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審決分類 審判 全部無効 特36条4項詳細な説明の記載不備  A63F
審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A63F
審判 全部無効 2項進歩性  A63F
管理番号 1267260
審判番号 無効2011-800254  
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-02-22 
種別 無効の審決 
審判請求日 2011-12-12 
確定日 2012-11-19 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第4127613号発明「遊技機」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯等
本件は、特願2001-389164号の特許であり、その経緯概要は以下のとおりである。

平成13年12月21日 本件特許出願
平成20年 4月17日 特許査定
平成20年 5月23日 設定登録(特許第4127613号)

平成23年12月12日 無効審判請求(書面には12月9日の日付)
平成24年 2月 6日 手続補正書
平成24年 4月10日 答弁書・訂正請求書(被請求人)
平成24年 5月16日 弁駁書(請求人)
平成24年 6月11日 審理事項通知書
平成24年 7月23日 口頭審理陳述要領書(被請求人)
平成24年 7月24日 口頭審理陳述要領書(請求人)
平成24年 8月 7日 口頭審理、書面審理通知(口頭審理において)
平成24年 9月 6日 上申書(請求人)

なお、平成24年8月7日の口頭審理について、調書に記載された「陳述の要領」のうち請求人及び被請求人に関するものは以下のとおりである。

請求人
1 審判請求の趣旨及び理由は、審判請求書、平成24年2月6日付け手続補正書、平成24年5月16日付け弁駁書及び平成24年7月24日付け口頭審理陳述要領書に記載のとおり陳述。
2 訂正により、状況決定手段の構成において拡張されている。
3 審判請求書第41頁第13行に記載の「特許法第36条第6項第2号」を「特許法第36条第6項第1号」と訂正する。
4 甲第2号証、甲第4号証、甲第5号証、及び甲第7号証には、主制御装置及び副制御装置についての記載はないと認める。但し、パチスロ機において主制御装置が入賞抽選を行い、副制御装置が演出等を行い、主制御装置から副制御装置へ一方向で通信することは出願前、周知慣用である。
5 甲第2号証、甲第4号証及び甲第8号証において、ゲーム回数は記載されているものの報知回数は記載されていないことを認める。

被請求人
1 答弁の趣旨及び理由は、平成24年4月10日付け審判事件答弁書、平成24年4月10日付け訂正請求書並びに平成24年7月23日付け口頭審理陳述要領書に記載のとおり陳述。
2 請求人の主張3でする訂正を認める。

第2.本件審判事件にかかる両当事者の主張
請求人と被請求人の主張は以下のとおりである。なお、以下において、訂正前の請求項とは本件設定登録時の請求項を、訂正後の請求項とは平成24年4月10日付けの訂正請求に基づく請求項を、それぞれ指す。

1.請求人の主張
請求人は、平成23年12月12日差出しの審判請求書において、「特許第4127613号の特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め」(請求の趣旨)、以下の理由により、本件特許発明(訂正前の請求項1?6)は特許を受けることができないものであるから、特許法123条1項の規定により無効にされるべきである旨主張し、証拠方法として甲第1?20号証を提出した。なお、審判請求書の誤記及び添付書類(甲第4号証、甲第10号証)の落丁について、平成24年2月6日付け手続補正書により補正がされた。
【無効理由1】
本件特許(訂正前の請求項1及びこれを引用する請求項2?6、訂正前の請求項3及びこれを引用する請求項4?6)は、以下の点で、特許法36条6項1号、2号及び4項に規定する要件を満たしていないものであり、無効とされるべきものである。
(1)請求項1の「停止操作部の操作の態様」が意味する技術的範囲が不明で、発明が明確でなく(特許法36条6項2号)、「停止操作部の操作の態様」のうちで想定できる態様に関しての実施可能要件が不足している(特許法36条4項)。
(2)請求項1の「所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生又は終了を決定する」との記載は、状況決定手段が「何」を条件に、「何」を行うのかが全く不明で、発明が明確でなく(特許法36条6項2号)、「所定の状況」に関して遊技機において生じるすべての状況を実施可能な程度に明細書又は図面に記載していない(特許法36条4項)。
(3)請求項1の「報知回数が0であれば、前記報知回数を決定し」の記載は「1以上の時についても、報知回数を決定する場合もある」と解釈でき、これは発明の詳細な説明に記載されておらず(特許法36条6項1号)、かつ「発明の詳細な説明が、実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていない」(特許法36条4項)。
(4)請求項3の「前記所定の条件は、一又は複数のゲームにおける特定の役の入賞の成否に関連する第1の条件、前記操作タイミングに関連する第2の条件、前記操作順序に関連する第3の条件又は前記変動表示手段の停止態様に関連する第4の条件を含む」の記載は、4つの条件がアンド条件なのかオア条件か不明で、発明が明確でなく(特許法36条6項2号)、実施可能要件を満たしていない(特許法36条4項)。

【無効理由2】
(1)「本件特許のうち請求項1記載の発明は、甲1に対して、周知技術、慣用技術あるいは甲2乃至8、甲17に記載された発明との単なる寄せ集めであり、特許法第29条第2項に違反し、・・・無効とされるべきものである。」(審判請求書78頁下から1行?79頁3行)
(2)「発明2は本件特許の出願前の周知・慣用技術である。」(同上80頁下から3行)
(3)「発明3の構成は、甲1に記載されているだけでなく、甲2のパチスロ機「爆釣」、「コンチ4X」で実際に使用されていた周知・慣用技術である。」(同上87頁18?20行)
(4)請求項4に記載された技術的事項のうち「前記第1の条件は、前記特定の役の入賞が成立することを含み、」は、甲1、甲2に記載されているだけでなく、甲2のパチスロ機「爆釣」、「コンチ4X」で実際に使用されていた周知・慣用技術である。請求項4に記載された技術的事項のうち「前記主制御部は、前記特定の役に内部当選したとき、当該特定の役に対応した所定の図柄組合せが所定のラインに沿って並ぶことを許可する前記停止操作部の操作順序の決定、又は前記所定のラインに沿って並ぶことを許可する図柄組合せを決定する許可決定手段を備え、」は、選択的に記載されているものの、一方が甲1に記載されているとともにパチスロ業界における周知慣用技術であり、他方が甲2に記載されているものである。請求項4に記載された技術的事項のうち「前記停止制御手段は、前記許可決定手段の決定結果に基づいて前記変動表示を停止制御し、」は、甲1、甲2、甲9に記載されている。請求項4に記載された技術的事項のうち「前記報知決定手段は、前記許可決定手段の決定結果の一部又は全部を報知するか否かを決定し、該決定結果に基づいて前記報知手段を制御する」は、甲1、甲2、甲9に記載されている。(審決注:請求項4に係る発明の無効理由について、審判請求書においては簡潔に記載されていないので、87頁下から5行?108頁下から7行の記載を要約した。)
(5)「発明5は、甲1,甲2,甲6,甲9,甲10乃至甲12と、パチスロ業界の周知慣用技術との組合せであり、進歩性がない。」(審判請求書114頁下から6?5行)
(6)「請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載されて発明に、甲1,甲2,使用に伴う周知・慣用技術、甲13?甲16の各公報記載に伴う周知技術を単に付加したのみであり、進歩性はない。」(同上119頁下から9?7行)

甲第1号証:特開平11-178982号公報
甲第2号証:パチスロ必勝本 2001年12月号、辰巳出版株式会社、平 成13年12月1日発行、P6-9、P12-17、P42- 43
甲第3号証:特開2001-58021号公報
甲第4号証:パチスロ必勝本 2001年6月号、辰巳出版株式会社、平成 13年6月1日発行、P20-23、P62-67
甲第5号証:パチスロ必勝ガイド 2001年7月号、株式会社白夜書房、 平成13年7月1日発行、P10-11
甲第6号証:パチスロ必勝本 2001年11月号、辰巳出版株式会社、平 成13年11月1日発行、P22-23
甲第7号証:パチスロ必勝ガイド 2001年10月号、株式会社白夜書房 、平成13年10月1日発行、P90-93
甲第8号証:パチスロ必勝ガイドMAX 2001年5月号、株式会社白夜 書房、平成13年5月1日発行、P8-9
甲第9号証:特開2001-238997号公報
甲第10号証:パチスロ必勝ガイド 2001年11月号、株式会社白夜書 房、平成13年11月1日発行、P2-5、P8-11、34 -39、66-67
甲第11号証:パチスロ必勝ガイド 2001年4月号、株式会社白夜書房 、平成13年4月1日発行、P35-39
甲第12号証:パチスロ必勝ガイドMAX 2001年11月号、株式会社 白夜書房、平成13年11月1日発行、P8-13
甲第13号証:特開平1-238888号公報
甲第14号証:特開平10-277246号公報
甲第15号証:特開平11-309241号公報
甲第16号証:特開2000-185130号公報
甲第17号証:特開2001-79154号公報
甲第18号証:特開2000-279574号公報
甲第19号証:パチスロ必勝ガイド8月号増刊 獣王究極攻略、株式会社白 夜書房、平成13年8月1日発行、P16-17、P72-7 3、P94-95
甲第20号証:特許第4127613号公報(本件特許公報)

そして、被請求人の平成24年4月10日付け訂正請求を受けて、同年5月16日付け弁駁書、同年7月24日付け口頭審理陳述要領書、同年9月6日付け上申書において、該訂正請求は訂正要件違反であって認められないものである旨主張し、訂正が認められるとしても、訂正後の請求項1?6に係る発明(それぞれ「本件訂正発明1」?「本件訂正発明6」という。)について、審判請求書で申し立てた無効理由1、2は解消していない旨主張している。

2.被請求人の主張
被請求人は、平成24年4月10日付けで答弁書及び訂正請求書を提出し、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。との審決を求め」(答弁の趣旨)、本件訂正発明1?6について、無効理由1、2は理由がない旨、主張している。
さらに、平成24年7月23日付け口頭審理陳述要領書において、平成24年4月10日付けの訂正請求は認められるべきとした上で、請求人の主張している無効理由1、2は理由がない旨、主張している。

第3.被請求人による訂正請求について

1.訂正請求の内容
平成24年4月10日付けの訂正請求は、本件設定登録時の特許第4127613号の明細書(以下、「特許明細書」という。)を、本件訂正請求書に添付した明細書によって訂正しようとするものであって、次の事項を訂正内容とするものである。

・訂正事項1
【請求項1】の「遊技者による前記停止操作部の操作の態様」を「遊技者による前記停止操作部の操作タイミング又は操作順序を含む操作の態様」と訂正する。
・訂正事項2
【請求項1】の「前記操作の態様に関連する所定の条件が成立したとき、」を「所定の条件が成立したとき、」と訂正する。
・訂正事項3
【請求項1】の「所定の状況の発生又は終了を決定する状況決定手段」を「所定の状況の発生を決定する状況決定手段と、」と訂正する。
・訂正事項4
【請求項1】の「前記操作の態様に関する情報を報知する報知回数」を「前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を報知する報知回数」と訂正する。
・訂正事項5
【請求項1】の「前記所定の条件が成立する可能性が高まる或いは低下することとなる前記操作の態様に関する情報、又は前記所定の条件が成立することとなる或いは不成立となる前記操作の態様に関する情報を」を「前記所定の条件が成立する可能性が高まることとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報、又は前記所定の条件が成立することとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を」と訂正する。
・訂正事項6
【請求項3】の「前記操作の態様は、前記停止操作部の操作タイミング又は前記停止操作部の操作順序を含み、」を削除する。
・訂正事項7
明細書の段落【0009】の
「【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、遊技に必要な図柄を複数列に変動表示する変動表示手段(例えば、後述のリール3L,3C,3R)と、変動表示手段とは別の報知手段(例えば、後述の液晶表示装置5)と、変動表示手段を各図柄列毎に、遊技者が停止操作を行うために設けられた停止操作部(例えば、後述の停止ボタン7L,7C,7R)と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段(例えば、後述のCPU31)と、遊技者による停止操作部の操作の態様及び内部当選役決定手段の決定結果に基づいて変動表示を停止制御する停止制御手段(例えば、後述のCPU31)と、上記操作の態様に関連する所定の条件(例えば、後述の発生条件)が成立したとき(例えば、後述の図14のST30の判別が“YES”であるとき)、所定の状況(例えば、後述の高確率再遊技期間)の発生又は終了(例えば、継続)を決定する状況決定手段(例えば、後述のCPU31)と、所定の条件が成立する可能性が高まる(例えば、後述の報知回数が“1回”?“4回”であること)或いは低下することとなる上記操作の態様に関する情報、又は所定の条件が成立することとなる(例えば、後述の報知回数が“5回”であること)或いは不成立となる上記操作の態様に関する情報を報知するか否かを決定し(例えば、後述の図19のST84の処理を行い)、この決定結果に基づいて報知手段を制御する(例えば、後述の図20のST93の処理を行う)報知決定手段(例えば、後述のサブCPU74)とを備えたことを特徴とする。」を、
「【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、遊技に必要な図柄を複数列に変動表示する変動表示手段と、変動表示手段とは別の報知手段と、前記変動表示手段を各図柄列毎に、遊技者が停止操作を行うために設けられた停止操作部と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、遊技者による前記停止操作部の操作タイミング又は操作順序を含む操作の態様及び前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて前記変動表示を停止制御する停止制御手段と、所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生を決定する状況決定手段と、前記内部当選役決定手段、前記停止制御手段及び前記状況決定手段を含む主制御部と、前記報知手段を制御する副制御部と、を備え、前記主制御部と前記副制御部は、前記主制御部から前記副制御部への一方向で通信を行う機能を有し、前記副制御部は、前記主制御部から遊技開始を示すスタートコマンドを受信した場合に、前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を報知する報知回数が0であれば、前記報知回数を決定し、該決定の結果を含めて前記報知回数が0でなければ、前記内部当選役決定手段により所定の役が内部当選役として決定されたことを条件に、前記所定の条件が成立する可能性が高まることとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報、又は前記所定の条件が成立することとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を前記報知手段により報知するか否かを決定する報知決定手段を含み、前記報知手段により報知が行われると、前記報知回数を1減算することで、前記報知手段を制御することを特徴とする。」と訂正する。
・訂正事項8
明細書の段落【0011】の
「本発明の具体的態様では、上記操作の態様は、停止操作部の操作タイミング又は停止操作部の操作順序を含み、所定の条件は、一又は複数のゲームにおける特定の役(例えば、後述のベルの小役)の入賞の成否に関連する第1の条件、操作タイミングに関連する第2の条件、操作順序に関連する第3の条件、又は変動表示手段の停止態様に関連する第4の条件を含むことを特徴とする。」を、
「本発明の具体的態様では、前記所定の条件は、一又は複数のゲームにおける特定の役の入賞の成否に関連する第1の条件、前記操作タイミングに関連する第2の条件、前記操作順序に関連する第3の条件又は前記変動表示手段の停止態様に関連する第4の条件を含むことを特徴とする。」と訂正する。
・訂正事項9
明細書の段落【0015】の
「【作用及び効果】
本発明の遊技機では、状況決定手段は、停止操作部の操作の態様に関連する所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生又は終了を決定する。報知決定手段は、所定の条件が成立する可能性が高まる或いは低下することとなる上記操作の態様に関する情報、又は所定の条件が成立することとなる或いは不成立となる操作の態様に関する情報を報知するか否かを決定し、この決定結果に基づいて報知手段を制御する。遊技者は、報知に応じた態様により上記操作を行い所定の条件を成立させることにより、停止操作部の操作により状況決定手段の決定に影響を与えることができるので、遊技の面白みが増す。」を、
「【作用及び効果】
本発明の遊技機では、状況決定手段は、所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生を決定する。報知決定手段は、所定の条件が成立する可能性が高まることとなる上記操作タイミング又は操作順序に関する情報、又は所定の条件が成立することとなる操作タイミング又は操作順序に関する情報を報知するか否かを決定し、この決定結果に基づいて報知手段を制御する。遊技者は、報知に応じた態様により上記操作を行い所定の条件を成立させることにより、停止操作部の操作により状況決定手段の決定に影響を与えることができるので、遊技の面白みが増す。」と訂正する。
・訂正事項10
明細書の段落【0016】の
「本発明の実施態様では、状況決定手段は、主制御部に含まれ、報知決定手段は、副制御部に含まれる。また、主制御部と副制御部は、主制御部から副制御部への一方向で通信する。従って、副制御部から主制御部へ情報の送信が行われない場合であっても、遊技者が副制御部の制御に基づく報知手段の報知に応じた態様で停止操作部の操作を行うことにより、例えば所定の条件が成立し、所定の状況が発生する。また、例えば所定の条件が成立せず、所定の状況が終了しない(例えば、継続する)。つまり、副制御部の決定は、遊技者の停止操作部の操作を介して主制御部で行われる遊技の状態の変更に関与させられるので、主制御部の機能が制限されている場合であっても面白みのある遊技機が提供される。」を、
「本発明の実施態様では、状況決定手段は、主制御部に含まれ、報知決定手段は、副制御部に含まれる。また、主制御部と副制御部は、主制御部から副制御部への一方向で通信する。従って、副制御部から主制御部へ情報の送信が行われない場合であっても、遊技者が副制御部の制御に基づく報知手段の報知に応じた態様で停止操作部の操作を行うことにより、例えば所定の条件が成立し、所定の状況が発生する。つまり、副制御部の決定は、遊技者の停止操作部の操作を介して主制御部で行われる遊技の状態の変更に関与させられるので、主制御部の機能が制限されている場合であっても面白みのある遊技機が提供される。」と訂正する。
・訂正事項11
明細書の段落【0017】の
「また、操作の態様には、停止操作部の操作タイミング又は停止操作部の操作順序を含めるのが好ましい。また、所定の条件には、入賞の成否に関連する第1の条件、操作タイミングに関連する第2の条件、操作順序に関連する第3の条件、又は変動表示手段の停止態様に関連する第4の条件を含めるのが好ましい。」を、
「また、所定の条件には、入賞の成否に関連する第1の条件、操作タイミングに関連する第2の条件、操作順序に関連する第3の条件、又は変動表示手段の停止態様に関連する第4の条件を含めるのが好ましい。」と訂正する。
・訂正事項12
明細書の段落【0018】の
「また、主制御部は、特定の役に内部当選したとき、当該特定の役に対応した所定の図柄組合せが所定のラインに沿って並ぶことを許可する停止操作部の操作順序の決定、又は所定のラインに沿って並ぶことを許可する図柄組合せを決定する許可決定手段を備える。第1の条件は、特定の役の入賞が成立することを含む。副制御部の報知決定手段は、許可決定手段の決定結果の一部又は全部を報知するか否かを決定し、その決定結果に基づいて報知手段を制御する。従って、遊技者が報知手段の報知に応じて停止操作部を操作することを条件として、報知決定手段の決定結果に従って第1の条件が成立する又は成立する確率が高まり、所定の状況が発生又は終了する、又はその可能性が高まることとなる。また、許可決定手段の決定結果の一部を報知する場合には、所定の条件が成立する確率が変化し得るので、遊技の面白みが増す。」を、
「また、主制御部は、特定の役に内部当選したとき、当該特定の役に対応した所定の図柄組合せが所定のラインに沿って並ぶことを許可する停止操作部の操作順序の決定、又は所定のラインに沿って並ぶことを許可する図柄組合せを決定する許可決定手段を備える。第1の条件は、特定の役の入賞が成立することを含む。副制御部の報知決定手段は、許可決定手段の決定結果の一部又は全部を報知するか否かを決定し、その決定結果に基づいて報知手段を制御する。従って、遊技者が報知手段の報知に応じて停止操作部を操作することを条件として、報知決定手段の決定結果に従って第1の条件が成立する又は成立する確率が高まり、所定の状況が発生する、又はその可能性が高まることとなる。また、許可決定手段の決定結果の一部を報知する場合には、所定の条件が成立する確率が変化し得るので、遊技の面白みが増す。」と訂正する。

