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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1223671
審判番号 不服2007-32194  
総通号数 131 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-11-29 
確定日 2010-09-16 
事件の表示 特願2002-221087「半導体装置の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 2月26日出願公開、特開2004- 63863〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成14年7月30日の特許出願であって、平成19年7月23日付けで手続補正がなされたが、同年10月23日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、同年11月29日に拒絶査定に対する審判が請求されるとともに、同年12月27日付けで手続補正がなされ、その後、平成22年4月7日に審尋がなされ、同年6月4日に回答書が提出されたものである。

2.補正の却下の決定
【補正の却下の決定の結論】
平成19年12月27日付けの手続補正を却下する。

【理由】
(1)補正の内容
平成19年12月27日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、補正前の特許請求の範囲の請求項1?11を補正後の特許請求の範囲の請求項1?7に補正するものであり、補正前後の請求項1は以下のとおりである。

(補正前)
「【請求項1】半導体基板内の少なくとも一部に、不純物を含み、赤外線を吸収するフリーキャリア吸収層を形成する工程(a)と、
上記半導体基板表面の上方から赤外線を照射することにより上記半導体基板に所定のプロセス温度で熱処理を加える工程(b)とを含み、
上記工程(b)は、
上記半導体基板の裏面から発せられる赤外放射光を検知する工程(b1)と、
上記赤外放射光の強度から上記半導体基板の温度を測定して上記赤外線の出力を制御する工程(b2)とを含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。」

(補正後)
「【請求項1】シリコン基板からなる半導体基板内の少なくとも一部に、平均濃度が3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下である不純物を含み、波長が0.2μm以上5.0μm以下の範囲にある赤外線を吸収し、厚さが3μm以上であるフリーキャリア吸収層を形成する工程(a)と、
上記半導体基板表面の上方から赤外線を照射することにより上記半導体基板に所定のプロセス温度で熱処理を加える工程(b)とを含み、
上記工程(b)は、
上記半導体基板の裏面から発せられる赤外放射光を検知する工程(b1)と、
上記赤外放射光の強度から上記半導体基板の温度を測定して上記赤外線の出力を制御する工程(b2)とをさらに含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。」

(2)補正事項の整理
(2-1)補正事項1
補正前の請求項1の「半導体基板内の少なくとも一部に、不純物を含み、赤外線を吸収するフリーキャリア吸収層を形成する工程(a)」を、補正後の請求項1の「シリコン基板からなる半導体基板内の少なくとも一部に、平均濃度が3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下である不純物を含み、波長が0.2μm以上5.0μm以下の範囲にある赤外線を吸収し、厚さが3μm以上であるフリーキャリア吸収層を形成する工程(a)」と補正すること。

(2-2)補正事項2
補正前の請求項2、7、8及び9を削除するとともに、補正前の請求項3?6、10及び11を、必要に応じて引用する請求項の番号を変更して、補正後の請求項2?7とすること。

(3)補正の目的及び新規事項の追加の有無について
(3-1)補正事項1
補正事項1は、補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項である「半導体基板内の少なくとも一部に、不純物を含み、赤外線を吸収するフリーキャリア吸収層を形成する工程(a)」に対して、技術的限定を付加したものであるから、特許法第17条の2第4項(平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項をいう。以下同じ。)第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、補正事項1により新たに付加された事項は、本願の願書に最初に添付した明細書(以下、本願の願書に最初に添付した明細書を「当初明細書」といい、本願の願書に最初に添付した明細書又は図面をまとめて「当初明細書等」という。)における特許請求の範囲の請求項3、9及び11に記載されているから、補正事項1は、当初明細書等に記載された事項の範囲内においてなされたものであることが明らかであり、特許法第17条の2第3項(平成14年法律第24号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項をいう。以下同じ。)に規定する要件を満たすものである。

(3-2)補正事項2
補正事項2は、特許法第17条の2第4項第1号に掲げる請求項の削除を目的とするものに該当し、同法第17条の2第3項に規定する要件を満たすものである。

(3-3)補正の目的及び新規事項の追加の有無についてのまとめ
以上検討したとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第3項及び第4項に規定する要件を満たすものであり、かつ、同法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものである。
したがって、本件補正による補正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち本件補正がいわゆる独立特許要件を満たすものであるか否かについて、以下において更に検討する。

(4)独立特許要件について
(4-1)補正後の発明
本件補正による補正後の請求項1?7に係る発明は、本件補正による補正後の明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?7に記載されている事項により特定されるとおりのものであり、そのうちの請求項1に係る発明(以下「補正発明」という。)は、請求項1に記載されている事項により特定される以下のとおりのものである。

