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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  A01K
審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A01K
審判 全部無効 特36条4項詳細な説明の記載不備  A01K
管理番号 1267890
審判番号 無効2011-800208  
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-02-22 
種別 無効の審決 
審判請求日 2011-10-13 
確定日 2013-01-04 
事件の表示 上記当事者間の特許第4064423号発明「集魚灯装置,及びその使用方法」の特許無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。 
理由 第1.手続経緯
本件審判の請求に係る特許第4064423号(以下,「本件特許」という。)の手続の経緯は,以下のとおりである。
平成16年 8月26日:国際出願(優先日:平成15年9月18日)
平成20年 1月11日:特許権の設定登録(請求項の数:4)
平成22年10月18日:先の無効審判請求[一次]
(無効2010-800189(全請求項))
平成23年 1月 7日:訂正請求(全請求項)
6月 9日:口頭審理
6月15日:審決[一次]
(訂正認容,請求項1?3:無効,請求項4:有効)
7月25日:審決[一次]の確定
8月18日:審決[一次]の確定登録
10月13日:本件無効審判請求[二次](請求項4)
平成24年 1月 4日:被請求人より答弁書提出

その後,当審は,平成24年1月31日付けの答弁書副本の送付通知書(以下,「弁駁指令書」という。)にて,無効理由の立証が不十分と考える箇所を個別具体的に挙げたうえで,請求人に対し主張及び証拠の整理を促し,これらのうち撤回できるものについて明らかにするように指示をした。併せて,書面審理とすることに対する意見を求めた。一方,被請求人に対しても,同日付で上記弁駁指令書の内容を通知した。
これに対し,同年3月1日付けで請求人側から弁駁書が提出され,「本件審判請求人は,審判請求書における主張をそのまま維持する。主張に成り立たない点があれば,上級審(裁判所)の審理判断を受け得るように,審決書において個別具体的に記載いただければ足りる。『審判請求書』とは法的重要性の点で比べるべくもない,『答弁書の副本通知』などという書面で,審判請求書の内容の制限を求める権限は審判官殿にはないものと思料する。なお,審理不尽は迷惑であるのでこの点にもご注意いただきたい。」との意向が示され,また,書面審理を行うことに対する意向は示されなかった。一方,同年3月2日付けで被請求人側から上申書が提出され,書面審理に異存ない旨の意向が示された。
当審は,請求人にはこれ以上主張及び証拠を整理する意思がないと判断し,同年3月8日付けで,本件審判事件について職権により書面審理によるものする旨を両当事者に通知した。
その後,提出された書面に基づく審理を行い,同年3月16日付けで審理を終結した。

第2.本件特許発明
本件特許の請求項4に記載された発明(以下,「本件特許発明」という。)は,平成23年1月7日付けの訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項4に記載されたものと認められ,これを構成要件に分説すると,次のとおりである。

「【請求項4】
A.発光色が赤色系,青色系,緑色系の三色の発光ダイオードを集合させた発光ダイオード集合体を形成し,この発光ダイオード集合体を複数用いた光源を有する集魚灯と,
B.前記光源の発光波長を設定する発光波長ボリューム部を有し,
C.海域の水の色,水温,風向・風速,潮流の流向・流速,照度条件,漁獲対象生物の種類・位置・反応行動,漁具や漁船の位置や挙動等の操業情報に応じて,
D.前記発光波長ボリューム部で前記光源の発光波長を設定すると,前記発光ダイオードの各々の発光量を一元的に制御し,前記光源の全体としての調色を行うことで,前記発光色が赤色系,青色系,緑色系の三色の発光ダイオードの発光の合成として前記光源全体から発せられる見かけの発光波長を連続的に変化させる光源制御部とを備えてなり,
E.前記光源制御部が,前記光源の発光波長を設定する前記発光波長ボリューム部と,前記ボリューム部の設定位置に対応する発光状態を直感的に図示する波長スケール部と,
F.光源の発光色をワンタッチで白色に変換する白色光スイッチとを備えたことを特徴とする
G.集魚灯装置。」

第3.当事者の主張の概要
1.請求人の主張の概要
請求人は,本件特許の請求項4に記載された発明(以下,「本件特許発明」という。)についての特許を無効とする,審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め,その理由として,以下の無効理由を主張し,証拠方法として,甲第1ないし第10号証を提出した。
なお,本審決書において,両当事者が提出した書類等の中に記載された丸付き数字は,半角括弧[]書き数字に置き換えて記載することとする。

[証拠方法]
甲第1号証 :特開昭61-39301号公報
甲第2号証 :特開平10-208502号公報
甲第3号証 :『世界百科事典 2』,1971年,平凡社,第247?256頁(「いろ 色」の項)
甲第4号証 :『ペイントショッププロ6J(Jasc Paint Shop Pro^(TM) Version 6J)ユーザーガイド』,1999年,Jasc Software,Inc.,第5,6,9?12及び45?49頁
甲第5号証 :『一週間でマスターする Paint Sop Pro 6 for Windows』,初版,2000年,株式会社毎日コミュニケーションズ,第23及び60?62頁
甲第6号証 :米国特許第5019873号明細書
甲第7号証 :特開2001-84808号公報
甲第8号証 :特開2000-221058号公報
甲第9号証 :「コンパクト コンポ ステレオ ロキシー ROXY M7 取扱説明書」,株式会社ケンウッド,表紙,第3,10,11,30,32,56,57,83及び84頁
甲第10号証:特開2003-134967号公報

ここで,上記証拠方法と先の無効審判請求[一次]の証拠方法との対応関係は,以下のとおりである。なお,以下,「甲第○号証」を,単に「甲○」と記載することとする。

本件審判請求 先の請求[一次]
甲1 甲1
甲2 甲2
甲6 甲4
甲9 甲10
甲10 甲5

(1)無効理由1
本件特許発明は,以下に掲げる理由により,特許法第29条第2項(進歩性)の規定に違反して特許されたものであり,特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とすべきである。

(ア)相違点の認定に係る主張
請求人は,審判請求書に記載において,甲1発明と本件特許発明との相違点を以下のように認定できるとしている(審判請求書第36頁第20行目?第37頁第10行目)。なお,請求人主張の各相違点については,当審が認定する相違点(第4.2.参照)と区別するため「'」を付して記載する。

[相違点1']
本件特許発明では,光源の発光波長を設定する発光波長ボリューム部を有し,該発光波長ボリューム部で光源の発光波長を設定すると発光ダイオードの各々の発光量を一元的に制御して,光源全体から発せられる見かけの発光波長を連続的に変化させるよう構成されているのに対し,甲1発明は,予め設定された順序により各LEDに通電する電流を調整し,容器から発せられる光の色を変化させるものであって,本件特許発明の「発光波長ボリューム部」に相当する構成を持たず,光源からの光の色を変化させる制御が一元的に行われるものではない点。

[相違点2']
相違点1'に関連して,本件特許発明では,光源制御部が,発光波長ボリューム部の設定位置に対応する発光状態を直感的に図示する波長スケール部を備えているのに対し,甲1発明は,当該構成を有していない点。

[相違点3']
相違点1'に関連して,本件特許発明では,光源制御部が,光源の発光色をワンタッチで白色に変換する白色光スイッチを備えているのに対し,甲1発明は,該構成を有していない点。

[相違点4']
本件特許発明では,発光ダイオードの集合体が複数あるのに対して,甲1発明では,LEDの集合体が一組である点。

(イ)容易想到性の判断に係る主張
上記各相違点について以下の理由により容易想到可能であるとし,結果的に,本件特許発明は当業者が容易に発明をすることができたと主張している。

[相違点1']について
(審判請求書第37?38頁7.(3)c.《2》〔2〕欄)
(a1)甲1発明において甲2記載事項を参照することで容易

[相違点2']について
(審判請求書第38?41頁7.(3)c.《2》〔3〕欄)
(a2) 甲5を参照することで容易
(b2) 甲4,甲5を参照することで容易
(c2) 甲5,甲6を参照することで容易
(d2) 甲4?甲6を参照することで容易

[相違点3']について
(審判請求書第41?46頁7.(3)c.《2》〔4〕欄)
(a3) 甲5を参照することで容易
(b3) 甲7を参照することで容易
(c3) 甲8を参照することで容易
(d3) 甲7,甲8を参照することで容易
(e3) 甲9を参照することで容易
(f3) (a3)?(e3)について必要に応じ甲10を考慮することで容易

[相違点4']について
(審判請求書第37頁7.(3)c.《2》〔1〕欄)
(a4)甲1発明に甲2記載事項を参酌することで容易

また,弁駁書において,上記の(a1),(a2)?(d2)のいずれか一つ,(a3)?(f3)のいずれか一つ,及び,(a4)の無効理由の組み合わせの中から,以下の組み合わせを特に選択して,つぎのように主張している。

(a)選択無効理由1a
本件特許発明は,甲1に甲2を組み合わせたものに,更に,甲5を組み合わせることにより,当業者が容易に発明をすることができた発明である(弁駁書第11?14頁7.b.《2》(1)欄(特に,第13頁第13?15行目))。

(b)選択無効理由1b
本件特許発明は,甲1及び甲2に更に甲4及び甲5を組み合わせたものから,当業者が容易に発明をすることができた発明である(弁駁書第14?15頁7.b.《2》(2)欄(特に,第15頁第6?8行目[4]欄))。

(c)選択無効理由1c
本件特許発明は,甲1及び甲2に甲5を組み合わせたものに,更に甲7を組み合わせることにより,当業者が容易に発明をすることができた発明である(弁駁書第15?18頁7.b.《2》(3)及び(4)欄(特に,第17頁第2?4行目[9]欄及び第18頁第25?26行目[4]欄))。

(d)選択無効理由1d
本件特許発明は,甲1及び甲2に甲5を組み合わせたものに,更に甲8を組み合わせることにより,当業者が容易に発明をすることができた発明である(弁駁書第18?19頁7.b.《2》(5)欄)。

(2)無効理由2
本件特許発明は,以下に掲げる理由により,特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない特許出願に対して特許されたものであり,特許法第123条第1項第4号に該当し,無効とすべきである。

(ア)無効理由2-1
本件特許明細書の発明の詳細な説明には,本件特許発明で特定されている「赤色系,青色系,緑色系の三色」からなる「発光ダイオードの各々の発光量を一元的に制御し(て),…見かけの発光波長を連続的に変化させる光源制御部」について,当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていない(審判請求書第47?50頁7.(3)d.《1》欄(特に,第47頁第3?11行目〔1〕欄))。

(イ)無効理由2-2
本件特許明細書の発明の詳細な説明には,本件特許発明で特定されている「前記ボリューム部の設定位置に対応する発光状態を直感的に図示する波長スケール部…を備えたこと」について,当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていない(審判請求書第47?50頁7.(3)d.《1》欄(特に,第47頁第3?11行目〔1〕欄))。

(3)無効理由3
本件特許発明は,以下に掲げる理由により,特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対して特許されたものであり,特許法第123条第1項第4号に該当し,無効とすべきである。

(ア)無効理由3-1
無効理由2-1のとおり,本件特許明細書の発明の詳細な説明には,本件特許発明で特定されている「赤色系,青色系,緑色系の三色」からなる「発光ダイオードの各々の発光量を一元的に制御し(て),…見かけの発光波長を連続的に変化させる光源制御部」について,形式的な文言があるのみであって,これらの発明特定事項を裏付ける実質的な技術的記載を欠くから,本件特許発明は発明の詳細な説明に記載されたものではない(審判請求書第50頁7.(3)d.《2》〔1〕欄)。

