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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05B
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H05B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H05B
管理番号 1238102
審判番号 不服2009-13691  
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-07-31 
確定日 2011-06-09 
事件の表示 特願2003-399583「エレクトロ・ルミネセンス表示素子とその製造方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年11月 4日出願公開、特開2004-311400〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成15年11月28日(パリ条約による優先権主張 平成14年12月31日(大韓民国)及び平成15年3月20日(大韓民国))の出願である。
原審において、平成18年3月15日付けで拒絶理由が通知され、これに対して同年9月20日付けで手続補正がされるとともに意見書が提出された。その後、平成20年2月8日付けで最後の拒絶理由が通知され、これに対して同年5月13日付けで手続補正がされるとともに意見書が提出されたものの、平成21年3月26日付けで、平成20年5月13日付けの手続補正の却下の決定がされるとともに拒絶査定がされた。
上記拒絶査定に対し、平成21年7月31日に本件の拒絶査定不服審判の請求がされるとともに手続補正がされた。その後、前置報告書の内容について、審判請求人の意見を求めるために平成22年7月21日付けで審尋がされ、同年10月26日付けで回答書が提出された。


第2 平成21年7月31日付けの手続補正についての補正の却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
平成21年7月31日付けの手続補正を却下する。

〔理由〕
1 本件補正の目的
(1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1
平成21年7月31日付け手続補正(以下「本件補正」という。)は、本件補正前(平成18年9月20日付け手続補正によって補正した。以下、同じ。)の特許請求の範囲の請求項1の記載を以下のとおり補正することを含むものである(下線は補正箇所を示す)。
「基板上に表示領域と非表示領域を持つエレクトロ・ルミネセンス表示素子において、
前記表示領域に形成される多数個の有機発光層と、
前記表示領域の両末端部に位置する非表示領域に形成されたダミー有機発光層とを具備し、
前記表示領域には深さが均一な多数個の有機発光層が形成され、前記非表示領域には前記表示領域の有機発光層に比べ深さが異なるダミー有機発光層が形成され、前記表示領域に形成された有機発光層は、その深さが均一にされ、その表面が平坦化されていることを特徴とするエレクトロ・ルミネセンス表示素子。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1
本件補正前の特許請求の範囲の請求項1は、平成18年9月20日付けの手続補正により、下記のとおりのものとなっていた。
「基板上に表示領域と非表示領域を持つエレクトロ・ルミネセンス表示素子において、
前記表示領域に形成される多数個の有機発光層と、
前記表示領域の両末端部に位置する非表示領域に形成されたダミー有機発光層とを具備し、
前記表示領域には深さが均一な多数個の有機発光層が形成され、前記非表示領域には前記表示領域の有機発光層に比べ深さが異なるダミー有機発光層が形成されたことを特徴とするエレクトロ・ルミネセンス表示素子。」

(3)本件補正の目的について
請求項1に係る補正は、補正前の「表示領域に形成された有機発光層」について、その深さが均一にされているばかりでなく、その表面が平坦化されていることを限定する補正を内容とするものであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2(以下単に「特許法第17条の2」という。)第4項第2号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものである。
そこで、本件補正後の請求項1に記載されている発明特定事項により特定される発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たすか否かについて、以下検討する。

2 刊行物及び各刊行物の記載事項並びに引用発明の認定
(1)引用例1
原査定の拒絶の理由に引用された、本願優先日前に頒布された刊行物である、特開2002-252083号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、以下の事項の記載がある(下記「(2)引用発明の認定」において特に関連する部分に下線を引いた。)。
ア 【特許請求の範囲】の欄
「【請求項1】 有機エレクトロルミネッセンス材料を含む組成物を複数の電極上に塗布することにより各電極上に、有機エレクトロルミネッセンス層をそれぞれ形成する有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、
前記複数の電極が形成される有効光学領域が設けられ、有機エレクトロルミネッセンス材料を含む組成物の塗布領域を前記有効光学領域より大きくすることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項2】 前記有効光学領域の周囲に塗布領域を設けることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
【請求項3】 前記有効光学領域の周囲に設けた塗布領域がダミー領域であり、該ダミー領域にも有機エレクトロルミネッセンス材料を含む組成物を塗布して有機エレクトロルミネッセンス層を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
…(中略)…
【請求項12】 複数の電極を有し、前記複数の電極上にそれぞれ有機エレクトロルミネッセンス層が形成されてなる有機エレクトロルミネッセンス装置であって、前記複数の電極が形成された有効光学領域と、前記有効光学領域の周囲に、前記有機エレクトロルミネッセンス層が形成されてなるダミー領域を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。」

