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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 A47G
管理番号 1222030
審判番号 不服2007-29425  
総通号数 130 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-10-04 
確定日 2010-09-03 
事件の表示 平成9年特許願第297640号「いぐさカラーベットパット」拒絶査定不服審判事件〔平成11年4月13日出願公開、特開平11-99048号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 I.手続の経緯
本願は、平成9年9月25日の出願であって、平成18年11月2日付けで拒絶理由が通知され、これに対し、平成19年1月11日に意見書及び手続補正がなされたが、同年3月22日付けで最後の拒絶理由が通知され、これに対し、同年6月4日に意見書が提出されたが、同年8月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

II.原査定の理由
原査定の拒絶の理由の概要は、「この出願については、平成19年 3月22日付け拒絶理由通知書に記載した理由によって、拒絶をすべきものです。」であって、該査定の根拠となった平成19年3月22日付けの拒絶理由の概要は、次のとおりである。
『平成19年1月11日付けでした手続補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。


1.【請求項1】について
「・・・ござのへりの全縁周部にファースナーを取り付け中に綿をいれ開閉自在にし厚さ7ミリ前後の・・・」という記載。
2.【請求項2】について
「・・・ござのへりの全縁周部にファースナーを取り付け・・・」という記載。
3.【請求項3】について
「今畑から採りだした、葉付き青首大根のカラー(白)・・・」という記載。
4.詳細な説明について
「・・・まむしや、たぬき、・・・」等全体的に願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでない点が散見される。』

III.当審の判断
1.特許請求の範囲の補正について
(1)平成19年1月11日付けの手続補正により請求項1に係る発明の発明特定事項とされた「ござのへりの全縁周部にファースナーを取り付け中に綿をいれ開閉自在にし厚さ7ミリ前後の」が願書に最初に添付した明細書又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて検討する。

当初明細書等には、上記発明特定事項に関し、以下の記載が確認される。
(ア)「井草は現在様々な織りがある、有名品で本袋織り、大目織り、掛川織り等、縦糸が330本の高密度の物から糸をポリプロピレンで太くした縦糸60本の織りまでメーカーによって種類も多い、井草は固さ柔らかさの面から考えると一概には言えないが日本産、日本の種子で取れた井草が柔らかさがあると聞及ぶ、ベットパットの目的を考えると柔らかい物を主流に、最近固いものを求める傾向にあり少しと考える。
であるから焦点を現在ベットパットの不足している清涼感と井草の性質に純粋に絞りたい。」(請求項1)

(イ)「いぐさ、両面井草(綿又はスモールフエザー等入)妨ダニ、抗菌、防臭加工された、いぐさ カラーベットパツトの誕生である。」(請求項1)

(ウ)「熱い夏涼しさを求めた両面井草(綿又はスモールフェザー等入)のベットパットに関するものである、そして各メーカに合わせて、シングル、セミダブル、ダブル等に大きさを調整します。シーツを掛けるときと、そうでないとき井草が生活空間に出てくる場合は両サイドにパツトメイク用の30CM位の布を付ける。」(発明の属する技術分野の欄)

(エ)「井草座蒲団、井草パツト、井草ゴザ、カラー井草」(従来の技術の欄)

(オ)「特許請求の範囲で記した、日本的井草のイメージをグレー、イエローグリーン、薄い明るいブルー等のカラーを付けて、いぐさ カラーベットパットとする。」(課題を解決するための手段の欄)

(カ)「ベツトマツトの上に各メーカのサイズに合わせて、いぐさ カラーベットパット、を乗せる、さらにシーツを掛ける。 それとシーツを掛けない場合生活空間を楽しく見せ井草の触感をそのまま実感出来るように身体に対して両サイドにファスナーを取付、約30cmのパツトメイク用の布でメイクする 。」(発明の実施の形態の欄)

(キ)図1に、いぐさベットパット本体1の長手方向両側部にファスナー3とパットメイク布2が取り付けられている態様が記載され、図2に、いぐさベットパット本体1の中に綿入4が入っている態様と、いぐさベットパット本体1の両側部にファスナー3とパットメイク布2が取り付けられている態様が記載されている。

