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審決分類 |
審判 一部無効 2項進歩性 C01B 審判 一部無効 1項3号刊行物記載 C01B |
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管理番号 | 1265028 |
審判番号 | 無効2012-800029 |
総通号数 | 156 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-12-28 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2012-03-14 |
確定日 | 2012-10-22 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第4758655号発明「表面処理シリカ微粒子」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本件特許第4758655号の請求項1?4に係る発明は、平成17年1月31日に特許出願され、平成23年6月10日にその特許の設定登録がなされたものである。 これに対し、大島一宏から平成24年3月14日付けで請求項1係る発明の特許について無効審判の請求がなされたところ、その後の手続の経緯は、次のとおりである。 答弁書: 平成24年 5月31日 口頭審理陳述要領書(請求人): 平成24年 8月16日 口頭審理陳述要領書(被請求人): 平成24年 8月23日 上申書(被請求人): 平成24年 8月24日 第2.本件特許発明 本件無効審判請求の対象となった請求項1に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのもの(以下、「本件発明」という。)である。 【請求項1】 シリコーンオイルにて処理された平均一次粒子径が50?200nmである表面処理シリカ微粒子であり、該表面処理シリカ微粒子のメタノール滴定法による疎水化度が65容量%以上であり、且つメタノール濃度が60容量%のメタノール水における浮遊率が90%以上であることを特徴とする表面処理シリカ微粒子。 第3.請求人の主張と証拠方法 1.請求人の主張 請求人は、証拠方法として甲第1号証?甲第9号証を提出し、審判請求書、及び口頭審理(口頭審理陳述要領書、第1回口頭審理調書を含む)において、主張したことを整理すると、概ね次のとおり主張している。 本件発明は、甲第2号証の記載を参酌すると甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであり、仮にそうでないとしても、甲第1?2号証または甲第1?9号証に記載された発明から容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し無効とすべきである。 2.甲号証の記載事項及び視認事項 (1)甲第1号証:特開2004-168559号公報 (1-1)「【請求項1】 疎水率95%以上および疎水化度が76%以上であって、粒径10?70μmの範囲に集中した分布密度を有することを特徴とする高分散高疎水性シリカ粉末。」(特許請求の範囲の請求項1) (1-2)「本発明は、従来の疎水化粉末における上記問題を解決したものであり、疎水率と共に疎水化度が高く、かつ分散性に優れており、従って、トナー添加剤として用いた場合に優れた画像特性が得られる高分散高疎水性シリカ粉末とその製造方法を提供する。」(【0006】) (1-3)「本発明のシリカ粉末において、粒径10?70μmの範囲に集中した分布密度を有するとは、例えば、粒径10?70μmの範囲について、この範囲内の分布頻度が10%以上であって、範囲外の分布頻度が2%以下であることを云う。具体的には、例えば1μm?500μmの粒度範囲において、この粒度範囲をn(1<n<100)に区分した際に、隣接する区分に含まれる粒子の分布指数の比〔log[f(i)/f(i-1)]〕が0.05より大きく0.07未満であるとき、すなわち、i番目の区分の粒子径をf(i)としたとき、0.05<log(f(i)/f(i-1))<0.07であるとき、粒径10?70μmの範囲内の分布頻度が10%以上であって、この範囲外の分布頻度が2%以下であることを云う。好ましくは、粒径10?70μmの範囲内の分布頻度が12%以上であって、この範囲外の分布頻度が1.5%以下であるものが良い。 なお、分布指数の比〔log[f(i)/f(i-1)]〕が上記範囲より大きいと分散性の程度が判別し難い。また、粒径10?70μmの範囲内および範囲外の分布頻度がおのおの上記範囲を外れると凝集粒子が多く、分散し難くなる。」(【0011】?