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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1217018
審判番号 不服2006-28394  
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-12-20 
確定日 2010-05-19 
事件の表示 特願2000-344701「薄膜転移及び薄膜分離方法」拒絶査定不服審判事件〔平成13年9月7日出願公開,特開2001-244444〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成12年11月13日(優先権主張:2000年2月25日,台湾)の出願であって,平成17年6月17日付けの拒絶理由通知に対して,同年10月14日に手続補正書及び意見書が提出されたが,平成18年9月21日付けで拒絶査定がされ,これに対し,同年12月20日に審判請求がされるとともに,同日付けで手続補正書が提出されたものである。


第2 平成18年12月20日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)について

1 本件補正の内容
本件補正は,特許請求の範囲を補正するものであり,その内容は,以下のとおりである。

〈補正事項a〉
・補正前の請求項12と請求項13を削除する。

〈補正事項b〉
・補正前の請求項8の「直接活性化し」を,補正後の請求項8の「活性化し」と補正する。

〈その他の補正事項〉
・補正前の請求項14?22を,それぞれ,補正後の請求項12?20に繰り上げる。
・補正前の請求項23?29を,それぞれ,補正後の請求項21?27に繰り上げ,補正前の請求項23?29の「請求項22に記載の」を,補正後の請求項21?27の「請求項20に記載の」と補正する。

2 補正目的の適否
(1)補正事項aについて
補正事項aは,請求項の削除を目的とするものである。

(2)補正事項bについて
補正事項bは,拒絶の理由に示す事項についてする補正であり,明りょうでない記載の釈明を目的とするものといえる。

(3)その他の補正事項について
その他の補正事項は,補正前の請求項12と請求項13を削除することに伴なう補正であり,いずれの補正事項も,明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。

したがって,特許請求の範囲についての本件補正は,平成18年法律55号改正附則3条1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法17条の2第4項1号及び4号に規定する要件を満たす。


第3 本願発明
1 以上のとおり,本件補正(平成18年12月20日に提出された手続補正書による補正)は適法であるので,本願の請求項1及び20に係る発明(以下,それぞれ,「本願発明1」,「本願発明2」という。)は,本件補正後の請求項1及び20に記載された,次のとおりのものである。

「【請求項1】
第1の基板の表面部からなる薄膜を分離し,第2の基板に移設する方法であって,
前記第1の基板に対してイオン注入を施し,前記第1の基板内に,前記注入されたイオンを含むイオン分離層を形成するイオン注入段階と,
前記第1の基板と前記第2の基板とを結合させ,結合構造を形成する基板結合段階と,
高周波数交流電界または高周波数交流電磁界を前記結合構造に印加し,前記イオン分離層より前記第1の基板の表面部からなる薄膜を分離し,前記第2の基板に移設する移設段階とからなる薄膜転移方法。」

「【請求項20】 基板の表面部からなる薄膜を分離する方法であって,
前記基板に対してイオン注入を施し,前記基板内に,前記注入されたイオンを含む少なくとも一層のイオン分離層を形成するイオン注入段階と,
高周波数交流電界または高周波数交流電磁界を前記基板に印加し,前記イオン分離層より,前記基板の表面部からなる薄膜を分離する分離段階
からなる薄膜分離方法。」

2 引用例の記載と引用発明1,2
(1)引用例の記載
原査定の拒絶の理由に引用された,本願の優先権主張日前に日本国内において頒布された刊行物である国際公開第98/52216号パンフレット(以下「引用例」という。)には,図1,図2,図6,図12?図16とともに,次の記載がある(下線は,当審で付加)。なお,引用例の訳文は,その日本出願の翻訳文である特表2001-525991号公報に基づくものである。