イ 段落【0001】?段落【0036】
「【0001】
【発明の属する技術分野】有機エレクトロルミネッセンス(本明細書を通じてELと記す)装置およびその製造方法に関する。
…(中略)…
【0004】
【発明が解決しようとする課題】インクジェット法は、直径がμmオーダーの液滴を高解像度で吐出、塗布することができるため、有機EL材料の高精細パターニングが可能である。しかしながら、基板上に塗布された微小液体の乾燥は極めて速く、さらに、基板上の塗布領域における端(上端、下端、右端、左端)では、画素領域に塗布された微小液体から蒸発した溶媒分子分圧が低いため、一般的に速く乾きはじめる。また、TFT素子によるアクティブ駆動を行う場合、TFT素子領域や、配線等の形状、配置の関係上、画素配置がX,Y方向ともに等間隔にできない場合があり、各画素上に塗布された液滴の周囲で局所的な蒸発溶媒分子分圧差が生じる。このような画素上に塗布された有機材料液体の乾燥時間の差は、画素内、画素間での有機薄膜の膜厚ムラを引き起こす。このような膜厚ムラは、輝度ムラ、発光色ムラ等の表示ムラの原因となってしまう。
【0005】そこで本発明の目的とするところは、電極上に有機EL材料を吐出、塗布し有機EL層を形成する有機EL装置の製造において、画素領域に塗布された有機EL材料溶液の周囲の環境、乾燥を均一にし、有効光学領域における各画素間および画素内で輝度、発光色のムラの無い、均一な有機EL装置ならびに有機EL装置の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機エレクトロルミネッセンス材料を含む組成物を複数の電極上に塗布することにより各電極上に有機エレクトロルミネッセンス層をそれぞれ形成する有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、前記複数の電極によって形成される有効光学有効光学領域が設けられ、有機エレクトロルミネッセンス材料を含む組成物の塗布領域を前記有効光学領域より大きくすることを特徴とする。
【0007】上記製造方法により、有効光学領域において、有効光学領域内に塗布された有機EL材料液体の周囲の環境、乾燥を均一にし、各画素間及び画素内での膜厚を均一にすることができる。なお、有機エレクトロルミネッセンス層とは、発光に寄与する層を指し、正孔注入層や発光層、電子注入層などを含む。また、有効光学領域とは、例えば有機EL装置が表示装置である場合は有効光学領域、また有機EL装置が照明装置である場合は照明に寄与する領域を示す。
【0008】本発明の有機EL装置の製造方法は、好ましくは、前記有効光学領域の周囲にも塗布領域を設けることを特徴とする。
【0009】上記製造方法により、有効光学領域において、端の画素内液滴の乾燥が、内側の画素内液滴の乾燥より極端に速くなることを抑えることができ、有効光学画素間での膜厚を均一にすることができる。
【0010】また、本発明の有機EL装置の製造方法は、好ましくは、前記有効光学領域の周囲に設けた塗布領域がダミー領域であり、該ダミー領域にも有機EL材料溶液を塗布して有機EL薄膜層を形成することを特徴とする。
【0011】尚、前記ダミー領域に、前記電極と同一材料からなる層を形成し、前記層上に、前記有機エレクトロルミネッセンス材料を含む組成物を塗布することが好ましい。
【0012】上記製造方法により、有効光学領域の端の画素においても、塗布された有機EL材料液体の周囲の環境を均一にし、有効光学領域の端の画素内液滴の乾燥が、内側の画素内液滴の乾燥より極端に速くなることを抑えることができ、有効光学における各画素間での有機EL薄膜層の膜厚を均一にすることができる。
【0013】更に、本発明の有機EL装置の製造方法は、好ましくは、基板上に2以上の前記有効光学領域からなる有効光学領域群を設け、各有効光学領域の周囲にダミー領域をそれぞれ設けるとともに、前記有効光学領域群の周囲にも別のダミー領域を設けることを特徴とする。
【0014】ここでダミー領域とは、表示や照明に関係しない領域である。したがって、ダミー領域に形成される有機EL層は、発光しなくてもよいが、表示や照明に影響を与えない程度であれば発光してもよい。
…(中略)…
【0024】次に本発明の有機EL装置は、好ましくは、複数の電極を有し、前記複数の電極上にそれぞれ有機EL層が形成されてなる有機エレクトロルミネッセンス装置であって、前記複数の電極によって形成された有効光学領域と、前記有効光学領域の周囲に、前記有機エレクトロルミネッセンス層が形成されてなるダミー領域を含むことを特徴とする。
…(中略)…
【0036】また本発明によれば、上記の有機EL装置を具備してなる電子機器が提供される。かかる電子機器によれば、各画素間および画素内で輝度、発光色のムラの無い、均一なEL表示や照明が実現される。」

