• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  E02D
審判 全部無効 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明  E02D
審判 全部無効 2項進歩性  E02D
管理番号 1258473
審判番号 無効2011-800053  
総通号数 152 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-08-31 
種別 無効の審決 
審判請求日 2011-04-05 
確定日 2012-01-04 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第4365238号発明「構造物の基礎補強方法」の特許無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯
本件審判の請求に係る特許第4365238号(以下,「本件特許」という。)の手続の経緯は,以下のとおりである。
平成16年 2月24日:出願(特願2004-47815号)
平成21年 8月28日:特許権の設定登録(請求項の数:5)
平成23年 4月 5日:本件特許無効審判請求(全請求項)
6月20日:被請求人より答弁書及び訂正請求書提出
7月25日:請求人より弁駁書提出
8月26日:当審より審理事項通知書発送
10月13日:両当事者より口頭審理陳述要領書提出
10月28日:口頭審理,審理終結

第2.当事者の主張の概要
1.請求人の主張の概要
請求人は,本件特許の請求項1ないし5に記載された発明についての特許を無効とする,審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め,その理由として,以下の無効理由を主張し,証拠方法として,甲第2号証ないし甲第9号証を提出した。

(1)無効理由
(イ)本件特許の請求項1及び3に記載された発明は,甲第2号証に記載された発明であるから,特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものである。
(ロ)本件特許の以下の左欄に掲げる各請求項に記載された発明は,それぞれ右欄の証拠に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができた発明であるから,同第2項の規定により特許を受けることができないものである。
請求項1 甲第2号証
請求項2 甲第2号証,甲第3号証
請求項3 甲第2号証,甲第3号証
請求項4 甲第2号証ないし甲第4号証
請求項5 甲第2号証ないし甲第5号証
(ハ)また,訂正の請求による訂正の許否判断については争わないとしたうえで,訂正後の請求項1ないし5に記載された特許発明(以下,第2.欄において,それぞれ「訂正発明1」,「訂正発明2」…という。)も同様に,以下の左欄に掲げる請求項に記載された各訂正発明は,それぞれ右欄の証拠に記載された発明等に基づいて当業者が容易に発明をすることができた発明であるから,同第2項の規定により特許を受けることができないものである。
訂正発明1 甲第2号証及び周知技術(甲第3号証,甲第5号証,甲第8号証)
訂正発明2 甲第2号証,甲第3号証及び周知技術(同上)
訂正発明3 甲第2号証,甲第3号証及び周知技術(同上)
訂正発明4 甲第2号証ないし甲第4号証及び周知技術(同上)
訂正発明5 甲第2号証ないし甲第5号証及び周知技術(甲第3号証,甲第5号証,甲第8号証,甲第9号証)
よって,特許法第123条第1項第2号に該当し,本件特許の請求項1ないし5に記載された発明,又は,訂正発明1ないし5についての特許は,無効とすべきである。

[証拠方法]
甲第2号証:特開平11-200382号公報
甲第3号証:特開平8-296209号公報
甲第4号証:「太平洋 プレユーロックスM-S」カタログ,平成14年7月,太平洋マテリアル株式会社
甲第5号証:特開2003-155756号公報
甲第6号証:地盤工学会編,「地盤工学ハンドブック」,平成11年8月20日発行,社団法人地盤工学会,第826頁右欄第7?15行目
甲第7号証:建築用語辞典編集委員会編,「建築用語辞典」,2版,昭和41年7月10日,株式会社技報堂,第510頁右欄第1?6行目
甲第8号証:特開2001-279667号公報
甲第9号証:杭の鉛直載荷試験基準改訂編集委員会編,「杭の鉛直載荷試験方法・同解説」,初版,平成5年6月30日,社団法人土質工学会

(2)訂正発明1に係る主張
訂正発明1と甲第2号証に記載された発明とは,以下の相違点を有する。

[相違点1']
増し杭の設置が,訂正発明1では「重量増大を伴う構造物の改修に際し」て行われるものであるのに対して,甲第2号証にはそのような記載がない点。

[相違点2']
増し杭の打設が,訂正発明1では「鉛直に」行われるのに対して、甲第2号証に記載された発明では「斜杭」であることから,「斜めに」行われる点。

(2-1)相違点1'に係る主張
(イ)構造物の重量増大を伴う改修と伴わない改修との間で,基礎補強に関して実質的差異はないから,上記相違点1'は実質的な相違点ではない(第1回口頭審理調書)。
(ロ)甲第2号証には,被請求人提出の口頭審理陳述要領書第6頁最下行に記載されるような「重量増大を伴うことのない」との記載はない(第1回口頭審理調書)。
(ハ)上記(イ)の主張が採用されず,重量増大のための改修という限定に意味があると認定する場合でも,さらに,以下のように主張する(第1回口頭審理調書)。
(α)構造物に基礎が含まれる場合には,甲第2号証に記載された発明では,新たに施工されたフーチングの分だけ重量が増大しているので,相違点1'は実質的な相違点ではない。
(β)構造物に基礎が含まれない場合でも,耐震補強で建物の重量増大を伴うことは周知であるから,甲第2号証に記載された発明は,この点も考慮したものである。
(ニ)増し杭の設置を,「耐震補強する場合」や「上部構造物の荷重増に伴って支持力が不足する場合」に行うことは,例えば甲第8号証に開示されるように周知であるから,甲第2号証に記載の発明の補強方法を、訂正発明1のように「重量増大を伴う構造物の改修」の際に用いるようにすることは,当業者が容易に想到できる(弁駁書第10頁下から10行目?第11頁第20行目)。

