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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  B26D
審判 全部無効 1項2号公然実施  B26D
審判 全部無効 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  B26D
審判 全部無効 特36 条4項詳細な説明の記載不備  B26D
管理番号 1243447
審判番号 無効2009-800226  
総通号数 143 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-11-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2009-11-02 
確定日 2010-11-29 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第2564157号発明「カッティングプロッタ」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯
昭和63年 1月11日 本件出願
平成 8年 9月19日 設定登録(特許第2564157号)
平成21年11月 2日 無効審判請求
平成22年 1月25日 答弁書・訂正請求書
平成22年 2月26日 弁駁書
平成22年 4月28日 被請求人・口頭審理陳述要領書
平成22年 4月30日 請求人・口頭審理陳述要領書
平成22年 5月13日 被請求人・口頭審理陳述要領書(2)
平成22年 5月18日 口頭審理
平成22年 6月17日 請求人・上申書
平成22年 7月20日 被請求人・上申書


第2.訂正請求について
1.訂正請求の内容
平成22年1月25日付け訂正請求書において、被請求人が求めた訂正の内容は、以下のとおりである。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「カッティングに先立って前記カッティングペンを所定方向に所定量移動する刃先制御手段」とあるのを「カッティング開始に先立って前記カッティングペンを所定方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に上記刃先先端の位置(方向)が常に一定になるように制御する刃先制御手段」と訂正する。
すなわち、訂正事項1は、以下の(ア)ないし(イ)の訂正事項からなる。
(ア)訂正前の「カッティングに先立って」を「カッティング開始に先立って」と訂正する訂正(以下「訂正(ア)」という)。
(イ)訂正前の「カッティングペンを所定方向に所定量移動する刃先制御手段」を「カッティングペンを所定方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に上記刃先先端の位置(方向)が常に一定になるように制御する刃先制御手段」と訂正する訂正(以下「訂正(イ)」という)。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「カッティングペンの移動は実際にカッティングを行う押圧力より小さな押圧力であること」とあるのを「カッティングペンの移動は実際にカッティングを行う押圧力より小さな押圧力で行われること」と訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「上記刃先先端が中心からずれたカッティングプロッタ」とあるのを「上記刃先先端が中心からずれたカッティングペンを使用したカッティングプロッタ」と訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項3に「カッティングに先立って前記カッティングペンを所定方向に所定量移動する刃先制御手段」とあるのを「カッティング開始に先立って前記カッティングペンを所定方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に上記刃先先端の位置(方向)が常に一定になるように制御する刃先制御手段」と訂正する。
すなわち、訂正事項4は、以下の(ウ)ないし(エ)の訂正事項からなる。
(ウ)訂正前の「カッティングに先立って」を「カッティング開始に先立って」と訂正する訂正(以下「訂正(ウ)」という)。
(エ)訂正前の「カッティングペンを所定方向に所定量移動する刃先制御手段」を「カッティングペンを所定方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に上記刃先先端の位置(方向)が常に一定になるように制御する刃先制御手段」と訂正する訂正(以下「訂正(エ)」という)。

2.訂正請求についての当審の判断
(1)訂正の目的の適否について
ア 訂正事項1について
上記訂正(ア)は、訂正前の請求項1の「カッティングに先立って」とあるのを「カッティング開始に先立って」と訂正するものであり、「カッティングペンを所定方向に所定量移動」させて行う「刃先制御手段」のタイミングを明りょうとする訂正であるとも、そのタイミングを「カッティング開始」に限定する訂正であるとも認められるから、訂正(ア)は、明りょうでない記載の釈明若しくは特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正(イ)は、訂正前の請求項1に記載した「カッティングペンを所定方向に所定量移動する刃先制御手段」の「刃先制御手段」について「カッティングペンを所定方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に上記刃先先端の位置(方向)が常に一定になるように制御する」と限定する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。

イ 訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項2の「カッティングペンの移動は実際にカッティングを行う押圧力より小さな押圧力であること」とあるのを「カッティングペンの移動は実際にカッティングを行う押圧力より小さな押圧力で行われること」と訂正するものであり、訂正前の請求項2の記載において、その主語である「カッティングペンの移動」と述語部である「小さな押圧力であること」が対応しておらず日本語として明りょうでなかった記載を、主語と述語部の対応をとるべく訂正するものであり、カッティングペンの移動は「カッティングを行う押圧力より小さな押圧力で行われること」を明りょうにするものであって、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。

ウ 訂正事項3について
訂正事項3は、訂正前の請求項3に「上記刃先先端が中心からずれたカッティングプロッタ」とあるのを「上記刃先先端が中心からずれたカッティングペンを使用したカッティングプロッタ」と訂正するものであり、本件特許明細書及び願書に添付した図面に「上記刃先先端が中心からずれたカッティングペンを使用したカッティングプロッタ」が一貫して記載されていることは、

a.本件訂正後の明細書第2ページ第5?10行(特許公報第3欄第6?13行)の「この種のカッティングプロッタは第4図に示すものがあった。図において、1はカッティングペン、2はカッティング媒体、3はペンブロック、4は制御手段である。
カッティングペン1は刃先11が先細状に形成されている。この刃先11は、刃先11すなわちカッティングペン1の移動中心(機械的中心)に対する回転に対して何の防げもなくフリーの構成を有している。」との記載、

b.同2ページ第17?19行(特許公報第3欄第22?25行)の「ところで、この種カッティングペン1は第5図(a)に示すように、刃先11の中心と刃先11の先端位置とがずれているので、刃先11の先端位置は刃先11の中心位置から所定距離離れた円周上を軌跡としている。」との記載、

c.第3、4、5図の記載、

から明らかであり、本件特許明細書及び願書に添付した図面には、それ以外のものが記載されているとは認められない。

したがって、「上記刃先先端が中心からずれたカッティングプロッタ」は、「上記刃先先端が中心からずれたカッティングペンを使用したカッティングプロッタ」の誤記であると認められるから、訂正事項3は、誤記の訂正を目的とするものである。

エ 訂正事項4について
訂正事項4は、訂正事項1と同じであるから、上記アと同様であり、明りょうでない記載の釈明若しくは特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2)新規事項追加及び訂正の変更拡大について
上記訂正事項1乃至4は、本件特許明細書及び図面に記載された事項の範囲内においてされたものであり、上記訂正が、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)訂正についてのまとめ
したがって、上記訂正事項1乃至4は、平成6年改正前特許法(以下、「改正前特許法」という。)第126条第1項第一乃至三号のいずれかに該当するものであり、同第2項の規定に適合するので、上記訂正を認める。
なお、請求人は弁駁書において、訂正に係る文言が、「カッティングに先立ってカッティングペンを所定方向に所定量必ず移動させる」と解釈されるならば、本件特許明細書には、同解釈を基礎付ける記載は全く見当たらない以上、本件訂正事項に係る文言を追加する訂正は、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてなされるものではない旨を主張している(弁駁書第10ページ第1?5行)。
しかしながら、文言解釈とは別に、上述した如く、「カッティングに先立って、刃先制御必要移動量の距離を移動させるように構成することにより刃先先端を常に一定の方向(位置)に制御すること」は特許明細書に記載のあった事項(特許公報第4欄第24?27行)であるから、訂正事項1及び4は新規事項の追加であるとする請求人の主張は採用できない。


