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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A47B |
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管理番号 | 1244974 |
審判番号 | 訂正2011-390094 |
総通号数 | 144 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-12-22 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2011-08-08 |
確定日 | 2011-09-15 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第4415221号に関する訂正審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第4415221号に係る特許請求の範囲を,本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件審判の請求に係る特許第4415221号(以下,「本件特許」という。)の設定登録の経緯は以下のとおりである。 平成15年11月10日:特許出願(国際特許出願) 平成21年10月 8日:特許査定 12月 4日:設定登録(請求項数:9) 平成22年12月 8日:訂正審判の請求(2010-390120) 平成23年 1月18日:訂正認容審決(請求項数:7) 1月27日:審決の確定(審決の送達時) そして,特許法第128条の規定により,上記審決の確定に伴い,上記訂正審判の請求書に添付された訂正した特許請求の範囲及び明細書(以下,「特許明細書」という。)により,特許権の設定登録がされたものとみなされた。 その後,平成23年8月8日に,本件訂正審判が請求されたものである。 2.請求の趣旨 本件審判の請求の趣旨は,以下のとおりである。 「特許第4415221号発明の特許請求の範囲を本審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」 3.訂正の内容 特許請求の範囲における訂正事項は,以下のとおりである。 本件特許の【請求項1】に記載された発明を 「家具部分を解放可能に連結できる分離駆動体が上面側で傾斜可能に支持され、弾性付勢されてハウジング(7)の案内路に案内されて直線走行できるキャリッジと、キャリッジの引込み運動を緩衝する流体緩衝装置とを備えた可動家具部分のための閉鎖装置および/または引込み装置において、流体緩衝装置(9)は走行可能なキャリッジ(8)から分離され、引込み運動の際にキャリッジ(8)の対向停止体と当たる停止体を有することを特徴とする前記閉鎖装置および/または引込み装置。」 と訂正する。 より具体的には,【請求項1】において, 「弾性付勢されて走行できるキャリッジ」 とあるのを, 「弾性付勢されてハウジング(7)の案内路に案内されて直線走行できるキャリッジ」 と訂正する。 4.当審の判断 本件審判の請求が,特許法第126条第1項ただし書各号に掲げる事項を目的とし,同条第3項から第5項までの規定に適合するか否かについて,以下に検討する。 (1)第126条第1項ただし書各号(訂正の目的)について 上記訂正事項は,特許請求の範囲の請求項1に記載された特許発明の「キャリッジ」について,「ハウジング(7)の案内路に案内されて直線」走行できるものに限定するものであるから,特許法第126条第1項第1号に掲げられた特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 (2)第126条第3項から第5項(新規事項,実質拡張又は変更,独立特許要件)について 上記訂正事項は,特許明細書の段落【0011】に 「ハウジング7内には、駆動体12が上面側で傾斜可能に支持されるキャリッジ8が直線走行可能に配置される。駆動体12はピン13を介してキャリッジ8に支持され、ハウジング7の案内路内で案内される突出部24(当審注:符号「24」は「4」と記載すべきところの誤記と認定した。)を有する。」 と記載されていること,及び,段落【0013】に 「駆動体12の突出部4がハウジング7の案内路内にあると直ぐに、弾性体14はキャリッジ8を駆動体12と共に後方へ引っ張り、それにより、引き出しは完全に引込み状態にもたらされる。」 と記載されていることに基づくものであるから,特許明細書に記載した事項の範囲内においてした訂正であって,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更する訂正ではなく,特許法第126条第3項及び第4項の規定に適合する。 また,訂正特許請求の範囲に記載された請求項1及び当該請求項1の記載を引用する請求項2?7に係る発明が,特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由も見当たらないので,特許法第126条第5項の規定に適合する。 5.むすび 以上のとおり,本件審判の請求は,特許法第126条第1項ただし書各号に掲げる事項を目的とし,同条第3項から第5項までの規定に適合する。 