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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C02F
管理番号 1245801
審判番号 不服2009-8669  
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-04-22 
確定日 2011-10-26 
事件の表示 特願2004-120244「フッ素の固定化処理方法およびその方法により回収されたフッ化カルシウムのリサイクル方法ならびに残留フッ素の濃度規制方法」拒絶査定不服審判事件〔平成17年10月27日出願公開、特開2005-296888〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成16年4月15日の出願であって,平成20年12月4日付けで拒絶理由が起案され(発送日は同年同月8日)、平成21年1月15日付けで意見書及び明細書の記載に係る手続補正書が提出され、同年3月19日付けで拒絶査定がなされ(発送日は同年同月30日)、これに対して、同年4月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1?6に記載される発明は、平成21年1月15日付け手続補正書により補正された本願明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、そのうちの請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりのものである。
「平均粒径10?100μmのフッ化カルシウム粒子を5?40wt%分散させた条件下において、室温から90℃の温度条件下で、フッ化水素酸含有排水とカルシウム塩水溶液とを反応系に同時に導入することにより、フッ素の固定化とフッ化カルシウムの結晶成長を同時に行わしめ、フッ素をフッ化カルシウムとして固定化して回収することを特徴とするフッ素の固定化処理方法。」

3.原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶理由は、「この出願については、平成20年12月4日付け拒絶理由通知書に記載した理由1によって、拒絶をすべきものである。」であり、同拒絶理由通知書に記載した理由は、この出願の請求項1-9に係る発明は、その出願前に頒布された刊行物である引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。

4.刊行物の記載
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された、本願の出願日前である平成15年8月12日に頒布された刊行物である特開2003-225680号公報(以下「刊行物1」という。)には図面と共に次の事項が記載されている。
(刊1-ア)「フッ素を含む排水とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供給し、該晶析反応槽内の種晶上にフッ化カルシウムを析出させてペレットを形成させ、フッ素が低減された1次処理水を生じさせる晶析処理を行い、
次いで、該1次処理水に凝集剤を添加して、該1次処理水中のフッ素を凝集沈殿させ、フッ素が低減された最終処理水を生じさせる凝集沈殿処理を行う、排水処理方法。」(【請求項1】)
(刊1-イ)「・・・排水中に含まれるフッ素については、フッ酸(HF)および/またはフッ素イオンの形態で存在するのが好ましい。・・・」(【0015】)
(刊1-ウ)「晶析処理工程において使用されるカルシウム含有液としては、カルシウムを含んでおり、フッ素を晶析除去できる液であれば、任意のカルシウム化合物を含む液を使用することができる。また、カルシウム含有液を構成する液体媒体としては、本発明の目的に反しない限りは任意の物質が可能であり、好ましくは水である。カルシウム含有液においてカルシウムの供給源となるカルシウム化合物としては、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。・・・」(【0016】)
(刊1-エ)「晶析反応槽1に充填される種晶の充填量は、フッ素を晶析反応により除去できるのであれば特に限定されるものではなく、フッ素濃度、カルシウム濃度、また、晶析反応装置の運転条件等に応じて適宜設定される。晶析反応装置においては、晶析反応槽1内に上向流を形成し、該上向流によってペレット2が流動するような流動床の晶析反応槽1が好ましいので、種晶は流動可能な量で晶析反応槽1に充填されるのが好ましい。種晶は、本発明の目的に反しない限りは、任意の材質が可能であり、例えば、ろ過砂、活性炭、およびジルコンサンド、ガーネットサンド、サクランダム(商品名、日本カートリット株式会社製)などをはじめとする金属元素の酸化物からなる粒子、並びに、晶析反応による析出物であるフッ化カルシウムからなる粒子等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。種晶上で晶析反応が起こりやすいという点、また、生成するペレット2から、より純粋なフッ化カルシウムを回収できるという観点から、フッ化カルシウム(蛍石)が種晶として使用されるのが好ましい。種晶の形状、粒径は、晶析反応槽1内での流速、晶析対象成分の濃度等に応じて適宜設定され、本発明の目的に反しない限りは特に限定されるものではない。」(【0027】)
(刊1-オ)「排水供給ライン3およびカルシウム含有液供給ライン4は晶析反応槽1の任意の部分に接続することができる。本発明の晶析反応装置においては、晶析反応槽1内に上向流を形成すると、効率的に晶析反応を行うことができるという観点から、排水供給ライン3およびカルシウム含有液供給ライン4は晶析反応槽1の底部に接続されるのが好ましい。・・・」(【0029】)
(刊1-カ)「【実施例】実施例1?7および比較例1?3
フッ化ナトリウムをフッ素濃度で500mgF/L、およびリン酸をリン酸濃度で200mgPO4/L(リン濃度に換算すると65mgP/L)となるように精製水に溶解したものを模擬排水として、図1に示す態様の排水処理装置で、フッ素およびリンの除去試験を行った。晶析反応槽としては、内径50mm×高さ2500mmの円柱型アクリルカラムを使用した。晶析部には種晶として蛍石(98.0%フッ化カルシウム含有)を充填量1000mLで充填した。晶析反応槽に供給される模擬排水の流量は19.6L/時間であった。また、1次処理水の循環量は58.9L/時間であった。・・・」(【0032】)

