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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F16D
管理番号 1249589
審判番号 不服2010-24117  
総通号数 146 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-10-26 
確定日 2012-01-05 
事件の表示 特願2005-138924「トルクリミッタ」拒絶査定不服審判事件〔平成18年11月24日出願公開、特開2006-316861〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成17年5月11日の出願であって、その請求項1?3に係る発明は特許を受けることができないとして、平成22年7月21日付けで拒絶査定がされたところ、平成22年10月26日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
そして、本願の請求項1及び2に係る発明は、平成22年1月29日付け、及び平成23年8月19日付けの手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりのものである。なお、平成22年10月26日付けの手続補正は、当審において平成23年6月16日付けで決定をもって却下された。
「【請求項1】
円筒状外周部を有する第1回転体と、前記円筒状外周部に対向する円筒状内周部を有し、前記第1回転体と同軸状で互いに対して相対的に回転可能に設けられた第2回転体とからなり、前記円筒状外周部に永久磁石が設けられ、前記円筒状内周部はヒステリシス材であるトルクリミッタであって、
前記第2回転体は、前記ヒステリシス材のみからなる円筒体と、前記円筒体の両端部に設けられ、前記円筒体を保持するとともに、前記第1回転体と、前記第2回転体と共に空間を形成する一対の蓋体を有し、
前記第1回転体は合成樹脂製であり、
前記蓋体は金属を含み、
前記ヒステリシス材の外周部には円筒状弾性体が設けられる、トルクリミッタ。」

2.本願出願前に日本国内において頒布され、当審において平成23年6月16日付けで通知された拒絶理由に引用された刊行物及びその記載事項
(1)刊行物1:特開平10-78043号公報
(2)刊行物2:登録実用新案第3038928号公報(発行日:平成9年6月30日)
(3)刊行物3:特開2000-243613号公報
(4)刊行物4:特開2002-295510号公報
(5)刊行物5:特開平6-221341号公報
(6)刊行物6:実願平7-6700号(実開平8-550号)のCD-ROM
(7)刊行物7:特開2001-41257号公報
(8)刊行物8:特開2002-213473号公報

(刊行物1)
刊行物1には、「トルクリミッタ」に関して、図面(特に、図15を参照)とともに、下記の技術的事項が記載されている。
(a)「この発明は、一対の連結主体間の伝達トルクの限界を永久磁石と半硬質磁性体との間のヒステリシストルクによって定めるようにしたトルクリミッタであり、例えば複写機やファクシミリ等の紙送りローラとして用いられるヒステリシス式トルクリミッタに関するものである。」(第2頁第2欄第50行?第3頁第3欄第5行、段落【0001】参照)
(b)「第1回転体4はアルミニウム展伸材、含油焼結アルミニウムなどの金属材料を用いたものと、ポリアミド樹脂などの合成樹脂を用いたものがある。」(第3頁第3欄第43?46行、段落【0007】参照)
(c)「図4は実施の形態4によるトルクリミッタを示す側面断面図であり、図において、第1回転体20は合成樹脂で形成され、永久磁石13とインサート成形にて一体的に成形されている。また、第2回転体21は合成樹脂で形成され、ヒステリシス材15とインサート成形にて一体的に成形されている。」(第6頁第10欄第17?22行、段落【0052】参照)
(d)「図10は実施の形態10によるトルクリミッタを示す側面断面図であり、図において、第1回転体33は合成樹脂で形成され、永久磁石13とインサート成形にて一体的に成形されている。また、第2回転体34は合成樹脂で形成され、ヒステリシス材30とインサート成形にて一体的に成形されている。」(第7頁第12欄第11?17行、段落【0068】参照)
