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審決分類 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 F02M
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F02M
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F02M
管理番号 1267968
審判番号 不服2011-12957  
総通号数 158 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-06-16 
確定日 2012-12-27 
事件の表示 特願2008-516868「流体供給システム用の圧力勾配投与システム」拒絶査定不服審判事件〔平成18年12月28日国際公開、WO2006/137969、平成20年12月25日国内公表、特表2008-546941〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、2006年4月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2005年6月17日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成19年12月17日付けで特許法第184条の5第1項に規定される国内書面が提出され、平成20年2月18日付けで特許法第184条の4第1項に規定される国際出願翻訳文提出書が提出され、平成20年3月21日付けで明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正書が提出され、平成22年8月24日付けで拒絶理由通知がなされ、平成22年11月29日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、平成23年2月3日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成23年6月16日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされると同時に、同日付けで特許請求の範囲を補正する手続補正書が提出され、当審において平成24年2月20日付けで書面による審尋がなされ、これに対し、平成24年5月17日付けで回答書が提出されたものである。

第2.平成23年6月16日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成23年6月16日付けの手続補正を却下する。
[理由]

1.本件補正の内容
平成23年6月16日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲に関して、下記(A)から(B)へと補正された。
(A)本件補正前の特許請求の範囲
「 【請求項1】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通るように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、
前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記流路は、第一と第二の分岐を平行に有し、前記第一分岐は主要な流体の流れ用の分岐であり、前記第二分岐は、前記第一圧力領域で前記主要な分岐から別れて、前記燃料添加物のリザーバーを通過して、前記第二圧力領域で前記主要な分岐に再度戻って、再結合し、前記第二分岐は、前記減圧器の周りを流れて、バイパスし、
前記第一と第二の分岐は、前記減圧器の上流で別れ、かつ、
前記減圧器は、一つ又は複数のフローリストリクターを有し、
前記一つ又は複数のフローリストリクターは、前記入口、前記第一圧力領域及び前記第一ポートの各々と流通する上流側を有し、
前記一つ又は複数のフローリストリクターは、前記出口、前記第二圧力領域及び前記第二ポートの各々と流通する下流側を有し、かつ、
前記一つ又は複数のフローリストリクターは、前記流路に沿って一つ又は複数のオリフィスを有し、前記圧力勾配を生じさせ、
前記一つ又は複数のオリフィスは、前記入口、前記第一圧力領域及び前記第一ポートの各々と流通する上流側を有し、
前記一つ又は複数のオリフィスは、前記出口、前記第二圧力領域及び前記第二ポートの各々と流通する下流側を有することを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項2】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、
前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記流路は、第一と第二の分岐を平行に有し、前記第一分岐は主要な流体の流れ用の分岐であり、前記第二分岐は、前記第一圧力領域で前記主要な分岐から別れて、前記燃料添加物のリザーバーを通過して、前記第二圧力領域で前記主要な分岐に再度戻って、再結合し、前記第二分岐は、前記減圧器の周りを流れて、バイパスし、
前記第一と第二の分岐は、前記減圧器の上流で別れ、かつ、
前記燃料添加物搬送システムは、前記流体供給システム内への取付け用に取付プレートを有し、前記燃料添加物のリザーバーは、間にスペースを空けて前記取付プレートから離れて、前記減圧器を前記スペース内に置き、かつ、
前記減圧器は、前記スペース内に有孔性の管を含むことを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項3】
