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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する B65H
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する B65H
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する B65H
審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する B65H
管理番号 1238542
審判番号 訂正2011-390023  
総通号数 140 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-08-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2011-03-01 
確定日 2011-05-16 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3243241号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3243241号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯

(1)本件特許第3243241号発明(以下、「本件特許発明」という。)についての出願は、平成9年9月22日に出願した特願平9-257175号の一部を平成10年11月30日に新たに特許出願した特願平10-340008号の更にその一部を平成12年2月10日に新たな特許出願としたもの(優先権主張平成8年9月20日、平成9年9月19日)であって、平成13年10月19日にその発明について特許権の設定登録がされたものである。
(2)これに対して、請求人は、平成23年3月1日に訂正審判請求書を提出して訂正を求めた。
(3)また、請求人は、平成23年4月20日に手続補正書を提出した。

2.請求の趣旨

請求人は、特許第3243241号に係る明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めているものと認める。

3.訂正について

3-1.補正について

(1)補正の内容

平成23年4月20日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)の内容は、下記(a)のとおりである。
(a)審判請求書に添付した訂正明細書のうち、請求項1に記載の、
「ロールペーパを上記中空軸にロールペーパを上記中空軸に接合回転可能に接合する手段」
を、
「ロールペーパを上記中空軸に接合回転可能に接合する手段」
に補正する。

(2)補正の可否に対する判断

本件補正について検討する。
本件補正前の審判請求書の「6.請求の理由」の「(3)訂正事項」には、「請求項2を削除する。」と記載され、この削除する旨以外の記載のないこと、また、該審判請求書に添付した訂正明細書の請求項1の上記(a)で示した補正前の記載を見ると、「ロールペーパを上記中空軸に」の記載が意味なく重複して記載されていることを考え合わせると、上記(a)の補正は、明らかな誤記を修正するものと認められ、審判請求書の要旨を変更するものとはいえない。

(3)むすび

したがって、本件補正は、特許法第131条の2第1項の規定に適合する。
よって、審判請求書に添付された訂正明細書を、本件補正のとおり補正することは、認められるものである。

3-2.訂正の内容

本件補正後の審判請求書及びこれに添付された訂正明細書によれば、本件訂正の内容は、下記(A)のとおりであると認められる。
(A)請求項2を削除する。

3-3.訂正の可否に対する判断

本件訂正について検討すると、上記(A)の訂正は、請求項の削除であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、上記訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであって、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。
また、訂正審判における独立特許要件の適用対象は、特許請求の範囲の減縮が実質的になされている請求項である請求項2であるところ、該請求項2は、上記のとおり削除されることから、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により構成される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない発明でもない。

