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審決分類 審判 査定不服 出願日、優先日、請求日 特許、登録しない。 H01S
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H01S
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01S
管理番号 1245856
審判番号 不服2011-4934  
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-03-04 
確定日 2011-10-27 
事件の表示 特願2007-279842「化合物半導体発光素子」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 2月28日出願公開、特開2008- 47940〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成7年8月14日に出願した特願平7-207204号(以下「原出願」という。)の一部を、平成13年4月26日に特許法第44条第1項の規定に基づく新たな特許出願とした特願2001-128662号の一部を、平成15年6月12日に同規定に基づく新たな特許出願とした特願2003-167906号の一部を、平成19年10月29日に同規定に基づく新たな特許出願としたものであって、平成19年11月28日及び平成22年11月5日に手続補正がなされたが、同年11月30日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成23年3月4日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、これと同時に手続補正がなされたものである(以下、平成23年3月4日になされた手続補正を「本件補正」という。)。

第2 本件補正についての却下の決定
1 結論
本件補正を却下する。

2 理由
(1)補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲(請求項の数は1である。)につき、補正前(平成22年11月5日になされた手続補正後のもの。)の
「【請求項1】
基板上に、少なくとも下部クラッド層と、活性層または発光層と、上部クラッド層を備える化合物半導体発光素子において、
前記活性層または発光層はAl_(W)Ga_(Z)In_(1-W-Z)N(0≦W≦1、0≦Z≦1)からなり、
前記上部クラッド層の中に単層又は複数層の緩衝層を含み、
前記緩衝層は、前記上部クラッド層のクラックの発生を抑制する層であり、
前記緩衝層と前記上部クラッド層は組成が異なり、かつ、前記緩衝層により分割された前記上部クラッド層の各層の厚みより前記緩衝層の個々の厚みが薄いことを特徴とする化合物半導体発光素子。」
を、
「【請求項1】
基板上に、少なくとも下部クラッド層と、活性層または発光層と、上部クラッド層を備える化合物半導体発光素子において、
前記活性層または発光層はAl_(W)Ga_(Z)In_(1-W-Z)N(0≦W≦1、0≦Z≦1)からなり、
前記上部クラッド層の中に単層又は複数層の緩衝層を含み、
前記上部クラッド層は、Al_(y)Ga_(1-y)N(0<y<1)からなり、
前記緩衝層は、Al_(x)Ga_(1-x)N(0≦x≦1、x≠y)からなり、前記上部クラッド層のクラックの発生を抑制する層であり、
前記緩衝層と前記上部クラッド層は組成が異なり、かつ、前記緩衝層により分割された前記上部クラッド層の各層の厚みより前記緩衝層の個々の厚みが薄いことを特徴とする化合物半導体発光素子。」
に補正する内容を含むものである。

(2)本願が分割出願の要件を満たすといえるかどうかについて
本願が特許法第44条第1項に規定する新たな出願といえるか(分割出願の要件を満たすといえるか)について、まず検討する。

ア 上記(1)によれば、本件補正の前後を通じて、本願の請求項1に係る発明である「化合物半導体発光素子」は、下部クラッド層と上部クラッド層を備えるものであるところ、緩衝層は、上部クラッド層の中に含まれれば足り、下部クラッド層における緩衝層の有無を問うものではないものと認められる。

イ しかるところ、原出願の願書に最初に添付した明細書(以下「原明細書」という。)には、下部クラッド層における緩衝層の有無を問わず、緩衝層が上部クラッド層の中に含まれれば足りる、上記アの「化合物半導体発光素子」の発明を明示して説明する記載が認められない。このことは、原出願の図面を考慮に入れても同様である。

ウ 原明細書には、以下の記載がある。

(ア)「 【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の半導体レーザ[または発光ダイオード]において、光を活性層およびクラッド層に有効に閉じ込め、注入電流を活性層に有効に閉じ込めるためには、上部クラッド層107および下部クラッド層104の層厚は約1μm程度必要である。
【0012】
しかし、従来の半導体レーザ[または発光ダイオード]の素子構造および作製方法では、図4および図5に示すように、AlGaN下部クラッド層104を約1μm程度成長させた場合、表面にクラック109が発生し、良質なクラッド層を得ることが困難であった。
【0013】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、表面状態が良好でクラックの無い良質なクラッド層が得られ、電気特性および光学特性が良好な半導体レーザおよび発光ダイオードの実現が可能な化合物半導体発光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の化合物半導体発光素子は、基板上に、少なくとも下部クラッド層と、活性層または発光層と、上部クラッド層とが基板側からこの順に形成され、該下部クラッド層中および上部クラッド層中に、緩衝層が単層または複数層形成されており、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】
前記緩衝層はAl_(x)Ga_(1-x)N(0≦x≦1)からなり、前記下部クラッド層および上部クラッド層を構成するクラッド層はAl_(y)Ga_(1-y)N(0<y<1)からなり、前記活性層または発光層はAl_(w)Ga_(z)In_(1-w-z)N(0≦w≦1、0≦z≦1からなるものを用いることができる。」

