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審決分類 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する A63F
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A63F
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1263184
審判番号 訂正2012-390095  
総通号数 155 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-11-30 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2012-07-25 
確定日 2012-09-06 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4521702号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4521702号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1 手続の経緯
本件審判の請求に係る特許第4521702号(以下「本件特許」という。)の経緯は以下のとおりである。
平成12年 3月 7日:特許出願(特願2000-61465号)
平成22年 6月 4日:設定登録(請求項数:3)
平成24年 7月25日:本件審判の請求(訂正2012-390095)

2 審判請求の要旨
本件審判請求の要旨は、本件特許第4521702号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものである。
本件特許の訂正(以下「本件訂正」という。)は、次の訂正事項からなる。
1)訂正事項1
明細書の段落【0003】の【発明が解決しようとする課題】なる見出しを削除して、段落【0006】の最初の行の前に挿入する。

2)訂正事項2
本件特許明細書の段落【0006】の「発明が解決しようとする課題」の項の「各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり」なる記載を「各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点のうち、停止予定図柄の組合せに関する問題点に鑑みてなされたものであり」と訂正する。

3)訂正事項3
本件特許明細書の段落【0008】の「発明が解決しようとする課題」の項の「図柄の種類や数を変更がすることが可能である。」なる記載を「図柄の種類や数を変更することが可能である。」と訂正する。

4)訂正事項4
本件特許明細書の段落【0009】の「発明が解決しようとする課題」の項の「停止予定図柄の組合せや、リーチ等の図柄変動パターンを決定する場合に比較して、メイン基板等の遊技制御手段のプログラムの容量を軽減することができる。」なる記載を「停止予定図柄の組合せを決定する場合に比較して、メイン基板等の遊技制御手段のプログラムの容量を軽減することができる。」と訂正する。

5)訂正事項5
本件特許明細書の段落【0120】の「停止予定図柄の組合せや、リーチ等の図柄変動パターンを決定する場合に比較して、メイン基板等の遊技制御手段のプログラムの容量を軽減することができる。」なる記載を「停止予定図柄の組合せを決定する場合に比較して、メイン基板等の遊技制御手段のプログラムの容量を軽減することができる。」と訂正する。

3 当審の判断
(1)訂正事項1について
本件特許明細書の段落【0003】?【0005】には、従来技術の問題点についての記載がなされており、本願発明が解決しようとする課題についての記載はされていない。そして、本願発明が解決しようとする課題については、本件特許明細書の段落【0006】?【0009】に記載されている。
そうすると、上記訂正事項1は、【本願発明が解決しようとする課題】という見出しが不適切な位置に挿入され不明瞭であったものを、適切な位置に挿入しようとするものであるから、特許法第126条第1項第3号に掲げられた明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(2)訂正事項2について
本願発明が解決しようとする課題についての記載は、本件特許明細書の段落【0006】?【0009】に、請求項1を中心になされている。
そして、本件訂正の請求項1には、図柄変動パターンに「停止予定図柄の組合せ」を含むことが特定されているが、「リーチ等の図柄変動」を含むことについて特定されていない。
そうすると、上記訂正事項2は、本件特許明細書において、「従来の技術の有する問題点」について、対象とする問題が何であるのか漠然とし、不明瞭であったものを、段落【0003】?【0005】の記載内容のうち、請求項1に対応した、停止予定図柄の組合せの図柄変動パターンに関する問題点を対象とするものであることを明らかにするものであるから、特許法第126条第1項第3号に掲げられた明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(3)訂正事項3について
