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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63B
管理番号 1251372
審判番号 不服2009-23895  
総通号数 147 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-12-04 
確定日 2012-02-03 
事件の表示 平成10年特許願第550731号「ポリアミドを含むゴルフボール成形用組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成10年11月26日国際公開、WO98/52652、平成14年 1月22日国内公表、特表2002-502280〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、1998年5月22日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1997年5月23日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成17年5月23日付け、平成20年7月22日付け及び平成21年5月25日付けで手続補正がなされ、平成21年5月25日付けの手続補正が平成21年7月17日付けで却下されるとともに、同日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年12月4日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされ、その請求と同時に手続補正がなされ、当審において、平成23年2月16日付けで拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)の通知がなされ、同年8月17日付けで手続補正がなされたものである。

第2 本願発明の認定
本願の請求項1ないし11に係る発明は、平成23年8月17日付け手続補正により補正された明細書の記載からみて、明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項によってそれぞれ特定されるものと認められるところ、その請求項4に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。

「単一層のカバーおよび単一層のコアを含むゴルフボールであって、該単一層のカバーが、25wt%?55wt%の少なくとも一種の非イオノマーポリマーと、75wt%?45wt%の少なくとも一種のポリアミドポリマーとを含むブレンドから本質的になるポリマー組成物を含み、かつ前記非イオノマーポリマーが、官能化された実質的に飽和のゴムを含有するブロックポリスチレン熱可塑性エラストマーである、ゴルフボール。」

第3 記載不備についての当審拒絶理由の概要
本願明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし11に示された具体的材料及び数値限定で規定する範囲は本願明細書の発明の詳細な説明に記載されたものであるとは認められず、本願の特許請求の範囲の請求項1ないし11の記載は、特許法第36条第6項第1号(サポート要件)に適合するものでない。

第4 本願の特許請求の範囲の記載について
本願発明は、具体的材料及び数値限定でゴルフボールを特定しようとするものである。
「単一層のカバーおよび単一層のコアを含むゴルフボールであって、該単一層のカバーが、25wt%?55wt%の少なくとも一種の非イオノマーポリマーと、75wt%?45wt%の少なくとも一種のポリアミドポリマーとを含むブレンドから本質的になるポリマー組成物を含み、かつ前記非イオノマーポリマーが、官能化された実質的に飽和のゴムを含有するブロックポリスチレン熱可塑性エラストマー」(以下「本願発明の発明特定事項」という。)に係る具体的材料及び数値限定に関する記載について、以下に検討する。
1 本願明細書に開示された発明の課題と、本願発明との技術的関係
(1)本願明細書の発明の詳細な説明には、発明の背景に関する記載があり(1頁9行?6頁17行参照。)、該記載によれば、ワンピース、ツーピース及び/または多層のゴルフボールにサーリン(登録商標)被覆ツーピースボールの耐久性及び距離並びにバラタ被覆スリーピースボールの感触、クリック及びコントロールを与えるという課題に対し、本願明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された構成を採用することにより、上記課題を達成することができたとされることが開示されていると認められる。
(2)しかしながら、本願明細書の発明の詳細な説明の上記課題に関する記載のある箇所には、本願発明に示された具体的材料及び数値限定と、発明の解決しようとする課題との間の技術的関係については、記載も示唆もされていない。
(3)一方、本願明細書の発明の詳細な説明には、本願発明に示された上記具体的材料及び数値限定に関連して、以下アないしウに示す記載がある(下線は審決で付した。以下同じ。)。

ア 「発明の要約
本発明の一実施態様は、カバーが約1重量%?約99重量%の少なくとも一種の非イオノマーポリマー及び約99重量%?約1重量%の少なくとも一種のポリアミドポリマーのブレンドを含む実質的に蛍光増白剤を含まない組成物から成形される、カバー及びコアーを含むゴルフボールに関する。しかしながら、また更に別の実施態様において、実質的に蛍光増白剤を含まない組成物は約0重量%?約99重量%の少なくとも一種の非イオノマーポリマー及び約100重量%?約1重量%の少なくとも一種のポリアミドポリマーのブレンドを含む。
好ましいポリアミドポリマーとして、ポリアミドホモポリマー、ポリアミドコポリマー及びこれらの混合物が挙げられ、この場合、ポリアミドポリマーは約30,000psi?約500,000psiの曲げモジュラスを有し、ポリアミドホモポリマーはポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4,6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,9、ポリアミド6,10、ポリアミド6,12またはこれらの混合物であり、ポリアミドコポリマーはポリアミド6/6,6、ポリアミド6,6/6,10、ポリアミド6/6,T、ポリアミド6/6,6/6,10またはこれらの混合物である。
本発明に有益な非イオノマーポリマーは、存在する場合には、約6,894kpa?約1,034,214kpa(約1,000psi?約150,000psi)の曲げモジュラスを有し、ブロックコポリ(エステル-エステル)、ブロックコポリ(エステル-エーテル)、ブロックコポリ(アミド-エステル)、ブロックコポリ(アミド-エーテル)、ブロックコポリ(ウレタン-エステル)、ブロックコポリ(ウレタン-エーテル)、不飽和ゴムを含むブロックポリスチレン熱可塑性エラストマー、官能化された実質的に飽和されたゴムを含むブロックポリスチレン熱可塑性エラストマー、ポリプロピレンとエチレン-プロピレン-ジエンモノマーターポリマーまたはエチレン-プロピレンコポリマーゴムとを含む熱可塑性ポリマーとエラストマーのブレンド(そのゴムは動的加硫されている)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(シラン)、ポリ(弗化ビニリデン)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、オレフィン系ポリマー、官能性コモノマーを含むそれらのコポリマー、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
別の実施態様において、本発明はカバーが約15重量%?約75重量%の少なくとも一種の非イオノマーポリマー及び約85重量%?約25重量%の少なくとも一種のポリアミドポリマーのブレンドからつくられた実質的に蛍光増白剤を含まない組成物から成形されるカバー及びコアーを含むゴルフボールに関する。」(6頁下から11行?7頁下から7行)

イ 「また、本発明はゴルフボールの製造方法に関するものであり、その方法はゴルフボールコアーを成形し、約1重量%?約99重量%の少なくとも一種の非イオノマーポリマー及び約99重量%?約1重量%の少なくとも一種のポリアミドポリマーの実質的に蛍光増白剤を含まない組成物を調製し、そのブレンドをゴルフボールコアーのまわりに成形してゴルフボールを成形することを含む。しかしながら、また実質的に蛍光増白剤を含まない組成物は約0重量%?約99重量%の少なくとも一種の非イオノマーポリマー及び約100重量%?約1重量%の少なくとも一種のポリアミドポリマーを含む。
また、更に本発明はゴルフボールの製造方法に関するものであり、その方法はコアー層を成形し、少なくとも一つの中間層をコアー層のまわりに成形し、カバー層を少なくとも一つの中間層の上に成形することを含み、この場合、層の少なくとも一つが約1重量%?約99重量%の少なくとも一種の非イオノマー熱可塑性ポリマー及び約99重量%?約1重量%の少なくとも一種のポリアミドポリマーを含む実質的に蛍光増白剤を含まない組成物から成形される。しかしながら、また実質的に蛍光増白剤を含まない組成物は約0重量%?約99重量%の少なくとも一種の非イオノマー熱可塑性ポリマー及び約100重量%?約1重量%の少なくとも一種のポリアミドポリマーを含む。」(11頁9?25行)