【0012】) (1-4)「一般に、表面処理シリカ粉末は一次粒子がナノメータレベルのものの凝集体である。液中で分散の強度を強めた場合、部分的には一次粒子レベルまで分散されることもあるが、実際に用いられる系では、分散強度は大きく異なることはないのが普通であり、従って凝集体を維持するものが多い。本発明はこれを簡単に迅速に分散させるには、粒度分布をある条件、すなわち粒径を10?70μmに集中させることによって凝集体が分散し易いことを見出した。粒径が70μmより大きいと単独で存在する粒子が現れたり、また粒径が10μmより小さいとダストや画像汚染の問題を生ずる。」(【0013】) (1-5)「〔製造方法〕 本発明の上記疎水性と分散性を有する表面処理シリカ粉末は、例えば、シリコーンオイル系処理剤によって一次表面処理し、この一次処理粉末を解砕し、さらに解砕粉末をアルキルシラザン系処理剤によって二次表面処理する処理工程を有し、処理粉末が上記疎水率、疎水化度および上記分布頻度を有するように処理条件を調整して表面処理と解砕処理を行うことによって製造することができる。なお、解砕処理は一次表面処理と同時に行っても良い。」(【0014】) (1-6)「【実施例】 本発明の実施例および比較例を以下に示す。なお、各測定法は以下のとおりである。 ・・・・・・。 (3)疎水化度:シリカ粉末試料0.20g(0.20±0.01g)を秤取し、純水50mlを加え、マグネチックスターラで撹拌しながら、シリカ粉末が液面に浮いた状態で液面下にメタノールを注入し、液面上にシリカ粉末試料が認められなくなったときを終点とする。メタノール使用量をXとし、次式に従って疎水化度(M.W.)を求める。 疎水化度 M.W.(%)=X/(50+X)・100 なお、疎水化度に対応するメタノール量Mは、例えば、疎水化度75%のときM=150.0ml、疎水化度80%のときM=200.0mlであり、疎水化度の差が見掛け上小さくてもメタノール量の差は大きい。 (4)疎水均一性(メタノールウェッタビリィティー法に基づくメタノール液に対する濡れ性の評価):試料を遠沈管に入れ、この遠沈管に濃度の異なるメタノール溶液を各々入れて蓋をし、ターブラーミキサーで分散させた後に、シリカ粉末が沈降を開始するメタノール濃度とシリカ全量が沈降するメタノール濃度を測定し、その差によって示した。 ・・・・・・ [実施例1] オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン10,000重量部で希釈した溶液に、フュームドシリカ(商品名AEROSIL200・・・・・・)100重量部を徐々に添加し、100℃以上で反応させた後に溶剤を除去した。その後、ピン式解砕装置を用いて解砕処理したものを、90%のメタノール水10重量部、へキサメチレンジシラザン10重量部をヘキサン10,000重量部に溶解させた液に入れて反応させ、溶剤および副生成物を除去して疎水化シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。・・・・・・。 [実施例2] オルガノポリシロキサン(50cs)40重量部をヘキサン10,000重量部で希釈した溶液に、フュームドシリカ(商品名AEROSIL380、比表面積380m^(2)/g、日本アエロジル株式会社製)100重量部を徐々に添加し、100℃以上で反応させた後に溶剤を除去した。・・・・・・。 [実施例3] フュームドシリカ(商品名AEROSIL50,比表面積50m^(2)/g、日本アエロジル社製)100重量部を用い、オルガノポリシロキサン(50cs)10重量部をヘキサン10000重量部で希釈した溶液を用い、またヘキサメチルジシラザン10重量部と共にヘキサン10000重量部を用いた以外は実施例1と同様にして疎水化シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。・・・・・・。 ・・・・・・ [実施例5] フュームドシリカ(商品名AEROSIL200,比表面積200m^(2)/g、日本アエロジル社製)100重量部を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン100重量部で希釈した溶液を反応槽に導入して表面処理を行い、さらに、300℃で2時間加熱撹拌して溶剤を除去した。その後、衝突式解砕装置を用いて解砕処理を行った。次に、窒素雰囲気下、撹拌しながら、50%メタノール水2重量部を添加し、ヘキサメチルジシラザン10重量部を滴下し、200℃で1時間加熱撹拌、更にアンモニアを除去した後に冷却した。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。・・・・・・。 ・・・・・・ [実施例7] 実施例5において、一次表面処理した後に解砕処理することに代えて、一次表面処理の工程で同時にピン式解砕装置を用いて解砕処理を行う以外は実施例5と同様にして疎水性シリカ粉末を得た。