(イ)無効理由3-2
無効理由2-2のとおり,本件特許明細書の発明の詳細な説明には,本件特許発明で特定されている「前記ボリューム部の設定位置に対応する発光状態を直感的に図示する波長スケール部…を備えたこと」について,形式的な文言があるのみであって,これらの発明特定事項を裏付ける実質的な技術的記載を欠くから,本件特許発明は発明の詳細な説明に記載されたものではない(審判請求書第50頁7.(3)d.《2》〔1〕欄)。

(4)無効理由4
本件特許発明は,以下に掲げる理由により,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対して特許されたものであり,特許法第123条第1項第4号に該当し,無効とすべきである。

(ア)無効理由4-1
本件特許発明の発明特定事項として記載された「見かけの発光波長」がいかなる技術事項を意味するのか不明であるから,本件特許発明は明確ではない(審判請求書第50?54頁7.(3)d.《3》欄(特に,第50頁第26?29行目〔1〕欄))。

(イ)無効理由4-2
本件特許発明の発明特定事項として記載された「白色」について,色温度等に基づく定義がなされておらず,これがいかなる色を表すのか不明であるから,本件特許発明は明確ではない(審判請求書第54?55頁7.(3)d.《3の2》欄(特に,第54頁第26行目?第55頁第2行目〔1〕欄))。

2.被請求人の反論の概要
被請求人は,答弁書を提出し,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め,請求人主張の無効理由に対して以下のように反論し,証拠方法として,乙第1ないし第3号証を提出した。

[証拠方法]
乙第1号証 :「CIE測色標準観測者の等色関数 JIS Z 8782^(:1999)」,平成11年,財団法人日本規格協会,第6?15頁
乙第2号証 :千々岩英彰,『色彩学概説』,初版,2001年,財団法人東京大学出版会,第56頁
乙第3号証 :先の無効審判請求[一次]にて本件無効審判の請求人が提出した平成22年10月18日付け審判請求書の第10頁

(1)無効理由1への反論
無効理由1について,請求人は甲3及び甲10に記載された事項に基づく主張をしておらず,また,甲1及び甲2並びに甲4ないし甲9のいずれにも,上記1.(1)(ア)欄に記載した請求人主張の相違点2'及び3'に係る構成が記載されておらず,これらの文献をいかに組み合わせても,本件特許発明を当業者が容易に発明をすることができたとは言えない(答弁書第21?29頁7-4(1)及び(2)欄)。
また,甲1と甲2と甲5とを組み合わせることは,当業者にとって容易ではなく,かつ,甲1と甲2と甲7とを組み合わせることも当業者にとって容易ではない(答弁書第29?44頁7-4(3)欄(特に,第44頁(3-4)欄))。

(2)無効理由2への反論
(ア)無効理由2-1へ反論
本件特許明細書の段落【0043】には,発光波長ボリューム部において設定された値からRGBの各発光ダイオードに対する電流値が演算される旨が記載されており,発光波長ボリューム部において設定された値からRGBの値を求めることは,乙1及び乙2に記載されるように当業者にとって技術常識の範疇に属するものであり,実施可能なものである(答弁書第46?50頁7-5(2)欄)。

(イ)無効理由2-2への反論
本件特許の図面【図4】及び【図8】には,「発光波長ボリューム部」と「波長スケール部」とを配置する態様を記載しており,この記載に接した当業者が,「ボリューム部の設定位置に対応する発光状態を直感的に図示する波長スケール部…を備え」させることは,極めて容易である(答弁書第50頁7-5(3)欄)。

(3)無効理由3への反論
上記(2)欄で反論したように,本件特許請求の記載は,発明の詳細な説明の記載によってサポートされている(答弁書第51頁7-6欄)。

(4)無効理由4への反論
(ア)無効理由4-1へ反論
「見かけの発光波長」という用語については,請求人自身が乙3において,「複数の光源からでた光を全体として『人』が目で見た場合に,当該『人』が感じる光の『色』について当該光の『色』が単色光の色である場合にその単色光が有すべき波長」という解釈を示しているように,技術常識を参酌して判断すれば,不明確ではない(答弁書第51?52頁7-7(1)欄)。

(イ)無効理由4-2への反論
甲1,甲2及び甲7には,請求人が必要と主張する色温度等に基づく定義がないまま,白色の発光について言及されていることからも,「白色」といえば当業者ならば当然に理解できる。このような請求人による無効理由の主張は,無効理由1を主張する場面においては,甲1,甲2及び甲7に白色の発光が開示されていると主張していることと矛盾している(答弁書第52?53頁7-7(2)欄)。

第4.無効理由1についての当審の判断
1.刊行物の記載
(1)甲1
(ア)甲1の記載事項
本願の優先日よりも前に頒布された刊行物である甲1には,図面とともに次の事項が記載されている。

(1a)「産業上の利用分野
本発明は火光漁業における光源の一つとして利用されておる水中灯に関するものである。」(第1頁右下欄第2?4行目)

(1b)「本発明は此の点に着目し従来の火光漁業の光源が一種類の光色によつて単に光力を増減することにより魚類の集合,滞留を図つていたのとは異なり光色,光力を魚類の有する嗜好性と対光刺激への慣れを考慮して可変光色プログラムにより制御せる水中灯により魚類をより多く集合させ,より長時間滞留せしめんとするものである。
作用
本発明は魚類の有する光色,光力,に対する嗜好性と対光刺激への慣れを考慮して予じめ設定された順序により電球に通電する電流を調整し所期の目的を達せんとするものである。
即ち操業開始時には先ず魚類の集合を図るため,赤,青,緑の各電球に通電し,それにより合成される白色光の光力を大として魚類を集合せしめ,次に例えばイカ釣漁業の場合には光源を漁業者の間で広く知られておるイカの好む光色即ち,青緑色に調整するために三原色の電球の内の赤色灯の光力を弱めイカの群の滞留時間を長くすることが可能でありやがてイカが此の青緑色に慣れて離散し始めた時には再び赤色光を強めて白色光を合成しイカ群の集合をうながすと言つた過程を繰り返すことにより,結果的に漁獲効率を高めることとなるものである。」(第2頁右上欄第1行目?左下欄第5行目)

(1c)「実施例
図面は本発明に係わる水中灯の構成を示す全体図である。1は電球であつて青色,赤色,及び緑色を発する直流用電球であつて各々1個計3ヶが耐圧性を有しかつ防水構造の透明若しくは半透明の硝子製容器2に封入されている。此の場合容器は硝子製に限定することなく場合によつては合成樹脂製のものであつても良い。
3は送電ケーブルであつて1の電球と船上に設置される電球の光色,光力,を制御する制御装置4に接続されておる。5は笠であつて容器2を保護すると共に2から発せられる光を効果的に拡散させる目的を有しておるものである。
本発明は以上の如く構成されておるが1の電球は直流用交流用を問わず更に螢光管,LED,ネオン等の如く赤,青,緑の三原色を発光するものであればその発光方式は問わない。又4の光色光力制御装置は電球の発光方式に対応した調光回路を有するものであつて,予じめ各色の光度を設定する記憶装置を有し漁獲状況によつて水中灯の総光力,色調を自動的に変化せしめる機能を保持せしめることも可能である。」(第2頁左下欄第6行目?右下欄第8行目)

(1d)「効果
本発明は以上の構成によつて三原色の各光力を任意に調整出来るものでありこれらの三色光が透明又は半透明の耐圧性及び耐水性を有する容器2内で反射混合して該容器は三原色の各色の光力の割合で決定される色光を発するものである。
魚類の色彩感覚は人間の可視波長とほぼ一致しており三原色の混合による色と,単一波長による色とでは同一の刺激を受けるものと考えられておる。
本発明による水中灯はこのように任意の色光と光力を発光出来るものであるから漁獲対象魚種の最も好む色光と光力を得ることが可能で且つその光力も光色光力制御装置によつて変化させることが可能である<以下略>…」(第2頁右下欄第9行目?第3頁左上欄第4行目)

(イ)甲1発明の認定
以上の記載事項及び図示内容を総合すると,甲1には,審決[一次]が認定したとおりの以下の「甲1発明」が記載されていると認められる。

「青色,赤色,及び緑色を発するLEDであって各々1個計3ヶの一組を封入して光源とした容器と,予め設定された順序により各LEDに通電する電流を調整し,光源全体から発せられる光の色を変化させることによって,漁獲状況に応じて該LED集合体の色調を変化せしめる光色光力制御装置を備えた水中灯。」

なお,上記甲1発明の認定について,両当事者間に争いはない。

(2)甲2
(ア)甲2の記載事項
本願の優先日よりも前に頒布された刊行物である甲2には,図面とともに次の事項が記載されている。

(2a)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,フルカラーLED投光器に係り,より詳細には,光の3原色である赤色,緑色,青色のLED(発光ダイオード)を用いて,フルカラー投光が簡単にできるフルカラーLED投光器に関する。」

(2b)「【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし,赤色,緑色,青色のLED(発光ダイオード)を用いてフルカラー投光器を得る場合,次のような課題があることが判った。すなわち,
[1] 単色発光や白色発光のLED投光器にあっては,被照射物に対して照度ムラや色ムラ等はあまり考慮する必要がないが,フルカラー発光させる場合,該照度ムラや色ムラを少なくする必要があり,そのコントロールが難しい。
[2] すなわち,色相角調整は,赤緑青の3つの設定を夫々個々に調整,変化させて得たい色相角度,すなわち希望する色を,求めることは困難である。
[3] 色を変化させる時,赤緑青の色相角度を夫々独立に設定しないと,希望する色は得られない。
等の課題がある。」

(2c)「【0015】
…<中略>…そして,本実施形態のフルカラーLED投光器は,概略すると,図1?図2に示すように,LED投光部1と,このLED投光部1をコントロールする照明コントローラ2からなる。
【0016】LED投光部1は,複数個のランプハウス3…<中略>…を有し,…<中略>…ランプハウス3は,赤色(R),緑色(G),青色(B)の光の三原色からなる3種類のLED(高輝度発光ダイオード)群5を取り付けたLED保持基板5を収納している。LED群6は,図3(a)に示すように,複数個の赤色LED6a,緑色LED6b,青色LED6cからなり,この赤色LED6a,緑色LED6b,青色LED6cが三角形を形成する配置で,かつ等間隔で千鳥状にLED保持基板5に取り付けてある。ここで,各LED単体は,その発光表面が,図3(a)に示すように,楕円形状に形成してあり,またランプハウス3は,6個のランプハウス3a,3b,3c,3d,3e,3fからなり,それぞれにLED群6が設けてあるLED保持基板5が収納してある。」

(2d)「【0019】照明コントローラ2は,図2に示すように,プリセットコントローラ10と,照明ドライバ11と,色相角調整器12と,光量調整器13と,手動・自動切替えセレクタ14,および乱数発生器15から構成されている。プリセットコントローラ10は,色相角調整器12,光量調整器13,手動・自動切替えセレクタ14からの信号に対して,予め設定されているルックアップテーブルによりそれぞれ色を出力する。ルックアップテーブルは,図6に示すように,予め,LED群6が発光する各色における彩度と明度と色相角度の関係を電流値や電圧値等の電気量で表し,これをテーブル化したもので,照明コントローラ2に記憶・入力させてある。」