ウ 「発明の詳細な説明
本発明は予期しない程に改良された耐久性、初期速度及びせん断抵抗を有するゴルフボール成形用組成物に関する。本発明の組成物はホモポリマー、コポリマーまたはこれらの混合物の形態の少なくとも一種のポリアミドを含む。必要により、少なくとも一種のポリアミドは少なくとも一種の非イオノマーポリマーまたは樹脂(それ自体は非イオノマー熱可塑性ポリマーの形態で存在する)、非イオノマー熱可塑性エラストマーまたはこれらの混合物とのブレンドの形態で存在してもよい。添えられた実施例に示されるように、本発明のポリアミド及び/またはポリアミド-非イオノマーポリマーブレンドを含むカバー、コアー及び/または中間層を有するゴルフボールは、従来技術のイオノマー及びイオノマーブレンドから成形されたゴルフボールと比較した時に予期しない程に改良された耐久性及び初期速度を有する。本発明はイオノマー成分のみを含むブレンドで可能であるよりも広い範囲にわたってブレンド成分の夫々のモジュラス及び硬度を選択することについて大いに融通性を与える。…(略)…
本発明の組成物は、必要により非イオノマーポリマー、例えば、非イオノマー熱可塑性ポリマー、非イオノマー熱可塑性コポリマー、非イオノマーTPE、及び上記非イオノマーの混合物とブレンドされてもよい、ポリアミド及び/またはポリアミドコポリマー、例えば、ナイロン及びナイロンコポリマーを含む。本発明の組成物が添加された相溶化成分を有しない場合、この状態は、それ故、本明細書では“実質的に相溶化剤を含まない”と特定され、称される。更に、本発明の組成物は添加された蛍光増白剤成分を有しないので、この状態は、それ故、本明細書では“実質的に蛍光増白剤を含まない”と特定され、称される。…(略)…
上記のようなブレンドの場合、このようなブレンドは約1重量%?約99重量%のポリアミド及び約99重量%?約1重量%の非イオノマーポリマーを含んでもよい。ブレンドは約5重量%?約95重量%のポリアミド及び約95重量%?約5重量%の非イオノマーポリマーを含むことが好ましい。ブレンドは約10重量%?約85重量%のポリアミド及び約90重量%?約15重量%の非イオノマーポリマーを含むことが更に好ましい。ブレンドは約25重量%?約85重量%のポリアミド及び約75重量%?約15重量%の非イオノマーポリマーを含むことが更に好ましい。ブレンドは約45重量%?約75重量%のポリアミド及び約55重量%?約25重量%の非イオノマーポリマーを含むことが最も好ましい。
本発明のポリマーブレンドは種々の分子人工物のブレンド成分で調製し得る。変化してもよいパラメーターの例として、ポリマーブレンドの当業者に公知であるような分子量、分子量分布、タクチシティ及び必要により分岐、ブロッキネス(blockiness)の程度及び配置、ブロック分子量及びブロック分子量分布が挙げられる。
本発明の組成物を生成するのに有益なポリアミド成分は反復アミド基を有する熱可塑性ポリマーである。これらは普通ナイロンとして知られている。この成分はホモポリマー、コポリマー(ブロックコポリマーを含む)、または上記の型のポリアミドのいずれかまたは全ての2種以上の変化のブレンドを含むことができる。
ポリアミドホモポリマーは二つの普通の方法により製造される。第一の方法では、一つの有機酸型末端基及び一つのアミン末端基を含む化合物が環状モノマーに生成される。次いでポリアミドがそのモノマーから開環付加重合により生成される。これらのポリアミドは普通ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12等と称され、この場合、その数字はモノマー中の環を構成する炭素原子の数を示す。第二の方法は二塩基酸とジアミンの縮合重合を伴う。これらのポリアミドは普通ポリアミド4,6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,9、ポリアミド6,10、ポリアミド6,12等と称され、この場合、最初の数字はジアミン中の二つのアミン基を連結する炭素原子の数を示し、また第二の数字は二塩基酸中の二つの酸基を連結する炭素原子(酸基中の炭素原子を含む)の数を示す。
好ましいポリアミドホモポリマーとして、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド7、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド13、ポリアミド4,6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,9、ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド12,12、ポリアミド13,13及びこれらの混合物が挙げられる。更に好ましいポリアミドホモポリマーとして、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4,6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,9、ポリアミド6,10、ポリアミド6,12及びこれらの混合物が挙げられる。最も好ましいポリアミドホモポリマーはポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12及びこれらの混合物である。
ポリアミドコポリマーは幾つかの普通の方法により製造される。最初に、それらは夫々のモノマー環を構成する異なる数の炭素原子を有する2種以上の環状モノマーを使用することにより付加重合から製造される。また、ポリアミドコポリマーは単一ニ塩基酸と2種以上の異なるジアミン(夫々が二つのアミン基を分離する異なる数の炭素原子を有する)を使用することにより、また単一ジアミンと2種以上の異なるニ塩基酸(夫々が二つの酸基を分離する異なる数の炭素原子を有する)を使用することにより、または2種以上の異なるジアミン及びニ塩基酸を使用することにより縮合重合により製造される。更に、ポリアミドコポリマーは2種以上のポリアミド溶融物をブレンドし、部分ランダム化または完全ランダム化が起こるような充分な時間の期間にわたってこれらの材料を溶融状態に保つことにより製造される。普通、ポリアミドコポリマーは記号/によりホモポリマーについての記号を分離することにより表示される。この出願の目的のために、最初に明記される成分はコポリマーの主成分または少量成分であってもよい。
好ましいポリアミドコポリマーとして、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6,6/6,10、ポリアミド6/6,T(式中、Tはテレフタル酸を表す)、ポリアミド6/6,6/6,10及びこれらの混合物が挙げられる。
本発明のポリアミド成分はASTM方法D-2240により測定して少なくとも約50のショアーD硬度、ASTM方法D-790により測定して少なくとも約30,000psi、好ましくは約30,000psi?約500,000psi、更に好ましくは約50,000psi?約500,000psiの曲げモジュラス、及び2.16kgの重りを使用してASTM方法D-1238、条件Eにより測定して約0.5?約100g/10分のメルトインデックスを有する。
本発明の別の実施態様において、少なくとも一種のポリアミドポリマーはゴルフボール組成物用の材料を合わせるための当業界で公知の方法に従って少なくとも一種の非イオノマーポリマーと合わされる。特に、本発明のポリアミドポリマーはゴルフボールカバー中に使用され、または使用し得るあらゆるその他の非イオノマーTPEポリマーまたは非イオノマー熱可塑性ポリマーと合わされてもよい。本明細書に使用される非イオノマー熱可塑性ポリマーは、当業者が認めるように、非イオノマー熱可塑性エラストマーポリマーが熱可塑性ポリマーではなくエラストマーの典型的な機械的応答を示す点で、非イオノマー熱可塑性エラストマー(TPE)ポリマーを除く。例えば、非イオノマー熱可塑性エラストマーポリマーは張力下で迅速かつかなり伸びて、低減衰で、即ち、熱としてのエネルギーの損失を殆ど生じないで高い伸びに達するべきであり、かつ高い伸びから迅速に収縮して、スナップまたは弾性反発の現象を示すべきである。
また、本発明はゴルフボール組成物を生成するための少なくとも一種のポリアミドとブレンドされた種々の材料の使用を意図している。特に、本発明のコアー及び/または一つ以上の層は非イオノマー熱可塑性エラストマーを含んでもよい。TPEはエラストマーに特徴的な材料特性及び機械的性質を有するが、エラストマーと違って、熱可塑性ポリマーのように加工し得る。何とならば、それらが融点を示すからであり、これが熱可塑性ポリマーの特徴である。それ故、TPEは望ましいゴム特性をポリマーブレンドに付与すると同時に加工中の熱可塑性ポリマーの望ましい利点、例えば、低コストの加工、スクラップのリサイクル可能性、及び迅速な連続の自動化加工の多くを維持する点でエラストマーを置換し得る。
一般に、TPEは少なくとも二つのポリマー型またはポリマー相からなり、これらの夫々が特徴的な軟化温度を有する。一つの相は使用温度でその軟化点より上であるように選ばれ、それによりゴムの応答を与え、一方、別の相は使用温度でその軟化点より下であるように選ばれ、それにより通常の架橋ゴムの架橋点と同様の方法で軟質材料を固定する。しかしながら、架橋ゴムとは違って、固定効果は可逆的であり、TPEを両方の軟化点より高温に加熱することにより除去し得る。高温では、通常の熱可塑性ポリマー加工方法が可能である。その後に上の軟化点より下に冷却すると、固定効果が再度確立されることを可能にする。
二つのポリマー型またはポリマー相はしばしば化学的に結合されてブロックコポリマー分子人工物を生じるが、これは上記の典型的なTPE挙動を示すための要件ではない。二つのポリマー型の機械混合またはin situ重合もしくはグラフトがまたTPEのような応答をもたらし得る。TPEの19の異なる化学型のリストが“Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemistry and Technology”,第4編,9巻,18頁(1994)の表2で入手し得る。
本発明の好ましい非イオノマーTPEは化学組成により特徴付けられ、下記のカテゴリーを含む:(1)ブロックコポリ(エステル)コポリマー、(2)ブロックコポリ(アミド)コポリマー、(3)ブロックコポリ(ウレタン)コポリマー、(4)スチレンをベースとするブロックコポリマー、(5)熱可塑性ポリマーとエラストマーブレンド(そのエラストマーは加硫されていない)(以下、“TEB”)及び(6)熱可塑性ポリマーとエラストマーまたはゴムのブレンド(そのエラストマーは動的に加硫されている)(以下“TEDV”)。
ブロックコポリ(エステル)コポリマーTPE(1)はポリエステルオリゴマー、例えば、ポリアルキレンテレフタレート(高い軟化点を有する材料)(そのアルキレン基は典型的には1,4-ブチレンである)と、低軟化点を有する別のブロックの交互ブロックを含む。必要により、ブロックコポリ(エステル)コポリマーは部分的に少なくとも一種のチオエステルを含むことができる。更に、ブロックコポリ(エステル)コポリマーTPEは必要によりブロックコポリ(チオエステル)コポリマーであってもよい。
ブロックコポリ(エステル)コポリマーの低軟化点材料がエステル、例えば、ポリカプロラクトンの如きポリラクトンである場合には、ブロックコポリ(エステル-エステル)が生じる。低軟化点材料がポリエーテルオリゴマー、例えば、ポリアルキレンエーテルである場合には、ブロックコポリ(エステル-エーテル)が生じる。低軟化点材料がポリチオエーテル、例えば、ポリチオアルキレンエーテルである場合には、ブロックコポリ(エステル-チオエーテル)が生じる。低軟化点材料が必要により部分水添されていてもよいα,ω-ヒドロキシブタジエンオリゴマー、例えば、エルフ・アトケムS.A.から入手し得るPOLYBD(登録商標)樹脂である場合には、ブロックコポリ(エステル-α,ω-ヒドロキシブタジエン)が生じる。必要により、低軟化点材料は混合物、例えば、上記低軟化点材料のいずれか、例えば、ポリアルキレンエーテル、例えば、プロピレンエーテル及びブチレンエーテルの混合物、またはポリアルキレンエーテル及びポリチオアルキレンエーテルの混合物を含んでもよい。更に、低軟化点材料のこのような混合物はランダム配置もしくはブロック配置、またはこれらの混合物として存在してもよい。