4.むすび

したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第5項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
薬剤分包用ロールペーパの磁石の配置構造
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】非回転に支持された支持軸の周りに回転自在に中空軸を設け、中空軸にはモータブレーキを係合させ、中空軸に着脱自在に装着されるロールペーパのシートを送りローラで送り出す給紙部と、シートを2つ折りしその間にホッパから薬剤を投入し、薬剤を投入されたシートを所定間隔で幅方向と両側縁部とを帯状にヒートシールする加熱ローラを有する分包部とを備え、ロールペーパの回転角度を検出するために支持軸に角度センサを設け、分包部へのシート送り経路上でシート送り長さを測定する測長センサを設け、ロールペーパを上記中空軸に接合回転可能に接合する手段をロールペーパと中空軸が接する端に設け、両センサの信号に基づいてシート張力をロールペーパ径に応じて調整しながら薬剤を分包するようにした薬剤分包装置に用いられ、ロールペーパのシートの巻量に応じたシート張力を中空軸に付与するために、中空軸を回転自在に支持する非回転の支持軸に設けられた角度センサでシートの巻量が検出可能な位置に磁石を配置して成る薬剤分包用ロールペーパの磁石の配置構造。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ロールペーパから引き出されるシートの張力を調整しながら給紙部からシートを送り分包部で薬剤を分包する薬剤分包装置に用いられる薬剤分包用ロールペーパの磁石の配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
薬剤分包装置として、熱融着性分包紙のシートをロール状に巻いたものを回転自在に支持したシート供給部からシートを引き出して移送する移送路にシール装置が設けられ、このシール装置の上流側でシートを2つ折りにすると共にその間に薬剤を供給した後シール装置によりシートを幅方向と両側縁部とを帯状に加熱融着して薬剤を分包するようにしたものが知られている。
【0003】
シートが使用されて無くなると新しいロールに交換され、その新しいロールからシートが引き出されて分包装置にセットされる。このシートロールから引き出されるシートは、2つ折りされた後周縁等を融着する際に正確に2つ折りされず、少しずれた状態で融着されることのないように常に一定の張力で引き出すのが好ましいが、実際にはシートの引出量に応じてロール径が変化するため、引出張力も少しずつ変動する。
【0004】
このため、上記シートロールの径の変化が生じても張力がほぼ一定となるように調整するシート張力調整装置が実公平1-36832号公報により提案されている。この公報によるシート張力調整装置は、シートロールをロール支持筒に着脱自在に嵌合装着し、シートロール側方に複数の巻径検出センサを径方向に配置し、この検出センサの信号によりロール支持筒内部に設けた電磁ブレーキの電磁力を調整してロール径が小さくなるにつれて段階的にブレーキ力を弱めることにより張力を一定となるように調整している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来のシート張力調整装置では、シートの使用による巻量の変化を径方向に配置した巻径検出センサで段階的に検出する方式を採用しているため、検出センサのランクが切替わる径になると、芯管軸の偏心、シートの重量、巻き歪みなどの原因により電磁ブレーキのブレーキ力ランクが1回転毎に上下に変動するバイブレーション現象が生じる。このため、張力変動により分包部でシートを2つ折りした際にシートの縁部が正確に重ならない、いわゆる耳ずれが生じ、包装不良部分が生じることがある。
【0006】
又、ブレーキ力のランクが急激に変動するため幅方向に裂傷が生じたりすることもある。検出センサの誤動作の原因は、上記以外にも、光反射式のものを用いていることによるものもある。薬剤包装装置に使用されるシートの材料として、グラシン紙(半透明)、セロポリ紙(透明)等種々のものがあるが、これらシートの端面位置が各層毎に微妙に変化すると反射される反射光の戻りが異なり信号として検出されないため検出精度が悪化したり、特にセロポリ紙では湿度変化による影響が大きいため蛇行巻きされ易く、端面の凹凸が原因で検出精度が悪くなることもある。
【0007】
さらに、シートを分包部で2つ折りする位置より上流側に一般には分包紙に印字するためのサーマルプリンタが設けられるが、このサーマルプリンタにおいて印字ドットの欠けや印字装置の残量表示機構のランプが、バイブレーション現象により耐久性の低下を起こしたりする。
【0008】
一方、薬剤分包装置に用いられるロールペーパは、上述したグラシン紙やセロポリ紙の30μm程度の極薄のシートを中空芯管の外周にロール状に巻き付けて形成され、その長さは一般に300?500mとかなり長尺である。このようなロールペーパの巻径の変化を検出する上記巻径検出センサによる方法以外の方法として、ロールペーパを装着する回転支持軸上に支持軸の回転数を検出するセンサを取付ける方法、あるいはロールペーパの中空芯管の端に突出部を設け、突出部に設けたマークを光センサで読取る方法などが考えられる。
【0009】