ア 実施例1について
(ア)「 1.制御された劈開技術
図1は,本発明による基体10の簡単な断面図である。この図面は単なる例示であり,特許請求の範囲の技術的範囲を限定するものではない。単なる例として,基体10は除去される材料領域12を含んでいるシリコンウェハであり,この除去される材料領域は基体材料から得られた比較的均一な薄膜である。シリコンウェハ10は上部表面14,底部表面16,厚さ18を含んでいる。基体10は第1の側面(側面1)と第2の側面(側面2)(図面でも参照されている)を含んでいる。材料領域12はまたシリコンウェハの深さ18内の厚さ20を含んでいる。本発明は以下のステップのシーケンスを使用して材料領域12を除去する優れた技術を提供する。
選択されたエネルギを有する粒子はここにおいてシリコンウェハの上部表面14を通って選択された深さ24へ注入され,これは材料の薄膜と呼ばれる材料領域12の厚さ20を限定する。種々の技術がエネルギを有する粒子をシリコンウェハへ注入するために使用されることができる。これらの技術は例えばApplied Materials,Eaton Corporation,Varian,その他のような会社で製造されたビームラインイオン注入装置を使用するイオン注入を含んでいる。その代わりに,注入はプラズマ侵漬イオン注入(“PIII”)技術を使用して行われる。プラズマ侵潰注入技術の例は(Paul K.Chu,Chung Chan,Nathan W.Cheung,名称“Recent Applications of Plasma Immersion Ion Implantation”,SEMICONDUCTOR INTERNATIONAL,165?172頁,1996年6月)と(P.K.Chu,S.Qin,C.Chan,N.W.Cheung,L.A.Larson,名称“Plasma Immersion Ion Implantation”,MATERIAL SCIENCE AND ENGINEERING REPORTS,A Review Journal,207?280頁,R17巻,No.6-7(1996年11月30日))に記載されている。さらにイオンシャワーを使用して注入が行われることもできる。勿論使用される技術は応用に依存する。
応用に依存して,さらに小さい質量の粒子が材料領域12に対するダメージの可能性を減少するように通常選択される。即ち,さらに小さい質量の粒子は粒子が横切る材料領域に実質上ダメージを与えずに,基体材料を通って選択された深さまで容易に侵入する。例えばさらに小さい質量の粒子(またはエネルギを有する粒子)はほとんど任意の帯電(例えば正または負)および/または中性の原子または分子または電子等である。特別な実施形態では,粒子は水素イオンとその同位体のようなイオンと,ヘリウムとその同位体のような希ガスイオンと,ネオンを含む中性および/または帯電された粒子である。粒子は例えば水素ガス,水蒸気,メタン,水素化合物,その他の軽い原子質量の粒子のガス等の化合物から得られることもできる。代わりに粒子は前述の粒子および/またはイオンおよび/または分子スペシーおよび/または原子スペシーの任意の組合わせでもよい。粒子は通常表面を通って表面下の選択された深さまで貫通するのに十分な運動エネルギを有する。
例としてシリコンウェハへの注入スペシーとして水素を使用して,注入プロセスは特定の1組の条件を使用して実行される。注入ドーズは約10^(15)乃至約10^(18)原子/cm^(2)の範囲であり,好ましくはドーズは約10^(16)原子/cm^(2)よりも大きい。注入エネルギは約1KeV乃至約1MeVの範囲であり,通常約50KeVである。注入温度は約-200乃至約600℃の範囲であり,実質的な量の水素イオンが注入シリコンウェハから拡散し,注入されたダメージと応力を焼きなます可能性を防止するために約400℃よりも低温であることが好ましい。水素イオンは約+/-0.03乃至+/-0.05ミクロンの正確性で選択された深さまでシリコンウェハに選択的に導入されることができる。勿論使用されるイオンのタイプとプロセス状況はその応用に依存する。
実効的に,注入された粒子は応力を付加し,または選択された深さの基体の上部表面に平行な平面に沿って裂けるエネルギを減少する。このエネルギは部分的に注入スペシーと条件に依存する。これらの粒子は選択された深さの基体レベルの裂けるエネルギレベルを減少する。これによって選択された深さの注入平面に沿って,制御された劈開が可能である。全ての内部位置の基体のエネルギ状態が基体材料の非可逆性の裂けること(即ち分離又は劈開)を開始するのに不十分である状況下で注入は行われることができる。しかしながら,注入は通常,それに続く熱処理,例えば熱による焼きなましまたは急速な熱による焼きなましにより修復されることができる基体中にある量の欠陥(例えばミクロ欠陥)を生じさせることに留意すべきである。」(引用例の5頁17行?7頁15行の訳文)
(イ)「図2は本発明による注入基体10の断面に沿った簡単なエネルギ図200である。この図は単なる例示であり,本発明の技術的範囲を限定すべきではない。簡単な図は基体に劈開を生じさせるためのエネルギレベル(E)(または付加的なエネルギ)を表す垂直軸201を含んでいる。水平軸203はウェハの底部からウェハの上部までの深さまたは距離を表している。粒子をウェハに注入後,基体はE205として表されている平均劈開エネルギを有し,これはウェハの深さに沿った種々の断面領域に沿ってウェハを劈開するのに必要なエネルギ量である。劈開エネルギ(E_(c))は注入されていない領域のバルクな材料の裂けるエネルギ(E_(mat))に等しい。選択された深さ20では,注入された粒子は基本的に結晶構造の結合を破壊または脆弱にし(または基体のエネルギ(E_(cz))207を低くする粒子の存在によって生じる応力を増加し)それによって選択された深さにおいて基体を劈開するのに必要なエネルギ量を低くするので,エネルギ(E_(cz))207はさらに低い。本発明は制御された方法で薄膜を劈開するため選択された深さで低エネルギ(または増加された応力)を利用する。」(引用例の7頁16行?31行の訳文)
(ウ)「 図6は本発明による劈開エネルギの選択的な位置付けを使用している注入された基体10の簡単な断面図である。この図は単なる例示であり,特許請求の範囲を限定するものではない。注入されたウェハは,選択的なエネルギの配置601または選択された深さ603で材料領域12の制御された劈開動作を行う位置付けまたはターゲティングステップを受ける。好ましい実施形態では,選択されたエネルギの配置607は基体10の選択された深さ603のエッジまたはコーナー領域近くで生じる。1つのインパルス(または複数のインパルス)はエネルギソースを使用して与えられる。ソースの例としては,とりわけ化学的ソース,機械的ソース,電気的ソース,熱シンクまたはソースを含んでいる。化学的ソースは粒子,流体,ガスまたは液体のような種々のものを含むことができる。これらの化学的ソースは材料領域中の応力を増加するため化学反応を含むこともできる。これらの化学的ソースはフラッド(flood),ガスまたは液体のような変化を含むことができる。化学的ソースはフラッド,時間的変化,空間的変化または連続的に導入される。別の実施形態では,機械的ソースは回転,並進運動,圧縮,膨張または超音波エネルギから得られる。機械的ソースはフラッド,時間的変化,空間的変化または連続的に導入されることができる。さらに別の実施形態では,電気的ソースは供給された電圧または供給された電磁界から選択され,これはフラッド,時間的変化,空間的変化または連続的に導入される。さらに別の実施形態では,熱的ソースまたはシンクは放射,対流,または伝導から選択される。この熱的ソースは特に光子ビーム,流体ジェット,液体ジェット,ガスジェット,電/磁界,電子ビーム,熱電気加熱,炉等から選択されることができる。熱シンクは流体ジェット,液体ジェット,ガスジェット,低温冷却流体,超冷却液体,熱電気冷却手段,電/磁界,その他から選択されることができる。先の実施形態に類似して,熱的ソースはフラッド,時間的変化,空間的変化または連続的に与えられる。さらに,前述の任意の実施形態は応用に基づいて組合わされまたは分割されることができる。勿論,使用されるソースのタイプは応用に依存している。」(引用例の9頁16行?10頁11行の訳文)