(2-2)相違点2'に係る主張
(ホ)斜杭ではなく直杭を用いて増し杭を行うことは、例えば、甲第3号証にもあるように周知の事項である。(口頭審理陳述要領書第6頁第1?2行目)
(へ)甲第2号証に記載された発明の課題について,甲第2号証の段落【0007】には「図5に示すように増し杭として組杭を用いた場合に上部構造物(建物)の鉛直荷重を組杭の杭頭部にて支持させることにより水平方向の抵抗力を増大させること」との記載があるが,このうち,「組杭を用いて水平方向の抵抗を増大させる」という課題,及び「上部構造物の鉛直荷重を組杭の杭頭部にて支持させる」という課題は既に解決されていたものであるから,甲第2号証に記載された発明が解決したといえる現実かつ新規な課題は,この解決済みの課題を除外した,「(既存の杭に加えて後から)増し杭として組杭を打設した場合に、建物の鉛直荷重を組杭の杭頭部に支持させることである」と容易に理解される。(口頭審理陳述要領書第5頁第12?14行目,同第19?21行目)
そして,上記課題を解決する具体的手段として,「油圧ジャッキを用いて既存建物の基礎に作用している鉛直荷重の一部あるいは全部を前記組杭に盛り替え、更にその盛り替え状態をサポートジャッキにより固定化する」ことを開示しているが,当該手段は,増し杭の種類が組杭であるか直杭であるかを問わず,建物の鉛直荷重を増し杭に伝達する際に適用可能であることは,当業者にとって容易に想到可能である。(口頭審理陳述要領書第5頁第23?27行目,同第7頁第4?7行目)
(ト)甲第5号証に記載された発明では,直杭に対し「過大設計を抑制して経済的かつ効率的な設計施工を実現すると共に、良好な支持力を発現させる」との課題を解決すべく,「地盤や構造物に反力をとって基礎杭に対して構造物の完成後荷重以上の載荷を行う」ようにしており,当該課題及び甲第5号証に記載された発明を考慮すれば,甲第2号証に記載された発明において2本の斜杭からなる組杭の代わりに直杭を用いた場合でも,構造物に反力をとって増し杭に対して所定荷重以上の鉛直荷重の載荷を行うこと,すなわち甲第2号証に記載された発明の施工法を行う必然性がある。(弁駁書第13頁第8?11行目,同第14?21行目)
(チ)本件特許発明の課題を解決するために,課題を同一とする甲第2号証に記載の具体的解決手段を採用することには何の阻害要因もない。(口頭審理陳述要領書第8頁第9?10行目)
(リ)上記(ホ)?(チ)により,甲第2号証に記載された発明の斜杭からなる組杭を直杭に置換することは単なる設計的事項であり,当業者であれば極めて容易に想到することができる。(弁駁書第13頁下から3?1行目)

(3)訂正発明2に係る主張
甲第3号証には,既設基礎のフーチング1とフーチング拡大部3(すなわち、増設基礎)との間に,既設基礎のフーチング1内の主鉄筋5と同一方向に延びる鉄筋4を配置することが記載されているから,訂正発明2は,甲第2号証に記載された基礎補強方法に,甲第3号証に記載された結合手法を付加することで当業者が容易に推考し得る。(審判請求書第17頁第8?11行目,同第21頁第6?8行目)

(4)訂正発明3に係る主張
訂正発明3で限定された事項は甲第2号証に開示されており,訂正発明1を引用する訂正発明3は訂正発明1と同様な理由により,訂正発明2を引用する訂正発明3は訂正発明2と同様な理由により,当業者が容易に推考し得る。(審判請求書第21頁第10?12行目)

(5)訂正発明4に係る主張
甲第2号証に記載された発明において,コンクリート10が無収縮性を有していることが必要であることは容易に理解でき,甲第4号証にも示されているように,無収縮モルタル等の無収縮仕様の建築材料は周知であるから,訂正発明4で限定された事項は,甲第2号証に記載された発明に,このような建築材料を用いることにより,当業者が容易に想到できる(審判請求書第22頁第9?12行目,同第17?19行目)。

(6)訂正発明5に係る主張
甲第5号証には,「本杭への油圧ジャッキによる載荷荷重を完成後荷重以上の所定荷重まで増していく際に、杭に関するパラメータを測定する」という技術的思想が開示されており,甲第9号証に開示されるように「鉛直載荷試験を行う際には、杭頭への荷重-沈下量のみの測定を対象とした試験に加えて,杭軸に沿ってひずみ計を設置して打込み杭のひずみを測定することも一般的に行われていることであって,このような技術は「試験杭」のみならず,「本杭」に対しても使用しうるものであるから,訂正発明5で限定された事項は,甲第2号証に記載された発明に,甲第9号証に記載されたような周知技術を付加することにより,当業者が容易に想到できる(口頭審理陳述要領書第9頁下から3行目?第10頁第4行目,同第11頁下から2?1行目,同第12頁第5?8行目)。

2.被請求人の主張の概要
(1)答弁書等での反論
被請求人は,答弁書及び訂正請求書を提出し,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め,口頭審理陳述要領書及び口頭審理を通じて,甲第1号証ないし甲第5号証,及び,甲第9号証に記載された発明には,
訂正発明1の構成要件A及びB
訂正発明2の構成要件F及びG
訂正発明3の構成要件J,
訂正発明5の構成要件M,N及びO
が開示されておらず,また,訂正発明4は訂正発明1の構成要件を備えるものであるから,訂正発明1ないし5は,甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基づいて容易に想到し得ない旨,反論した(構成要件と符号との対応関係については,第4.欄を参照)。

(2)相違点1'に係る反論
相違点1'は,以下のように認定すべきである。

[相違点1"]
増し杭の設置が,訂正発明1では「重量増大を伴う構造物の改修に際し」て行われるものであるのに対して,甲2号証に記載された発明では「地震力に対する耐震性能の向上及び液状化現象に対する安定性を恒常的な維持のため」に行われるもので,重量増大を伴う構造物の改修に際してではない点。

そして,上記1.(2)欄に記載した相違点1'に係る請求人の主張に対して,以下のように反論した(第1回口頭審理調書)。
(イ)各訂正発明の「構造物」には,「基礎」は含まれないので,甲第2号証に記載された発明において,新たに施工されたフーチングの重量増大は,各訂正発明における「重量増大」には当たらない。
(ロ)甲第2号証に記載された発明は,既存建物の基礎の耐震補強のための技術であり,重量増大を伴う構造物の改修のための技術ではない。
(ハ)甲第2号証には,耐震補強により,請求人が主張するような既存建物の重量が増大することについての記載はない。

(3)相違点2'に係る反論
甲第2号証に記載された発明において,増し杭が斜杭であることは必須の要件であるとともに,仮に,同発明の斜杭を直杭に置換したとすると,同発明の目的を達成することができず,また,水平方向の荷重を負担するという同発明の前提も崩れてしまうことになり,甲第2号証に記載された発明の斜杭を直杭に置換することには,阻害要因が存在する。(口頭審理陳述要領書第16頁第18?19行目,同第21?25行目)

第3.訂正の請求について
1.請求の趣旨
本件訂正の請求の趣旨は,
特許第4365238号発明の明細書及び特許請求の範囲(以下,「特許明細書」という。)を,訂正請求書に添付した明細書及び特許請求の範囲のとおりに訂正することを求める,
というものである。

2.訂正の内容
(1)特許請求の範囲の訂正
(イ)訂正事項1
請求項1の冒頭に
「重量増大を伴う構造物の改修に際し、」
との記載を挿入する訂正。

(ロ)訂正事項2
請求項1中に
「増し杭を打設する」
とあるのを,
「増し杭を鉛直に打設する
とする訂正。

(2)明細書の訂正
(イ)訂正事項3
段落【0008】中の「(1)」との記載の後に,
「重量増大を伴う構造物の改修に際し、」
との記載を挿入する訂正。

(ロ)訂正事項4
段落【0008】中に
「増し杭を打設する」
とあるのを,
「増し杭を鉛直に打設する
とする訂正。

3.訂正の許否判断
請求項に記載された特許発明の訂正(以下,「請求項に係る訂正」という。)と訂正事項との対応関係は,以下のとおりであると認められる。
・請求項1に係る訂正:訂正事項1ないし4
・請求項2に係る訂正:訂正事項1ないし4
・請求項3に係る訂正:訂正事項1ないし4
・請求項4に係る訂正:訂正事項1ないし4
・請求項5に係る訂正:訂正事項1ないし4
そして,本件特許無効審判は,全ての請求項(請求項1ないし5)に記載された特許発明を無効とすることを求めるものであるから,本件訂正の請求が,特許法第134条の2第1項ただし書各号に掲げる事項を目的とし,同条第5項で準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するか否かについて,以下に検討する。