5.当審の判断
5-1.引用発明の認定
刊行物1には、(刊1-ア)によれば、
「フッ素を含む排水とカルシウム含有液とを晶析反応槽に供給し、該晶析反応槽内の種晶上にフッ化カルシウムを析出させてペレットを形成させ、フッ素が低減された1次処理水を生じさせる晶析処理を行い、次いで、該1次処理水に凝集剤を添加して、該1次処理水中のフッ素を凝集沈殿させ、フッ素が低減された最終処理水を生じさせる凝集沈殿処理を行う、排水処理方法。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

5-2.本願発明と引用発明との対比
i)(刊1-イ)には「排水中に含まれるフッ素については、フッ酸(HF)および/またはフッ素イオンの形態で存在するのが好ましい」と記載され、フッ酸とフッ化水素酸は同義であり、「フッ化水素酸」も水中には同様の形態で存在することから、「フッ素を含む排水」は「フッ化水素酸含有排水」ということができる。
ii)(刊1-ウ)には「晶析処理工程において使用されるカルシウム含有液としては、カルシウムを含んでおり、フッ素を晶析除去できる液であれば、任意のカルシウム化合物を含む液を使用することができ・・・カルシウム含有液を構成する液体媒体としては・・・好ましくは水である。カルシウム含有液においてカルシウムの供給源となるカルシウム化合物としては・・・塩化カルシウム・・・が挙げられる・・・」と記載され、「晶析処理」で使用される「カルシウム含有液」は「塩化カルシウム」を「水」に溶かしたものを使用できるので、それは「カルシウム塩水溶液」ということができる。
iii)(刊1-エ)には「種晶は・・・晶析反応による析出物であるフッ化カルシウムからなる粒子等が挙げられる・・・生成するペレット2から、より純粋なフッ化カルシウムを回収できるという観点から、フッ化カルシウム(蛍石)が種晶として使用されるのが好ましい」と記載されることから、「種晶」として「フッ化カルシウム(蛍石)」からなる粒子すなわち「フッ化カルシウム粒子」を用いることができ、その「種晶」上に「フッ化カルシウム」が「晶析反応」による析出物として析出成長して「ペレット」となることが理解され、これは引用発明でも「フッ素の固定化とフッ化カルシウムの結晶成長を同時に行わしめ」るものということができる。また、「生成するペレット2から、より純粋なフッ化カルシウムを回収」することから、引用発明でも「フッ素をフッ化カルシウムとして固定化して回収する」ものといえる。
iv)さらに(刊1-エ)には「・・・晶析反応装置においては、晶析反応槽1内に上向流を形成し、該上向流によってペレット2が流動するような流動床の晶析反応槽1が好ましいので、種晶は流動可能な量で晶析反応槽1に充填されるのが好ましい。」と記載され、(刊1-オ)には「本発明の晶析反応装置においては、晶析反応槽1内に上向流を形成すると、効率的に晶析反応を行うことができるという観点から、排水供給ライン3およびカルシウム含有液供給ライン4は晶析反応槽1の底部に接続されるのが好ましい」と記載されることから、「晶析反応槽1」の「底部」に「排水供給ライン3」、「カルシウム含有液供給ライン4」が接続されて「晶析反応槽1」内には「上向流」が形成されて「ペレット2が流動するような流動床の晶析反応槽1」となっていることが理解され、これは「ペレット2」に結晶成長する「種晶」である「フッ化カルシウム粒子」を「分散させた」状態で晶析が行われるものということができる。
v)また、「種晶」が結晶成長するためには、「フッ素」と「塩化カルシウム」が同時に存在して「フッ化カルシウム」が生成されることが必要だから、「フッ素」と「塩化カルシウム」を含む原料である「フッ化水素酸含有排水」と「カルシウム塩水溶液」は同時に「反応系」である「晶析反応槽1」に導入されるものといえる。
vi)ここでフッ化カルシムの結晶成長が行われた後の本願発明は、それ以後の操作を特定しないから、引用発明のフッ化カルシムの結晶成長が行われた後の操作を行う場合も包含するということができる。
vii)以上から、本願発明と引用発明とは
「フッ化カルシウム粒子を分散させた条件下において、フッ化水素酸含有排水とカルシウム塩水溶液とを反応系に同時に導入することにより、フッ素の固定化とフッ化カルシウムの結晶成長を同時に行わしめ、フッ素をフッ化カルシウムとして固定化して回収するフッ素の固定化処理方法。」
である点(一致点)で一致し、次の点で両者は相違する。

