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審決分類 |
審判 判定 同一 属さない(申立て成立) A01M |
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管理番号 | 1243090 |
判定請求番号 | 判定2011-600019 |
総通号数 | 142 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許判定公報 |
発行日 | 2011-10-28 |
種別 | 判定 |
判定請求日 | 2011-05-17 |
確定日 | 2011-09-12 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第2656910号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | イ号物件説明書及び図面に示す「獣害防止用電気柵」は、特許第2656910号の技術的範囲に属しない。 |
理由 |
第1 請求の趣旨 判定請求人は,判定請求書の「5.請求の理由」欄において,特許第2656910号の請求項1に係る発明のみを対象に請求の理由を述べていることから,本件判定請求の趣旨は,イ号物件説明書及び図面に示す「獣害防止用電気柵」は,特許第2656910号の請求項1に係る発明(以下,「本件特許発明」という。)の技術的範囲に属しない,との判定を求めるものである。 第2 本件特許発明 本件特許発明は,特許明細書及び図面の記載からみて,特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであり,その発明を構成要件に分説すると,次のとおりである。 1)導電材によって形成されている柵本体と, 2)上記柵本体の上部より側方へ突出したブラケットに支持されて, 3)該柵本体から側方へ離れた位置に張られ且つ該柵本体とは絶縁されている裸電線と, 4)上記裸電線に衝撃電圧をかける電源装置と 5)を備えていることを特徴とする電気柵。 (以下,各構成要件を「構成要件1)」等という。) 第3 イ号物件 請求人が提出したイ号物件説明書及び図面の記載からみて,イ号物件は,次に分説するとおりのものと特定される。 なお,被請求人は判定請求答弁書における「5 答弁の趣旨」において,「イ号図面並びにその説明書に示すイ号物件は,第二網4が柵体Aの垂直上方に配設され柵体Aより側方へ突出しない限りにおいて,特許第2656910号発明の技術的範囲に属しない,との判定を求める。」としており,イ号図面によると,第二網4は上記柵体Aの垂直上方に配設され,柵体Aより側方へ突出しないから,前記説明書におけるイ号物件の説明の記載に下線部の構成を加えた。 a)所定の間隔で地表に立設された支柱1と,これらの支柱間に張設された導電材からなる網2とで構成された柵体Aと, b)上記支柱上端から,支持体固定具5を介設して垂直上方へ設けられた絶縁材からなる支持体3と, c)その上下部を忍び返し方向に斜方へ折曲し,上記柵体Aと電気的に絶縁された状態で支持体に配設され,上記柵体Aの垂直上方に配設され,柵体Aより側方へ突出しない導電材からなる第二網4と, d)この第二網に衝撃電圧を印加する電源装置と e)から構成されたことを特徴とする獣害防止用電気柵。 (以下,分説した各構成を「構成a)」等という。) 第4 当事者の主張 1 請求人の主張 請求人は,イ号物件の構成a),d),e)はそれぞれ本件特許発明の構成要件1),4),5)に一致するが,構成b),c)は構成要件2),3)と相違するから,イ号物件は本件特許発明の技術範囲に属しない旨,主張している。 2 被請求人の主張 被請求人は,イ号図面並びにその説明書に示すイ号物件は,第二網4が柵体Aの垂直上方に配設され柵体Aより側方へ突出しない限りにおいて,特許第2656910号発明の技術的範囲に属しない旨,主張している。 第5 対比・判断 イ号物件が本件特許発明に係る前記分説した各構成要件1)?5)を充足するか否かについて,以下に対比・判断をする。 1 構成要件1),4),5)の充足性について 構成a)における柵体Aは導電材からなる網2を有するから,柵体Aは本件特許発明の柵本体に相当し,イ号物件の構成a)は本件特許発明の構成要件1)を充足する。 また,構成d)における電源装置は衝撃電圧を印加するから,イ号物件の構成d)は本件特許発明の構成要件4)を充足する。 さらに,構成e)における獣害防止用電気柵は電気柵であるから,イ号物件の構成e)は本件特許発明の構成要件5)を充足する。 2 構成要件2)の充足性について イ号物件の構成b)と本件特許発明の構成要件2)とを対比すると,構成b)の支持体3は支柱上端から垂直上方へ設けられており,柵本体の上部より側方へ突出したブラケットに相当せず,イ号物件の構成b)は構成要件2)を充足しない。 また,構成c)における第二網4の導電材は,斜方へ折曲されているが柵体Aより側方へ突出していないから,柵本体の上部より側方へ突出したブラケットに相当せず,イ号物件の構成c)も構成要件2)を充足しない。 3 構成要件3)の充足性について イ号物件の構成c)と本件特許発明の構成要件3)を対比すると,構成c)の第二網4は,上下部の曲折した部分を含めて全体が柵体Aの垂直上方に配設され,柵体Aより側方へ突出しないから,柵本体から側方へ離れた位置に張られるものではなく,イ号物件の構成c)は,構成要件3)を充足しない。 第6 むすび 以上のとおり,イ号物件は本件特許発明の構成要件2),3)を充足しないから,イ号物件は,本件特許発明の技術的範囲に属しない。 よって,結論のとおり判定する。 |
別掲 |
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判定日 | 2011-09-02 |
出願番号 | 特願平6-251714 |
審決分類 |
P
1
2・
1-
ZA
(A01M)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 星野 浩一 |
特許庁審判長 |
鈴野 幹夫 |
特許庁審判官 |
山口 由木 宮崎 恭 |
登録日 | 1997-05-30 |
登録番号 | 特許第2656910号(P2656910) |
発明の名称 | 電気柵 |
代理人 | 前田 弘 |
代理人 | 竹内 宏 |