第3.本件発明
訂正の認容により、本件特許の請求項1ないし4に係る発明(以下「本件発明1ないし4」という。)は、訂正された特許明細書及び願書に添付した図面の記載からみて、下記のとおりのものである。

「【請求項1】 カッティング媒体上を相対的に二次元に移動し、所定の形状のカッティングを行うため、刃先が自在に回転するとともに、上記刃先先端が中心からずれたカッティングペンを使用したカッティングプロッタにおいて、
カッティング開始に先立って前記カッティングペンを所定方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に上記刃先先端の位置(方向)が常に一定になるように制御する刃先制御手段を設けたことを特徴とするカッティングプロッタ。」

【請求項2】 カッティングに先立つ刃先制御手段におけるカッティングペンの移動は実際にカッティングを行う押圧力より小さな押圧力で行われることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のカッティングプロッタ。」

【請求項3】 カッティング媒体上を相対的に二次元に移動し、所定の形状のカッティングを行うため、刃先が自在に回転するとともに、上記刃先先端が中心からずれたカッティングペンを使用したカッティングプロッタにおいて、
カッティング開始に先立って前記カッティングペンを所定方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に上記刃先先端の位置(方向)が常に一定になるように制御する刃先制御手段を設け、かつ前記刃先制御手段により刃先制御動作を行うための刃先制御領域をカッティング有効領域外であって、カッティングペン移動領域内に設けたことを特徴とするカッティングプロッタ。

【請求項4】 刃先制御手段として、刃先制御動作を行うためのプログラムを格納したROMと、この刃先制御動作により整列された刃先先端の位置(方向)を格納するとともに、一連のカッティング動作に応じて更新するメモリーを設けていることを特徴とする特許請求の範囲第1項?第3項記載のカッティングプロッタ。」


第4.請求人の主張
1.主張の概要
請求人は、本件発明1ないし4を無効にするとの審決を求め、証拠方法として、以下の甲第1ないし12号証を提示し、その理由として概略、以下の無効理由を主張している。

無効理由1:本件発明1ないし4は、本件特許の出願前に公然実施されていたカッタープロッタFB900またはFB460(以下、FB900等という。)と同一であるから、特許法第29条第1項第2号の規定に違反してなされたものである。
無効理由2:本件発明1ないし4は、本件特許の出願前に公然実施されていたFB900等に基づき当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。
無効理由3:本件特許の発明の詳細な説明には、当業者が容易にその実施をすることができる程度に、その発明の目的、構成及び効果が記載されていないから、本件特許は、改正前特許法第36条第3項に規定する要件を充足していない。
無効理由4の1:本件発明1ないし4は、発明の詳細な説明に記載したものではないから、改正前特許法第36条第4項第1号の要件を充足しない。
無効理由4の2:本件発明1ないし4は、発明の構成に欠くことができない事項を超えた構成の刃先制御手段が記載されており、発明の構成に欠くことができない事項のみを記載したものではないから、改正前特許法第36条第4項第2号に規定する要件を満たしていない。

なお、平成22年2月26日弁駁書の中で主張した無効理由5?7については、上記無効理由1?4と重複していることから省略する。

甲第 1号証:Total Sign Art System(3Mパンフレット)の写し
甲第 2号証:「カッティングプロッタ仕様案」と題する書面の写し
甲第 3号証:カッティングプロッタFB900取扱説明書の写し
甲第 4号証:カッティングプロッタFB460取扱説明書の写し
甲第 5号証:東京地裁平成21年(ワ)第2659号・原告第2準備書面の写し
甲第 6号証:東京地裁平成21年(ワ)第2659号・訴状の写し
甲第 7号証:東京地裁平成21年(ワ)第2659号・原告第4準備書面の写し
甲第 8号証:2010年4月27日付け陳述書(請求人従業員池田貴一)の写し
甲第 9号証:CG-100Lx CG-130Lx取扱説明書(抄)の写し
甲第10号証:G600実験報告書の写し
甲第11号証:東京地裁平成21年(ワ)第2659号・原告第4準備書面の写し
甲第12号証:2010年6月16日付け陳述書(請求人従業員池田貴一)の写し

甲第8?10号証は、平成22年4月30日付け口頭審理陳述要領書と同時に、また甲第11号証と甲第12号証は、平成22年6月17日付け上申書と同時に提出されたものである。
また、甲第7号証と甲第11号証は、同一の証拠である。


第5.被請求人の主張
1.主張の概要
これに対し、被請求人は、請求人の提出した証拠方法によっては、本件特許を無効にすることができないと主張し、証拠方法として、以下の乙第1ないし24号証を提示している。
また、被請求人は、平成22年7月20日付け上申書(第14ページ第2行?第15ページ第10行。行数は空行を含まない。以下同じ。)において、請求人が平成22年4月30日付け口頭審理陳述要領書とともに提出した甲第10号証(G600実験報告書)について、請求の理由の要旨変更に該当し、かつ不当に審理を遅延させるものであるから、証拠として採用すべきではない旨を主張している。

乙第 1号証:特開平3-43187号公報
乙第 2号証:CGFXシリーズ(G型プロッタ)取扱説明書(抜粋)の写し
乙第 3号証:CF2シリーズ(F型プロッタ)取扱説明書(抜粋)の写し
乙第 4号証:別件訴訟である平成21年(ワ)第2659号損害賠償等請求事件の被告準備書面(1)の写し
乙第 5号証:特開昭56-56900号公報
乙第 6号証:実公昭49-19322号公報
乙第 7号証:特開昭61-152391号公報
乙第 8号証:特開昭62-218097号公報
乙第 9号証:別件訴訟である平成21年(ワ)第2659号損害賠償等請求事件の被告準備書面(5)の写し
乙第10号証:特開平3-43188号公報
乙第11号証:特開昭61-109692号公報
乙第12号証:実願昭61-41419号(実開昭62-153098号)のマイクロフィルム
乙第13号証:実願昭61-65394号(実開昭62-175993号)のマイクロフィルム
乙第14号証:実願昭62-41354号(実開昭63-147296号)のマイクロフィルム
乙第15号証:特開平6-71591号公報
乙第16号証:特開平6-246685号公報
乙第17号証:実願平5-27179号(実開平6-80596号)のCD-ROM
乙第18号証:実願平5-38908号(実開平7-3996号)のCD-ROM
乙第19号証:特開平9-155792号公報
乙第20号証:特開平10-264088号公報
乙第21号証:実願昭60-123182号(実開昭62-36034号)のマイクロフィルム
乙第22号証:別件訴訟である平成21年(ワ)第2659号損害賠償等請求事件の被告準備書面(6)の写し
乙第23号証:G600及びG900取扱説明書の写し
乙第24号証:別件訴訟である平成21年(ワ)第2659号損害賠償等請求事件の被告準備書面(7)の写し