ウ 段落【0037】?段落【0128】
「【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。なお、有機EL装置を表示装置として用いた例を示す。
【0038】インクジェット方式による有機EL装置の製造方法とは、画素を形成する有機物からなる正孔注入層材料ならびに発光材料を溶媒に溶解または分散させたインク組成物を、インクジェットヘッドから吐出させて透明電極上にパターニング塗布し、正孔注入/輸送層ならびに発光層を形成する方法である。吐出されたインク滴を精度よく所定の画素領域にパターニング塗布する為に、画素領域を仕切る隔壁(以下バンク)を設けるのが通常である。
【0039】図1はインクジェット方式による有機EL表示の製造に用いられる基板構造の一例の断面図を示したものである。ガラス基板10上に薄膜トランジスタ(TFT)11を有する回路素子部11’が形成され、この回路素子部11’上にITOからなる透明電極12がパターンニングされている。更に、透明電極12を区画する領域にSiO_(2)バンク13と撥インク性あるいは撥インク化された有機物からなる有機物バンク14とが積層されている。バンクの形状つまり画素の開口形は、円形、楕円、四角、いずれの形状でも構わないが、インク組成物には表面張力があるため、四角形の角部は丸みを帯びているほうが好ましい。有機物バンク14の材料は、耐熱性、撥液性、インク溶剤耐性、下地基板との密着性にすぐれたものであれば、特に限定されるものではない。有機物バンク14は、元来撥液性を備えた材料、例えば、フッ素系樹脂でなくても、通常用いられる、アクリル樹脂やポリイミド樹脂等の有機樹脂をパターン形成し、CF_(4)プラズマ処理等により表面を撥液化してもよい。バンクは、上述したような無機物と有機物とが積層されてなるものに限らないが、例えば透明電極14がITOからなる場合は、透明電極14との密着性を上げるために、SiO_(2)バンク13がある方が好ましい。有機物バンク14の高さは、1?2μm程度あれば十分である。
【0040】次に、図2を参照して、インクジェット方式による有機EL装置の製造方法の一例を各工程の断面構造に沿って説明する。
【0041】図2(A)において、バンク構造を有する画素基板にインクジェット方式により有機EL材料を含む溶液(インク組成物)をパターン塗布し、有機EL薄膜を形成する。有機EL材料インク組成物15をインクジェットヘッド16から吐出し、同図(B)に示すように着弾させ、パターン塗布する。塗布後、真空およびまたは熱処理あるいは窒素ガスなどのフローにより溶媒を除去し、有機EL薄膜層17を形成する(同図(C))。この有機EL薄膜層17は、例えば正孔注入層及び発光層からなる積層膜である。
【0042】この際、有効光学領域(表示に関係する画素が形成された領域)の端の表示画素では周囲にインク滴が塗布されていないため、インク溶媒分子分圧が内側の画素上より低くなって溶媒が速く乾燥し、例えば、図2(C)に示したような、膜厚差が表示画素間で生じてしまう場合がある。
【0043】そこで、各画素に塗布された液滴を均一に乾燥するためには、有効光学領域の周囲にもインク組成物を吐出、塗布し、有効光学領域に塗布された各液滴に対して同じ環境をつくることが好ましい。より同じ環境を構築するためには、インクジェットによる有機材料の塗布領域を有効光学領域より大きくし、例えば、有効光学領域の周囲に表示画素と同じ形状のバンク構造を有するダミー領域(表示に関係しないダミー画素が形成された領域)を設置することがより好ましい。
…(中略)…
【0046】以下、実施例を参照して本発明を更に、具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0047】(実施例1)本実施例に用いた基板は、直径30μm径の円形画素が、X、Y方向ともに70.5μmピッチで配置された2インチTFT基板である。このTFT基板は、ガラス基板25と、このガラス基板上に形成されたTFT26を有する回路素子部26’とから構成されている。図3(A)にTFT基板右端側の一部の断面図(X方向)を示す。回路素子部26’上にITOからなる透明電極27が形成され、この透明電極27を仕切るようにSiO_(2)バンク28及びポリイミドバンク29の2層からなるバンクが回路素子部26’上に形成されている。SiO_(2)バンク28はTEOS(tetraethylorthosilicate)をCVDで150nm形成しフォトエッチングでパターン形成される。更にその上に感光性ポリイミドを塗布し、露光、現像により、膜厚2μmのポリイミドバンク29が形成される。なお、このバンクを形成する材料は、非感光性材料を用いてもよい。
【0048】また、図3において、透明電極27が形成されている領域が有効光学領域Aであり、SiO_(2)バンク28及びポリイミドバンク29により透明電極27が区画されていない領域がダミー領域Bである。
