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審決分類 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 C04B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 C04B
管理番号 1237381
審判番号 不服2007-15414  
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-05-03 
確定日 2011-05-20 
事件の表示 平成11年特許願第219524号「廃棄セッコウボ-ドを原料とするセッコウ資材とその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 2月20日出願公開、特開2001- 48634〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年8月3日の出願であって、平成19年2月21日付けで拒絶査定が起案され(送達日は同年4月8日)、これに対し、同年5月7日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年6月1日付けで明細書の記載にかかる手続補正がなされ、平成21年12月4日付けで特許法第164条第3項に基づく報告書を引用した審尋が起案され(発送日は同年同月15日)、平成22年3月3日及び同年同月5日付けで上申書が提出され、同年同月12日付けで意見書が提出され、同年5月14日付け却下理由が起案され、同年同月25日付けで上申書が提出され、同年7月9日付けで却下の決定が起案され(送達日は同年同月30日)、同年11月1日に上申書が提出されたものである。

2.平成19年6月1日付け手続補正についての補正の却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成19年6月1日付けの手続補正(以下、必要に応じて「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
平成19年6月1日付けの手続補正は、願書に添付した明細書の特許請求の範囲
「【請求項1】
セッコウを50重量[%]以上含む廃棄セッコウボ-ドを、原料とし、それを圧縮破砕機により30[mm]以下に破砕した後、トロンメル分級機により、紙類を分別除去したセッコウ含有物を、30?3[mm]の粗中粒子と、3[mm]以下の細粒粉末とに分別し、次いで、該粗中粒子及び又は、同粒度の一般砕石ないしコンクリ-トがらを5?80重量[%]と、前記粒度3[mm]以下の廃棄セッコウの細粒粉末を20?95重量[%]とを、均一に混合し、水硬性を保有させることを特徴とする廃棄セッコウボ-ドを原料とするセッコウ資材の製造方法。
【請求項2】
通常の骨材として、圧縮破砕機により破砕され粒度が3?30[mm]の廃棄セッコウの粗粒子及び又は一般砕石ないしコンクリ-トがらを10?70重量[%]と、アルミナ成分を含み同上粒度の多孔質骨材を10?30重量[%]と、水硬性材料として、粒度3[mm]以下の廃棄セッコウの細粒粉末を20?95重量[%]と、石灰成分及び又はポルトランドセメント及び又はスラグセメントを1?7重量[%]と、アルミナ成分を含む原料の3[mm]以下の細粒粉末を1?10重量[%]とを、配合し均一に混合し水硬性と潜在膨張硬化性を保有させることを特徴とする廃棄セッコウボ-ドを原料とするセッコウ資材の製造方法。
【請求項3】
圧縮破砕機により破砕され粒度が3[mm]以下の廃棄セッコウの細粒粉末を20?60重量[%]と、粒度1?50[mm]の多孔質材料、望ましくは廃棄気泡コンクリ-ト粗細粒子を20?60重量[%]と、必要ならば、粒度3?30[mm]のセッコウを含む廃棄物の粗粒子及び又は同粒度の一般砕石ないしはコンクリ-トがらが骨材の状態で、均一な分散組織を構成していることを特徴とする廃棄セッコウボ-ドを原料とするセッコウ資材。
【請求項4】
厚さ5?50[mm]に多孔質材料、望ましく、はALCの中砕粒子を粗に敷き詰めた層の上に、圧縮破砕機により破砕され粒度が3?30[mm]の廃棄セッコウの粗粒子5?80重量[%]を骨材分とし、粒度3[mm]以下の廃棄セッコウの細粒粉末10?50重量[%]を水硬性成分として、必要に応じてポルトランドセメント及び又はスラグセメントを硬化促進材として1?7重量[%]添加し、コンシステンシ-;スランプが10?25となるように、加水を調節して、均一に混練した後、前記多孔質材料の層上に厚さが5?100[mm]になるように流し込むことを特徴とする廃棄セッコウボ-ドを原料とするセッコウ資材の製造方法。
【請求項5】
圧縮破砕機により破砕され、粒度が3?30[mm]の廃棄セッコウの粗粒子10?90重量[%]と、粒度3[mm]以下の廃棄セッコウの細粒粉末10?60重量[%]と、多孔質材料5?30重量[%]と、アルミナ成分を含む材料を5?30重量[%]と、石灰を含む材料5?30重量[%]と、必要ならば、粒度10[mm]以下のALC粒5?30重量[%]とを均一に混合し、土壌改良材として利用することを特徴とする廃棄セッコウボ-ドを原料とするセッコウ資材。」を
「【請求項1】