第6.当審の判断
1.無効理由1(特許法第29条第1項2号)について
本件発明との比較においては、FB900とFB460とは同一構成を備えていると請求人は認めている(平成22年4月30日付け請求人側口頭審理陳述要領書第3ページ第3、4行)から、以下、FB900に基づいて本件発明の新規性判断を行う。

(1)本件発明(訂正後の特許発明)
本件発明1ないし4は、上記「第3.本件発明」のとおりである。

(2)甲第1ないし第3号証に記載の事項、及び公然実施発明
甲第1号証には、住友スリーエム株式会社(以下、3Mという。)が販売している各種カッタープロッターの中にFB-900があり、その仕様として、本体サイズが(W)2300mm×(D)1480mm×(H)1110mm、有効カット範囲が900mm×1500mmであることが記載されている。
また、甲第2号証には、請求人が昭和62年8月6日付けで作成したFB900を含む各種カッティングプロッタの仕様案が記載されており、特に、FB900については、カット範囲が900mm×1500mm、外形寸法W×D×Hは2300mm×1480mm×1110mm、発売年月日が「7月30日」と記載されている。
そして、カッティングプロッタFB900の取扱説明書である甲第3号証には、以下の事項が記載されている。
a.FB900の取扱説明書は、平成62年7月9日に初版(Ver.1.00)が作成され、その後改訂が加えられ、甲第3号証は、平成62年9月25日に作成された5回目の改訂版(Ver.1.11)であること(表紙)。
b.FB900がカットシートをカットするフラットベットタイプのカッティングプロッタであること(第1ページ第3、4行、第3ページの3-1基本仕様の表)。
c.カッターを取り付けたキャリッジが2次元に移動すること(第4ページ第7?9行)。
d.電源投入後に、F1 HOMEキーを押すことにより、ホーム点の設定を行うこと(第10ページの(解説))。
e.カッティングの圧力は、20g?300gの間で指定できること。(第12ページの指定コードと対応圧力との関係を示した表)。
f.カッターの先端のカッター刃先がホルダーの中心軸からずれていること(第13ページ上から2番目の図)。
g.TEST動作が選択されたとき、作画原点であるHOME点を始点として1辺が15mmの正方形の図形をカットすること(第20ページ(1))。
h.FB900は制御ROM、及びシステムRAMを有すること(第26ページエラーコード表)。

これらを総合すると、カッティングプロッタFB900は、請求人が3Mへ供給し、3Mが昭和62年8月頃に発売を開始したカッティングプロッタであると推定でき、この点について両者に争いはないことも踏まえ、カッティングプロッタFB900は本願出願前に公然実施された装置となったと認める。
そして、甲第1ないし第3号証に記載されたカッタープロッターFB900(以下、公然実施発明という。)の具体的な構成は、本件発明に沿って整理すると以下のとおりのものであると認める。

「カットシート上を相対的に二次元に移動し、所定の形状のカッティングを行うため、刃先が自在に回転するとともに、上記刃先先端がホルダーの中心軸からずれたカッターを使用したカッタープロッターにおいて、
カッティング開始に先立って、『TEST』動作が選択された場合に、作画原点であるHOME点を始点として1辺が15mmの正方形の図形をカットする制御手段を有し、
『TEST』動作及びカッティングにおける、カッティング圧力は、20?300gの範囲で操作パネルにより設定することができ、
電源ONまたはCLEAR動作後に必ず作画原点であるHOME点の設定が行われるとともに、HOMEキーが押された時にカッターがある位置がHOME点とされ、
『TEST』動作が選択された場合に、当該HOME点を始点、終点として1辺が15mmの正方形の図形をカットする制御手段を有し、
制御ROMとシステムRAMを有するカッタープロッター。」

(3)本件発明1について
本件発明1と公然実施発明とを対比すると、その文言上の意義、構造及び機能等からみて、公然実施発明における「カットシート」は、本件発明1の「カッティング媒体」に相当し、以下同様に、「ホルダーの中心軸」は「中心」に、「カッター」は「カッティングペン」に、「カッタープロッター」は「カッティングプロッタ」にそれぞれ相当する。
また、公然実施発明における「カッティング開始に先立って、『TEST』動作が選択された場合に、作画原点であるHOME点を始点として1辺が15mmの正方形の図形をカットする制御手段」と、本件発明1の「カッティング開始に先立ってカッティングペンを所定方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に刃先先端の位置(方向)が常に一定になるように制御する刃先制御手段」とは、「カッティング開始に先立ってカッティングペンを所定方向に所定量移動させることが可能である制御手段」という限りにおいて共通している。
したがって、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。

〈一致点〉
「カッティング媒体上を相対的に二次元に移動し、所定の形状のカッティングを行うため、刃先が自在に回転するとともに、上記刃先先端が中心からずれたカッティングペンを使用したカッティングプロッタにおいて、
カッティング開始に先立ってカッティングペンを所定方向に所定量移動させることが可能である制御手段を設けたカッティングプロッタ。」
〈相違点1〉
本件発明1においては、カッティング開始時の刃先先端位置を特定するために、「カッティング開始に先立ってカッティングペンを所定方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に上記刃先先端の位置(方向)が常に一定になるように制御する刃先制御手段」を設けたのに対して、公然実施発明では、「カッティング開始に先立って、『TEST』動作が選択された場合に、作画原点であるHOME点を始点として1辺が15mmの正方形の図形をカットする制御手段」を有するものの、カッティング開始に先立つとき、すなわち刃先先端の位置が不明な場合に当該「TEST」動作が必ず行われるか不明である点。