(相違点1)本願発明では「フッ化カルシウム粒子」が「5?40wt%」分散された条件で「フッ素の固定化処理」が開始されるのに対して、引用発明ではそのような特定のない点
(相違点2)本願発明では「フッ化カルシウム粒子」が「平均粒径10?100μm」の大きさであるのに対して、引用発明ではそのような特定のない点
(相違点3)本願発明では「室温から90℃の温度条件下」で「フッ素の固定化処理」が開始されるのに対して、引用発明ではそのような特定のない点

5-3.相違点の検討
(1)相違点1について
(刊1-カ)には「晶析反応槽としては、内径50mm×高さ2500mmの円柱型アクリルカラムを使用した。晶析部には種晶として蛍石(98.0%フッ化カルシウム含有)を充填量1000mLで充填した。晶析反応槽に供給される模擬排水の流量は19.6L/時間であった」と記載されており、上記「5-2.iv)」で検討したことを勘案すると、「晶析反応槽」である「内径50mm×高さ2500mmの円柱型アクリルカラム」には「種晶」である「蛍石(98.0%フッ化カルシウム含有)」が「充填量1000mLで充填」され、「模擬排水」中に「分散」されているということができる。また、「蛍石」は「フッ化カルシウム」と同一視できるといえる。
すると、以下のように「フッ化カルシウム粒子」の「濃度(wt%)」が計算できる。
・「円柱形アクリルカラム」の体積V[ml]
V=2.5cm×2.5cm×3.14×250cm=4906[ml]
・「模擬排水」の体積Vwは
Vw=V-(蛍石の充填量)=4906-1000=3906[ml]
・「模擬排水」の比重はほぼ「1」と近似できる。
「模擬排水」の質量Mw=3906[g]
・「蛍石」の比重は「3.18」である。
「蛍石」の質量Mf=1000/3.18=314.5[g]
・「蛍石」したがって「フッ化カルシウム粒子」の濃度(wt%)Aは
A={314.5/(314.5+3906)}×100
・したがって、5[wt%]≦A=7.45[wt%]≦40[wt%]となる。
すなわち、引用発明では実施例において「フッ化カルシウム粒子」が「5?40wt%」の範囲内である「7.45wt%」で分散された条件で「フッ素の固定化処理」が開始される態様を含んでいるから、相違点1は実質的な相違点ではない。

(2)相違点2、3について
a)例えば、特開2003-126868号公報(平成15年5月7日公開 以下、「周知例1」という。)には、「フッ素晶析塔7」に「原水」を通して、「種晶」としての「蛍石」や「フッ化カルシウム」と「塩化カルシウム」により、「種晶」を成長させてフッ素を原水より除去する方法において、「展開性」「流動性」等を考慮して「種晶」の粒径を「0.05?0.5mm」(50?500μm)とすること、「水温は22?24℃」とすること、そのように処理して得た処理水のフッ素濃度が「8?10mg/L」(8?10ppm)(【0026】、【0027】、【0040】、【0046】)であることが記載されている。
また、特開2003-190705号公報(平成15年7月8日公開 以下、「周知例2」という。)には、「晶析反応槽1」において「晶析部2」に当初充填された「種晶」の表面上に、原水に含まれる晶析対象成分と、該晶析用薬液に含まれる晶析反応成分との反応物が析出することにより、「ペレット3」が形成されるものであって、「晶析反応槽1」には「上向流」が形成され「ペレット3」が流動するような「流動床」であること(【0024】)、「実施例1」(【0033】)では「比較例1」(【0031】)と同様な条件すなわちフッ化ナトリウムを含む原水を「晶析反応槽」の「晶析部」に「種晶としてフッ化カルシウム粒子」を用い、「CaCl_(2)水溶液」を添加して晶析処理を行うこと、そのような晶析においては「ペレットの粒径としては、0.1?1mm」(【0015】)であることが記載されている。
すると、周知例1では、得られた処理済水のフッ素濃度が「8?10mg/L」(8?10ppm)で、これは本願発明の「一般的な排水規制値以下(通常、8ppm)以下」(平成21年1月15日付け手続補正書によって補正された本願明細書【0020】)と遜色なく、引用発明と同様に、フッ素含有排水を、「フッ化カルシウム」ないし「蛍石」の種晶を上向流で流動させて「分散」し、塩化カルシウムを用いてフッ素を晶析除去しており、
周知例2では同様のフッ素を晶析除去により「種晶」から結晶成長する「ペレット」の大きさが「ペレットの粒径としては、0.1?1mm」であるから、「種晶」の大きさは当然に「0.1mm」より小さいことが推認できるものである。
したがって、周知例1、2より、引用発明と同様に、フッ素含有排水を、「フッ化カルシウム」ないし「蛍石」の種晶を上向流で流動させて「分散」し、塩化カルシウムを用いてフッ素を晶析除去するものにおいて、フッ素含有排水の原水の水温を「22?24℃」とし、「種晶」の大きさを「0.05?0.5mm」(50?500μm)程度とする、あるいは「0.1mm」(100μm)程度より小さくすることは周知技術ということができる。

