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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) E06B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) E06B
管理番号 1225677
審判番号 不服2008-11094  
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-05-01 
確定日 2010-10-18 
事件の表示 特願2000-529518「多層シートガラスユニットおよびその形成方法」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 8月 5日国際公開、WO99/39072、平成14年 1月22日国内公表、特表2002-501999〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【1】手続きの経緯
本願は、平成11年1月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1998年1月30日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成20年1月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月1日に審判請求がなされたものである。
その後、平成21年12月18日付けで当審による拒絶理由の通知がなされ、それに対して平成22年4月22日付けで意見書及び手続補正書が提出された。

【2】判断
[1]進歩性
1.本願発明
本願の請求項1に係る発明は、平成22年4月22日付けの手続補正によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「シート保持部材であって、
垂直止め部および平坦面を有するシート嵌合部材と、
前記平坦面に固定可能で、垂直止め部と協働して溝を形成する固定部材とを備え、
前記シート嵌合部材と固定部材により前記シートの縁部を前記溝内の固定位置へ保持するシート保持部材。」
(以下「本願発明」という。)

2.引用文献に記載の発明
本願出願前に独国内において頒布された刊行物であり、当審の拒絶理由通知で引用された独国特許第1908567号明細書(以下「引用文献1」という。)には、特に21図に示された実施例及びその説明(特に16、17頁の記載)を参照すると、以下の発明が記載されていると認められる。
「ガラス板(12)を保持する窓枠であって、
ガラス板の一側面に当接する垂直な内壁部(164)およびキー溝(178)が形成された水平な上面部(160)を内壁部下端に有する基部(152)と、
上記上面部のキー溝に嵌って固定される楔形の底辺(174)を有し、内壁部と協働してガラス板の縁の位置を保持する押縁(168)とを備えた、
ガラス板を保持する窓枠。」(以下「引用文献1記載の発明」という。)

3.対比・判断
本願発明と、上記引用文献1記載の発明を比較すると、引用文献1記載の発明の「ガラス板12を保持する窓枠」、「垂直な内壁部164」、「水平な上面部160」、「基部152」、「上面部160のキー溝178に嵌って固定される」、「押縁168」は、それぞれ、本願発明1の「シート保持部材」、「垂直止め部」、「平坦面」、「シート嵌合部材」、「平坦面に固定可能で」、「固定部材」に相当する。また、本願発明の「シート嵌合部材の垂直止め部と協働して溝を形成する固定部材とを備え、前記シート嵌合部材と固定部材により前記シートの縁部を前記溝内の固定位置へ保持する」と引用文献1記載の発明の「内壁部と協働してガラス板の縁の位置を保持する押縁」はともに、「シート嵌合部材の垂直止め部と固定部材との協働によりシートの縁部を固定位置へ保持」する点で共通する。
したがって両者は、
「シート保持部材であって、
垂直止め部および平坦面を有するシート嵌合部材と、
前記平坦面に固定可能で、シート嵌合部材の垂直止め部と固定部材との協働によりシートの縁部を固定位置へ保持するシート保持部材。」
の点で一致し、下記の点で相違している。
<相違点>
本願発明では、垂直止め部と固定部材との協働により溝を形成し、シートの端部を該溝内の固定位置へ保持するのに対して、引用文献1記載の発明では、内壁部(本願発明の「垂直止め部」に相当)と押縁(同「固定部材」に相当)とが協働してガラス板の縁(同「シートの縁部」に相当)を固定位置へ保持しているものの、溝内に保持してはいない点。

上記相違点について検討する。
シートの縁部を固定位置へ保持するシート保持部材において、固定部分を溝として形成することは、ごく普通に行われている周知技術(当審の拒絶理由通知に引用した引用文献2:特開平7-172877号公報参照)である。引用文献1記載の発明に当該周知技術を適用することにより、上記相違点に係る構成を採用することは、当業者が容易になし得る事項である。

そして、本願発明全体の効果も、引用文献1記載の発明及び周知技術から当業者が予測し得る範囲のものであって格別なものではない。

4.進歩性に対する結論
以上のとおり、本願発明は、引用文献1記載の発明及び周知技術から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