イ 実施例2について
(ア)「2.シリコン・オン・絶縁体プロセス
本発明によるシリコン・オン・絶縁体基体を製造するプロセスを以下,簡単に概略する。
(1)(誘電材料で被覆されてもよい)ドナーシリコンウェハを設け,
(2)シリコン薄膜の厚さを限定するため選択された深さまで粒子をシリコンウェハ中に導入し,
(3)(誘電材料で被覆されてもよい)ターゲット基体材料を設け,
(4)注入された表面をターゲット基体材料に接合することによってドナーシリコンウェハをターゲット基体材料に結合し,
(5)劈開動作(選択的)を開始することなく選択された深さの注入された領域の全般的な応力(またはエネルギ)を増加し,
(6)流体ジェットを使用して,選択された深さにおける制御された劈開動作を開始するために結合された基体の選択された領域に応力(またはエネルギ)を与え,
(7)シリコンウェハ(任意選択的)からシリコン薄膜の厚さを取り除くために制御された劈開動作を維持するように結合された基体に付加的なエネルギを与え,
(8)ドナーシリコンウェハとターゲット基体と完全に結合し,
(9)シリコン薄膜の厚さ表面を研磨する。
上記のステップのシーケンスは本発明により劈開フロントを形成するために多層基体構造の選択された領域へ与えられるエネルギを使用して,制御された劈開動作を開始するステップを与える。この開始ステップは基体に与えられたエネルギ量を限定することにより制御された方法で劈開プロセスを開始する。さらに劈開動作の伝播は,劈開動作を維持するため基体の選択された領域へ付加的なエネルギを与えることにより,またはさらに劈開動作の伝播を行うために開始ステップからのエネルギを使用することによって行われることができる。このステップのシーケンスは単なる1例であり本発明の技術的範囲を限定するものではない。さらに前述のステップのシーケンスに関する詳細を図面を参照して以下説明する。」(引用例の17頁6行?18頁6行))
(イ)「図12-18は本発明によりシリコン・オン・絶縁体ウェハの製造プロセスが行われる基体の簡単な断面図である。このプロセスは図12で示されているようにシリコンウェハ2100に類似した半導体基体を設けることにより開始する。基体またはドナーは除去される材料領域2101を含んでおり,これは基体材料から得られた薄くて比較的均一な薄膜である。シリコンウェハは上部表面2103と底部表面2105と厚さ2107とを含んでいる。材料領域もまたシリコンウェハの厚さ2107内に厚さ(z_(0))を含んでいる。任意選択的に誘電層2102(例えば窒化シリコン,酸化シリコン,酸窒化シリコン)は基体の上部表面に存在する。本発明のプロセスはシリコン・オン・絶縁体ウェハを製造するための以下のステップのシーケンスを使用して材料領域2101を除去する新しい優れた技術を提供する。
選択されたエネルギ粒子2109はシリコンウェハの上部表面を通って選択された深さへ注入され,その選択された深さは材料の薄膜と呼ばれる材料領域の厚さを限定する。示されているように,粒子は選択された深さ(z_(0))において所望の濃度2111を有する。エネルギ粒子をシリコンウェハ中に注入するための種々の技術が使用されることができる。これらの技術は,例えばApplied Material,Eaton Corporation Varian,その他の会社から製造されているビームラインイオン注入装置を使用するイオン注入を含んでいる。代わりに,注入はプラズマ浸潰イオン注入(“PIII”)技術を使用して行われることもできる。さらに注入はイオンシャワーを使用して行われることができる。勿論,使用される技術は応用に依存している。
応用によっては,さらに小さい質量の粒子は通常,材料領域への損傷の可能性を減少するために選択される。即ち,さらに小さい質量の粒子は,粒子が横切る材料領域に実質上ダメージを与えずに,選択された深さまで容易に基体材料を通って伝播する。例えば,さらに小さい質量の粒子(またはエネルギを有する粒子)はほぼ帯電(例えば正または負)された,または中性の原子または分子または電子等である。特定の実施形態では粒子は,中性および/または水素イオンおよびその同位体と,ヘリウムおよびその同位体のような希土類ガスイオンと,ネオンとを含む帯電された粒子である。粒子は例えば水素ガス,水蒸気,メタンのような化合物,その他の水素化合物,およびその他の軽い原子質量の粒子から得られることもできる。代わりに,粒子は前述の粒子の組合わせおよび/またはイオンおよび/または分子スペシーおよび/または原子スペシーである。」(引用例の18頁7行?19頁8行)
(ウ)「プロセスは図13で示されているように,注入されたシリコンウェハをワークピースまたはターゲットウェハに接合するステップを使用する。ワークピースは誘電体材料(例えば水晶,ガラス,窒化シリコン,二酸化シリコン)と,導電材料(シリコン,ポリシリコン,III/V族材料,金属)と,プラスティック(例えばポリイミドベースの材料)から作られている基体のような種々のその他のタィプの基体であってもよい。しかしながら,本発明のこの実施例ではワークピースはシリコンウェハである。