上記相違点1が実質的な相違点か否か、以下に検討する。
まず、「カッティング開始に先立って」という記載に関して、被請求人は「カッティングデータに従った図形の正式なカッティングの前を意味する」(第1回口頭審理調書 被請求人 3)と主張している。この解釈については、請求人は特段争っておらず、本願明細書全体から把握できる技術的解釈として妥当といえる。
次に、本件発明1の相違点1に係る発明特定事項の技術的意義について検討する。本件特許明細書(本件特許公報参照)には、次のように記載されている。
a.第3欄第10?13行
「カッティングペンlは刃先11が先細状に形成されている。この刃先11は、刃先11すなわちカッティングペンlの移動中心(機械的中心)に対する回転に対して何の防げもなくフリーの構成を有している。」
b.第3欄第22?25行
「この種カッティングペンlは第5図(a)に示すように、刃先11の中心と刃先11の先端位置とがずれているので、刃先11の先端位置は刃先11の中心位置から所定距離離れた円周上を軌跡としている。」
c.第3欄第29?34行
「図形カッティング開始時において刃先11の先端位置は前述の中心点に関してある距離を有する円周上にあって不特定な位置に存在するので、・・・正確なカッティング形状が得られない欠点があった。」
d.第3欄第35?37行
「この欠点を改善するものとして、・・・、カッティング開始時に刃先先端の位置を一定の位置とするものがある。」
e.第3欄第44?49行
「しかしながら、このような構成においては磁石を複数個ペンケースおよび刃先またはこの刃先と結合した部材に設けなければならず製造上困難な欠点を有していた。
本発明はこの点を改善することを目的としたもので簡単な構成で所期の目的を達成することのできるカッティングプロッタを提供するものである。」
f.第4欄第1?4行
「このため、本発明においては、
カッティング開始に先立って、所定の方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に刃先先端の位置を一定にするものである。」

これらの記載からみて、本件発明1の相違点1に係る発明特定事項の技術的意義は、カッティング開始直後において、精度の高いカッティングを行うために、カッティングに先立って、カッターを所定方向に所定量移動させることにより、刃先の方向を特定することにあると解することができる。そして、上記刃先の方向制御動作は、正確な図形のカッティングを行うという本件発明の課題を踏まえれば、刃先の方向が不明なとき、すなわちカッティングに先立って常に行われると解するのが相当である。

一方、請求人は公然実施発明の「TEST」動作に関して、公然実施発明の取扱説明書(甲第3号証)には具体的な明示はないものの、請求人製カッティングプロッタCG-LXシリーズの取扱説明書に(捨て切りを)「OFFに設定したときはカット前に刃先方向を合わせるために、試し切りを実行してください。」(甲第9号証の3-29参照。)と明確に記載されていることから、「TEST」動作の目的には、カット前に刃先方向を整えることが含まれ、この目的に鑑みれば、「TEST」動作は、正式カットが行われる前、すなわち、「カッティングに先立って」行われるべきものであるから、相違点1は実質的な相違点を構成していない、と主張している(口頭審理陳述要領書第3ページ第6?12行、及び第7ページ第19行?第8ページ第1行)。
また、請求人は公然実施発明における「TEST」動作後のカッタの刃先先端の方向は、常に、1辺15mmの四角の最後の辺をカットした際の進行方向とは反対方向となることから、「TEST」動作により、カッティングペンは、所定方向に所定量移動し、これにより刃先先端の位置(方向)が常に一定になるから、この点も実質的な相違点ではないと主張している。
しかしながら、無効理由の根拠としているFB900ないしFB460以外の本件特許の出願後に公知となった請求人製カッティングプロッタの取扱説明書である甲第9号証に、刃先方向を合わせるという目的や機能が記載されているからといって、直ちにFB900等も同様な目的や機能を有することにならない。
また、「TEST」動作を行ったときは、その結果として刃先先端の方向が一定になるとしても、公然実施発明の取扱説明書(甲第3号証)において、「TEST」動作の目的を説明した箇所(第20ページ)には、カッティング精度に関わる刃先の方向を整えることについてはなんら記載されていないことから、刃先の方向制御が「TEST」の目的であるとする請求人の主張は根拠を欠くものである。
そうすると、公然実施発明の「TEST」の目的は、カッティングスピードやペン圧などの各種パラメータが適切に設定されているかを確認することと解するのが相当である。
すなわち、公然実施発明の「TEST」動作とは、ユーザーの判断によりカッティング前に「TEST」が実行されたときには、結果的に刃先方向を整えることが可能であるという程度にすぎず、カッティング前に刃先の位置特定をするために常に行うものとはいえない。
したがって、上記相違点1は、実質的な相違点といえるから、本件発明1は、公然実施発明と同一であるとはいえない。

(4)本件発明2について
本件発明2と公然実施発明とを対比すると、本件発明1と公然実施発明との一致点で一致する一方、上記相違点1に加えて次の点で相違する。

〈相違点2〉
本件発明2が、「カッティングに先立つ刃先制御手段におけるカッティングペンの移動は実際にカッティングを行う押圧力より小さな押圧力で行われる」ものであるのに対して、公然実施発明では、「テスト」動作を選択した場合に、HOME点から1辺15mmの正方形の図形をカットする際の押圧力が不明である点。

相違点1は実質的な相違点であるから、相違点1を有する本件発明2も本件発明1と同様に公然実施発明と同一とはいえないが、念のため上記相違点2について検討する。
相違点2に関して、請求人は、正式カットは約40gを超える圧力で行われるところ、FB900は「テスト」及び(正式)カットにおけるカット圧は、20?200gの範囲内で設定可能であるから、実質的な相違点にならない旨主張している(審判請求書第18ページの表)。
ここで、本件発明の課題や本件特許明細書における「A’→A間のカッティングを極力行わせないようカッティングペン1に押圧力を付与するアクチュエータの付与力を極力小さくしている。」(本件特許公報第5欄第2?5行)という記載を踏まえると、本件発明2の相違点2に係る発明特定事項の技術的意義は、実際にカッティングを行う押圧力より小さな押圧力で行うことにより、刃先を一定の方向にするとともに、刃先の方向制御動作によりカッティング媒体を必要以上に傷つけないことと解するのが相当である。
そして、FB900の「TEST」動作には、前述のとおり刃先の方向制御という目的や必要以上にカッティング媒体を傷つけないという技術思想は認められないから、カット圧が20?200gの範囲で設定できることが、直ちに「TEST」動作において、実際にカッティングを行う押圧力より小さな押圧力で行われることを意味することにはならない。
したがって、〈相違点2〉も実質的な相違点といえるから、本件発明2は、公然実施発明と同一であるとはいえない。

(5)本件発明3について
本件発明3と公然実施発明とを対比すると、本件発明1と公然実施発明との一致点で一致する一方、上記相違点1に加えて次の点で相違する。

〈相違点3〉
本件発明3が、「刃先制御手段により刃先制御動作を行うための刃先制御領域をカッティング有効領域外であって、カッティングペン移動領域内に設けた」ものであるのに対して、公然実施発明では、「TEST」動作を選択した場合に、HOME点から1辺15mmの正方形の図形をカットするものであって、そのカット領域が、カッター移動領域内ではあるものの、カッティング有効領域外であるかどうか不明である点。