「【請求項1】シリコン基板からなる半導体基板内の少なくとも一部に、平均濃度が3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下である不純物を含み、波長が0.2μm以上5.0μm以下の範囲にある赤外線を吸収し、厚さが3μm以上であるフリーキャリア吸収層を形成する工程(a)と、
上記半導体基板表面の上方から赤外線を照射することにより上記半導体基板に所定のプロセス温度で熱処理を加える工程(b)とを含み、
上記工程(b)は、
上記半導体基板の裏面から発せられる赤外放射光を検知する工程(b1)と、
上記赤外放射光の強度から上記半導体基板の温度を測定して上記赤外線の出力を制御する工程(b2)とをさらに含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。」

(4-2)引用刊行物に記載された発明
(4-2-1)本願の出願前に日本国内において頒布され、原査定の根拠となった拒絶の理由において引用された特開平7-272990号公報(以下「引用例」という。)には、図6?10とともに以下の記載がある。
(4-2-1-1)「【0001】
【産業上の利用分野】単一ウエーハの急速熱処理(RTP)は、例えば熱酸化および窒化エピタキシャル成長、接合の徐冷、ケイ化物の形成/徐冷、CMOS(相補型金属酸化物半導体)の完全形成、急熱化学堆積法(RTCVC)、などの各種の応用において重要な製造技術となってきている。半導体の小規模工場や従来の工場の環境の中などにおいて、全フロー単一ウエーハの集積化処理に主力が注がれてきた。
【0002】
【従来の技術】RTPにおける1つの重要な要件は、再現性があって正確な温度の測定および制御を行なうことである。ウエーハのパターンや工程が温度の測定および均一で再現性のあるRTP法による製造工程のための制御に影響を与えないようにするための一つの方法として、RTP照明器に挿入されウエーハの裏面を調べるための光パイプにより、ウエーハの多点の温度を測定している。
【0003】従ってRTP中のウエーハの裏面の状態や、裏面の特性の変化は、ウエーハの温度の測定の精度と再現性に強い影響を与えるものである。更に、ウエーハの裏面の放射率と表面状態の均一性は、通常高温度測定に強い影響を与え、従ってRTPの均一度とウエーハ間の工程の再現性に強い影響を与える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】半導体装置の集積化製造手順には多数のRTP製造段階が含まれる。従来の集積化技術では、集積、成長、エッチング工程によりウエーハの裏面の構造と放射率がいろいろ変化する。従って集積化工程中に裏面の放射率が再現性があって均一でほとんど変化やドリフトがないようにするために、半導体ウエーハの裏面の適切な前処理が必要ある。
【0005】ウエーハの裏面に単一の二酸化ケイ素層を持つウエーハは市販されている。しかし、単一酸化物層は不純物の外方拡散(従って工程間とウエーハ間の相互汚染)を防ぐのに役立つだけであって、RTP法による集積化処理に対して工程の裏面放射率および表面状態を均一にするという上に述べた他の要求には応えない。」