2.訂正の適否に対する判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、「遊技者による前記停止操作部の操作の態様」を「遊技者による前記停止操作部の操作タイミング又は操作順序を含む操作の態様」と限定するものであるから、特許請求の範囲を減縮を目的とするものである。
また、特許明細書の請求項3の「前記操作の態様は、前記停止操作部の操作タイミング又は前記停止操作部の操作順序を含み」との記載によれば「操作タイミング又は操作順序を含む操作の態様」は特許明細書に記載されていると認められるから、訂正事項1は、特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

(2)訂正事項2について
(イ)請求人は、上記訂正のうち、訂正事項2は、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものであり、訂正は認められない旨主張(弁駁書2?3頁)し、更に、口頭審理において、訂正事項2により「状況決定手段」の構成において拡張されている旨、主張している。
そこで、この点について検討する。
特許法134条の2第5項において準用する同法126条4項には、「第一項の明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであってはならない。」と規定されているが、請求項に記載した発明を特定するために必要な事項(発明特定事項)について拡張し、又は変更するものであってはならないとはされていない。したがって、訂正が実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものか否かの判断は、発明特定事項の拡張又は変更には関係なく、特許請求の範囲全体を総合的に検討して行うべきものと認められる。
訂正事項2は、【請求項1】の「前記操作の態様に関連する所定の条件が成立したとき、」を「所定の条件が成立したとき、」と訂正するものであるから、「所定の条件」を限定していた「前記操作の態様に関連する」を削除するものである。したがって、訂正事項2のみで判断すると、「前記操作の態様に関連する」が削除されている以上、実質上特許請求の範囲を拡張する訂正が行われているということができる。
一方、訂正事項5に係る訂正後の「前記所定の条件が成立する可能性が高まることとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報、又は前記所定の条件が成立することとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報」によれば、「前記操作タイミング又は操作順序に関する情報」は、「所定の条件が成立する可能性が高まることとなる」又は「所定の条件が成立することとなる」ものであるから、「操作タイミング又は操作順序」と「所定の条件の成立」とは「関連する」ものであるということができる。そうすると、「操作タイミング又は操作順序」は訂正前の「操作の態様」に相当することは明らかであるから、訂正事項2により削除された「操作の態様に関連する(所定の条件)」は、訂正事項5によって「操作の態様」が「操作タイミング又は操作順序」に限定されているものの、訂正事項5に係る訂正後の記載において実質的に記載されているものと認められるから、訂正事項2によって、実質上特許請求の範囲は拡張されるものではない。
以上により、訂正事項2は、訂正事項5に係る訂正後の記載が存在する以上、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものとすることができない。

(ロ)訂正事項2に係る訂正前の「操作の態様に関連する所定の条件」は字句とおり解釈することができ、不明りようなものとも認められないので、訂正事項2は不明りような記載の釈明を目的としたものとすることができない。また、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正を目的とするものでないことは明らかであるから、訂正事項2のみを見た場合には、特許法126条1項ただし書の何れにも該当しない。
しかしながら、訂正事項5と訂正事項2は同時に訂正が行われており、訂正事項2は訂正事項5による限定にあわせて記載を整理したものと認められるから、訂正事項2は実質上特許請求の範囲を減縮を目的とするものと認められる。そして、訂正事項2は、特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものである

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、「所定の状況の発生又は終了を決定する」を「所定の状況の発生を決定する」とするものであるが、発明の構成として選択的に記載されていた「発生」と「終了」のうち「終了」を削除するものであって、発明を特定するために必要な事項を限定するものであるから、特許請求の範囲を減縮を目的とするものである。
また、選択的に記載されていた「発生」と「終了」のうち「終了」を削除するものであるから、訂正事項2は、特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

(4)訂正事項4について
訂正事項4は、「操作の態様に関する情報」を「操作タイミング又は操作順序に関する情報」と限定するものであるから、特許請求の範囲を減縮を目的とするものである。
また、特許明細書の請求項3の「前記操作の態様は、前記停止操作部の操作タイミング又は前記停止操作部の操作順序を含み」と記載されており、「操作タイミング又は操作順序に関する情報」は特許明細書に実質的に記載されていると認められるから、訂正事項4は、特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

(5)訂正事項5について
訂正事項5は、「可能性が高まる或いは低下する」を「可能性が高まる」と限定し、「成立することとなる或いは不成立となる」を「成立することとなる」と限定するとともに、「操作の態様に関する情報」を「操作タイミング又は操作順序に関する情報」と限定(2箇所)するものであるから、特許請求の範囲を減縮を目的とするものである。
また、訂正事項5は、特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

(6)訂正事項6について
訂正事項6は、訂正事項1、4、5により請求項1において操作の態様」が「操作タイミング又は操作順序」とされたことに伴い、請求項3の記載と請求項1の記載との整合性を図るものであるから、明りようでない記載の釈明を目的とするものであって、特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

(7)訂正事項7?12について
訂正事項7?12は、上記訂正事項1?6による特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合性を図るものであるから、明りようでない記載の釈明を目的とするものであって、特許明細書に記載された事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

3.小括
以上のとおりであるから、平成24年4月10日付けの訂正は、特許請求の範囲の減縮及び明りようでない記載の釈明を目的とし、願書に添付した明細書又は図面に記載されている事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
したがって、上記訂正は、特許法134条の2ただし書、同条5項において準用する126条3項、4項の規定に適合するので、適法な訂正と認める。

第4.本件特許発明

上記のとおり訂正を認めるので、本件特許発明は、本件訂正により訂正された明細書及び図面(以下、「訂正明細書等」という。)の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?6に記載された次のとおりのもの(以下、「本件特許発明1」?「本件特許発明6」という。)と認める。
「【請求項1】
遊技に必要な図柄を複数列に変動表示する変動表示手段と、
該変動表示手段とは別の報知手段と、
前記変動表示手段を各図柄列毎に、遊技者が停止操作を行うために設けられた停止操作部と、
内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、
遊技者による前記停止操作部の操作タイミング又は操作順序を含む操作の態様及び前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて前記変動表示を停止制御する停止制御手段と、
所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生を決定する状況決定手段と、
前記内部当選役決定手段、前記停止制御手段及び前記状況決定手段を含む主制御部と、前記報知手段を制御する副制御部と、を備え、
前記主制御部と前記副制御部は、前記主制御部から前記副制御部への一方向で通信を行う機能を有し、
前記副制御部は、前記主制御部から遊技開始を示すスタートコマンドを受信した場合に、前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を報知する報知回数が0であれば、前記報知回数を決定し、
該決定の結果を含めて前記報知回数が0でなければ、前記内部当選役決定手段により所定の役が内部当選役として決定されたことを条件に、前記所定の条件が成立する可能性が高まることとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報、又は前記所定の条件が成立することとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を前記報知手段により報知するか否かを決定する報知決定手段を含み、
前記報知手段により報知が行われると、前記報知回数を1減算することで、前記報知手段を制御することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1記載の遊技機において、
前記副制御部は、抽選により、0を含む複数種類の回数の中から前記報知回数を決定することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1又は2記載の遊技機において、
前記所定の条件は、一又は複数のゲームにおける特定の役の入賞の成否に関連する第1の条件、前記操作タイミングに関連する第2の条件、前記操作順序に関連する第3の条件又は前記変動表示手段の停止態様に関連する第4の条件を含むことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項3記載の遊技機において、
前記第1の条件は、前記特定の役の入賞が成立することを含み、前記主制御部は、前記特定の役に内部当選したとき、当該特定の役に対応した所定の図柄組合せが所定のラインに沿って並ぶことを許可する前記停止操作部の操作順序の決定、又は前記所定のラインに沿って並ぶことを許可する図柄組合せを決定する許可決定手段を備え、
前記停止制御手段は、前記許可決定手段の決定結果に基づいて前記変動表示を停止制御し、
前記報知決定手段は、前記許可決定手段の決定結果の一部又は全部を報知するか否かを決定し、該決定結果に基づいて前記報知手段を制御することを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項3記載の遊技機において、
前記第1の条件は、連続する所定回数のゲーム又は前記特定の役に内部当選したゲームにおいて、所定回数連続して前記特定の役の入賞が成立すること、連続する所定回数のゲームにおいて、前記特定の役の入賞が特定回数成立すること、予め定められた順番で前記特定の役を含む役の入賞が成立すること、又は予め定められたゲーム間隔で前記特定の役の入賞が成立することであり、
前記主制御部は、前記特定の役に内部当選したとき、当該特定の役に対応した所定の図柄組合せが所定のラインに沿って並ぶことを許可する前記停止操作部の操作順序の決定、又は前記所定のラインに沿って並ぶことを許可する図柄組合せを決定する許可決定手段を備え、
前記停止制御手段は、前記許可決定手段の決定結果に基づいて前記変動表示を停止制御し、
前記報知決定手段は、前記許可決定手段の決定結果の一部又は全部を報知するか否かを決定し、該決定結果に基づいて前記報知手段を制御することを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか記載の遊技機において、
前記所定の状況は、所定の役に内部当選する確率が高い状況、当該所定の役の入賞が成立する確率の高い状況、又は一定の条件の下、前記停止操作部の操作のタイミングで前記変動表示手段が停止制御される状況であることを特徴とする遊技機。」

第5.本件特許発明にかかる検討

1.無効理由1について(特許法36条)
(1)請求人は、「停止操作部の操作の態様」が意味する技術的範囲がどこまでなのかということが不明であり、「停止操作」に関する全ての事項が技術的範囲に含まれるような記載となっていて「停止操作部の操作の態様」のうちで想定できる態様に関して実施可能要件が不足しており、特許法36条6項2号及び同条4項の規定に違反していると主張している(審判請求書36?38頁)。更に、当該記載が「停止操作部の操作タイミング又は操作順序を含む操作の態様」と訂正されたのに対し、同様の主張をしている(弁駁書3?4頁)。
特許明細書の特許請求の範囲において「操作の態様」は複数箇所で記載があり、訂正の結果、記載が変更されているので、以下において、記載箇所別に請求人の主張について検討する。
(イ)訂正前請求項1:「遊技者による前記停止操作部の操作の態様及び前 記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて前記変 動表示を停止制御する停止制御手段」
訂正後請求項1:「遊技者による前記停止操作部の操作タイミング又 は操作順序を含む操作の態様及び前記内部当選役決 定手段の決定結果に基づいて前記変動表示を停止制 御する停止制御手段」
訂正後の「停止操作部の操作タイミング又は操作順序を含む操作の態様」は、文言上明確であることは明らかである。そして、当該記載が意味する技術的範囲は、字句とおり「(操作タイミング又は操作順序を含む)停止操作に関する全ての事項」であることは明らかであって、これは請求人も認めるところである(審判請求書37頁下から1行?38頁1行)。したがって、当該記載は明確であるから、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていないとすることはできない。

また、訂正明細書等には以下の記載がある。
【0080】
主制御回路71は、高確率再遊技決定手段101、入賞検索手段102、停止制御手段103、及び滑りコマ数決定手段104を備える。・・・停止制御手段103は、滑りコマ数決定手段104の決定結果に基づいてリール3L,3C,3Rの停止制御を行う(後述の図13のST21の処理を行う)。滑りコマ数決定手段104は、停止制御テーブル及び遊技者の停止操作のタイミングに基づいて滑りコマ数を決定する(後述の図17に示す処理を行う)。
【0083】
遊技者は、報知に応じた停止順序で停止ボタン7L,7C,7Rの停止操作を行う。この停止操作に応じた滑りコマ数決定手段104の決定結果に基づいて、停止制御手段103はリール3L,3C,3Rを停止制御する。・・・
【0092】
ST20の処理では、CPU31は、後で図17を参照して説明する滑りコマ数決定処理を行う。続いて、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタンに対応するリールを回転させてから停止させる(ST21)。ここで、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作された後、リールが停止するまでの間に移動した図柄の数を示す。また、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作されたとき、所定の入賞ラインに位置していた図柄のコードナンバーと、実際にリールが停止したときに、その入賞ラインに停止した図柄のコードナンバーとの差の絶対値により表わされる。この「滑りコマ数」は、「引き込み数」と称されることもある。
【0105】
初めに、CPU31は、現在の遊技状態が一般遊技状態であるか否かを判別する(ST61)。この判別が“YES”のときは、ST62の処理に移り、“NO”のときは、ST63の処理に移る。ST62の処理では、内部当選役が「ベルの小役」であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST64の処理に移り、“NO”のときは、ST63の処理に移る。ST63の処理では、内部当選役、遊技状態、停止順序、停止操作位置等に基づいて滑りコマ数を決定する。

上記記載によれば、CPU31は、内部当選役、停止順序、停止操作位置等に基づいて滑りコマ数を決定し、リール3L,3C,3Rの停止制御を行うものであって、「遊技者による前記停止操作部の操作タイミング又は操作順序を含む操作の態様及び前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて前記変動表示を停止制御する停止制御手段」における「操作タイミング」、「操作順序」、「内部当選役決定手段の決定結果」及び「停止制御手段」の具体的手段として発明の詳細な説明には「停止操作位置」、「停止順序」、「内部当選役」及び「CPU31」が記載されていると認められる。
そして、「遊技者による前記停止操作部の操作タイミング又は操作順序を含む操作の態様」の記載では「操作タイミング」又は「操作順序」以外の「遊技者による前記停止操作部の操作の態様」を含むものであるが、停止操作手段が変動表示を停止制御する条件として「操作タイミング」又は「操作順序」以外のものも含めて停止制御を行うようにすることは、実際に装置を製造する際に当業者が適宜採用できる程度のことにすぎない。したがって、「停止操作部の操作の態様」のうちで想定できる態様に関して、そのすべてについて明細書および図面に記載されていなくとも、実施可能要件が不足しているとして特許法36条4項に規定する要件を満たしていないとすることはできない。

(ロ)訂正前請求項1:「前記操作の態様に関連する所定の条件が成立した とき、所定の状況の発生又は終了を決定する状況決 定手段」
訂正後請求項1:「所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生を 決定する状況決定手段」
訂正によって「前記操作の態様」は削除されたため、請求人の主張は採用することはできない。

(ハ)訂正前請求項1:「前記操作の態様に関する情報を報知する報知回数 が0であれば」
訂正後請求項1:「前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を 報知する報知回数が0であれば」
訂正によって「前記操作の態様」は「前記操作タイミング又は操作順序」と限定されたため、請求人の主張は採用することはできない。

(ニ)訂正前請求項1:「前記所定の条件が成立する可能性が高まる或いは 低下することとなる前記操作の態様に関する情報、 又は前記所定の条件が成立することとなる或いは不 成立となる前記操作の態様に関する情報」
訂正後請求項1:「前記所定の条件が成立する可能性が高まることと なる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報 、又は前記所定の条件が成立することとなる前記操 作タイミング又は操作順序に関する情報」
訂正によって「前記操作の態様」は「前記操作タイミング又は操作順序」と限定されたため、請求人の主張は採用することはできない。

(ホ)訂正前請求項3:「前記操作の態様は、前記停止操作部の操作タイミ ング又は前記停止操作部の操作順序を含み、」
訂正後請求項3:(当該記載は削除)
訂正によって「前記操作の態様」に関する記載は削除されたため、請求人の主張は採用することはできない。

上記(イ)?(ホ)で検討したように、「停止操作部の操作の態様」に関して特許法36条6項2号及び同条4項に規定する要件を満たしていないとすることはできない。

(2)請求人は、訂正前請求項1における「前記操作の態様に関連する所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生又は終了を決定する」は、「何か」の条件が成立すると「何か」を始めるか終わるかと記載されているだけで、「何か」が全く不明であり、また、「所定の状況」に関して遊技機において生じるすべての状況を実施可能な程度に明細書又は図面に記載しているとは考えられず、特許法36条6項2号及び同条4項の規定に違反していると主張している(審判請求書38?39頁)。更に、当該記載が「所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生を決定する」と訂正されたのに対し、同様の主張をしている(弁駁書5頁)。
当該主張について検討する。
訂正後の「所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生を決定する」は、文言上明確であることは明らかである。そして、「所定の条件」、「所定の状況」が具体的なものではなく「何らかの条件」、「何らかの状況」との技術的意義しか有していないとしても、その技術的意義を有している以上明確である。したがって、当該記載は明確であるから、特許法36条6項2号の規定に違反しているとすることはできない。

また、訂正明細書等には、以下の記載がある。
【0011】
・・・前記所定の条件は、一又は複数のゲームにおける特定の役の入賞の成否に関連する第1の条件、前記操作タイミングに関連する第2の条件、前記操作順序に関連する第3の条件又は前記変動表示手段の停止態様に関連する第4の条件を含むことを特徴とする。
【0012】
・・・第1の条件は、特定の役(例えば、一の役、或いは払出枚数が夫々同一又は異なる複数の役)の入賞が成立することを含み、・・・
【0013】
・・・第1の条件は、連続する所定回数のゲーム又は特定の役に内部当選したゲーム(例えば、後述の図14のST27の判別が“YES”であるゲーム)において、所定回数(例えば、“5回”)連続して特定の役の入賞が成立すること(後述の図14のST30の判別が“YES”であること)、連続する所定回数のゲームにおいて、特定の役の入賞が特定回数成立すること、予め定められた順番で特定の役を含む役の入賞が成立すること、又は予め定められたゲーム間隔で特定の役の入賞が成立することであり、・・・
【0014】
本発明の具体的態様では、所定の状況は、所定の役(例えば、再遊技)に内部当選する確率が高い状況、当該所定の役の入賞が成立する確率の高い状況、又は一定の条件の下、停止操作部の操作のタイミングで変動表示手段が停止制御される状況(例えば、いわゆる「チャレンジタイム」)であることを特徴とする。
【0083】
・・・高確率再遊技決定手段は、複数のゲームにわたる入賞検索手段102の識別結果に基づいて、高確率再遊技期間の発生条件(ベルの小役に内部当選したゲームにおいて、“5回”連続してベルの小役の入賞が成立すること)が成立した否かを判別し、高確率再遊技期間を発生させるか否かを決定する。ここで、報知回数決定手段が報知回数を“5回”と決定した場合には、遊技者が報知に応じた停止操作を行うことを条件として必ず高確率再遊技期間が発生することとなる。他方、報知回数が“1回”?“4回”である場合には、報知が行われない場合と比較して高確率再遊技期間が発生する確率が高くなる。
【0130】
実施例では、所定の条件として、「通常期間」のベルの小役に内部当選したゲームにおいて、所定回数(実施例では、“5回”)連続してベルの小役の入賞が成立すること(第1の条件の一例)を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、一の又は複数のゲームにおいて、リール3L,3C,3Rの停止態様が所定の態様であること(第4の条件)、一の又は複数のゲームにおける停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたときのセンターライン8cに位置していた図柄のコードナンバーが所定のコードナンバーであること(第2の条件)、停止ボタン7L,7C,7Rの操作順序が所定の停止順序であること(第3の条件であり、入賞の成否は問わない)等を採用することもできる。また、主制御回路71は、いずれかの所定の条件(いずれかのコードナンバー、停止順序等)を決定(選択)し、その決定結果を毎ゲーム副制御回路72へ送信する。そして、副制御回路72は、上記決定結果(所定の条件)を報知するか否かを決定することもできる。また、所定の条件は、連続する複数のゲーム、又は一のゲームにおいて成立するようにしてもよい。
【0131】
また、第1の条件として、連続する所定回数のゲームにおいて、特定の役の入賞が特定回数成立することを採用することもできる。具体的には、連続する“10回”のゲームにおいて、ベルの小役の入賞が“5回”成立することを採用することもできる。また、第1の条件として、予め定められた順番で特定の役を含む役の入賞が成立することを採用することもできる。具体的には、ベルの小役、ベルの小役、再遊技、再遊技、再遊技の順番で入賞が成立することを採用することもできる。この場合、各ゲームは、連続するものであっても、不連続なものであってもよい。また、第1の条件として、予め定められたゲーム間隔で特定の役の入賞が成立することを採用することもできる。具体的には、一ゲームおきに、或いは二ゲームおきにベルの小役の入賞が成立することを採用することもできる。
【0136】
実施例では、所定の状況として高確率再遊技期間を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、「基本的に遊技者のタイミングのみに基づいてリールの停止制御が行われる、すなわち停止操作位置と停止制御位置が一致することとなる状況(いわゆる「チャレンジタイム(CT)」)」、「シングルボーナスの入賞が成立しやすい状況(S・B高確率状態)」、「所定の役(例えば、BB、RB、或いは小役等)の入賞が成立しやすい状況(例えば、いわゆる「小役の集中」)」、「再遊技に内部当選する確率が高いが、その入賞の成否を停止制御で振り分けるとともに、ボーナスに内部当選した回数を計数し、その計数分の入賞成立をその後可能とする期間」等を採用するようにしてもよい。