(イ)「 【0018】
以下に本発明の作用につき説明する。
【0019】
本発明にあっては、下部クラッド層中および上部クラッド層中に、緩衝層が単層または複数層形成されている。クラッド層/緩衝層を繰り返して成長することにより、表面モフォロジーが良好でクラックの無い良質な上部クラッド層および下部クラッド層を所望の厚みに成長できる。
【0020】
例えば、Al_(y)Ga_(1-y)N(0<y<1)クラッド層とAl_(x)Ga_(1-x)N(0≦x≦1)緩衝層を繰り返して成長することにより、下部クラッド層および上部クラッド層の厚みを約1μm程度にすることが可能である。」

(ウ)「 【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の図において、同一の機能を有する部分は同一の番号で示している。
【0025】
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態であるAlGaN/InGaN/AlGaN系半導体レーザ[または発光ダイオード]を示す断面図である。
【0026】
この素子は、サファイア基板1上に、薄層のGaNまたはAlNからなるバッファ層2が形成され、その上に、n型GaN層3、n型下部クラッド層4、ノンドープまたはSiドープAl_(w)Ga_(z)In_(1-w-z)N(0≦w≦1、0≦z≦1)活性層[または発光層]6、p型上部クラッド層7およびp型GaNキャップ層9が積層形成されている。
【0027】
n型下部クラッド層4中には、n型Al_(y)Ga_(1-y)N(0<y<1)クラッド層4aと薄層のn型Al_(x)Ga_(1-x)N(0≦x≦1)緩衝層5とが交互に積層形成され、下部クラッド層4の厚みは約1μm程度にされている。また、p型上部クラッド層7中には、p型Al_(y)Ga_(1-y)N(0<y<1)クラッド層7aと薄層のp型Al_(x)Ga_(1-x)N(0≦x≦1)緩衝層8とが交互に積層形成されて、上部クラッド層7の厚みは約1μm程度にされている。
・・・
【0029】
この実施形態1では、厚み約0.15?0.3μmのn型Al_(0.1)Ga_(0.9)Nクラッド層4aと厚み約200オングストロームのn型GaN緩衝層5とを繰り返し成長して約1μmとしている。また、厚み約0.15?0.3μmのp型Al_(0.1)Ga_(0.9)Nクラッド層7aと厚み約200オングストロームのp型GaN緩衝層8とを繰り返し成長して下部クラッド層4および上部クラッド層7の厚みを約1μmとしている。また、活性層[または発光層]6としては、厚み約200オングストロームのノンドープまたはSiドープGa_(0.2)In_(0.8)N層を形成している。
・・・
【0041】
この実施形態1においては、AlGaNクラッド層の間にGaN緩衝層が形成されているので、表面状態が良好でクラックの無い良質なAlGaNクラッド層の結晶成長が可能であった。このように良質で厚膜のクラッド層が得られるので、量産性に優れ、電気特性および光学特性が良好なAlGaInN系半導体レーザおよび発光ダイオードの実現が可能となる。」

エ 上記ウのとおり、原明細書においては、課題を解決するための手段として、下部クラッド層中及び上部クラッド層中に、緩衝層が単層または複数層形成されていることが記載され、実施形態1においても、下部クラッド層中及び上部クラッド層中に、緩衝層が単層または複数層形成されたものとして説明されている。
そして、原明細書において、発明が解決しようとする課題として、従来の半導体レーザなどの素子構造及び作製方法では、AlGaN下部クラッド層104を約1μm程度成長させた場合、表面にクラック109が発生し、良質なクラッド層を得ることが困難であったことが挙げられていることに照らすならば、原明細書の記載に接した当業者は、少なくとも下部クラッド層中には緩衝層が形成されるものと理解するというべきであり、上記のように、原明細書において、上部クラッド層中に緩衝層が形成されていることが記載されるとしても、下部クラッド層中に緩衝層が形成されることを前提にするものというべきである。

オ 請求人は、審判請求の理由において、原明細書の【0041】には上部クラッド層に緩衝層を設けて良質な上部クラッド層を得ることが出来る旨の記載があるから、上部クラッド層に緩衝層を設けるというだけで一つの発明が完成していることが明白であること、原明細書においては、上部クラッド層単独の改良を排除する記載がないことなどを主張するが、上記の検討に照らして、採用できない。