上記摘記事項からして、当初明細書等には、いぐさを編むことや、いぐさ製のござについての断片的記載が存在し、さらに両面井草でその中に綿が入れられるとともに、その両サイドにファスナーや、パットメイク用の布が取り付けられるベットパットが記載されていると解することはできるものの、「いぐさで編んだ『ござ』」で「ベッドパット」を構成すること、「ござのへりの全縁周部にファースナーを取り付け・・・開閉自在に」すること、及びその「中に綿をいれ・・・厚さ7ミリ前後」とすることは記載されておらず、それらは当初明細書等の記載から自明でもない。
してみると、平成19年1月11日付けの手続補正により請求項1に係る発明の発明特定事項とされた「ござのへりの全縁周部にファースナーを取り付け中に綿をいれ開閉自在にし厚さ7ミリ前後の」は、当初明細書等に記載した事項の範囲内のものではない。

なお、念のために付言すると、当初明細書等には、平成19年1月11日付けの手続補正により請求項1に係る発明の発明特定事項とされた「いぐさで編んだござ2枚を両面にし」たもので「ベッドパット」を構成すること及びベットマットが「スプリングマット」であることも記載されておらず、それらは当初明細書等の記載から自明でもない。

(2)平成19年1月11日付けの手続補正により請求項2に係る発明の発明特定事項とされた「ござのへりの全縁周部にファースナーを取り付け」が、当初明細書等に記載した事項の範囲内のものではないことは、上記「(1)」の検討結果から明らかである。

(3)平成19年1月11日付けの手続補正により請求項3に係る発明の発明特定事項とされた「今畑から採りだした、葉付き青首大根のカラー(白)」が、当初明細書等に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて検討する。

当初明細書等には、上記発明特定事項に関し、摘記事項(オ)に加えて、以下の記載が確認される。
(ク)「そこで自然に発想すれば自然色は残し井草にカラーを付ける、ベットのイメージに合わせる、生活空間を楽しく、明るいイエローを受け入れられる部屋の環境であればそのカラーを、涼しさをイメージして眠るのなら明るい薄いブルー、グレー等に変化させる」(請求項1)

(ケ)「特許請求の範囲で記した、日本的井草のイメージをグレー、イエローグリーン、薄い明るいブルー等のカラーを付けて、いぐさ カラーベットパットとする。」(課題を解決するための手段の欄)

(コ)「グレイのカラーの、いぐさ ベツトパツトで眠ろうとすると、涼しいイメージと事実井草の香りと、びんやりさらつとした清涼感がられる。」(実施例の欄)

上記摘記事項からして、当初明細書等には、いぐさベットパットの色(カラー)に関し、自然色は残すことや、井草に明るいイエロー、グレー、イエローグリーン、薄い明るいブルー等の色を付けることについての断片的記載は存在するものの、「いぐさのござ」に色を付けることは記載されておらず、しかもその色を「今畑から採りだした、葉付き青首大根のカラー(白)」とすることは記載されていない。そして、それらは当初明細書等の記載から自明でもない。
してみると、平成19年1月11日付けの手続補正により請求項3に係る発明の発明特定事項とされた「今畑から採りだした、葉付き青首大根のカラー(白)」は、当初明細書等に記載した事項の範囲内のものではない。

なお、念のために付言すると、当初明細書等には、平成19年1月11日付けの手続補正により請求項3に係る発明の発明特定事項とされた「いぐさのござカラーは、今畑から採りだした、葉付き青首大根のカラー・・・(黄緑)、(みどり)、とする」こと及び「片面をたたみ色をのこす」ことも記載されておらず、それらは当初明細書等の記載から自明でもない。

2.発明の詳細な説明の補正について
(1)平成19年1月11日付けの手続補正により、発明の詳細な説明には、例えば次の記載が加えられている。

(a)「全く関係はないのである、まむしや、たぬき、いのししが住む原始の森に毎日、朝、散歩にいく人がいる。原始の森につながる3m位の橋がある、橋の下には数センチほどの透明の水が流れてていて、橋の上には何故かブロックのいすが2個ある。そこでコーヒーを飲みながら透明の水の流れを見る、そして前をみると原始の森側に自転車が止まっている。その自転車になぜか、いぐさ と書かれたシールが貼つてある。自転車は初め一輪車からと聞き及ぶ。それが進化して現在は二輪車であると・・・・・・・「いぐさ2枚両面にして・・・・・・・」これは考えすぎだと思う、されど毎日約5年も続いている。」(発明の属する技術分野の欄)

