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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する C07D |
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管理番号 | 1267248 |
審判番号 | 訂正2012-390112 |
総通号数 | 158 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2013-02-22 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2012-08-31 |
確定日 | 2012-11-15 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5036567号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第5036567号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第5036567号(以下「本件特許」という。)は、2006年2月10日を国際出願日とする出願(特願2007-555257号)の請求項1?11に係る発明について平成24年7月13日に特許権の設定登録がなされたものである。 そして、平成24年8月31日に本件訂正審判の請求がなされ、同年10月9日に上申書及び手続補正書が提出された。 第2 請求の趣旨及び理由 平成24年10月9日に付けの手続補正により補正された本件訂正審判請求の趣旨は、「第5036567号特許の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求める。」というものであり、すなわち、本件特許に係る願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)及び特許請求の範囲を下記訂正事項のとおりに訂正することを求めるというものである。 1 訂正事項1 本件特許の特許請求の範囲の請求項4(以下「本件請求項4」という。)に 「一般式(viii)を有する化合物の製造方法であって、 【化4】 (a)下記の式(vi): 【化5】 を有するブロモインドール化合物をリガンド、パラジウム触媒及び塩基の存在下、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと反応させて、下記の(vii): 【化6】 を調製する工程; b)工程aの生成物を、下記: 【化7】 と反応させる工程、 を含むことを特徴とする方法。」 とあるのを、 「一般式(viii)を有する化合物の製造方法であって、 【化4】 (a)下記の式(vi): 【化5】 を有するブロモインドール化合物をリガンド、パラジウム触媒及び塩基の存在下、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと反応させて、下記の(vii): 【化6】 を調製する工程; b)工程aの生成物を、下記: 【化7】 と反応させる工程、 を含むことを特徴とする方法。」 と訂正する。 2 訂正事項2 本件特許の特許請求の範囲の請求項5(以下「本件請求項5」という。)に 「一般式(viii)を有する化合物(式中、アルキルは(C_(1-6))アルキル)の製造方法であって、 【化8】 (a)下記の式(vi): 【化9】 を有するブロモインドール化合物(式中、アルキルは(C_(1-6))アルキル)をリガンド、パラジウム触媒及び塩基の存在下、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと反応させて、下記の(vii)(式中、アルキルは(C_(1-6))アルキル): 【化10】 を調製する工程; b)工程aの生成物を、下記: 【化11】 と反応させる工程、 を含むことを特徴とする方法。」 とあるのを、 「一般式(viii)を有する化合物(式中、アルキルは(C_(1-6))アルキル)の製造方法であって、 【化8】 (a)下記の式(vi): 【化9】 を有するブロモインドール化合物(式中、アルキルは(C_(1-6))アルキル)をリガンド、パラジウム触媒及び塩基の存在下、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと反応させて、下記の(vii)(式中、アルキルは(C_(1-6))アルキル): 【化10】 を調製する工程; b)工程aの生成物を、下記: 【化11】 と反応させる工程、 を含むことを特徴とする方法。」 と訂正する。 3 訂正事項3 本件特許明細書の段落【0023】に 「本発明のもう1つの実施態様は、上記アルコキシルボランが4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである、パラジウム触媒ボリル化法を提供する。 本発明のもう1つの実施態様は、Br-Mg交換法において使用するホウ酸塩がイソプロポキシ-4,4,5,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである、一般式Iの化合物の製造方法を提供する。 本発明のもう1つの実施態様は、 工程(a)が、下記の式(vi): 【化33】 を有するブロモインドール化合物を4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと反応させて、下記の(vii): 【化34】 を調製する工程からなり; b)工程aの生成物を、下記: 【化35】 と反応させて、下記: 【化36】 を調製し; c)NaOHによる加水分解を行なって、下記(ix): 【化37】 を調製することを特徴とする、一般式Iの化合物の製造方法を提供する。」 とあるのを、 「本発明のもう1つの実施態様は、上記アルコキシルボランが4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである、パラジウム触媒ボリル化法を提供する。 本発明のもう1つの実施態様は、Br-Mg交換法において使用するホウ酸塩がイソプロポキシ-4,4,5,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである、一般式Iの化合物の製造方法を提供する。 本発明のもう1つの実施態様は、 工程(a)が、下記の式(vi): 【化33】 を有するブロモインドール化合物を4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと反応させて、下記の(vii): 【化34】 を調製する工程からなり; b)工程aの生成物を、下記: 【化35】 と反応させて、下記: 【化36】 を調製し; c)NaOHによる加水分解を行なって、下記(ix): 【化37】 を調製することを特徴とする、一般式Iの化合物の製造方法を提供する。」 と訂正する。 第3 当審の判断 1 訂正の対象の一群の請求項について (1)訂正事項1及び2について 本件請求項4又は5を引用する請求項は、以下の請求項6?10である。 「【請求項6】前記リガンドが、Pd触媒ボリル化法によるviのviiへの転換又はiのiiへの転換においてはトリ(2-フリル)ホスフィンおよび2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニルから選択され、かつPd触媒鈴木カップリング反応によるviiのviiiへの転換又は前記工程(a)の生成物の式(I)の化合物への転換においてはトリ(2-フリル)ホスフィンである、請求項1、4又は5記載の方法。 【請求項7】前記パラジウム触媒を、Pd(OAc)_(2)、PdCl_(2)、PdBr_(2)、Pd_(2)(dba)_(3)、Pd_(2)(dba)_(3)CHCl_(3)、[Pd(ally)Cl]_(2)、Pd(CH_(3)CN)_(2)Cl_(2)、Pd(PhCN)_(2)Cl_(2)、Pd/Cおよびカプセル化Pdから選択する、請求項1、4又は5記載の方法。 【請求項8】iをiiに転換する又はviをviiに転換するPd触媒ボリル化法においては、溶媒がDMEまたはTHFであり、塩基がトリエチルアミンであり;鈴木カップリング法においては、溶媒がDME、THFまたは2-プロパノールであり、塩基がリン酸カリウムまたは炭酸カリウムである、請求項1、4又は5記載の方法。 【請求項9】前記ブロモ-マグネシウム交換用の試薬が、G_(3)MgLi(式中、Gは、任意のC_(1-6)アルキル基である)のトリアルキルマグネシアートである、請求項1、4又は5記載の方法。 【請求項10】前記G_(3)MgLiが、i-Pr(n-Hex)_(2)MgLiまたはi-Pr(n-Bu)_(2)MgLi、n-Bu_(3)MgLiから選ばれる、請求項9記載の方法。」 以上のように、請求項6?9は、請求項4及び5を共通に引用しており、その請求項9を請求項10が引用しているから、訂正事項1及び2は、一群の請求項である請求項4?10に係る請求である。 (2)訂正事項3について 本件特許明細書の段落【0023】は、「本発明のもう一つの実施態様」を記載したものであるところ、本件特許の特許請求の範囲に独立請求項として記載されているのは、請求項1、請求項4及び請求項5である。 このうちの請求項4及び請求項5については、後記2(3)イ及びウに示すように、段落【0023】の記載と本件請求項4の記載は上位概念と下位概念の関係にあり、段落【0023】の記載と本件請求項5の記載も上位概念と下位概念の関係にある。そのため、訂正事項3は、本件請求項4及び本件請求項5並びにこれらを引用する請求項6?10と関係する、明細書の訂正であるといえる。 一方、請求項1は、 「【請求項1】一般式(I): を有する2,3ジ置換インドール類またはその製薬上許容し得る塩の製造方法であって、以下の工程、 a)下記のブロモインドール化合物(i): 【化1】 をジアルコキシルボランと、リガンド、パラジウム触媒および塩基の存在下に反応させて、下記の一般式ii: 【化2】 を有する化合物を製造するか、又は、 化合物(i)をトリアルキルマグネシアート試薬と反応させ、次いでホウ酸塩で処理して、前記一般式iiの化合物を製造する工程; b)工程aの生成物をR^(2)-Halと反応させて、一般式Iの化合物を調製する工程; (式中、R^(1)は、(C_(1-6))アルキルであり; R^(2)は、下記: 【化3】 から選ばれ; R^(3)はシクロペンチルであり; Xは、カルボキシメチルであり; Halは、BrまたはIである; を含むことを特徴とする方法。」 であり、訂正事項3は、請求項1と関係するものではない。また、請求項1のみを引用する請求項2、3及び11とも関係するものではない。 したがって、訂正事項3は、一群の請求項である請求項4?10に係る請求である。 2 訂正の目的について 請求人は、訂正事項1?3のいずれにおいても、誤記の訂正を目的とするとしている。 (1)訂正事項1について ア 訂正事項1は、要するに、本件請求項4における工程bで用いる【化7】の化合物の記載 「 」 を 「 」 に訂正するものである。 イ 本件請求項4の記載 上記第2の1に示したとおりであって、本件請求項4には、要するに、工程aで、式(vi)のブロモインドール化合物 をリガンド、パラジウム触媒及び塩基の存在下、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと反応させて、式(vii)の化合物 を調製し、工程bで、工程aの生成物を、【化7】の化合物 と反応させる工程を含む、式(viii)の化合物 の製造方法が記載されていると認められる。 ここで、本件請求項4の、目的化合物である式(viii)の化合物の、インドールの2位の置換基に着目すると、XがBrであることから、これは、5-ブロモ-2-ピリミジル基である(審決注:ピリミジン環における置換位置の番号は、一方のNが1位、他方のNが3位になるように環を1周するように数える。)。 一方、上記工程bは、式(vii)の化合物を、【化7】の化合物と反応させる工程であるが、【化7】の化合物は2-ブロモ-5-ヨードピリミジンであるから、この【化7】の化合物により式(vii)の化合物のインドールの2位の置換基のボロネート基を置換すると、ヨウ素が脱離して置換基の2-ブロモ-5-ピリミジル基が生成するか、仮に臭素が脱離してヨウ素がそのままになることがあるとするなら置換基の5-ヨード-2-ピリミジル基が生成するか、又は他の反応が起こるか、であり、決して、式(viii)の化合物の置換基の5-ブロモ-2-ピリミジル基にはならない。 そして、上記の場合の、式(vii)の化合物と【化7】の化合物との反応生成物を、さらに目的化合物である式(viii)の化合物に変換する工程が、記載されていなくても当業者が当然に採用するような自明な工程であったともいえない。 そうすると、本件請求項4の記載は、技術的にみて不自然なものであり、本件請求項4には何らかの誤記があることが推認される。 ウ 本件特許明細書の記載 (ア)本件特許明細書には、以下の記載がある。 a 反応スキームについての記載 本件特許明細書の段落【0011】?【0012】に、以下のように記載されている。 「【0011】II.ブロモインドール類からの2,3ジ置換インドール類の製造における一般的手順 【化12】 ブロモインドール誘導体化合物(1)は、TFPのようなリガンド、パラジウム触媒および塩基の存在下にジアルコキシルボランを用いる方法Aを使用して、ジアルキルボロネートインドール誘導体化合物(2)に転換し得る。好ましい反応条件は、以下のとおりである:DMEまたはTHFのような溶媒中の1.2当量のピナコールボラン、1.5当量のEt3N、触媒量のPd(OAc)2 (3モル%)およびトリ(2-フリル)ホスフィン(12モル%)。反応は、70?80℃で実施する。 また、方法Bを使用しても生成物(2)を得ることができる。方法Bは、トリアルキルマグネシアート試薬を反応させること、その後のホウ酸塩による処理を含む。