(4-2-1-2)「【0016】以下に開示するのは、例えば不純物濃度の低いp(p^(-))とn(n^(-))型のバルク半導体ウエーハに適用できる第1の望ましい裏面調製法である。説明は、工程に従って生成される構造の断面を示す図6から図10を参照して行なう。
【0017】1)TEOS(4エチル・オルソ・ケイ酸塩)などを用いたよく知られたLPCVD法により、ウエーハの上面(表面)と下面(裏面)に酸化ケイ素層6を堆積する。また酸化物層は、高圧熱酸化(HIPOX)によって作ることもできる。酸化物の厚さは0.1ミクロン(1000オングストローム)でよい。
【0018】2)LPCVD法を用いて、ウエーハの前面と裏面に窒化ケイ素層10を堆積する。
【0019】3)裏面のp^(-)基板に対して、p型不純物ホウ素のイオン注入を行なう。または裏面のn^(-)基板に対して、n型不純物(リン)のイオン注入を行なう。例えば不純物の濃度の低いp^(-)型基板に対しては、200-400KeVで1cm^(2)当り5×10^(15)から5×10^(16)のホウ素原子の注入を行なってよい。この工程により、基板の裏面には不純物濃度の高い層14が形成される。
【0020】4)ウエーハの裏面をホトレジスト12で被膜する(これは任意である)。
【0021】5)表面の窒化物層10をエッチングで除く。これはよく知られたプラズマエッチング法で行なうことができる。片側プラズマエッチングを用いる場合は、ウエーハの裏面のホトレジストマスクはなくてよい。
【0022】6)HFエッチング液を用いて表面の酸化物層6を除き、次にホトレジスト12を除く。
【0023】7)ウエーハの前加熱清浄を行なった後、注入徐冷を行い、裏面の不純物を活性化し注入する。
【0024】8)これでウエーハは、RTP法による装置の集積化処理の準備ができた。裏面のp^(+)層は、赤外線エネルギーがウエーハを透過するのを防ぐのに用いる。高温計による温度測定は、ウエーハの放射率に非常に敏感である。バルク(または少なくともその厚み方向)の不純物濃度が高くなければ、赤外線放射率はバルクウエーハへのドーピングによっても変わる。従って、裏面がp^(+)またはn^(+)不純物層を持つウエーハは、一層不伝導性又は不透明である。
【0025】従って、ウエーハの裏面は不伝導性であることが望ましい。酸化物/窒化物の層があると、高温度の熱処理中に、ホウ素のp^(+)不純物外方拡散や相互汚染の影響を防ぐことができる。更に窒化ケイ素が酸化を妨げるので、これらの層はウエーハの裏面に酸化物が成長するのを防いでいる。最後の製造工程において集積化工程中裏面の酸化物/窒化物層は変わらず均一である。
【0026】裏面の酸化物/窒化物層は、最後に裏面の金属被覆を行なう前に取り除くことができる。このような状件により、多数のRTP工程を用いた単一ウエーハ集積化処理中の高温計による温度の測定と校正が簡単になる。必要があれば、高濃度の不純物(すなわちホウ素)をウエーハの裏面に注入する(またはウエーハ裏面近くの不純物濃度の高い層、すなわち裏面のp^(+)層を形成する)ために必要な高温徐冷は、本来の集中(gathering thermal cycle)と組み合わせることができる。これにより、熱徐冷工程を別に行なう必要がなくなる。」
「【0047】
【効果】本発明の効果は次の通りである。
【0048】1. 均一で再現性のよい裏面放射率が得られる。」

(4-2-2)ここにおいて、0016段落以降に記載された「第1の望ましい裏面調製法」についてみると、引用例には、「ウエーハ」を構成する「基板」がどのような材料からなるものであるのかについての直接的な記載はないが、一般に、半導体の技術分野においては、特に断りがない限り、「基板」がシリコン基板を意味するものであることは当業者における技術常識であるとともに、0017段落の「TEOS(4エチル・オルソ・ケイ酸塩)などを用いたよく知られたLPCVD法により、ウエーハの上面(表面)と下面(裏面)に酸化ケイ素層6を堆積する。また酸化物層は、高圧熱酸化(HIPOX)によって作ることもできる。」という記載から判断して、引用例の「ウエーハ」を構成する「基板」は、「高圧熱酸化(HIPOX)」を行うことにより「酸化ケイ素層」を形成することができるものであるから、引用例の「ウエーハ」を構成する「基板」がシリコン基板であるものと認められる。

また、0002段落の「【従来の技術】RTPにおける1つの重要な要件は、再現性があって正確な温度の測定および制御を行なうことである。ウエーハのパターンや工程が温度の測定および均一で再現性のあるRTP法による製造工程のための制御に影響を与えないようにするための一つの方法として、RTP照明器に挿入されウエーハの裏面を調べるための光パイプにより、ウエーハの多点の温度を測定している。」という記載、及び0004段落の「【0004】 【発明が解決しようとする課題】半導体装置の集積化製造手順には多数のRTP製造段階が含まれる。従来の集積化技術では、集積、成長、エッチング工程によりウエーハの裏面の構造と放射率がいろいろ変化する。従って集積化工程中に裏面の放射率が再現性があって均一でほとんど変化やドリフトがないようにするために、半導体ウエーハの裏面の適切な前処理が必要ある。」という記載から、引用例においては、上記「第1の望ましい裏面調製法」により製造された「ウエーハ」に対して「RTP」を行うことが前提とされていることが明らかである。
そして、上記の0002段落の記載から、引用例において想定している急速熱処理(RTP)は、「ウエーハ」に対して「RTP照明器」により照射を行うものであって、「ウエーハの裏面を調べるための光パイプにより、ウエーハの多点の温度を測定」し、測定結果に基づいて「RTP照明器」を制御する工程を含むものであることが明らかである。