しかし、回転支持軸上のセンサではロールペーパのシートを繰り出す際の張力の程度によっては回転支持軸と中空芯管との間に回転のずれが生じることがあり、ロールペーパの回転を正確に検出するためにはロールペーパ自身の回転を直接検出する必要があり、回転支持軸上のセンサによる方法は必らずしも適当ではない。
【0010】
又、中空芯管の端に突出部を設ける方法は、上記のような長尺のロールペーパは全体としてかなりの重さとなるため、回転支持軸への装着などの操作が重く、操作時に突出部を周囲の機器に当てて損傷させる虞れがあり、突出部を設ける方法は好ましくない。
【0011】
この発明は、上記のような従来の薬剤分包装置における問題点に留意して、極薄のシートを巻いたロールペーパの巻状態によるロールペーパ直径の微妙な変動による影響で制御すべき段階的に選択されるブレーキ力のレベル変動を生じることなく各段階毎に的確にブレーキ力を設定しロールペーパの直径に応じた適正な張力を安定して給紙部に与え、シートに耳ずれや裂傷が生じたりせずに分包シートで薬剤を分包することのできる薬剤分包装置に用いられ、分包装置の給紙部における角度センサに対し回転角度データを与えることのできる薬剤分包用ロールペーパを提供することを課題とする。
【0012】
又、もう1つの発明は、上記薬剤分包用ロールペーパにおいて回転角度データを与えることができるようにした薬剤分包用ロールペーパの磁石の配置構造を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記第2の課題を解決する手段として、非回転に支持された支持軸の周りに回転自在に中空軸を設け、中空軸にはモータブレーキを係合させ、中空軸に着脱自在に装着されるロールペーパのシートを送りローラで送り出す給紙部と、シートを2つ折りしその間にホッパから薬剤を投入し、薬剤を投入されたシートを所定間隔で幅方向と両側縁部とを帯状にヒートシールする加熱ローラを有する分包部とを備え、ロールペーパの回転角度を検出するために支持軸に角度センサを設け、分包部へのシート送り経路上でシート送り長さを測定する測長センサを設け、ロールペーパを上記中空軸に接合回転可能に接合する手段をロールペーパと中空軸が接する端に設け、両センサの信号に基づいてシート張力をロールペーパ径に応じて調整しながら薬剤を分包するようにした薬剤分包装置に用いられ、ロールペーパのシートの巻量に応じたシート張力を中空軸に付与するために、中空軸を回転自在に支持する非回転の支持軸に設けられた角度センサでシートの巻量が検出可能な位置に磁石を配置して成る薬剤分包用ロールペーパの磁石の配置構造としたのである。
【0014】
【0015】
上記薬剤分包装置では、分包部での分包作用において耳ずれや裂傷が生じないように給紙部から供給されるシートのシート張力を調整して分包作業が行われる。その際、測長センサと角度センサの2つのセンサによる信号検出が前提である。上記2つのセンサによる検出信号を得ると、そのいずれか一方のセンサの所定量を基準として他方のセンサの変化による巻量の変化を直接得る。
【0016】
巻量の変化の所定範囲をロールペーパの巻量直径の変化に予め対応させておけば、巻量の変化を検出するだけでブレーキ力の段階的な制御のレベルを選択することができ、従って巻量の直径に応じてブレーキ力を制御しシート張力を各段階毎に最適な張力に調整することができることとなる。
【0017】
この場合、ブレーキ力を段階的に変化させてもその切替えによる張力の変化によって耳ずれや裂傷が生じない範囲内でブレーキ力が変化するようにブレーキ力の各ランクが順次大きい方から小さい方へ切替えられるようになっているから、従来のようにロールペーパの巻径をセンサで直接検出する方式では巻径の不均等な巻きによりブレーキ力のランク切替え直径付近でブレーキ力の各ランクが急激に上下に変動するような不都合はその制御方式の違いにより生じることはない。
【0018】
上記本発明の上記薬剤分包装置に用いられる薬剤分包用ロールペーパの磁石配置構造によれば、薬剤分包用ロールペーパを使用する際は給紙部における支持軸の中空軸に着脱自在かつ接合回転自在に装着され、上記角度センサに対し中空軸に係合するブレーキ手段を制御するためシートの巻量データを検出可能に配設した磁石により発生させる。従って、上記磁石の配置構造によりシートの巻量データを検出可能としている。
【0019】
【0020】
【実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は薬剤分包装置の給紙部と分包部とを取り出した概略構成図である。給紙部は水平に支持された支持軸1に芯管Pに薬剤分包用のシートをロール状に巻いたロールペーパRが回転自在に装着され、上記ロールペーパRから引き出された包装シートSが送りローラ2、3を通り、次の分包部へ供給されるように形成されている。
【0021】
分包部は、三角板4で2つ折りにされた際にホッパ5から所定量の薬剤が投入された後、ミシン目カッタを有する加熱ローラ6により所定間隔で幅方向と両側縁部とを帯状にヒートシールするように設けられている。なお、分包部はこれ以外の構成部材も多数あるが、複雑になるのを避けるため必要な部材のみを示している。
【0022】
図2は給紙部にロールペーパRと芯管Pを装着した状態の主縦断面図である。図示のように、支持軸1はその一端がナットにより支持板11に取付固定された中心軸1aと、これに一体に嵌合された外軸1bと、上記外軸1bの左右両端寄り位置に設けた軸受12、12を介して回転自在に取り付けられる中空軸1cとから成る。
【0023】