(2e)「【0020】すなわち,このルックアップテーブルは,LED群6を構成するそれぞれのLED群6から投光される色に対応するLED6a,6b,6cの彩度,明度,色相角度と電流値等の電気量との関係をテーブル化したものである。従って,希望する色(フルカラー)や明るさを投光する場合,そのLED群6a,6b,6cの彩度S(Saturation),色相角度H(Hue Angle),明度L(Lightness)に対応する電気量により照明コントローラ10を制御することができる。このルックアップテーブルは,使用するLED群6によって異なる。すなわち,赤・青・緑のLED群6の配置位置や組み合わせによって異なるため,使用するLED群6に対応するルックアップテーブルを作成しておくことが肝要である。図6に示しているルックアップテーブルでは,例えば,色が紫の場合,色相角度Hが226,彩度Sが0.49,明度Lが0.49で,これに対応する変換値(mA)が,赤色R:0.25,緑色G:0.36,青色B:0.73である。
【0021】照明ドライバ11は,プリセットコントローラ10で算出された指令値を,電流,電圧等の電気量に変換して,赤色LED群6a,緑色LED群6b,青色LED群6cに夫々出力することによって投光部1を制御するためのドライバである。また色相角調整器12,光量調整器13は,赤色LED群6a,緑色LED群6b,青色LED群6cの色相角,あるいは光量をプリセットコントローラ10を介して調整するための調整器である。また自動・手動切替えセレクタ14は,この色相角や光量の調整を自動調整あるいは手動調整するかを選択するためののセレクタである。セレクタ14で自動調整を選択した場合は,この調整器12,13を介して各種プログラムによる制御を設定するようにしている。ここで,自動時の各種プログラムとしては,ランダム発光や,交通誘導の場合の青,黄,赤が順番に発光するシーケンシャル発光,すなわち,赤からある時間間隔で,黄,青,そして赤へと戻り,同じ動作をサイクリックに行う,シーケンシャル動作などが挙げられる。」

(2f)「【0022】ところで,光量を一定にすれば,光量調整器(ボリューム)13は,固定または,半固定とすることもできる構成としている。この場合は,色相角調整器12の調整で所望の色を発光させることができる。なお,手動調整時おいては,色相角調整器12により,色相角を赤(0度)から,黄,緑,青,紫,赤紫となり360度でふたたび赤になるように調整することで,無段階調によるフルカラー発光ができ,また白色発光もできる。乱数発生器15は,セレクタ14の自動時のプログラム中の1つで,ランダムで色を変化させたい時や,点燈,点滅する時に使用する。
【0023】そして,本実施形態のフルカラーLED投光器は,予め,投光部1に用いられているLED群6に対応するルックアップテーブルを作製しておき,このルックアップテーブルを照明コントローラ2に記憶させ,次に,被照射物に応じて,投光部1を投光部フレーム4に対して所定角度に設定し,またLED保持基板5の右部基板5aと左部基板5cを,中央部基板5bに対して所定角度に折り曲げて,被照射物に対して良好な投光ができるように設定しておく。そして,照明コントローラ2の色相角調整器12,光量調整器13,自動・手動切替えセレクタ14を操作すると,これらから入力されたそれぞれの信号,およびセレクタ設定値が,プリセットコントローラ10に入力されて,それぞれ演算され,ルックアップテーブルに対応したLED発光用信号が算出される。このLED発光用信号は照明ドライバ11に供給され,それぞれの電気量が投光部1に入力され,LED群6が制御,発光する。これにより,光の三原色である赤,緑,青のLEDを用いたフルカラー投光部を,色相角調整器によって指定された色の制御発光を簡単に得ることができ,任意のカラーを被照射物に投光・照射することができる。」

(2g)【図3】の記載から,赤色,緑色,青色のLEDを集合させたLED集合体を複数用いた光源が看取できる。

(2f)【図6】には,以下に示すルックアップテーブルが記載され,その記載から,色相角度Hを182度とした場合に白色となることが看取できる。

(イ)甲2発明の認定
以上の記載事項及び図示内容を総合すると,甲2には,以下の発明(以下,「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。

「光源として赤色,緑色,青色の発光ダイオードの集合体を複数備えたものを用いるフルカラーLED投光器において,
従来は赤緑青の3つの色相角の設定をそれぞれ個々に調整,変化させて得たい色を求めていたのを,色相角調整器12の操作及びルックアップテーブルの参照により一元的に,かつ無段階調に変化させることができるようにし,
0度から360度まで調整可能な色相角度Hが182度となるように色相角調整器12を調整することで,白色発光もできるようにした
フルカラーLED投光器。」

(3)甲3
本願の優先日よりも前に頒布された刊行物である甲3には,色についての一般的技術事項が記載されている。
なお,甲3は,審判請求書において,無効理由1を立証するための証拠として挙げられていない。

(4)甲4
(ア)甲4の記載事項
本願の優先日よりも前に頒布された刊行物である甲4には,図面とともに次の事項(請求人が審判請求書に摘記した記載事項及び当審が摘記した事項)が記載されている(下線は当審にて付与)。

(4a)「必要動作環境
OS : Windows 95/98/NT.4.0
CPU: Pentiumおよび同互換プロセッサ
メモリ: 32MB以上(イメージの編集には,未圧縮サイズの2-3倍のメモリ量が必要)
HD容量: 30MB以上の未圧縮の空き領域(フルインストール時は75MB以上)
モニタ: 800×600の解像度で256色表示可能なもの」(第6頁上欄第1?6行目)

(4b)「インストールの仕方
Paint Shop Pro や Animation Shop を CD-ROM からインストールするには,次の手順に従ってください:
1. Windows 95/98 または Windows NT4.0 を起動し,起動しているプログラムがあれば,それらをすべて終了してください。
2. Paint Shop Pro の CD を CD-ROM ドライブに入れて下さい。CD-ROM ドライブのオートラン機能が有効の場合は,自動的にセットアッププログラムを実行します。オートラン機能が作動しない場合は,CD-ROM のアイコンをダブルクリックしてください。」(第6頁左欄第1?11行目)

(4c)「Paint Shop Pro を起動する
Paint Shop Pro は,Windows の[スタート]メニューやエクスプローラ,およびマイコンピュータから起動することができます。」(第6頁右欄第9?12行目)

(4d)「Paint Shop Pro のインターフェース
…<中略>…
続いて,Paint Shop Pro のメインウィンドウが表示されます。このウィンドウが作業領域となり,イメージを作成,編集,印刷するためのツールを備えています。初めて Paint Shop Pro を起動し,何かイメージを開くと次のような状態になります。ただしこれと完全に同じになるというわけではありません。パレットによっては,表示されていなかったり,この例とは違う位置にあるかもしれませんが,それは正常な状態ですので,ご安心ください。ツールバーやパレットは必要に応じて表示/非表示を切り替えたり,移動させることができます。
【ウィンドウのハードコピーの図<略>】」(第9頁左欄第1行目,同頁右欄第3行目?第10頁左欄第3行目,第10頁上部掲載図)

(4e)「Paint Shop Pro の機能
…<中略>…
カラー パレット
カラー パレットは,色の選択パネルと選択されている色に関する情報を表示します。[色の選択]パネルの上にマウスポインタを合わせると,(どのツールがアクティブになっていても)マウスポインタがスポイドの形に変わります。描画色を選択するには左クリック,背景色を選択するには右クリックします。…<中略>…
【カラーパレットの図<略>】」(第10頁左欄第1行目,第12頁左欄第13?19行目,同欄最下部掲載図)

(4f)「アクティブカラーパネル
[アクティブカラー]パネルは描画色と背景色を表示します。これらはペイントツールやドローツール,さらには各種効果で使われる色です。
…<中略>…
描画色か背景色をクリックすると,24ビットイメージでは[色の設定]ダイアログボックス,8ビット以下のイメージでは[パレットから色を選択]ダイアログボックスを開きます。右クリックすると,[最近使った色]ダイアログボックスを開きます。」(第10頁右上欄第1?4行目,第9?13行目)

(4g)「カレントカラーパネルについて
マウスポインタが色の選択パネルや描画色/背景色のボックスの上にあると,カレントカラーパネルは設定によってその色のRGB値(赤,緑,青)またはHSL値(色相,彩度,明度)を表示します。」(第10頁右上欄第14?18行目)

(4h)「色の定義方式
画面でイメージを編集して用紙に印刷するときに,2種類の色の定義方式/モデルを使用していることになります。コンピュータの画面は伝導した光を使って色を生成しますが,プリンタのインクは反射した光を使います。Paint Shop Pro は画面での色の定義とプリンタ用の色の定義の2種類の方式を使います:
・画面用の RGB(赤/緑/青)方式と HSL(色相/彩度/明度)方式
・プリンタ用の CMYK(シアン/マゼンタ/イエロー/ブラック)方式

RGB方式
加算型カラーモデルの一つである RGB モデルはコンピュータのモデルで使われています。光線によって生成される赤,緑,青の3原色を持っています。これらの3色は画面に表示されるすべての色を生成するために様々な割合で混ぜ合わされます。3色を重ね合わせると白になるので,加算混合色と呼ばれます。
原色は 0-255 の間の値を取ります。3原色の結合によって生成される色は各原色の相対的な強さ(値)の結果となります。例えば,純粋な赤は R255 G0 B0,イエローは R255 G255 B0,3原色の値がないと黒になり,すべての値が 255 の時に白を生成します。

HSL方式
HSL 方式はもう少し直感的なアプローチを使っています。色相,彩度,明度で色を定義することによって,私たちの色の知覚と調和しています。3つの要素は 0 から 255 までの値で判断されます。
色相は緑や青などの様々な色を区別します。 Paint Shop Pro の[色の設定]ダイアログボックスで,色相はカラーホイールに沿って配置され, 0 から 255 までの値が割り当てられています。カラーホイールは反対方向に回る 256 時間(255+0)の時計のようなものです。頂点は赤で 0 です。反時計回りに移動し,イエローは 43,緑は 85,シアンはちょうど反対側の 128,青は 170(イエローのちょうど反対),マゼンタは212(緑のちょうど反対)です。
【カラーホイールの図<略>】
明度は認識できる明るさの量または強さです。スケール上で明度 0 は黒になり,255 は白になります。50% の明度(127)のとき,色相が純粋であるとみなされます。Paint Shop Pro の[色の設定]ダイアログボックスでは,色相の鮮やかさと明るさはカラーホイール内部の[彩度/明度]ボックスを使って変更します。
彩度は色相の強さ,または含まれているグレーの量です。通常,鮮やかと表現される色は彩度のレベルが高く,あまりグレーが含まれていません。彩度を減少すると,クレーの量が増えて色の鮮やかさは減ります。」(第45頁左欄第1行目?第46頁左欄最下行)

(4i)「アクティブカラーの選択
ペイントやドローを行う際に使用する色をアクティブカラーと呼びます。イメージには2つのアクティブカラーがあり,それらを描画色と背景色と呼びます。ペイントやドローの際にマウスの左ボタンを使うのが描画色,右ボタンを使うのが背景色です。
アクティブカラーは,カラーパレットのアクティブカラーパネルに表示されています。カラースイッチャと呼ばれる,両端に矢印のついている部分をクリックして,描画色と背景色を入れ替えることもできます。アクティブカラーは次のいずれかの方法で選択します:
・カラーパレットをクリックする。
・Jasc または Windows 標準の[色の設定]ダイアログボックスを使用する。
・[パレットから色を選択]ダイアログボックスを使用する。
・[最近使った色]ダイアログボックスを使用する。
・イメージから選択する。
カラーパレットの[色の選択]パネルからアクティブカラーを選択すると,Paint Sho Pro はイメージで使用できる色にもっとも近いパネル内の色を選びます。 True Color イメージの場合,新しい色はパネル内の色に合致します。色相,彩度,明度を指定して色を選択する場合は[色の設定]ダイアログボックスを使用してください。描画色や背景色のボックスにアクセスするにはクリックしてください。」(第47頁左欄第3?28行目)