上記訂正事項3は、「変更がする」を「変更する」と誤記の訂正をするものであるから、特許法第126条第1項第2号に掲げられた誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。

(4)訂正事項4?5について
上記訂正事項4?5は、上記訂正事項2において検討した理由と同様の理由で、本件特許明細書において、対象とする図柄変動パターンが停止予定図柄の組合せであることを明らかにするものであるから、特許法第126条第1項第3号に掲げられた明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(5)小括
上記訂正事項1?2、4?5は、本件特許明細書に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、上記訂正事項3は、願書に最初に添付した明細書又は図面の範囲内においてされたものであるから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
そして、上記訂正事項3は、誤記の訂正を目的とするものであるから、同法同条第7項により規定される、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができたか否かについて検討する。
本件訂正後の請求項1?3に係る特許発明について、特許出願の際に独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2?3号に掲げる事項を目的とするものである。また、同条第5?7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当たりを判定するための遊技制御手段と、
前記遊技制御手段からの一方向のコマンドにもとづいて、図柄表示装置に表示する図柄を制御するための図柄表示制御手段とを備える遊技機において、
前記遊技制御手段には、
前記当たりの判定にもとづいて、前記図柄表示装置に停止させる停止予定図柄の組合せパターンを指定する停止図柄グループを決定するための停止図柄グループ決定手段と、
前記停止図柄グループ決定手段より決定された前記停止図柄グループを指定するコマンドを図柄表示制御手段に送信するためのコマンド送信手段とを備え、前記図柄表示制御手段には、
前記コマンド送信手段から送信された前記コマンドを受信するためのコマンド受信手段と、
前記コマンド受信手段により受信した前記コマンドにもとづいて、前記停止予定図柄の組合せを決定するための停止予定図柄決定手段とを備え、
前記遊技制御手段には、
遊技情報を図柄表示制御手段に送信するための遊技情報送信手段を備え、
前記図柄表示制御手段には、
前記遊技情報送信手段から送信された前記遊技情報を受信するための遊技情報受信手段を備え、
前記停止予定図柄決定手段は、前記コマンド受信手段により受信した前記コマンドと、前記遊技情報受信手段により受信した前記遊技情報とにもとづいて、前記停止予定図柄の組合せを決定していることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技情報には、少なくとも保留球数や特定の遊技状態であることの情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記停止予定図柄決定手段は、
前記遊技情報受信手段が、保留球数が一定未満であるという遊技情報、特定の遊技状態でないという遊技情報を受信した場合は、前記コマンド受信手段が受信したコマンドに関わらず、リーチとなる図柄の組合せを選択するようにしていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ機等の遊技機に関し、特にメイン基板等の遊技制御手段から、サブ基板等の図柄表示制御手段へのデータ送信において、データの送信量を軽減することができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、メイン基板等の遊技制御手段において、停止予定図柄の組合せや、リーチ等の図柄変動パターンを、サブ基板等の図柄表示制御手段に送信していた。
【0003】
しかし、上記した従来の送信方法では、データの送信量が多いという第一の問題点があった。
【0004】
また、従来の送信方法では、図柄の種類や数を変更する際に、サブ基板等の図柄表示制御手段のプログラムを変更するばかりでなく、メイン基板等の遊技制御手段のプログラムの変更が必要となるという第二の問題点があった。
【0005】
さらに、従来の送信方法では、メイン基板等の遊技制御手段において、停止予定図柄の組合せや、リーチ等の図柄変動パターンを決定するため、メイン基板等の遊技制御手段のプログラムの容量が比較的、大きくなるという第三の問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点のうち、停止予定図柄の組合せに関する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