[2]記載要件
1.拒絶理由
当審の上記拒絶理由の[理由2]の2.は、「請求項3の記載は構成が不明である。」というものである。

2.請求項3の記載
本願の請求項3の記載は、平成22年4月22日付けの手続補正により、次のものに補正された。
「多層シートガラスユニットを作成する方法であって、
スペーサ枠を設けるステップを含み、ベースと1対の隔置された脚部を含み、該1対の脚部は前記ベースに固定され、前記ベースの外面は前記スペーサ枠の外面を形成し、
前記方法は更に、
複数のシート保持部材を設けるステップを含み、シート保持部材の少なくとも1つが固定部材と、垂直止め部および非垂直のロック部材からなる縁止め部を有し、該固定部材と非垂直のロック部材は協働して溝を形成し、少なくとも一つのシート保持部材が前記溝の形状を保持する構造であり、
前記方法は更に、
前記複数のシート保持部材を、前記スペーサ枠のベースの内面から直立する第1及び第2の脚部上に支持するステップを含み、該複数のシート保持部材は互いに離隔され、前記ベースの内面から離れる方向に対向する前記非垂直のロック部材を有し、
前記方法は更に、
前記縁止め部に対してシートの縁部分にバイアスを与えるステップと、
固定部材を非垂直のロック部材に配置して、内部にシートの縁を受ける前記溝を形成するステップと、
外側シートをスペーサ枠の前記第1及び第2の脚部の各々の外面に固定して、多層シートガラスユニットを提供するステップとを含む方法。」

3.判断
上記請求項3の「複数のシート保持部材を設けるステップを含み、シート保持部材の少なくとも1つが固定部材と、垂直止め部および非垂直のロック部材からなる縁止め部を有し、該固定部材と非垂直のロック部材は協働して溝を形成し、少なくとも一つのシート保持部材が前記溝の形状を保持する構造であり、」の記載について検討する。
請求項1(上記【2】[1]1.参照)及び本願明細書の記載を参酌すれば、請求項1及び請求項3に記載された「固定部材」は、本願明細書及び図面に記載された「ロック部材282」に相当することは明らかである。また、上記意見書の「3.理由2について」の「 同「非垂直部分」に関して:本願の図13において参照符号282を付されたもので、本願明細書の段落0045等に「ロック部材」と記載され、段落0056に「ロックまたは固定部材」と記載されています。前記手続補正により、特許請求の範囲においては「非垂直のロック部材」と訂正し、明細書においては訂正を加えず、「ロック部材」、「ロックまたは固定部材」のままとしました。非垂直であることは図13等から明らかであります。」との記載によれば、請求項3に記載の「非垂直のロック部材」もまた「ロック部材282」に相当することになる。そして、上記意見書の主張に基づいて請求項3の上記記載を読み換えると、「複数のシート保持部材を設けるステップを含み、シート保持部材の少なくとも1つが固定部材と、垂直止め部および固定部材からなる縁止め部を有し、該固定部材と固定部材は協働して溝を形成し、少なくとも一つのシート保持部材が前記溝の形状を保持する構造であり、」という記載になるが、当該記載(特に下線部分参照)は、明らかに日本語として不自然であり、その指し示す技術的意味を明確に理解することができない。

4.記載要件に対する結論
してみると当該記載を含む本願請求項3に係る発明は、結局、その指し示す技術的意味が明確に定まらないから、明確であるとはいえない。したがって、本願は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

【3】むすび
以上のとおりであるから、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-05-24 
結審通知日 2010-05-25 
審決日 2010-06-07 
出願番号 特願2000-529518(P2000-529518)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (E06B)
P 1 8・ 537- WZ (E06B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 江成 克己  
特許庁審判長 神 悦彦
特許庁審判官 山本 忠博
山口 由木
発明の名称 多層シートガラスユニットおよびその形成方法  
代理人 浅村 肇  
代理人 森 徹  
代理人 田中 正  
代理人 浅村 皓  
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