(e)「図15は実施の形態15によるトルクリミッタを示す側面断面図であり、図において、トルクリミッタは、駆動側に連結される第1回転体4と、被駆動側に連結される第2回転体50とから構成されている。第1回転体4の円筒状外周部には永久磁石9が固着されており、シャフト7を通して図示しない駆動機構と連結されている。第2回転体50は、有底円筒状の本体部50aと、蓋体50bとからなっている。また、第2回転体の本体部50aと蓋部50bの間には、上記永久磁石9に対向するヒステリシス材51が固着されており、ヒステリシス材51の外周部は装置外部に露出、つまりヒステリシス材51の外側を部品で覆わないように構成している。
第1回転体4と第2回転体50とは同軸上に設置されており、摺動部52a,52bでの当接によって半径方向及び軸方向の位置決めがなされていて、かつ互いに摺動回転可能となっている。また、シャフト7と第1回転体4の間にも摺動部52cがあり、上記摺動部52a,bとの3点支持の構造となっている。なお、その他の構成及び動作は従来装置(図20)と同様につき説明は省略する。
上記のように構成されたトルクリミッタにおいて、発熱体であるヒステリシス材51が直接外気に触れ、しかも回転するため、ヒステリシス材51内で発生した熱は速やかに外部に放出され、装置の温度上昇は低く抑えられ、温度上昇によるトルク低下の量を少なくすることができ、安定したトルク性能が得られることになる。
更に、温度上昇による永久磁石9と第1回転体4、ヒステリシス材51と第2回転体の本体部50a,蓋部50bの固着はずれの問題も解消でき、装置が破損することなく長期にわたって安定した性能を維持することができる。
また、熱放散性が良くなると、使用トルク,回転数,デューティ等の使用可能な条件範囲が広がるため、装置の用途が拡大する。
また、ヒステリシス材51を最外周に配置したため、同じ装置寸法においてヒステリシス材51の外径寸法を大きくとれる。トルクはこの外径寸法に比例して大きくなるため、外径寸法が大きくなった分トルクアップを図ることができる。言換えれば同じトルクを出すためには、装置を小型化できるということになる。
更に、従来装置ではトルクが出にくいため、間隙11の寸法を0.1mm以下という非常に小さい寸法に設定しているが、上記したトルクアップにより、この間隙11を大きくすることが可能となる。このため従来のように部品の高精度化の必要もなくなり、部品,製品の歩留りは著しく向上し、装置を安価に製作できる。
また、間隙11を大きく出来るため、永久磁石9とヒステリシス材51が干渉しにくくなり耐久性が向上するという効果もある。」(第8頁第13欄第30行?第14欄第31行、段落【0080】?【0087】参照)
(f)図15から、第2回転体50は、ヒステリシス材51のみからなる円筒体と、円筒体の両端部に設けられ、円筒体を固着するとともに、第1回転体4と、第2回転体50と共に間隙11を形成する本体部50a及び蓋体50bを有する構成が看取できる。
したがって、刊行物1には、下記の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認める。
【引用発明】
円筒状外周部を有する第1回転体4と、前記円筒状外周部に対向する円筒状内周部を有し、前記第1回転体4と同軸状で互いに対して相対的に回転可能に設けられた第2回転体50とからなり、前記円筒状外周部に永久磁石9が設けられ、前記円筒状内周部はヒステリシス材51であるトルクリミッタであって、
前記第2回転体50は、前記ヒステリシス材51のみからなる円筒体と、前記円筒体の両端部に設けられ、前記円筒体を固着するとともに、前記第1回転体4と、前記第2回転体50と共に間隙11を形成する本体部50a及び蓋体50bを有するトルクリミッタ。

(刊行物2)
刊行物2には、「トルクリミッタ」に関して、図面(特に、図3を参照)とともに、下記の技術的事項が記載されている。なお、大文字を小文字で表記した個所がある。
(g)「この考案は、永久磁石と半硬質磁性体との間に生じるヒステリシストルクによって駆動側回転体から従動側回転体へトルクを伝達するトルクリミッタに関する。」(第7頁第4?6行、段落【0001】参照)