上記記載によれば、発明の詳細な説明において、「所定の条件」として、「通常期間」のベルの小役に内部当選したゲームにおいて、所定回数(実施例では、“5回”)連続してベルの小役の入賞が成立することを採用し、「所定の状況」として高確率再遊技期間を採用した実施例が記載されており、更に「所定の条件」及び「所定の状況」はこれに限られないものとして、他の複数種の「所定の条件」及び「所定の状況」が記載されている。そして、遊技機において種々ある「条件」及び「状況」を本件発明の「所定の条件」及び「所定の状況」として採用することは、実際に装置を製造する際に当業者が適宜採用できる程度のことにすぎない。したがって、「停止操作部の操作の態様」のうちで想定できる態様に関して、そのすべてについて明細書および図面に記載されていなくとも、実施可能要件が不足しているとして特許法36条4項に規定する要件を満たしていないとすることはできない。

(3)請求人は、訂正前請求項1における「前記操作の態様に関する情報を報知する回数が0であれば、前記報知回数を決定し、」との記載では、「0以外の時」に報知回数を決定することも含まれるが、「0以外すなわち1以上の時についても、報知回数を決定する場合がある」と解釈すると、「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載されていない」ことになるとともに、「発明の詳細な説明が・・・実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていない」こととなり、特許法36条6項1号の規定に違反し、同条4項1号の規定に違反していると主張している(審判請求書39?41頁)。なお、当該記載は「前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を報知する報知回数が0であれば、前記報知回数を決定し、」と訂正された。
当該主張について検討する。
「報知する回数が0であれば、前記報知回数を決定」との記載に「報知回数が1以上の場合にも報知回数を決定」が含まれるとすると、そもそも「報知回数が0であれば」と記載すること自体全く意味がないことであり、例えば「報知する回数が何であっても、報知回数を決定する」というような記載になるはずである。すなわち、「報知する回数が0であれば、前記報知回数を決定」について、当業者であれば「報知回数が1以上の場合にも報知回数を決定」が含まれると解するはずはない。したがって、請求人の主張は採用することができない。
仮に、そうでないとしても、発明特定事項は「報知する回数が0であれば、前記報知回数を決定」であって、「報知回数が1以上の場合にも報知回数を決定」は発明特定事項ではない。そして、発明特定事項でないものについて、特許法は実施可能要件及びサポート要件として実施例を要求しているとは解されないから、「報知回数が1以上の場合にも報知回数を決定」することについて実施可能要件及びサポート要件が必要との請求人の主張は採用することができない。
以上により、当該記載が、特許法36条6項1号及び同条4項に規定する要件を満たしていないとすることはできない。

(4)請求人は、請求項3の「前記所定の条件は、一又は複数のゲームにおける特定の役の入賞の成否に関連する第1の条件、前記操作タイミングに関連する第2の条件、前記操作順序に関連する第3の条件又は前記変動表示手段の停止態様に関連する第4の条件を含む」は、第1の条件から第4の条件に関して、全ての条件をアンド条件で読むのか、オア条件で読むのか不明であり、特許法36条6項2号及び同条4項の規定に違反していると主張している(審判請求書41?42頁)。
当該記載は、「含む」対象である第1?第4の条件が「又は」で接続されていることから、遊技機の構成として4つの条件のうち1つが「所定の条件」となっているものと解するのが自然である。したがって、不明確ではなく、特許法36条6項2号及び同条4項に規定する要件を満たしていないとすることはできない。

(5)以上のとおり、請求人の主張は何れも採用することができないから、無効理由1は理由がない。

2.無効理由2について(特許法29条2項)
(1)本件特許発明1について
請求人は、本件特許発明1は、甲1に対して、周知技術、慣用技術あるいは甲2乃至8、甲17に記載された発明との単なる寄せ集めであり、当業者が容易に成し得たものであり、特許法29条2項に違反し、無効とされるべきものである旨主張(審判請求書78頁下から2行?79頁3行)するので、検討する。なお、請求人は、審判請求書65頁において甲18を公知技術として引用し、同63頁において甲19を引用しているので、これらも検討対象となる。
(1-1)甲第1?8、17,18,19号証の記載事項
(1-1-1)甲第1号証(特開平11-178982号公報)の記載事項
(イ)「以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。図2はスロットマシンの前面を示している。この図2において、スロットマシン1の正面には表示窓2が形成されており、その表示窓2を通じて停止図柄を視認可能となっている。この場合、停止図柄は内部に配置した3個のリール3a,3b,3cの円周面に描かれており、リール3a,3b,3cの停止状態では表示窓2の上段、中段、下段に対応して図柄が表示されるようになっている。また、表示窓2の上方にはボーナス中におけるコインの払出し進捗状態を示す複数のランプ4が設けられている。」(【0015】)
(ロ)「表示窓2の下方に設けられた操作パネル5には払出しコインのクレジットボタン6、クレジットコインの返却ボタン7、コイン投入口8が設けられていると共に、スタートレバー9、左側ストップボタン10a、中央ストップボタン10b、右側ストップボタン10cが配置されている。」(【0016】)
(ハ)「図1はスロットマシン1の構成を概略的に示している。この図1において、CPU12(制御手段に相当)は、クロック回路13からのクロック信号に基づいてROM14に記憶されたプログラムを実行するようになっており、その実行に応じてワークデータをRAM15に記憶する。」(【0018】)
(ニ)「検出回路17は、スタートレバー9が操作されたことを検出してCPU12に通知する。CPU12は、検出回路17からスタートレバー9が操作されたことを通知されたときは乱数回路18から乱数値を獲得して抽選図柄を決定する。この場合、抽選図柄としては、ビッグボーナス図柄、レギュラボーナス図柄、10枚小役図柄、2枚小役図柄、リプレイ図柄、集中役モード開始図柄、集中役モード終了図柄、外れ図柄などが設定されている。」(【0020】)
(ホ)「検出回路24は、各ストップボタン10a?10cに対する操作を検出してCPU12に通知する。CPU12は、検出回路24からストップボタン10a?10cが操作されたことを通知されたときは抽選図柄の引込み停止動作を実行する。つまり、図柄テーブル25にはリール3a?3cの回転位置と図柄との関係が記憶されており、CPU12は、リール3a?3cの現在の回転位置に基づいて現在表示中の図柄を判断することができる。」(【0023】)
(ヘ)「図3は各リール3a?3cに描かれた図柄を示している。この図3において、左リール3a、中リール3b、右リール3cのそれぞれの所定位置には「7」、「BAR」、プラム図柄、オレンジ図柄、チェリー図柄、「REPLAY」、どくろ図柄などが描かれている。」(【0025】)
(ト)「ここで、CPU12は、抽選図柄に応じて以下の動作を実行するようになっている。
(1)抽選図柄としてビッグボーナス図柄を当選したときは、ビッグボーナスフラグを成立してから「7」の引込み停止動作を実行し、有効表示ラインに「7」を揃えて停止表示できたときは周知のビッグボーナスモードをスタートする。この場合、ビッグボーナスを当選したゲームにおいて「7」を揃えて停止表示できなかったときはビッグボーナスフラグの成立を継続して有効とするようになっている。」(【0026】)
(チ)「(2)抽選図柄としてレギュラーボーナス図柄を当選したときは、レギュラーボーナスフラグを成立してから「BAR」の引込み停止動作を実行し、有効表示ラインに「BAR」を揃えて停止表示できたときは周知のレギュラーボーナスモードをスタートする。この場合、レギュラーボーナスを当選したゲームにおいて「BAR」を揃えて停止表示できなかったときはレギュラーボーナスフラグの成立を継続して有効とするようになっている。」(【0027】)
(リ)「(3)抽選図柄として10枚小役図柄を当選したときは、プラム図柄或いはオレンジ図柄などの小役図柄の引込み停止動作を実行し、有効表示ラインに小役図柄を揃えて停止表示できたときはコインを10枚払出す。この場合、10枚小役図柄を当選したゲームにおいてプラム図柄或いはオレンジ図柄を揃えて停止表示できなかったときは、10枚小役の当選を無効とするようになっている。」(【0028】)
(ヌ)「(4)抽選図柄として2枚小役図柄を当選したときは、左リール3aに設けられたチェリー図柄の引込み停止動作を実行し、チェリー図柄を停止表示できたときはコインを2枚払出す。この場合、小役図柄を当選したゲームにおいてチェリー図柄を停止表示できなかったときは、小役図柄の当選を無効とするようになっている。」(【0029】)
(ル)「(5)集中役モード開始図柄を当選したときは、上記小役図柄の当選確率を高めに設定する。」(【0030】)
(ヲ)「この場合、集中役モード開始図柄は遊技性を高める観点からリール3a?3cには設定されておらず、CPU12が集中役モード開始図柄の引込み停止動作を実行することはない。」(【0031】)
(ワ)「(6)集中役モード終了図柄を当選したときは、どくろ図柄の引込み停止動作を実行し、有効表示ラインにどくろ図柄を揃えて停止表示できたときは集中役モードを終了する。この場合、集中役モード終了図柄を当選したゲームにおいてどくろ図柄を揃えて停止表示できなかったときは、集中役モード終了図柄の当選を無効とするようになっている。」(【0032】)
(カ)「(7)抽選図柄としてリプレイ図柄を当選したときは、「REPLAY」図柄の引込み停止動作を実行し、有効表示ラインに「REPLAY」図柄を揃えて停止表示できたときは次のゲームをコインの非投入で実行可能とする。
(8)抽選図柄として外れ図柄を当選したときは、外れ図柄の引込み停止動作を実行する。」(【0033】)
(ヨ)「次に上記構成の作用について説明する。図4乃至図6はCPU12の動作を示している。まず、図4において、CPU12は、コインが投入されたときは(S101)、コインの投入枚数に応じて有効表示ラインを設定する(S102)。・・・」(【0034】)
(タ)「そして、遊技客がスタートレバー9を操作したときは(S103:YES)、抽選処理を実行する(S104)。」(【0035】)
(レ)「続いて、パルスモータ20a?20cに駆動パルスを出力することにより全てのリール3a?3cを回転する(S105)。・・・」(【0036】)
(ソ)「そして、ストップボタン10a?10cが操作されたタイミングで有効表示ラインに位置する図柄から所定の引込数(有効表示ラインに位置する図柄を0として4コマ)内に抽選図柄が位置しているかを判断し、抽選図柄が位置しているときは当該抽選図柄を引込んで停止し、抽選図柄が位置していないときはそのまま停止する。従って、ストップボタン10a?10cが操作されたタイミングで有効表示ラインに抽選図柄が位置しているときはそのまま停止すると共に、有効表示ラインに抽選図柄が位置していない場合であっても、有効表示ラインへの引込み可能な位置に抽選図柄が位置しているときは抽選図柄が有効表示ラインに停止表示される。」(【0040】)
(ツ)「そこで、本実施例では、集中役モードの終了を示すどくろ図柄をリール3a?3cに設け、抽選処理により集中役モード終了図柄を当選したときは、どくろ図柄が揃うように引込み停止処理を行い、有効表示ラインにどくろ図柄を揃えて停止表示できたときは集中役モードを終了するようにした。」(【0048】)
(ネ)「リールのすべりコマ数が零に設定されるチャンスタイムを有するスロットマシンの場合は、特定図柄を表示することによりチャンスタイムの終了を報知するようにしてもよい。特定図柄としては、どくろ図柄が揃うことに限らず、通常の図柄を組合わせてもよい。」(【0059】)

(1-1-2)甲第2号証(パチスロ必勝本2001年12月号)の記載事項
(イ)6頁右上には、リールの下方で、ストップスイッチの上方に、液晶画面が設けられたパチスロ機「爆釣」の写真が記載されている。
(ロ)「己のカンが勝負を大きく左右するのだ!」「通常時 REGは12択!」「押し順は6通り」「第3停止リール 赤ゾーンor緑ゾーン」「通常時 15枚役は12択!」「押し順は6通り」「第3停止リール 赤セブン/赤リプレイ図柄or緑セブン/緑リプレイ図柄」と記載されている。(6頁右下段)
(請求人は、「赤セブン/赤チェリーor緑セブン/緑チェリー」と認定しているが、7頁右中段の「ボーナス&小役払い出し構成」を参酌すると、「チェリー」ではなくリプレイを構成する図柄(「リプレイ図柄」)であることがわかる。)
(ハ)「IT突入のカギは「中ザリ」が握る!!」「ただし、押し順3択に正解しないと取りこぼし!」「押し順さえ正解していれば取りこぼしてもOK!」「左リール中段(中ザリ)出現でIT抽選チャンス!」(7頁左中段)
(ニ)「IT(イレグイタイム)とは?」「通常時は12択の15枚役を液晶で完全ナビしてくれるAT機能だ!」「IT中はREGも完全ナビ!」「IT消化後、継続チャレンジ!」「IT消化後、最初の15枚役成立時に第3停止リールの色当て2択IT継続抽選が発生。無限ループの入り口だ!!」(7頁右下段)
(ホ)「RBチャレンジ」「通常時にREGが成立したら・・・」「12択(前ページ参照)に正解しないとREGは揃わない!(REGフラグ消滅)」「RBチャレンジ(12択)成功!」「次のREG成立まで中ザリの押し順ナビ(ザリナビ)が発生!」「IT中のRBチャレンジは必ず押し順&色が完全ナビされるが、通常時は自力で当てるしかない。自力でRBを揃えた後は次回RBまで中ザリ成立時に押し順ナビが発生する。」(7頁左下段)
(ヘ)「IT抽選フローチャート
通常ゲーム

中ザリフラグ成立

押し順3択正解で
IT抽選チャンス

IT当選

IT貯留

BIGorREGフラグ成立時
(消化後)IT放出のチャンス!

IREGUITIME突入!」(8頁左下段)
(ト)9頁左下の「実戦上 IT初当たり回数振り分け表」には、「中ザリ1回GETに対するIT初当たり回数振り分け」として、0、1、2、3、5回が振り分けられること、更に高確率状態時には「10回以上」及び「20回以上」が振り分けられることが図示されている。
(以上(イ)?(ト)は、パチスロ機「爆釣」に関する記載である。)
(チ)「REGの仕組み解説!!」「REGフラグは成立Gだけ有効で、そこで取りこぼすと消滅してしまう。揃えるためには、押し順(6通り)と第1停止リールの色(2通り)の12択が必要。」(15頁左上段)
(リ)「朝イチでのナビは設定2以上の可能性」「コンチ4Xの大きな特徴として、約1/80という超高確率で抽選されているREGがある。これは必ず揃う役ではなく、12択の壁を突破しなければならないのだが、見事にREGが揃うとSR期待度大。SR中なら必ずナビが発生するので上乗せのチャンスとなるのだ。このREGだが、通常時もナビが発生する場合がある。」(15頁右中段)
(ヌ)16頁の「スーパーラッシュ振り分け表 全10パターン」において、いずれの振分テーブルでも、回数に0回が含まれている。
(以上(チ)?(ヌ)は、パチスロ機「コンチ4X」に関する記載である。)
(ル)42頁右下には、リールの上方に、大当りと表示がされている液晶画面が設けられたスロットマシンの写真が記載されている。
(ヲ)「三Cは通常時に1枚小役のフラグを引くと突入する仕組みになっており、継続ゲーム数は20Gと2000Gとの2通り。」(42頁左下段)
(ワ)「三C突入で9枚役を完全ナビ!」「「ウキ」が動いたリールを最初に押すだけ」「三C中は、ビクビク動いたウキに対応するリールを最初に押すだけで簡単に9枚役をGETできるぞ。」(43頁右下段)
(カ)「三C突入のカギを握るのは(魚)!」「1枚役である緑色の魚が三C突入の鍵を握っており、通常時に成立した場合は必ず三Cに突入する。フラグが成立すればOKなので揃えなくとも構わないのだ。なお、AR中やBIG成立後にフラグが成立したときは三Cに突入しないぞ。」(43頁左下段)
(以上(ル)?(カ)は、パチスロ機「釣りキチ 三平」に関する記載である。)

(1-1-3)甲第3号証(特開2001-58021号公報)の記載事項
(イ)「図2は、スロットマシン10筐体内部に設けられたリール31を含むリールユニット部を示す側面図である。リール31は、リング状に形成されるとともに、その外周面には複数の入賞図柄(入賞役を構成する図柄)を印刷したリールテープが貼られている。1つのリール31には、21個の複数種類の図柄が等間隔で配列されており、各リール31ごとに異なった図柄配列がなされている。図柄は、特別役の1つであるビックボーナス(以下、BBと略称する。)図柄、同様に特別役の1つであるレギュラーボーナス(以下、RBと略称する。)図柄、小役図柄、及びリプレイ図柄から構成される。そして、表示窓21内から、リール31上の上下に連続する3つの図柄が見えるようになっている。」(【0019】)
(ロ)「フロントパネル20の表示窓21の上側には、画像表示部として、カラー画像を表示する液晶表示パネル40が設けられている。液晶表示パネル40は、遊技中の演出を行うときに、各種の画像を表示するものである。」(【0024】)
(ハ)「(サブ制御基板)サブ制御基板80は、サブ制御基板80の制御をつかさどるサブCPU81を搭載している。プログラムROM83及び制御用RAM84は、演出用のプログラム等を記憶しておく記憶手段である。I/Oポート82は、サブ制御基板80と上記演出用周辺機器等との間で情報の授受を行うための出入口となる部分である。プログラムROM83は、I/Oポート82の入力側に接続されており、サブCPU81及び制御用RAM84は、I/Oポート82の入力側及び出力側に接続されている。さらにI/Oポート82の入力側には、メイン制御基板70が接続されている。ここで、I/Oポート82の出力側には、メイン制御基板70は接続されていない。これにより、メイン制御基板70とサブ制御基板80とは、電気的に接続されているが、メイン制御基板70からサブ制御基板80に対して所定の情報を一方向で送信するように構成されている。なお、この場合の信号線の本数としては、8?32本程度である。」(【0052】)
(ニ)「さらに、I/Oポート82の出力側には、上述のバックランプ33及び効果ランプ29が接続されている。また、サブ制御基板80には、液晶表示パネル40の出力画像を制御するための画像制御IC85a、キャラクタROM85b及びビデオRAM85cが搭載されている。出力画像の信号を処理する画像制御IC85aは、I/Oポート82の出力側に接続されている。また、表示画像データの記憶手段であるキャラクタROM85b及びビデオRAM85cは、画像制御IC85aに接続されている。そして、上述の液晶表示パネル40は、画像制御IC85aに接続されており、この画像制御IC85aにより表示画像が制御される。」(【0053】)