よって,結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 可動な家具部分のための閉鎖装置および/または引込み装置 【技術分野】 【0001】 この発明は、家具部分が解放可能に連結でき、上で分離駆動体が傾斜可能に支持される弾性付勢されて走行可能なキャリッジと、キャリッジの引込み運動を緩衝する流体緩衝装置とを備えた可動な家具部分のための閉鎖装置および/または引込み装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 引き出しに使用するこの種の閉鎖装置および/または引込み装置は、例えば、特許文献1から周知である。ここでは、引出し範囲の大部分に亘り自由に走行できる引き出しが、後方の引込み範囲で引込み装置の駆動体により把持されて、確実に後方の端位置へ引かれ、すなわち、閉鎖される。引込み装置内に一体化される緩衝装置により、閉鎖運動の最後の部分は緩衝され、閉鎖騒音がなく静かな閉鎖過程が達成される。 【特許文献1】欧州特許公開第1120066号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 この発明の課題は、流体緩衝装置が、引き出しの押込み運動の場合に、もっぱら有効となることにより、この種の閉鎖装置および引込み装置を改良することである。 【課題を解決するための手段】 【0004】 この発明による課題は、流体緩衝装置が走行可能なキャリッジから分離され、引込み運動の際にキャリッジの対向停止体と当たる停止体を有することにより解決される。 【0005】 流体緩衝装置は、シリンダとシリンダ内で直線状に走行できるピストンを含み、停止体は、シリンダから突出するピストンロッドの自由端から形成されるように都合良く設けられる。 【0006】 この発明による構成により、引き出しの開放に際してピストンは迅速に運動され、それで、空気がシリンダ内に押し入ることも妨げられる。さらに、引き出しの引き出し運動は制動されない。 【0007】 この発明の別の実施例では、停止体は、キャリッジの引込み運動の際に回転緩衝装置を起動する駆動体ピンの自由端により形成されるように設けられる。 【0008】 この発明による閉鎖装置および/または引込み装置は、なるほど、引き出しのための引込み装置としては都合がよいが、扉の閉鎖装置としても使用できる。また、後者の場合、扉は開放行程の大部分に亘り自由に揺動でき、扉が閉鎖過程の場合に、その閉鎖状態の近くに来る時にはじめて、閉鎖装置で把握され、確実に閉鎖される。次に、この発明の2つの実施例を添付図面に基づいて説明する。 【実施例1】 【0009】 図示の実施例において、閉鎖装置および/または引込み装置1が引き出しガイドセットの支持レール2で支持される。支持レール2は従来の仕方で家具体の側壁に取付けられる。挿入側引出しレール3の後端には、下方へ突出する駆動体ピン6を有するロック部分が取付けられる。 【0010】 閉鎖装置および/または引込み装置1は、支持レール2の水平バー上で固定されるハウジング7を有する。 【0011】 ハウジング7内には、駆動体12が上面側で傾斜可能に支持されるキャリッジ8が直線走行可能に配置される。駆動体12はピン13を介してキャリッジ8に支持され、ハウジング7の案内路内で案内される突出部24を有する。 【0012】 2つの弾性体14が固定部分15に固定され、キャリッジ8に係合する。弾性体14は引っ張りばねとして構成される。固定部分15は組立位置においてハウジング7から離されているが、ハウジング7の補足部分である。ハウジング7から固定部分15の間隔は弾性体14の張力を決定する。 【0013】 図2乃至図5で示される状態において、この発明による閉鎖装置および/または引込み装置1は準備状態である。引き出しが閉じられ、引出しレール3が後方へ運動されると、駆動体ピン6が駆動体12の切れ込み16内に嵌り、駆動体12を図3で示されるロック状態から回転し始める。駆動体12の突出部4がハウジング7の案内路内にあると直ぐに、弾性体14はキャリッジ8を駆動体12と共に後方へ引っ張り、それにより、引き出しは完全に引込み状態にもたらされる。図示の実施例では、閉鎖装置および/または引込み装置1は固定支持レール2に配置され、駆動体ピン6は挿入側引出しレール3に配置される。逆の配列、すなわち、引出しレール3での閉鎖装置および/または引込み装置1の配置および支持レール2での駆動体ピン6の配置は同じく可能であろう。 【0014】 さらに、ハウジング7内に直接に構成され、または、図示の実施例ではハウジング7と並んで配置できる流体緩衝装置9が設けられる。 【0015】 図1乃至図6の実施例では、流体緩衝装置9はシリンダ10とピストンロッド11を備えて、シリンダ内で走行できるピストンとを備えた直線緩衝装置として構成される。ピストンロッド11の自由端はキャリッジ8の停止体として役立つ。キャリッジ8は対向停止体として役立ち、側方へ張り出す突出部17を有する。ピストンロッド11はキャリッジ8で枢動されるのではなくて、緩衝中だけ、キャリッジ8またはキャリッジ8の突出部17に当たることが発明の本質的なことである。最初の位置、すなわち、キャリッジ8が駆動体12と共に準備位置にある時に、ピストンロッド11の自由端は、予め突出部17に当たるか、突出部からわずかな距離にある。 