前記有孔性の管は軸方向に延びて、径方向内側に内部を有し、前記第二圧力領域を提供して、かつ径方向外側に外部を有し、前記第一圧力領域を提供することを特徴とする請求項2に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項4】
前記有孔性の管は、前記取付プレートから前記燃料添加物のリザーバーまで軸方向に延びることを特徴とする請求項3に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項5】
前記有孔性の管は、前記取付プレートに第一軸方向端部を有し、かつ間に軸方向の隙間を空けるように前記燃料添加物のリザーバーから離れて第二軸方向端部を有することを特徴とする請求項3に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項6】
前記有孔性の管は、軸方向に延びる側壁を有し、前記管は、前記側壁を貫通する一つ又は複数のオリフィスによって孔を有することを特徴とする請求項3に記載の圧力勾配投与システム。
【請求項7】
前記有孔性の管は、軸方向に延びる側壁を有し、前記燃料添加物のリザーバーと軸方向に面して、間に軸方向の隙間を空けて離れるように軸方向の端面を有して、前記管は、前記端面を貫通する一つ又は複数のオリフィスによって孔を有することを特徴とする請求項3に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項8】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、
前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記流路は、第一と第二の分岐を平行に有し、前記第一分岐は主要な流体の流れ用の分岐であり、前記第二分岐は、前記第一圧力領域で前記主要な分岐から別れて、前記燃料添加物のリザーバーを通過して、前記第二圧力領域で前記主要な分岐に再度戻って、再結合し、前記第二分岐は、前記減圧器の周りを流れて、バイパスし、
前記第一と第二の分岐は、前記減圧器の上流で別れ、かつ、
前記燃料添加物搬送システムは、前記流体供給システム内への取付け用に取付プレートを有し、前記燃料添加物リザーバーは、間にスペースを空けて前記取付プレートから離れて、前記減圧器を前記スペース内に置き、かつ、
前記減圧器は、前記スペース内に管を含み、この管は、軸方向に延びて、径方向内側に内部を有して、前記第二圧力領域を提供し、かつ径方向外側に外部を有して、前記第一圧力領域を提供することを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項9】
前記管は、前記取付プレートから前記燃料添加物のリザーバーに向って軸方向に延びて、前記管は、前記取付プレートに第一軸方向端部を有し、間に軸方向の隙間を空けて、前記添加物のリザーバーから離れた第二軸方向端部を有することを特徴とする請求項8に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項10】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、
前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記燃料添加物搬送システムは、前記流体供給システム内への取付け用に取付プレートを有し、前記燃料添加物リザーバーは、間にスペースを空けて前記取付プレートから離れて、前記減圧器を前記スペース内に置き、
前記取付プレートと前記燃料添加物のリザーバーの間にガスケットを含み、このガスケットの末端の反対側に前記取付プレートと前記燃料添加物を係合させ、前記ガスケットはこれを通るように通路を有して、前記圧力勾配を横切るように形成することを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項11】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、
前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第
一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記流路は、第一と第二の分岐を平行に有し、前記第一分岐は主要な流体の流れ用の分岐であり、前記第二分岐は、前記第一圧力領域で前記主要な分岐から別れて、前記燃料添加物のリザーバーを通過して、前記第二圧力領域で前記主要な分岐に再度戻って、再結合し、前記第二分岐は、前記減圧器の周りを流れて、バイパスし、
前記第一と第二の分岐は、前記減圧器の上流で別れ、かつ、
前記燃料添加物のリザーバーは、前記第一圧力領域と流通する第一ポートと、前記第二圧力領域と流通する第二ポートを有し、前記燃料添加物のリザーバーは、前記第一と第二の圧力領域の間の前記圧力勾配に応答して、前記燃料添加物を前記第二ポートを通って前記第二圧力領域で前記流路に解放し、かつ、
前記第一と第二のポートの一つと、前記第一と第二の圧力領域の対応する一つの間に少なくとも一つの毛細管を延ばして備えることを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項12】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記流路は、第一と第二の分岐を平行に有し、前記第一分岐は主要な流体の流れ用の分岐であり、前記第二分岐は、前記第一圧力領域で前記主要な分岐から別れて、前記燃料添加物のリザーバーを通過して、前記第二圧力領域で前記主要な分岐に再度戻って、再結合し、前記第二分岐は、前記減圧器の周りを流れて、バイパスし、