ブロックコポリ(エステル)コポリマーTPEはブロックコポリ(エステル-エステル)、ブロックコポリ(エステル-エーテル)またはこれらの混合物であることが好ましい。ブロックコポリ(エステル)コポリマーTPEは少なくとも一種のブロックコポリ(エステル-エーテル)またはこれらの混合物であることが更に好ましい。好適な市販のTPEコポリ(エステル-エーテル)として、デュポンからのハイトレル(登録商標)シリーズ(これはハイトレル(登録商標)3078、G3548W、4056、G4078W及び6356を含む);ゼネラル・エレクトリックからのロモド(登録商標)シリーズ(これはロモド(登録商標)ST3090A及びTE3055Aを含む);アクゾからのアーニテル(登録商標)及びウラフィル(登録商標);イーストマン・コダックからのエクデル(登録商標);並びにヘキスト・セラニーズからのリテフレックス(登録商標)が挙げられる。
ブロックコポリ(アミド)コポリマーTPE(2)はポリアミドオリゴマー(高い軟化点を有する材料)と低軟化点を有する別のブロックの交互ブロックを含む。ブロックコポリ(アミド)はFoyらの米国特許第4,331,786号に更に充分に記載されており、これが参考として本明細書にそのまま含まれる。必要により、ブロックコポリ(エステル)コポリマーは部分的に少なくとも一種のチオアミドを含むことができる。ブロックコポリ(エステル)コポリマーTPEは必要によりブロックコポリ(チオアミド)コポリマーであってもよい。
ブロックコポリ(アミド)コポリマーの低軟化点材料が、例えば、ポリエーテルオリゴマーまたはポリアルキレンエーテル、例えば、ポリ(エチレンオキサイド)である場合には、ブロックコポリ(アミド-エーテル)が生じる。ブロックコポリ(アミド)コポリマーの低軟化点材料がエステル、例えば、ポリカプロラクトンの如きポリラクトンである場合には、ブロックコポリ(アミド-エステル)が生じる。上記ブロックコポリ(エステル)コポリマーの記載に挙げられた低軟化点材料のいずれかがブロックコポリ(アミド)コポリマーを生成するのに使用されてもよい。必要により、ブロックコポリ(アミド)コポリマーの低軟化点材料は混合物、例えば、上記低軟化点材料のいずれかの混合物を含んでもよい。更に、低軟化点材料の前記混合物はランダム配置もしくはブロック配置、またはその混合物として存在してもよい。
ブロックコポリ(アミド)コポリマーTPEはブロックコポリ(アミド-エステル)、ブロックコポリ(アミド-エーテル)、またはこれらの混合物であることが好ましい。ブロックコポリ(アミド)コポリマーTPEは少なくとも一種のブロックコポリ(アミド-エーテル)またはこれらの混合物であることが更に好ましい。好適な市販の熱可塑性コポリ(アミド-エーテル)として、エルフ-アトケムからのペバックス(登録商標)シリーズ(これはペバックス(登録商標)2533、3533、4033及び6333を含む);エムスターによるグリラミド(登録商標)シリーズ(これはエリイ60を含む);並びにヒュルズによるベスタミド(登録商標)及びベステナマー(登録商標)が挙げられる。
ブロックコポリ(ウレタン)コポリマーTPE(3)はポリウレタンオリゴマー(高軟化点を有する材料)と低軟化点を有する別のブロックの交互ブロックを含む。ポリウレタンブロックはジオール、例えば、1,4-ブタンジオール、ジチオール、例えば、1,4-ブタンジチオール、チオ置換アルコール、例えば、1-チオールブタン-4-オール、またはこれらの混合物で鎖延長された、ジイソシアネート、典型的には4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、パラ-フェニレンジイソシアネートまたはこれらの混合物を含む。必要により、ブロックコポリ(ウレタン)コポリマーは少なくとも一種のジチオイソシアネートを少なくとも一部含んでいてもよい。
ブロックコポリ(ウレタン)コポリマーの低軟化点材料が、例えば、ポリエーテルオリゴマーまたはポリアルキレンエーテル、例えば、ポリ(エチレンオキサイド)である場合には、ブロックコポリ(ウレタン-エーテル)が生じる。ブロックコポリ(ウレタン)コポリマーの低軟化点材料がエステル、例えば、ポリカプロラクトンの如きポリラクトンである場合には、ブロックコポリ(ウレタン-エステル)が生じる。上記ブロックコポリ(エステル)コポリマーの記載に挙げられた低軟化点材料のいずれかがブロックコポリ(ウレタン)コポリマーを生成するのに使用されてもよい。必要により、ブロックコポリ(ウレタン)コポリマーの低軟化点材料は混合物、例えば、上記低軟化点材料のいずれかの混合物を含んでもよい。更に、低軟化点材料の前記混合物はランダム配置もしくはブロック配置、またはその混合物として存在してもよい。
ブロックコポリ(ウレタン)コポリマーTPEはブロックコポリ(ウレタン-エステル)、ブロックコポリ(ウレタン-エーテル)、またはこれらの混合物であることが好ましい。好適な市販の熱可塑性ポリウレタンの例として、B.F.グッドリッチ社からのエスタン(登録商標)シリーズ(これはエスタン(登録商標)58133、58134、58144及び58311を含む);ダウ・ケミカルからのペレタン(登録商標)シリーズ(これはペレタン(登録商標)2102-90A及び2103-70Aを含む);BASFからのエラストラン(登録商標);バイエルからのデスモパン(登録商標)及びテキシン(登録商標);並びにモートン・インターナショナルからのQ-タン(登録商標)が挙げられる。
ブロックポリスチレンTPE(4)は不飽和を含むゴムまたは飽和ゴムの低軟化点ブロックの末端に化学結合されたポリスチレンまたは置換ポリスチレン、例えば、ポリ(α-メチルスチレン)またはポリ(4-メチルスチレン)(高軟化点を有する材料)のブロックを含む。不飽和ゴム型は典型的にはスチレン-ブタジエン-スチレン(以下“SBS”)を生成するためのブタジエン、またはスチレン-イソプレン-スチレン(以下“SIS”)ブロックコポリマーを生成するためのイソプレンを含む。好適な市販の熱可塑性SBSコポリマーまたはSISコポリマーの例として、シェル・ケミカルからのクラトン(登録商標)Dシリーズ(これはクラトン(登録商標)D2109、D5119及びD5298を含む);デキサコからのベクター(登録商標);並びにフィナ・オイル・アンド・ケミカルからのフィナプレン(登録商標)が挙げられる。
また、ポリスチレンTPEのポリスチレンブロックは実質的に飽和されたゴムブロックの末端に結合される。飽和ゴム型は典型的にはブチルゴムまたは水添ブタジエンを含む。後者のスチレン-(水添ブタジエン)-スチレンTPE(水添の程度は部分的または実質的に完全である)がまたSEBSとして知られている。更に、エチレンとプロピレンまたはエチレンとブチレンのコポリマーがポリスチレンブロックに化学結合されてスチレン-コポリエチレン-スチレン(以下“SES”)を生成し得る。好適な市販の熱可塑性SESコポリマーの例として、シェル・ケミカルからのクラトン(登録商標)Gシリーズ(これはクラトン(登録商標)G2705、G7702、G7715及びG7720を含む);クラレからのセプトン(登録商標);並びにコンセプトからのC-フレックス(登録商標)が挙げられる。
更に、ブロックポリスチレンTPEは無水マレイン酸グラフトまたはスルホングラフトを行うことにより極性部分で官能化されてもよい。グラフトにより官能化された市販のスチレン-ブロックエラストマーの例として、シェル社からのクラトン(登録商標)シリーズ(これはクラトン(登録商標)FG1901X及びFG1921Xを含む)が挙げられる。更に、ブロックポリスチレンTPEはポリマー鎖末端でヒドロキシ置換で官能化されてもよい。ヒドロキシ末端化により官能化された市販のスチレン-ブロックエラストマーの例は三菱化学からのセプトン(登録商標)HG252である。
ブロックポリスチレンTPEは不飽和ゴム、官能化された実質的に飽和されたゴム、またはこれらの混合物を含むことが好ましい。ブロックポリスチレンTPEは無水マレイン酸でグラフトすることにより官能化された不飽和ゴム、ヒドロキシ末端化により官能化された不飽和ゴム、無水マレイン酸でグラフトすることにより官能化された実質的に飽和されたゴム、ヒドロキシ末端化により官能化された実質的に飽和されたゴム、またはこれらの混合物を含むことが更に好ましい。ブロックポリスチレンTPEは無水マレイン酸でグラフトすることにより官能化されたSBSもしくはSIS、無水マレイン酸でグラフトすることにより官能化されたSEBSもしくはSES、またはこれらの混合物を含むことが最も好ましい。
TPEの先の四つのグループ(成分が化学結合されている)と違って、TEBグループ及びTEDVグループは比較的硬質の熱可塑性ポリマー及び比較的軟質のポリマー(これはエラストマーのように作用する)をブレンドすることにより普通調製される。ブレンドは2種のポリマー型の機械混合により通常行なわれるが、in situ重合またはグラフトがまた使用されてもよい。ブレンドの完結時に、2種のポリマー成分が微細に相互分散された多相形態(これは必要により共有化学結合により結合されていてもよい)を形成する。分散は、得られるブレンドが典型的にはTPEの予想される機械的性質及び性能を有するように充分に微細である。典型的には、硬質ポリマーが連続相である。何とならば、それが通常多量に存在するからである。これらのブレンドされたTPEは、軟質のエラストマー成分が意図的に加硫されているか、または実質的に架橋を含まないかにより更に特徴付けられる。
TEB(5)は熱可塑性ポリマーとエラストマーのブレンドを含み、そのエラストマーは意図的に架橋または加硫されていない。硬質ポリマー成分は典型的には、好ましくはプロピレン単位を含む、ポリオレフィンもしくはハロゲン化ポリオレフィン、またはポリ塩化ビニルである。軟質ポリマーまたはエラストマーポリマーは典型的にはエチレン-プロピレン-ジエンモノマーターポリマー(以下“EPDM”)、エチレン-プロピレンコポリマーゴム(以下“EPR”)またはニトリルゴムである。好適なTEBとして、テクノー・アペックスからのテルカー(登録商標)(これはテルカー302を含む);アドバンスド・エラストマー・システムズからのTPR(登録商標);デクスターからのレン-フレックス(登録商標);並びにシュルマンからのポリトロープ(登録商標)が挙げられる。
熱可塑性ポリマーとエラストマーのブレンドの第二グループ、TEDV(6)は熱可塑性ポリマー及びエラストマーまたはゴムブレンドを含み、そのエラストマーは意図的に架橋または動的加硫されている。典型的なTEDVブレンド方法では、ゴムが加硫される時に通常存在する静止状態とは対照的に、溶融物がブレンド中に強いせん断フィールドにかけられる間に、エラストマー相が意図的に架橋または加硫されるので、この専門用語が現れる。TEDVの硬質ポリマー成分は典型的にはTEB中に使用されるものと同じである。TEDVの軟質ポリマーまたはエラストマーポリマーは通常天然ゴム、ニトリルゴムもしくはブチルゴムまたはEPDMである。好適なTEDVとして、アドバンスド・エラストマー・システムズからのサントプレン(登録商標)、ビラム(登録商標)及びトレフシン(登録商標)(これはサントプレン(登録商標)101-73及び203-40並びにトレフシン(登録商標)3201.60を含む);DSMからのサーリンク(登録商標)2000及び3000シリーズ;並びにテクノー・アペックスからのテルプレン(登録商標)が挙げられる。
TEDVはポリプロピレン及びEPDM;ポリプロピレン及びEPゴム;ポリプロピレン、EPDM及びEPゴム;またはこれらの混合物を含むことが好ましい。
本発明の非イオノマーTPE成分はASTM方法D-2240により測定して少なくとも約60のショアーA硬度または少なくとも約20のショアーD硬度を有する。ショアーD硬度は約20?約75であることが好ましく、約25?約55であることが更に好ましい。本発明の非イオノマーTPE成分はASTM方法D-790により測定して少なくとも約1,000psi、好ましくは約1,000psi?約150,000psi、更に好ましくは約1,000psi?約85,000psiの曲げモジュラスを有する。