特定の実施形態では,シリコンウェハは低温熱ステップを使用して共に接合または融着される。低温熱プロセスは通常,注入された粒子が材料領域に制御できない劈開動作を発生する過剰な応力を与えないことを確実にする。1特性では,低温接合プロセスは自己接合プロセスにより生じる。特に,1つのウェハは酸化物を除去するように剥離される(または1つのウェハは酸化されない)。洗浄溶液はウェハ表面にO-H結合を形成するためにウェハ表面を処理する。ウェハ洗浄に使用される溶液の1例はH_(2)O_(2)-H_(2)SO_(4)の混合物である。ドライヤは残留した液体または粒子をウェハ表面から除去するためにウェハ表面を乾燥する。自己結合は酸化ウェハの面に対向して洗浄されたウェハ面を位置させることにより行われる。
その代わりに,自己結合プロセスはウェハ表面の一方をプラズマ洗浄により結合されるように活性化することにより行われる。特に,プラズマ洗浄はアルゴン,アンモニア,ネオン,水蒸気,酸素のようなガスから得られるプラズマを使用してウェハ表面を活性化する。活性化されたウェハ表面2203は他方のウェハの面に対向して位置され,これは酸化被覆2205を有する。ウェハは露出されたウェハ面を有するサンドウィッチ構造である。選択された量の圧力がウェハの各露出面に与えられ,1つのウェハを他方のウェハへ自己結合する。
代わりに,ウェハ表面に配置された接着剤は1つのウェハを他のウェハに結合するために使用される。接着剤はエポキシ,ポリイミドタイプの材料等を含んでいる。ガラス上のスピン被覆層は1つのウェハ表面を別のウェハの面に結合するために使用されることができる。これらのガラス上のスピン被覆を有する(“SOG”)材料はとりわけシロキサンまたはケイ酸塩を含んでおり,これらは多くはアルコールベースの溶剤等と混合される。SOGはこれがウェハ表面に施された後にこれを硬化するのにしばしば必要とされる低温(例えば150乃至250℃)であるので,望ましい材料である。
代わりに,種々のその他の低温技術がドナーウェハをターゲットウェハに接合するために使用されることができる。例えば静電結合技術が2つのウェハを共に接合するために使用されることができる。特に一方または両者のウェハ表面が他方のウェハ表面に吸着されるために帯電される。さらにドナーウェハは種々の普通に知られている技術を用いてターゲットウェハに融着されることができる。勿論,使用される技術は応用に依存している。
ウェハをサンドウィッチ構造2300に結合した後,図14で示されているように,この方法は絶縁体2305の上に位置する基体材料の薄膜2101をターゲットシリコンウェハ2201に与えるため基体材料を除去する制御された劈開動作を含んでいる。制御された劈開は,ドナーおよび/またはターゲットウェハへのエネルギソースの選択的なエネルギの位置付けまたは配置またはターゲティング2301,2303により行われる。例えば,エネルギインパルスは劈開動作の開始に使用されることができる。1つのインパルス(または複数のインパルス)はエネルギソースを使用して与えられ,エネルギソースはとりわけ,機械的ソース,化学的ソース,熱シンクまたはソース,電気的ソースを含んでいる。
制御された劈開動作は前述の技術およびその他により開始され,図14により示されている。例えば制御された劈開動作を開始するプロセスは基体の選択された深さ(z_(0))で制御された劈開動作を開始するために基体の選択された領域にエネルギ2301と2303を与えるステップを使用し,ここで劈開動作は基体から除去される基体材料の一部を自由にするため,伝播する劈開フロントを使用して行われる。特定の実施形態では,この方法は前述したように劈開動作を開始するために単一のインパルスを使用する。その代わりに,この方法は開始インパルスを使用し,これに続いて基体の選択された領域への別のインパルスまたは連続的なインパルスが与えられる。代わりに,この方法は基体に沿って,走査されたエネルギにより維持される劈開動作を開始するためにインパルスを与える。代わりにエネルギは基体の選択された領域を横切って走査されることができ,それによって制御された劈開動作を開始および/または維持する。