(4j)「カラーパレット
カラーパレットからアクティブカラーを選択するには:
1.[色の選択]パネルの上にマウスポインタを合わせてください。マウスポインタが[色の選択]ツールの形に変わり,マウスポインタの下の色が情報部分に表示されます。
2.マウスポインタを選択したい色の上に移動してください。
3.クリックしてアクティブカラーを選択して下さい:
・描画色を選択するには左クリックしてください。
・背景色を選択するには右クリックしてください。
選択した色が該当するカラーボックスに表示されます。」(第47頁右欄第3?12行目)

(4k)「Jasc または Windows 標準の[色の設定]ダイアログボックス
…<中略>…
Jasc の[色の設定]ダイアログボックス
Jascの[色の設定]ダイアログボックスを表示するには,カラーパレットのアクティブカラーパネルで描画色か背景色をクリックしてください。新しい描画色を選択するには描画色のボックス,背景色を選択するには背景色のボックスをクリックします。[色の設定]ダイアログボックスが開くと,ダイアログボックスの[現在の色]に現在の色の設定が表示されています。

基本色から色を選択する
あらかじめ48色の基本色が用意されていて,
…<中略>…
基本色の1つを選択するには:
1.[基本色]ボックスの色の区画をクリックして下さい。選択した色とその RGB 値,HSL 値,HTML コードが[現在の色]パネルに表示されます。
2.[OK]ボタンをクリックして下さい。ダイアログボックスが閉じ,新しい色がアクティブカラーパネルの該当するボックスに表示されます。

カラーホイールから色を選択する
カラーホイールから色を選択するのは,2段階の処理になります。まず,カラーホイールから色相を選択し,続いて[彩度/明度]ボックスを使用して,選択した色相の彩度と明度を調整します。
色相を選択するには,カラーホイールをクリックするか,リングをドラッグして色相を選択してください。スポイト型のマウスポインタがホイールを移動するにしたがって,[現在の色]パネルの値が更新します。このパネルは選択した色とその RGB 値,HSL 値,HTML コードを表示します。 HTMLコードは HTML 文書に直接コピー/貼り付けできるようにテキストフォーマットで表示されています。
…<中略>…
【Jascの[色の設定]ダイアログボックスの図<略>】」(第47頁右欄第13?14行目,同欄第31行目?第48頁左欄第29行目,同頁右欄図)

(イ)甲4発明の認定
以上の記載事項及び図示内容を総合すると,甲4には,以下の発明(以下,「甲4発明」という。)が記載されていると認められる。

「グラフィックソフトウェア Paint Sho Pro において,現在の色の設定を行う場合に,
Windows の[スタート]メニューやエクスプローラ,およびマイコンピュータから起動し,
カラーパレットでの色を設定する場合には,
起動後に表示されるメインウィンドウに表示されるカラーパレットの[色の選択]パネルの上にマウスポインタを合わせ,マウスポインタがスポイトの形に変わった状態において,描画色を選択するには左クリック,背景色を選択する場合には右クリックをし,
Jascの[色の設定]ダイアログボックスで色の設定をする場合には,
起動後に表示されるメインウィンドウに表示されるカラーパレットのアクティブカラーパネルで描画色か背景色をクリックし,開いた[色の設定]ダイアログボックスにおいて,[基本色]ボックスの色の区画をクリックするか,或いは,カラーホイールをクリックするか,リングをドラッグして色相を選択し,続いて[彩度/明度]ボックスを使用する2段階の処理をする
という操作を少なくともする
現在の色を設定を行う方法。」

(5)甲5
(ア)甲5の記載事項
本願の優先日よりも前に頒布された刊行物である甲5には,図面とともに次の事項(請求人が審判請求書に摘記した記載事項及び当審が摘記した事項)が記載されている(下線は当審にて付与)。

(5a)「本書について
・本書は,株式会社P&Aが発売しているWindows対応のグラフィックソフトウェア「Paint Shop Pro 6」日本語版の解説書です。
・本書中の図版は,Windows 98 上で作製されています。
…<中略>…
・「Paint Shop Pro 6」の動作に必要なシステム構成などにつきましては,ソフトウェア本体付属のマニュアル等を参照してください。
<以下略>…」(第2頁「本書について」欄)

(5b)「【ウィンドウのハードコピーの図<略>】
ウィンドウ・パレット・バーの説明
画像ウィンドウ 画像ファイルを表示するウィンドウです。
カラーパレット 色の選択を行います。カラーパレットの中央には,描画色や背景色の選択するアクティブカラーパネルが,下部には,上の部分で選択した色のRGBの値を表示するカレントカラーパネルが組み込まれています。
<以下略>…」(第23頁)

(5c)「ちょっとコラム カラーパレット
カラーパレットの役割を整理しておきましょう。カラーパレットは,色を選択する色の選択パネル,現在の描画色と背景色を表示するアクティブカラーパネル,選択されている色の値を表示するカレントカラーパネルの3つの部分に分かれています。描画色や背景色の選択は,アクティブカラーパネルのそれぞれのパネルをクリックし,[色の設定]ダイヤログボックスを表示させて行います。また,[色の選択]パネルを直接クリックしても行えます。[色の選択パネル]の上にポインタを移動すると,カレントカラーパネルにその色が表示されるので,確認して描画色の場合はクリック,背景色の場合は右クリックします。
【カラーパレットの図<略>】」(第62頁の「ちょっとコラム」欄)

(5d)第23頁の「3」及び第62頁の「ちょっとコラム」欄の「カラーパレット」の記載から,その上部の領域(選択パネル)には,上下方向に,「赤色」から「黄色」や「緑色」や「青色」を経て「紫色」に至る色彩ないし色相が連続的に表示されることが,左右方向に,色が右側程白くなり右端では「白色」に表示されていることが看取できる。

(5e)第61頁の「5」及び第62頁の「6」の「色の設定」ダイアログボックスの記載から,「カラーホイール」において,「赤色」から「黄色」や「緑色」や「青色」を経て「紫色」に至る色彩ないし色相が反時計回りに連続的に表示されることが看取できる。

(イ)甲5発明の認定
以上の記載事項及び図示内容を総合すると,甲5には,以下の発明(以下,「甲5発明」という。)が記載されていると認められる。

「グラフィックソフトウェア「Paint Shop Pro 6」において,色の設定を行う場合に,
[色の設定]ダイアログボックスで設定する場合には,
カラーパレットの中のアクティブカラーパネルの描画色又は背景色パネルをクリックし,[色の設定]ダイアログボックスを表示させて選択をし,
[色の選択]パネルを直接クリックして設定する場合には,
[色の選択パネル]の上にポインタを移動させることによりカレントカラーパネルに表示される色を確認して,描画色の場合はクリック,背景色の場合は右クリックをする
という操作を少なくともすることで色を設定し,
上記カラーパレットは,上下方向に,「赤色」から「黄色」や「緑色」や「青色」を経て「紫色」に至る色彩ないし色相を連続的に表示し,左右方向に,色が右側程白くなり右端では「白色」に表示するものであり,
上記[色の設定]ダイアログボックスは,その中に「赤色」から「黄色」や「緑色」や「青色」を経て「紫色」に至る色彩ないし色相が反時計回りに連続的に表示されるカラーホイールを表示するものである
色の設定方法。」

(6)甲6
本願の優先日よりも前に頒布された刊行物である甲6には,図面とともに次の事項(請求人が審判請求書に摘記した記載事項及び当審が摘記した事項)が記載されている。

(6a)「The present invention relates to a color image recording apparatus, and more particularly to an improvement of a color image recording apparatus in which a density and a hue of the image to be reproduced are adjustable.」(第1欄第6?9行目)
(当審訳:本発明はカラー画像記録装置に関するもので,特に,再生される画像の濃度と色調が調整可能なカラー画像記録装置の改良に関するものである。)

(6b)「The density of the reproduced color image is determined depending on the amounts of three primary colors including yellow(Y), magenta(M), and cyan(C), …<中略>… In the conventional color image recording apparatuses, density adjusting dials are provided which can individually adjust the amounts or densities of the three colors. With such dials, the user adjusts the respective densities of the colors prior to making color copies.
However, it is difficult to obtain color copies of intended density and tone in the case where the respective densities of the primary colors are separately adjusted. …<中略>…
The present invention has been made in view of the foregoing, and it is an object of the invention to provide a color image recording apparatus in which the density and hue of the image to be reproduced can be readily adjusted.」(第1欄第22?61行)
(当審訳:再生される色画像の濃度は,黄色(Y),マゼンタ(M)及びシアン(C)からなる三つの主色の量に応じて決定される。…<中略>… 従来のカラー画像記録装置においては,三色の量ないし濃度を個別に調整し得る濃度調整ダイヤルが設けられていた。このようなダイヤルでは,ユーザはカラーコピーをする前に夫々の色の濃度を調整する。しかしながら,主色の夫々の濃度を別々に調整する場合,意図する濃度及び色調のカラーコピーを得ることが困難であった。…<中略>… 本発明は,前記した点に鑑みなされたものであって,その目的とするところは,再生されるべき画像の濃度及び色相が容易に調整され得るカラー画像記録装置を提供することにある。)

(6c)「In the above-described color copying machine 10, in order to adjust the density and hue of the color image to be copied on the developer sheet 62, there is provided in the upper frame 16a a density adjusting dial 80 and a hue adjusting dial 82 such as shown in FIG. 2. These dials are calibrated to indicate adjustable ranges of the density and the hue, and are connected to the control unit 34 to output the selected density and hue. Once a user selects desired density and hue, the color copying machine of the present invention can automatically perform color copying in conformity with the selected density and hue. …<中略>…
When the user selects desired density and hue by turning knobs of the corresponding dials, relevant exposure amount for each of red, green and blue to be applied to the microcapsule sheet 28 is computed by the arithmetic circuit 90 based on the information stored in the table memory 88. Based on the results of computation, the exposure amount control circuit 86 controls the shutter driver 30 and the stepper motor 32 so that the microcapsule sheet 28 is exposed to each of the lights for a period of time corresponding to the exposure, amount determined with respect to each of three colors.」(第5欄第8?46行)
(当審訳:上述のカラー複写装置10においては,図2に示したように,現像シート62上に複写されるべきカラー画像の濃度及び色相を調整するために,上側フレーム16aに,濃度調整ダイヤル80と,色相調整ダイヤル82とが設けられている。これらのダイヤルは,濃度及び色相の調整可能な範囲を示すように,較正されており,選択された濃度及び色相を出力すべく制御ユニット34に接続されている。ユーザが一旦所望の濃度及び色相を選択すると,本発明のカラー複写装置は,選択された濃度及び色相に従って自動的にカラー複写を行う。…<中略>…ユーザが対応するダイヤルのノブを回して所望の濃度及び色相を選択すると,マイクロカプセルシート28の赤色,緑色及び青色の各色に対する露光量が表メモリ88に格納された情報に基づいて演算回路90によって計算される。計算結果に基づいて,露光量制御回路86が,シャッタ駆動装置30及びステップモータ32を制御し,三色の各々について決定された露光量に対応する時間の間,マイクロカプセルシート32を,夫々の光にさらす。)

(6d)FIG2によれば,色相調整ダイヤル82の周囲に,「紫」及び「赤」のダイヤル位置を示す記載,及びそれらの間に付された目盛が看取できる。

(7)甲7
(ア)甲7の記載事項
本願の優先日よりも前に頒布された刊行物である甲7には,図面とともに次の事項(請求人が審判請求書に摘記した記載事項及び当審が摘記した事項)が記載されている(下線は当審にて付与)。

(7a)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,室内を所望の色彩及び照度でムードアップするために使用する有色光源を有する照明器具の改良であって,発光ダイオードを利用したスタンド型多色切り替え方式の室内照明器具に関するものである。」