前記第一と第二の分岐は、前記減圧器の上流で別れ、かつ、
前記燃料添加物のリザーバーは、前記第一圧力領域と流通する第一ポートと、前記第二圧力領域と流通する第二ポートを有し、前記燃料添加物のリザーバーは、前記第一と第二の圧力領域の間の前記圧力勾配に応答して、前記燃料添加物を前記第二ポートを通って前記第二圧力領域で前記流路に解放し、かつ、
前記第一ポートと前記第一圧力領域の間に第一毛細管を延ばして、前記第二ポートと前記第二圧力領域の間に第二毛細管を延ばして備えることを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項13】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、
前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記燃料添加物搬送システムは、前記流体供給システム内への取付け用に取付プレートを有し、前記燃料添加物リザーバーは、間にスペースを空けて前記取付プレートから離れて、前記減圧器を前記スペース内に置き、
前記燃料添加物のリザーバーは、前記スペース内で延びるように複数のタブを有し、このタブは、間に前記減圧器を提供するようにスロット状の開口部を有することを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項14】
前記タブは軸方向に延びて、周囲を定め、これは、径方向内側に内部を有して、前記第二圧力領域を提供し、かつ径方向外側に外部を有して、前記第一圧力領域を提供することを特徴とする請求項13に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項15】
前記タブは、前記燃料添加物のリザーバーと前記取付プレートの間で軸方向に延びることを特徴とする請求項14に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項16】
周囲を延びるようにベースを有し、前記周囲を定めて、この周囲の周りで互いにアーチ状に離れて、前記ベースから軸方向に延びる複数のタブを有する、リングを含むことを特徴とする請求項14に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項17】
前記ベースは前記燃料添加物のリザーバーにあり、前記タブは前記ベースから前記取付プレートに向って軸方向に延びることを特徴とする請求項16に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項18】
前記ベースは前記取付プレートにあり、前記タブは、前記ベースから前記燃料添加物のリザーバーに向って軸方向に延びることを特徴とする請求項17に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項19】
複数の切抜きを含むスロット状のリングを有し、このリングによって定められる周囲の周りで前記切抜きを互いにランドによってアーチ状に離し、前記ランドは前記タブを提供し、前記切抜きは前記減圧器を提供するように開口部を形成し、前記スロット状のリングは、径方向内側に内部を有して、前記第二圧力領域を提供し、かつ径方向外側に外部を有して、前記第一圧力領域を提供することを特徴とする請求項14に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項20】
前記切抜きは、前記燃料添加物のリザーバーと前記取付プレートの一つに向って、軸方向に面するように開口することを特徴とする請求項19に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項21】
前記周囲に沿って延びて前記周囲を定めて、前記燃料添加物のリザーバーと前記取付プレートの間で軸方向に延びる有孔性のリングを含み、このリングは、径方向に延びて、減圧器を提供するように複数の開口部を有し、前記リングは、径方向内側に内部を有して、
前記第二圧力領域を提供し、かつ径方向外側に外部を有して、前記第一圧力領域を提供することを特徴とする請求項14に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項22】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、
前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記燃料添加物搬送システムは、前記流体供給システム内への取付け用に取付プレートを有し、前記燃料添加物のリザーバーは、間にスペースを空けて前記取付プレートから離れて、前記減圧器を前記スペース内に置き、
前記減圧器は、前記スペース内で軸方向に延びて、前記取付プレートに向って軸方向に延びるにつれて、外側に向って径方向にテーパ付けられるベンチュリ管を含むことを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項23】
前記ベンチュリ管は、前記燃料添加物のリザーバーに中央のカラーを有し、この中央のカラーから外側のスカートに向って径方向外側に延びる複数のスポークを有し、前記外側のスカートは、前記取付プレートに向って軸方向に延びるにつれて、外側に向って径方向にテーパ付けられ、前記スカートは、径方向内側に内部を有して、前記第二圧力領域を提供し、かつ径方向外側に外部を有して、前記第一圧力領域を提供することを特徴とする請求項22に記載の圧力勾配形成システム。」