(4-2-3)以上を総合すると、引用例には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「不純物の濃度の低いp^(-)型シリコン基板に対して、200-400KeVで1cm^(2)当り5×10^(15)から5×10^(16)のホウ素原子の注入を行なうことにより、前記基板の裏面に不純物濃度の高い層14が形成されたウエーハを製造する工程、
前記ウエーハに対してRTP照明器により照射を行うことにより急速熱処理を行う工程とを含み、
前記急速熱処理を行う工程は、
前記ウエーハの裏面を調べるための光パイプにより、前記ウエーハの多点の温度を測定する工程と、
測定結果に基づいてRTP照明器を制御する工程とを更に含むことを特徴とする半導体装置の集積化製造手順。」

(4-3)補正発明と引用発明との対比
(4-3-1)引用発明の「不純物の濃度の低いp^(-)型シリコン基板」、「不純物濃度の高い層14」は、各々補正発明の「シリコン基板からなる半導体基板」、「フリーキャリア吸収層」に相当する。
そして、引用例の「8)これでウエーハは、RTP法による装置の集積化処理の準備ができた。裏面のp^(+)層は、赤外線エネルギーがウエーハを透過するのを防ぐのに用いる。」(0024段落)という記載から、引用発明の「不純物濃度の高い層14」は「赤外線エネルギーがウエーハを透過するのを防ぐ」ために設けられたものであることが明らかであるが、ここにおいて、「赤外線エネルギーがウエーハを透過するのを防ぐ」とは、赤外線を吸収することを意味するものであることは当業者にとって明らかであるから、引用発明の「不純物濃度の高い層14」は、補正発明の「フリーキャリア吸収層」と同様に、赤外線を吸収する機能を有していることが明らかである。
したがって、引用発明の「不純物の濃度の低いp^(-)型シリコン基板に対して、200-400KeVで1cm^(2)当り5×10^(15)から5×10^(16)のホウ素原子の注入を行なうことにより、前記基板の裏面に不純物濃度の高い層14が形成されたウエーハを製造する工程」は、補正発明の「シリコン基板からなる半導体基板内の少なくとも一部に、平均濃度が3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下である不純物を含み、波長が0.2μm以上5.0μm以下の範囲にある赤外線を吸収し、厚さが3μm以上であるフリーキャリア吸収層を形成する工程(a)」に対応しており、両者は「シリコン基板からなる半導体基板内の少なくとも一部に、」「不純物を含み、」「赤外線を吸収」する「フリーキャリア吸収層を形成する工程(a)」である点で一致する。

(4-3-2)引用発明の「RTP照明器」が、赤外線ランプを備えており、赤外線が照射されるものであることは当業者の技術常識であり、また、引用発明の「急速熱処理」があらかじめ計画されたプロセス温度で行われること、すなわち本願発明のように「所定のプロセス温度」で行われることは当業者にとって自明である。
そして、引用発明において、「前記ウエーハに対して」熱処理を行えば、「前記ウエーハ」を構成する「不純物の濃度の低いp^(-)型シリコン基板」に対しても熱処理が行われることは明らかであるから、引用発明の「前記ウエーハに対してRTP照明器により照射を行うことにより急速熱処理を行う工程」は、補正発明の「上記半導体基板表面の上方から赤外線を照射することにより上記半導体基板に所定のプロセス温度で熱処理を加える工程(b)」に対応しており、両者は、「上記半導体基板表面」に「赤外線を照射することにより上記半導体基板に所定のプロセス温度で熱処理を加える工程(b)」である点で一致する。

(4-3-3)引用発明の「前記ウエーハの裏面を調べるための光パイプにより、前記ウエーハの多点の温度を測定する工程と、 測定結果に基づいてRTP照明器を制御する工程」についてみると、ここにおいて、「前記ウエーハの裏面を調べるための光パイプにより、前記ウエーハの多点の温度を測定する」とは、「前記ウエーハの裏面を調べるための光パイプにより」「前記ウエーハの裏面を調べ」、調べた結果に基づいて「前記ウエーハの多点の温度を測定する」ことを意味するものであることは自明である。
そして、「前記ウエーハの裏面を調べるための光パイプにより」「前記ウエーハの裏面を調べ」るとは、具体的には、「前記ウエーハの裏面」から発せられる赤外放射光を検知することを意味するものであることは当業者にとって明らかである。
以上のことを踏まえ、引用発明の「前記ウエーハの裏面を調べるための光パイプにより、前記ウエーハの多点の温度を測定する工程と、 測定結果に基づいてRTP照明器を制御する工程」と、補正発明の「上記半導体基板の裏面から発せられる赤外放射光を検知する工程(b1)と、 上記赤外放射光の強度から上記半導体基板の温度を測定して上記赤外線の出力を制御する工程(b2)」とを対比すると、引用発明の「前記ウエーハの裏面を調べるための光パイプにより」「前記ウエーハの裏面を調べ」る工程の部分が、補正発明の「上記半導体基板の裏面から発せられる赤外放射光を検知する工程(b1)」に相当し、引用発明の調べた結果に基づいて「前記ウエーハの多点の温度を測定する工程と、 測定結果に基づいてRTP照明器を制御する工程」の部分が、補正発明の「上記赤外放射光の強度から上記半導体基板の温度を測定して上記赤外線の出力を制御する工程(b2)」に相当するものと認められる。
また、引用発明の「半導体装置の集積化製造手順」が補正発明の「半導体装置の製造方法」に相当することは、当業者にとって明らかである。