13は中心軸1aの片端の軸ヘッド、14は外軸1bの片端のフランジ部である。中空軸1cの反対側端にもフランジ部15が設けられている。上記支持軸1に芯管Pとこれに巻回されたロールペーパRが装着されると中空軸1cにより回転自在に支持されると共に、フランジ部15の内径面に適宜間隔に配置された複数個の磁石16とこれに対向して予め芯管Pの端面円周に沿って配設された強磁性体(鉄部)17に対する吸着力により、装着された芯管PとロールペーパRが中空軸1cに着脱自在に固定される。
【0024】
上記中空軸1cにはモータブレーキ20が係合し、ロールペーパRから繰り出される包装シートSに適度な張力を付与している。モータブレーキ20は支持板11に取付けられており、図示しない伝動ベルトを介して歯車ユニット21を回転させ、その出力軸上に設けたピニオン22が、フランジ部15の外端面に設けた大歯車23に係合して中空軸1cにブレーキ力を与えるようになっている。
【0025】
モータブレーキ20は、小さな交流モータ(AC)であり、供給電源として直流電圧を加えることによりブレーキ力を与えるように使用される。この場合、後で説明するように、直流電圧の値を4段階に変化させて繰り出される包装シートSの張力の大きさに応じてブレーキ力を変化させる。
【0026】
磁石24とホール素子センサ25、及び近接スイッチ26と突起27については、さらに図2及び図5に示すように、芯管Pに設けた磁石24とホール素子センサ25から成る回転角度センサからの信号、及び近接スイッチ26と突起27から成る包装シートのずれ検出センサからの信号が、図3に示すように、制御回路30へ入力される(制御回路30については後で説明する)。
【0027】
即ち、第1実施形態の測長センサの信号と、上記回転角度センサの信号とからロールペーパRの包装シートSの繰出量を正確に算出してロールペーパRの巻直径の変化に対応したブレーキ力の調整をし張力調整を適正に行おうとするものである。
【0028】
図6に示すように、この実施形態の芯管Pの内周沿いと支持軸1の片端にそれぞれ設けられる磁石24とホール素子センサ25は、4つの磁石24が1つの基点から67.5°ずつ位置が異なる各4点に配置され、4つのホール素子センサ25は上記基点を通る中心線とこれに直交する中心線上の4つの位置に配置されている。
【0029】
上記配置は、磁石24とホール素子センサ25の数と配置が最も合理的な組合せとして選定したものであり、例えば図7の(a)?(d)に示すように、種々の変形例があり得る。しかし、いずれの配置であれホール素子センサ25が芯管Pの回転を表す角度信号は芯管Pが22.5°回転する毎に1つのパルス信号を発する点ではいずれの配置であってもよいことは説明するまでもない。
【0030】
なお、上記芯管Pの回転を検出する検出器として上記例では磁石24とホール素子25の組合せとしたが、これ以外にも光センサを用いることもできる。光センサは、発光素子と受光素子から成るものとし、これらをホール素子25と同様に支持軸1(外軸1b)の片端に固定して取り付ける。
【0031】
但し、取付位置は図2のホール素子センサ25より外端寄りに外軸1bのフランジ端の一部を延長し、又は同等の取付座を形成し、これに対応して芯管Pの側端にも突起部を所定の角度ピッチ22.5°で、かつ光センサの発光素子と受光素子で突起部を挾むように設ける。光センサと突起部の数はホール素子センサ25の場合と同様である。
【0032】
図3は給紙部から包装シートを分包部へ送り薬剤を分包する装置の主要部材を制御する回路の概略ブロック図である。制御回路30は、エンドセンサ31からの信号、送りローラ3に設けられたロータリエンコーダ32からの信号、あるいは加熱ローラ6の軸に連結されるモータ6aの出力軸上でその回転数を計測する回転数カウンタ33からの信号のいずれかによりモータブレーキ20へブレーキ力を与えるための制御指令、及びモータ6aへの制御指令を出力するように構成されている。なお、34は外部からデータを入力するための入力部である。
【0033】
図5は図2の矢視V-Vから見た側面図であり、主として上記包装シートのずれ検出センサの配置を示すためのものである。この例では支持板11に1つの近接スイッチ26が設けられ、支持軸1の回転する中空軸1c端のフランジ部15に16ケの突起27が形成されている。
【0034】
このずれ検出センサは、前述したホール素子センサ25による回転角度センサの信号を基準として、その基準信号と同一ピッチの信号が検出されないことにより包装シートの繰出しずれの有無を検出しようとするものである。
【0035】
以上の構成とした実施形態の薬剤分包装置ではシート張力を次のように調整しながら薬剤の分包作業が行われる。この実施形態では給紙部にセットされるロールペーパRは最大径d_(max)、最小径d_(0)とし、図8に示すように、ロータリエンコーダ32による測長信号に基づいて得られる包装シートの繰出量lと、角度センサであるホール素子センサ25のパルス信号に基づく角度θとによってモータブレーキ20のブレーキ力を4段階に制御してロールペーパRの直径の変化に応じて最適なブレーキ力で張力調整を行う。
【0036】
図示の例のロールペーパRは、最大径d_(max)=160mm、最小径d_(0)≒64mm、シート厚みγ=30μmが用いられている。従って、直径が包装シートSの使用によって変化する範囲を単純に4段階に分けるとすると、(160-64)/4=24mm直径が減少する毎にモータブレーキを変化させればよい。
【0037】
このとき、各段階毎のシート長さは次のようになる。任意の直径のときのロールペーパRの巻き長さLは次式で表される。
【0038】
【数1】