セッコウを50重量[%]以上含む廃棄セッコウボ-ドを、原料とし、それを圧縮破砕機により30[mm]以下に破砕した後、トロンメル分級機により、紙類を分別除去したセッコウ含有物を、30?3[mm]の粗中粒子と、3[mm]以下の細粒粉末とに分別し、次いで、該粗中粒子及び又は、同粒度の一般砕石ないしコンクリ-トがらを5?80重量[%]と、前記粒度3[mm]以下の廃棄セッコウの細粒粉末を20?95重量[%]とを、全体が100重量[%]になるように配合し、水硬性を保有させることを特徴とする廃棄セツコウボ-ドを原料とするセッコウ資材の製造方法。
【請求項2】
通常の骨材として、圧縮破砕機により破砕され粒度が3?30[mm]の廃棄セッコウの粗粒子及び又は一般砕石ないしコンクリ-トがらを10?70重量[%]と、アルミナ成分を含み同上粒度の多孔質骨材を10?30重量[%]と、水硬性材料として、粒度3[mm]以下の廃棄セッコウの細粒粉末を20?95重量[%]と、石灰成分及び又はポルトランドセメント及び又はスラグセメントを1?7重量[%]と、アルミナ成分を含む原料の3[mm]以下の細粒粉末を1?10重量[%]とを、全体が100重量[%]になるように配合し均一に混合し水硬性と潜在膨張硬化性を保有させることを特徴とする廃棄セッコウボ-ドを原料とするセッコウ資材の製造方法。
【請求項3】
圧縮破砕機により破砕され粒度が3[mm]以下の廃棄セッコウの細粒粉末を20?60重量[%]と、粒度1?50[mm]の多孔質材料、就中、廃棄気泡コンクリ-ト粗細粒子を20?60重量[%]と、更に、粒度3?30[mm]のセッコウを含み、全体が100重量[%]となるように、廃棄物の粗粒子及び又は同粒度の一般砕石ないしはコンクリ-トがらが骨材の状態で、均一な分散組織を構成していることを特徴とする廃棄セッコウボ-ドを原料とするセッコウ資材。
【請求項4】
厚さ5?50[mm]に多孔質材料、特にALCの中砕粒子を粗に敷き詰めた層の上に、圧縮破砕機により破砕され粒度が3?30[mm]の廃棄セッコウの粗粒子5?80重量[%]を骨材分とし、粒度3[mm]以下の廃棄セッコウの細粒粉末10?50重量[%]を水硬性成分として、更にポルトランドセメント及び又はスラグセメントを硬化促進材として、1?7重量[%]添加し、全体が100重量[%]となるように調整し、コンシステン-;スランプが10?25となるように、加水を調節して、均一に混練した後、前記多孔質材料の層上に厚さが5?100[mm]になるように流し込むことを特徴とする廃棄セッコウボ-ドを原料とするセッコウ資材の製造方法。
【請求項5】
圧縮破砕機により破砕され、粒度が3?30[mm]の廃棄セッコウの粗粒子10?90重量[%]と、粒度3[mm]以下の廃棄セッコウの細粒粉末10?60重量[%]と、多孔質材料5?30重量[%]と、アルミナ成分を含む材料を5?30重量[%]と、石灰を含む材料5?30重量[%]と、更に粒度10[mm]以下のALC粒5?30重量[%]とを、合計が100重量[%]となるように配合して均一に混合し、土壌改良材として利用することを特徴とする廃棄セッコウボ-ドを原料とするセッコウ資材。」と補正(以下、「本件補正」という。)することを含むものである。
すなわち、本件補正は、請求項1において「均一に混合し、」を削除し、「全体が100重量[%]となるように配合し、」を付加し、請求項2において「全体が100重量[%]となるように」を付加し、請求項3において「望ましくは」を「就中、」と変更し、「必要ならば」を「更に」と変更し、「全体が100重量[%]となるように、」を付加し、請求項4において「望ましくは、」を「特に」と変更し、「必要に応じて」を「更に」と変更し、「全体が100重量[%]となるように調整し、」を付加し、請求項5において「必要ならば、」を「更に」と変更し、「全体が100重量[%]となるように配合して」を付加するものである。
この補正事項を検討すると、請求項1は、補正前の請求項1において「均一に混合し」としていた混合について「全体が100重量[%]となるように配合し」として、配合において「均一に混合し」を削除して一般化し、拡張したもので、請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものに該当せず、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明にも該当せず、同法第17条の2第4項第1号、第2号、第3号及び第4号のいずれにも該当しない。
そうすると、本件補正が平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に掲げる事項を目的とするものではないことは明らかである。
以上のとおり、平成19年6月1日付け手続補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3.本願発明
(1)平成19年6月1日付けの明細書の記載に係る手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項5に係る発明(以下、「本願発明5」という。)は、当初の特許請求の範囲の請求項5に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「圧縮破砕機により破砕され、粒度が3?30[mm]の廃棄セッコウの粗粒子10?90重量[%]と、粒度3[mm]以下の廃棄セッコウの細粒粉末10?60重量[%]と、多孔質材料5?30重量[%]と、アルミナ成分を含む材料を5?30重量[%]と、石灰を含む材料5?30重量[%]と、必要ならば、粒度10[mm]以下のALC粒5?30重量[%]とを均一に混合し、土壌改良材として利用することを特徴とする廃棄セッコウボ-ドを原料とするセッコウ資材。」