(h)「図3は、この考案の実施例3によるトルクリミッタ15を給紙用摩擦ローラ2に用いた場合の断面図である。なお、図3において、図1と共通する部分には図1における場合と同じ符号を付している。
実施例3において、トルクリミッタ15は、外周面に円筒状半硬質磁性体16を固着した駆動側回転体17と、内周面に円筒状永久磁石18を固着した従動側回転体19とからなっており、さらに従動側回転体19は、底部中央にシャフト貫通用の孔20を形成した有底円筒体19aと、中央に軸受孔を形成した蓋体19bとからなっている。このトルクリミッタ15は、従動側回転体19の有底円筒体19a中に駆動側回転体17を挿入し、次いで蓋体19bを取り付ける手順で組み立てられる。駆動側回転体17は金属製のシャフト8を通して図示しない駆動機構と連結している。また、従動側回転体19の底部には直径方向に切欠き部21が形成してあり、この切欠き部21でゴムローラ2端面の突部と係合している。
ここで、円筒状永久磁石18と円筒状半硬質磁性体16とが0.1mmの間隙をもって対向していること、駆動側回転体17と従動側回転体19とが同軸上に設置されており、摺動部22、23での当接によって半径方向及び軸方向の位置決めがなされていて、同軸上で相対的に摺動回転可能となっていること、およびトルクの伝達機構等については実施例1及び実施例2と同様である。
駆動側回転体17は、チタン酸カリウムのウイスカー(モース硬度4)を20重量%混入したポリアセタール樹脂(「ポチコン」AT342:大塚化学(株)製)からなる。また、駆動側回転体17の外周面には、円筒状の半硬質磁性体16が圧入によって固着されている。この半硬質磁性体16は、Fe-Cr-Co系合金製である。なお、この半硬質磁性体16は継ぎ目のないシームレスな円筒体である。
従動側回転体19は、アルミニウム合金製の回転体本体の摺動部となる部分に、ふっ素系樹脂材料による塗膜22a、23aを形成したものである。すなわち、アルミニウム合金製の有底円筒体19aの摺動部となる部分にふっ素系樹脂塗料(FR-3:サンエス潤滑(株)製)を厚み20μmに塗布して塗膜23aを形成し、アルミニウム合金製の蓋体19bの摺動部となる部分にも同じふっ素系樹脂塗料を厚み20μmに塗布して塗膜22aを形成してある。
従動側回転体19の内周面には、円筒状の永久磁石18が接着剤により固着されている。この永久磁石18はNd-Fe-B系樹脂磁石で、Nd-Fe-B系磁性粉末とエポキシ樹脂とからなる樹脂磁石粉末を所定の金型に投入し、圧縮成形した後、加熱して硬化させ、更に防錆のために表面を樹脂コーティングした後、着磁ヨークを用いて外周に多極着磁を行なったものである。」(第18頁第21行?第20頁第2行、段落【0053】?【0058】参照)

3.対比・判断
本願発明と引用発明とを対比すると、それぞれの有する機能からみて、引用発明の「第1回転体4」は本願発明の「第1回転体」に相当し、以下同様にして、「第2回転体50」は「第2回転体」に、「永久磁石9」は「永久磁石」に、「ヒステリシス材51」は「ヒステリシス材」に、「固着」は「保持」に、「間隙11」は「空間」に、「蓋体50b」は「蓋体」に、それぞれ相当するとともに、引用発明の「本体部50a」は「蓋状部材」である限りにおいて本願発明の「蓋体」に、ひとまず相当するので、両者は下記の一致点、及び相違点1?3を有する。
<一致点>
円筒状外周部を有する第1回転体と、前記円筒状外周部に対向する円筒状内周部を有し、前記第1回転体と同軸状で互いに対して相対的に回転可能に設けられた第2回転体とからなり、前記円筒状外周部に永久磁石が設けられ、前記円筒状内周部はヒステリシス材であるトルクリミッタであって、
前記第2回転体は、前記ヒステリシス材のみからなる円筒体と、前記円筒体の両端部に設けられ、前記円筒体を保持するとともに、前記第1回転体と、前記第2回転体と共に空間を形成する蓋状部材及び蓋体を有するトルクリミッタ。
(相違点1)
前記蓋状部材及び蓋体に関し、本願発明は、「一対の蓋体」であるのに対し、引用発明は、本体部50a及び蓋体50bであり、本願発明のような一対の蓋体ではない点。
(相違点2)