すなわち、請求項1に記載の発明は、メイン基板等の遊技制御手段において、前記図柄表示装置に停止させる停止予定図柄の組合せパターンを指定する停止図柄グループを決定し、このコマンドをサブ基板等の図柄表示制御手段に送信し、サブ基板等の図柄表示制御手段において、停止予定図柄の組合せを決定することができるようにしたものである。
【0007】
したがって、請求項1に記載の発明は、従来の通信方法に比較し、データの送信量を低減することができるようにしたものである。
【0008】
また、請求項1に記載の発明は、メイン基板等の遊技制御手段において、図柄表示装置に停止させる停止予定図柄の組合せパターンを指定する停止図柄グループを決定しているので、サブ基板等の図柄表示制御手段のプログラムを変更するだけで、メイン基板等の遊技制御手段のプログラムを変更することなく、図柄の種類や数を変更することが可能である。
【0009】
さらに、請求項1に記載の発明は、メイン基板等の遊技制御手段において、前記図柄表示装置に停止させる停止予定図柄の組合せパターンを指定する停止図柄グループを決定しているだけなので、従来の技術のように、メイン基板等の遊技制御手段において、停止予定図柄の組合せを決定する場合に比較して、メイン基板等の遊技制御手段のプログラムの容量を軽減することができる。
また、請求項1に記載の発明は、コマンドと、遊技情報とにもとづいて、サブ基板等の図柄表示制御手段における停止予定図柄の組合せを変更することができるようにしたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
【0011】
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0013】
第一に、遊技機(10)には、例えば図1に例示するように、遊技制御手段(100)と、図柄表示制御手段(200)とを備える。
【0014】
上記遊技制御手段(100)は、当たりを判定するためのものである。
【0015】
なお、遊技制御手段(100)は、入賞の判定に限らず、遊技全般を制御している。
【0016】
前記図柄表示制御手段(200)は、遊技制御手段(100)からの一方向のコマンドにもとづいて、図柄表示装置(500)に表示する図柄を制御するためのものである。
【0017】
第二に、遊技制御手段(100)には、例えば図1に例示するように、停止図柄グループ決定手段(120)と、コマンド送信手段(140)とを備える。
【0018】
上記停止図柄グループ決定手段(120)は、入賞の判定にもとづいて、図柄表示装置(500)に停止させる停止予定図柄の組合せパターンを指定する停止図柄グループを決定するためのものである。
【0019】
前記コマンド送信手段(140)は、停止図柄グループ決定手段(120)より決定された停止図柄グループを指定するコマンドを図柄表示制御手段(200)に送信するためのものである。
【0020】
第三に、図柄表示制御手段(200)には、例えば図1に例示するように、コマンド受信手段(210)と、停止予定図柄決定手段(231)とを備える。
【0021】
上記コマンド受信手段(210)は、コマンド送信手段(140)から送信されたコマンドを受信するためのものである。
【0022】
前記停止予定図柄決定手段(231)は、コマンド受信手段(210)により受信したコマンドにもとづいて、停止予定図柄の組合せを決定するためのものである。
【0023】
第四に、遊技制御手段(100)には、例えば図1に例示するように、遊技情報送信手段(150)を備える。
【0024】
上記遊技情報送信手段(150)は、遊技情報を図柄表示制御手段(200)に送信するためのものである。
【0025】
第五に、図柄表示制御手段(200)には、例えば図1に例示するように、遊技情報受信手段(220)を備える。
【0026】
上記遊技情報受信手段(220)は、遊技情報送信手段(150)から送信された遊技情報を受信するためのものである。
【0027】
第六に、停止予定図柄決定手段(231)は、コマンド受信手段(210)により受信したコマンドと、遊技情報受信手段(220)により受信した遊技情報とにもとづいて、停止予定図柄の組合せを決定するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
(図面の説明)
図1?2は、本発明の実施の形態の一例を示すものである。
【0029】
図1は、遊技機の概略ブロック図、図2は遊技機の動作を説明するためのフローチャートをそれぞれ示すものである。
(遊技機10)
図中、10は、遊技機を示すものである。
【0030】
なお、遊技機10は、パチンコ機に限らない。
【0031】
上記遊技機10は、図1に示すように、大別すると、次の手段を備える。
【0032】
(1)遊技制御手段100
(2)図柄表示制御手段200