ゴルフボール用組成物を生成する際に本発明のポリマーとブレンドし得るその他の非イオノマーポリマーは非イオノマー熱可塑性ポリマーと記載し得る。特に、本発明のコアー及び/または一つ以上の層は熱可塑性ポリマーまたはエンジニアリングプラスチック、例えば、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、イミド化アミノ基を含むポリマー、高衝撃性ポリスチレン(以下“HIPS”)、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリ(フェニレンスルフィド)、強化エンジニアリングプラスチック、アクリル-スチレン-アクリロニトリル、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(4-シアノブチルアクリレート)、ポリ(2-エチルブチルアクリレート)、ポリ(ヘプチルアクリレート)、ポリ(2-メチルブチルアクリレート)、ポリ(3-メチルブチルアクリレート)、ポリ(N-オクタデシルアクリルアミド)、ポリ(オクタデシルメタクリレート)、ポリ(4-ドデシルスチレン)、ポリ(4-テトラデシルスチレン)、ポリ(エチレンオキサイド)、ポリ(オキシメチレン)、ポリ(シラザン)、ポリ(フランテトラカルボン酸ジイミド)、ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(α-メチルスチレン)、並びにそれらが属しているポリマーのクラス及びそれらのコポリマー(官能性コモノマーを含む)、並びにこれらのブレンドである非イオノマー熱可塑性ポリマーを含んでもよい。
加えて、非イオノマー熱可塑性ポリマーは非イオノマーオレフィン系ポリマー、即ち、オレフィンを含む非イオノマーポリマーであってもよい。本発明に有益なオレフィン系ポリマーはメタロセン触媒技術の使用により生成されたポリマーであってもよく、こうして、この出願の目的のために、これらのポリマーはまたメタロセン触媒ポリマー、コポリマー、ターポリマー及びテトラポリマーと称される。また、メタロセン触媒ポリマーは官能基、例えば、エポキシ、酸無水物、アミン、オキサゾリン、スルホン酸、カルボン酸及びそれらの塩を含んでもよい。
本明細書に使用される“オレフィン系ポリマー”という用語は約1個?約18個の炭素原子を有する線状または分岐アルキル基を結合した少なくとも一つのオレフィンを含むポリマー、コポリマー、ターポリマーまたはテトラポリマーを意味する。“オレフィン系ポリマー”という用語は詳しくは下記の材料を含むことが意味される:2?10個の炭素原子を含むα-オレフィンを含むポリマー;メタロセン触媒の使用により生成され、かつブテン、ヘキセン、及びオクテンからなる群から選ばれたモノマーを含むポリマー;メタロセン触媒の使用により生成され、かつエチレンとブテンのコポリマー、エチレンとヘキセンのコポリマー及びエチレンとオクテンのコポリマーからなる群から選ばれたポリマー;メタロセン触媒の使用により生成され、かつ実質的にエチレン、プロピレン、及びジエンモノマーのポリマーからなるターポリマー;コポリ(エチレン-ビニルアルコール);2?10個の炭素原子を含むα-オレフィンモノマー及びアルキルアクリレートまたはアルキルアルキルアクリレートモノマー(夫々のアルキル基は独立にメチルからデシルまでの範囲であり、線状であってもよく、また分岐していてもよい)から実質的になるコポリマー;2?10個の炭素原子を含むα-オレフィンモノマー及びグリシジルアクリレートまたはグリシジルアルキルアクリレートモノマー(そのアルキル基はメチルからデシルまでの範囲であり、線状であってもよく、また分岐していてもよい)から実質的になるコポリマー;2?10個の炭素原子を含むα-オレフィンモノマー、アルキルアクリレートまたはアルキルアルキルアクリレートモノマー、及びグリシジルアクリレートまたはグリシジルアルキルアクリレートモノマー(夫々のアルキル基は独立にメチルからデシルまでの範囲であり、線状であってもよく、また分岐していてもよい)から実質的になるターポリマー;2?10個の炭素原子を含むα-オレフィンモノマー及びビニルオキサゾリンまたは1-アルキルビニルオキサゾリン(そのアルキル基はメチルからデシルまでの範囲であり、線状であってもよく、また分岐していてもよい)から実質的になるコポリマー;2?10個の炭素原子を含むα-オレフィンモノマー、アルキルアクリレートまたはアルキルアルキルアクリレートモノマー、及びビニルオキサゾリンまたは1-アルキルビニルオキサゾリン(夫々のアルキル基は独立にメチルからデシルまでの範囲であり、線状であってもよく、また分岐していてもよい)から実質的になるターポリマー;2?10個の炭素原子を含むα-オレフィンモノマー及び一酸化炭素から実質的になるコポリマー;2?10個の炭素原子を含む第一α-オレフィンモノマー、2?10個の炭素原子を含む第二α-オレフィンモノマー、及び一酸化炭素から実質的になるターポリマー;2?10個の炭素原子を含むα-オレフィンモノマー及び二酸化硫黄から実質的になるコポリマー;2?10個の炭素原子を含む第一α-オレフィンモノマー、2?10個の炭素原子を含む第二α-オレフィンモノマー、及び二酸化硫黄から実質的になるターポリマー;2?10個の炭素原子を含むα-オレフィンモノマー及び無水マレイン酸から実質的になるコポリマー;2?10個の炭素原子を含むα-オレフィンモノマー、無水マレイン酸、及び一酸化炭素から実質的になるターポリマー;2?10個の炭素原子を含むα-オレフィンモノマー、無水マレイン酸、及び二酸化硫黄から実質的になるターポリマー;並びに2?10個の炭素原子を含むα-オレフィンモノマー、無水マレイン酸、及びアルキルアクリレートまたはアルキルアルキルアクリレートモノマー(夫々のアルキル基は独立にメチルからデシルまでの範囲であり、線状であってもよく、また分岐していてもよい)から実質的になるターポリマーを含むことを意味する。
オレフィン系ポリマーのいずれもがまた、例えば、無水マレイン酸でグラフトすることにより官能化されてもよい。更に、“オレフィン系ポリマー”という用語は少なくとも2種のオレフィン系ポリマーの混合物を含む。
本明細書に使用される“約18個までの炭素原子の線状または分岐アルキル基”という表現はアルカン、アルケン及びアルキンを含む置換または未置換アクリル炭素を含むあらゆる化合物を意味する。本明細書に使用される“アルキル基はメチルからデシルまでの範囲であり、線状であってもよく、また分岐していてもよい”という表現はアルカン、アルケン及びアルキンを含む置換または末置換アクリル炭素を含むあらゆる化合物を意味する。
アルキル基の例として、低級アルキル、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチルまたはtert-ブチル;高級アルキル、例えば、オクチル、ノニル、デシル等が挙げられ;また低級アルキレンとして、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブチルジエン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノルボルネン、ノネン、デセン等が挙げられる。当業者は多数の線状アルキル基及び分岐アルキル基について良く知っており、これらが本発明の範囲内にある。
更に、このようなアルキル基は、種々の置換基を含むこともでき、該置換基では1以上の水素原子が官能基によって置換されている。官能基の少数の例は、ヒドロキシル、アミノ、エポキシ、カルボキシル、スルフォン酸アミド、エステル、エーテル、ホスフェート、チオール、ニトロ、シランおよびハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素およびヨウ素)を含むが、これらに制限されない。
本発明において有用なメタロセン触媒を使用して製造したコポリマーは、DuPont-Dow Elastomers社により商品名AFFINITYRポリオレフィンプラストマーおよびENGAGERポリオレフィンエラストマーの下で市販品として入手でき、これらは米国特許第5,272,236号および同第5,278,272号に更に詳しく記載されている。これら特許の開示事項全体を本発明の参考とする。メタロセン触媒を使用して製造したその他の市販品として入手できるポリマーを使用することもでき、その例は、Exxon Chemical社製のEXACTRおよびDow Chemical社製のINSIGHTR系樹脂であり、これらは優れた可撓性と透明性並びに靭性を有している。該EXACTR系およびINSIGHTR系のポリマーは、メタロセン触媒技術を使用した結果として、他の特性に加えて、新規なレオロジー特性をも有する。EXACTR系およびINSIGHTR系のポリマーの製法およびその組成は、米国特許第5,359,015号および同第5,281,679号に更に詳細に記載されている。
好ましくは、ポリアミドとブレンドした該非イオノマー熱可塑性樹脂は、ポリ(エチレンテレフタレート)、例えばEastman Kodak社から入手できるEKTARR;ポリ(ブチレンテレフタレート);ポリ(トリメチレンテレフタレート)、例えばShell Chemical社から入手できるもの;ポリ(ビニルアルコール);ポリ(酢酸ビニル);ポリ(シラン);ポリ(弗化ビニリデン);アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー(以下「ABS」という);本質的にスチレンまたはα-アルキルスチレンモノマーとビニルオキサゾリンまたは1-アルキルビニルオキサゾリンモノマーとからなるコポリマー、ここで該アルキル基は独立にメチルからデシルまでに及び、直鎖または分岐鎖であり得る;本質的にスチレンまたはα-アルキルスチレンモノマー、アルキルアクリレートまたはアルキルアルキルアクリレートモノマーおよびビニルオキサゾリンまたは1-アルキルビニルオキサゾリンモノマーとからなるターポリマー、ここで該アルキル基は独立にメチルからデシルまでに及び、直鎖または分岐鎖であり得る;オレフィン系ポリマー;および官能性コモノマーを含むこれらのコポリマー;並びにそのブレンドである。
より好ましくは、ポリアミドとブレンドした該非イオノマー熱可塑性樹脂は、エチレンまたはプロピレンを主成分とするホモポリマーまたはコポリマー(アクリル酸およびメタクリル酸等を包含する官能性モノマーを含むもの、例えばQuantum Chemical社から入手できる一連のエチレン-メチルアクリレートまたはエチレン-ブチルアクリレートコポリマー);メタロセン触媒を使用して製造され、かつ本質的にエチレンとブタジエンとのコポリマー、エチレンとヘキセンとのコポリマーまたはエチレンとオクテンとのコポリマーからなるポリマー;メタロセン触媒を使用して製造し、かつ本質的にエチレン、プロピレンおよびジエンモノマーのポリマーからなるターポリマー;ポリ(メチルアクリレート);ポリ(メチルメタクリレート);ABS;アルキルアクリレートまたはアルキルアルキルアクリレートを含むポリマー、ここで各アルキル基は、独立にメチルからデシルまでに及び、直鎖または分岐鎖であり得る;炭素原子数2?10のα-オレフィンを含むポリマー;および官能性コモノマーを含むそのコポリマー;並びにこれらのブレンドである。
必要ならば、ポリアミドとブレンドした該非イオノマー熱可塑性樹脂は、耐衝撃性改良剤または強靭化したまたは耐衝撃性を改良した物質、例えばABSまたは好ましくはHIPSを含む。
本発明の該非イオノマー熱可塑性樹脂成分は、少なくとも約20、好ましくは約20?約75、より好ましくは約25?約55の、ASTM D-2240に規定された方法で測定したショアD硬さ、少なくとも約1,000psi、好ましくは約1,000psi?約150,000psi、より好ましくは約1,000psi?約85,000psiの、ASTM D-790に規定された方法で測定した曲げ弾性率を有する。」(12頁10行?28頁2行)