任意選択的に,基体材料のエネルギまたは応力は劈開動作を開始するのに必要なエネルギレベルの方向に増加されることができるが,本発明にしたがって基体に1っのインパルスまたは多数の連続的なインパルスを導く前に劈開動作を開始するのには十分ではない。基体の全般的なエネルギ状態は化学的,機械的,熱的(シンクまたはソース)または電気的等の種々のソース,またはこれらを単独に,または組み合わせて使用することにより上昇または低下されることができる。化学的ソースは粒子,流体,ガスまたは液体を含むことができる。これらのソースは材料領域の応力を増加するために化学反応を含むこともできる。化学的ソースはフラッド,時間的変化,空間的変化として,または連続的に導入される。その他の実施形態では,機械的ソースは回転,並進運動,圧縮,膨張または超音波エネルギから得られる。機械的ソースはフラッド,時間的変化,空間的変化としてまたは連続的に導入されることができる。さらに別の実施形態では,電気的ソースは供給された電圧または供給された電磁界から選択され,これはフラッド,時間的変化,空間的変化としてまたは連続的に導入される。さらに別の実施形態では,熱的ソースまたはシンクは放射,対流,または伝導から選択される。この熱的ソースはとりわけ光子ビーム,流体ジェット,液体ジェット,ガスジェット,電/磁界,電子ビーム,熱電気加熱,炉から選択されることができる。熱シンクは流体ジェット,液体ジェット,ガスジェット,冷却流体,超冷却液体,熱電気冷却手段,電/磁界,その他から選択されることができる。先の実施形態に類似して,熱的ソースはフラッド,時間的変化,空間的変化として,または連続的に与えられる。さらに,前述の任意の実施形態は応用にしたがって組合わされまたは分割されることができる。勿論,使用されるソースのタイプは応用に依存している。前述したように,全般的なソースは,制御された劈開動作を開始するためのエネルギを与える前に,材料領域の劈開動作を開始せずに,材料領域のエネルギまたは応力のレベルを増加する。
好ましい実施形態では,この方法は粒子を基体に導入する温度よりも低い温度を維持する。幾つかの実施形態では,劈開動作の伝播を開始するためのエネルギを導入するステップ期間中の基体温度は-200℃と450℃の間に維持される。基体温度は400℃よりも低温または350℃よりも低温に維持されることもできる。好ましい実施形態では,その方法は劈開動作の開始および維持に熱シンクを使用し,これは室温よりもはるかに低温の条件で行われる。
代わりの好ましい実施形態では,機械的および/または熱的ソースは本発明の1実施形態にしたがって加圧(例えば圧縮)され流体ジェットである。流体ジェット(または液体ジェットまたはガスジェット)は,制御された劈開プロセスを開始するために基体2300のエッジ領域に衝突する。圧縮または加圧された流体ソースからの流体ジェットは,基体2100からある厚さの材料領域2101を劈開するため選択された深さ2111の領域に導かれる。流体ジェットは選択された深さ2111で相互に分離されるように基体2100から領域2101を分離する。流体ジェットは基体2100から材料2101を分離するために制御された劈開プロセスを開始し維持するように調節されることができる。応用に応じて,流体ジェットは所望の制御された劈開プロセスを実現するために方向,位置,大きさにおいて調節されることができる。
ターゲットウェハと材料領域の薄膜との間の最終的な結合ステップが図15に示されているように幾つかの実施形態にしたがって行われる。1実施形態では,1つのシリコンウェハが二酸化シリコンの被覆層を有し,この層は材料の薄膜を清浄にする前に正面上で熱的に成長したものである。二酸化シリコンは例えば化学蒸気付着のようなその他の種々の技術を使用して形成されることもできる。ウェハ表面との間の二酸化シリコンはこのプロセスで共に熱的に融着する。
幾つかの実施形態では,ターゲットウェハまたは材料領域の薄膜のいずれかから(ドナーウェハから)の酸化されたシリコン表面はさらに共に圧縮され,酸化雰囲気2401を受ける。酸化雰囲気はスチーム酸化,水素酸化等の拡散炉にある。圧力と酸化雰囲気の組合わせは酸化表面またはインターフェイス2305で2つのシリコンウェハを共に融着する。これらの実施形態はしばしば高温(例えば700℃)を必要とする。
代わりに,2つのシリコン表面はさらに共に圧縮され,2つのウェハ間に供給された電圧を受ける。供給された電圧はウェハ間の結合を誘発するようにウェハの温度を上昇する。この技術は,実質上機械的な力がウェハ間の結合動作の開始に必要とされないので,結合プロセス中にシリコンウェハ中に導入される結晶の欠陥の量を限定する。勿論使用された技術は応用に依存している。
ウェハの結合後,シリコン・オン・絶縁体は図15に示されているように,シリコン材料の被覆薄膜と,ターゲット基体とシリコン薄膜との間に挟まれた酸化層とを有するターゲット基体を具備する。取外されたシリコン材料の薄膜表面はしばしば粗く2404,表面仕上げを必要とする。表面仕上げはグラインダーおよび/または研磨技術の組合わせを使用して行われる。幾つかの実施形態では,取外される表面は,例えば表面の不完全性または粗さを除去するために取外される表面の上に位置する研磨材料を回転するなどの技術を使用して研磨ステップを受ける。“バックグラインダ”のような機械はDiscoと呼ばれる会社により製造され,この技術を与える。
代わりに,化学機械研磨または平坦化(“CMP”)技術は図16で示されているように取外される薄膜表面を仕上げる。」(引用例の19頁9行?23頁19行)