【0039】
一方、ロールペーパRの直径は次式となる。
d_(max)=d_(0)+2×nγ ‥‥‥(2)
(1)式からロールペーパRが最大径のときの巻き長さL_(max)は、
L_(max)=〔64×n+n(n+1)×30×10^(-3)〕π
(2)式からd_(max)=64+2×30n×10^(-3)=160(mm)
よってn=96/6×10^(-2)=1600回
故に、L_(max)=(64+1601×30×10^(-3))×1600π
=562.688(m)
今、ロールペーパRの直径が減少する段階を4段階に分けて、最大径から順に径が小さくなる各段階NをN=1,2,3,4と呼ぶこととするとそれぞれの段階での各巻長さの最大長は次のようになる。
【0040】
N=1の時 L_(max)=562.688(m)(n=1600,d_(max)=160)
N=2の時 L_(max)=376.800(m)(n=1200,d_(max)=136)
N=3の時 L_(max)=221.056(m)(n=800,d_(max)=112)
N=4の時 L_(max)= 95.456(m)(n=400,d_(max)=88)
なお、図8では磁石24とホール素子センサ25の数は前述したこの実施形態の例とは異なっているが、前述したように角度22.5°回転する毎に1つのパルス信号が出力されることについては同じであるから、理解し易いように、又説明の便宜上異なる配置例を用いている。
【0041】
図示のように、包装シートの繰出量lを繰出す際に(a)のように巻量半径が大きければ角度センサのパルス数は少なく、(b)のように巻量半径が小さければパルス数は多くなる。従って、最大径のパルス数が例えば図示のように3、最小径の数が10であれば、パルス数が3?10に変化する過程を、例えば4段階に分けてロールペーパRの直径の変化に対応させて各直径段階に対応した張力を包装シートSに付与し得る直流電圧をモータブレーキ20へ送りブレーキ力を調整する。
【0042】
上記張力レベルN=1?4とパルス数との関係は図1の実際の例では次の通りである。ロールペーパRの製品の最大径160mm、最小径64mmとすると、最大径での1回転の繰出量はπ×160mmであり、角度センサ25は22.5°間隔で1つの(1回転当り16ケ)パルス信号を発するから、1つのパルス信号を発する毎に繰出される包装シートSの長さは、π×160/16=314m/mとなり、3140m/mの繰出量ではパルス数10ケとなる。
【0043】
同様に最小径での繰出量とパルス数との関係は、π×64/16=129.5m/mから3140m/mの繰出量ではパルス数3140/1295×10=24.2ケとなる。
【0044】
上記パルス数の変化を4段階に分けて直流電圧を各張力レベル毎に対応させて変化させると次のようになる。