【0016】 引き出しの開放の場合、すなわち、キャリッジ8が駆動体12と共に前方へ運動されると、ピストンロッド11はキャリッジ8とは共に引っ張られないことが本質的なことである。キャリッジ8の突出部17はピストンロッド11の自由端から移動し、緩衝装置のピストンは、例えば、シリンダ10内にあるスプリングにより、キャリッジ8より本質的にわずかな速度で再び準備状態に運動される。このようにして、空気がシリンダ10内に入ることが妨げられ、緩衝流体が、例えば、油であれば、このことは特別に重要となる。 【実施例2】 【0017】 図7による実施例では、流体緩衝装置はラック19と噛み合うピニオン18を備えた回転緩衝装置20として構成される。ラック19は、この実施例では回転緩衝装置20の駆動ロッドとして役立ち、それで、前記の実施例のピストンロッド11の代わりをする。ラック19の自由端は緩衝の際には、さらに、突出部17で形成されるキャリッジ8の対向停止体に当たる。 【0018】 引き出しの開放の場合に、この突出部17はラック19の自由端から移動し、回転緩衝装置20は、引き出しの開放の場合にキャリッジ8により付勢されない。準備状態では、ラック19をキャリッジ8および駆動体12の運動に無関係に運動するスプリング21が設けられる。 【図面の簡単な説明】 【0019】 【図1】この発明による閉鎖装置および引込み装置を備えた引き出しガイドセットの図を概要で示す。 【図2】この発明による閉鎖装置および引込み装置の一部分の展開図を示す。 【図3】準備状態でのこの発明による閉鎖装置および引込み装置の平面図を示す。 【図4】準備状態でのこの発明による閉鎖装置および引込み装置の下方から見た図を示す。 【図5】図3および図4による閉鎖装置および引込み装置の図を示す。 【図6】緩衝行程の終わりでのこの発明による閉鎖装置および引込み装置の平面図を示す。 【図7】準備状態でのこの発明による閉鎖装置および引込み装置の別の実施例の平面図を示す。 【符号の説明】 【0020】 1 閉鎖装置および/または引込み装置 2 支持レール 3 引き出しレール 4 駆動体の突出部 6 駆動体ピン 7 ハウジング 8 キャリッジ 9 流体緩衝装置 10 シリンダ 11 ピストンロッド 12 駆動体 13 ピン 14 弾性体 15 固定部分 17 張出し突出部 19 ラック 20 回転緩衝装置 21 スプリング (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 家具部分を解放可能に連結できる分離駆動体が上面側で傾斜可能に支持され、弾性付勢されてハウジング(7)の案内路に案内されて直線走行できるキャリッジと、キャリッジの引込み運動を緩衝する流体緩衝装置とを備えた可動家具部分のための閉鎖装置および/または引込み装置において、流体緩衝装置(9)は走行可能なキャリッジ(8)から分離され、引込み運動の際にキャリッジ(8)の対向停止体と当たる停止体を有することを特徴とする前記閉鎖装置および/または引込み装置。 【請求項2】 流体緩衝装置(9)は内部で走行可能なピストンを備えるシリンダ(10)を含み、停止体はシリンダ(10)から突出するピストンロッド(11)の自由端により形成されることを特徴とする請求項1に記載の閉鎖装置および/または引込み装置。 【請求項3】 対向停止体は、キャリッジ(8)に構成される張り出し突出部(17)により形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の閉鎖装置および/または引込み装置。 【請求項4】 突出部(17)は、閉鎖装置および/または引込み装置(1)の組立て状態において、キャリッジ(8)から側方へ突出することを特徴とする請求項3に記載の閉鎖装置および/または引込み装置。 【請求項5】 キャリッジ(8)内には少なくとも1つの引張り弾性体(14)が固定されることを特徴とする請求項1乃至請求項4の内の1項に記載の閉鎖装置および/または引込み装置。 【請求項6】 2つの引張り弾性体(14)はキャリッジ(8)に固定されることを特徴とする請求項5に記載の閉鎖装置および/または引込み装置。 【請求項7】 キャリッジ(8)またはキャリッジの張出し突出部(17)は、閉鎖過程中に流体緩衝装置(9)に突き当たることを特徴とする請求項1乃至請求項6の内の1項に記載の閉鎖装置および/または引込み装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審決日 | 2011-09-06 |
出願番号 | 特願2004-552256(P2004-552256) |
審決分類 |
P
1
41・
851-
Y
(A47B)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 秀幹 |
特許庁審判長 |
山口 由木 |
特許庁審判官 |
宮崎 恭 仁科 雅弘 |
登録日 | 2009-12-04 |
登録番号 | 特許第4415221号(P4415221) |
発明の名称 | 可動な家具部分のための閉鎖装置および/または引込み装置 |
代理人 | 特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所 |