(B)本件補正後の特許請求の範囲
「【請求項1】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記流路は、第一と第二の分岐を平行に有し、前記第一分岐は主要な流体の流れ用の分岐であり、前記第二分岐は、前記第一圧力領域で前記主要な分岐から別れて、前記燃料添加物のリザーバーを通過して、前記第二圧力領域で前記主要な分岐に再度戻って、再結合し、第二分岐は、前記減圧器の周りを流れて、バイパスし、
前記第一と第二の分岐は、前記減圧器の上流で別れ、かつ、
前記減圧器は、一つ又は複数のフローリストリクターを有し、
該一つ又は複数のフローリストリクターは、前記入口、前記第一圧力領域及び前記第一ポートの各々と流通する上流側を有し、かつ、 前記一つ又は複数のフローリストリクターは、前記出口、前記第二圧力領域及び前記第二ポートの各々と流通する下流側を有し、また、 前記一つ又は複数のフローリストリクターは、前記流路に沿ってベンチュリ管を有し、前記圧力勾配を生じさせ、
前記ベンチュリ管は、前記入口、前記第一圧力領域及び前記第一ポートの各々と流通する上流側を有し、かつ、 前記ベンチュリ管は、前記出口、前記第二圧力領域及び前記第二ポートの各々と流通する下流側を有することを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項2】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記流路は、第一と第二の分岐を平行に有し、前記第一分岐は主要な流体の流れ用の分岐であり、前記第二分岐は、前記第一圧力領域で前記主要な分岐から別れて、前記燃料添加物のリザーバーを通過して、前記第二圧力領域で前記主要な分岐に再度戻って、再結合し、前記第二分岐は、前記減圧器の周りを流れて、バイパスし、
前記第一と第二の分岐は、前記減圧器の上流で別れ、かつ、
前記燃料添加物搬送システムは、前記流体供給システム内への取付け用に取付プレートを有し、前記燃料添加物のリザーバーは、間にスペースを空けて前記取付プレートから離れて、前記減圧器を前記スペース内に置き、かつ、
前記減圧器は、前記スペース内に有孔性の管を含むことを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項3】
前記有孔性の管は軸方向に延びて、径方向内側に内部を有し、前記第二圧力領域を提供して、かつ径方向外側に外部を有し、前記第一圧力領域を提供することを特徴とする請求項2に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項4】
前記有孔性の管は、前記取付プレートから前記燃料添加物のリザーバーまで軸方向に延びることを特徴とする請求項3に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項5】
前記有孔性の管は、前記取付プレートに第一軸方向端部を有し、かつ間に軸方向の隙間を空けるように前記燃料添加物のリザーバーから離れて第二軸方向端部を有することを特徴とする請求項3に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項6】
前記有孔性の管は、軸方向に延びる側壁を有し、前記管は、前記側壁を貫通する一つ又は複数のオリフィスによって孔を有することを特徴とする請求項3に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項7】
前記有孔性の管は、軸方向に延びる側壁を有し、前記燃料添加物のリザーバーと軸方向に面して、間に軸方向の隙間を空けて離れるように軸方向の端面を有して、前記管は、前記端面を貫通する一つ又は複数のオリフィスによって孔を有することを特徴とする請求項3に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項8】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記流路は、第一と第二の分岐を平行に有し、前記第一分岐は主要な流体の流れ用の分岐であり、前記第二分岐は、前記第一圧力領域で前記主要な分岐から別れて、前記燃料添加物のリザーバーを通過して、前記第二圧力領域で前記主要な分岐に再度戻って、再結合し、前記第二分岐は、前記減圧器の周りを流れて、バイパスし、
前記第一と第二の分岐は、前記減圧器の上流で別れ、かつ、
前記燃料添加物搬送システムは、前記流体供給システム内への取付け用に取付プレートを有し、前記燃料添加物リザーバーは、間にスペースを空けて前記取付プレートから離れて、前記減圧器を前記スペース内に置き、かつ、
前記減圧器は、前記スペース内に管を含み、この管は、軸方向に延びて、径方向内側に内部を有して、前記第二圧力領域を提供し、かつ径方向外側に外部を有して、前記第一圧力領域を提供することを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項9】
前記管は、前記取付プレートから前記燃料添加物のリザーバーに向って軸方向に延びて、前記管は、前記取付プレートに第一軸方向端部を有し、間に軸方向の隙間を空けて、前記燃料添加物のリザーバーから離れた第二軸方向端部を有することを特徴とする請求項8に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項10】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記燃料添加物搬送システムは、前記流体供給システム内への取付け用に取付プレートを有し、前記燃料添加物リザーバーは、間にスペースを空けて前記取付プレートから離れて、前記減圧器を前記スペース内に置き、
前記取付プレートと前記燃料添加物のリザーバーの間にガスケットを含み、このガスケットの末端の反対側に前記取付プレートと前記燃料添加物を係合させ、前記ガスケットはこれを通るように通路を有して、前記圧力勾配を横切るように形成することを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項11】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記流路は、第一と第二の分岐を平行に有し、前記第一分岐は主要な流体の流れ用の分岐であり、前記第二分岐は、前記第一圧力領域で前記主要な分岐から別れて、前記燃料添加物のリザーバーを通過して、前記第二圧力領域で前記主要な分岐に再度戻って、再結合し、前記第二分岐は、前記減圧器の周りを流れて、バイパスし、