なお、上記説明では繰出量を一定とし角度センサのパルス数の変化により張力レベルNを調整するとしたが、反対に角度センサの一定数のパルス数を基準として繰出量の変化によりペーパ巻量の状態を推定して張力レベルを調整するようにしてもよいことは説明するまでもない。以下前者の調整法を中心にさらに具体的に説明する。
【0045】
図9、図10に上記張力調整の作用のフローチャートを示す。図9は張力調整装置が通常モードに入るための特殊モードのフローチャート、図10は通常モードのフローチャートである。
【0046】
図9の特殊モードは分包装置における通常の分包作業に入る前に予め動作条件をチェックし、通常モードに入りやすい状態に条件を揃えておくための予備的な作用を意味する。包装シートを分包装置に最初にセットして分包作業を開始するまでにシートのセット状態が正しく行われているかの準備作業は、一般的には手動によりインチング操作して行われることが前提であり、必ず制御モードはこの特殊モードを通過する。
【0047】
ステップS_(0)での特殊モードであるかの判定は、条件としてエンドセンサ、ジョイントシールの作動、インチングモード、巻量センサの逆転検出のいずれか1つでも検出されれば、特殊モードの作動を行うように判定される。ジョイントシールの作動とは1つのロールペーパが消費され紙切れとなっている間に次のロールペーパを給紙部にセットし前のロールペーパとの紙継ぎ動作をすることである。
【0048】
インチングモードとは、全ての作用の開始前に制御回路はスイッチによりインチングモードに投入され前述のように手作業で包装シートがセットされるが、その動作中はずっとインチングモードであるからこれを確認するための条件である。
【0049】
なお、作業の前提として特殊モードに入る必要があるのは、ロールペーパを供給する際に必ずしも新しい完全なロールペーパとは限らず巻量が例えば半分程度のものを途中からセットする場合があるからである。従って、以下で説明するように、ロールペーパが半分程度のものである場合、全量の巻量に対応する張力より小さいがその巻量に合致する張力より少し大きい中間的な張力に予め張力調整が行われる。
【0050】
まず、ステップS_(0)で特殊モードと判定されると、ステップSS_(1)で張力を最大張力に設定し、同時に各種センサ(基準センサ、回転数カウンタ、巻量センサ、芯管滑りセンサ)を作動状態とする(SS_(2))。この状態で手動によるインチング操作で包装シートを少しずつ送り、測長センサであるロータリエンコーダ32の信号と角度センサであるホール素子センサ25の信号を読取る。
【0051】
上記読取られた各センサの信号からステップSS_(5)でロールペーパ巻量を演算する。演算は前述した概略説明による計算方法に従って行われる。この演算によりロールペーパの巻量が全量か又は例えば半分程度であるかが求められ、この演算が行えないとき(NO)はステップSS_(3)に戻り、演算が行われたときはステップSS_(7)で再び特殊モードへ入る時の条件と同じ条件が全て解除されているかどうかを判断し、全ての条件が解除されていれば、ステップSS_(8)で適正張力に制御する。なお、ステップSS_(9)、SS_(10)は芯管の滑り検出制御であり、これについては後で説明する。
【0052】
上記ステップSS_(8)での張力制御は、例えばロールペーパ巻量が全量(新品)のときは、最大張力の直流電圧を25Vに設定する。あるいは巻量が半分程度の時は20V程度に設定し、急激な張力変動を生じないような値に予めセットしておく。
【0053】
上記適正張力の制御が行われると、フローの先頭に戻り、再びステップS_(0)で特殊モードの判定を行うが、上記予備的な作用によりここでは当然通常モードの処理〔A〕へ進む。
【0054】
図10の通常モードへフローが進みインチングモードのスイッチが手動で切替えられると、まずステップS_(1)で前回設定データの読出しをし、各種センサを引続き作動状態とする(S_(2))。従って、この場合包装装置の通常作動が始まっており、作動開始時には張力は特殊モードで適正に設定された直流電圧値で制御されている。
【0055】