カ 以上によれば、下部クラッド層における緩衝層の有無を問わず、緩衝層が上部クラッド層の中に含まれれば足りる、上記アの、請求項1に係る「化合物半導体発光素子」の発明が、原明細書に記載されていたものとすることはできず、原出願は、該発明を包含するものとはいえないものであるから、本願が、特許法第44条第1項に規定する新たな出願である(分割出願の要件を満たす)ということはできない。
よって、本願を、原出願の出願の時に出願したものとみなすことはできず、本願は、現実の出願日である平成19年10月29日に出願されたものというべきである。

(3)補正の目的
上記(1)の補正の内容は、補正前の請求項1における「上部クラッド層」を「Al_(y)Ga_(1-y)N(0<y<1)」からなるものに限定し、同じく「緩衝層」を「Al_(x)Ga_(1-x)N(0≦x≦1、x≠y)」からなるものに限定するものであって、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当すると認められる。

(4)独立特許要件についての検討
本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)は、前記(1)において、補正後の請求項1に記載したとおりのものと認められるところ、本願補正発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかどうかについて検討する。

ア 刊行物の記載
原査定の拒絶の理由に引用した、本願出願前に頒布された刊行物である特開平9-55560号公報(以下「引用刊行物」という。)には、以下の記載がある。

(ア)「【請求項1】 基板上に、少なくとも下部クラッド層と、活性層または発光層と、上部クラッド層とが基板側からこの順に形成され、該下部クラッド層中および上部クラッド層中に、緩衝層が単層または複数層形成されている化合物半導体発光素子。」

(イ)「【0018】以下に本発明の作用につき説明する。
【0019】本発明にあっては、下部クラッド層中および上部クラッド層中に、緩衝層が単層または複数層形成されている。クラッド層/緩衝層を繰り返して成長することにより、表面モフォロジーが良好でクラックの無い良質な上部クラッド層および下部クラッド層を所望の厚みに成長できる。
【0020】例えば、Al_(y)Ga_(1-y)N(0<y<1)クラッド層とAl_(x)Ga_(1-x)N(0≦x≦1)緩衝層を繰り返して成長することにより、下部クラッド層および上部クラッド層の厚みを約1μm程度にすることが可能である。」

(ウ)「【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の図において、同一の機能を有する部分は同一の番号で示している。
【0025】(実施形態1) 図1は、本発明の一実施形態であるAlGaN/InGaN/AlGaN系半導体レーザ[または発光ダイオード]を示す断面図である。
【0026】この素子は、サファイア基板1上に、薄層のGaNまたはAlNからなるバッファ層2が形成され、その上に、n型GaN層3、n型下部クラッド層4、ノンドープまたはSiドープAl_(w)Ga_(z)In_(1-w-z)N(0≦w≦1、0≦z≦1)活性層[または発光層]6、p型上部クラッド層7およびp型GaNキャップ層9が積層形成されている。
【0027】n型下部クラッド層4中には、n型Al_(y)Ga_(1-y)N(0<y<1)クラッド層4aと薄層のn型Al_(x)Ga_(1-x)N(0≦x≦1)緩衝層5とが交互に積層形成され、下部クラッド層4の厚みは約1μm程度にされている。また、p型上部クラッド層7中には、p型Al_(y)Ga_(1-y)N(0<y<1)クラッド層7aと薄層のp型Al_(x)Ga_(1-x)N(0≦x≦1)緩衝層8とが交互に積層形成されて、上部クラッド層7の厚みは約1μm程度にされている。
・・・
【0029】この実施形態1では、厚み約0.15?0.3μmのn型Al_(0.1)Ga_(0.9)Nクラッド層4aと厚み約200オングストロームのn型GaN緩衝層5とを繰り返し成長して約1μmとしている。また、厚み約0.15?0.3μmのp型Al_(0.1)Ga_(0.9)Nクラッド層7aと厚み約200オングストロームのp型GaN緩衝層8とを繰り返し成長して下部クラッド層4および上部クラッド層7の厚みを約1μmとしている。また、活性層[または発光層]6としては、厚み約200オングストロームのノンドープまたはSiドープGa_(0.2)In_(0.8)N層を形成している。」