なお、遊技機10の手段は、上記した(1)?(2)に限定されない。
(遊技制御手段100)
遊技制御手段100は、当たりを判定するためのものである。
【0033】
なお、遊技制御手段(100)は、入賞の判定に限らず、遊技全般を制御している。
【0034】
また、遊技制御手段100は、いわゆるメイン基板に相当するが、これに限定されるものでない。
【0035】
具体的には、遊技制御手段100は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図1に示すように、次の手段として機能する。
【0036】
(1)当たり判定手段110
(2)停止図柄グループ決定手段120
(3)賞球払出制御手段130
(4)コマンド送信手段140
(5)遊技情報送信手段150
なお、遊技制御手段100の手段は、上記した(1)?(5)に限定されない。
(遊技制御手段100の入力段)
上記遊技制御手段100の入力段には、図1に示すように、入賞球検出装置300が接続されている。
【0037】
上記入賞球検出装置300は、図示しないが、入賞球を検出するためのものである。
【0038】
なお、遊技制御手段100の入力段に接続される装置は、入賞球検出装置300に限定されない。
(遊技制御手段100の出力段)
上記遊技制御手段100の出力段には、図1に示すように、賞球払出装置400が接続されている。
【0039】
上記賞球払出装置400は、図示しないが、遊技結果にもとづいて、賞球を払い出すためのものである。
【0040】
なお、遊技制御手段100の出力段に接続される装置は、賞球払出装置400に限定されない。
(図柄表示制御手段200)
図柄表示制御手段200は、遊技制御手段100からの一方向のコマンドにもとづいて、図柄表示装置500に表示する図柄を制御するためのものである。
【0041】
なお、図柄表示制御手段200は、いわゆるサブ基板に相当するが、これに限定されるものでない。
【0042】
具体的には、図柄表示制御手段200は、図示しないが、CPUを中心に構成され、ROM、RAM、I/O等を備えている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、図1に示すように、次の手段として機能する。
【0043】
(1)コマンド受信手段210
(2)遊技情報受信手段220
(3)表示決定手段230
(4)表示履歴記憶手段240
(図柄表示制御手段200の出力段)
図柄表示制御手段200の出力段には、図1に示すように、図柄表示装置500が接続されている。
【0044】
上記図柄表示装置500は、図示しないが、液晶等を利用して図柄を表示するためのものである。
【0045】
なお、遊技制御手段100の出力段に接続される装置は、図柄表示装置500に限定されない。
(当たり判定手段110)
当たり判定手段110は、乱数を用いて、大当たりを含む当たりを判定するためのものである。
【0046】
具体的には、当たり判定手段110は、乱数を抽出し、抽出した乱数(値)にもとづいて大当たりを判定する。
(停止図柄グループ決定手段120)
停止図柄グループ決定手段120は、入賞の判定にもとづいて、図柄表示装置500に停止させる停止予定図柄の組合せパターンを指定する停止図柄グループを決定するためのものである。
【0047】
上記停止図柄グループには、例えば次の停止図柄グループがある。
【0048】
なお、停止図柄グループは、次の(1)?(3)に限定されない。
【0049】
(1)大当たりグループ
大当たりグループは、大当たりとなる図柄の組合せである。
【0050】
(2)リーチグループ
リーチグループは、リーチとなる図柄の組合せである。
【0051】
リーチグループは、例えば次の停止図柄グループに分かれる。
【0052】
(2-1)スーパーリーチグループ
スーパーリーチグループは、いわゆるスーパーリーチ(以下、「スーパーリーチ」という。)と呼ばれ、変動時間が長く、大当たりとなる信頼性が高い。具体的には、スーパーリーチグループは、リーチとなる図柄の組合せのうち、一致しない図柄が当たり図柄の+1若しくは-1の組合せである。
【0053】
(2-2)ノーマルリーチグループ
ノーマルリーチグループは、いわゆるノーマルリーチ(以下、「ノーマルリーチ」という。)と呼ばれ、変動時間が短く、大当たりとなる信頼度が低い。具体的には、ノーマルリーチグループは、上記スーパーリーチグループ以外のリーチとなる図柄の組合せである。
【0054】
(3)外れグループ
外れグループは、大当たり及びリーチとならない、例えば外れの図柄の組合せである。
【0055】
具体的には、停止図柄グループ決定手段120は、図1に示すように、次の手段を備える。
【0056】
なお、停止図柄グループ決定手段120の手段は、次の(1)?(3)に限定されない。
【0057】
(1)大当たりグループ決定手段121
大当たりグループ決定手段121は、当たり判定手段110による判定結果にもとづいて、大当たりとなる図柄の組合せパターンを指定する停止図柄グループ、すなわち前記大当たりグループを決定するためのものである。
【0058】