(4-3-4)したがって、補正発明と引用発明とは、
「シリコン基板からなる半導体基板内の少なくとも一部に、不純物を含み、赤外線を吸収するフリーキャリア吸収層を形成する工程(a)と、
上記半導体基板表面に赤外線を照射することにより上記半導体基板に所定のプロセス温度で熱処理を加える工程(b)とを含み、
上記工程(b)は、
上記半導体基板の裏面から発せられる赤外放射光を検知する工程(b1)と、
上記赤外放射光の強度から上記半導体基板の温度を測定して上記赤外線の出力を制御する工程(b2)とをさらに含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。」

である点で一致し、以下の点で相違する。
(相違点1)
「フリーキャリア吸収層」に関して、補正発明では、「平均濃度が3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下である不純物を含み、波長が0.2μm以上5.0μm以下の範囲にある赤外線を吸収し、厚さが3μm以上である」という数値限定がなされているのに対して、引用発明では、「200-400KeVで1cm^(2)当り5×10^(15)から5×10^(16)のホウ素原子の注入を行なうことにより」形成された「不純物濃度の高い」ものであるという特定がなされているが、不純物の平均濃度、吸収する赤外線の波長、及び厚さについての数値限定がなされていない点。

(相違点2)
補正発明は、「上記半導体基板表面の上方から赤外線を照射」しているのに対して、引用発明は、「RTP照明器」において、赤外線の照射がどの方向から行われるのかについて特定されていない点。

(4-4)相違点についての当審の判断
(4-4-1)相違点1について
(4-4-1-1)引用発明において、「不純物濃度の高い層14」により「赤外線エネルギーがウエーハを透過するのを防ぐ」(引用例の0024段落)という所期の目的を達成するためには、当該「不純物濃度の高い層14」において赤外線の十分な吸収が実現される必要があることは、当業者であれば当然に察知し得たことである。

ところで、一般に、半導体基板を加熱するために用いられる赤外線ランプから発せられる光の波長が、0.数μm?数μmの範囲にあることは、例えば、本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である下記周知文献1及び2に記載されているように、当業者において周知である。
(周知文献1:特開平7-321120号公報)
周知文献1には、以下の記載がある。
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコンウェーハの熱処理方法に関する。」
「【0010】上記昇降温プロファイルにおいて、ランプレートは50°C/sec以上であればよい。この昇温速度は非常に速いが、熱源として波長0.1?4μmのランプを用いているため、ウェーハは均一に加熱され、そりやスリップ発生が起こらない。また、温度Tは950?1200°C、好ましくは1000°Cとする。この場合、温度Tが950°C未満では効果がなく、1200°Cを超えるとスリップなどの問題が起こる。前記温度Tの保持時間tは1?60secとする。保持時間tが60secを超えてもよいが、効果は変わらない。なお、350°Cに加熱したランプアニール装置にシリコンウェーハを投入後、50°C/sec以上のランプレートでT°Cまで直線的に昇温させ、tsec保持した後ランプ出力を直ちに0%として500°Cまで直線的に降温させてもよい。」

(周知文献2:特開昭62-42519号公報)
周知文献2には、第2図とともに以下の記載がある。
「インコヒーレント光線例えばハロゲンランプ光線等は、コヒーレント光であるレーザービーム等と異なり波長に分布を持っている。この波長分布を第2図に示す。例示したインコヒーレント光線の光源は、赤外線照射ハロゲンランプ光であり、横軸に波長(μm),縦軸に強度(相対値で、ランプ電圧を144Vとしたときのピーク強度を1とする。)をとっている。」(3ページ左上欄20行?右上欄7行)
また、当該周知文献2の第2図には、赤外線照射ハロゲンランプから発せられる光の波長が、0.数μm?数μmの範囲にわたっていることが示されている。