(2)引用発明1及び引用発明2について
(2-1)上記イ(ア)?(ウ)(下線部を参照)によれば,引用例には,次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。

「シリコンウェハからなる基体2100から,薄膜である材料領域2101を劈開(分離)させ,ターゲットウェハ(又はワークピース)2201に結合する方法であって,前記基体2100に対してイオン2109を注入し,前記イオン2109は半導体基体の上部表面を通って選択された深さに注入されるイオン注入ステップと,前記基体を前記ターゲットウェハ(又はワークピース)2201に接合するステップと,熱的ソースとして電/磁界を前記基体2100及び前記ターゲットウェハ(又はワークピース)2201に導入することにより,前記選択された深さで前記材料領域2101を劈開(分離)させ,前記ターゲットウェハ(又はワークピース)2201と前記材料領域2101との間の最終的な結合をするステップとからなる方法。」

(2-2)また,上記ア(ア)?(ウ)(下線部参照)によれば,引用例には,次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されている。

「シリコンウェハからなる基体10から,薄膜である材料領域12を劈開(分離)させる方法であって,前記基体10に対してイオン22を注入し,前記イオン22は前記基体10の上部表面を通って選択された深さ24に注入されるイオン注入ステップと,熱的ソースとして電/磁界を前記基体10に導入することにより,前記選択された深さ24で前記材料領域12を劈開(分離)させるステップからなる分離方法。」