相違点1は実質的な相違点であるから、相違点1を有する本件発明3も本件発明1及び2と同様に公然実施発明と同一とはいえないが、念のため上記相違点3について検討する。
相違点3に関して、請求人は「FB900はカット時における原点設定が可能であるため、(正式)カットを行う領域の外側の領域で『テスト』を行うことが可能である」と主張している(審判請求書第19?20ページの対比表)。
ここで、本件発明の課題や本件特許明細書における「この第2図の装置はカッティングペン移動領域222内であってカッティング有効領域221外に特に刃先制御を行うための刃先制御領域223を設けたものである。この場合にはカッティング有効領域221内のカッティング媒体2を不必要にカッティングまたは傷つけることがなく保護することができる。」(本件特許公報第5欄第13?18行)という記載を踏まえると、本件発明3の相違点3に係る発明特定事項の技術的意義は、刃先制御を行うための領域をカッティング有効領域221外に設けることにより、カッティング有効領域内のカッティング媒体2を不必要にカッティングまたは傷つけることを防止するためと解することができる。
しかしながら、カッティングが有効に行われる領域と刃先の制御動作を行う領域とを分けることにより、刃先の制御動作を行う際にカッティング有効領域内のカッティング媒体2を不必要にカッティングまたは傷つけることを防止するという技術思想は甲第1?3号証になんら記載されておらず、示唆もされていない。
よって、相違点3も実質的な相違点であるから、本件発明3は、公然実施発明と同一であるとはいえない。

(6)本件発明4について
本件発明4と公然実施発明とを対比すると、本件発明1と公然実施発明との一致点で一致する一方、上記相違点1ないし3に加えて、次の点で相違する。

〈相違点4〉
本件発明4が、「刃先制御手段として、刃先制御動作を行うためのプログラムを格納したROMと、この刃先制御動作により整列された刃先先端の位置(方向)を格納するとともに、一連のカッティング動作に応じて更新するメモリーを設けている」ものであるのに対して、公然実施発明では、制御ROMとシステムRAMを有するカッタープロッタではあるものの、「刃先制御動作を行うためのプログラムを格納したROM」であるかどうか、「刃先先端の位置(方向)を格納するとともに、一連のカッティング動作に応じて更新するRAM」であるかどうか不明である点。

相違点1ないし3は実質的な相違点であるから、それらを有する本件発明4も本件発明1ないし3と同様に公然実施発明と同一とはいえないが、念のため上記相違点4について検討する。
相違点4に関して、請求人は「FB900は刃先の向きを揃えるための『テスト』を行うプログラムが記録されたROMが備えられるとともに、刃先の向きを示す刃先情報を記憶するメモリを備える」と主張している。
ここで、本件発明の課題や本件特許明細書の「単一の図形カッティング動作だけでなく、連続する複数の図形のカッティング動作において、上記の初期値を制御手段内部のCPU(図示せず)を用いて演算し次々と更新していくことにより刃先制御回数を極力減らすことができる。」(本件特許公報第6欄第5?9行)という記載を踏まえると、本件発明4の相違点4に係る発明特定事項の技術的意義は、複数図形のカッティングを行う際に、一連のカッティング動作に応じて刃先先端の位置を逐次メモリーに記憶して、新たな図形をカッティングする際に刃先の制御動作が必要か否かを判断して、複数図形のカッティング効率を高めることにあると解することが相当である。
しかしながら、FB900は、カッティング開始時の刃先の方向制御という目的をもたないので、制御ROMやシステムRAMを有することが、直ちに刃先制御動作を行うためのプログラムを格納したROMや、刃先先端の位置(方向)を格納するとともに、一連のカッティング動作に応じて更新するRAMを有することを意味しない。
なお、請求人はこのようなメモリを搭載する点については、請求人が住友スリーエム株式会社に供給し、住友スリーエム株式会社が自社ブランドで発売したカッタープロッタG600(製造番号は13370017)の実験報告書から明らかであると主張している(請求人の提出した口頭審理陳述要領書第9?10ページ及び甲第10号証。)。
しかしながら、本件はFB900等に基づく無効理由の主張であり、FB900等とG600との直接的な関連性(例えば、両者の制御装置には同一のモジュールやプログラムが使用されている等)については十分な立証がされていないから、甲第10号証により「特許を無効にする根拠となる事実」が変更されたといえないと同時に、請求人の主張も採用することができない。
以上のとおり、相違点4も実質的な相違点であるから、本件発明4は、公然実施発明と同一であるとはいえない。

(7)新規性判断に関するまとめ
以上のとおり、相違点1ないし4はすべて実質的な相違点であるから、本件発明1ないし4は、公然実施発明と同一とすることはできない。
したがって、請求人の主張する無効理由1は、理由がない。

2.無効理由2(特許法第29条第2項)について
請求人はカッティングプロッタFB900またはFB460に基づいて無効理由2を主張しているが、本件発明との比較においては、FB900とFB460とは同一構成を備えていると請求人は認めている(請求人側口頭審理陳述要領書第3ページ第3、4行)から、以下、FB900に基づいて進歩性の判断を行う。

(1)本件発明(訂正後の特許発明)
本件発明1ないし4は、上記「第3.本件発明」のとおりである。

(2)甲第1ないし第3号証に記載の事項、及び公然実施発明
甲第1ないし第3号証に記載の事項、及びそれらから認められる公然実施発明は、上記1.において記載したとおりである。

(3)本件発明1について
本件発明1と公然実施発明とを対比すると、上記1.(3)において検討したように、次の点において相違し、その余については一致している。

〈相違点1〉
本件発明1においては、カッティング開始時の刃先先端位置を特定するために、「カッティング開始に先立ってカッティングペンを所定方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に上記刃先先端の位置(方向)が常に一定になるように制御する刃先制御手段」を設けたのに対して、公然実施発明では、「カッティング開始に先立って、『TEST』動作が選択された場合に、作画原点であるHOME点を始点として1辺が15mmの正方形の図形をカットする制御手段」を有するものの、カッティング開始に先立つとき、すなわち刃先先端の位置が不明な場合に当該「テスト動作」が必ず行われるか不明である点。

請求人は相違点1に関して、本件発明1は、ユーザー入力を要していたFB900等の「テスト」動作を、単に、自動化させただけにすぎないので、このような自動化に困難性が認められない以上、本件発明1は進歩性が欠如している旨を主張している(弁駁書第14ページ第11?14行)。
しかしながら、FB900には、カッティング開始前に刃先先端の位置を特定することでカッティング直後のカッティングを正確に行うという課題はなく、当該課題自体も周知とはいえないから、カッティング開始前に「テスト」動作を常に行うようにする動機付けは認められず、「テスト」動作を単に自動化しただけであるとする請求人の主張は採用できない。
そして、本件発明1は、相違点1の構成を採用することにより、カッティング開始直後において、正確なカッティングが可能となるという顕著な効果を奏するものといえる。
したがって、本件発明1は、公然実施発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(4)本件発明2について
本件発明2と公然実施発明とを対比すると、上記1.(4)において検討したように、相違点1に加えて次の点において相違し、その余については一致している。