この反応における許容条件範囲は、イソ-PrHex2MgLiのようなトリアルキルマグネシアート(0.5当量?0.7当量)による20℃?0℃の温度でのブロモインドール1の処理、その後の2-イソプロポキシ-4,4,5,5,-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランのようなホウ酸塩の0℃での添加である。その後、インドール誘導体(2)をヨウ素または一般式R2-Halのブロモ複素環化合物と反応させて、一般式Iの所望生成物を得ることができる。 【0012】リガンド:本発明方法において使用し得るリガンドとしては、鈴木(Suzuki)方式カップリング反応の穏やかな条件下での実施を可能にするトリ(2-フリル)ホスフィンがある。トリ(2-フリル)ホスフィンの使用は、K_(2)CO_(3)またはK_(3)PO_(4)のような単純水性無機塩の使用も可能にする。さらに、トリ(2-フリル)ホスフィンは、第1工程プロセス(ボリル化)も同様に触媒作用し、従って、上記2工程手順のワンポット反応での組合せを可能にする。 マグネシアート:本発明方法のもう1つの局面は、マグネシアートを用いる2-ブロモインドールのBr-金属交換の使用に関する。使用し得るマグネシアートの例としては、G_(1-3)MgLi(式中、Gは任意のC_(1-6)アルキル基である)がある。好ましいマグネシアートは、i-Pr(n-Hex)2MgLiまたはi-Pr(n-Bu)2MgLi等である。方法Bにおけるマグネシアートの使用は、X位置でのカルボキシレート官能性の存在下に-20℃よりも上での2-インドールアニオンの容易な発生を可能にし得る。 塩基:本発明方法のもう1つの局面は、水性塩基の使用に関する。本発明の方法において使用し得る塩基としては、K_(2)CO_(3)またはK_(3)PO_(4)がある。 ワンポット反応:ある種の実施態様においては、本発明方法は、2,3 ジ置換インドール類を2-ブロモインドール中間体からパラジウム触媒ボリル化および鈴木カップリング反応によって製造するのに“ワンポット”法として実施し得る。この方法は、費用高のパラジウム触媒を二度使用することなしに種々の2,3-ジ置換インドール類を製造する方法を提供する。トリ(2-フリル)ホスフィンは、該方法の2工程(即ち、ボリル化および鈴木カップリング反応)における共通リガンドとして使用でき、本発明方法における好ましいリガンドである。」 b 実施例1?11についての記載 本件特許明細書の段落【0025】?【0036】に、以下のように記載されている。 「【0025】合成実施例 表1に示す化合物は、以下の実施例に従って製造した。 【化38】 【0026】実施例1:ワンポットボリル化/鈴木カップリング法 【化39】 乾燥DME(100mL)中の2-ブロモインドール(1)(13.45g、40.0ミリモル)の溶液に、Et_(3)N(13.4mL、96.0ミリモル)、トリ-(2-フリル)ホスフィン(2)(1.11g、4.8ミリモル、0.12当量)およびPd(OAc)_(2)(269.4mg、1.2ミリモル、0.03当量)を添加した。混合物をN_(2)により脱ガスし、ピナコールボラン(14.12mL、94.40ミリモル、2.36当量)を、滴下により、混合物に室温で添加した。得られた混合物を70℃に加熱し、同じ温度で16時間撹拌し、この時点で、反応を終了させた。そのようにして得られた反応混合物を、次のカップリング反応に直接使用した。 上記のようにしてボリル化により得られたピナコレートボロネート(3)の反応混合物(71.4mLのDME中20.0ミリモル)に、H_(2)O(11mL、DME容量の15%)、K_(3)PO_(4)・H_(2)O(25.0g、108.56ミリモル、5.4当量)および4(6.5g、22.82ミリモル、1.1当量)を順次投入した。反応混合物を80℃に温め、同じ温度で約7時間撹拌し、この時点で、HPLCでモニターしながら反応を終了させた。反応混合物を室温に冷却し、100mLの10%NaCl水溶液により失活させた。次いで、混合物をEtOAc(2×120mL)で抽出し、混ぜ合せた有機相をNa_(2)SO_(4)上で乾燥させ、回転蒸発させた。粗固形物を20mLの冷アセトン中でスラリー化し、次いで、濾別した。固形物を2部の冷アセトン(2×10ml)でさらに洗浄して、6.23gの生成物5を帯黄色固形物として得た(収率75%、純度97.9A%)。 ^(1)H NMR(300HMz、CDCl_(3))δ 8.94(2H,s)、8.15(1H,s)、7.81?7.75(2H,m)、3.96(3H,s)、3.90(3H,s)、3.73(1H,m)、2.20?1.95(6H,m)、1.74?1.71(2H,m); ^(13)C NMR(100HMz,CDCl_(3))δ 168.1、158.8、157.7、138.2、135.6、129.2、124.6、123.4、121.0、119.8、118.2、112.6、52.0、36.8、33.3、31.9、26.7。 【0027】実施例2 【化40】 ・・・精製して、上記インドール(0.31g、91%)を得た。 ^(1)H NMR・・・; ^(13)C NMR・・・。 【0028】実施例3 【化41】 ・・・精製して、上記インドール(0.28g、80%)を得た。 ^(1)H NMR・・・; ^(13)C NMR・・・。 【0029】実施例4 【化42】 ・・・精製して、上記インドール(0.32g、86%)を得た。 ^(1)H NMR・・・; ^(13)C NMR・・・。 【0030】実施例5 【化43】 ・・・精製して、上記インドール(0.25g、76%)を得た。 ^(1)H NMR・・・; ^(13)C NMR・・・。 【0031】実施例6 【化44】 ・・・精製して、上記インドール(0.30g、91%)を得た。 ^(1)H NMR・・・; ^(13)C NMR・・・。 【0032】実施例7 【化45】 ・・・精製して、上記インドール(0.31g、83%)を得た。 ^(1)H NMR・・・; ^(13)C NMR・・・。 【0033】実施例8 【化46】 ・・・精製して、上記インドール(0.33g、83%)を得た。 ^(1)H NMR・・・; ^(13)C NMR・・・。 【0034】実施例9 【化47】 ・・・精製して、上記インドール(0.27g、81%)を得た。 ^(1)H NMR・・・; ^(13)C NMR・・・。 【0035】実施例10 【化48】 ・・・精製して、上記インドール(0.23g、68%)を得た。 ^(1)H NMR・・・; ^(13)C NMR・・・。 【0036】実施例11 【化49】 ・・・精製して、上記インドール(0.64g、88%)を得た。 ^(1)H NMR・・・; ^(13)C NMR・・・。」 (イ)上記(ア)aによれば、本件特許明細書には、「ブロモインドール類からの2,3ジ置換インドール類の製造における一般的手順」と題する以下の反応スキーム が記載されており、この反応スキームは、第1工程(ボリル化)と第2工程(鈴木カップリング反応)からなるもので、この第1工程を方法A又は方法Bで行い、この第1工程と第2工程をワンポット法で実施することができるというものである。上記第1工程が方法Aであるワンポット法である場合、この反応スキーム(以下「スキームA」という。)は、第1工程で、ブロモインドール誘導体化合物(1) をリガンド、パラジウム触媒及び塩基の存在下、ピナコールボラン即ち4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと反応させて、ジアルキルボロネートインドール誘導体化合物(2) を調製し、第2工程で、上記の生成物を、化合物「R2-Hal」 と反応させて、2,3ジ置換インドール類(3) を製造するというものである。 また、上記反応スキームでは、目的化合物である2,3ジ置換インドール類(3)の、置換基R^(1)、R^(2)、R^(3)、Xのうち、R^(1)、R^(3)、Xは定義されていないものの、R^(2)は、化合物「R2-Hal」により導入されるものとされ、その化合物「R2-Hal」として、上記のとおり、11個の化合物が具体的に示されている。そのうちの10番目は、 である。 一方、上記(ア)bの実施例1?11には、上記の反応スキームにおける化合物(2)に相当するインドール化合物であってR^(1)がメチル基(-CH_(3))、R^(3)がシクロペンチル基(-C_(5)H_(9))、Xがインドールの6位のメトキシカルボニル基(-COOCH_(3))である上記化合物に、上記の反応スキームに化合物「R2-Hal」として示されたのと同じ11個の化合物を、それぞれ用いて、鈴木カップリング反応を行い、それぞれのR^(2)を有する、上記反応スキームにおける2,3ジ置換インドール類(3)に相当する11個の化合物を、合成したことが、記載されている。その11例中の、実施例5を除く10例は、化合物「R2-Hal」に相当する化合物は「Hal」としてヨウ素を有するもので、このヨウ素が脱離して上記化合物(2)に相当するインドール化合物の2位に、置換基R^(2)を生成している。化合物「R2-Hal」に相当する化合物がヨウ素とともに臭素、フッ素又は塩素を有するものである実施例1、3、4においても、ヨウ素が脱離して、臭素、フッ素又は塩素を有する置換基R^(2)が生成している。なお、実施例5は、「Hal」として臭素のみを有する化合物を用いているので、臭素が脱離している。 そして、上記の実施例1には、以下の反応 について記載されているので、上記反応スキームのうちのスキームAに対応する合成実施例が記載されているということができ、実施例1において、上記の反応スキームにおける化合物「R2-Hal」に相当する化合物は、 であり、実施例1における目的化合物は、 である。 以上によれば、本件特許明細書の、反応スキームについての上記(ア)aの記載と、合成実施例についての上記(ア)bの記載は、整合的に理解することができるものであって、上記反応スキームの具体例に相当するものが実施例1?11に記載され、上記スキームAの具体例に相当するものが実施例1に記載されているということができる。 そして、この実施例1では、目的化合物の、インドールの2位の置換基は、5-ブロモ-2-ピリミジル基であり、この化合物は、インドールの2位の置換基としてボロネート基を有する化合物を2-ヨード-5-ブロモピリミジン と反応させて得られるということである。 本件特許明細書の上記反応スキームの記載及び上記実施例1の記載に不審な点はない。 エ そして、上記実施例1の目的化合物は、インドールの、1位の置換基がメチル基(-CH_(3))、2位の置換基が5-ブロモ-2-ピリミジル基、3位の置換基がシクロペンチル基(-C_(5)H_(9))、6位の置換基がメトキシカルボニル基(-COOCH_(3))であるものであるから、これは、本件請求項4における目的化合物である式(viii)の化合物と、一致するものであり、上記スキームAに従う各工程も、本件請求項4における各工程に該当するものである。 オ 上記イ?エによれば、本件請求項4における【化7】の化合物の記載 「 」 は、 「 」 の誤記と認められる。 カ よって、上記ア及びオにより、訂正事項1は、誤記の訂正を目的とするものといえる。 (2)訂正事項2について ア 訂正事項2は、要するに、本件請求項5における工程bで用いる【化11】の化合物の記載 「 」 を 「 」 に訂正するものである。 イ 本件請求項5の記載は、上記第2の2に示したとおりであって、本件請求項5には、要するに、工程aで、式(vi)のブロモインドール化合物 をリガンド、パラジウム触媒及び塩基の存在下、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと反応させて、式(vii)の化合物 を調製し、工程bで、工程aの生成物を、【化11】の化合物 と反応させる工程を含む、式(viii)の化合物 の製造方法が記載されていると認められる。 この本件請求項5の記載は、目的化合物である式(viii)の化合物のインドールの2位の置換基が、5-ブロモ-2-ピリミジル基又は5-クロロ-2-ピリミジル基であるのに対し、【化11】の化合物は2-ブロモ-5-ヨードピリミジン又は2-クロロ-5-ヨードピリミジンであるので、本件請求項4について上記(1)イで検討したのと同様に、技術的にみて不自然なものであり、本件請求項5には何らかの誤記があることが推認される。 ウ この本件請求項5の記載を、上記(1)で検討した本件請求項4の記載と対比すると、本件請求項4では、式(vi)?(viii)の化合物におけるRがメチル基、式(viii)の化合物におけるXがBr、【化7】の化合物が であったものが、本件請求項5では、式(vi)?(viii)の化合物におけるRがC_(1-6)アルキル基、式(viii)の化合物におけるXがCl又はBr、【化11】の化合物が であることのみが異なっていて、本件請求項5の記載と本件請求項4の記載は、上位概念と下位概念の関係にある。 以下、訂正事項2を、XがBrである場合に対応する 「 」 から 「 」 への訂正(以下「訂正事項2B」という。)と、XがClである場合に対応する 「 」 から 「 」 への訂正(以下「訂正事項2C」という。)に分けて検討する。 エ 訂正事項2Bについて Rがメチル基である場合については、上記(1)で検討したのと同じであり、本件請求項5の 「 」 は 「 」 の誤記であると認められる。 RがC_(1-6)アルキル基である場合についても、同様の誤記であると考えるのを妨げる理由はないから、これも、同様の誤記であると認められる。 オ 訂正事項2Cについて 本件特許明細書には、本件請求項5の式(viii)の化合物であってXがClであるものを製造することについての、具体的な記載はない。 しかし、上記エで検討した、XがBrであるものから類推すると、及び上記ウで検討した実施例4には が記載されていたことから類推すると、本件請求項5の 「 」 は 「 」 の誤記であると認められる。 カ よって、上記ア、エ及びオにより、訂正事項2は、誤記の訂正を目的とするものといえる。 (3)訂正事項3について ア 訂正事項3は、要するに、本件特許明細書の段落【0023】に記載された「本発明のもう1つの実施態様」における工程bで用いる【化35】の化合物の記載 「 」 を 「 」 に訂正するものである。 