エ 上記ウから、本願発明の発明特定事項に示された具体的材料及び数値限定と本願明細書に開示された発明の課題との因果関係又はメカニズムを、当業者といえども把握できるものでない。
オ したがって、本願発明の発明特定事項に係る具体的材料及び数値限定と、本願明細書に開示された発明の課題との間に、明確な技術的関係があるとは、当業者といえども理解できるものではない。

2 小括
上記のとおりであるから、本願明細書の発明の詳細な説明には、本願発明の発明特定事項に係るの具体的材料及び数値限定と、本願明細書に記載された発明の課題との因果関係又はメカニズムについて記載も示唆もされていない。

3 本願明細書における具体例の開示からの検討
(1)本願明細書の発明の詳細な説明には、ゴルフボールの具体例に関する次の記載がある。
「 実施例
以下の非限定的な実施例は、本発明の好ましい態様を単に例示するものであり、本発明を限定するものと考えるべきではなく、本発明の範囲は、添付の請求の範囲によって規定される。
ポリアミドポリマーと非イオノマーポリマーとのブレンドを主成分とするゴルフボールカバーおよびイオノマー樹脂を主成分とする「標準の」ボールカバーの耐久性を比較するために、テストを行った。これらのポリマーブレンドを、以下の表I?IIIに与えた。表IおよびIIにおいて、各成分の量は、該ポリアミド-非イオノマーブレンド100部を基準とする、重量部即ちphrまたは部/100で与えられている。更に、実施例1?8の各ブレンド100部に、5部の第一の濃厚顔料を添加する。該第一の濃厚顔料は、ポリアミド12(RILSAN AMNO)からなる担体ポリマー中に分散された、約35wt%?約45wt%のTiO_(2)からなる。表IIIにおいて、競争試験およびコントロール用の各成分の量は、該イオノマーブレンド100部を基準とする、重量部で与えられている。更に、実施例C10?C13、コントロールC1およびコントロールC2の各ブレンド100部に、5部の第二の濃厚顔料を添加する。この第二の濃厚顔料は、DuPont社から入手でき、9-12%のメタクリル酸を含み、かつナトリウムで部分的に中和されたいると思われる、市販のエチレンを主成分とするイオノマーからなる、担体ポリマー中に分散された、約35wt%?約45wt%のTiO_(2)からなる。
初期速度は、約13°の角度を与えたフェース面によってゴルフボールをヒットするように設計された、Titleist-製の二重振り子テスト装置(Dual Pendulum Testing Machine)を使用して測定する。
制限係数(coefficient of restriction;以下「COR」という)は、エアーキャノンからゴルフボールをスチール板に発射することにより評価した。CORは、該ゴルフボールのリバウンド(rebound)速度を、その戻り速度で割ることにより算出する。かくして、高い制限係数をもつボールは、該プレートと衝突し、そこから反跳する際に、低制限係数をもつボールよりも、小さなその全エネルギーの一部を失う。CORテストは、戻り速度のある範囲に渡り実施し、かつ125ft/sなるインバウンド(inbound)速度にて測定する。
耐久性は、打撃装置を使用して、ゴルフボールを捕獲ネットに打ち出し、再度打撃する位置に該ボールを自動的に戻すことにより測定する。このテストを、所定の打撃数に達するまで継続する。600打撃が、ここで使用した最大の打撃数である。あるいは該テストは、肉眼的観察によって判定して、該ゴルフボールが損傷を受けるまで継続する。最小のゴルフボールサイズをもつ12個のゴルフボールを使用し、その各々を所定の打撃数だけヒットした。該ゴルフボールは、約22℃の室温にてヒットした。
せん断抵抗の評価は、ミヤメカニカルゴルフスイングマシーン(Miya mechanical Golf Swing Machine)を使用して、サンドウエッジまたはピッチングウエッジの何れかにより、同一の組成をもつ、6-12個の実質的に同一のゴルフボール各々につき、2回の打撃を行うことによって決定した。まず、該テスト条件を調節しかつバラタカバーをもつコントロールゴルフボールが、せん断抵抗評価尺度で、正確に5となるようにした。ここで、評価数値1(最良:カバーまたは塗装に肉眼視可能な損傷がない)乃至5(最悪:カバーの過度のせん断、重度の材料の除去、または過度の材料の除去)で評価した。この較正手順に続いて、各実験用のゴルフボールをテストし、打撃を加えた後の損傷を、肉眼観察に基づいて、評価値を割り当てた。
ゴルフボールカバーの硬さ(ショアD)は、ASTM D-2240に規定された方法に従って、該ゴルフボールの平坦面にプローブを配置することによって測定する。曲げ弾性率は、ASTM D-790に規定された方法に従って測定する。
実施例1-4では、Elf Atochem S.A.から入手できるポリアミド12と、Shell USA から入手できる官能化されたSEBSブロックコポリマーTPEとのカバーブレンドを配合する。実施例5-8では、ポリアミド12と、Elf Atochem N.A.から入手できるTPEブロックコポリ(アミド-エーテル)とのカバーブレンドを配合する。実施例9では、ポリアミド12と、DuPont社から入手できるブロックコポリ(エステル-エーテル)とのカバーブレンドを配合する。
比較例C10-C13では、2種の市販品として入手可能なエチレンを主成分とするイオノマー、即ち9-12%のメタクリル酸を含み、ナトリウムで部分的に中和されていると思われる、極めて低いモジュラスを有するイオノマーおよび13-17%のメタクリル酸を含み、リチウムで部分的に中和されていると思われるイオノマー(両者ともDuPont社から入手できる)のカバーブレンドを配合する。
コントロール1では、2種の市販品として入手可能なエチレンを主成分とするイオノマーのカバーブレンド(55%の、9-12%のメタクリル酸を含み、ナトリウムで部分的に中和されていると思われる、極めて低いモジュラスを有するイオノマーおよび45%の、13-17%のメタクリル酸を含み、リチウムで部分的に中和されていると思われるイオノマー)、即ち実施例と比較する目的で使用される、幾つかの市販のゴルフボールにおいて使用されている型の、カバーブレンドを配合する。コントロール2では、2種の市販品として入手可能なエチレンを主成分とするイオノマーのカバーブレンド(50%の、13-17%のメタクリル酸を含み、リチウムで部分的に中和されていると思われる、イオノマーおよび50%の、13-20%のメタクリル酸を含み、ナトリウムで部分的に中和されていると思われるイオノマー)、即ち実施例と比較する目的で使用される、幾つかの市販のゴルフボールにおいて使用されている型の、カバーブレンドを配合する。
該イオノマーブレンドゴルフボールと比較した場合、本発明のゴルフボールは、改善された感触、引けを取らない初期速度、および同等なまたは改善された耐久性およびせん断抵抗を与える。これら実施例は、ポリアミド12およびブロックコポリ(アミド-エーテル)TPE、官能化されたSEBSブロックコポリマーTPE、またはTPEブロックコポリ(エステル-エーテル)を配合したブレンドから作成したゴルフボールカバーが、耐久性のテストを行っているゴルフボールの半数が損傷を受けることなしに、少なくとも600回の打撃に対して耐え得ることを立証している。
更に、全ての実施例のゴルフボールは、ゴルフ規則(Rules of Golf)によって規定されている、ヒットされたゴルフボールの速度の上限に近い、良好な初期速度を有する。USGAによって確立されたこれらの規則は、初期速度に関する以下の規則を含む:
「ボールの速度は、USGAによって承認された装置で測定した場合に、250ft/sec(76.2m/sec)を越えてはならない。最大許容度は、2%である。テストの際の該ボールの温度は、23±1℃とする。」
かくして、最大許容初期速度は、該ゴルフ規則の下では、255ft/s(即ち、250ft/s+5ft/s(許容度2%に相当))である。従って、ゴルフボールの製造業者等は、この上限を超えることなしに、ゴルファーがゴルフボールを飛ばし得る飛距離を増大するために、該初期速度を、この最大の255ft/sに出来る限り近づけるよう努力している。かくして、この限界255ft/sにより近いゴルフボールを与える、本発明の組成物からゴルフボールを作成することによって、与えられるこの改良は、好ましいものと理解すべきである。
更に、全ての実施例のゴルフボールは、比較例およびコントロールと同等またはそれ以上のせん断抵抗を有している。特に、実施例1?4および5?8は、ポリアミドを含有するゴルフボールカバーブレンド中の、該ポリアミドの濃度が増大すると、該カバーのせん断抵抗が改善されることを立証している。
本明細書に開示された本発明は、上記目的を十分に満たすものと評価されたが、数値的な変更並びに種々の態様が、当業者によって工夫できることを理解すべきである。従って、添付した請求の範囲は、本発明の真の精神並びに範囲に入るような、これら全ての変更並びに種々の態様を含むものと理解すべきである。