【0049】インクジェット塗布前に、大気圧プラズマ処理によりポリイミドバンク29を撥インク処理する。大気圧プラズマ処理の条件は、大気圧下で、パワー300W、電極-基板間距離1mm、酸素プラズマ処理では、酸素ガス流量100ml/min、ヘリウムガス流量10l/min、テーブル搬送速度10mm/sで行い、続けてCF4プラズマ処理では、 CF_(4)ガス流量100ml/min、ヘリウムガス流量10l/min、テーブル搬送速度3mm/sの往復で行う。
【0050】正孔注入層材料としてバイエル社のバイトロン(登録商標)を用い、極性溶剤であるイソプロピルアルコール,N-メチルピロリドン,1,3-ジメチルー2-イミダゾリジノンで分散させたインク組成物30を調製し、X,Y方向とも70.5μmピッチでインクジェットヘッド(エプソン製MJ-930C)から吐出、塗布する。その際、表示画素の周囲に上下、左右30ラインずつ余計に同じピッチで吐出する。図3(B)に正孔注入層材料インク組成物30をパターン塗布した後の、基板右端側の一部の断面図を示す。有効光学領域Aでは、正孔注入層材料インク組成物30が透明電極27上に塗布され、一方ダミー領域Bでは、正孔注入層材料インク組成物30がポリイミドバンク29上に塗布されている。次に、真空中(1torr(133.3Pa))、室温、20分という条件で溶媒を除去し、その後、窒素中、200℃(ホットプレート上)、10分の熱処理により、図3(C)に示すように正孔注入層31を形成する。有効光学領域Aにおいては、膜厚の均一な正孔注入層31を形成することができる。
【0051】次に、発光層として、赤色、緑色、青色に発光するポリフルオレン系材料を用いて、赤色発光層用インク組成物32、緑色発光層用インク組成物33、青色発光層用インク組成物34を3種類調製する。インク溶媒としては、シクロヘキシルベンゼンを用いた。図3(C)に示すように、これらのインク組成物32、33、34をインクジェットヘッドから吐出させ、X方向に211.5μmピッチ、Y方向には70.5μmピッチでパターン塗布した。その際、ダミー領域Bに上下、左右21ラインずつ余計に同じピッチで吐出する。
【0052】次に、N_(2)雰囲気中、ホットプレート上80℃、5分での熱処理により発光層35,36,37が形成される。有効光学領域Aにおいては、膜厚の均一な発光層35、36、37を形成することができる。
【0053】発光層形成後、図3(D)に示すように、陰極38として、2nmのLiF層、20nmのCa層及び200nmのAl層を真空加熱蒸着で積層形成し、最後にエポキシ樹脂39により封止を行う。
【0054】こうして、有効光学領域Aで輝度ムラ、色ムラのない均一な表示の有機EL装置を得ることができた。
…(中略)…
【0088】(実施例8)図10(A)に、本実施例に用いる基板の平面図を示す。図10(B)は図10(A)のMM’線に沿う部分断面図である。図10(A)及び図10(B)に示すように、この基板101は、正孔注入層及び発光層の形成前の基板であり、ガラス基板102上に形成された回路素子部103と、回路素子部103上に形成された発光素子部104とから構成されている。発光素子部104には、後述する表示画素とダミー画素とが設けられており、更に発光素子部104は、表示画素群からなる有効光学領域Aと、有効光学領域Aの周囲に配置されたダミー画素群からなるダミー領域Bとに区画されている。
【0089】回路素子部103は、ガラス基板102上に形成された複数のTFT素子105…と、このTFT素子105…を覆う第1,第2層間絶縁膜106,107とから構成されている。TFT素子105…はマトリックス状に配置されており、各TFT素子105…にはITOからなる透明電極108…が接続されている。透明電極108…は第2層間絶縁膜107上に形成されると共に、TFT素子105…に対応する位置に配置されている。なお透明電極108は、平面視において略円形、矩形、あるいは四角が円弧状の矩形などの形状で形成されていればよい。
【0090】尚、TFT素子105と透明電極108は、発光素子部104の有効光学領域Aに対応する位置のみに形成されている。
【0091】次に、発光素子部104の有効光学領域Aには、SiO_(2)バンク109とポリイミドバンク110とが積層されている。SiO_(2)バンク109及びポリイミドバンク110は、透明電極108…の間に設けられており、これにより透明電極108を囲む開口部111が設けられている。
【0092】また、発光素子部104のダミー領域Bには、第2層間絶縁膜107上に形成されたSiO_(2)薄膜109’と、SiO_(2)薄膜109’上に形成されたポリイミドバンク110’とが備えられている。ダミー領域Bのポリイミドバンク110’により、表示画素領域Aの表示画素111とほぼ同一形状のダミー画素111’が設けられている。