前記第一と第二の分岐は、前記減圧器の上流で別れ、かつ、
前記燃料添加物のリザーバーは、前記第一圧力領域と流通する第一ポートと、前記第二圧力領域と流通する第二ポートを有し、前記燃料添加物のリザーバーは、前記第一と第二の圧力領域の間の前記圧力勾配に応答して、前記燃料添加物を前記第二ポートを通って前記第二圧力領域で前記流路に解放し、かつ、
前記第一と第二のポートの一つと、前記第一と第二の圧力領域の対応する一つの間に少なくとも一つの毛細管を延ばして備えることを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項12】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記流路は、第一と第二の分岐を平行に有し、前記第一分岐は主要な流体の流れ用の分岐であり、前記第二分岐は、前記第一圧力領域で前記主要な分岐から別れて、前記燃料添加物のリザーバーを通過して、前記第二圧力領域で前記主要な分岐に再度戻って、再結合し、前記第二分岐は、前記減圧器の周りを流れて、バイパスし、
前記第一と第二の分岐は、前記減圧器の上流で別れ、かつ、
前記燃料添加物のリザーバーは、前記第一圧力領域と流通する第一ポートと、前記第二圧力領域と流通する第二ポートを有し、前記燃料添加物のリザーバーは、前記第一と第二の圧力領域の間の前記圧力勾配に応答して、前記燃料添加物を前記第二ポートを通って前記第二圧力領域で前記流路に解放し、かつ、
前記第一ポートと前記第一圧力領域の間に第一毛細管を延ばして、前記第二ポートと前記第二圧力領域の間に第二毛細管を延ばして備えることを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項13】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記燃料添加物搬送システムは、前記流体供給システム内への取付け用に取付プレートを有し、前記燃料添加物リザーバーは、間にスペースを空けて前記取付プレートから離れて、前記減圧器を前記スペース内に置き、
前記燃料添加物のリザーバーは、前記スペース内で延びるように複数のタブを有し、このタブは、間に前記減圧器を提供するようにスロット状の開口部を有することを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項14】
前記タブは軸方向に延びて、周囲を定め、これは、径方向内側に内部を有して、前記第二圧力領域を提供し、かつ径方向外側に外部を有して、前記第一圧力領域を提供することを特徴とする請求項13に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項15】
前記タブは、前記燃料添加物のリザーバーと前記取付プレートの間で軸方向に延びることを特徴とする請求項14に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項16】
周囲を延びるようにベースを有し、前記周囲を定めて、この周囲の周りで互いにアーチ状に離れて、前記ベースから軸方向に延びる複数のタブを有する、リングを含むことを特徴とする請求項14に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項17】
前記ベースは前記燃料添加物のリザーバーにあり、前記タブは前記ベースから前記取付プレートに向って軸方向に延びることを特徴とする請求項16に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項18】
前記ベースは前記取付プレートにあり、前記タブは、前記ベースから前記燃料添加物のリザーバーに向って軸方向に延びることを特徴とする請求項17に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項19】
複数の切抜きを含むスロット状のリングを有し、このリングによって定められる周囲の周りで前記切抜きを互いにランドによってアーチ状に離し、前記ランドは前記タブを提供し、前記切抜きは前記減圧器を提供するように開口部を形成し、前記スロット状のリングは、径方向内側に内部を有して、前記第二圧力領域を提供し、かつ径方向外側に外部を有して、前記第一圧力領域を提供することを特徴とする請求項14に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項20】
前記切抜きは、前記燃料添加物のリザーバーと前記取付プレートの一つに向って、軸方向に面するように開口することを特徴とする請求項19に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項21】
前記周囲に沿って延びて前記周囲を定めて、前記燃料添加物のリザーバーと前記取付プレートの間で軸方向に延びる有孔性のリングを含み、このリングは、径方向に延びて、減圧器を提供するように複数の開口部を有し、前記リングは、径方向内側に内部を有して、前記第二圧力領域を提供し、かつ径方向外側に外部を有して、前記第一圧力領域を提供することを特徴とする請求項14に記載の圧力勾配形成システム。
【請求項22】
流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記燃料添加物搬送システムは、前記流体供給システム内への取付け用に取付プレートを有し、前記燃料添加物のリザーバーは、間にスペースを空けて前記取付プレートから離れて、前記減圧器を前記スペース内に置き、
前記減圧器は、前記スペース内で軸方向に延びて、前記取付プレートに向って軸方向に延びるにつれて、外側に向って径方向にテーパ付けられるベンチュリ管を含むことを特徴とする圧力勾配形成システム。
【請求項23】
前記ベンチュリ管は、前記燃料添加物のリザーバーに中央のカラーを有し、この中央のカラーから外側のスカートに向って径方向外側に延びる複数のスポークを有し、前記外側のスカートは、前記取付プレートに向って軸方向に延びるにつれて、外側に向って径方向にテーパ付けられ、前記スカートは、径方向内側に内部を有して、前記第二圧力領域を提供し、かつ径方向外側に外部を有して、前記第一圧力領域を提供することを特徴とする請求項22に記載の圧力勾配形成システム。」
なお、下線は、請求人が補正個所を明示するために付した。