」(34頁15行?39頁)

(2)上記表I、表II、表IIIに記載されたゴルフボールの具体例である、実施例No.1ないし9、実施例No.C10ないしC13並びに実施例No.コントロール1及び2について、以下検討する。

(3)平成23年8月17日付けの手続補正により、実施例No.1ないし9、実施例No.C10ないしC13並びに実施例No.コントロール1及び2については変更されず、本願明細書において実施例No.1ないし9、実施例No.C10ないしC13並びに実施例No.コントロール1及び2に関する記載がある。
そして上記実施例No.1ないし9、実施例No.C10ないしC13並びに実施例No.コントロール1及び2のうち、上記実施例No.5ないし実施例No.9、C10ないしC13並びに実施例No.コントロール1及び2は、本願発明の発明特定事項である「非イオノマーポリマーが、官能化された実質的に飽和のゴムを含むブロックポリスチレン熱可塑性エラストマー」以外となり、本願発明に対応する実施例に相当しないことは明らかであり、また、上記実施例No.1及び実施例No.4は、本願発明の発明特定事項である「該単一層のカバーが、25wt%?55wt%の少なくとも一種の非イオノマーポリマーと、75wt%?45wt%の少なくとも一種のポリアミドポリマーとを含むブレンドから本質的になるポリマー組成物を含み」以外となり、本願発明に対応する実施例に相当しないことは明らかである。
そうすると、本願明細書に記載の上記実施例No.1ないし9、実施例No.C10ないしC13並びに実施例No.コントロール1及び2のうち、本願発明に対応する実施例は上記実施例No.2及び3の2例のみにすぎない。