(7b)「【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,光の三原色を自由に組み合わせることにより種々の色彩が設定でき,室内のムードを高める色彩効果と照度の変化を組み合わすことができる照明器具であると同時に,光の三原色の各々を多数の発光ダイオードにて発光させることにより,少数の発光ダイオードの不良によっても玉切れによる使用不可の状態が生じにくいスタンド型多色切り替え方式の室内照明器具を提供することを目的とする。」

(7c)「【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するため,マトリックス状に配列された多数の赤色,青色,緑色の発光が可能な発光ダイオードを光源とし,少なくとも電源,色彩,明るさの切り替えスイッチ群を有し,交流100Vコンセントの使用が可能なスタンド型多色切り替え方式の室内照明器具を提供する。」

(7d)「【0006】
【発明の実施の形態】以下,図示の実施例と共に発明の実施の形態について説明する。図1は,本発明に係るスタンド型多色切り替え方式の室内照明器具の概要を示す斜視図であり,室内照明器具は,基台となるコントロールボックス1と,コントロールボックス1上に立設された支柱2と,支柱2の上端に配置される光源部3とスタンド笠4,及びコントロールボックス1から伸びた電源ケーブル5とその先端のプラグ6とから構成される。
【0007】光源部3には,図2示されるように多数の赤色発光ダイオード8,多数の青色発光ダイオード9,多数の緑色発光ダイオード10を使用する。これらの発光ダイオード8,9,10は,十分な照度を得るため高輝度発光ダイオードを使用することが好ましい。図示の実施例では3色の高輝度の発光ダイオード8,9,10が,3色がほぼ均等な数で合計200個程度使用されている。尚,発光ダイオード8,9,10は,一色発光のもので説明したが,外形上1個の発光ダイオードのもので,赤色,緑色,青色の発光部を有するいわゆる白色発光ダイオードが存在するので,このような発光ダイオードを利用することにより発光ダイオードの取付面積を縮小することができる。」

(7e)「【0011】コントロールボックス1の表面にはスイッチ群が形成されている。スイッチ群は,電源スイッチ11,色彩切り替えスイッチ12,照度切り替えスイッチ13及びオプションスイッチ7とからなる。スイッチ群に対応してコントロールボックス1内部には電源部及び制御部が配置されている。スイッチ群は,まず電源スイッチ11をONした後,色彩切り替えスイッチ12を操作して所望の色彩を決定し,その後照度切り替えスイッチ13を操作して所望の明るさを確保するといった使用方法をとる。
【0012】尚,実施例でのスイッチ群は電源,色彩,照度の3種のスイッチが存在するが,このほか,オプションスイッチ7として一定時間で点滅するスイッチ等の特殊効果のための点滅スイッチや一定時間点灯後にOFFするタイマースイッチ等を設けることができる。
【0013】本実施例に係るスタンド型多色切り替え方式の室内照明器具は,室内を希望の色彩と明るさでムードアップを図ることを主たる目的としているため,室内の天井や壁,その他の目的物に照射する必要がある。<以下略>…」

(7f)「【0015】
【発明の効果】マトリックス配列された多数の赤色,青色,緑色の発光ダイオードを光源としており,電源,色彩,明るさの切り替えスイッチ群を有しているので,使用者が自分の意志により,色彩を切り替える変化させることにより,室内のムードを高めることができる。
【0016】尚,赤色発光ダイオード,青色発光ダイオード,緑色発光ダイオードをフルパワーで発光させることにより,白色発光を得ることができ,白色発光を利用することで通常の電気スタンド同様の利用方法をとることができる。この場合,光源が多数存在するので影もできず,従来のランプ型電気スタンドより有用なものとなった。」

(7g)【図1】の記載から,符号「12」で示される色彩切り替えスイッチが7つ設けられていることが看取できる。

(イ)甲7発明の認定
以上の記載事項及び図示内容を総合すると,甲7には,以下の発明(以下,「甲7発明」という。)が記載されていると認められる。

「ムードアップを図ることを主たる目的とするスタンド型多色切り替え方式の室内照明器具において,
マトリクス状に配列された複数の赤色,青色,緑色の発光が可能な発光ダイオードを光源とし,
基台となるコントロールボックス1の表面に,電源スイッチ1,所望の色彩を決定するための7つの色彩切り替えスイッチ12,照度切り替えスイッチ13,及び,点滅スイッチやタイマースイッチ等のオプションスイッチ7等からなるスイッチ群を形成し,
通常の電気スタンドと同様の利用方法をとる場合には,赤色,青色,緑色の各発光ダイオードをフルパワーで発光させることにより白色発光を利用できるようにした
室内照明器具。」

(8)甲8
(ア)甲8の記載事項
本願の優先日よりも前に頒布された刊行物である甲8には,図面とともに次の事項(請求人が審判請求書に摘記した記載事項及び当審が摘記した事項)が記載されている(下線は当審にて付与)。

(8a)「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車両用メータに関する。更に詳しくは車両用メータの照明の改良に関する。」

(8b)「【0008】
【実施例】以下,この発明の実施例を説明する。図1はバルブ光源が採用されたときの実施例の車両用メータ1の要部断面図であり,図2はその一部拡大図である。図3には車両用メータ1の全体正面図を示し,図4には図3のIV-IV線断面図を示す。実施例の車両用メータ1はバルブ仕様のとき,図1及び図4の断面図に示すようにケーシング3,導光体となる導光板20,ベースとなる基板30及びバルブ(白色電球)40から概略構成されている。」

(8c)「【0012】次に,可変色LEDランプ50を光源として使用する態様を図5及び図6に基づいて説明する。…<中略>…
【0013】LEDランプの本体55は,図6に示すように,キャップ部57と発光部60から構成される。…<中略>…
【0014】発光部60はリードフレーム70に支持されている。発光部60の構成を図7に示す。発光部60は基板61のほぼ中央に赤色LED63を配置し,その両脇に緑色LED64及び青色LED65を配置した構成である。各LED63?65は透明な樹脂66でカバーされている。
【0015】発光部60を構成する各LED63,64,65の発光を制御することにより,LEDランプ50は任意の色で発光する。そのため,図5に示すように,駆動装置80が新たに付設される。この駆動装置は電源81,制御装置83及びスイッチ85から構成される。電源は車両のバッテリを共用する。制御装置は,図4に示すように,ハウジング86に収納されて基体部4の保持部2に保持される。スイッチ85は車両のフロントパネルに取り付けられる。
【0016】図8に制御装置83の構成を示す。スイッチ85によって予め定められた色(例えば7色)のいずれかを選択できる。スチッチ85を操作すると制御回路83のカウンタ831のカウント値が例えば1⇔2⇔3⇔4⇔5⇔6⇔7のように変化する。カウンタ831のカウント値はデコーダ833で予め定められた色に対応され,メインコントロールユニット835へ送られる。メインコントロールユニット8350は当該色が発色されるように発光部60の各LED63,64,65を制御する。
【0017】上記の制御回路83に対応するスイッチ85の例を図9に示す。このスイッチ85では,上側の部分を押すとカウンタ831のカウント値が大きくなり,下側の部分を押すとカウント値が小さくなる。そして,「青」,「青緑」,「緑」,「白」,「黄」,「オレンジ」,「赤」がそれぞれカウント値の「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」と対応している。なお,このスイッチ85の各色の部分もLEDランプ50に連動して発光させることが好ましい。」

(8d)【図7】の記載から,符号「60」で示される発光部が,符号「63,64,65」で示される赤色,緑色,青色のLEDを集合させたLED集合体であることが看取できる。

(イ)甲8発明の認定
以上の記載事項及び図示内容を総合すると,甲8には,以下の発明(以下,「甲8発明」という。)が記載されていると認められる。

「車両用メータ1の照明の光源として使用される可変色LEDランプ50において,
可変色LEDランプ50をキャップ部57と発光部60とから構成し,
発光部60を赤色LED63,緑色LED64及び青色LED65の集合体として構成して,その発光を制御装置83によって制御することにより,LEDランプ50を任意の色で発光させるようにし,
制御装置83は,カウンタ831を有し,スイッチ85を操作することにより,カウンタ831のカウント値を1つずつ大きくしたり,1つずつ小さくしたりしてカウント値を変化させ,色が7色の場合には,「青」,「青緑」,「緑」,「白」,「黄」,「オレンジ」,「赤」をそれぞれカウント値の「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」と対応付けすることで,カウント値に対応付けられた色が発光されるように,各LED63,64,65を制御する
可変色LEDランプ。」

(9)甲9
(ア)甲9の記載事項
本願の優先日よりも前に頒布された刊行物である甲9には,図面とともに次の事項(請求人が審判請求書に摘記した記載事項及び当審が摘記した事項)が記載されている(下線は当審にて付与)。

(9a)「コンパクト コンポ ステレオ ロキシー ROXY M7 取扱説明書」(表紙)

(9b)「放送を聴く
ラジオ放送を受信する方法です。放送局を最大30局まで記憶させ,ワンタッチで受信することもできます。」(第30頁第1?3行目)

(9c)「放送局を記憶させる(プリセット)
最大30局までの放送局に,番号を付けて記憶させておけば,次からは,番号を指定するだけで,受信できるようになります。
【図<略>】
…<中略>…
1 受信中に,ENTERキーを押す。
【図<略>】
2 1?30のプリセットナンバーをつける
数字キーを押す順序は…
"15"に記憶させるとき:[+10][5]
"20"に記憶させるとき:[+10][+10][0]
…<中略>…
【図<略>】
記憶させた放送局を受信する
目的の放送局のプリセットナンバーを押す
"15"なら…:[+10][5]
"20"なら…:[+10][+10][0]」(第32頁)

(9d)「グラフィックイコライザー部
【図<略>】
[8]EQ.MEMOキー →P.57
イコライザーのパターンを記憶します。
…<中略>…
[19]プリセットキー →P.56
イコライザーカーブを呼び出したり,登録するときに使います。」(第11頁)

(9e)「お好みの音質を記憶させる
作ったイコライザーカーブを記憶させましょう。
[1] [EQ,MEMO]キーを押す
【図<略>】
[2] 記憶させたい番号を押す
【図<略>】」(第57頁下部)

(イ)甲9発明の認定
以上の記載事項及び図示内容を総合すると,甲9には,以下の発明(以下,「甲9発明」という。)が記載されていると認められる。

「コンパクト コンポ ステレオにおいて,
放送を聴く場合には,予め記憶させたプリセットナンバーを押すだけで,ワンタッチで目的の放送局を受信し,
好みの音質を登録するときには,作ったイコライザーカーブをプリセットキー[19]により記憶させておく,
ステレオの操作方法。」

(10)甲10
本願の優先日よりも前に頒布された刊行物である甲10には,図面とともに次の事項(請求人が審判請求書に摘記した記載事項及び当審が摘記した事項)が記載されている。

(10a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】波長領域400nmから500nmの青色光を放つ青色系発光ダイオードを光源とすることを特徴とする集魚灯。
【請求項2】?請求項1記載の青色系発光ダイオードを複数個,基板の上にマトリックス状に配置して,LED面状光源に構成したことを特徴とする集魚灯。
【請求項3】請求項2記載のLED面状光源を,船の甲板の上方において,海面を照射できる位置に取付けたことを特徴とする集魚灯。
【請求項4】請求項2記載のLED面状光源を2枚用い,船の右側の海面を照射する右側面状光源および船の左側の海面を照射する左側面状光源として組合せて面状光源ユニットを構成したことを特徴とする請求項3記載の集魚灯。
【請求項5】前記右側面状光源と前記左側面状光源の間に,甲板上を照らすための白色光を照射する発光ダイオードを基板上にマトリックス状に配置した作業用面状光源を配置して面状光源ユニットを構成したことを特徴とする請求項4記載の集魚灯。
【請求項6】?【請求項11】<略>」