(1-1-4)甲第4号証(パチスロ必勝本2001年6月号)の記載事項
(イ)表紙の右中段には、リールの下部に液晶画面があるパチスロ機「クレージーレーサー」の写真が記載されている。
(ロ)「解析報告の第2弾だ! 12種類の15枚役が存在し、通常時はほぼ毎ゲームいずれかの15枚役が成立しているが、全てを同時に狙うことは不可能。それが、サバチャン中は成立している15枚役をナビしてくれるため・・・」(63頁中央部)
(ハ)63頁右下段の「ボーナス&小役払い出し構成」という表には、15枚役の他に、赤7、青7、チェリー、REPLAYの役が図示されている。
(ニ)「サバンナチャンス消化手順!!」「サバチャン中は、成立している15枚役がドットに表示される。ドットに表示された動物絵柄を各リールに狙えば、15枚役がゲットできるぞ。」(63頁中央下段)
(ホ)「サバチャンが+1Gされる条件とは・・・!!」「SCスタート 1 2 8 10 30」「サバチャン2G目終了時から、8G目終了時を40秒以内に見事消化できれば、+1Gされるのだ!!」「サバチャンの2G目終了時から8G終了時までを40秒以内で消化できれば、1Gプラスされる。この条件さえ満たせば、サバチャン10でも30でも1G増えるのだ。」(63頁左下段)
(へ)「サバチャンの仕組み!!」「サブ基板でSC抽選!! 見事当選すれば、放出待機状態になる」「100%ドット演出を経て、BET時、サバチャンランプ点灯で放出!!」(64頁右上段)
(ト)「サバチャン抽選の仕組みを理解! まずはサバチャン抽選の仕組みを理解することが大切だ。サバチャンの抽選は、完全ハズレフラグ成立時に行われるが・・・」(64頁右中段)
(チ)「サバンナチャンスが連チャンする仕組み」「サバチャン初当り当選と同時に、連チャン数が振り分けにより決定!!」「サバンナチャンス待機状態&サバンナチャンス中も初当り抽選は行われている!!」「これらのサバチャン中に初当りに当選すればその都度、上乗せされる!!」(64頁左上段)
(リ)「突然ですが・・・!サバチャン10と30の振り分け」「サバチャン10と30の振り分け率は純粋に1/2となっており、サバチャン突入時に抽選されている。」(67頁左中段)
(以上(ロ)?(リ)は、パチスロ機「獣王」に関する記載である。)

(1-1-5)甲第5号証(パチスロ必勝ガイド2001年7月号)の記載事項
(イ)表紙の右中段には、リールの上部に液晶画面があり、「HardBoiled」と表示されたパチスロ機の写真が記載されている。
(ロ)「リプレイハズシ手順」「ハズシに成功すると・・・」「次ゲーム以降の15枚役成立時に必ずナビが発動する!!」「ハズシ1回につきナビは1回」「最大で4回までナビが作動する」(10頁左上)
(ハ)「ハイパービッグは、15枚役成立時にはAR中と同様に液晶画面やアシストランプなどで左リールに狙うべき絵柄をナビ。・・・一方、ノーマルビッグの方は、通常ゲーム中と同様に15枚役のナビが作動しないため、例によって「勘」が頼りの3択勝負となる。・・・本機種では「ハズシ1回につき1回、最高4回まで15枚役をナビしてくれる」といった救済機能が盛り込まれている」(10頁右上)
(以上(ロ)、(ハ)は、パチスロ機「ハードボイルド2」に関する記載である。)

(1-1-6)甲第6号証(パチスロ必勝本2001年11月号)の記載事項
(イ)「CHECK1 CR&ミッションは完全ハズレorベルで抽選!」「ハサミ打ちベル成立時」「通常時ベルが取れる押し順は6つ」(22頁右下)
(ロ)「CR突入への流れを把握!」「ドラゴンミッション ミッションをクリアすればCR突入確定!」「タイガーミッション 発生したミッションをクリアしただけではCRに突入せず・・・クリア後に行われる突入抽選に合格しなければCRに突入しない仕組みになっている」(22頁左)

(1-1-7)甲第7号証(パチスロ必勝ガイド2001年10月号)の記載事項
(イ)91頁右上には、リールの下方に液晶画面が設けられたパチスロ機「ヘラクレス」の写真が記載されている。

(1-1-8)甲第8号証(パチスロ必勝ガイドMAX2001年5月号)の記載事項
(イ)「純粋なハズレを引いた時のサバチャン当選率」「ハズレを引いたらサバチャン抽選!!状態&設定ごとに突入率は異なる!!」(9頁右上)

(1-1-9)甲第17号証(特開2001-79154号公報)の記載事項
(イ)「(3) リール6L,6C,6Rからなる可変表示装置が確率変動を開始するように定められた表示結果になった場合に特別の遊技状態を発生するようにしてもよい。たとえば、リールの図柄配列の中に専用の図柄を設け、その図柄が有効ライン(当りライン)上に停止した場合や、はずれとなる図柄組合せの一部(たとえば「AAB」)を確率変動開始となる表示結果と定め、その図柄の組合せが有効ライン(当りライン)上に停止した場合等に特別の遊技状態となるようにすることが考えられる。」(【0122】)
(ロ)「(10) リール6L,6C,6Rからの可変表示装置が確率変動を終了するように定められた表示結果となった場合に確率変動状態を終了させてもよい。具体的には、リールの図柄配列の中に専用の図柄を設け、その図柄が有効ライン上に停止した場合や、はずれの図柄となる組合せの一部を確率変動終了となる表示結果と定め、その図柄の組合せが有効ライン上に停止した場合等が考えられる。これらの場合には、専用の図柄や組合せの一部が、前記(3)の開始条件で定められた図柄や組合せと同一のものであってもよいし異なっていてもよい。さらに、レギュラーボーナスが発生する表示結果になった場合あるいは特定の小役が発生する表示結果となった場合に、確率変動状態が終了するようにしてもよい。」(【0129】)

(1-1-10)甲第18号証(特開2000-279574号公報)の記載事項
(イ)「次に、図21?28に基づいて、サブ制御基板200における遊技情報の表示制御の手順を説明する。図21に示すように、サブ制御基板200では、画像表示部13における画像演出処理を行う。この画像演出処理では、まずメイン制御基板100から送信されてくる遊技状態、内部当選役、遊技開始音、全停止フラッシュパターン、確定データ、リーチ演出選択用乱数値、出目図柄演出選択用乱数値(左・右・中)、単独キャラ演出選択用乱数値に関するコマンドを受信し(S1)、演出画像を選択するための演出画像選択処理(S2)を行い、選択された画像を画像表示部13に表示する(S3)。」(【0181】)
(ロ)「上記演出画像選択処理(S2)は、リーチ演出を行うか否かを選択するとともに、リーチ演出の有無に関連して、どのような態様の演出を行うかを決定するための処理である。」(【0182】)
(ハ)「すなわち、演出画像選択処理(S2)では、図22に示すように、まずリーチ演出(リーチ演出予告図柄)選択処理を行う(S11)。次に、リーチ演出を行わないか否かを判断する(S12)。ここで、リーチ演出を行わない場合には、出目図柄演出選択処理(S13)を行い、さらに単独キャラ演出選択処理(S14)を行う。」(【0183】)
(ニ)「一方、リーチ演出を行う場合には、さらに確定データ有り用リーチ演出データ選択テーブルが選択されたか否かを判断する(S15)。ここで、確定データ有り用リーチ演出データ選択テーブルが選択されている場合には、さらに、ビッグボーナス(以下BBと称する)が内部当選しているか否かを判断する(S16)。」(【0184】)
(ホ)「ここで、BBが内部当選している場合には、ビッグボーナス内部当選時用リーチ演出同一左中右出目図柄選択テーブルより出目図柄を選択し(S17)、単独キャラ演出選択処理(S14)に移行する。一方、BBが内部当選していない場合には、レギュラーボーナス内部当選時用同一左中右出目図柄選択テーブルより出目図柄を選択し(S18)、単独キャラ演出選択処理(S14)に移行する。」(【0185】)
(ヘ)「そして、選択した出目図柄選択テーブルを用いて、メイン制御基板100から送信されてきた出目図柄演出選択用乱数値と内部当選役に基づいて、左・右・中央のそれぞれのリールに対して出目図柄を選択する(S204)。」(【0215】)
(ト)「具体的な演算方法を説明すると、第1番目の内部当選役パターン列「グループ1(「チェリー」または「DB」)」が選択された場合に、まず抽選された乱数値から第1行目の基準値「52427」を差し引いて第1の演算結果を求め、この第1の演算結果が「0」以下ならば第1行目の単独キャラ「a」を選択する。また、第1の演算結果がプラスの場合には、第1の演算結果のから第2行目の基準値「6554」を差し引いて第2の演算結果を求め、この第2の演算結果が「0」以下ならば第2行目の単独キャラ「b」を選択する。さらに、第2の演算結果がプラスの場合には、残りの単独キャラである第8行目の単独キャラ「無し」を選択する。同様に、他の内部当選役についても同様の演算を順次行い、「65535」までの乱数値に対応して、単独キャラを選択する。尚、本実施の形態では、各種演出を選択する乱数値をメイン制御基板100側で抽出してサブ制御基板200側に送信しているが、サブ制御基板200側で乱数を抽出するようにしてもよい。」(【0236】)

(1-1-10)甲第19号証(パチスロ必勝ガイド8月号増刊 獣王究極攻略)の記載事項
(イ)「基本的な流れは以下のとおり。まず、メイン基板上で処理される各役抽選で「純粋なハズレ(=どの役にも当選していない状態)を引くこと」が絶対条件。純粋なハズレを引くと、メイン基板からドット演出等の処理を行う「サブ基板」へと信号が送られ、この時点で初めてサバンナチャンスが抽選されるのだ。」(16頁右上段)
(ロ)95頁には、「通常時(サバチャン非成立時)」に「BIG成立G」及び「REG成立G」に該当したとき、ドットアクションとして「7・7・象」「鳥・7・7」等の演出が行われることがある旨、記載されている。

(1-2)甲1発明について
甲第1号証の上記記載事項を参酌すれば、甲第1号証には以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「表示窓2を通じて視認可能となっている「7」、「BAR」、プラム図柄、オレンジ図柄、チェリー図柄、「REPLAY」、どくろ図柄などが描かれ、スタートレバー9の操作に基づいて回転させられる、左リール3a、中リール3b、右リール3cと、(記載事項(イ)、(ヘ)、(タ)、(レ)を参照)
遊技者の操作に基づき左リール3a、中リール3b、右リール3cを停止させる左側ストップボタン10a、中央ストップボタン10b、右側ストップボタン10cと、(記載事項(ロ)、(ソ)を参照)
ビッグボーナス図柄、レギュラボーナス図柄、10枚小役図柄、2枚小役図柄、リプレイ図柄、集中役モード開始図柄、集中役モード終了図柄、外れ図柄などが設定された抽選図柄を乱数回路18から乱数値を獲得して決定するとともに、(記載事項(ニ)を参照)
ストップボタン10a?10cが操作されたタイミングで有効表示ラインに位置する図柄から所定の引込数内に抽選図柄が位置しているときは当該抽選図柄を引込んで停止させ、抽選図柄が位置していないときはそのまま停止させるとともに、(記載事項(ソ)を参照)
集中役モード開始図柄を当選させたときは、小役図柄の当選確率を高めに設定し、集中役モード終了図柄を当選させ、有効表示ラインにどくろ図柄を揃えて停止表示できたときは集中役モードを終了させる、(記載事項(ヲ)(ワ)を参照)
CPU12と、
を備えたスロットマシン。」

(1-3)対比
甲1発明について以下のことがいえる。
(1-3-1)「表示窓2を通じて視認可能となっている「7」、「BAR」、プラム図柄、オレンジ図柄、チェリー図柄、「REPLAY」、どくろ図柄などが描かれ、スタートレバー9の操作に基づいて回転させられる、左リール3a、中リール3b、右リール3c」について
「「7」、「BAR」、プラム図柄、オレンジ図柄、チェリー図柄、「REPLAY」、どくろ図柄」は、本願特許発明1の「遊技に必要な図柄」に相当するとともに、当該図柄が描かれた「左リール3a、中リール3b、右リール3c」は、「複数列」であって、「表示窓2」等と協働して「変動表示する変動表示手段」として機能することは明らかである。
そうすると、甲1発明は、本件特許発明1の「遊技に必要な図柄を複数列に変動表示する変動表示手段」に相当する構成を実質的に具備している。

(1-3-2)「遊技者の操作に基づき左リール3a、中リール3b、右リール3cを停止させる左側ストップボタン10a、中央ストップボタン10b、右側ストップボタン10c」について
「左側ストップボタン10a、中央ストップボタン10b、右側ストップボタン10c」は、遊技者の操作によって「左リール3a、中リール3b、右リール3c」を停止させるものであるから、「各図柄列毎に、遊技者が停止操作を行うために設けられた停止操作部」ということができる。
そうすると、甲1発明は本件特許発明1の「前記変動表示手段を各図柄列毎に、遊技者が停止操作を行うために設けられた停止操作部」に相当する構成を実質的に具備している。

(1-3-3)「ビッグボーナス図柄、レギュラボーナス図柄、10枚小役図柄、2枚小役図柄、リプレイ図柄、集中役モード開始図柄、集中役モード終了図柄、外れ図柄などが設定された抽選図柄を乱数回路18から乱数値を獲得して決定する・・CPU12」について
ビッグボーナス図柄等の抽選図柄を乱数値を獲得して決定するとされているが、ここで決定される「抽選図柄」が「内部当選役」を意味することは自明であって、CPU12は「内部当選役決定手段」としての機能を有している。
そうすると、甲1発明は本件特許発明1の「内部当選役を決定する内部当選役決定手段」に相当する構成を実質的に具備している。

(1-3-4)「ストップボタン10a?10cが操作されたタイミングで有効表示ラインに位置する図柄から所定の引込数内に抽選図柄が位置しているときは当該抽選図柄を引込んで停止させ、抽選図柄が位置していないときはそのまま停止させる・・CPU12」について
抽選図柄の停止は、ストップボタン10a?10cが操作されたタイミングにおける抽選図柄の位置によって、決定されるものであるから、遊技者による停止操作部の操作タイミングを含む操作の態様及び内部当選役決定手段の決定結果に基づいて変動表示を停止制御するものといえる。また、CPU12は、そのような停止制御に関する手段すなわち「停止制御手段」としての機能を有している。
そうすると、甲1発明は本件特許発明1の「遊技者による前記停止操作部の操作タイミング又は操作順序を含む操作の態様及び前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて前記変動表示を停止制御する停止制御手段」に相当する構成を実質的に具備している。

(1-3-5)「集中役モード開始図柄を当選させたときは、小役図柄の当選確率を高めに設定し、集中役モード終了図柄を当選させ、有効表示ラインにどくろ図柄を揃えて停止表示できたときは集中役モードを終了させる、CPU12」について
「集中役モード開始図柄を当選させたとき」及び「集中役モード終了図柄を当選させ、有効表示ラインにどくろ図柄を揃えて停止表示できたとき」は、「所定の条件が成立したとき」ということができ、「小役図柄の当選確率を高めに設定」すること及び「集中役モードを終了させる」ことは、「所定の状況の発生を決定する」ということができ、CPU12は、そのような状況決定に関する手段すなわち「状況決定手段」としての機能を有している。
そうすると、甲1発明は本件特許発明1の「所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生を決定する状況決定手段」に相当する構成を実質的に具備している。
また、CPU12は、「内部当選役決定手段」、「前記停止制御手段」及び「前記状況決定手段」としての機能を具備し、本件特許発明1の「主制御部」に相当するということができるから、「主制御部」のほかに「副制御部」を有するか否かは別として、甲1発明と本件特許発明1は「前記内部当選役決定手段、前記停止制御手段及び前記状況決定手段を含む主制御部」を具備する点で共通している。

(1-3-6)「スロットマシン」について
スロットマシンは、遊技機の一種であるから、甲1発明は本件特許発明1の「遊技機」に相当する構成を実質的に具備している。

よって、本件特許発明1と甲1発明とは
「遊技に必要な図柄を複数列に変動表示する変動表示手段と、
前記変動表示手段を各図柄列毎に、遊技者が停止操作を行うために設けられた停止操作部と、
内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、
遊技者による前記停止操作部の操作タイミング又は操作順序を含む操作の態様及び前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて前記変動表示を停止制御する停止制御手段と、
所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生を決定する状況決定手段と、
前記内部当選役決定手段、前記停止制御手段及び前記状況決定手段を含む主制御部と、
を備えた遊技機。」の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
本件特許発明1は、「該変動表示手段とは別の報知手段」を備えているのに対し、甲1発明で、変動表示手段とは別の報知手段を備えていない点、
[相違点2]
本件特許発明1は、主制御部に加えて、「前記報知手段を制御する副制御部」を具備し、「前記主制御部と前記副制御部は、前記主制御部から前記副制御部への一方向で通信を行う機能を有し」ているのに対し、甲1発明はそのような構成を有していない点、
[相違点3]
本件特許発明1では、「副制御部は、前記主制御部から遊技開始を示すスタートコマンドを受信した場合に、前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を報知する報知回数が0であれば、前記報知回数を決定」するのに対し、甲1発明ではそのような構成でない点、
[相違点4]
本件特許発明1では、副制御部は「該決定の結果を含めて前記報知回数が0でなければ、前記内部当選役決定手段により所定の役が内部当選役として決定されたことを条件に、前記所定の条件が成立する可能性が高まることとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報、又は前記所定の条件が成立することとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を前記報知手段により報知するか否かを決定する報知決定手段を含み、前記報知手段により報知が行われると、前記報知回数を1減算することで、前記報知手段を制御する」のに対し、甲1発明ではそのような構成でない点、

(1-4)相違点についての検討
(1-4-1)相違点1について
甲第2号証の6頁右上には、リールの下方で、ストップスイッチの上方に、液晶画面が設けられたパチスロ機「爆釣」の写真が記載され、
甲第3号証の段落【0024】には「画像表示部として、カラー画像を表示する液晶表示パネル40が設けられている。」と記載され、
甲第4号証の表紙の右中段には、リールの下部に液晶画面があるパチスロ機「クレージーレーサー」の写真が記載され、
甲第5号証の表紙の右中段には、リールの上部に液晶画面があり、「HardBoiled」と表示されたパチスロ機の写真が記載され、
甲第7号証の91頁右上には、リールの下方に液晶画面が設けられたパチスロ機「ヘラクレス」の写真が記載されている。
これらの記載における「液晶画面」及び「画像表示部」は、本件特許発明1における「変動表示手段とは別の報知手段」に相当し、甲第2、3、4、5、7号証に例示されるように「変動表示手段とは別の報知手段」を遊技機に設けることは本件出願前に周知技術であると認められる。
そうすると、甲1発明において、上記周知技術を採用し、相違点1に係る本件特許発明1の構成とすることは、当業者にとって想到容易である。

(1-4-2)相違点2について
甲第3号証の段落【0053】には「サブ制御基板80には、液晶表示パネル40の出力画像を制御するための画像制御IC85a、キャラクタROM85b及びビデオRAM85cが搭載されている。」と記載されており、同段落【0052】には「メイン制御基板70とサブ制御基板80とは、電気的に接続されているが、メイン制御基板70からサブ制御基板80に対して所定の情報を一方向で送信するように構成されている。」と記載されている。ここで、「サブ制御基板80」、「液晶表示パネル40」及び「メイン制御基板70」は本件特許発明1の「副制御部」、「報知手段」及び「主制御部」に相当するから、甲第3号証には主制御部に加えて「報知手段を制御する副制御部」を設けること及び「主制御部と副制御部は、主制御部から副制御部への一方向で通信を行う機能を有する」ことが実質的に記載されている。
そうすると、甲1発明において、甲第3号証に記載された技術的事項を採用し、相違点2に係る本件特許発明1の構成とすることは、当業者にとって想到容易である。