その結果、後述するコマンド送信手段140からは、大当たりグループを意味するコマンドが送信される。
【0059】
(2)リーチグループ決定手段122
リーチグループ決定手段122は、当たり判定手段110による判定結果にもとづいて、リーチとなる図柄の組合せパターンを指定する停止図柄グループ、すなわち前記スーパーリーチグループ又はノーマルリーチグループを決定するためのものである。
【0060】
その結果、後述するコマンド送信手段140からは、スーパーリーチグループ又はノーマルリーチグループを意味するコマンドが送信される。
【0061】
(3)外れグループ決定手段123
外れグループ決定手段123は、当たり判定手段110による判定結果にもとづいて、大当たり及びリーチ以外の図柄の組合せパターンを指定する停止図柄グループ、すなわち前記外れグループを決定するためのものである。
【0062】
その結果、後述するコマンド送信手段140からは、外れグループを意味するコマンドが送信される。
(賞球払出制御手段130)
賞球払出制御手段130は、遊技結果にもとづいて、賞球払出装置400を制御するためのものである。
(コマンド送信手段140)
コマンド送信手段140は、停止図柄グループ決定手段120より判定された停止図柄グループを指定するコマンドを図柄表示制御手段200に送信するためのものである。
【0063】
上記コマンドには、図1に示すように、次のコマンドがある。
【0064】
なお、コマンドの種類は、次の(1)?(2)に限定されない。
【0065】
(1)グループコマンド
(2)停止コマンド
停止コマンドは、図柄表示装置500に表示される図柄の変動を停止させるためのものである。
(遊技情報送信手段150)
遊技情報送信手段150は、遊技情報を図柄表示制御手段に送信するためのものである。
【0066】
上記遊技情報としては、保留球数や、遊技状態(例えば確率変動、時短等)に関するものである。
(コマンド受信手段210)
コマンド受信手段210は、コマンド送信手段140から送信された前記コマンドを受信するためのものである。
(遊技情報受信手段220)
遊技情報受信手段220は、遊技情報送信手段150から送信された遊技情報を受信するためのものである。
(表示決定手段230)
表示決定手段230は、図1に示すように、次の手段を備える。
【0067】
なお、表示決定手段230の手段は、次の(1)?(2)に限定されない。
【0068】
(1)停止予定図柄決定手段231
停止予定図柄決定手段231は、コマンド受信手段210により受信したコマンドにもとづいて、停止予定図柄の組合せを決定するためのものである。
【0069】
例えば、大当たりグループを意味するコマンドを受信した場合には、停止予定図柄決定手段231は、例えば図柄の抽選を行い、大当たりとなる図柄の組合せを決定する。
【0070】
なお、停止予定図柄決定手段231は、図柄の抽選することなく、図柄の組合せを決定しても良い。
【0071】
例えば、スーパーリーチグループを意味するコマンドを受信した場合には、停止予定図柄決定手段231は、例えば図柄の抽選を行い、リーチとなる図柄の組合せのうち、スーパーリーチの図柄の組合せを決定する。
【0072】
例えば、ノーマルリーチグループを意味するコマンドを受信した場合には、停止予定図柄決定手段231は、例えば図柄の抽選を行い、リーチとなる図柄の組合せのうち、ノーマルリーチの図柄の組合せを決定する。
【0073】
例えば、外れグループを意味するコマンドを受信した場合には、停止予定図柄決定手段231は、例えば図柄の抽選を行い、大当たり及びリーチとならない、例えば外れの図柄の組合せを決定する。
【0074】
一方、停止予定図柄決定手段231は、コマンド受信手段210により受信したコマンドに加えて、遊技情報受信手段220により受信した遊技情報にもとづいて、停止予定図柄の組合せを決定している。
【0075】
例えば、保留球数が一定以上の時、又は特定遊技状態中であるという遊技情報を受信した場合には、停止予定図柄決定手段231は、スーパーリーチグループやノーマルリーチグループを意味するコマンドを受信した場合であっても、リーチにならない図柄の組合せを選択する。
【0076】
逆に、例えば、保留球数が一定未満の時、又は特定遊技状態でないという遊技情報を受信した場合には、停止予定図柄決定手段231は、外れグループを意味するコマンドを受信した場合であっても、リーチになるような図柄の組合せを選択する。
【0077】
一方、停止予定図柄決定手段231は、コマンド受信手段210により受信したコマンドと、遊技情報受信手段220により受信した遊技情報と、後述する表示履歴記憶手段240に記憶された履歴データとにもとづいて、停止予定図柄の組合せを決定している。
【0078】
例えば、履歴データにおいて、過去30回の変動において、一度もリーチとなっていない場合には、停止予定図柄決定手段231は、外れグループを意味するコマンドを受信した場合であっても、リーチになるような図柄の組合せを選択する。
【0079】
勿論、停止予定図柄決定手段231は、遊技情報を考慮せずに、単にコマンドにもとづいて、停止予定図柄の組合せを決定しても良い。