(10b)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,漁業用集魚灯に関する。集魚灯とは魚群を集めるために用いられる光照射器具である。<以下略>…

(10c)「【0011】…<中略>…請求項5の発明によれば,作業用面状光源が自然の光に近い白色光で甲板上を照らすため,明るい作業環境を低い電力消費量で環境を生成でき,しかも紫外線や熱の影響がないので,漁師の作業能率が向上し健康を損なうこともない。<以下略>…」

(10d)「【0013】図1?図2に示すように,本発明の集魚灯Aを構成する面状光源ユニット1は,左右2枚の海面照射用(集魚用)のLED面状光源10と作業用面状光源20を備え,これらが適宜のフレームに取り付けられ,さらに外周を防水ケース30で覆われ,フレームの上部には取付用金具35が取付けられている。左右のLED面状光源10は,いずれも基板11上に青色系発光ダイオード12を多数個マトリックス状に配置したもので,集魚用に用いるものである。なお,その詳細は後述する。作業用面状光源20は,左右のLED面状光源10,10の間に設けられたもので,基板21上に甲板を照らすための白色発光ダイオード22を多数個マトリックス状に配置したものである。<以下略>…」

(10e)「【0017】つぎに,作業用面状光源20を説明する。この面状光源20は,甲板dを照射するための光源すなわち作業用光源であり,これには白色発光ダイオードを用いる。白色発光ダイオードの場合,そのスペクトルから分かるように主成分は青色光であるが520nmの緑色光よりも長波長側(黄色,橙色,赤色など)の光成分もかなり含むため集魚灯光源としては波長利用効率が悪いと考えられるが,白色光はたとえエネルギー的には小さくとも人間の眼には明るく感じられるとともに,物を自然の色で見ることができるので船上での作業灯として利用できる。<以下略>…」

2.対比
本件特許発明1と甲1発明とを対比すると,
甲1発明の「発光ダイオード」,「集魚灯」,「光源制御部」及び「集魚灯装置」は,それぞれ本件特許発明の「LED」,「容器」,「光色光力制御装置」及び「水中灯」に相当する。
甲1発明の「漁獲状況」は,操業情報のひとつと解することができるから,本件特許発明の「海域の水の色,水温,風向・風速,潮流の流向・流速,照度条件,漁獲対象生物の種類・位置・反応行動,漁具や漁船の位置や挙動等の操業情報」に相当する。
また,甲1発明は,甲1の摘記事項(1b)に記載されるように,魚類の有する対光刺激を考慮して光の三原色を合成するものであり,また,摘記事項(1d)に記載されるように「魚類の色彩感覚は人間の可視波長とほぼ一致しており三原色の混合による色と,単一波長による色とでは同一の刺激を受ける」ことから,甲1発明の「光源全体から発せられる光の色を変化させることによって,…色調を変化せしめる」ことは,訂正発明1の「見かけの発光波長を…変化させる」ことに相当する。

してみると,両発明の一致点及び相違点は以下のとおりである。

[一致点]
「A'.発光色が赤色系,青色系,緑色系の三色の発光ダイオードを集合させた発光ダイオード集合体を形成し,この発光ダイオード集合体を用いた光源を有する集魚灯と,
C. 海域の水の色,水温,風向・風速,潮流の流向・流速,照度条件,漁獲対象生物の種類・位置・反応行動,漁具や漁船の位置や挙動等の操業情報に応じて,
D'.前記発光ダイオードの各々の発光量を制御し,前記光源の全体としての調色を行うことで,前記発光色が赤色系,青色系,緑色系の三色の発光ダイオードの発光の合成として前記光源全体から発せられる光の色を変化させる光源制御部とを備えてなる
G.集魚灯装置。」

なお,上記一致点の認定は,審決[一次]がした認定のとおりである。

[相違点1]
構成要件Aに関連して,本件特許発明では,発光ダイオードの集合体が複数あるのに対して,甲1発明では,LEDの集合体が一組である点。

[相違点2]
構成要件B及びDに関連して,本件特許発明では,光源の発光波長を設定する発光波長ボリューム部を有し,該発光波長ボリューム部で光源の発光波長を設定すると発光ダイオードの各々の発光量を一元的に制御して,光源全体から発せられる見かけの発光波長を連続的に変化させるよう光源制御部が構成されているのに対し,甲1発明では,予め設定された順序により各LEDに通電する電流を調整し,容器から発せられる光の色を変化させるものであって,本件特許発明の「発光波長ボリューム部」に相当する構成を持たず,光源制御部において光源からの光の色を変化させる制御が一元的に行われるものではない点。

[相違点3]
構成要件D及びEに関連して,本件特許発明では,光源制御部が,発光波長ボリューム部の設定位置に対応する発光状態を直感的に図示する波長スケール部を備えているのに対し,甲1発明は,当該構成を有していない点。

[相違点4]
構成要件D及びFに関連して,本件特許発明では,光源制御部が,光源の発光色をワンタッチで白色に変換する白色光スイッチを備えているのに対し,甲1発明は,該構成を有していない点。

なお,上記各相違点,審決[一次]が認定した相違点,請求人主張の相違点(第3.1.(1)(ア)欄参照),及び,被請求人が答弁書で主張した相違点との対応関係は以下のとおりである。

上記各相違点 審決[一次] 請求人主張 被請求人主張
相違点1 相違点1 相違点4' 相違点1
相違点2 相違点2 相違点1' 相違点2
相違点3 相違点5 相違点2' 相違点3
相違点4 相違点5 相違点3' 相違点4

3.判断
上記各相違点について,以下に検討する。

(1)[相違点1]について
確定している審決[一次]が判断したとおり,甲1発明の「水中灯」として,甲2発明の「赤色,緑色,青色の発光ダイオードの集合体を複数備えたものを用いるフルカラーLED投光器」の構成を適用することにより,上記相違点1に係る本件特許発明の構成とすることは,当業者が容易に想到し得た事項である。

(2)[相違点2]について
確定している審決[一次]が判断したとおり,甲1発明の「光源制御部」に,甲2発明の「色相角調整器12の操作」(本件特許発明の「発光波長ボリューム部」による「設定」に相当),及び,「ルックアップテーブルの参照により一元的に,かつ無段階調に変化させる」技術を適用することにより,上記相違点2に係る本件特許発明の構成とすることは,当業者が容易に想到し得た事項である。

(3)[相違点3]及び[相違点4]について
以下に示す理由(α)?(δ)により,本件特許発明の相違点3及び4に係る構成は,甲1?甲10に記載された技術的事項に基づいて,当業者が容易に想到し得たものではない。
(α)甲1?甲10のいずれにも,本件特許発明の相違点3に係る構成について記載されておらず,示唆もされていない。
(β)甲1?甲6,甲8?甲10のいずれにも,本件特許発明の相違点4に係る構成について記載されておらず,示唆もされていない。
(γ)甲7発明の「通常の電気スタンドと同様の利用方法をとる場合」において,「白色発光を利用」するにあたり,どのような操作を行うのかについて甲7には記載されていないが,仮に,甲7発明のスイッチ群のいずれかのスイッチを利用していることが自明であると認定したとしても,室内照明器具に係る甲7発明を,水中灯に係る甲1に適用する動機づけがない。また,甲1発明は,「LED集合体の色調を変化せしめる光色光力制御」を備え,甲1の摘記事項(1b)に記載されるように「白色光」を発光することが既に可能なものであるところ,さらに甲7発明の「白色発光」が割り当てられたスイッチを設ける動機づけもない。
(δ)相違点3に係る本件特許発明により,「スケール部の表示を確認しつつボリュームを設定することで、速やかに所望の発光状態が得られる。また、発光状態を連続的に微調整できる。」(本件特許明細書の段落【0016】)という効果が奏され,相違点4に係る本件特許発明により,「白色光にワンタッチ切り替え可能な白色光スイッチ14を装備することにより、…遠くにいる漁獲対象生物を漁船Sの近傍に寄せるまでは発光波長を制御した単色光を使用し、その後、単色光から白色光へスイッチで切り替えることで、近傍に集魚した対象魚を逃がさないようにしつつ、作業者に負荷の少ない光環境を作ることが可能である。」(同段落【0044】)という効果が奏されるところ,このような効果については,甲1?甲10のいずれにも記載も示唆もされておらず,当業者が予測し得たものでもない。

以下,請求人の主張について検討する。

(ア)甲2発明の認定に係る請求人主張
請求人は審判請求書において,甲2発明の「色相角度Hが182度となるように色相角調整器12を調整することで,白色発光」させることが,相違点4に係る本件特許発明の「ワンタッチで白色に変換する」ものに相当する旨を主張している(審判請求書第16頁7.(3)b.《2》〔3〕[3]欄)。
しかしながら,甲2発明において,白色とするためには,色相角調整器12を摘むという操作をしたうえで,色相角度0度から360度に対応する操作位置の中から,182度に対応する操作位置にまで色相角調整器12を調整するという操作が必要であり,このような操作を「ワンタッチ」と称することがないことは明らかである。
よって,請求人が主張するような認定はできない。
なお,この点について,弁駁指令書の中で当審の考えを示して意見を求めたが,請求人による釈明はなかった。

(イ)甲4及び甲5発明の認定に係る請求人主張
(a)相違点3に係る開示
請求人は審判請求書において,相違点3に関連して,甲4及び甲5には,「『発光波長ボリューム部のつまみの位置に対応する発色状態(色合い)を直感的に図示する波長スケール部』の開示がある」と主張している。そして,その根拠として,甲4及び甲5発明の「マウスポインタ」が「発光波長ボリューム部のつまみ」に相当することを挙げている(審判性請求書第39頁第29行目?第40頁第1行目,及び,第40頁第25?27行目)。
しかしながら,甲4及び甲5発明の「マウスポインタ」は物理的なつまみ等ではないから,本件特許発明の「発光波長ボリューム部」とは明らかに異なるものであり,また,甲4及び甲5発明の「カラーパレット」等は「つまみの位置に対応」して設けられたものではないから,請求人が主張するような開示はない。
上記のような当審認定を示した弁駁指令書に応答して,請求人は「出願当時の技術水準に照らして独占排他権たる特許権による保護価値があるか否かが最終的な争点である本件特許無効審判において,『マウスポインタ』と『発光波長ボリューム部のつまみ』を区別するに値する格別の技術的意義はない」(弁駁書第3頁第5?7行目),「あたかも,独占排他権たる特許権による保護価値があるか否かの判断に影響を与えるかの如く,『つまみの位置に対応』という請求項の文言を敢えて「直下ではなく傍らにある」と解するのは,些細な点について単に言葉を弄するもので審理判断の結論に影響を与えないものについて論じている点で,技術常識を欠き実際上誤りである。」(弁駁書第4頁第1?5行目)と主張する。しかしながら,このような主張は,請求項の記載を無視した請求人独自の価値判断に基づく意見表明の域を出るものではない。
よって,請求人が主張するような認定はできない。

(b)相違点4に係る開示
請求人は審判請求書において,相違点4に関連して,甲5に「白色以外の色…を,実際上,ワンタッチで,『白色』に変換する(し得る)ことの開示がある」と主張している(審判請求書第42頁最下行?第43頁第2行目)。また,審判請求書の第3頁の対比表において,甲4と甲5の欄を結合して,甲4にも同じ技術的事項が開示されている旨を説明している。
しかしながら,甲4及び甲5発明の「カラーパレット」は「光」の色を調整するものではなく,色見本の中からグラフィクスで使用する「現在の色」を選択するためのものである。また,甲4及び甲5発明において,白色を選択するには,甲4及び甲5発明の特定事項として記載した複数段階の手順を踏む必要がある。ここで,マウス操作だけについて注目したとしても,(1)マウスを握り,(2)握った状態で「カラーパレット」上の所定位置にマウスポインタが来るようにこれを移動させ,(3)さらに右又は左クリックをするという手順が必要であり,「ワンタッチ」であるとは言えない。
上記のような当審認定を示した弁駁指令書に応答して,請求人は縷々持論を述べるものの(弁駁書第5?6頁7.a.《1》〔2〕イ.欄),結局のところ,「従って,ワンタッチで白色発色を行わせたい場合に,白色光スイッチを別に設けるしかなく,白色スイッチを設けることに困難性はない。」(弁駁書第4頁第22?23行目)と主張しており,甲4及び甲5に「白色スイッチ」の開示がないと自認しているに等しい。
よって,請求人が主張するような認定はできない。