(4)そこで、実施例No.2及び3について以下検討する。
ア 本願発明の発明特定事項である「非イオノマーポリマーが、官能化された実質的に飽和のゴムを含有するブロックポリスチレン熱可塑性エラストマー」について
(ア)本願明細書の発明の詳細な説明の表Iには、実施例No.2及び3における非イオノマーポリマーは、「官能化されたSEBS」であって、該「官能化されたSEBS」は[KRATON FG1901X(無水マレイン酸グラフトSEBS)」である旨記載されている。
(イ)本願明細書の発明の詳細な説明には、「ブロックの末端に化学結合されたポリスチレンまたは置換ポリスチレン、例えば、ポリ(α-メチルスチレン)またはポリ(4-メチルスチレン)(高軟化点を有する材料)のブロックを含む。不飽和ゴム型は典型的にはスチレン-ブタジエン-スチレン(以下“SBS”)を生成するためのブタジエン、またはスチレン-イソプレン-スチレン(以下“SIS”)ブロックコポリマーを生成するためのイソプレンを含む。好適な市販の熱可塑性SBSコポリマーまたはSISコポリマーの例として、シェル・ケミカルからのクラトン(登録商標)Dシリーズ(これはクラトン(登録商標)D2109、D5119及びD5298を含む);デキサコからのベクター(登録商標);並びにフィナ・オイル・アンド・ケミカルからのフィナプレン(登録商標)が挙げられる。
また、ポリスチレンTPEのポリスチレンブロックは実質的に飽和されたゴムブロックの末端に結合される。飽和ゴム型は典型的にはブチルゴムまたは水添ブタジエンを含む。後者のスチレン-(水添ブタジエン)-スチレンTPE(水添の程度は部分的または実質的に完全である)がまたSEBSとして知られている。更に、エチレンとプロピレンまたはエチレンとブチレンのコポリマーがポリスチレンブロックに化学結合されてスチレン-コポリエチレン-スチレン(以下“SES”)を生成し得る。好適な市販の熱可塑性SESコポリマーの例として、シェル・ケミカルからのクラトン(登録商標)Gシリーズ(これはクラトン(登録商標)G2705、G7702、G7715及びG7720を含む);クラレからのセプトン(登録商標);並びにコンセプトからのC-フレックス(登録商標)が挙げられる。
更に、ブロックポリスチレンTPEは無水マレイン酸グラフトまたはスルホングラフトを行うことにより極性部分で官能化されてもよい。グラフトにより官能化された市販のスチレン-ブロックエラストマーの例として、シェル社からのクラトン(登録商標)シリーズ(これはクラトン(登録商標)FG1901X及びFG1921Xを含む)が挙げられる。更に、ブロックポリスチレンTPEはポリマー鎖末端でヒドロキシ置換で官能化されてもよい。ヒドロキシ末端化により官能化された市販のスチレン-ブロックエラストマーの例は三菱化学からのセプトン(登録商標)HG252である。
ブロックポリスチレンTPEは不飽和ゴム、官能化された実質的に飽和されたゴム、またはこれらの混合物を含むことが好ましい。ブロックポリスチレンTPEは無水マレイン酸でグラフトすることにより官能化された不飽和ゴム、ヒドロキシ末端化により官能化された不飽和ゴム、無水マレイン酸でグラフトすることにより官能化された実質的に飽和されたゴム、ヒドロキシ末端化により官能化された実質的に飽和されたゴム、またはこれらの混合物を含むことが更に好ましい。ブロックポリスチレンTPEは無水マレイン酸でグラフトすることにより官能化されたSBSもしくはSIS、無水マレイン酸でグラフトすることにより官能化されたSEBSもしくはSES、またはこれらの混合物を含むことが最も好ましい。」(20頁16行?21頁下から6行)と記載されている。
(ウ)上記(イ)から、実施例No.2及び3における「非イオノマーポリマー」である「KRATON FG1901X(無水マレイン酸グラフトSEBS)」が、「無水マレイン酸でグラフトすることにより官能化された実質的に飽和のゴムを含むブロックポリスチレン熱可塑性エラストマー」であることは明らかであり、本願明細書の発明の詳細な説明には、実施例No.2及び3における「非イオノマーポリマー」である「KRATON FG1901X(無水マレイン酸グラフトSEBS)」を用いた一例が示されているのみであって、さらに、該「KRATON FG1901X(無水マレイン酸グラフトSEBS)」は、本願発明の発明特定事項である「官能化された実質的に飽和のゴムを含むブロックポリスチレン熱可塑性エラストマー」に対応する一例にすぎないから、実施例No.2及び3に係る「KRATON FG1901X(無水マレイン酸グラフトSEBS)」の一例のみの記載を以てしては、本願明細書の発明の詳細な説明における、本願発明の発明特定事項である「非イオノマーポリマーが、官能化された実質的に飽和のゴムを含むブロックポリスチレン熱可塑性エラストマー」についての裏付けが十分でない。
したがって、本願明細書の発明の詳細な説明において、本願発明の発明特定事項である「非イオノマーポリマーが、官能化された実質的に飽和のゴムを含むブロックポリスチレン熱可塑性エラストマー」に関する十分な裏付けがなされていない。

イ 本願発明の発明特定事項である「ポリアミドポリマー」について
(ア)本願明細書の発明の詳細な説明には、実施例No.2及び3における「ポリアミドポリマー」として、いずれも、「ポリアミド12」を用いた一例が示されているのみであって、実施例No.2及び3に係る「ポリアミド12」の一例のみの記載を以てしては、本願明細書の発明の詳細な説明における、本願発明の発明特定事項である「ポリアミドポリマー」についての裏付けが十分でない。
(イ)したがって、本願明細書の発明の詳細な説明において、本願発明の発明特定事項である「ポリアミドポリマー」に関する十分な裏付けがなされていない。

ウ 本願発明の発明特定事項である「25wt%?55wt%の少なくとも一種の非イオノマーポリマーと、75wt%?45wt%の少なくとも一種のポリアミドポリマーとを含むブレンド」について、
(ア)本願明細書の発明の詳細な説明には、実施例No.2及び3における(「非イオノマーポリマー」:「ポリアミドポリマー」)の重量比率について、(50:50)又は(75:25)の二例が示されているのみであって、実施例No.2及び3に係る上記重量比率の二例のみの記載を以てしては、本願明細書の発明の詳細な説明における、本願発明の発明特定事項である「25wt%?55wt%の少なくとも一種の非イオノマーポリマーと、75wt%?45wt%の少なくとも一種のポリアミドポリマーとを含むブレンド」についての裏付けが十分でない。

エ 上記アないしウから、本願明細書の発明の詳細な説明は、本願発明の発明特定事項である「『ポリアミドポリマー』と『前記非イオノマーポリマーが、官能化された実質的に飽和のゴムを含有するブロックポリスチレン熱可塑性エラストマー』」に対応する具体例の記載が十分でなく、また、本願発明の発明特定事項である「25wt%?55wt%の少なくとも一種の非イオノマーポリマーと、75wt%?45wt%の少なくとも一種のポリアミドポリマーとを含むブレンド」に対応する具体例の記載が十分でない以上、本願発明の発明特定事項に係る具体的材料及び数値限定で規定される範囲の技術的意義が十分に裏付けられているとは、当業者といえども把握できるものではない。
したがって、本願の特許請求の範囲の請求項4の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件(サポート要件)に適合するものであるとは認められない。

第5 進歩性について
1 刊行物の記載事項
(1)当審拒絶理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開平7-33941号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。

ア 「【0019】当該発明者が以前に、より軟性の未変性熱可塑性ゴムエラストマをより硬いイオノマ樹脂と混合してボールのプレイ能力を改善しようと試みたとき、未変性熱可塑性ゴムとイオノマ樹脂の混合物は不適切な相容性をこうむり、かくして耐久性のきわめて低い(すなわち不適切な衝撃抵抗)を示すカバーが生み出されたという点で、これは特に興味深い発見である。熱可塑性ゴムエラストマが無水マレイン酸といつた極性基で変性され比較的硬いイオノマ樹脂と混合された時点で初めて、プレイ能力と耐久性の両方における改善が示された。これは、極性基又は無水マレイン基がイオノマ樹脂の酸基と相互作用し(すなわち水素結合などを形成し)、未変性熱可塑性ゴムよりもさらに相容性があり均質な混合物を生成すると考えられるからである。
【0020】最近Shell Chemical Co.により開発された無水マレイン酸で機能化されたスチレンブロック共重合体は、本発明で使用するのに特に適していることがわかつた。これらの新しい共重合体は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びPBTと共に超靭性混合物を生成するのに使用され、同様に異種重合体の相容性ある混合物についても有効であるものの、本発明が開発されるまでは、変性スチレンブロック共重合体をイオノマ樹脂と混合させてゴルフボールカバー製造に有効な組成物を生成できるということはまだ知られていなかつた。その結果、ポリスチレン末端ブロックとポリ(エチレン/ブチレン)から成る無水マレイン酸で機能化されたトリブロック共重合体(すなわちスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS))であるKraton FG1901X熱可塑性ゴムは、当該発明者によりイオノマ樹脂カバー混合物のための有効な添加剤であることが立証された。」

イ 「【0035】本発明に従うと、外側カバーが、組成物内の重合体重量を100として重量百分率で無水マレイン酸及び/又はその他の極性変性基で変性された熱可塑性ゴムエラストマ約5%乃至約50%とイオノマ樹脂約95%乃至50%の混合物を含む組成物から作られていることを特徴として、ゴルフボールが一般に中心コア及び外側カバーから製造されうることが発見された。」