本願発明は、前記第1回転体は「合成樹脂製」であり、前記蓋体は「金属を含」むのに対し、引用発明は、そのような構成を具備していない点。
(相違点3)
本願発明は、「前記ヒステリシス材の外周部には円筒状弾性体が設けられ」ているのに対し、引用発明は、そのような構成を具備していない点。
そこで、上記相違点1?3について検討をする。
(相違点1について)
トルクリミッタにおいて、第2回転体の蓋体を一対の蓋体とすることは、従来周知の技術手段(例えば、刊行物3には、図2に関し、「24,25は側板でそれぞれ軸受部24a,25aを備え、回転軸20を回転自在に支持している。」[第3頁第3欄第46?48行、段落【0014】参照]と記載されている。刊行物4には、図3に関し、「5,6はそれぞれ軸受で、回転軸1に半硬質磁性材プラスチックマグネット製のケーシング3を回転自在に支持している。」[第2頁第1欄第41?43行、段落【0002】参照]と記載されている。)にすぎない。
してみれば、引用発明の本体部50a及び蓋体50bに、上記従来周知の技術手段を適用して、本体部50aを蓋体とすることにより、一対の蓋体として、上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、技術的に格別の困難性を有することなく当業者が容易に想到できるものであって、これを妨げる格別の事情は見出せない。
(相違点2について)
刊行物1には、「第1回転体4は・・・ポリアミド樹脂などの合成樹脂を用いたものがある。」(上記摘記事項(b)参照)、「第1回転体20は合成樹脂で形成され」(上記摘記事項(c)参照)、及び「第1回転体33は合成樹脂で形成され」(上記摘記事項(d)参照)と記載されている。
また、引用発明及び刊行物2に記載された技術的事項は、ともにトルクリミッタに関する技術分野に属するものであって、刊行物2には、「アルミニウム合金製の蓋体19b」(上記摘記事項(h)参照)と記載されている。
トルクリミッタにおいて、第1回転体及び第2回転体の材料を、一方の回転体を金属製にするとともに、他方の回転体を合成樹脂製とすることは、従来周知の技術手段(例えば、刊行物5には、「一方の回転体を金属材料で形成し、他方の回転体には金属材料に対して耐摩耗性及び滑動性に優れた合成樹脂材料を用いることが好ましい。」[第3頁第3欄第41?44行、段落【0015】参照」と記載されている。刊行物6には、「一方の回転体を非磁性金属材料で形成し、他方の回転体には金属材料に対して耐摩耗性及び滑動性に優れた熱可塑性樹脂材料を用いる。」[第7頁第25?27行、段落【0015】参照」と記載されている。)にすぎないことを考慮すれば、引用発明の第1回転体4、並びに本体部50a(蓋状部材)及び蓋体50bに、上記(相違点1について)の判断の前提下において、刊行物2に記載された技術手段、及び上記従来周知の技術手段を適用することにより、引用発明の第1回転体4を合成樹脂製とするとともに、一対の蓋体を金属を含むものとすることにより、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、技術的に格別の困難性を有することなく当業者が容易に想到できるものであって、これを妨げる格別の事情は見出せない。
(相違点3について)
刊行物1の図15から、第2回転体50と一体に回転するゴムローラ1(円筒状弾性体)の構成が看取できる。
トルクリミッタにおいて、第2回転体の外周部に円筒状弾性体を設けることは、従来周知の技術手段(例えば、刊行物7の段落【0015】及び図1には、ケース12の外周面にゴム部材22a及び22bを装着することが記載されている。刊行物8の段落【0022】及び図1には、外輪20の外周面上にスリーブ40を介してゴム部材30を備えることが記載されている。また、実願昭59-57266号[実開昭60-170335号]のマイクロフィルムには、「外側スリーブ5の内面には、前記マグネツト2の外面と所定の間隙を存してヒステリシス材6が取付けられている。又、外側スリーブ5の外周面にはセパレートコロとしてのゴムスリーブ9が被せられている。」[第4頁第19行?第5頁第4行]と記載されるとともに、図面から、ヒステリシス材6の外周部にゴムスリーブ9が設けられている構成が看取できる。)にすぎない。