(ウ)甲7発明の認定に係る請求人主張
請求人は審判請求書において,相違点4に関連して,甲7には「『(白色以外の色に発光している)光源(3)の発光色をワンタッチで白色に変換する白色光スイッチ(12)』を備えた照明器具の開示がある」と主張し(審判請求書第32頁第2?5行目),弁駁書においても同旨の主張をしている(弁駁書第6?8頁7.a.《2》欄)。
ここで,甲7発明において,7つの色彩切り替えスイッチ12のそれぞれに,ムードアップを図るための色が割り当てられていることが自明であることは当審も認めるところである。しかしながら,このムードアップを図るための色の中に,ムードアップを図るための利用方法とは別の「通常の電気スタンドと同様の利用方法」の中で発光されると上記摘記事項(7f)において説明される「白色」が割り当てられているかは,甲7の記載から明らかでない。また,上記(ア)(γ)欄に記載したとおり,甲7発明の「通常の電気スタンドと同様の利用方法をとる場合」において,「白色発光を利用」するにあたり,どのような操作を行うのかは甲7には記載されていないため,請求人が主張するように「色彩切り替えスイッチ12」を利用するとは断定できず,「照度切り替えスイッチ13」又は「オプションスイッチ7」を利用する可能性も排除できない。
よって,請求人が主張するような認定はできない。
また,仮に,「白色発光を利用」するにあたり,甲7発明のスイッチ群のいずれかを利用していることが自明であるとしても,相違点4に係る本件特許発明を容易に想到し得ないことは,上記(ア)(γ)欄に記載したとおりである。

(エ)甲8発明の認定に係る請求人主張
請求人は審判請求書において,甲8には「『光源制御部(80)が,光源(60)の発光色をワンタッチで白色に変換する白色光スイッチ(85)』を備えた照明の開示がある」と主張し(審判請求書第33頁第8?9行目),弁駁書において,「「『一つの操作で』白色に設定する」ものではないけれども,「『極度に簡単な操作で』白色に設定する」ものであることから,これも「ワンタッチ」で白色に設定すると解しうる可能性がある」(弁駁書第8頁第20?22行目)と主張している。
しかしながら,甲8発明において,例えば,発光色が「青緑」の場合には,これをいきなり「白色」にすることはできず,このような態様のものを,色選択の操作において「極度に簡単な操作」ということはできないから,甲8には「発光色をワンタッチで白色に変換する白色光スイッチ」の開示はない。

また,請求人は弁駁書において,「[2] 請求項の文言であるにもかかわらず,明細書には「ワンタッチ」がいかなる意味かを示す記載はない。
[3] 甲第8号証のスイッチにおいて,元々の色が「青緑」であるような場合に,該青緑から白に設定することは,ワンタッチで設定することに該当しないと認定するのであれば,明細書の開示に基づき且つ請求項の文言である「ワンタッチ」の解釈を明記し,且つ該解釈に基づいて,ワンタッチに該当しないと認定する理由を明記すべきである。
[4] すなわち,「ワンタッチ」という文言の解釈は,進歩性判断の基礎になるだけでなく,特許発明の技術的範囲解釈の基礎になる可能性があることに留意して,裁判所の判断に耐え得るように,明確な判断が審決書に記録されるべきものである。請求項の文言であるにもかかわらず,明細書には「ワンタッチ」がいかなる意味かを示す記載はない。」(弁駁書第8頁第25行目?第9頁第2行目)と甲8について特に主張するので,念のために「ワンタッチ」という用語について,以下に検討する。

本件特許明細書には,「ワンタッチ」に関連して以下の記載がある。
「【0042】
操作部10には,光源20の発光状態を変化させるボリューム部12と,そのボリューム部12の設定位置に対応するスケール部11とが設けられている。
具体的には,図4に示すように,操作部10は,例えば箱型に形成された操作パネルから構成され,…<中略>…
【0044】…<中略>…操作部10に,RGBの各発光ダイオード21を点灯させることによって光源20の発光色をワンタッチで白色に変換できる白色光スイッチ14を別に設けている。<以下略>…」
そして,上記明細書が参照する【図4】には,符号「10」で示される操作部に,符号「14」で示される白色光スイッチの操作部材が1つ記載されている。
また,「ワンタッチ」とは,通常,「[1]1回触れること。 [2]一つの操作。また,機器などの操作が極度に簡単であること。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味する和製語であるところ,特許明細書又は図面の上記記載を考慮すれば,このうち「1回触れること」又は「一つの操作」を意味していると考えるのが合理的である。仮に,上記広辞苑に記載された「操作が極度に簡単であること」を含む概念であると認定しても,甲8発明がこれに該当しないことは上記のとおりである。

よって,請求人の上記主張はいずれも採用できず,また,特許明細書等において通常求められる記載以上の過度な記載を要求しているものと言わざるを得ない。

(オ)甲9発明の認定に係る請求人主張
請求人は審判請求書において,甲9発明のワンタッチ選局が「『光源の発光色をワンタッチで白色に変換するのと全く同じ』ことである」と主張し,甲9発明のイコライザーカーブの記憶は,これをプリセットキー[19]で呼び出すものであるあから,「ワンタッチで所望のイコライザーカーブ(音質)を選んで音を出力できる」ものであり,「『光源の発光色をワンタッチで白色に変換するのと全く同じ』ことである」と主張している(審判請求書第34頁第34?35頁〔2〕欄)。
しかしながら,甲9発明には,少なくともワンタッチ選局の場面において「ワンタッチ操作」をすることが開示されるのみで,光源の発光色を白色に変換することについては,一切開示されていない。
よって,請求人が主張するような認定はできない。

(カ)相違点3に係るその他の主張
請求人は審判請求書において,相違点3について,「『調整しようとするスケール部に目盛(等間隔か非等間隔かを問わず)を付したり,該目盛線に加えて目盛線を表す文字(数値や色を表す文字)を適宜付したり,目盛に色を付したり絵を付したりすること』は単なる設計的事項であって,技術分野を問わず,調整や設定に関連して広く利用される要素技術であることは証拠を示すまでもなく自明であることを考慮して,…評価されるべきである。」(審判請求書第38頁第11?15行目)と主張している。
しかしながら,本件特許発明の「波長スケール部」は単なる「目盛」ではなく,「発光波長ボリューム部の設定位置に対応する発光状態を直感的に図示する」ものと特定されている。よって,請求人が主張する「広く利用される要素技術」を考慮しても,相違点3に係る本件特許発明を容易に想到することはできない。
なお,仮に,上記主張が,甲1発明及び甲2発明から,相違点3に係る本件特許発明が容易に想到し得たことを主張するという趣旨ならば,そのような主張は,特許法第167条の規定により許されない。すなわち,甲1及び甲2を証拠として,相違点3に係る本件特許発明を容易に想到し得えないことについては,審決[一次]が確定し,当該確定審決の登録があったことにより,何人も争うことができないこととなっている。

(キ)選択無効理由1aに係る主張
上記第3.1.(1)(イ)(a)欄に記載した選択無効理由1aは,無効理由1を構成する組み合わせの一部であり,上記理由(α)?(δ)によって,本件特許発明の相違点3及び4に係る構成は,甲1,甲2及び甲5発明に基づいて,当業者が容易に想到し得たものではない。
さらに,以下の理由によっても,当業者が容易に想到し得たものではない。
(ε)水中灯に係る甲1発明に,グラフィックソフトウェアにおける色の設定方法に係る甲5発明を適用する動機づけがない。請求人は,動機づけに関連して,弁駁書において,甲5発明は「色の調整に係わる技術である点で,甲第2号証と同一である。」(弁駁書第10頁第8?9行目)と主張するものの,上記(イ)(b)欄に記載したように,甲1及び甲2発明は「光」の色を調整するものであるのに対して,甲5発明の「カラーパレット」は色見本の中からグラフィクスで使用する「現在の色」を選択するためのものであり,色の調整の対象や内容が相違する相互に異なる技術である。

(ク)選択無効理由1bに係る主張
上記第3.1.(1)(イ)(b)欄に記載した選択無効理由1bは,無効理由1を構成する組み合わせの一部であり,上記理由(α)?(δ)によって,本件特許発明の相違点3及び4に係る構成は,甲1,甲2,甲4及び甲5発明に基づいて,当業者が容易に想到し得たものではない。
さらに,上記理由(ε)に加え,以下の理由によっても,当業者が容易に想到し得たものではない。
(ζ)刊行物記載の発明を理由とする進歩性欠如の主張において,審判請求書第25頁の《4.3》欄における主張のような,甲4と甲5との開示事項を組み合わせて一つの技術的事項を認定する手法は,もはや刊行物記載の発明の認定とは言えない。なお,仮に,上記1.(4)及び(5)欄で摘記した事項を組み合わせて一つの技術的事項を認定したとしても,本件特許発明の相違点3及び4に係る構成を導き出すことはできない。

(ケ)選択無効理由1cに係る主張
上記第3.1.(1)(イ)(c)欄に記載した選択無効理由1cは,無効理由1を構成する組み合わせの一部であり,上記理由(α)?(δ)によって,本件特許発明の相違点3及び4に係る構成は,甲1,甲2,甲5及び甲7発明に基づいて,当業者が容易に想到し得たものではない。
さらに,上記理由(ε)によっても,当業者が容易に想到し得たものではない。

(コ)選択無効理由1dに係る主張
上記第3.1.(1)(イ)(d)欄に記載した選択無効理由1dは,無効理由1を構成する組み合わせの一部であり,上記理由(α)?(δ)によって,本件特許発明の相違点3及び4に係る構成は,甲1,甲2,甲5及び甲8発明に基づいて,当業者が容易に想到し得たものではない。
さらに,上記理由(ε)によっても,当業者が容易に想到し得たものではない。

(4)まとめ
以上のとおり,本件特許発明は,甲1?甲10に開示された技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明することができたものではないから,本件特許発明についての特許は,特許法第29条第2項の規定に違反するものとして無効とすることができない。

第5.無効理由2についての当審の判断
1.無効理由2-1に対する判断
人間の色の知覚と調和したかたちで光の色を定義できるHSL方式で指定された色相,彩度,明度の各数値から,RGB方式の赤,緑,青の各数値へ連続的に変換すること,及び,連続的に色が表示されたカラーリングから任意に選択した色から,RGB方式の赤,緑,青の各数値へ変換することは,請求人が提示する甲4及び甲5に開示されるように市販されているソフトウェアで普通に実施されている技術である。
また,いずれもよく知られた,乙1の表1に記載された光の波長とXYZ表色系との関係と,乙2に記載されたXYZ表色系とRGB表色系との関係とを利用すれば,本件特許明細書の段落【0043】に記載された,発光波長ボリューム部において設定された発光波長の値から,RGBの各発光ダイオードに対する電流値を演算することができる。
よって,本件特許明細書の発明の詳細な説明には,本件特許発明で特定されている「赤色系,青色系,緑色系の三色」からなる「発光ダイオードの各々の発光量を一元的に制御し(て),…見かけの発光波長を連続的に変化させる光源制御部」について,当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていないとは言えない。