(b)「この文化の衝突を緩和し睦にするのに日米欧共通のカラーをいぐさ1本1本に付けて編んでいく、でそのカラーとは、インテリア普通のカラー3原色と1のカラーと信じて疑がわないカラー
1、土地(ベージュ)から植物の生長点であるべく芽(白)が太陽の光にあたつて(黄緑)、(緑)、と変化する。
この現象は疑似実験で証明できる、青首大根は(白)太陽が少し当たる部分は(黄緑)、そして葉は(緑)。
2、土地(ベージュ)に(黄緑)・(みどり)の雑草が成長しているそこに朝露、明るい透明に近い(白い)水玉が乗っている。
3、土地(ベージュ)に(きみどり)・(みどり)の雑草がはえている、そこにくもの巣がある(白い)水玉がのっている。
4、枯れ木(ベージュ)に(きみどり)・(みどり)の木々が立ち並ぶ小さな滝(白い)波が立つ。
5、(土地)ベージュがある(きみどり)・(みどり)の雑草がはえている、そこに朝(白い)霜がおりる。
6、土地に(ベージュ)の枯れ葉が降り積もる、(黄緑)・(緑)の木々が立ち並ぶ、やがて(白い)雪につつまれる。
7、(ベージュ)の山奥の畑に(きみどり)・(みどり)の雑草がはえる、水がのこっている部分に(白い)氷がはる。
8、山に(ベージュ)の枯れ葉が降り積もる(緑)・(きみどり)水草がある、冬の朝木漏れ日の中太陽が(白く)輝く。
9、(ベージュ)の土地(ベージュ)の天然の芝生(きみどり)・(みどり)の雑草、広範囲に広がった霜柱(白)は冷気は怒りくるった心を静めてくれる。
10、(ベージュ)枯れ葉が乗っかる竹のささの葉(みどり)・まだのこってい菖蒲の(きみどり)の葉そして透明の水が流れる・・・・すこし窪みを通るとき(白い)波をたてる。
(ベージュ)・(白)・(きみどり)・(みどり)このラインである。
普通にインテリアからの目では収穫時ベージュ色のいぐさが畳色になった時、きみどり、うすみどり等のカラーを付けたとき季節は厳寒の冬を乗りり越え田や畑、森にあぜ道に黄緑・緑が消滅しかけ期を同じくいぐさは、鶯の声とともに春をつげる。いぐさが告知する春、待ちに待った春が来たた、{喜びの春が来た}、春がきて夏が来るで終わっている
。・・・・・・
ではあるがしばし猶予の夏がある、秋がくるから忘れてしまう、そしてこの夏の季節を追及しているのである、色で寒・暖の区別をするという視覚を持っている、インテリア色彩の3原色と1のカラー(ベージュ・白・きみどり・みどり)の中でいぐさが忘れざるをえなかつたカラー(しろ)が無い、これは歴史上の知恵だとはおもわれる☆ ☆ ☆、ではあるがこの案件に対しては欧米(ベット)に対して知恵をおやすみしていただく。
秋から冬にかけて発生する(白)(霜・霜柱・白い水玉・くもの巣にのった白い水玉・氷・滝の波・小川のせせらぎ・雪・そして冬の朝の白い太陽陽)、相模湾が待つ夏、白いヨット、白い帆、太平洋の白い波の季節までこの寒気を(白)に閉じ込める。そして、なぜか、このカラーは日米欧共通のカラーになりうる。
(ベージュ)・(白)・(きみどり)・(みどり)、ベージュは日本家屋には多く見られる、であるから外し(きみどり・みどり・白)をござのカラーとする。」(課題を解決するための手段の欄)

しかしながら、上記摘記事項(a),(b)は、いずれも当初明細書等に記載されておらず、当初明細書等の記載から自明でもない。
してみると、平成19年3月22日付け拒絶理由で指摘されたように、発明の詳細な説明には、『「・・・まむしや、たぬき、・・・」等全体的に』当初明細書等『に記載した事項の範囲内においてしたものでない点が散見される』といえる。

なお、念のために付言すると、平成19年1月11日付けの手続補正により、発明の詳細な説明及び図面には、補正された請求項1?3に対応する事項が加えられているが、これらが当初明細書等に記載した事項の範囲内でないことは、上記「1.特許請求の範囲の補正について」の検討結果から明らかである。

IV.むすび
したがって、平成19年1月11日付けの手続補正は、当初明細書等の範囲内においてしたものではなく、平成14年法律第24号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たさない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-10-23 
結審通知日 2009-11-10 
審決日 2009-11-24 
出願番号 特願平9-297640
審決分類 P 1 8・ 561- Z (A47G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 村山 睦  
特許庁審判長 横林 秀治郎
特許庁審判官 岩田 洋一
蓮井 雅之
発明の名称 いぐさカラーベットパット  

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