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審決分類 審判 全部無効 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降)  A63F
審判 全部無効 2項進歩性  A63F
審判 全部無効 特126 条1 項  A63F
審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A63F
審判 全部無効 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降)  A63F
審判 全部無効 特36条4項詳細な説明の記載不備  A63F
管理番号 1216536
審判番号 無効2007-800017  
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2007-01-31 
確定日 2010-04-16 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3560605号「スロットマシン」の特許無効審判事件についてされた平成20年 5月20日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成20年(行ケ)第10237号平成21年 7月29日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第3560605号の請求項1?15に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由
第1 手続の経緯
本件出願からの主立った経緯は次のとおりである。
・平成15年9月22日
本件出願(特願2003-330208号,国内優先権主張 平成15年7月15日)
・平成16年6月4日
設定登録(特許第3560605号,請求項1?19)
・平成19年1月31日
請求人より,請求項1?19の特許に対して無効審判請求
・同年5月1日
被請求人より答弁書及び訂正請求書の提出(請求人が記載した日付は同年4月27日。以下,本訂正請求を「1次訂正請求」という。後に取り下げ)
・同年11月2日
当事者双方より口頭審理陳述要領書提出
・同年同月同日
口頭審理を実施
・同年同月8日付け
無効理由の通知(以下,「1次無効理由」という。)
・同年12月12日
被請求人より意見書及び訂正請求書の提出(以下,本訂正請求を「2次訂正請求」という。後に取り下げ)
・同年12月21日付け
訂正拒絶理由の通知(以下,「1次訂正拒絶理由」という。)
・平成20年2月1日
被請求人より意見書及び手続補正書の提出(補正書は2次訂正請求書が補正対象。以下,本補正後の2次訂正請求を「補正後2次訂正請求」という。)
・同年5月20日付け
審決(2次訂正請求書の補正を認め,訂正は全て認めない。請求項1?19に係る発明についての特許を無効とする。以下,「1次審決」という。)
・同年6月25日
1次審決の取消訴訟出訴(平成20年行ケ10237号)
・平成21年7月29日
判決(1次審決を取り消す。以下,「1次判決」という。)
・同年10月28日付け
当審において訂正拒絶理由(以下,「2次訂正拒絶理由」という。),
及び,無効理由(以下,「2次無効理由」という。)を送付
・同年11月30日
請求人より意見書(2通)提出
(一方は「意見書」,他方は「審判事件意見書」と題されている。)
・同年同月同日
被請求人より意見書及び訂正請求書の提出(以下,本訂正請求を「本件訂正請求」といい,本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)
・平成22年1月12日
請求人より弁駁書提出(請求人が記載した日付は同月8日)


第2 当事者の主張,及び,審判合議体が通知した無効理由の骨子
1. 請求人の主張
1.1. 審判請求理由(無効理由1)
審判請求書における請求人の主張は,本件の請求項1?19に係る特許発明は,いずれも,出願前に頒布された刊行物に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり,その特許は同法123条1項2号に該当し無効とされるべきである,というものである。
審判請求書においては,各請求項に係る特許発明が,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない理由として,具体的には下記の証拠の組合せによる主張がされている。
・請求項1 甲1
・請求項2 甲1
・請求項3 甲1,及び甲8
・請求項4 甲1,及び甲8
・請求項5 甲1,甲6,及び甲8
・請求項6 甲1,甲7,及び甲8
・請求項7 甲1,甲7,及び甲8
・請求項8 甲1,甲7,及び甲8
・請求項9 甲1,甲8,及び甲9
・請求項10 甲1,甲5,甲6,甲7,甲8,及び甲9
・請求項11 甲1,甲6,甲7,甲8,及び甲9
・請求項12 甲1,甲6,甲7,甲8,及び甲9
・請求項13 甲1,甲6,甲7,甲8,及び甲9
・請求項14 甲1,甲6,甲7,甲8,及び甲9
・請求項15 甲1,甲6,甲7,甲8,及び甲9
・請求項16 甲1,甲6,甲7,甲8,及び甲9
・請求項17 甲1,甲2,及び甲8
・請求項18 甲1,甲2,甲3,甲4,及び甲8
・請求項19 甲1,甲2,及び甲8
なお,後記する甲第1号証?甲第9号証を,ここでは「甲1」?「甲9」と略記した。 請求項10における甲5は,審判請求書第41頁「(a)構成要件e2の開示」において具体的に言及されている一方,審判請求書第8頁における「本件の請求項10に係る特許発明は,・・・無効とすべきである。」との箇所,及び同第42頁における「(c)以上より,本件請求項10に係る特許発明は,・・・特許を受けることができないものである。」との箇所においては脱落しており,該脱落は誤記と思量される。
また,ここに挙げた甲第1号証?甲第9号証のほかに,審判請求書には,後記する甲第10号証?甲第17号証も添付して提出がされている。しかしながら,甲第10号証以降については,審判請求書中においては「参考」と記されているに止まる(審判請求書第26頁25行?第27頁6行参照)。
以下では,審判請求書に示される,上記証拠の組合せに基づく進歩性欠如の無効理由を,「無効理由1」という。

1.2. 本件訂正について(訂正違法理由)
請求人は,本件訂正は新規事項を追加するものであり,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項の規定に違反するから,拒絶されるべきものであると主張している(平成22年1月12日付け弁駁書第2?5頁)。
以下では,請求人が主張する本件訂正が違法である理由を,「訂正違法理由」という。

1.3. その他の主張について
請求人は,平成19年11月2日付け口頭審理陳述要領書において,請求項1?19に係る発明の各々に対して甲第6号証を考慮した場合についての意見を補足的に示していた。しかしながら,1次判決において認定されたとおり,1次審決に先だって審判請求書の補正を許可する決定がされた経緯はない。
また,1次判決による1次審決の取り消し後についてみると,請求人は,全ての請求項について甲第1号証と甲第6号証の両者を職権で検討した2次無効理由が通知されて以降は,当該2次無効理由と同旨の主張を意見として述べるのみであり,2次無効理由とは別途独立の検討を要するような無効理由の主張はしていない(平成21年11月30日付け審判事件意見書,及び,平成22年1月12日付け弁駁書を参照)。
このような経緯からすれば,結局のところ請求人が主張する無効理由は,審判請求書に示す無効理由1のほかは,職権で通知された2次無効理由に包含されると解することが妥当である。そのため,無効理由1及び後記する2次無効理由とは別に,さらに請求人の主張から別途の無効理由を抽出して,当該新たな無効理由へと審判請求書の補正を認める決定は行わないこととする。
なお,訂正についてみれば,請求人は補正後2次訂正請求による訂正について,段落【0008】の訂正事項が違法である旨も主張していた(平成21年11月30日付けの意見書を参照)。しかしながら,当該補正後2次訂正請求は,本件訂正請求がされたことから,特許法134条の2第4項により取り下げられたものとみなされるとともに,本件訂正には,補正後2次訂正請求時の段落【0008】における訂正事項は含まれていない。そのため,訂正に関する請求人の主張としても,先の「1.2.」に示した本件訂正についての訂正違法理由のみを考慮することとする。

1.4. 証拠関係
請求人が提出した証拠は,以下のとおりである。
・甲第1号証:特開2002-143395号公報
・甲第2号証:特開2001-112921号公報
・甲第3号証:特開2003-181013号公報
・甲第4号証:特開2003-159363号公報
・甲第5号証:特開2002-224270号公報
・甲第6号証:特開2002-793号公報
・甲第7号証:特開平11-137776号公報
・甲第8号証:特開2001-149524号公報
・甲第9号証:特開2002-58783号公報
・甲第10号証:特開平9-75506号公報
・甲第11号証:特開2003-180920号公報
・甲第12号証:特開2000-157663号公報
・甲第13号証:特開2000-85640号公報
・甲第14号証:特開2001-9084号公報
・甲第15号証:特開2002-35206号公報
・甲第16号証:特開2003-190385号公報
・甲第17号証:特開平4-357968号公報

2. 審判合議体が通知した無効理由
2.1. 1次無効理由
(1)1次無効理由前後の経緯
1次無効理由は,平成19年5月1日に1次訂正請求がされ,同年11月2日に口頭審理が開かれた後,同年同月8日付けで通知されたものである。
なお,1次無効理由の通知の後,1次訂正請求は,2次訂正請求がされたことによって,特許法134条の2第4項により取り下げられたものとみなされることとなった。また,その後の1次審決は,設定登録時の請求項1?19に係る発明について,1次無効理由で通知した各無効理由により無効とすべきものであると判断した。しかしながら,1次無効理由に関する当該1次審決の判断は,後に1次判決によって取り消され,1次判決はその後確定している。

(2)1次無効理由の内容
1次無効理由の内容は,次のようなものである。
以下では,下記ア.?エ.の無効理由を,それぞれ「無効理由2」?「無効理由5」ということとする。
ア.経済産業省令違反(無効理由2)
請求項1?9,11,13?14に係る発明については,特許明細書の発明の詳細な説明の記載は,発明が解決しようとする課題及びその解決手段その他の当業者が発明の技術上の意義を理解するために必要な事項を記載したものではないから,経済産業省令で定めるところにより記載したものではない。そのため,これらの発明に係る特許は,特許法36条4項1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから,同法123条1項4号の規定により,無効にすべきものである。
イ.実施可能要件違反(無効理由3)
請求項1?19に係る発明については,特許明細書の発明の詳細な説明の記載は,実施可能要件を欠く。そのため,これらの発明に係る特許は,特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから,同法123条1項4号の規定により,無効にすべきものである。
ウ.サポート要件違反(無効理由4)
請求項1?9,11,13?14,17?19に係る発明については,特許請求の範囲の記載が特許法36条6項1号のいわゆるサポート要件を欠く。そのため,これらの発明についての特許は,同法123条1項4号の規定により,無効にすべきものである。
エ.明確性違反(無効理由5)
請求項17?19に係る発明については,特許請求の範囲の記載が特許法36条6項2号明確性の要件を欠く。そのため,これらの発明についての特許は,同法123条1項4号の規定により,無効にすべきものである。

2.2. 2次無効理由
(1)2次無効理由前後の経緯
2次無効理由は,1次審決を取り消す1次判決が確定した後,平成21年10月28日付けで通知したものである。
1次審決では,訂正(当審注,補正後2次訂正請求による訂正)を認めないとしたうえで,一部の請求項に係る発明について,審判請求書に具体的に示された証拠の組合せを超えて,甲第6号証及び甲第11号証を追加したうえでの進歩性欠如が判断された。当該1次審決は,その点において手続き違背があるとして,1次判決により取り消された。なお,1次審決に至る過程においては,平成19年11月2日付け口頭審理陳述要領書において,請求人及び被請求人から,請求項1?19に係る発明の各々に対して甲第6号証を考慮した場合について,それぞれ補足的意見が示されていた。しかしながら,1次判決で認定されたとおり,1次審決の前において,審判請求書の補正を許可する決定はされておらず,甲第1号証及び甲第6号証の組み合わせに基づく職権無効理由も通知されていなかった。
2次無効理由は,上記の経緯からすれば,甲第1号証及び甲第6号証の両証拠に基づく無効理由については,請求項1?19の各々について職権であらためて検討するとともに,被請求人に対してさらなる訂正の機会を設けることが妥当であると判断して,通知したものである。また,被請求人にさらなる訂正の機会を設けるに際しては,下位の請求項発明に対する進歩性欠如の無効理由は,上位の請求項発明を訂正するうえでも回避するべく求めることが,本件審判手続きの長期化を防止する上でも妥当と考えられた。そのため2次無効理由通知においては,各請求項に係る発明のそれぞれに対して,下位の請求項発明該当部分の進歩性を否定する証拠の組み合わせも,明示した。
2次無効理由の通知に対して,被請求人からは平成21年11月30日付けで本件訂正請求がされ,これに対して請求人からは,平成22年1月12日付けで弁駁書が提出された。

(2)2次無効理由の内容(無効理由6)
2次無効理由の内容は,次のようなものである。
本件の請求項1?19に係る特許発明は,特許査定時,及び,補正後2次訂正請求による訂正が認められた場合のいずれであっても,甲第1号証,甲第6号証,甲第11号証,特開2002-315910号公報,特開2002-204850号公報に記載された発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。
そのため,本件の請求項1?19に係る特許発明は,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり,その特許は同法123条1項2号に該当し無効とされるべきである。
以下では,上記証拠の組合せに基づく進歩性欠如の無効理由を,「無効理由6」という。

3. 被請求人の主張
3.1. 訂正違法理由について
被請求人は,本件訂正請求による訂正は新規事項を追加するものでなく,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項の規定に適合するから,拒絶されるべきではない旨を主張している。

3.2. 無効理由1について
被請求人は,本件特許の各発明には,甲第1号証に記載された発明との相違点があり,審判請求書に示された証拠の組み合わせに基づき甲第2号証?甲第9号証に記載された発明を考慮しても,相違点に係る構成に至ることは,当業者といえども容易ではない旨を主張している。

3.3. 無効理由2?5について
被請求人は,1次審決がなされる以前において,2次訂正請求による訂正後の本件各発明,及び補正後2次訂正請求による訂正後の本件各発明について,特許法36条4項1号に規定する経済産業省令,同条同項同号の実施可能要件,同条6項1号のいわゆるサポート要件,及び同条6項2号の明確性要件には,いずれも違反しない旨を主張していた。
なお,特許査定時の本件特許発明について,これら無効理由2?5により無効とすべきであるとした1次審決の判断は,1次判決によって取り消されており,それ以降は被請求人は,無効理由2?5について特段の主張はしていない。

3.4. 無効理由6について
被請求人は,本件特許の各発明には,甲第1号証に記載された発明との相違点があり,甲第6号証,甲第11号証,特開2002-315910号公報,特開2002-204850号公報に記載された発明及び周知技術を考慮しても,相違点に係る構成に至ることは,当業者といえども容易ではない旨を主張している。

3.5. 証拠関係
被請求人の提出した証拠は,次の乙第1号証である。
・乙第1号証: 本件特許公報(特許第3560605号公報)


第3 本件訂正前後における特許請求の範囲の記載,及び訂正内容
1. 本件訂正前の特許請求の範囲の記載
本件訂正請求がされたことにより,1次訂正請求及び2次訂正請求は,特許法134条の2第4項により取り下げられたものとみなされる。そのため,本件訂正前の特許請求の範囲の記載は,本件特許公報である乙第1号証の特許請求の範囲の記載のとおりとなる。
そこにおける記載は,次のとおりである。なお,各請求項の構成の分説は,請求人において整理し,1次判決においても採用されたものに準じた。

1.1. 請求項1
「【請求項1】
A 複数の図柄が表示されたメインリールを備えた第1表示手段と,
B 複数の図柄を可変表示可能な表示列を備えた第2表示手段と,
C プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と,
D プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号を出力する停止操作手段と,
E 前記開始指示信号を検知して前記メインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記停止指示信号を検知して前記メインリールの回転を停止させるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と,
F1 前記メインリールの回転中に,前記メインリールの回転方向と同じ方向に前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記メインリールの回転方向と逆の方向に前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第2処理とを選択的に実行する第2制御手段と,
を備えることを特徴とするスロットマシン。」

1.2. 請求項2
「【請求項2】
A 複数の図柄が表示されたメインリールを備えた第1表示手段と,
B 複数の図柄を可変表示可能な表示列を備えた第2表示手段と,
C プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と,
D プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号を出力する停止操作手段と,
E 前記開始指示信号を検知して前記メインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記停止指示信号を検知して前記メインリールの回転を停止させるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と,
F2 前記メインリールの回転中に,前記メインリールの回転方向と同じ方向に前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記メインリールの回転方向と逆の方向に前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第2処理とを選択的に実行し,前記第1処理において前記メインリールの回転を検知すると前記表示列の可変表示を開始させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段と,
を備えることを特徴とするスロットマシン。」

1.3. 請求項3
「【請求項3】
A 複数の図柄が表示されたメインリールを備えた第1表示手段と,
B 複数の図柄を可変表示可能な表示列を備えた第2表示手段と,
C プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と,
D プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号を出力する停止操作手段と,
E 前記開始指示信号を検知して前記メインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記停止指示信号を検知して前記メインリールの回転を停止させるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と,
G 前記メインリールの回転速度を検知して第1速度情報を生成する第1速度検出手段と,
F3 前記メインリールの回転中に,前記表示列の可変表示速度を前記第1速度情報の示す前記メインリールの回転速度に近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記表示列の可変表示速度を前記メインリールの回転速度と無関係に制御する第2処理とを選択的に実行する第2制御手段と,
を備えることを特徴とするスロットマシン。」

1.4. 請求項4
「【請求項4】
b1 前記第2表示手段の表示列はサブリールであり,
H 前記サブリールの回転速度を検知して第2速度情報を前記第2制御手段に出力する第2速度検出手段を備え,
f1 前記第2制御手段の前記第1処理は,前記第1速度情報を目標として,前記第2速度情報を前記第1速度情報に近付けるように前記第2表示手段を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載のスロットマシン。」

1.5. 請求項5
「【請求項5】
b2 前記第2表示手段は,複数種類の図柄の画像を可変表示可能な画像表示装置で構成され,
b3 前記表示列は前記画像表示装置に画像として表示され,
b4 前記表示列の可変表示速度は,前記複数種類の図柄の画像が可変表示される速度であり,
f2 前記第2制御手段は,
前記図柄の画像を示す図柄画像データを記憶する画像記憶手段と,
前記画像表示装置に表示する画像を示す表示画像データを記憶する表示用記憶手段と,
前記表示用記憶手段から前記表示画像データを読み出して前記画像表示装置へ供給する供給手段と,
前記第1処理において,前記表示列の図柄の移動速度が前記第1速度情報の示す前記メインリールの回転速度と一致するように,前記画像記憶手段から前記図柄画像データを読み出して前記表示用記憶手段へ書き込むことによって前記表示用記憶手段の記憶内容を更新する更新手段と,
を備えることを特徴とする請求項3に記載のスロットマシン。」

1.6. 請求項6
「【請求項6】
g1 前記第1速度検出手段は,
前記メインリールの基準点が所定位置を通過するタイミングで第1検出パルスを発生する第1センサと,
前記第1検出パルス間の時間間隔を計測する計測手段と,
前記計測手段の計測結果に基づいて前記第1速度情報を生成する第1速度情報生成手段と,
を備えることを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

1.7. 請求項7
「【請求項7】
前記メインリールの基準点が所定位置を通過するタイミングで第1検出パルスを発生する第1センサを備え,
e1 前記第1制御手段は,
前記第1検出パルスを検知して検知信号を生成する検知信号生成手段と,
前記検知信号を前記第2制御手段に出力する出力手段とを備え,
f3 前記第2制御手段は,
前記検知信号を入力する入力手段と,
前記検知信号を入力する時間間隔を計測する計測する計測手段と,
前記計測手段の計測結果に基づいて前記第1速度情報を生成する第1速度情報生成手段とを備え,
g2 前記第1速度検出手段は,前記第1センサ,前記検知信号生成手段,前記出力手段,前記入力手段,前記計測手段,及び前記第1速度情報生成手段によって構成される
ことを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

1.8. 請求項8
「【請求項8】
g3 前記第1速度情報生成手段は,前記計測手段によって計測された時間間隔の平均を演算して得られた平均値に基づいて前記第1速度情報を生成することを特徴とする請求項6又は7に記載のスロットマシン。」

1.9. 請求項9
「【請求項9】
A 複数の図柄が表示されたメインリールを備えた第1表示手段と,
B’ 複数の図柄が表示されたサブリールを備えた第2表示手段と,
C プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と,
D プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号を出力する停止操作手段と,
E 前記開始指示信号を検知して前記メインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記停止指示信号を検知して前記メインリールの回転を停止させるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と,
J 前記メインリールの回転位相を検知して第1位相情報を生成する第1位相検出手段と,
K 前記サブリールの回転位相を検知して第2位相情報を出力する第2位相検出手段と,
F4 前記メインリールの回転中に,前記第1位相情報が示す前記メインリールの回転位相と前記第2位相情報が示す前記サブリールの回転位相との位相差を所定値に近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記サブリールの回転位相を前記メインリールの回転位相と無関係に制御する第2処理とを選択的に実行する第2制御手段と,
を備えることを特徴とするスロットマシン。」

1.10. 請求項10
「【請求項10】
e2 前記第1制御手段は,前記開始指示信号を検知すると前記メインリールの回転開始を指示する開始情報を前記第2制御手段へ出力すると共に,前記停止指示信号を検知すると前記メインリールの停止操作を指示する停止操作情報を前記第2制御手段へ出力し,
f4 前記第2制御手段は,前記開始情報が入力されてから前記停止操作情報が入力されるまでの期間は,所定の規則に従って前記第1処理又は前記第2処理を実行し,前記停止操作情報の入力後に前記第2処理を実行することを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

1.11. 請求項11
「【請求項11】
e2 前記第1制御手段は,前記開始指示信号を検知すると前記メインリールの回転開始を指示する開始情報を前記第2制御手段へ出力すると共に,前記停止指示信号を検知すると前記メインリールの停止操作を指示する停止操作情報を前記第2制御手段へ出力し,
f5 前記第2制御手段は,前記開始情報が入力されてから前記停止操作情報が入力されるまでの期間は,所定の規則に従って前記第1処理又は前記第2処理を選択して実行し,前記停止操作情報の入力を契機に可変表示を停止させるように前記第2表示手段を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

1.12. 請求項12
「【請求項12】
e2 前記第1制御手段は,前記開始指示信号を検知すると前記メインリールの回転開始を指示する開始情報を前記第2制御手段へ出力すると共に,前記停止指示信号を検知すると前記メインリールの停止操作を指示する停止操作情報を前記第2制御手段へ出力し,
f6 前記第2制御手段は,前記開始情報が入力されてから所定時間経過するまでの期間は,所定の規則に従って選択した前記第1処理又は前記第2処理のうち一方の処理を継続して実行し,前記所定時間経過後,前記第1処理又は前記第2処理のうち他方の処理を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

1.13. 請求項13
「【請求項13】
a1 前記第1表示手段は前記メインリールを複数備え,
b5 前記第2表示手段は前記各メインリールのそれぞれに対応した表示列を備え,
d1 前記停止操作手段は前記各メインリール及び前記各表示列のそれぞれに対応して設けられ,前記停止操作信号を各々出力し,
e3 前記第1制御手段は,前記開始指示信号を検知すると前記メインリールの回転開始を指示する開始情報を前記第2制御手段へ出力すると共に,前記各停止操作信号を検知すると前記各メインリールの停止操作を各々指示する各停止操作情報を前記第2制御手段へ出力し,
f7 前記メインリールの回転中とは,複数のメインリールのうち少なくとも一つのメインリールが回転している期間であり,
f8 前記第2制御手段は,前記開始情報が入力されてから最初の停止操作に伴う前記停止操作情報が入力されるまでの期間は,前記各表示列に対して所定の規則に従って選択した前記第1処理又は前記第2処理のうち一方の処理を継続して実行し,最初の停止操作に伴う停止操作情報の入力を契機に,当該停止操作情報に対応する前記表示列の可変表示を停止させるように前記第2表示手段を制御すると共に,可変表示中の他の表示列のうち少なくとも一つの表示列に対して前記期間で選択されなかった他方の処理を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

1.14. 請求項14
「【請求項14】
a1 前記第1表示手段は前記メインリールを複数備え,
b5 前記第2表示手段は前記各メインリールのそれぞれに対応した表示列を備え,
d2 前記停止操作手段は前記各メインリールのそれぞれに対応して設けられ,前記停止操作信号を各々出力し,
e3 前記第1制御手段は,前記開始指示信号を検知すると前記メインリールの回転開始を指示する開始情報を前記第2制御手段へ出力すると共に,前記各停止操作信号を検知すると前記各メインリールの停止操作を各々指示する各停止操作情報を前記第2制御手段へ出力し,
f7 前記メインリールの回転中とは,複数のメインリールのうち少なくとも一つのメインリールが回転している期間であり,
f9 前記第2制御手段は,前記開始情報が入力されてから,少なくとも一の表示列に対して前記第1処理又は前記第2処理のうち一方の処理を選択して実行し,他の表示列に対しては前記少なくとも一の表示列とは異なる他方の処理を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至12うちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

1.15. 請求項15
「【請求項15】
a1 前記第1表示手段は前記メインリールを複数備え,
d3 前記停止操作手段は,前記メインリールのそれぞれに対応して設けられており,
L 前記第1表示手段の停止態様が所定の態様である場合に,当該停止態様に応じた数量の遊技媒体を払い出す払出手段と,
M 前記複数の停止操作手段のうち最後に操作された前記停止操作手段から出力される前記停止指示信号が前記第1制御手段により検知されてから前記払出手段が払出を開始するまでの時間を演出調整時間として決定する決定手段と,
N 前記第2表示手段の可変表示が最終的に停止した後に前記遊技媒体が払い出されるように,前記演出調整時間に基づいて前記払出手段の払出開始時刻を調整する調整手段と,
を備えることを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

1.16. 請求項16
「【請求項16】
f10 前記第2制御手段は,前記演出調整時間に応じて前記第2表示手段の停止態様を制御することを特徴とする請求項15に記載のスロットマシン。」

1.17. 請求項17
「【請求項17】
a1 前記第1表示手段は前記メインリールを複数備え,
d3 前記停止操作手段は,前記メインリールのそれぞれに対応して設けられており,
b6 前記第2表示手段の前記表示列は,前記メインリールのそれぞれに対応して設けられ,
b7 前記各表示列の図柄の配置は,前記各メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられている,
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

1.18. 請求項18
「【請求項18】
a2 前記各メインリールに表示される複数種類の図柄は,異なる数字の図形の組,同一形状で色彩が異なる図形の組,角の形状が異なる図形の組,色彩が同一で形状が異なる図形の組,又は,所定形状の図形を異なる角度回転させた図形の組のうち,いずれかの図形の組によって構成されることを特徴とする請求項17に記載のスロットマシン。」

1.19. 請求項19
「【請求項19】
a3 前記各メインリールに表示される複数種類の図柄は,前記各表示列に表示される複数種類の図柄と全て異なることを特徴とする請求項17に記載のスロットマシン。」

2.本件訂正後の特許請求の範囲の記載
本件訂正後の特許請求の範囲の記載は,本件訂正請求書に添付された特許請求の範囲によれば,以下の2.1.?2.15.に示すとおりである。各節の小見出し中には,訂正後の請求項番号と併せて,参考のために本件訂正前の対応する請求項番号を,()の中に「’」を付して示した。また,訂正箇所には下線を付した。
なお,【請求項9】においては,「サブリール」を受けて「前記表示列」等と記載された箇所があるが,誤記であることは明らかであるから,ここでは当該「表示列」を「サブリール」に正した。ただし,【請求項10】?【請求項11】に記載される「表示列」は,【請求項9】を引用する場合に限って「サブリール」の誤記と解される一方,その他の場合は「表示列」で正しいことから,ここではそのまま「表示列」の記載とした。

2.1. 請求項1(請求項1’)
「【請求項1】
(1A)複数の図柄が表示された複数のメインリールを備えた第1表示手段と,
(1B)前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,複数の図柄を可変表示可能な複数の表示列を備えた第2表示手段と,
(1C)プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と,
(1D)前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と,
(1E)前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え,(1F)前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与し,前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって,
(1G)前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に,前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と,
(1H)前記メインリールの回転中に,前記メインリールの回転方向と同じ方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記メインリールの回転方向と逆の方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し,前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段と,
を備えることを特徴とするスロットマシン。」

2.2. 請求項2(請求項2’)
「【請求項2】
(2A)複数の図柄が表示された複数のメインリールを備えた第1表示手段と,
(2B)前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,複数の図柄を可変表示可能な複数の表示列を備えた第2表示手段と,
(2C)プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と,
(2D)前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と,
(2E)前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え,(2F)前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与し,前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって,
(2G)前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に,前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と,
(2H)前記メインリールの回転中に,前記メインリールの回転方向と同じ方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記メインリールの回転方向と逆の方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し,前記第1処理において前記複数のメインリールの各々の回転を検知すると前記複数の表示列の各々の可変表示を開始させるように前記第2表示手段を制御し,前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段と,
を備えることを特徴とするスロットマシン。」

2.3. 請求項3(請求項3’)
「【請求項3】
(3A)複数の図柄が表示された複数のメインリールを備えた第1表示手段と,
(3B)前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,複数の図柄を可変表示可能な複数の表示列を備えた第2表示手段と,
(3C)プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と,
(3D)前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と,
(3E)前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え,(3F)前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与し,前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって,
(3G)前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に,前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と,
(3I)前記複数のメインリールの回転速度を各々検知して第1速度情報を生成する第1速度検出手段と,
(3H)前記メインリールの回転中に,前記第1速度情報の示す前記メインリールの回転速度に当該メインリールに対応する前記表示列の可変表示速度を近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記メインリールの回転速度と当該メインリールに対応する前記表示列の可変表示速度を無関係に制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し,前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段と,
を備えることを特徴とするスロットマシン。」

2.4. 請求項4(請求項4’)
「【請求項4】
(4a)前記第2表示手段の複数の表示列は複数のサブリールであり,
(4b)前記複数のサブリールの回転速度を各々検知して第2速度情報を前記第2制御手段に出力する第2速度検出手段を備え,
(4c)前記第2制御手段の前記第1処理は,前記第1速度情報を目標として,前記第2速度情報を前記第1速度情報に近付けるように前記第2表示手段を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載のスロットマシン。」

2.5. 請求項5(請求項5’)
「【請求項5】
(5a)前記第2表示手段は,複数種類の図柄の画像を可変表示可能な画像表示装置で構成され,前記表示列は前記画像表示装置に画像として表示され,前記表示列の可変表示速度は,前記複数種類の図柄の画像が可変表示される速度であり,
(5b)前記第2制御手段は,
(5c)前記図柄の画像を示す図柄画像データを記憶する画像記憶手段と,
(5d)前記画像表示装置に表示する画像を示す表示画像データを記憶する表示用記憶手段と,
(5e)前記表示用記憶手段から前記表示画像データを読み出して前記画像表示装置へ供給する供給手段と,
(5f)前記第1処理において,前記表示列の図柄の移動速度が前記第1速度情報の示す前記メインリールの回転速度と一致するように,前記画像記憶手段から前記図柄画像データを読み出して前記表示用記憶手段へ書き込むことによって前記表示用記憶手段の記憶内容を更新する更新手段と,
を備えることを特徴とする請求項3に記載のスロットマシン。」

2.6. 請求項6(請求項6’)
「【請求項6】
(6a)前記第1速度検出手段は,
(6b)前記メインリールの基準点が所定位置を通過するタイミングで第1検出パルスを発生する第1センサと,
(6c)前記第1検出パルス間の時間間隔を計測する計測手段と,
(6d)前記計測手段の計測結果に基づいて前記第1速度情報を生成する第1速度情報生成手段と,
を備えることを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

2.7. 請求項7(請求項7’)
「【請求項7】
(7a)前記メインリールの基準点が所定位置を通過するタイミングで第1検出パルスを発生する第1センサを備え,
(7b)前記第1制御手段は,
(7c)前記第1検出パルスを検知して検知信号を生成する検知信号生成手段と,
(7d)前記検知信号を前記第2制御手段に出力する出力手段とを備え,
(7e)前記第2制御手段は,
(7f)前記検知信号を入力する入力手段と,
(7g)前記検知信号を入力する時間間隔を計測する計測する計測手段と,
(7h)前記計測手段の計測結果に基づいて前記第1速度情報を生成する第1速度情報生成手段とを備え,
(7i)前記第1速度検出手段は,前記第1センサ,前記検知信号生成手段,前記出力手段,前記入力手段,前記計測手段,及び前記第1速度情報生成手段によって構成される
ことを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

2.8. 請求項8(請求項8’)
「【請求項8】
(8a)前記第1速度情報生成手段は,前記計測手段によって計測された時間間隔の平均を演算して得られた平均値に基づいて前記第1速度情報を生成する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のスロットマシン。」

2.9. 請求項9(請求項9’)
「【請求項9】
(9A)複数の図柄が表示された複数のメインリールを備えた第1表示手段と,
(9B)前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,複数の図柄を可変表示可能な複数のサブリールを備えた第2表示手段と,
(9C)プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と,
(9D)前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と,
(9E)前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え,(9F)前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与し,前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数のサブリールに同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって,
(9G)前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に,前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と,
(9I)前記複数のメインリールの各々の回転位相検知して第1位相情報を生成する第1位相検出手段と,
(9J)前記複数のサブリールの各々の回転位相を検知して第2位相情報を出力する第2位相検出手段と,
(9H)前記メインリールの回転中に,前記第1位相情報が示す前記メインリールの回転位相と前記第2位相情報が示す当該メインリールに対応する前記サブリールの回転位相との位相差を所定値に近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,当該メインリールに対応する前記サブリールの回転位相を当該メインリールの回転位相と無関係に制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し,前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記サブリールの回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段と,
を備えることを特徴とするスロットマシン。」

2.10. 請求項10(請求項13’)
「【請求項10】
(10a)前記第1制御手段は,前記開始指示信号を検知すると前記メインリールの回転開始を指示する開始情報を前記第2制御手段へ出力すると共に,前記各停止操作信号を検知すると前記各メインリールの停止操作を各々指示する各停止操作情報を前記第2制御手段へ出力し,
(10b)前記メインリールの回転中とは,複数のメインリールのうち少なくとも一つのメインリールが回転している期間であり,
(10c)前記第2制御手段は,前記開始情報が入力されてから最初の停止操作に伴う前記停止操作情報が入力されるまでの期間は,前記各表示列に対して前記第1処理又は前記第2処理のうち一方の処理を継続して実行し,最初の停止操作に伴う停止操作情報の入力を契機に,当該停止操作情報に対応する前記表示列の可変表示を停止させるように前記第2表示手段を制御すると共に,可変表示中の他の表示列のうち少なくとも一つの表示列に対して前記期間で選択されなかった他方の処理を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

2.11. 請求項11(請求項15’)
「【請求項11】
(11a)前記第1表示手段の停止態様が前記複数の所定の態様のうち払い出しを付与する役に対応した停止態様である場合に,当該停止態様に応じた数量の遊技媒体を払い出す払出手段と,
(11b)前記複数の停止操作手段のうち最後に操作された前記停止操作手段から出力される前記停止指示信号が前記第1制御手段により検知されてから前記払出手段が払出を開始するまでの時間を演出調整時間として決定する決定手段と,
(11c)前記第2表示手段の可変表示が最終的に停止した後に前記遊技媒体が払い出されるように,前記演出調整時間に基づいて前記払出手段の払出開始時刻を調整する調整手段とを備え,
(11d)前記各表示列の図柄は,前記各メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられている,
ことを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

2.12. 請求項12(請求項16’)
「【請求項12】
(12a)前記第2制御手段は,前記演出調整時間に応じて前記第2表示手段の停止態様を制御する
ことを特徴とする請求項11に記載のスロットマシン。」

2.13. 請求項13(請求項17’)
「【請求項13】
(13a)前記各表示列の図柄は,前記各メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられており,
(13b)前記複数の所定の態様のうちの一つの態様は,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に停止する図柄が,前記複数のメインリールのうち特定のメインリールについては特定の図柄であり,前記複数のメインリールのうち前記特定のメインリール以外の他のメインリールについては任意の図柄であり,前記複数の所定の態様のうち前記一つの態様以外の態様は,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並ぶようになっている,
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。」

2.14. 請求項14(請求項18’)
「【請求項14】
(14a)前記各メインリールに表示される複数種類の図柄は,異なる数字の図形の組,同一形状で色彩が異なる図形の組,角の形状が異なる図形の組,色彩が同一で形状が異なる図形の組,又は,所定形状の図形を異なる角度回転させた図形の組のうち,いずれかの図形の組によって構成される
ことを特徴とする請求項13に記載のスロットマシン。」

2.15. 請求項15(請求項19’)
「【請求項15】
(15a)前記各メインリールに表示される複数種類の図柄は,前記各表示列に表示される複数種類の図柄と全て異なる
ことを特徴とする請求項13に記載のスロットマシン。」

3.本件訂正の訂正事項
本件訂正による特許請求の範囲についての訂正事項は,本件訂正前後の特許請求の範囲の記載,及び本件訂正請求書の記載から見て,下記3.1.?3.13.に示すとおりである。また,本件訂正による明細書についての訂正事項は,下記3.14.に示すとおりである。ここで,各訂正事項についての「ア-1」等の表記は,本件訂正請求書における被請求人による表記に準じた。
なお,特許請求の範囲における訂正事項については,後記する訂正事項ア-5等のように,本件訂正請求書中の記載と添付された訂正特許請求の範囲の記載とが合致しない箇所がある。そのような箇所については,本件訂正が認められる場合には添付された訂正特許請求の範囲の記載どおりに特許請求の範囲が訂正されることから,訂正特許請求の範囲の記載に基づいて訂正事項を認定した。訂正請求書における記載との不一致については,括弧書きで注記した。

3.1. 請求項1について
(1)訂正事項ア-1
「メインリールを備えた第1表示手段」を,「複数のメインリールを備えた第1表示手段」に訂正する。
(2)訂正事項ア-2
「複数の図柄を可変表示可能な表示列を備えた第2表示手段」を,「前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,複数の図柄を可変表示可能な複数の表示列を備えた第2表示手段」に訂正する。
(3)訂正事項ア-3
「前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と,」を追加する。
(4)訂正事項ア-4
「プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号を出力する停止操作手段と」を,「前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え」に訂正する。
(5)訂正事項ア-5
「前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与し,前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって,」を追加する。
(当審注,訂正請求書の記載では,「前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,」の後の「前記複数のメインリールに設定された」なる記載が欠落している。)
(6)訂正事項ア-6
「前記開始指示信号を検知して前記メインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記停止指示信号を検知して前記メインリールの回転を停止させるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段」を,「前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に,前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段」に訂正する。
(7)訂正事項ア-7
「同じ方向に前記表示列」を,「同じ方向に当該メインリールに対応する前記表示列」に訂正する。
(8)訂正事項ア-8
「逆の方向に前記表示列」を,「逆の方向に当該メインリールに対応する前記表示列」に訂正する。
(9)訂正事項ア-9
「前記第2表示手段を制御する第2処理とを選択的に実行する」を,「前記第2表示手段を制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し,」に訂正する。
(10)訂正事項ア-10
「第2制御手段」を,「前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段」に訂正する。

3.2. 請求項2について
(1)訂正事項イ-1
「メインリールを備えた第1表示手段」を,「複数のメインリールを備えた第1表示手段」に訂正する。
(2)訂正事項イ-2
「複数の図柄を可変表示可能な表示列を備えた第2表示手段」を,「前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,複数の図柄を可変表示可能な複数の表示列を備えた第2表示手段」に訂正する。
(3)訂正事項イ-3
「前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と,」を追加する。
(4)訂正事項イ-4
「プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号を出力する停止操作手段と,」を,「前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え,」に訂正する。
(5)訂正事項イ-5
「前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与し,前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって,」を追加する。
(当審注,訂正請求書の記載では,「前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,」の後の「前記複数のメインリールに設定された」なる記載が欠落している。)
(6)訂正事項イ-6
「前記開始指示信号を検知して前記メインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記停止指示信号を検知して前記メインリールの回転を停止させるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段」を,「前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に,前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段」に訂正する。
(7)訂正事項イ-7
「同じ方向に前記表示列」を,「同じ方向に当該メインリールに対応する前記表示列」に訂正する。
(8)訂正事項イ-8
「逆の方向に前記表示列」を,「逆の方向に当該メインリールに対応する前記表示列」に訂正する。
(9)訂正事項イ-9
「前記第2表示手段を制御する第2処理とを選択的に実行し,前記第1処理において前記メインリールの回転を検知すると前記表示列の可変表示を開始させるように前記第2表示手段を制御する」を,「前記第2表示手段を制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し,前記第1処理において前記複数のメインリールの各々の回転を検知すると前記複数の表示列の各々の可変表示を開始させるように前記第2表示手段を制御し,」に訂正する。
(10)訂正事項イ-10
「第2制御手段」を,「前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段」に訂正する。

3.3. 請求項3について
(1)訂正事項ウ-1
「メインリールを備えた第1表示手段」を,「複数のメインリールを備えた第1表示手段」に訂正する。
(2)訂正事項ウ-2
「複数の図柄を可変表示可能な表示列を備えた第2表示手段」を,「前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,複数の図柄を可変表示可能な複数の表示列を備えた第2表示手段」に訂正する。
(3)訂正事項ウ-3
「前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と,」を追加する。
(4)訂正事項ウ-4
「プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号を出力する停止操作手段と,」を,「前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え,」に訂正する。
(5)訂正事項ウ-5
「前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与し,前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって,」を追加する。
(当審注,訂正請求書の記載では,「前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,」の後の「前記複数のメインリールに設定された」なる記載が欠落している。)
(6)訂正事項ウ-6
「前記開始指示信号を検知して前記メインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記停止指示信号を検知して前記メインリールの回転を停止させるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段」を,「前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に,前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段」に訂正する。
(7)訂正事項ウ-7
「前記メインリールの回転速度を検知して第1速度情報を生成する第1速度検出手段」を,「前記複数のメインリールの回転速度を各々検知して第1速度情報を生成する第1速度検出手段」に訂正する。
(8)訂正事項ウ-8
「前記メインリールの回転中に,前記表示列の可変表示速度を前記第1速度情報の示す前記メインリールの回転速度に近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記表示列の可変表示速度を前記メインリールの回転速度と無関係に制御する第2処理とを選択的に実行する」を,「前記メインリールの回転中に,前記第1速度情報の示す前記メインリールの回転速度に当該メインリールに対応する前記表示列の可変表示速度を近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記メインリールの回転速度と当該メインリールに対応する前記表示列の可変表示速度を無関係に制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し,」に訂正する。
(当審注,訂正請求書の記載では,「前記抽選手段の抽選結果に基づいて」が欠落している。)
(9)訂正事項ウ-9
「第2制御手段」を,「前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段」に訂正する。

3.4. 請求項4について
(1)訂正事項エ-1
「前記第2表示手段の表示列はサブリール」を,「前記第2表示手段の複数の表示列は複数のサブリール」に訂正する。
(2)訂正事項エ-2
「前記サブリールの回転速度を検知して」を,「前記複数のサブリールの回転速度を各々検知して」に訂正する。

3.5. 請求項9について
(1)訂正事項オ-1
「メインリールを備えた第1表示手段」を,「複数のメインリールを備えた第1表示手段」に訂正する。
(2)訂正事項オ-2
「複数の図柄が表示されたサブリールを備えた第2表示手段」を,「前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,複数の図柄を可変表示可能な複数のサブリールを備えた第2表示手段」に訂正する。
(3)訂正事項オ-3
「前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と,」を追加する。
(4)訂正事項オ-4
「プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号を出力する停止操作手段と,」を,「前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え,」に訂正する。
(5)訂正事項オ-5
「前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与し,前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数のサブリールに同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって,」を追加する。
(当審注,訂正請求書の記載では,「前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,」の後の「前記複数のメインリールに設定された」なる記載が欠落している。また,訂正請求書及び訂正特許請求の範囲のいずれにおいても「表示列」と記載されているが,請求項9では「第2表示手段」は「サブリール」を備えるものであるから,「表示列」は「サブリール」の誤記であり,ここでは誤記を正した。)
(6)訂正事項オ-6
「前記開始指示信号を検知して前記メインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記停止指示信号を検知して前記メインリールの回転を停止させるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段」を,「前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に,前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段」に訂正する。
(7)訂正事項オ-7
「前記メインリールの回転位相を検知して第1位相情報を生成する第1位相検出手段」を,「前記複数のメインリールの各々の回転位相検知して第1位相情報を生成する第1位相検出手段」に訂正する。
(8)訂正事項オ-8
「前記サブリールの回転位相を検知して第2位相情報を出力する第2位相検出手段」を,「前記複数のサブリールの各々の回転位相を検知して第2位相情報を出力する第2位相検出手段」に訂正する。
(9)訂正事項オ-9
「前記メインリールの回転中に,前記第1位相情報が示す前記メインリールの回転位相と前記第2位相情報が示す前記サブリールの回転位相との位相差を所定値に近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記サブリールの回転位相を前記メインリールの回転位相と無関係に制御する第2処理とを選択的に実行する」を,「前記メインリールの回転中に,前記第1位相情報が示す前記メインリールの回転位相と前記第2位相情報が示す当該メインリールに対応する前記サブリールの回転位相との位相差を所定値に近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,当該メインリールに対応する前記サブリールの回転位相を当該メインリールの回転位相と無関係に制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し,」に訂正する。
(当審注,訂正請求書の記載では,「前記抽選手段の抽選結果に基づいて」が欠落している。)
(10)訂正事項オ-10
「第2制御手段」を,「前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記サブリールの回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段」に訂正する。
(当審注,訂正請求書及び訂正特許請求の範囲のいずれにおいても「表示列」と記載されているが,請求項9では「第2表示手段」は「サブリール」を備えるものであるから,「表示列」は「サブリール」の誤記であり,ここでは誤記を正した。)

3.6. 請求項10乃至12について
(1)訂正事項カ-1
請求項10を削除する。
(2)訂正事項カ-2
請求項11を削除する。
(3)訂正事項カ-3
請求項12を削除する。

3.7. 請求項13について
(1)訂正事項キ-1
「【請求項13】」を,「【請求項10】」に訂正する。
(2)訂正事項キ-2
「前記第1表示手段は前記メインリールを複数備え,前記第2表示手段は前記各メインリールのそれぞれに対応した表示列を備え,前記停止操作手段は前記各メインリール及び前記各表示列のそれぞれに対応して設けられ,前記停止操作信号を各々出力し,」を削除する。
(3)訂正事項キ-3
「請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載のスロットマシン」を,「請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のスロットマシン」に訂正する。
3.8. 請求項14について
(訂正事項ク-1)
請求項14を削除する。

3.9. 請求項15について
(1)訂正事項ケ-1
「【請求項15】」を,「【請求項11】」に訂正する。
(2)訂正事項ケ-2
「前記第1表示手段は前記メインリールを複数備え,前記停止操作手段は,前記メインリールのそれぞれに対応して設けられており,」を削除する。
(3)訂正事項ケ-3
「前記第1表示手段の停止態様が所定の態様である場合に,当該停止態様に応じた数量の遊技媒体を払い出す払出手段」を,「前記第1表示手段の停止態様が前記複数の所定の態様のうち払い出しを付与する役に対応した停止態様である場合に,当該停止態様に応じた数量の遊技媒体を払い出す払出手段」に訂正する。
(4)訂正事項ケ-4
「調整手段と,を備える」を,「調整手段とを備え,」に訂正する。
(5)訂正事項ケ-5
「前記各表示列の図柄は,前記各メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられている,」を追加する。
(6)訂正事項ケ-6
「請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載のスロットマシン」を,「請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のスロットマシン」に訂正する。
3.10. 請求項16について
(1)訂正事項コ-1
「【請求項16】」を,「【請求項12】」に訂正する。
(2)訂正事項コ-2
「請求項15に記載のスロットマシン」を,「請求項11に記載のスロットマシン」に訂正する。

3.11. 請求項17について
(1)訂正事項サ-1
「【請求項17】」を,「【請求項13】」に訂正する。
(2)訂正事項サ-2
「前記第1表示手段は前記メインリールを複数備え,前記停止操作手段は,前記メインリールのそれぞれに対応して設けられており,前記第2表示手段の前記表示列は,前記メインリールのそれぞれに対応して設けられ,」を削除する。
(3)訂正事項サ-3
「前記各表示列の図柄の配置は,前記各メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられている」を,「前記各表示列の図柄は,前記各メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられており」に訂正する。
(4)訂正事項サ-4
「前記複数の所定の態様のうちの一つの態様は,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に停止する図柄が,前記複数のメインリールのうち特定のメインリールについては特定の図柄であり,前記複数のメインリールのうち前記特定のメインリール以外の他のメインリールについては任意の図柄であり,前記複数の所定の態様のうち前記一つの態様以外の態様は,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並ぶようになっている,」を追加する。

3.12. 請求項18について
(1)訂正事項シ-1
「【請求項18】」を,「【請求項14】」に訂正する。
(2)訂正事項シ-2
「請求項17に記載のスロットマシン」を,「請求項13に記載のスロットマシン」に訂正する。

3.13. 請求項19について
(1)訂正事項ス-1
「【請求項19】」を,「【請求項15】」に訂正する。
(2)訂正事項ス-2
「請求項17に記載のスロットマシン」を,「請求項13に記載のスロットマシン」に訂正する。

3.14. 明細書について
(1)訂正事項セ-1
段落【0012】を,「本発明に係るスロットマシンは,メインリール(Ra1,Ra2,Ra3)を備えた第1表示手段(10A)と,表示態様を可変可能な第2表示手段(10B)と,前記メインリール(Ra1,Ra2,Ra3)の回転に応じた第1検出信号(47a,48a,49a)及び第2検出信号(47c,48c,49c)を各々出力する第1センサ(47A,48A,49A)及び第2センサ(47C,48C,49C)と,前記第1検出信号(47a,48a,49a)に基づいて前記メインリール(Ra1,Ra2,Ra3)の回転を制御する第1制御手段(31)と,前記第2検出信号(47c,48c,49c)に基づいて前記第2表示手段(10B)の可変表示を制御する第2制御手段(55)と,を備えることにより,上述した課題を解決する。」から,「本発明に係るスロットマシンは,複数の図柄が表示された複数のメインリールを備えた第1表示手段と,前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,複数の図柄を可変表示可能な複数の表示列を備えた第2表示手段と,プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と,前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と,前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え,前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与し,前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって,前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に,前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と,前記メインリールの回転中に,前記メインリールの回転方向と同じ方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記メインリールの回転方向と逆の方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し,前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段と,を備えることにより,上述した課題を解決する。」へと訂正する。
(2)訂正事項セ-2
段落【0013】における,「なお,本発明において,メインリールの数は単数であってもよいし,複数であってもよい。」なる記載を,削除する。


第4 本件訂正の許否の判断
1. 当事者間の争いの有無
本件訂正のうち,請求人が違法であると主張している事項は,訂正事項ア-5,訂正事項イ-5,訂正事項ウ-5,及び訂正事項オ-5についてである。これらはいずれも,独立請求項である請求項1?3及び9についての訂正事項であり,その内容も概略同様である。以下,これらを総称して「訂正事項ア-5等」という。独立請求項である請求項1?3及び9について,訂正事項ア-5等を除く訂正事項については,請求人は訂正違法である旨を主張していない。すなわち,訂正の適否について当事者間に争いがない。
従属請求項に係る発明については,独立請求項が訂正された場合,独立請求項における訂正事項の影響を受けるけれども,本件訂正について請求人は,従属請求項における個別の訂正事項については,訂正違法である旨を主張していない。
明細書については,訂正事項セ-1において,請求人が訂正違法を主張している訂正事項ア-5等と同様の記載が導入されているけれども,請求人は特に独立した訂正違法事由の主張等はしていない。
そして,無効審判手続きにおける訂正の適否については,1つの訂正事項が複数の請求項の内容を同時不可分的に変更するものである等の事情がない限りは,各請求項に関する訂正事項は,請求項毎になされる無効審判請求に対する請求項毎の防御として,可分的に認否判断がされるべきものである。
これらの事情を考慮し,以下ではまず,独立請求項である請求項1?3及び9について,訂正の適否を判断することとする。その後,独立請求項についての訂正可否判断をふまえたうえで,従属請求項及び明細書についての訂正の適否を,逐次判断することとする。
なお,本件特許について,これまでに訂正が認められて確定した経緯はないから,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項にいう「願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面」は,特許査定時の明細書,特許請求の範囲及び図面となる。そのため以下では,同条同項に規定される訂正要件,すなわち,いわゆる新規事項要件の検討に際して基準となる特許査定時の明細書,特許請求の範囲及び図面を,まとめて「特許明細書等」ということとする。

2. 独立請求項の訂正について
2.1. 訂正事項ア-5等を除く各訂正事項について
(1)請求項1について
請求項1について,請求人が訂正違法を主張するのは,訂正事項ア-5に関してのみであり,その他の訂正事項については特段の主張をしていない。
当審も,訂正事項ア-1?訂正事項ア-4,及び訂正事項ア-6?訂正事項ア-10については,請求項1についての訂正を違法とするものではないとの見解である。
当事者間に争いがないので詳述は省くが,要するに,訂正事項ア-1,訂正事項ア-2及び訂正事項ア-4における記載の追加は,「メインリール」及び「表示列」がいずれも複数存在するとともに各々が対応していること,ならびに,「停止操作手段」も複数存在して各メインリールに対応していることを特定し,訂正前の発明を限定したものである。また,訂正事項ア-3及び訂正事項ア-6は,スロットマシンが「抽選手段」を有するとともに,該「抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように」前述した複数のメインリールの停止制御が行われること,すなわち,いわゆる内部抽選に基づく引込み制御を有する型のスロットマシンであることを特定し,訂正前の発明を限定したものである。訂正事項ア-7及び訂正事項ア-8は,「同じ方向」あるいは「逆の方向」という動きを特定される「表示列」が,回転中の「当該メインリールに対応する」表示列であることを特定した点で,訂正前の発明を限定したものである。訂正事項ア-9は,「第1処理」と「第2処理」との選択的な実行が,抽選手段の抽選結果に基づくものであることを特定した点で,訂正前の発明を限定したものである。訂正事項ア-10は,「第2制御手段」が,回転が停止させられるメインリールに対応する表示列の回転を停止させるように制御を行うことを特定した点で,訂正前の発明を限定したものである。
そのため,訂正事項ア-1?訂正事項ア-4,及び訂正事項ア-6?訂正事項ア-10については,特許法134条の2第1項ただし書1号の規定に適合する。また,請求項1は特許無効審判の請求がされている請求項であるから,同法同条5項の規定により,同法126条5項の準用はない。
さらに,これらの訂正事項については,特許明細書等に記載した事項の範囲内であり,実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものでもない。なお,これら訂正事項のうち訂正事項ア-9については,1次審決においてこれと同様の訂正事項が新規事項の追加と判断されたが,当該1次審決の判断は1次判決によって取り消されている。
そのため,訂正事項ア-1?訂正事項ア-4,及び訂正事項ア-6?訂正事項ア-10については,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項及び4項の規定にも適合する。

(2)請求項2?3,及び請求項9について
請求項2における訂正事項イ-1?訂正事項イ-4,訂正事項イ-6?訂正事項イ-8,及び訂正事項イ-10については,それぞれ,訂正事項ア-1?訂正事項ア-4,訂正事項ア-6?訂正事項ア-8,及び訂正事項ア-10について述べたとおりである。訂正事項イ-9についても,第1処理におけるメインリールと表示列の可変開始に関して,複数の各メインリールと各表示列の対応関係が特定されているほかは,訂正事項ア-9について述べたとおりである。
そのため,請求項2における訂正事項イ-1?訂正事項イ-4,及び訂正事項イ-6?訂正事項イ-10については,特許法134条の2第1項ただし書1号の規定に適合する。
請求項3における訂正事項ウ-1?訂正事項ウ-4,訂正事項ウ-6,及び訂正事項ウ-9については,それぞれ,訂正事項ア-1?訂正事項ア-4,訂正事項ア-6,及び訂正事項ア-10について述べたとおりである。訂正事項ウ-7及び訂正事項ウ-8についても,メインリールの回転速度の検知及び表示列の可変表示速度の制御について,複数の各メインリールと各表示列の対応関係が特定されているほかは,訂正事項ア-9について述べたとおりである。
そのため,請求項3における訂正事項ウ-1?訂正事項ウ-4,及び訂正事項ウ-6?訂正事項ウ-9については,特許法134条の2第1項ただし書1号の規定に適合する。
請求項9における訂正事項オ-1?訂正事項オ-4,訂正事項オ-6,及び訂正事項オ-10については,「サブリール」を「表示列」と読み替えて,それぞれ訂正事項ア-1?訂正事項ア-4,訂正事項ア-6,及び訂正事項ア-10について述べたとおりである。訂正事項オ-7及び訂正事項オ-8については,回転位相の検知が,複数のメインリール及びサブリールの各々に対して行われることを特定したものである。訂正事項オ-9についても,第1処理及び第2処理におけるサブリールの回転位相制御の比較対象が,各サブリールに対応する各メインリールであることを特定したほかは,訂正事項ア-9について述べたとおりである。
そのため,請求項9における訂正事項オ-1?訂正事項オ-4,及び訂正事項オ-6?訂正事項オ-10については,特許法134条の2第1項ただし書1号の規定に適合する。
そして,請求項2?3及び9は,いずれも特許無効審判の請求がされている請求項であるから,同法同条5項の規定により,同法126条5項の準用はない。また,これらの訂正事項については,特許明細書等に記載した事項の範囲内であり,実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものでもないから,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項及び4項の規定にも適合する。