請求人は弁駁書第20頁第18行目?第21頁第2行目において,先の無効審判請求[一次]に係る手続の中で,被請求人が,甲2に記載されたルックアップテーブルを参照する発明について,データは個数は有限であって色を連続的に変化させるものではない旨の主張したことをもって,「「(見かけの)発光波長を『連続的に』変化させる」ことの意義が広がるように解釈を変えることは許されない」と主張する。当該主張は,本件特許発明で特定される「連続的」との用語について,データ個数が「無限」のものと解釈すべきとの主張と解される。
しかしながら,本件特許明細書及び図面には,本件特許発明の「光源制御部」について,これが「回路部13」を備え(段落【0041】),当該「回路部13」は「CPU131」を備えるものであることが記載されていることから(【図4】,【図8】,【図9】,段落【0043】),本件特許発明の発光波長の変化には,デジタル的に処理,すなわち離散的に処理されるものも含まれると認められる。
よって,請求人の主張は採用できない。
なお,先の無効審判請求[一次]における被請求人の上記主張について,審決[一次]は,「甲第2号証は、調整によって光の色を無段階調に変化させることを目的としており、そのための手法として、予め求められたデータが記載されたテーブルを用いる際には、テーブル内に相当個数のデータを保持せしめて十分に連続的(無段階調)な変化といえる程度に構成しているものと解するのが相当である。したがって、被請求人の上記主張は採用しない。」(審決書第24頁第26?31行目)と判断して,これを排斥しており,当審の上記認定もこの判断と矛盾するものではない。

また,上記主張に関連して,請求人は弁駁書第21頁第5?10行目において,「(見かけの)発光波長を『連続的に』変化させる」ことが実施可能というのならば,オングストローム単位(0.1nm)単位での換算をどうするかを示せという旨の主張するものの,この点については,「(乙1の表1に示される)数値は,波長範囲360?830nmの1nm間隔で与えられている。1nmよりも細かい間隔の数値が必要なときには,直線補間によって求めるものとする。」(「CIE測色標準観測者の等色関数 JIS Z 8782^(:1999)」第3頁第2?5行目)と記載されているように,常識的な技術的事項であって,現に,請求人も「データ補間を前提とすると解する外ない」(弁駁書第21頁第3行目)と自認しているところである。

2.無効理由2-2に対する判断
本件特許の図面【図4】,【図8】及び【図9】には,符号「11a」をもって特定する形で,「ボリューム部の設定位置に対応する発光状態を直感的に図示する波長スケール部」が明記されており,本件明細書の段落【0042】にも「発光波長スケール部11aは,例えば可視光領域のスペクトルを模した帯状の表示部材からなり,つまみ120の位置に対応する光源20の発光波長が直感的に認識できるようになっている。」と明記されている。そして,「可視光領域のスペクトル」については,請求人が提示した甲3,甲4及び甲5にも記載されるように,よく知られたものである。
よって,本件特許明細書の発明の詳細な説明には,本件特許発明で特定されている「前記ボリューム部の設定位置に対応する発光状態を直感的に図示する波長スケール部…を備えたこと」について,当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていないとは言えない。
なお,無効利理由2-2については,請求人は弁駁書において何ら主張していない。

第6.無効理由3についての当審の判断
上記第5.欄に記載したように請求人が主張する無効理由2によって,本件特許発明を無効とすることができない以上,無効理由2の存在を前提として主張される無効理由3によって,本件特許発明を無効とすることができないことは明らかである。

第7.無効理由4についての当審の判断
1.無効理由4-1に対する判断
可視光線スペクトルは,波長が短い方から順に,一般に紫から赤までの連続的な色として表されるが,ヒトはこれら全ての色の光を認識する単体の器官を有するわけではなく,主として赤,緑,青の光を認識する器官を有し,これらの器官の組み合わせによって,赤,緑,青とともにそれ以外の光を認識している。その結果,例えば,黄色の光を認識する場合では,黄色に対応する波長の単色光も,赤の単色光と緑の単色光とを重ね合わせた光も,ともに黄色の光としてヒトは認識する。そして,このような事項は,当業者にとっては,特に改めて説明をするまでもなく,常識的な技術的事項である。
したがって,本件特許発明で特定されるところの「見かけの発光波長」とは,上記のような常識的な技術的事項を前提とすれば,ヒトが認識する色に対応する単色光の波長を指していることは,当業者であれば普通に理解できることである。

なお,この点については,請求人自身も,審判請求書において「[2] すなわち,『見かけの発光波長』なる用語を,「複数の光源から出た光を全体として『人』が目で見た場合に,当該『人』が感じる光の『色』に関連があるものと解し,当該光の『色』が単色光の色である場合にその単色光が有すべき波長」という程度の意味であると解することは,一応可能である。」と述べているとおりである(審判請求書第54頁第6?9行目)。

また,請求人は審判請求書において,「このような解釈の可能性があるにしても,定量的な定義がなく,定量的に規定したり定量的に制御することができないという問題が解消ないし解決されるわけではない。」(審判請求書第54頁第10?12行目)と主張する。しかしながら,特許請求の範囲の記載は,定性的な表現であっても明確であればよいのであって,上記のように当業者であれば普通に理解できる表現についてまで,これを定量的な表現としなければならないとする理由はなく,請求人の主張は,必要以上に精緻で厳格な記載を要求しているものと言わざるを得ず,採用できるものではない。
この点については,請求人自身も,無効理由4-2に係る主張では,下記2.欄に記載するように,色の感覚は「人により,時により違い得る」と主張しているところであり,このように「人により,時により違い得る」場合があることをも考慮して,「見かけの…」という表現を用いざるを得なかったと解する方がむしろ合理的である。

さらに,請求人は審判請求書において,上記「見かけの発光波長」を「主波長」であると仮定した場合,「本件特許発明の場合には,『見かけの発光波長』はルックアップテーブルの如き…離散的処理ではなく『連続的に』変化せしめられるものであるから,これと矛盾する解釈は許されない」と主張するものの(審判請求書第54頁第13?24行目),主波長は連続的にも離散的にも変化させることができるものであり,また,上記第5.1.に記載したように,「「(見かけの)発光波長を『連続的に』変化させる」ことには,少なくとも甲2発明のようなもの,すなわちデータが有限個であるがその個数が相当個数のものも含まれると解釈される」から,請求人の前提が誤っている。
なお,無効理由4-1については,請求人は弁駁書において何ら主張していない。

よって,本件特許発明は明確ではないとは言えない。

2.無効理由4-2に対する判断
光の色について,ヒトが認識することを前提に,定量的な定義を伴うことなく「白色」と定性的に特定することは,請求人が無効理由1を立証するために提示する
・甲1の上記摘記事項(1b)
・甲2の上記摘記事項(2f)
・甲4の上記摘記事項(4h)
・甲7の上記摘記事項(7f)
・甲8の上記摘記事項(8c)
・甲10の上記摘記事項(10e)
にも見られるように,ごく一般的に行われていることである。

請求人は弁駁書において,「[3] 審判請求書中,甲第3号証の[7]及び[10]で指摘した通り,『白色』については種々の定義がある。これ自体は技術常識である。被請求人が,技術常識を無視して,答弁書においてその定義の存在自体を否認しているのは,特許請求の範囲の記載が不明りょうなままで容認されるべき旨を求めているに等しい。
[4] 本件特許の場合,審判請求書中甲第3号証の[7]及び[10]で指摘した『白色』についての種々の定義のうち,白色光は「等エネルギー・スペクトルを示す光」ではなく色温度等で規定されるべきものである。」(弁駁書第19頁第18?24行目)と主張し,さらに「この点を,審理判断するのも,審査官の責務であることを留意の上,審決において,裁判所の審理判断に耐え得る結論及びその理由を求める。」(弁駁書第20頁第7?8行目)と主張するので,念のためにこの点についても検討する。

ここで,請求人が弁駁書で引用する審判請求書の記載は以下のとおりである(下線は当審にて付与)。
「[7] また,甲第3号証の【色の属性】のうち,254頁左欄?同頁中欄には,「『白色』の定義」に関して,「ここで,ばくぜんと白色と呼んだものは人により,時により違い得る。数量的の色の取扱いでは,どの波長にも等しい放射エネルギーが配布された光(等エネルギー・スペクトル)の示す光を白色と定義する。1931年に国際照明委員会 International Commission on Illumination(略してICIまたはCIE)で推奨した標準光源Eは近似的に等エネルギー・スペクトルを示すものである。物体色の測定などでは,使う光源の標準化が必要であり,CIEは同時に標準光源A(色温度2,854°Kのタングステン電球),B(標準光源Aに規定のデビス=ギブソン・フィルターをかけて,色温度を4,870°Kにしたもの),C(標準光源Aに規定のデビス=ギブソン・フィルターをかけて,色温度6,740° Kにしたもの)を規定して推奨している。」なる記載がある。」
「[10] 更に,『白色』に関して様々な定義の仕方がある旨の記載もある。」

しかしながら,上記記載から明らかなように,色温度による光源の標準化が必要となるのは,「数量的の色の取扱い」が求められる場合や「物体の色の測定」を行う場合など,ヒトの個人差や感覚に依らない絶対的な色評価が必要な場合である。これに対し,本件特許発明において特定される光の色は,特許請求の範囲の「見かけの色」という表現や,段落【0044】に「作業員」が識別する色として説明されていることから明らかなように,ヒトが認識する色であることを前提に特定されている。すなわち,色の定義は多々あるのかもしれないが,本件特許発明で特定されている「白色」ならば,個人差を含めて,正常な色感覚を有するヒトが「白色」と認識できる程度のものであればよいのである。

この点について,請求人が提示する甲3の記載でさらに説明するならば,ヒトは,甲3の第254頁第10図に記載された「CIE表色系(xy)-色度図」中に「白」と記載された1点のみを「白色」と認識するのではなく,甲3中にカラーで添付された「色度図(CIE)」中において,正常な色感覚を有するヒトが「白色」で表現されていると認識できる範囲の光についても,「白色」と認識するのである。
そして,このようにヒトが認識する色について,色温度等による定量的な定義を行わずにこれを特定することは,上記のとおり,ごく一般的に行われていることである。
甲3の「ばくぜんと白色と呼んだものは人により,時により違い得る」との記載は,上記のように定性的に特定される「白色」について,絶対的に特定された色との対比した場合のことを説明しているにすぎず,定量的な定義が必須であることを裏付ける説明ではない。
請求人の上記主張は,本件特許発明の本質を離れ,且つ,甲3の記載の一部を捉えて,さも光の特定に当たっては色温度による定義が必須であるかのように,その記載を都合よく理解したものと言わざるを得ず,採用できるものではない。

よって,本件特許発明は明確ではないとは言えない。

第8.むすび
上記のとおり,本件特許発明についての特許は,請求人の主張及び証拠方法によっては,無効とすることができない。
審判に関する費用については,特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-03-16 
結審通知日 2012-03-21 
審決日 2012-04-03 
出願番号 特願2005-514164(P2005-514164)
審決分類 P 1 113・ 537- Y (A01K)
P 1 113・ 536- Y (A01K)
P 1 113・ 121- Y (A01K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 郡山 順  
特許庁審判長 鈴野 幹夫
特許庁審判官 中川 真一
仁科 雅弘
登録日 2008-01-11 
登録番号 特許第4064423号(P4064423)
発明の名称 集魚灯装置、及びその使用方法  
代理人 吉田 雅比呂  
代理人 吉田 雅比呂  
代理人 吉田 芳春  
代理人 吉田 芳春  
代理人 治部 卓  

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