(1)第134条の2第1項ただし書各号(訂正の目的)について
(イ)訂正事項1
訂正事項1は,訂正前の請求項1ないし5に係る各発明における「増し杭を設置すること」について,「重量増大を伴う構造物の改修に際し」て行われるものであることを限定するものであるから,特許法第134条の2第1項第1号に掲げられた特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(ロ)訂正事項2
訂正事項2は,訂正前の請求項1ないし5に係る各発明における「増し杭」の「打設」について,「鉛直に」行われるものであることを限定するものであるから,特許法第134条の2第1項第1号に掲げられた特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(ハ)訂正事項3及び4について
訂正事項3および4は,訂正された特許請求の範囲の記載に,明細書の記載を整合させるものであるから,特許法第134条の2第1項第3号に掲げられた明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。

(2)第126条第3項及び第4項(新規事項,実質拡張又は変更)について
(イ)訂正事項1及び3について
訂正事項1及び3は,特許明細書の段落【0002】に「大型構造物の改修に際し、構造物の重量が増大し、既設基礎の鉛直支持力が不足する場合には、基礎構造の補強が必要となる。」と記載され,段落【0023】に「本発明によれば、溶鉱炉などの大型構造物の改修に際し、上部鉛直荷重が増大する場合であっても、増し杭によって上部鉛直荷重の増加分を的確に支持することができる…」と記載されていることに基づくものであるから,特許明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正であって,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更する訂正ではなく,特許法第126条第3項及び第4項の規定に適合する。

(ロ)訂正事項2及び4について
特許図面【図1】(b)には,【図1】(a)に示される「X-X断面」において,符号「3」で示される「増し杭」が鉛直に打設されている様子が記載されている。
しかしながら,特許図面には,同断面に直交する断面での打設の様子が記載されていないので,特許明細書の記載について検討するに,特許明細書には以下の記載がある(下線は当審にて付与)。

(α)「【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の基礎構造を増し杭によって補強する場合に、増し杭への鉛直荷重伝達を確実に行うことができる構造物の基礎補強方法に関するものである。」

(β)「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(略)
【0006】
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、増し杭の剛性の大小、ひいては既設基礎杭との剛性比の違いの如何にかかわらず、増し杭に負担させるべき上部鉛直荷重を確実に伝達することができる構造物の基礎補強方法を提案することを目的とする。」

(γ)「【課題を解決するための手段】
【0007】
さて、発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、既設基礎(及び上載設備)の自重を反力源とし、ジャッキ等により増し杭に予め所望の鉛直下向き荷重を載荷しておき、この状態で躯体を構築することにより、所期した目的が有利に達成されることの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。」

(δ)「【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、増し杭によって構造物の基礎構造を補強するに際し、構造物の既設基礎杭と増し杭との剛性が大きく異なる場合であっても、上部鉛直荷重の増加分を増し杭で的確に支持して、既設基礎の沈下を効果的に回避することができる。」

上記摘記事項(α)?(δ)の記載から,特許図面【図1】(b)において符号「3」で示される「増し杭」は,「鉛直荷重」を負担して構造物の既設基礎の沈下に耐えることを念頭に設けられたものであると解される。
一方,杭として,「斜杭」及び「直杭」は,いずれも特に公知文献を例示するまでもなく周知なものであって,「斜杭」は鉛直荷重と水平荷重の双方を負担するためのものであり,一方,「直杭」は鉛直荷重を専ら負担するためのものであることも技術常識である。
してみると,上記技術常識を考慮すれば,特許図面【図1】(b)において符号「3」で示される「増し杭」は,「直杭」であると解すべきであり,「X-X断面」に直交する断面においても,「増し杭」が鉛直に打設されていると認めるのが相当である。
よって,訂正事項2及び4は,特許明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正であって,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更する訂正ではなく,特許法第126条第3項及び第4項の規定に適合する。

4.むすび
以上のとおり,訂正事項1ないし4は,いずれも特許法第134条の2第1項ただし書の規定に適合し,かつ,同第5項において準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するから,請求項1ないし5の全ての請求項に係る訂正を認める。

第4.本件特許発明
訂正の請求による訂正は全て認められたので,本件特許の請求項1ないし5に記載された発明(以下,それぞれ「本件特許発明1」,「本件特許発明2」…という。)は,平成23年6月20日付けの訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲の記載からみて,訂正特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された次のとおりのものと認められ,これを構成要件に分説すると,次のとおりである。

「【請求項1】
A.重量増大を伴う構造物の改修に際し、構造物の既設基礎に隣接して増し杭を設置することによって、該構造物の基礎を補強する方法であって、
B.該既設基礎に隣接して増し杭を鉛直に打設する第1工程と、
C.該増し杭の上方に既設基礎と一体化した増設基礎上部を構築する第2工程と、
D.該増設基礎上部を介し、該既設基礎の自重を反力源として増し杭に所定量のプレロード荷重を載荷する第3工程と、
E.該プレロード荷重を維持した状態で増設基礎下部を構築する第4工程
からなることを特徴とする構造物の基礎補強方法。
【請求項2】
F.前記増設基礎上部と前記既設基礎との接合部に、
G.プレロード時に発生するせん断力および曲げモーメントに抵抗する強度を有する補強部材を設置することを特徴とする請求項1記載の構造物の基礎補強方法。
【請求項3】
H.前記プレロード荷重の載荷に際し、
I.まずオイルポンプと挿入ジャッキの組み合わせによって増し杭にプレロード荷重を載荷し、
J.このプレロード荷重が所定の値に到達した後、該プレロード荷重を機械式ジャッキに受け替え、
K.そのまま躯体中に埋設する
ことを特徴とする請求項1または2記載の構造物の基礎補強方法。
【請求項4】
L.前記増設基礎下部を構築する材料として、膨張コンクリートまたは無収縮グラウトのような無収縮仕様の材料を使用する
ことを特徴とする請求項1,2または3記載の構造物の基礎補強方法。
【請求項5】
M.前記プレロード荷重の載荷に際し、
N.負荷荷重を前記プレロード荷重まで増して行く段階で増し杭の変位、ひずみの測定を行うことにより、
O.増し杭の鉛直支持力持性を確認しつつ行う
ことを特徴とする請求項1?4のいずれかに記載の構造物の基礎補強方法。」