4.原査定の拒絶の理由の概要
平成19年2月21日付けの拒絶査定は、「この出願については、平成18年10月 6日付け拒絶理由通知書に記載した理由によって、拒絶をすべきものである。」であり、平成18年10月6日付けで起案された拒絶理由の理由1.(2)は、以下のとおりである。
「1.この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
・・・
理由1
・・・
(2)請求項2に係る本願発明において、廃棄セッコウの細粒粉末を最大値の95重量%とすると、他の成分を最小値としても100%を超えることになり、不明瞭である。
請求項5についても同様に、廃棄セッコウの粗粒子を最大値の90重量%とすると、他の成分を最小値としても100%を超えることになり、不明瞭である。」

5.当審の判断
本願発明5のセッコウ資材において粒度が3?30[mm]の廃棄セッコウの粗粒子が最大の90重量[%]である場合、任意成分であるALC粒以外の他の成分においてそれぞれ最小値、即ち、粒度3[mm]以下の廃棄セッコウの細粒粉末10重量[%]、多孔質材料5重量[%]、アルミナ成分を含む材料5重量[%]、石灰を含む材料5重量[%]の和が100重量[%]を超えており、これらを併せて含有することができないことになるからこれら最小値の技術的意味が不明であり、更に、廃棄セッコウの粗粒子と廃棄セッコウの細粒粉末がそれぞれ最小値の10重量[%]で併せて20重量[%]である場合に、それ以外の成分の最大値である多孔質材料30重量[%]、アルミナ成分を含む材料30重量[%]、石灰を含む材料30重量[%]の和が100重量[%]を超えており、これら最大値を併せて含有することができないことは明らかであるから、これら最大値の技術的意味が不明となるなど、特許請求の範囲に記載された組成物であるセッコウ資材の多くの組成範囲が成立せず、セッコウ資材の組成範囲の技術的意味が理解できないことになる。
そして、このことは、特許・実用新案審査基準の特許請求の範囲の記載要件のうち、特許法第36条第6項第2号違反の類型の(2)に該当する。

[参考:特許・実用新案審査基準
第I部 第1章 明細書及び特許請求の範囲の記載要件
2.特許請求の範囲の記載要件
2.2 第36条第6項
特許法第36条第6項
第二項の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。
二 特許を受けようとする発明が明確であること。
三 請求項ごとの記載が簡潔であること。
四 その他経済産業省令で定めるところにより記載されていること。
・・・
2.2.2.1 第36条第6項第2号違反の類型
出願が、第36条第6項第2号に違反する場合の例として、以下に類型を示す。
・・・
(2) 発明を特定するための事項の内容に技術的な矛盾や欠陥があるか、又は、技術的意味・技術的関連が理解できない結果、発明が不明確となる場合。
<1>発明を特定するための事項の内容に技術的な欠陥がある場合。
例1:「40?60質量%のA成分と、30?50質量%のB成分と、20?30質量%のC成分からなる合金」
(三成分のうち一のもの(A)の最大成分量と残りの二成分(B、C)の最小成分量の和が100%を超えており、技術的に正しくない記載を含んでいる。) ]