次に、ステップS_(3)、S_(4)、S_(5)で特殊モードの時と同様に測長センサ信号、角度センサ信号が読込まれ、ロールペーパの巻量演算が行われる。この演算も基本的に前述した演算方法に従って行われる。その結果、全量の巻量で始まるロールペーパRの場合は、図示のように、各ステップS_(6)、S_(8)、S_(10)、S_(12)での巻量の各判定に従って各ステップS_(7)、S_(9)、S_(11)、S_(13)で25V、16V、12V、8Vの直流電圧への制御が行われる。以上の巻量と直流電圧制御の関係は図11に示す通りである。
【0056】
上記各ステップを経ていずれかのルートでの張力制御が行われた後、この実施形態ではさらに芯管の滑り動作の有無がステップS_(14)で行われる。この滑り動作のチェックは、前述した近接スイッチ26を用いて行う。近接スイッチ26の配置は、図5に示すように、1つの近接スイッチ26と16ケの突起(強磁性体)の組合せで前述した角度センサとしてのホール素子センサ25による角度検出手段の場合と同様に角度22.5°に1つずつのパルス信号が得られる。
【0057】
上記2種類の角度センサは、両方共同じ形式のセンサを用いてもよいことは言うまでもない。このような角度センサによる各回転角度毎のパルス信号と回転角度の関係を図12のタイムチャートに示す。図示のように、巻量検出チャートで示されるパルス信号に対し滑り検出センサによるパルス信号が、芯管の巻状態が張力によって変動しない限り、同じタイミングで同期して得られる。
【0058】
しかし、上述した各直流電圧によるモータブレーキ20の回転抵抗が適当でなく、例えばある張力レベルN=2において張力がやや強過ぎたとするとロールペーパRと芯管Pが一体となって強く回転し、例えば磁石16による強磁性体17への吸着固定位置がずれたりすると、ホール素子センサ25による信号は各22.5°の角度ずつのパルス信号を発するが、近接スイッチ26によるパルス信号は上記ずれによって同じ位置で2つが重なり、次の角度位置ではパルス信号が出ないということがある。
【0059】
以上のようなずれを起こしたときのパルス信号の変化を図12に示している。滑り検出センサのパルス信号は1回転後のC、Dの位置でパルス信号がなく、その後DとAの間に少しずれてパルス信号が生じた場合を示している。
【0060】
この場合は、1回転Cの位置で滑り検出センサのパルスがないことを巻量検出センサを基準として検出することにより滑りを検出し、張力が例えばN=2における直流電圧16Vでは大き過ぎる場合14Vに電圧を減少させるというように張力の緊張緩和制御を行って適正張力に調整することにより位置Dを過ぎた任意の位置で再びパルス信号が出力されるようになる。
【0061】
以上のようにして芯管Pの張力ずれに対する制御を必要に応じて行った後、ステップS_(16)でロールペーパの残量の有無をエンドセンサ31の信号によりチェックし、包装シートが終端でない限りステップS_(3)の前に戻り、上記演算を繰り返して包装シートの巻量に応じた適正な張力の制御を続行する。
【0062】
エンドセンサ31で包装シートSの終端が検出されるとその信号に基づいて張力制御は終了する。但し、さらに分包作業を続行したいときは、特殊モードに切替えてロールペーパRを新しいものに取り替え紙継ぎをして上記動作を続行すればよいことは説明するまでもない。
【0063】
なお、前述した特殊モードにおけるフローチャートの説明でステップSS_(9)、SS_(10)は点線で示しているが、これは特殊モードでは必ずしも必要ないが、設けるとすると上述した通常モードでの滑り検出動作のステップS_(14)、S_(15)と同様にして行えばよい。
【0064】
以上の説明ではロールペーパRは完全な全量巻の製品であることを前提として説明したが、たとえばロールペーパRとして半分程度の巻量のものが給紙部にセットされたときは、特殊モードで予め張力状態を全量巻きのロールペーパを繰り出して半分程度となったときの通常モードでの張力制御状態より少し大きい張力状態に制御した後通常モードに入るから、張力状態が大きく異なるため急激に張力状態を変化させることがなくスムースに通常モードに入り得ることは明らかであろう。
【0065】