第5.刊行物の記載
1.甲第2号証
甲第2号証には,図面とともに次の事項が記載されている(甲第2号証中の丸囲み数字は,半角括弧書き数字に置き換えて記載した)。

(a)「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、斜杭による既存建物基礎の補強方法の技術分野に属し、更に云えば、2本の斜杭からなる組杭を使用することにより、既存建物基礎を爾後的に補強する方法に関する。」

(b)「【0002】
【従来の技術】杭基礎建物の場合、杭は鉛直方向の荷重(建物の重量)と水平方向の荷重(地震力)の双方を負担して耐える必要がある。1980年代中頃以降に建設された建物の杭基礎は、双方の荷重を考慮した構造設計がなされているが、それ以前に建設された建物の杭基礎は、水平荷重に対する設計がなされていないのが一般的で、耐震性能が低い。
【0003】また、地下水位が浅く緩い砂地盤は液状化現象を生じる可能性がある。液状化現象が発生すると、杭に対する地盤の抵抗は極めて小さくなるため、水平方向の荷重に対する抵抗が急激に低下することになる。この液状化現象についても、一般的には1990年代にならないと、その安定性の検討を行っていない。よって、上述した年代以前の既存建物は、地震力に対する耐震性能及び液状化現象に対する安定性の見地から、その基礎を爾後的に補強することが強く要請される。
【0004】次に、本出願人は、杭を鉛直線に対し傾斜させて地震力等の水平力に強く抵抗する斜杭工法を案出し、(1)特開平7-90830号公報、(2)特開平7-90860号公報、(2)特開平8-170346号公報にそれぞれ斜杭式人工地盤を開示している。前記(2),(3)の公報には、2本の斜杭を平面的に180度向きを変えて対称的に配置すると共に、同斜杭の杭頭部同士を連結した組杭が開示されている。
【0005】組杭は、図7に示したように、各斜杭1,1の軸方向抵抗力(R)に対して、F=2Rsinθの式で求められる水平方向の抵抗力(F)を期待できることを応用したものである。2本の斜杭1,1を平面的に対称的配置としていることから、1対の斜杭1,1の鉛直力は逆方向の向きで相殺され、安定した架構を形成する。また、各斜杭1,1に発生する応力は引張り応力や圧縮応力が主で、組杭の構造上の特性により、曲げモーメント(近似解はM=0)やせん断応力が小さいという利点がある。
【0006】しかし、斜杭からなる組杭を既存建物に応用し、既存建物基礎を爾後的に補強する方法に係る先行技術は特に見当たらない。」

(c)「【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、2本の斜杭からなる組杭を既存建物の基礎近傍の地盤中に施工し、建物の鉛直荷重を同組杭の杭頭部にて支持させることより水平抵抗を増大させ、既存建物基礎の地震力に対する耐震性能を爾後的に向上することができ、且つ液状化現象に対する安定性を恒久的に維持することができる、斜杭による既存建物基礎の補強方法を提供することである。」

(d)「【0011】
【発明の実施の形態及び実施例】本発明に係る斜杭による既存建物基礎の補強方法は、通例、図1及び図2に示したように、杭4を含む既存建物2の杭基礎3のうち、該既存建物2の外周部分のフーチング3aについて好適に実施される。但し、実施箇所は前記外周部分のフーチング3aに限らず、既存建物2の外周部分の基礎梁3bについても同様に好適に実施し得る。2本の斜杭からなる組杭A,Bは、同杭が傾いている垂直面内での抵抗力が非常に大きいという方向性を有することから、図2に示したように、建物の平面に関するX、Yの直交2方向に配置される。
【0012】次に、本発明の補強方法を実施する施工工程について説明する。既存建物2の外周部分に位置する各フーチング3aの外側面近傍の地盤5を掘削し、該地盤中に2本の斜杭1,1を平面的に略180度向きを変えた対称的配置で構築する。そして、2本の斜杭1,1の杭頭部同士を連結して組杭A,Bとして施工する。しかる後、前記組杭A,Bの杭頭部と前記既存建物2のフーチング3aとを荷重の伝達が可能に剛結する。かくして、前記2本の斜杭1,1からなる組杭A,Bは、平面的に見ると既存建物2を取り囲むように配設される(図2)。」

(e)「【0014】前記組杭の杭頭部と既存建物2のフーチング3aとを荷重の伝達が可能に剛結する手段と工程を、図3A,Bと図4A,Bに示した。先ず前記2本の斜杭1,1からなる組杭の杭頭部を連結した第1フーチング6を施工する。その直上位置に、既存建物2のフーチング3aと一体化した第2フーチング7を施工し、前記第1フーチング6と第2フーチング7との間に油圧ジャッキ8とサポートジャッキ9を略鉛直に併設する(図3A,B)。そして、前記油圧ジャッキ8の働きにより、既存建物2のフーチング3aに作用している鉛直荷重の一部あるいは全部を前記組杭に盛り替え、その盛り替え状態を前記サポートジャッキ9の働きにより固定化する。その後、前記油圧ジャッキ8は取り外して回収し(図4A,B)、前記第1フーチング6と第2フーチング7との間にコンクリート10を打設する(図4A,B参照)。コンクリート10が強度を発現することにより剛結状態は恒久化される。図中の符号3bは基礎梁、符号11は既存柱を示している。」

(f)「【0015】既存建物2の基礎3のフーチング3aに作用している鉛直荷重の一部あるいは全部を前記組杭に盛り替え負担させることにより、組杭は、図5に示し、[従来の技術]で説明した、F=2Rsinθの式で求められる水平方向の抵抗力(F)に、更に鉛直荷重Wtanθの大きさが加わるので、更に大きな水平抵抗力を有する組杭が実現されるのである。
【0016】例えば、図2中の右側から左側方向へ作用するX方向の水平力Fに対しては、X方向に配置した2本の斜杭1,1で構成する組杭Aが効果的に抵抗し、曲げモーメントが低減された有利な支持状態を発現する。また、図2中のY方向へ作用する水平力F'に対しては、Y方向に設置された組杭Bが有効に抵抗する。かくして、既存建物2の全体に作用するX,Y2方向の水平力に対して、各々対抗する2種の組杭AとBが効果的に抵抗するので、既存建物2の基礎3の地震力に対する耐震性能を爾後的に向上することができる。同様に液状化現象に対する安定性を恒久的に維持することもできるのである。」

(g)「【0019】
【本発明が奏する効果】本発明の斜杭による既存建物基礎の補強方法によれば、2本の斜杭からなる組杭を既存建物の基礎近傍の地盤中に施工し、建物の鉛直荷重を同組杭の杭頭部に伝達することより、既存建物基礎の水平抵抗を増大させることができる。よって、地震力等の水平荷重に十分抵抗し、既存建物基礎の地震力に対する耐震性能を爾後的に向上することができる。と同時に液状化現象に対する安定性をも恒久的に維持することができ、信頼性の高い既存建物基礎の補強方法を実現できる。」