イ 本件特許明細書の段落【0023】の記載は、上記第2の3に示したとおりであって、段落【0023】には、要するに、工程aで、式(vi)のブロモインドール化合物 を4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと反応させて、式(vii)の化合物 を調製し、工程bで、工程aの生成物を、【化35】の化合物 と反応させて、式(viii)の化合物 を調製し、工程cでNaOHで加水分解を行う、式(ix)の化合物 の製造方法が記載されていると認められる。 この段落【0023】の記載は、工程bの目的化合物である式(viii)の化合物のインドールの2位の置換基が、5-ブロモ-2-ピリミジル基又は5-クロロ-2-ピリミジル基であるのに対し、【化35】の化合物は2-ブロモ-5-ヨードピリミジン又は2-クロロ-5-ヨードピリミジンであるので、本件請求項4及び本件請求項5について上記(1)イ及び(2)イで検討したのと同様に、技術的にみて不自然なものであり、段落【0023】には何らかの誤記があることが推認される。 ウ この段落【0023】の記載を、上記(1)で検討した本件請求項4の記載と対比すると、本件請求項4では、式(vi)?(viii)の化合物におけるRがメチル基、式(viii)の化合物におけるXがBr、【化7】の化合物が であったものが、段落【0023】では、式(vi)?(viii)の化合物におけるRがH、アルキル基、アリール基、Na、K、Li又はMg、式(viii)の化合物におけるXがCl又はBr、【化35】の化合物が であることが異なり、他に本件請求項4は工程aを「リガンド、パラジウム触媒及び塩基の存在下」行うことを特定しているので、段落【0023】の記載と本件請求項4の記載は、上位概念と下位概念の関係にある。 同様に、段落【0023】の記載と本件請求項5の記載も、上位概念と下位概念の関係にある。 以下、訂正事項3を、XがBrである場合に対応する 「 」 から 「 」 への訂正(以下「訂正事項3B」という。)と、XがClである場合に対応する 「 」 から 「 」 への訂正(以下「訂正事項3C」という。)に分けて検討する。 エ 訂正事項3Bについて Rがメチル基である場合については、上記(1)及び(2)エで検討したのと同じであり、本件特許明細書の段落【0023】の 「 」 は 「 」 の誤記であると認められる。 RがH、アルキル基、アリール基、Na、K、Li又はMgである場合についても、上記(2)エと同様に検討すると、同様の誤記であると考えるのを妨げる理由はないから、これも、同様の誤記であると認められる。 オ 訂正事項3Cについて 本件特許明細書には、段落【0023】の式(viii)の化合物であってXがClであるものを製造することについての、具体的な記載はない。 しかし、上記(2)オと同様に検討すると、段落【0023】の 「 」 は 「 」 の誤記であると認められる。 カ よって、上記ア、エ及びオにより、訂正事項3は、誤記の訂正を目的とするものといえる。 (4)まとめ よって、上記(1)?(3)のとおり、本件審判の請求に係る訂正事項1?3は、いずれも誤記の訂正を目的とするものといえるから、特許法第126条ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものに該当する。 3 新規事項の追加の有無について 本件特許に係る出願(特願2007-555257号)は、特許法第184条の4第1項の国際特許出願である国際出願PCT/US2006/004776(国際公開第2006/086657号参照)が、同法第184条の3第1項の規定により特許出願とみなされたものである。 したがって、同法第126条第5項の適用に際しての「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は、同法第184条の6第2項の規定により「国際出願日における本件国際特許出願の明細書、請求の範囲又は図面」である。 そして、上記2のとおり、本件審判の請求に係る訂正事項1?3は、それぞれ、目的化合物である式(viii)の化合物を製造するために式(vii)の化合物と反応させる【化7】の化合物を 「 」 並びに【化11】の化合物及び【化35】の化合物を 「 」 と記載すべきところを、 「 」 及び 「 」 と誤記がなされていたものを訂正するものであり、また、上記2(1)ウで検討した本件特許明細書の記載事項は、上記国際出願日における本件国際特許出願の明細書にも記載されていたことから、本件特許の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものといえ、同法第126条第5項の規定に適合する。 4 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について 上記2のとおり、本件審判の請求に係る訂正事項1?3は、それぞれ、目的化合物である式(viii)の化合物を製造するために式(vii)の化合物と反応させる【化7】の化合物を 「 」 並びに【化11】の化合物及び【化35】の化合物を 「 」 と記載すべきところを、 「 」 及び 「 」 と誤記がなされていたものを訂正するものであり、これらの訂正により、一群の請求項である請求項4?10において目的化合物である式(viii)の化合物が変更されたり製造方法の手順が変更されるものではないため、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、本件審判の請求に係る訂正事項1?3は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 5 訂正後の発明の独立特許要件について 上記2のとおり、本件審判の請求に係る訂正事項1?3は、「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものであるから、本件訂正後における、一群の請求項である請求項4?10に記載された発明が独立して特許を受けることができるものかどうかについて検討する。 すると、本件特許に係る出願は、拒絶理由を発見しないとして特許査定されたものであるところ、本件訂正後における特許請求の範囲の請求項4?10に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでないとする新たな理由も見当たらない。 したがって、本件審判の請求に係る訂正事項1?3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正事項1?3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項?第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 2,3-ジ置換インドール類の製造方法 【発明の詳細な説明】 【0001】 (関連出願) 本出願は、2005年2月11日に出願された米国仮出願第60/652,072号の権利を主張し、該出願の内容は、本明細書に合体させる。 【0002】 (技術分野) 本発明は、薬剤、とりわけ、C型肝炎ウイルス(HCV)感染症の治療用薬剤として有用な2,3 ジ置換インドール類の製造方法に関する。 (背景技術) 置換インドール類は、薬剤として有用である。薬剤として使用する置換インドール類の例としては、抗炎症剤のインドメタシンおよびトロペシン、抗ヒスタミン剤のメブヒドロリン、および血管拡張剤のビンポセチンがある。薬剤として使用するインドール化合物の他の例は、2002年7月7日に出願された米国特許出願第10/198,384号および2004年2月20日に出願された米国仮出願第60/546,213号に開示されているようなインドール化合物である。 ジ置換インドール類合成の重要な局面の1つは、インドールの2,3位置での置換基のカップリングであり、多くの一般的方法を使用して該カップリングを行なっている。1つの方法は、2004年3月8日に出願された米国仮特許出願第60/551,107号に示されているように、ジピリジル亜鉛中間体およびパラジウム触媒を使用して例示された。この方法は、本明細書においては、方法Aと称する。 【化1】 もう1つの試みは、内部アルキン類を含む2-ブロモ-またはクロロ-アニリン類のPd触媒インドール化を使用しており、2004年3月16日に出願された米国仮特許出願第60/553,596号に記載されている。この方法は、本明細書においては、方法Bと称する。 【化2】 【0003】 方法AおよびBは2,3 ジ置換インドール類の製造において使用し得るものの、両方法は、幾つかの制約を有する。生成物が以下に示す場合のように臭化アリール成分を含有する場合、プロセスAは、所望生成物と求核性、即ち、亜鉛試薬との拮抗性副反応による重合生成物の形成をもたらし得る。 【化3】 同様に、内部アルキン類の置換基が、パラジウム触媒への酸化的挿入のための2-ハロゲン-アニリンと拮抗する臭化ビニル、ヨウ化ビニル、臭化アリールおよびヨウ化アリール成分を含有する場合、プロセスBは、貧弱な効率を有し得る。 【化4】 パラジウム触媒ボリル化によるアリールボロン酸エステル類1-3の製造のための合成経路は、MiyauraおよびMurataにより、ビス(ピナコラト)ジボラン1-1とハロゲン化アリールとの反応[Ishiyama,T.;Murata,M.;Miyaura,N.J.Org.Chem.1995,60,7508]、またはジアルコキシヒドロボラン1-2とハロゲン化アリールまたはトリフラート類[Murata,M.;Oyama,T.;Watanabe,S.,Masuda,Y.J.Org.Chem.2000,65,164]から開発された。しかしながら、最適反応条件は、多くの場合、基質の構造により、有意に変動する。 【化5】 従って、2,3 ジ置換インドール類の新たな製造方法の設計が、当該技術において求められている。 【0004】 (発明の開示) 本発明は、下記の一般式(I): 【化6】 を有する2,3-ジ置換インドール類の製造方法を提供し、該方法は、下記の工程を含むことを特徴とする: a)下記のブロモインドール化合物(i): 【化7】 を、ジアルコキシルC_(1-5)ボランと、リガンド、パラジウム触媒および塩基の存在下に反応させて、下記の一般式ii: 【化8】 を有する化合物を製造するか、或いは、化合物(i)をトリアルキルマグネシアート(magnesiate)試薬と反応させ、次いでホウ酸塩で処理して上記一般式iiの化合物を製造する工程; b)工程aの生成物をR^(2)-Halと反応させて、一般式Iの所望化合物を調製する工程; (上記各式中、R^(1)、R^(2)およびR^(3)、XおよびHalは、本明細書において定義している)。 【0005】 また、本発明は、下記の一般式IIIの化合物の製造方法も提供する: 【化9】 (式中、R^(1)?R^(10)は、本明細書において定義している)。 また、本発明は、HCVインヒビターのような薬剤として活性である、また、当該化合物の中間体の製造におけるHCVインヒビターの合成の中間体として有用である化合物も提供する。 【0006】 (発明の詳細な説明) 定義および用語 本明細書において特に定義していない用語は、本開示および背景に照らして、当業者がこれら用語に対して認識しているであろう意味を与えるべきである。しかしながら、本明細書において使用するとき、別に断らない限り、以下の用語は明示した意味を有し、以下の約束ごとを付する。 以下で定義する基(group)、ラジカルまたは成分においては、炭素原子数は、多くの場合、基の前に記入しており、例えば、(C_(1-8))アルキルは1?8個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、(C_(3-7))シクロアルキルは環内に3?7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。一般に、2個以上の下位基を含む基においては、最後に命名した基は、基結合点であり、例えば、“シクロアルキルアルキル”は式:シクロアルキル-アルキル-の1価の基を意味し、フェニルアルキルは、式:フェニル-アルキル-の1価の基を意味する。以下で特に断らない限り、用語の通常の定義が支配し、通常の安定な原子価が全ての式および基において推定され且つ付与される。 本明細書において使用するときの用語“アルキル”は、単独または他の置換基との組合せのいずれでも、特定数の炭素原子を含有する非環式の直鎖または枝分れ鎖のアルキル置換基を意味する。 本明細書において使用するときの用語“アルコキシ”は、単独または他の置換基との組合せのいずれでも、酸素原子を介しての置換基として結合する上記で定義したアルキル基:アルキル-O-を意味する。 一般に、化学構造体または化合物の、個々の幾何異性体または光学異性体または異性体のラセミもしくは非ラセミ混合物のいずれであれ、全ての互変異性体形および異性体形および混合物を、特定の立体化学または異性体形を化合物名または構造において明確に示さない限り意図する。 【0007】 本明細書において使用するときの用語“製薬上許容し得る塩”としては、製薬上許容し得る塩基から誘導される塩類がある。適切な塩基の例としては、コリン、エタノールアミンおよびエチレンジアミンがある。また、Na^(+)、K^(+)およびCa^(++)塩も本発明の範囲内に意図する(また、本明細書に参考として合体させるPharmaceutical Salts,Birge,S.M.et al.,J.Pharm.Sci.,(1977),66,1-19も参照されたい)。 本明細書において使用するときの用語“製薬上許容し得るエステル”は、単独または他の置換基との組合せのいずれであれ、分子の任意のカルボキシル官能基、好ましくはカルボキシ末端がアルコキシカルボニル官能基によって置換されている式Iの化合物のエステルを意味する: 【化10】 上記エステルのRe成分は、必要に応じてC_(1-4)アルキルまたはC_(1-4)アルコキシによって置換されたアルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル、t-ブチル、n‐ブチル);アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル);アルコキシアシル(例えば、アセトキシメチル);アラルキル(例えば、ベンジル);アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル);アリール(例えば、フェニル)から選ばれる。