(1-4-3)相違点3について
(1-4-3-1)「報知回数を決定」に関連する構成について
相違点3のうち「前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を報知する報知回数が0であれば、前記報知回数を決定」(以下、「構成A」という。)について検討する。ここで、「報知回数」の技術的意義は、字句どおり「報知する回数」と解するのが至当であって、これ以外の解釈をすべき理由はなく、このように解することは請求項1における他の記載(「報知が行われると、前記報知回数を1減算することで」)とも整合している。なお、請求人は、構成Aは、甲第2号証、甲第4号証に記載されている旨、主張している。
(イ)甲第2号証について
甲第2号証には、パチスロ機「釣りキチ三平」に関して下記の記載がある。
・「三Cは通常時に1枚小役のフラグを引くと突入する仕組みになっており、継続ゲーム数は20Gと2000Gとの2通り。」(42頁左下段)
・「三C突入で9枚役を完全ナビ!」「「ウキ」が動いたリールを最初に押すだけ」「三C中は、ビクビク動いたウキに対応するリールを最初に押すだけで簡単に9枚役をGETできるぞ。」(43頁右下段)
・「三C突入のカギを握るのは(魚)!」「1枚役である緑色の魚が三C突入の鍵を握っており、通常時に成立した場合は必ず三Cに突入する。フラグが成立すればOKなので揃えなくとも構わないのだ。なお、AR中やBIG成立後にフラグが成立したときは三Cに突入しないぞ。」(43頁左下段)
パチスロに関する常識を参酌しつつ、上記記載を整理すると、通常状態において1枚小役に内部当選すると三Cに突入し、三Cに突入すると20G又は2000Gの間、9枚役を入賞させるために最初に押すべきリールをナビすること、AR中やBIG成立後にフラグが成立したときは三Cに突入しないことが、実質的に甲第2号証に記載されているといえる。
ここで、「9枚役を入賞させるために最初に押すべきリールをナビする」ことは本件特許発明1の「操作順序に関する情報を報知する」ことに相当する。
しかし、報知が行われるのは、三C突入後20ゲーム又は2000ゲームの間であるが、甲第2号証43頁左下段の「三C中小役確率」という表に記載されているように、三C中は9枚小役の他に少なくともチェリー及びREPLAYも抽選の対象となっており、チェリー又はREPLAYに内部当選した時には三C中であっても「9枚役を入賞させるために最初に押すべきリールをナビする」ことが行われないことは明らかである。そうすると、「20ゲーム又は2000ゲーム」は、報知を行う可能性のあるゲーム数を意味するものであり、本件特許発明1の「報知回数」とは異なるものである。

仮に、前記ゲーム数が報知回数に相当するものとし、三C突入時に20ゲーム又は2000ゲームの決定が行われている(甲第2号証の記載においては決定が何時行われているか必ずしも明確でない。20ゲームの終了時に更に2000ゲーム実行するか否かの決定をしている可能性もある。)ものとし、検討する。
三C突入の抽選は通常状態において1枚小役に内部当選することを条件として行われているが、通常状態は報知回数が0となっている状態であるからといって、本件特許発明1の「報知回数が0であれば、前記報知回数を決定」に相当するとすることはできない。例えば、通常状態でチェリーに内部当選した場合、報知回数は0であるが、三C突入の抽選は行われず、当然回数の決定(20ゲーム又は2000ゲーム)も行われない。したがって、甲第2号証に記載された技術的事項は「報知回数が0であれば、前記報知回数を決定」するものではない。
以上のように、相違点3のうち構成Aは、甲第2号証に記載されたものではなく、当業者が容易に想到したものとすることはできない。

(ロ)甲第4号証について
甲第4号証には、パチスロ機「獣王」に関して下記の記載がある。
・「12種類の15枚役が存在し、通常時はほぼ毎ゲームいずれかの15枚役が成立しているが、全てを同時に狙うことは不可能。」(63頁中央部)
・「サバチャン中は、成立している15枚役がドットに表示される。ドットに表示された動物絵柄を各リールに狙えば、15枚役がゲットできるぞ。」(63頁中央下段)
・「サバチャンの抽選は、完全ハズレフラグ成立時に行われるが・・・」(64頁右中段)
・「サブ基板でSC抽選!! 見事当選すれば、放出待機状態になる。」「100%ドット演出を経て、BET時、サバチャンランプ点灯で放出!!」(64頁右上段)
・「サバチャン初当り当選と同時に、連チャン数が振り分けにより決定!!」「サバンナチャンス待機状態&サバンナチャンス中も初当り抽選は行われている!!」「これらのサバチャン中に初当りに当選すればその都度、上乗せされる!!」(64頁左上段)
・「サバチャン10と30の振り分け率は純粋に1/2となっており、サバチャン突入時に抽選されている。」(67頁左中段)
パチスロに関する常識を参酌しつつ、上記記載を整理すると、甲第4号証には以下の技術的事項が実質的に記載されている。
・通常ゲーム中に、完全ハズレフラグ成立時に行われる抽選に当選すると、サバンナチャンスの連チャン数が決定されるとともに、サバンナチャンス放出待機状態なり、その後、サバチャンランプ点灯で10ゲーム又は30ゲームのサバンナチャンスの放出が連チャン数行われる。
・サバンナチャンス突入すると、10ゲーム又は30ゲームの振り分けが行われると共に、成立している15枚役を入賞させるために狙うべき動物絵柄をドットに表示する。
・サバンナチャンス待機状態&サバンナチャンス中において抽選にあたると連チャン数が上乗せされる。

ここで、「狙うべき動物絵柄」は、リールの所定の部分に描かれたものであって所定のタイミングでストップボタンを押して当該絵柄を有効ラインに停止させようとするものであるから、「入賞させるために狙うべき動物絵柄をドットに表示する」は、本件特許発明1の「操作タイミング又は操作順序に関する情報を報知する」ことに相当する。
しかし、「サバンナチャンスの連チャン数」について検討すると、サバンナチャンスは10ゲーム又は30ゲームの間、15枚役が成立した場合に狙うべき動物図柄を表示するものであるが、「連チャン数」は、10ゲーム又は30ゲームの間行われるサバンナチャンスを何回行うかを示すものであるから、「報知回数」とは異なるものである。
また、サバンナチャンス中は15枚役の他にチェリー、REPLAY、ハズレ等も抽選対象となっており、15枚役以外の役が当選した場合には当然「15枚役を入賞させるために狙うべき動物絵柄をドットに表示する」ことは行われないから、10ゲーム又は30ゲームは、「狙うべき動物絵柄を表示する」回数(すなわち報知回数)とはいえない。また、サバンナチャンスにおける表示回数を10ゲームとするか30ゲームとするかはサバンナチャンスの突入(放出)時に決定されるもので、完全ハズレフラグ成立時に行われる抽選に当選した時に決定されるものでもない。
仮に、連チャン数又は「10ゲーム又は30ゲーム」が本件特許発明1の「報知回数」に相当するとしても、サバンナチャンスの抽選はサバンナチャンス待機状態&サバンナチャンス中においても行われており、「報知回数が0であれば」ということはない。
したがって、甲第4号証に記載された技術的事項は「報知回数が0であれば、前記報知回数を決定」するものではない。
以上のように、相違点3のうち構成Aは、甲第4号証に記載されたものではなく、当業者が容易に想到したものとすることはできない。

なお、請求人は、相違点3のうち構成Aに関し、「獣王」について記載した甲第8号証と甲第19号証を審判請求書63頁18?27行において引用しているが、甲第8号証と甲第19号証の記載から認定できる技術的事項は甲第4号証と同様であり、相違点3を当業者が容易に想到したものとすることはできない。

(ハ)「報知回数」について
甲第2号証及び甲第4号証に記載された技術的事項において、「報知回数」が記載されていないことは(イ)(ロ)で検討したとおりであるが、請求人は「「報知回数」を「報知を行わない時には数えないとしたときの報知をする回数」と考えてみる。」(審判請求書71頁10?11行)として、「報知回数」については甲第5号証に記載されている旨主張しているので、検討する。なお、当該主張は、分説「1-J3」(概略、本審決における相違点4の一部に相当)の容易性に関するものであるが、相違点3においても「報知回数」は発明特定事項となっているので、ここで検討する。
甲第5号証には以下の記載がある。
・「リプレイハズシ手順」「ハズシに成功すると・・・」「次ゲーム以降の15枚役成立時に必ずナビが発動する!!」「ハズシ1回につきナビは1回」「最大で4回までナビが作動する」(10頁左上)
・「ハイパービッグは、15枚役成立時にはAR中と同様に液晶画面やアシストランプなどで左リールに狙うべき絵柄をナビ。・・・一方、ノーマルビッグの方は、通常ゲーム中と同様に15枚役のナビが作動しないため、例によって「勘」が頼りの3択勝負となる。・・・本機種では「ハズシ1回につき1回、最高4回まで15枚役をナビしてくれる」といった救済機能が盛り込まれている」(10頁右上)
「最大で4回までナビが作動する」との記載によれば、「4回」は「報知回数」ということができる。しかしながら、「4回」は、ハズシ1回につき1回行われるナビ(報知)の上限として予め決められたものであるから、本件特許発明1の「報知回数」のように「決定」されるものではなく、技術的意義が異なるものである。

また、請求人は、平成24年9月6日付け上申書において、「ARを実行するにあたって、ゲーム回数で決定するのか(甲2)、あるいはナビ回数で決定するのか(甲5)の相違であり、単なる設計事項であるといえる。」と主張している(4頁下から6?4行)。しかし、「ARを実行するにあたってゲーム回数で決定する」ことは、甲第2号証、甲第4号証に例示されるごとく、周知技術と認められるものの、「ナビ回数で決定する」ことは請求人の提出した甲各号証では周知技術と認めることはできず、単なる設計事項とすることもできない。なお、上記主張において引用する「甲5」が「ナビ回数で決定する」ものでないことは上述したとおりである。

(1-4-3-2)「スタートコマンド」に関連する構成について
相違点3のうち「副制御部は、前記主制御部から遊技開始を示すスタートコマンドを受信した場合に(報知回数を決定する)」(以下、「構成B」という。)について検討する。なお、請求人は、構成Bは、甲第2号証、甲第4号証に記載されている旨、主張している。
甲1発明は「報知手段を制御する副制御部」を有するものではないため、甲1発明を出発点として構成Bに至るためには、甲1発明において主制御部に加えて副制御部を有するものとし(この点は、(1-4-2)で検討済み)、スタートコマンドを受信した場合に報知回数を決定するものとする必要がある。
甲第2号証に記載された技術的事項に関し、仮に「20ゲーム又は2000ゲーム」が本件特許発明1の「報知回数」に相当するものとして検討する。三C突入の抽選は通常状態において1枚小役に内部当選することを条件として行われるから、主制御部と副制御部との構成となって副制御部がスタートコマンドを受信するものとしても、スタートコマンドを受信しただけでは三C突入の抽選は実行されず、抽選の実行には主制御部から内部当選役(1枚小役の当選の有無)に関するコマンドを副制御部が受信することが必要である。
したがって、甲1発明において主制御部と副制御部という構成採用し、更にこれに甲第2号証記載の技術的事項を適用し、「内部当選役に関するコマンドを受信した場合に(報知回数を決定する)」になったとしても、構成Bの「スタートコマンドを受信した場合に(報知回数を決定する)」に至らない。

また、甲第4号証に記載された技術的事項に関し、仮に連チャン数が本件特許発明1の「報知回数」に相当するものとして検討する。サバンナチャンスの抽選は完全ハズレフラグ成立を条件として行われるから、主制御部と副制御部との構成となって副制御部がスタートコマンドを受信するものとしても、スタートコマンドを受信しただけではサバンナチャンスの抽選は実行されず、抽選の実行には主制御部から内部当選役(ハズレ)に関するコマンドを副制御部が受信することが必要である。
したがって、甲1発明において主制御部と副制御部という構成を採用し、更にこれに甲第4証記載の技術的事項を適用し、「内部当選役に関するコマンドを受信した場合に(報知回数を決定する)」になったとしても、構成Bの「スタートコマンドを受信した場合に(報知回数を決定する)」に至らない。

以上のように、相違点3のうち構成Bは、甲第2号証、甲第4号証に記載されたものではなく、当業者が容易に想到したものとすることはできない。

(1-4-3-3)小括
以上によれば、相違点3は、甲第2号証及び甲第4号証には記載されておらず、また、請求人の提示した他の甲各号証にも記載されておらず、相違点3を当業者が容易に想到したものとすることはできない。

(1-4-4)相違点4について
(1-4-4-1)「報知回数が0でなければ」について
相違点4のうち「報知回数が0でなければ」(以下、「構成C」という。)及び「報知が行われると、前記報知回数を1減算する」(以下、「構成D」という。)について検討する。なお、審判請求書には、構成Cは、甲第2号証に記載されている旨(69頁15?17行)、甲第4号証に記載されている旨(71頁7?9行)、「「報知回数」を「報知を行わない時には数えないとしたときの報知をする回数」と考えてみる。」(71頁10?11行)として「報知回数」については甲第5号証に記載されている(71頁18?20行)旨、主張している。
「報知回数」が甲第2号証及び甲第4号証には記載されていないことは(1-4-3-3)で検討したとおりであるから、「報知回数が0でなければ」という構成C、「報知回数を1減算する」という構成Dも、当然甲第2号証及び甲第4号証には記載されていない。したがって、相違点4を当業者が容易に想到したものとすることはできない。
また、(1-4-3-1)(ハ)で検討したとおり、甲第5号証に記載された技術事項の「4回」は「報知回数」ということができるが、「報知回数」である点のみで一致するものであり、「報知回数が0でなければ、(決定する)」及び「報知回数を1減算する」というものではない。
以上のように、相違点4のうち構成C、Dは、甲第2号証、甲第4号証及び甲第5号証に記載されたものではなく、当業者が容易に想到したものとすることはできない。また、請求人の提示した他の甲各号証にも記載されておらず、相違点4を当業者が容易に想到したものとすることはできない。

(1-5)小括
以上によれば、[相違点3]及び[相違点4]について想到容易とすることができないから、本件特許発明1は、甲1発明、甲第2?8、17?19号証に記載された技術的事項、周知技術、慣用技術に基づいて、また、請求人の提示した他の甲各号証に基づいて、当業者が容易に想到できたものとすることはできず、本件特許発明1の本件特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものでない。

(2)本件特許発明2?6について
本件特許発明2?6は、本件特許発明1に限定を付したものであるから、当業者が容易に想到できたものとすることはできず、本件特許発明2?6の本件特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものでない。

