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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G10K |
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管理番号 | 1236917 |
審判番号 | 不服2009-11174 |
総通号数 | 139 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-07-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-05-28 |
確定日 | 2011-05-27 |
事件の表示 | 特願2004-236220「カラオケ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 2月 2日出願公開、特開2006- 30927〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成16年7月20日の出願であって、平成21年4月2日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月29日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、平成22年7月30日付けで当審により拒絶理由が通知さ れ、これに対し、同年9月6日に意見書が提出されたものである。 2.本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成21年2月9日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「カラオケ装置本体に、歌い手側と視聴者側との各々側に映像装置を備えたことを特徴とするカラオケ装置。」 3.引用例 当審の拒絶の理由に引用された特開平10-149176号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の記載がなされている。 (1)「【特許請求の範囲】 …… 【請求項2】 一体型のボディの内部に装置本体、アンプを含む機器を収納するとともに、該ボディ正面に設けられたメインスピーカおよびリモコン受光部と、該ボディの上面に設けられた水平方向に回動可能なディスプレイ と、を有する一体型のカラオケ装置であって、 前記ディスプレイに、前記リモコン受光部から設定入力される動作モードを常時表示する動作モード表示エリアと、前記リモコン受光部から入力される前記動作モード以外の内容を逐次所定時間表示する入力内容表示エリアとを設けたことを特徴とするカラオケ装置。」 (2)「【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、歌詞表示用のディスプレイに装置のモードや入力内容が全て表示されるカラオケ装置に関し、特に、客室や宴会場などで移動して使用することができる一体型のカラオケ装置に関する。」 (3)「【0011】 【発明の実施の形態】図面を参照してこの発明の実施形態である可搬型通信カラオケ装置について説明する。図1は同カラオケ装置の概略構成図であ る。図2は同カラオケ装置の正面図である。図3は同カラオケ装置の平面図であり、トップパネルの構成を示す図である。図4は同トップパネルの回動状態を示す図である。 【0012】この可搬型通信カラオケ装置は、シェル形のボディ10の内部に装置本体2,アンプ3,メインスピーカ4をはじめカラオケ演奏に必要な全ての機器を収納しているとともに、ボディ10上面のトップパネルにディスプレイ5およびコントロールパネル6を有している。ディスプレイ5は液晶マトリクスのカラー表示器である。…… 【0013】また、図4に示すように、ディスプレイ5およびコントロールパネル6を含むトップパネルは、水平に時計回り180度,反時計回り180度の360度の範囲で回転可能になっている。これにより、歌唱者は任意の方向にディスプレイ5を向けて歌うことができる。たとえば、ディスプレイ5を正面方向に向けて聞き手と一緒に歌うこともできる。」 したがって、引用例には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「カラオケ装置本体に、歌い手側に映像装置を備えたことを特徴とするカラオケ装置。」 4.対比 本願発明と引用発明とを対比すると、 「カラオケ装置本体に、歌い手側に映像装置を備えたことを特徴とするカラオケ装置。」 である点で一致し、次の点で相違する。 相違点 本願発明は、視聴者側にも映像装置を備えているのに対して、引用発明には、視聴者側の映像装置について特定がない点。 5.相違点に対する判断 カラオケをするときに、視聴者側にも映像装置を備えることはよく知られたことであるし、当審の拒絶の理由に引用された実願平4-12923号 (実開平5-64899号)のCD-ROMに記載されているように、カラオケ用表示装置本体に、歌い手側と視聴者側との各々側に映像装置を備えたカラオケ用表示装置も公知のものであるから、引用発明のカラオケ装置も、そのカラオケ装置本体に、視聴者側に映像装置を備えることに困難な点はない。 なお、平成22年9月6日付けの意見書には、 「本願のカラオケ装置本体、歌い手側映像装置、視聴者側映像装置が一体となったものは、引用文献1.の出願及び公開から本願出願まで12年及び11年経っても、また、引用文献2.の出願及び公開から本願出願まで8年及び6年経っても、しかも、さらに本願出願から現在まで6年経っていても、文献も見当らず、現物も見聞していません。 従って、当業者が容易に発明することができたものとはいえません。」 と記載されているが、上記事項は、本願発明が特許法第29条第1項第1号ないし第3号の発明に該当しないこと、すなわち本願の特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明、公然実施をされた発明、又は頒布された刊行物に記載された発明でないことを示すものとしても、それから容易に発明をすることができたものではないことの根拠とはなり得ない。 6.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-11-10 |
結審通知日 | 2010-11-16 |
審決日 | 2010-11-30 |
出願番号 | 特願2004-236220(P2004-236220) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(G10K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 杉浦 拓真 |
特許庁審判長 |
加藤 恵一 |
特許庁審判官 |
伊藤 隆夫 板橋 通孝 |
発明の名称 | カラオケ装置 |