他の適切なプロドラッグエステル類は、本明細書に参考として合体させるDesign of Prodrugs,Bundgaard,H.Ed.Elsevier(1985)において見出される。そのような製薬上許容し得るエステル類は、哺乳類に注入したとき、生体内で通常加水分解し、式Iの化合物の酸形に転換する。上述のエステル類に関しては、特に断らない限り、存在する任意のアルキル成分は、有利には1?16個の炭素原子、とりわけ1?6個の炭素原子を含有する。そのようなエステル中に存在する任意のアリール成分は、有利には、フェニル基を含む。とりわけ、上記エステル類は、少なくとも1個のハロゲン、C_(1-6)アルキル、C_(1-6)アルコキシ、ニトロまたはトリフルオロメチルによって置換されたC_(1-16)アルキルエステル、未置換ベンジルエステルまたはベンジルエステルであり得る。 【0008】 以下の化学物は、それらの略号によって示し得る: 【0009】 一般的合成方法 下記の合成方式においては、特に断らない限り、化学式中の置換基は、全て、一般式(I)におけるのと同じ意味を有する。下記の合成方式において使用する反応物は、本明細書において説明するようにして取得し得るか、或いは、本明細書において説明していない場合、それら自体商業的に入手可能であるかまたは商業的に入手可能な物質から当該技術において既知の方法により調製し得る。ある種の出発物質は、例えば、2004年2月20日に出願された米国特許出願第60/546,213号に記載された方法により取得し得る。 最適の反応条件および反応時間は、使用する特定の反応物によって変化し得る。特に断らない限り、溶媒、温度、圧力および他の反応条件は、当業者であれば、容易に選定し得ることである。特定の手順は、合成実施例の項において示している。典型的には、反応進行は、所望であれば、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によってモニターし得、中間体および生成物は、シリカゲル上でのクロマトグラフィーによりおよび/または再結晶化により精製し得る。 【0010】 I.ブロモインドール類の調製 下記の方式は、本発明方法におけるブロモインドール出発物質の一般的調製方法を示している。 【化11】 インドール誘導体(1)の縮合は、シクロプロパノンまたはシクロヘキサノンのようなシクロアルキラノン(2)により水性塩基の存在下に実施し得る。水性水酸化ナトリウムのような適切な塩基を使用して3-シクロアルケニル化合物R^(3)’(3)を調製し得、その後、この化合物を、炭素上の触媒量のパラジウムの存在下に、水素化に供して相応するシクロアルキルインドール誘導体(4)を得ることができる。X置換基が活性種を有する場合には、活性種の保護を必要とし得る。例えば、Xがカルボン酸基である場合、カルボン酸基のメチル化を行い得る。インドール環上の窒素のメチル化も、この段階で実施し得る。その後、インドール誘導体のアセトニトリル中での臭素による臭素化を行なって、2-ブロモ-3-シクロアルキルインドール生成物(6)を得る。 【0011】 II.ブロモインドール類からの2,3 ジ置換インドール類の製造における一般的手順 【化12】 ブロモインドール誘導体化合物(1)は、TFPのようなリガンド、パラジウム触媒および塩基の存在下にジアルコキシルボランを用いる方法Aを使用して、ジアルキルボロネートインドール誘導体化合物(2)に転換し得る。好ましい反応条件は、以下のとおりである:DMEまたはTHFのような溶媒中の1.2当量のピナコールボラン、1.5当量のEt3N、触媒量のPd(OAc)2(3モル%)およびトリ(2-フリル)ホスフィン(12モル%)。反応は、70?80℃で実施する。 また、方法Bを使用しても生成物(2)を得ることができる。方法Bは、トリアルキルマグネシアート試薬を反応させること、その後のホウ酸塩による処理を含む。この反応における許容条件範囲は、イソ-PrHex2MgLiのようなトリアルキルマグネシアート(0.5当量?0.7当量)による20℃?0℃の温度でのブロモインドール1の処理、その後の2-イソプロポキシ-4,4,5,5,-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランのようなホウ酸塩の0℃での添加である。その後、インドール誘導体(2)をヨウ素または一般式R2-Halのブロモ複素環化合物と反応させて、一般式Iの所望生成物を得ることができる。 【0012】 リガンド:本発明方法において使用し得るリガンドとしては、鈴木(Suzuki)方式カップリング反応の穏やかな条件下での実施を可能にするトリ(2-フリル)ホスフィンがある。トリ(2-フリル)ホスフィンの使用は、K_(2)CO_(3)またはK_(3)PO_(4)のような単純水性無機塩の使用も可能にする。さらに、トリ(2-フリル)ホスフィンは、第1工程プロセス(ボリル化)も同様に触媒作用し、従って、上記2工程手順のワンポット反応での組合せを可能にする。 マグネシアート:本発明方法のもう1つの局面は、マグネシアートを用いる2-ブロモインドールのBr-金属交換の使用に関する。使用し得るマグネシアートの例としては、G_(1-3)MgLi(式中、Gは任意のC_(1-6)アルキル基である)がある。好ましいマグネシアートは、i-Pr(n-Hex)2MgLiまたはi-Pr(n-Bu)2MgLi等である。方法Bにおけるマグネシアートの使用は、X位置でのカルボキシレート官能性の存在下に-20℃よりも上での2-インドールアニオンの容易な発生を可能にし得る。 塩基:本発明方法のもう1つの局面は、水性塩基の使用に関する。本発明の方法において使用し得る塩基としては、K_(2)CO_(3)またはK_(2)PO_(4)がある。 ワンポット反応:ある種の実施態様においては、本発明方法は、2,3 ジ置換インドール類を2-ブロモインドール中間体からパラジウム触媒ボリル化および鈴木カップリング反応によって製造するのに“ワンポット”法として実施し得る。この方法は、費用高のパラジウム触媒を二度使用することなしに種々の2,3-ジ置換インドール類を製造する方法を提供する。トリ(2-フリル)ホスフィンは、該方法の2工程(即ち、ボリル化および鈴木カップリング反応)における共通リガンドとして使用でき、本発明方法における好ましいリガンドである。 【0013】 一般式IIIの化合物の調製 米国仮出願第60/546,213号に記載されている誘導体、とりわけ該出願の表1の誘導体のような一般式IIIに従うインドール誘導体は、本発明に従って、好ましくは、以下の方式1に概略する以下の一般的手順を使用して合成し得る。 方式1: 【化13】 R^(1)、R^(2)、R^(3)、R^(4)、R^(5)、R^(6)、R^(7)、R^(8)、R^(9)およびR^(10)が本明細書において前記で定義したとおりである一般式IIIの化合物は、好ましくは、上記の方式1に例示しているようにして、一般式I’のカルボン酸を、一般式IIのアミン類と、当業者にとって周知のカルボキシル活性化試薬を使用してカップリングさせることによって調製する。そのような試薬としては、限定するものではないが、TBTU、HATU、BOP、BrOP、EDAC、DCC、イソブチルクロロホルメート等がある。また、一般式I’のカルボン酸は、標準試薬を使用して相応する酸クロリドに転化し、次いで一般式IIのアミン誘導体とカップリングさせることもできる。R^(5)またはR^(6)のいずれかがエステル保護カルボン酸成分を含有する場合には、鹸化反応を実施して(当業者にとって周知のプロトコールを使用して)、最終インヒビター生成物を遊離カルボン酸として得る。 一般式I’の中間カルボン酸は、WO 03/010141号に記載されている手順により或いは下記の実施例において説明している手順により調製し得る。式IIの中間アミンは、以下の方式2および3に概略している一般的手順に従って調製し得る。 【0014】 方式2: 【化14】 方式1は、一般式IV’の相応するジアミンプレカーサーから、適切なα,α-ジ置換アミノ酸クロリド塩酸塩とカップリングさせることによって調製し得る。適切なα,α-ジ置換アミノ酸クロリド塩酸塩の相応するα,α-ジ置換アミノ酸からの調製は、WO 03/007945号またはWO 03/010141号に記載されているようにして、或いはE.S.Uffelman等(Org.Lett.1999,1,1157)によって開示された手順またはその適合化法を使用することにより実施し得る。その後、上記カップリング反応において形成されたアミド中間体を環状化して一般式IIのアミン中間体を得る。 【0015】 方式3: 【化15】 また、方式1における一般式IIのアミン中間体は、一般式IVの相応するジアミンプレカーサーから、TBTU、HATU、BOP、BrOP、EDAC、DCC、イソブチルクロロホルメート等のような当業者にとって周知のカップリング試薬を使用し、上記方式3に例示しているようにして、適切なBoc保護α,α-ジ置換アミノ酸とカップリングさせることによって調製し得る。適切なBoc保護α,α-ジ置換アミノ酸は、遊離のα,α-ジ置換アミノ酸から、トリエチルアミンのような第三級アミンの存在下でのBoc_(2)Oとの反応等のような当業者にとって周知の標準条件を使用して調製し得る。そのあと、該カップリング反応において形成されたアミド中間体を、酢酸または塩酸のような酸の存在下に加熱することによって環状化する。方式1における一般式IIのアミン中間体を得るためのBoc基の脱保護は、当業者にとって周知の標準試薬を使用して実施する。そのような試薬としては、限定するものではないが、トリフルオロ酢酸、ジオキサン中のHCl溶液等がある。 方式2および3における一般式IVのジアミンプレカーサーの調製は、好ましくは、実施例において概略したような手順(これらの手順の任意の適応化を含む)を使用するおよび/または当業者とって既知のさらなる合成工程を使用することによって実施する。 R^(5)およびR^(6)の1つが-CH=C(R^(50))-COOR(R^(50)は、(C_(1-6))アルキルおよびハロゲンから選ばれ、Rは、例えば、メチルまたはエチルである)である方式1における一般式IIのアミン中間体は、R^(5)およびR^(6)の1つがCOOR(Rは、例えば、メチルまたはエチルである)である一般式IIIの相応するアミン中間体またはその適切な保護誘導体から、下記の方式4の手順を使用することによって調製し得る。方式4は、R^(5)が-CH=C(R^(50))-COORである一般式IIのアミン中間体の調製を具体的に例示しているが、当業者であれば、R^(6)が-COORである場合、例示した手順またはその適応化法は、R^(6)が-CH=C(R^(50))-COORである生成物を生ずるものと理解されたい。また、当業者であれば、方式4の手順またはその適応化法は、R^(5)およびR^(6)の1つがCOORである上記方式2および3における一般式IV’のジアミンプレカーサーまたはその適切に保護された誘導体またはその調製における適切な中間体を、R^(5)およびR^(6)の1つが-CH=C(R^(50))-COOR(R^(50)およびRは上記で定義したとおりである)である一般式IV’のジアミンプレカーサーまたはその適切に保護された誘導体またはその調製における適切な中間体に転化する場合にも使用し得ることを理解されたい。 【0016】 方式4: 【化16】 上記方式4における一般式IIIa’の適切に保護されたアミン中間体は、一般式IIIb’のアルコール中間体に、DIBAL-H等のような適切な還元剤による処理によって転換し得る。適切な保護基(PG)としては、限定するものではないが、Boc(tert-ブチルオキシカルボニル)等のようなカルバメート保護基がある。上記方式1における一般式IIのアミン中間体からの一般式IIIaの保護アミン中間体の調製は、当業者にとって周知の標準手法によって実施し得る。 アルコール中間体IIIb’は、アルデヒド中間体IIIc’に、1,1,1-トリス(アセチルオキシ-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンズイオドキソル-3-(1H)-オン(デス・マーティン(Dess-Martin)ペリオジナンとしても知られている)等のような当業者にとって周知の標準の酸化剤を使用して転換し得る。 アルデヒド中間体IIIc’は、一般式IIId’のアミン中間体に、当業者にとって周知の標準のホーナー・エモンズ(Horner-Emmons)手法、またはビッティッヒ(Wittig)手法のような関連手法等を使用し、次いで、周知の標準手法を使用してPG基を脱保護するによって転換し得る。PG基がBocである場合、そのような手法としては、限定するものではないが、トリフルオロ酢酸、ジオキサン中に溶解させたHCl等のような酸性条件による処理がある。 【0017】 本発明において開示する化合物の製薬上許容し得る塩類としては、製薬上許容し得る無機および有機酸および塩基類から誘導される塩類がある。適切な酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-硫酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-硫酸およびベンゼンスルホン酸がある。シュウ酸のような他の酸類は、それ自体は製薬上許容し得るものではないものの、上記化合物およびその製薬上許容し得る酸付加塩を得るに当っての中間体として有用な塩類の製造において使用し得る。適切な塩基類から誘導される塩類としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、アンモニウム塩およびN-(C_(1)?C_(4)アルキル)_(4)^(+)塩がある。 