又、上記実施形態では近接スイッチ26と複数の突起27(16ケ)の組合わせによるセンサは、芯管Pの中空軸1cに対する「すべり」を検出するものとして説明したが、このセンサを前述した磁石24とホール素子センサ25の組合わせによるセンサに代えて角度検出センサとして用いることもできる。
【0066】
近接スイッチ26と突起27の組合わせによるセンサは、ブレーキモータ20によるブレーキ力の付与に異常(例えば故障によりブレーキモータ20が停止することなど)が生じない限り、検出パルスは図12に示すようにホール素子センサ25による角度の検出と同じタイミングでパルス信号を出力しており、従ってそのパルス信号をそのまま角度検出信号として用いればよい。
【0067】
但し、近接スイッチ26による信号を角度検出センサとして用いる場合は、当然ホール素子センサ25による角度検出センサは省略される。この場合、近接スイッチ26による角度検出センサは角度検出をすると共にすべり検出センサとしても共用することとなるが、すべり検出センサとしてすべりを検出する際には基準となる信号が必要である。この基準信号としてロータリエンコーダ32の信号を用いるものとする。
【0068】
前記ブレーキ力の異常が生じた場合中空軸1cとそのフランジ15がブレーキモータ20と共に停止し、このため芯管Pとフランジ15との間ですべりが生じるが、紙の送りがある程度行なわれている限りロータリエンコーダ33が信号を発生し、そのパルス信号と近接スイッチ26によるパルス信号が不一致となった瞬間からすべりが生じていることとなるからである。
【0069】
【効果】
以上詳細に説明したように、薬剤分包装置に用いられるこの発明の薬剤分包用ロールペーパの磁石配置構造は、薬剤分包用ロールペーパのシート巻量が検出できる位置に配置した磁石を支持軸の角度センサで検出してシート張力の調整を可能とするものとしたから、簡易な構成の磁石配置構造を薬剤分包装置に用いることによりその分包作用において耳ずれや裂傷のない分包作用を実現できるという利点が得られる。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】分包装置の給紙部と分包部の主要構成の概略図
【図2】ロールペーパを装着した給紙部の縦断面図
【図3】包装シートの張力調整装置の制御回路の概略ブロック図
【図4】図2の矢視IV-IVから見た給紙部の側面図
【図5】図2の矢視V-Vから見た給紙部の側面図
【図6】角度センサの概略配置構成図
【図7】角度センサの他の変形例の概略配置構成図
【図8】原理作用を説明する図
【図9】特殊モード作用を説明するフローチャート
【図10】同上の通常モード作用を説明するフローチャート
【図11】同上の演算モードでの直流電圧と巻量との関係を示すグラフ
【図12】滑り検出センサによる滑り作用検出方法の説明図
【符号の説明】
1 支持軸
2 送りローラ
3 送りローラ
4 三角板
5 ホッパ
6 加熱ローラ
7 プリンタ
20 モータブレーキ
25 ホール素子センサ
26 近接スイッチ
30 制御回路
31 エンドセンサ
32 ロータリエンコーダ
33 回転数カウンタ
S 包装シート
P 芯管
R ロールペーパ
W 分包シート
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2011-05-02 
出願番号 特願2000-33185(P2000-33185)
審決分類 P 1 41・ 856- Y (B65H)
P 1 41・ 841- Y (B65H)
P 1 41・ 851- Y (B65H)
P 1 41・ 854- Y (B65H)
最終処分 成立  
前審関与審査官 谷治 和文渡邊 豊英  
特許庁審判長 鈴木 由紀夫
特許庁審判官 豊島 ひろみ
鳥居 稔
登録日 2001-10-19 
登録番号 特許第3243241号(P3243241)
発明の名称 薬剤分包用ロールペーパの磁石の配置構造  
代理人 山崎 宏  
代理人 山崎 宏  
代理人 前田 厚司  
代理人 前田 厚司  
代理人 田中 光雄  
代理人 田中 光雄  
代理人 前堀 義之  
代理人 前堀 義之  
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