(3)小括
したがって,独立請求項1?3及び9における訂正事項のうち,請求人が訂正違法を主張する訂正事項ア-5等を除く各訂正事項は,いずれも,独立請求項1?3及び9についての本件訂正を違法とする訂正事項ではない。

2.2.訂正事項ア-5等について
(1)当事者に争いがない訂正要件について
訂正事項ア-5等について,請求人が主張する訂正違法事由は,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項の要件適合性違反,すなわち新規事項の追加である。請求人は新規事項の追加以外の訂正違法事由を主張しておらず,その点で当事者間に争いはない。
当審も,訂正事項ア-5等は,新規事項を除く訂正要件には違反しないと判断する。その理由は,下記のとおりである。
訂正事項ア-5等は,その前段部において,役への入賞となるのは「複数のメインリール」の「入賞ライン上」に表示される図柄の組み合わせが「特定の態様を含む所定の態様のいずれか」となった場合であり,そのときには「入賞した役に応じた遊技価値」が付与されることを特定したものである。そして後段部においては,「前記特定の態様」では「複数のメインリール」の「入賞ライン上」に「異なる種類の図柄」が並び,そのとき「複数の表示列」(当審注,訂正事項オ-5においては「複数のサブリール」)に「同じ種類の図柄」が並ぶことを特定したものである。すなわち,訂正事項ア-5等は,「スロットマシン」である以上は訂正前から当然に存在したはずと言い得る「役に入賞」する場合について,遊技価値を付与すること及び停止図柄の組み合わせを特定した点で,訂正前の発明を限定したものと認めることができる。そのため,訂正事項ア-5等は,特許法134条の2第1項ただし書1号の規定に適合すると言うべきである。
また,請求項1?3及び9は,いずれも特許無効審判の請求がされている請求項であるから,特許法134条の2第5項の規定により,同法126条5項の準用はない。
そして,先に述べたとおり,訂正事項ア-5等は,それぞれ訂正前の請求項1?3及び9に係る発明を限定したものと言い得るので,実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものではない。すなわち,特許法134条の2第5項で準用する同法126条4項の規定に違反するものではない。
したがって,訂正事項ア-5等は,請求人が訂正違法を主張する新規事項の追加,すなわち特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項の要件適合性を別とすれば,訂正違法な事項ではない。

(2)新規事項について
ア.当事者の主張,及び特許明細書等における記載
請求人は訂正事項ア-5等について,役に入賞する所定の態様に,特定の態様以外の態様が任意に含まれることとなった点,及び,メインリールの図柄及びサブリールの図柄が対応付けられているか否かについての限定がない点が,新規事項の追加である旨を主張する。
これに対して被請求人は,訂正事項ア-5等は新規事項の追加ではないと主張している。
このように,当事者が新規事項の追加か否かを争う訂正事項ア-5等は,役に入賞することとなる場合の,メインリール及び表示列(当審注,訂正事項オ-5ではサブリール)における停止図柄の指定に関する,発明特定事項である。そこで,役に入賞することとなる場合の停止図柄の指定に関して,特許明細書等に記載された事項を確認することとする。
特許明細書等には,以下の「明細書記載事項(あ)」?「明細書記載事項(き)」の各記載がある。
なお,ここに摘示する各記載事項については,本件訂正の前後を通じて変更がない。そのため本審決中では,特許査定時の明細書の記載事項としてのみではなく,本件訂正後の明細書の記載事項としても,これら「明細書記載事項(あ)」等に言及する場合がある。

・明細書記載事項(あ) 発明が解決しようとする課題について
「【0008】
また,従来のスロットマシンにおいては,役に入賞する各リールの停止態様は,同一種類の図柄が揃うことを条件とするので,サブの画像表示部を中央部に配置し,メインの可変表示部を周辺部に配置しても,プレイヤーは可変表示部を一見してゲームの結果を知ることができる。このため,サブの画像表示部でどのような演出をしようとも,演出の面白みにかけるといった問題があった。」

・明細書記載事項(い) 課題を解決するための手段について
「【0042】
この発明によれば,各表示列は複数のメインリールに各々対応付けて設けられているから,表示列の数とメインリールの数は一致する。そして,表示列の図柄の配置は,メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられている。例えば,メインリールの図柄が「1」,「2」,「3」で構成されており,表示列の図柄が「A」,「B」,「C」で構成されており,メインリール数が「3」であるものとする。この場合,「表示列の図柄の配置は,各メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられている」とは,例えば,第1番目のメインリールと表示列の組において,「1」と「A」,「2」と「B」,「3」と「C」が対応しており,第2番目のメインリールと表示列の組において,「1」と「B」,「2」と「C」,「3」と「A」が対応しており,第3番目のメインリールと表示列の組において,「1」と「C」,「2」と「A」,「3」と「B」が対応していることをいう。
【0043】
このような対応付行うと,各表示列が停止した状態で同一種類の図柄が並ぶ場合,各メインリールは異なる種類の図柄が並ぶことになる。そして,払い出しの対象となる図柄の並びは,第2表示手段では同一種類,第1表示手段では異なる種類となるので,プレイヤーの関心を第2表示手段に惹きつけることができる。上述したように第2表示手段は,多様な演出を行うことができるので,ゲームの面白さを大幅に向上させることができる。さらに,第1表示手段の可変表示が停止した状態では,一見して入賞したことが判断できないので,プレイヤーは第1表示手段の可変表示が停止した後に行う第2表示手段の演出を楽しむことができる。
【0044】
また,前記各メインリール(Ra1,Ra2,Ra3)に表示される複数種類の図柄は,異なる数字の図形の組,同一形状で色彩が異なる図形の組,角の形状が異なる図形の組,色彩が同一で形状が異なる図形の組,又は,所定形状の図形を異なる角度回転させた図形の組のうち,いずれかの図形の組によって構成されることが好ましい。また,前記各メインリール(Ra1,Ra2,Ra3)に表示される複数種類の図柄は,前記各表示列に表示される複数種類の図柄と全て異なることが好ましい。これら場合は,プレイヤーが第1表示手段を一見しても入賞したか否かを分かり難くすることができ,プレイヤーの関心を第2表示手段に惹きつけることができる。」

・明細書記載事項(う) 役と図柄との関係について
「【0060】
<1-2:役と図柄の関係>
図4に,左・中・右リールRa1,Ra2,Ra3及び左・中・右リールRb1,Rb2,Rb3に表示される図柄の一例を示す。この図に示すように各リールには,21個・6種類の図柄が表示されており,各図柄には図柄番号PN=1?21が割り当てられている。以下の説明では,左・中・右を区別する必要がない場合には,第1表示部10Aの左・中・右リールRa1,Ra2,Ra3を単にメインリールと称し,第2表示部10Bの左・中・右リールRb1,Rb2,Rb3を単にサブリールと称する。
【0061】
図5に,サブリールの図柄と,メインリールの図柄との対応関係を示す。この図に示すようにサブリールのある図柄は,左・中・右リールRa1,Ra2,Ra3毎に異なる図柄と対応付けられている。例えば,サブリールの図柄「7」は,左リールRa1の図柄「1」,中リールRa2の図柄「3」,右リールRa3の図柄「4」と各々対応付けられている。
【0062】
図柄の組合せは,遊技価値を与える「役」と無価値な「ハズレ」とに大別される。そして,役は,表示列たる各メインリールが停止した状態において,有効な入賞ライン上に停止した図柄の組合せのうち,所定の態様のものをいう。この例では,メインリールの図柄がサブリールの図柄に対応付けられているから,各サブリールが停止した状態において,第2表示部10Bの有効な入賞ライン上に停止した図柄の組合せのうち,所定の態様のものは役に該当する。
【0063】
図6に,役とサブリール及びメインリールの図柄の関係を示す。本実施形態では,役として,BB役,RB役,プラム役,ベル役,チェリー役,及びリプレイ役を採用する。役を構成する図柄が有効な入賞ライン上に揃うことを入賞といい,入賞した役に応じた枚数のメダルが払い出される。メダルは,ゲームを開始する際にスロットマシン1に投入するものであり,プレイヤーがゲームを継続するために必要である。つまり,メダルはゲームの継続等の遊技価値を有する遊技媒体といえる。
【0064】
図6に示すように,メインリールの役を構成する図柄は,第1表示部10Aの複数の入賞ラインL1?L5のうち賭けの対象となる有効化された入賞ライン上に予め定められた異なる種類の図柄が並ぶ態様であり,サブリールの役を構成する図柄は,第2表示部10Bの複数の入賞ラインL1?L5のうち有効化された入賞ライン上に同じ種類の図柄が並ぶ態様である。本実施形態の役には次のものがある。
【0065】
1)BB役 この役は,左リールRa1,Rb1,中リールRa2,Rb2,右リールRa3,Rb3における図柄番号PN=21の図柄の組合せであり,サブリールの停止態様が「7-7-7」,メインリールの停止態様が「1-3-4」である。
【0066】
2)RB役 この役は,左リールRa1,Rb1,中リールRa2,Rb2,右リールRa3,Rb3における図柄番号PN=5の図柄の組合せであり,サブリールの停止態様が「BAR-BAR-BAR」,メインリールの停止態様が「2-5-3」である。
【0067】
3)ベル役 この役は,左リールRa1,Rb1における図柄番号PN=16,12,9または2の図柄,中リールRa2,Rb2における図柄番号PN=20,17,13,9または3の図柄,右リールRa3,Rb3における図柄番号PN=18,13,9,または1の図柄の組合せであり,サブリールの停止態様が「ベル-ベル-ベル」,メインリールの停止態様が「5-6-7」である。
【0068】
5)プラム役 この役は,左リールRa1,Rb1における図柄番号PN=18,15
,9または2の図柄,中リールRa2,Rb2における図柄番号PN=18,14,10,6または1の図柄,右リールRa3,Rb3における図柄番号PN=19,14,10,6または2の図柄の組合せであり,サブリールの停止態様が「プラム-プラム-プラム」,メインリールの停止態様が「4-1-2」である。
【0069】
6)チェリー役 この役は,左リールRa1,Rb1における図柄番号PN=20,13または6の図柄が入賞ラインL1?L5のうち有効化されたものに停止すればよく,他のリールの停止位置とは無関係である。即ち,サブリールの停止態様が「チェリー-?-?」,メインリールの停止態様が「6-?-?」である。
【0070】
7)リプレイ役 この役は,左リールRa1,Rb1における図柄番号PN=19,17,10または3の図柄,中リールRa2,Rb2における図柄番号PN=19,15,11,7または2の図柄,右リールRa3,Rb3における図柄番号PN=20,15,11,7または3の図柄の組合せであり,サブリールの停止態様が「リプレイ-リプレイ-リプレイ」,メインリールの停止態様が「7-4-1」である。リプレイ役が成立してもメダルの払い出しはないが,再遊技ができる。再遊技とは,新たにメダルを投入することなく再びゲームを行うことをいう。」

・明細書記載事項(え) メインリールのズレコマ数について
「【0092】
次に,停止テーブル群TBL2は,複数の停止テーブルから構成されている。各停止テーブルには,中央の入賞ラインL1に表示される図柄番号PNとズレコマ数を示すズレコマ数データとが対応付けられて記憶されている。ここで,ズレコマ数とは,プレイヤーが各左・中・右リールストップボタン7a,7b,7cを押し下げてから,各左・中・右リールRa1,Ra2,Ra3が停止するまでに進む図柄の数のことをいう。
【0093】
各左・中・右リールRa1,Ra2,Ra3は高速で回転するため,プレイヤーが特定の図柄を狙ってストップボタンを操作したとしても,所望の図柄を停止させるには,熟練が必要となる。ストップボタン操作の習熟には,プレイヤーの個人差がある。特に,動体視力の低いプレイヤーは所望の図柄を停止させることが難しい。一方,スキルの高いプレイヤーは,所望の図柄が入賞ラインに表示されている時に,ストップボタンを操作することが可能である。
【0094】
しかしながら,スキルの低いプレイヤーがゲームを楽しむためには,図柄をある程度揃い易くする必要がある一方,内部抽選の結果がハズレである場合には,役が成立しないようにリールの回転を制御する必要がある。停止テーブルは,このようなリール回転の制御ために用いられる。そして,各左・中・右リールRa1,Ra2,Ra3の停止位置は,停止テーブルを参照して定める。
【0095】
図7に戻り,説明を続ける。同図に示す送出タイミング制御回路36とデータ送出回路37とは,メインCPU31が生成した各種の情報をサブ基板30Bに送信する。サブ基板30Bに送信される情報としては,内部抽選データISD,演出調整時間,スタートレバー6の操作タイミング,停止図柄番号,停止操作されたリールストップボタンを特定する停止ボタン番号等が含まれる。」

・明細書記載事項(お) メインリールの停止制御及び入賞判定について
「【0121】
次に,メインCPU31は,演出調整時間の設定処理を実行する(ステップS18)。図15は,演出調整時間設定処理の内容を示すフローチャートである。メインCPU31は,プラム賞,ベル賞,チェリー賞,又はJAC賞に当選したか,若しくはBB中RB当選したか,否かを内部抽選データISDに基づいて順次判定し(ステップS50?S53,S59),内部抽選においてこれらの賞群に当選している場合には,演出調整時間を「0」にセットする(ステップS54?S57)。
【0122】
一方,内部抽選において上述した賞群のいずれにも当選していない場合には,メインCPU31は,単独RB当選か,BB当選か,ハズレかを各々判定し(ステップS58,S60,S61),演出調整時間を抽選で決定する(ステップS62?S65)。演出調整時間としては,例えば,5秒,10秒,20秒といったように複数の時間が予め定められており,メインCPU31は,抽選結果として選択した演出調整時間を指示する演出調整時間情報を生成する。ここで,演出調整時間情報は,演出調整時間を直接指示するものであってもよいし,あるいは,予め定められた演出調整時間のうちどの演出調整時間を選択したかを指示するものであってもよい。後者の態様は,演出調整時間をコマンド化したものであって,例えば,5秒をT1,10秒をT2,20秒をT3に対応付けておき,T1,T2,又はT3をコマンド化した演出調整時間情報として生成するものである。この場合には,コマンドの種類(T1,T2,T3)と演出調整時間(5秒,10秒,20秒)との対応付けメイン基板30A及びサブ基板30Bの双方でメモリに保持することが好ましい。
【0124】
次に,CPU31は,内部抽選データISDに基づいて,リール停止データ群の選択を実行する(ステップS20)。例えば,BBゲーム中であることを示すBBフラグの基づいて,BBゲーム中であるか否かを判定し,この判定結果が否定される場合には,メインCPU31は,停止テーブル群TBL2の中から通常用の停止テーブルを選択する一方,判定結果が肯定される場合には,メインCPU31は,停止テーブル群TBL2の中からBB用の停止テーブルを選択する。
【0125】
次に,メインCPU31はリール回転処理を実行する(ステップS21)。具体的には,駆動信号51a?53aをアクティブにする。すると,左・中・右リール駆動モータ51A?53Aの回転軸が回転を開始し,それに伴ってメインリールRa1?Ra3が回転する。
【0126】
この後,メインCPU31は,リール回転停止処理を実行する(ステップS22)。図16は,リール回転停止処理の内容を示すフローチャートである。まず,メインCPU31は,各メインリールの回転速度が規定速度に到達したか否かを判定する(ステップS70)。具体的には,メインCPU31は検出信号47a?49aの周波数を検知し,検知した周波数が規定速度に相当する周波数に到達したか否かによってステップS70の判定を実行する。
【0127】
メインリールの回転速度が規定速度に到達すると,メインCPU31は,1回目のボタン停止操作があったか否かを,停止指示信号44a?46aに基づいて判定する(ステップS71)。
【0128】
1回目のリールストップボタンの停止操作が検出されると,メインCPU31は今回,押下されたリールストップボタン7a?7cの停止ボタン番号(ボタンの種別)を取得し(ステップS72),停止操作直後の図柄番号PNを取得する(ステップS73)。具体的には,メインCPU31は各リールストップボタン7a,7b,7cが押し下げられたタイミングを各リールストップボタンセンサ44?46からの停止指示信号44a?46aに基づいて検知し,当該タイミングにおける図柄番号PNを取得する。この例では,リールストップボタン7aに停止ボタン番号「1」,リールストップボタン7bに停止ボタン番号「2」,リールストップボタン7cに停止ボタン番号「3」が各々割り当てられている。
【0129】
次に,メインCPU31は,ステップS20において選択された停止データテーブル群の中から,内部抽選データISD及び停止ボタン番号等に基づいて,使用可能な停止データテーブル群を限定し(ステップS74),停止操作順別の停止データテーブルの組合せを特定する(ステップS75)。この後,メインCPU31は,第1停止に使用する停止データテーブルの組合せを特定し(ステップS76),さらに,複数の組合せがある場合には,抽選等により第1停止に使用する停止テーブルを決定する(ステップS77)。
【0130】
次に,メインCPU31は,決定した停止テーブルを参照して進みコマ数を取得し(ステップS78),押下図柄番号と進みコマ数から,停止図柄番号を算出する(ステップS79)。停止図柄番号は,当該メインリールが停止した状態における図柄番号である。この後,メインCPU31は,ボタン番号及び停止図柄番号をサブ基板30Bへ送信し(ステップS80),停止図柄番号に基づいて停止操作があったメインリールを停止させる(ステップS81)。
【0131】
次に,メインCPU31は,2回目のボタン停止操作があったか否かを,停止指示信号44a?46aに基づいて判定し(ステップS82),2回目のボタン停止操作があると
,第2停止処理を実行する(ステップS83)。この後,メインCPU31は,3回目のボタン停止操作があったか否かを,停止指示信号44a?46aに基づいて判定し(ステップS84),3回目のボタン停止操作があると,第3停止処理を実行する(ステップS85)。第2停止処理及び第3停止処理は,上述したステップS72からステップS81までの処理と同様であるので,説明を省略する。そして,メインCPU31は,第1?第3停止操作によって定まった停止図柄番号に基づいて入賞フラグを生成する(ステップS86)。入賞フラグは,入賞した役又はハズレを示す入賞情報として機能する。このように,リール回転停止処理では,最初から最後の各停止操作において,操作されたリールストップボタンを識別する情報(停止ボタン番号)と停止図柄を指示する情報(停止図柄番号)がサブ基板30Bへ送信される。ここで,リールストップボタンを識別する情報は,メインリールの停止操作を指示す停止操作情報に相当する。」

・明細書記載事項(か) サブリールの停止制御について
「【0155】
図21は,左サブリールの停止処理の内容を示すフローチャートである。この図に示すように,サブCPU55は,入力された停止情報に基づいて第2処理用の可変表示パターンを選択する(ステップS130)。ここで,停止情報は,左メインリールの停止位置を示す情報であって,例えば,基準点からの駆動パルス数やあるいは上述した停止図柄番号が該当する。また,停止情報はメイン基板30AのメインCPU31によって生成され,サブ基板30Bに送信される。ここで,第2処理用の可変表示パターンとしては,第2処理を実行しないことも含めて,複数の可変表示パターンが用意されている。
【0156】
次に,サブCPU55は,ステップS130で選択した可変表示パターンに基づいて,第2処理を実行するか否かを判定する(ステップS131)。第2処理を実行する場合には,第2処理用の可変表示パターンで可変表示を開始する(ステップS132)。そして,停止情報に基づいて,入賞又は可能性があるか否かを判定する(ステップS133)。この際,内部抽選情報が参照される。即ち,内部抽選情報がある当選役を指示する場合には,メインリールにおいて当該役を構成する図柄を入賞ライン上に引き込むことが可能か否かを判定する。また,入賞か否かの判定は,左リールストップボタン7aの操作が最後の停止操作である場合に実行され,入賞の可能性の判定は,最初から最後の直前,即ち,第1番目及び第2番目の停止操作において実行される。
【0157】
入賞又はその可能性がある場合には,入賞時のサブリールの停止位置でサブリールが停止されるように,サブCPU55は左リール駆動モータ51Bを制御する(ステップS134)。一方,入賞又はその可能性がない場合には,非入賞時のサブリールの停止位置でサブリールが停止されるように,サブCPU55は左リール駆動モータ51Bを制御する(ステップS134)。」

・明細書記載事項(き) 効果について
「【0183】
以上,説明したように第1実施形態によれば,スタートレバー6の操作によって,メインリールが回転を開始すると,サブCPU55は,メインリールの回転をリール位置検出センサ47C?49Cで検知して,メインリールの回転に応じてサブリールが回転するように第1処理を開始し,リールストップボタンの操作タイミングを契機として,サブリールによる可変表示を第1処理から第2処理へ切り換えた。第1処理では,両リールの速度と位相とを同期させる。また,サブリールの図柄は,役を構成する図柄が同一種類の図柄となるように配置されている。従って,プレイヤーは,サブリールを見ながら,役を構成する図柄が所定の引き込み範囲にあるタイミングでリールストップボタン7a,7b,7cを操作することによって,メインリールの入賞ライン上に所定の図柄を停止させて入賞させることが可能である。この場合,各メインリールの停止図柄は,一見して無関係なものが並ぶため,プレイヤーはメインリールを見ただけでは,入賞したか否かを容易に知ることはできないので,サブリールの停止に注目することになる。そして,サブリールでは,メインリールの回転とは無関係に演出用の表示パターンで,逆回転やコマ送りといった第2処理が実行されるので,リールによる多彩な演出を実行することができる。」

・明細書記載事項(く) 変形例について1
「【0209】
(4)上述した実施形態において,メインリールRa1?Ra3に表示される複数種類の図柄は,異なる数字の図形の組によって構成されていたが,メインリールRa1?Ra3とサブリールRb1?Rb3の図柄の対応関係は,図29及び図30に示すものであってもよい。図29に示す例では,メインリールRa1?Ra3に表示される複数種類の図柄は,同一形状で色彩が異なる図形の組によって構成され,図30に示す例では,メインリールRa1?Ra3に表示される複数種類の図柄は,角の形状が異なる図形の組によって構成される。これらの例によれば,プレイヤーがメインリールRa1?Ra3を一見しても入賞したか否かを分かり難くすることができ,プレイヤーの関心をサブリールRb1?Rb3に惹きつけることができる。
【0210】
さらに,メインリールRa1?Ra3に表示される複数種類の図柄は,色彩が同一で形状が異なる図形の組,すなわち,同じ色で形が異なるもので構成されてもよい。この場合には,印刷版制作費や印刷工程も低減できるので,コストダウンを図ることができる。くわえて,メインリールRa1?Ra3に表示される複数種類の図柄は,所定形状の図形を異なる角度回転させた図形の組であってもよい。例えば,「△」の図形を0度回転させた「△」,180度回転させた「▽」が含まれてもよい。」

・明細書記載事項(け) 変形例について2
「【0211】
(5)上述した実施形態では,複数のメインリールRa1?Ra3の各々において表示される複数種類の図柄が,複数のサブリールRb1?Rb3の各々において表示される複数種類の図柄と1対1に対応したが,本発明はこれに限定されるものではない。例えば,サブリールRb1?Rb3の図柄の一部又は全部が,メインリールRa1?Ra3の複数種類の図柄と対応するものであってもよい。また,逆にメインリールRa1?Ra3の図柄の一部又は全部が,サブリールRb1?Rb3の複数種類の図柄と対応するものであってもよい。
【0212】
また,サブリールの数は,メインリールの数と必ずしも一致しなくてもよく,メインリールの数よりも多くてもよいし,少なくてもよい。さらに,例えば,サブリールの行数はメインリールと同じでなくてもよく,例えば,1行だけであってもよい。また,サブリールの入賞ラインの数は,メインリールと同じでなくてもよく,例えば,8本の入賞ラインを有するものであってもよい。さらに,第2表示部10Bとして画像表示装置91を用いる場合には,画像表示装置91に表示列を表示させる必要は必ずしもなく,例えば,ルーレットゲームを表示させてもよい。この場合には,メインリールと全く異なるゲームを表示することができるので,スロットマシンにおけるゲームの自由度を拡げ,その趣向性を大幅に向上させることが可能となる。また,複数の図柄が縦横又は斜めに移動するアニメーション,円環状に配列された複数の図柄が回転するアニメーション,又は図柄が1枚ずつ表示されるアニメーションであってもよい。要は,第1処理においてアニメ-ション等の画像の可変速度がメインリールの回転に応じたものになっており,第2処理において画像をメインリールの回転と無関係に表示するのであれば,どのような画像であってもよい。また,サブリールがビデオリールであった場合に,ビデオリールの可変表示停止後にアニメーションによる多彩な演出を行うことが可能である。したがって,アニメーションが始まってから払出制御を行うようにしてもよい。」

イ.特許明細書等に具体的に記載される技術的事項
まず,入賞時の停止図柄の指定に関して,特許明細書等に具体的に記載された技術的事項を確認する。
前記明細書記載事項(あ)からすれば,特許明細書等には,メインの可変表示部である各リールにおいて,同一種類の図柄が揃うことを条件として役に入賞することとしていた場合には,プレイヤーがメインリールを一見してゲームの結果を知ることができるので,サブの画像表示部における演出の面白みに欠けることが指摘されており,この点に関する課題解決策として,前記明細書記載事項(い)及び(う)からすれば,役に入賞する場合には,メインリールで予め定められた入賞ライン上で異なる種類の図柄が並ぶ態様となり,サブリールで同じ種類の図柄が並ぶ態様となるようにすることが示されている。この関係に該当しない役としては「チェリー役」が記載されている。「チェリー役」では左リール以外のメインリール及びサブリールの停止位置は「無関係」であり,サブリールの「停止態様」が「チェリー-?-?」,メインリールの「停止態様」が「6-?-?」である。
ここで,上記のような停止図柄へと至る停止制御について確認する。前記明細書記載事項(え)及び(お)からすれば,メインリールは,所定の「ズレコマ数」の範囲を超えてストップボタン操作のタイミングが不適切であれば,内部抽選の結果が当選であっても対応する図柄で停止しないこととなっている。また,入賞か非入賞かは,このようにして停止したメインリールの停止図柄によって定まることとなっている。なお,メインリールの停止制御に所定のズレコマ数内という制限があること,メインリールの停止図柄で入賞か非入賞かが定まることは,一般的にスロットマシンにおいては常識的ともいうべき事項である。そのため,本件特許明細書等においても,そのような常識的なスロットマシンを前提とするものと言い得る。
これに対して,サブリールの停止制御を確認すると,前記明細書記載事項(か)からすれば,サブリールでは,メインリールの停止結果で定まる入賞または非入賞に対応して,停止時の図柄が定まることとなっている。すなわち,停止までにメインリールのような「ズレコマ数」の制限はなく,ストップボタンが操作された時点のサブリールの回転状態及びサブリール上の移動図柄に依存して停止図柄が定まるものではない。サブリールでは,メインリールの停止図柄によって入賞となれば,当該入賞役に対して定められた停止図柄で停止することとなっている。
前記明細書記載事項(き)によれば,役に入賞することとなる場合の停止図柄態様を,メインリールでは異なる種類の図柄が並ぶ態様と指定する一方で,サブリールでは同じ種類の図柄が並ぶ態様と指定することの効果は,プレイヤーが,一見して無関係な停止図柄が並ぶメインリールを見ただけでは入賞したか否かを容易に知ることができず,入賞したか否かを関心事として,メインリールの停止図柄ではなくサブリールの停止に注目することであるとされている。
前記明細書記載事項(く)には,メインリールにおける各図柄相互の識別特徴を異ならせた「変形例」が記載されている。ただし,本文中で言及される【図29】及び【図30】を見ても,役に入賞する場合の停止図柄の選定は,メインリールでは異なる種類の図柄が並ぶ態様である一方,サブリールでは同じ種類の図柄が並ぶ態様であり,例外として「チェリー役」が存在するというものである。
前記明細書記載事項(け)には,図柄の1対1対応が失われたメインリール及びサブリールを用いたり,メインリールとサブリールの数あるいはそれぞれの入賞ラインの数を変える変形,サブリールを画像表示装置に変えてビデオリールとした表示列を用いる変形等が記載されている。ただし,そのようにメインリールに対する対応関係が失われたサブリール等を用いることは別として,役に入賞する場合の停止図柄態様をどのように選定するかという点については,具体的な記載はない。
以上からすれば,特許明細書等には,役に入賞する場合の停止図柄の選定という点では,次のような技術的事項が,具体的に記載されていると認められる。
すなわち,
(前提)メインリールの停止図柄によって役への入賞か否かを定めるスロットマシンにおいて,
(観点)入賞時のメインリールの停止図柄を同じ種類の図柄が並ぶ態様としては,メインリールを一見してゲームの結果がわかるため,サブリールに注目されないという観点から,
(採用する手法)単独入賞役である「チェリー役」を除く役入賞時の停止態様を,メインリールの入賞ライン上では異なる種類の図柄が並ぶ態様とする一方,サブリールでは同じ種類の図柄が並ぶ態様とすることで,
(目的及び効果)一見した入賞判定が容易でないメインリールの停止図柄ではなく,一見した入賞判定が容易なサブリールの停止に注目させる,
という技術的事項は,特許明細書等に具体的に記載されていると認めることができる。

ウ.特許明細書等の記載から自明な変形,拡張あるいは制約
次に,特許明細書等に具体的に記載された上述の技術的事項について,特許明細書等の記載から自明な変形及び拡張,あるいは本質的な制約について検討することとする。
(ア)「チェリー役」に関して
被請求人は,特許明細書等に記載した「チェリー役」については,「6-?-?」の「?」部分,すなわち任意図柄の部分が「6」であったり「8」であったりする個別の組み合わせは,それぞれが別個の「所定の態様」である旨を主張している。そして,「チェリー役」は単独で「同じ種類の図柄が並ぶ態様」及び「異なる種類の図柄が並ぶ態様」を含んでいるから,「チェリー役」を含めた入賞時の停止図柄態様を記載した特許明細書等には,入賞時の停止図柄の選定という技術的事項について,「特定の態様」と併せてメインリールで同じ種類の図柄が並ぶ「所定の態様」を任意に組み合わせるという変形も示されている旨を主張している。
そこで検討すると,「チェリー役」は,任意図柄の部分がどのような図柄であっても入賞するから,そもそも同じ種類の図柄が並ぶか異なる種類の図柄が並ぶかということが,入賞するか否かに関係しないものである。また,任意図柄の部分がどのような図柄であっても入賞するのであるから,停止時に同じ種類の図柄が並ぶか異なる種類の図柄が並ぶかという点から,停止図柄を一見しての入賞あるいは非入賞の判定が,容易になったり困難になったりするものではない。すなわち,任意図柄の部分を含む「チェリー役」は,特許明細書等において入賞時の停止図柄態様を同じ種類あるいは異なる種類に指定することの目的,及び効果のいずれの点から見ても,そもそもそのような指定の対象となり得ない性質であることが明らかである。このような「チェリー役」は,任意図柄の部分であり得る多数の図柄組み合わせのパターンに分解して,各パターン毎に個別の意味を有すると解されるものでもない。特許明細書等においても,そのような「チェリー役」の例外的性質が明らかであるから,前記明細書記載事項(う)中の段落【0069】では,「チェリー役」が,多数の「態様」に分解されることなく扱われていると考えることが合理的である。なお,本件訂正後の特許請求の範囲では,【請求項13】中の構成要件13bとして,「チェリー役」は「一つの態様」であることが明記されている。
したがって,特許明細書等に記載された「チェリー役」が,個別の組み合わせパターン毎に多数の「態様」を示しており,メインリールで同じ種類の図柄が並ぶ「所定の態様」,及び異なる種類の図柄が並ぶ「所定の態様」の両者を開示しているという,被請求人の主張は失当である。また,特許明細書等における「チェリー役」の存在から,入賞時の停止図柄の選定という技術的事項について,「特定の態様」と併せてメインリールで同じ種類の図柄が並ぶ「所定の態様」を任意に組み合わせるという変形が示されているということもできない。
特許明細書等に記載された「チェリー役」から示されるのは,まず,「所定の態様」には任意図柄の部分を有する「態様」が含まれて良いことである。そしてまた,入賞時の停止図柄態様を同じ種類の並びあるいは異なる種類の並びと指定する技術的事項との関係では,「チェリー役」のように任意図柄の部分を有する「態様」は,当該指定の対象外として何の影響も及ぼさないということである。そのため,特許明細書等に具体的に記載された入賞時の停止図柄の指定という技術的事項について,「チェリー役」のように任意図柄の部分を有し,そのためにそもそも入賞時の図柄並びが同種であるか異種であるかが問われない性質の「所定の態様」については、その存在の有無,あるいはどの部分が任意図柄であるかといった詳細等が問題とならないことは,明らかである。
この点からすれば,特許明細書等に具体的に示された,入賞時のメインリール及びサブリールの停止図柄態様の指定という技術的事項について,「チェリー役」以外の入賞役を,任意図柄を含まず入賞時の図柄並びが同種であるか異種であるかが問題となり得る「所定の態様」として「特定の態様」とする一方,残る「チェリー役」について,単独入賞役であることや他に任意図柄を有する役が存在しないことまで限定しない上位概念化は,自明ということができる。

(イ)メインリールとサブリールの図柄対応付けについて
次に,特許明細書等に記載された入賞時の停止図柄態様の指定という技術的事項に関して,停止時の図柄態様の特定とは別に,メインリールの図柄及びサブリールの図柄が対応付けられていることまで必要か否かを検討する。なおこの点は,請求人が,訂正事項ア-5等が新規事項の追加であることの根拠と主張する点の一つである。
特許明細書等においては,入賞時の停止図柄態様を具体的に指定する前記明細書記載事項(い)及び(う)において,「そして,表示列の図柄の配置は,メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられている。」(段落【0042】),「このような対応付行うと,各表示列が停止した状態で同一種類の図柄が並ぶ場合,各メインリールは異なる種類の図柄が並ぶことになる。」(段落【0043】),「この例では,メインリールの図柄がサブリールの図柄に対応付けられているから,各サブリールが停止した状態において,第2表示部10Bの有効な入賞ライン上に停止した図柄の組合せのうち,所定の態様のものは役に該当する。」(段落【0062】)という記載が存在する。これらの記載部分のみからすると,特許明細書等においては,具体的にはメインリール及びサブリールの図柄を対応付けることと併せて,メインリール及びサブリールの入賞時停止図柄態様を指定していると言い得る。
しかしながら,特許明細書等においては,前記明細書記載事項(え)?(か)からも明らかなように,サブリールはメインリールと無関係な動きをする「第2処理」を有するとともに,メインリールのように停止までの「ズレコマ数」が制限される前提ではなく,メインリールの停止図柄による入賞または非入賞の結果に対応した図柄で,停止されることとなっている。そのため,メインリール及びサブリールの入賞時の停止図柄態様を指定しさえすれば,さらにメインリールとサブリールの図柄対応付けについて特段の制約を要することなく,メインリールで所定の停止図柄態様となって入賞した場合,当該入賞役に対応した停止図柄態様でサブリールを停止できることは明らかである。そして,役入賞時の停止態様をメインリールでは異なる種類の図柄が並ぶ態様とする一方,サブリールでは同じ種類の図柄が並ぶ態様とすることで,一見した入賞判定が容易でないメインリールの停止図柄ではなく,一見した入賞判定が容易なサブリールの停止に注目させるという効果を得るうえでも,このような停止時の図柄態様の指定を超えたメインリールとサブリールの図柄対応付けが,必須不可欠でないことは明らかである。
なお,特許明細書等には,前記明細書記載事項(き)において,「従って,プレイヤーは,サブリールを見ながら,役を構成する図柄が所定の引き込み範囲にあるタイミングでリールストップボタン7a,7b,7cを操作することによって,メインリールの入賞ライン上に所定の図柄を停止させて入賞させることが可能である。」という効果も記載されている。ここに記載された効果,すなわち,サブリールを見て回転中のメインリールの目押しができるという効果を得るためには,各メインリール上及び各サブリール上の全図柄を1対1に対応させたうえで,ストップボタンの操作までは両リールの速度及び位相をいずれも一致させ,回転中のサブリール上の移動図柄とメインリール上の移動図柄とを対応させることが必要となる。しかしながらこのような効果は,入賞時の停止図柄態様をメインリールでは異なる種類と指定する一方,サブリールでは同じ種類と指定することによって,停止図柄を一見した入賞判定の容易性に差を設けることとは無関係である。そのため,当該効果を得ることができるような,全図柄が1対1対応させられたメインリールとサブリールを用いることは,特許明細書等に記載される入賞時停止図柄態様の選定という技術的事項を採用するうえで,必須の要件ではない。
したがって,入賞時の停止図柄態様を,メインリールでは異なる種類の図柄が並ぶ態様となりサブリールでは同じ種類の図柄が並ぶ態様となるように指定するという,特許明細書等に記載された技術的事項について,そのように各リールの停止時の図柄を指定することを超えて,さらに何らかの図柄対応付けがされたメインリール及びサブリールを用いるべき制約がないことは,明らかである。

(ウ)サブリールの変形について
特許明細書等には,前記明細書記載事項(け)において,「上述した実施形態では,複数のメインリールRa1?Ra3の各々において表示される複数種類の図柄が,複数のサブリールRb1?Rb3の各々において表示される複数種類の図柄と1対1に対応したが,本発明はこれに限定されるものではない。」(段落【0211】)と記載したうえで,メインリールの全図柄に対するサブリールの全図柄の1対1の対応関係を失わせる変形,メインリールとサブリールの数あるいは両リール上の入賞ラインの数を異ならせる変形,サブリールを画像表示装置上のビデオリールによる表示列とする変形,あるいは画像表示装置上でメインリールとは全く異なるゲームとする変形等が示されている。
被請求人はこのうち,「例えば,サブリールRb1?Rb3の図柄の一部又は全部が,メインリールRa1?Ra3の複数種類の図柄と対応するものであってもよい。また,逆にメインリールRa1?Ra3の図柄の一部又は全部が,サブリールRb1?Rb3の複数種類の図柄と対応するものであってもよい。」(段落【0211】)との記載から,メインリール及びサブリールにおける図柄の対応付けを特定の形で改変し,もって入賞時の停止図柄態様の選定という技術的事項について,メインリールで異なる種類の図柄となる一方サブリールで同じ種類の図柄となる態様,及び,メインリールでもサブリールでも同じ種類の図柄となる態様の,両者が混在するようにする改変が示されている旨を主張している。
しかしながら,先に「(イ)メインリールとサブリールの図柄対応付けについて」で説示したとおり,メインリール及びサブリールの入賞時の停止図柄態様を異種並び及び同種並びに指定するという,特許明細書等における技術的事項については,停止時の図柄がそのように指定されさえすれば,メインリールとサブリールの図柄がどのような対応関係を有し,あるいは有さないかは問題ではない。そのため逆に,メインリールとサブリールの図柄との1対1の図柄対応関係を失わせることが,前記明細書記載事項(け)に記載されているからといって,そのように1対1の図柄対応関係が失われたメインリールとサブリールを用いることと併せて,入賞時の停止図柄態様をどう指定するかという技術的事項についても変更を加えることが示されたことにはならない。ましてや,被請求人が本件訂正請求書の第21頁?26頁で主張するように,メインリールとサブリールの図柄対応付けについて特定の選択された変更を重ねたうえで,入賞時の停止図柄態様の指定としても記載がなかった新たな態様を導出することは,上記段落【0211】の記載から自明ということはできない。同段落【0211】には,メインリールとサブリールの入賞時の停止図柄態様の選定をどうするかということについては,何も示されていない。
したがって,前記明細書記載事項(け)における記載からは,特許明細書等において具体的に記載された入賞時のメインリール及びサブリールの停止図柄態様の選定という技術的事項について,部分的に特定の変形をすること,または部分的に変形された態様を含む特定の停止図柄態様の選定へと拡張することは,自明ではない。
ただし,「サブリール」を画像表示装置上の「ビデオリール」に置き換えたり,あるいは機械的なサブリールでもビデオリールでもよい「表示列」としたうえで,特許明細書等に示された入賞時のメインリール及びサブリールの停止図柄態様を採用することについては,自明である。

(エ)効果から見た変形について
特許明細書等に具体的に記載された,入賞時のメインリール及びサブリールの停止図柄態様の選定についての技術的事項が,効果の面から見て,どこまで変形が予定された技術的事項と解されるかを検討する。なおここで,任意図柄を有することで入賞時の図柄並びが同種であるか異種であるかが問われない「所定の態様」については,入賞時の図柄並びが同種あるいは異種という指定の対象外となることが,先に(ア)で示したとおり,特許明細書等における「チェリー役」から上位概念化可能に支持されている。また請求人及び被請求人は,任意図柄を有さず入賞時の図柄並びが同種であるか異種であるかが指定され得る「所定の態様」のうち,「特定の態様」を一部のみとする改変,すなわち,任意図柄を含まない「所定の態様」について,一部分のみを「特定の態様」とし,残りをメインリールで同じ種類の図柄が並ぶ態様,あるいはサブリールで異なる種類の図柄が並ぶ態様とする改変が,特許明細書等の記載から自明か否かを争っている。そのためここでは,入賞時の図柄並びが同種であるか否かが問題となり得る入賞役の全てではなく一部のみを「特定の態様」とし,その他の入賞役の「所定の態様」として,メインリールで同じ種類の図柄が並ぶ態様,あるいはサブリールで異なる種類の図柄が並ぶ態様を導入する改変が,特許明細書等に記載された効果の観点から自明に導出されるか否かについて検討する。
特許明細書等において,「チェリー役」を除く役入賞時の停止態様を,メインリールでは異なる種類の図柄が並ぶ態様とする一方,サブリールでは同じ種類の図柄が並ぶ態様と選定した目的は,プレイヤーを,一見した入賞判定が容易でないメインリールの停止図柄に代えて,一見した入賞判定が容易なサブリールの停止に注目させることであった。被請求人は,メインリールでは異なる種類の図柄並びとなりサブリールでは同じ種類の図柄並びとなる「態様」は,少なくとも1つありさえすれば上述の効果を奏するとともに,入賞役のうち当該「態様」となる役の数を増やせば,増やした数に応じて上述の効果が増大することが明らかであると主張している。そして被請求人は,特許明細書等には「チェリー役」を除く全ての入賞役をこのような「態様」とする具体例しか記載されていなくとも,当該「態様」とする入賞役を一部のみとしたところで上述したとおりに特許明細書等に記載した効果を得られることが明らかであるから,「チェリー役」でない入賞役の一部のみを「特定の態様」とし,その他の入賞役ではメインリールで同じ種類の図柄が並ぶ態様,あるいはサブリールで異なる種類の図柄が並ぶ態様とする改変は,上述した効果に照らして自明である旨を主張している。
ここで,仮にメインリールとサブリールの機能及び役割に,一部の入賞役で停止図柄を「特定の態様」と指定したことを除き,全く相違がないというのであれば,被請求人の上述の主張は妥当なものと考えられる。しかしながらスロットマシンにおいては,メインリールとサブリールの機能は,大きく相違していることがそもそも常識であるとともに,本件特許明細書等においても,そのようなスロットマシンであることが前提とされている。すなわち,前記明細書記載事項(え)及び(お)に記載されるとおり,入賞か非入賞かはあくまでメインリールの停止図柄によって定まるのに対して,サブリールは入賞か非入賞かを定めるものではない。そのため,あらゆる役の入賞及び非入賞は,メインリールの停止図柄によって示されることが,スロットマシンにおける常識であり,本件特許明細書等においても前提である。これに対してサブリールは,何らかの役について,入賞したときには必ず特定の停止図柄となることを指定した場合であれば,停止図柄が当該役への入賞を示し,さらにメインリールの停止図柄より一見した入賞判定が容易な停止図柄とすることまで指定した場合であれば,当該役についてはメインリールの停止図柄より一見した入賞判定が容易となるとはいえ,そのような指定がされない役については,サブリールの停止図柄による入賞判定の可能性及び容易性はいずれもプレイヤーに保証されない。そして,本件特許明細書等における入賞時の停止図柄が同種異種等の指定も,このような常識的なスロットマシンを前提として行われており,当該前提を離れたスロットマシンを対象とすることは特許明細書等に記載されていない。
本件特許明細書等が対象とするスロットマシンについて,上記したような実情を勘案すれば,入賞するか否かを関心事とするプレイヤーにとっては,入賞か非入賞かを必ず示すメインリールの停止図柄は,一見した入賞判定が若干困難か否かによらず,サブリール以上に注目すべき動機付けが強いことが明らかである。また,入賞時の停止図柄態様が同種の並びであるか異種の並びであるかによって,該停止図柄を一見した入賞判定が困難となるのは,ごく一瞬のことでしかない。
ここで,特許明細書等において入賞時の停止図柄態様を同種あるいは異種の並びに指定する技術的事項は,図柄並びが異なる種類か同じ種類かという一見した入賞判定容易性の相違によって,入賞であるか非入賞であるかを知ろうとするプレイヤーの注目を,メインリールの停止図柄ではなく停止しようとするサブリールへと向けるものである。そのためには,単に入賞時にメインリールの停止図柄が異なる種類の並びであることにより一見わかりにくいというだけでは不十分であり,サブリールの側では若干の遅れで,一見の入賞判定がより容易な同じ種類の並びで停止することが約束されているのでなければ,合理的に効果を奏することができないことが明らかである。したがって,特許明細書等に具体的に示される入賞時の停止図柄態様が,「チェリー役」を除く全ての入賞役において,メインリールでは異なる種類の図柄並びである一方サブリールでは同じ種類の図柄並びとされていることは,入賞時の停止図柄態様の指定について特許明細書等に記載される目的及び効果からすれば,十分に理由がある選択というべきである。
これに対して,特許明細書等に具体的に記載された上述の入賞時の停止図柄態様から,「チェリー役」ではない入賞役の一部,すなわち任意図柄を含まず図柄並びが同種であるか異種であるかが問題となり得る一部の役について,上述した指定の対象外とし,入賞時のメインリールの停止図柄が同じ種類の並びとなり,あるいは入賞時のサブリールの停止図柄が異なる種類の並びとなる改変を行った場合について検討する。このような改変がされると,たとえ一部の入賞役では,停止図柄の同種あるいは異種という点でメインリールを一見した入賞判定がサブリールより若干困難であっても,逆にメインリールの停止図柄を一見した方がサブリールより入賞判定が容易な役,またはサブリールでは入賞判定の可否が保証されない役が混在されることとなる。そしてそのような状況においても,メインリールの停止図柄があらゆる場合において入賞または非入賞の区別を示すことに変わりはない。そうであれば,プレイヤーは,メインリールの停止図柄を一見した入賞判定が若干困難な場合があり得るとしても,必ず入賞か非入賞かを示すメインリールの停止図柄の方を,常にサブリールより優先して注目することが妥当に予測される。そしてその場合,プレイヤーが入賞あるいは非入賞を関心事としてメインリールの停止図柄に注目する時間は,メインリールで異種図柄並びの入賞役が一部に混在された分,かえって若干長くなると考えられる。すなわち,特許明細書等において入賞時の停止図柄態様を同種あるいは異種と指定したそもそもの目的からすれば,上述のような改変は,実際上は当初の目的に反する結果となる蓋然性が高いことを,当業者であれば予測するというべきである。
これと反対に,プレイヤーが,メインリールの停止図柄を一見した入賞判定が若干困難な場合もあり得るというだけで,メインリールが停止したときに,入賞するか否かを関心事とする動機から,入賞か非入賞かを必ず示すメインリールの停止図柄を注目せず,入賞判定の容易性あるいは可能性が保証されないサブリールの停止の方に注目すると考えることは,不自然である。またプレイヤーが,メインリールの停止図柄の方が異種の図柄並びとなりサブリールの停止図柄の方が同種の図柄並びとなる入賞役であるか,そのような関係がない入賞役であるのかを事前に識別し,前者の入賞役であると識別した場合には,メインリールが停止したときに,当該入賞役についての認識を持ちながら一見した入賞判定が容易か否かを問題とし,入賞であるか否かを関心事とする動機から,メインリールの停止図柄を確認することなくサブリールの停止に注目を移すと考えることも,不自然である。すなわち,プレイヤーが,サブリールの停止図柄を一見した方が入賞判定を容易と設定した入賞役が一部分であっても,特許明細書等に記載された効果が奏される注目動作をすること,あるいは,そのような設定がされた入賞役の数に応じて,特許明細書等に記載された効果が比例的に達成されるような注目動作の使い分けをすることは,いずれも妥当に予測されるものではない。
なお,本件訂正前の特許明細書等においては,入賞時の停止図柄態様を同種あるいは異種等と指定する技術的事項が,特許請求の範囲における発明特定事項とされていなかった。けれども,特許査定時には採用してもせずともよいと扱われていた技術的事項であるからといって,当該技術的事項に関して,明細書に記載された目的にはかえって反する蓋然性が高い変形を行うことや,かような変形を行ったうえで改変された技術的事項を採用することまでが,総じて自明となるわけではない。
以上のとおりであるから,特許明細書等の記載に接した当業者にとって,特許明細書等において入賞時の停止図柄態様をメインリールで異種並びとしサブリールで同種並びと指定した技術的事項の目的及び効果に照らした場合,当該指定を図柄並びが同種であるか異種であるかが問題となり得る役の一部のみに限ることとする改変,すなわち,メインリールの停止図柄が同じ種類の並びとなる入賞役や,サブリールの停止図柄が異なる種類の並びとなる入賞役,あるいはサブリールの停止図柄による入賞判定可能性がない役と混在させる改変は,自明に予定された改変と言うことはできない。
そのような改変は,特許明細書等に記載された目的及び効果にかえって反する蓋然性が高いものでありながら,あえてかような改変を行うことでどのような別途の効果が得られるかも不明である。そのため,仮に特許明細書等には記載がされない新たな技術的観点を導入して,特許明細書等における目的あるいは効果よりも優先させる選択をするのであれば格別,特許明細書等に記載された目的及び効果に基づく限度においては,自明に導出される改変ではない。

(オ)小括と留保
特許明細書等における,入賞時の停止図柄態様の選定という技術的事項について,具体的に記載された事項,及び特許明細書等の記載から自明な改変または拡張に関して,小括する。
特許明細書等には,メインリールの入賞ライン上の停止図柄によって役への入賞か否かを定めるスロットマシンにおいて,入賞時のメインリールの停止図柄を同じ種類の図柄が並ぶ態様としては,メインリールを一見してゲームの結果がわかるため,サブリールに注目されないという観点から,単独入賞役である「チェリー役」を除く役入賞時の停止態様を,メインリールでは異なる種類の図柄が並ぶ態様とする一方,サブリールでは同じ種類の図柄が並ぶ態様とすることで,一見した入賞判定が容易でないメインリールの停止図柄ではなく,一見した入賞判定が容易なサブリールの停止に注目させる,という技術的事項が,具体的に記載されている。
上記の具体的な技術的事項において,「チェリー役」とその他の入賞役とで相違する性質が有する技術的意義を検討すれば,「チェリー役」以外の役を,任意図柄を含まず入賞時の図柄並びが同種であるか異種であるかが問題となり得る「所定の態様」として「特定の態様」とする一方,残る「チェリー役」について,単独入賞役であることや任意図柄を有する役は1のみであることまで限定しない上位概念化は,自明である。「サブリール」をビデオリールであってもよい「表示列」とすることも,自明である。
また,上記の技術的事項を採用するに際して,メインリール及びサブリールの入賞時の停止図柄態様を,異種あるいは同種と指定することを超えて,さらに特定の図柄対応付けがされたメインリール及びサブリールを用いるべき制約はない。
入賞時にメインリールでは異なる種類の図柄並びとなり,サブリールでは同じ種類の図柄並びとなる,停止図柄態様の指定を,「チェリー役」を除く全ての入賞役ではなく,そのうちの一部の入賞役のみに限ることとし,入賞時にメインリールで同じ種類の図柄が並ぶ停止図柄態様,あるいは入賞時にサブリールで異なる種類の図柄が並ぶ停止態様と混在させる改変は,「チェリー役」の存在やその他の変形例の記載,及び,特許明細書等において入賞時のメインリール及びサブリールの停止図柄をそれぞれ異種及び同種並びと指定した目的及び効果に照らして,自明ではない。
ただし,訂正事項ア-5等は,特許発明をそのように改変された具体的形態へと特化して限定したものではない。また,本件訂正によって,明細書中にそのように改変された具体例が明記して追加されたわけではなく,かような改変による効果が別途新たに追記されたたものでもない。そして,そのような改変が,特許明細書等において入賞時のメインリール及びサブリールの停止図柄をそれぞれ異種及び同種並びと指定した目的及び効果にかえって反する蓋然性が高いのみならず,別途の新たな特段の効果を奏するとも認められないことからすれば,当該改変を包含する上位概念化は,特段の技術的意義を有さないと評価することもできる。
これらの事情については,訂正事項ア-5等が新規事項であるか否かの最終判断において考慮することとし,ここでは留保するに留める。

エ.判断
(ア)「所定の態様」と「特定の態様」との関係を除く部分について
訂正事項ア-5等は,特許請求の範囲における発明特定事項の追加であり,訂正事項ア-5について再掲すると,その内容は次のとおりである。
「前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与し,前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって,」
なお,訂正事項イ-5及びウ-5についても,その内容は同じであり,訂正事項オ-5についても,「表示列」が「サブリール」の誤記と解される点を除き,その内容は同じである。
そこで,ここでは訂正事項ア-5等をまとめて判断することとする。
特許明細書等の開示についてみると,これまでに検討したとおり,メインリールの入賞ライン上における停止図柄の組み合わせによって役への入賞あるいは非入賞が定まるスロットマシンであること,及び,役への入賞を定めるメインリールの停止図柄態様が予め定まった所定のものであることは,いずれも特許明細書等に記載された事項である。また,特許明細書等において,役に入賞した場合には払い出しが行われるか,「リプレイ」であっても再遊技が可能となるから,いずれの役についても「遊技価値」は付与されている。そのため,訂正事項ア-5等のうち,「前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが」,「複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与し」の部分,及び「スロットマシンであって」の部分については,いずれも特許明細書等に記載された技術的事項であり,新規事項の追加には該当しない。
特許明細書等において,サブリールがビデオリールを含む「表示列」でよいことは,入賞時の停止図柄態様を指定するという技術的事項との関係においても,記載された事項ということができる。また特許明細書等において,任意図柄部分を有さず図柄種類の同種異種が問題となり得る全ての役について,メインリールでは異なる種類の図柄が並ぶ態様とする一方,サブリールまたは表示列では同じ種類の図柄が並ぶ態様とすることは,少なくとも開示された技術的事項である。そのため,「所定の態様」と「特定の態様」との関係についてひとまず措くとすれば,訂正事項ア-5等において「前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数の表示列(サブリール)に同じ種類の図柄が並ぶ」とある点も,特許明細書等に開示された技術的事項である。
そしてまた,特許明細書等において,上記のように入賞時におけるメインリール及びサブリールの停止図柄態様を,異種の図柄並びあるいは同種の図柄並びと指定する技術的事項を採用するうえでは,当該入賞時の停止図柄態様が両リールについて指定されることで停止時の図柄に対応関係が生じれば十分であることが明らかである。そのため,訂正事項ア-5等がさらにメインリール及びサブリールの図柄の対応付けを別途特定しないからといって,特許明細書等に記載された入賞時の停止図柄態様を指定するという技術的事項に,別途新たな技術的事項が追加導入されたものではない。請求人はこの点を新規事項の追加と主張しているが,当該請求人の主張は採用できない。
ここまでを小括すると,訂正事項ア-5等において,「所定の態様」中における「特定の態様」の位置づけを除く部分については,特許明細書等に開示された技術的事項であるから,新規事項の追加はない。