・・・・・・。」(【0018】?【0026】) (1-7) (2)甲第2号証:「ナノマテリアル情報提供シート 材料名 火炎加水分解法、または燃焼加水分解法と呼ばれる乾燥法によって製造されたシリカ 事業者名 日本アエロジル株式会社」 経済産業省 平成22年3月公表 1、10、21、64頁 http://www.meti.go.jp/policy/chemica_management/files/nanomaterial/100331Si-2.pdf (2-1)「その粒子の形状と大きさを確認するためには電子顕微鏡観察が唯一の直接的方法となっている。透過型電子顕微鏡写真(TEM)は解像度は抜群である(<0.2nm、約700万倍まで拡大)が、二次元的な印象しか伝えてくれない。」(21頁左欄1?6行) (2-2)「一次粒子粒度分布」と題する、縦軸に「頻度(%)」、横軸に「粒子径(nm)」としたグラフには、「AEROSIL 50」が1.25?83.8nmの範囲に分布していることが見て取れる。(64頁) (3)甲第3号証:特開平7-271087号公報 (4)甲第4号証:特開平8-292598号公報 (5)甲第5号証:特開平4-274250号公報 (6)甲第6号証:特開2002-174926号公報 (7)甲第7号証:TEMPLE. C. PATTON著、植木憲二監訳 栃原重三、今岡保郎訳「塗料の流動と顔料分散」共立出版株式会社 昭和46年5月1日発行 189頁 (8)甲第8号証:「【有機,無機材料における】表面処理・改質の上手な方法とその評価」株式会社技術情報協会 2004年3月29日発行 3頁 (9)甲第9号証:実験成績証明書 甲第2号証の公表は平成22年3月とされているが、甲第2号証の10頁「Technical Buulletin Fine Particles Number 11 フュームドシリカ AEROSIL^(R )の基本特性」と記載された頁の中央最下行に「2004年」との記載が読み取れ、また、後述する請求人が提出しなかった同号証の41頁の表の下部に「2004年9月現在」との記載があることからみて、本件特許に係る特許出願の出願日(平成17年1月31日)前の技術常識を記載した文献であるとして扱う。なお、被請求人は甲第2号証の公知性について争っていない。 第4.被請求人の反論と証拠方法 1.被請求人は、請求人の上記無効理由の主張に対して乙第1号証?乙第3号証を提出し、答弁書、及び口頭審理(口頭審理陳述要領書、第1回口頭審理調書を含む)において、本件発明は、甲第2号証の記載を参酌しても甲第1号証に記載された発明でないし、甲第1?2、1?9号証に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもないと、反論している。 2.乙号証の記載事項 (10)乙第1号証:特許第4758655号公報(本件特許公報) (11)乙第2号証:特開2000-255158号公報 (11-1)「各種の気相法により合成された非晶性シリカ微粒子は、日本アエロジル社から入手した。具体的には、アエロジル50、MOX170、200(各々の一次平均粒子径は、30、15、12nm)であり、それぞれのBET法による比表面積は、50、170、200m^(2)/gである。また、比較用の液相法合成シリカとして、ニップシールE220A(日本シリカ社製、BET法比表面積130m^(2)/g)を用いた。」(【0045】) (12)乙第3号証:特開2002-144720号公報 (12-1)「実施例2 塗布液の微粒子シリカを1次粒子平均粒径30nmの気相法シリカ(日本アエロジル株式会社アエロジル50)に変えた以外は記録用紙105と同様にして記録用紙201を作製した。比較例として、塗布液の微粒子シリカ分散液を、平均粒径300nmのシリカゾル(日産化学工業株式会社製MP3040、固形分濃度40%)に変えた以外は記録用紙105と同様にして記録用紙202を作製した。作製した各々の記録用紙を実施例1に記載と同様に評価し、得られた評価結果を表2に示す。」(【0163】) 第5.本件審判請求に係る審理範囲 甲第3?9号証の提出及びそれらに基づく主張については、第1回口頭審理調書に記載されたとおり、請求の趣旨及び理由を変更することが明らかであるから、当審は特許法第131条の2第2項の規定により、当該提出及び主張を許可しないとの請求理由の補正諾否の決定を行っており、これらに基づく主張は審理対象としない。 第6.当審の判断 1.甲第1号証に記載された発明 ア 甲第1号証の(1-1)には、「疎水率95%以上および疎水化度が76%以上であって、粒径10?70μmの範囲に集中した分布密度を有する・・・・・・高分散高疎水性シリカ粉末」が記載されている。 