(3)中括
以上により、無効理由2は理由がない。

第6.むすび

以上のとおりであるから、本件特許は、無効理由1、2に理由がないから、請求人の主張及び証拠方法によっては、無効とすることができない。
審判に関する費用については、特許法169条2項の規定で準用する民事訴訟法61条の規定により、全額を請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に必要な図柄を複数列に変動表示する変動表示手段と、
該変動表示手段とは別の報知手段と、
前記変動表示手段を各図柄列毎に、遊技者が停止操作を行うために設けられた停止操作部と、
内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、
遊技者による前記停止操作部の操作タイミング又は操作順序を含む操作の態様及び前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて前記変動表示を停止制御する停止制御手段と、
所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生を決定する状況決定手段と、
前記内部当選役決定手段、前記停止制御手段及び前記状況決定手段を含む主制御部と、前記報知手段を制御する副制御部と、を備え、
前記主制御部と前記副制御部は、前記主制御部から前記副制御部への一方向で通信を行う機能を有し、
前記副制御部は、前記主制御部から遊技開始を示すスタートコマンドを受信した場合に、
前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を報知する報知回数が0であれば、前記報知回数を決定し、
該決定の結果を含めて前記報知回数が0でなければ、前記内部当選役決定手段により所定の役が内部当選役として決定されたことを条件に、前記所定の条件が成立する可能性が高まることとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報、又は前記所定の条件が成立することとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を前記報知手段により報知するか否かを決定する報知決定手段を含み、
前記報知手段により報知が行われると、前記報知回数を1減算することで、前記報知手段を制御することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1記載の遊技機において、
前記副制御部は、抽選により、0を含む複数種類の回数の中から前記報知回数を決定することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1又は2記載の遊技機において、
前記所定の条件は、一又は複数のゲームにおける特定の役の入賞の成否に関連する第1の条件、前記操作タイミングに関連する第2の条件、前記操作順序に関連する第3の条件又は前記変動表示手段の停止態様に関連する第4の条件を含むことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項3記載の遊技機において、
前記第1の条件は、前記特定の役の入賞が成立することを含み、前記主制御部は、前記特定の役に内部当選したとき、当該特定の役に対応した所定の図柄組合せが所定のラインに沿って並ぶことを許可する前記停止操作部の操作順序の決定、又は前記所定のラインに沿って並ぶことを許可する図柄組合せを決定する許可決定手段を備え、
前記停止制御手段は、前記許可決定手段の決定結果に基づいて前記変動表示を停止制御し、
前記報知決定手段は、前記許可決定手段の決定結果の一部又は全部を報知するか否かを決定し、該決定結果に基づいて前記報知手段を制御することを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項3記載の遊技機において、
前記第1の条件は、連続する所定回数のゲーム又は前記特定の役に内部当選したゲームにおいて、所定回数連続して前記特定の役の入賞が成立すること、連続する所定回数のゲームにおいて、前記特定の役の入賞が特定回数成立すること、予め定められた順番で前記特定の役を含む役の入賞が成立すること、又は予め定められたゲーム間隔で前記特定の役の入賞が成立することであり、
前記主制御部は、前記特定の役に内部当選したとき、当該特定の役に対応した所定の図柄組合せが所定のラインに沿って並ぶことを許可する前記停止操作部の操作順序の決定、又は前記所定のラインに沿って並ぶことを許可する図柄組合せを決定する許可決定手段を備え、
前記停止制御手段は、前記許可決定手段の決定結果に基づいて前記変動表示を停止制御し、
前記報知決定手段は、前記許可決定手段の決定結果の一部又は全部を報知するか否かを決定し、該決定結果に基づいて前記報知手段を制御することを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか記載の遊技機において、
前記所定の状況は、所定の役に内部当選する確率が高い状況、当該所定の役の入賞が成立する確率の高い状況、又は一定の条件の下、前記停止操作部の操作のタイミングで前記変動表示手段が停止制御される状況であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段と、その変動表示を制御するマイクロコンピュータ等の制御手段とを備えたスロットマシン、パチンコ機その他の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、停止ボタンを備えたスロットマシン、いわゆるパチスロ機は、正面の表示窓内に複数の図柄を変動表示する回転リールを複数配列して構成した機械的変動表示装置、或いはリール上の図柄を画面に表示する電気的変動表示装置を有する。遊技者のスタート操作に応じて、制御手段が変動表示装置を駆動制御して各リールを回転させることにより、図柄を変動表示させ、一定時間後自動的に或いは遊技者の停止操作により、各リールの回転を順次停止させる。このとき、表示窓内に現れた各リールの図柄が特定の組合せ(入賞図柄)になった場合にメダル、又はコイン等の遊技媒体を払出すことで遊技者に利益を付与する。
【0003】
現在主流の機種は、複数種類の入賞態様を有するものである。特に、ある役の入賞が成立したときは、1回のメダルの払出しに終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態となる。このような役として、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と略記する)と、遊技者に相対的に小さい利益を与えるゲームを所定回数行える役(「レギュラーボーナス」と称し、以下「RB」と略記する)がある。
【0004】
また、現在主流の機種においては、有効化された入賞ライン(以下「有効ライン」という)に沿って所定の図柄の組合せが並び、メダル、コイン等が払出される入賞が成立するためには、内部的な抽選処理(以下「内部抽選」という)により役に当選(以下「内部当選」という)し、且つその内部当選した役(以下「内部当選役」という)の入賞成立を示す図柄組合せを有効ラインに停止できるタイミングで遊技者が停止操作を行うことが要求される。つまり、いくら内部当選したとしても、遊技者の停止操作のタイミングが悪いと内部当選役の入賞を成立させることができない。すなわち、停止操作をタイミングよく行う技術が要求される(「目押し」といわれる技術介入性の比重が高い)遊技機が現在の主流である。
【0005】
また、遊技に賭けられた単位遊技媒体で行うことが可能なゲーム数を一定に保つ等の目的のために、入賞が成立すると遊技媒体を賭けることなく次のゲームを行うことが可能となる役(以下「再遊技」という)が設けられた遊技機が現在の主流である。そして、この「再遊技」に内部当選する確率が高い状況を発生させる機能を備えた遊技機が提供されている。また、複数の制御手段で遊技機の動作を制御する、いわゆる「制御のサブ化(複数の制御回路基板で遊技機を制御すること)」が現在の主流であるが、「再遊技」に内部当選する確率が高い状況の発生及び終了は、いわゆる主制御回路基板において内部的に決定されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば「再遊技」に内部当選する確率が高い状況の発生及び終了についての内部的な決定を行う際、その決定に対して、遊技者は、停止ボタン等の操作部の操作によっても影響を与えることができず、面白みに欠ける。
【0007】
また、上記主制御回路基板の機能は、法令で制限されており、「再遊技」に内部当選する確率の高い状況の発生条件に自由度を持たせる等、遊技の面白みを増すような処理を行うことができなかった。他方、いわゆる副制御回路基板の機能は、法令により制限を受けてはいないが、この副制御回路基板から主制御回路基板への情報の送信は法令で認められていない。このため、種々の機能を備えることが可能な副制御回路基板の決定を、主制御回路基板による「再遊技」に内部当選する確率が高い状況の発生及び終了についての決定に反映させることはできなかった。
【0008】
本発明の目的は、面白みのある遊技機を提供することである。また、副制御回路基板における決定を、主制御回路基板の決定に反映させることができる遊技機を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、遊技に必要な図柄を複数列に変動表示する変動表示手段と、該変動表示手段とは別の報知手段と、前記変動表示手段を各図柄列毎に、遊技者が停止操作を行うために設けられた停止操作部と、内部当選役を決定する内部当選役決定手段と、遊技者による前記停止操作部の操作タイミング又は操作順序を含む操作の態様及び前記内部当選役決定手段の決定結果に基づいて前記変動表示を停止制御する停止制御手段と、所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生を決定する状況決定手段と、前記内部当選役決定手段、前記停止制御手段及び前記状況決定手段を含む主制御部と、前記報知手段を制御する副制御部と、を備え、前記主制御部と前記副制御部は、前記主制御部から前記副制御部への一方向で通信を行う機能を有し、前記副制御部は、前記主制御部から遊技開始を示すスタートコマンドを受信した場合に、前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を報知する報知回数が0であれば、前記報知回数を決定し、該決定の結果を含めて前記報知回数が0でなければ、前記内部当選役決定手段により所定の役が内部当選役として決定されたことを条件に、前記所定の条件が成立する可能性が高まることとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報、又は前記所定の条件が成立することとなる前記操作タイミング又は操作順序に関する情報を前記報知手段により報知するか否かを決定する報知決定手段を含み、前記報知手段により報知が行われると、前記報知回数を1減算することで、前記報知手段を制御することを特徴とする。
【0010】
本発明の具体的態様では、内部当選役決定手段、停止制御手段及び状況決定手段を含む主制御部(例えば、後述の主制御回路71)と、報知決定手段を含む副制御部(例えば、後述の副制御回路72)とを備え、主制御部と副制御部は、主制御部から副制御部への一方向で通信することを特徴とする。
【0011】
本発明の具体的態様では、前記所定の条件は、一又は複数のゲームにおける特定の役の入賞の成否に関連する第1の条件、前記操作タイミングに関連する第2の条件、前記操作順序に関連する第3の条件又は前記変動表示手段の停止態様に関連する第4の条件を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の具体的態様では、第1の条件は、特定の役(例えば、一の役、或いは払出枚数が夫々同一又は異なる複数の役)の入賞が成立することを含み、主制御部は、特定の役に内部当選したとき、当該特定の役に対応した所定の図柄組合せが所定のライン(例えば、後述の有効ライン)に沿って並ぶことを許可する停止操作部の操作順序の決定(例えば、後述のテーブル番号の決定)、又は所定のラインに沿って並ぶことを許可する図柄組合せを決定する許可決定手段(例えば、後述のCPU31)を備え、停止制御手段は、許可決定手段の決定結果に基づいて変動表示を停止制御し、報知決定手段は、許可決定手段の決定結果の一部又は全部を報知するか否かを決定し、該決定結果に基づいて報知手段を制御することを特徴とする。
【0013】
本発明の具体的態様では、第1の条件は、連続する所定回数のゲーム又は特定の役に内部当選したゲーム(例えば、後述の図14のST27の判別が“YES”であるゲーム)において、所定回数(例えば、“5回”)連続して特定の役の入賞が成立すること(後述の図14のST30の判別が“YES”であること)、連続する所定回数のゲームにおいて、特定の役の入賞が特定回数成立すること、予め定められた順番で特定の役を含む役の入賞が成立すること、又は予め定められたゲーム間隔で特定の役の入賞が成立することであり、主制御部は、特定の役に内部当選したとき、当該特定の役に対応した所定の図柄組合せが所定のライン(例えば、後述の有効ライン)に沿って並ぶことを許可する停止操作部の操作順序の決定(例えば、後述のテーブル番号の決定)、又は所定のラインに沿って並ぶことを許可する図柄組合せを決定する許可決定手段(例えば、後述のCPU31)を備え、停止制御手段は、許可決定手段の決定結果に基づいて変動表示を停止制御し、報知決定手段は、許可決定手段の決定結果の一部又は全部を報知するか否かを決定し、その決定結果に基づいて報知手段を制御することを特徴とする。
【0014】
本発明の具体的態様では、所定の状況は、所定の役(例えば、再遊技)に内部当選する確率が高い状況、当該所定の役の入賞が成立する確率の高い状況、又は一定の条件の下、停止操作部の操作のタイミングで変動表示手段が停止制御される状況(例えば、いわゆる「チャレンジタイム」)であることを特徴とする。
【0015】
【作用及び効果】
本発明の遊技機では、状況決定手段は、所定の条件が成立したとき、所定の状況の発生を決定する。報知決定手段は、所定の条件が成立する可能性が高まることとなる上記操作タイミング又は操作順序に関する情報、又は所定の条件が成立することとなる操作タイミング又は操作順序に関する情報を報知するか否かを決定し、この決定結果に基づいて報知手段を制御する。遊技者は、報知に応じた態様により上記操作を行い所定の条件を成立させることにより、停止操作部の操作により状況決定手段の決定に影響を与えることができるので、遊技の面白みが増す。
【0016】
本発明の実施態様では、状況決定手段は、主制御部に含まれ、報知決定手段は、副制御部に含まれる。また、主制御部と副制御部は、主制御部から副制御部への一方向で通信する。従って、副制御部から主制御部へ情報の送信が行われない場合であっても、遊技者が副制御部の制御に基づく報知手段の報知に応じた態様で停止操作部の操作を行うことにより、例えば所定の条件が成立し、所定の状況が発生する。つまり、副制御部の決定は、遊技者の停止操作部の操作を介して主制御部で行われる遊技の状態の変更に関与させられるので、主制御部の機能が制限されている場合であっても面白みのある遊技機が提供される。
【0017】
また、所定の条件には、入賞の成否に関連する第1の条件、操作タイミングに関連する第2の条件、操作順序に関連する第3の条件、又は変動表示手段の停止態様に関連する第4の条件を含めるのが好ましい。
【0018】
また、主制御部は、特定の役に内部当選したとき、当該特定の役に対応した所定の図柄組合せが所定のラインに沿って並ぶことを許可する停止操作部の操作順序の決定、又は所定のラインに沿って並ぶことを許可する図柄組合せを決定する許可決定手段を備える。第1の条件は、特定の役の入賞が成立することを含む。副制御部の報知決定手段は、許可決定手段の決定結果の一部又は全部を報知するか否かを決定し、その決定結果に基づいて報知手段を制御する。従って、遊技者が報知手段の報知に応じて停止操作部を操作することを条件として、報知決定手段の決定結果に従って第1の条件が成立する又は成立する確率が高まり、所定の状況が発生する、又はその可能性が高まることとなる。また、許可決定手段の決定結果の一部を報知する場合には、所定の条件が成立する確率が変化し得るので、遊技の面白みが増す。
【0019】
また、第1の条件として、連続する所定回数のゲーム又は特定の役に内部当選したゲームにおいて、所定回数(例えば、“5回”)連続して特定の役の入賞が成立すること、連続する所定回数のゲームにおいて、特定の役の入賞が特定回数成立すること、予め定められた順番で特定の役を含む役の入賞が成立すること、又は予め定められたゲーム間隔で特定の役の入賞が成立することを採用することができる。報知決定手段の決定結果に従って第1の条件が成立する又は成立する確率が高まり、所定の状況が発生又は終了する、又はその可能性が高まることとなり、遊技の面白みが増す。また、複数回のゲームにより所定の条件が成立するので、遊技の面白みが増す。
【0020】
また、所定の状況として所定の役に内部当選する確率が高い状況、当該所定の役の入賞が成立する確率の高い状況、又は一定の条件の下、停止操作部の操作のタイミングで変動表示手段が停止制御される状況を採用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
[第1実施例]
図1は、本発明の第1実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0022】
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の表示窓4L,4C,4Rが設けられる。表示窓4L,4C,4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b,センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1-BETスイッチ11、2-BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
【0023】
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を形成している。各リールの図柄は表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
【0024】
表示窓4L,4C,4Rの左側には、1-BETランプ9a、2-BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19が設けられる。1-BETランプ9a、2-BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。ここで、本実施例では、一のゲームは、全てのリールが停止したときに終了する。1-BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。2-BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。クレジット表示部19は、7セグメントLEDから成り、貯留されているメダルの枚数を表示する。
【0025】
表示窓4L,4C,4Rの右側には、WINランプ17及び払出表示部18が設けられる。WINランプ17は、BB又はRBの入賞が成立した場合に点灯し、BB又はRBに内部当選した場合に所定確率で点灯する。払出表示部18は、7セグメントLEDから成り、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。
【0026】
パネル表示部2aの右側上部には、ボーナス遊技情報表示部20が設けられる。ボーナス遊技情報表示部20は、7セグメントLEDから成り、後で説明するRBゲーム可能回数及びRBゲーム入賞可能回数等を表示する。表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と表示窓4L,4C,4Rとの間には液晶表示装置5が設けられている。この液晶表示装置5の表示画面5aには、後述の「通常期間」において「ベルの小役」に内部当選したとき、その入賞成立を実現するために必要な「停止順序(停止ボタン7L,7C,7Rの操作順序)」が表示される。図1に示す例では、「左中右」と表示されている。後述のように、実施例では、この報知に応じた遊技者の遊技操作により、高確率再遊技期間の発生確率が高まる、或いは高確率再遊技期間が必ず発生するようになっている。
【0027】
液晶表示装置5の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置5の左側には、1-BETスイッチ11、2-BETスイッチ12、および最大BETスイッチ13が設けられる。1-BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2-BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。
【0028】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始(ゲームを開始)するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
【0029】
キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L,21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L,21Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。台座部10の前面部中央で、液晶表示装置5の下方位置には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。
【0030】
ここで、本実施例では、全てのリールが回転しているときに行われる停止操作を「第1停止操作」、次に行われる停止操作を「第2停止操作」、「第2停止操作」の後に行われる停止操作を「第3停止操作」という。また、「第1停止操作」として左の停止ボタン7Lを操作することを「順押し」という。「第1停止操作」として中央の停止ボタン7Cを操作することを「中押し」という。「第1停止操作」として右の停止ボタン7Rを操作することを「逆押し」という。
【0031】
実施例のスロットマシン1には、3つの停止ボタン7L,7C,7Rが設けられているので、これらの操作順序は“6種類”ある。そこで、これらの操作順序を次のように区別する。左の停止ボタン7Lを「左」、中央の停止ボタン7Cを「中」、右の停止ボタン7Rを「右」と略記する。そして、停止順序を示すとき、各停止ボタン7L,7C,7Rの略を、停止操作された順番で左から並べることとする。例えば、「第1停止操作」として左の停止ボタン7L、「第2停止操作」として中央の停止ボタン7C、「第3停止操作」として右の停止ボタン7Rが操作されたとき、停止順序を「左中右」と示す。なお、実施例の停止順序には、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」及び「右中左」の“6種類”がある。
【0032】
図2は、各リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”?“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図5)に格納されている。各リール3L,3C,3R上には、“青7(図柄91)”、“赤7(図柄92)”、“BAR(図柄93)”、“ベル(図柄94)”、“プラム(図柄95)”、“Replay(図柄96)”及び“チェリー(図柄97)”の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L,3C,3Rは、図柄列が図2の矢印方向に移動するように回転駆動される。
【0033】
図3は、各遊技状態における入賞図柄組合せに対応する役及び払出枚数を示す。
【0034】
ここで、遊技状態とは、一般に、BB又はRBが作動しているか否かによって区別するものである。なお、内部当選する可能性のある役の種類は、いわゆる確率抽選テーブルによって定まるものであるが、一般に、確率抽選テーブルは、各遊技状態毎に設けられている。すなわち、同一の遊技状態のゲームでは、内部当選する可能性のある役の種類が同一となる。ただし、BBの入賞成立を契機として発生する「BB遊技状態」は、「BB中一般遊技状態」及び「RB遊技状態」を含むものであり、内部当選する可能性のある役の種類が異なる状態を含む。
【0035】
また、通常の遊技状態である一般遊技状態は、「高確率再遊技期間」と「通常期間」とに区別される。「高確率再遊技期間」では、「通常期間」と比べて再遊技に内部当選する確率(再遊技の入賞が成立する確率)が高くなっている(後述の図4)。「高確率再遊技期間」の発生条件は、「通常期間」のベルの小役に内部当選したゲームにおいて、所定回数(実施例では、“5回”)連続してベルの小役の入賞が成立すること(図14のST30の判別が“YES”であること)を契機として発生する。また、「高確率再遊技期間」の終了条件は、乱数抽選(後述の図15のST42の処理)において終了に当選することである。「高確率再遊技期間」が終了した後、「通常期間」へ移行する。
【0036】
図3に示すように、一般遊技状態において、有効ラインに沿って“青7-青7-青7”、又は“赤7-赤7-赤7”が並んだときは、BBの入賞が成立し、15枚のメダルが払出されると共に、次のゲームの遊技状態が「BB遊技状態」となる。
【0037】
「RB遊技状態」は、「一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“BAR-BAR-BAR”であるとき、又は「BB中一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“Replay-Replay-Replay”であるとき(いわゆる「JACIN」)に発生する。このとき、15枚のメダルが払出される。「RB遊技状態」は、メダルを1枚賭けることにより所定の図柄組合せ“Replay-Replay-Replay”が揃い、15枚のメダルを獲得できる役物に当たりやすい遊技状態である。1回の「RB遊技状態」において可能な最大のゲーム回数(これを「RBゲーム可能回数」という)は、12回である。また、このRB遊技状態において、入賞できる回数(これを「RBゲーム入賞可能回数」という)は、8回までである。即ち、この「RB遊技状態」は、ゲーム回数が12回に達するか、又は入賞回数が8回に達した場合に終了する。なお、BB遊技状態は、所定のゲームで第3停止操作が行われたとき、終了する。例えば、3回目のRB遊技状態の最後のゲームにおいて第3停止操作が行われたとき、BB遊技状態が終了する。
【0038】
一般遊技状態において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが“Replay-Replay-Replay”であるときは、再遊技の入賞が成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者は、メダルを消費することなく遊技を行うことができる。
【0039】
一般遊技状態又はBB中一般遊技状態において、有効ラインに沿って図柄組合せ“ベル-ベル-ベル”が並ぶことにより、「ベルの小役」の入賞が成立する。「ベルの小役」に内部当選したとき、入賞が成立するか否かは、後述のテーブル番号と、遊技者の停止ボタン7L,7C,7Rの停止順序により決定される。具体的には、“6種類”の停止順序のうち、テーブル番号に対応した一の停止順序で停止操作を行った場合にのみ、ベル-ベル-ベル”が有効ラインに沿って並ぶことが許可され、ベルの小役の入賞が成立する。その他の“5種類”の停止順序のいずれかで停止操作を行った場合には、ベルの小役に内部当選した状況であっても入賞が不成立となる。従って、ベルの小役に内部当選したゲームにおいて、後述の報知が行われた場合には、必ず入賞成立を実現することができる。他方、この報知が行われない場合には、ベルの小役に内部当選したゲームにおいて“1/6”の確率で入賞成立を実現することができる。
【0040】
また、一般遊技状態及びBB中一般遊技状態では、「プラムの小役」、「BARの小役」、及び「チェリーの小役」の入賞成立を実現することが可能であるが、その払出枚数は図示のとおりである。
【0041】