(4-4-1-2)また、一般に、高濃度の不純物層を用いて赤外線を吸収するに当たり、不純物の濃度が高ければ高いほど、また、層が厚ければ厚いほど赤外線の吸収能力が高くなることは当業者にとって自明であるから、当該高濃度の不純物層を形成するに当たり、不純物濃度を十分に高くするとともに、十分厚くすることは、当業者であれば当然に想到し得ることであり、一例として、不純物層の濃度を10^(19)?10^(20)cm^(-3)程度の高濃度とし、層の厚さを数μm程度とすることも、例えば、本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である下記周知文献3及び4に記載されているように、当業者において周知である。
(周知文献3:特開平9-181352号公報)
周知文献3には、以下の記載がある。
「【0017】そして、シリコン基板11の他面11bには、P,As,Sb等のドナー不純物を高濃度で含んだ不純物含有シリコン層14が形成されている。この不純物含有シリコン層14のドナー不純物濃度は、5×10^(20)/cm^(3)以上とされている。この実施形態では、不純物含有シリコン層14は、シリコン基板11の他面11bにドナー不純物を拡散して形成されている。」
「【0022】なお、ドナー不純物の拡散処理は、ドナー不純物の濃度が高く、拡散深さが深いほど赤外線の吸収能力を増大することができるが、ドナー不純物の濃度は、上述した5×10^(20)/cm^(3)で充分であり、拡散深さは、1μmから5μm程度あれば良い。」

(周知文献4:特開2000-356544号公報)
周知文献4には、図3とともに以下の記載がある。
「【0053】図3は本発明の実施の形態の一実施例を、一部を切断して示す構成説明図である。図において、SOI基板1を構成するシリコン基板2の表面には、シリコン酸化膜3が形成され、シリコン酸化膜3の上にはシリコン活性層4が形成されている。
【0054】本実施例では、このシリコン活性層4に、高濃度(およそ5×1019/cm3)の不純物としてボロンをドープして蛇行状の測温部兼赤外線吸収部5を形成している。
【0055】測温部兼赤外線吸収部5の両端には、アルミニウム電極部6,7が設けられている。測温部兼赤外線吸収部5の下部のシリコン基板2とシリコン酸化膜3は、選択的に除去されて中空部8が形成されている。
【0056】本実施例では、測温部兼赤外線吸収部5の抵抗体幅:10μm、 line:space 1:1 抵抗体厚:1.7μm、 抵抗体の長さ(細い部分):1cm以上、 抵抗値20kΩ以上、 になっている。」

(4-4-1-3)したがって、上記周知技術を勘案すれば、引用発明において、赤外線を有効に吸収させるために、「不純物濃度の高い層14」について、不純物の平均濃度として「3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下」の値を採用すること、吸収する赤外線の波長(当該波長の光には、赤外線領域外の光も含まれているが、補正発明に倣ってこのように記載する。)として「0.2μm以上5.0μm以下」の値を採用すること、及び厚さとして「3μm以上」の値を採用することは、いずれも当業者にとって特段の困難性はない(引用発明において特定されている「200-400KeVで1cm^(2)当り5×10^(15)から5×10^(16)のホウ素原子の注入」という「不純物濃度の高い層14」の形成方法とも当然矛盾しない。)事項である。

(4-4-1-4)次に、補正発明において、「フリーキャリア吸収層」の平均濃度、吸収する赤外線の波長及び厚さに関してなされている「3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下」、「0.2μm以上5.0μm以下」及び「3μm以上」という、3つの数値限定により顕著な効果が生じているか否かについて検討する。
検討に先立ち、引用発明についてみると、引用発明も、「不純物濃度の高い層14」を設けることにより、赤外線を吸収させ、均一で再現性のよい裏面放射率を実現することにより、RTPにおける正確な温度の測定と制御を目指したものであるから、赤外線を有効に吸収させるために、「不純物濃度の高い層14」について、「3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下」の不純物の平均濃度、「0.2μm以上5.0μm以下」の吸収する赤外線の波長、及び「3μm以上」の厚さを採用すれば、本願の図3及び明細書の0049段落に記載されているような、予熱段階におけるウエハ面内での温度のばらつきを軽減するという効果を奏することは、当業者であれば当然に予測できたものである。
そこで、補正発明において、「フリーキャリア吸収層」の平均濃度、吸収する赤外線の波長及び厚さに関してなされている「3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下」、「0.2μm以上5.0μm以下」及び「3μm以上」という、3つの数値限定により、当業者の予測を超える顕著な効果が生じているか否かについて検討する。