【0080】
(2)図柄変動パターン決定手段232
図柄変動パターン決定手段232は、コマンド受信手段210により受信したコマンドにもとづいて、停止予定図柄決定手段231により決定された停止予定図柄の変動パターンを決定するためのものである。
【0081】
例えば、大当たりグループを意味するコマンドを受信した場合には、図柄変動パターン決定手段232は、大当たりとなる図柄の変動パターンを決定する。
【0082】
例えば、スーパーリーチグループを意味するコマンドを受信した場合には、図柄変動パターン決定手段232は、変動時間の長い、スーパーリーチとなる図柄の変動パターンを決定する。
【0083】
例えば、ノーマルリーチグループを意味するコマンドを受信した場合には、図柄変動パターン決定手段232は、変動時間の短い、ノーマルリーチとなる図柄の変動パターンを決定する。
【0084】
例えば、外れグループを意味するコマンドを受信した場合には、図柄変動パターン決定手段232は、大当たり及びリーチとならない、例えば外れの図柄の変動パターンを決定する。
【0085】
一方、図柄変動パターン決定手段232は、コマンド受信手段210により受信したコマンドに加えて、遊技情報受信手段220により受信した遊技情報にもとづいて、停止予定図柄の変動パターンを決定している。
【0086】
例えば、保留球数が一定以上の時、又は特定遊技状態中であるという遊技情報を受信した場合には、停止予定図柄決定手段231は、スーパーリーチグループやノーマルリーチグループを意味するコマンドを受信した場合に、短時間で変動が終了する変動パターンを選択する。
【0087】
一方、図柄変動パターン決定手段232は、コマンド受信手段210により受信したコマンドと、遊技情報受信手段220により受信した遊技情報と、後述する表示履歴記憶手段240に記憶された履歴データとにもとづいて、停止予定図柄の変動パターンを決定している。
【0088】
例えば、履歴データにおいて、過去30回の変動において、一度もリーチとなっていない場合には、外れグループを意味するコマンドを受信した場合であっても、停止予定図柄決定手段231がリーチになるような図柄の組合せを選択するほか、図柄変動パターン決定手段232は、リーチの変動パターンを選択する。
【0089】
また、例えば、過去10回のリーチの変動で特定の変動パターンしか出現していない場合には、図柄変動パターン決定手段232は、他の変動パターンを選択する。
【0090】
勿論、図柄変動パターン決定手段232は、遊技情報を考慮せずに、単にコマンドにもとづいて、停止予定図柄の変動パターンを決定しても良い。
(表示履歴記憶手段240)
表示履歴記憶手段240は、図柄表示装置500に過去に表示された停止図柄と、過去の図柄変動パターンとを記憶するためのものである。
【0091】
なお、上記過去とは、特定の遊技回数、例えば過去10回を指している。勿論、過去は、過去10回に限定されず、過去1?9回、或いは11回以上でも良く、電源投入時から直前の遊技迄でも良い。
【0092】
具体的には、表示履歴記憶手段240は、図1に示すように、次の手段を備える。
【0093】
なお、表示履歴記憶手段240の手段は、次の(1)?(2)に限定されない。
【0094】
(1)停止図柄記憶手段241
停止図柄記憶手段241は、図柄表示装置500に過去に表示された停止図柄を記憶するためのものである。
【0095】
(2)図柄変動パターン記憶手段242
図柄変動パターン記憶手段242は、過去の図柄変動パターンを記憶するためのものである。
(動作)上記した構成を有する遊技機10は、図2に示すように、次のように動作する。
【0096】
上記図2は、メイン側の遊技制御手段100の停止図柄グループ決定処理を示すものである。
【0097】
まず、図2に示すように、ステップ1に進み、大当たり判定処理が行われる。
【0098】
上記処理は、当たり判定手段110により実行される。
【0099】
前記処理後、ステップ1から、図2に示すように、次のステップ2に進み、大当たりか否かが判断される。
【0100】
上記判断は、停止図柄グループ決定手段120の大当たりグループ決定手段121により実行される。
【0101】
前記判断の結果、大当たりでない場合には、ステップ2から、図2に示すように、次のステップ3に進み、リーチか否かが判断される。
【0102】
上記判断は、停止図柄グループ決定手段120のリーチグループ決定手段122により実行される。
【0103】
前記判断の結果、リーチの場合には、ステップ3から、図2に示すように、次のステップ4に進み、スーパーリーチか否かが判断される。
【0104】
上記判断は、停止図柄グループ決定手段120のリーチグループ決定手段122により実行される。
【0105】
前記判断の結果、スーパーリーチの場合には、ステップ4から、図2に示すように、次のステップ5に進み、停止図柄グループを、スーパーリーチグループに指定する。
【0106】
上記指定は、停止図柄グループ決定手段120のリーチグループ決定手段122により実行される。