以上の記載事項及び図示内容を総合すると,甲第2号証には以下の方法の発明(以下,「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。

「地震力に対する耐震性能の向上及び液状化現象に対する安定性を恒久的な維持のために,既存建物2の杭基礎3のうちのフーチング3aの近傍に,2本の斜杭1,1からなる組杭を施工することで既存建物基礎を補強する方法であって,
既設建物2のフーチング3aの近傍に,2本の斜杭1,1からなる組杭を施工し,
前記組杭の杭頭部の直上位置に,既設建物2のフーチング3aと一体化した第2フーチング7を施工し,
前記2本の斜杭1,1からなる組杭の杭頭部を連結するよう施工された第1フーチング6と前記第2フーチング7との間の油圧ジャッキ8の働きにより,既存建物2のフィーチング3aに作用している鉛直荷重の一部あるいは全部を前記組杭に盛り替え,
その盛り替え状態をサポートジャッキ9の働きにより固定化し,その後,前記第1フーチング6aと第2フーチング7との間にコンクリート10を打設する
既存建物基礎を補強する方法。」

2.甲第3号証
甲第3号証には,「増し杭」として直杭を用いるという周知技術,及び,既設基礎のフーチング1とフーチング拡大部3との間に、既設基礎のフーチング1内の主鉄筋5と同一方向に延びる鉄筋4を配置する技術が開示されている。

3.甲第4号証
甲第4号証には,無収縮モルタルを建築材料として用いるという周知技術が開示されている。

4.甲第5号証
甲第5号証には,上部構造物の重量を「直杭」で支持するという周知技術,並びに,基礎杭の施工において,過大設計を抑制して経済的かつ効率的な設計施工を実現すると共に,良好な支持力を発現可能とすることを目的に,地盤中に打込まれた若しくは構築された基礎杭の杭頭に設置したジャッキ装置により,前記地盤または当該基礎杭が支持する構造物に反力をとって,当該基礎杭に対し前記構造物の完成後荷重以上の載荷を行うことにより,構造物完成後に生じるであろう沈下を予め生じさせたうえで設計荷重を設定する技術,及び,前記載荷に際し,杭にかかる荷重と沈下量との関係を測定する技術が開示されている。

5.甲第7号証
甲第7号証には,「増し杭」が,「設計された杭本数よりも余分に打つ杭。設計変更があった場合,杭耐力が予定の設計より出なかつた場合や打込んだ杭に信頼が持てないときなどに用いる.」ものであることが説明されている。

6.甲第8号証
甲第8号証の段落【0001】には,「増し杭」の設置が,耐震補強(液状化対策を含む)のため,あるいは,上部構造物の荷重増にともない既設の基礎では,支持力,基礎そのものの耐力(鉛直および水平)および地震時変形性能が不足する場合に行われることが開示されている。

7.甲第9号証
甲第9号証には,鉛直載荷試験を行う際には,杭頭への荷重-沈下量のみの測定を対象とした試験に加えて,杭軸に沿ってひずみ計を設置して打込み杭の軸方向ひずみを測定すること,及び,このような測定の対象となる試験杭の強度に十分余裕があり,試験後の杭と沈下性状が構造物に悪影響を与えないと予想される場合には,本杭を試験杭とすることができることが開示されている。

第6.無効理由についての判断
1.本件特許発明1について
(1)対比
本件特許発明1と甲2発明とを対比すると,
(α)甲2発明の「既存建物2」は,本件特許発明1の「構造物」に相当し,以下同様に,
(β)「既存建物2の杭基礎3のうちのフーチング3a」は,「構造物の既設基礎」に,
(γ)「近傍に」は,「隣接して」に,
(δ)「2本の斜杭1,1からなる組杭」は,「増し杭」に,
(ε)「施工する」ことは,「設置する」ことに,
(ζ)「既存建物基礎を補強する方法」は,「構造物の基礎を補強する方法」に,
(η)「…組杭を施工する」ことは,「…増し杭を…打設する第1工程」に,
(θ)「組杭の杭頭部の直上位置」は,「増し杭の上方」に,
(ι)「第2フーチング7」は,「増設基礎上部」に,
(κ)「…第2フーチング7を施工」することは,「…増設基礎上部を構築する第2工程」に,
それぞれ相当する。
また,
(λ)甲2発明の「既存建物2のフィーチング3aに作用している鉛直荷重の一部あるいは全部を組杭に盛り替え」ることは,本件特許発明1の「既設基礎の自重を反力源として増し杭に所定量のプレロード荷重を載荷する」ことに相当するから,
(μ)甲2発明の「2本の斜杭1,1からなる組杭の杭頭部を連結するよう施工された第1フーチング6と第2フーチング7との間の油圧ジャッキ8の働きにより,既存建物2のフィーチング3aに作用している鉛直荷重の一部あるいは全部を組杭に盛り替え」ることは,本件特許発明1の「増設基礎上部を介し、既設基礎の自重を反力源として増し杭に所定量のプレロード荷重を載荷する第3工程」に相当する。
さらに,
(ν)甲2発明の「その盛り替え状態をサポートジャッキ9の働きにより固定化」することは,本件特許発明1の「プレロード荷重を維持した状態」とすることに相当し,同様に,
(ξ)「第1フーチング6aと第2フーチング7との間」の「コンクリート10」は,「増設基礎下部」に相当するから,
(ο)甲2発明の「盛り替え状態をサポートジャッキ9の働きにより固定化し,その後,第1フーチング6aと第2フーチング7との間にコンクリート10を打設する」ことは,本件特許発明1の「プレロード荷重を維持した状態で増設基礎下部を構築する第4工程」に相当する。

してみると,両発明の一致点及び相違点は以下のとおりである。

[一致点]
「構造物の既設基礎に隣接して増し杭を設置することによって,該構造物の基礎を補強する方法であって,
該既設基礎に隣接して増し杭を打設する第1工程と,
該増し杭の上方に既設基礎と一体化した増設基礎上部を構築する第2工程と,
該増設基礎上部を介し,該既設基礎の自重を反力源として増し杭に所定量のプレロード荷重を載荷する第3工程と,
該プレロード荷重を維持した状態で増設基礎下部を構築する第4工程
からなる構造物の基礎補強方法。」

[相違点1]
構成要件Aに関して,増し杭の設置が,本件特許発明1では,「重量増大を伴う構造物の改修に際し」て行われるものであるのに対して,甲2発明では,「地震力に対する耐震性能の向上及び液状化現象に対する安定性を恒久的な維持のため」に行われるものである点。