【0093】ダミー領域Bに設けられるダミー画素111’の数については、図10(A)の図示X方向に沿う幅X’の間に、R・G・Bの3つのダミー画素からなる組が10組以上設けることが好ましい。また、図10(A)の図示Y方向に沿う幅Y’の間に、R・G・Bの多数のダミー画素からなる列が10列以上設けることが好ましい。さらに好ましくは、幅X'と幅Y'の大きさが等しくなるようにダミー画素を配置する。こうすることにより、ダミー領域Bとの境界付近にある画素における組成物インクの乾燥条件を、有効光学領域Aの中央付近の画素における乾燥条件に、より一致させることができる。幅X'と幅Y'の大きさが等しくなるようにするには、例えば、各画素(表示画素、ダミー画素のいずれも)をX方向に70.5μmピッチ、Y方向に211.5μmピッチで形成した場合、幅X'の間に、Y方向に平行に30ライン(R、G、Bの3つのダミー画素からなる組が10組分のライン)、且つ、幅Y'の間に、X方向に平行なラインが10ライン、のダミー画素が形成されればよい。これによって、Y方向のピッチは、X方向のピッチの3倍であるため、幅X'と幅Y'の大きさがほぼ等しくなる。ダミー画素の数はこれに限らないが、ダミー画素111’の数が過剰になると、表示に関係しない額縁が大きくなり、すなわち表示モジュールが大きくなるので好ましくない。
【0094】この基板101に対して、実施例1と同様に大気圧プラズマ処理を施してポリイミドバンク110,110’を撥インク処理し、正孔注入層材料を含むインク組成物をインクジェットヘッドから吐出させて表示画素111ならびにダミー画素111’にパターニング塗布する。表示画素111では、正孔注入層材料インク組成物が透明電極108上に塗布され、一方ダミー111’では、正孔注入層材料インク組成物がSiO_(2)薄膜109’上に塗布される。
【0095】尚、正孔注入層材料を含むインク組成物をインクジェットヘッドにより吐出させる際には、例えば、表示素子部104幅方向(図示X方向)と同程度の幅のノズル列を有するインクジェットヘッドを用意し、このインクジェットヘッドを、図10(A)の下側から図中矢印Y方向に沿って基板101上に移動させながら行うことが好ましい。これにより、インク組成物の吐出順序が、図中下側のダミー領域B、有効光学領域A、図中上側のダミー領域Bの順となり、インク組成物の吐出を、ダミー領域Bから始めてダミー領域Bで終了させることができる。ダミー領域Bで組成物インクを吐出させてから有効光学領域Aで吐出するため、有効光学領域Aでのインク組成物を均一に乾燥することができる。
【0096】次に、実施例1と同じ条件で正孔注入層材料インク組成物の溶媒を除去し、更に実施例1同じ条件で熱処理を行い、図11(A)に示すような正孔注入層131を形成する。
【0097】有効光学領域Aの外側にはダミー画素111’が設けられており、このダミー画素111’に対しても表示画素111と同様に組成物インクの吐出、乾燥を行うので、ダミー領域Bとの境界付近にある表示画素111における組成物インクの乾燥条件を、有効光学領域Aの中央付近の表示画素111における乾燥条件にほぼ一致させることができ、これによりダミー領域Bとの境界付近にある表示画素111でも均一な膜厚の正孔注入層131を形成することができる。従って有効光学領域Aの全体に渡って、膜厚の均一な正孔注入層131を形成することができる。
【0098】次に、実施例1と同様に、赤色、緑色、青色の発光層用インク組成物をインクジェットヘッドから吐出させて表示画素111ならびにダミー画素111’にパターン塗布し、N_(2)雰囲気中、ホットプレート上80℃、5分での熱処理により発光層135,136,137を形成する。有効光学領域Aにおいては、正孔注入層131の場合と同様にして、膜厚の均一な発光層135、136、137を形成することができる。
【0099】尚、発光層の形成の際には、正孔注入層の場合と同様にしてインクジェットヘッドを図10(A)の下側から図中矢印Y方向に沿って基板101上に移動させながら行い、インク組成物の吐出順序を、図中下側のダミー領域B、有効光学領域A、図中上側のダミー領域Bの順とし、これによりインク組成物の吐出をダミー領域Bから始めてダミー領域Bで終了させるようにすることが好ましい。これにより、有効光学領域Aの全体において、発光層を含むインク組成物の乾燥を均一に行うことができた。
【0100】発光層形成後、図11(B)に示すように、陰極138として、2nmのLiF層、20nmのCa層及び200nmのAl層を真空加熱蒸着で積層形成し、最後にエポキシ樹脂139により封止を行う。
【0101】こうして、有効光学領域Aで輝度ムラ、色ムラのない均一な表示の有機EL装置を得ることができる。
…(中略)…
【0128】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、インクジェット方式で基板上に有機EL材料を吐出、塗布し有機EL層を形成する有機EL装置の製造において、表示画素領域の周囲に、ダミー吐出、塗布領域を導入し、有効光学領域において、塗布液滴を、同間隔で配置することにより、画素領域に塗布された有機EL材料溶液の乾燥を均一にし、有効光学領域画素間或いは各画素内で輝度、発光色のムラの無い、均一な表示装置ならびに表示装置の製造方法を提供することが出来る。」