b)また、本願発明における「フッ化カルシウム粒子」の「平均粒径10?100μm」の大きさであること、反応が「室温から90℃の温度条件下」で行われることについて、平成21年1月15日付け手続補正書によって補正された本願明細書の記載をみると、前者については、
「本発明においては、分散させるフッ化カルシウムの平均粒径を10?100μmとし、また、分散させるフッ化カルシウムの濃度を5?40wt%とする。これらの範囲内でフッ素の固定化処理を行った場合には、その処理を効果的に実施することができる。分散させるフッ化カルシウムの濃度が低いと結晶成長のためのフッ化カルシウムの表面積が低くなり、フッ化水素酸含有排水の濁りを発生することなしに処理できる処理速度の低下を招き、逆に、フッ化カルシウムの濃度が高くなり過ぎると液の粘度が上がり、攪拌などに問題を生じる可能性があるので、いずれの場合も好ましくない。」(【0016】)、
「分散させるフッ化カルシウムは容易に沈降できるサイズのものが好ましく、平均粒径は10?100μmとする。分散させるフッ化カルシウムの濃度は5?40wt%とする。
分散させるフッ化カルシウムの濃度が低いと、結晶成長のためのフッ化カルシウムの表面積が低くなり、フッ化水素酸含有排水の濁りを発生することなしに処理できる処理速度の低下を招く。逆に、フッ化カルシウムの濃度が高くなり過ぎると、液の粘度が上がり、攪拌などに問題を生じる可能性がある。」(【0031】)と記載されるのみで、フッ化カルシウムの濃度については数値限定の技術的意義が記載されているが、フッ化カルシウムの平均粒径については数値限定の技術的意義の記載は見いだせない。
また、後者については、
「本発明においては、室温から90℃の温度条件下で反応させる。少し高い温度で反応させた方が導入液の拡散や混合および結晶成長がよりスムーズに起こるため、生成する結晶の状態が良くなる場合が多く、処理速度を速めることができる。逆に、高すぎると、エネルギーの無駄使いとなる。」(【0015】)、
「フッ化水素酸含有排水とカルシウム塩水溶液とを同時に導入する場合における反応温度は、常温(室温)から90℃以下とする。常温(室温)よりも少し高い温度で反応させた方が導入液の拡散や混合および結晶成長がよりスムーズに起こるため、生成する結晶の状態が良くなる場合が多く、処理速度を速めることができる。従って、純度が高く、粒度の大きなフッ化カルシウム結晶が出来やすくなるので、より有利である。逆に、90℃を越えるような反応温度にすると、エネルギーの無駄使いとなる。」(【0030】)と記載されるのみで、「反応温度」を「常温(室温)から90℃以下」とすることの技術的意義は、反応温度が低すぎれば結晶成長が十分でなく、高すぎればエネルギーの無駄使いであるという一般的な技術的理由であるに過ぎないということができる。
さらに、実施例1?8(【0046】?【0054】)の記載をみても、種晶である「フッ化カルシウム」の粒径については、平均粒径として「21μm」「18μm」の2水準、「反応温度」として「室温下」「50℃」の2水準でしか実験が行われておらず、「粒径」の下限である10μm、上限である100μmの近傍での実験は成されておらず、「反応温度」についても同様である。
したがって、「フッ化カルシウム粒子」が「平均粒径10?100μm」の大きさであること、反応が「室温から90℃の温度条件下」で行われることについて、特段の技術的な意義は認められず、引用発明において上記周知例に記載される各数値を採用して上記相違点2,3の点に想到することに格別の困難性は見いだせない。

6.むすび
したがって、本願発明は、刊行物1に記載された発明および周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に記載された発明に言及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-08-23 
結審通知日 2011-08-29 
審決日 2011-09-09 
出願番号 特願2004-120244(P2004-120244)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C02F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川島 明子  
特許庁審判長 豊永 茂弘
特許庁審判官 中澤 登
小川 慶子
発明の名称 フッ素の固定化処理方法およびその方法により回収されたフッ化カルシウムのリサイクル方法ならびに残留フッ素の濃度規制方法  
代理人 藤田 邦彦  
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