【0018】 本発明の実施態様 本発明の第1の実施態様は、下記の一般式(I): 【化17】 を有する2,3 ジ置換インドール類またはその製薬上許容し得る塩の製造方法を提供し、該方法は、下記の工程を含むことを特徴とする: a)下記のブロモインドール化合物(i): 【化18】 を、ジアルコキシルC_(1-5)ボランと、リガンド、パラジウム触媒および塩基の存在下に反応させて、下記の一般式ii: 【化19】 を有する化合物を製造するか、或いは、化合物(i)をトリアルキルマグネシアート試薬と反応させ、次いでホウ酸塩で処理して上記一般式iiの化合物を製造する工程; b)工程aの生成物をR2-Halと反応させて、一般式Iの化合物を調製する工程; (上記各式中、R^(1)は、Hまたは(C_(1-6))アルキルであり; R^(2)は、Hetまたは5員または6員を有するアリールであり;Hetまたはアリールは、必要に応じて、R^(21)によって置換されており;R^(21)は、-OH、-CN、-N(R^(N2))R^(N1)、ハロゲン、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオ、Hetおよび-CO-N(R^(N2))R^(N1)から選ばれた1個、2個または3個の置換基であり;上記アルキル、アルコキシおよびアルキルチオは、各々、必要に応じて、1個、2個または3個のハロゲン原子によって置換されており; R^(3)は、必要に応じて1?4個のハロゲン原子によって置換された(C_(5-6))シクロアルキルであり; Xは、H、C_(1-6)アルキル、C_(1-6)アルコキシ、 【化20】 であり; Halは、BrまたはIであり; Lは、H、または下記の一般式iii: 【化21】 (式中、R^(4)およびR^(7)は、各々個々に、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオ、-NH_(2)、-NH(C_(1-6))アルキル、-N((C_(1-6))アルキル)_(2)およびハロゲンから選ばれ; R^(5)およびR^(6)の一方は、COOH、-CO-N(R^(N2))R^(N1)、Het^(1)および(C_(2-6))アルケニルから選ばれ;Het^(1)、(C_(2-6))アルケニルおよびR^(N1)、またはR^(N2)とR^(N1)間で形成された任意の複素環は、必要に応じてR^(50)によって置換されており;R^(50)は、(C_(1-6))アルキル、-COOH、-N(R^(N2))R^(N1)、-CO-N(R^(N2))R^(N1)およびハロゲンから選ばれた1個、2個または3個の置換基であり; R^(5)およびR^(6)の他方は、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオおよびN(R^(N2))R^(N1)から選ばれ; R^(8)は、(C_(1-6))アルキル、(C_(3-7))シクロアルキルまたは(C_(3-7))シクロアルキル-(C_(1-6))アルキル-であり;上記アルキル、シクロアルキルおよびシクロアルキル-アルキルは、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; R^(9)およびR^(10)は、各々個々に、(C_(1-6))アルキルから選ばれるか;或いは、R^(9)およびR^(10)は、一緒に共有結合して、(C_(3-7))シクロアルキル、(C_(5-7))シクロアルケニル、またはO、NおよびSから選ばれた1?3個のヘテロ原子を有する4-、5-もしくは6-員の複素環を形成し;上記シクロアルキル、シクロアルケニルまたは複素環は、必要に応じて、(C_(1-4))アルキルによって置換されている) をさらに含む基であり; R^(N1)は、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(3-7))シクロアルキル、(C_(3-7))シクロアルキル-(C_(1-6))アルキル-、-CO-(C_(1-6))アルキル、-CO-O-(C_(1-6))アルキルおよびHet^(1)から選ばれ;上記アルキルおよびシクロアルキルの全ては、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; R^(N2)は、Hまたは(C_(1-6))アルキルであるか;或いは、R^(N2)およびR^(N1)は、一緒に共有結合して、4-、5-、6-もしくは7-員の飽和または不飽和N含有複素環、または8-、9-、10-もしくは11-員のN含有複素二環を形成し、各々がO、NおよびSから選ばれた1?3個のヘテロ原子をさらに含み;R^(N2)およびR^(N1)によって形成された複素環または複素二環は、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; Hetは、O、NおよびSから選ばれた1?4個のヘテロ原子を有し、飽和、不飽和または芳香族であり得る4-、5-、6-もしくは7-員の複素環として;或いはO、NおよびSから選ばれた可能な限りの1?5個のヘテロ原子を有し、飽和、不飽和または芳香族であり得る8-、9-、10-もしくは11-員の複素二環として定義する)。 【0019】 本発明の第2の実施態様は、 R^(1)が、Hまたは(C_(1-6))アルキルであり; R^(2)が、Hetまたは5員または6員を有するアリールであり;Hetまたはアリールは、必要に応じて、R^(21)によって置換されており;R^(21)は、-OH、-CN、-N(R^(N2))R^(N1)、ハロゲン、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオ、Hetおよび-CO-N(R^(N2))R^(N1)から選ばれた1個、2個または3個の置換基であり;上記アルキル、アルコキシおよびアルキルチオは、各々、必要に応じて、1個、2個または3個のハロゲン原子によって置換されており; R^(3)が、シクロペンチルであり; Xが、H、C_(1-6)アルキル、C_(1-6)アルコキシ、 【化22】 であり; Halが、IまたはBrであり; Lが、H、または下記の一般式iii: 【化23】 (式中、R^(4)およびR^(7)は、各々個々に、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオ、-NH_(2)、-NH(C_(1-6))アルキル、-N((C_(1-6))アルキル)_(2)およびハロゲンから選ばれ; R^(5)およびR^(6)の一方は、COOH、-CO-N(R^(N2))R^(N1)、Het^(1)および(C_(2-6))アルケニルから選ばれ;Het^(1)、(C_(2-6))アルケニルおよびR^(N1)、またはR^(N2)とR^(N1)間で形成された任意の複素環は、必要に応じてR^(50)によって置換されており;R^(50)は、(C_(1-6))アルキル、-COOH、-N(R^(N2))R^(N1)、-CO-N(R^(N2))R^(N1)およびハロゲンから選ばれた1個、2個または3個の置換基であり; R^(5)およびR^(6)の他方は、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオおよびN(R^(N2))R^(N1)から選ばれ; R^(8)は、(C_(1-6))アルキル、(C_(3-7))シクロアルキルまたは(C_(3-7))シクロアルキル-(C_(1-6))アルキル-であり;上記アルキル、シクロアルキルおよびシクロアルキル-アルキルは、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; R^(9)およびR^(10)は、各々個々に、(C_(1-6))アルキルから選ばれるか;或いは、R^(9)およびR^(10)は、一緒に共有結合して、(C_(3-7))シクロアルキル、(C_(5-7))シクロアルケニル、またはO、NおよびSから選ばれた1?3個のヘテロ原子を有する4-、5-もしくは6-員の複素環を形成し;上記シクロアルキル、シクロアルケニルまたは複素環は、必要に応じて、(C_(1-4))アルキルによって置換されている) をさらに含む基であり; R^(N1)が、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(3-7))シクロアルキル、(C_(3-7))シクロアルキル-(C_(1-6))アルキル-、-CO-(C_(1-6))アルキル、-CO-O-(C_(1-6))アルキルおよびHet^(1)から選ばれ;上記アルキルおよびシクロアルキルの全ては、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; R^(N2)が、Hまたは(C_(1-6))アルキルであるか;或いは、R^(N2)およびR^(N1)が、一緒に共有結合して、4-、5-、6-もしくは7-員の飽和または不飽和N含有複素環、または8-、9-、10-もしくは11-員のN含有複素二環を形成し、各々がO、NおよびSから選ばれた1?3個のヘテロ原子をさらに含み;R^(N2)およびR^(N1)によって形成された複素環または複素二環が、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; Hetが、O、NおよびSから選ばれた1?4個のヘテロ原子を有し、飽和、不飽和または芳香族であり得る4-、5-、6-もしくは7-員の複素環として;或いはO、NおよびSから選ばれた可能な限りの1?5個のヘテロ原子を有し、飽和、不飽和または芳香族であり得る8-、9-、10-もしくは11-員の複素二環として定義される; ことを特徴とする一般式(I)の2,3 ジ置換インドール類の製造方法を提供する。 【0020】 本発明の第3の実施態様は、 R^(1)が、Hまたは(C_(1-6))アルキルであり; R^(2)が、下記: 【化24】 から選ばれ; R^(3)が、必要に応じて1?4個のハロゲン原子で置換した(C_(5-6))シクロアルキルであり; Xが、H、C_(1-6)アルキル、C_(1-6)アルコキシ、 【化25】 であり; Halが、BrまたはIであり; Lが、H、または下記の一般式iii: 【化26】 (式中、R^(4)およびR^(7)は、各々個々に、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオ、-NH_(2)、-NH(C_(1-6))アルキル、-N((C_(1-6))アルキル)_(2)およびハロゲンから選ばれ; R^(5)およびR^(6)の一方は、COOH、-CO-N(R^(N2))R^(N1)、Het^(1)および(C_(2-6))アルケニルから選ばれ;Het^(1)、(C_(2-6))アルケニルおよびR^(N1)、またはR^(N2)とR^(N1)間で形成された任意の複素環は、必要に応じてR^(50)によって置換されており;R^(50)は、(C_(1-6))アルキル、-COOH、-N(R^(N2))R^(N1)、-CO-N(R^(N2))R^(N1)およびハロゲンから選ばれた1個、2個または3個の置換基であり; R^(5)およびR^(6)の他方は、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオおよびN(R^(N2))R^(N1)から選ばれ; R^(8)は、(C_(1-6))アルキル、(C_(3-7))シクロアルキルまたは(C_(3-7))シクロアルキル-(C_(1-6))アルキル-であり;上記アルキル、シクロアルキルおよびシクロアルキル-アルキルは、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; R^(9)およびR^(10)は、各々個々に、(C_(1-6))アルキルから選ばれるか;或いは、R^(9)およびR^(10)は、一緒に共有結合して、(C_(3-7))シクロアルキル、(C_(5-7))シクロアルケニル、またはO、NおよびSから選ばれた1?3個のヘテロ原子を有する4-、5-もしくは6-員の複素環を形成し;上記シクロアルキル、シクロアルケニルまたは複素環は、必要に応じて、(C_(1-4))アルキルによって置換されている) をさらに含む基であり; R^(N1)が、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(3-7))シクロアルキル、(C_(3-7))シクロアルキル-(C_(1-6))アルキル-、-CO-(C_(1-6))アルキル、-CO-O-(C_(1-6))アルキルおよびHet^(1)から選ばれ;上記アルキルおよびシクロアルキルの全ては、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; R^(N2)が、Hまたは(C_(1-6))アルキルであるか;或いは、R^(N2)およびR^(N1)が、一緒に共有結合して、4-、5-、6-もしくは7-員の飽和または不飽和N含有複素環、または8-、9-、10-もしくは11-員のN含有複素二環を形成し、各々がO、NおよびSから選ばれた1?3個のヘテロ原子をさらに含み;R^(N2)およびR^(N1)によって形成された複素環または複素二環が、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; Hetが、O、NおよびSから選ばれた1?4個のヘテロ原子を有し、飽和、不飽和または芳香族であり得る4-、5-、6-もしくは7-員の複素環として;或いはO、NおよびSから選ばれた可能な限りの1?5個のヘテロ原子を有し、飽和、不飽和または芳香族であり得る8-、9-、10-もしくは11-員の複素二環として定義される; ことを特徴とする一般式(I)の2,3 ジ置換インドール類またはその製薬上許容し得る塩の製造方法を提供する。 