(4-4-1-5)本願明細書の発明の詳細な説明において、上に述べた3つの数値限定と効果との関係について、図4とともに以下の記載がある。
「【0059】
次に、フリーキャリア吸収層2の適正な厚さについて行った検討結果を説明する。
【0060】
図4は、フリーキャリア吸収層の厚さと基板温度のばらつきとの関係を示す図である。図中で「Pre-Heat」と示すのは昇温段階での温度のばらつきであり、「Process」と示すのはプロセス温度処理段階での温度ばらつきである。なお、フリーキャリア吸収層に含まれる平均不純物濃度は3×10^(18)cm^(-3)である。
【0061】
図4から分かるように、昇温段階においては、フリーキャリア吸収層の厚さが3μmを境にして基板温度のばらつき具合が大きく異なっている。すなわち、厚さが3μm以上の場合、基板温度のばらつきは2?3℃以内でほぼ一定になっている。
【0062】
プロセス温度処理段階でも、昇温段階と同じく、フリーキャリア吸収層の厚さが3μm未満では温度のばらつきが大きいが、3μm以上では温度のばらつきは約0.2℃以内でほぼ一定になっている。
【0063】
この結果から、フリーキャリア吸収層の厚さは、3μmであることが最も好ましいことが分かった。ただし、基板温度のばらつきが3℃程度でも半導体装置の製造に有用であるので、フリーキャリア吸収層の厚さは1μm以上であればよい。
【0064】
一方、フリーキャリア吸収層に適した不純物濃度の範囲は3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下である。一般に、フリーキャリア吸収が起こる不純物濃度は3×10^(18)cm^(-3)以上とされており、また、5×10^(22)cm^(-3)がSi中の不純物の固溶限界であるからである。
【0065】
また、フリーキャリア吸収はp型、n型どちらの不純物でも起こるため、本実施形態の方法におけるフリーキャリア吸収層中の不純物は、p型、n型どちらでもよい。不純物としては、P(リン)の他、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、B(ボロン)、In(インジウム)などが用いられる。
【0066】
また、フリーキャリア吸収層2は半導体基板1の下部に限らず内部や上部に設けられていても、赤外光を吸収する能力は同じである。」

以上の記載によれば、平均不純物濃度が3×10^(18)cm^(-3)である「フリーキャリア吸収層」については、その厚さが、3μmを境として、それよりも厚い場合に、薄い場合と比較して基板温度のばらつきが非常に少なくなるという効果を有するものと認められる。
しかしながら、基板温度のばらつきが非常に少なくなるのは、「フリーキャリア吸収層」の平均不純物濃度を3×10^(18)cm^(-3)とした場合であって、本願明細書及び図面を精査しても、補正発明のように、「フリーキャリア吸収層」の平均不純物濃度が「3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下」という範囲にある場合において、平均不純物濃度が3×10^(18)cm^(-3)である場合と同様に、当該「フリーキャリア吸収層」の厚さが、3μmを境として、それよりも厚いと基板温度のばらつきが非常に少なくなることは、本願の明細書又は図面に記載されておらず、また、当業者にとって自明な事項とも認められない。
したがって、補正発明において、「フリーキャリア吸収層」の平均濃度、吸収する赤外線の波長及び厚さに関してなされている「3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下」、「0.2μm以上5.0μm以下」及び「3μm以上」という、3つの数値限定による効果は、当業者が当然に予測できた程度のものであり、それを超えるような顕著な効果が生じているとは認められない。

以上のとおりであるから、補正発明において、「フリーキャリア吸収層」の平均濃度、吸収する赤外線の波長及び厚さに関してなされている「3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下」、「0.2μm以上5.0μm以下」及び「3μm以上」という3つの数値限定が臨界的意義を有しているとは認められない。

(4-4-1-6)以上検討したとおり、引用発明において、赤外線を有効に吸収させるために、「不純物濃度の高い層14」について、不純物の平均濃度として「3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下」の値を採用すること、吸収する赤外線の波長として「0.2μm以上5.0μm以下」の値を採用すること、及び厚さとして「3μm以上」の値を採用することは、周知技術を勘案すれば、当業者にとって特段の困難性はなく、かつ、「フリーキャリア吸収層」の平均濃度、吸収する赤外線の波長及び厚さに関してなされている「3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下」、「0.2μm以上5.0μm以下」及び「3μm以上」という数値限定は臨界的意義を有しないから、引用発明において、「不純物濃度の高い層14」を、補正発明のように、「平均濃度が3×10^(18)cm^(-3)以上5×10^(22)cm^(-3)以下である不純物を含み、波長が0.2μm以上5.0μm以下の範囲にある赤外線を吸収し、厚さが3μm以上である」ものとすることは、当業者が容易になし得たことである。
したがって、相違点1は当業者が容易になし得た範囲に含まれる程度のものである。