ウ 「【0042】本書中に用いられている「中実コア」という語は、モノブロックのコアのみならず、米国特許第4,431,193号にあるようにカバーの下及びコアの上に別別の固体層を有するようなコア及びその他の多層の及び/又は巻きの無いコアのことをも指している。
【0043】巻きコアは一般に、固体又は液体が充てんされたバルーン状の中心のまわりに非常に帳広の弾性糸を巻きつけることによつて製造される。この弾性糸は、一般に直径約1.4インチから1.6インチの完成コアを作り上げるべく中心のまわりに巻きつけられる。コア材料は本発明の一部を成すものでないことから、本発明のカバー組成物と共に用いることのできるコア材料の特定のタイプに関する詳述は、ここでは特記しない。この点において、本発明に基づくカバー組成物は、標準的なあらゆるゴルフボールコアと結びつけて用いることが可能である。
【0044】前述のとおり、本発明のゴルフボールは、従来の成形プロセスによりコアのまわりに本発明の組成物から成るカバーを形成することによつて製造することができる。例えば、圧縮成形においては、カバー組成物は約華氏380度から華氏450度での射出を通して、平滑な表面をもつ半球形シェルの形にされ、次にこのシェルはディンプルのついたゴルフボール金型内でコアのまわりに置かれ、2-10分間華氏200度から華氏300度での圧縮成形とそれに続く2-10分間華氏50度?70度での冷却を受け、シェルは合わせて融解させられて単一構造のボールを形成する。さらに、ゴルフボールを射出成形によつて製造することもでき、この場合、カバー化合物は、華氏50度から約100度の金型温度で一定の時間ゴルフボール金型の中心に置かれたコアのまわりで直接射出される。成形後、製造されたゴルフボールは、バフ研摩、塗装及びマーキングといつたその他のさまざまな処理段階を受けることができる。」

エ 上記アないしウから、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「モノブロックのコアのまわりにカバーを射出成形することによって製造されたゴルフボールであって、
前記カバーは、組成物内の重合体重量を100として重量百分率で、ポリスチレン末端ブロックとポリ(エチレン/ブチレン)から成る無水マレイン酸で機能化されたトリブロック共重合体(すなわちスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS))であるKraton FG1901X熱可塑性ゴム約5%乃至約50%とイオノマ樹脂約95%乃至50%の混合物を含む組成物から成る、
ゴルフボール。」

(2)当審拒絶理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開平9-38238号公報(以下「引用例2」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。

ア 「【0006】【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、内層カバーと外層カバーからなる2層構造のカバーを有するゴルフボールにおいて…(略)…
【0007】本発明においては、内層カバーを構成する樹脂材料としてポリアミド樹脂と熱可塑性エラストマーを併用するが、これは、この組み合わせが反撥性能とコントロール性の両立に際して特に優れているからである。…(略)…
【0010】さらに、上記熱可塑性エラストマーは、無水マレイン酸変性物、すなわち無水マレイン酸で変性したものであることが好ましい。無水マレイン酸で変性したものは、無水マレイン酸で変性していないものに比べて、混練時の分散性がよく、混練が容易で、しかも反撥性能および耐久性が優れている。
【0011】そして、上記ポリアミド樹脂と熱可塑性エラストマーとの配合割合は重量比で95:5?50:50であることを必要である。樹脂成分中のポリアミド樹脂の割合が上記範囲より少ない場合は、必要なカバー硬さが保持できず反撥性能の低下を招き、またポリアミド樹脂の割合が上記範囲より多くなると、内層カバーが硬くなりすぎて打球感が悪くなる。」

イ 「【0020】また、熱可塑性エラストマーとしては、たとえばスチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体のブタジエン部分を部分的に水素化したものの無水マレイン酸変性物、エチレン-エチルアクリレート共重合体の無水マレイン酸変性物、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体などが用いられる。」

2 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「モノブロックのコア」は、本願発明の「単一層のコア」に相当する。

(2)引用発明において、「カバー」は、Kraton FG1901X熱可塑性ゴム約5%乃至約50%とイオノマ樹脂約95%乃至50%の混合物を含む組成物から成るもののみであるから、引用発明の「カバー」は、本願発明の「単一層のカバー」に相当する。

(3)引用発明の「ポリスチレン末端ブロックとポリ(エチレン/ブチレン)から成る無水マレイン酸で機能化されたトリブロック共重合体(すなわちスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS))であるKraton FG1901X熱可塑性ゴム」は、イオノマーポリマーでないことが当業者に自明であるから、本願発明の「『官能化された実質的に飽和のゴムを含むブロックポリスチレン熱可塑性エラストマー』である『非イオノマーポリマー』」に相当する。

(4)引用発明の「イオノマ樹脂」は、ポリマーであることが当業者に自明であるから、本願発明の「ポリアミドポリマー」と、上記(3)の「非イオノマーポリマー」とは別の「他のポリマー」である点で一致するといえる。

(5)引用発明の「カバー」は、組成物内の重合体重量を100として重量百分率で、「非イオノマーポリマー(ポリスチレン末端ブロックとポリ(エチレン/ブチレン)から成る無水マレイン酸で機能化されたトリブロック共重合体(すなわちスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS))であるKraton FG1901X熱可塑性ゴム)」約5%乃至約50%と「他のポリマー(イオノマ樹脂)」約95%乃至50%の混合物を含む組成物を、コアのまわりに射出成形したものであるから、引用発明の「カバー」と、本願発明の「『25wt%?55wt%の少なくとも一種の非イオノマーポリマーと、75wt%?45wt%の少なくとも一種のポリアミドポリマーとを含むブレンドから本質的になるポリマー組成物を含』む『カバー』」とは、「少なくとも一種の非イオノマーポリマーと、少なくとも一種の他のポリマーとを含むブレンドから本質的になるポリマー組成物を含」むものである点で一致するといえる。

(6)上記(1)ないし(5)から、本願発明と引用発明とは、
「単一層のカバーおよび単一層のコアからなるゴルフボールであって、該単一層のカバーが、少なくとも一種の非イオノマーポリマーと、少なくとも一種の他のポリマーとを含むブレンドから本質的になるポリマー組成物を含み、前記非イオノマーポリマーが、官能化された実質的に飽和のゴムを含有するブロックポリスチレン熱可塑性エラストマーである、ゴルフボール。」
である点で一致し、次の点で相違する。

相違点:
前記ポリマー組成物が、本願発明では、「25wt%?55wt%の少なくとも一種の非アイオノマーポリマーと、75wt%?45wt%の少なくとも一種のポリアミドポリマーとを含」むものであるのに対して、引用発明では、組成物内の重合体重量を100として重量百分率で、ポリスチレン末端ブロックとポリ(エチレン/ブチレン)から成る無水マレイン酸で機能化されたトリブロック共重合体(すなわちスチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS))であるKraton FG1901X熱可塑性ゴム約5%乃至約50%とイオノマ樹脂約95%乃至50%の混合物を含む組成物である点。

3 判断
上記相違点について検討する。
(1)ゴルフボールのカバーの硬さ、反発性能及び耐久性を優れたものとすることは当業者に自明の課題であり、かつ、ゴルフボールのカバーの各成分の具体的な含有量は、当業者が適宜決定すべき設計事項というべきものであるところ、引用例2には、「熱可塑性エラストマーは、無水マレイン酸変性物、すなわち無水マレイン酸で変性したものであることが好ましい。無水マレイン酸で変性したものは、無水マレイン酸で変性していないものに比べて、混練時の分散性がよく、混練が容易で、しかも反撥性能および耐久性が優れている。」、「ポリアミド樹脂と熱可塑性エラストマーとの配合割合は重量比で95:5?50:50であることを必要である。樹脂成分中のポリアミド樹脂の割合が上記範囲より少ない場合は、必要なカバー硬さが保持できず反撥性能の低下を招き、またポリアミド樹脂の割合が上記範囲より多くなると、内層カバーが硬くなりすぎて打球感が悪くなる。」及び「熱可塑性エラストマーとしては、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体のブタジエン部分を部分的に水素化したものの無水マレイン酸変性物」(上記1(2)ア及びイ)と記載されている。

(2)上記(1)から、引用発明において、カバーの硬さ、反発性能及び耐久性を優れたものとするために、該カバーの組成物を、Kraton FG1901X熱可塑性ゴム25wt%?55wt%とポリアミド75wt%?45wt%からなるポリマー組成物を含むものとして、上記相違点に係る本願発明の構成となすことは、当業者が、引用例2に記載された事項に基づいて容易になし得たことである。

(3)効果について
本願発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果及び引用例2に記載された事項から、当業者が予測することができた程度のものである。

(4)まとめ
したがって、本願発明は、当業者が引用例1に記載された発明及び引用例2に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものである。

第6 むすび
本願の特許請求の範囲の記載は、上記第4のとおり、特許法第36条第6項第1号に適合するものでないから、本願は、同項に規定する要件を満たしていない。
また、本願発明は、上記第5のとおり、当業者が、引用例1に記載された発明及び引用例2に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-09-06 
結審通知日 2011-09-08 
審決日 2011-09-21 
出願番号 特願平10-550731
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63B)
P 1 8・ 537- WZ (A63B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大澤 元成  
特許庁審判長 長島 和子
特許庁審判官 菅野 芳男
桐畑 幸▲廣▼
発明の名称 ポリアミドを含むゴルフボール成形用組成物  
代理人 小川 信夫  
代理人 中村 稔  
代理人 箱田 篤  
代理人 大塚 文昭  
代理人 西島 孝喜  
代理人 熊倉 禎男  

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