イ 上記アの「高分散高疎水性シリカ粉末」の製造方法として、同(1-5)には、「本発明の上記疎水性と分散性を有する表面処理シリカ粉末は、・・・・・・シリコーンオイル系処理剤によって一次表面処理し、この一次処理粉末を解砕し、さらに解砕粉末をアルキルシラザン系処理剤によって二次表面処理する処理工程を有し、処理粉末が上記疎水率、疎水化度および上記分布頻度を有するように処理条件を調整して表面処理と解砕処理を行うことによって製造することができる」と記載され、その具体的な製造方法として、同(1-6)の実施例3に係る部分には、「フュームドシリカ(商品名AEROSIL50,比表面積50m^(2)/g、日本アエロジル社製)100重量部を用い、オルガノポリシロキサン(50cs)10重量部をヘキサン10000重量部で希釈した溶液を用い、またヘキサメチルジシラザン10重量部と共にヘキサン10000重量部を用いた以外は実施例1と同様にして疎水化シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。」と記載されている。 また、同(1-6)の実施例1に係る部分には、「オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン10,000重量部で希釈した溶液に、フュームドシリカ(商品名AEROSIL200・・・・・・)100重量部を徐々に添加し、100℃以上で反応させた後に溶剤を除去した。その後、ピン式解砕装置を用いて解砕処理したものを、90%のメタノール水10重量部、へキサメチレンジシラザン10重量部をヘキサン10,000重量部に溶解させた液に入れて反応させ、溶剤および副生成物を除去して疎水化シリカ粉末を得た。」とあり、オルガノポリシロキサン希釈溶液で処理した後、ピン式解砕装置を用いて解砕処理し、へキサメチレンジシラザンを含む溶液で処理することが記載されている。 ウ ここで、上記アの「高分散高疎水性シリカ粉末」の具体例である実施例3の「高分散高疎水化シリカ粉末」の製造を、上記イでみた製造方法に則してみてみる。 まず、実施例3の「フュームドシリカ・・・・・・を用いた以外は実施例1と同様にして疎水化シリカ粉末を得た。」との記載からみて、シリコーンオイル系処理剤による一次表面処理後に実施例1と同様の解砕処理をしていることは明らかである(当審注:実施例1の解砕処理は「ピン式解砕装置」を用いており、上記実施例3の記載をそのまま読むと、実施例3の解砕処理は「ピン式解砕装置」によるものとなるが、(1-7)の表1では、実施例3の解砕処理は「衝突式」と記載されており齟齬が生じているものの、解砕処理がなされていることは間違いないので、以下の検討では、解砕処理がなされているとして扱う。)。 次に、(1-7)の表1によれば、実施例3の「高分散高疎水化シリカ粉末」は、「分散性が優」で、「粒度分布:10-70μm外が頻度1%で10-70μm内が頻度10%」、「疎水化度:80%」、「疎水均一性:5%」であるといえる。 そうすると、実施例3では、シリカ粉末として「フュームドシリカ(商品名AEROSIL50,比表面積50m^(2)/g、日本アエロジル社製)」を用い、シリコーンオイル系処理剤として「オルガノポリシロキサン(50cs)10重量部をヘキサン10000重量部で希釈した溶液」によって一次表面処理し、この一次処理粉末を解砕し、さらに解砕粉末を「90%のメタノール水10重量部、へキサメチレンジシラザン10重量部をヘキサン10,000重量部に溶解させた液に入れて反応さ」せるアルキルシラザン系処理剤によって二次表面処理した、「分散性が優」で、「粒度分布:10-70μm外が頻度1%で10-70μm内が頻度10%」、「疎水化度:80%」、「疎水均一性:5%」の「高分散高疎水化シリカ粉末」を得たといえる。 エ そこで、上記ウで検討した実施例3の「高分散高疎水化シリカ粉末」に関する記載事項を「高分散高疎水化シリカ粉末」に着目して、甲第1号証の各記載を本件発明の記載ぶりに則して整理すると、甲第1号証には、 「フュームドシリカ(商品名AEROSIL50、比表面積50m^(2)/g、日本アエロジル社製)を用いシリコーンオイル系処理剤によって一次表面処理し、この一次処理粉末を解砕し、さらに解砕粉末をアルキルシラザン系処理剤によって二次表面処理した、分散性が優で、粒度分布:10-70μm外が頻度1%で10-70μm内が頻度10%、疎水化度:80%、疎水均一性:5%である高分散高疎水化シリカ粉末。」の発明(以下、「甲第1号証発明」という。)が記載されていると認める。 2.対比・判断 ア 本件特許発明と甲第1号証発明とを対比する。 イ 甲第1号証発明の「シリコーンオイル系処理剤」は、本件特許発明の「シリコーンオイル」に相当する。 