〈相違点2〉
本件発明2が、「カッティングに先立つ刃先制御手段におけるカッティングペンの移動は実際にカッティングを行う押圧力より小さな押圧力で行われる」ものであるのに対して、公然実施発明では、「TEST」動作を選択した場合に、HOME点から1辺15mmの正方形の図形をカットする際の押圧力が不明である点。

本件発明2の相違点1に係る構成は、上記(3)において検討したように当業者が容易に想到し得るものとはいえないものであるから、本件発明2は当然に進歩性を有するが、念のため、上記相違点2についても検討する。

請求人は相違点2に関して、「テスト」時におけるカッティング圧力を、(正式)カット時のカッティング圧力よりも小さくすることは、カッティングプロッタの当業者が適宜設定すべき事項にすぎない旨主張している(審判請求書第22ページ第19?21行)。
しかしながら、FB900は、一般的なカット圧(約40g)に比べて低い圧力を設定可能ではあるものの、刃先を一定の方向にするとともに、刃先の制御動作によりカッティング媒体を必要以上に傷つけないという課題はなく、当該課題自体も周知とはいえないから、「TEST」動作において常に、(正式)カット時のカッティング圧力よりも小さな圧力にするという動機付けは認められず、請求人の主張は採用できない。
そして、本件発明2は、相違点2の構成を採用することにより、刃先を一定の方向にするとともに、刃先の制御動作によりカッティング媒体を必要以上に傷つけないようにしたという点において顕著な効果を奏するものといえる。
したがって、本件発明2は、公然実施発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(5)本件発明3について
本件発明3と公然実施発明とを対比すると、上記1.(5)において検討したように、相違点1に加えて次の点において相違し、その余については一致している。

〈相違点3〉
本件発明3が、「刃先制御手段により刃先制御動作を行うための刃先制御領域をカッティング有効領域外であって、カッティングペン移動領域内に設けた」ものであるのに対して、公然実施発明では、「TEST」動作を選択した場合に、HOME点から1辺15mmの正方形の図形をカットするものであって、そのカット領域が、カッター移動領域内ではあるものの、カッティング有効領域外であるかどうか不明である点。

本件発明3の相違点1に係る構成は、上記(3)において検討したように当業者が容易に想到し得るものとはいえないものであるから、本件発明3は当然に進歩性を有するが、念のため、相違点3についても検討する。

請求人は相違点3に関して、「テスト」を行った領域を避けて(正式)カットを行うという当然の事項について自動化を図ったものに過ぎない旨主張している(審判請求書第23ページ第10?12行)。
しかしながら、FB900は、カッティング有効領域内のカッティング媒体2を不必要にカッティングまたは傷つけることを防止するという課題はないから、カッティングが有効でない領域で「テスト」を行うようにする動機付けは認められず、請求人の主張は採用できない。
そして、本件発明3は、相違点3の構成を採用することにより、刃先を一定の方向にするとともに、刃先の制御動作によりカッティング媒体を必要以上に傷つけないようにしたという点において顕著な効果を奏するものといえる。
したがって、本件発明3は、公然実施発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(6)本件発明4について
本件発明4と公然実施発明とを対比すると、上記1.(6)において検討したように、上記相違点1ないし3に加えて次の点で相違し、その余については一致している。

〈相違点4〉
本件発明4が、「刃先制御手段として、刃先制御動作を行うためのプログラムを格納したROMと、この刃先制御動作により整列された刃先先端の位置(方向)を格納するとともに、一連のカッティング動作に応じて更新するメモリーを設けている」ものであるのに対して、公然実施発明では、ROMとRAMを有するカッタープロッタではあるものの、「刃先制御動作を行うためのプログラムを格納したROM」であるかどうか、「刃先先端の位置(方向)を格納するとともに、一連のカッティング動作に応じて更新する」ものであるかどうか不明である点。

本件発明4の相違点1に係る構成は、上記(3)において検討したように当業者が容易に想到し得るものとはいえないものであるから、本件発明4は当然に進歩性を有するが、念のため、上記相違点4についても検討する。

相違点4に関して、請求人は、「テスト」動作は、ホストコンピュータを前提とすることなく行われる動作である以上、FB900において「テスト」動作を行うプログラムを格納しているのは明らかである旨を主張している。
しかしながら、FB900は、制御ROMの他に、システムRAMを有するものの、システムRAMの具体的な役割については明確でなく、刃先制御の回数を少なくして複数図形のカッティング効率を高めるという課題もないため、複数図形のカッティングを行う際に、一連のカッティング動作に応じて刃先先端の位置をメモリーに記憶して、新たな図形をカッティングする際に刃先の制御動作が必要か否かを判断させるようにする動機付けも認められず、請求人の主張は採用できない。
そして、本件発明4は、相違点4の構成を採用することにより、刃先制御の回数を少なくして複数図形のカッティング効率を高めたという点において顕著な効果を奏するものといえる。
したがって、本件発明4は、公然実施発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

(7)進歩性判断に関するまとめ
以上のとおりであるから、本件発明1ないし4は、公然実施発明から当業者が容易になし得たとすることはできない。
したがって、本件発明1?4は、FB900ないしFB460に基づいて容易になし得たものであるという請求人の主張する無効理由2は、理由がない。

3.無効理由3(改正前特許法第36条第3項)について
請求人は無効理由3(第36条第3項)について、以下の点を主張する。
「・・・、本件特許発明は、磁石をペンケース等に設けることなく、『T』字上の図形を正確にカッティングするという目的ないし効果を得ることのできるカッティングプロッタを提供することにある。
また、・・・、本件特許明細書では、従来の装置においても、また、本件発明に係るカッティングプロッタにおいても、『補正動作』を行うことを全く想定しておらず、むしろ、排除している。
したがって、本件特許発明におけるテストカットの方向とは、『補正動作』を行うことなく、『T』字状の図形を正確にカッティングすることのできる方向、すなわちカットを開始する際の方向と同一の(単一)方向を意味していることは明らかである。
これに対して、上述した通り、本件特許発明は、カットを開始する際の方向と同一の(単一)方向以外のあらかじめ定められた任意の方向に所定量移動するテストカットの場合を含むように規定されているので、本件特許発明の明細書に基づいて、当業者が『その実施をすることができる程度に、その発明の目的、構成及び効果』が記載されていないことから、特許法36条3項の要件を充足するものではない。」(審判請求書第27ページ第2行?17行)
ところで、本件特許明細書(本件特許公報)には、次のように記載されている。
a.第3欄第10?13行
「カッティングペンlは刃先11が先細状に形成されている。この刃先11は、刃先11すなわちカッティングペンlの移動中心(機械的中心)に対する回転に対して何の防げもなくフリーの構成を有している。」
b.第3欄第22?25行
「この種カッティングペンlは第5図(a)に示すように、刃先11の中心と刃先11の先端位置とがずれているので、刃先11の先端位置は刃先11の中心位置から所定距離離れた円周上を軌跡としている。」
c.第3欄第29?34行
「図形カッティング開始時において刃先11の先端位置は前述の中心点に関してある距離を有する円周上にあって不特定な位置に存在するので、・・・正確なカッティング形状が得られない欠点があった。」
d.第3欄第35?37行
「この欠点を改善するものとして、・・・、カッティング開始時に刃先先端の位置を一定の位置とするものがある。」
e.第3欄第44?49行
「しかしながら、このような構成においては磁石を複数個ペンケースおよび刃先またはこの刃先と結合した部材に設けなければならず製造上困難な欠点を有していた。
本発明はこの点を改善することを目的としたもので簡単な構成で所期の目的を達成することのできるカッティングプロッタを提供するものである。」
f.第4欄第1?4行
「このため、本発明においては、
カッティング開始に先立って、所定の方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に刃先先端の位置を一定にするものである。」