(イ)「特定の態様」について-その1,主位的判断
訂正事項ア-5等は,特許請求の範囲における発明特定事項の追加であり,メインリールの入賞ライン上における停止図柄によって定まる役に入賞することとなる場合について,「特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合」と記載したうえで,該「特定の態様」となる場合についてメインリールで異なる種類の図柄が並ぶ停止図柄態様となり,そのときサブリールでは同じ種類の図柄が並ぶ停止図柄態様となることを特定するものである。同発明特定事項により,入賞を定める「所定の態様」の中に,「特定の態様」としてメインリール及びサブリールの停止図柄がそれぞれ異種及び同種の並びとなる指定を受ける「態様」が存在するとともに,「特定の態様」とならずそのような指定を受けない「態様」も存在し得ることが,特定されるものである。このような発明特定事項の追加が新規事項の追加に該当するか否かを検討するうえでは,当該発明特定事項の技術的意義を検討することも必要となる。
ここで,特許明細書等における開示では,入賞時のメインリール及びサブリールの停止図柄態様を異種及び同種の図柄並びと指定することの技術的意義は,任意図柄部分を有してそのような指定の対象外となる図柄態様は例外として,図柄並びの同種あるいは異種が問題となり得る図柄態様については全て上述した指定の対象とすることで,合理的に達成されるものであった。そしてまた,そのような指定を,任意図柄部分を有さず図柄並びの同種あるいは異種が問題となり得る入賞役のうち,一部の入賞役のみに限る改変は,特許明細書等に記載されていないとともに,そのような改変は,入賞時の停止図柄態様を同種並びあるいは異種並びと指定することについて,特許明細書等に記載された技術的意義をかえって損なう蓋然性が高いと予測されるものであった。
そのような点からすれば,仮に本件訂正が,上述のように改変され,もって入賞時に,メインリール及びサブリールでそれぞれ異なる種類及び同じ種類の図柄並びとなる態様が,入賞時にメインリールで同じ種類の図柄並びとなる態様あるいはサブリールで異なる種類の図柄並びとなる態様と混在させられた,あらたな具体的形態を明記して追加するものであった場合,または,そのような改変が奏する別途の新たな効果を明記するものであった場合,あるいは,そのように改変された新たな具体的形態へと特許発明を特化して限定するものであった場合には,かような訂正は新規事項の追加と評価されるべきである。なぜならば,特許明細書等に記載のない新たな技術的観点を導入するのであれば格別,そのような改変の動機付けは特許明細書等に記載がなく,また,そのように改変された形で入賞時のメインリール及びサブリールの停止図柄の同種あるいは異種並びを指定することの効果も,特許明細書等には記載がなかったのであるから,かような訂正は,特許明細書等に記載された事項の総合に照らして,そこになかった新たな技術的事項及び技術的意義を導入したと評価することが妥当である。
しかしながら,本件訂正においては,後に検討する訂正事項セ-1によって明細書の段落【0012】に訂正事項ア-5等と同じ記載が追加されたことを除き,明細書の開示内容を実際上変更するような訂正は行われておらず,上述したような新たな具体的形態が明記して追加されたものでもない。また,そのような新たな具体的形態が奏する新たな効果が追記されたものでもない。
すなわち,本件訂正後の明細書においても,入賞時の停止図柄を同種の並びあるいは異種の並びと指定する技術的事項について,実際上の開示内容及び技術的意義は,特許明細書等について検討したと同様である。
そうであれば,訂正事項ア-5等の発明特定事項が有する技術的意義,とりわけそこにおける「所定の態様」及び「特定の態様」という用語が示す技術的意義を検討するに際して,本件訂正後の明細書の記載を参酌すれば,次のように理解することが合理的である。
つまり,メインリールで入賞を定める「所定の態様」には,「チェリー役」のように任意図柄を有する「態様」もあり得るとともに,そのような「態様」は,そもそも停止図柄の並びが同種であるか異種であるかが問題とならず,停止図柄並びの同種あるいは異種といった指定の対象とならない性質を有する。そうであるところ,特許請求の範囲において「所定の態様」中で「特定の態様」が他と区別され,そのうえで,該「特定の態様」ではメインリールで異なる種類の図柄並びとなり,そのときサブリールでは同じ種類の図柄並びとなることを指定したことの技術的意義からすれば,「特定の態様」という用語の技術的意義は,「所定の態様」の中で停止図柄が同種であるか異種であるかが問題となり得る「態様」を,そうでない「所定の態様」と区別して指すものと解することが,合理的である。
そして,「特定の態様」という用語の技術的意義をそのように解した場合,訂正事項ア-5等において,入賞を定めるメインリールで任意図柄部分を有さない「所定の態様」は全て「特定の態様」として,メインリールでは異なる種類の図柄が並びサブリールでは同じ種類の図柄が並ぶという指定がされていることとなるから,特許明細書等における具体的開示から自明な範囲を超える改変は,含まれていないこととなる。
したがって当審は,まず主位的に,訂正事項ア-5等は,特許明細書等に記載された事項の総合に対して新たな技術的事項を追加したものではなく,新規事項の追加には該当しないと判断する。

(ウ)「特定の態様」について-その2,予備的検討
また当審は,仮に訂正事項ア-5等において,「所定の態様」に対する「特定の態様」の用語の技術的意義を検討することなく,「特定の態様」は「所定の態様」の中の何らか1以上の「態様」でありさえすれば足りると解したとしても,訂正事項ア-5等は,特許明細書等に記載された事項の総合に対して,別途の新たな技術的事項を追加導入したとまで評価せずとも差し支えないと判断する。その理由は以下のとおりである。
上記の解釈に立てば,訂正事項ア-5等は特許明細書等の記載から自明ということができない改変まで包含し得ることとなる。けれども,当該上位概念化の部分に含まれる改変は,特許明細書等に記載される目的及び効果にかえって反する蓋然性が高いことから自明ということはできない一方,同じ理由から,当該改変自体が何らか特段の技術的意義を有するとも言えないものである。またこのような解釈に立っても,訂正事項ア-5等は,あくまで特許明細書等に具体的に記載された技術的事項の上位概念化に止まる。そのため,訂正事項ア-5等が,特許明細書等に具体的に記載された技術事項だけに依拠するのでは回避できない,進歩性等の無効理由を,迂遠的に回避するという意味において,実際上新たな技術的意義を導入するとも考える必要がない。さらに,訂正事項ア-5等と併せて訂正事項サ-4の付加的限定がされた本件訂正後の従属請求項13については,「所定の態様」のうち一つの単独入賞役を除く全てがメインリールで異なる種類の図柄が並び「特定の態様」となることが限定されているから,訂正事項ア-5等における「特定の態様」の用語の技術的意義を参酌するか否かにかかわらず,特許明細書等に記載された事項の範囲を超えるものではない。そのため,訂正事項ア-5等による独立請求項の訂正を,従属請求項についてのみ認めることが可能か否かという,理論的な問題をひとまず別とするのであれば,本件訂正後の請求項13に係る発明は,各請求項ごとの発明としては,訂正事項ア-5等を含む本件訂正を認められたうえで,無効理由の存否が検討されてよい位置づけを有するものとも言い得る。
本件無効審判事件におけるこれらの具体的事情を総合的に勘案すれば,訂正事項ア-5等は,仮に「特定の態様」の用語の技術的意義を参酌しないとしても,特許明細書等の記載の総合に対して,実際上特段の意味がある技術的事項が追加されたと評価すべき程の事項ではない。

(エ)訂正事項ア-5等が新規事項の追加か否かの判断
以上のとおりであるから,訂正事項ア-5等は,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項の規定に違反するものではないと判断する。

2.3. 独立請求項における本件訂正の認否の結論
以上より,本件訂正のうち,独立請求項1?3及び9についての訂正は,いずれも特許法134条の2第1項ただし書1号の規定に適合する。また,独立請求項1?3及び9は,いずれも特許無効審判の請求がされている請求項であるから,同法同条5項の規定により,同法126条5項の準用はない。さらに,これらの訂正事項については特許明細書等に記載した事項の範囲内であり,実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものでもないから,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項及び4項の規定にも適合する。
よって,独立請求項1?3及び9についての本件訂正は,これを認める。

3. 従属請求項及び明細書の訂正について
3.1. 請求項4について
訂正事項エ-1及び訂正事項エ-2は,表示列であるサブリールが複数あることを特定し,サブリールの回転速度の検知が各々のサブリールについて行われることを特定した点で,訂正前の発明を限定したものである。そのため,これらの訂正事項は特許法134条の2第1項ただし書1号の規定に適合する。
そして,請求項4は特許無効審判の請求がされている請求項であるから,同法同条5項の規定により,同法126条5項の準用はない。また,これらの訂正事項については,特許明細書等に記載した事項の範囲内であり,実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものでもないから,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項及び4項の規定にも適合する。
よって,請求項4についての本件訂正は,これを認める。

3.2. 請求項10?12,及び請求項14について
訂正事項カ-1?訂正事項カ-3,及び訂正事項ク-1は,それぞれ,請求項10?12及び14を削除するものである。そのため,これらの訂正事項は特許法134条の2第1項ただし書1号の規定に適合する。そして,請求項10?12及び14は無効審判の請求がされていた請求項であるとともに,請求項の削除は,訂正前の請求項に係る発明を訂正によって瑕疵ある発明へと変えるものではないから,同法同条5項の規定により,同法126条5項の準用はない。また,請求項の削除は新たな技術的事項を導入するものではなく,実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものでもないから,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項及び4項の規定にも違反はない。
よって,請求項10?12及び請求項14を削除する本件訂正は,いずれもこれを認める。

3.3. 請求項13について
訂正事項キ-1において,請求項の番号を訂正した点は,請求項10?12の削除に応じて請求項番号を整理したものであるから,特許法134条の2第1項ただし書3号の規定に適合する。
また,訂正事項キ-2における「前記第1表示手段は前記メインリールを複数備え,・・・前記停止操作信号を各々出力し,」なる記載事項の削除は,従属先請求項である独立請求項1?3及び9において,訂正事項ア-1,訂正事項ア-2,及び訂正事項ア-4等によって同様の発明特定事項が補われているから,訂正前の発明の拡張には該当せず,重複する記載を整理したものと認められる。そのため,特許法134条の2第1項ただし書3号の規定に適合する。
訂正事項キ-3における従属先請求項の削減は,請求項10?12の削除に対応するとともに,訂正前の発明から削除された請求項に従属する部分を除くものであるから,特許法134条の2第1項ただし書1号及び3号の規定に適合する。
そして,請求項13は特許無効審判の請求がされている請求項であるから,同法同条5項の規定により,同法126条5項の準用はない。また,これらの訂正事項については,特許明細書等に記載した事項の範囲内であり,実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものでもないから,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項及び4項の規定にも適合する。
よって,請求項13についての本件訂正は,これを認める。

3.4. 請求項15について
訂正事項ケ-1において,請求項の番号を訂正した点は,請求項10?12の削除に応じて請求項番号を整理したものであるから,特許法134条の2第1項ただし書3号の規定に適合する。
また,訂正事項ケ-2における「前記第1表示手段は前記メインリールを複数備え,・・・設けられており,」なる記載事項の削除は,従属先請求項である独立請求項1?3及び9において,訂正事項ア-1及び訂正事項ア-4等によって同様の発明特定事項が補われているから,訂正前の発明の拡張には該当せず,重複する記載を整理したものと認められる。そのため,特許法134条の2第1項ただし書3号の規定に適合する。
訂正事項ケ-3は,従属先の独立請求項1?3及び9において,「所定の態様」を「役に入賞」する態様とする訂正を行ったことに対応し(当審注,訂正事項ア-5等),「遊技媒体を払い出す」こととなる場合の停止態様について表記を改めたものであるから,特許法134条の2第1項ただし書3号の規定に適合する。
訂正事項ケ-4は,訂正事項ケ-5の記載を追加するために文章の区切りを変えただけであるから,独立して訂正目的を検討されるべき事項ではなく,訂正事項ケ-5は,各表示列と各メインリールの図柄の対応付けに関する特定を追加した点で,訂正前の発明を限定しているから,特許法134条の2第1項ただし書1号の規定に適合する。
訂正事項ケ-6における従属先請求項の削減は,請求項10?12の削除に対応するとともに,訂正前の発明から削除された請求項に従属する部分を除くものであるから,特許法134条の2第1項ただし書1号及び3号の規定に適合する。
そして,請求項15は特許無効審判の請求がされている請求項であるから,同法同条5項の規定により,同法126条5項の準用はない。また,これらの訂正事項については,特許明細書等に記載した事項の範囲内であり,実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものでもないから,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項及び4項の規定にも適合する。
よって,請求項15についての本件訂正は,これを認める。

3.5. 請求項16について
訂正事項コ-1及びコ-2において,請求項の番号及び従属先請求項の番号を訂正した点は,請求項10?12及び14の削除に応じた請求項番号の整理であるから,特許法134条の2第1項ただし書3号の規定に適合する。
そして,これらの訂正事項については,特許明細書等に記載した事項の範囲内であり,実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものでもないから,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項及び4項の規定にも適合する。
よって,請求項16についての本件訂正は,これを認める。

3.6. 請求項17について
訂正事項サ-1において,請求項の番号を訂正した点は,請求項10?12及び14の削除に応じて請求項番号を整理したものであるから,特許法134条の2第1項ただし書3号の規定に適合する。
また,訂正事項サ-2における「前記第1表示手段は前記メインリールを複数備え,・・・設けられ,」なる記載事項の削除は,従属先請求項である独立請求項1?3及び9において,訂正事項ア-1及び訂正事項ア-2等によって同様の発明特定事項が補われているから,訂正前の発明の拡張には該当せず,重複する記載を整理したものと認められる。そのため,特許法134条の2第1項ただし書3号の規定に適合する。
訂正事項サ-3は,「図柄の配置」と「図柄」とが対応付けられているとする点で訂正前の記載が不明りようであったところ,当該不明りような点を釈明したものと認められるから,特許法134条の2第1項ただし書3号の規定に適合する。
訂正事項サ-4は,従属先請求項である独立請求項1?3における訂正事項ア-5等中の「所定の態様」及び「特定の態様」に関して,さらに,「所定の態様」は一つの態様が左リールを除き任意図柄である単独入賞役であり,残る態様がメインリールの入賞ライン上で異なる種類の図柄が並ぶことで訂正事項ア-5等にいう「特定の態様」となっていることを追加的に特定した点で,訂正前の発明を限定しているから,特許法134条の2第1項ただし書1号の規定に適合する。
そして,請求項17は特許無効審判の請求がされている請求項であるから,同法同条5項の規定により,同法126条5項の準用はない。また,これらの訂正事項については,特許明細書等に記載した事項の範囲内であり,実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものでもないから,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項及び4項の規定にも適合する。
よって,請求項17についての本件訂正は,これを認める。

3.7. 請求項18,19について
訂正事項シ-1及びシ-2,ならびに訂正事項ス-1及びス-2において,それぞれ請求項の番号及び従属先請求項の番号を訂正した点は,請求項10?12及び14の削除に応じた請求項番号の整理であるから,特許法134条の2第1項ただし書3号の規定に適合する。
そして,これらの訂正事項については,特許明細書等に記載した事項の範囲内であり,実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものでもないから,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項及び4項の規定にも適合する。
よって,請求項18及び19についての本件訂正は,いずれもこれを認める。

3.8. 明細書について
訂正事項セ-1による段落【0012】の訂正は,本件訂正後の独立請求項1の記載との不整合が生じることで明細書の記載が不明りようとなることを防ぐものであるから,明りようでない記載の釈明を目的とするものであり,特許法134条の2第1項ただし書3号の規定に適合する。また,訂正事項セ-1中には,請求人が新規事項の追加であると主張した訂正事項ア-5等と同じ記載も含まれるが,訂正事項ア-5等については先に検討したとおり新規事項の追加と判断すべきものではなく,これと同様の記載を含めた訂正事項セ-1も,特許明細書等に記載した事項の範囲内と言い得る。そのため,訂正事項セ-1は特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項の規定にも適合する。
訂正事項セ-2による段落【0013】の訂正は,本件訂正後の独立請求項1?3及び9の全てにおいて,メインリールの数が複数と特定されたことに対応して,メインリールの数が単数であっても良い旨の記載を削除し,特許請求の範囲における記載との不整合を防止するものであるから,特許法134条の2第1項ただし書3号の規定に適合する。また,特許明細書等に記載した事項の範囲内であるから,特許法134条の2第5項で準用する同法126条3項及び4項の規定にも適合する。
そして,これらの訂正事項については,実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものではないから,特許法134条の2第5項で準用する同法126条4項の規定にも適合する。
よって,段落【0012】及び【0013】についての本件訂正は,いずれもこれを認める。

4. 本件訂正の認否判断のまとめ
以上のとおりであるから,本件訂正を全て認める。


第5 本件審判請求についての判断
1. 本件発明の認定
1.1. 特許請求の範囲における記載
本件訂正は全て認められるので,本件特許の各請求項に係る発明は,本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲における【請求項1】?【請求項15】に記載された事項によって特定されるべきものである。そしてその記載は,先に「第3 2.」において,一部の誤記を正したうえで,それぞれ「2.1.請求項1(請求項1’)」?「2.15.請求項15(請求項19’)」として示したとおりである。
これ以降,当該記載により特定される発明を,「本件発明1」?「本件発明15」といい,これらを総じて「本件発明」ということとする。また,これ以降は本件訂正後の特許請求の範囲,明細書及び図面を総じて「本件明細書等」ということとする。

1.2. 認定についての補足
本件発明の認定について,若干の補足を行う。
(1)「表示列」と「サブリール」について
特許請求の範囲の各所における「表示列」については,本件発明4の構成要件(4a)において「サブリール」であることが特定される場合があり,本件発明5の構成要件(5a)において「画像表示装置に画像として表示」されたものであることが特定される場合がある。そのため,「表示列」については,「サブリール」及び画像表示によるいわゆる「ビデオリール」の両者を含む,上位概念であると解することとする。
また,本件発明4及び本件発明9における「サブリール」については,先に述べた画像表示による場合との対比から,機械式のサブリールである趣旨と解することとする。

(2)「態様」について
本件発明1?3,9及び13における,構成要件(1F)?(1G),(2F)?(2G),(3F)?(3G),(9F)?(9G)及び(13b)中では,「所定の態様」,「特定の態様」及び「停止態様」の語が用いられている。これらの語に含まれる「態様」の語について,被請求人は,たとえば「チェリー役」のように任意図柄の部分を有することで具体的な図柄の組合せパターンが多数存在する場合については,当該具体的な図柄組み合わせパターンのそれぞれが一つ一つの「態様」であって,一つの「チェリー役」の中には多数の「所定の態様」が包含されていると主張している。
しかしながら,上記被請求人の主張は,本件発明13の構成要件(13b)における「一つの態様は,・・・」なる記載と明らかに矛盾する。また,本件明細書等における前記明細書記載事項(う)の抜記中の段落【0069】における記載との整合性からしても,任意図柄を有する入賞役については,当該任意図柄の部分であり得る具体的な組合せパターンを総じて,一つの「態様」であることが明らかである。なお,本件訂正の許否判断において,「第4 2.2.(2) ウ.」中の「(ア)「チェリー役」について」で述べた事情は,本件明細書等においてもそのまま妥当する。
したがって,本件発明1?3,9及び13における「態様」の語は,任意図柄を有する入賞役について,任意図柄の部分で偶然あり得る個々のパターンを指す趣旨ではないと解する。被請求人はこれに反する主張をしているが,当該主張は失当であって,認められない。

(3)「特定の態様」について
本件発明1?3及び9における,構成要件(1F),(2F),(3F)及び(9F)中の「特定の態様」の語については,本件訂正の認否判断において,「第4 2.2.(2) エ」中の「(イ)「特定の態様」について-その1,主位的判断」で述べた事情,及び,「(ウ)「特定の態様」について-その2,予備的検討」で述べた事情の両方を考慮することとする。
すなわち,「特定の態様」の語は,主位的には,「所定の態様」には任意図柄を有して図柄並びの同種あるいは異種といった指定の対象とならない性質の「所定の態様」もあり得るところ,そのような例外的性質を有さない「所定の態様」を識別して指す趣旨であり,そのため構成要件(1F)等は,任意図柄を有さない「所定の態様」の全てが「特定の態様」として,メインリールでは異なる種類の図柄が並ぶ態様となり,表示列では同じ種類の図柄が並ぶ態様となる趣旨と解することとする。そして予備的には,「特定の態様」の語には前述のような意義はなく,構成要件(F1)等は,単に「所定の態様」の中に,メインリールで異なる種類の図柄が並び,サブリールで同じ種類の図柄が並ぶこととなる「所定の態様」が1つでもあればよい趣旨と解した場合についても,必要に応じて考慮することとする。進歩性の無効理由1及び6を検討するうえでは,より限定された主位的解釈において進歩性が肯定された場合に,予備的検討も考慮することとする。

(4)「前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行」について
本件発明1?3及び9における構成要件(1H),(2H),(3H)及び(9H)に,「前記メインリールの回転中に,・・・第1処理と,・・・第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し・・・前記第2表示手段を制御する第2制御手段」とある点は,「第1処理」または「第2処理」のいずれか一方が選択されたうえでの実行,あるいは「第1処理」と「第2処理」とが途中で切り換えられる形の複合形態が選択されたうえでの実行が,メインリールの回転中に行われる趣旨と解することとする。
なお,「選択的に実行」については,かような選択が抽選手段の抽選結果に基づいていれば,選択された処理の「実行」の主体が「第2制御手段」であれば足りると解することがまずは妥当である。ただし,「選択」及び「実行」の両動作の主体がいずれも「第2制御手段」であると解することもできるので,そのような解釈に立つ場合も検討に含めることとする。
しかしながら,本件発明11の構成要件(11b)における「演出調整時間」は,第2表示手段の演出上の選択要素であるのみならず,払出の開始制御にも用いられている。このように,演出上の選択肢というのみでなく,遊技全体の統括にも影響を与える選択肢については,スロットマシンにおいては主たる制御基板,すなわち本件発明の構成要素でいえば「第1制御手段」の側で決定すべきものであり,本件明細書等においても,前記明細書記載事項お.中の段落【0121】に示されるように,「メインCPU31」が決定している。
そのような事情も考慮すれば,仮に本件発明の「第2制御手段」について,「選択的に実行」の「選択」部分も担当すると解するにしても,演出上の選択肢が遊技全体の統括に影響する場合にまで,全ての「選択」を「第2制御手段」が担当すると解することは妥当ではない。そのため,第2制御手段が担当する「選択」は,あくまで遊技自体には影響を与えない範囲に止まる趣旨と解することとする。

(5)「表示列」または「サブリール」の停止について
本件発明1?3及び9の構成要件(1H),(2H),(3H)及び(9H)においては,「前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列(サブリール)の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段」とある。
これらの記載については,本件発明11?12において,最後の停止操作から所定の「演出調整時間」内で第2表示手段の可変表示が継続することが予定されていることからすれば,各表示列または各サブリールの停止が,各メインリールの停止と常に同時となる趣旨と解することは妥当ではない。また,本件明細書等においても,前記明細書記載事項(い)中の段落【0043】及び【0044】,並びに前記明細書記載事項(き)中の段落【0183】の記載が示すように,入賞時のメインリール及び表示列(サブリール)の停止図柄をそれぞれ異種及び同種の並びと指定する技術的事項との関係では,表示列(サブリール)の停止は,専らメインリールの停止より遅れることが想定されていると言い得る。
そのため,構成要件(1H)等における「前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段」なる発明事項は,「停止させるように・・・制御する」との記載のとおり,表示列あるいはサブリールの実際の停止が,対応するメインリールの停止と必ず同時となる趣旨ではなく,停止させる「よう」な制御が行われば足りる趣旨と解することとする。
すなわち,第1制御手段が回転を停止させるメインリールについて,当該メインリールに対応する表示列に対して,回転を停止させるような第2制御手段の制御動作を実行させる契機が生じれば足りる趣旨であり,その結果として各表示列が実際に停止する時期については,対応する各メインリールの停止に対して,若干の遅れあるいは「演出調整時間」の範囲内での遅れを有する場合,ほとんど遅れずほぼ同時となる場合の,いずれも適宜にあり得る趣旨と解することとする。

2.無効理由6について-その1
-概要,及び各証拠に記載される事項の認定
2.1. 無効理由6の概要
事案に鑑み,無効理由6から検討する。
無効理由6は,本件発明は甲第1号証,甲第6号証,甲第11号証,特開2002-315910号公報,特開2002-204850号公報に記載された発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであり,その特許は同法123条1項2号に該当し無効とされるべきである,というものである。
なお,請求人は平成22年1月8日付け弁駁書において,本件発明は無効理由6により無効とされるべきとの意見を述べている。被請求人は,平成21年11月30日付け意見書において,本件発明は無効理由6により無効とされるべきではないと主張している。
以下では,特開2002-315910号公報を「引用例1」といい,特開2002-204850号公報を「引用例2」ということとする。

2.2. 甲第1号証の記載事項
請求人による主たる提出証拠であり,無効理由6の証拠ともされた,本件出願日前に公知の刊行物である甲第1号証(特開2002-143395号公報)には,以下の各記載がある。
なお,以降は本審決中において甲第1号証を「甲1」と略すこととする。また,甲1について抜記した各記載事項を,簡便のため単に「前記甲1記載事項(あ)」等と表記して言及する場合がある。

・甲1記載事項(あ) 従来の技術
「【0002】
【従来の技術】<スロットマシン>遊技台として,スロットマシンを例にとると,従来のスロットマシンは,複数の絵柄を外周面に備えたリールを複数列備えており,メダルが投入され,スタートレバーが操作されると,このリールが回転を開始すると同時に,遊技の勝敗を決定する入賞役の抽選(以下,内部抽選という)を遊技台内部の制御部により行う。このような遊技台は,上述した内部抽選により何らかの入賞役に内部当選したと判断された場合は,その入賞役に対応する絵柄組合せが所定の有効ライン上に揃い易くなるようにリール停止制御を行う。
【0003】そして,遊技者が各リールに対応するストップボタンを押下し,全てのリールが停止すると,制御部は,リール絵柄表示窓上に表示された絵柄の組合せを判断し,入賞有効ライン上に何らかの入賞役に対応した絵柄組合せが停止していた場合,メダル払出装置(以下,ホッパーという)を制御して,その入賞役に応じた所定枚数のメダルを,メダルの払出口からスロットマシン本体に取り付けられたメダル受皿へ払い出し,これにより1回のゲームが終了する。
【0004】一般に,入賞役の種類には,小役,リプレイ役(再遊技),レギュラーボーナス(特殊遊技:以下,RBと称す),ビックボーナス(特別遊技:以下,BBと称す)等がある。
【0005】以下の説明では,小役,リプレイ役,RB,BBの各入賞役に対応する絵柄組合せを構成する絵柄を,それぞれ,小役絵柄,リプレイ絵柄,RB絵柄,BB絵柄という。これら入賞役のうち,RBまたはBB(以下,まとめてボーナスという)に入賞すると,通常時のゲームとは態様が異なるRBゲームまたはBBゲーム(以下,まとめてボーナスゲームという)へ移行する。
【0006】このボーナスゲームでは,多くのメダルを獲得できるという特典が遊技者に与えられているので,遊技者にとって如何に多くのボーナスを入賞させるかがゲームの興趣を決める最大の要因となっている。
【0007】さらに,従来のスロットマシンでは,遊技台の表面に音声発生装置や,ランプ,7セグメント表示器等の表示装置を設け,例えば,再遊技に入賞したことを示す表示,ボーナスに内部当選したか否かの情報の表示,ストップボタンの有効/無効を示す情報など,遊技台の内部情報やゲーム状態等を各ゲーム状況に応じて上述の各種表示装置に表示することによって,遊技者がスムーズにゲームが進行できるようにしている。
【0008】また,この種のスロットマシンの中には,リールの上部または側部に,複数種類の絵柄を有する補助リール(以下,サブリールという)を1つ設け,遊技台の内部情報を表示する表示装置として使用しているものもある。このサブリールは,遊技台の内部情報の表示装置としての機能を有すると共に,その動きによって遊技者に,ボーナス内部当選への期待を抱かせる演出装置としての機能も有している。
【0009】さらに,スロットマシンの中には,ボーナスに内部当選した時点から,当該内部当選したボーナス図柄が入賞ライン上に揃うまでのゲーム中に,演出の出現頻度を高くし,集中して演出が行われるようにしたものも知られている。この場合,演出が連続して行われる傾向が強くなり,これによって遊技者は,ボーナスに内部当選していることを察知することができるようになる。」

・甲1記載事項(い) 解決しようとする課題
「【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来の遊技台では,サブリールが1つの場合は絵柄の表示内容やサブリールの動作が単調になってしまい演出内容が短期間で遊技者に飽きられてしまうという問題があった。また,遊技者が行った操作とは無関係にサブリールを自動停止していたため,サブリールによって示された情報は,遊技台が一方的に示した情報であるという印象が強く,ボーナス内部当選への期待感を増加させる演出としては,面白味に欠ける面があった。
【0011】また,そのような演出をボーナスの内部当選中に集中して発生させたとしても,遊技者に,ボーナスに内部当選したことを推察させることができる反面,集中して行われる演出に対して鬱陶しさを感じさせることにもなっていた。
【0012】更に従来の遊技台では,前述したような演出の集中をボーナスの内部当選中にのみ発生させていたため,遊技者にとっては演出の集中に関してボーナスの期待感というよりもむしろ,ボーナス内部当選の確認作業的な意味合いが強く,演出面で今一つ物足りないものがあった。
【0013】本発明の目的は,上記の従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって,本発明が解決しようとする課題は,サブリールを用いて,従来に比べ演出に関する興趣をより高めると共に,ボーナス内部当選への期待感をより高めることができることができる遊技台を提供するところにある。
【0014】また,本発明の他の目的は,ゲームを進める上で演出の集中が起きた場合に,ボーナスに内部当選しているか否かの期待感と,はずれのスリルをバランスよく体感することができる遊技台を提供することにある。」

・甲1記載事項(う) 外観構成例その1
「【0022】[スロットマシンの外観構成例]図1は本発明を適用した実施の形態におけるスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【0023】図1に示すスロットマシン本体100の中央部には,各々の外周面に特定絵柄を含む複数種類の絵柄を配列したリールが3個(左リール101,中リール102,右リール103)収納され,本体100の内部で回転できるように構成されている。以下,リール101?103をメインリールという。メインリール101?103の円周面には,それぞれ各種絵柄が適当数ずつ合計21個描かれている。
【0024】本実施の形態では,絵柄の種類が7つあり,その内訳はBB絵柄が2種類(「赤7」,「青7」),RB絵柄が1種類(「BAR」),小役絵柄が3種類(「チェリー」,「ベル」,「スイカ」),リプレイ絵柄が1種類(「Rep」)とする。また,以下では,BB絵柄とRB絵柄をまとめてボーナス絵柄という。
【0025】各メインリール101?103の絵柄は,本体100の正面のリール絵柄表示窓104?106より,各リール毎に縦方向に3つの絵柄を表示し,遊技者が見ることができるようになっている。従って,メインリールが停止した場合,リール絵柄表示窓104?106には,3×3の合計9個の絵柄が遊技者に表示されることになる。
【0026】また,各メインリールの裏側には,絵柄表示窓104?106にそれぞれ表示される絵柄を照らすためのバックライト(図示略)が,各リールに対応して絵柄表示窓の上・中・下段位置に対して1つずつ,3×3の合計9個配置されている。
【0027】なお,本実施の形態は,メインリールとして3個のリールを備えたスロットマシンを用いて説明しているが,メインリールの数や,メインリールの設置位置は本実施の形態に限定されるものではない。
【0028】図1の参照番号110は,複数のランプおよび7セグメント表示器で構成され,遊技台の状態,遊技台に貯留されたメダル枚数,BBまたはRB等のゲーム回数,入賞時に払い出されるメダル枚数等,ゲームを行う上で有用な情報を遊技者に示すための表示装置類である。
【0029】参照番号111は,絵柄表示窓104?106上に,何らかの入賞役に対応する絵柄組合せがあるか否かの判定基準となる,複数の入賞ラインのうち,ゲームで有効とみなされる入賞ライン(入賞有効ライン)を示す入賞有効ライン表示ランプである。
【0030】ここで,入賞有効ラインは,スロットマシンに投入されたメダルの枚数によって変化する。例えば,本実施の形態のように,リール絵柄表示窓の上・中・下段の各々に水平の入賞ラインと,右上がり及び右下がりの斜め入賞ラインの,計5本の入賞ラインを有するスロットマシンの場合,一般に,メダルを1枚投入した時は中段の水平入賞ライン1ライン,メダルを2枚投入した時は中段の水平入賞ラインに上下段の水平ライン2ラインを加えた3ライン,メダルを3枚投入した時は更に右上がり及び右下がりの斜め入賞ラインを加えた5ラインが入賞有効ラインとなる。
【0031】なお,入賞ラインの数はこれに限らず,リール絵柄表示窓104?106に表示される絵柄の組合せ数により入賞ライン数を定義してもよい。すなわち,図1に示すスロットマシンにおいては,1リールあたり,縦に3コマ分表示されているが,例えば,各リール毎に縦に4コマ分ずつ表示する場合は,入賞ライン数を8本(水平ライン4本,右斜めのライン2本,左斜めのライン2本)に増やしてもよい。
【0032】参照番号120はゲームを開始するに当たって遊技者がメダルを投入するメダル投入口である。
【0033】参照番号121は,スロットマシン本体100内に貯留されているメダルを精算して排出するための精算ボタンと,遊技者が入賞により獲得したメダルを例えば50枚までクレジットとして貯留するか否かを切り換えるためのクレジット切換ボタンの,両方を兼用しているクレジット兼精算ボタンである。
【0034】参照番号122,123,124はクレジットからのクレジットベットボタンであり,122はメダル1枚掛ボタン,123はメダル最大2枚掛ボタン,124はメダル最大3枚掛ボタンである。これら各ボタンを押下することにより1回のゲームに1?3枚のメダルがスロットマシン本体100内に貯留されているメダルの中から遊技台に投入(ベット)される。
【0035】参照番号125はゲームを開始させるためのスタートレバーであって,これを操作すると,各々のメインリール101?103が一斉に回転を開始すると同時に遊技台内部の主制御部(後述する)では乱数抽選が行われる。
【0036】参照番号126?128はメインリール101?103を停止させるためのストップボタンで,各メインリールに対応して備えてある。即ち,左メインリール101に対しては左リールストップボタン126,中メインリール102に対して中リールストップボタン127,右メインリール103に対して右リールストップボタン128が対応している。」

・甲1記載事項(え) 外観構成例その2
「【0039】参照番号140?142は,本実施の形態におけるスロットマシンの各種情報を表示すると共に,その動きによってボーナスの内部当選への期待感を高める演出を行うために使用されるサブリールである。
【0040】これらサブリールは,メインリール101?103の各々と対応付けられており,本実施の形態では,左サブリール140が左メインリール101に,中サブリール141が中メインリール102に,右サブリール142に対応付けられている。
【0041】各サブリールには,例えば,メインリール101?103に描かれた各絵柄の種類に対応する絵柄(同じ絵柄,似た絵柄,異なっているが関連する絵柄等予め定めた対応する絵柄)がそれぞれ1つずつ描かれており,そのうちの1コマ分の絵柄が,遊技者に対して表示されるようになっている。本実施の形態では,サブリール140?142の各々の絵柄配列は,3つのサブリール全て同様に図2に示す絵柄となっているが,サブリールごとに絵柄配列を変えてもよいことはいうまでもない。
【0042】また,本実施の形態では図2に示すように各サブリールに6種類の絵柄が1つずつ描かれている。ここで,メインリールには2種類のBB絵柄(「赤7」と「青7」)があるが,メインリールのこれら2種類のBB絵柄に対応するサブリールの絵柄としては絵柄番号1の「黒7」が対応する。また,各サブリールの内部(リールの内側)には,メインリール101?103と同様,サブリール上の絵柄を裏側から照明するバックライト(図示略)が設置されている。
【0043】さらに,サブリール上の各絵柄には絵柄番号(図2では,1?6)が付与されており,サブリールの回転制御は,これらの絵柄番号に基づいて行われる。
【0044】なお,本実施の形態では,サブリール上の絵柄はすべてメインリール上の絵柄種類に対応しているが,メインリールと対応しない絵柄のみで構成しても,メインリールの絵柄と対応する絵柄と対応しない絵柄とで構成してもよい。
【0045】また,本実施の形態では,各サブリールにおいて絵柄を1コマ分表示するように構成しているが,(必要ならばサブリールの径を大きくし)サブリールの絵柄表示範囲を縦方向に広くして,複数コマ分の絵柄を表示可能とすることもできる。
【0046】また,図1では,各サブリールとメインリールとの対応が明確となるように,各サブリールを,それぞれ対応するメインリールの上部に設置しているが,メインリールとの対応付けがなされていれば,サブリールの設置位置はこれに限定されるものではなく他の位置であってもよい。
【0047】例えば,各サブリールを,各リール絵柄表示窓104?106の下側(表示装置類110が配置されている個所)に配置してもよい。
【0048】他の例としては,サブリールを縦に3個連ねて,リール絵柄表示窓106の右側(図1中,連動演出ランプ143(後述する)がある位置),もしくは,左側(入賞有効ライン表示ランプ111がある位置)に配置してもよく,このような場合は,例えば上段のサブリールを左メインリール101に,中段のサブリールを中メインリール102に,下段のサブリールを右メインリール103に対応付ければよい。
【0049】また本発明では,サブリールの数はメインリールの数と同数であれば良く,3個に限定されるものではない。例えば,メインリールの数が4個になればサブリールの数も4個となる。」

・甲1記載事項(お) 制御部の構成例その1
「【0053】[制御部の構成例]図3を参照し,本実施の形態におけるスロットマシン100の制御部の構成について説明する。
【0054】参照番号300は遊技全体を制御する主制御部であり,参照番号400は遊技全体を盛り上げるための演出用のランプ類(例えばバックライト等)及びサブリール140?142の駆動/停止制御を行う副制御部である。
【0055】本発明の実施の形態では,各サブリールの駆動/停止の制御を副制御部400で行った場合について説明するが,主制御部300で行うようにしてもよい。以下本実施の形態における主制御部300と副制御部400の構成について図3を参照して詳細に説明する。
【0056】<主制御部300>参照番号310は,本実施の形態のスロットマシンにおける制御の中枢となるマイクロプロセッサ(以下,MainCPUと称す)であり,バス330を介して周辺部との制御信号やデータの受渡しを行う。
【0057】参照番号311は内部抽選に用いられる乱数を発生する乱数発生器であり,バス330を介して,MainCPU310に接続されている。
【0058】参照番号312は,メダル投入口120より投入された遊技メダルを検知るためのメダルセンサー,参照番号313は遊技者がメインリール101?103を停止させるために押下したストップボタン126?128の信号を検知するための停止ボタンセンサー,参照番号314は,スタートレバー125が操作されたことを検知するスタートレバーセンサー,参照番号315は,クレジットベットボタン122?124のいずれかが押されたことを検知するためのクレジットベットボタンセンサー,参照番号316は,ホッパーから補助タンクに溢れ出たメダルが規定量を超えたことを検知するためのオーバーフローセンサーである。これらセンサーは入力インターフェース317を経て,バス330を介し,MainCPU310と接続されている。
【0059】参照番号318は,本実施の形態におけるスロットマシンの主要部分の制御を行うためのプログラムや,メインリール101?103の停止制御を行うための制御データおよびデータテーブル等を記憶したROM(リード・オンリー・メモリ)である。
【0060】参照番号319は,MainCPU310によって処理されるプログラムのワークエリアを有し,可変データ等を記憶するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)である。
【0061】参照番号320は,メインリール101?103の回転あるいは停止を行うモーターを制御するためのモーター制御部,参照番号321は,メダルの払い出しを行うホッパーを制御するためのホッパー制御部であり,これらは入出力インターフェース322を経てバス330を介してMainCPU310へ接続されている。
【0062】参照番号323は,図1に示す表示装置類110および入賞有効ライン表示ランプ111を制御する表示制御部であって,バス330と出力インターフェース324を介してMainCPU310と接続されている。
【0063】なお,ストップボタン126?128の内部にランプを設け,このランプを発光することによりリール停止操作の受付許可を遊技者に通知することや,ベットボタン122?124の内部にランプを設けて,このランプを点滅することによりメダルの投入を促す制御を行う場合,これらのランプの表示の制御を,表示制御部323によって制御するようにしてもよい。
【0064】参照番号325は出力インターフェースであり,MainCPU310の指示に基づいてサブリール140?142の動き,および,各メインリールおよびサブリールのバックライトや音声等を用いた演出内容を指定する演出コマンドと,サブリール140?142の回転停止を指示する停止コマンドとを,副制御部400へ出力する。ここで,演出コマンドおよび停止コマンドについては,後で詳しく説明する。」

・甲1記載事項(か) 制御部の構成例その2
「【0065】<副制御部400>参照番号410は,出力インターフェース325を介して主制御部300から出力された演出コマンドおよび停止コマンドを,入力インターフェース416で受け,バス430を介して受信し,これら各種コマンドの内容に応じてその周辺部と制御信号等のデータの受渡しを制御するマイクロプロセッサ(以下,SubCPUと称す)である。
【0066】参照番号411は,SubCPU410の指示に従って,各メインリール及びサブリールの内部に設置されたバックライト等の,点灯/点滅/消灯制御を行うバックライト制御部である。
【0067】参照番号412は,SubCPU410の指示に従って,連動演出ランプ143の点灯/消灯制御を行う連動演出ランプ制御部である。
【0068】これらの制御部は出力インターフェース413を経てバス430を介してSubCPU410へ接続されている。
【0069】参照番号414は,SubCPU410の指示に従って,各サブリール140?142の駆動/停止を行うためのモーターを制御するモーター制御部であり,入出力インターフェース415を経てバス430を介してSubCPU410へ接続されている。
【0070】参照番号417は,入力インターフェース416を介して受信した演出コマンドおよび停止コマンドに従って,各種リールのバックライト,連動演出ランプ143等の照明装置,サブリール140?142の回転/停止制御,および,効果音やBGM等の音楽の制御を行うためのプログラムや,各種制御データ等を記憶したROMである。
【0071】参照番号418は,SubCPU410によって処理されるプログラムのワークエリアを有し,可変データ等を記憶するRAMである。
【0072】参照番号419は,SubCPU410から受け渡された制御信号やデータに基づいて楽音信号を形成し出力する楽音信号形成部である。楽音信号形成部419から出力された楽音信号は,アンプ420で増幅された後にスピーカー421から音として出力される。
【0073】なお,上述した副制御部400で行われる処理を,主制御部300において一括して行うようにしても良い。」

・甲1記載事項(き) ゲーム概要
「【0074】[本発明の適用例]次に本実施の形態として具体的な適用例を挙げ,以下詳細に説明する。
【0075】<ゲーム概要>スロットマシンを例にとった本実施の形態のゲーム概要について図1を用いて説明する。なお,以下の説明では,遊技者が最初に行った停止操作を第1停止操作,2番目に行った停止操作を第2停止操作,最後(3番目)に行った停止操作を第3停止操作という。
【0076】本実施の形態におけるスロットマシンは,遊技者がメダル投入口120からメダルを投入し,スタートレバー125を操作することによりゲームを開始する。ゲームが開始すると,内部抽選が行われると共に,メインリール101?103が一斉,又はランダムに回転を開始する。
【0077】また,サブリール140?142も主制御部300から出力された演出コマンド(後述する)に従って回転を開始する。この時,サブリール専用停止ボタン144(または,前述したそれに代わる手段)が操作された場合,副制御部400において,直ちに全サブリールを停止させるようにしてもよい。
【0078】メインリール101?103の回転速度が所定の速度に達すると,メインリール101?103の各々に対応して設けられたストップボタン126?128の操作が有効化される。これにより,遊技者がこれらのボタンを押下すると,対応するメインリールの回転が,内部抽選の結果に応じて適宜停止する。
【0079】また,各サブリールは,主制御部300から出力された停止コマンド(後述する)に従い,対応するメインリールの停止に伴って停止していく。すなわち,サブリールについても,メインリールと同様,対応するストップボタンの押下に応じて停止することになる。
【0080】メインリール101?103の全てが停止した時に,メダルの投入枚数に応じて予め決められている入賞有効ライン上に停止した絵柄の組合せが所定の入賞絵柄の組合せに該当していれば,各入賞役に対応して予め定められた配当率のメダル枚数が受皿132に払い出され,1回のゲームが終了する。
【0081】また,サブリール140?142が全て停止した時に,所定位置(ここでは,サブリールの絵柄が表示される位置を指す)に同じ種類のボーナス絵柄が揃って表示されていれば,そのボーナスに内部当選したことが確定する(内部当選の報知)。
【0082】なお,各サブリールの回転方向は,ある時は正転,またある時は逆転させるようにしてよいし,各サブリール間で回転方向を各々異ならせてもよい。また,サブリールの回転中に回転速度を変更する(例えば,一定周期またはランダムに回転速度を速くしたり遅くしたりする)ようにしてもよい。さらに,サブリールを毎ゲーム,必ず回転するようにしてもよいし,予め定められた確率に応じて回転させるようにしてもよい。
【0083】また,各サブリールにおいて,複数コマ分の絵柄を表示可能とした場合は,例えば,メインリール側に設けられた入賞ラインと同様のラインをサブリール側にも設け,いずれかのライン上に同じボーナス絵柄が揃ったことにより,そのボーナスに内部当選したことを報知してもよい。上記「いずれかのライン」は,例えば,メダルの投入枚数に応じて予め決められているライン(この場合,当該ラインが「所定の位置」となる)としてもよい。
【0084】以上のように,本実施の形態では,サブリール140?142が回転した場合に,各メインリールを停止するための遊技者によるストップボタンの操作に合わせて,対応するサブリールが順次停止していくことになるので,例えば,第1停止時にサブリールにボーナス絵柄が停止し,第2停止時に,先に停止したサブリールのボーナス絵柄と同じボーナス絵柄が停止した場合,第3停止時におけるサブリールの停止絵柄によってはボーナスに内部当選していることが確定するので,遊技者は,停止操作を行う毎にボーナス内部当選への期待感を徐々に高めていくことができる。」

・甲1記載事項(く) 特殊な演出その1
「【0085】ここで,上述したサブリールによる演出(以下,通常演出という)は,ボーナスゲーム中以外のゲーム(以下,通常ゲームという)中に行われるが,本実施の形態では,通常ゲーム中において,通常演出以外にも,さらに遊技者の期待感を高める演出として,特殊演出,連動演出,および,演出の集中とを行う。
【0086】<演出の説明>次にサブリールを用いた演出の説明として,(1)特殊演出,(2)連動演出,および,(3)演出集中の内容についてそれぞれ説明する。
【0087】(1)特殊演出:特殊演出とは,各サブリールが,通常演出とは異なる動作をする演出であり,本実施の形態では大きく分けて6通りある。以下,各特殊演出におけるサブリールの動作について説明する。
【0088】(1-1)継続回転演出:通常演出においては,ストップボタン126?128の操作に応じて,メインリール並びに対応するサブリールが順次停止していく。
【0089】継続回転演出では,例えば第1,第2停止操作が行われた時には,それらの停止操作に応じて,メインリール並びに対応するサブリールの停止制御を行うが,第3停止操作がなされた時は,その停止操作に対応するサブリールの停止制御を,予め設定した時間が経過した後に開始する演出を行う。
【0090】以下に,この演出を行う場合の副制御部400における制御方法の一例を説明する。
【0091】(ア)演出コマンドにより指定されたサブリール停止絵柄組合せ(後述する)が“はずれ”であった場合,最初に受信した停止コマンド(以下,第1停止コマンドという)と,次に受信した停止コマンド(以下,第2停止コマンドという)とにより,「黒7」または「BAR」のどちらかの絵柄でリーチ状態となり,最後に受信した停止コマンド(以下,第3停止コマンドという)により,上記リーチ絵柄以外のどの絵柄を表示して停止するかを,予め抽選等で適宜決定する。
【0092】(イ)第1,第2停止コマンド受信時に,演出コマンドによって指定された絵柄(ただし“はずれ”の場合を除く:以下同様),もしくは,上記(ア)で決定した絵柄でリーチ状態となるように,第1,第2停止コマンドにより指示されたサブリール(以下,第1,第2停止サブリールという)の停止制御を行う。
【0093】(ウ)第3停止コマンドを受信すると,これに応じて最後に停止させるサブリール(以下,第3停止サブリールという)の停止制御を行わずに,所定時間,継続して回転させてから,第3停止サブリールの停止制御を行い,演出コマンドにより指定された絵柄または上記(ア)で決定した最終停止絵柄を表示させる。
【0094】なお,上記(ア)では,演出コマンドにより指定されたサブリール停止絵柄組合せが“はずれ”だった場合,副制御部400でサブリールの最終絵柄組合せを決定していたが,演出コマンドによって,はずれ絵柄の組合せ(第1,第2停止時のリーチ絵柄および第3停止時のはずれ絵柄)を指定するようにしてもよい。
【0095】また,上記(ウ)において,副制御部400内で,上記継続回転時間を,例えば,2秒,3秒,4秒というように複数定めておき,サブリールの停止制御を開始する前に,予め抽選により決定しておくようにしてもよい。この時,演出コマンドにより指定されたサブリール停止絵柄組合せが,“はずれ”,“BAR-BAR-BAR”,“7-7-7”の順に,継続回転時間が長くなる演出をするように抽選確率を定めておく。このようにすると,継続回転時間が長い程,ボーナス内部当選の期待が持てるという効果を得られる。また,この継続回転時間を主制御部300から副制御部400へ送出する演出コマンドによって指定することもできる。
【0096】また,バックライト制御部411によりリーチ状態になっているサブリールのバックライトを点滅制御する演出や,全サブリール停止時にボーナス絵柄が揃わなかった場合に全サブリールのバックライトを全て消灯する演出や,リーチ状態となった時に楽音信号形成部419から「リーチ」という音声を発生させる等の演出を行ってもよい。
【0097】また,上述した例では,第3停止時に継続回転制御を行っていたが,第1停止時または第2停止時に,対応するサブリールについて継続回転演出を行うようにしてもよい。また,継続回転演出が発生する条件を,第1,第2停止時にボーナス絵柄がリーチ状態になった時としていたが,第1,第2停止時にボーナス絵柄以外の絵柄が揃った場合や,同じ絵柄が揃わなかった場合にも継続回転演出を行ってもよい。」

・甲1記載事項(け) 特殊な演出その2
「【0098】(1-2)コマ送り演出:この演出は,サブリールの絵柄をコマ単位で送る演出で,例えば,2つのサブリールが停止した時にリーチ状態となった場合に,遊技者の第3停止操作により,第3停止サブリールを一旦停止し,その後,そのサブリールの絵柄を1コマずつ断続的に進めていく演出である。
【0099】以下に,このコマ送り演出を行う場合の副制御部400における制御方法の一例を説明する。
【0100】(ア)上述した「(1-1)継続回転制御」の(ア)と同様,演出コマンドにより指定されたサブリール停止絵柄組合せが“はずれ”であった場合,予め,第1停止コマンドと,第2停止コマンドとにより,「黒7」または「BAR」のどちらの絵柄でリーチ状態となるのかを抽選等で適宜決定し,さらに,第3停止コマンドにより停止・表示する絵柄を上記リーチ絵柄の1コマ手前の(すなわち,絵柄番号の値が1つ小さい)絵柄とする。
【0101】(イ)第1,第2停止コマンド受信時に,演出コマンドによって指定された絵柄,もしくは,上記(ア)で決定した絵柄でリーチ状態となるように,第1,第2停止サブリールの停止制御を行う。
【0102】(ウ)第3停止コマンドの受信時に,第3停止サブリールが第1,第2停止サブリールのリーチ絵柄を表示しないように第3停止サブリールの停止制御を行う。
【0103】(エ)演出コマンドによって指定された絵柄,もしくは,上記(ア)で決定した絵柄が表示されるまで,第3停止サブリールを1コマ分ずつ断続的に逆転させる。
【0104】この時,第3停止サブリールが動き出す直前に,第3停止サブリールに対応するメインリールのバックライトの点灯位置を下段から上段に向かって移動させ,あたかもバックライトの光がサブリールを回転させているように見せる演出により,遊技者の期待感を高めることができる。また,この点灯位置の移動の間,何らかの効果音を発生させる等の演出を行うことによりゲームを楽しくできる。
【0105】また,上記の説明では,コマ送りの回転方向を逆回転としたが,順回転させてもよいことはいうまでもない。また,コマ送り制御を行うにあたり,1絵柄分の移動と一時停止とを繰り返す代わりに,例えば,1コマ分移動する間に,前半の半コマ分を加速し,後半の半コマ分を減速させる(すなわち一時停止を行わない)ようにしてもよい。」

・甲1記載事項(こ) 特殊な演出その3
「【0106】(1-3)1コマ進み/戻り演出:2つのサブリールが停止した時にリーチ状態となった場合に,遊技者による第3停止操作にり停止したサブリールの絵柄が,リーチ絵柄の1コマ手前(またはリーチ絵柄を通り越して1コマ先)で停止し,更に停止したサブリールが再始動して1コマ進む(または1コマ戻る)演出である。
【0107】以下に,この演出を行う場合の副制御部400における制御方法の一例を説明する。
【0108】(ア)前述した「(1-1)継続回転制御」と同様,演出コマンドにより指定されたサブリール停止絵柄組合せが“はずれ”,“BAR-BAR-BAR”,“7-7-7”のいずれの場合であっても,第1停止コマンド受信時と,第2停止コマンド受信時には,それぞれ同じボーナス絵柄(演出コマンドにより“BAR-BAR-BAR”又は“7-7-7”が指定されていた場合は,その絵柄)がリーチ状態になるように,第1,第2停止サブリールの停止制御を行う。
【0109】(イ)第3停止コマンドを受信した場合,第3停止サブリールを,演出コマンドの内容に応じてリーチ状態になっている絵柄の1コマ手前または1コマ先の絵柄まで回転させた後,一旦停止させる。
【0110】(ウ)演出コマンドによりサブリール停止絵柄組合せが“はずれ”と指定されていた時は,上記(イ)で一旦停止した状態でサブリールの表示絵柄が確定する。一方,サブリール停止絵柄組合せが,“BAR-BAR-BAR”または“7-7-7”と指定されていた場合,第3停止サブリールがリーチ絵柄の1コマ手前で一旦停止した時は,第3停止サブリールを1コマ分正転させて,リーチ絵柄と同じ絵柄に合わせる。また,1コマ先で一旦停止した時は1コマ分逆転させて,リーチ絵柄と同じ絵柄に合わせる。
【0111】なお,上記(イ)では,第3停止サブリールをリーチ絵柄に対して1コマずらして一旦停止させたが,ずらすコマ数を2コマ以上としてもよい。また,上記(イ)において,全サブリールが一旦停止した時にサブリールの全バックライトを消灯させ,上記(ウ)において,例えば再始動中にサブリールおよびメインリールのバックライトをフラッシュさせて,遊技者の期待感を高める演出を行ってもよい。また,再始動後,最終的に“はずれ”が確定した場合,サブリールの全バックライトを数回点滅させるなどして,本演出が“はずれ”の結果をもって終了したことを,視覚的に遊技者へ報知してもよい。
【0112】また,演出で最終的にはずれとなる場合は,上記(ウ)の第3停止サブリールの再始動により,一旦,全サブリールの絵柄をリーチ絵柄に揃えた後,第1,第2停止サブリールに表示されたリーチ絵柄の方を1コマまたは所定コマ数ずらせるといった演出を行うことにより,ゲームを楽しくできる。
【0113】また,再始動時における第3停止サブリールの回転を,1ステップずつ小刻みに正転(または逆転)させることで,遊技者の期待感を高めることもできる。
【0114】さらに,上記(ウ)において,必ず再始動が発生するようにし,上記(イ)で,例えば1コマ先で一旦停止していた時は,再始動時に1コマ半分逆転させて(絵柄を戻して)再度一旦停止し,その状態から絵柄を揃える時は半コマ分絵柄を進め,揃えない時はさらに半コマ分戻して最終的に1コマ分ずらす演出もでき,更に期待感を高めることもできる。」