「一般遊技状態」の「通常期間」では、後述の報知回数カウンタ(図19)の値が“1”以上である状況において「ベルの小役」に内部当選したとき、その入賞成立が実現することとなる「停止順序」が報知される。報知が行われる回数(以下「報知回数」という)は、基本的に“1回”?“5回”である。従って、この報知が行われることによりベルの小役に内部当選したゲームにおいて、“5回”連続してベルの小役の入賞が成立する確率が増加し、高確率再遊技期間の発生確率が高まることとなる。具体的には、報知回数が“1回”増える毎に、高確率再遊技期間の発生確率が“6倍”になる。すなわち、発生条件が成立する可能性が高まる。ここで、ベルの小役の入賞成立を実現するために必要な停止順序を報知するか否かの決定(後述の図19のST84の処理)は、後述の副制御回路72が行う。また、高確率再遊技期間を発生させるか否かは、後述の主制御回路71が前述の発生条件が成立したか否かを判別(後述の図14のST30の処理)することにより決定する。
【0042】
図4は、BET数が“3”のとき、内部当選役を決定する際(図13のST15)に使用する確率抽選テーブルを示す。
【0043】
図4(1)は、通常期間において使用される確率抽選テーブルを示す。図4(1)に示す確率抽選テーブルでは、確率抽選処理における乱数の抽出範囲“0”?“16383”のうち、“0”?“2340”の範囲内の乱数が抽出された場合に「再遊技」が内部当選役となる。この場合、「再遊技」に内部当選する確率は、約“1/7”である。
【0044】
図4(2)は、高確率再遊技期間において使用される確率抽選テーブルを示す。図4(2)に示す確率抽選テーブルでは、確率抽選処理における乱数の抽出範囲“0”?“16383”のうち、“0”?“10921”の範囲内の乱数が抽出された場合に「再遊技」が内部当選役となる。この場合、「再遊技」に内部当選する確率は、約“2/3”である。
【0045】
以上のように、高確率再遊技期間では、通常期間と比べて再遊技に内部当選する確率が高くなっている。なお、図4(1)及び(2)に示すテーブルでは、「再遊技」以外の役に内部当選する確率は、同じである。
【0046】
図5は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置5及びスピーカ21L,21Rを制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
【0047】
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
【0048】
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。また、CPU31は、ベル連続入賞回数カウンタを備える。このカウンタは、高確率再遊技期間の発生条件が成立したか否かの判別のために使用され、ベルの小役に内部当選したゲームにおいて、続けてベルの小役の入賞が成立した回数を計数する。
【0049】
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止制御テーブル、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。このコマンドには、「デモ表示コマンド」、「スタートコマンド」、「全リール停止コマンド」、「入賞役コマンド」等がある。これらのコマンドについては後で説明する。なお、副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
【0050】
図5の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1-BETランプ9a、2-BETランプ9b、最大BETランプ9c、WINランプ17)と、各種表示部(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
【0051】
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がI/Oポート38を介してCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0052】
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1-BETスイッチ11、2-BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、投入メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。これらも、I/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
【0053】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
【0054】
図5の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM32内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役が決定される。内部当選役が決定された後、「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
【0055】
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0056】
上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0057】
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0058】
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、及び選択された「停止制御テーブル」に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
【0059】
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU31は、払出し指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダルの払出し処理」を終了する。
【0060】
図6のブロック図は、副制御回路72の構成を示す。副制御回路72は、主制御回路71からの制御指令(コマンド)に基づいて液晶表示装置5の表示制御及びスピーカ21L,21Rからの音の出力制御を行う。この副制御回路72は、主制御回路71を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)73を主たる構成要素とし、液晶表示装置5の表示制御手段としての画像制御回路81、スピーカ21L,21Rにより出音される音を制御する音源IC78、及び増幅器としてのパワーアンプ79で構成されている。
【0061】
サブマイクロコンピュータ73は、主制御回路71から送信された制御指令に従って制御動作を行うサブCPU74と、記憶手段としてのプログラムROM75と、ワークRAM76とを含む。副制御回路72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU74の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。この乱数サンプリングにより、前述の停止順序の報知を行う回数等が決定される。サブCPU74は、報知回数カウンタを備える。報知回数カウンタは、上記報知を行う回数を記憶する。プログラムROM75は、サブCPU74で実行する制御プログラムを格納する。ワークRAM76は、上記制御プログラムをサブCPU74で実行するときの一時記憶手段として構成される。
【0062】
画像制御回路81は、画像制御CPU82、画像制御ワークRAM83、画像制御プログラムROM84、画像ROM86、ビデオRAM87及び画像制御IC88で構成される。画像制御CPU82は、サブマイクロコンピュータ73で設定されたパラメータに基き、画像制御プログラムROM84内に格納する画像制御プログラムに従って液晶表示装置5での表示内容を決定する。画像制御プログラムROM84は、液晶表示装置5での表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルを格納する。画像制御ワークRAM83は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU82で実行するときの一時記憶手段として構成される。画像制御IC88は、画像制御CPU82で決定された表示内容に応じた画像を形成し、液晶表示装置5に出力する。画像ROM86は、画像を形成するためのドットデータを格納する。ビデオRAM87は、画像制御IC88で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0063】
次に、図7を参照して、高確率再遊技期間終了抽選テーブルについて説明する。
【0064】
図7に示すテーブルでは、当選(終了)、及びはずれ(継続)となる乱数範囲が定められている。このテーブルは、後述の図15のST42の処理で使用される。
【0065】
次に、図8、図9、及び図10を参照して、ベルの小役に内部当選したときに使用される停止制御テーブルについて説明する。
【0066】
「停止制御テーブル」には、各リール3L,3C,3Rの「停止操作位置」と「停止制御位置」とが示されている。「停止操作位置」は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられた停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたとき、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。「停止制御位置」とは、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8cの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。ここで、本実施例では、いわゆる「滑りコマ数」を最大“4コマ”としている。例えば、右のリール3Rの回転中において、コードナンバー“12”の“チェリー(図2の図柄97)”がセンターライン8cの位置に到達したとき、停止ボタン7Rが操作された場合、コードナンバー“08”の“青7(図2の図柄91)”をセンターライン8cの位置に停止表示するように右のリール3Rを停止制御することができる。
【0067】
図8は、当り用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル-ベル-ベル”が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立するようにリールを停止制御する際に使用される。
【0068】
図8において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“03”,“08”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル”である。
【0069】
図8において、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、コードナンバー“03”,“07”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル”である。
【0070】
図8において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“01”,“05”,“10”,“14”又は“18”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル(図柄94)”である。
【0071】
以上のように、図8に示す当り用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、センターライン8cの位置、すなわち表示窓4L,4C,4R内の中央の位置に“ベル”が停止表示され、入賞が成立することとなる。
【0072】
図9は、順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル-ベル-ベル”が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、左のリール3L及び中央のリール3Cの停止操作位置に対する停止制御位置は、図8に示すものと同じである。
【0073】
図9において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“02”,“06”,“11”,“15”又は“19”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“Replay(図柄96)”である。
【0074】
以上のように、図9に示す順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、表示窓4L,4C内の中央の位置に“ベル”が停止表示され、表示窓4R内の中央の位置に“Replay”が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0075】
図10は、逆押しはずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル-ベル-ベル”が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、中央のリール3C及び右のリール3Rの停止操作位置に対する停止制御位置は、図8に示すものと同じである。
【0076】
図10において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“04”,“09”,“12”,“17”又は“20”のいずれかである。図2に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“Replay(図柄96)”である。
【0077】
以上のように、図10に示す逆押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L,3C,3Rの停止制御に使用された場合には、左の表示窓4L内の中央の位置に“Replay”が停止表示され、表示窓4C,4R内の中央の位置に“ベル”が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0078】
ここで、実施例では、前述のように停止順序として“6種類”を採用し、テーブル番号に応じて、いずれか一の順序で停止操作が行われたときにのみ、“ベル-ベル-ベル”が有効ラインに沿って並び、入賞が成立するようにしている。このため、第2停止操作が行われたときに、“ベル-ベル-ベル”が有効ラインに沿って並ぶか否かが確定する場合がある。例えば、テーブル番号として“1(対応する停止順序は「左中右」)”が採用され、第1停止操作として左のリール3Lが操作された場合である。すなわち、第1停止操作が行われた場合、必ずしも“ベル-ベル-ベル”が有効ラインに沿って並ぶか否かが明らかではない場合がある。また、実施例では、“ベル-ベル-ベル”は、必ずセンターライン8cに沿って並ぶこととしている。そこで、実施例では、図9及び図10に示すように、2つのはずれ用の停止制御テーブルを使用することとしている。なお、テーブル番号が“2”、“3”、“4”、“5”、又は“6”の場合には、各々「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」、又は「右中左」で停止操作を行うことにより、ベルの小役の入賞が成立するようになっている。
【0079】
次に、図11を参照して、高確率再遊技期間を発生させるために必要な主制御回路71及び副制御回路72の機能実現手段(動作部)を含むブロック図について説明する。
【0080】
主制御回路71は、高確率再遊技決定手段101、入賞検索手段102、停止制御手段103、及び滑りコマ数決定手段104を備える。高確率再遊技決定手段101は、入賞検索手段102の検索結果に基づいて発生条件が成立したか否かを判別し、高確率再遊技期間を発生させるか否かを決定する(後述の図14のST28?ST32の処理を行う)。入賞検索手段102は、リール3L,3C,3Rの停止態様に基づいて入賞役(入賞が成立した役)を識別する(後述の図14のST24の処理を行う)。停止制御手段103は、滑りコマ数決定手段104の決定結果に基づいてリール3L,3C,3Rの停止制御を行う(後述の図13のST21の処理を行う)。滑りコマ数決定手段104は、停止制御テーブル及び遊技者の停止操作のタイミングに基づいて滑りコマ数を決定する(後述の図17に示す処理を行う)。
【0081】
副制御回路72は、報知回数決定手段111、及び報知制御手段112を備える。報知回数決定手段111は、報知回数を決定する(後述の図19のST84の処理を行う)。報知制御手段112は、ベルの小役の入賞成立を実現するために必要な停止順序を報知するように液晶表示装置5等を制御する(後述の図20の処理を行う)。
【0082】
図11に示すブロック図において、ゲームの開始時には、主制御回路71は、内部当選役及びテーブル番号の情報を含むスタートコマンドを副制御回路72へ送信する。内部当選役が「ベルの小役」であり、報知回数カウンタの値が“1”以上であるとき、報知制御手段112は、液晶表示装置5を介してベルの小役の入賞成立を実現するために必要な停止順序を報知する。
【0083】
遊技者は、報知に応じた停止順序で停止ボタン7L,7C,7Rの停止操作を行う。この停止操作に応じた滑りコマ数決定手段104の決定結果に基づいて、停止制御手段103はリール3L,3C,3Rを停止制御する。この停止制御の結果、入賞検索手段102では、ベルの小役を入賞役と識別する。高確率再遊技決定手段は、複数のゲームにわたる入賞検索手段102の識別結果に基づいて、高確率再遊技期間の発生条件(ベルの小役に内部当選したゲームにおいて、“5回”連続してベルの小役の入賞が成立すること)が成立した否かを判別し、高確率再遊技期間を発生させるか否かを決定する。ここで、報知回数決定手段が報知回数を“5回”と決定した場合には、遊技者が報知に応じた停止操作を行うことを条件として必ず高確率再遊技期間が発生することとなる。他方、報知回数が“1回”?“4回”である場合には、報知が行われない場合と比較して高確率再遊技期間が発生する確率が高くなる。
【0084】
以上のように、副制御回路72は、報知回数を決定し、停止順序の報知を行うことにより、副制御回路72の決定を遊技者の停止ボタン7L,7C,7Rの操作を介して主制御回路71で行われる遊技の状態(状況)の変更に関与させることができる。また、その報知に応じた遊技者の停止操作を介して、遊技者の停止操作の態様に関連した高確率再遊技期間の発生条件の成否に影響を与えることができる。すなわち、副制御回路72は、上記報知に関する決定を行うことにより、遊技者の停止操作を介して、本来主制御回路71の決定事項である高確率再遊技期間を発生させるか否かを間接的に決定したり、或いはその発生条件の成立する確率を間接的に変化させることができる。つまり、副制御回路72は、報知に基づく遊技者の停止操作を介して、主制御回路71を制御することができる。また、「再遊技」に内部当選する確率の高い状況等の発生条件等に自由度を持たせることができる。
【0085】
次に、主制御回路71のCPU31の制御動作について、図12?図14に示すメインフローチャートを参照して説明する。
【0086】
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップ[以下、STと表記する]1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の記憶内容を消去する(ST2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。次に、前回のゲーム終了後、すなわち全リール3L,3C,3R停止後から30秒経過したか否かを判別する(ST3)。この判別が“YES”のときは、副制御回路72に対し、「デモ画像」の表示を要求する「デモ表示コマンド」を送信する(ST4)。
【0087】
次に、CPU31は、メダルの自動投入の要求があるか、すなわち前回のゲームで再遊技(リプレイ)の入賞が成立したか否かを判別する(ST5)。この判別が“YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ST6)、ST8の処理に移る。ST5の判別が“NO”のときは、投入メダルセンサ22S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する(ST7)。この判別が“YES”のときは、ST8の処理に移り、“NO”のときは、ST3の処理に移る。
【0088】
次に、CPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する(ST8)。この判別が“YES”のときは前回のゲームが開始してから“4.1”秒経過しているか否かを判別し(ST9)、この判別が“YES”のときはST11の処理に移り、“NO”のときはST10の処理に移る。ST10の処理では、「ゲーム開始待ち時間消化処理」を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから“4.1”秒経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
【0089】
次に、CPU31は、リールの回転処理を行い(ST11)、同時に抽選用の乱数を抽出し(ST12)、1ゲーム監視用タイマをセットする(ST13)。ST12の処理で抽出した乱数は、後で説明する確率抽選処理において使用される。ST13の処理の1ゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタンの停止操作によらずに自動的にリールを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
【0090】
図13のST14の処理では、CPU31は、後で図15を参照して説明する高確率再遊技期間終了抽選処理を行い、ST15の処理に移る。ST15の処理では、後で図16を参照して説明する確率抽選処理を行う。具体的には、遊技状態等に応じた確率抽選テーブルを使用し、上記ST12の処理において抽出した乱数値がどの役の乱数値範囲に属するか否かを判別し、内部当選役(成立フラグ)を決定するものである。次に、リール3L,3C,3Rの停止制御に使用するテーブル番号を決定する(ST16)。具体的には、テーブル番号“1”?“6”の各々に、予め乱数範囲が割り当てられている。“0”?“127”の範囲から抽出した乱数値が、いずれのテーブル番号の乱数範囲に含まれているかどうかを判別し、テーブル番号を決定する。なお、実施例では、テーブル番号“1”?“6”は、夫々等しい確率で決定されるようになっている。
【0091】
次に、「スタートコマンド」を副制御回路72へ送信する(ST17)。「スタートコマンド」は、内部当選役及びテーブル番号の情報を含む。これらの情報は、後述の図19及び図20の処理で使用される。続いて、CPU31は、停止ボタンが“オン”かどうかを判別する(ST18)。具体的には、いずれかの停止ボタンが操作されたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ST20の処理に移り、“NO”のときは、ST19の処理に移る。ST19の処理では、自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別し、この判別が“YES”のときは、ST20の処理に移り、“NO”のときは、ST18の処理に移る。
【0092】
ST20の処理では、CPU31は、後で図17を参照して説明する滑りコマ数決定処理を行う。続いて、滑りコマ数分、停止操作された停止ボタンに対応するリールを回転させてから停止させる(ST21)。ここで、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作された後、リールが停止するまでの間に移動した図柄の数を示す。また、「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作されたとき、所定の入賞ラインに位置していた図柄のコードナンバーと、実際にリールが停止したときに、その入賞ラインに停止した図柄のコードナンバーとの差の絶対値により表わされる。この「滑りコマ数」は、「引き込み数」と称されることもある。
【0093】
ST22の処理では、CPU31は、全てのリールが停止したかどうかを判別し、この判別が“YES”のときは、ST23の処理に移り、“NO”のときは、ST18の処理に移る。ST23の処理では、全てのリールが停止したことを示す「全リール停止コマンド」を送信し、図14のST24の処理に移る。
【0094】
図14のST24の処理では、CPU31は入賞検索を行う。入賞検索とは、表示窓4L,4C,4Rの図柄の停止態様に基づいて入賞役を識別するための入賞フラグをセットすることである。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。続いて、入賞フラグが正常であるか否かを判別する(ST25)。この判別が“NO”のときはイリーガルエラーの表示を行う(ST26)。この場合、遊技は中止となる。ST25の判別が“YES”のときは、ST27の処理に移る。
【0095】
ST27の処理では、内部当選役がベルの小役であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST28の処理に移り、“NO”のときは、ST33の処理に移る。ST28の処理では、ベルの小役の入賞が成立したか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST29の処理に移り、“NO”のときは、ST32の処理に移る。ST29の処理では、ベル連続入賞回数カウンタの値に“1”を加算する。続いて、ベル連続入賞回数カウンタの値が“5”であるか否か、すなわち高確率再遊技期間の発生条件が成立したか否かを判別する(ST30)。この判別が“YES”のときは、ST31の処理に移り、“NO”のときは、ST33の処理に移る。
【0096】
ST31の処理では、高確率再遊技フラグをセットするとともに、ベル連続入賞回数カウンタの値をクリアし(その値を“0”とし)、ST33の処理に移る。この高確率再遊技フラグは、現在高確率再遊技期間であるか否かを示すフラグであり、後述の図16のST52の判別に使用される。高確率再遊技フラグがセットされているとき、高確率再遊技期間である。高確率再遊技フラグがクリアされているとき、通常期間である。なお、フラグをセットするとは、所定の記憶領域に“1”を示す情報を格納することをいう。また、フラグをクリアするとは、所定の記憶領域に“0”を示す情報を格納することをいう。ここで、高確率再遊技期間では、ST27?ST32の処理を行わないようにしてもよい。
【0097】
ST28の判別が“NO”のとき、すなわち内部当選役がベルの小役であり、その入賞が不成立となったとき、ベル連続入賞回数カウンタの値をクリアし、ST33の処理に移る。次に、遊技状態に応じてメダルのクレジット、又は払出しを行う(ST33)。続いて、CPU31は、「WINランプ点灯処理」を行う(ST34)。「WINランプ点灯処理」においては、所定の条件下、WINランプ17を点灯させる処理を行う。
【0098】
次に、BB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する(ST35)。この判別が“YES”のときは、BB又はRBの「遊技数チェック処理」を行う(ST36)。この「遊技数チェック処理」では、RB遊技状態が発生した回数、BB中一般遊技状態のゲーム回数、RB遊技状態における入賞回数、及びRB遊技状態におけるゲーム回数をチェックする。
【0099】