これらの記載を総合すれば、本件発明の解決しようとする課題は、単に例示されている「T」字状の図形を正確にカッティングするということだけではなく、不特定な位置にあるカッティング開始時の刃先の位置を簡単な構成で特定し、所望の図形の正確なカッティングを行うことであり、そのための手段として、本件発明は、カッティング開始に先立って、カッティングペンを所定の方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に刃先先端の位置が一定になるようにしたものととらえることができる。
そして、カッティングペンを所定方向に所定量移動する技術自体は、例を挙げるまでもなく当業者にとって慣用技術であるから、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、課題を解決するための手段が当業者が実施できる程度に開示されていないとすることはできない。
さらに、本件特許明細書には、正確なカッティングを行うために、刃先の中心と刃先の先端位置とのずれを考慮した制御を行う、いわゆる「補正動作」が明記されていないことのみをもって、直ちに従来の装置においても、また、本件発明においても、「補正動作」を行うことを排除していることにはならない。
よって、無効理由3には理由がない。

4.無効理由4の1(改正前特許法第36条第4項第1号)について
請求人は、発明の詳細な説明において、(1)カッティングに先立ってカッティングペンをこれに続く正式なカッティングの開始方向と同一方向に所定量移動する制御を行うもの以外の発明が含まれている点、及び、(2)ユーザー入力を要しない構成を備えるカッティングプロッタは開示されていない点をもって、本件発明は、発明の詳細な説明に記載されたものではない旨を主張している(審判請求書第31ページ第7?9行、弁駁書第14ページ第19、20行)。
しかしながら、カッティング開始に先だって、カッティングペンを所定の方向に所定量移動させることは、本件特許明細書(本件特許公報)の第4欄第1?4行、及び第6欄第15?17行に記載されている。
また、本件発明は、その課題を鑑みれば、カッティング開始時に刃先の位置を特定するために、常に、カッティング開始に先立って、カッティングペンを所定方向に所定量移動させるものであることは明らかである。
したがって、請求人の主張は採用できず、無効理由4の1には理由がない。

5.無効理由4の2(改正前特許法第36条第4項第2号)について
請求人は、本件特許の特許請求の範囲には、発明の詳細な説明に記載した発明の構成に欠くことができない事項を超えた構成の刃先制御手段が記載されており、特許法第36条第4項第2項に規定する要件を満たさない旨を主張する(審判請求書第31ページ第12?15行)。
しかしながら、特許法第36条第4項2項の規定は、特許請求の範囲の記載からまとまりのある一の技術的思想がとらえられることを求めた規定であり、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明に記載した発明の構成に欠くことのできない技術事項との対応関係を定めた規定ではないので、請求人の主張は採用できない。