ウ 本件特許発明の「シリコーンオイルにて処理された」とは、シリコーンオイルによる処理以外の処理がなされていてもよいから(第1回口頭審理調書を参照)、シリコーンオイル系処理剤によって一次表面処理し、アルキルシラザン系処理剤によって二次表面処理する甲第1号証発明も、本件特許発明でいう「シリコーンオイルにて処理された」ものである。 そして、本件特許発明の「表面処理シリカ微粒子」は、シリコーンオイルにて処理されているから高疎水化されたものである。 また、甲第1号証発明の「分散性が優」とは、甲第1号証の(1-2)からみてトナー添加剤として用いた時のことをいうと解され、本件特許明細書の【0001】の「本発明は、・・・・・・電子写真用トナーの外添剤として用いた場合に、トナーへのストレスによる帯電量の変化を効果的に抑制し、且つ、優れた転写効率の向上効果を発揮することが可能な表面処理シリカ微粒子を提供する。」との記載をみると、本件特許発明の「表面処理シリカ微粒子」もトナー添加剤として使用されるものであるから、分散性が優れるとみることが自然である。 エ 甲第1号証発明の「分散性が優で、粒度分布:10-70μm外が頻度1%で10-70μm内が頻度10%の高分散高疎水化シリカ粉末」は、その粒度分布からみて凝集されているものであるが、フュームドシリカ(商品名AEROSIL50、比表面積50m^(2)/g、日本アエロジル社製)を用いているから、本件特許発明の「表面処理シリカ微粒子」と「表面処理シリカ粉」である点で一致している。 ここで、シリカの疎水性に係る物性は、微粒子でも凝集したものでも変わらないと仮定して検討を続ける(この仮定について、相違点1の検討の末尾で再び触れる。)。 オ 甲第1号証発明の「疎水化度」に関し、甲第1号証の(1-6)に「シリカ粉末試料0.20g(0.20±0.01g)を秤取し、純水50mlを加え、マグネチックスターラで撹拌しながら、シリカ粉末が液面に浮いた状態で液面下にメタノールを注入し、液面上にシリカ粉末試料が認められなくなったときを終点とする。メタノール使用量をXとし、次式に従って疎水化度(M.W.)を求める。 疎水化度 M.W.(%)=X/(50+X)・100」と記載され、この記載は、本件特許明細書の【0068】に記載された「(疎水化度の測定)」に係る記載と実質的に同一であるから、甲第1号証発明の「疎水化度」は、容量%で表示された本件特許発明の「メタノール滴定法による疎水化度」に相当する。 そうすると、「疎水化度」に関し、本件特許発明と甲第1号証発明とは、80%、すなわち80容量%である点で一致している。 カ 甲第1号証発明の「疎水均一性」に関し、甲第1号証の(1-6)に「疎水均一性(メタノールウェッタビリィティー法に基づくメタノール液に対する濡れ性の評価):試料を遠沈管に入れ、この遠沈管に濃度の異なるメタノール溶液を各々入れて蓋をし、ターブラーミキサーで分散させた後に、シリカ粉末が沈降を開始するメタノール濃度とシリカ全量が沈降するメタノール濃度を測定し、その差によって示した。」と記載され、この記載によれば、「疎水均一性」とは、シリカ粉末試料をメタノール溶液に入れて分散させたとき、シリカ粉末が沈降を開始するメタノール濃度とシリカ全量が沈降するメタノール濃度の差であり、このシリカ全量が沈降するメタノール濃度とは、上記オの検討結果から、疎水化度であるといえる。 そうすると、甲第1号証発明において、シリカ粉末の疎水化度が80%であるから、そこから疎水均一性である5%を引いた75%は、シリカ粉末が沈降を開始するメタノール濃度であるといえ、この75%よりも低いメタノール濃度ではシリカ粉末は全量が沈降せず浮遊しており(言い換えると、浮遊率が100%)、「メタノール濃度が60容量%のメタノール水における浮遊率」は100%であるといえる。 よって、「メタノール濃度が60容量%のメタノール水における浮遊率」は、「100%」である点で一致している。 キ 上記検討を踏まえると、両者は、 「シリコーンオイルにて処理されたシリカ粉であり、該シリカ粉のメタノール滴定法による疎水化度が80容量%であり、且つメタノール濃度が60容量%のメタノール水における浮遊率が100%であるシリカ粉」である点で一致し、次の点で相違している。 相違点1:表面処理シリカ粉に関し、本件特許発明では表面処理シリカ微粒子であるのに対し、甲第1号証発明では、分散性が優で、粒度分布:10-70μm外が頻度1%で10-70μm内が頻度10%である高分散高疎水化シリカ粉末である点 相違点2:表面処理シリカ粉に関し、本件特許発明では平均一次粒子径50?200nmであるのに対し、甲第1号証ではフュームドシリカ(商品名AEROSIL50、比表面積50m^(2)/g、日本アエロジル社製)を用いているものの平均一次粒子径について特定のない点 ク そこで、まず、相違点1について検討する。 