次に、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時であるか否かを判別する(ST37)。具体的には、RB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか、又はBB中一般遊技状態においてゲーム回数が30回であるか否かを判別する。ST37の判別が“YES”のときは、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時のRAM33をクリアする(ST38)。続いて、「ボーナス終了コマンド」を副制御回路72へ送信する(ST39)。続いて、ST2の処理に移る。
【0100】
次に、図15を参照して、高確率再遊技期間終了抽選処理について説明する。
【0101】
初めに、CPU31は、高確率再遊技フラグがセットされているか否か、すなわち現在高確率再遊技期間であるか否かを判別する(ST41)。この判別が“YES”のときは、ST42の処理に移り、“NO”のときは、図13のST15の処理に移る。ST42の処理では、乱数抽選を行う。具体的には、高確率再遊技期間終了抽選テーブル(図7)、及び“0”?“127”の範囲から抽出した乱数値に基づいて高確率再遊技期間を終了(継続)させるか否かを決定する。続いて、高確率再遊技の終了に当選か否か、すなわちST42の処理における乱数値が“0”?“11”であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST44の処理に移り、“NO”のときは、図13のST15の処理に移る。ST44の処理では、高確率再遊技フラグをクリアし、高確率再遊技期間を終了して通常期間へ移行させる。続いて、図13のST15の処理に移る。
【0102】
次に、図16を参照して、確率抽選処理について説明する。
【0103】
初めに、CPU31は、現在の遊技状態が一般遊技状態であるか否かを判別する(ST51)。この判別が“YES”のときは、ST52の処理に移り、“NO”のときは、ST55の処理に移る。ST51の処理では、高確率再遊技フラグがセットされているか否か、すなわち現在高確率再遊技期間中であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST53の処理に移り、“NO”のときは、ST54の処理に移る。ST53の処理では、図12のST12の処理で抽出した乱数値、及び高確率再遊技期間用の確率抽選テーブル(図4(2))に基づいて内部当選役を決定する。ST54の処理では、図12のST12の処理で抽出した乱数値、及び通常期間用の確率抽選テーブル(図4(1))に基づいて内部当選役を決定する。ST55の処理では、図12のST12の処理で抽出した乱数値、及び遊技状態に応じた確率抽選テーブル(図示せず)に基づいて内部当選役を決定する。続いて、図13のST16の処理に移る。
【0104】
次に、図17を参照して、主制御回路71の滑りコマ数決定処理について説明する。
【0105】
初めに、CPU31は、現在の遊技状態が一般遊技状態であるか否かを判別する(ST61)。この判別が“YES”のときは、ST62の処理に移り、“NO”のときは、ST63の処理に移る。ST62の処理では、内部当選役が「ベルの小役」であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST64の処理に移り、“NO”のときは、ST63の処理に移る。ST63の処理では、内部当選役、遊技状態、停止順序、停止操作位置等に基づいて滑りコマ数を決定する。
【0106】
一般遊技状態で「ベルの小役」に内部当選した場合には、ST64の処理において、図13のST18の停止操作が第1停止操作であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST65の処理に移り、“NO”のときは、ST70の処理に移る。ST65の処理では、図13のST16の処理で決定したテーブル番号、及び第1停止操作が行われた停止ボタンに基づいて、「ベルの小役」の入賞成立の可能性があるかどうかを判別する。例えば、テーブル番号として“1”が選択されている場合、第1停止操作として左の停止ボタン7Lが操作された場合には、ST65の判別は、“YES”となる。他方、第1停止操作として中央又は右の停止ボタン7C、7Rが操作された場合には、ST65の判別は、“NO”となる。ST65の判別が“YES”のときは、ST66の処理に移り、“NO”のときは、ST67の処理に移る。
【0107】
ST66の処理では、当り用停止制御テーブル(図8)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。例えば、左の停止ボタンが操作され、停止操作位置が“07”であるとき、滑りコマ数は、“4”と決定される。ここで、当り用停止制御テーブルを使用して停止制御を行うのは、ST65の判別が“YES”であり、ベルの小役の入賞成立の可能性があるためである。なお、前述のように、ベルの小役の入賞の成否が確定するのは、第2停止操作が行われたときである。従って、後述のように、ST66の処理の後、はずれ用の停止制御テーブル(図9、図10)が使用される場合がある。
【0108】
ST67の処理では、第1停止操作により、順押し又は中押しが行われたかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ST68の処理に移り、“NO”のときは、ST69の処理に移る。ST68の処理では、順押し・中押しはずれ用の停止制御テーブル(図9)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。ここで、図9に示す停止制御テーブルでは、左及び中央のリール3L、3Cの停止制御位置は、全て“ベル”を示す。従って、第1停止操作によりベルの小役の入賞成立の可能性がない場合(ST65の判別が“NO”)であっても、“ベル-ベル-ベル”が並び、その入賞が成立することに対する遊技者の期待感を保つことができる。
【0109】
ST69の処理では、逆押しはずれ用の停止制御テーブル(図10)、操作された停止ボタンに対応するリール、及び停止操作位置に基づいて滑りコマ数を決定する。ここで、図10に示す停止制御テーブルでは、右のリール3Rの停止制御位置は、全て“ベル”を示す。従って、ST68の場合と同様に、第1停止操作によりベルの小役の入賞成立の可能性がない場合であっても、“ベル-ベル-ベル”が並び、その入賞が成立することに対する遊技者の期待感を保つことができる。
【0110】
図13のST18の操作が第1停止操作でない場合(ST64の判別が“NO”)、すなわち第2又は第3停止操作の場合には、ST70の処理において、「ベルの小役」の入賞成立が確定しているかどうかを判別する。「ベルの小役」の入賞成立が確定している場合とは、ST65の判別が“YES”であり、且つテーブル番号が“1,6”で、第2停止操作として左の停止ボタン7Lが操作された場合、テーブル番号が“2,4”で、第2停止操作として中央の停止ボタン7Cが操作された場合、又はテーブル番号が“3,5”で、第2停止操作として右の停止ボタン7Rが操作された場合である。ST70の判別が“YES”のときは、ST66の処理に移り、“NO”のときは、ST67の処理に移る。
【0111】
次に、図18を参照して、報知回数抽選テーブルについて説明する。このテーブルは、副制御回路72のプログラムROM75に格納されている。
【0112】
図18に示すテーブルでは、ベルの小役の入賞成立を実現するために必要な停止順序の報知回数である“0回”、“1回”、“2回”、“3回”、“4回”及び“5回”に当選となる乱数範囲が定められている。ここで、報知回数が“1”以上である場合には、ベルの小役に内部当選したゲームにおいて、その報知回数を限度として、連続して上記報知が行われる。また、報知回数として“5回”が決定(選択)された場合には、遊技者が報知に応じた停止操作を行うことを条件として、必ず高確率再遊技期間が発生することとなる。この報知回数抽選テーブルは、後述の図19のST84の処理で使用される。
【0113】
次に、図19を参照して、副制御回路72のスタートコマンド受信処理について説明する。ここで、スタートコマンドは、リール3L,3C,3Rの回転開始時に送信される(図13のST17)。
【0114】
初めに、サブCPU74は、スタートコマンドを受信したか否かを判別する(ST81)。この判別が“YES”のときは、現在通常期間であるか否かを判別する(ST82)。ここで、主制御回路71は、図示しない処理により、再遊技高確率期間又は通常期間のいずれであるかを示す情報を副制御回路72へ送信する。ST82の判別が“YES”のときは、ST83の処理に移り、“NO”のときは、ST81の処理に移る。
【0115】
ST83の処理では、報知回数カウンタの値が“0”であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST84の処理に移り、“NO”のときは、ST86の処理に移る。ST84の処理では、乱数抽選により報知回数を決定する。具体的には、報知回数抽選テーブル(図18)、及び“0”?“1023”の範囲から抽出した乱数値に基づいて報知回数を決定する。続いて、決定した報知回数を報知回数カウンタにセットし(ST85)、ST86の処理に移る。ST86の処理では、後で図20を参照して説明する停止順序報知処理を行い、ST81の処理に移る。ここで、図20の処理により、副制御回路72は、高確率再遊技期間を発生させるか否かの実質的な決定をしたり、或いは高確率再遊技期間の発生確率を実質的に変化させることができる。
【0116】
次に、図20を参照して、副制御回路72の停止順序報知処理について説明する。
【0117】
初めに、サブCPU74は、報知回数カウンタの値が“1”以上であるか否かを判別する(ST91)。この判別が“YES”のときは、ST92の処理に移り、“NO”のときは、図19のST81の処理に移る。ST92の処理では、内部当選役がベルの小役であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST93の処理に移り、“NO”のときは、図19のST81の処理に移る。ST93の処理では、選択されたテーブル番号に基づいて停止ボタン7L,7C,7Rの停止順序を報知するように画像制御回路81を制御し、ST94の処理に移る。ST94の処理では、報知回数カウンタの値を“1”減算し、図19のST81の処理に移る。
【0118】
[第2実施例]
次に、第2実施例の遊技機について説明する。第2実施例の遊技機では、報知回数を決定した後におけるベルの小役に内部当選した“5回分”のゲームについて、いずれのゲームにおいて停止順序の報知を行うか否かを予め決定するようにしている。具体的には、第1実施例では、ベルの小役に内部当選したゲームであって連続するゲームにおいて、報知回数分の報知を行うようにしているが、第2実施例では、必ずしも連続するゲームにおいて報知を行うものではない。また、第2実施例の遊技機では、スタートコマンド受信処理及び停止順序報知処理の内容が第1実施例のものと異なる。第2実施例の遊技機の構造、電気回路等は、基本的に第1実施例のものと同じである。
【0119】
次に、図21を参照して、ランダム報知抽選テーブルについて説明する。
【0120】
ランダム報知抽選テーブルは、報知回数毎に設けられている。各ランダム報知抽選テーブルには、複数の報知パターンが設けられている。各報知パターンには、当選となる乱数範囲が示されている。また、各報知パターンには、各当選回数における停止順序の報知の有無が対応付けられている。ここで、当選回数は、後述の当選回数カウンタの値と一致するものであり、“1回”以上の報知回数が決定されたゲーム、及びその後のゲームにおいてベルの小役に内部当選した回数を示す。また、報知パターンとは、報知回数を決定した後におけるベルの小役に内部当選した“5回分”のゲームについて、いずれのゲームにおいて停止順序の報知を行うか否かを予め定めた態様をいう。なお、報知回数が“5回”であるときの報知パターンを示していないが、第1実施例の場合と同様に、当選回数が“1回目”?“5回目”の全てのゲームにおいて停止順序の報知が行われる。
【0121】
例えば、報知回数を“3回”と決定し、報知パターンを決定(選択)するために抽出した乱数値が“600”であるとき、ランダム報知抽選テーブル(C)に基づいて、報知パターン(C6)が選択される。そして、当選回数が“1回目”、“3回目”、及び“5回目”のゲームにおいて停止順序が報知されることとなる。なお、第1実施例において報知回数が“3回”である場合には、当選回数が“1回目”、“2回目”、及び“3回目”のゲームにおいて(連続して)上記報知が行われる。
【0122】
次に、図22を参照して、スタートコマンド受信処理について説明する。
【0123】
初めに、CPU31は、スタートコマンドを受信したか否かを判別する(ST101)。この判別が“YES”のときは、ST102の処理に移る。ST102の処理では、現在通常期間であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST103の処理に移り、“NO”のときは、ST101の処理に移る。ST103の処理では、当選回数カウンタがセットされているか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、ST108の処理に移り、“NO”のときは、ST104の処理に移る。ここで、当選回数カウンタとは、当選回数を計数するためのカウンタであり、後述のST107の処理でセットされ、後述の図23のST117の処理でクリアされる。
【0124】
次に、乱数抽選により報知回数を決定し(ST104)、報知回数が“1以上”であるか否かを判別する(ST105)。この判別が“YES”のときは、ST106の処理に移り、“NO”のときは、ST101の処理に移る。ST106の処理では、ST104の処理で決定された報知回数に基づいて、乱数抽選(“0”?“1023”の範囲から抽出した乱数値)により報知パターンを決定(選択)する。例えば、報知回数が“4回”であり、抽出した乱数値が“700”であるとき、報知パターン(D4)を選択する。続いて、当選回数カウンタをセットする(ST107)。ここで、カウンタをセットするとは、情報を記憶(格納)するための領域をRAM33内に設けることをいう。次に、後で図23を参照して説明する停止順序報知処理を行い(ST108)、ST101の処理に移る。ここで、ST108の処理は、当選回数カウンタがセットされている状況において行われる。
【0125】
次に、図23を参照して、停止順序報知処理について説明する。
【0126】
初めに、CPU31は、内部当選役がベルの小役であるか否かを判別する(ST111)。この判別が“YES”のときは、ST112の処理に移り、“NO”のときは、ST101の処理に移る。ST112の処理では、当選回数カウンタの値に“1”を加算し、ST113の処理に移る。ST113の処理では、ST22のST106の処理で選択した報知パターン及び当選回数カウンタの値に基づいて、報知の有無を判別する。例えば、報知パターン(A2)が選択され、当選回数カウンタの値が“2”であるとき、報知有りと判別する。また、当選回数カウンタの値が“3”であるとき、報知無しと判別する。
【0127】
次に、報知有りか否かを判別し(ST114)、この判別が“YES”のときは、ST115の処理に移り、“NO”のときは、ST101の処理に移る。ST115の処理では、選択されたテーブル番号に基づいて停止順序を報知する。続いて、当選回数カウンタの値が“5”であるか否かを判別する(ST116)。この判別が“YES”のときは、ST117の処理に移り、“NO”のときは、ST101の処理に移る。ST117の処理では、当選回数カウンタをクリアし、ST101の処理に移る。ここで、カウンタをクリアするとは、情報を記憶するために設けた記憶領域を消去すること(別の用途に使用可能とすること)をいう。
【0128】
第2実施例では、将来行われ得る複数のゲームについて停止順序の報知を行うか否かを予め定めたパターンを複数設け、そのパターンのいずれかを選択し、報知の処理を行うようにしている。このため、ベルの小役に内部当選したゲームにおいて、乱数抽選の結果により報知するか否かを決定する場合と比べて、連続して報知が行われるパターンを設ける等、報知の意図的な偏りを発生させることが可能となり、面白みのある遊技機を提供することができる。なお、当選回数を“5回”としているが、任意の回数を採用することもできる。また、各報知パターンでは、ベルの小役に内部当選したゲームについて報知の有無を予め定めるようにしているが、これに限られるものではない。例えば、内部当選したゲームに拘らず、報知の有無を予め定めておき、ベルの小役に内部当選したゲームにおいてその報知の有無を判別するようにしてもよい。
【0129】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0130】
実施例では、所定の条件として、「通常期間」のベルの小役に内部当選したゲームにおいて、所定回数(実施例では、“5回”)連続してベルの小役の入賞が成立すること(第1の条件の一例)を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、一の又は複数のゲームにおいて、リール3L,3C,3Rの停止態様が所定の態様であること(第4の条件)、一の又は複数のゲームにおける停止ボタン7L,7C,7Rが操作されたときのセンターライン8cに位置していた図柄のコードナンバーが所定のコードナンバーであること(第2の条件)、停止ボタン7L,7C,7Rの操作順序が所定の停止順序であること(第3の条件であり、入賞の成否は問わない)等を採用することもできる。また、主制御回路71は、いずれかの所定の条件(いずれかのコードナンバー、停止順序等)を決定(選択)し、その決定結果を毎ゲーム副制御回路72へ送信する。そして、副制御回路72は、上記決定結果(所定の条件)を報知するか否かを決定することもできる。また、所定の条件は、連続する複数のゲーム、又は一のゲームにおいて成立するようにしてもよい。
【0131】
また、第1の条件として、連続する所定回数のゲームにおいて、特定の役の入賞が特定回数成立することを採用することもできる。具体的には、連続する“10回”のゲームにおいて、ベルの小役の入賞が“5回”成立することを採用することもできる。また、第1の条件として、予め定められた順番で特定の役を含む役の入賞が成立することを採用することもできる。具体的には、ベルの小役、ベルの小役、再遊技、再遊技、再遊技の順番で入賞が成立することを採用することもできる。この場合、各ゲームは、連続するものであっても、不連続なものであってもよい。また、第1の条件として、予め定められたゲーム間隔で特定の役の入賞が成立することを採用することもできる。具体的には、一ゲームおきに、或いは二ゲームおきにベルの小役の入賞が成立することを採用することもできる。
【0132】
また、実施例では、報知決定手段は、特定の役の一例であるベルの小役に内部当選したゲームにおいて報知回数カウンタの値が“1以上”であるか否か(図20のST91の判別が“YES”であるかどうか)に基づいて許可決定手段の決定結果を報知するか否か、すなわちベルの小役の入賞成立を実現するために必要な停止順序を報知するか否かを決定するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、ベルの小役に内部当選したゲームにおいて乱数抽選を行い、その乱数抽選の結果に基づいて上記停止順序を報知するか否かを決定することもできる。ベルの小役に内部当選したゲームにおいて所定回数連続して入賞が成立することを「高確率再遊技期間」の発生条件として採用した場合には、例えば一ゲームおき、或いは二ゲームおき等、ランダム(無作為)に報知が行われ、遊技の面白みが増す。
【0133】
また、上記報知を行うか否かを決定するための乱数抽選において、その報知を行うとの決定がなされる確率を変化させることもできる。具体的には、報知を行うとの決定がなされる確率が高い「報知高確率状態」、及びその決定がなされる確率が低い(報知を行わないとの決定がなされる確率が高い)「報知低確率状態」を設けることもできる。この「報知高確率状態」及び「報知低確率状態」の移行条件は、任意の条件を採用することができる。例えば、内部当選役或いは入賞役が予め定めた役(「BB」、「RB」、「チェリーの小役」、「なし(はずれ)」等)であること、他方の状態に移行させるか否かの乱数抽選に当選したこと、所定の時点(BB遊技状態が終了したとき等)から計数されたゲーム回数が予め定めた回数に到達したこと、或いはこれらの組合せ等を採用することができる。
【0134】
また、報知決定手段は、いわゆる「マップ(MAP)方式」により、上記報知を行うか否かを決定することもできる。具体的には、所定の時点(例えば、遊技機に電源を投入したとき、BB遊技状態が終了したとき等)後に行われるゲームの回数、或いは特定の役に内部当選した回数を基準として、予め報知するか否かが決定された情報を複数備える。そして、報知決定手段は、その情報を選択し、選択した情報、及びゲーム回数或いは特定の役に内部当選した回数に基づいて報知するか否かを決定することもできる。
【0135】
実施例では、停止順序の報知として、第1停止操作?第3停止操作において操作するべき停止ボタン7L,7C,7Rを報知するようにしているが、これに限られるものではない。例えば、第1停止操作として操作するべき停止ボタン7L,7C,7R、すなわち許可決定手段の決定結果の一部のみを報知することもできる。また、所定のラインに沿って並ぶことを許可する図柄組合せを構成する図柄のうち、一部の図柄のみを報知することもできる。
【0136】
実施例では、所定の状況として高確率再遊技期間を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、「基本的に遊技者のタイミングのみに基づいてリールの停止制御が行われる、すなわち停止操作位置と停止制御位置が一致することとなる状況(いわゆる「チャレンジタイム(CT)」)」、「シングルボーナスの入賞が成立しやすい状況(S・B高確率状態)」、「所定の役(例えば、BB、RB、或いは小役等)の入賞が成立しやすい状況(例えば、いわゆる「小役の集中」)」、「再遊技に内部当選する確率が高いが、その入賞の成否を停止制御で振り分けるとともに、ボーナスに内部当選した回数を計数し、その計数分の入賞成立をその後可能とする期間」等を採用するようにしてもよい。
【0137】
実施例では、所定の状況の一例である高確率再遊技期間の発生条件が成立する可能性が高まる、又はその発生条件が成立することとなる停止順序を報知するようにしているが、これに限られるものではない。具体的には、所定の状況の終了条件が成立する可能性が低下することとなる、又はその終了条件が不成立となる停止ボタン7L,7C,7Rの操作態様に関する情報を報知するようにしてもよい。例えば、上記終了条件として一のゲームにおいて又は複数回の連続するゲームにおいて、「ベルの小役の入賞が成立すること」を採用する場合には、ベルの小役が不成立となる停止順序を報知することもできる。また、所定の状況として、「再遊技に内部当選する確率が高いが、その入賞の成否を停止制御で振り分けるとともに、ボーナスに内部当選した回数を計数し、その計数分の入賞成立をその後可能とする期間」を採用する場合には、その期間の終了条件が成立する可能性が高まる、又はその終了条件が成立することとなる停止順序を報知するようにしてもよい。これにより、遊技者は、ボーナスの入賞の成立を実現することができる。
【0138】
実施例では、高確率再遊技期間においてベルの小役の入賞成立を実現するために必要な情報を報知しないようにしているが、この情報を報知するようにしてもよい。
【0139】
実施例では、報知手段として液晶表示装置を用いているが、演出用のリール、模型等の動作物(いわゆる「役物」等)、音出力手段としてのスピーカ、光、LEDドットマトリクス等を用いるようにしてもよい。なお、変動表示手段及び報知手段を一の装置により実現するようにしてもよいし、それぞれを異なる装置により実現するようにしてもよい。例えば、いわゆる「液晶パチスロ」では、液晶表示装置により変動表示手段及び報知手段を実現することができる。
【0140】
更に、本実施例のようなスロットマシンの他、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD-ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスロットマシンの斜視図。
【図2】リール上に配列された図柄の例を示す図。
【図3】入賞図柄組合せに対応する役及び払出枚数を示す図。
【図4】確率抽選テーブルの例を示す図。
【図5】実施例の電気回路の構成を示すブロック図。
【図6】実施例の副制御回路の構成を示すブロック図。
【図7】高確率再遊技期間終了抽選テーブルを示す図。
【図8】停止制御テーブルの例を示す図。
【図9】停止制御テーブルの例を示す図。
【図10】停止制御テーブルの例を示す図。
【図11】高確率再遊技期間に関する機能実現手段(動作部)を含むブロック図。
【図12】主制御回路のメインフローチャート。
【図13】図12に続くフローチャート。
【図14】図13に続くフローチャート。
【図15】高確率再遊技期間終了抽選処理を示すフローチャート。
【図16】確率抽選処理を示すフローチャート。
【図17】滑りコマ数決定処理を示すフローチャート。
【図18】報知回数抽選テーブルの例を示す図。
【図19】スタートコマンド受信処理を示すフローチャート。
【図20】停止順序報知処理を示すフローチャート。
【図21】ランダム報知抽選テーブルを示す図。
【図22】スタートコマンド受信処理を示すフローチャート。
【図23】停止順序報知処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…遊技機、2…キャビネット、2a…パネル表示部、3L,3C,3R…リール、4L,4C,4R…表示窓、5…液晶表示装置、5a…液晶表示画面、6…スタートレバー、7L,7C,7R…停止ボタン、8a…クロスダウンライン、8b…トップライン、8c…センターライン、8d…ボトムライン、8e…クロスアップライン、9a…1-BETランプ、9b…2-BETランプ、9c…最大BETランプ、10…台座部、11…1-BETスイッチ、12…2-BETスイッチ、13…最大BETスイッチ、14…C/Pスイッチ、15…メダル払出口、16…メダル受け部、17…WINランプ、18…払出表示部、19…クレジット表示部、20…ボーナス遊技情報表示部、21L,21R…スピーカ、22…メダル投入口、22S…投入メダルセンサ、23…配当表パネル、30…マイクロコンピュータ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…クロックパルス発生回路、35…分周器、36…乱数発生器、37…サンプリング回路、38…I/Oポート、39…モータ駆動回路、40…ホッパー、41…ホッパー駆動回路、45…ランプ駆動回路、46…リール停止信号回路、48…表示部駆動回路、49L,49C,49R…ステッピングモータ、50…リール位置検出回路、51…払出完了信号回路、71…主制御回路、72…副制御回路、73…サブマイクロコンピュータ、74…サブCPU、75…プログラムROM、76…ワークRAM、77…INポート、78…音源IC、79…パワーアンプ、80…OUTポート、81…画像制御回路、82…画像制御CPU、83…画像制御ワークRAM、84…画像制御プログラムROM、85…INポート、86…画像ROM、87…ビデオRAM、88…画像制御IC、101…高確率再遊技決定手段、102…入賞検索手段、103…停止制御手段、104…滑りコマ数決定手段、111…報知回数決定手段、112…報知制御手段。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2012-09-20 
結審通知日 2012-09-24 
審決日 2012-10-09 
出願番号 特願2001-389164(P2001-389164)
審決分類 P 1 113・ 536- YA (A63F)
P 1 113・ 537- YA (A63F)
P 1 113・ 121- YA (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鉄 豊郎  
特許庁審判長 伊藤 陽
特許庁審判官 瀬津 太朗
秋山 斉昭
登録日 2008-05-23 
登録番号 特許第4127613号(P4127613)
発明の名称 遊技機  
代理人 黒田 博道  
代理人 鹿股 俊雄  
代理人 瀧本 十良三  
代理人 鹿股 俊雄  
代理人 瀧本 十良三  
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