(4-4-2)相違点2について
(4-4-2-1)一般に、RTPのためにウエハを赤外線で加熱するに当たり、加熱用の赤外線を上方から照射することは、例えば、本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である特開2001-77037号公報(以下「周知文献5」という。)の図1にも記載されているように、当業者における周知技術(赤外線の照射手法として、最もよく用いられるものの一つ)である。
したがって、当該周知技術を勘案すれば、引用発明において、本願発明のように、「上記半導体基板表面の上方から赤外線を照射」する構成とすることは、当業者が容易になし得たことであり、相違点2は、当業者が容易になし得た範囲に含まれる程度のものである。

(4-4-2-2)なお、これに関連して、審判請求人は、前記回答書の(2)(b)において、補正発明が進歩性を有することの根拠として、「半導体基板の表面から赤外線を照射した場合、表面側に位置する膜がまず加熱され、表面部を透過した光がフリーキャリア濃度の高い基板を加熱し、最終的には基板からの熱伝導によりウエハは一定温度になります。 しかし、裏面から照射した場合、光は基板のフリーキャリア濃度の高い部分ですべて吸収され、表面側の膜には到達しません。この場合、表面側の膜は基板からの熱伝導のみによって加熱されます。長時間経過後にはどちらの場合も表面側の膜の温度は同じになりますが、RTPのごとき過渡的な処理(数秒?数十秒)ではこの差は致命的な差となりえます。よって本願発明で光を基板の上方から照射することには意味があり、引用文献1の方法では得られない大きな効果が期待できます。」と主張している。

そこで、これについて検討すると、補正発明においては、「フリーキャリア吸収層」を形成する箇所は、「半導体基板内の少なくとも一部」であって、半導体基板の裏面ではないから、審判請求人が主張する効果は、補正発明の構成と対応しないものであり、採用することができない。
また、仮に、補正発明において、「フリーキャリア吸収層」が半導体基板の裏面に形成されるものであるとみなした場合であっても、上方から赤外線を照射した方が、下方から赤外線を照射した場合に比べて、基板の表面側に赤外線が当たるため、より急速に基板表面側を加熱することができるという程度のことは、当業者であれば即座に察知し得たものと認められるから、審判請求人の主張は採用できない。

(4-4-3)判断についてのまとめ
以上検討したとおり、補正発明と引用発明との相違点は、周知技術を勘案することにより、当業者が容易になし得た範囲に含まれるものであるから、補正発明は、周知技術を勘案することにより、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(4-5)独立特許要件についてのまとめ
本件補正は、補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項をいう。以下同じ。)の規定に適合しない。

(5)補正の却下の決定についてのむすび
以上、検討したとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合しないものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成19年12月27日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?11に係る発明は、平成19年7月23日付けの手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?11に記載されている事項により特定されるとおりのものであり、そのうちの請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、請求項1に記載されている事項により特定される、上記2.(1)の「(補正前)」の箇所に記載したとおりのものである。
一方、本願の出願前に日本国内において頒布され、原査定の根拠となった拒絶の理由において引用された特開平7-272990号公報(引用例)には、上記2.(4-2)に記載したとおりの事項、及び発明(引用発明)が記載されているものと認められる。
そして、本願発明に対して技術的限定を加えた発明である補正発明は、上記2.(4)において検討したとおり、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も当然に、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本願発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

4.むすび
以上のとおりであるから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、上記結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-07-09 
結審通知日 2010-07-13 
審決日 2010-08-02 
出願番号 特願2002-221087(P2002-221087)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H01L)
P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 和瀬田 芳正  
特許庁審判長 北島 健次
特許庁審判官 安田 雅彦
近藤 幸浩
発明の名称 半導体装置の製造方法  
代理人 前田 弘  
代理人 竹内 宏  
代理人 二宮 克也  
代理人 井関 勝守  
代理人 嶋田 高久  
代理人 原田 智雄  
代理人 藤田 篤史  
代理人 今江 克実  
代理人 竹内 祐二  
代理人 杉浦 靖也  
代理人 関 啓  
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