2.本件補正の適否についての判断
[理由1]
2.-1 目的要件違反
(1)判断
本件補正は、請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「フローリストリクター」に関して「一つ又は複数のオリフィス」を「ベンチュリ管」へと変更する補正事項を含むものであるところ、一般的に「ベンチュリ管」が「オリフィス」を技術的に限定した下位概念とはいえなく、本件補正における当該補正事項は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものに該当しない。
また、当該補正事項は、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものでもない。

(2)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

[理由2]
2.-2 独立特許要件違反
上記2.-1 で検討したように、本件補正は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものでないところ、仮に特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものとして、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下に検討する。

(1)引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された実願昭57-72777号(実開昭58-178310号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献」という。)には、例えば、以下の記載がある。

ア.「本考案は内燃機関の潤滑油バイパスフィルタに関するものである。
内燃機関の潤滑油装置内における潤滑油の汚染物を除去し、または少なくとも最小限に止めるためには、その潤滑油装置内に潤滑油バイパスフィルタを設けるのが普通である。
一方、C,D級ディーゼル油には5から10%もの各種添加剤が配合されているが、機関を高温、高速で使用すると、この潤滑油の劣化が急速に進むのが現状である。」(第1ページ第13行ないし第2ページ第2行)

イ.「そこで、近年潤滑油に使用される潤滑添加剤の一定の寿命を考えて、それら添加剤を取替え、または補充することによつて内燃機関の潤滑油の耐用寿命を延長することが提案されてきており、油に溶解する熱可塑性重合体を使用する改良油フイルタにおいて、その重合体が油添加剤を含み、かつその重合体が比較的線形の速度で溶解し得るような位置において、油フイルタ内に位置決めされるようにした油フイルタに関する特公昭54-43129号の発明がなされているが、この場合、油添加剤を含む熱可塑性重合体は集塊であり、潤滑油への添加剤の分散速度を制御することが難かしいという問題がある。
そこで、本考案は内燃機関の潤滑油の劣化防止による寿命延長と、その潤滑油バイパスフイルタの寿命延長をはかることを目的としてなされたものである。
即ち、本考案の内燃機関の潤滑油バイパスフイルタは、その潤滑油バイパスフイルタ内にオイル濃縮添加剤入りの缶を仕組むと共に、該缶にバイパスフイルタの入口側に連通する逆止弁付の入口穴を設け、かつ該缶とそのバイパスフイルタの出口側とをオリフイス及び逆止弁を介して連通させることにより構成される。」(第2ページ第12行ないし第3ページ第15行)

ウ.「このバイパスフイルタは、内燃機関の潤滑油装置内に設けられるものであり、一般にバイパスフイルタ流量は全潤滑油流量の1から10%位であるが、本実施例のバイパスフイルタは筒状のケース2とその上部にカバーパツキン3を介して取付けたカバー1とからなるフイルタ本体の底部から内部に垂直にセンターボルト5をパツキン6を介して貫設し、セツトスプリング7及びスプリングシート8を介してオイル濃縮添加剤入りの缶14を仕組み、その上部にフイルタエレメント4を内蔵したものである。
次に、潤滑油装置からの潤滑油Lは、矢印に示すごとく潤滑油入口16からこのフイルタ本体内に導入され、フイルタエレメント4の外周からフイルタエレメント4を通過しながらろ過され、センターボルト5内に設けられた油路経由潤滑油出口17から排出されるようになつている。
そこで、この缶14には第2図に示すごとく、バイパスフイルタの潤滑油入口16側に連通する入口穴18が設けられ、この入口穴18からスプリング15で押圧される逆止弁20を介して缶14内に連通し、また缶14内と潤滑油出口17とは第3図に示すごとくスプリング15で押圧される逆止弁20及びオリフイス19を介して連通されている。
このように構成された本考案の潤滑油バイパスフイルタでは、その内燃機関の運転中に、缶14内のオイル濃縮添加剤を連続して、ろ過後の潤滑油内に微量流すことにより、添加剤を確実に補充するものである。
また、潤滑油の汚れは精度の高いフイルタエレメント4でろ過し、潤滑油の酸中和作用及び清浄分散作用はオイル濃縮添加剤の補給により潤滑油の寿命延長化が可能となる。」(なお、上記「ろ過」の「ろ」は、公報中では、さんずいに戸と記載されいる。)(第4ページ第2行ないし第5ページ第15行)

エ.「なお、本考案は内燃機関全般の潤滑油装置に対して有効に適用することができる。」(第6ページ第2行及び第3行)

(2)引用文献に記載された事項
上記ア.ないしエ.及び図面の記載を参酌すると、引用文献には、以下の事項明が記載されていることが分かる。

オ.内燃機関全般の潤滑油装置であって、潤滑油は、潤滑油入口16から潤滑油出口17までを含む、潤滑油Lの流路に沿って上流から下流に流れて、潤滑油入口16と潤滑油出口17を有するオイル濃縮添加剤の補給と、潤滑油入口16から潤滑油出口17に延びる部位を有する潤滑油Lの流路と、潤滑油入口16と流通するように潤滑油Lの流路に沿う圧力領域(以下、「圧力領域A」という。)と、潤滑油出口17と流通するように潤滑油Lの流路に沿う圧力領域(以下、「圧力領域B」という。)とを有していることが分かる。
また、潤滑油Lの流路は、減圧器(以下、「減圧器C」という。)を有し、これに沿って圧力勾配を形成していることも分かる。

カ.圧力領域Aと比べて圧力領域Bの圧力をより低くして、圧力領域Aと圧力領域Bの間に圧力勾配を生じさせていることは明らかであり、オイル濃縮添加剤の缶14が圧力勾配に応答して、潤滑油Lの流路にオイル濃縮添加剤を解放させるようにし、オイル濃縮添加剤の缶14は、入口穴18とオリフイス19を有し、入口穴18は圧力領域Aと流通し、オリフイス19は圧力領域Bと流通していることが分かる。