[相違点2]
構成要件Bに関して,増し杭の打設が,本件特許発明1では,「鉛直に」行われるのに対して,甲2発明では「斜杭」であることから,「斜めに」行われる点。

(2)判断
上記各相違点について,以下に検討する。

(イ)[相違点1]について
上記第5.「5.甲第7号証」欄に記載したように,増し杭とは,一般に,「設計された杭本数よりも余分に打つ杭。設計変更があった場合,杭耐力が予定の設計より出なかつた場合や打込んだ杭に信頼が持てないときなどに用いる」ものであり,このような増し杭の設置を,耐震補強(液状化対策を含む)のために行うことも,上部構造物の荷重増に伴い行うことも,いずれも,例えば,上記第5.「6.甲第8号証」欄に記載したように技術常識である。
ここで甲2発明について見るに,甲2発明の「組杭」は,上記摘記事項(f)に「既存建物2の基礎3のフーチング3aに作用している鉛直荷重の一部あるいは全部を前記組杭に盛り替え負担させる」と記載されていることから,鉛直荷重Wを引き受けていることは明らかである。
してみると,甲2発明の「組杭」(斜杭)により,上部構造物の荷重増,すなわち,鉛直荷重を引き受けられることは明らかであり,甲2発明の「増し杭の設置」を,地震力に対する耐震性能の向上と同時に,構造物の荷重増に対応するために行うこと,すなわち,上記相違点1に係る本件特許発明1のように,「重量増大を伴う構造物の改修に際し」て行われるものとすることは,当業者が容易に想到し得た事項である。

(ロ)[相違点2]について
甲2発明は,上記摘記事項(b)及び(c)に記載されるように,新築建物の基礎杭として従来から公知であった斜杭からなる組杭を,既存建物の基礎補強に応用して水平抵抗を増大させることによって,既存建物基礎の地震力に対する耐震性能を爾後的に向上することができ、且つ液状化現象に対する安定性を恒久的に維持することができるようにすることを目的及び解決しようとする課題とするものである。
そして,上記摘記事項(b)に記載されるように,地震力に対する耐震性能を爾後的に向上させるためには,水平方向の荷重を負担して耐える必要があることから,甲2発明は,上記摘記事項(c),(f)及び(g)に記載されるように,「既存建物基礎の水平抵抗を増大させる」ための手段として,「2本の斜杭1,1からなる組杭」を施工して,斜杭にかかる鉛直荷重Wの水平方向分力である水平力F,F'(=Wtanθ)により,水平抵抗を増大させるものである。
ところで,上記第5.「2.甲第3号証」欄及び同「4.甲第5号証」欄にそれぞれ記載したように,増し杭として直杭を用いること,及び,上部構造物の重量を直杭で支持することはいずれも周知技術であり,また,杭の打設を鉛直に行うことも斜めに行うことも,上記第3.3.(2)(ロ)欄に記載したように,特に公知文献を例示するまでもなく周知技術である。
しかしながら,このような技術的事項が周知であったとしても,甲2発明の「斜杭」を「直杭」とすると,鉛直荷重Wの方向と杭の打設方向が一致するため,鉛直荷重Wの水平方向分力が生じないこととなり,増し杭が「既存建物基礎の水平抵抗を増大させる」ための課題解決手段として機能せず,甲2発明の上記目的は達成できないこととなる。
よって,甲2発明の「斜杭」を「直杭」とすることには,いわゆる阻害要因があるというべきであり,当業者が容易に想到しうることではない。

また,本件特許発明1は,増し杭による基礎補強において,既設基礎杭と増し杭との剛性が大きく異なる場合に,増し杭に鉛直荷重がほとんど伝達されないという問題が従来技術にはあることから,このような剛性の相違にかかわらず,既設基礎杭にかかっていた鉛直荷重を直杭の増し杭に確実に伝達し負担させることを目的及び解決しようとする課題とするものである。
しかしながら,甲2発明では,上記問題は認識されておらず,また,甲2発明では,あくまでも「増し杭」として「斜杭」を使用する場合についてではあるが,上記目的のうち「既設基礎杭にかかっていた鉛直荷重を増し杭に確実に伝達し負担させること」については達成されているから,甲2発明の「斜杭」を「直杭」に置き換えるという動機付けはない。
また,上記第5.「2.甲第3号証」欄に記載したように,増し杭として直杭を用いることは周知技術であるが,このような周知な直杭の増し杭においても,本件特許発明1の上記問題は認識されていないから,これに甲2発明のうち「既設基礎杭にかかっていた鉛直荷重を増し杭に確実に伝達し負担させる」ことに対応する構成のみを適用するという動機付けもない。
よって,解決しようとする課題からのアプローチにより,甲2発明と周知技術とを組み合わせる動機付けもなく,これらに基づいて上記相違点2に係る本件特許発明1を当業者が容易に想到しうるとはいえない。

(ハ)相違点2に係る請求人の主張について
請求人は,上記第2.1.(2-2)(へ)欄の前半に記載したように,「(既存の杭に加えて後から)増し杭として組杭を打設した場合に,建物の鉛直荷重を組杭の杭頭部に支持させること」が,実際に甲2発明が解決したといえる現実的かつ新規な課題であると主張している。
しかしながら,甲2発明の課題は,上記(ロ)欄に記載したとおりのものであって,斜杭からなる組杭の打設により水平抵抗を増大させるという前提を離れ,「建物の鉛直荷重を組杭の杭頭部に支持させること」を課題として抽出することは妥当ではない。よって,請求人の課題に係る上記主張は採用できず,甲2発明の課題が請求人の主張どおりであることを前提する上記第2.1.(2-2)(へ)欄の後半に記載した主張も採用できない。
また,上記(ロ)欄に記載したとおり,本件特許発明1の課題は甲2発明の課題とは異なるので,上記第2.1.(2-2)(チ)欄に記載した主張も採用できない。
さらに,同(ト)欄に記載した主張は,甲2発明の斜杭からなる組杭を直杭に置換できることを前提とするものであるから採用できない。しかも,その主張の根拠となっている甲第5号証には,上記第5.「4.甲第5号証」欄に記載した技術的事項が開示されているにすぎず,杭に鉛直荷重を載荷した状態で基礎を構築することについて開示されていないうえ,「増し杭」についての言及すらないことから,甲第5号証に記載された技術的事項を甲2発明に適用する必然性はない。

(3)むすび
以上のとおり,本件特許発明1は,甲2発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものではないから,本件特許発明1についての特許は,特許法第29条第2項の規定に違反するものとして無効とすることができない。

2.本件特許発明2?5について
本件特許発明2ないし5の各発明と甲2発明とを対比すると,本件特許発明2ないし5の各発明は本件特許発明1の全ての構成要件を有するから,相違点として上記相違点2が少なくとも存在する。
ここで,上記1.(2)欄において検討の対象としていない,甲第4号証及び甲第9号証について検討するに,これらには上記第5.「3.甲第4号証」欄及び同「7.甲第9号証」欄に記載した技術的事項がそれぞれ開示されているにすぎず,上記1.(2)(ロ)欄に記載した阻害要因を除去するに足る事項及び従来技術における問題は開示していない。
よって,本件特許発明1についての特許と同様,本件特許発明2ないし5についての特許についても,特許法第29条第2項の規定に違反するものとして無効とすることができない。