エ 【図面の簡単な説明】の欄
「【図2】 本発明に関わるインクジェット方式による有機EL装置の製造方法の一例を示す断面図。
…(中略)…
【図10】 参考例8の有機EL装置の製造方法を説明する図であって、(A)は正孔注入層形成前の基板の平面図であり、(B)は(A)のMM’線に沿う部分断面図である。
【図11】 参考例8の有機EL装置の製造方法を説明する工程図。」

オ 【図2】


カ 【図10】



キ 【図11】



(2)引用発明の認定
ア 段落【0088】の「この基板101は、正孔注入層及び発光層の形成前の基板であり、ガラス基板102上に形成された回路素子部103と、回路素子部103上に形成された発光素子部104とから構成されている。発光素子部104には、後述する表示画素とダミー画素とが設けられており、更に発光素子部104は、表示画素群からなる有効光学領域Aと、有効光学領域Aの周囲に配置されたダミー画素群からなるダミー領域Bとに区画されている。」との記載から、有効光学領域とダミー領域は基板上の領域であることが理解される。

イ また、段落【0007】の「有効光学領域において、有効光学領域内に塗布された有機EL材料液体の周囲の環境、乾燥を均一にし、各画素間及び画素内での膜厚を均一にすることができる。なお、有機エレクトロルミネッセンス層とは、発光に寄与する層を指し、正孔注入層や発光層、電子注入層などを含む。」との記載から、有効光学領域において、各画素間及び画素内での有機エレクトロルミネッセンス層の膜厚が均一であることが記載されていると認められる。

ウ 上記ア及びイの点も踏まえて、引用例1の記載を総合すると、引用例1には下記の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
<引用発明>
「基板上に複数の電極を有し、前記複数の電極上にそれぞれ有機エレクトロルミネッセンス層が形成されてなる有機エレクトロルミネッセンス装置であって、
前記基板上の前記複数の電極が形成された有効光学領域と、
前記基板上の前記有効光学領域の周囲に、前記有機エレクトロルミネッセンス層が形成されてなるダミー領域を含み、
有効光学領域において、各画素間及び画素内での有機エレクトロルミネッセンス層の膜厚が均一である有機エレクトロルミネッセンス装置。」

(3)引用例2
本願出願前に頒布された刊行物である、特開2002-56980号公報(以下「引用例2」という。)には、以下の事項の記載がある。
ア 【特許請求の範囲】の欄
「【請求項1】 有機EL素子の有機層を形成する際に使用される有機EL層形成用塗液であって、前記塗液がレベリング剤と発光材料または電荷輸送材料とを含有し、前記レベリング剤(L)の添加量が、
Lの粘度(cp)×発光材料または電荷輸送材料に対するLの添加量(wt%)<200
で表される関係式を満たすことを特徴とする有機EL層形成用塗液。
…(中略)…
【請求項3】 請求項1または2に記載の有機EL層形成用塗液を用いて、有機EL素子の有機層をインクジェット法または印刷法で形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法。」