キ.潤滑油Lの流路は、第一分岐(以下、「第一分岐D」という。)と第二分岐(以下、「第二分岐E」という。)を有し、第一分岐Dは主要な潤滑油の流れ用の分岐であり、第二分岐Eは、圧力領域Aで主要な分岐から別れて、オイル濃縮添加剤の缶14を通過して、第圧力領域Bで前記主要な分岐に再度戻って、再結合し、前記第二分岐Eは、前記減圧器Cの周りを流れて、バイパスし、前記第一分岐Dと第二分岐Eは、前記減圧器Cの上流で別れ、かつ、減圧器Cは、一つ又は複数の減圧手段(以下、「減圧手段F」という。)を有していることが分かる。

ク.一つ又は複数の減圧手段Fは、潤滑油入口16、圧力領域A及び入口穴18の各々と流通する上流側を有し、かつ、
一つ又は複数の減圧手段Fは、潤滑油出口17、圧力領域B及びオリフイス19の各々と流通する下流側を有し、また、
一つ又は複数の減圧手段Fは、潤滑油Lの流路に沿って減圧部材Gを有し、圧力勾配を生じさせ、
減圧部材Gは、潤滑油入口16、圧力領域A及び入口穴18の各々と流通する上流側を有し、かつ、
減圧部材Gは、潤滑油出口17、圧力領域B及びオリフイス19の各々と流通する下流側を有する潤滑油装置であることが分かる。

(3)引用文献に記載された発明
上記(1)ア.ないしエ.及び(2)オ.ないしク.並びに図面の記載を参酌すると、引用文献には以下の発明が記載されているといえる。
「内燃機関全般の潤滑油装置であって、潤滑油入口16と潤滑油出口17を有するオイル濃縮添加剤の補給と、前記潤滑油入口16から前記潤滑油出口17に延びる部位を有する潤滑油Lの流路と、前記潤滑油入口16と流通するように前記潤滑油Lの流路に沿う圧力領域Aと、前記潤滑油出口17と流通するように前記潤滑油Lの流路に沿う圧力領域Bとを有し、前記圧力領域Aと比べて前記圧力領域Bの圧力をより低くして、前記圧力領域Aと圧力領域Bの間に圧力勾配を生じさせて、前記オイル濃縮添加剤の缶14が前記圧力勾配に応答して、前記潤滑油Lの流路に前記オイル濃縮添加剤を解放させるようにし、
潤滑油は、前記潤滑油入口16から前記潤滑油出口17までを含む、前記潤滑油Lの流路に沿って上流から下流に流れて、
前記潤滑油Lの流路は、減圧器Cを有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記オイル濃縮添加剤の缶14は、入口穴18とオリフイス19を有し、前記入口穴18は前記圧力領域Aと流通し、前記オリフイス19は前記圧力領域Bと流通し、
前記潤滑油Lの流路は、第一分岐Dと第二分岐Eを有し、前記第一分岐Dは主要な潤滑油の流れ用の分岐であり、前記第二分岐Eは、前記圧力領域Aで前記主要な分岐から別れて、前記オイル濃縮添加剤の缶14を通過して、前記第圧力領域Bで前記主要な分岐に再度戻って、再結合し、前記第二分岐は、前記減圧器の周りを流れて、バイパスし、前記第一分岐Dと第二分岐Eは、前記減圧器Cの上流で別れ、かつ、
前記減圧器Cは、一つ又は複数の減圧手段Fを有し、
該一つ又は複数の減圧手段Fは、前記潤滑油入口16、前記圧力領域A及び前記入口穴18の各々と流通する上流側を有し、かつ、
前記一つ又は複数の減圧手段Fは、前記潤滑油出口17、前記圧力領域B及び前記オリフイス19の各々と流通する下流側を有し、また、
前記一つ又は複数の減圧手段Fは、前記流路に沿って減圧部材Gを有し、前記圧力勾配を生じさせ、
前記減圧部材Gは、前記潤滑油入口16、前記圧力領域A及び前記入口穴18の各々と流通する上流側を有し、かつ、
前記減圧部材Gは、前記潤滑油出口17、前記圧力領域B及び前記オリフイス19の各々と流通する下流側を有する潤滑油装置。」(以下、「引用文献に記載された発明」という。)