第7.むすび
上記のとおり,本件特許発明1ないし5についての特許は,請求人の主張及び証拠方法によっては,無効とすることができない。
審判に関する費用については,特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
構造物の基礎補強方法
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の基礎構造を増し杭によって補強する場合に、増し杭への鉛直荷重伝達を確実に行うことができる構造物の基礎補強方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば溶鉱炉などの大型構造物の改修に際し、構造物の重量が増大し、既設基礎の鉛直支持力が不足する場合には、基礎構造の補強が必要となる。
すなわち、既設基礎の支持力に余裕がなく、沈下の発生が許容できない場合には、上部鉛直荷重の増加分を的確に支持できるように基礎構造を補強する必要がある。
そのため、基礎構造の補強に関しては、従来から種々の対策が講じられている。
既設基礎に隣接して増し杭を設置し、基礎を拡大する方法もその一つである。
【0003】
ところで、増し杭による補強に際し、既設基礎と増し杭の剛性が大きく異なるような場合には、増し杭にいかに的確に荷重を伝達させるかが問題となる。
【0004】
例えば、特許文献1には、既設基礎の外周に打設した増し杭をコンクリートにより既設基礎と一体化する際、新旧コンクリートの接合部におけるせん断耐力を確保する目的で鉄筋やスタッドを配置する方法を提案している。
【特許文献1】特開平8-296209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の方法では、既設基礎杭と増し杭の剛性が大きく異なる場合には、上部鉛直荷重が増し杭にほとんど伝達されず、既設基礎側へ荷重の大半が流れることになり、十分な補強効果が得られない。
従って、既設基礎の支持力に余裕がない場合には、上部鉛直荷重の増加によって基礎が沈下する危険がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、増し杭の剛性の大小、ひいては既設基礎杭との剛性比の違いの如何にかかわらず、増し杭に負担させるべき上部鉛直荷重を確実に伝達することができる構造物の基礎補強方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
さて、発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、既設基礎(及び上載設備)の自重を反力源とし、ジャッキ等により増し杭に予め所望の鉛直下向き荷重を載荷しておき、この状態で躯体を構築することにより、所期した目的が有利に達成されることの知見を得た。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0008】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)重量増大を伴う構造物の改修に際し、構造物の既設基礎に隣接して増し杭を設置することによって、該構造物の基礎を補強する方法であって、
該既設基礎に隣接して増し杭を鉛直に打設する第1工程と、
該増し杭の上方に既設基礎と一体化した増設基礎上部を構築する第2工程と、
該増設基礎上部を介し、該既設基礎の自重を反力源として増し杭に所定量のプレロード荷重を載荷する第3工程と、
該プレロード荷重を維持した状態で増設基礎下部を構築する第4工程
からなることを特徴とする構造物の基礎補強方法。
【0009】
(2)前記増設基礎上部と前記既設基礎との接合部に、プレロード時に発生するせん断力および曲げモーメントに抵抗する強度を有する補強部材を設置することを特徴とする上記(1)記載の構造物の基礎補強方法。
【0010】
(3)前記プレロード荷重の載荷に際し、まずオイルポンプと挿入ジャッキの組み合わせによって増し杭にプレロード荷重を載荷し、このプレロード荷重が所定の値に到達した後、該プレロード荷重を機械式ジャッキに受け替え、そのまま躯体中に埋設することを特徴とする上記(1)または(2)記載の構造物の基礎補強方法。
【0011】
(4)前記増設基礎下部を構築する材料として、膨張コンクリートまたは無収縮グラウトのような無収縮仕様の材料を使用することを特徴とする上記(1),(2)または(3)記載の構造物の基礎補強方法。
【0012】
(5)前記プレロード荷重の載荷に際し、負荷荷重ステップを前記プレロード荷重まで増して行く段階で増し杭の変位、ひずみの測定を行うことにより、増し杭の鉛直支持力持性を確認しつつ行うことを特徴とする上記(1)?(4)のいずれかに記載の構造物の基礎補強方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、増し杭によって構造物の基礎構造を補強するに際し、構造物の既設基礎杭と増し杭との剛性が大きく異なる場合であっても、上部鉛直荷重の増加分を増し杭で的確に支持して、既設基礎の沈下を効果的に回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を工程毎に具体的に説明する。
代表例として、溶鉱炉の基礎構造を補強する場合について述べる。
図1に、溶鉱炉の基礎を模式で示す。図中、番号1が既設基礎、2が補強部である。
この例では、既設基礎の周囲4ヶ所に補強部を設けた場合を示す。
【0015】
(第1工程)
本発明では、まず、補強部2に増し杭3を打設する。図2にその状態を示す。増し杭3の本数については、既設基礎の鉛直支持力を補強する補強鉛直支持力(以下単に補強強度という)に対し、増し杭3でそれぞれ支持すべき荷重に応じて適宜定めれば良い。
この例では、各補強部2それぞれに5本の増し杭を打設する場合を示している。
【0016】
(第2工程)
次に、図3に示すように、既設基礎1のフーチング4の外周に孔を穿ち、鉄筋5を埋め込むいわゆる削孔鉄筋を設置する。
このように、補強部材として鉄筋5を使用することにより、後述するプレロード時に発生するせん断力および曲げモーメントに抵抗するに十分な強度を得ることができる。ここに、埋設する鉄筋の径および本数は、必要とされる補強強度に応じて適宜定めれば良い。
ついで、この部分をコンクリートで固めて増設基礎上部6を構築する。この状態を図4に示す。
【0017】
(第3工程)
次に、図5に示すように、上記した増設基礎上部6と打設した増し杭3との隙間にジャッキを装入し、既設基礎1の自重を反力源として増し杭3に所定量のプレロード荷重を載荷する。ここで、所定量のプレロード荷重とは、補強強度に応じて各増し杭3が負担すべきプレロード荷重のことである。
このプレロード荷重の載荷に際しては、オイルポンプと挿入ジャッキを組み合わせて、所定の値までプレロード荷重を載荷する。このようにして、増し杭に所定量のプレロード荷重が載荷された後は、図6に示すように、この荷重をネジの回転を利用するいわゆる機械式ジャッキであるキリンジャッキ7による支持に切り替え、挿入ジャッキは外部へ搬出する。
これにより、増し杭へのプレロード荷重はキリンジャッキ7のみによって支持されたことになる。
【0018】
(第4工程)