・甲1記載事項(さ) 特殊な演出その4
「【0115】(1-4)再始動演出:全サブリールが停止した時に,いずれのサブリールにもボーナス絵柄が表示されなかった場合,左サブリール140,中サブリール141,右サブリール142の順で,再始動と自動停止を順次1リールずつ行っていく演出である。
【0116】ここで,再始動中に左サブリール140にボーナス絵柄が停止しなかった場合,または,左サブリール140にはボーナス絵柄が停止したが,中サブリール141に,左サブリール140と同じボーナス絵柄が停止しなかった場合は,各々,その時点で本演出が終了する。
【0117】以下に,この演出を行う場合の副制御部400における制御方法の一例を説明する。
【0118】(ア)第1?第3停止コマンドの受信タイミングに応じて,全サブリールを一旦停止させる。このとき,演出コマンドにより指定されたサブリール停止絵柄組合せが“はずれ”,“BAR-BAR-BAR”,“7-7-7”のいずれの場合であっても,全てのサブリールに「黒7」または「BAR-BAR-BAR」以外の絵柄を表示し,なおかつ,それらの絵柄が揃わない様に,サブリールの停止制御を行う。
【0119】(イ)全サブリールが一旦停止した後,左サブリール140,中サブリール141,右サブリール142の順に,再始動と自動停止とを順次行っていく。すなわち,左サブリール140が再始動し,自動停止してから中サブリール141の再始動を行い,中サブリール141が自動停止してから右サブリール142の再始動を行う。
【0120】ここで,演出コマンドにより,サブリール停止絵柄組合せとして“はずれ”が指定されていた場合は,以下の制御を行う。
【0121】(a)最終的に表示される,はずれ絵柄の組合せを抽選等により選択,決定する。
【0122】(b)決定したはずれ絵柄の組合せに従って,まず,左サブリール140を再始動し,所定時間回転させた後,(a)で決定した左サブリール140の絵柄で停止させる。
【0123】(c)左サブリール140の停止絵柄が「BAR」または「黒7」以外の絵柄だった場合は,その時点で本演出が終了する。一方,左サブリール140の停止絵柄が「BAR」または「黒7」だった場合は,中サブリール141について上記(b)の制御を行う。
【0124】(d)中サブリール141の停止絵柄が左サブリール140の停止絵柄と異なっていた場合は,その時点で本演出が終了する。一方,中サブリール141の停止絵柄が左サブリール140と同じ絵柄だった場合は,右サブリール142について上記(b)の制御を行う。ただし,この場合,サブリール140?142には,最終的に上記(a)で決定した,はずれ絵柄の組合せが表示される。
【0125】一方,演出コマンドにより,サブリール停止絵柄組合せとして“BAR-BAR-BAR”または“7-7-7”が指定されていた場合は,先に説明した要領で,左サブリール140,中サブリール141,右サブリール142の順に,再始動と自動停止を繰り返し,演出コマンドにより指定された絵柄を揃えていく。
【0126】なお,上記(ア)において,一旦停止時のサブリールにおける絵柄組合せは,例えば,副制御部400のROM417内に,全サブリールに「黒7」または「BAR」以外の絵柄が表示され,かつ,それらの絵柄が揃わない様に停止可能ポイントが定められた,再始動演出専用の停止制御テーブルを格納しておき,それに基づいて停止制御を行って表示してもよいし,演出コマンドによって指定するようにしてもよい。
【0127】また,本演出において,各サブリールが再始動を開始する直前に,対応するメインリールのバックライトの点灯位置を下段から上段に向かって移動させ,あたかもバックライトの光によってサブリールが再始動を開始したような演出を行ってもよい。さらに,この点灯位置の移動の間,何らかの効果音を発生させる等の演出を行うと効果が大となる。」

・甲1記載事項(し) 特殊な演出その5
「【0128】(1-5)表示交互切換演出:例えば,全サブリールが一旦停止した後,ある絵柄(例:「黒7」)と,それとは異なる絵柄(例:「BAR」)とを交互に所定回数繰り返し表示する演出である。
【0129】以下に,この演出を行う場合の副制御部400における制御方法の一例を説明する。
【0130】(ア)第1?第3停止コマンドの受信タイミングに応じて,全サブリールを一旦停止させる。このとき,演出コマンドにより指定されたサブリール停止絵柄組合せが“はずれ”,“BAR-BAR-BAR”,“7-7-7”のいずれの場合であっても,全てのサブリールに「黒7」または「BAR」の絵柄が表示され,なおかつ,それらの絵柄が揃わない様に,サブリールの停止制御を行う。
【0131】以下に,この演出を行う場合の副制御部400における制御方法の一例を説明する。
【0132】(イ)一旦停止後,全サブリールを一斉に再始動させる。このとき,「BAR」絵柄を表示していたサブリールは1コマ分正転して「黒7」絵柄を表示し,また,「黒7」絵柄を表示していたサブリールは1コマ分逆転して「BAR」絵柄を表示するように回転制御を行う。以後,各リールにおいて上記正逆転のコマ送り制御を所定回数繰り返し,「黒7」と「BAR」絵柄を交互に切り換える。
【0133】(ウ)上記所定回数だけ表示切換を行った後,演出コマンドにより指定されたサブリール停止絵柄組合せが“はずれ”だった場合は,そのままの状態で(すなわち,絵柄が揃ってない状態)で本演出を終了する。
【0134】一方,演出コマンドにより指定されたサブリール停止絵柄組合せが“BAR-BAR-BAR”または“7-7-7”だった場合は,当該,最終停止絵柄と異なる絵柄を表示しているサブリールについてのみ,1コマ分のコマ送り制御を行い,演出コマンドにより指定されたサブリール停止絵柄組合せに揃える。
【0135】ここで,上記(ア)において,一旦停止時にサブリールに表示させる絵柄組合せは,例えば,副制御部400のROM417内に,全サブリールに「黒7」または「BAR」の絵柄が表示され,かつ,それらの絵柄が揃わない様に停止可能ポイントが定められた,表示交互切換演出専用の停止制御テーブルを格納しておき,それに基づいて停止制御を行うとよい。もしくは,一旦停止時に表示されるサブリールの絵柄組合せを,演出コマンドにより指定するようにしてもよい。
【0136】また,上記(イ)において,表示切換を行う回数を,例えば,2回,3回,4回というように複数定めておき,抽選等により予め決定しておくようにしてもよい。この抽選は,演出コマンドにより指定された最終停止絵柄が,“はずれ”,“BAR-BAR-BAR”,“7-7-7”の順で,表示切換回数が多くなるように抽選確率を定めておくとよい。これにより,表示切換回数が多い程,ボーナス内部当選の期待が持てるという効果が得られる。また,表示切換回数を演出コマンドによって指定するようにしてもよい。
【0137】また,全サブリールについて表示切換を行う必要はなく,例えば,一旦停止した時の絵柄組合せが「7-BAR-7」だった場合は,中サブリールのみ,もしくは,左および右サブリールについて,表示切換を行うようにしてもよい。
【0138】さらに,上記(ウ)で全サブリールを一斉に再始動させる時,および,表示切換制御中に,音声やバックライトを用いた演出を行うようにしてもよい。」

・甲1記載事項(す) 特殊な演出その6
「【0139】(1-6)全回転演出:サブリールが回転を開始してから,最初の停止制御が開始されるまでの間に,例えば,各サブリールの回転速度を調整する等して,全リールの同じ絵柄を揃えて回転する制御を行う演出である。なお,本実施の形態ではこの演出を行っている間は,遊技者による停止操作を受け付けない制御を行っている。
【0140】以下に,この演出を行う場合の副制御部400における制御方法の一例を説明する。
【0141】(ア)回転中に絵柄を揃える基準となるサブリール(以下,基準サブリールという)を決定する。すなわち,各サブリールについて,演出コマンドにより指定されたサブリール停止絵柄組合せと,他の2つのサブリール上の対応する絵柄とのコマ数差をそれぞれ求め,そのばらつきが最も小さくなるサブリールを,基準サブリールとする。
【0142】(イ)基準サブリール以外のサブリールについて,各サブリールの絵柄を基準サブリールの絵柄に揃えるために要する回転速度と,その回転速度を維持する期間とを求める。
【0143】(ウ)上記(イ)で求めた,回転速度とその維持期間に基づいて基準サブリール以外のサブリールを回転させる。この間,基準サブリールは通常の回転速度で回転させる。
【0144】(エ)基準サブリール以外のサブリールの絵柄が,基準サブリールの絵柄に揃った時点で,当該サブリールの回転速度を通常の回転速度に戻す。
【0145】(オ)全サブリールの絵柄位置が揃った時点から,所定時間,通常速度で回転させた後,全サブリールをコマ送り回転へ移行させ,演出コマンドで指定されたサブリール最終絵柄を表示して停止させる。
【0146】次に,上述した(ア)?(エ)の制御内容について図4を参照し,具体的に説明する。なお,図4はサブリールの絵柄番号(1?6)を表示位置を基準に表示してある。
【0147】本実施の形態で使用するサブリールの仕様は,図4に示すように,サブリール1回転あたりのポジション数を400ポジションとし(図4の右サブリール参照),絵柄番号1と6の間(図4中サブリール参照),および,絵柄番号6と5間(図4の左サブリール参照)のポジション数を66ポジション,それ以外の絵柄番号間の各ポジション数を67ポジションとする。
【0148】また,通常時のサブリールの回転速度を80[rpm]とし,絵柄位置調整時には,40[rpm]と120[rpm]の回転速度で回転可能であるものとする。
【0149】また,図4には,前回サブリールが停止した時に「BAR-チェリー-ベル」(絵柄番号で「2-3-5」)が表示されている状態から回転を開始し,各サブリールが2コマ分回転してから図4の位置調整開始と書いてある位置,即ちサブリールに「リプレイ-黒7-チェリー」(絵柄番号で「6-1-3」)の絵柄組合せが表示されている時点から)絵柄位置調整を開始する場合について説明する。
【0150】この場合,中サブリール141を基準サブリールとして揃えることのできる最短の絵柄として絵柄番号「6」に注目する。即ち,右サブリールとの絵柄位置差が-1コマ,左サブリールとの絵柄位置差が+2コマとなり,ばらつきが最も小さくなる。
【0151】ここで,左サブリール140は中サブリール141よりも1コマ分進んでいるので,中サブリール141が通常速度(80[rpm])で2コマ分進む間,左サブリール140を40[rpm]で1コマ分進めれば中サブリール141の「6」のコマが左サブリール141の「6」のコマに追いつく。従って,左サブリール141に対して,3.75[msec]毎に1ポジションの割合(すなわち40[rpm])で進め,66ポジション(すなわち絵柄番号の1コマ分)回転させる。
【0152】同様に,右サブリール142については,中サブリール141よりも2コマ分遅れているので,中サブリール141が通常速度で4コマ分進む間に,中サブリールを120[rpm]で6コマ分進めればよい。従って,右サブリール142に対して,1.25[msec]毎に1ポジションの割合(すなわち120[rpm])で進め,400ポジション回転(すなわち6コマ分=1回転)させる。
【0153】以上説明した制御を行うことにより,絵柄位置調整を開始してから中サブリール141が2コマ分回転した時点で左サブリール140の絵柄位置が揃うので,左サブリール140の回転速度を通常速度に戻す。また,中サブリール141が4コマ分回転した時点で右サブリール142の絵柄位置が揃うので,右サブリール142の回転速度を通常速度に戻す。
【0154】以上の処理により,3つの各サブリール上の同じ絵柄が並んだ(揃った)状態でサブリールを回転させることができる。このように制御することによりサブリールが回転中であっても,同じ絵柄が揃った状態で所定位置を通過することから上記同じ揃った絵柄が遊技者に認識し易くなるので,ボーナス内部当選への期待感をより高くすることができる。
【0155】上記の方法で回転中に同じ絵柄を揃える制御の開始タイミングとしては,スタートレバー125の操作時や,いずれかの停止操作が行われた時等があげられる。ここで,第2または第3停止時に絵柄を揃える場合,それ以前の停止操作に応じてサブリールを停止させないようにしておく(但し,メインリールは停止操作に応じて停止する)必要があることはいうまでもない。
【0156】また,上記の例では,回転中に絵柄が揃った後,全サブリールがコマ送り回転へ移行するようにしていたが,コマ送り回転へ移行せず,演出コマンドで指定された絵柄が表示された時に,直ちに停止するように制御するか,もしくは,絵柄が揃った状態で徐々に回転速度を落としていき,最終的に演出コマンドで指定された絵柄を表示するように制御してもよい。
【0157】回転中に絵柄を揃える方法の例としては,上述した方法に限らず,例えば,サブリールの回転開始時に,所定の順序で各サブリールを1つずつ順次回転させるようにし,この時に同じ絵柄を揃える例が挙げられる。
【0158】この場合,最初に回転し始めたサブリール上における特定絵柄(演出コマンドにより指定された絵柄)の位置が,次に回転するサブリール上の当該特定絵柄の位置に揃った時に,そのサブリールの回転を開始させる。次に,最初と次に回転した各サブリール上の特定絵柄が,最後に回転するサブリール上の特定絵柄の位置に揃った時に,そのサブリールの回転を開始させる制御を行うことになる。
【0159】上の説明では,各サブリールの回転開始順序を所定の順序としていたが,例えば,回転開始順序をランダムに決定してもよいし,回転を開始する前の状態において,回転中に揃えようとしている絵柄が表示されていないサブリールを,最後に回転させるようにしてもよい。
【0160】以上説明した方法によって回転中に揃える絵柄は,ボーナス絵柄のみならず,内部当選した入賞役の絵柄であってもよい。また,本実施の形態では,全サブリールの絵柄配列が共通であるため,絵柄番号が一致すれば同じ絵柄が揃うことになるが,各サブリールで絵柄番号と絵柄の種類との対応が異なる場合でも,同様の処理によって回転中に同じ絵柄を揃えることができることはいうまでもない。
【0161】また,回転中に同じ絵柄を揃えた状態で一旦停止表示させ,その後,1つまたは2つのサブリールを数コマ回転させることで,最終的には同じ絵柄が揃わないような制御を行うこともできる。
【0162】さらに,サブリールの回転開始から,回転中に絵柄が揃うまでの間,効果音を発生するとか,メインリールおよびサブリールのバックライトを点滅させる等して,演出効果を高めることもできる。」

・甲1記載事項(せ) 内部抽選について
「【0177】ステップS2:(スタート操作)
次に,遊技者がスタートレバー125を操作すると,スタートレバーセンサー314がONになり,MainCPU310はスタート操作の受付を検知する。これにより,ゲームを開始し,ステップS3へ進む。
【0178】ステップS3:(乱数抽選)
MainCPU310は,乱数発生器311から乱数を取得し,何等かの入賞役に当選しているか否かの内部抽選を行い,その結果をRAM319に格納する。」

・甲1記載事項(そ) 演出抽選について
「【0179】ステップS4:(演出集中抽選)
MainCPU310は,RAM319内に設定されている集中フラグ(演出集中状態であるか否かを示すフラグ)がONにセットされているか否かを判断し,集中フラグがONにセットされていなければ(演出集中状態でなければ),ステップS3で取得した乱数を用いて,演出集中状態へ移行するか否かを決める抽選を行う。
【0180】一方,集中フラグがONにセットされていれば(演出集中状態であれば),ステップS3で取得した乱数を用いて,演出集中状態を終了させる(通常状態に戻る)か否かの抽選を行う。なお,集中フラグの初期状態はOFFである。
【0181】また,演出集中抽選や,次に説明するステップS6,S7の処理は,ボーナスゲーム以外のゲーム中に行なわれ,ボーナスゲームの開始時に,演出集中状態であった時は,集中フラグをOFFにすると共に,通常状態に戻す。
【0182】本実施の形態における演出集中状態へ移行する確率と,通常状態に戻る確率は,図7に示す通りである。図7に示すように,ボーナス内部当選中であれば,高確率(1/4)で演出集中状態へ移行し,ボーナス内部当選中でなければ,低確率(1/128)で演出集中状態へ移行する。
【0183】これに対して,演出集中状態から通常状態に戻る確率は,各々共通であり,1/4に設定している。なお,通常状態に戻る確率は,ボーナス内部当選中と,ボーナス非内部当選中とで異なる(例えばボーナス内部当選中は,通常状態に戻る確率を低くする等)ようにしてもよい。
【0184】演出集中状態へ移行する抽選に当選した場合,もしくは,演出集中状態から通常状態に戻る抽選にはずれた場合は,集中フラグがONとなる。
【0185】一方,通常状態から演出集中状態へ移行する抽選にはずれた場合,もしくは,演出集中状態から通常状態に戻る抽選に当選した場合は,集中フラグがOFFとなる。
・・・・・・・・・
【0191】ステップS8:(演出抽選)
ステップS3で取得した乱数を用いて,ステップS6またはS7で選択した演出抽選テーブルに基き,前述した通常演出,特殊演出,連動演出のいずれを行うのかを抽選(以下,演出抽選という)する。
・・・・・・・・
【0196】このように,いずれの演出抽選テーブルであっても,演出内容毎に,演出抽選に当選する確率を異ならせることによって,実行された演出内容に応じてボーナス内部当選の期待度を異なる制御を行う。
【0197】なお,図8に示す当選確率は一例であって,それぞれ当選確率を適宜変更可能であることはいうまでもない。」

・甲1記載事項(た) サブリール停止絵柄の組合せについて
「【0198】ステップS9:(演出当選?)
MainCPU310は,ステップS8の演出抽選において,何らかの演出に当選したか否かを判断し,当選した場合はステップS10へ進み,当選しなかった場合はステップS11へ進む。
【0199】ステップS10:(演出コマンド送信)
ステップS8の演出抽選により,当選した演出内容に対応する演出コマンドをROM318から読み出し,出力インターフェース325を介して副制御部400へ出力する。ここで,演出コマンドは,図9に示すように,16進数で4桁(すなわち16ビット)の数値で表され,各々の演出コマンドには,予め,実行する演出内容と,サブリール140?142の停止絵柄組合せとが対応付けられている。ここで,例えば演出抽選の結果,全回転演出が選択された場合,主制御部300は,全回転演出を行う演出コマンド(図9の場合,0003h?0007h:16進表示)のうち,内部当選した入賞役に対応する絵柄組合せと同じサブリール停止絵柄組合せの演出コマンドを選択する。
【0200】その他の演出については,BBまたはRBに内部当選した場合のみ,その入賞絵柄組合せ(ここでは,「BAR-BAR-BAR」または「7-7-7」)に対応する演出コマンドを選択し,それ以外の入賞役に内部当選した場合(ここでは,はずれも含む)は,サブリール停止絵柄組合せが“はずれ”となる演出コマンドを選択するものとする。
【0201】ただし,BBまたはRBに内部当選した場合でも,所定の確率でサブリール停止絵柄組合せが“はずれ”となる演出コマンドを選択するようにしてもよい。」

・甲1記載事項(ち) 液晶表示装置等について
「【0251】以上,本実施の形態では,演出集中に関して,サブリールを用いた演出を例にとって説明したが,本発明は,これに限定されるわけではなく,バックライトや液晶表示装置等を用いた方式を採用しても構わない。又,変形の演出としてサブリール140?142を用いた演出のみを行い,連動演出および演出の集中,もしくは,そのいずれかを行わないようにしてもよい。」

・甲1記載事項(つ) 効果について
「【0265】
【発明の効果】以上説明したように,本発明に係る遊技台によれば,メインリールの各々に対応してサブリールを設け,複数のサブリールによる表示絵柄の組合せによって,内部抽選の結果に対応する情報を報知するので,表示可能な情報量を増やすことができ,さらに,サブリールの動きを多様化することができるので,遊技者にとってより飽きにくい演出が可能となる。
【0266】また,各メインリールに対応した停止操作が行われる毎に,そのメインリールに対応したサブリールの停止制御を行うことにより,遊技者が各停止操作を行うにつれて,報知される情報の内容が徐々に確定していくことになり,停止操作を行う毎にボーナス内部当選への期待感を募らせることになるため,遊技者にとって更にゲームを続けたくなる演出が可能となる。
【0267】また,本発明によれば,多種多様なサブリールの回転制御を行うことで,従来に比べ,ボーナス内部当選への期待感をより高めることができる。
【0268】また,本発明によれば,複数のゲームにわたって少なくとも前回行った演出内容が今回行う演出内容の決定要素に含まれる演出が行われるので,複数ゲームにわたってボーナスへの期待感が徐々に増していくという効果が得られる。
【0269】さらに,本発明によれば,ボーナスに内部当選していない場合にも演出の集中が発生するので,ボーナスの期待感とはずれのスリルをバランスよく体感することができるようになる。」

2.3. 甲第6号証の記載事項
請求人による提出証拠の一つであり,無効理由6の証拠ともされた,甲第6号証(特開2002-793号公報)には,以下の記載がある。
なお,以降は本審決中において甲第6号証を「甲6」と略すこととする。また,甲6について抜記した各記載事項を,「前記甲6記載事項(あ)」等と言及する場合がある。

・甲6記載事項(あ) 特許請求の範囲
「【請求項1】外周部に所定の識別情報が配されると共に,遊技者の操作に応じて停止可能な複数のリールを有する第1の可変表示装置を備え,前記第1の可変表示装置上に停止した識別情報の表示態様に応じて所定の遊技価値を付与するスロットマシンであって,
前記第1の可変表示装置とは別に設けられ,前記第1の可変表示装置が有する複数のリールの回転,停止に呼応して可変表示可能な第2の可変表示装置を備え,
前記第2の可変表示装置は,前記第1の可変表示装置に停止して表示された識別情報の態様が予め定められた特別の表示態様となった場合に,停止させて表示する態様を,前記特別の表示態様に対応付けられた所定の表示態様とすることを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】前記第2の可変表示装置は,停止させて表示する態様を,前記第1の可変表示装置に停止して表示された識別情報の態様毎に対応付けられた,予め定められた表示態様とすることを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
・・・・・・
【請求項8】前記第2の可変表示装置は,図柄を可変表示するものであって,前記第1の可変表示装置が有するリールの外周に配された識別情報のうち,特定の識別情報で停止させるべく遊技者が操作可能なように,表示する図柄を可変表示することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のスロットマシン。
【請求項9】前記第2の可変表示装置は,前記第1の可変表示装置が前記識別情報を表示する領域よりも,前記可変表示の表示領域が大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のスロットマシン。
【請求項10】前記第2の可変表示装置は,前記第1の可変表示装置よりも遊技者が視認容易な位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のスロットマシン。」

・甲6記載事項(い) 技術分野
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,スロットマシンに関し,特に複数のリールによって構成された可変表示装置の他に,これと連動した第2の可変表示装置を有するものに関する。」

・甲6記載事項(う) 課題
「・・・・・
【0006】本発明は,本来的には演出を行うために設けられた表示装置によっても,遊技者が遊技を進めることができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【0007】本発明は,また,本来的には演出を行うために設けられた表示装置を遊技者に視認しやすくすることで,演出効果を高くしたスロットマシンを提供することを目的とする。」

・甲6記載事項(え) 画像表示部178について
「【0027】可変表示部71は,後述するようにリールの回転によって図柄を変動させて表示する。画像表示部178は,可変表示部71に表示される図柄に対応して,所定の図柄を変動させて表示する。画像表示部178の図柄の表示方法には,様々なものが考えられ得るが,ここでは,9分割した各画面に可変表示部71の図柄に対応した図柄を表示するものとする。なお,可変表示部71については,さらに詳しく後述する。」

・甲6記載事項(お) ゲームについて
「【0072】こうして可変表示部71の停止した図柄が後述する有効ライン上において所定の態様となると,画像表示部178の停止した図柄もこれに対応付けられた所定の態様となる。このような場合に,後述するようにコインの払い出しが行われたる。また,特に予め定められた特別の表示態様となった場合には,コインの払い出しが行われると共に,後述するビッグボーナス或いはレギュラーボーナスに移行する。
・・・・・
【0075】以上のようなコインゲームまたはクレジットゲームにおいて,可変表示装置70の賭数に応じて設定された有効ライン上に停止した図柄の状態に応じて,遊技の過程において各種の“役”が登場し,これらの“役”の出現によって,遊技者のコインの獲得枚数が異なってくる。以下,これらの“役”について説明する。なお,可変表示装置70により可変表示部71に表示される図柄の状態のみならず,これに連動して液晶表示装置177により画像表示部178に表示される図柄の状態によっても“役”の出現と見ることができるが,以下では,可変表示部71に表示される図柄の状態に従って,各種の役を説明する。」

・甲6記載事項(か) ボーナス内部当選に応じたスタートコマンド設定
「【0151】ステップSB20では,CPU46は,リール回転用カウンタ(図8参照)の値を抽出し,RAM48の所定領域に格納する。その後,図15に移り,CPU46は,ビッグボーナス当選フラグまたはボーナス当選フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップSB24)。
【0152】これらのいずれかのフラグが設定されていると判定された場合には,CPU46は,ステップSB20でRAM48に格納したリール回転用カウンタの値を調べる(ステップSB25)。そして,リール回転用カウンタの値が0?29であった場合には,CPU46は,第1スタートコマンドに決定する(ステップSB26)。リール回転用カウンタの値が30?79であった場合には,第2スタートコマンドに決定する(ステップSB27)。リール回転用カウンタの値が80?99であった場合には,第3スタートコマンドに決定する(ステップSB28)。
【0153】一方,ステップSB24でいずれのフラグも設定されていないと判定された場合も,CPU46は,ステップSB20でRAM48に格納したリール回転用カウンタの値を調べる(ステップSB29)。ここでは,判定する範囲がステップSB25の場合と異なり,リール回転用カウンタの値が0?92であった場合には,第1スタートコマンドに決定する(ステップSB30)。リール回転用カウンタの値が93?94であった場合には,第2スタートコマンドに決定する(ステップSB31)。リール回転用カウンタの値が95?99であった場合には,第3スタートコマンドに決定する(ステップSB32)。」
(当審注,ただし段落【0153】では,「リール回転用カウンタ」の値の3つの区分が「0?92」,「30?79」,「80?99」と記載されていたところ,辻褄が合わないとともに,【図15】も参酌すれば「0?92」,「93?94」及び「95?99」の誤記であることが明らかであるから,誤記を改めた。)

・甲6記載事項(き) 可変表示部71の回転開始
「【0197】第1スタートコマンドであると判定された場合には,CPU203は,I/Oポート206及びモータ回路207?209を介してリール駆動モータ7L,7C,7Rを制御することにより,左リール6L,中リール6C,右リール6Rを同時に回転開始させる(ステップSD3)。第2スタートコマンドであると判定された場合には,CPU203は,左リール6L,中リール6C,右リール6Rの順で回転開始させる(ステップSD4)。第3スタートコマンドであると判定された場合には,CPU203は,右リール6R,中リール6C,左リール6Lの順で回転開始させる。」

・甲6記載事項(く) 画像表示部178の可変開始
「【0211】第1スタートコマンドであると判定された場合には,CPU103は,I/Oポート106を介してVDP110を制御することにより,液晶表示装置177(画像表示部178)が表示する図柄を,第1態様で変動開始させる(ステップSE3)。この第1態様は,リール6L,6C,6Rの場合と同様に全ての区画の図柄が同時に変動開始するものとしてもよいが,リール6L,6C,6Rの回転といずれかのタイミングでタイミング合わせをすることができるのであれば,これとは別の態様,例えば,左上の区画から順次螺旋状に各区画の画像を変動開始するものとしてもよい。
【0212】第2スタートコマンドであると判定された場合には,CPU103は,I/Oポート106を介してVDP110を制御することにより,液晶表示装置177(画像表示部178)が表示する図柄を,第2態様で変動開始させる(ステップSE4)。この第2態様は,リール6L,6C,6Rに対応する区画が順に変動開始するものとしてもよいが,リール6L,6C,6Rの回転といずれかのタイミングでタイミング合わせをすることができるのであれば,これとは別の態様,例えば,左から右,上から下の順に各区画の画像が変動開始するものとしてもよい。
【0213】第3スタートコマンドであると判定された場合には,CPU103は,I/Oポート106を介してVDP110を制御することにより,液晶表示装置177(画像表示部178)が表示する図柄を,第3態様で変動開始させる(ステップSE5)。この第3態様は,リール6R,6C,6Lに対応する区画が順に変動開始するものとしてもよいが,リール6L,6C,6Rの回転といずれかのタイミングでタイミング合わせをすることができるのであれば,これとは別の態様,例えば,上から下,左から右の順に各区画の画像が変動開始するものとしてもよい。」

・甲6記載事項(け) 画像表示部178による目押し
「【0225】以下,この実施の形態にかかるスロットマシン1において,画像表示部178に可変表示,停止される画像が,リール6L,6C,6Rの回転によって可変表示部71に可変表示,停止される画像と連動する例について,図24?図26を参照して説明する。
【0226】図24(a)は,可変表示部71に図柄が停止される各位置と,画像表示部178で図柄を表示する各区画の対応関係を示す。図示するように,可変表示部71において,左上をL1,左中をL2,左下をL3,中上をC1,中中をC2,中下をC3,右上をR1,右中をR2,右下をR3とすると,画像表示部178において,左上がC1,左中がR1,左下がL1,中上がL2,中中がC2,中下がR2,右上がR3,右中がL3,右下がC3にそれぞれ対応する。
【0227】図24(b)は,可変表示部71に設定される有効ラインと,画像表示部178に設定される有効ラインとの対応関係を示す。図示するように,可変表示部71では,上横1列の有効ライン○1,中横1列の有効ライン○2,下横1列の有効ライン○3,左上から右下の対角線の有効ライン○4,及び左下から右上の対角線の有効ライン○5が設定される。それぞれに対応して画像表示部178では,左縦1列の有効ライン○1,中縦1列の有効ライン○2,右縦1列の有効ライン○3,左下から右上の対角線の有効ライン○4,及び中横1列の有効ライン○5が設定される。
【0228】図24(c)は,可変表示部71の各図柄と,画像表示部178の各図柄との対応関係を示す。ここでは全ての図柄の種類が表示された状態を示している。可変表示部71には,「色なし7」,「色付き7」,「BAR」,「JAC」,「スイカ」,「チェリー」及び「ベル」の7種類がある。それぞれに対応して画像表示部178には,「女の子1」,「女の子2」,「男の子」,「赤ちゃん」,「おじさん」,「おばさん」及び「おじいさん」の7種類がある。なお,画像表示部178では,このような顔の画像が同じ位置で変形されて画像が順次変動するものとなる。
【0229】図24(d)及び図25(a)は,可変表示部71における図柄変動と,画像表示部178における図柄の変動との対応関係を示す。これらの図に示す図柄は,全て変動中のものである。なお,以下の説明での括弧内における数字は,図4に示したリール6L,6C,6Rの図柄配列での番号を示している。ここで,リール6L,6C,6Rの回転速度は,全て同一であるものとする。
【0230】図24(d)に示すタイミングにおいて,可変表示部71には,左上(L1)に「ベル(2)」,左中(L2)に「スイカ(1)」,左下(L3)に「JAC(0)」,中上(C1)に「JAC(3)」,中中(C2)に「ベル(2)」,中下(C3)に「チェリー(1)」,右上(R1)に「スイカ(4)」,右中(R2)に「JAC(3)」,右下(R3)に「チェリー(2)」が位置している。これに対応して,画像表示部178には,左上(C1)に「赤ちゃん」,左中(R1)に「おじさん」,左下(L1)に「おじいさん」,中上(L2)に「おじさん」,中中(C2)に「おじいさん」,中下(R2)に「赤ちゃん」,右上(R3)に「おばさん」,右中(L3)に「赤ちゃん」,右下(C3)に「おばさん」が位置している。
【0231】リール6L,6C,6Rがが1図柄分回転した図25(a)に示すタイミングにおいて,可変表示部71には,左上(L1)に「スイカ(3)」,左中(L2)に「ベル(2)」,左下(L3)に「スイカ(1)」,中上(C1)に「BAR(4)」,中中(C2)に「JAC(3)」,中下(C3)に「ベル(2)」,右上(R1)に「ベル(5)」,右中(R2)に「スイカ(4)」,右下(R3)に「JAC(3)」が位置している。これに対応して,画像表示部178には,左上(C1)に「男の子」,左中(R1)に「おじいさん」,左下(L1)に「おじさん」,中上(L2)に「おじいさん」,中中(C2)に「赤ちゃん」,中下(R2)に「おじさん」,右上(R3)に「赤ちゃん」,右中(L3)に「おじさん」,右下(C3)に「おじいさん」が位置している。
【0232】図24(d)及び図25(a)からわかるように,可変表示部71に変動表示される図柄のみならず,画像表示部178の各区画に変動表示される図柄も,その表示順は定まっている。このため,遊技者は,可変表示部71に表示された図柄を見て所望のタイミングでリール6L,6C,6Rを停止させるように目押しをすることができるだけでなく,画像表示部178に表示された図柄を見て目押しをすることもできる。
・・・・・
【0241】以上説明したように,この実施の形態にかかるスロットマシン1では,本来的には演出を行うために設けられた画像表示部178に,可変表示部71にリールの回転によって表示される図柄と連動して図柄が表示される。このため,遊技者は,リールの回転により図柄が変動する可変表示部71だけでなく,画像表示部178を見ることによっても遊技状態に関する様々な情報を得ることができ,画像表示部178の表示態様から得た情報によって様々な判断を行うことによって遊技を進行することができる。
【0242】しかも,画像表示部178に表示される図柄の変動の態様は,可変表示部71に表示される図柄の変動の態様に連動している。このため,遊技者は,リール6L,6C,6Rの回転による可変表示部71の図柄の変化によっていわゆる目押しを行うだけでなく,画像表示部178の図柄の変化によってもいわゆる目押しを行うことができる。」
(当審注,段落【0227】における「○1」,「○2」等は,甲6の原文では「○」の中に数字の「1」,「2」等が記載されている。)

・甲6記載事項(こ) 可変表示の連動性
「【0247】上記の実施の形態では,画像表示部178の分割された各区画に表示される図柄は,可変表示部71にリール6L,6C,6Rによって表示される図柄と完全に連動したものとしていた。しかしながら,本発明では,必ずしも完全に連動したものとする必要はない。例えば,2つのリールが停止した段階でハズレが確定しているのであれば,3つ目のリールに対応した区画の図柄は,必ずしも当該3つ目のリールが停止した時の態様に対応付けられたものとしなくてもよい。
【0248】上記の実施の形態では,可変表示部71に停止して表示された図柄及びこれに連動して画像表示部178に停止して表示された図柄が当たりの態様となった場合に,遊技制御部45から演出制御部100に演出コマンドを送信し,画像表示部178に表示される画像,さらには音声及び光による演出を行うものとしていた。しかしながら,ビッグボーナスやレギュラーボーナスに内部当選した場合などにも,所定の演出コマンドを送信することによって画像,音声および/または光による演出を行うものとしてもよい。また,所定の確率で所定の演出コマンドを送信することによって画像,音声および/または光による演出を行うものとしてもよい。
・・・・
【0250】上記の実施の形態では,画像表示部178に表示される図柄の変動は,リール6L,6C,6Rの回転速度が既知のものであることを前提として,演出制御部100において制御するものとしていた。しかしながら,リール位置センサ8L,8C,8Rの検出信号を演出制御部100のCPU103にも供給するものとし,この検出信号に基づいて変動表示される図柄を調整してもよい。これにより,可変表示部71に表示される図柄と画像表示部178に表示される図柄とのズレを防ぐことができる。」

2.5. 甲第11号証の記載事項
請求人の提出証拠の一つであり,無効理由6の証拠ともされた,甲第11号証(特開2003-180920号公報)には,次の記載がある。
なお,以降は本審決中において甲第11号証を「甲11」と略すこととする。また,甲11について抜記した記載事項を,「前記甲11記載事項(あ)」と言及する場合がある。

・甲11記載事項(あ) 時間消費後の払出し
「【0033】このように,回転リール1は,ストップボタンが押されると速やかに停止するが,液晶表示部2では依然として演出動作が続いている場合もある。そこで,液晶表示部2で演出動作を持続させるような場合には,時間消費処理を設けて,一定時間はストップボタンの操作を受け付けないようにしても良い(ST13)。
【0034】以上のようなステップST9?ST13の処理を2度繰り返すと,主制御基板7のCPUは,3回目のストップボタンの操作を認識することになる(ST9,ST10)。そこで,その場合には,CPUは,最終停止コマンドをサブ制御基板8に向けて送信する(ST14)。なお,最終停止コマンドとは,最後のストップボタン5が押されたこと,及び,最終的に停止ライン上のどのように図柄を停止させるかを示すコマンドである。例えば,今回のゲームが当選状態のゲームであった場合には,その当選状態が実効化されるか否かをサブ制御基板8に知らせる。
【0035】次に,主制御基板7のCPUは,サブ制御基板8に知らせた最終停止コマンドの通りに最後の回転リールを停止させる(ST15)。また,必要に応じて時間消費をした後(ST16),当選状態が実効化された場合にはコインの払出し処理を行い,今回のゲームを終了させる(ST17)。」

2.6. 引用例1の記載事項
無効理由6の証拠とした,引用例1(特開2002-315910号公報)には,次の記載がある。
なお,以降は引用例1について抜記した記載事項を,「前記引1記載事項(あ)」と言及する場合がある。

・引1記載事項(あ)異種図柄による入賞
「【0169】(f)上記実施の形態における識別図柄70A?70Jの特定の組合せは,同種の識別図柄70A?70Jの組合せであったが,これに限らず,異種図柄例えば識別図柄70A,70B,70Cが大当たりラインL1?L5上に順に並ぶように停止表示されることにより,大当たり状態が付与される(大当たり状態が発生するように,又は,大当たり状態の発生が確定するように)してもよい。
・・・・・・・
【0177】(n)本発明は,上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等にも適用できる。例えば,大当たり図柄が表示された後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また,パチンコ機以外にも,雀球,スロットマシン,パチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機等の各種遊技機として実施することも可能である。」

2.7. 引用例2の記載事項
無効理由6の証拠とした,引用例2(特開2002-204850号公報)には,次の記載がある。
なお,以降は引用例2について抜記した各記載事項を,「前記引2記載事項(あ)」等と言及する場合がある。

・引2記載事項(あ) 基本構成(「他の実施形態」の基本構成)
「【0043】次に,本発明による遊技機をスロットマシンに適用した他の実施形態について説明する。
【0044】図22はこの他の実施形態によるスロットマシン19の外観を示す正面図である。なお,同図において図1に示すスロットマシン1と同一または相当する部分には同一符号を付して説明する。
【0045】スロットマシン19の本体中央部の前面パネル23には,可変表示装置を構成する3個のリール2,3,4が回転自在に設けられている。これらリール2,3,4は種々のシンボルを複数列に可変表示する可変表示手段を構成している。各リール2,3,4の外周面には複数種類のシンボルから成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはスロットマシン19の正面の表示窓5,6,7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。この表示窓5,6,7には,横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインが設けられている。また,表示窓5?7の下方右側には,遊技者がメダルを入れるための投入口8が設けられている。
・・・・
【0049】また,表示窓5?7の直ぐ下方の前面パネル23には7インチの液晶表示装置24が設けられている。この液晶表示部24は,可変表示手段を構成するリール2?4とは別に設けられた,画像表示を行う副表示手段を構成しており,内部入賞態様決定手段により決定された内部入賞態様を連想させる情報を,関連する他機種の遊技情報として表示する。ここでも,関連する他機種とは,例えば,段階的に新たに開発された新機種のスロットマシン19の1段階前に開発されていた機種のことを意味する。」

・引2記載事項(い) 液晶表示装置24の制御
「【0079】また,画像制御IC90には,キャラクタ・データが記憶されたキャラクタROM92およびカラーディスプレイ表示用メモリであるビデオRAM93が接続されており,画像制御IC90は,マイコン81の制御の下,7インチの液晶表示装置24に画像表示を行う。
【0080】段階的に新たに開発された新機種のスロットマシン19の1段階前に開発されていた機種が,例えば前述した実施形態で説明した図1に示すスロットマシン1である場合には,液晶表示装置24には,図2に示したリールシンボルが第1リール,第2リールおよび第3リールの複数列に可変表示される。後述するように,マイコン81は,その時の遊技状態および当選フラグの種類といった情報をメイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から取り込む。そして,取り込んだ遊技状態および当選フラグ等に基づき,液晶表示装置24に停止表示する画像パターンを決定し,画像制御IC90を制御して決定した停止表示パターンを液晶表示装置24に表示させる。」

・引2記載事項(う) 液晶表示装置24の停止
「【0153】図43はこのサブ側回胴停止処理の詳細を示すフローチャートである。
【0154】サブ側回胴停止処理では,まず,第1回胴停止コマンドがメイン制御基板61から送信されて来たか否かがサブCPU82によって判断される(図43,ステップ171)。回胴停止コマンドは,前述したように,メインフローのステップ116(図32参照)でメイン制御基板61から送信されるリール停止情報に含まれている。第1回胴停止コマンドが送信されて来ると,次に,サブCPU82により,1?21の数値の中から任意の1つの数値がランダムに抽出されて乱数抽出が行われる(ステップ172)。
【0155】この数値1?21は図2に示される他機種のスロットマシン1の各リールシンボルに付されたコードナンバ1?21に対応しており,乱数抽出された数値のコードナンバでリールが停止操作されたものと仮定する。液晶表示装置24に表示される他機種のスロットマシン1のリールの可変表示を停止させる停止ボタンは,新機種のスロットマシン19には存在しないため,この乱数抽出によって抽出された数値のコードナンバに対応するリールシンボル位置がリール仮想停止位置とされる。
【0156】なお,本実施形態では,乱数抽出によってリール仮想停止位置を決めて液晶表示装置24に模擬表示するリール回転表示の停止位置を決定しているが,このような乱数抽出を行わないで,本体側の停止ボタン16?18の操作に基づいて液晶表示装置24に遊技情報を表示するようにしてもよい。つまり,停止ボタン16?18の実際の操作タイミングにより,液晶表示装置24に模擬表示するリール回転表示の停止位置を決定するようにしてもよい。」

・引2記載事項(え) メインリール2?4と液晶表示装置24
「【0160】このようにして液晶表示装置24に表示されている他機種のスロットマシン1のリール回転表示が,例えば図44に示すように,各リール表示列毎に停止される。すなわち,本実施形態では,新機種のスロットマシン19の内部入賞態様を連想させる情報として,関連する他機種のスロットマシン1において,新機種のスロットマシン19の内部入賞態様に対応して各リールに停止表示されるシンボル組み合わせの情報が,液晶表示装置24に表示される。
【0161】このため,本実施形態によるスロットマシン19では,遊技者は,液晶表示部24に表示される,1段階前に開発された他機種のリールシンボル組み合わせ情報(図2参照)に基づき,新たなスロットマシン19の内部当選役を推測することが出来る。つまり,過去のスロットマシン1と全く同じ出目が,毎ゲームごとにメインのリール2?4が回転する毎に液晶表示装置24に表示されるため,例えば,過去のスロットマシン1でリーチ目が出れば,新しいスロットマシン19のリーチ目が分からなくてもフラグ判別が可能になる。従って,本実施形態によっても,新たなスロットマシン19が有する未知の遊技特性を楽しみつつも,その未知な部分に付随する不安感をぬぐい去ることが出来る程度の遊技情報が遊技者に提供される。
【0162】さらに,本実施形態によるスロットマシン19では,遊技者は,過去のスロットマシン1と新しいスロットマシン19の両方の興趣を楽しむことが可能となる。」

3. 無効理由6について-その2
-主たる証拠(甲1)に記載される発明の認定
3.1.前提及び課題
無効理由6の主たる証拠とした,甲1に記載された発明を認定する。まず,具体的な発明の認定に先立ち,甲1に示される前提及び課題について整理する。
前記甲1記載事項(あ)?(う)の全体から明らかなように,甲1には「スロットマシン」に関する発明が開示されている。
甲1が従来技術として改善の対象とするスロットマシンは,前記甲1記載事項(あ)によれば,「遊技台の内部情報の表示装置としての機能」を有すると共に,「その動きによって遊技者に,ボーナス内部当選への期待を抱かせる演出装置としての機能」も有するという「サブリール」を備えたものである。
甲1が解決しようとする課題として,「サブリール」に関しては,前記甲1記載事項(い)に次の事項が記載されている。すなわち,サブリールが1つでは表示内容や動作が単調となり,演出が遊技者にとって短時間で飽きられやすいこと,遊技者が行った操作とは無関係にサブリールが自動停止するのでは,遊技者にはサブリールの情報が一方的に示されているようで面白みに欠けること,である。
そして,甲1の目的としては,「サブリール」について見れば,前記甲1記載事項(い)に,サブリールを用いて従来よりも興趣の高い演出をする旨が示されている。

3.2.基本構成の部分について
以上の整理のうえで,具体的な発明の認定に入る。まず,スロットマシンの基本構成の部分を認定する。
前記甲1記載事項(う)によれば,スロットマシンは「左メインリール101」,「中メインリール102」,「右メインリール103」からなる「メインリール」を備えている。各メインリールの外周面には,「複数種類の絵柄」がそれぞれ「21個」描かれている。メインリールの絵柄は,絵柄表示窓104?106上で,各リール毎に縦方向に3つ,3×3の合計9個が遊技者に表示される。
メインリールの絵柄表示窓104?106上には,水平3ライン,斜め2ラインの計「5ライン」の「入賞ライン」が存在する。役への入賞の判定基準は,ゲームで有効となる「入賞有効ライン」上に,何らかの入賞役に対応する絵柄組合せがあるか否かである。なお,前記甲1記載事項(き)中における段落【0080】の記載からも明らかなとおり,役への入賞の判定基準とされるメインリールの絵柄組合せは,メインリール101?103の全てが停止した時の絵柄組合せである。また,同段落【0080】の記載から,入賞した役に応じた払い出し等が行われることも,明らかである。
前記甲1記載事項(う)に戻ると,遊技者が「スタートレバー125」を操作すると,メインリールが回転を開始し,主制御部300では「乱数抽選」が行われる。前記甲1記載事項(せ)によれば,スタートレバー125の操作は「スタートレバーセンサー314」がONになって主制御部300の「MainCPU310」に検知される。また「乱数抽選」においては,「乱数発生器311」から乱数を取得することで,何等かの入賞役に当選しているか否かの「内部抽選」が行われる。
前記甲1記載事項(う)に戻ると,メインリールを停止させるために,各メインリールに対応して,「左リールストップボタン126」,「中リールストップボタン127」,「右リールストップボタン128」が設けられている。
前記甲1記載事項(え)によれば,各メインリールの各々に対応付けられて,「左サブリール140」,「中サブリール141」,「右サブリール142」からなる「サブリール」が設けられている。各サブリールには,「メインリール101?103に描かれた各絵柄の種類に対応する絵柄(同じ絵柄,似た絵柄,異なっているが関連する絵柄等予め定めた対応する絵柄)」が描かれている。遊技者に対するサブリール上の絵柄の表示範囲は,各「1コマ分」であり,各サブリール上にはそれぞれ6種類の6個の絵柄が設けられている。
なお,甲1記載事項(え)には,各サブリールの絵柄表示範囲を縦方向に広くして「複数コマ分の絵柄を表示」すること,その際に必要であれば「サブリールの径を大きく」することも記載されているが,これらの変形については,必要に応じて相違点の検討で考慮することとする。
ここまでを小括すると,甲1には,
「複数種類の絵柄がそれぞれ21個描かれた左メインリール101,中メインリール102,右メインリール103からなり,絵柄表示窓104?106上で各メインリール101?103毎に縦方向に3つ,合計3×3の9個の絵柄を遊技者に表示する,メインリール101?103と,
各メインリール101?103の各々に対応付けられた左サブリール140,中サブリール141,右サブリール142からなり,各サブリール140?142上には各メインリール101?103に描かれた各絵柄の種類に対応する絵柄(同じ絵柄,似た絵柄,異なっているが関連する絵柄等予め定めた対応する絵柄)が描かれていて,各サブリール140?142はそれぞれ6種類計6個の絵柄を有し,そのうちの各1コマ分の絵柄を遊技者に表示する,サブリール140?142と,
遊技者の操作により,メインリール101?103の回転を開始させ,主制御部300内の乱数抽選を行わせるスタートレバー125と,スタートレバー125が操作されるとONになるスタートレバーセンサー314と,
スタートレバーセンサー314のONを検知してスタート操作を受け付け,乱数発生器311から乱数を取得して何等かの入賞役に当選しているか否かの内部抽選を行う,主制御部300内のMainCPU310と,
メインリール101?103を停止させるために,各メインリールに対応して設けられた,左リールストップボタン126,中リールストップボタン127,右リールストップボタン128からなる,ストップボタン126?128とを備え,
メインリール101?103の全てが停止したときに,メインリール101?103の絵柄表示窓104?106上の5ラインの入賞ラインのうち,入賞有効ライン上に,何らかの入賞役に対応する絵柄組合せがあるか否かを判定基準として,役への入賞が定まり,入賞した役に応じた払い出し等が行われる,スロットマシン」
なる発明事項が開示されていると認めることができる。

3.3.メインリールの停止制御及びサブリールの動作について
続いて,甲1に開示されるスロットマシンの,メインリールの停止制御,及びサブリールの動作に関する発明事項を認定する。
前記甲1記載事項(お)によれば,スロットマシンは「主制御部300」を有している。「主制御部300」は,「MainCPU310」及び「モーター制御部320」を有しており,「メインリール101?103」の回転あるいは停止を制御する。前記甲1記載事項(き)も勘案すれば,「主制御部300」は,「スタートレバーセンサー314」のONを検知して,メインリール101?103を一斉,又はランダムに回転開始させる。そして,メインリール101?103の回転速度が所定の速度に達すると,ストップボタン126?128の操作を有効化する。ストップボタン126?128を遊技者が押下すると,主制御部300は,対応するメインリールの回転を,内部抽選の結果に応じて適宜停止させる。
サブリールの制御主体についてみると,前記甲1記載事項(か)によれば,サブリールの駆動及び停止を制御するのは,「SubCPU410」及び「モーター制御部414」を有する「副制御部400」である。甲1記載事項(き)によれば,サブリールは毎ゲーム必ず回転するようにしてもよいが,確率的に回転させるようにしてもよい。前記甲1記載事項(き)の段落【0077】の記載,及び前記甲1記載事項(そ)?(た)の記載に従うのであれば,サブリール140?142は,主制御部300における演出抽選に当選した場合にのみ回転させられる。
サブリールの動きについてみると,前記甲1記載事項(き)中の段落【0082】には,「各サブリールの回転方向は,ある時は正転,またある時は逆転させるようにしてよいし,各サブリール間で回転方向を各々異ならせてもよい。また,サブリールの回転中に回転速度を変更する(例えば,一定周期またはランダムに回転速度を速くしたり遅くしたりする)ようにしてもよい。」と記載されており,回転方向,回転速度ともに一律一様ではない多様な動きが許容され,また予定されている。そして,前記甲1記載事項(く)?(す)に記載される如く,通常の動きのほかに特殊な動きを用意して,選択的に実行することが開示されている。
これらの多彩な動きが可能な各サブリールの具体的構造として,前記甲1記載事項(す)によれば,通常の回転速度が80rpmで,その他の速度による回転も可能な,1回転あたり400ポジションのモーターを用いることが記載されている。
そして,このように複数種の動きをサブリールに選択的に実行させる目的は,前記甲1記載事項(あ)中の段落【0008】において前提とされ,前記甲1記載事項(え)中の段落【0039】にも重ねて記載されるとおり,「その動きによってボーナスの内部当選への期待感を高める」ためである。そのためには,サブリールの動きの選択は何らかの形で内部抽選結果に基づいて行う必要があるところ,前記甲1記載事項(そ)においても,サブリールの演出を抽選するうえでは,「ステップS3で取得した乱数」を用いている。該「乱数」は,前記甲1記載事項(せ)を参酌すれば,内部抽選の乱数である。
サブリールについて,用意される特殊な動きとしては,具体的には前記甲1記載事項(く)?(す)に6種類の「特殊演出」の動きが示されている。ただし,これら6つの「特殊演出」を,全てそのまま採用しなければならない必然性はない。
サブリールの停止についてみると,前記甲1記載事項(き)中の段落【0079】に記載されるように,各サブリールは,対応するメインリールの停止に伴って,メインリールと同様,対応するストップボタンの押下に応じて停止させられるものである。ただし,各サブリールの停止時期についてより厳密にみると,前記甲1記載事項(く)?(し)における各特殊演出の如く,用意する演出動作に応じては,各ストップボタンの押下に対して,対応するサブリールの実際の停止は遅延させられる場合がある。また,前記甲1記載事項(す)の「全回転演出」の如く,用意する演出動作に応じては,最初の停止操作前に実施すべきサブリールの演出動作実行中には遊技者による停止操作を受け付けない場合,あるいは,第2または第3の停止操作が行われた時に全サブリールによる演出動作を行うために,それ以前の停止操作では対応するサブリールの回転を停止しない場合がある。すなわち,これら6種類の「特殊演出」の動作を,全てそのまま採用すべき必然性はないけれども,甲1におけるサブリールの停止には,用意する演出動作に応じては,対応するメインリールの停止より遅延したり,対応するストップボタンの押下がサブリールの停止契機とならない場合もあり得る。
サブリールの停止絵柄については,前記甲1記載事項(き)中の段落【0081】によれば,ボーナス内部当選の確定報知に用いられる。ただし,甲1記載事項(た)によれば,ボーナスに内部当選している場合であっても,サブリールの停止絵柄組合せをはずれとしてよく,サブリールの停止絵柄によるボーナス内部当選の確定報知は,常に必ず行われるものではない。
これらを整理すると,甲1には,
「MainCPU310及びモーター制御部320を有して,メインリール101?103の回転あるいは停止を制御し,スタートレバーセンサー314のONを検知してメインリール101?103を一斉又はランダムに回転開始させ,メインリール101?103の回転速度が所定の速度に達すると,ストップボタン126?128の操作を有効化し,操作が有効化されたストップボタン126?128を遊技者が押下すると,対応するメインリール101?103の回転を,内部抽選の結果に応じて適宜停止させる主制御部300と,
SubCPU410及びモーター制御部414を有して,サブリール140?142の回転あるいは停止を制御する副制御部400を備え,
サブリール140?142は,主制御部300における演出抽選に当選した場合にのみ回転させられ,
各サブリール140?142は,ある時は正転,またある時は逆転させるようにしてよいし,各サブリール140?142間で回転方向を各々異ならせたり,サブリール140?142の回転中に回転速度を変更してもよく,通常の回転速度が80rpmでその他の回転速度による回転も可能な1回転あたり400ポジションのモーターを有することで,多彩な動きが可能であり,
サブリール140?142の動きとしては,通常の動きのほかに特殊な動きが用意され,その動きによって遊技者にボーナス内部当選への期待感を高めるために,用意された動きのいずれをとるかは内部抽選結果に基づいて選択され,
各サブリール140?142の停止は,対応する各メインリール101?103の停止に伴って,各メインリール101?103と同様,対応する各ストップボタン126?128の押下に応じて停止させられるが,用意する特殊な動きによっては,いずれかのサブリール140?142の実際の停止が対応するメインリール101?103の停止より遅延される場合,あるいは対応するストップボタン126?128の押下を契機とせずサブリール140?142が停止する場合もあり,
サブリール140?142の停止絵柄組合せは,ボーナス内部当選という内部抽選結果の確定報知に用いるが,該サブリール140?142の停止図柄組合せによるボーナス内部当選という内部抽選結果の確定報知は常に必ず行うものではない,
スロットマシン。」
なる発明事項が開示されていると認めることができる。

3.4.甲1記載の発明の認定
以上をまとめると,甲1には,次の発明が記載されていると認められる。以降,本審決中において,同発明を「甲1発明」という。

<甲1発明>
「複数種類の絵柄がそれぞれ21個描かれた左メインリール101,中メインリール102,右メインリール103からなり,絵柄表示窓104?106上で各メインリール101?103毎に縦方向に3つ,合計3×3の9個の絵柄を遊技者に表示する,メインリール101?103と,
各メインリール101?103の各々に対応付けられた左サブリール140,中サブリール141,右サブリール142からなり,各サブリール140?142上には各メインリール101?103に描かれた各絵柄の種類に対応する絵柄(同じ絵柄,似た絵柄,異なっているが関連する絵柄等予め定めた対応する絵柄)が描かれていて,各サブリール140?142はそれぞれ6種類計6個の絵柄を有し,そのうちの各1コマ分の絵柄を遊技者に表示する,サブリール140?142と,
遊技者の操作により,メインリール101?103の回転を開始させ,主制御部300内の乱数抽選を行わせるスタートレバー125と,スタートレバー125が操作されるとONになるスタートレバーセンサー314と,
スタートレバーセンサー314のONを検知してスタート操作を受け付け,乱数発生器311から乱数を取得して何等かの入賞役に当選しているか否かの内部抽選を行う,主制御部300内のMainCPU310と,
メインリール101?103を停止させるために,各メインリールに対応して設けられた,左リールストップボタン126,中リールストップボタン127,右リールストップボタン128からなる,ストップボタン126?128とを備え,
メインリール101?103の全てが停止したときに,メインリール101?103の絵柄表示窓104?106上の5ラインの入賞ラインのうち,入賞有効ライン上に,何らかの入賞役に対応する絵柄組合せがあるか否かを判定基準として,役への入賞が定まり,入賞した役に応じた払い出し等が行われる,スロットマシンであって,
MainCPU310及びモーター制御部320を有して,メインリール101?103の回転あるいは停止を制御し,スタートレバーセンサー314のONを検知してメインリール101?103を一斉又はランダムに回転開始させ,メインリール101?103の回転速度が所定の速度に達すると,ストップボタン126?128の操作を有効化し,操作が有効化されたストップボタン126?128を遊技者が押下すると,対応するメインリール101?103の回転を,内部抽選の結果に応じて適宜停止させる主制御部300と,
SubCPU410及びモーター制御部414を有して,サブリール140?142の回転あるいは停止を制御する副制御部400を備え,
サブリール140?142は,主制御部300における演出抽選に当選した場合にのみ回転させられ,
各サブリール140?142は,ある時は正転,またある時は逆転させるようにしてよいし,各サブリール140?142間で回転方向を各々異ならせたり,サブリール140?142の回転中に回転速度を変更してもよく,通常の回転速度が80rpmでその他の回転速度による回転も可能な1回転あたり400ポジションのモーターを有することで,多彩な動きが可能であり,
サブリール140?142の動きとしては,通常の動きのほかに特殊な動きが用意され,その動きによって遊技者にボーナス内部当選への期待感を高めるために,用意された動きのいずれをとるかは内部抽選結果に基づいて選択され,
各サブリール140?142の停止は,対応する各メインリール101?103の停止に伴って,各メインリール101?103と同様,対応する各ストップボタン126?128の押下に応じて停止させられるが,用意する特殊な動きによっては,いずれかのサブリール140?142の実際の停止が対応するメインリール101?103の停止より遅延される場合,あるいは対応するストップボタン126?128の押下を契機とせずサブリール140?142が停止する場合もあり,
サブリール140?142の停止絵柄組合せは,ボーナス内部当選という内部抽選結果の確定報知に用いるが,該サブリール140?142の停止絵柄組合せによるボーナス内部当選という内部抽選結果の確定報知は常に必ず行うものではない,
スロットマシン。」