【0021】 本発明のもう1つの実施態様は、 R^(1)が、Hまたは(C_(1-6))アルキルであり; R^(2)が、Hetまたは5員または6員を有するアリールであり;Hetまたはアリールは、必要に応じて、R^(21)によって置換されており;R^(21)は、-OH、-CN、-N(R^(N2))R^(N1)、ハロゲン、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオ、Hetおよび-CO-N(R^(N2))R^(N1)から選ばれた1個、2個または3個の置換基であり;上記アルキル、アルコキシおよびアルキルチオは、各々、必要に応じて、1個、2個または3個のハロゲン原子によって置換されており; R^(3)が、シクロペンチルであり; Xが、カルボキシメチルであり; Halが、BrまたはIであり; Lが、H、または下記の一般式iii: 【化27】 (式中、R^(4)およびR^(7)は、各々個々に、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオ、-NH_(2)、-NH(C_(1-6))アルキル、-N((C_(1-6))アルキル)_(2)およびハロゲンから選ばれ; R^(5)およびR^(6)の一方は、COOH、-CO-N(R^(N2))R^(N1)、Het^(1)および(C_(2-6))アルケニルから選ばれ;Het^(1)、(C_(2-6))アルケニルおよびR^(N1)、またはR^(N2)とR^(N1)間で形成された任意の複素環は、必要に応じてR^(50)によって置換されており;R^(50)は、(C_(1-6))アルキル、-COOH、-N(R^(N2))R^(N1)、-CO-N(R^(N2))R^(N1)およびハロゲンから選ばれた1個、2個または3個の置換基であり; R^(5)およびR^(6)の他方は、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオおよびN(R^(N2))R^(N1)から選ばれ; R^(8)は、(C_(1-6))アルキル、(C_(3-7))シクロアルキルまたは(C_(3-7))シクロアルキル-(C_(1-6))アルキル-であり;上記アルキル、シクロアルキルおよびシクロアルキル-アルキルは、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; R^(9)およびR^(10)は、各々個々に、(C_(1-6))アルキルから選ばれるか;或いは、R^(9)およびR^(10)は、一緒に共有結合して、(C_(3-7))シクロアルキル、(C_(5-7))シクロアルケニル、またはO、NおよびSから選ばれた1?3個のヘテロ原子を有する4-、5-もしくは6-員の複素環を形成し;上記シクロアルキル、シクロアルケニルまたは複素環は、必要に応じて、(C_(1-4))アルキルによって置換されている) をさらに含む基であり; R^(N1)が、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(3-7))シクロアルキル、(C_(3-7))シクロアルキル-(C_(1-6))アルキル-、-CO-(C_(1-6))アルキル、-CO-O-(C_(1-6))アルキルおよびHet^(1)から選ばれ;上記アルキルおよびシクロアルキルの全ては、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; R^(N2)が、Hまたは(C_(1-6))アルキルであるか;或いは、R^(N2)およびR^(N1)が、一緒に共有結合して、4-、5-、6-もしくは7-員の飽和または不飽和N含有複素環、または8-、9-、10-もしくは11-員のN含有複素二環を形成し、各々がO、NおよびSから選ばれた1?3個のヘテロ原子をさらに含み;R^(N2)およびR^(N1)によって形成された複素環または複素二環が、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; Hetが、O、NおよびSから選ばれた1?4個のヘテロ原子を有し、飽和、不飽和または芳香族であり得る4-、5-、6-もしくは7-員の複素環として;或いはO、NおよびSから選ばれた可能な限りの1?5個のヘテロ原子を有し、飽和、不飽和または芳香族であり得る8-、9-、10-もしくは11-員の複素二環として定義される; ことを特徴とする請求項1記載の方法を提供する。 【0022】 本発明のもう1つの実施態様は、下記の一般式III: 【化28】 を有する化合物の製造方法を提供し、該方法は、下記の工程を含むことを特徴とする: a)下記のブロモインドール化合物(iv): 【化29】 を、ジアルコキシルボランと、リガンドおよびパラジウム触媒および塩基の存在下に反応させて、下記の一般式(v): 【化30】 を有する化合物を得る工程; b)工程aの生成物をR2-Halと反応させて、一般式IIIの所望化合物を調製する工程; (上記各式中、R^(1)は、Hまたは(C_(1-6))アルキルであり; R^(2)は、Hetまたは5員または6員を有するアリールであり;Hetまたはアリールは、必要に応じて、R^(21)によって置換されており;R^(21)は、-OH、-CN、-N(R^(N2))R^(N1)、ハロゲン、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオ、Hetおよび-CO-N(R^(N2))R^(N1)から選ばれた1個、2個または3個の置換基であり;上記アルキル、アルコキシおよびアルキルチオは、各々、必要に応じて、1個、2個または3個のハロゲン原子によって置換されており; R^(3)は、必要に応じて1?4個のハロゲン原子によって置換された(C_(5-6))シクロアルキルであり; Xは、H、C1?C6アルキル、C1?C6アルコキシ、 【化31】 であり; Halは、BrまたはIであり; Lは、H、または下記の一般式iii: 【化32】 (式中、R^(4)およびR^(7)は、各々個々に、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオ、-NH_(2)、-NH(C_(1-6))アルキル、-N((C_(1-6))アルキル)_(2)およびハロゲンから選ばれ; R^(5)およびR^(6)の一方は、COOH、-CO-N(R^(N2))R^(N1)、Het^(1)および(C_(2-6))アルケニルから選ばれ;Het^(1)、(C_(2-6))アルケニルおよびR^(N1)、またはR^(N2)とR^(N1)間で形成された任意の複素環は、必要に応じてR^(50)によって置換されており;R^(50)は、(C_(1-6))アルキル、-COOH、-N(R^(N2))R^(N1)、-CO-N(R^(N2))R^(N1)およびハロゲンから選ばれた1個、2個または3個の置換基であり; R^(5)およびR^(6)の他方は、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシ、(C_(1-6))アルキルチオおよびN(R^(N2))R^(N1)から選ばれ; R^(8)は、(C_(1-6))アルキル、(C_(3-7))シクロアルキルまたは(C_(3-7))シクロアルキル-(C_(1-6))アルキル-であり;上記アルキル、シクロアルキルおよびシクロアルキル-アルキルは、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; R^(9)およびR^(10)は、各々個々に、(C_(1-6))アルキルから選ばれるか;或いは、R^(9)およびR^(10)は、一緒に共有結合して、(C_(3-7))シクロアルキル、(C_(5-7))シクロアルケニル、またはO、NおよびSから選ばれた1?3個のヘテロ原子を有する4-、5-もしくは6-員の複素環を形成し;上記シクロアルキル、シクロアルケニルまたは複素環は、必要に応じて、(C_(1-4))アルキルによって置換されている) をさらに含む基であり; R^(N1)は、H、(C_(1-6))アルキル、(C_(3-7))シクロアルキルまたは(C_(3-7))シクロアルキル-(C_(1-6))アルキル-、-CO-(C_(1-6))アルキル、-CO-O-(C_(1-6))アルキルおよびHet^(1)から選ばれ;上記アルキルおよびシクロアルキルの全ては、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; R^(N2)は、Hまたは(C_(1-6))アルキルであるか;或いは、R^(N2)およびR^(N1)は、一緒に共有結合して、4-、5-、6-もしくは7-員の飽和または不飽和N含有複素環、または8-、9-、10-もしくは11-員のN含有複素二環を形成し、各々がO、NおよびSから選ばれた1?3個のヘテロ原子をさらに含み;R^(N2)およびR^(N1)によって形成された複素環または複素二環は、必要に応じて、ハロゲン、(C_(1-6))アルキル、(C_(1-6))アルコキシおよび(C_(1-6))アルキルチオから選ばれた1個、2個または3個の置換基によって置換されており; Hetは、O、NおよびSから選ばれた1?4個のヘテロ原子を有し、飽和、不飽和または芳香族であり得る4-、5-、6-もしくは7-員の複素環として;或いはO、NおよびSから選ばれた可能な限りの1?5個のヘテロ原子を有し、飽和、不飽和または芳香族であり得る8-、9-、10-もしくは11-員の複素二環として定義する)。 【0023】 本発明のもう1つの実施態様は、上記アルコキシルボランが4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである、パラジウム触媒ボリル化法を提供する。 本発明のもう1つの実施態様は、Br-Mg交換法において使用するホウ酸塩がイソプロポキシ-4,4,5,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである、一般式Iの化合物の製造方法を提供する。 本発明のもう1つの実施態様は、 工程(a)が、下記の式(vi): 【化33】 を有するブロモインドール化合物を4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと反応させて、下記の(vii): 【化34】 を調製する工程からなり; b)工程aの生成物を、下記: 【化35】 と反応させて、下記: 【化36】 を調製し; c)NaOHによる加水分解を行なって、下記(ix): 【化37】 を調製することを特徴とする、一般式Iの化合物の製造方法を提供する。 【0024】 本発明のもう1つの実施態様においては、リガンドは、Pd触媒ボリル化法によるviのviiへの転換においてはトリ(2-フリル)ホスフィンおよび2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニルから、Pd触媒鈴木カップリング反応によるviiのviiiへの転換においてはトリ(2-フリル)ホスフィンから選択する。 本発明のもう1つの実施態様においては、パラジウム触媒は、Pd(OAc)_(2)、PdCl_(2)、PdBr_(2)、Pd_(2)(dba)_(3)、Pd_(2)(dba)_(3)CHCl_(3)、[Pd(ally)Cl]_(2)、Pd(CH_(3)CN)_(2)Cl_(2)、Pd(PhCN)_(2)Cl_(2)、Pd/Cおよびカプセル化Pdから選択する。 本発明のもう1つの実施態様においては、viをviiに転換するPd触媒ボリル化法においては、溶媒はDMEまたはTHFであり、塩基はトリエチルアミンである。鈴木カップリング法においては、溶媒はDME、THFまたは2-プロパノールであり、塩基はリン酸カリウムまたは炭酸カリウムである。 本発明のもう1つの実施態様においては、ブロモ-マグネシウム交換用の試薬は、G_(1-3)MgLi(Gは、任意のC_(1-6)アルキル基である)であるトリアルキルマグネシアート、好ましくは、i-Pr(n-Hex)_(2)MgLiまたはi-Pr(n-Bu)_(2)MgLi、n-Bu_(3)MgLiから選ばれたG_(1-3)MgLiである。 公表された学術論文もしくは要約、または発行された相応する米国もしくは外国出願、または米国もしくは外国特許、またはあらゆる他の文献のような本明細書において引用した文献は、全て、これら引用した文献に提示されたあらゆる表、図面および文章を含み、参考として本明細書に全体的に合体させる。 【0025】 合成実施例 表1に示す化合物は、以下の実施例に従って製造した。 【化38】 【0026】 実施例1:ワンポットボリル化/鈴木カップリング法 【化39】 乾燥DME(100mL)中の2-ブロモインドール(1)(13.45g、40.0ミリモル)の溶液に、Et_(3)N(13.4mL、96.0ミリモル)、トリ-(2-フリル)ホスフィン(2)(1.11g、4.8ミリモル、0.12当量)およびPd(OAc)_(2)(269.4mg、1.2ミリモル、0.03当量)を添加した。混合物をN_(2)により脱ガスし、ピナコールボラン(14.12mL、94.40ミリモル、2.36当量)を、滴下により、混合物に室温で添加した。得られた混合物を70℃に加熱し、同じ温度で16時間撹拌し、この時点で、反応を終了させた。そのようにして得られた反応混合物を、次のカップリング反応に直接使用した。 上記のようにしてボリル化により得られたピナコレートボロネート(3)の反応混合物(71.4mLのDME中20.0ミリモル)に、H_(2)O(11mL、DME容量の15%)、K_(3)PO_(4)・H_(2)O(25.0g、108.56ミリモル、5.4当量)および4(6.5g、22.82ミリモル、1.1当量)を順次投入した。反応混合物を80℃に温め、同じ温度で約7時間撹拌し、この時点で、HPLCでモニターしながら反応を終了させた。反応混合物を室温に冷却し、100mLの10%NaCl水溶液により失活させた。 次いで、混合物をEtOAc(2×120mL)で抽出し、混ぜ合せた有機相をNa_(2)SO_(4)上で乾燥させ、回転蒸発させた。粗固形物を20mLの冷アセトン中でスラリー化し、次いで、濾別した。固形物を2部の冷アセトン(2×10ml)でさらに洗浄して、6.23gの生成物5を帯黄色固形物として得た(収率75%、純度97.9A%)。 ^(1)H NMR(300HMz、CDCl_(3))δ 8.94(2H,s)、8.15(1H,s)、7.81?7.75(2H,m)、3.96(3H,s)、3.90(3H,s)、3.73(1H,m)、2.20?1.95(6H,m)、1.74?1.71(2H,m);^(13)C NMR(100HMz,CDCl_(3))δ 168.1、158.8、157.7、138.2、135.6、129.2、124.6、123.4、121.0、119.8、118.2、112.6、52.0、36.8、33.3、31.9、26.7。 