【0107】
前記指定後、ステップ5から、図2に示すように、次のステップ6に進み、指定された停止図柄グループを、サブ側である図柄表示制御手段200に送信する。
【0108】
上記ステップ5から進んできた場合には、スーパーリーチグループを意味するコマンドが送信される。
【0109】
上記送信は、コマンド送信手段140により実行される。
【0110】
一方、先のステップ2の判断の結果、大当たりの場合には、図2に示すように、次のステップ7に進み、停止図柄グループを、大当たりグループに指定する。
【0111】
上記指定後、ステップ7から、図2に示すように、前述したステップ6に進む。
【0112】
一方、先のステップ3の判断の結果、リーチでない場合には、図2に示すように、ステップ8に進み、停止図柄グループを、外れグループに指定する。
【0113】
上記指定後、ステップ8から、図2に示すように、前述したステップ6に進む。
【0114】
一方、先のステップ4の判断の結果、スーパーリーチでない場合には、図2に示すように、ステップ9に進み、停止図柄グループを、ノーマルリーチグループに指定する。
【0115】
上記指定後、ステップ9から、図2に示すように、前述したステップ6に進む。
【0116】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
請求項1に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
【0117】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、メイン基板等の遊技制御手段において、前記図柄表示装置に停止させる停止予定図柄の組合せパターンを指定する停止図柄グループを決定し、このコマンドをサブ基板等の図柄表示制御手段に送信し、サブ基板等の図柄表示制御手段において、停止予定図柄の組合せを決定することができる。
【0118】
したがって、請求項1に記載の発明によれば、従来の通信方法に比較し、データの送信量を低減することができる。
【0119】
また、請求項1に記載の発明によれば、メイン基板等の遊技制御手段において、図柄表示装置に停止させる停止予定図柄の組合せパターンを指定する停止図柄グループを決定しているので、サブ基板等の図柄表示制御手段のプログラムを変更するだけで、メイン基板等の遊技制御手段のプログラムを変更することなく、図柄の種類や数を変更がすることが可能である。
【0120】
さらに、請求項1に記載の発明によれば、メイン基板等の遊技制御手段において、前記図柄表示装置に停止させる停止予定図柄の組合せパターンを指定する停止図柄グループを決定しているだけなので、従来の技術のように、メイン基板等の遊技制御手段において、停止予定図柄の組合せを決定する場合に比較して、メイン基板等の遊技制御手段のプログラムの容量を軽減することができる。
【0121】
また、請求項1に記載の発明によれば、コマンドと、遊技情報とにもとづいて、サブ基板等の図柄表示制御手段における停止予定図柄の組合せを変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技機の概略ブロック図である。
【図2】遊技機の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 遊技機 100 遊技制御手段
110 当たり判定手段 120 停止図柄グループ決定手段
121 大当たりグループ決定手段 122 リーチグループ決定手段
123 外れグループ決定手段 130 賞球払出制御手段
140 コマンド送信手段 150 遊技情報送信手段
200 図柄表示制御手段 210 コマンド受信手段
220 遊技情報受信手段 230 表示決定手段
231 停止予定図柄決定手段 232 図柄変動パターン決定手段
240 表示履歴記憶手段 241 停止図柄記憶手段
242 図柄変動パターン記憶手段 300 入賞球検出装置
400 賞球払出装置 500 図柄表示装置
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2012-08-27 
出願番号 特願2000-61465(P2000-61465)
審決分類 P 1 41・ 855- Y (A63F)
P 1 41・ 854- Y (A63F)
P 1 41・ 853- Y (A63F)
P 1 41・ 856- Y (A63F)
P 1 41・ 852- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 篠崎 正  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 吉村 尚
瀬津 太朗
登録日 2010-06-04 
登録番号 特許第4521702号(P4521702)
発明の名称 遊技機  
代理人 黒田 博道  
代理人 黒田 博道  

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