4. 無効理由6について-その3
-本件各発明についての無効判断
4.1. 本件発明1について
(1)甲1発明との一致点及び相違点の認定
甲1発明と本件発明1を比較する。本件発明1は,先に「第3 2.」において,「2.1.請求項1(請求項1’)」として記載したとおりである。また,認定についての補足は,先に「1.2.」において示したとおりである。
甲1発明の「絵柄」は,本件発明1の「図柄」に相当する。
甲1発明の「左メインリール101」,「中メインリール102」,「右メインリール103」は,それぞれ本件発明1における「複数のメインリールの各々」に相当し,甲1発明におけるこれら「メインリール101?103」は,本件発明1における「複数のメインリール」に相当する。また,甲1発明において,「メインリール101?103」及び「絵柄表示窓104?106」は,本件発明1における「複数のメインリールを備えた第1表示手段」に相当する。甲1発明の「絵柄」が各メインリール101?103の外周面にそれぞれ21個描かれている以上,該「メインリール101?103」は,本件発明1における「複数の図柄が表示された複数のメインリール」に相当する。
甲1発明の「サブリール140?142」は,機械式のサブリールであることが明らかであり,それぞれ本件発明1における「表示列」の下位概念として,これに相当することが明らかである。また,甲1発明における「サブリール140?142」は,「メインリール101?103」にそれぞれ対応付けられており,各々6個の「絵柄」を有してそのうちの「各1コマ」を表示しているとともに,該「各1コマ」を可変可能な表示手段となっていることは明らかである。そのため,甲1発明における「サブリール140?142」は,本件発明1における「前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,複数の図柄を可変表示可能な複数の表示列を備えた第2表示手段」にも相当する。
甲1発明における「遊技者」は,本件発明1における「プレイヤー」に相当し,甲1発明における「スタートレバー125」は,本件発明1における「開始操作手段」に相当する。また,甲1発明においては,「スタートレバー125」が操作されると,メインリールの回転と主制御部300内の乱数抽選が行われるから,該操作は本件発明1における「開始操作」に相当する。さらに,甲1発明では「スタートレバーセンサー314」がONになって主制御部300に検知されているから,本件発明1における「開始指示信号を出力」に相当する動作が行われることも,明らかである。
そして,甲1発明では,「スタートレバーセンサー314」のONを検知して「乱数発生器311」からの乱数が取得され,「主制御部300」で「内部抽選」が行われるから,甲1発明の「内部抽選」は本件発明1における「抽選」に相当し,甲1発明の「主制御部300」は本件発明1における「前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段」に相当する。
甲1発明において,「各メインリール101?103に対応して設けられた,左リールストップボタン126,中リールストップボタン127,右リールストップボタン128からなるストップボタン126?128」は,メインリール101?103を停止するために遊技者によって操作されるものである。また,甲1発明における「ストップボタン126?128」は,操作されたときに,それぞれ「主制御部300」が「メインリール101?103」の停止制御を行う契機となる信号を出力することが明らかである。そのため,甲1発明におけるこれら「ストップボタン126?128」は,本件発明1における「前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段」に相当する。
甲1発明における「メインリール101?103の全てが停止したとき」は,本件発明1における「前記複数のメインリールの全てが停止した状態」に相当し,甲1発明における「メインリール101?103」の表示窓における「入賞有効ライン上」は,本件発明1における「前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上」に相当する。また,甲1発明における「何らかの入賞役に対応する絵柄組合せ」は,本件発明1における「所定の態様のいずれか」に相当する。さらに,甲1発明においては「ボーナス」を含め複数の入賞役の存在が実際上予定されていると言い得るから,甲1発明における「何らかの入賞役に対応する絵柄組合せ」は,本件発明1における「複数の所定の態様のいずれか」にも相当する。甲1発明では,そのような「絵柄組合せがあるか否か」を判定基準として,役への入賞が定まり,入賞すれば役に応じた払い出し等が行われるから,甲1発明と本件発明1とは,「前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与」する「スロットマシン」である点で一致する。
甲1発明において,「MainCPU310」及び「モーター制御部320」を有して,「メインリール101?103」の回転あるいは停止を制御する「主制御部300」は,本件発明1における「前記第1表示手段を制御する第1制御手段」に相当する。甲1発明における「主制御部300」が,「スタートレバーセンサー314のONを検知してメインリール101?103を一斉又はランダムに回転開始させ」ることは,本件発明1における「第1制御手段」が,「前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御」することに相当する。また,甲1発明における「主制御部300」が,「操作が有効化されたストップボタン126?128を遊技者が押下すると,対応するメインリール101?103の回転を,内部抽選の結果に応じて適宜停止させる」ことは,本件発明1における「第1制御手段」が,「前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に,前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように」,第1表示手段を制御することに相当する。
甲1発明において,「SubCPU410」及び「モーター制御部414」を有して,「サブリール140?142」の回転あるいは停止を制御する「副制御部400」は,本件発明1において,「前記第2表示手段を制御する第2制御手段」に相当する。

以上を整理すると,甲1発明と本件発明1とは,以下の点で一致するということができる。

<一致点>
「複数の図柄が表示された複数のメインリールを備えた第1表示手段と,
前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,複数の図柄を可変表示可能な複数の表示列を備えた第2表示手段と,
プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と,
前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と,
前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え,
前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与するスロットマシンであって,
前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に,前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と,
前記第2表示手段を制御する第2制御手段と,
を備えるスロットマシン。」

そして,上記の一致部分を除く甲1発明と本件発明1との相違点は,次のとおりとなる。
なお,各相違点には,本件発明1を示す「_(1)」を付し,「相違点1_(1)」,「相違点2_(1)」等と表記した。

<相違点1_(1)>
本件発明1では,メインリールで入賞を定める「複数の所定の態様」の中に「特定の態様」として識別される「態様」が含まれたうえで,「前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶ」のに対して,甲1発明ではそのようになっていない点。

<相違点2_(1)>
本件発明1では,「第2制御手段」による「第2表示手段」の制御が,「前記メインリールの回転中に,前記メインリールの回転方向と同じ方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記メインリールの回転方向と逆の方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し,前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように」なっているのに対して,甲1発明ではそのようになっていない点。

(2)相違点の判断及び本件発明1の進歩性の判断
ア.相違点1_(1)について
(ア)検討の順序について
相違点1_(1)については,次の順序で段階的に検討を行う。
まずは,検討の出発点は甲1発明であることから,甲1発明のサブリール140?142による演出の改変可能性について検討する。
次に,相違点1_(1)によれば,入賞となる「複数の所定の態様」の中に「特定の態様」が含まれたうえで,その場合には複数の表示列に「同じ種類の図柄が並ぶ」ことから,入賞時には入賞であることに基づいて表示列の停止図柄が指定されることとなる。そこで,甲1発明におけるサブリール140?142の停止絵柄を,入賞時には内部抽選結果ではなく,入賞であることに基づいて指定する点(以下,「相違点1_(1)a」という。)が容易か否かについて検討する。
そして次に,相違点1_(1)では,入賞時に複数の表示列で同じ種類の図柄が並ぶ状態は,「前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶ」ことから,メインリールの入賞ライン上では異なる種類の図柄が並ぶ状態と,あわせて発生することとなっている。そこで,甲1発明において,何らかの役の入賞時に,メインリール101?103の入賞有効ライン上では異なる種類の絵柄が並び,サブリール140?142上では同じ種類の絵柄が並ぶようにすること(以下,「相違点1_(1)b」という。)が容易か否かについて検討する。
そのうえで,相違点1_(1)では,「特定の態様」の用語の意義を本件明細書等を参酌して検討すれば,前記「1.2.(3)」における認定の補足で述べたとおり,入賞となる「複数の所定の態様」の中には,任意図柄の部分を有する等の事情で図柄並びが同種か異種かといったことがそもそも指定できない入賞役の「態様」もあり得るところ,そのような例外的な性質を有さない入賞役の「態様」を他と区別して,上記相異点1_(1)a及び1_(1)bの如き入賞時の図柄指定の対象とする趣旨と解することが妥当となる。すなわち,前記相違点1_(1)a及び1_(1)bの入賞時の停止図柄の指定は,任意絵柄の部分を有さない全ての入賞役を対象として行うものと解される(以下,「相違点1_(1)c」という。)。そこで,甲1発明を出発点として,そうすることが容易か否かも,検討することとする。

(イ)甲1発明の変形について
甲1発明では,前記甲1記載事項(あ)の抜記中の段落【0008】にいう「従来技術」の場合,すなわち1つのサブリールを用いる場合に比較して,左サブリール140?右サブリール142という3つのサブリールを用いることと,これら複数のサブリール140?142に複数種類の動きを選択的に実行させることとで,サブリールの表現能力を大きく向上させている。また,これらサブリール140?142を必ずしも毎ゲーム回転させる必要がないこと,及び,サブリール140?142の停止絵柄によるボーナス内部当選の確定報知を必ずしも常に実施する必要がないことからも明らかなように,各1コマ表示のサブリール140?142を用いれば,内部抽選結果を示すという目的のためには,その動きと停止絵柄による表現能力の全てを使い切る必要はない状態である。
そして,甲1発明におけるサブリール140?142の停止絵柄が行う,内部抽選結果の確定報知について検討すると,サブリール140?142の完全停止は,もっぱらストップボタン126?128の全ての操作より後であることが予定されている。この段階における確定報知は,ゲームのための全ての停止操作は終了しているとともに,実際上は最後の停止操作の一瞬後には全メインリール101?103が停止しているから,入賞結果がメインリール101?103により示される時点以降の確定報知となる。しかしながら、入賞したゲームにおいては,当該入賞した役に内部当選していたことは,入賞結果から明らかであるため,当該入賞役に内部当選していたことを別途確定報知しても意味はない。また,甲1発明が確定報知の対象とする,ボーナスの内部当選について検討すると,ボーナスの内部当選であれば,当該内部当選を持ち越し中に別の小役に当選し,入賞したゲームにおいて,該入賞した小役ではなくボーナスにも内部当選中であることを,確定報知する意味はあると言い得る。しかしながら,甲1発明では,ボーナスの内部当選中であっても,常に必ずサブリール140?142の停止絵柄によるボーナス内部当選の確定報知をする必要はないのであるから,当該確定報知をその他の小役に入賞したゲームで行うべき必然性はない。時折行う程度のボーナス内部当選の確定報知は,非入賞であったゲームで適宜行うだけで,十分であることが明らかである。
そうであるところ,甲1には,前記甲1記載事項(え)中の段落【0045】,及び前記甲1記載事項(き)中の段落【0082】?【0083】に示される如く,各サブリール140?142を大型化するとともに複数コマ表示可能とし,メインリール101?103と同じく複数の入賞ラインを設ける改変,及び,サブリール140?142を毎ゲーム必ず回転させることとする改変が,示唆されている。
このように,サブリール140?142の表現能力を拡充し,しかも毎ゲーム回転させるようにした場合,動きによってボーナス内部当選を示唆し,また停止絵柄によってボーナス内部当選を時折確定報知するという,甲1発明の機能を単に維持するだけでは,サブリールの演出表現に対して,演出が有する意味が乏しくなる。とりわけ,毎ゲーム回転させる以上は,入賞ゲームにおいても毎ゲーム必ずサブリールが回転することとなるが,入賞時には先に述べたとおり確定報知を行うべき意義が極めて乏しいことから,入賞を盛り上げるのでもない停止絵柄をサブリール140?142に頻繁に表示されても,かえって遊技者には,前記甲1記載事項(い)の抜記中における段落【0011】に記載されるように,かえって「鬱陶しさ」を感じさせることが懸念される。
そうであれば,甲1発明を出発点としても,各1コマ表示のサブリール140?142を3×3コマ・5ラインに大型化するとともに,毎ゲーム回転させる改変を採用する場合には,サブリール140?142の表現能力の拡充に併せて,甲1発明が有する内部抽選結果の示唆と両立し得る公知の演出があれば,これを組み込み,サブリール140?142による演出を表現及び意味の両面から多様化することは,遊技機の技術分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)であれば,合理的に検討したであろう事項というべきである。なお,演出の表現を多様化するのに併せて,複数の意味を持つ演出を組み込み,演出の表現と意味との両方を多様化することは,演出を設計するうえでは一般的な工夫に過ぎない。
したがって,甲1発明を出発点として,大型化するとともに毎ゲーム回転させることとするサブリール140?142に,内部抽選結果の報知に止まらない公知の演出を組み込むことは,当業者であれば十分に動機付けがあったものである。また甲1発明においては,そもそも,サブリール140?142の停止絵柄による内部抽選結果の確定報知は,実際に入賞したゲームにおいて行うべき必要性がなかったものである。
なお,被請求人はこれに反する主張もしているが,この点について被請求人の主張は採用することができない。

(ウ)相違点1_(1)aの部分について
ここにおいて,無効理由6の証拠とされた甲6には,先に「2.3.」で示した甲6記載事項(あ)?甲6記載事項(こ)の各記載がある。
すなわち,甲6には,スロットマシンにおいて,第1の可変表示装置である左リール6L,中リール6C,右リール6Rからなる可変表示部71とは別に設けられた,本来的には演出を行わせるための第2の可変表示装置である画像表示部178上でも図柄を可変表示させ,入賞時における第2の可変表示装置上の停止時の図柄表示態様を,第1の可変表示装置に停止して表示された識別情報の態様毎に対応付けられたものとして,第2の可変表示装置によっても役の入賞・非入賞を判別可能とすること,及び,当該第2の可変表示装置における図柄の可変表示に,第1の可変表示装置と図柄のズレが生じないような動きを与えて,第2の可変表示装置によっても目押しを可能とすること(以下,「甲6発明」という。)が開示されている。
また,甲6における画像表示部178は,前記甲6記載事項(か)?(く)に示されるとおり,ボーナスに内部当選しているか否かによって,画像表示部178上の図柄の変動開始態様を確率的に異ならせている。すなわち,甲1発明におけるサブリール140?142と同様に,動きによってボーナス内部当選を示唆する機能も備えている。そして,甲6では前記甲6記載事項(け),及びそこで言及する【図24】?【図27】に示されるように,第2の可変表示装置の表示領域を3×3の領域に区切ったうえで,第1の可変表示装置の各列に対する列単位の対応関係を崩し,第2の可変表示装置の入賞ラインを変形しているけれども,入賞ラインの変形は第2の可変表示装置により目押しを可能とすること,及び,第2の可変表示装置の停止態様によっても入賞・非入賞の判別を可能とすることに関して,必須の前提でない。
そうであれば,甲1発明において,サブリール140?142を3×3コマ表示・5ラインに大型化するとともに毎ゲーム必ず回転させるようにするに際して,向上するサブリール140?142の表現能力に対応して,甲6に開示された演出を一部組み込むことで,演出の多様化を図ることは,当業者であれば想到容易である。すなわち,サブリール140?142の通常の動きとして,甲6発明を参照して,メインリール101?103の目押しが可能となる動きを採用するとともに,入賞時におけるサブリール140?142の停止絵柄を,入賞を示すような特定の停止絵柄の組合せに指定することで,サブリール140?142によってもゲームが可能となる演出を組み込むことは,想到容易である。
なおその際に,甲1発明が有する,サブリール140?142の停止絵柄によってボーナス内部当選の確定報知を時折行うという構成を維持するためには,入賞を示すために用いるものとは異なる特定の停止絵柄の組合せを,ボーナス内部当選中ではあるがゲーム結果がはずれであった場合に,適宜用いれば足りることが明らかである。また,甲1発明が有する,通常とは異なるサブリール140?142の動きによって内部抽選結果を示唆するという機能を維持するには,当該通常と異なるサブリール140?142の動きが必要であるとともに,当該動きが生じたときには,サブリール140?142とメインリール101?103との動きが合致せず,サブリール140?142によるメインリール101?103の目押しは一時的に不可能となる。けれども,甲1発明を出発点として,サブリール140?142の表現能力の拡充に併せて甲6発明の演出を一部組み込む場合において,サブリールによって目押しが可能という甲6発明の効果をあらゆる時点で必ず奏すべき必然性はないから,その点でも甲1発明と甲6発明の組合せに阻害要因はない。甲1発明におけるサブリール140?142によってメインリール101?103の目押しが可能な動きを採り入れるには,各サブリール140?142上の絵柄数を各メインリールと同じ21個としたうえで,各サブリール140?142上と各メインリール101?103上の移動絵柄が対応するようにする必要もあるが,その程度のことは設計事項程度である。
被請求人は,これらの点についても反対の主張をしているが,いずれも採用することができない。また,被請求人は甲6では変形された入賞ラインを用いているから,実際上画像表示部178による目押しができない旨も主張しているが,甲6では変形された入賞ラインの下でも,3×3の各表示区画毎に,それぞれメインのリールの対応する箇所に同期した変動表示を行うのであるから,目押しができないということはない。そして,甲6の具体例における変形された入賞ラインを必ず採用すべき必然性もないから,被請求人の主張はこの点についても採用することができない。
したがって,甲1発明において甲6発明の演出を一部組み込み,毎ゲーム回転させるサブリール140?142の通常の動きとして,メインリール101?103の目押しが可能となる動きを採用するとともに,サブリール140?142の停止絵柄については,入賞時には入賞を示す特定の組合せとなるように指定して,サブリール140?142によってもゲームの結果を把握可能とすることは,当業者にとって容易である。
すなわち,相違点1_(1)aに係る構成を得ることは,当業者にとって想到容易である。

(エ)相違点1_(1)bについて-その1
-同じ種類の停止絵柄並びと異なる種類の停止絵柄並びを用いる点
甲1発明を出発点として,相違点1_(1)aの構成を得ることは,上記(ウ)に述べたとおり想到容易であるところ,そうした場合には同期回転中,及び停止時のメインリール101?103とサブリール140?142とにおいて,絵柄や入賞を示す場合の表現に異なる個性を持たせない限り,遊技者に提供する表現に重複が生じ,せっかくの2つのリールの表現が重畳的となってしまうことが明らかである。
そうであれば,同期回転中及び停止時のメインリール101?103及びサブリール140?142の表現を,いずれも遊技者が楽しめるよう,メインリール101?103とサブリール140?142との絵柄あるいは停止態様に,それぞれ異なる個性を与えることは,遊技機の演出設計を行う通常程度の能力を有する者であれば,当然に考慮する事項というべきである。
なお,甲6においても,前記甲6記載事項(け)及びそこで言及する【図24】に示される如く,可変表示部71と画像表示部178とで入賞ラインを変形させたり,また一方で用いる図柄を「顔」とする等しており,この点からも,甲1発明を出発点とする場合のサブリール140?142とメインリール101?103とに異なる個性を与えることは,示唆されている。ただし,甲6の具体例における「変形された入賞ライン」及び「顔」の絵柄をそのまま採用すべき必然性がないことは,言うまでもない。
ここにおいて,無効理由6の証拠とした引用例1には,先に「2.6.」で示した引1記載事項(あ)の記載がある。すなわち,スロットマシンの役入賞時の停止図柄の組合せを選択するうえで,「同種の識別図柄」が「大当たりライン」上に並ぶ一般的な組合せではなく,「異種図柄」が「大当たりライン」上に並ぶ組合せを選択すること(以下,「引用発明1」という。)は,公知である。
そうであれば,甲1発明を出発点として甲6発明の演出を一部組み込むとともに,同期回転中及び入賞時のメインリール101?103とサブリール140?142との表現に異なる個性を持たせるに際して,前記引用発明1を参照し,一方の入賞時の停止絵柄については,引用発明1の如く入賞ライン上に異なる種類の絵柄が並ぶ表現とし,他方の入賞時の停止絵柄については,入賞ライン上に同じ種類の絵柄が並ぶ一般的な表現として,両者の表現に個性を持たせることは,当業者であれば適宜なし得た程度の事項というべきである。
なお,被請求人は,引用例1はサブリールとメインリールの両方を有するスロットマシンを前提として入賞時の停止図柄を示すものではないから,前提の異なる甲1発明の改変について示唆を与えるものではない旨を主張している。しかしながら,甲1発明を出発点としても,甲6発明を一部組み込むうえで,メインリール101?103とサブリール140?142との表現に個性を与えようとする当業者が,引用例1の開示を参考にできないというものではないから,被請求人の主張は採用することができない。

(オ)相違点1_(1)bについて-その2
-メインリールの側で異なる種類の停止絵柄並びを用いる点
先の(エ)の検討にひき続き,メインリール101?103とサブリール140?142のうち,いずれの側を,入賞時に異なる種類の絵柄が並ぶ側と選択するかについて検討する。なお,メインリール101?103の側で異なる種類の絵柄が並ぶ入賞役と,サブリール140?142の側で異なる種類の絵柄が並ぶ入賞役とを,混在させるという選択肢もあり得ないではないが,その場合にはそれぞれのリールが個性を持つというより無秩序に近く,またそうしないことは設計事項程度であるので,ここではメインリール101?103とサブリール140?142との個性として,いずれか一方を入賞時に異なる種類の絵柄並びと選択する場合について検討することとする。
この選択には,メインリール101?103の側とするかサブリール140?142の側とするかの2つの選択肢しかないところ,異なる種類の絵柄が並ぶように選択した側のリールでは,同じ種類の絵柄が並ぶように選択した側のリールに比較して,遊技者にとって比較的斬新な印象を与えることが明らかである。
そうであるところ,無効理由6の証拠とした引用例2には,先に「2.7.」で示した引2記載事項(あ)?引2記載事項(え)の各記載がある。
すなわち,毎ゲームごとにメインのリール2?4と液晶表示装置24上のリールとにシンボルの可変表示と停止とを行わせるスロットマシンにおいて,メインのリール2?4における未知の遊技特性に付随する不安感をぬぐい去る程度のわかりやすさを,液晶表示装置24側のリールに持たせることにより,メインのリール2?4で新たな遊技特性を楽しませつつ,遊技者にメインのリール2?4及び液晶表示装置24上のリールの両方の興趣を楽しませること(以下,「引用発明2」という。)が示されている。
そうであれば,甲1発明を出発点として,甲6発明の演出を一部組み込みつつ,メインリール101?103とサブリール140?142との表現に個性を与えようとする当業者が,いずれか一方の側における入賞時の停止絵柄を異なる種類の絵柄並びとすることで,比較的斬新な印象の個性を持たせるに際して,引用発明2の示唆を参考に,メインリール101?103の側を,当該斬新な印象を与える停止絵柄とする程度のことは,適宜なし得た程度の事項というべきである。
なお,被請求人は,引用例2は,具体的には停止図柄が示す「リーチ目」について,メインのリール2?4と液晶表示装置24上のリールのいずれをわかりやすくするかを示すものであるから,甲1発明の入賞時停止絵柄をどうするかについて示唆を与えるものではない旨を主張している。また,引用例2には,液晶表示装置24上のリールによってメインのリール2?4の目押しができないよう,図柄の変動を同期させない工夫をすることが記載されている,甲6発明とは矛盾を生じて同時には採用できない旨も主張している。しかしながら,ここで検討したとおり,比較的ありきたりでない停止態様をメインリールとサブリールのいずれか一方に割り振る選択をする当業者が,引用例2の開示を参考にできないというものではない。そのため,被請求人の主張は,いずれも採用することができない。

(カ)相違点1_(1)bについて-その3
-小括
したがって,相違点1_(1)bに係る構成を得ることは,当業者にとって想到容易である。

(キ)相違点1_(1)cについて
先の(イ)?(カ)の検討に従い,甲1発明を出発点として,入賞時に,メインリール101?103の入賞ライン上では異なる種類の絵柄が並び,サブリール140?142の側では同じ種類の絵柄が並ぶようにするに際して,最も単純な選択は,全ての入賞役で,一方のリールでは同じ種類の絵柄が並び,他方のリールでは異なる種類の絵柄が並ぶように指定することである。
ここにおいて,いわゆる「チェリー役」のように,任意図柄の部分を有する入賞役は,スロットマシンにおいて広く知られているとともに,甲1発明を出発点とするスロットマシンにおいても,このような入賞役を設けることを排除すべき理由がないものである。しかしながら,任意図柄を有する入賞役では,そもそも任意図柄の部分でいかなる図柄となるかが問われないことから,入賞ライン上に同じ種類の図柄が並ぶ,あるいは異なる種類の図柄が並ぶといった指定に,そもそもなじまないことが明らかである。
そうであれば,甲1発明を出発点としたスロットマシンにおいて,あり得る入賞役の中には任意絵柄を有する入賞役を含めて良いけれども,そのように入賞時の絵柄の並びを同種あるいは異種とする指定になじまない性質の入賞役を除き,当該例外的性質を有さない全ての入賞役を,相違点1_(1)bの入賞時の絵柄指定の対象とすることは,設計事項程度と言わざるを得ない。
すなわち,相違点1_(1)cについては,甲1発明を出発点として相違点1_(1)a及び相違点1_(1)bの構成を採用するうえでは,単なる設計事項程度である。

(ク)相違点1_(1)のまとめ
したがって,甲1発明を出発点として,甲6発明の演出を一部組み込むことで,サブリール140?142によってもメインリール101?103の目押しが可能な動きを採用するとともに,サブリール140?142の停止絵柄によって入賞を判別可能とすること,またそれに際して,両リールの表現にそれぞれ異なる個性を持たせる観点から,引用発明1の如く公知の入賞時停止図柄態様をメインリール101?103あるいはサブリール140?142のいずれか一方に採用し,他方は従来からありふれた入賞時停止図柄態様を採用することは,当業者であれば想到容易である。
さらに,上記のいずれか一方のリールの選択に際して,引用発明2の示唆を参酌し,サブリール140?142の側を引用発明1の入賞時の停止絵柄を採用する側と選択すること,またそのような入賞時の停止絵柄の指定対象を,任意図柄を有するために同指定の対象とならない例外的な性質を有する入賞役を除き,全ての入賞役とすることも,当業者であれば容易になし得た事項である。
すなわち,甲1発明を出発点として,相違点1_(1)に係る本件発明1の構成を得ることは,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,総じて当業者であれば想到容易である。

イ.相違点2_(1)について
(ア)検討の順序について
相違点2_(1)については,次の順序で段階的に検討を行う。まずはじめに,相違点2_(1)によれば「前記メインリールの回転方向と同じ方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第1処理」が存在するから,その点(以下,「相違点2_(1)a」という。)について検討する。すなわち,甲1発明を出発点として,メインリール101?103の回転方向と同じ方向に当該メインリールに対応するサブリール140?142を回転させる処理を導入することが,容易か否かについて検討する。
次に,相違点2_(1)によれば,「前記メインリールの回転方向と逆の方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第2処理」も存在するから,その点(以下,「相違点2_(1)b」という。)について検討する。すなわち,甲1発明において,メインリール101?103の回転方向と逆の方向に当該メインリールに対応するサブリール140?142を回転させる処理を導入することが,容易か否かについて検討する。
次に,相違点2_(1)によれば,「前記メインリールの回転中」に「第1処理」と「第2処理」とが「前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行」されるから,その点(以下,「相違点2_(1)c」という。)について検討する。すなわち,甲1発明を出発点として,相違点2_(1)aと相違点2_(1)bで検討した処理を,内部抽選結果に基づいて,メインリール101?103の回転中に選択的に実行することが,容易か否かについて検討する。なお,先に「1.2.認定についての補足」の「(4)」において補足したとおり,「選択的に実行」については,いずれか一方の処理が選択されたうえでの実行,あるいは一方から他方へと途中で切り換えられる複合的形態が選択されたうえでの実行が,メインリールの回転中に行われる趣旨と解する。また,同箇所で認定について補足したとおり,「実行」のみでなく「選択」の主体も「第2制御手段」であると解した場合についても,検討を行う。ただし,その場合であっても,「第2制御手段」による「選択」は,遊技自体に影響を与えず,「第1制御手段」の側で決定すべき必要がない範囲で任される趣旨と解する。
そのうえで,相違点2_(1)に「前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように」とある点(以下,「相違点2_(1)d」という。)について検討する。なお,先に「1.2.認定についての補足」の「(5)」において補足したとおり,この点については,回転が停止するメインリールに対応する表示列に対して,回転を停止させるような第2制御手段の制御動作を実行させる契機が生じれば足りる趣旨であると解することとする。すなわち,その結果として各表示列が実際に停止する時期については,対応する各メインリールの停止に対して,遅れる場合及びほぼ同時となる場合の,いずれも適宜にあり得る趣旨と解する。

(イ)相違点2_(1)aについて
相違点1_(1)について述べたとおり,甲1発明においてサブリール140?142をメインリール101?103と同様に3×3コマ表示・5ラインに大型化するとともに,毎ゲーム必ず回転させるようにするに際して,甲6発明に開示された演出を一部組み込み,サブリール140?142の通常の動きとして,メインリール101?103の目押しが可能となる動きを採用することは,当業者であれば想到容易である。
その際,サブリール140?142によってメインリール101?103の目押しが可能な動きを採り入れるには,各サブリール140?142上の絵柄数を各メインリール101?103と同じ21個としたうえで,各サブリール140?142上と各メインリール101?103上の絵柄を対応させるとともに,当該動きの間はメインリール101?103上の移動絵柄とサブリール140?142上の移動絵柄の対応関係が維持されるよう,両リールの回転方向・回転速度及び回転位相を合致させる必要がある。しかしながら,そのようにすることは設計事項程度に過ぎない。なお,被請求人はこれに反する主張もしているが,採用することはできない。
すなわち,甲1発明において,本件発明1との相違点1_(1)に係る構成を採用するのに併せて,相違点2_(1)に係る構成のうち,各表示列の回転方向が対応する各メインリールと合致する「第1処理」に相当する動きを備えることは,設計事項程度である。
なお,後に検討する本件発明3及び9にも関係するが,回転方向のみならず,回転速度及び回転位相まで合致させることも,同様の理由で,設計事項程度である。

(ウ)相違点2_(1)bについて
甲1発明において,毎ゲーム回転させることとするサブリール140?142の通常の動きとして,(イ)に述べたとおり,対応する各メインリール101?103と回転方向,回転速度及び回転位相が合致した動きを導入するに際して,甲1発明がもともと有していた,通常とは異なるサブリール140?142の動きを併用して遊技者にボーナス内部当選への期待を高める,という機能を維持することは,当業者であれば当然に考慮すべき事項である。そして,サブリール140?142の通常の動きとして,対応する各メインリール101?103と回転方向,回転速度及び回転位相の全てが合致した動きを導入するのであるから,通常とは異なる動きとして,甲1の実施例として具体的に示された個々の特殊な動きに代えて,対応する各メインリール101?103と回転方向,回転速度あるいは回転位相の少なくともいずれかが異なる動きを用意するとともに,前述した対応する各メインリールと回転方向,回転速度及び回転位相が合致した動きとの選択あるいは途中切換を行うことは,当業者であれば適宜なし得る程度の事項である。
すなわち,甲1発明において,本件発明1との相違点1_(1)に係る構成を採用するのに併せて,相違点2_(1)a及び相違点2_(1)bの両構成を備えることは,当業者であれば想到容易である。
なお,後に検討する本件発明3及び9にも関係するが,ここで回転方向,回転速度及び回転位相のうち,いずれが異なる動きを用意するかも,適宜選択できる事項に過ぎない。

(エ)相違点2_(1)cについて
先に述べた相違点2_(1)a及び相違点2_(1)bの両動きを用意したうえで,そのような異なる種類の動きによってボーナス内部当選を遊技者に期待させるからには,用意した複数の動きの選択あるいは途中切換を,内部抽選の結果に基づいて行うことは当然である。
また,サブリール140?142によってメインリール101?103の目押しが可能な動きとそうでない動きとの選択あるいは途中切換によって,遊技者にボーナス内部当選を期待させる以上,当該2つの動きの相違が最も印象づけられる期間として,比較対象となるメインリール101?103のいずれかの回転中に,当該動きの選択あるいは途中切換を行えば,最も効果的であることが明らかである。それだけでなく,サブリールの動きによってボーナス内部当選を期待させる時期としては,前記甲1記載事項(す)の抜記中の段落【0139】及び段落【0155】において,最初の停止操作前やいずれかの停止操作が行われた時が示唆されている。また甲6においても,前記甲6記載事項(か)?(く)において,可変表示の開始時にボーナス内部当選を期待させる動きをさせることが示唆されている。すなわち,甲1発明及び甲6発明に依拠する場合において,メインリールの回転中という時期は,サブリールの動きによって内部抽選結果を示唆する時期の選択肢として示唆されていたものであり,排除されていたものではない。
そのため,メインリール101?103のいずれかの回転中に,内部抽選結果に応じて選択された,サブリール140?142の用意した複数の動きのいずれかの実行,あるいは動きの途中切換の実行を行わせることは,当業者であれば適宜なし得た程度の事項である。
次に,そのような複数の動きの内部抽選結果に応じた選択を,どの手段に担当させるかについて検討する。甲1発明においては,選択された動きでサブリール140?142を回転させる制御は,副制御部400が実行しているものの,サブリール140?142を回転させるか否かといった選択は,主制御部300における演出抽選で行っている。
しかしながら,たとえば甲1記載事項(お)の抜記中の段落【0055】では,主制御部300と副制御部400との機能分担に適宜の自由度があり得ることが示唆されており,甲1記載事項(く)中の段落【0095】では,サブリール140?142の動きに関する選択の一部を副制御部400に任せることも示唆されている。そのため,サブリール140?142を毎ゲーム必ず回転させる場合において,主制御部300の負担を減じる観点から,サブリール140?142の動作に関する演出上の選択であって主制御部300で行う必要がないものについて,副制御部400に分担させるようにすることは,設計事項程度というべきである。
なお,内部抽選結果に基づく選択を主制御部300の外で行わせるために,内部抽選結果の情報を送出することも,たとえば引2記載事項(い)において「メイン制御基板61」が「当選フラグの種類」を「画像制御IC90」に与えているように,格別の事項ではない。
すなわち,内部抽選結果に基づくサブリール140?142の動きの選択を,演出上の選択に止まる範囲内で副制御部400に担当させ,「選択的に実行」の「選択」及び「実行」の両部分を「第2制御手段」に行わせることは,設計事項程度である。
したがって,相違点2_(1)cに係る本件発明1の構成を得ることは,当業者であれば容易である。

(オ)相違点2_(1)dについて
甲1発明では,サブリール140?142を回転させた場合には,対応するメインリール101?103の停止に伴って,メインリール101?103と同様,対応するストップボタン126?128の押下に応じて停止させられることが基本であった。そしてそのうえで,サブリール140?142に特定の具体的な動きを行わせる一部の場合について,ストップボタン126?128の押下自体を一時的に受け付けないこととし,あるいはストップボタン126?128の各押下を契機とせず各サブリール140?142を停止させる制御を,例外的に行ったものである。
そうであれば,(イ)?(エ)の検討のとおり,甲1発明において甲6発明の演出を一部組み込み,サブリール140?142の通常の動きとして,対応する各メインリール101?103の目押しが可能となる動きを用意し,また通常とは異なる動きとして,対応する各メインリールと回転方向,回転速度あるいは回転位相の少なくともいずれかが異なる動きを用意し,メインリールの回転中にこれらの動きの選択あるいは途中切換を行うことでボーナス内部当選を示唆するに際して,ストップボタン126?128の各押下と全く無関係に各サブリール140?142の停止制御を行う等の例外的制御を廃するとともに,少なくともストップボタン126?128の各押下を,各サブリール140?142を停止させるような制御の契機として用いることは,設計事項程度である。
またその際,各サブリール140?142の停止動作が完了するまでの時間を適宜に選択して,各サブリール140?142の実際の停止を,対応する各メインリール101?103の停止に対してどの程度遅延させるかは,実際上遅延させないことも含めて,当業者が適宜選択できる事項である。
したがって,相違点2_(1)dに係る本件発明1の構成を得ることは,設計事項程度である。

(カ)相違点2_(1)まとめ
以上より,甲1発明を出発点として,相違点2_(1)に係る本件発明1の構成を得ることは,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づく場合,総じて,当業者であれば想到容易である。

ウ.本件発明1の進歩性の判断
以上のとおり,甲1発明との相違点1_(1)及び2_(1)に係る本件発明1の構成を採用することは,甲6発明及び引用発明1?2に基づいて,いずれも当業者にとって想到容易である。そして,構成上の想到容易性については上述したとおりであるとともに,これらの構成を採用したことによる格別の作用効果を認めることもできない。
なお,被請求人は平成21年11月30日付けの意見書において,本件発明はスキルの低い遊技者のみを想定しており,スキルが低い遊技者は同じ種類の図柄が並ぶ入賞役しか停止操作によって揃えることができないから,本件発明は,そのような遊技者をサブリールに注目させるという顕著な効果を奏するものである旨を主張している(同意見書第3頁参照)。
しかしながら,本件明細書においても,たとえば前記明細書記載事項(え)の抜記中における段落【0093】に,「ストップボタン操作の習熟には,プレイヤーの個人差がある。特に,動体視力の低いプレイヤーは所望の図柄を停止させることが難しい。一方,スキルの高いプレイヤーは,所望の図柄が入賞ラインに表示されている時に,ストップボタンを操作することが可能である。」と記載されているように,スキルの低いプレイヤーが入賞可能な停止操作を行えるか否かは,もっぱら回転中の各リール上における個々の移動図柄の視認性に依存するのであって,停止後の図柄並びが同じ種類か異なる種類かによるのではない。そのため,被請求人の上記主張は,まずその点において失当である。
また,本件発明では「第2処理」が存在するため,サブリールとメインリールとに,サブリールを見ればメインリールの目押しができるという関係は保証されないから,その点でも,スキルが低いプレイヤーがメインリールを見ても入賞可能な停止操作を行えない一方,サブリールを見れば入賞可能な停止操作を行うことができるようになる,というものでもない。すなわち,被請求人の上述の主張は,その点においても失当である。
さらに,スキルが低い特定の遊技者のみを対象として限定的な効果を得ることは,本件明細書にも記載されていない。そのため,被請求人の上述の主張は,明細書の記載を離れた主張であるという点でも,失当である。
そしてそれだけでなく,仮に,入賞時にメインリールでは異なる種類の図柄が並び,サブリールでは同じ種類の図柄が並ぶという構成に付随して,何らかの形でサブリールへの注目効果が生じ得るとしても,そのような効果は,相違点1_(1)に係る本件発明1の構成を得ることが想到容易である以上,想到容易な構成を採用すれば付随的に生じる程度の効果であるから,本件発明に特有の格別の作用効果と認められるものではない。
したがって,本件発明の顕著な効果に関する上記被請求人の主張は,採用することができない。そして,本件発明1について,構成上の想到容易性については,既に述べたとおりである。
よって,本件発明1は,甲1発明を出発点として,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明1についての結論
以上より,請求項1の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.2. 本件発明2について
(1)甲1発明との一致点及び相違点の認定
甲1発明は,先に「3.4.」に認定したとおりであり,本件発明2は,先に「第3 2.」において,「2.2.請求項2(請求項2’)」として記載したとおりである。また,本件発明2の認定についての補足は,先に「1.2.」において示したとおりである。
甲1発明と本件発明2とを比較すると,先の「4.1.(1)」における甲1発明と本件発明1との一致部分は一致点であり,相違点は次のとおりとなる。

<相違点1_(2)>
本件発明2では,メインリールで入賞を定める「複数の所定の態様」の中に「特定の態様」として識別される「態様」が含まれたうえで,「前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶ」のに対して,甲1発明ではそのようになっていない点。

<相違点2_(2)>
本件発明2では,「第2制御手段」による「第2表示手段」の制御が,「前記メインリールの回転中に,前記メインリールの回転方向と同じ方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記メインリールの回転方向と逆の方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行」し,また,「前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように」なっているのに対して,甲1発明ではそのようになっていない点。

<相違点3_(2)>
本件発明2では,「第2制御手段」による「第2表示手段」の制御が,<相違点2_(2)>に加えて,「前記第1処理において前記複数のメインリールの各々の回転を検知すると前記複数の表示列の各々の可変表示を開始させるように前記第2表示手段を制御」するのに対して,甲1発明ではそのようになっていない点。

(2)相違点の判断及び本件発明2の進歩性の判断
ア.相違点1_(2)について
相違点1_(2)は,甲1発明と本件発明1との相違点1_(1)と同一である。そのため,先に「4.1.(2)ア.」で検討したとおりであるので,同箇所における検討を援用する。
すなわち,甲1発明を出発点として,相違点1_(2)に係る本件発明2の構成を得ることは,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者であれば想到容易である。

イ.相違点2_(2)について
相違点2_(2)は,甲1発明と本件発明1との相違点2_(1)と同一である。そのため,先に「4.1.(2)イ.」で検討したとおりであるので,同箇所における検討を援用する。
すなわち,甲1発明を出発点として,相違点2_(2)に係る本件発明2の構成を得ることは,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者であれば想到容易である。

ウ.相違点3_(2)について
甲1発明では,メインリール101?103の回転開始をランダムとすることも許されるところ,当該変形例をとる場合,必ずしも一斉に回転開始しない各メインリール101?103に対して,対応するサブリール140?142の,同じ方向の回転開始が対応して行われるようにすることは,設計事項程度である。
なお,この点については甲6にも示唆がある。前記甲6記載事項(き)?(く)の摘示にあるように,メインのリールたるリール6L,6C,6Rを同時に変動開始する場合には,画像表示部178上の対応する区画を同時に変動開始させ,リール6L,6C,6Rを右から順に,あるいは左から順に変動開始させる場合には,画像表示部178上の対応する区画も,対応する順で変動開始させることが記載されている。すなわち,必ずしも一斉としないメインの各リールの変動開始に対しても,第2可変表示装置の各対応する箇所の変動開始を整合させる例が示されている。そうであれば,当該甲6の例示を参照した場合にも,甲1発明におけるメインリール101?103の各変動開始に対して,対応する各サブリール140?142の変動開始が同じ回転方向の場合に整合するよう,各メインリール101?103の各々の回転を検知したうえで,対応する各サブリール140?142を可変開始させることは,設計事項程度である。
そして,各サブリール140?142の回転開始を各メインリールの回転開始にそれぞれ対応させるうえで,各メインリール101?103の各々の回転を検知したうえで,対応する各サブリール140?142を可変開始させるようにすることも,設計事項程度というほかはない。
したがって,相違点3_(2)に係る本件発明2の構成を得ることは,設計事項程度でしかない。

エ.本件発明2の進歩性の判断
以上のとおり,甲1発明との相違点1_(2)?3_(2)に係る本件発明2の構成を採用することは,甲6発明及び引用発明1?2に基づいて,いずれも当業者にとって想到容易であるか,設計事項程度である。そして,構成上の想到容易性については上述したとおりであるとともに,これらの構成を採用したことによる格別の作用効果を認めることもできない。
したがって,本件発明2は,甲1発明を出発点として,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明2についての結論
よって,請求項2の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.3. 本件発明3について
(1)甲1発明との一致点及び相違点の認定
甲1発明は,先に「3.4.」に認定したとおりであり,本件発明3は,先に「第3 2.」において,「2.3.請求項3(請求項3’)」として記載したとおりである。また,本件発明3の認定についての補足は,先に「1.2.」において示したとおりである。
甲1発明と本件発明3とを比較すると,先の「4.1.(1)」における甲1発明と本件発明1との一致部分は一致点であり,相違点は次のとおりとなる。

<相違点1_(3)>
本件発明3では,メインリールで入賞を定める「複数の所定の態様」の中に「特定の態様」として識別される「態様」が含まれたうえで,「前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶ」のに対して,甲1発明ではそのようになっていない点。

<相違点2_(3)>
本件発明3では,「前記複数のメインリールの回転速度を各々検知して第1速度情報を生成する第1速度検出手段」を有するのに対して,甲1発明では,そうなっているか否かが不明な点。

<相違点3_(3)>
本件発明3では,「第2制御手段」による「第2表示手段」の制御が,「前記メインリールの回転中に,前記第1速度情報の示す前記メインリールの回転速度に当該メインリールに対応する前記表示列の可変表示速度を近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,前記メインリールの回転速度と当該メインリールに対応する前記表示列の可変表示速度を無関係に制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行」し,また,「前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように」なっているのに対して,甲1発明ではそのようになっていない点。

(2)相違点の判断及び本件発明3の進歩性の判断
ア.相違点1_(3)について
相違点1_(3)は,甲1発明と本件発明1との相違点1_(1)と同一である。そのため,先に「4.1.(2)ア.」で検討したとおりであるので,同箇所における検討を援用する。
すなわち,甲1発明を出発点として,相違点1_(3)に係る本件発明3の構成を得ることは,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者であれば想到容易である。

イ.相違点2_(3)について
甲1発明では,メインリール101?103の回転速度が所定の回転速度に達すると,ストップボタン126?128の操作を有効化するところ,そのような制御を確実に行うという観点から,各メインリール101?103の回転速度を各々検知して速度情報を生成する手段を設ける程度のことは,設計事項というほかはない。
また,先に甲1発明と本件発明1との相違点2_(1)について検討した「4.1.(2)イ.(イ)」において,甲1発明を出発点として甲6発明の演出を一部組み込み,サブリール140?142によってメインリール101?103の目押しが可能な動きを採用するには,メインリール101?103上の移動絵柄とサブリール140?142上の移動絵柄の対応関係が維持されるよう,両リールの回転方向・回転速度及び回転位相を合致させる必要があることを述べた。この事情は,前記相違点1_(3),及び後記相違点3_(3)を有する本件発明3においても,妥当する。
すなわち,サブリール140?142によってメインリール101?103の目押しを可能とするには,両リールの回転速度も合致させる必要がある。そうであれば,サブリール140?142とメインリール101?103の回転速度を確実に合致させるという観点から,各メインリール101?103の回転速度を各々検知して速度情報を生成する手段を設けることも,設計事項程度である。
すなわち,相違点2_(3)に係る本件発明3の構成を得ることは,設計事項程度である。

ウ.相違点3_(3)について
相違点3_(3)は,甲1発明と本件発明1との相違点2_(1)と比較すると,相違点2_(1)においては,「第1処理」と「第2処理」の両者が,対応するメインリールと回転方向が同じか逆かの処理とされていたところ,相違点3_(3)においては,「第1処理」は対応するメインリールの回転速度に表示列の可変表示速度を近づける処理とされ,「第2処理」は対応するメインリールの回転速度を無関係に表示列の可変表示速度を制御する処理とされるものである。
すなわち,相違点3_(3)は,相違点2_(1)の構成要素である相違点2_(1)a?dのうち,相違点2_(1)a及び相違点2_(1)bにおける回転方向の一致・不一致が,回転速度の一致・不一致に変わったものであり,残る相違点2_(1)c及び相違点2_(1)dの部分は同じである。
ここにおいて,対応するメインリールと回転速度が一致する処理,及び一致しない処理を用いることについては,先に相違点2_(1)a及び相違点2_(1)bの検討において,速度についても付言したとおりである。そのため,これらの点については,先の「4.1.(2)イ.」の記載中(イ)及び(ウ)の検討を援用する。
かような速度制御のために,先の「イ.相違点2_(3)について」で検討した速度検出手段を用いることも,設計事項程度である。
相違点3_(3)の残る部分,すなわち,相違点2_(1)c及び相違点2_(1)dに該当する部分については,先の「4.1.(2)イ.」の記載中(エ)及び(オ)で検討したとおりであるので,援用する。
すなわち,甲1発明を出発点として,相違点3_(3)に係る本件発明3の構成を得ることは,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,総じて当業者であれば想到容易である。

エ.本件発明3の進歩性の判断
以上のとおり,甲1発明との相違点1_(3)?3_(3)に係る本件発明3の構成を採用することは,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,いずれも当業者にとって想到容易であるか,設計事項程度である。そして,構成上の想到容易性については上述したとおりであるとともに,これらの構成を採用したことによる格別の作用効果を認めることもできない。
したがって,本件発明3は,甲1発明を出発点として,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明3についての結論
よって,請求項3の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.4. 本件発明4について
(1)従属先請求項の発明特定事項,及び検討すべき付加的構成事項
本件発明4は,本件発明3への従属請求項であり,その構成要件は先に「第3 2.」において,「2.4.請求項4(請求項4’)」として記載したとおりである。このうち,従属先請求項である請求項3により特定される部分については,先に「4.3.」において本件発明3について述べたとおりである。
本件発明4について,検討すべき付加的構成事項は,請求項の記載から抜記すると,次のとおりである。
「(4a)前記第2表示手段の複数の表示列は複数のサブリールであり,
(4b)前記複数のサブリールの回転速度を各々検知して第2速度情報を前記第2制御手段に出力する第2速度検出手段を備え,
(4c)前記第2制御手段の前記第1処理は,前記第1速度情報を目標として,前記第2速度情報を前記第1速度情報に近付けるように前記第2表示手段を制御する」

(2)付加的構成事項についての検討,及び本件発明4の進歩性の判断
ア.付加的構成事項(4a)について
甲1発明においてもサブリール140?142が用いられている。そのため,付加的構成事項(4a)の部分は一致点である。
イ.付加的構成事項(4b)?(4c)について
甲1発明を出発点として甲6発明を参酌し,サブリール140?142によってメインリール101?103の目押しが可能となる動きを組み込むうえでは,当該動きの間については各サブリール140?142の回転方向・回転速度及び回転位相を合致させる制御が必要となるところ,このような制御を確実に行うために,各サブリール140?142の回転速度を各々検出して速度情報を出力する手段を設けること,及び,副制御部400に対して,各サブリール140?142の速度情報が対応する各メインリール101?103についての速度情報に近づくよう制御を行わせることは,当業者であれば適宜なし得る程度の事項と言わざるを得ない。
ウ.付加的構成事項についての小括
すなわち,本件発明4の付加的構成事項は,いずれも甲1発明との相違点ではないか,あるいは,本件発明3との相違点に係る構成を得るうえでは設計事項程度である。
エ.本件発明4の進歩性
したがって,本件発明4は,甲1発明を出発点として,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明4についての結論
よって,請求項3の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.5. 本件発明5について
(1)従属先請求項の発明特定事項,及び検討すべき付加的構成事項
本件発明5は,本件発明3への従属請求項であり,その構成要件は先に「第3 2.」において,「2.5.請求項5(請求項5’)」として記載したとおりである。このうち,従属先請求項である請求項3により特定される部分については,先に「4.3.」において本件発明3について述べたとおりである。
本件発明5について,検討すべき付加的構成事項は,請求項の記載から抜記すると,次のとおりである。
「(5a)前記第2表示手段は,複数種類の図柄の画像を可変表示可能な画像表示装置で構成され,前記表示列は前記画像表示装置に画像として表示され,前記表示列の可変表示速度は,前記複数種類の図柄の画像が可変表示される速度であり,
(5b)前記第2制御手段は,
(5c)前記図柄の画像を示す図柄画像データを記憶する画像記憶手段と,
(5d)前記画像表示装置に表示する画像を示す表示画像データを記憶する表示用記憶手段と,
(5e)前記表示用記憶手段から前記表示画像データを読み出して前記画像表示装置へ供給する供給手段と,
(5f)前記第1処理において,前記表示列の図柄の移動速度が前記第1速度情報の示す前記メインリールの回転速度と一致するように,前記画像記憶手段から前記図柄画像データを読み出して前記表示用記憶手段へ書き込むことによって前記表示用記憶手段の記憶内容を更新する更新手段と,
を備える」

(2)付加的構成事項についての検討,及び本件発明5の進歩性の判断
ア.付加的構成事項(5a)?(5f)について
甲1にも,先に抜記した甲1記載事項(ち)中において,「液晶表示装置等」を搭載することが示唆されているところ,一般に,機械式リールの機能を画像表示装置による疑似リールで代替することは,例示するまでもなく周知技術である。そのため,甲1発明のサブリール140?142を,画像表示装置上に擬似的に表示されるリールに置き換えることは,当業者であれば想到容易である。
その際,絵柄の画像データを記憶させておき,これを用いて表示用の画像データを作成するとともに,作成した表示用の画像データを直接にではなく,一時的記憶手段を介して画像表示装置に出力することは,汎用される周知技術を用いるだけの事項であるから,設計事項程度と言わざるを得ない。
また,上述したように画像表示による疑似的リール上で絵柄の移動を行わせる場合,画像表示装置上の絵柄の移動速度は,表示用画像の作成・更新処理に依存するのであるから,当該画像表示装置上の絵柄の移動速度をメインリール101?103と合致させるに際して,メインリール101?103の回転速度情報と一致するように表示用画像の作成・更新処理を行うことも,設計事項程度と言わざるを得ない。
すなわち,本件発明5の付加的構成事項(5a)?(5f)に係る構成を得ることは,周知技術に基づいて,当業者であれば容易である。
イ.本件発明5の進歩性
したがって,本件発明5は,甲1発明を出発点として,甲6発明,引用発明1,引用発明2及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明5についての結論
よって,請求項5の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.6. 本件発明6について
(1)従属先請求項の発明特定事項,及び検討すべき付加的構成事項
本件発明6は,本件発明3?5への従属請求項であり,その構成要件は先に「第3 2.」において,「2.6.請求項6(請求項6’)」として記載したとおりである。このうち,従属先請求項である請求項3?5により特定される部分については,先に「4.3.」?「4.5.」において,本件発明3?5について述べたとおりである。
本件発明6について,検討すべき付加的構成事項は,請求項の記載から抜記すると,次のとおりである。
「(6a)前記第1速度検出手段は,
(6b)前記メインリールの基準点が所定位置を通過するタイミングで第1検出パルスを発生する第1センサと,
(6c)前記第1検出パルス間の時間間隔を計測する計測手段と,
(6d)前記計測手段の計測結果に基づいて前記第1速度情報を生成する第1速度情報生成手段と,
を備える」