イ 段落【0001】?【0007】
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モノクロおよびフルカラー表示可能な有機EL素子(画素)および有機ELディスプレイを製造するための有機EL層形成用塗液、それを用いた有機EL素子および有機ELディスプレイならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高度情報化に伴い、薄型、低消費電力、軽量の表示素子への要望が高まる中、低電圧駆動、高輝度な有機ELディスプレイが注目を集めている。特に、近年の研究開発によって、有機(高分子)系材料を用いた有機EL素子の発光効率の向上は著しく、有機ELディスプレイへの実用化が始まっている。
【0003】有機ELディスプレイを製造するにあたって、高分子材料は塗布によりウエットプロセスで成膜を行うことが可能であることから低コスト化が見込まれ、カラー化に向けての発光層のパターニング方法が重要な研究目的の一つになっており、インクジェット法(特開平10-12377号およびICPA’99、p160)、印刷法(特開平3-269995号および特開平11-273859号)による発光層のパターン化が報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インクジェット法、印刷法で作製した有機ELディスプレイでは、表面が平滑な膜を形成することが困難なため、発光ムラが生じたり、発光効率や寿命がスピンコート法により形成された膜に比べ低下するといった問題が生じていた。
【0005】特開平11-40358号公報および特開平11-54270号公報には、インクジェット法で有機EL素子を製造する際に用いる組成物(塗液)が開示され、その塗液にレベリング剤を添加してもよいと記載されている。しかしながら、これらの公報には、具体的にレベリング剤を添加した塗液の実施例の記載はなく、そのレベリング剤の例示もない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を鑑み成されたものであり、インクジェット法、印刷法で膜を形成した際に生じる膜の平坦性に起因する発光ムラ、発光効率の低下を解消するために鋭意研究を行った結果、特定量のレベリング剤、特にシリコン系化合物もしくはフッ素系化合物からなるレベリング剤を含有させることにより、意外にも上記の課題が解消できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】本発明のように、塗液中に特定量のレベリング剤、特にシリコン系化合物もしくはフッ素系化合物からなるレベリング剤を含有されていることを特徴とする有機EL層形成用塗液を用いて、インクジェット法または印刷法により、有機EL素子中の少なくとも1層の有機層を形成することにより、レベリング剤の含有に起因する発光特性、寿命の低下を引き起こすことがなく、平坦な表面を有する膜を形成することが可能となり、その結果、膜の平坦性に起因する発光ムラが生じたり、発光効率や寿命がスピンコート法により形成された膜に比べ低下するといった問題を解決することが可能となる。」


3 本願補正発明と引用発明の対比
本願補正発明と引用発明を対比する。
(1)引用発明における「有機エレクトロルミネッセンス装置」、「有機エレクトロルミネッセンス層」、「有効光学領域」、「ダミー領域」がそれぞれ、本願補正発明における「エレクトロ・ルミネセンス表示素子」、「有機発光層」、「表示領域」及び「非表示領域」に相当することは、当業者には明らかである。

(2)上記(1)を踏まえると引用発明における「基板上に複数の電極を有し、前記複数の電極上にそれぞれ有機エレクトロルミネッセンス層が形成されてなる有機エレクトロルミネッセンス装置であって、前記基板上の前記複数の電極が形成された有効光学領域と、前記基板上の前記有効光学領域の周囲に、前記有機エレクトロルミネッセンス層が形成されてなるダミー領域を含み、」という発明特定事項は、本願補正発明における「基板上に表示領域と非表示領域を持つエレクトロ・ルミネセンス表示素子において、前記表示領域に形成される多数個の有機発光層と、前記表示領域の両末端部に位置する非表示領域に形成されたダミー有機発光層とを具備し」という発明特定事項に相当する。

(3)上記(1)及び(2)を踏まえると、引用発明における「有効光学領域において、各画素間及び画素内での有機エレクトロルミネッセンス層の膜厚が均一である」という発明特定事項と、本願補正発明における「前記表示領域には深さが均一な多数個の有機発光層が形成され、前記非表示領域には前記表示領域の有機発光層に比べ深さが異なるダミー有機発光層が形成され、前記表示領域に形成された有機発光層は、その深さが均一にされ、その表面が平坦化されている」という発明特定事項とは、「前記表示領域には深さが均一な多数個の有機発光層が形成され、前記表示領域に形成された有機発光層は、その深さが均一にされている」点で共通する。

(4)上記(1)ないし(3)を総合すると、本願補正発明と引用発明は、
「基板上に表示領域と非表示領域を持つエレクトロ・ルミネセンス表示素子において、
前記表示領域に形成される多数個の有機発光層と、
前記表示領域の両末端部に位置する非表示領域に形成されたダミー有機発光層とを具備し、
前記表示領域には深さが均一な多数個の有機発光層が形成され、前記表示領域に形成された有機発光層は、その深さが均一にされているエレクトロ・ルミネセンス表示素子」
の点で少なくとも一致し、文言上下記の点で一応相違があると認められる。

<相違点1>
非表示領域に形成されたダミー有機発光層について、本願補正発明においては、表示領域の有機発光層に比べ深さが異なるとの特定がされているのに対して、引用発明においては当該特定がされていない点。