してみれば、引用発明の第2回転体50を構成するヒステリス材51のみからなる円筒体に、上記従来周知の技術手段を適用して、ヒステリス材51の外周部に円筒状弾性体を設けることにより、上記相違点3に係る本願発明の構成とすることは、技術的に格別の困難性を有することなく当業者が容易に想到できるものであって、これを妨げる格別の事情は見出せない。

本願発明が奏する効果についてみても、引用発明、刊行物2に記載された発明、及び従来周知の技術手段が奏するそれぞれの効果の総和以上の格別顕著な効果を奏するものとは認められない。
したがって、本願発明は、刊行物1及び2に記載された発明、並びに従来周知の技術手段に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

なお、審判請求人は、当審における平成23年6月16日付けの拒絶理由に対する平成23年8月19日付けの意見書において、「刊行物1?9は、それぞれ目的が異なるため、たとえ当業者といえどもこれらの刊行物を組み合わせることは思いつきません。
また、刊行物1?9というように、刊行物を9個も寄せ集めなければ本願発明の進歩性が否定できないということは、そのこと自体が、本願発明の進歩性を認定するものであると確信します。
さらに、いずれの刊行物も本願発明の特徴である、『前記第2回転体は、前記ヒステリシス材のみからなる円筒体であり、ヒステリシス材の外周部には円筒状弾性体が設けられる』という点については(中略)何らの開示も示唆もないことから考えて本願発明は達成されません。
しかも本願発明によれば、ヒステリシス材の外周に円筒状弾性体を被せたトルクリミッタであっても、ヒステリシス材と金属とが連結した構造により、内部発熱を両側の蓋体から放熱でき、内部発熱による温度上昇を抑制できるという効果を奏します。」(「(x)刊行物1?9の組合せと本願発明との差について」の項を参照)と主張している。
しかしながら、各刊行物に記載されたものは、いずれも、ヒステリシストルクによってトルクを伝達するトルクリミッタに関するものであって、本願発明と技術分野が共通するものであるし、また、引用される刊行物の数によって発明の進歩性の判断がされるわけではないことは言うまでもない(このことは、引用される刊行物の数が多くても拒絶されることがあり、逆に、引用される刊行物の数が少なくても特許になることがあることからも明らかである)。
そして、上記(相違点1について)?(相違点3について)において述べたように、本願発明は、刊行物1及び2に記載された発明、並びに従来周知の技術手段から当業者が容易に想到し得たものであるところ、審判請求人が主張する本願発明が奏する上記の作用効果は、従前知られていた構成が奏する作用効果を併せたものにすぎず、本願発明の構成を備えることによって、本願発明が、従前知られていた構成が奏する作用効果を併せたものとは異なる、相乗的で予想外の作用効果を奏するものとは認められないので、審判請求人の上記主張は採用することができない。

4.むすび
結局、本願の請求項1に係る発明(本願発明)は、その出願前日本国内において頒布された刊行物1及び2に記載された発明、並びに従来周知の技術手段に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願の請求項2に係る発明について検討をするまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-08-26 
結審通知日 2011-08-30 
審決日 2011-11-21 
出願番号 特願2005-138924(P2005-138924)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (F16D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 竹下 和志  
特許庁審判長 川本 真裕
特許庁審判官 常盤 務
倉田 和博
発明の名称 トルクリミッタ  
代理人 森下 八郎  
代理人 伊藤 英彦  
代理人 吉田 博由  
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