(2)付加的構成事項についての検討,及び本件発明6の進歩性の判断
ア.付加的構成事項(6a)?(6d)について
甲1発明においては,サブリール140?142に基準回転速度80rpm,1回転あたり400ポジションのモーターを用いている一方,メインリール101?103については「所定の速度」がどの程度であるか明らかでない。
しかしながら,ここでスロットマシンのメインリールに関する一般的な知識を参照すると,たとえば特開2002-233610号公報には,「従来,スロットマシンにおいて,回転リールの定常状態での回転速度は,80rpm以下であって,80rpm近傍の所定の回転速度に,一定に保たれていた。」(段落【0002】)と記載され,また,特開2002-166021号公報には,「(13)回胴回転構造の物理的変形の確認:回胴モータは1回転400ステップで駆動されるのが一般的である。回胴回転は規定により80rpmであり,駆動はタイマ割込でステップ更新させて回転させる。」(段落【0062】)と記載されている。すなわち,80rpmという回転速度及び400ステップというポジション数は,スロットマシンのメインリールにおいて,そもそも汎用されていたものであることが明らかである。
そうであれば,甲1発明では,メインリール101?103の「所定の速度」についても,実際上はメインリールにおける汎用規格である80rpm程度が予定されていると言い得る。また,メインリール101?103,及びメインリールと同様に大型化した場合のサブリール140?142の両者について,前述のとおりメインリールの汎用規格にも合致し,また大型化する以前のサブリール140?142でも採用していた,基準回転速度が80rpmで1回転あたり400ポジションというモーターを用いることは,きわめて自然な選択と言い得る。そのため,甲1発明においても,実際上ありがちなメインリール101?103の回転速度は略80rpm程度と考えて差し支えない。
ここで,甲1発明を出発点として甲6発明を参酌し,サブリール140?142によってメインリール101?103の目押しが可能となる動きを組み込むうえで,両リールの回転速度の合致について厳密な管理を追求するのであれば,メインリール101?103の1回転未満の瞬間速度を逐次求めてサブリール140?142の速度をこれに追従させるという選択も,あり得る。しかしながら,略80rpm程度の回転速度であれば,1回転毎に速度を求めても,毎秒1回以上程度の頻度で速度検出は行われる。また,例えば甲6記載事項(こ)の抜記中における段落【0250】に,「上記の実施の形態では,画像表示部178に表示される図柄の変動は,リール6L,6C,6Rの回転速度が既知のものであることを前提として,演出制御部100において制御するものとしていた。しかしながら,リール位置センサ8L,8C,8Rの検出信号を演出制御部100のCPU103にも供給するものとし,この検出信号に基づいて変動表示される図柄を調整してもよい。これにより,可変表示部71に表示される図柄と画像表示部178に表示される図柄とのズレを防ぐことができる。」とも記載がされているように,常識的なメインリールの定常回転速度であれば,毎秒1回程度の制御であってもメインリールを基準とした図柄のズレは防止できるとともに,より長周期の制御であっても実際上図柄の移動速度を同一と出来ることが明らかである。
そうであれば,メインリール101?103とサブリール140?142の速度管理という観点から,メインリール101?103の回転速度を検出するに際して,基準点が所定位置を通過する際のパルス間隔を計測して,1回転毎の回転速度を検知することは,設計事項程度と言うべきである。
すなわち,本件発明6の付加的構成事項は,総じて,単なる設計事項程度に過ぎない。
イ.本件発明6の進歩性
したがって,本件発明6は,甲1発明を出発点として,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明6についての結論
よって,請求項6の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.7. 本件発明7について
(1)従属先請求項の発明特定事項,及び検討すべき付加的構成事項
本件発明7は,本件発明3?5への従属請求項であり,その構成要件は先に「第3 2.」において,「2.7.請求項7(請求項7’)」として記載したとおりである。このうち,従属先請求項である請求項3?5により特定される部分については,先に「4.3.」?「4.5.」において,本件発明3?5について述べたとおりである。
本件発明7について,検討すべき付加的構成事項は,請求項の記載から抜記すると,次のとおりである。
「(7a)前記メインリールの基準点が所定位置を通過するタイミングで第1検出パルスを発生する第1センサを備え,
(7b)前記第1制御手段は,
(7c)前記第1検出パルスを検知して検知信号を生成する検知信号生成手段と,
(7d)前記検知信号を前記第2制御手段に出力する出力手段とを備え,
(7e)前記第2制御手段は,
(7f)前記検知信号を入力する入力手段と,
(7g)前記検知信号を入力する時間間隔を計測する計測する計測手段と,
(7h)前記計測手段の計測結果に基づいて前記第1速度情報を生成する第1速度情報生成手段とを備え,
(7i)前記第1速度検出手段は,前記第1センサ,前記検知信号生成手段,前記出力手段,前記入力手段,前記計測手段,及び前記第1速度情報生成手段によって構成される」

(2)付加的構成事項についての検討,及び本件発明7の進歩性の判断
ア.付加的構成事項(7a),(7c),(7g),(7h)について
これらの付加的構成事項については,先に本件発明6の付加的構成事項(6a)?(6d)について検討したとおりであるので,「4.6.(2)」の記載を援用する。
イ.残る付加的構成事項について
甲1発明における主制御部300は,メインリール101?103が所定の回転速度に達したか確認してストップボタン126?128を有効化し,またメインリール101?103を内部抽選役に応じて停止制御するためにも,メインリール101?103の回転速度及び回転中の位置を検知すべき必要性がある。そのため,メインリール101?103の基準点が所定位置を通過するタイミングでパルスを発生するセンサの信号を,主制御部300に検知させることは,設計事項程度である。
また,甲1発明では,機能分担の自由度があるとはいえ,サブリール140?142の制御は,主として副制御部400に分担させることが予定されている。そうであれば,上記センサのパルス発生に対応して,主制御部300から副制御部400に検知信号を送信するとともに,サブリール140?142の速度制御のためのメインリール101?103の速度演算は,検知信号の時間間隔を測定して副制御部400に行わせるようにすることも,設計事項程度と言うべきである。
ウ.付加的構成事項についての小括
すなわち,本件発明7の付加的構成事項は,総じて設計事項程度である。
エ.本件発明7の進歩性
したがって,本件発明7は,甲1発明を出発点として,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明7についての結論
よって,請求項7の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.8. 本件発明8について
(1)従属先請求項の発明特定事項,及び検討すべき付加的構成事項
本件発明8は,本件発明6?7への従属請求項であり,その構成要件は先に「第3 2.」において,「2.8.請求項8(請求項8’)」として記載したとおりである。このうち,従属先請求項である請求項6?7により特定される部分については,先に「4.6.」?「4.7.」において,本件発明6?7について述べたとおりである。
本件発明8について,検討すべき付加的構成事項は,請求項の記載から抜記すると,次のとおりである。
「(8a)前記第1速度情報生成手段は,前記計測手段によって計測された時間間隔の平均を演算して得られた平均値に基づいて前記第1速度情報を生成する」

(2)付加的構成事項についての検討,及び本件発明8の進歩性の判断
ア.付加的構成事項について
本件発明6の検討においても述べたとおり,メインリール101?103を基準としたサブリール140?142の回転速度の合致は,実際上,1回転毎の速度検出制御によっても,それより長周期の制御によっても実際上可能であるから,長周期で瞬間的な揺らぎの影響を排した制御を行うことを選択し,1回転毎の時間間隔の平均値から速度情報を生成することは,設計事項程度である。
すなわち,本件発明8の付加的構成事項は,単なる設計事項程度に過ぎない。
イ.本件発明8の進歩性
したがって,本件発明8は,甲1発明を出発点として,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明8についての結論
よって,請求項8の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.9. 本件発明9について
(1)甲1発明との一致点及び相違点の認定
本件発明9は,独立請求項に係る発明であるので,甲1発明との一致点及び相異点の確認から,検討を始める。
甲1発明は,先に「3.4.」に認定したとおりであり,本件発明9は,先に「第3 2.」において,「2.9.請求項9(請求項9’)」として記載したとおりである。また,本件発明9の認定についての補足は,先に「1.2.」において示したとおりである。
甲1発明と本件発明9とを比較すると,甲1発明における「サブリール140?142」は,それぞれ本件発明9における「サブリール」に相当する。そのため,先の「4.1.(1)」における甲1発明と本件発明1との一致点中の「表示列」を「サブリール」と代えたものが,甲1発明と本件発明9との一致点である。
すなわち,
「複数の図柄が表示された複数のメインリールを備えた第1表示手段と,
前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,複数の図柄を可変表示可能な複数のサブリールを備えた第2表示手段と,
プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と,
前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と,
前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ,プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え,
前記複数のメインリールの全てが停止した状態で,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し,入賞した役に応じた遊技価値を付与するスロットマシンであって,
前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し,前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に,前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と,
前記第2表示手段を制御する第2制御手段と,
を備えるスロットマシン。」
であることは,甲1発明と本件発明9との一致点であり,相違点は以下のとおりとなる。

<相違点1_(9)>
本件発明9では,メインリールで入賞を定める「複数の所定の態様」の中に「特定の態様」として識別される「態様」が含まれたうえで,「前記特定の態様では,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び,前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき,前記複数のサブリールに同じ種類の図柄が並ぶ」のに対して,甲1発明ではそのようになっていない点。

<相違点2_(9)>
本件発明9では,「前記複数のメインリールの各々の回転位相検知して第1位相情報を生成する第1位相検出手段」及び「前記複数のサブリールの各々の回転位相を検知して第2位相情報を出力する第2位相検出手段」を有するのに対して,甲1発明ではそうなっているか否かが不明である点。

<相違点3_(9)>
本件発明9では,「第2制御手段」による「第2表示手段」の制御が,「前記メインリールの回転中に,前記第1位相情報が示す前記メインリールの回転位相と前記第2位相情報が示す当該メインリールに対応する前記サブリールの回転位相との位相差を所定値に近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と,当該メインリールに対応する前記サブリールの回転位相を当該メインリールの回転位相と無関係に制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行」し,また,「前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように」なっているのに対して,甲1発明ではそのようになっていない点。

(2)相違点の判断及び本件発明9の進歩性の判断
ア.相違点1_(9)について
相違点1_(9)は,甲1発明と本件発明1との相違点1_(1)と,相違点1_(1)における「表示列」が「サブリール」となっていることを除き同一である。
そして,甲1発明では「サブリール140?142」を用いているから,相違点1_(1)における「表示列」が「サブリール」となったことで,新たに相違点として検討を要する事項が生じるものではない。
そのため,相違点1_(9)については先に「4.1.(2)ア.」で検討したとおりとなるので,同箇所における検討を援用する。
すなわち,甲1発明を出発点として,相違点1_(9)に係る本件発明9の構成を得ることは,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者であれば想到容易である。

イ.相違点2_(9)について
本件発明6の検討で述べたように,甲1発明を出発点とする場合,各メインリール101?103,及びメインリールと同様に大型化した場合の各サブリール140?142の両者において,通常の回転速度が80rpmで1回転あたり400ポジションのモーターを用いることは,きわめて自然な選択であり,かつ,設計事項である。このようなモーターを採用すれば,各メインリール101?103及び各サブリール140?142の回転位相を検知することは,各々400ポジションという1回転あたりのステップ数からしても,きわめて容易である。
そうであるところ,各メインリール101?103については,ストップボタン126?128の押下と内部抽選の結果に応じた各メインリール101?103の停止制御を確実に行う観点から,回転位相を検出して位相情報を生成する手段を設けることは,設計事項程度である。そして,各サブリール140?142についても,多彩な動きを実現するという観点から,回転位相を検出して位相情報を生成する手段を設けることは,設計事項程度である。
また仮に,上述したようなモーターを使うか否かという観点を一切考慮しないとしても,先に甲1発明と本件発明1との相違点2_(1)について検討した「4.1.(2)イ.(イ)」において述べたとおり,甲1発明を出発点として甲6発明の演出を一部組み込み,サブリール140?142によってメインリール101?103の目押しが可能な動きを組み込むには,メインリール101?103上の移動絵柄とサブリール140?142上の移動絵柄の対応関係が維持されるよう,両リールの回転方向・回転速度及び回転位相を合致させる必要がある。
この事情は,前記相違点1_(9)及び後記相違点3_(9)を有する本件発明9においても,妥当する。すなわち,サブリール140?142によってメインリール101?103の目押しを可能とするには,両リールの回転位相も合致させる必要がある。
そうであれば,両リールの回転位相を合致させる制御を厳密に行うという観点から,各メインリール101?103及び各サブリール140?142の回転位相を各々検知して位相情報を生成する手段を設けることも,設計事項程度である。
したがって,相違点2_(9)に係る本件発明9の構成を得ることは,設計事項程度である。

ウ.相違点3_(9)について
相違点3_(9)は,甲1発明と本件発明1との相違点2_(1)と比較すると,相違点2_(1)では「表示列」であったのが相違点3_(9)では「サブリール」となった点が異なる。けれどもこの点については,先に相違点1_(9)においても述べたと同様,甲1発明との対比において新たに検討すべき事項とはならない。
相違点3_(9)と相違点2_(1)とで異なるその他の点は,相違点2_(1)においては,「第1処理」と「第2処理」の両者が,対応するメインリールと回転方向が同じか逆かの処理とされていたところ,相違点3_(9)においては,「第1処理」は対応するメインリールの回転位相とサブリールの回転位相との位相差を所定値に近づける処理とされ,「第2処理」は対応するメインリールの回転位相と無関係にサブリールの回転位相を制御する処理とされる点である。
すなわち,相違点3_(9)は,相違点2_(1)の構成要素である相違点2_(1)a?dのうち,相違点2_(1)a及び相違点2_(1)bにおける回転方向の一致・不一致が,回転位相の一致・不一致に変わったものであり,残る相違点2_(1)c及び相違点2_(1)dの部分は同じである。
ここにおいて,対応するメインリールと回転位相が一致する処理,及び一致しない処理を用いることについては,先に相違点2_(1)a及び相違点2_(1)bの検討において,位相についても付言したとおりである。そのため,これらの点については,先の「4.1.(2)イ.」の記載中(イ)及び(ウ)の検討を援用する。
かような位相制御のために,相違点2_(9)で検討した各位相検出手段を用いることも,設計事項程度である。
相違点3_(9)の残る部分,すなわち,相違点2_(1)c及び相違点2_(1)dに該当する部分については,先の「4.1.(2)イ.」の記載中(エ)及び(オ)で検討したとおりであるので,援用する。
すなわち,甲1発明を出発点として,相違点3_(9)に係る本件発明9の構成を得ることは,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,総じて当業者であれば想到容易である。

エ.本件発明9の進歩性の判断
以上のとおり,甲1発明との相違点1_(9)?3_(9)に係る本件発明9の構成を採用することは,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,いずれも当業者にとって想到容易であるか,設計事項程度である。そして,構成上の想到容易性については上述したとおりであるとともに,これらの構成を採用したことによる格別の作用効果を認めることもできない。
したがって,本件発明9は,甲1発明を出発点として,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明9についての結論
よって,請求項9の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.10. 本件発明10について
(1)従属先請求項の発明特定事項,及び検討すべき付加的構成事項
本件発明10は,本件発明1?9への従属請求項であり,その構成要件は先に「第3 2.」において,「2.10.請求項10(請求項13’)」として記載したとおりである。このうち,従属先請求項である請求項1?9により特定される部分については,先に「4.1.」?「4.9.」において,本件発明1?9について述べたとおりである。
本件発明10について,検討すべき付加的構成事項は,請求項の記載から抜記すると,次のとおりである。
「(10a)前記第1制御手段は,前記開始指示信号を検知すると前記メインリールの回転開始を指示する開始情報を前記第2制御手段へ出力すると共に,前記各停止操作信号を検知すると前記各メインリールの停止操作を各々指示する各停止操作情報を前記第2制御手段へ出力し,
(10b)前記メインリールの回転中とは,複数のメインリールのうち少なくとも一つのメインリールが回転している期間であり,
(10c)前記第2制御手段は,前記開始情報が入力されてから最初の停止操作に伴う前記停止操作情報が入力されるまでの期間は,前記各表示列に対して前記第1処理又は前記第2処理のうち一方の処理を継続して実行し,最初の停止操作に伴う停止操作情報の入力を契機に,当該停止操作情報に対応する前記表示列の可変表示を停止させるように前記第2表示手段を制御すると共に,可変表示中の他の表示列のうち少なくとも一つの表示列に対して前記期間で選択されなかった他方の処理を実行する」

(2)付加的構成事項についての検討,及び本件発明10の進歩性の判断
ア.付加的構成事項(10a)について
甲1発明においても,スタートレバー125の操作でメインリール101?103を回転させるとともに,サブリール140?142を回転させ,また,対応する各ストップボタン126?128の押下に応じて各サブリール140?142の停止契機とするのであるから,スタートレバー125及びストップボタン126?128の操作を検知してメインリール101?103を制御する主制御部300に,それぞれのタイミングで副制御部400へと信号を送らせるようにすることは,設計事項程度である。
すなわち,付加的特定事項(10a)の部分は設計事項程度である。
イ.付加的特定事項(10b)について
付加的特定事項(10b)については,既に本件発明1に関して「4.1.(2)イ.(エ)」において述べたとおりである。
すなわち,甲1発明を出発点として甲6発明の演出を一部組み込み,サブリール140?142によってメインリール101?103の目押しが可能な動きとそうでない動きによって,ボーナスの内部当選を遊技者に印象づけるには,サブリール140?142の動きの比較対照基準となるメインリール101?103のいずれかが回転中に,前述の動きの選択あるいは途中切り換えを行えば効果的であることは明らかである。そうであれば,そのようにすることは設計事項程度である。
したがって,付加的構成事項(10b)の部分も,設計事項程度である。
ウ.付加的構成事項(10c)について
サブリール140?142の動きによって,メインリール101?103の回転中のいずれかの時点で,ボーナスの内部抽選結果を遊技者に示唆するうえでは,ボーナスの内部当選または内部非当選を示唆するため選択されるサブリール140?142の動きを,回転開始から全てのメインリール101?103が回転中には当該動きを継続させて,全てのメインリール101?103が回転中に動きによる示唆を行うことは,十分にあり得る選択肢の一つに過ぎない。
また,そのようにした場合には,ボーナスの内部当選または内部非当選の示唆は,最初の停止操作がされる前にある程度行われていることとなる。そうであれば,その後のサブリール140?142の動きについては,動きの多彩化による演出上の効果を得ることを主眼として,最初の停止操作に対応するサブリールは停止させる一方,残る可変表示中のサブリールについては,それまでと違った処理とすることは,当業者であれば適宜なし得る程度の事項である。
すなわち,付加的構成事項(10c)の部分も,設計事項程度である。 ウ.付加的構成事項についての小括
すなわち,本件発明10の付加的構成事項は,総じて設計事項程度である。
エ.本件発明10の進歩性
したがって,本件発明10は,甲1発明を出発点として,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明10についての結論
よって,請求項10の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.11. 本件発明11について
(1)従属先請求項の発明特定事項,及び検討すべき付加的構成事項
本件発明11は,本件発明1?9への従属請求項であり,その構成要件は先に「第3 2.」において,「2.11.請求項11(請求項15’)」として記載したとおりである。このうち,従属先請求項である請求項1?9により特定される部分については,先に「4.1.」?「4.9.」において,本件発明1?9について述べたとおりである。
本件発明11について,検討すべき付加的構成事項は,請求項の記載から抜記すると,次のとおりである。
「(11a)前記第1表示手段の停止態様が前記複数の所定の態様のうち払い出しを付与する役に対応した停止態様である場合に,当該停止態様に応じた数量の遊技媒体を払い出す払出手段と,
(11b)前記複数の停止操作手段のうち最後に操作された前記停止操作手段から出力される前記停止指示信号が前記第1制御手段により検知されてから前記払出手段が払出を開始するまでの時間を演出調整時間として決定する決定手段と,
(11c)前記第2表示手段の可変表示が最終的に停止した後に前記遊技媒体が払い出されるように,前記演出調整時間に基づいて前記払出手段の払出開始時刻を調整する調整手段とを備え,
(11d)前記各表示列の図柄は,前記各メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられている,」

(2)付加的構成事項についての検討,及び本件発明11の進歩性の判断
ア.付加的構成事項(11a)について
甲1発明においても,たとえば再遊技を許すのみで払い出しを行わない入賞役が存在してもかまわないことは明らかである。けれども,払い出しを行うべき入賞役では,払い出しを行うのであるし,そのために払い出しを行う手段を有することは当然である。
そのため,付加的構成事項(11a)の部分は,実際上の相違点ではない。
イ.付加的構成事項(11b)?(11c)について
先に本件発明1の検討に際して,「4.1.(2)イ.(オ)」で述べたとおり,甲1発明を出発点として甲6発明の演出を一部組み込み,サブリール140?142によってメインリール101?103の目押しができる動きと,そうでない動きとを用いることにより,ボーナス内部当選を示唆する構成を採るうえでは,各サブリール140?142の実際の停止を,対応する各メインリール101?103の停止に対してどの程度遅延させるかは,当業者が適宜選択できる事項である。
そうであるところ,甲1には,甲1記載事項(く)に抜記した段落【0093】-【0095】に,最後の停止操作の後にサブリールが動作を継続する時間を例えば2秒,3秒,4秒の中から主制御部300によって指定し,その時間内でサブリールの動作を継続させることが示されている。すなわち,サブリールの動作を最後の停止操作から所定時間後まで継続する演出動作を用意してこれを用いること,そのための継続時間を決定する手段を用意することは,いずれも甲1に示唆されている。
さらに,無効理由6の証拠とした甲11には,先に「2.5.」で示した甲11記載事項(あ)の記載がある。すなわち,メインのリールたる回転リール1の最終停止操作の後に,演出表示部11で演出動作を持続させる場合に,演出動作の持続に応じた時間消費を行った後,払出し処理を行うこと(以下,「甲11発明」という。)が開示されている。
そうであれば,甲1発明において甲6発明を一部組み込んだ場合にも,サブリール140?142の演出動作の多彩化という観点から,同甲1の示唆に従い,サブリールの動作を最後の停止操作より所定時間後まで継続する場合を設け,併せてそのための継続時間を決定する手段を設けることは,当業者にとって想到容易である。
またその際,甲11発明を参酌して,サブリールの動作を最後の停止操作から所定時間後まで継続する場合には,演出用の動作も完了してから払出しを行うよう,当該所定時間に応じて払出し処理の開始時刻を調整する手段を設けることも,当業者にとって困難ではない。
したがって,付加的構成事項(11b)?(11c)の構成を得ることは,当業者にとって容易である。
ウ.付加的構成事項(11d)について
先に本件発明1?3及び9について示したとおり,甲1発明を出発点として,甲6発明の演出を一部組み込み,サブリール140?142によってもメインリール101?103の目押しが可能な動きを採り入れるとともに,重複的となる同期回転中及び停止時の両リール上の表現に異なる個性を与える観点から,引用発明1?2を参酌して,入賞時にメインリール101?103では異なる種類の絵柄が並ぶ一方,サブリール140?142では同じ種類の絵柄が並ぶようにすることは,当業者であれば容易に想到できた事項である。
このように,同期回転中のサブリール140?142によりメインリール101?103の目押しを可能とするためには,左サブリール140と左メインリール101,中サブリール141と中メインリール102,右サブリール142と右メインリール103の間で,それぞれ,絵柄及び絵柄の配置に対応関係が存在しなければならない。
ここで,目押しのための各サブリールと各メインリールとの絵柄対応関係を維持しながら,しかも,入賞役の停止態様を,サブリールでは従来的な同種の絵柄の並びとする一方,メインリールでは異種の絵柄の並びとするためには,各サブリール140?142に,まず従来の一般的な絵柄配置を与えることが最も単純である。そしてそのうえで,各メインリール101?103に絵柄を配置するうえでは,各メインリールと各サブリールではそれぞれ絵柄が対応するよう,また,サブリール140?142上の同種の絵柄並びに対してはメインリール101?103上で異種の絵柄並びが対応して形成されるよう,つまり,サブリール側の絵柄との対応関係を各メインリール毎に異ならせて,絵柄を配置していくことが,最も単純な方法である。そのため,そのようにして,各サブリール140?142の絵柄が,各メインリール101?103毎に異なる種類の絵柄と対応付けられている関係を得ることは,当業者であれば適宜なし得る程度の事項である。
すなわち,甲1発明を出発点として本件発明1?3又は9との相違点に係る構成を得るうえでは,本件発明11における付加的構成事項(11d)の構成を得ることは,設計事項程度である。
エ.付加的構成事項についての小括
すなわち,本件発明11の付加的構成事項は,いずれも実際上の相異点ではないか,設計事項程度であるか,当業者にとって想到容易である。
オ.本件発明11の進歩性判断
したがって,本件発明11は,甲1発明を出発点として,甲6発明,甲11発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明11についての結論
よって,請求項11の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.12. 本件発明12について
(1)従属先請求項の発明特定事項,及び検討すべき付加的構成事項
本件発明12は,本件発明11への従属請求項であり,その構成要件は先に「第3 2.」において,「2.12.請求項12(請求項16’)」として記載したとおりである。このうち,従属先請求項である請求項11により特定される部分については,先に「4.11.」において,本件発明11について述べたとおりである。
本件発明12について,検討すべき付加的構成事項は,請求項の記載から抜記すると,次のとおりである。
「(12a)前記第2制御手段は,前記演出調整時間に応じて前記第2表示手段の停止態様を制御する」

(2)付加的構成事項についての検討,及び本件発明12の進歩性の判断
ア.付加的構成事項について
本件発明11に関して言及した,甲1記載事項(く)中には,サブリールの継続回転時間が長くなるほどボーナス内部当選の期待を高めることが示唆されている。
そうであれば,サブリール140?142の停止絵柄によって時折ボーナス内部当選の確定報知を行うという甲1発明の機能を,ゲーム結果が非入賞である場合に維持するに際して,最終停止操作後の継続回転時間が長くなるほど,サブリール140?142がボーナス内部当選の確定報知を示す停止絵柄となる場合が多くなるようにして,継続回転時間に応じてサブリール140?142の停止絵柄が制御されるようにすることは,設計事項程度である。
また,一部組み込んだ甲6発明の演出に従い,役に入賞したゲームにおいて,サブリール140?142の停止絵柄が当該役への入賞を示すように制御する局面においても,よい結果を示すうえで期待をあおることは常套的手法に過ぎない。そのため,入賞時のサブリール140?142の動きとしても,先に述べた非入賞ではあるが確定報知をする場合と同様,継続回転時間を用いて期待をあおることと関連性をもってサブリール140?142の停止絵柄が制御されるようにすることは,想到容易である。
すなわち,付加的構成事項(12a)の構成を得ることは,設計事項であるか,想到容易である。
イ.本件発明12の進歩性
したがって,本件発明12は,甲1発明を出発点として,甲6発明,甲11発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明12についての結論
よって,請求項12の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.13. 本件発明13について
(1)従属先請求項の発明特定事項,及び検討すべき付加的構成事項
本件発明13は,本件発明1?3への従属請求項であり,その構成要件は先に「第3 2.」において,「2.13.請求項13(請求項17’)」として記載したとおりである。このうち,従属先請求項である請求項1?3により特定される部分については,先に「4.1.」?「4.3.」において,本件発明1?3について述べたとおりである。
本件発明13について,検討すべき付加的構成事項は,請求項の記載から抜記すると,次のとおりである。
「(13a)前記各表示列の図柄は,前記各メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられており,
(13b)前記複数の所定の態様のうちの一つの態様は,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に停止する図柄が,前記複数のメインリールのうち特定のメインリールについては特定の図柄であり,前記複数のメインリールのうち前記特定のメインリール以外の他のメインリールについては任意の図柄であり,前記複数の所定の態様のうち前記一つの態様以外の態様は,前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並ぶようになっている,」

(2)付加的構成事項についての検討,及び本件発明13の進歩性の判断
ア.付加的構成事項(13a)について
付加的構成事項(13a)については,本件発明11における付加的構成事項11dと同様であるから,先の「4.11.」における「(2)イ.」の説示を援用する。
すなわち,甲1発明を出発点として本件発明1?3との相違点に係る構成を得るうえでは,本件発明13における付加的構成事項(13a)の構成を得ることは,設計事項程度である。
イ.付加的構成要件(13b)について
付加的構成事項13bについて検討すると,甲1発明を出発点とする場合にも,いわゆる「チェリー役」のように広く知られた単独入賞役を設けることは,何ら排除されておらず,そのような単独入賞役を一つ設けることは,設計事項程度である。要するに,付加的構成事項(13b)のうち,前半部分の構成を得ることは,設計事項程度である。
そして,付加的構成事項(13b)のうち,残る後半部分については,既に本件発明1において検討したとおりであるから,先の「4.1」における「(2)ア.(オ)」の記載を援用する。
すなわち,甲1発明を出発点として本件発明1?3に至るうえでは,付加的構成事項(13b)の構成を得ることは,設計事項程度である。
ウ.付加的構成事項についての小括
すなわち,付加的構成事項(13a)?(13b)は,いずれも設計的事項程度である。
エ.本件発明13の進歩性
したがって,本件発明13は,甲1発明を出発点として,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明13についての結論
よって,請求項13の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.14. 本件発明14について
(1)従属先請求項の発明特定事項,及び検討すべき付加的構成事項
本件発明14は,本件発明13への従属請求項であり,その構成要件は先に「第3 2.」において,「2.14.請求項14(請求項18’)」として記載したとおりである。このうち,従属先請求項である請求項13により特定される部分については,先に「4.13.」において,本件発明13について述べたとおりである。
本件発明14について,検討すべき付加的構成事項は,請求項の記載から抜記すると,次のとおりである。
「(14a)前記各メインリールに表示される複数種類の図柄は,異なる数字の図形の組,同一形状で色彩が異なる図形の組,角の形状が異なる図形の組,色彩が同一で形状が異なる図形の組,又は,所定形状の図形を異なる角度回転させた図形の組のうち,いずれかの図形の組によって構成される」

(2)付加的構成事項についての検討,及び本件発明14の進歩性の判断
ア.付加的構成事項について
本件発明1についての検討で言及したように,甲1発明を出発点として甲6発明の演出を一部組み込むうえでは,メインリール101?103とサブリール140?142の絵柄,及び入賞時の表現に異なる個性を持たせることは,当然に考慮すべき事項である。
そのような意図の下で,入賞時の停止絵柄を,サブリール140?142の側で一般的に汎用される同じ種類の絵柄組合せと選択したことからすれば,メインリール及びサブリールで用いる絵柄自体としても,サブリール140?142の側で汎用される多彩化された絵柄群を用い,メインリール101?103の側では,それと比較して異なる個性を持つ絵柄群を用いることは,当業者であれば十分に想到し得た事項というほかはない。
ここで,汎用される多彩化された絵柄群と異なる個性を持つ絵柄群としては,たとえば甲6においても,甲6記載事項(け)の抜記中の段落【0228】において,「顔」の絵柄群が例示されている。けれども,甲6の具体例が用いる「顔」の絵柄群でなくとも,一部の特徴を除き同一な何らかの絵柄群を用いることは,当業者であれば容易に想到し得た事項というべきである。
そして,そのような絵柄群として,異なる数字の図形の組は,古くから知られた代表的な絵柄群であるから,これを採用する程度のことは設計的事項と言わざるを得ない。
また,その他の絵柄群として,同一形状で色彩が異なる図形の組,角の形状が異なる図形の組,色彩が同一で形状が異なる図形の組,所定形状の図形を異なる角度回転させた図形の組といった絵柄群についても,いずれも,想到困難性があるということはできない。
すなわち,付加的構成事項(14a)の構成を得ることは,設計事項程度であるか,当業者であれば想到容易である。
イ.本件発明14の進歩性
したがって,本件発明14は,甲1発明を出発点として,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明14についての結論
よって,請求項14の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

4.15. 本件発明15について
(1)従属先請求項の発明特定事項,及び検討すべき付加的構成事項
本件発明15は,本件発明13への従属請求項であり,その構成要件は先に「第3 2.」において,「2.15.請求項15(請求項19’)」として記載したとおりである。このうち,従属先請求項である請求項13により特定される部分については,先に「4.13.」において,本件発明13について述べたとおりである。
本件発明15について,検討すべき付加的構成事項は,請求項の記載から抜記すると,次のとおりである。
「(15a)前記各メインリールに表示される複数種類の図柄は,前記各表示列に表示される複数種類の図柄と全て異なる」

(2)付加的構成事項についての検討,及び本件発明15の進歩性の判断
ア.付加的構成事項について
サブリール140?142の絵柄群として,メインリール101?103の絵柄群とは異なる絵柄群を用いることは,もともと出発点とした甲1発明においても選択肢の一つであった。そのため,両リールで用いる複数種類の絵柄を全て異ならせる程度のことは,設計事項程度である。
また,本件発明14についての検討でも言及したが,甲1発明を出発点として甲6発明の演出を一部組み込むうえでは,メインリール101?103とサブリール140?142の表現に異なる個性を持たせることは,当然に考慮すべき事項である。そして実際に,甲6においても,前記甲6記載事項(け)において「可変表示部71には,「色なし7」,「色付き7」,「BAR」,「JAC」,「スイカ」,「チェリー」及び「ベル」の7種類がある。それぞれに対応して画像表示部178には,「女の子1」,「女の子2」,「男の子」,「赤ちゃん」,「おじさん」,「おばさん」及び「おじいさん」の7種類がある。」(段落【0228】)と例示があり,両リールで用いる絵柄群を全て異ならせることは十分に示唆されている。
この点からしても,メインリール101?103の絵柄をサブリール140?142の絵柄と全て異ならせることは,設計事項程度と言わざるを得ない。
すなわち,付加的構成事項(15a)の構成を得ることは,設計事項程度である。
イ.本件発明15の進歩性
したがって,本件発明15は,甲1発明を出発点として,甲6発明,引用発明1及び引用発明2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本件発明15についての結論
よって,請求項15の特許は特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

5. 無効理由6について-その4-まとめ
以上のとおりであるから,本件発明1?15は,全て,無効理由6によって無効とされるべきである。
すなわち,請求項1?15の特許は,特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。

6. 無効理由1について
無効理由1は,要するに次のようなものであった。すなわち,甲1を主たる証拠として,本件の各請求項に係る特許発明は,「第2 1.1.」に示した証拠の組み合わせの出願前公知の発明に照らして,いずれも特許法29条2項の規定により特許を受けることができず,その特許は同法123条1項2号に該当し無効とされるべきである,というものであった。
しかしながら,「第4」において判断したとおり本件訂正が全て認められるとともに,訂正後の本件発明1?15は甲1発明に対して,「4.1.(1)」で検討したように,相違点1_(1),相違点1_(2),相違点1_(3)あるいは相違点1_(9)のいずれかの相違点を有する。
そして,無効理由1においては,無効理由6の証拠である引用例1及び引用例2に代えて,当該相違点に係る本件発明の構成に当業者が至ることを示す証拠は,提示されていない。
したがって,請求項1?15の特許は,いずれも,無効理由1によって無
効とされるべきものではない。

7. 無効理由2?5について
無効理由2?5は,特許法36条の要件適合性に関する無効理由であるが,これら無効理由2?5はいずれも,本件訂正前の請求項1?19に係る発明を前提としたものであるとともに,1次判決によって不適切であることが判示されている。
したがって,請求項1?15の特許は,いずれも,無効理由2?5によって無効とされるべきものではない。