この状態、すなわちプレロード荷重がキリンジャッキ7によって支持された状態で、このキリンジャッキ7ともども、増設基礎上部6と打設した増し杭3との隙間を無収縮仕様の材料である例えば膨張コンクリート等で固めて増設基礎下部8を構築する。この状態を図7に示す。
【0019】
上記したように、本発明では、ジャッキによってプレロード荷重を増し杭に載荷したままコンクリートで固めることにより増設基礎下部8を構築するわけであるが、最終的なプレロード荷重の支持は機械式ジャッキであるネジの回転を利用する安価なキリンジャッキで行い、高価なオイルポンプや挿入ジャッキは繰り返し使用できるので、設備費もわずかで済む。
ここで機械式ジャッキとは、油圧等液圧媒体を使用せず、機械式結合で作動する、上記のネジの回転を利用したジャッキ類を指すものである。これらのジャッキであれば、コンクリート中に埋設施工してもプレロード荷重の支持は持続される。この点、液圧式ジャッキ類は高価なだけでなく、液洩れでプレロード荷重の支持の持続に問題を生じるおそれがある。
【0020】
また、増設基礎下部8を構築するための材料としては、無収縮性である膨張コンクリートや無収縮グラウドを用いることが好ましい。というのは、かかる無収縮性仕様の材料を用いることにより、プレロード荷重の抜け防止と同時に、増設基礎上部と増設基礎下部との一体化が有利に確保されるからである。
【0021】
なお、本発明では、増し抗には、プレロード荷重を載荷できさえすれば良いが、負荷荷重を前記プレロード荷重まで増して行く段階で、増し抗の変位、ひずみの測定を行うことにより、増し杭の鉛直支持力特性を確認しつつ基礎補強を行うことができる。
すなわち、-般的には膨大な設備費が必要なため、ごく一部の杭にしか実施できない載荷試験を、負荷荷重を前記プレロード荷重まで増して行く段階で、順次、増し杭の変位、ひずみの測定を行うことにより、同様な、載荷試験を全ての増し抗に行うことができ、補強工事の信頼性が高まる利点がある。
通常、杭の支持力設計は実際に負荷される荷重(設計荷重)に対して2?3倍の安全率を乗じて行われる。これは地盤性状の設計条件とのずれ、不均一性により実杭の支持力は相当にばらつくことから採用される安全率である。そして施工後の抗に対しては、載荷試験等による支持力確認は通常は行われることがない。
本発明では、増設基礎上部と増し杭の間でプレロード荷重を加えることができるため、増し杭に対して、プレロード荷重載荷設備を用いて、プレロード荷重を加える過程で容易に載荷試験が行えるため、補強工事の信頼性が高まることになる。
【0022】
なお、負荷荷重を前記プレロード荷重まで増して行く段階で、増し杭の変位、ひずみの測定を行うとは、一般的な坑の載荷試験手順に相当するように5t?20tピッチ程度の刻みで荷重を上げていき、その過程の必要な部分で、増し杭の変位、ひずみ測定を行うことである。普通の載荷試験では、杭の塑性域まで荷重を付加し、降伏荷重、極限荷重を求めるが、本発明の場合は目的が違うため、補強に必要な所定量のプレロード荷重を最終荷重とし、そのプレロード荷重に達した時点で増し抗の挙動が弾性を維持していれば、基礎として十分な信頼性を有することが確認できることになる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明によれば、溶鉱炉などの大型構造物の改修に際し、上部鉛直荷重が増大する場合であっても、増し杭によって上部鉛直荷重の増加分を的確に支持することができるので、既設基礎が沈下する等の不具合は生じない。
また、本発明は、上記した溶鉱炉などの大型構造物の改修の場合だけでなく、橋脚、鉄塔およびタンクなどの基礎の補強にも有利に適合する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】溶鉱炉の基礎を示す模式図である。
【図2】補強部に増し杭を打設した状態を示した図である。
【図3】既設基礎のフーチング部に削孔鉄筋を設置した状態を示した図である。
【図4】増設基礎上部を構築した状態を示した図である。
【図5】増設基礎上部と打設した増し杭との隙間にジャッキを装入して、増し杭に所定量のプレロード荷重を載荷した状態を示した図である。
【図6】載荷されたプレロード荷重をキリンジャッキによる支持に切り替えた状態を示した図である。
【図7】増設基礎下部を構築した状態を示した図である。
【符号の説明】
【0025】
1 既設基礎
2 補強部
3 増し杭
4 フーチング
5 鉄筋
6 増設基礎上部
7 キリンジャッキ
8 増設基礎下部
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量増大を伴う構造物の改修に際し、構造物の既設基礎に隣接して増し杭を設置することによって、該構造物の基礎を補強する方法であって、
該既設基礎に隣接して増し杭を鉛直に打設する第1工程と、
該増し杭の上方に既設基礎と一体化した増設基礎上部を構築する第2工程と、
該増設基礎上部を介し、該既設基礎の自重を反力源として増し杭に所定量のプレロード荷重を載荷する第3工程と、
該プレロード荷重を維持した状態で増設基礎下部を構築する第4工程
からなることを特徴とする構造物の基礎補強方法。
【請求項2】
前記増設基礎上部と前記既設基礎との接合部に、プレロード時に発生するせん断力および曲げモーメントに抵抗する強度を有する補強部材を設置することを特徴とする請求項1記載の構造物の基礎補強方法。
【請求項3】
前記プレロード荷重の載荷に際し、まずオイルポンプと挿入ジャッキの組み合わせによって増し杭にプレロード荷重を載荷し、このプレロード荷重が所定の値に到達した後、該プレロード荷重を機械式ジャッキに受け替え、そのまま躯体中に埋設することを特徴とする請求項1または2記載の構造物の基礎補強方法。
【請求項4】
前記増設基礎下部を構築する材料として、膨張コンクリートまたは無収縮グラウトのような無収縮仕様の材料を使用することを特徴とする請求項1,2または3記載の構造物の基礎補強方法。
【請求項5】
前記プレロード荷重の載荷に際し、負荷荷重を前記プレロード荷重まで増して行く段階で増し杭の変位、ひずみの測定を行うことにより、増し杭の鉛直支持力持性を確認しつつ行うことを特徴とする請求項1?4のいずれかに記載の構造物の基礎補強方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2011-11-14 
出願番号 特願2004-47815(P2004-47815)
審決分類 P 1 113・ 853- YA (E02D)
P 1 113・ 851- YA (E02D)
P 1 113・ 121- YA (E02D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 苗村 康造  
特許庁審判長 山口 由木
特許庁審判官 鈴野 幹夫
仁科 雅弘
登録日 2009-08-28 
登録番号 特許第4365238号(P4365238)
発明の名称 構造物の基礎補強方法  
代理人 青木 篤  
代理人 亀松 宏  
代理人 田中 達也  
代理人 田中 達也  
代理人 杉村 憲司  
代理人 塚中 哲雄  
代理人 塚中 哲雄  
代理人 中村 朝幸  
代理人 杉村 憲司  
代理人 田中 達也  
代理人 鶴田 準一  
代理人 伊藤 公一  
代理人 島田 哲郎  
代理人 塚中 哲雄  
代理人 杉村 憲司  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