第7.むすび
以上、請求人が、審判請求書及び弁駁書に記載した理由、及び甲第1ないし第12号証によっては、本件発明1ないし4を無効とすることはできない。
また、他に本件発明を無効とすべき理由を発見しない。
審判費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
カッティングプロッタ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】カッティング媒体上を相対的に二次元に移動し、所定の形状のカッティングを行うため、刃先が自在に回転するとともに、上記刃先先端が中心からずれたカッティングペンを使用したカッティングプロッタにおいて、
カッティング開始に先立って前記カッティングペンを所定方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に上記刃先先端の位置(方向)が常に一定になるように制御する刃先制御手段を設けたことを特徴とするカッティングプロッタ。
【請求項2】カッティングに先立つ刃先制御手段におけるカッティングペンの移動は実際にカッティングを行う押圧力より小さな押圧力で行われることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のカッティングプロッタ。
【請求項3】カッティング媒体上を相対的に二次元に移動し、所定の形状のカッティングを行うため、刃先が自在に回転するとともに、上記刃先先端が中心からずれたカッティングペンを使用したカッティングプロッタにおいて、
カッティング開始に先立って前記カッティングペンを所定方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に上記刃先先端の位置(方向)が常に一定になるように制御する刃先制御手段を設け、かつ前記刃先制御手段により刃先制御動作を行うための刃先制御領域をカッティング有効領域外であって、カッティングペン移動領域内に設けたことを特徴とするカッティングプロッタ。
【請求項4】刃先制御手段として、刃先制御動作を行うためのプログラムを格納したROMと、この刃先制御動作により整列された刃先先端の位置(方向)を格納するとともに、一連のカッティング動作に応じて更新するメモリーを設けていることを特徴とする特許請求の範囲第1項?第3項記載のカッティングプロッタ。
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は所定の図形および画像をカットし、印刷用版下あるいは型紙作成等の種々の用途に用いられるカッティングプロッタに関する。
〔従来の技術〕
この種のカッティングプロッタは第4図に示すものがあった。図において、1はカッティングペン、2はカッティング媒体、3はペンブロック、4は制御手段である。
カッティングペン1は刃先11が先細状に形成されている。この刃先11は、刃先11すなわちカッティングペン1の移動中心(機械的中心)に対する回転に対して何の防げもなくフリーの構成を有している。
カッティングペン1が制御手段4の指令によりアクチュエータ32を介して、所定方向に移送される時、カッティングペン1の刃先11はカッティング媒体2とのカッティング抵抗により、最も抵抗の少ない向きすなわちカッティング方向に回転する。
このように、従来の装置においては回転自在の刃先11を用いることにより、全方向に対してカッティングすることができる。
ところで、この種カッティングペン1は第5図(a)に示すように、刃先11の中心と刃先11の先端位置とがずれているので、刃先11の先端位置は刃先11の中心位置から所定距離離れた円周上を軌跡としている。今、カッティングペン1を制御手段4からの指令に基づきアクチュエータ32を介してダウンし第5図(b)に示すように第1のカッティングおよび第2のカッティングにより「T」字状の図形をカットする場合、その図形カッティング開始時において刃先11の先端位置は前述の中心点に関してある距離を有する円周上にあって不特定な位置に存在するので、第1のカッティングと第2のカッティングとが相対的にずれを生じてしまい正確なカッティング形状が得られない欠点があった。
この欠点を改善するものとして、従来提案された方法として、カッティング開始時に刃先先端の位置を一定の位置とするものがある。
この方法は刃先11と同期して回転する磁石を設けるとともに、上記刃先11を保持するケース側に上記磁石と磁気結合する複数の磁石を設けることにより、これら磁石の吸引および反発力を利用して、刃先11の先端位置を所定位置に一致させていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、このような構成においては磁石を複数個ペンケースおよび刃先またはこの刃先と結合した部材に設けなければならず製造上困難な欠点を有していた。
本発明はこの点を改善することを目的としたもので簡単な構成で所期の目的を達成することのできるカッティングプロッタを提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
このため、本発明においては、
カッティング開始に先立って、所定の方向に所定量移動させることにより、カッティング開始時に刃先先端の位置を一定にするものである。
〔作用〕
第3図は、この発明の作用を模式的に説明する概念図である。今、刃先11の中心すなわち機械的中心が位置O′、刃先11の先端が位置Aにある時を考える。軸P上を+p方向に位置O′を移動中心として移動させる。
この場合、位置Aが軸P上に在りその他の条件も理想状態にあると考えると、刃先11の先端位置Aも軸P上を移動するが、ここでは、刃先11の先端位置Aが軸Pに極めて近接した位置にあると考える。この場合には、刃先11の先端位置Aは刃先11の移動中心が軸P上を移動するにつれて刃先11の接触摩擦により第3図に示すような軌跡を描く。そして、刃先11の移動中心が位置O(O′O間距離を刃先制御必要移動量と言う。)上に達した時、刃先11の先端Aが軸P上にのり(刃先制御終了)、以後刃先先端はP軸上を移動する。
以上の場合には、刃先11の移動にあたって、その先端がほぼ軸P上にある場合を示したがそれ以外の位置に刃先位置がある場合には、もっと小さな移動距離で刃先先端の刃先制御を行うことができる。
従って、実際の装置において、図形カッティングに先立って、上述した刃先制御必要移動量の距離を移動させるように構成することにより刃先先端を常に一定の方向(位置)に制御することができる。この場合、実際の装置においては、刃先11の厚みおよびカッティング図形の要求品質等の諸条件により、刃先制御を行うための移動距離は任意に決定することができる。が、本発明実施例装置では、刃先11の機械的中心と刃先先端とのずれ量のほぼ2倍の距離を刃先制御必要移動量としている。
なお、刃先制御の所期位置において、刃先先端位置Aが軸P上に在る場合、刃先制御は行われないことを先に述べたが、実際の装置に採用した場合には、移動開始時の衝撃および刃先11に接する面のバラツキ等による摩擦力をバラツキによりこのような不都合は事実上起こり得ないと考えられる。
〔実施例〕
第1図は本発明の第1の実施例を示すカッティング動作説明図、
第2図は本発明の第2の実施例を示すカッティングプロッタの一例を示す正面図である。
まず、第1図に示す第1の実施例について説明する。
カッティング有効領域221内において、符号▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼に示すカッティングをこの順で行い、カッティング図形を得る場合を考える。カッティング初期位置Aに対し、所定長さの刃先制御必要移動量Lを設ける。従って、実際のカッティング動作はA′→A→B→C→D→Aのように行われる。ここで、A′→Aの動作は、第3図に示す刃先制御必要移動量となっており、刃先が整列される。なお、この実施例においては、A′→A間のカッティングを極力行わせないようカッティングペン1に押圧力を付与するアクチュエータの付勢力を極力小さくしている。また、装置のホーム点(カッティング原点)から外側に刃先制御必要移動量を設け同様にカッティングを行ってもよい。なお、この場合において、このカッティングペン1をアップダウンしても刃先11の方向は、通常の状態では変わらないので正規のカッティング位置にアップ状態で移動してから、図形のカッティングを行うよう構成することができる。
次に、第2図に示す第2の実施例について説明する。この第2図の装置はカッティングペン移動領域222内であってカッティング有効領域221外に特に刃先制御を行うための刃先制御領域223を設けたものである。この場合にはカッティング有効領域221内のカッティング媒体2を不必要にカッティングまたは傷つけることがなく保護することができる。この場合のカッティングは、例えば、次に正式にカッティングする図形と同一の方向に刃先制御領域223内で移動させることにより、正式なカッティングに先立って刃先制御を行うことができる。
実際の装置においては、本発明において、第4図に示す従来装置の制御手段4内に以下の手段を施すことにより達成することができる。すなわち、上述の刃先制御動作を行うプログラムが格納されたROM(図示せず)を設け、カッティング信号が制御手段4に入力された段階で、このROMに格納されたプログラムを読み出し刃先制御を行うよう構成している。
また、この場合、この制御手段4に、前述の刃先制御において制御された刃先を角度値0(ゼロ)として一つの刃先制御動作が終了した段階で初期値として設定し、RAM(図示せず)等のメモリーに格納するよう構成することもできる。この場合には、単一の図形カッティング動作だけでなく、連続する複数の図形のカッティング動作において、上記の所期値を制御手段内部のCPU(図示せず)を用いて演算し次々と更新していくことにより刃先制御回数を極力減らすことができる。
〔発明の効果〕
以上、説明したように本発明によれば、機械的手段を用いることなく刃先を制御することができるので、複雑な機構を用いることなく簡単かつ確実に刃先先端の方向(位置)を整列することができる。
また、この整列動作は単に、カッティングに先立って、所定方向に所定量移動させるのみであるため装置に負担をかけることが少ない。
また、RAMに初期値として刃先先端の角度を逐次更新格納させることにより一連のカッティング動作において、刃先制御動作を極力少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明のそれぞれ実施例を示す説明図、第3図は本発明の作用を説明する概念図、第4図、第5図は従来の装置を示す説明図である。
221……カッティング有効領域、
222……カッティングペン移動領域
223……刃先制御領域
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2010-10-04 
結審通知日 2010-10-06 
審決日 2010-10-21 
出願番号 特願昭63-3362
審決分類 P 1 113・ 121- YA (B26D)
P 1 113・ 534- YA (B26D)
P 1 113・ 531- YA (B26D)
P 1 113・ 112- YA (B26D)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 野村 亨
特許庁審判官 遠藤 秀明
豊原 邦雄
登録日 1996-09-19 
登録番号 特許第2564157号(P2564157)
発明の名称 カッティングプロッタ  
代理人 篠森 重樹  
代理人 井上 義隆  
代理人 後藤 未来  
代理人 城山 康文  
代理人 城山 康文  
代理人 小林 英了  
代理人 江崎 滋恒  
代理人 篠森 重樹  
代理人 江崎 滋恒  
代理人 山川 茂樹  
代理人 大野 聖二  
代理人 山川 茂樹  
代理人 後藤 未来  
代理人 大西 正悟  
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