第6 むすび
以上述べたとおり,本件の請求項1?15に係る特許は,いずれも特許法29条2項の規定に違反してされた特許であるから,同法123条1項2号の規定に該当し,無効とされるべきである。
審判に関する費用については,特許法169条2項の規定において準用する民事訴訟法61条の規定により,被請求人が負担すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
スロットマシン
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、3本のリールと、各リールに対応した3個のリールストップボタンと、ゲームを開始するためのスタートレバーとを備える。プレイヤーがスタートレバーを押し下げると総てのリールが一斉に回転し、プレイヤーが各リールストップボタンを押し下げたタイミングで各リールは各々停止する。リールが停止した状態で、入賞ライン上に揃う図柄の組合せのうち、遊技価値を付与する図柄の組合せを役と呼ぶ。有効な入賞ライン上に役を構成する図柄の組合せが揃うと入賞となり、プレイヤーは入賞した役に応じた枚数のメダルを獲得することができる。すなわち、リールが停止した状態が役を構成する図柄の組合せとなる状態(所定の状態)である場合に役に入賞し、入賞した役に応じた遊技価値が付与される。
【0003】
ここで、入賞は2つのステップによって決定される。第1ステップは、内部抽選と呼ばれるものである。内部抽選では、スタートレバーの操作タイミングで抽選を実行し、どの賞群に当選するかあるいはハズレとなるかを決定し、抽選結果を示す内部抽選情報を生成する。ここで、賞群とは、一または複数の役の集まりをいい、抽選の区分に対応している。つまり、賞群と役が一対一に対応することもあれば、一つの賞群に複数の役が対応することもある。
【0004】
第2ステップでは、リールストップボタンの操作に応じて、リールの停止位置を制御する。内部抽選情報がハズレを示している場合には、ある役を構成する図柄が有効な入賞ライン上に差し掛かったタイミングでプレイヤーがリールストップボタンを操作しても、リールの停止タイミングを遅らせて、当該役を構成する図柄が有効な入賞ライン上に停止しないように制御がなされる。一方、内部抽選である賞群に当選していれば、リールストップボタンの操作タイミングが若干早くても、賞群に応じた役を構成する図柄が入賞ライン上に停止するように引き込み制御がなされる。ただし、リールストップボタンの操作タイミングが大幅にずれていれば入賞とならない。つまり、プレイヤーが入賞を獲得するためには、内部抽選によってある賞群の当選を得て、かつ、当選した賞群の役を有効な入賞ライン上に揃える必要がある。
【0005】
ところで、ある種のスロットマシンは、メインのリールの他にサブの演出装置を備える。この演出装置は、3本のリールで構成されたり、あるいは、液晶表示装置等によって構成される。例えば、特許文献1には、リールによって構成される可変表示部と、演出装置としての画像表示部を備え、両者の図柄の変動を連動させるスロットマシンが開示されている。さらに、このスロットマシンは、画像表示部を筐体の中央部に大きく配置し、可変表示部を周辺部に小さく配置することにより、プレイヤーに対して画像表示部で表示される演出を視認し易くしている。
【0006】
【特許文献1】特開2002-793号公報(請求項1、要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のスロットマシンは、メインの可変表示部とサブの画像表示部の表示が連動して可変表示となり、プレイヤーがリールストップボタンを操作すると、両者が連動して停止するものであった。従って、メインの可変表示部の可変表示が停止した後に、画像表示部の表示を継続させることができなかった。このため、趣向を凝らした演出には限界があった。
【0008】
また、従来のスロットマシンにおいては、役に入賞する各リールの停止態様は、同一種類の図柄が揃うことを条件とするので、サブの画像表示部を中央部に配置し、メインの可変表示部を周辺部に配置しても、プレイヤーは可変表示部を一見してゲームの結果を知ることができる。このため、サブの画像表示部でどのような演出をしようとも、演出の面白みにかけるといった問題があった。
【0009】
加えて、何等かの役に入賞した場合には、役に対応したメダルが払い出されることになるが、メインの可変表示部の図柄停止に連動してメダルを払い出していたので、メインの図柄停止した後はどのようにサブの画像表示部で演出を行っても面白みに欠けるといった問題があった。
【0010】
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、演出の趣向性を向上させるスロットマシンを提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0012】
本発明に係るスロットマシンは、複数の図柄が表示された複数のメインリールを備えた第1表示手段と、前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ、複数の図柄を可変表示可能な複数の表示列を備えた第2表示手段と、プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と、前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と、前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ、プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え、前記複数のメインリールの全てが停止した状態で、前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し、入賞した役に応じた遊技価値を付与し、前記特定の態様では、前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び、前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき、前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって、前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し、前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に、前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と、前記メインリールの回転中に、前記メインリールの回転方向と同じ方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第1処理と、前記メインリールの回転方向と逆の方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し、前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段と、を備えることにより、上述した課題を解決する。
【0013】
このスロットマシンによれば、メインリールの回転は第1センサと第2センサによって検出され、第1検出信号に基づいてメインリールの回転が制御される一方、第2表示手段の表示態様を第2検出信号に基づいて制御することができる。即ち、メインリールの回転制御とは独立した第2センサによってメインリールの回転を検出するので、第2表示手段の表示態様に多様性を持たせることができる。
【0014】
本発明に係る他のスロットマシンは、複数の図柄が表示されたメインリール(Ra1、Ra2、Ra3)を備えた第1表示手段(10A)と、複数の図柄を可変表示可能な表示列を備えた第2表示手段(10B)と、プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段(6)と、プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号(44a、45a、46a)を出力する停止操作手段(7a、7b、7c)と、前記開始指示信号を検知して前記メインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段(10A)を制御し、前記停止指示信号(44a、45a、46a)を検知して前記メインリールの回転を停止させるように前記第1表示手段(10A)を制御する第1制御手段(31)と、前記メインリールの回転中に、前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の回転方向と同じ方向に前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第1処理と、前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の回転方向と逆の方向に前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段(55)と、を備えることにより、上述した課題を解決する。
【0015】
この発明によれば、第2制御手段は、第1処理と第2処理とを選択的に実行するから、第2表示手段において、メインリールの回転に応じた可変表示と無関係な可変表示とを選択的に実行することができる。特に、第2処理はメインリールの回転とは無関係であるから、趣向に富む多様な演出が可能となる。ここで、メインリールの回転に応じた可変表示とは、メインリールの回転に関連付けて第2表示手段の表示を可変することを意味する。すなわち、第1処理は、メインリールの回転に何等かの形式で従属したものとなる。但し、第2制御手段は、検出手段を用いてメインリールの回転を常時検出している必要はなく、間接的にメインリールの回転を検知していれば十分である。例えば、開始操作手段の開始指示信号が開始操作を指示してから停止操作手段の出力信号が停止操作を指示するまでの期間は、メインリールが回転している期間である。そこで、第2制御手段は、当該期間において所定の処理を実行し、当該期間の後に所定の処理と異なる処理を実行するようにしてもよい。第2制御手段は、停止操作手段の出力信号が停止操作を指示する前後で第2表示手段の表示制御を選択的に切り替えてもよい。くわえて、開始指示信号及び停止指示信号は、直接、第2制御手段に供給されてもよいし、あるいは、第1制御手段を介して第2制御手段に供給されてもよい。この場合、第1制御手段は、開始指示信号及び停止指示信号を検知し、検知結果をコマンドとして第2制御手段に供給してもよい。
【0016】
本発明に係る他のスロットマシンは、複数の図柄が表示されたメインリール(Ra1、Ra2、Ra3)と表示窓(4A)を備えた第1表示手段(10A)と、複数の図柄を表示可能な表示列を備えた第2表示手段(10B)と、プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段(6)と、プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号(44a、45a、46a)を出力する停止操作手段(7a、7b、7c)と、前記開始指示信号を検知して前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の回転を開始させるように前記第1表示手段(10A)を制御し、前記停止指示信号(44a、45a、46a)を検知して前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の回転を停止させるように前記第1表示手段(10A)を制御する第1制御手段(31)と、前記メインリールの回転中に、前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)が回転することによって前記表示窓(4A)に表示される図柄の表示態様に対応するように前記第2表示手段(10B)の表示態様を可変させる第1処理と、前記表示窓(4A)に表示される図柄の表示態様と異なる表示態様となるように前記第2表示手段(10B)の表示態様を可変させる第2処理とを選択的に実行する第2制御手段(55)と、を備えることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、第2制御手段は、第1処理と第2処理とを選択的に実行するから、第2表示手段において、メインリールの表示窓に表示される図柄の表示態様に対応するように第2表示手段の表示態様を可変させこともできれば、表示窓に表示される図柄の表示態様と異なる表示態様となるように第2表示手段の表示態様を可変させることもできる。特に、第2処理はメインリールの表示態様と異なる表示態様となるので、趣向に富む多様な演出が可能となる。
【0018】
ここで、表示窓に表示される図柄の表示態様とは、表示窓に表示される図柄の挙動を意味し、例えば、図柄が上から下に移動する正転や図柄が下から上に移動する逆転といった図柄の移動方向(メインリールの回転方向)、図柄の移動速度(メインリールの回転速度)、図柄の移動加速度(メインリールの回転加速度)、図柄の停止又は移動の別、図柄が等速度で移動しているのか又はコマ送りであるか等が該当する。そして、図柄の表示態様に対応するように第2表示手段の表示態様を可変させるとは、表示窓に表示される図柄の挙動と対応させて第2表示手段の表示列の表示態様を可変させることを意味する。例えば、メインリールが正転しているのであれば、表示列に表示される図柄が上から下に移動するように表示され、メインリールの回転が始動して加速しているのであれば表示列に表示する図柄の移動を開始して移動速度を次第に大きくし、メインリールが回転しているのであれば表示列に表示する図柄を移動させ、メインリールが等速度で回転しているのであれば表示列に表示する図柄を等速度で移動させることを意味する。但し、正転・逆転、速度、加速度、停止・移動、正常・コマ送りといった図柄の挙動の総てが対応する必要はなく、少なくとも一つが対応していればよい。
【0019】
本発明に係る他のスロットマシンは、複数の図柄が表示されたメインリールを備えた第1表示手段と、複数の図柄を可変表示可能な表示列を備えた第2表示手段と、プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と、プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号を出力する停止操作手段と、前記開始指示信号を検知して前記メインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し、前記停止指示信号を検知して前記メインリールの回転を停止させるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と、 前記メインリールの回転中に、前記メインリールの回転方向と同じ方向に前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第1処理と、前記メインリールの回転方向と逆の方向に前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第2処理とを選択的に実行し、前記第1処理において前記メインリールの回転を検知すると前記表示列の可変表示を開始させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る他のスロットマシンは、複数の図柄が表示されたメインリールを備えた第1表示手段と、複数の図柄を可変表示可能な表示列を備えた第2表示手段と、プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と、プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号を出力する停止操作手段と、前記開始指示信号を検知して前記メインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し、前記停止指示信号を検知して前記メインリールの回転を停止させるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と、前記メインリールの回転速度を検知して第1速度情報を生成する第1速度検出手段と、前記メインリールの回転中に、前記表示列の可変表示速度を前記第1速度情報の示す前記メインリールの回転速度に近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と、前記表示列の可変表示速度を前記メインリールの回転速度と無関係に制御する第2処理とを選択的に実行する第2制御手段と、を備えることを特徴とする。この場合には、第2表示手段の可変表示速度をメインリールの回転速度に追随して変化させることが可能となる。
【0021】
また、前記第2表示手段(10B)の表示列はサブリール(Rb1、Rb2、Rb3)であり、前記サブリール(Rb1、Rb2、Rb3)の回転速度を検知して第2速度情報を前記第2制御手段に出力する第2速度検出手段(47B?49B、55)を備え、前記第2制御手段(55)の前記第1処理は、前記第1速度情報を目標として、前記第2速度情報を前記第1速度情報に近付けるように前記第2表示手段(10B)を制御することが好ましい。この場合には、メインリールの他にサブリールが用いられる。これらのリールは機械的な構成を有する点で共通するがリールの種類が異なる。そして、メインリールの回転速度に追随してサブリールの回転速度を調整することが可能となる。
【0022】
また、前記第2表示手段(10B)は、複数種類の図柄の画像を可変表示可能な画像表示装置(91)で構成され、前記表示列は前記画像表示装置に画像として表示され、前記表示列の可変表示速度は、前記第2表示手段(10B)の表示態様の可変速度は、前記複数種類の図柄の画像が可変表示される可変表示される速度であり、前記第2制御手段(55)は、前記図柄の画像を示す図柄画像データ(DG)を記憶する画像記憶手段(58)と、前記画像表示装置(91)に表示する画像を示す表示画像データを記憶する表示用記憶手段(90)と、前記表示用記憶手段(90)から前記表示画像データを読み出して前記画像表示装置(91)へ供給する供給手段(55)と、前記第1処理において、前記表示列の図柄の移動速度が前記第1速度情報の示す前記メインリールの回転速度と一致するように、前記第1速度情報に基づいて前記画像記憶手段(58)から前記図柄画像データ(DG)を読み出して前記表示用記憶手段(90)へ書き込むことによって前記可変表示速度を前記第1速度情報に近付けるように前記表示用記憶手段(90)の記憶内容を更新する更新手段(55)と、を備えることが好ましい。この場合には、機械的なメインリールの回転速度に追随するように電気的な画像表示装置に表示される画像の可変表示速度を調整することができる。
【0023】
また、前記第1速度検出手段(47C?49C、55)は、前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の基準点が所定位置を通過するタイミングで第1検出パルス(47c、48c、49c)を発生する第1センサ(47C、48C、49C)と、前記第1検出パルス(47c、48c、49c)間の時間間隔を計測する計測手段(55)と、前記計測手段(55)の計測結果に基づいて前記第1速度情報を生成する第1速度情報生成手段(55)と、を備えることを特徴とする。メインリールが回転すると、回転に同期して基準点を通過するので、第1検出パルス間の時間間隔を測定することによって、メインリールの回転速度を検出することができる。
【0024】
より具体的には、前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の基準点が所定位置を通過するタイミングで第1検出パルス(47a、48a、49a)を発生する第1センサ(47A、48A、49A)を備え、前記第1制御手段(31)は、前記第1検出パルス(47a、48a、49a)を検知して検知信号を生成する検知信号生成手段(31)と、前記検知信号を前記第2制御手段(55)に出力する出力手段(31、37)とを備え、前記第2制御手段(55)は、前記検知信号を入力する入力手段(56)と、前記検知信号を入力する時間間隔を計測する計測する計測手段(55)と、前記計測手段(55)の計測結果に基づいて前記第1速度情報を生成する第1速度情報生成手段(55)とを備え、前記第1速度検出手段は、前記第1センサ(47A、48A、49A)、前記検知信号生成手段(31)、前記出力手段(31、37)、前記入力手段(56)、前記計測手段(55)、及び前記第1速度情報生成手段(55)によって構成してもよい。この場合には、例えば、メインリールの制御を司るメインCPUにおいて、検知信号を生成する一方、第2表示手段の制御をサブCPUに担わせることができるので、処理を合理的に配分することが可能となる。
【0025】
ここで、前記第1速度情報生成手段(55)は、前記計測手段(55)によって計測された時間間隔の平均を演算してて得られた平均値に基づいて前記第1速度情報を生成することが好ましい。メインリールは機械的な構成であるから、リールの回転速度にはある程度の誤差が含まれる。また、伝送経路の入出力によってランダムな信号の遅延等が発生することも有り得る。この発明によれば、計測結果の平均値によって第1速度情報を生成するから、特に、一定速度でメインリールが回転している場合に、正確にメインリールの回転速度を検出することができる。
【0026】
本発明に係る他のスロットマシンは、複数の図柄が表示されたメインリールを備えた第1表示手段と、複数の図柄が表示されたサブリールを備えた第2表示手段と、プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と、プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号を出力する停止操作手段と、前記開始指示信号を検知して前記メインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し、前記停止指示信号を検知して前記メインリールの回転を停止させるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と、前記メインリールの回転位相を検知して第1位相情報を生成する第1位相検出手段と、前記サブリールの回転位相を検知して第2位相情報を出力する第2位相検出手段と、前記メインリールの回転中に、前記第1位相情報が示す前記メインリールの回転位相と前記第2位相情報が示す前記サブリールの回転位相との位相差を所定値に近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と、前記サブリールの回転位相を前記メインリールの回転位相と無関係に制御する第2処理とを選択的に実行する第2制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0029】
また、前記第2表示手段(10B)はサブリール(Rb1、Rb2、Rb3)を備え、前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の基準点が所定位置を通過するタイミングで第1検出パルス(47a、48a、49a)を発生する第1センサ(47A、48A、49A)と、前記サブリール(Rb1、Rb2、Rb3)の基準点が所定位置を通過するタイミングで第2検出パルス(47b、48b、49b)を発生する第2センサ(47B、48B、49B)と、前記第1制御手段(31)は、前記第1検出パルス(47a、48a、49a)を検知して第1検出信号(47a、48a、49a)を生成する検出信号生成手段(31)と、前記第1検出信号(47a、48a、49a)を前記第2制御手段(55)に出力する出力手段(37)とを備え、前記第2制御手段(55)は、前記第1検出信号(47a、48a、49a)を入力する入力手段(56)と、前記第1検出信号(47a、48a、49a)を受信した時間間隔を計測する第1計測手段(55)と、前記第1計測手段(55)の計測結果の平均値を算出して前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の回転速度を示す第1速度情報を生成する第1速度検出手段(55)と、前記第2検出パルス(47b、48b、49b)の時間間隔を計測して前記サブリール(Rb1、Rb2、Rb3)の回転速度を示す第2速度情報を生成する第2速度検出手段(47B?49B、55)とを備え、前記第1処理において、前記第1速度情報と前記第2速度情報との差分に基づいて速度誤差情報を生成し、前記第1検出信号(47a、48a、49a)を受信したタイミングと前記第2検出パルス(47b、48b、49b)の発生タイミングとの差分に基づいて位相誤差情報を生成し、前記速度誤差情報及び前記位相誤差情報に基づいて、前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の回転に応じて前記サブリール(Rb1、Rb2、Rb3)が回転するように前記第2表示手段(10B)を制御することが好ましい。この場合には、サブリールの速度及び位相をメインリールに合わせることができる。
【0030】
また、前記第1制御手段(31)は、前記開始指示信号を検知すると前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の回転開始を示す開始情報を前記第2制御手段(55)へ出力すると共に、前記停止指示信号(44a、45a、46a)を検知すると前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の停止操作を示す停止操作情報を前記第2制御手段(55)へ出力し、前記第2制御手段(55)は、前記開始情報が入力されてから前記停止操作情報が入力されるまでの期間は、所定の規則に従って前記第1処理又は前記第2処理を実行し、前記停止操作情報の入力後に前記第2処理を実行することが好ましい。この発明によれば、プレイヤーが停止操作を行った後は、第2処理が実行されるので、メインリールの回転とは無関係に趣向に富む多彩な演出を行うことができる。ここで、開始情報が入力されてから停止操作情報が入力されるまでの期間において、第1処理と第2処理と切り換えは複数回行ってもよく、例えば、第1処理→第2処理→第1処理といったように処理状態を遷移させてもよい。また、開始情報が入力されてから停止操作情報が入力されるまでの期間において、第1処理のみを実行してもよい。
【0031】
上述したスロットマシンにおいて、前記第1制御手段(31)は、前記開始指示信号を検知すると前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の回転開始を指示する開始情報を前記第2制御手段(55)へ出力すると共に、前記停止指示信号(44a、45a、46a)を検知すると前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の停止操作を指示する停止操作情報を前記第2制御手段(55)へ出力し、前記第2制御手段(55)は、前記開始情報が入力されてから前記停止操作情報が入力されるまでの期間は、所定の規則に従って前記第1処理又は前記第2処理を選択して実行し、前記停止操作情報の入力を契機に可変表示を停止させるように前記第2表示手段(10B)を制御することが好ましい。この発明によれば、開始情報が入力されてから停止操作情報が入力されるまでの期間において第1処理と第2処理とを選択的に実行し、プレイヤーが停止操作を行った後は、第2表示手段の可変表示を停止させることが可能となる。
【0032】
上述したスロットマシンにおいて、前記第1制御手段(31)は、前記開始指示信号を検知すると前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の回転開始を指示する開始情報を前記第2制御手段(55)へ出力すると共に、前記停止指示信号(44a、45a、46a)を検知すると前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の停止操作を指示する停止操作情報を前記第2制御手段(55)へ出力し、前記第2制御手段(55)は、前記開始情報が入力されてから所定時間経過するまでの期間は、所定の規則に従って選択した前記第1処理又は前記第2処理のうち一方の処理を継続して実行し、前記所定時間経過後、前記第1処理又は前記第2処理のうち他方の処理を実行することが好ましい。この発明によれば、開始情報が入力されてから所定時間経過するまでの期間とその後の期間で処理を切り換えることができるので、演出の趣向性を向上させることができる。より具体的には、第2制御手段は、時間を計測するタイマ手段を備え、開始情報が入力されたことを検知するとタイマ手段に計測を開始させ、タイマ手段の計測値が所定時間に達したか否かを判定する判定手段を備え、判定手段によって所定時間に達したと判定された後、他方の処理を実行すればよい。また、所定時間を経過する前に停止操作情報が入力された場合には、一方の処理から他方の処理に移行させてもよい。
【0033】
上述したスロットマシンにおいて、前記第1表示手段(10A)は前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)を複数備え、前記第2表示手段(10B)は前記各メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)のそれぞれに対応した表示列を備え、前記停止操作手段(7a、7b、7c)は前記各メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)及び前記各表示列のそれぞれに対応して設けられ、前記停止操作信号を各々出力し、前記第1制御手段(31)は、前記開始指示信号を検知すると前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の回転開始を指示する開始情報を前記第2制御手段(55)へ出力すると共に、前記各停止操作信号を検知すると前記各メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の停止操作を各々指示する各停止操作情報を前記第2制御手段(55)へ出力し、前記メインリールの回転中とは、複数のメインリールのうち少なくとも一つのメインリールが回転している期間であり、前記第2制御手段(55)は、前記開始情報が入力されてから最初の停止操作に伴う前記停止操作情報が入力されるまでの期間は、前記各表示列に対して所定の規則に従って選択した前記第1処理又は前記第2処理のうち一方の処理を継続して実行し、最初の停止操作に伴う停止操作情報の入力を契機に、当該停止操作情報に対応する前記表示列の可変表示を停止させるように前記第2表示手段(10B)を制御すると共に、可変表示中の他の表示列のうち少なくとも一つの表示列に対して前記期間で選択されなかった他方の処理を実行することが好ましい。
【0034】
この発明によれば、最初の停止操作があると対応するメインリール及び表示列が停止するが、この後、他の表示列のうち少なくとも1つについては、開始情報が入力されてから最初の停止操作に伴う停止操作情報が入力されるまでの期間に選択されなかった処理が選択される。例えば、メインリールが左・中・右の3本で構成されており、これらのリールを正転で回転させるものとする。この場合、第2表示手段は左・中・右の3本の各表示列を備える。これらの表示列を正転で回転させる表示態様は第1処理に相当する。第2制御手段が第1処理をまず選択し、左メインリールに対応する停止操作手段を最初に操作したとすると、左メインリールと左表示列の可変表示が停止する。この場合、第2制御手段は中表示列又は右表示列の少なくとも一方に対して第2処理を実行することになる。例えば、中表示列の表示態様を逆転させる。これにより、多様な演出が可能になる。
【0035】
また、上述したスロットマシンにおいて、前記第1表示手段(10A)は前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)を複数備え、前記第2表示手段(10B)は前記各メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)のそれぞれに対応した表示列を備え、前記停止操作手段(7a、7b、7c)は前記各メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)のそれぞれに対応して設けられ、前記停止操作信号を各々出力し、前記第1制御手段(31)は、前記開始指示信号を検知すると前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の回転開始を指示する開始情報を前記第2制御手段(55)へ出力すると共に、前記各停止操作信号を検知すると前記各メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)の停止操作を各々指示する各停止操作情報を前記第2制御手段(55)へ出力し、前記メインリールの回転中とは、複数のメインリールのうち少なくとも一つのメインリールが回転している期間であり、前記第2制御手段(55)は、前記開始情報が入力されてから、少なくとも一の表示列に対して前記第1処理又は前記第2処理のうち一方の処理を選択して実行し、他の表示列に対しては前記少なくとも一の表示列とは異なる他方の処理を実行することが好ましい。
【0036】
この発明によれば、第1処理が実行される表示列と第2処理が実行される表示列とを含むので、演出の多様にすることができる。例えば、表示列が左・中・右の3本で構成される場合に、左表示列と右表示列は正転逆転する表示態様を表示させ、中表示列は逆転する表示態様を表示させてもよい。
【0040】
また、前記第1表示手段は前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)を複数備え、前記停止操作手段(7a、7b、7c)は、前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)のそれぞれに対応して設けられており、前記第1表示手段(10A)の停止態様が所定の態様である場合に、当該停止態様に応じた数量の遊技媒体を払い出す払出手段(70)と、前記複数の停止操作手段(7a、7b、7c)のうち最後に操作された前記停止操作手段(7a、7b、7c)から出力される前記停止指示信号(44a、45a、46a)が前記第1制御手段(31)により検知されてから前記払出手段(70)が払出を開始するまでの時間を演出調整時間として決定する決定手段と、前記第2表示手段(10B)の可変表示が最終的に停止した後に前記遊技媒体が払い出されるように、前記演出調整時間に基づいて前記払出手段(70)の払出開始時刻を調整する調整手段とを備える。ここで、前記第2制御手段(55)は、前記演出調整時間に応じて前記第2表示手段(10B)の停止態様を制御することが好ましい。この発明によれば、演出調整時間に応じて停止態様を制御することができる。なお、可変表示中の表示態様を演出調整時間に応じて制御してもよい。
【0041】
また、前記第1表示手段は前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)を複数備え、前記停止操作手段(7a、7b、7c)は、前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)のそれぞれに対応して設けられており、前記第2表示手段(10B)の前記表示列は、前記メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)のそれぞれに対応して設けられ、前記各表示列の図柄の配置は、前記各メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)毎に異なる種類の図柄と対応付けられていることが好ましい。
【0042】
この発明によれば、各表示列は複数のメインリールに各々対応付けて設けられているから、表示列の数とメインリールの数は一致する。そして、表示列の図柄の配置は、メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられている。例えば、メインリールの図柄が「1」、「2」、「3」で構成されており、表示列の図柄が「A」、「B」、「C」で構成されており、メインリール数が「3」であるものとする。この場合、「表示列の図柄の配置は、各メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられている」とは、例えば、第1番目のメインリールと表示列の組において、「1」と「A」、「2」と「B」、「3」と「C」が対応しており、第2番目のメインリールと表示列の組において、「1」と「B」、「2」と「C」、「3」と「A」が対応しており、第3番目のメインリールと表示列の組において、「1」と「C」、「2」と「A」、「3」と「B」が対応していることをいう。
【0043】
このような対応付行うと、各表示列が停止した状態で同一種類の図柄が並ぶ場合、各メインリールは異なる種類の図柄が並ぶことになる。そして、払い出しの対象となる図柄の並びは、第2表示手段では同一種類、第1表示手段では異なる種類となるので、プレイヤーの関心を第2表示手段に惹きつけることができる。上述したように第2表示手段は、多様な演出を行うことができるので、ゲームの面白さを大幅に向上させることができる。さらに、第1表示手段の可変表示が停止した状態では、一見して入賞したことが判断できないので、プレイヤーは第1表示手段の可変表示が停止した後に行う第2表示手段の演出を楽しむことができる。
【0044】
また、前記各メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)に表示される複数種類の図柄は、異なる数字の図形の組、同一形状で色彩が異なる図形の組、角の形状が異なる図形の組、色彩が同一で形状が異なる図形の組、又は、所定形状の図形を異なる角度回転させた図形の組のうち、いずれかの図形の組によって構成されることが好ましい。また、前記各メインリール(Ra1、Ra2、Ra3)に表示される複数種類の図柄は、前記各表示列に表示される複数種類の図柄と全て異なることが好ましい。これら場合は、プレイヤーが第1表示手段を一見しても入賞したか否かを分かり難くすることができ、プレイヤーの関心を第2表示手段に惹きつけることができる。
【0045】
また、本発明においてスロットマシンには、第1表示手段が機械的なリールによって構成されるパチスロ機の他、第1表示手段が画像表示装置によって構成されるビデオスロットも含まれる。
【発明の効果】
【0046】
以上に説明したように、本発明によれば、第2表示手段による演出の趣向性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
<1.第1実施形態>
<1-1:スロットマシンの外観構成>
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観を示す斜視図である。スロットマシン1の筐体は、本体2と本体2の前面に取り付けられたフロントドア3とを備えている。フロントドア3の上段右側には、第1表示部10Aが設けられている。一方、フロントドア3の中段中央部には、第2表示部10Bが設けられている。第2表示部10Bは、その大きさが第1表示部10Aよりも大きく、且つ、第1表示部10Aよりもスロットマシン1の中央部に配置されているので、第1表示部10Aよりプレイヤーに視認され易い。第1表示部10A及び第2表示部10Bの前面には、第1表示窓4A及び第2表示窓4Bが設けられている。第1表示窓4A及び第2表示窓4Bは、例えば、アクリル樹脂等の透明な材料により形成されている。また、第1表示窓4A及び第2表示窓4B上には水平に3本、斜めに2本の入賞ラインL1?L5が設けられている。
【0048】
くわえて、第2表示窓4Bの左側には補助表示部11が設けられている。補助表示部11は、各入賞ラインL1?L5に各々対応する5個のLEDからなる。なお、第1表示窓4Aの周辺に補助表示部11を設けてもよい。プレイヤーがメダルを投入したり、あるいは、後述するベット操作を行うと、ベット数に応じた数の入賞ラインL1?L5が有効となる。このスロットマシン1では、ベット数が1枚の場合に入賞ラインL1が有効となり、ベット数が2枚の場合に入賞ラインL1?L3が有効となり、ベット数が3枚の場合に入賞ラインL1?L5が有効となる。補助表示部11を構成する各LEDは、対応する入賞ラインL1?L5が有効である場合に点灯し、無効である場合に消灯する。これによって、プレイヤーは、どの入賞ラインL1?L5が有効であるかを知ることができる。
【0049】
第1表示窓4Aの内側には、各々の外周面に複数種類の図柄が描かれた3列の左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3が回転自在に設けられており、第2表示窓4Bの内側には、各々の外周面に複数種類の図柄が描かれた3列の左・中・右リールRb1、Rb2、Rb3が回転自在に設けられている。表示列としての左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3は後述するメイン基板から信号によってそれらの回転(可変表示)及び停止が制御される一方、表示列としての左・中・右リールRb1、Rb2、Rb3は後述するサブ基板から信号によってそれらの回転(可変表示)及び停止が制御される。
【0050】
図2に、左・中・右リールRb1、Rb2、Rb3の構造を示し、図3に、右リールRb3の詳細な構造を示す。各リールRb1?Rb3は、環状の形状をしており、その表面には各種の図柄が印刷されている。また、右リールRb3の裏面には、一部を除いて、光を遮光する遮光膜Sが形成されている。遮光膜Sが形成された部分では、裏面側から光を照射しても光が透過しない。一方、各図柄部分は、遮光膜Sが形成されておらず、光を散乱させるための凹凸部材Pが右リールRb3の裏面に形成されている。くわえて、各図柄部分は、リール自体が白色半透明になっている。図3に示す例では、図柄「7」の輪郭部分の内部に凹凸部材Pが形成されている。
【0051】
また、右リールRb3の内周面側には、右リール用照明ユニット670が配置されている。右リール用照明ユニット670は遮光壁によって仕切られた上段・中段・下段シェードを備える。各上段・中段・下段シェードには光源67が設けられている。光源67としては、冷陰極管、LED、あるいは電球を用いることができる。
【0052】
さらに、右リールRb3の一部には、遮光片491がリール本体から突出して設けられており、右リールRb3が回転するとフォトセンサ492を横切るようになっている。フォトセンサ492は右リールRb3の回転位置を検出する右リール位置検出センサ49B(図11参照)として機能する。なお、左リールRb1および中リールRb2の構造およびその周辺構成は、図3を用いて説明した右リールRb3の構造およびその周辺構成と同様であり、左リールRb1および中リールRb2についても、回転位置を検出する左・中リール回転位置検出センサ47B、48Bが設けられている。これらのセンサの出力信号はサブ基板に送られる。
【0053】
また、第1表示部10Aの左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3は上述した第2表示部10Bと同様に構成されている。但し、これらのリールには、メイン基板用の左・中・右リール位置検出センサ47A、48A、49Aの他にサブ基板用の左・中・右リール位置検出センサ47C、48C、49Cが設けられている。なお、この例では、メイン基板用の左・中・右リール位置検出センサ47A、48A、49Aとサブ基板用の左・中・右リール位置検出センサ47C、48C、49Cと独立して設けたが、左・中・右リール位置検出センサ47A、48A、49Aをサブ基板用と兼用して用いてもよい。これらのセンサからは、1回転に遮光片がフォトセンサを通過するタイミングでアクティブとなる基準点通過信号が検出信号として生成される。
【0054】
図1に戻り、説明を続ける。第2表示窓4Bの下方には、プレイヤーが遊技を実行するための各種操作部材が配置された操作部OPが設けられている。操作部OPは、メダル投入口5、スタートレバー6、左・中・右リールストップボタン7a,7b,7c、クレジットボタン8、及びBETボタン15を備える。
【0055】
メダル投入口5は、第2表示窓4Bの右斜下に設けられており、メダルを投入できるようになっている。メダルを1枚投入すると入賞ラインL1が有効となり、メダルを2枚投入すると入賞ラインL1?L3が有効となり、メダルを3枚投入すると入賞ラインL1?L5が有効となる。さらに、プレイヤーが3枚を超えてメダルを投入すると、スロットマシン1は4枚以上のメダル数をクレジットとして貯留する。
【0056】
BETボタン15は、第2表示窓4Bの左斜下に設けられている。BETボタン15は、プレイヤーが一回のゲームでベットするメダル数を指定するために用いられる。このBETボタン15をプレイヤーが操作することで、メダル投入口5からメダルを投入しなくても、貯留されたメダルをベットすることができる。このため、BETボタン15の操作によって指定されたメダル数に応じて、入賞ラインL1?L5が適宜有効となる。BETボタン15の操作によって指定されたメダル数と有効となる入賞ラインL1?L5との関係は、メダルを直接投入する場合と同じである。
【0057】
スタートレバー6は、BETボタン15の下方に設けられている。スタートレバー6は、プレイヤーがゲームの開始を指示するために用いられる。プレイヤーがスタートレバー6を押し下げると、左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3及び左・中・右リールRb1、Rb2、Rb3が一斉に回転を開始し、第1表示部10A及び第2表示部10Bの図柄が可変表示となる。
【0058】
左・中・右リールストップボタン7a、7b、7cは、スタートレバー6の右横に設けられている。左・中・右リールストップボタン7a、7b、7cは、第1表示窓4A及び第2表示窓4Bで回転する左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3及び左・中・右リールRb1、Rb2、Rb3をそれぞれ停止させるために用いられる。
【0059】
スタートレバー6の左側には、メダルをスロットマシン1に貯留するか否かを決定するためのクレジットボタン8が設けられている。プレイヤーがクレジットボタン8を操作することによりクレジットを有効とするか、または無効とするかを変更することができる。所定の場合、メダル払出口10aからメダルがプレイヤーに払い出され、メダル受皿10に貯留される。
【0060】
<1-2:役と図柄の関係>
図4に、左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3及び左・中・右リールRb1、Rb2、Rb3に表示される図柄の一例を示す。この図に示すように各リールには、21個・6種類の図柄が表示されており、各図柄には図柄番号PN=1?21が割り当てられている。以下の説明では、左・中・右を区別する必要がない場合には、第1表示部10Aの左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3を単にメインリールと称し、第2表示部10Bの左・中・右リールRb1、Rb2、Rb3を単にサブリールと称する。
【0061】
図5に、サブリールの図柄と、メインリールの図柄との対応関係を示す。この図に示すようにサブリールのある図柄は、左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3毎に異なる図柄と対応付けられている。例えば、サブリールの図柄「7」は、左リールRa1の図柄「1」、中リールRa2の図柄「3」、右リールRa3の図柄「4」と各々対応付けられている。
【0062】
図柄の組合せは、遊技価値を与える「役」と無価値な「ハズレ」とに大別される。そして、役は、表示列たる各メインリールが停止した状態において、有効な入賞ライン上に停止した図柄の組合せのうち、所定の態様のものをいう。この例では、メインリールの図柄がサブリールの図柄に対応付けられているから、各サブリールが停止した状態において、第2表示部10Bの有効な入賞ライン上に停止した図柄の組合せのうち、所定の態様のものは役に該当する。
【0063】
図6に、役とサブリール及びメインリールの図柄の関係を示す。本実施形態では、役として、BB役、RB役、プラム役、ベル役、チェリー役、及びリプレイ役を採用する。役を構成する図柄が有効な入賞ライン上に揃うことを入賞といい、入賞した役に応じた枚数のメダルが払い出される。メダルは、ゲームを開始する際にスロットマシン1に投入するものであり、プレイヤーがゲームを継続するために必要である。つまり、メダルはゲームの継続等の遊技価値を有する遊技媒体といえる。
【0064】
図6に示すように、メインリールの役を構成する図柄は、第1表示部10Aの複数の入賞ラインL1?L5のうち賭けの対象となる有効化された入賞ライン上に予め定められた異なる種類の図柄が並ぶ態様であり、サブリールの役を構成する図柄は、第2表示部10Bの複数の入賞ラインL1?L5のうち有効化された入賞ライン上に同じ種類の図柄が並ぶ態様である。本実施形態の役には次のものがある。
【0065】
1)BB役 この役は、左リールRa1,Rb1、中リールRa2,Rb2、右リールRa3,Rb3における図柄番号PN=21の図柄の組合せであり、サブリールの停止態様が「7-7-7」、メインリールの停止態様が「1-3-4」である。
【0066】
2)RB役 この役は、左リールRa1,Rb1、中リールRa2,Rb2、右リールRa3,Rb3における図柄番号PN=5の図柄の組合せであり、サブリールの停止態様が「BAR-BAR-BAR」、メインリールの停止態様が「2-5-3」である。
【0067】
3)ベル役 この役は、左リールRa1,Rb1における図柄番号PN=16、12、9または2の図柄、中リールRa2,Rb2における図柄番号PN=20、17、13、9または3の図柄、右リールRa3,Rb3における図柄番号PN=18、13、9、または1の図柄の組合せであり、サブリールの停止態様が「ベル-ベル-ベル」、メインリールの停止態様が「5-6-7」である。
【0068】
5)プラム役 この役は、左リールRa1,Rb1における図柄番号PN=18、15、9または2の図柄、中リールRa2,Rb2における図柄番号PN=18、14、10、6または1の図柄、右リールRa3,Rb3における図柄番号PN=19、14、10、6または2の図柄の組合せであり、サブリールの停止態様が「プラム-プラム-プラム」、メインリールの停止態様が「4-1-2」である。
【0069】
6)チェリー役 この役は、左リールRa1,Rb1における図柄番号PN=20、13または6の図柄が入賞ラインL1?L5のうち有効化されたものに停止すればよく、他のリールの停止位置とは無関係である。即ち、サブリールの停止態様が「チェリー-?-?」、メインリールの停止態様が「6-?-?」である。
【0070】
7)リプレイ役 この役は、左リールRa1,Rb1における図柄番号PN=19、17、10または3の図柄、中リールRa2,Rb2における図柄番号PN=19、15、11、7または2の図柄、右リールRa3,Rb3における図柄番号PN=20、15、11、7または3の図柄の組合せであり、サブリールの停止態様が「リプレイ-リプレイ-リプレイ」、メインリールの停止態様が「7-4-1」である。リプレイ役が成立してもメダルの払い出しはないが、再遊技ができる。再遊技とは、新たにメダルを投入することなく再びゲームを行うことをいう。
【0071】
これらの役は、遊技状態別に役毎にプレイヤーに付与される遊技価値が予め定められている。役には、1枚から15枚の払い出しが付与される役、入賞による払い出しのあるなしにかかわらずビッグボーナスやレギュラーボーナス等の有利な遊技状態が付与される役、払い出しはないがメダルを投入することなく再度、同数のメダル投入条件で遊技が行える再遊技を付与される役がある。また、これらのすべての役がどの遊技状態においても必ずしも賞として定められているとは限らない。ある遊技状態では賞として成立するが、別の遊技状態においては賞として成立しないというような役も可能である。すなわち、各役の入賞毎によってプレイヤーに付与される遊技価値は、遊技状態毎に予め定められているおり常に一定であるとは限らない。
【0072】
本実施例においては、通常の遊技状態におけるプレイヤーに付与される遊技価値は、プラム役は15枚、ベル役は10枚、チェリー役は2枚の払い出しが行われ、リプレイ役は再遊技が可能となる役とする。
【0073】
各種の役のうち、ベル役、チェリー役およびプラム役等の2枚から15枚程度の配当や再遊技が付与される等の比較的低い遊技価値に対応する役を総称して小役と呼ぶ。一方、RB役が入賞すると、15枚の払い出しが行われると共に遊技状態がレギュラーボーナス(以下、適宜「RB」と省略して記載する。)と呼ばれる特定遊技状態に移行する。レギュラーボーナスでは、ジャックゲームを12回行うことができ、RB期間は、ジャックゲームを12回行うか、最大8回入賞すると終了となる。ジャックゲームは、1枚のメダルをベットして中央の入賞ラインL1のみを有効にして行われる。ジャックゲームの役としては、リプレイ役を採用する。この役を構成する図柄が入賞ラインL1に揃うとスロットマシン1は15枚のメダル払い出しを行う。つまり、通常の遊技状態ではリプレイ役が揃っても再遊技ができるだけであるが、レギュラーボーナス期間中に行われるジャックゲームにおいて、リプレイ役を構成する図柄が揃うと15枚のメダルの払い出しを受けることができる。また、後述するビッグボーナス中にはレギュラーボーナスの賞にリプレイ役を割り当てている。なお、RBの遊技状態では通常の遊技状態にはないジャックゲームが行われるので、通常の遊技状態と比較してRBの遊技状態はプレイヤーにとって有利な遊技状態であるといえる。
【0074】
また、BB役に入賞すると、遊技状態が通常の遊技状態からビッグボーナス(以下、必要に応じてビッグボーナスを「BB」と省略して記載する。)と呼ばれる特別の遊技状態に移行する。ビッグボーナス期間中は、レギュラーボーナスが最大3回分行えるのに加えて、小役を高当選確率状態での遊技を最大30回成立させることが可能である。ビッグボーナスは、レギュラーボーナスと比較してより有利な遊技状態である。なお、以下の説明では、ビックボーナス中のレギュラーボーナスと、単独で入賞したレギュラーボーナスとを区別するため、前者をBB中RBと称し、後者を単独RBと称する。
【0075】
<1-3:スロットマシンの電気的構成>
図7は、スロットマシン1における遊技処理動作の制御を司る制御装置と、スロットマシン1を構成するもののうち本発明に関係のある周辺装置を含む回路構成とを示すブロック図である。
【0076】
制御装置は、メイン基板30Aとサブ基板30Bを主たる構成要素とする。メイン基板30Aは、メインCPU31、クロック発生回路32、数列発生回路33、RAM34、ROM35、送出タイミング制御回路36、データ送出回路37、入力ポート38および出力ポート39を備える。
【0077】
メインCPU31は、送出タイミング制御回路36を除くメイン基板30Aの各構成要素とバス(図示せず)を介して接続されている。メインCPU31は、第1制御プログラムCP1を実行して各構成要素を制御する。第1制御プログラムCP1には、スロットマシン1全体をどのように動作させるかが記述されている。このため、メインCPU31は、スロットマシン1の制御中枢として機能する。クロック発生回路32は、水晶振動子を含む発振回路を備えており、固定周期の基準クロック信号CLKを生成し、これをメインCPU31と数列発生回路33とに供給する。
【0078】
数列発生回路33は、高速のリングカウンタで構成されており、基準クロック信号CLKをカウントしてカウントデータCDを生成する。カウントデータCDの数値範囲は、後述する賞群抽選テーブルTBL1の記憶内容によるが、例えば、0?59999である。カウントデータCDはメインCPU31に常時供給されており、メインCPU31は、プレイヤーがスタートレバー6を押し下げたタイミングを検知し、当該タイミングでカウントデータCDをサンプリングすることによって、サンプリングデータSDを生成する。
【0079】
プレイヤーはカウントデータCDの値を知ることができないから、スタートレバー6がプレイヤーによって押し下げられるタイミングはランダムである。したがって、サンプリングデータSDの値は乱数の中からある値をサンプリングしたものと等価である。なお、数列発生回路33は基準クロック信号CLKに同期して動作するので、カウントデータCDの周期は極めて短い。例えば、基準クロック信号CLKの周波数が30MHzであれば、カウントデータCDの値が「0」から「59999」まで変化するのに要する時間は、2msecである。したがって、プレイヤーが不正な手段によってカウントデータCDの値を知ることができたとしても、スタートレバー6を操作して所望の値を有するサンプリングデータSDをメインCPU31に生成させることは不可能である。
【0080】
次に、RAM34は、メインCPU31の作業領域として機能し、演算処理の途中結果や必要に応じて生成されたデータや各種の制御に用いるフラグ等を記憶する。例えば、内部抽選の結果を示す内部抽選データISD等がRAM34に記憶されている。
【0081】
ROM35には、第1制御プログラムCP1の他、賞群抽選テーブル群TBL1、停止テーブル群TBL2、および入賞図柄組合せテーブルTBL3等が格納されている。入賞図柄組合せテーブルTBL3には、入賞役の図柄の組合せと、入賞役のメダル払出枚数とが対応づけられて記憶されている。
【0082】
本実施形態のスロットマシン1における役の種類としては、BB役、RB役、ベル役、チェリー役、プラム役及びリプレイ役があることは上述した通りである。BB役の成立はビッグボーナスに移行する契機となる一方、RB役の成立はレギュラーボーナスに移行する契機となる。また、小役の種類によってプレイヤーが獲得できる遊技価値は各々異なる。スロットマシン1の制御においては、遊技価値の相違に応じた制御が必要とされることから、遊技価値に着目して各種の役を分類しておくと便利である。そこで、本実施形態のスロットマシン1は、これらの役に対応して各賞群を割り当てる。BB役に対応する賞群をBB賞、RB役に対応する賞群をRB賞、ベル役に対応する賞群をベル賞、プラム役に対応する賞群をプラム賞、チェリー役に対応する賞群をチェリー賞、リプレイ役に対応する賞群をリプレイ賞という。
【0083】
賞群抽選テーブル群TBL1は、複数の賞群抽選テーブルを含む。メインCPU31は、遊技状態に応じて選択した賞群抽選テーブルを用いて内部抽選を行う。賞群抽選テーブルとしては、通常ゲームに用いられるテーブル、ビッグボーナスゲームに用いられるテーブル、レギュラーボーナスゲームに用いられるテーブルが用意されている。
【0084】
図8に通常ゲーム用の賞群抽選テーブルTBL11の記憶内容を示す。この図に示すように、賞群抽選テーブルTBL11は、第1?第7記憶領域ADR1?ADR7に抽選区分データを各々記憶している。抽選区分データの値は、各賞群に対応する抽選区分の幅を示す。例えば、第1記憶領域ADR1に記憶される抽選区分データはハズレに対応しておりその値は「54000」である。また、第7記憶領域ADR7に記憶される抽選区分データはBB賞に対応しており、その値は「300」である。したがって、BB賞に当選する確率はハズレに当選する確率の1/180となる。
【0085】
図9は、賞群抽選テーブルTBL11を用いた内部抽選処理におけるメインCPU31の動作を示すフローチャートである。まず、メインCPU31は初期化処理を行う(ステップS1)。具体的には、変数Nの値を「0」にクリアするとともに内部レジスタに記憶している値を「0」にクリアする。
【0086】
次に、メインCPU31は、サンプリングデータSDを内部レジスタに記憶し(ステップS2)、これに続いて、変数Nの値をN+1に変更する(ステップS3)。この後、メインCPU31はN番目の記憶領域から抽選区分データを読み出す(ステップS4)。初期化処理の直後の処理では、変数Nの値が「1」となるので、第1記憶領域ADR1から抽選区分データが読み出される。この場合の値は「54000」となる。
【0087】
次に、メインCPU31は内部レジスタの記憶内容を読み出し、読み出したデータ値と抽選区分データ値を加算し、加算値を内部レジスタに記憶する(ステップS5)。この結果、内部レジスタの記憶内容は、元のデータ値から加算値に更新されることになる。
【0088】
次に、メインCPU31は、加算値が基準値以上であるか否かを判定する(ステップS6)。基準値は、第1?第7記憶領域ADR1?ADR7に記憶されている各抽選区分データの値の総和と等しい。
【0089】
加算値が基準値未満の場合には、メインCPU31は処理をステップS3に戻し、加算値が基準値以上になるまでステップS3からステップS6の処理を繰り返す。そして、加算値が基準値以上になると、メインCPU31は処理をステップS7に進めて、変数Nの値に応じて賞群を決定し、内部抽選データISDを生成する。具体的にはN=1のときハズレ、N=2のときリプレイ賞、N=3のときチェリー賞、N=4のときベル賞、N=5のときプラム賞、N=6のときRB賞、N=7のときBB賞に当選したと決定する。この結果、サンプリングデータSDと賞群との対応は、図8に示すように、SD=59999?6000でハズレに、SD=5999?4200でリプレイ賞に、SD=4199?3000でチェリー賞に、SD=2999?1740でベル賞に、SD=1799?900でプラム賞に、SD=899?300でRB賞に、SD=299?0でBB賞に各々対応するものとなる。
【0090】
そして、メインCPU31は、判定結果に基づいて内部抽選データISDを生成する。内部抽選データISDは8ビットのデータであって、第1ビットにBB賞、第2ビットにRB賞、第3ビットにベル賞、第4ビットにプラム賞、第5ビットにチェリー賞、第6ビットにリプレイ賞が各々割り当てられている。内部抽選によっていずかの賞に当選すると、メインCPU31は該当するビットの値を「1」にし、該当しない場合にはビットの値を「0」にする。したがって、内部抽選データISDを参照すれば、当選しているかハズレているか、また当選している賞群を知ることができる。
【0091】
なお、以下の説明では、内部抽選データISDの第1ビットをBB当選フラグと呼び、第2ビットをRB当選フラグと呼ぶ。そして、BB当選フラグ又はRB当選フラグを「1」にすることをセット、「0」にすることをクリアと呼ぶ。小役についても同様である。小役については、あるゲームにおいて内部抽選で当選しても当該ゲームで入賞しない限りメダルの払い出しはない。しかし、RB賞とBB賞についてはあるゲームの内部抽選で当選すると、当該ゲームで入賞しなくてもBB当選フラグ又はRB当選フラグをクリアすることなく、以後のゲームで入賞するまでBB当選フラグ又はRB当選フラグを消去しない。このことを当選フラグの持ち越しという。
【0092】
次に、停止テーブル群TBL2は、複数の停止テーブルから構成されている。各停止テーブルには、中央の入賞ラインL1に表示される図柄番号PNとズレコマ数を示すズレコマ数データとが対応付けられて記憶されている。ここで、ズレコマ数とは、プレイヤーが各左・中・右リールストップボタン7a、7b、7cを押し下げてから、各左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3が停止するまでに進む図柄の数のことをいう。
【0093】
各左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3は高速で回転するため、プレイヤーが特定の図柄を狙ってストップボタンを操作したとしても、所望の図柄を停止させるには、熟練が必要となる。ストップボタン操作の習熟には、プレイヤーの個人差がある。特に、動体視力の低いプレイヤーは所望の図柄を停止させることが難しい。一方、スキルの高いプレイヤーは、所望の図柄が入賞ラインに表示されている時に、ストップボタンを操作することが可能である。
【0094】
しかしながら、スキルの低いプレイヤーがゲームを楽しむためには、図柄をある程度揃い易くする必要がある一方、内部抽選の結果がハズレである場合には、役が成立しないようにリールの回転を制御する必要がある。停止テーブルは、このようなリール回転の制御ために用いられる。そして、各左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3の停止位置は、停止テーブルを参照して定める。
【0095】
図7に戻り、説明を続ける。同図に示す送出タイミング制御回路36とデータ送出回路37とは、メインCPU31が生成した各種の情報をサブ基板30Bに送信する。サブ基板30Bに送信される情報としては、内部抽選データISD、演出調整時間、スタートレバー6の操作タイミング、停止図柄番号、停止操作されたリールストップボタンを特定する停止ボタン番号等が含まれる。
【0096】
次に、入力ポート38は、後述する各種のセンサから供給される信号の入力インターフェースである。一方、出力ポート39は、各モータや各種装置に対して制御信号を供給するための出力インターフェースである。
【0097】
入力ポート38に接続され、各種の入力信号を発生する主要な入力信号発生手段としては、以下のものがある。投入メダル検出センサ41は、メダル投入口5を介して投入されるメダルを検知して、1個のメダルに対して1個の出力パルスを生成する。したがって、メインCPU31は、この出力パルスをカウントすることによって、投入されたメダル数を検知することができる。
【0098】
BETボタンセンサ42はBETボタン15の操作を検出する。スタートレバーセンサ43はスタートレバー6の操作を検出する。左・中・右リールストップボタンセンサ44、45、46は左・中・右リールストップボタン7a、7b、7cの操作を各々検出して停止指示信号44a、45a、46aを出力する。左・中・右リール位置検出センサ47、48、49は、左・中・右リールR1、R2、R3の回転位置を検出し、基準点通過信号47a、48a、49a(検出信号)を生成する。
【0099】
右リール位置検出センサ49Aは、図2および図3に示すフォトセンサ492、増幅器、およびコンパレータを備える。フォトセンサ492は発光部と受光部とを含む。受光部が受光量に応じたレベルの受光信号を出力すると、増幅器が受光信号を増幅する。コンパレータは、増幅器の出力信号を予め定められた閾値と比較して基準点通過信号49aを生成し、これを右リール位置検出センサ49Aの出力信号として出力する。右リールR3が回転すると、図2に示す遮光片491はフォトセンサ492を1回転に1回通過する。したがって、基準点通過信号49aによって、右リールR3の回転位置を検知することができる。なお、左・中位置検出センサ47A、48Aは、右リール位置検出センサ49Aと同様に構成されている。
【0100】
出力ポート39に接続され、各種の出力信号の供給を受ける主要な手段としては、メダル払出機構70及び左・中・右リール駆動モータ51A、52A、53Aがある。メダル払出機構70は、スロットマシン1の内部にメダルを貯留するホッパー、ホッパーからメダルをメダル受け10に排出させるディスク機構、排出するメダルを計数するカウンタ等を備え、メインCPU31からの制御信号に基づいて、指示された枚数のメダルを排出する。
【0101】
左・中・右リール駆動モータ51A、52A、53Aは、左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3をそれぞれ回転駆動するモータであって、この例では、ステッピングモータによって構成されている。したがって、メインCPU31は左・中・右リール駆動モータ51A、52A、53Aに供給する各駆動信号51a、52a、53aのパルス数を調整することによって、左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3の停止位置を正確に定めることが可能である。
【0102】
また、各モータ51A、52A、53Aは、420個のパルスによって1回転するように構成されている。上述したように各リールRa1、Ra2、Ra3には、21個の図柄が形成されているので、20個のパルスをモータに供給することによって1個の図柄を進めることができる。また、メインCPU31は、各モータ51A、52A、53Aに供給するパルス数をカウントし、カウント結果を各位置データMD1、MD2、MD3として保持している。また、各位置データMD1、MD2、MD3の値は基準点通過信号47a、48a、49aがアクティブとなるタイミングでクリアされるようになっている。
【0103】
図10は、基準点通過信号49a、図柄番号PN、駆動信号53a、および位置データMD3の関係を示すタイミングチャートである。この図に示すように、時刻t1において基準点通過信号49aがローレベルからハイレベルに立ち上がると、位置データMD3の値はクリアされる。時刻t1は、図3に示す遮光片491がフォトセンサ492を通過するタイミングである。このとき、右リールRa3の回転位置は、図4に示す図柄番号PN=1の図柄(7)が、表示窓4Aの中段に表示される。換言すれば、当該図柄が表示窓4Aの中段に表示されるように遮光片491とフォトセンサ492との取り付け位置が定められている。
【0104】
そして、時刻t1から時刻t2までの期間に、20個のパルスが駆動信号53aとして右リール用駆動モータ53に供給されると、右リール用駆動モータ53は右リールRa3を1/21回転させる。この結果、表示窓4Aの中段には図4に示す図柄番号PN=2の図柄(2)が表示されることになる。以下、同様に図柄が順次表示され、時刻t3に至ると、右リールRa3が1回転して再び図柄番号PN=1の図柄(7)が表示される。このように、基準点通過信号49a、図柄番号PN、駆動信号53a、および位置データMD3は密接に関係しているから、メインCPU31は、位置データMD3に基づいて、図柄の表示状態を検知することができる。
【0105】
なお、左リールRa1および中リールRa2についても上述した右リールRa3と同様に、メインCPU31は、位置データMD1、MD2に基づいて、図柄の表示状態を検知することができる。これらの点は、サブ基板30Bについても同様であり、サブCPU55は、位置データに基づいて図柄の表示状態を検知することが可能である。
【0106】
次に、図11はサブ基板30Bの詳細な構成とその周辺構成とを示すブロック図である。サブ基板30Bは、サブCPU55、データ入力回路56、クロック発生回路57、ROM58、及びRAM59を備える。
【0107】
サブCPU55は、第2制御プログラムCP2に従って、サブ基板30Bを制御する制御中枢として機能する。この際、サブCPU55は、各種の抽選を実行する。なお、抽選はどのような方法を用いてもよいが、例えば、メイン基板30AからサンプリングデータSDを受信し、サンプリングデータSDが所定の値を取る場合に当選としてもよい。あるいは、ソフトウエアで乱数を発生させ、その値をサンプリングして所定の値を取る場合に当選としてもよい。
【0108】
データ入力回路56は、上述したデータ送出回路37から送信される各種の情報を受信し、これらをサブCPU55に引き渡すインターフェースである。クロック発生回路57はクロック信号を発生し、サブCPU55に供給する。
【0109】
ROM58は、第2制御プログラムCP2の他、停止データテーブル群、図柄配列テーブルを記憶している。図柄配列テーブルは各サブリール毎に図柄番号と図柄の種類を対応付けて記憶している。また、RAM59は、サブCPU55の作業領域として機能し、第2制御プログラムCP2に従って行われる処理途中のデータやフラグ等が記憶される。
【0110】
また、左・中・右バックライト65?67はサブCPU55からの指令に従って、オン・オフが制御されるようになっている。例えば、内部抽選によって特定の賞群(例えば、ベル賞)に当選しているとき、左・中・右リールストップボタン7a、7b、7cの押し順を左・中・右バックライト65?67を用いて報知する。具体的には、次に押すべきボタンに対応するバックライトを点灯させる一方、他のバックライトを消灯させる。
【0111】
さらに、サブ基板30Bは、サウンドLSI61、音声ROM62、および音声処理回路63を備える。音声ROM62には、各種の効果音を発生させるための音データが記憶されている。サウンドLSI61は、サブCPU55からのコマンドに基づいて、所定のタイミングで音声ROM62から音データを読み出し、所定の処理を施して音声処理回路63に出力する。音声処理回路63は音データをDA変換して音声信号を生成し、音声信号を所定レベルに増幅してスピーカ68に供給する。これにより、スピーカ68から効果音が放音される。
【0112】
また、サブ基板30Bは、左・中・右駆動モータ51B,52B,53B、左・中・右リール位置検出センサ47B,48B,49B、及び左・中・右リール位置検出センサ47C,48C,49Cと接続されている。左・中・右駆動モータ51B,52B,53Bは、各サブリールRb1,Rb2,Rb3を回転させるモータである。左・中・右リール位置検出センサ47B,48B,49Bは、サブリールRb1,Rb2,Rb3の回転を検知して基準点通過信号47b,48b,49bを出力する。また、左・中・右リール位置検出センサ47C,48C,49Cは、メインリールの回転を検知して基準点通過信号47c,48c,49cを出力する。
【0113】
ところで、不正によりROM等の記憶装置やサブ基板30B本体が交換されるのを防ぐために、サブ基板30Bを収納しているケースを本体2に固定する際に、いわゆる「封印」を施すことがある。封印には文字や番号等の識別情報を持つ封印部材を使用する。サブ基板ケースを遊技機本体より取り外す際には、封印である識別情報を持つ部材を破壊しなければならず、その破壊をもってサブ基板ケースの取り外しを監視する。
【0114】
図12は、サブ基板30Bの封印構造を示す斜視図である。本体2の側面には、サブ基板ケース300が配置される。サブ基板ケース300は、その内部にサブ基板30Bを収容する。サブ基板ケース300は、その上方において2本のネジ301及び302を用いて、本体2に固定される。ネジ301及び302の頭部には、貫通穴303及び304が設けられている。この貫通穴303及び304に識別情報が付与された封印部材305を通す。
【0115】
封印部材305は挿入部30aと帯部30bを有し、1本の帯形状をしている。その一端を自身のもう一端の挿入部30aに挿入することで円環を成し、挿入部30aと帯部30bとの形状的特徴から挿入された一端が抜けなくなる。その円環を解除するには、帯部30bをニッパー等の工具で切断する。実施例では複数の電気配線を束ねる用途で使われる「結束バンド」と一般的に呼ばれる部材を用いている。封印部材305は、人力で容易に曲げられる弾力性を持つ樹脂や針金等の金属であり、貫通穴303及び305の向きが一直線上になっていなくても2本のネジの頭部を連通することができる。また、樹脂であれば図示のように貫通穴303及び304に通す帯状の箇所の端に識別情報を付与する板状の箇所を一体に成形してあれば良い。針金等の金属であれば、針金とは別に識別情報を付与する板状の部材を設けたり、鍛造や溶接で一体に成形されているものであれば良い。
【0116】
なお、図示しないが、サブ基板ケース300の下方には本体2に挿入される突起部を持ち、サブ基板ケース300の上方のネジ301及び302で固定すると、サブ基板ケース300の下方は本体2から外れなくなる。従って、このサブ基板ケース300の下方をネジ止めする必要は無い。
【0117】
<1-4:スロットマシンの全体動作>
次に、スロットマシン1の全体動作を説明する。図13及び図14はメインCPU31が1ゲームの開始から終了まで制御する動作を示すフローチャートである。メインCPU31は、投入メダル検出センサ41およびBETボタンセンサ42からの検出信号に基づいて、プレイヤーがベット操作を行ったか否かを判定し(ステップS11)、ベット操作有りと判定した場合には処理をステップS12に進める。
【0118】
ステップS12において、メインCPU31は、スタートレバーセンサ43の検出信号に基づいて、プレイヤーがスタートレバー6を操作したか否かを判定する。プレイヤーがスタートレバー6を操作すると、メインCPU31は、ベット操作を禁止する処理を行う(ステップS13)。ベット操作が禁止されると、禁止が解除されまでの期間、プレイヤーがメダルの投入やBETボタン15を操作しても受け付けが拒否される。
【0119】
次に、メインCPU31は、第1制御プログラムCP1に従って、ゲーム態様に応じた賞群抽選テーブルの設定を行う(ステップS14)。具体的には、賞群抽選テーブル群TBL1の中から、通常ゲーム、RBゲーム、またはBBゲームといったゲーム態様に応じたテーブルを選択する。この場合、メインCPU31はRAM34に記憶したRBフラグやBBフラグ等を参照して、当該ゲームのゲーム態様を特定し、その結果に基づいてテーブルを選択する。例えば、当該ゲームが、通常ゲーム(ATゲームを含む)であれば、RBフラグおよびBBフラグがクリアされていることを検知し、賞群抽選テーブル群TBL1の中から賞群抽選テーブルTBL11を選択する。
【0120】
次に、メインCPU31は、ステップS14で設定した賞群抽選テーブルTBL1を用いて内部抽選処理を実行し(ステップS15)、当選した賞群又はハズレを示す当選フラグをセットする(ステップS16)。内部抽選処理および当選フラグのセットは、次の手順で行われる。第1に、メインCPU31は、スタートレバーセンサ43の検出信号がアクティブとなったタイミングで、カウントデータCDをサンプリングしてサンプリングデータSDを取得する。第2に、メインCPU31は、賞群抽選テーブルを参照して、内部抽選データISDを生成する。例えば、図8に示す賞群抽選テーブルTBL11を用い、サンプリングデータSDの値が「150」であるものとすれば、内部抽選データISDは、BB賞の当選を示すものとなる。この場合、メインCPU31は、内部抽選データISDの第1ビットに当選フラグを内部抽選データISDにセットする。この後、メインCPU31はサブ基板30Bへ当選フラグ(内部抽選データISD)を送信する(ステップS17)。
【0121】
次に、メインCPU31は、演出調整時間の設定処理を実行する(ステップS18)。図15は、演出調整時間設定処理の内容を示すフローチャートである。メインCPU31は、プラム賞、ベル賞、チェリー賞、又はJAC賞に当選したか、若しくはBB中RB当選したか、否かを内部抽選データISDに基づいて順次判定し(ステップS50?S53、S59)、内部抽選においてこれらの賞群に当選している場合には、演出調整時間を「0」にセットする(ステップS54?S57)。
【0122】
一方、内部抽選において上述した賞群のいずれにも当選していない場合には、メインCPU31は、単独RB当選か、BB当選か、ハズレかを各々判定し(ステップS58、S60、S61)、演出調整時間を抽選で決定する(ステップS62?S65)。演出調整時間としては、例えば、5秒、10秒、20秒といったように複数の時間が予め定められており、メインCPU31は、抽選結果として選択した演出調整時間を指示する演出調整時間情報を生成する。ここで、演出調整時間情報は、演出調整時間を直接指示するものであってもよいし、あるいは、予め定められた演出調整時間のうちどの演出調整時間を選択したかを指示するものであってもよい。後者の態様は、演出調整時間をコマンド化したものであって、例えば、5秒をT1、10秒をT2、20秒をT3に対応付けておき、T1、T2、又はT3をコマンド化した演出調整時間情報として生成するものである。この場合には、コマンドの種類(T1、T2、T3)と演出調整時間(5秒、10秒、20秒)との対応付けメイン基板30A及びサブ基板30Bの双方でメモリに保持することが好ましい。
【0123】
このようにして演出調整時間が決定されると、メインCPU31は、処理を図13に示すステップS19へ進め、サブ基板30Bへ演出調整時間を指示する演出調整時間情報を送信する(ステップS19)。
【0124】
次に、CPU31は、内部抽選データISDに基づいて、リール停止データ群の選択を実行する(ステップS20)。例えば、BBゲーム中であることを示すBBフラグの基づいて、BBゲーム中であるか否かを判定し、この判定結果が否定される場合には、メインCPU31は、停止テーブル群TBL2の中から通常用の停止テーブルを選択する一方、判定結果が肯定される場合には、メインCPU31は、停止テーブル群TBL2の中からBB用の停止テーブルを選択する。
【0125】
次に、メインCPU31はリール回転処理を実行する(ステップS21)。具体的には、駆動信号51a?53aをアクティブにする。すると、左・中・右リール駆動モータ51A?53Aの回転軸が回転を開始し、それに伴ってメインリールRa1?Ra3が回転する。
【0126】
この後、メインCPU31は、リール回転停止処理を実行する(ステップS22)。図16は、リール回転停止処理の内容を示すフローチャートである。まず、メインCPU31は、各メインリールの回転速度が規定速度に到達したか否かを判定する(ステップS70)。具体的には、メインCPU31は検出信号47a?49aの周波数を検知し、検知した周波数が規定速度に相当する周波数に到達したか否かによってステップS70の判定を実行する。