<相違点2>
表示領域に形成された有機発光層について、本願補正発明においては、その深さが均一にされているだけでなく、その表面が平坦化されているのとの特定がされているのに対して、引用発明においては、各画素間及び画素内での有機発光層(有機エレクトロルミネッセンス層)の膜厚が均一であるとの特定はされているものの、有機発光層(有機エレクトロルミネッセンス層)の表面の平坦性については特定がされていない点。


4 相違点の検討・判断
上記各相違点について検討する。
(1)相違点1について
引用発明は、有効光学領域における各画素間及び画素内で輝度、発光色のムラの無い、均一な有機EL装置を提供することを目的としている(段落【0005】参照)。そして、各画素間及び画素内で輝度、発光色のムラが生じる要因について、基板上の有機エレクトロルミネッセンス材料の塗布領域における端(上端、下端、右端、左端)では、画素領域に塗布された微小液体から蒸発した溶媒分子分圧が低いため、一般的に速く乾きはじめるところ、塗布された有機材料液体の乾燥時間の差に起因して、画素内、画素間での有機薄膜の膜厚ムラが引き起こされ、このような膜厚ムラが、輝度ムラ、発光色ムラ等の表示ムラの原因となると解説されている(段落【0004】参照)。このような点を理解すれば、引用発明においても、ダミー領域の有機エレクトロルミネッセンス層の膜厚が、有効光学領域の有機エレクトロルミネッセンス層の膜厚と異なることは明らかである。
したがって、上記相違点1は、文言上の相違にすぎず、技術思想としての実質的な相違点とは認められない。

(2)相違点2について
各画素間だけでなく、画素内においても有機エレクトロルミネッセンス層の膜厚が均一であれば、その表面が平坦であることは明らかである。したがって、相違点2は、文言上の相違に過ぎず、技術思想としての実質的な相違点とは認められない。仮に実質的な相違点であったとしても、有機エレクトロルミネッセンス層の表面が平坦であるべきことは、引用例2にも記載されているように、当業者にとって自明の事項にすぎないから、引用発明の有機エレクトロルミネッセンス層の表面を平坦化されているものとすることは、当業者が容易に想到し得たものである。また、相違点2に基づいて当業者の予測を超えるほどの効果を奏するとも認めることはできない。

(3)相違点の検討・判断の小括
以上のとおり、相違点1は実質的な相違点とは認められない。また、相違点2も実質的な相違点とは認められず、仮に実質的な相違点であったとしても、少なくとも進歩性を認めるべきほどの相違点であるとは認めることはできない。
したがって、本願補正発明は、引用発明と同一、又は、引用発明及び引用例2に記載された当業者に自明な事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5 本件補正についてのむすび
以上検討したとおり、本願補正発明は、特許法第29条第1項第3号に該当する、又は、同条第2項の規定に違反するものであって、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たさないものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記結論のとおり決定する。


第3 本願発明について
1 本願発明
平成21年7月31日付け手続補正は上記のとおり却下されたから、本願の請求項1ないし請求項16に係る発明は、本件補正前の、平成18年9月20日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし請求項16に記載された事項により特定されるものである。以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という(上記「第2」の「1」の「(2)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1」を参照。)。

2 刊行物及び各刊行物の記載事項並びに引用発明の認定
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物及び刊行物の記載事項並びに引用発明の認定は、前記「第2」の「2」の「(1)引用例1」及び「(2)引用発明の認定」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明は、前記「第2」の「2」ないし「4」で検討した本願補正発明から、表示領域に形成された有機発光層の表面が平坦化されていることの限定を省いたものである(前記「第2」の「1」の「(3)本件補正の目的について」を参照)。
そうすると、本願発明と引用発明の相違点は、「第2」の「4 相違点の検討・判断」において検討した相違点1のみであり、相違点1は、前述のとおり実質的な相違点とは認められないから、本願発明は引用発明と同一である。

4 むすび
以上検討のとおり、本願発明は、本願優先日前に頒布された刊行物に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-01-14 
結審通知日 2011-01-17 
審決日 2011-01-28 
出願番号 特願2003-399583(P2003-399583)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H05B)
P 1 8・ 575- Z (H05B)
P 1 8・ 113- Z (H05B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小西 隆福田 聡越河 勉  
特許庁審判長 北川 清伸
特許庁審判官 樋口 信宏
岡田 吉美
発明の名称 エレクトロ・ルミネセンス表示素子とその製造方法及び装置  
代理人 朝日 伸光  
代理人 岡部 讓  
代理人 加藤 伸晃  
代理人 岡部 正夫  
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