジアミン等の酸化染料の主要中間体、レゾルシン・m-アミノフェノール・p-アミノフェノール・5-アミノ-o-クレゾール等の酸化染料のカプラー、過酸化水素等の酸化剤、還元剤、セタノール・セトステアリルアルコール・ワセリン等の油性成分、ケラチン加水分解物等の蛋白質の加水分解物、保湿剤、防腐剤、EDTA二ナトリウム等のキレート剤、フェナセチン等の安定化剤、レブリン酸などのpH調整剤、酸化防止剤、噴射剤、アミノ酸、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、色素、香料、顔料、紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0024】
ここで、毛髪化粧料組成物が芳香族アルコールと有機溶剤を同時に含有する場合には、有機溶剤の含有量が芳香族アルコールの0.1?1倍量(重量基準)であることが好ましい。このようにすれば、分散系の毛髪化粧料組成物が得られる。
【0025】
有機溶剤の具体例としては、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン、N-メチルピロリドン、N-オクチルピロリドン、N-ラウリルピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
【0026】
なお、毛髪化粧料組成物が用時に混合調製される複数の剤からなる多剤式の形態である場合、A成分及びB成分はいずれの剤に配合してもよい。
本実施形態によって得られる効果について、以下に記載する。
【0027】
(1)ポリフェノール類を含有する植物エキス(A成分)と、芳香族アルコール、アルミニウム化合物、亜鉛化合物及びサポニンから選ばれる少なくとも一種(B成分)とを含有しているため、本実施形態の毛髪化粧料組成物によれば、毛髪に弾力性を付与することができる。すなわち、本実施形態の毛髪化粧料組成物で毛髪を処理すれば、毛髪の弾力性を回復させることができる。
【0028】
(2)A成分とB成分を含有しているため、本実施形態の毛髪化粧料組成物によって毛髪に付与される弾力性は比較的長期間にわたって維持されるものであって、持続性に優れている。
【0029】
(3)A成分を、オウゴンエキス、センコツエキス、ワレモコウエキス、茶エキス、トチュウエキス及びケイヒエキスから選ばれる少なくとも一種とすれば、上記(1)の効果を向上させることができるとともに、毛髪化粧料組成物で処理した後の毛髪の風合いも向上させることができる。
【0030】
(4)B成分を、芳香族アルコールと、アルミニウム化合物又は亜鉛化合物とすれば、上記(1)の効果を向上させることができる。
(5)B成分を、芳香族アルコールとサポニンとすれば、上記(1)の効果を向上させることができるとともに、毛髪化粧料組成物で処理した後の毛髪の風合いも向上させることができる。
【0031】
(6)B成分を、アルミニウム化合物又は亜鉛化合物と、サポニンとすれば、上記(1)の効果を向上させることができるとともに、毛髪化粧料組成物で処理した後の毛髪の風合いも向上させることができる。
【0032】
(7)芳香族アルコールを、その0.1?1倍量(重量基準)の有機溶剤とともに配合して毛髪化粧料組成物を分散系とすれば、上記(1)及び(2)の効果を向上させることができる。
【0033】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
<実施例5,8,10、参考例1?4,6,7,9及び比較例1?8>
下記表1に示す組成からなる毛髪化粧料組成物(ヘアトリートメント剤)をそれぞれ調製した。各例の毛髪化粧料組成物を、ブリーチ処理した20代女性の健常な毛髪に塗布し、室温にて30分間放置した後、水洗、乾燥した。このとき、「弾力性付与率」「持続性」「風合い」に関して以下のようにして測定・評価を行なった。その結果を表1に併せて示す。
【0034】
「弾力性付与率」
各例の毛髪化粧料組成物で処理する前後の毛髪について、引張試験機(テンシロンUTM-II;東洋ボールドウィン社製)を用いて破断応力値を測定し、その値を毛髪強度とした。そして、次式により弾力性付与率を求めた。
【0035】
弾力性付与率(%)=〔(処理後の毛髪強度)/(処理前の毛髪強度)-1〕×100
「持続性」