3 本願発明1(本願の請求項1に係る発明)について
3-1 対比
(1)次に,本願発明1と引用発明1とを対比する。
ア 引用発明1の「シリコンウェハからなる基体2100」,「薄膜である材料領域2101」,「ターゲットウェハ(又はワークピース)2201」は,それぞれ,本願発明1の「第1の基板」,「薄膜」,「第2の基板」に対応し,また,引用発明1の「薄膜である材料領域2101」は「シリコンウェハからなる基体2100」の表面部にあることは,明らかであり,また,引用発明1の「ターゲットウェハに結合する」ことは,本願発明1の「第2の基板に移設する」ことに対応するので,引用発明1の「シリコンウェハからなる体基体2100から,薄膜である材料領域2101を劈開(分離)させ,ターゲットウェハに結合する方法」は,本願発明1の「第1の基板の表面部からなる薄膜を分離し,第2の基板に移設する方法」に相当する。
イ 引用発明1の「前記イオンは前記体基体の上部表面を通って選択された深さに注入される」ことは,本願発明1の「前記第1の基板内に,前記注入されたイオンを含むイオン分離層を形成する」ことに対応するので,引用発明1の「前記基体に対してイオン2109を注入し,前記イオン2109は前記基体の上部表面を通って選択された深さに注入されるイオン注入ステップ」は,本願発明1の「前記第1の基板に対してイオンを注入を施し,前記第1の基板内に,前記注入されたイオンを含むイオン分離層を形成するイオン注入段階」に相当する。
ウ 引用発明1の「前記基体を前記ターゲットウェハ(又はワークピース)2201に接合するステップ」は,本願発明1の「前記第1の基板と前記第2の基板とを結合させ,結合構造を形成する基板結合段階」に相当する。
エ 引用発明1の「電/磁界」は,本願発明1の「電磁界」に対応し,引用発明1の「前記基体2100及び前記ターゲットウェハ(又はワークピース)2201に導入」することは,本願発明1の「前記結合構造に印加」することに対応し,引用発明1の「前記ターゲットウェハ(又はワークピース)2201と前記材料領域2101との間の最終的な結合をする」ことは,本願発明1の「薄膜を」「前記第2の基板に移設する」ことに対応するので,引用発明1の「熱的ソースとして電/磁界を前記基体2100及び前記ターゲットウェハ(又はワークピース)2201に導入することにより,前記選択された深さで前記材料領域2101を分離し,前記ターゲットウェハ(又はワークピース)2201と前記材料領域2101との間の最終的な結合をするステップ」は,本願発明1の「電磁界を前記結合構造に印加し,前記イオン分離層より前記第1の基板の表面部からなる薄膜を分離し,前記第2の基板に移設する移設段階」に相当する。
オ 引用発明1も,「材料領域2101」(本願発明1の「薄膜」に対応する。)を「ターゲット(又はワークピース)2201に移転する方法といるから,本願発明1の「薄膜転移方法」に相当する。

(2)そうすると,本願発明1と引用発明1の一致点と相違点は,次のとおりとなる。

《一致点》
「第1の基板の表面部からなる薄膜を分離し,第2の基板に移設する方法であって,
前記第1の基板に対してイオン注入を施し,前記第1の基板内に,前記注入されたイオンを含むイオン分離層を形成するイオン注入段階と,
前記第1の基板と前記第2の基板とを結合させ,結合構造を形成する基板結合段階と,
電磁界を前記結合構造に印加し,前記イオン分離層より前記第1の基板の表面部からなる薄膜を分離し,前記第2の基板に移設する移設段階とからなる薄膜転移方法。」

《相違点》
本願発明1は,「前記イオン分離層より前記第1の基板の表面部からなる薄膜を分離し,前記第2の基板に移設する」に際して,「高周波数交流電界または高周波数交流電磁界を前記結合構造に印加」するのに対し,引用発明1は,本願発明1の「前記イオン分離層より前記第1の基板の表面部からなる薄膜を分離し,前記第2の基板に移設する」ことに対応する「前記選択された深さで前記材料領域2101を分離し,前記ターゲットウェハと前記材料領域2101との間の最終的な結合をする」に際して,「熱的ソースとして電/磁界を前記基体及び前記ターゲットウェハ(又はワークピース)に導入する」点。

3-2 相違点についての検討
ア 引用発明1の「電/磁界」は,「熱的ソース」である。そして,「熱的ソース」の「電/磁界」として,高周波数の交流電磁界を用いることは,例えば,電子レンジがそうであるように,広く知られた技術である。
イ そうすると,引用発明1の「熱的ソース」である「電/磁界」として,上記アに記載のような周知技術である高周波数の交流電磁界を採用して,本願発明1の「高周波数交流電磁界を前記結合構造に印加し,前記イオン分離層より前記第1の基板の表面部からなる薄膜を分離し,前記第2の基板に移設する」ようにすることは,当業者が自然に想起できることである。
ウ 審判請求人は,引用例には,高周波数の交流電磁界でイオン分離層を加熱する際の具体的なメカニズム(機序)が開示されていないとして,本願発明の優位性を主張するが,本願明細書の段落【0004】にも記載されているように,イオン分離層を形成した半導体基板に熱処理を施すことによって基板を分離する技術は,スマートカット法として,本願優先権主張日前にすでに知られていたのであるから,具体的なメカニズムの説明がなくとも,当業者は,引用例の記載に基づいて,「熱的ソース」の「電/磁界」として高周波数の交流電磁界を用いることに自然に想到できたといえる。
なお,現象の具体的なメカニズム(機序)を解明したことは,学問上の成果はあるとしても,それ自体で,発明に新規性進歩性がもたらされるというものでもない。