イ 引用発明
上記アによれば、引用刊行物には、次の発明が記載されているものと認められる。

「基板上に、少なくとも下部クラッド層と、活性層または発光層と、上部クラッド層とが基板側からこの順に形成され、該下部クラッド層中及び上部クラッド層中に、緩衝層が単層または複数層形成され、クラッド層/緩衝層を繰り返して成長することにより、表面モフォロジーが良好でクラックの無い良質な上部クラッド層及び下部クラッド層を所望の厚みに成長できる化合物半導体発光素子であって、上記活性層または発光層は、ノンドープまたはSiドープAl_(w)Ga_(z)In_(1-w-z)N(0≦w≦1、0≦z≦1)活性層または発光層であり、上記下部クラッド層は、厚み約0.15?0.3μmのn型Al_(0.1)Ga_(0.9)Nクラッド層と厚み約200オングストロームのn型GaN緩衝層とを繰り返し成長して厚みを約1μmとしたn型下部クラッド層であり、上記上部クラッド層は、厚み約0.15?0.3μmのp型Al_(0.1)Ga_(0.9)Nクラッド層と厚み約200オングストロームのp型GaN緩衝層とを繰り返し成長して厚みを約1μmとしたp型上部クラッド層である化合物半導体発光素子。」(以下「引用発明」という。)

ウ 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明は、「『基板上に、少なくとも下部クラッド層と、活性層または発光層と、上部クラッド層とが基板側からこの順に形成され』る『化合物半導体発光素子』」であるから、本願補正発明の「基板上に、少なくとも下部クラッド層と、活性層または発光層と、上部クラッド層を備える化合物半導体発光素子」との構成を備える。

(イ)引用発明の「活性層または発光層」は、「ノンドープまたはSiドープAl_(w)Ga_(z)In_(1-w-z)N(0≦w≦1、0≦z≦1)活性層または発光層」であるから、引用発明は、本願補正発明の「前記活性層または発光層はAl_(W)Ga_(Z)In_(1-W-Z)N(0≦W≦1、0≦Z≦1)からなり」との構成を備える。

(ウ)引用発明の「上部クラッド層」は、「厚み約0.15?0.3μmのp型Al_(0.1)Ga_(0.9)Nクラッド層と厚み約200オングストロームのp型GaN緩衝層とを繰り返し成長して厚みを約1μmとしたp型上部クラッド層」であるから、引用発明は、本願補正発明の「前記上部クラッド層の中に単層又は複数層の緩衝層を含み」、「前記上部クラッド層は、Al_(y)Ga_(1-y)N(0<y<1)からなり」、「前記緩衝層は、Al_(x)Ga_(1-x)N(0≦x≦1、x≠y)からなり」、「前記緩衝層と前記上部クラッド層は組成が異なり、かつ、前記緩衝層により分割された前記上部クラッド層の各層の厚みより前記緩衝層の個々の厚みが薄い」との構成を備える。

(エ)引用発明は、「クラッド層/緩衝層を繰り返して成長することにより、表面モフォロジーが良好でクラックの無い良質な上部クラッド層及び下部クラッド層を所望の厚みに成長できる」ものであるから、「上部クラッド層」の中に含まれる「緩衝層」は、「前記上部クラッド層のクラックの発生を抑制する層」といえ、引用発明は、本願補正発明の「『前記緩衝層は』、『前記上部クラッド層のクラックの発生を抑制する層であり』」との構成を備える。

(オ)以上によれば、引用発明は、本願補正発明の構成をすべて備えるものであり、両者の間に相違するところは見当たらない。

エ 小括
以上の検討によれば、本願補正発明は、引用刊行物に記載された発明というべきものであり、特許法第29条第1項第3号に該当するものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)補正却下の決定のむすび
以上のとおり、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
上記のとおり、本件補正は却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成22年11月5日になされた手続補正後の明細書及び図面の記載からみて、前記第2、2(1)において、補正前のものとして示したとおりのものと認められる。
なお、前記第2、2(2)で検討したとおり、本願は、現実の出願日である平成19年10月29日に出願されたものである。

2 刊行物の記載及び引用発明
前記第2、(4)ア及びイのとおりである。

3 対比
前記第2、2(4)ウで検討したとおり、本願発明を減縮したものである本願補正発明が、引用刊行物に記載された発明である以上、減縮前の本願発明も、引用刊行物に記載された発明であることは明らかであるから、特許法第29条第1項第3号に該当するものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-08-24 
結審通知日 2011-08-30 
審決日 2011-09-12 
出願番号 特願2007-279842(P2007-279842)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (H01S)
P 1 8・ 575- Z (H01S)
P 1 8・ 03- Z (H01S)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 古田 敦浩  
特許庁審判長 服部 秀男
特許庁審判官 稲積 義登
門田 かづよ
発明の名称 化合物半導体発光素子  
代理人 平井 良憲  

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