各例の毛髪化粧料組成物で処理した後の毛髪の弾力性(ハリコシ感)及びボリューム感が持続する期間について、専門のパネラーが下記基準に従って官能評価した。
【0036】
◎:処理直後の弾力性(ハリコシ感)及びボリューム感が一ヶ月以上持続した、○:一週間以上一ヶ月未満持続した、△:2?3日持続した、×:1日しか持続しなかった。
【0037】
「風合い」
各例の毛髪化粧料組成物で処理した後の毛髪の風合いについて、専門のパネラーが下記基準に従って官能評価した。
【0038】
◎:非常に良い、○:良い、△:変化無し、×:悪い。
【0039】
【表1】

表1に示すように、実施例の毛髪化粧料組成物はいずれも、弾力性付与率が高いうえに、持続性についての評価も良好(◎又は○)であった。しかも、風合いについての評価も良好(◎又は○)であった。
【0040】
<実施例11>
オウゴンエキスを5.0重量%、ベンジルアルコールを9.0重量%、硫酸カリウムアルミニウムを1.0重量%、エタノールを5.0重量%、カルボキシビニルポリマーを2.0重量%、黒色401号を0.06重量%、紫色401号を0.07重量%、橙色205号を0.14重量%、赤色227号を0.01重量%、香料を0.3重量%、レブリン酸を5.0重量%、精製水を残部含有する毛髪化粧料組成物(酸性染毛料)を調製した。
【0041】
<実施例12>
下記第1剤と第2剤からなる二剤式の毛髪化粧料組成物(酸化染毛剤)を調製した。
【0042】
第1剤
オウゴンエキスを5.0重量%、ベンジルアルコールを3.0重量%、硫酸カリウムアルミニウムを1.0重量%、p-フェニレンジアミンを1.0重量%、レゾルシンを0.8重量%、m-アミノフェノールを0.1重量%、p-アミノフェノールを0.3重量%、5-アミノ-o-クレゾールを0.2重量%、セトステアリルアルコールを10.0重量%、ワセリンを2.0重量%、ラウリル硫酸ナトリウムを2.0重量%、POE(30)セチルエーテルを10.0重量%、EDTA二ナトリウムを0.1重量%、香料を0.3重量%、28%アンモニア水を適量(pHを9.5とする量)、精製水を残部含有する。
【0043】
第2剤
35%過酸化水素水を15.0重量%、EDTAを0.5重量%、セタノールを5.0重量%、ラウリル硫酸ナトリウムを0.5重量%、POE(30)セチルエーテルを0.2重量%、フェナセチンを0.1重量%、精製水を残部含有する。
【0044】
実施例11及び実施例12の各例の毛髪化粧料組成物を用いて染毛処理を行なったところ、オウゴンエキス、ベンジルアルコール及び硫酸カリウムアルミニウムが配合されていない毛髪化粧料組成物を用いた場合に比べて、毛髪に良好な弾力性が付与される結果が得られた。また、染毛後の色持ちも良好であった。
【0045】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・芳香族アルコールをその0.1?1倍量(重量基準)の有機溶剤とともに含有する分散系であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1から請求項4に記載の発明によれば、毛髪に弾力性を付与することができるとともに、その持続性を向上させることができる。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2009-12-14 
結審通知日 2009-12-16 
審決日 2010-01-29 
出願番号 特願2002-8321(P2002-8321)
審決分類 P 1 113・ 536- ZA (A61K)
P 1 113・ 113- ZA (A61K)
P 1 113・ 537- ZA (A61K)
P 1 113・ 121- ZA (A61K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 ▲高▼岡 裕美  
特許庁審判長 塚中 哲雄
特許庁審判官 弘實 謙二
穴吹 智子
登録日 2006-12-15 
登録番号 特許第3893292号(P3893292)
発明の名称 毛髪化粧料組成物  
代理人 鈴木 音哉  
代理人 齋藤 房幸  
代理人 恩田 誠  
代理人 恩田 誠  
代理人 津国 肇  
代理人 恩田 博宣  
代理人 岡崎 祐一  
代理人 恩田 博宣  

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