ケ 本件特許発明の表面処理シリカ微粒子についてみてみると、本件特許明細書には「【課題を解決するための手段】 ・・・・・・平均一次粒子径が50?200nmのシリカは、他の粒子径のシリカと比べて凝集性が著しく強く、均一なシリコーンオイル処理が行われていないという知見を得た。 本発明者らは、上記知見に基づき、更に検討を進めた結果、シリカ微粒子の凝集性がコントロールされた条件下でシリコーンオイル処理を行うことにより、該シリカ微粒子表面に均一なシリコーンオイル処理が達成された表面処理シリカ微粒子を得ることに成功し、かかる表面処理シリカ微粒子により、・・・・・・本発明を成功するに至った。」(【0008】?【0010】)と記載されており、本件特許発明の表面処理シリカ微粒子を得るに当たって、シリカ微粒子の凝集性がコントロールされた条件下でシリコーンオイル処理が行われているといえる。 コ また、本件特許明細書には、「本発明において、シリコーンオイル処理は、処理されたシリカが本発明の範囲内に含まれる方法であれば特に限定されるものではないが、後述の乾式処理法により、原体シリカ微粒子に凝集を生じさせない条件で、・・・・・・実施することが好ましい。 上記シリコーンオイル処理は、液体であるシリコーンオイルとシリカ微粒子表面とを、所定の熱処理により反応させるものである。処理法としては、トルエン等の溶媒中にシリコーンオイルを溶解させ、該溶液中にシリカを分散させ、溶媒を蒸発させることによりシリカ表面にシリコーンオイルを付着させ、更に所定の熱処理を行うことによる方法(湿式処理法)・・・・・・が挙げられる。」(【0048】?【0049】)と記載され、本件特許発明の表面処理シリカ微粒子を得るためには、湿式処理法を用いてもよいことが記載されているが、この湿式処理法について、具体的な処理方法を教示する記載は本件特許明細書中には見当たらず、ナノメータレベルのシリカ微粒子は凝集しやすいという一般的な性質があることを考慮すると、本件特許発明が湿式処理法によってなされた場合、シリカ微粒子の凝集性がコントロールされた条件下でシリコーンオイル処理がなされているとしても、全く凝集が生じていないとはいえない。 サ これに対して、甲第1号証の(1-4)に「表面処理シリカ粉末は一次粒子がナノメータレベルのものの凝集体である。液中で分散の強度を強めた場合、部分的には一次粒子レベルまで分散されることもあるが、実際に用いられる系では、分散強度は大きく異なることはないのが普通であり、従って凝集体を維持するものが多い。本発明はこれを簡単に迅速に分散させるには、粒度分布をある条件、すなわち粒径を10?70μmに集中させることによって凝集体が分散し易いことを見出した。」と記載されており、甲第1号証発明の「分散性が優で、粒度分布:10-70μm外が頻度1%で10-70μm内が頻度10%である高分散高疎水化シリカ粉末」は凝集体であっても分散しやすいものであるといえる。 シ そうすると、上記相違点1は、本件特許発明の表面処理シリカ微粒子は、凝集の程度が不明の凝集体であるのに対し、甲第1号証発明の高分散高疎水化シリカ粉末は、分散性が優で、粒度分布:10-70μm外が頻度1%で10-70μm内が頻度10%の凝集体である点、と言い換えることができる。 ス そこで、甲第1号証の(1-3)をみると、「本発明のシリカ粉末において、粒径10?70μmの範囲に集中した分布密度を有するとは、例えば、粒径10?70μmの範囲について、この範囲内の分布頻度が10%以上であって、範囲外の分布頻度が2%以下であることを云う。具体的には、例えば1μm?500μmの粒度範囲において、この粒度範囲をn(1<n<100)に区分した際に、隣接する区分に含まれる粒子の分布指数の比〔log[f(i)/f(i-1)]〕が0.05より大きく0.07未満であるとき、すなわち、i番目の区分の粒子径をf(i)としたとき、0.05<log(f(i)/f(i-1))<0.07であるとき、粒径10?70μmの範囲内の分布頻度が10%以上であって、この範囲外の分布頻度が2%以下であることを云う。好ましくは、粒径10?70μmの範囲内の分布頻度が12%以上であって、この範囲外の分布頻度が1.5%以下であるものが良い。 なお、分布指数の比〔log[f(i)/f(i-1)]〕が上記範囲より大きいと分散性の程度が判別し難い。」と記載されているが、例えば、nが50を大きく下回るとき、1μm?500μmの粒度範囲の区分が大きくなってしまい10?70μm内と外を区別できないし、また、nが50程度より大きくても、0.05<log(f(i)/f(i-1))<0.07なる条件式から凝集体の分布頻度がどのように定量的に与えられるか不明であるから、この記載を基にして、甲第1号証発明の「分散性が優で、粒度分布:10-70μm外が頻度1%で10-70μm内が頻度10%である凝集体」の凝集の程度である頻度分布が導出できず、甲第1号証発明の「高分散高疎水化シリカ粉末」は、せいぜい、粒度が10-70μm内の分布が多い凝集体としかいえない。 