【0027】 実施例2 【化40】 フラスコに、ピナコールボロベート(pinacol borobate)(383.0mg、1.0ミリモル)、2-イオドチオフェン(231.0mg、1.1ミリモル)、Pd(OAc)_(2)(11.2mg、0.05ミリモル)、TFP(46.4mg、0.2ミリモル)、K_(2)CO_(3)(690.0mg、5ミリモル)、水(3mL)およびDME(2mL)を投入した。3回の真空/アルゴンサイクル後、得られた混合物を80℃に加熱し、30分後、HPLCにより、全てのボロネートが消失していることを確認した。C-H、カップリング生成物および二量体の面積比は、HPLC上で約3.2:92.7:4.1であった。反応混合物を室温に冷却後、EtOAc(5mL)を添加した。水性相を分離し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を食塩水(10mL)で洗浄し、Na_(2)SO_(4)上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、上記インドール(0.31g、91%)を得た。 ^(1)H NMR(300HMz,CDCl_(3))δ 8.10(1H,s)、7.78(1H,d,J=6.3Hz)、7.71(1H,d,J=6.3Hz)、7.49(1H,d,J=3.9Hz)、7.18?7.10(1H,m)、7.09(1H,d,J=0.9Hz)、3.94(3H,s)、3.64(3H,s)、3.21(1H,m)、2.01?1.88(6H,m)、1.68?1.65(2H,m); ^(13)C NMR(100HMz,CDCl_(3))δ 168.2、137.2、133.1、132.0、129.8、129.2、127.9、127.3、123.4、120.0、119.9、119.8、112.1、52.0、37.5、33.5、30.8、26.5。 【0028】 実施例3 【化41】 フラスコに、ピナコールボロベート(383.0mg、1.0ミリモル)、1-フルオロ-4-イオドベンゼン(244.2mg、1.1ミリモル)、Pd(OAc)_(2)(11.2mg、0.05ミリモル)、TFP(46.4mg、0.2ミリモル)、K_(2)CO_(3)(690.0mg、5ミリモル)、水(3mL)およびDME(2mL)を投入した。3回の真空/アルゴンサイクル後、得られた混合物を80℃に加熱し、90分後、HPLCにより、全てのボロネートが消失していることを確認した。C-H、カップリング生成物および二量体の面積比は、HPLC上で約10.7:87.3:2.0であった。反応混合物を室温に冷却後、EtOAc(5mL)を添加した。水性相を分離し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を食塩水(10mL)で洗浄し、Na_(2)SO_(4)上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、上記インドール(0.28g、80%)を得た。 ^(1)H NMR(300HMz,CDCl_(3))δ 8.11(1H.s)、7.80(1H,d,J=6.3Hz)、7.70(1H,d,J=6.3Hz)、7.34?7.31(2H,m)、7.20?7.14(2H,m)、3.98(3H,s)、3.55(3H,s)、3.02(1H,m)、2.02?1.89(6H,m)、1.26(2H,bs); ^(13)C NMR(100HMz,CDCl_(3))δ 168.3、139.9、137.0、132.5、132.5、129.6、123.0、112.0、119.7、117.4、115.7、115.5、112.0、51.9、37.4、33.5、30.8、26.4。 【0029】 実施例4 【化42】 フラスコに、ピナコールボロベート(383.0mg、1.0ミリモル)、2-クロロ-5-イオドピリジン(263.4mg、1.1ミリモル)、Pd(OAc)_(2)(11.2mg、0.05ミリモル)、TFP(46.4mg、0.2ミリモル)、K_(2)CO_(3)(690.0mg、5ミリモル)、水(3mL)およびDME(2mL)を投入した。3回の真空/アルゴンサイクル後、得られた混合物を80℃に加熱し、30分後、HPLCにより、全てのボロネートが消失していることを確認した。C-H、カップリング生成物および二量体の面積比は、HPLC上で約8.0:90.2:1.8であった。反応混合物を室温に冷却後、EtOAc(5mL)を添加した。水性相を分離し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を食塩水(10mL)で洗浄し、Na_(2)SO_(4)上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、上記インドール(0.32g、86%)を得た。 ^(1)H NMR(300HMz,CDCl_(3))δ 8.45(1H,d,J=1.8Hz)、8.12(1H,s)、7.80(1H,d,J=6.3Hz)、7.74?7.68(2H,m)、7.50(1H,d,J=6.3Hz)、3.96(3H,s)、3.62(3H,s)、2.98(1H,m)、2.05?1.89(6H,m)、1.69?1.66(2H,m); ^(13)C NMR(100HMz,CDCl_(3))δ 168.1、151.6、151.0、140.5、137.5、135.5、129.2、126.8、124.2、123.7、120.2、120.0、119.1、112.1、52.0、37.3、33.5、31.0、26.4。 【0030】 実施例5 【化43】 フラスコに、ピナコールボロベート(383.0mg、1.0ミリモル)、ブロモベンゼン(172.7mg、116μL、1.1ミリモル)、Pd(OAc)_(2)(11.2mg、0.05ミリモル)、TFP(46.4mg、0.2ミリモル)、K_(2)CO_(3)(690.0mg、5ミリモル)、水(3mL)およびDME(2mL)を投入した。3回の真空/アルゴンサイクル後、得られた混合物を80℃に加熱し、120分後、HPLCにより、全てのボロネートが消失していることを確認した。C-H、カップリング生成物および二量体の面積比は、HPLC上で約13.2:80.0:6.8であった。反応混合物を室温に冷却後、EtOAc(5mL)を添加した。水性相を分離し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を食塩水(10mL)で洗浄し、Na_(2)SO_(4)上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、上記インドール(0.25g、76%)を得た。 ^(1)H NMR(300HMz,CDCl_(3))δ 8.11(1H,s)、7.79(1H,d,J=6.3Hz)、7.72(1H,d,J=6.3Hz)、7.52?7.37(5H,m)、3.95(3H,s)、3.60(3H,s)、3.07(1H,m)、2.04?1.88(6H,m)、1.66?1.63(2H,m); ^(13)C NMR(100HMz,CDCl_(3))δ 168.3、141.1、137.0、131.9、130.7、129.6、128.4、122.8、119.8、119.6、117.2、112.0、51.9、37.3、33.4、30.9、26.4。 【0031】 実施例6 【化44】 フラスコに、ピナコールボロベート(383.0mg、1.0ミリモル)、イオドベンゼン(204.0mg、1.1ミリモル)、Pd(OAc)_(2)(11.2mg、0.05ミリモル)、TFP(46.4mg、0.2ミリモル)、K_(2)CO_(3)(690.0mg、5ミリモル)、水(3mL)およびDME(2mL)を投入した。3回の真空/アルゴンサイクル後、得られた混合物を80℃に加熱し、60分後、HPLCにより、全てのボロネートが消失していることを確認した。C-H、カップリング生成物および二量体の面積比は、HPLC上で約3.6:95.5:0.9であった。反応混合物を室温に冷却後、EtOAc(5mL)を添加した。水性相を分離し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を食塩水(10mL)で洗浄し、Na_(2)SO_(4)上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、上記インドール(0.30g、91%)を得た。 ^(1)H NMR(300HMz,CDCl_(3))δ 8.11(1H,s)、7.79(1H,d,J=6.3Hz)、7.72(1H,d,J=6.3Hz)、7.52?7.37(5H,m)、3.95(3H,s)、3.60(3H,s)、3.07(1H,m)、2.04?1.88(6H,m)、1.66?1.63(2H,m); ^(13)C NMR(100HMz,CDCl_(3))δ 168.3、141.1、137.0、131.9、130.7、129.6、128.4、122.8、119.8、119.6、117.2、112.0、51.9、37.3、33.4、30.9、26.4。 【0032】 実施例7 【化45】 フラスコに、ピナコールボロベート(383.0mg、1.0ミリモル)、4-イオドアセトフェノン(270.7mg、1.1ミリモル)、Pd(OAc)_(2)(11.2mg、0.05ミリモル)、TFP(46.4mg、0.2ミリモル)、K_(2)CO_(3)(690.0mg、5ミリモル)、水(3mL)およびDME(2mL)を投入した。3回の真空/アルゴンサイクル後、得られた混合物を80℃に加熱し、30分後、HPLCにより、全てのボロネートが消失していることを確認した。C-H、カップリング生成物および二量体の面積比は、HPLC上で約9.1:90.3:1.6であった。反応混合物を室温に冷却後、EtOAc(5mL)を添加した。水性相を分離し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を食塩水(10mL)で洗浄し、Na_(2)SO_(4)上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、上記インドール(0.31g、83%)を得た。 ^(1)H NMR(300HMz,CDCl_(3))δ 8.12?8.05(3H,m)、7.80(1H,d,J=6.6Hz)、7.72(1H,d,J=6.3Hz)、7.50(2H,d,J=6.0Hz)、3.96(3H,s)、3.62(3H,s)、3.05(1H,m)、2.68(3H,s)、2.04?1.90(6H,m)、1.67?1.64(2H,m); ^(13)C NMR(100HMz,CDCl_(3))δ 197.6、168.2、139.6、137.4、136.8、136.6、130.9、129.5、129.0、128.4、127.5、123.3、120.0、119.9、118.0、112.1、52.0、37.3、33.4、31.1、26.7、26.4。 【0033】 実施例8 【化46】 フラスコに、ピナコールボロベート(383.0mg、1.0ミリモル)、4-イオドベンゾトリフルオライド(299.2mg、1.1ミリモル)、Pd(OAc)_(2)(11.2mg、0.05ミリモル)、TFP(46.4mg、0.2ミリモル)、K_(2)CO_(3)(690.0mg、5ミリモル)、水(3mL)およびDME(2mL)を投入した。3回の真空/アルゴンサイクル後、得られた混合物を80℃に加熱し、30分後、HPLCにより、全てのボロネートが消失していることを確認した。C-H、カップリング生成物および二量体の面積比は、HPLC上で約7.5:89.9:2.6であった。反応混合物を室温に冷却後、EtOAc(5mL)を添加した。水性相を分離し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を食塩水(10mL)で洗浄し、Na_(2)SO_(4)上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、上記インドール(0.33g、83%)を得た。 ^(1)H NMR(300HMz,CDCl_(3))δ 8.13(1H,s)、7.83?7.73(4H,m)、7.50(2H,J=6.0Hz)、3.92(3H,s)、3.59(3H,s)、3.03(1H,m)、2.03?1.90(6H,m)、1.65(2H,bs); ^(13)C NMR(100HMz,CDCl_(3))δ168.1、139.2、137.4、135.6、131.1、129.4、125.5、125.4、123.4、120.1、119.9、118.1、112.2、51.9、37.3、33.5、31.0、26.4、25.2。 【0034】 実施例9 【化47】 フラスコに、ピナコールボロベート(383.0mg、1.0ミリモル)、イオドピラゾール(226.6mg、1.1ミリモル)、Pd(OAc)_(2)(11.2mg、0.05ミリモル)、TFP(46.4mg、0.2ミリモル)、K_(2)CO_(3)(690.0mg、5ミリモル)、水(3mL)およびDME(2mL)を投入した。3回の真空/アルゴンサイクル後、得られた混合物を80℃に加熱し、45分後、HPLCにより、全てのボロネートが消失していることを確認した。C-H、カップリング生成物および二量体の面積比は、HPLC上で約3.3:85.3:11.4であった。反応混合物を室温に冷却後、EtOAc(5mL)を添加した。 水性相を分離し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を食塩水(10mL)で洗浄し、Na_(2)SO_(4)上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、上記インドール(0.27g、81%)を得た。 ^(1)H NMR(300HMz,CDCl_(3))δ8.77(2H,bs)、8.60(1H,s)、8.16(1H,s)、7.82?7.76(2H,m)、3.96(3H,s)、3.78(3H,s)、3.20(1H,m)、2.08?1.92(6H,m)、1.72?1.69(2H,m); ^(13)C NMR(100HMz,CDCl_(3))δ168.0、147.4、146.6、144.4、143.2、138.0、135.3、129.0、124.2、120.5、120.3、120.0、112.4、52.0、37.3、33.6、31.3、26.5。 【0035】 実施例10 【化48】 フラスコに、ピナコールボロベート(383.0mg、1.0ミリモル)、2-イオドピリジン(226.6mg、1.1ミリモル)、Pd(OAc)_(2)(11.2mg、0.05ミリモル)、TFP(46.4mg、0.2ミリモル)、K_(2)CO_(3)(690.0mg、5ミリモル)、水(3mL)およびDME(2mL)を投入した。3回の真空/アルゴンサイクル後、得られた混合物を80℃に加熱し、60分後、HPLCにより、全てのボロネートが消失していることを確認した。C-H、カップリング生成物および二量体の面積比は、HPLC上で約23.5:74.2:2.3であった。反応混合物を室温に冷却後、EtOAc(5mL)を添加した。 水性相を分離し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を食塩水(10mL)で洗浄し、Na_(2)SO_(4)上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、上記インドール(0.23g、68%)を得た。 ^(1)H NMR(300HMz,CDCl_(3))δ8.81(1H,d,J=0.6Hz)、8.14(1H,s)、7.83?7.75(3H,m)、7.46(1H,d,J=5.4Hz)、7.35(1H,m)、3.95(3H,s)、3.74(3H,s)、2.04(1H,m)、2.04?1.91(6H,m)、1.69?1.66(2H,m); ^(13)C NMR(100HMz,CDCl_(3))δ168.3、151.4、150.0、139.1、137.5、136.3、129.4、126.2、123.4、122.6、120.1、119.7、118.6、112.2、51.9、37.3、33.4、31.1、26.5。 【0036】 実施例11 【化49】 フラスコに、ピナコールボロベート(766.0mg、2.0ミリモル)、2-イオドアニソール(514.9mg、2.2ミリモル)、Pd(OAc)_(2)(22.4mg、0.1ミリモル)、TFP(92.9mg、0.4ミリモル)、K_(2)CO_(3)(1380mg、10ミリモル)、水(6mL)およびDME(4mL)を投入した。3回の真空/アルゴンサイクル後、得られた混合物を80℃に加熱し、30分後、HPLCにより、全てのボロネートが消失していることを確認した。C-H、カップリング生成物および二量体の面積比は、HPLC上で約4.6:94.5:0.9であった。反応混合物を室温に冷却後、EtOAc(5mL)を添加した。 水性相を分離し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。混ぜ合せた有機抽出物を食塩水(10mL)で洗浄し、Na_(2)SO_(4)上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、上記インドール(0.64g、88%)を得た。 ^(1)H NMR(300HMz,CDCl_(3))δ 8.11(1H,s)、7.80(1H,d,J=6.3Hz)、7.71(1H,d,J=6.3Hz)、7.21(2H,d,J=6.6Hz)、7.00(2H,d,J=6.3Hz)、3.92(3H,s)、3.83(3H,s)、3.56(3H,s)、3.07(1H,m)、2.02?1.87(6H,m)、1.65?1.62(2H,m); ^(13)C NMR(100HMz,CDCl_(3))δ 168.4、159.8、141.1、136.9、131.9、129.7、124.0、122.6、119.8、119.5、117.0、114.0、112.0、55.3、51.9、37.5、33.4、30.8、26.4。 【0037】 実施例12:ブロモインドールの調製 1つの実施態様においては、本発明は、下記の方式Iに示すような、一般式Iの中間体化合物を製造するための下記の一般的多工程合成方法、並びに該方式において示すここの工程および中間体に関する: 【化50】 インドールカルボン酸とシクロペンタノンとの水性水酸化ナトリウムの存在下での縮合により3-シクロペンテンイルインドールカルボン酸を得、これを炭素上の触媒量のパラジウムの存在下に水素化に供して、80%の全体的収率で相応するシクロペンチルカルボン酸を得た。NMP中130℃での炭酸メチルによるカルボン酸と窒素の二重メチル化により、90%の収率でN-メチルインドールカルボン酸メチルエステルが得られた。該インドールカルボキシレートをアセトニトリル中で臭素により臭素して、2-ブロモ-3-シクロペンチルインドールカルボキシレートを90%の収率で得た。 【0038】 実施例13:Pd触媒ボリル化によるボロネート3の調製 【化51】 コンデンサー、温度制御および滴下漏斗を装着したオーブン乾燥三口1L丸底フラスコに、臭素(50g、148.7ミリモル)、乾燥THF(500ml)、Et_(3)N(49.6ml、357ミリモル)、2-ジシクロヘキシルホスフィノビフェニル(2.08g、6ミリモル)およびPd(OAc)_(2)(0.33g、1.5ミリモル)を投入した。ピナコールボラン(32.4ml、223ミリモル)を滴下漏斗に加え、系を5?10分間脱気し、N_(2)で充たし戻した。その後、ピナコールボランを反応混合物に滴下により添加し、添加を終えたとき(約30?45分)、混合物を、反応を終了させるまで(HPLCモニタリング)、60℃に加熱した。 残留物を濾別し、THF(100ml)で洗浄し、濾液を蒸発乾固させた。粗生成物をMeOH(100ml)中に約15分間でスラリー化し、その後、濾別した。ケーキをMeOHのさらなる一部(100ml)で洗浄し、次いで、一定質量まで風乾させた(53.74g、94%、97A%)。 【0039】 実施例14:マグネシアート試薬を使用してのBr-Mg交換によるボロネート3の調製 【化52】 22.5mLのTHF中のi-PrMgCl(9.75mL、19.5ミリモル、THF中2M)の溶液に、0℃で、n-HexLi(16.96mL、39ミリモル、ヘキサン中2.3M)を添加した。得られた混合物を10分間撹拌した。i-Pr(n-Hex)_(2)MgLi溶液の濃度は、THF中0.4Mであった。 もう1つのフラスコに、THF(30mL)中の臭化インドール(33.6g、0.1ミリモル)溶液を投入した。溶液を-15℃に冷却した後、i-Pr(n-Hex)_(2)MgLiを、-15℃辺りの内部温度を維持しながら、滴下により添加した。反応は、添加後約15分で終了した。 ニート(neat)の2-イソプロポキシ-4,4,5,5,-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(40.8mL、0.2モル)を-15℃の上記溶液に添加した。混合物を室温に温めた。室温で30分撹拌した後、反応混合物をEtOAcおよびNH_(4)Cl水溶液で希釈した。有機相を分離し、水洗した。 溶媒を除去して、油状生成物を得た。油状物をMeOH(約30mL)で希釈した。溶液を室温でしばらくの間撹拌して固形沈降物を形成させた。固形物を集め、真空下に乾燥させ、鈴木カップリングにおいて直接使用した。 ^(1)H NMR(300HMz,CDCl_(3))δ 8.07(1H,s)、7.73(1H,d,J=6.6Hz)、7.68(1H,d,J=6.3Hz)、3.99(3H,s)、3.96(3H,s)、3.88(1H,m)、2.02?1.94(6H,m)、1.78?1.75(2H,m)、1.37(12H,s); ^(13)C NMR(100HMz,CDCl_(3))δ 166.1、137.6、130.4、127.2、122.0、118.5、116.7、110.2、81.4、49.7、35.1、31.8、30.2、24.6、22.6。 2’位置にシクロペンチル基以外の成分を有するブロモインドール類は、上述した同じ一般的手順を使用して製造し得る。 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 一般式(I): を有する2,3 ジ置換インドール類またはその製薬上許容し得る塩の製造方法であって、以下の工程、 a)下記のブロモインドール化合物(i): 【化1】 をジアルコキシルボランと、リガンド、パラジウム触媒および塩基の存在下に反応させて、下記の一般式ii: 【化2】 を有する化合物を製造するか、又は、 化合物(i)をトリアルキルマグネシアート試薬と反応させ、次いでホウ酸塩で処理して、前記一般式iiの化合物を製造する工程; b)工程aの生成物をR^(2)-Halと反応させて、一般式Iの化合物を調製する工程; (式中、R^(1)は、(C_(1-6))アルキルであり; R^(2)は、下記: 【化3】 から選ばれ; R^(3)はシクロペンチルであり; Xは、カルボキシメチルであり; Halは、BrまたはIである; を含むことを特徴とする方法。 【請求項2】 前記ジアルコキシルボランが、パラジウム触媒ボリル化法を使用する場合、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである、パラジウム触媒ボリル化において使用する請求項1記載の方法。 【請求項3】 前記ホウ酸塩が、Br-Mg交換法を使用する場合、イソプロポキシ-4,4,5,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランである、一般式Iの化合物の請求項1記載の製造方法。 【請求項4】 一般式(viii)を有する化合物の製造方法であって、 【化4】 (a)下記の式(vi): 【化5】 を有するブロモインドール化合物をリガンド、パラジウム触媒及び塩基の存在下、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと反応させて、下記の(vii): 【化6】 を調製する工程; b)工程aの生成物を、下記: 【化7】 と反応させる工程、 を含むことを特徴とする方法。 【請求項5】 一般式(viii)を有する化合物(式中、アルキルは(C_(1-6))アルキル)の製造方法であって、 【化8】 (a)下記の式(vi): 【化9】 を有するブロモインドール化合物(式中、アルキルは(C_(1-6))アルキル)をリガンド、パラジウム触媒及び塩基の存在下、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランと反応させて、下記の(vii)(式中、アルキルは(C_(1-6))アルキル): 【化10】 を調製する工程; b)工程aの生成物を、下記: 【化11】 と反応させる工程、 を含むことを特徴とする方法。 【請求項6】 前記リガンドが、Pd触媒ボリル化法によるviのviiへの転換又はiのiiへの転換においてはトリ(2-フリル)ホスフィンおよび2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニルから選択され、かつPd触媒鈴木カップリング反応によるviiのviiiへの転換又は前記工程(a)の生成物の式(I)の化合物への転換においてはトリ(2-フリル)ホスフィンである、請求項1、4又は5記載の方法。 【請求項7】 前記パラジウム触媒を、Pd(OAc)_(2)、PdCl_(2)、PdBr_(2)、Pd_(2)(dba)_(3)、Pd_(2)(dba)_(3)CHCl_(3)、[Pd(ally)Cl]_(2)、Pd(CH_(3)CN)_(2)Cl_(2)、Pd(PhCN)_(2)Cl_(2)、Pd/Cおよびカプセル化Pdから選択する、請求項1、4又は5記載の方法。 【請求項8】 iをiiに転換する又はviをviiに転換するPd触媒ボリル化法においては、溶媒がDMEまたはTHFであり、塩基がトリエチルアミンであり;鈴木カップリング法においては、溶媒がDME、THFまたは2-プロパノールであり、塩基がリン酸カリウムまたは炭酸カリウムである、請求項1、4又は5記載の方法。 【請求項9】 前記ブロモ-マグネシウム交換用の試薬が、G_(3)MgLi(式中、Gは、任意のC_(1-6)アルキル基である)のトリアルキルマグネシアートである、請求項1、4又は5記載の方法。 【請求項10】 前記G_(3)MgLiが、i-Pr(n-Hex)_(2)MgLiまたはi-Pr(n-Bu)_(2)MgLi、n-Bu_(3)MgLiから選ばれる、請求項9記載の方法。 【請求項11】 前記方法により調製される式(I)の化合物が、下式である請求項1記載の方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審決日 | 2012-11-06 |
出願番号 | 特願2007-555257(P2007-555257) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(C07D)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 熊谷 祥平 |
特許庁審判長 |
中田 とし子 |
特許庁審判官 |
齋藤 恵 大畑 通隆 |
登録日 | 2012-07-13 |
登録番号 | 特許第5036567号(P5036567) |
発明の名称 | 2,3-ジ置換インドール類の製造方法 |
代理人 | 浅井 賢治 |
代理人 | 山崎 一夫 |
代理人 | 箱田 篤 |
代理人 | 小竹 理絵 |
代理人 | 市川 さつき |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 辻居 幸一 |
代理人 | 浅井 賢治 |
代理人 | 小竹 理絵 |
代理人 | 辻居 幸一 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 箱田 篤 |
代理人 | 市川 さつき |
代理人 | 山崎 一夫 |