【0127】
メインリールの回転速度が規定速度に到達すると、メインCPU31は、1回目のボタン停止操作があったか否かを、停止指示信号44a?46aに基づいて判定する(ステップS71)。
【0128】
1回目のリールストップボタンの停止操作が検出されると、メインCPU31は今回、押下されたリールストップボタン7a?7cの停止ボタン番号(ボタンの種別)を取得し(ステップS72)、停止操作直後の図柄番号PNを取得する(ステップS73)。具体的には、メインCPU31は各リールストップボタン7a、7b、7cが押し下げられたタイミングを各リールストップボタンセンサ44?46からの停止指示信号44a?46aに基づいて検知し、当該タイミングにおける図柄番号PNを取得する。この例では、リールストップボタン7aに停止ボタン番号「1」、リールストップボタン7bに停止ボタン番号「2」、リールストップボタン7cに停止ボタン番号「3」が各々割り当てられている。
【0129】
次に、メインCPU31は、ステップS20において選択された停止データテーブル群の中から、内部抽選データISD及び停止ボタン番号等に基づいて、使用可能な停止データテーブル群を限定し(ステップS74)、停止操作順別の停止データテーブルの組合せを特定する(ステップS75)。この後、メインCPU31は、第1停止に使用する停止データテーブルの組合せを特定し(ステップS76)、さらに、複数の組合せがある場合には、抽選等により第1停止に使用する停止テーブルを決定する(ステップS77)。
【0130】
次に、メインCPU31は、決定した停止テーブルを参照して進みコマ数を取得し(ステップS78)、押下図柄番号と進みコマ数から、停止図柄番号を算出する(ステップS79)。停止図柄番号は、当該メインリールが停止した状態における図柄番号である。この後、メインCPU31は、ボタン番号及び停止図柄番号をサブ基板30Bへ送信し(ステップS80)、停止図柄番号に基づいて停止操作があったメインリールを停止させる(ステップS81)。
【0131】
次に、メインCPU31は、2回目のボタン停止操作があったか否かを、停止指示信号44a?46aに基づいて判定し(ステップS82)、2回目のボタン停止操作があると、第2停止処理を実行する(ステップS83)。この後、メインCPU31は、3回目のボタン停止操作があったか否かを、停止指示信号44a?46aに基づいて判定し(ステップS84)、3回目のボタン停止操作があると、第3停止処理を実行する(ステップS85)。第2停止処理及び第3停止処理は、上述したステップS72からステップS81までの処理と同様であるので、説明を省略する。そして、メインCPU31は、第1?第3停止操作によって定まった停止図柄番号に基づいて入賞フラグを生成する(ステップS86)。入賞フラグは、入賞した役又はハズレを示す入賞情報として機能する。このように、リール回転停止処理では、最初から最後の各停止操作において、操作されたリールストップボタンを識別する情報(停止ボタン番号)と停止図柄を指示する情報(停止図柄番号)がサブ基板30Bへ送信される。ここで、リールストップボタンを識別する情報は、メインリールの停止操作を指示す停止操作情報に相当する。
【0132】
説明を図13に戻す。リール回転処理が終了すると、メインCPU31は、リプレイ賞に入賞したか否かを判定する(ステップS23)。リプレイ賞に入賞すると、ベット操作を行うことなく、前ゲームで有効化された入賞ラインと同じ入賞ラインが自動的に有効化される。このため、リプレイ賞に入賞している場合には、メインCPU31は、リプレイ当選フラグをクリアし(ステップS24)、この後、処理をステップS12に戻す。
【0133】
一方、リプレイ賞に入賞しなかった場合、メインCPU31は、ステップS18で決定した演出調整時間をタイマにセットし、タイマ減算処理を開始する(ステップS25)。メインCPU31はタイマ値が「0」になったか否かを判定し(ステップS26)、タイマ値が「0」になると、後述する払出処理を実行する。メインリールの回転が停止してから演出調整時間が経過するまでの期間は、何等かの役に入賞していてもメダルの払い出しが禁止され、演出調整時間が経過した後にメダルの払い出しが実行される。ステップS25及びS26を実行するメインCPU31は、サブリールの回転が最終的に停止した後にメダルが払い出されるように、演出調整時間に基づいてメダルの払出開始時刻を調整する調整手段として機能する。この例では、ステップS86で入賞フラグが生成されてから演出調整時間が経過した後にメダルが払い出されるように、演出調整時間に基づいて払出開始時刻が調整される。
【0134】
なお、複数のリールストップボタン7a、7b、7cのうち、最後に操作されたボタンに対応するボタンセンサ44?46から出力される停止指示信号44a?46aを検知して、検知した時刻から演出調整時間が経過した後にメダルが払い出されるように、演出調整時間に基づいてメダルの払出開始時刻を調整してもよい。この場合には、図16に示すステップS84の判定条件が肯定され、3回目のボタン停止が検出された時から、ステップS25及びステップS26の処理を実行し、ステップS26の判定が肯定された場合に、図14に示すステップS27へ処理を進めればよい。
【0135】
この点は、サブリールによる演出において重要である。本実施形態においては、図4を参照して説明したように何等かの役に入賞しても第1表示部10Aにおいては異なる種類の図柄が並ぶように各メインリールの図柄の配置が定められている。従って、第1表示部10Aの可変表示が停止した状態を見てもプレイヤーは役に入賞しているか否かを即座に判断することができない。従って、メインリールが停止した後もサブリールを回転させ、多様な演出を行うことが考えられる。しかしながら、役に入賞してメダルの払い出しが実行されると、その状況からプレイヤーは役に入賞したことを察知し、一方、払い出しが無ければハズレであることを察知する。このため、メインリール停止後に行われるサブリールの演出が無意味なものになってしまう。そこで、メインリールの停止を基準として、演出調整時間が経過するまでメダルの払い出しを禁止する一方、演出調整時間情報をサブ基板30Bに送信するとともに、リールストップボタン7a,7b,7cの停止操作がある度に停止ボタン番号・停止図柄番号を送信することによって、メインリールの停止タイミングをサブ基板30Bに知らせ、サブ基板30Bにおいて、演出調整時間及びメインリールの停止タイミングに基づいて、適切な演出を選択できるようにしたのである。
【0136】
次に、メインCPU31は、スイカ賞、ベル賞、チェリー賞、又はプラム賞に入賞したか否かを当選フラグに基づいて順次判定し(ステップS27?S30)、入賞図柄組合せテーブルTBL3を参照して入賞役に応じた数のメダルの払い出しを行うよう各部の制御を行う(ステップS31?S34)。
【0137】
次に、メインCPU31は、RBゲーム中か否かを判定する(ステップS35)。本実施形態においては、後述するRBゲーム開始処理(ステップS39及びS42)においてRBゲーム中であることを示すRBフラグをセットし、RBゲーム終了判断処理(ステップS36)においてRBフラグをクリアするようになっている。したがって、RBゲーム中か否かの判定は、RBフラグがセットされているかクリアされているかに基づいて行われる。
【0138】
メインCPU31は、RBゲーム中であると判定した場合には、処理をステップS36に進め、RBゲーム終了判断処理を実行する。RBゲーム終了判断処理では、RBゲームが所定回数行われたか否かを判定し、所定回数行われた場合にはRBフラグをクリアする。
【0139】
一方、RBゲーム中でない場合には、ステップS35の判定結果は「NO」となり、メインCPU31は、単独RB賞に入賞したか否かを判定する(ステップS37)。単独RB賞に入賞している場合には、メインCPU31は、所定数のメダルを払い出し(ステップS38)、RBゲーム開始処理を実行する(ステップS39)。この処理では、RBフラグがセットされる。単独RB賞に入賞していなければ、メインCPU31はBB中のRB入賞か否かを判定する(ステップS40)。BB賞中のRB入賞であれば、メインCPU31は、所定数のメダルを払い出し(ステップS41)、RBゲーム開始処理を実行する(ステップS42)。この処理では、RBフラグがセットされる。
【0140】
次に、BB中のRB賞に入賞していなければ、メインCPU31は、BBゲーム中か否かを判定する(ステップS43)。上述したRBゲームに関する処理と同様に、本実施形態においては、後述するBBゲーム開始処理(ステップS47)においてBBゲーム中であることを示すBBフラグをセットし、BBゲーム終了判断処理(ステップS44)においてBBフラグをクリアするようになっている。したがって、BBゲーム中か否かの判定は、BBフラグがセットされているかクリアされているかに基づいて行われる。
【0141】
BBゲーム中である場合には、メインCPU31は、BBゲーム終了判定処理(ステップS44)を実行する。この処理では、当該ゲームにおいて、ビックボーナスゲームが所定ゲーム数(例えば、30ゲーム)に達したか、又はBB中の最後のRBを終了した場合に、BBゲームが終了したと判定する。
【0142】
BBゲーム中で無い場合には、BB入賞か否かを当選フラグに基づいて判定し(ステップS45)、BB賞に入賞した場合には、メインCPU31は、メダルの払い出し処理を実行した後(ステップS46)、BBゲーム開始処理を実行する(ステップS47)。
【0143】
この後、メインCPU31は、1ゲーム終了処理を実行する(ステップS48)。この処理では、メインCPU31は、第1に、BB賞またはRB賞の取りこぼしがあったか否かを判定する。BB賞またはRB賞の取りこぼしとは、内部抽選処理(ステップS15)においてBB賞またはRB賞に当選している状態で、BB賞またはRB賞に入賞できなかったことをいう。メインCPU31は、当選フラグがセットされており、かつ、RB当選フラグまたはBB当選フラグがクリアされている場合にBB賞またはRB賞の取りこぼしが有ったと判定する一方、その他の場合はBB賞またはRB賞の取りこぼしが無かったと判定する。取りこぼし無かった場合には、RB当選フラグ及びBB当選フラグをクリアするとともに内部抽選データISDの各ビットのデータ値を「0」にクリアする。これにより、当選フラグの持ち越しが解消される。一方、取りこぼしがあった場合にはメインCPU31は、RB当選フラグ及びBB当選フラグをクリアしない。この後、メインCPU31は、ベット操作の禁止を解除する(ステップS49)。これにより、RB当選フラグ及びBB当選フラグが次のゲームに持ち越されることになる。
【0144】
なお、ステップS25及びステップS26で実行される演出調整時間の処理は、ステップS22以降の処理の中で必要に応じて実行してもよく、例えば、ステップS36の直前、あるいは、ステップS41の直前で実行してもよい。
【0145】
<1-5:サブ基板における処理>
次に、サブ基板30BにおけるサブCPU55の処理を説明する。図17及び18はサブリールにおける1ゲームの全体処理の内容を示すフローチャートである。この処理は、サブCPU55が、メインCPU31が実行する制御プログラムCP1とは独立して、第2制御プログラムCP2を所定周期で繰り返し実行することによって進む。サブCPU55がサブリールを表示態様を可変させる処理としては、第1処理と第2処理がある。第1処理は、メインリールの回転に対応してサブリールの表示態様を可変させるものであり、一方、第2処理は、メインリールの回転に対応してサブリールの表示態様を可変させないものである。換言すれば、第1処理は、メインリールが回転することによって第1表示窓4Aに表示される図柄の表示態様に対応するようにサブリールの表示態様を可変させるものである一方、第2処理は、第1表示窓4Aに表示される図柄の表示態様と異なる表示態様となるようにサブリールの表示態様を可変させるものである。
【0146】
第1表示窓4Aに表示される図柄の表示態様は、そこに表示される図柄の挙動を意味し、例えば、図柄が上から下に移動する正転や図柄が下から上に移動する逆転といったメインリールの回転方向、メインリールの回転速度、メインリールの回転加速度、メインリールの停止又は回転の別、メインリールが等速度で回転しているのか又はコマ送りであるか等が該当する。第1処理では、例えば、メインリールが正転しているのであれば、サブリールも正転であり、メインリールの回転が始動して加速しているのであればサブリールも同様である。但し、正転・逆転、速度、加速度、停止・移動、正常・コマ送りといった図柄の挙動の総てが対応する必要はなく、少なくとも一つが対応していればよい。
【0147】
まず、サブCPU55は、当選取得フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS90)。当選取得フラグは、各ゲーム毎にメイン基板30Aから内部抽選情報を取得すると「1」にセットされる。サブCPU55は、内部抽選情報を受信すると、サブリール可変態様選択処理を実行する(ステップS91)。
【0148】
図19にサブリール可変態様選択処理の処理内容を示す。この処理にあっては、サブCPU110は、内部抽選情報に基づいて第1処理用の可変表示パターンを選択する(ステップS110)。上述したように第1処理はメインリールの回転に対応してサブリールの表示態様を可変させるものであるが、メインリールの回転に対応した可変表示には、各種のパターンがある。例えば、サブリールの回転速度をメインリールの回転速度に近付けるよう制御する制御パターン、あるいは、サブリールの回転位相をメインリールの回転位相に同期させて制御する制御パターン、さらに、回転位相の同期にはサブリールとメインリールの回転位相が1コマズレで回転する場合や、2コマズレで回転する場合が含まれる。
【0149】
次に、サブCPU55は、内部抽選情報に基づいて、入賞時のサブリールの停止位置を決定すると共に(ステップS112)、非入賞時のサブリールの停止位置を決定する(ステップS113)。即ち、最終的なサブリールの停止予定位置を入賞時と非入賞時とに分けて、各サブリール毎に決定しておく。
【0150】
内部抽選情報がある役に当選していることを示す場合には、当選役を構成する図柄をメインリールの入賞ライン上に引き込み、かつ、当選役以外の役が入賞しないようにメインリール及びサブリールの停止位置が制御される。また、内部抽選情報がハズレを示す場合には、全ての役に入賞しないようにメインリール及びサブリールの停止位置が制御される。しかしながら、内部抽選で当選していても、プレイヤーのリールストップボタンの操作タイミングによっては、当選役を構成する図柄を入賞ライン情報に引き込むことができない場合もありえる。ステップS112における入賞時のサブリールの停止位置は、入賞する可能性がある場合におけるサブリールの停止位置を意味する。即ち、図19の説明では、最初及び2番目の停止段階では、最終的に入賞するか否かが不明であるが、メインリールの入賞ライン上に関連する有効な図柄が揃っていて、入賞の可能性がある場合を入賞の概念に含めている。
【0151】
図17に戻り説明を続ける。サブリールの可変態様選択処理が終了すると(ステップS91)、サブCPU55は処理をステップS92に進めて、左メインリール始動フラグが「1」であるか否かを判定して、当該フラグが「1」であれば左サブリールの始動処理を実行する(ステップS93)。サブCPU55は、中サブリール及び右サブリールについても同様に、始動処理を実行する(ステップS94?S97)。各メインリール始動フラグは、メインリールに設けられた左・中・右リール位置検出センサ47C?49Cから出力される基準点通過信号47c?49cがアクティブになると、「1」にセットされる。この点の詳細は後述する。
【0152】
図20は、左サブリールの始動処理の内容を示すフローチャートである。なお、中・右サブリールにおいても同様の始動処理が実行される。サブCPU55は、内部抽選情報に基づいて、左サブリール処理用の可変表示パターンを選択し(ステップS120)、選択された可変表示パターンに基づいて可変表示を制御する(ステップS121)。可変表示パターンとは、表示内容の可変態様を意味する。
【0153】
図17に戻り説明を続ける。ステップS98において、サブCPU55は、全てのサブリールが始動したか否かを判定して、全てのサブリールの回転が始動するまで、ステップS92からステップS97までの処理を繰り返す。
【0154】
この後、サブCPU55は、図18に示すステップS99に処理を進め、左メインリール停止フラグが「1」であるか否かを判定して(ステップS99)、当該フラグが「1」であれば左サブリールの停止処理を実行する(ステップS100)。サブCPU55は、中サブリール及び右サブリールについても同様に、各メインリール停止フラグを参照して停止処理を実行する(ステップS101?S104)。各メインリール停止フラグは、メインCPU31から送信される停止ボタン番号に基づいて生成される。即ち、左リールストップボタン7aの押下を指示する停止ボタン番号がサブ基板30Bに入力されると、サブCPU55は左メインリール停止フラグを「1」にセットし、入力された停止ボタン番号が中リールストップボタン7bの押下を指示する場合は、中メインリール停止フラグを「1」にセットし、入力された停止ボタン番号が右リールストップボタン7cの押下を指示する場合は、右メインリール停止フラグを「1」にセットする。本実施形態において、サブリール始動処理によるサブリールの回転制御は、上述した第1処理に相当する一方、サブリール停止処理によるサブリールの回転制御は上述した第2処理に相当する。そして、各リールストップボタンの操作に応じて、上述した第1処理と第2処理との切り換えが実行される。
【0155】
図21は、左サブリールの停止処理の内容を示すフローチャートである。この図に示すように、サブCPU55は、入力された停止情報に基づいて第2処理用の可変表示パターンを選択する(ステップS130)。ここで、停止情報は、左メインリールの停止位置を示す情報であって、例えば、基準点からの駆動パルス数やあるいは上述した停止図柄番号が該当する。また、停止情報はメイン基板30AのメインCPU31によって生成され、サブ基板30Bに送信される。ここで、第2処理用の可変表示パターンとしては、第2処理を実行しないことも含めて、複数の可変表示パターンが用意されている。
【0156】
次に、サブCPU55は、ステップS130で選択した可変表示パターンに基づいて、第2処理を実行するか否かを判定する(ステップS131)。第2処理を実行する場合には、第2処理用の可変表示パターンで可変表示を開始する(ステップS132)。そして、停止情報に基づいて、入賞又は可能性があるか否かを判定する(ステップS133)。この際、内部抽選情報が参照される。即ち、内部抽選情報がある当選役を指示する場合には、メインリールにおいて当該役を構成する図柄を入賞ライン上に引き込むことが可能か否かを判定する。また、入賞か否かの判定は、左リールストップボタン7aの操作が最後の停止操作である場合に実行され、入賞の可能性の判定は、最初から最後の直前、即ち、第1番目及び第2番目の停止操作において実行される。
【0157】
入賞又はその可能性がある場合には、入賞時のサブリールの停止位置でサブリールが停止されるように、サブCPU55は左リール駆動モータ51Bを制御する(ステップS134)。一方、入賞又はその可能性がない場合には、非入賞時のサブリールの停止位置でサブリールが停止されるように、サブCPU55は左リール駆動モータ51Bを制御する(ステップS134)。
【0158】
例えば、内部抽選でBB役に当選し、且つ、プレイヤーが最初の停止操作を行った結果、入賞ライン上にBB役を構成する図柄が停止した場合(つまりBBが入賞する可能性がある場合)は、入賞の可能性があるときに選択される停止態様どおりに停止制御を実行する。つまり、停止操作を受ける前までは、メインリールの回転との同期制御を行い、停止操作後は決定した停止態様どおりにサブリールの停止位置が調整される。
【0159】
図22に第2処理の一例を示す。同図(A)は、逆回転の例である。この可変表示パターンは第1処理が終了した後、サブリールの回転速度が負になる。即ち、サブリールが逆回転する。例えば、サブリールが1コマ行過ぎて停止し、1コマだけサブリールを逆回転させて、当選役を構成する図柄を入賞ライン上に停止させる場合が該当する。同図(B)はコマ送りの例である。この可変表示パターンは第1処理が終了した後、サブリールを正方向に3回回転させている。この例では、1回の回転で1コマ進むようにサブリールを制御することによって、3コマのコマ送りを実現している。
【0160】
また、ステップS131で判定条件が否定された場合、即ち、第2処理が実行されない場合には、サブCPU55は処理をステップS136に進めて、第1処理用の可変表示パターンで可変表示を継続する(ステップS136)。そして、停止情報に基づいて、入賞又は可能性があるか否かを判定する(ステップS133)。入賞か否かの判定は、左リールストップボタン7aの操作が最後の停止操作である場合に実行され、入賞の可能性の判定は、最初から最後の直前、即ち、第1番目及び第2番目の停止操作において実行される。この場合、メインリールの回転とサブリールの回転とは図22(C)に示すものとなる。
【0161】
入賞又はその可能性がある場合には、入賞時のサブリールの停止位置でサブリールが停止されるように、サブCPU55は左リール駆動モータ51Bを制御する(ステップS134)。一方、入賞又はその可能性がない場合には、非入賞時のサブリールの停止位置でサブリールが停止されるように、サブCPU55は左リール駆動モータ51Bを制御する(ステップS134)。この場合、メインリールの回転とサブリールの回転とは図22(C)に示すものとなる。
【0162】
本実施形態において、サブリールの停止態様には、0sec(例えば、図22(C))、3sec(例えば、図22(A))、6sec(例えば、図22(B))の3つの時間長からなる複数の可変停止態様がある。ここで演出時間は、同期制御から非同期制御に以降したときに行われる可変停止態様の演出の長さ、即ち、第2処理の時間を意味する。
【0163】
メインCPU31は、内部抽選情報と抽選で選択した演出調整時間をサブCPU55に送信する。演出調整時間は、少なくとも最後の停止するサブリールの停止時の停止態様の選択に使用される(上述したステップS130)。例えば、内部抽選情報がBBの当選を指示し、演出調整時間が6secの場合、BB用の6secの可変停止態様が選択される。最初から最後の直前の停止操作で、BBの入賞に係る図柄の並びが揃った場合に、サブリールでは、第3停止態様として、例えば、図22(B)に示すコマ送り停止態様が選択され、第2処理に移行してから6sec後にサブリールが停止するように制御が実行される。一方、メインCPU31は、メインリール全停止後から6sec経過してから、BB賞に相当する枚数のメダルが、クレジットもしくはメダル受け皿に払出しされ、BBゲームに移行する。
【0164】
ここで、停止操作時にBBの入賞に係る図柄の並びが揃わないことが確定した場合は、サブリールの制御においてもメインリールの停止情報を通信手段で得ているので、BB用のハズレ用の演出を選択する。このときサブリールでは、BBは当選していることを知らしめるリーチアクション的な6secの可変停止態様の演出を導出させることが可能である。また、停止操作の途中で、BBの入賞に係る図柄の並びが揃わないことが確定した場合は、メインCPU31が演出調整時間として0secという情報を通信手段で送信することにより、サブCPU55はBB用の取りこぼし演出用の0secの停止態様で停止させることも可能である。即ち、最初から最後の直前の各停止操作タイミングに応じて、入賞の可能性がないことが確定した場合には、メインCPU31はこれを検知して、演出調整時間を変更し、変更した演出調整時間(例えば0sec)をサブCPU55に送信してもよい。この場合、メインCPU31は、時間遅延処理を省略して、次のゲームに移行させてもよい。
【0165】
このように、演出調整時間情報は、内部抽選結果に応じてサブCPU55に送信するものであって、また、操作停止後によっても、改めて先の送信した演出調整時間とは異なる情報を送りなおすようにしてもよい。また、最後の停止操作後に演出調整時間を決定し、サブCPU55に送信してもよい。
【0166】
ここで、重要なのは、サブリールの全停止後よりも後に払出制御を遅延させることであり、必ずしもサブリールの第2処理の時間と遅延時間とを等しくする必要もなく、好ましくは、払出制御が若干遅いほうがよい。
【0167】
図18に戻り説明を続ける。サブCPU55は、全てのサブリールが停止したか否かを判定し(ステップS105)、全てのサブリールが停止するまで、ステップS99からステップS105までの処理を繰り返す。そして、全てのサブリールが停止すると、各種フラグをクリアする(ステップS106)。以上がサブリールが回転を開始して最終的に停止するまでの処理の概要である。
【0168】
次に、サブCPU55が実行する処理をより詳細に説明する。図23?25はサブCPU55が実行するタイマ割込み処理の処理内容を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、所定周期、例えば、2msec周期で実行される。まず、サブCPU55は、メイン基板30Aからコマンドの入力があったか否かを判定する(ステップS140)。コマンド入力があった場合には、サブCPU55は処理をステップS141に進めて、コマンドが内部抽選情報か否かを判定する。ステップS141の条件が肯定される場合には、サブCPU55は内部抽選情報を取得して(ステップS142)、当選取得フラグを「1」にセットする。
【0169】
次に、サブCPU55は、コマンドが左・中・右停止情報が否かをおのおの判定する(ステップS144、147、150)。なお、メインCPU31は、左リールストップボタン7aの押下に応じて、左停止情報を生成してサブ基板30Bへ出力すると共に、中・右リールストップボタン7b、7cの押下に応じて、中停止情報及び右停止情報を生成してサブ基板30Bへ出力する。
【0170】
コマンドが左停止情報である場合には、サブCPU55は左停止情報を取得して(ステップS145)、左メインリール停止フラグを「1」にセットする(ステップS146)。次に、コマンドが中停止情報である場合には、サブCPU55は中停止情報を取得して(ステップS147)、中メインリール停止フラグを「1」にセットする(ステップS149)。さらに、コマンドが右停止情報である場合には、サブCPU55は右停止情報を取得して(ステップS151)、右メインリール停止フラグを「1」にセットする(ステップS152)。
【0171】
この後、サブCPU55は、サブリール位置検出センサ47Cの基準通過信号47cを検知したか否かを判定し(ステップS153)、これを検知した場合には、左リール始動フラグが「1」であるか否かを判定し(ステップS154)、「1」でなければ、左サブリールの可変表示、即ち、回転を開始させて(ステップS155)、左メインリール始動フラグを「1」にセットする(ステップS156)。一方、左メインリール始動フラグが「1」である場合には、サブCPU55は、処理をステップS157に進めて、左サブリール位相・速度調整処理を実行する。左メインリールの回転が検知されると(ステップS153)、左メインリール始動フラグがセットされ(ステップS156)、左メインリール始動フラグが「1」のとき左サブリール位相・速度調整処理が実行されるから、左サブリール位相・速度調整処理は、上述した第1処理に相当する。なお、ステップS153?S157と同様に、ステップS158?S162では中サブリールに関する処理が実行され、ステップS163?S167では右サブリールに関する処理が実行される。
【0172】
ステップS168?S170において、サブCPU55は、左・中・右サブリール位置検出センサ47B?49Bから各々出力される基準点通過信号47b?49bを検知すると、左・中・右サブリールの各位相ズレカウンタをクリアする(ステップS171?S173)。各位相ズレカウンタは、例えば、サブCPU55の内部レジスタあるいはRAM59等によって構成される。各位相ズレカウンタのカウント値はサブリール位相・速度調整処理に用いられる。
【0173】
次に、サブCPU55は、左メインリール始動フラグが「1」であるか否かを判定し(ステップS174)、判定条件が肯定される場合には、左サブリール速度カウンタのカウント値を「1」インクリメントし(ステップS175)、さらに左サブリールの位相ズレカウンタのカウント値を「1」だけインクリメントする(ステップS176)。
【0174】
また、中メインリール及び中サブリールについても同様の処理を実行し(ステップS177?S179)、さらに右メインリール及び右サブリールについても同様の処理を実行する(ステップS177?S179)。各サブリール速度カウンタは、例えば、サブCPU55の内部レジスタあるいはRAM59等によって構成される。各サブリール速度カウンタのカウント値はサブリール位相・速度調整処理に用いられる。
【0175】
次に、左サブリールの位相・速度調整処理について詳細に説明する。この処理では、左リール速度カウンタと左サブリール位相ズレカウンタの各カウント値を用いて、左サブリールの回転を制御する。図26は、左サブリールの位相・速度調整処理の処理内容を示すフローチャートである。サブCPU55は、左リール速度カウンタ値を所定のメモリ(例えば、RAM59)に保存する(ステップS200)。図23に示すように、位相・速度調整処理が実行されるのは、基準点通過信号47cがアクティブになった場合である。即ち、左メインリールの1回転に1回、位相・速度調整処理が実行されることになる。そして、ステップS175で説明したように、左リール速度カウンタのカウント値は、左メインリール始動フラグが「1」の場合、つまり、左メインリールが回転している期間において、割り込み周期(2msec)でカウント値が「1」だけインククリメントされる。従って、1回転当たりの左リール速度カウンタのカウント値は、左メインリールの回転速度を示す速度情報に相当する。なお、所定のメモリには過去10回転分の左リールカウント値が記憶されるようになっている。
【0176】
次に、サブCPU55は、次の回転の速度を計測するために、左リール速度カウンタをクリアする(ステップS201)。この後、サブCPU55は、メモリにアクセスして過去10回転分の速度カウンタ値の平均値を算出する(ステップS202)。このようにして得られた速度情報の平均値が左サブリールの回転制御に用いられる。
【0177】
タイマ割込みと、メインリールの回転動作は非同期で動作するから、仮にメインリールが真に一定速度で回転していても、カウント誤差が生じる。また、メインリールは機械的な構成であるから、多少回転動作に誤差が生じる。さらに、駆動モータのパルス信号はソフトウエアで生成されているので、もともと誤差を含んでいる。そこで、上述したように常に10回転分の計測パルス数を保持していて、その平均値を求めて、これを目標としてサブリールの回転速度を制御する。したがって、メインリールの速度とサブリールの速度を同一速度に制御するという意味は、略同一に制御することを意味し、メインリールの回転速度を検知し、これにサブリールの回転速度を近付ける。
【0178】
次に、サブCPU55は、速度カウンタ値の平均値のハーフ値(1/2)を算出し(ステップS203)、さらに、左リール位相ズレカウンタ値からハーフ値を減算して差分を算出し(ステップS204)。左サブリールの位相ズレカウンタをクリアする(ステップS205)。
【0179】
左サブリールの位相ズレカウンタのカウント値は、左メインリールが基準点(フォトセンサの取り付け位置)を通過して基準点通過信号47cがアクティブになると開始され、左サブリールが基準点の(フォトセンサの取り付け位置)を通過して基準点通過信号47bがアクティブになるまで時間を示す。即ち、左リール位相ズレカウンタ値は、左メインリールと左サブリールとの位相差を示す位相差情報である。この例では、左メインリールに設けられたメイン基板30A用のリール位置検出センサ47Aの基準点とサブ基板30B用のリール位置検出センサ47Bの基準点とは、180度異なる位置に設定されている。そして、左サブリールは、当該リールがリール位置検出センサ47Cの基準点を通過するタイミングと、左メインリールがリール位置検出センサ47Aの基準点を通過するタイミングとが、一致するように左サブリールの回転位相が調整される。即ち、左メインリールの回転の基準をリール位置検出センサ47Cの基準点としたとき、左サブリールは左メインリールに対して180度(所定値)ズレた位相で回転させることを目標とする。つまり、左メインリールの回転位相と左サブリールの回転位相との位相差を所定値(この例では、180度)に近付けるように左サブリールが制御される。
【0180】
次に、サブCPU55は、差分値が予め定められた許容値範囲内か否かを判定する(ステップS206)。差分値が許容値範囲外であれば、サブCPU55は、差分値がプラスであるか否かを判定する。プラスである場合には、速度カウンタ平均値をプラスに補正して制御用のカウント値を生成する。一方、速度カウンタ平均値をマイナスに補正して制御用のカウント値を生成する。
【0181】
この後、サブCPU55は、カウント値から速度を算出し(ステップS210)、左サブリールの速度を設定するように制御する。即ち、この例では、左サブリールの回転速度は、左メインリールの回転速度を目標としてフィードフォアード制御によって調整され、その回転位相はフィードバック制御によって調整される。
【0182】
この位相・速度調整処理によって、メインリールの検出を基準としてサブリールの検出が遅れている場合には加速制御を行い、サブリールが進んでいる場合には減速操作が行われる。平均値処理によって求められたメインリールの回転速度値に、位相進遅の判断により遅れている場合には、求められたメインリールの回転速度値に対して、所定の速度値を加算して、サブリールの回転速度値としている。ここで位相の遅れ度合いを段階的に決め、その段階に応じてプラス値を+1、+2、+3としもよい。また、位相が進んでいると判断した場合には、メインリールの回転速度値に対して、所定の速度値を減算する。例えば、1回転を75msecで行う場合に、位相が遅れている場合には、本来75msecのところを、75.2msecというようにメインリールの75mescよりも0.2msec早い速度が設定される。また、位相ズレ量が大きい場合には、例えば、76msecというように+1msecとするように制御される。
【0183】
以上、説明したように第1実施形態によれば、スタートレバー6の操作によって、メインリールが回転を開始すると、サブCPU55は、メインリールの回転をリール位置検出センサ47C?49Cで検知して、メインリールの回転に応じてサブリールが回転するように第1処理を開始し、リールストップボタンの操作タイミングを契機として、サブリールによる可変表示を第1処理から第2処理へ切り換えた。第1処理では、両リールの速度と位相とを同期させる。また、サブリールの図柄は、役を構成する図柄が同一種類の図柄となるように配置されている。従って、プレイヤーは、サブリールを見ながら、役を構成する図柄が所定の引き込み範囲にあるタイミングでリールストップボタン7a、7b、7cを操作することによって、メインリールの入賞ライン上に所定の図柄を停止させて入賞させることが可能である。この場合、各メインリールの停止図柄は、一見して無関係なものが並ぶため、プレイヤーはメインリールを見ただけでは、入賞したか否かを容易に知ることはできないので、サブリールの停止に注目することになる。そして、サブリールでは、メインリールの回転とは無関係に演出用の表示パターンで、逆回転やコマ送りといった第2処理が実行されるので、リールによる多彩な演出を実行することができる。
【0184】
<1-6:第1実施形態の変形例>
上述した第1実施形態において、以下の変形が可能である。
【0185】
(1)上述した第1実施形態においては、メインリールの回転を検知するために、メインリールそのものの回転を制御するために用いられるリール位置検出センサ47A?49Aとサブリールの回転を制御するために用いられるリール位置検出センサ47C?49Cとを設けたがこれらを兼用してもよい。
【0186】
(2)また、上述した第1処理では、サブリールの速度と位相をメインリールの回転を目標としてこれに近付けるように制御したが、いずれか一方を制御の対象としてもよい。
【0187】
(3)また、上述した第2処理では、左・中・右リールRb1、Rb2、Rb3の回転中に左・中・右バックライト65、66、67を点滅させる等の演出処理を加えてもよい。
【0188】
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るスロットマシンについて説明する。上述した第1実施形態のスロットマシンでは、リール位置検出センサ47C?49Cで生成される基準点通過信号47c?49cをサブCPU55において直接検知した。これに対して、第2実施形態は、基準点通過信号47c?49cがアクティブになったことをメインCPU31(第1制御手段)で検知して検知コマンドを生成し、データ送出回路37を介してサブ基板30Bに送信する。この場合、サブ基板30BのサブCPU55は、タイマ割込み間隔(2msec)で、メイン基板30Aから検知コマンドが入力されたか否かを確認して、検知コマンドの入力タイミングを基準点通過信号47c?49cがアクティブになるタイミングとして取り扱う。あるいは、検知コマンドの入力を契機に割り込み処理を実行するようにしてもよい。
【0189】
ここで、コマンドには、検知コマンドの他に、各種のコマンドが含まれるので、サブCPU55は、検知コマンドだけの発生間隔を計測して、計測結果に基づいて速度情報をする必要がある。なお、メイン基板30Aとサブ基板30Bとを所定ラインで接続して、当該所定ラインをアクティブにすることで、基準点通過信号47c?49cがアクティブとなったことをメイン基板30Aからサブ基板30Bに伝送してもよい。この場合は、専用線による伝送であるから、コマンドの種別を判定する工程を省略することができる。
【0190】
メイン基板30Aとサブ基板30Bとは、異なるクロック信号を用いて非同期で動作しており、また、不正防止の観点から、メイン基板30Aから送出されるコマンド等の情報は、ランダムに遅延されて送信されることがある。このような場合であっても、上述した平均値処理を実行することによって、伝送に伴うノイズ、具体的には、ランダムな遅延時間による誤差を除去することが可能となる。
【0191】
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様にメインリールそのものの回転を制御するために用いられるリール位置検出センサ47A?49Aとサブリールの回転を制御するために用いられるリール位置検出センサ47C?49Cとを兼用してもよい。
【0192】
<3.第3実施形態>
上述した第1及び第2実施形態においては、第2表示部10Bとして、機械的なサブリールを採用したスロットマシンを一例として説明したが、第3実施形態に係るスロットマシンは、第2表示部10Bとして画像表示装置を用いる。
【0193】
図27に第3実施形態に係るスロットマシンの外観構成を示す。このスロットマシン1には、中央部に画像表示装置91が設けられている。画像表示装置91は、画像を電気的に表示できるのであればどのような装置であってもよいが、例えば、液晶パネル、有機ELパネル、プラズマディスプレイ、又はCRT等によって構成することができる。本実施形態においては、画像表示装置91に上述したサブリールを模倣した3個の表示列がビデオリールとして表示されるようになっている。この例の各ビデオリールには、図4に示すサブリールと同様に21個、7種類の図柄が表示される。
【0194】
次に、第3実施形態のスロットマシン1の電気的な構成を説明する。このスロットマシン1はサブ基板30Bの詳細な構成を除いて、図7及び図11を参照して説明した第1実施形態のスロットマシン1と同様に構成されている。図28に第3実施形態に係るサブ基板30B及びその周辺回路のブロック図を示す。
【0195】
第3実施形態では、サブリールの替わりに画像表示装置91を用いるので、第1実施形態で用いたリール位置検出センサ47B?49Cは設けられていない。また、ROM58には、サブリールに配置された各図柄の画像を示す図柄画像データDGが記憶されている。図柄画像データDGは、図柄の種類毎に区別されて管理されており、必要に応じてROM59から読み出されるようになっている。この例では、「7」、「プラム」、「ベル」、「チェリー」、「リプレイ」、「BAR」といった7個の図柄画像データDG1?DG7がROM58に記憶されている。また、ROM58には、各図柄画像データDG1?DG7の記憶領域を示すアドレス情報と各図柄画像データを識別するための図柄コードが対応付けられて記憶されている。サブCPU55は、制御プログラムCP2に従って図柄コードの並びを生成し、図柄の表示順序を制御するとともに、図柄コードに対応するアドレス情報を取得して、各図柄画像データDG1?DG7をROM58から読み出して、VRAM90へ転送する。なお、ROM58は図柄画像データDGを記憶する画像記憶手段として機能する。
【0196】
また、VRAM90から、データが順次読み出され表示画像データとして、画像表示装置91に供給される。サブCPU55は、垂直ブランキング期間においてROM58から読み出した図柄画像データDGをVRAM90に書き込み、表示期間においてVRAM90から表示画像データを読み出して供給する。即ち、サブCPU55は、画像表示装置91へ表示画像データを供給する供給手段として機能するとともに、VRAM90の記憶内容を更新する更新手段として機能する。
【0197】
サブCPU55は、画面への図柄の表示位置を制御する。画面の上から下へ図柄が流れるように描画するために、画面のY軸方向を1ステップごとにインクリメントさせる。図柄の移動スピードを変更する場合には、例えば、10垂直ブランキング期間ごとにY軸アドレスを1ステップ移動しているところを、8垂直ブランキング期間ごとに変更するように制御する。図柄の移動スピードは、表示画像データを更新する周期と書込アドレスのインクリメントの関係によって定まるので、更新周期を一定にして、移動ステップを変更するようにしてもよい。また、VRAM90の記憶領域を指定するアドレスには連続する値が用いられ、X軸、Y軸の概念がない。そこで、サブCPU55は、X、Yアドレスから実アドレスに換算して図柄画像データDGを所定の記憶領域に書き込む。
【0198】
このように、サブCPU55は、VRAM90に図柄画像データDGを書き込むことによって表示画像データを更新するが、メインリールの回転に応じた表示態様となるように第2表示部10Bを制御する第1処理とメインリールの回転とは無関係に表示態様を制御する第2処理を実行する点については、第1実施形態と同様である。
【0199】
即ち、サブCPU55は、基準点通過信号47c?49cに基づいて、各メインリールの回転速度を検知する。具体的には、第1実施形態において図26を参照して説明したように、ある基準点通過信号と次の基準点通過信号との間に発生するタイマ割込みの回数に基づいてメインリールの回転速度を検知する。この際、過去の回転速度の平均値を算出し、平均値をメインリールの回転速度値とする点は第1実施形態と同様である。そして、サブCPU55は、この表示画像の移動スピードが検知した回転速度と一致するようにVRAM90の記憶内容を更新する。また、基準点通過信号47c?49cは、メインリールの回転位相を示す位相情報であるから、サブCPU55は各基準点通過信号47c?49cがアクティブとなったタイミングで、対応する図柄の画像が所定位置に表示されるようにVRAM90への書き込みを制御する。これにより、第1処理が実行される。
【0200】
メインリールとビデオリールとの位相を合わせるということは、メインリールの基準位置に相当する図柄位置と、図柄画像データDGの図柄位置を一致させることを意味する。ビデオリールの場合はメカニカルな制約はないので、どこの位置を基準点にするかは任意であるが、制御の容易化の観点から、図柄画像データDGの先頭を基準位置に設定することが好ましい。
【0201】
位相合わせの処理にあっては、メインリールの基準位置をサブCPU55が検知したときに、強制的にビデオリールの表示位置を先頭に戻すようにすればよい。但し、位相が同期していないと、プレイヤーにはいきなり図柄画像が飛んでしまうように見えてしまう。このため、ビデオリールの画像を段階を追って先頭に戻すようにしてもよいし、次の一周の間で徐々に合わせていくように制御してもよい。
【0202】
一方、第2処理において、制御の対象がサブリールの替わりに画像表示装置91である点を除いて、第1実施形態において図17?図21を参照して説明したものと同様である。即ち、入賞時及び非入賞時のサブリールの停止位置(この例では、停止図柄)に基づいて、VRAM90への書き込みが制御される。
【0203】
なお、第3実施形態においても第2実施形態と同様に、基準点通過信号47c?49cがアクティブになったことをメインCPU31(第1制御手段)で検知して検知コマンドを生成し、データ送出回路37を介してサブ基板30Bに送信する。この場合、サブ基板30BのサブCPU55は、タイマ割込み間隔(2msec)で、メイン基板30Aから検知コマンドが入力されたか否かを確認して、検知コマンドの入力タイミングを基準点通過信号47c?49cがアクティブになるタイミングとして取り扱う。あるいは、検知コマンドの入力を契機に割り込み処理を実行するようにしてもよい。さらに、専用線によって検知コマンドを伝送してもよい。くわえて、メインリールそのものの回転を制御するために用いられるリール位置検出センサ47A?49Aとサブリールの回転を制御するために用いられるリール位置検出センサ47C?49Cとを兼用してもよい。
【0204】
<6:変形例>
以上、現時点において、最も、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う遊技機及びその制御方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。例えば、以下に述べる変形例は、本発明に包含されることは勿論である。
【0205】
(1)上述した各実施形態において、メインCPU31は、プレイヤーがスタートレバー6を操作すると、スタートレバーセンサ43からの検出信号を検知して、これを開始情報としてサブCPU55に送信すると共に、プレイヤーがリールストップボタン7a?7bを操作すると、左・中・右リールストップボタンセンサ44?46からの検出信号44a?46aを検知して、これを停止操作情報としてサブCPU55に送信する。ここで、サブCPU55は、開始情報が入力されてから停止操作情報が入力されるまでの期間は、所定の規則に従って第1処理又は第2処理を実行し、停止操作情報の入力後に第2処理を実行してもよい。あるいは、サブCPU55は、メインリールの回転(第1表示手段の回転)を検知してから停止操作情報が入力されるまでの期間は、所定の規則に従って第1処理又は第2処理を実行し、停止操作情報の入力後に第2処理を実行してもよい。
【0206】
例えば、回転中、即ち、開始情報が入力されてから停止操作情報が入力されるまでの期間において、サブリールの回転制御を、同期制御(第1処理)から非同期制御(第2処理)例えば、一時的に所定回転分だけ高速回転に切替え、再度同期回転に戻してもよい。このように、第1処理から第2処理に移行して最終的に停止するのではなく、開始情報が入力されてから停止操作情報が入力されるまでの期間において、同期制御中に一時的に非同期制御に以降し、同期制御に戻してもよい。
【0207】
(2)上述した各実施形態において、メインリールとサブリール(ビデオリールを含む)との、位相が一致した場合には、それ以降の位相合わせをしないように制御してもよく、また、速度制御も同様である。この場合は、サブリールを等速で回転するように制御すればよい。
【0208】
(3)上述した各実施形態では、第1処理において、サブリールの回転又はビデオリールの表示をメインリールの回転に同期させたが、両者が完全に同期するのではなく数コマのズレを有して連動して回転するものであってもよい。この場合には、プレイヤーが所望の図柄が停止させたい位置に差し掛かったタイミングでリールストップボタン7a、7b、7cを操作しても停止図柄がズレてしまうが、例えば、図4に示すように図柄を配置し、引き込み範囲を4コマとすれば、中リールRb2及び右リールRb3の停止操作において、図柄番号PN=12?21のタイミングでストップボタンを操作すれば、「7」を引き込むことができる。
【0209】
(4)上述した実施形態において、メインリールRa1?Ra3に表示される複数種類の図柄は、異なる数字の図形の組によって構成されていたが、メインリールRa1?Ra3とサブリールRb1?Rb3の図柄の対応関係は、図29及び図30に示すものであってもよい。図29に示す例では、メインリールRa1?Ra3に表示される複数種類の図柄は、同一形状で色彩が異なる図形の組によって構成され、図30に示す例では、メインリールRa1?Ra3に表示される複数種類の図柄は、角の形状が異なる図形の組によって構成される。これらの例によれば、プレイヤーがメインリールRa1?Ra3を一見しても入賞したか否かを分かり難くすることができ、プレイヤーの関心をサブリールRb1?Rb3に惹きつけることができる。
【0210】
さらに、メインリールRa1?Ra3に表示される複数種類の図柄は、色彩が同一で形状が異なる図形の組、すなわち、同じ色で形が異なるもので構成されてもよい。この場合には、印刷版制作費や印刷工程も低減できるので、コストダウンを図ることができる。くわえて、メインリールRa1?Ra3に表示される複数種類の図柄は、所定形状の図形を異なる角度回転させた図形の組であってもよい。例えば、「△」の図形を0度回転させた「△」、180度回転させた「▽」が含まれてもよい。
【0211】
(5)上述した実施形態では、複数のメインリールRa1?Ra3の各々において表示される複数種類の図柄が、複数のサブリールRb1?Rb3の各々において表示される複数種類の図柄と1対1に対応したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、サブリールRb1?Rb3の図柄の一部又は全部が、メインリールRa1?Ra3の複数種類の図柄と対応するものであってもよい。また、逆にメインリールRa1?Ra3の図柄の一部又は全部が、サブリールRb1?Rb3の複数種類の図柄と対応するものであってもよい。
【0212】
また、サブリールの数は、メインリールの数と必ずしも一致しなくてもよく、メインリールの数よりも多くてもよいし、少なくてもよい。さらに、例えば、サブリールの行数はメインリールと同じでなくてもよく、例えば、1行だけであってもよい。また、サブリールの入賞ラインの数は、メインリールと同じでなくてもよく、例えば、8本の入賞ラインを有するものであってもよい。さらに、第2表示部10Bとして画像表示装置91を用いる場合には、画像表示装置91に表示列を表示させる必要は必ずしもなく、例えば、ルーレットゲームを表示させてもよい。この場合には、メインリールと全く異なるゲームを表示することができるので、スロットマシンにおけるゲームの自由度を拡げ、その趣向性を大幅に向上させることが可能となる。また、複数の図柄が縦横又は斜めに移動するアニメーション、円環状に配列された複数の図柄が回転するアニメーション、又は図柄が1枚ずつ表示されるアニメーションであってもよい。要は、第1処理においてアニメーション等の画像の可変速度がメインリールの回転に応じたものになっており、第2処理において画像をメインリールの回転と無関係に表示するのであれば、どのような画像であってもよい。また、サブリールがビデオリールであった場合に、ビデオリールの可変表示停止後にアニメーションによる多彩な演出を行うことが可能である。したがって、アニメーションが始まってから払出制御を行うようにしてもよい。
【0213】
(6)上述した実施形態において、最初に演出調整時間に基づいた演出を開始した後、停止図柄や停止ボタン番号等の停止操作情報を得て、演出態様を変更するようにしてもよい。例えば、BB賞に内部抽選で当選したが、入賞しなかった場合には、最後のリールストップボタンを操作した時に、入賞しなかったことが確定する。この場合、入賞とならない態様でサブリールを停止させた後、再回転を行うようにサブリールを制御して、BB賞に入賞する態様でサブリールを停止させて、BB賞に内部当選していることをプレイヤーに報知してもよい。プレイヤーはサブリールのみを見てプレイするので、BB賞に入賞する態様よりもリーチ目で報知した方がよい。あるいは、入賞しなかった場合に演出を中止し、入賞した場合にのみ演出を行ってもよい。
【0214】
(7)次に、サブリールの第1処理及び第2処理についていくつかの例を説明する。図31及び図32に変形例に係るサブリールの挙動を示す。これらの図において横軸は時間であり縦軸はサブリールの回転速度を示している。また、実線は期間を示しており、点線はサブリールの速度変化を示している。さらに、この例では、メインリールは正転しているものとし、第1処理と第2処理はサブリールの回転方向によって区別されるものとする。従って、第1処理ではサブリールを正転させ(メインリールと同じ方向の回転)、第2処理ではサブリールを逆転させる(メインリールと逆方向の回転)。
【0215】
図31(A)の例は、サブCPU55に開始情報Aが入力されてから停止操作情報Bが入力されるまでの期間T1において、サブCPU55は第1処理又は第2処理を実行する。開始情報Aは、メインリールの回転開始を直接的又は間接的に示す情報であって、メインリールの回転を検知することによって得られた始動フラグであってもよいし、又は、スタートレバーセンサ43の検出信号、若しくは、検出信号をメインCPU31で検知して得たコマンドであってもよい。また、停止操作情報Bは、左・中・右リールストップボタンセンサ44?46からの停止指示信号44a、45a、46a、あるいは、メインCPU31が停止指示信号44a、45a、46aを検知して得た停止ボタン番号であってもよい。
【0216】
例えば、点線で示すようにサブリールを正転させる場合には、期間T1における処理は第1処理となる。第1処理を選択するか第2処理を選択するかは、サブCPU55が制御プログラムに従って決定する。例えば、メインCPU31から送信される内部抽選データISDに含まれる所定の当選フラグがセットされている場合に第2処理を実行してもよい。より具体的には、所定の小役に対応した当選フラグ、BB当選フラグ、又はRB当選フラグが該当する。
【0217】
プレイヤーが停止ボタン7a?7cを操作すると、メインCPU31は対応するメインリールの回転を停止させるように停止制御を開始すると共に、停止ボタン番号をサブCPU55に送信する。サブCPU55はこれを検知して、サブリールを逆転させるように制御を開始する。
【0218】
期間T2においては、メインリールの回転が停止し、サブリールは逆転している。従って、期間T2において、サブCPU55は、第2処理を実行する。なお、この例では、サブリールの回転を、正転から逆転に連続して移行させたが、一旦、サブリールの回転を停止させ、その後、逆転させてもよい。
【0219】
次に、図31(B)に、期間T1において、サブCPU55が第1処理又は第2処理を選択して実行し、停止操作情報Bの入力を契機に可変表示を停止させるようにサブリールを制御する例を示す。サブCPU55は開始情報Aが供給されると第1処理又は第2処理を選択して実行し、停止操作情報Bの入力を契機にサブリールを停止させるようにリール駆動モータを制御する。例えば、図31(B)に点線で示すようにサブリールが逆転する場合には、サブCPU55は、第2処理を選択する。
【0220】
次に、図31(C)に、サブCPU55に開始情報Aが入力されてから所定時間経過するまでの期間は、所定の規則に従って選択した第1処理又は第2処理のうち一方の処理を継続して実行し、所定時間経過後、第1処理又は第2処理のうち他方の処理を実行する例を示す。ここでは、所定時間経過の前後で時間を期間T3と期間T4とに分けるものとする。サブCPU55は期間T3で第1処理を選択すると期間T4では第2処理を選択し、期間T3で第2処理を選択すると期間T4で第1処理を選択する。
【0221】
より具体的には、サブCPU55は、所定周期の割込み信号をカウントすることによって時間を計測するタイマ機能を備え、開始情報Aが入力されたことを検知するとタイマ機能を用いて計測を開始させ、その計測値が所定時間に達したか否かを判定する。そして、サブCPU55は、所定時間に達したと判定された後、他方の処理を実行する。なお、所定時間を経過する前に停止操作情報Bが入力された場合には、一方の処理から他方の処理に移行させてもよい。
【0222】
例えば、図31(C)に点線で示すように期間T3にサブリールが正転する場合には、サブCPU55は第1処理を選択し、期間T4においてサブリールが逆転する場合には、サブCPU55は第2処理を選択する。
【0223】
次に、図32(A)に、サブCPU55に、開始情報Aが入力されてから最初の停止操作に伴う停止操作情報Bが入力されるまでの期間T5は、各サブリールに対して所定の規則に従って選択した第1処理又は第2処理のうち一方の処理を継続して実行し、最初の停止操作に伴う停止操作情報Bの入力を契機に、当該停止操作情報に対応するサブリールを停止させるように制御すると共に、回転中の他のサブリールのうち少なくとも一つに対して期間T5で選択されなかった他方の処理を実行する例を示す。なお、期間T5の後の時間を期間T6とし、プレイヤーが最初に左リールストップボタン7aを操作したものとする。
【0224】
この場合、サブCPU55は、開始情報Aを検知すると、各サブリール毎に第1処理又は第2処理を選択して実行する。図32(A)に示す例では、サブCPU55は、総てのサブリールについて第1処理を選択して、左・中・右サブリールを正転させるように制御する。この後、プレイヤーが左リールストップボタン7aを操作すると、停止ボタン番号が停止操作情報BとしてメインCPU31からサブCPU55へ供給される。サブCPU55は、この停止操作情報Bを検知すると、左サブリールの回転を停止させるように制御すると共に、中・右サブリールについては、回転方向を逆転させる。この状態では、中・右メインリールは回転中である。したがって、サブCPU55は、期間T6において中・右サブリールに対して期間T5で選択されなかった第2処理を実行する。
【0225】
この例では、あるメインリールの停止操作情報Bの入力を契機として、他のサブリールの処理状態を変更するので、複数のサブリール間の処理を関連付けることができ、演出の趣向性を大幅に向上させることができる。
【0226】
次に、図32(B)に、サブCPU55に、開始情報Aが入力されてから、少なくとも一のサブリールに対して第1処理又は第2処理のうち一方の処理を選択して実行し、他のサブリールに対しては少なくとも一のサブリールとは異なる他方の処理を実行する例を示す。
【0227】
この例では、開始情報Aの入力を契機に、サブCPU55が、左サブリールに対して第1処理を実行して、左サブリールが正転するように制御する一方、中・右サブリールに対して第2処理を実行して中・右サブリールを逆転させるように制御する。これにより、プレイヤーがスタートレバー6を操作すると、各サブリールのうち少なくとも一つのサブリールの挙動を他のサブリールの挙動と異ならせることができる。この結果、サブリールによる演出の趣向性が大幅に向上する。なお、上述した第1処理及び第2処理の選択を適宜組み合わせてもよいことは勿論である。また、この変形例は、第2表示部10Bとして、機械的なサブリールを取り上げて説明したが、上述した第3実施形態と同様にサブリールの替わりに画像表示装置を用い、そこにサブリールを模倣した表示列を表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0228】
【図1】本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観を示す斜視図である。
【図2】左・中・右リールRb1、Rb2、Rb3および周辺構成を示す斜視図である。
【図3】右リールRb3および周辺部分の詳細な構成を示す斜視図である。
【図4】左・中・右リールRa1、Ra2、Ra3及び左・中・右リールRb1、Rb2、Rb3に表示される図柄の一例を示す説明図である。
【図5】サブリールの図柄とメインリールの図柄の関係を示す説明図である。
【図6】役とサブリール及びメインリールの図柄の関係を示す説明図である。
【図7】スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】賞群抽選テーブルTBL11の記憶内容の一例を示す説明図である。
【図9】内部抽選処理におけるメインCPU31の動作を示すフローチャートである。
【図10】検出信号49a、図柄番号PN、駆動信号53a、および位置データMD3の関係を示すタイミングチャートである。
【図11】サブ基板30Bの詳細構成を示すブロック図である。
【図12】サブ基板30Bの封印構造を示す斜視図である。
【図13】メインCPU31の全体動作を示すフローチャートである。
【図14】図13の続きの全体動作を示すフローチャートである。
【図15】演出調整時間設定処理の内容を示すフローチャートである。
【図16】リール回転停止処理の内容を示すフローチャートである。
【図17】サブCPU55の全体動作を示すフローチャートである。
【図18】図17の続きの全体動作を示すフローチャートである。
【図19】サブリール可変態様選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図20】左サブリールの始動処理の内容を示すフローチャートである。
【図21】左サブリールの停止処理の内容を示すフローチャートである。
【図22】第2処理の一例を示す説明図である。
【図23】サブCPU55が実行するタイマ割込み処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図24】図23の続きのタイマ割込み処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図25】図24の続きのタイマ割込み処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図26】左サブリールの位相・速度調整処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図27】第3実施形態に係るスロットマシンの外観構成を示す斜視図である。
【図28】第3実施形態に係るサブ基板30B及びその周辺回路のブロック図である。
【図29】変形例に係るスロットマシン1のメインリールの図柄とサブリールの図柄の関係の一例を示す説明図である。
【図30】変形例に係るスロットマシン1のメインリールの図柄とサブリールの図柄の関係の一例を示す説明図である。
【図31】変形例に係るスロットマシン1の第1処理と第2処理の関係を説明するための説明図である。
【図32】変形例に係るスロットマシン1の第1処理と第2処理の関係を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0229】
1 スロットマシン
6 スタートレバー
7a、7b、7c リールストップボタン
10A 第1表示部
10B 第2表示部
30A メイン基板
30B サブ基板
31 メインCPU
55 サブCPU
58 ROM
Ra1?Ra3 左・中・右リール(メインリール)
Rb1?Rb3 左・中・右リール(サブリール)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図柄が表示された複数のメインリールを備えた第1表示手段と、
前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ、複数の図柄を可変表示可能な複数の表示列を備えた第2表示手段と、
プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と、
前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と、
前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ、プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え、
前記複数のメインリールの全てが停止した状態で、前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し、入賞した役に応じた遊技価値を付与し、前記特定の態様では、前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び、前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき、前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって、
前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し、前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に、前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と、
前記メインリールの回転中に、前記メインリールの回転方向と同じ方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第1処理と、前記メインリールの回転方向と逆の方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し、前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段と、
を備えることを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
複数の図柄が表示された複数のメインリールを備えた第1表示手段と、
前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ、複数の図柄を可変表示可能な複数の表示列を備えた第2表示手段と、
プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と、
前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と、
前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ、プレイヤーの停止操作に応じて各停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え、
前記複数のメインリールの全てが停止した状態で、前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し、入賞した役に応じた遊技価値を付与し、前記特定の態様では、前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び、前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき、前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって、
前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し、前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリール及びの回転を停止させると共に、前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と、
前記メインリールの回転中に、前記メインリールの回転方向と同じ方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第1処理と、前記メインリールの回転方向と逆の方向に当該メインリールに対応する前記表示列を可変表示させるように前記第2表示手段を制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し、前記第1処理において前記複数のメインリールの各々の回転を検知すると前記複数の表示列の各々の可変表示を開始させるように前記第2表示手段を制御し、前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段と、
を備えることを特徴とするスロットマシン。
【請求項3】
複数の図柄が表示された複数のメインリールを備えた第1表示手段と、
前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ、複数の図柄を可変表示可能な複数の表示列を備えた第2表示手段と、
プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と、
前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と、
前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ、プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え、
前記複数のメインリールの全てが停止した状態で、前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し、入賞した役に応じた遊技価値を付与し、前記特定の態様では、前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び、前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき、前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって、
前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し、前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に、前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と、
前記複数のメインリールの回転速度を各々検知して第1速度情報を生成する第1速度検出手段と、
前記メインリールの回転中に、前記第1速度情報の示す前記メインリールの回転速度に当該メインリールに対応する前記表示列の可変表示速度を近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と、前記メインリールの回転速度と当該メインリールに対応する前記表示列の可変表示速度を無関係に制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し、前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段と、
を備えることを特徴とするスロットマシン。
【請求項4】
前記第2表示手段の複数の表示列は複数のサブリールであり、
前記複数のサブリールの回転速度を各々検知して第2速度情報を前記第2制御手段に出力する第2速度検出手段を備え、
前記第2制御手段の前記第1処理は、前記第1速度情報を目標として、前記第2速度情報を前記第1速度情報に近付けるように前記第2表示手段を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載のスロットマシン。
【請求項5】
前記第2表示手段は、複数種類の図柄の画像を可変表示可能な画像表示装置で構成され、前記表示列は前記画像表示装置に画像として表示され、前記表示列の可変表示速度は、前記複数種類の図柄の画像が可変表示される速度であり、
前記第2制御手段は、
前記図柄の画像を示す図柄画像データを記憶する画像記憶手段と、
前記画像表示装置に表示する画像を示す表示画像データを記憶する表示用記憶手段と、
前記表示用記憶手段から前記表示画像データを読み出して前記画像表示装置へ供給する供給手段と、
前記第1処理において、前記表示列の図柄の移動速度が前記第1速度情報の示す前記メインリールの回転速度と一致するように、前記画像記憶手段から前記図柄画像データを読み出して前記表示用記憶手段へ書き込むことによって前記表示用記憶手段の記憶内容を更新する更新手段と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のスロットマシン。
【請求項6】
前記第1速度検出手段は、
前記メインリールの基準点が所定位置を通過するタイミングで第1検出パルスを発生する第1センサと、
前記第1検出パルス間の時間間隔を計測する計測手段と、
前記計測手段の計測結果に基づいて前記第1速度情報を生成する第1速度情報生成手段と、
を備えることを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。
【請求項7】
前記メインリールの基準点が所定位置を通過するタイミングで第1検出パルスを発生する第1センサを備え、
前記第1制御手段は、
前記第1検出パルスを検知して検知信号を生成する検知信号生成手段と、
前記検知信号を前記第2制御手段に出力する出力手段とを備え、
前記第2制御手段は、
前記検知信号を入力する入力手段と、
前記検知信号を入力する時間間隔を計測する計測する計測手段と、
前記計測手段の計測結果に基づいて前記第1速度情報を生成する第1速度情報生成手段とを備え、
前記第1速度検出手段は、前記第1センサ、前記検知信号生成手段、前記出力手段、前記入力手段、前記計測手段、及び前記第1速度情報生成手段によって構成される
ことを特徴とする請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。
【請求項8】
前記第1速度情報生成手段は、前記計測手段によって計測された時間間隔の平均を演算して得られた平均値に基づいて前記第1速度情報を生成することを特徴とする請求項6又は7に記載のスロットマシン。
【請求項9】
複数の図柄が表示された複数のメインリールを備えた第1表示手段と、
前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ、複数の図柄が表示された複数のサブリールを備えた第2表示手段と、
プレイヤーの開始操作に応じて開始指示信号を出力する開始操作手段と、
前記開始指示信号が生成されるタイミングに基づいて抽選を実行する抽選手段と、
前記複数のメインリールの各々に対応して設けられ、プレイヤーの停止操作に応じて停止指示信号を出力する複数の停止操作手段とを備え、
前記複数のメインリールの全てが停止した状態で、前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に表示される図柄の組み合わせが特定の態様を含む複数の所定の態様のいずれかとなった場合に役に入賞し、入賞した役に応じた遊技価値を付与し、前記特定の態様では、前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並び、前記複数のメインリールの入賞態様が前記特定の態様となるとき、前記複数の表示列に同じ種類の図柄が並ぶスロットマシンであって、
前記開始指示信号を検知して前記複数のメインリールの回転を開始させるように前記第1表示手段を制御し、前記各停止指示信号を検知して対応する前記メインリールの回転を停止させると共に、前記複数のメインリールの全てが停止した後の停止態様が前記抽選手段の抽選結果に基づく停止態様となるように前記第1表示手段を制御する第1制御手段と、
前記複数のメインリールの各々の回転位相を検知して第1位相情報を生成する第1位相検出手段と、
前記複数のサブリールの各々の回転位相を検知して第2位相情報を出力する第2位相検出手段と、
前記メインリールの回転中に、前記第1位相情報が示す前記メインリールの回転位相と前記第2位相情報が示す当該メインリールに対応する前記サブリールの回転位相との位相差を所定値に近付けるように前記第2表示手段を制御する第1処理と、当該メインリールに対応する前記サブリールの回転位相を前記メインリールの回転位相と無関係に制御する第2処理とを前記抽選手段の抽選結果に基づいて選択的に実行し、前記第1制御手段が回転を停止させるメインリールに対応する前記表示列の回転を停止させるように前記第2表示手段を制御する第2制御手段と、
を備えることを特徴とするスロットマシン。
【請求項10】
前記第1制御手段は、前記開始指示信号を検知すると前記メインリールの回転開始を指示する開始情報を前記第2制御手段へ出力すると共に、前記各停止操作信号を検知すると前記各メインリールの停止操作を各々指示する各停止操作情報を前記第2制御手段へ出力し、
前記メインリールの回転中とは、複数のメインリールのうち少なくとも一つのメインリールが回転している期間であり、
前記第2制御手段は、前記開始情報が入力されてから最初の停止操作に伴う前記停止操作情報が入力されるまでの期間は、前記各表示列に対して前記第1処理又は前記第2処理のうち一方の処理を継続して実行し、最初の停止操作に伴う停止操作情報の入力を契機に、当該停止操作情報に対応する前記表示列の可変表示を停止させるように前記第2表示手段を制御すると共に、可変表示中の他の表示列のうち少なくとも一つの表示列に対して前記期間で選択されなかった他方の処理を実行する
ことを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。
【請求項11】
前記第1表示手段の停止態様が前記複数の所定の態様のうち払い出しを付与する役に対応した停止態様である場合に、当該停止態様に応じた数量の遊技媒体を払い出す払出手段と、
前記複数の停止操作手段のうち最後に操作された前記停止操作手段から出力される前記停止指示信号が前記第1制御手段により検知されてから前記払出手段が払出を開始するまでの時間を演出調整時間として決定する決定手段と、
前記第2表示手段の可変表示が最終的に停止した後に前記遊技媒体が払い出されるように、前記演出調整時間に基づいて前記払出手段の払出開始時刻を調整する調整手段とを備え、
前記各表示列の図柄は、前記各メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。
【請求項12】
前記第2制御手段は、前記演出調整時間に応じて前記第2表示手段の停止態様を制御することを特徴とする請求項11に記載のスロットマシン。
【請求項13】
前記各表示列の図柄は、前記各メインリール毎に異なる種類の図柄と対応付けられており、
前記複数の所定の態様のうちの一つの態様は、前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に停止する図柄が、前記複数のメインリールのうち特定のメインリールについては特定の図柄であり、前記複数のメインリールのうち前記特定のメインリール以外の他のメインリールについては任意の図柄であり、前記複数の所定の態様のうち前記一つの態様以外の態様は、前記複数のメインリールに設定された入賞ライン上に異なる種類の図柄が並ぶようになっている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。
【請求項14】
前記各メインリールに表示される複数種類の図柄は、異なる数字の図形の組、同一形状で色彩が異なる図形の組、角の形状が異なる図形の組、色彩が同一で形状が異なる図形の組、又は、所定形状の図形を異なる角度回転させた図形の組のうち、いずれかの図形の組によって構成されることを特徴とする請求項13に記載のスロットマシン。
【請求項15】
前記各メインリールに表示される複数種類の図柄は、前記各表示列に表示される複数種類の図柄と全て異なることを特徴とする請求項13に記載のスロットマシン。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2010-02-18 
結審通知日 2010-02-22 
審決日 2010-03-05 
出願番号 特願2003-330208(P2003-330208)
審決分類 P 1 113・ 832- ZA (A63F)
P 1 113・ 121- ZA (A63F)
P 1 113・ 85- ZA (A63F)
P 1 113・ 536- ZA (A63F)
P 1 113・ 841- ZA (A63F)
P 1 113・ 537- ZA (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山崎 仁之▲吉▼川 康史  
特許庁審判長 立川 功
特許庁審判官 小原 博生
有家 秀郎
登録日 2004-06-04 
登録番号 特許第3560605号(P3560605)
発明の名称 スロットマシン  
代理人 正林 真之  
復代理人 高橋 雄一郎  
代理人 大林 章  
復代理人 望月 尚子  
代理人 大林 章  
復代理人 望月 尚子  
復代理人 林 佳輔  
復代理人 林 佳輔  
代理人 吉永 貴大  
代理人 坂本 智弘  
復代理人 高橋 雄一郎  
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