セ そうすると、甲第1号証発明の「分散性が優で、粒度分布:10-70μm外が頻度1%で10-70μm内が頻度10%である高分散高疎水化シリカ粉末」は、凝集の程度が不明の凝集体である本件特許発明の表面シリカ粉末と同一である可能性が完全に排除できないし、仮に同一でなくとも、甲第1号証の(1-6)の実施例7に、一次表面処理の工程、すなわち、シリコーンオイル系処理剤による処理時において解砕処理を行うことが記載されているから、甲第1号証発明においてシリコーンオイル系処理剤による一次表面処理で解砕を行うことにより、本件特許発明の表面処理シリカ微粒子を得るための凝集性がコントロールされた状態になる可能性がある。 なお、「メタノール滴定法による疎水化度」及び「メタノール濃度が60容量%のメタノール水における浮遊率」は、上述のとおり、本件特許発明と甲第1号証発明の一致点として扱ったが、甲第1号証発明の「分散性が優で、粒度分布:10-70μm外が頻度1%で10-70μm内が頻度10%である」凝集体は、本件特許明細書でいう凝集性がコントロールされた状態とは全く異なるものとしたとき、凝集の程度によって疎水性に係る物性の変化が起こるのであれば、一致点として扱った「メタノール滴定法による疎水化度」及び「メタノール濃度が60容量%のメタノール水における浮遊率」は相違点になる可能性が否定できない。 ソ しかしながら、後述する相違点2の検討の検討結果から明らかなように、相違点1の検討結果は審決の結論に影響を与えないので、これ以上の検討を加えない。 タ 次に、相違点2について検討する。 チ 本件特許発明でいう表面シリカ微粒子の平均一次粒子径は、原体シリカ微粒子の平均一次粒子径のことであり、シリコーンオイル処理によって平均一次粒子径が変わらないといえ、このことは、被請求人が認めていることである(口頭審理陳述要領書の2頁8?12行)。 ツ そこで、本件発明でいう「平均一次粒子径」とはどのように求められるものかについて、本件特許明細書の記載をみてみると、 「なお、本発明の表面処理シリカ微粒子の物性及び応用特性は、以下の方法により測定した。 ・・・・・・ (原体シリカ微粒子の平均一次粒子径の測定) 走査電子顕微鏡にて撮影した画像を画像解析して求めた。具体的には、倍率10万倍において、走査電子顕微鏡にて視野を変えて50の画像を撮影し、これを用いて2500個の原体シリカ微粒子について平均一次粒子径を画像解析し、個数平均を求めた。」(【0067】?【0070】)と記載されている。すなわち、本件発明でいう「平均一次粒子径」とは、走査型電子顕微鏡の観察視野内にあるすべての原体シリカ微粒子について平均一次粒子径を画像解析して個数平均から求められるものである。 テ 次に、甲第1号証発明において用いられる「フュームドシリカ(商品名AEROSIL50、比表面積50m^(2)/g、日本アエロジル社製)」ついて甲第2号証の記載をみてみると、その(2-1)に透過型電子顕微鏡によって粒子の形状と大きさを確認した旨の記載があり、同(2-2)の「一次粒子粒度分布」から視認される「AEROSIL 50」が1.25?83.8nmの範囲に分布していることは、透過型電子顕微鏡による確認に基づくものと推認される。 ト ところで、走査型電子顕微鏡と透過型電子顕微鏡は分解能が異なることは技術常識であり、例えば、請求人が提出しなかった甲第2号証の22頁右欄14?16行には「走査型電子顕微鏡写真(SEM)は解像度では約5nmと透過型電子顕微鏡より劣る」との記載がある。しかし、甲第2号証の(2-2)の「一次粒子粒度分布」から、5nm以下のAEROSIL50の粒子径の頻度は小さいと見て取れるから、仮にAEROSIL50を走査型電子顕微鏡で観察しても(2-2)で示される「一次粒子粒度分布」と実質的に同じものが得られるといえる。 ナ 次に、「フュームドシリカ(商品名AEROSIL50、比表面積50m^(2)/g、日本アエロジル社製)」の平均一次粒子径を求めてみる。上記ツでみた、本件特許明細書に記載された平均一次粒子径の求め方である、電子顕微鏡の観察視野内にある「すべて」の原体シリカ微粒子について平均一次粒子径を画像解析して個数平均を求めることは、甲第2号証の記載からはできない。しかし、甲第2号証の(2-2)の「一次粒子粒度分布」を基にして、上記ツでみた本件特許明細書で示された平均一次粒子径を求める方法に対応する方法により、すなわち、1.25?83.8nmの「すべて」の範囲にわたって(上記ツでみた本件特許明細書の「すべての原体シリカ微粒子」に相当する)粒度分布の中間値を観察した粒子径(上記ツでみた本件特許明細書の「平均一次粒子径を画像解析する」ことに相当する)、その頻度を個数の百分率と扱って計算すると(上記ツでみた本件特許明細書の「個数平均を求める」ことに相当する)、30nmとなる。