3-3 したがって,相違点に係る構成とすることは,当業者が容易に想到できたものである。


4 本願発明2(本願の請求項20に係る発明)について
4-1 対比
(1)次に,本願発明2と引用発明2とを対比する。
ア 引用発明2の「シリコンウェハからなる基体10」,「薄膜である材料領域12」は,それぞれ,本願発明2の「基板」,「薄膜」に対応し,また,引用発明2の「薄膜である材料領域12」は「シリコンウェハからなる基体」の表面部にあることは,明らかであるので,引用発明2の「シリコンウェハからなる基体から,薄膜である材料領域12を劈開(分離)させる方法」は,本願発明2の「基板の表面部からなる薄膜を分離する方法」に相当する。
イ 引用発明2の「前記イオンは前記基体10の上部表面を通って選択された深さ24に注入される」ことは,本願発明2の「前記注入されたイオンを含む少なくとも一層のイオン分離層を形成する」ことに対応するので,引用発明2の「前記基体10に対してイオンを注入し,前記イオンは前記基体10の上部表面を通って選択された深さ24に注入されるイオン注入ステップ」は,本願発明2の「前記基板に対してイオン注入を施し,前記基板内に,前記注入されたイオンを含む少なくとも一層のイオン分離層を形成するイオン注入段階」に相当する。
ウ 引用発明2の「電/磁界」は,本願発明2の「電磁界」に対応するので,引用発明2の「熱的ソースとして電/磁界を前記基体に導入することにより,前記選択された深さ24で前記材料領域12を分離する分離ステップ」は,本願発明2の「電磁界を前記基板に印加し,前記イオン分離層より,前記基板の表面部からなる薄膜を分離する分離段階」に相当する。
エ 引用発明2の「分離方法」は,本願発明2の「薄膜分離方法」に相当する。

(2)そうすると,本願発明2と引用発明2の一致点と相違点は,次のとおりとなる。

《一致点》
「基板の表面部からなる薄膜を分離する方法であって,
前記基板に対してイオン注入を施し,前記基板内に,前記注入されたイオンを含む少なくとも一層のイオン分離層を形成するイオン注入段階と,
電磁界を前記基板に印加し,前記イオン分離層より,前記基板の表面部からなる薄膜を分離する分離段階
からなる薄膜分離方法。」

《相違点》
本願発明2は,「前記イオン分離層より,前記基板の表面部からなる薄膜を分離する」のに際して,「高周波数交流電界または高周波数交流電磁界を前記基板に印加」するのに対し,引用発明2は,本願発明2の「前記イオン分離層より,前記基板の表面部からなる薄膜を分離する」ことに対応する「前記選択された深さ24で前記材料領域12を分離する」に際して,「熱的ソースとして電/磁界を前記基体に導入する」点。

4-2 相違点についての検討
ア 引用発明2の「電/磁界」は,「熱的ソース」である。そして,「熱的ソース」の「電/磁界」として,高周波数の交流電磁界を用いることは,例えば,電子レンジがそうであるように,広く知られた技術である。
イ そうすると,引用発明2の「熱的ソース」である「電/磁界」として,上記アに記載のような周知技術である高周波数の交流電磁界を採用して,本願発明2の「高周波数交流電磁界を前記基板に印加し,前記イオン分離層より,前記基板の表面部からなる薄膜を分離する」ようにすることは,当業者が自然に想起できることである。
ウ 審判請求人は,引用例には,高周波数の交流電磁界でイオン分離層を加熱する際の具体的なメカニズム(機序)が開示されていないとして,本願発明の優位性を主張するが,本願明細書の段落【0004】にも記載されているように,イオン分離層を形成した半導体基板に熱処理を施すことによって基板を分離する技術は,スマートカット法として,本願優先権主張日前にすでに知られていたのであるから,具体的なメカニズムの説明がなくとも,当業者は,引用例の記載に基づいて,「熱的ソース」の「電/磁界」として高周波数の交流電磁界を用いることに自然に想到できたといえる。
なお,現象の具体的なメカニズム(機序)を解明したことは,学問上の成果はあるとしても,それ自体で,発明に新規性進歩性がもたらされるというものでもない。

4-3 したがって,相違点に係る構成とすることは,当業者が容易に想到できたものである。

第4 結言
以上のとおり,本願発明1(請求項1に係る発明)は,引用発明1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,また,本願発明2(請求項20に係る発明)についても,引用発明2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により,特許を受けることができない。したがって,その余の請求項について検討するまでもなく,本願は,拒絶をすべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-12-01 
結審通知日 2009-12-08 
審決日 2010-01-05 
出願番号 特願2000-344701(P2000-344701)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 萩原 周治  
特許庁審判長 相田 義明
特許庁審判官 近藤 幸浩
安田 雅彦
発明の名称 薄膜転移及び薄膜分離方法  
代理人 伊東 忠彦  

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