さらに、本願の当初明細書においてもこれに関連する記載としては、「更にまた、本発明の第5番目の特徴は、圧縮破砕機により破砕され、粒度が3?30[mm]の廃棄セッコウの粗粒子10?90重量[%]と、粒度3[mm]以下の廃棄セッコウの細粒粉末10?60重量[%]と、多孔質材料5?30重量[%]と、アルミナ成分を含む材料を5?30重量[%]と、石灰を含む材料5?30重量[%]と、必要ならば、粒度10[mm]以下のALC5?30重量[%]とが、合計を100重量[%]に調節され、均一に混合されて、土壌改良材として利用されるものである廃棄セッコウボ-ドを原料とするセッコウ資材である。本発明の土壌改良材は多目的であって、広く各種の需要に応じて廃棄セッコウを利用するものであり、上記のように、用途に応じ、夫々の配合要素を広範囲にし、需要者の使用目的で、如何様にも配合の出来る材料にするものである。例えば、建物を建てる部分の敷地を地盛り改良する場合においては、地盤を早く固めて、地盤沈下が起きないように配合しなければならないから、上記アルミナ成分を含む材料と石灰分を含む材料を多く使用して、エトリンガイトを生成させ、地盤の空隙を埋めて固くする。また骨材を多量に使用して、地盤沈下を防止するような配合にする。更に、地盤を早く締め固めるには、例えば、中間粒子は庭先の地盛りに回すほうが合理的である。植木を栽培する庭先に使用する土壌は、保水性の大なる多孔質材料を多く配合し、水硬性材料は入れないで、廃棄セッコウは、粗粒のみ使用する等、使用場所によっても、広範囲に配合内容を変化させることが出来る。」(段落【0013】)があるだけで、具体的にどのようにして「合計を100重量[%]に調節」するかは明らかでない。
してみると、平成18年10月6日付けで起案された拒絶理由通知の理由である、特許法第36条第6項第2号(明確性要件)違反は、妥当なものである。

6.平成19年6月4日付け補正書の主張について
審判請求人は、審判請求書の請求の理由にかかる上記補正書において、「上記理由1の(2)の拒絶査定理由について、6月1日提出の手続補正書におきまして、特許請求の範囲中、配合のところはすべて、「全体が、100重量[%]になるように配合し」という限定句を挿入し、補正しました。もともと、これは例えば詳細な説明中【0010】の中で、「合計で100重量[%]となるように配合し」と最初から記載してあるところもあります。他は、記載を省略しているに過ぎないのですが、省略することは不可との御趣旨でございますので、該当ヶ所すべて補正致しました。これにてこの点の拒絶理由は解消致しました。」と主張している。
しかしながら、本件補正が請求項5に付加する「全体が100重量[%]となるように配合して」は、パーセントの語義である「100分のいくつに当るかを示す語」(新村出編「広辞苑第五版」2104頁、1998年11月11日第1刷発行)を再度加えるものであり、このような特定をしても、どのような組み合わせで100重量[%]以上になる組成を「全体が、100重量[%]になるように配合」するかという不明確である点に変わりはなく、仮に本件補正が認められたとしてもこれによって請求項5が明確になったということはできないことを付言する。

(7)むすび
以上のとおりであるから、本願は、特許法第36条第第6項第2号に規定する要件を満たしていないので、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-01-07 
結審通知日 2011-01-18 
審決日 2011-01-31 
出願番号 特願平11-219524
審決分類 P 1 8・ 537- Z (C04B)
P 1 8・ 57- Z (C04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 永田 史泰  
特許庁審判長 松本 貢
特許庁審判官 木村 孔一
斉藤 信人
発明の名称 廃棄セッコウボ-ドを原料とするセッコウ資材とその製造方法  
代理人 田中 貞夫  
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