そして、「フュームドシリカ(商品名AEROSIL50、比表面積50m^(2)/g、日本アエロジル社製)」の平均一次粒子径が30nmであることは、請求人が提出しなかった甲第2号証の41頁の表に記載されているし、乙第2号証の(11-1)及び乙第3号証の(12-1)にも、当審が発見した特開2003-312133号公報の【0136】にも記載されている。 よって、「フュームドシリカ(商品名AEROSIL50、比表面積50m^(2)/g、日本アエロジル社製)」の平均一次粒子は30nmといえる。 ニ なお、甲第2号証の(2-2)の「一次粒子粒度分布」において、例えば、粒子径52.5?83.8nmの粒度分布(頻度)の部分のみを取り出して、その部分だけの平均一次粒子径を求めればその値は50nm以上になるが、粒度分布関数が与えられたときの平均一次粒子径とはすべての粒度範囲にわたって、粒子径と頻度から求めるものであって、特定の一次粒子径の分布範囲を恣意的に取り出して求めるものでないことは技術常識である。このことは、当審が提示する次の文献の「対数平均分布を用いて種々の物理的に意義のある平均粒子径が求められる。・・・・・・対数正規分布関数を代入し、logdでその分布関数を0から∞まで積分して得られる。」との記載から見ても明らかなことである。 日本粉体工業協会編 造粒便覧 昭和53年2月10日 株式会社オーム社発行 I編造粒理論の23頁右欄下から6行?24頁左欄14行 ネ また、本件特許明細書に「上記原体シリカ微粒子のBET比表面積は、前記平均一次粒子径と関係があり、平均一次粒子径が50?200nmの場合には、一般的に10?50m^(2)/gとなる。」(【0047】)と記載されているが、この記載は、シリカ微粒子が単一粒径の粒子からなる単分散である場合は成り立つ可能性があるものの、単一粒径ではなく粒径分布を持つときは成り立つものではないことは技術常識である(要すれば、被請求人が平成24年8月24日付けで提出した上申書に添付された添付資料1を参照)。 ノ そうすると、相違点2は、表面処理シリカ粉の平均一次粒子径に関し、本件特許発明では50?200nmであるのに対し、甲第1号証発明では30nmである点、と言い換えることができる。 ハ そこで、この言い換えた相違点2についてみてみると、甲第1号証には、シリコーンオイル系処理剤によって一次表面処理すべきフュームドシリカの平均一次粒子径については明言がない。そこで、甲第1号証の実施例に用いられているフュームドシリカについてみてみると、商品名AEROSIL50の他、商品名AEROSIL200、380であり、上述の甲第2号証の41頁の表によれば、商品名AEROSIL200、380の一次平均粒径は、それぞれ、12nm、7nmであり(AEROSIL200の平均一次粒子径が12nmであることは、乙第2号証の(11-1)や当審で発見した特開2003-335049号の【0139】及び特開2004-144855号公報の【0074】にも、AEROSIL380の平均一次粒子径が7nmであることは、当審が発見した特開2003-139680号公報の【0033】及び特開平8-295838号公報の【0048】にも記載されている。)、甲第1号証はフュームドシリカとして平均一次粒子径の小さなものを用いることを指向している技術思想が教示されていると認められる。そうすると、この教示は、甲第1号証発明の表面処理シリカ粉の平均一次粒子径を大きくしようとする動機付けを与えることはなく、むしろ、阻害するものであって、この教示に接した当業者は、表面処理シリカ粉の平均一次粒子径を50?200nmとすることはなく、上記言い換えた相違点2に係る本件特許発明の発明特定事項を導き出すことはできない。 第7.まとめ 以上のとおり、本件請求項1に係る発明についての特許は、請求人の主張する理由によっては、無効とすることができない。 また、審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人の負担すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2012-09-11 |
出願番号 | 特願2005-23945(P2005-23945) |
審決分類 |
P
1
123・
121-
Y
(C01B)
P 1 123・ 113- Y (C01B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 西山 義之 |
特許庁審判長 |
木村 孔一 |
特許庁審判官 |
中澤 登 國方 恭子 |
登録日 | 2011-06-10 |
登録番号 | 特許第4758655号(P4758655) |
発明の名称 | 表面処理シリカ微粒子 |
代理人 | 勝又 秀夫 |
代理人 | 大島 正孝 |