(4)対比
本願補正発明と引用文献に記載された発明とを対比すると、引用文献に記載された発明における「内燃機関全般の潤滑油装置」は、その機能及び目的からみて、本願補正発明における「流体供給システム用の圧力勾配形成システム」に相当し、以下同様に、「潤滑油装置」は「圧力勾配形成システム」に、「潤滑油入口16」は「流入口」及び「入口」に、「潤滑油出口17」は「流出口」及び「出口」に、「オイル濃縮添加剤の補給」は「燃料添加物搬送システム」に、「潤滑油Lの流路」は「流路」に、「圧力領域A」は「第一圧力領域」に、「圧力領域B」は「第二圧力領域」に、「缶14」は「リザーバー」に、「オイル濃縮添加剤」は「燃料添加物」に、「圧力勾配」は「圧力勾配」に、「減圧器C」は「減圧器」に、「入口穴18」は「第一ポート」に、「オリフイス19」は「第二ポート」に、「第一分岐D」は「第一分岐」に、「第二分岐E」は「第二分岐」に、「減圧手段F」は「フローリストリクター」に各々相当する。そして、引用文献に記載された発明における「減圧部材G」は、本願補正発明における「ベンチュリ管」に、「減圧部材」である限りにおいて相当することから、本願補正発明と引用文献に記載された発明とは、
「流体供給システム用の圧力勾配形成システムであって、流入口と流出口を有する燃料添加物搬送システムと、前記入口から前記出口に延びる部位を有する流路と、前記入口と流通するように前記流路に沿う第一圧力領域と、前記出口と流通するように前記流路に沿う第二圧力領域とを有し、前記第一圧力領域と比べて前記第二圧力領域の圧力をより低くして、前記第一と第二の圧力領域の間に圧力勾配を生じさせて、前記燃料添加物のリザーバーが前記圧力勾配に応答して、前記流路に前記燃料添加物を解放させるようにし、
流体は、前記入口から前記出口までを含む、前記流路に沿って上流から下流に流れて、
前記流路は、減圧器を有し、これに沿って前記圧力勾配を形成し、
前記燃料添加物のリザーバーは、第一と第二のポートを有し、前記第一ポートは前記第一圧力領域と流通し、前記第二ポートは前記第二圧力領域と流通し、
前記流路は、第一と第二の分岐を有し、前記第一分岐は主要な流体の流れ用の分岐であり、前記第二分岐は、前記第一圧力領域で前記主要な分岐から別れて、前記燃料添加物のリザーバーを通過して、前記第二圧力領域で前記主要な分岐に再度戻って、再結合し、第二分岐は、前記減圧器の周りを流れて、バイパスし、
前記第一と第二の分岐は、前記減圧器の上流で別れ、かつ、
前記減圧器は、一つ又は複数のフローリストリクターを有し、
該一つ又は複数のフローリストリクターは、前記入口、前記第一圧力領域及び前記第一ポートの各々と流通する上流側を有し、かつ、
前記一つ又は複数のフローリストリクターは、前記出口、前記第二圧力領域及び前記第二ポートの各々と流通する下流側を有し、また、
前記一つ又は複数のフローリストリクターは、前記流路に沿って減圧部材を有し、前記圧力勾配を生じさせ、
前記減圧部材は、前記入口、前記第一圧力領域及び前記第一ポートの各々と流通する上流側を有し、かつ、
前記減圧部材は、前記出口、前記第二圧力領域及び前記第二ポートの各々と流通する下流側を有することを特徴とする圧力勾配形成システム。」の点で一致し、以下の点で相違する。

〈相違点〉
1)本願補正発明においては第一と第二の分岐を平行に有しているのに対して、引用文献に記載された発明においては平行かどうか明らかではない点(以下、「相違点1」という。)。

2)「減圧部材」に関して、本願補正発明においては「ベンチュリ管」であるのに対して、引用文献に記載された発明においては、そのように特定されていない点(以下、「相違点2」という。)。

(5)判断
上記相違点について検討すると、
1)相違点1について
本願補正発明と引用文献に記載された発明も共に、流路を分岐するにあたってどのように分岐配置するかは当業者が適宜なし得るものであり、相違点1に係る本願補正発明のように特定することは当業者が適宜なし得るものである。

2)相違点2について
減圧部材としてベンチュリ管、あるいはオリフイスはごく普通に用いられるものであり(以下、「慣用手段」という。)、引用文献に記載された発明に上記慣用手段を適用して、相違点2に係る本願補正発明のように特定することは当業者が容易に推考し得るものである。

しかも、本願補正発明は、全体構成でみても、引用文献に記載された発明及び周知技術から予測できる作用効果以上の顕著な作用効果を奏するものとも認められない。

(6)独立特許要件のむすび
よって、本願補正発明は、引用文献に記載された発明及び慣用手段に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、[理由1]又は[理由2]によって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3.本願発明について
1.本願発明
平成23年6月16日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成22年11月29日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、前記「第2.1.(A)【請求項1】」のとおりのものである。

2.引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献及びその記載事項は、前記「第2.[理由2]2.-2 独立特許要件違反(1)ないし(3)」に記載したとおりである。

3.対比
本願発明と引用文献に記載された発明とを比較すると、両者は、前記「第2.[理由2]2.-2(4) 対比」で記載した点で一致し、以下の点で相違する。

〈相違点〉
1)本願発明においては第一と第二の分岐を平行に有しているのに対して、引用文献に記載された発明においては平行かどうか明らかではない点(以下、「相違点1」という。)。

2)「減圧部材」に関して、本願発明においては「オリフイス」であるのに対して、引用文献に記載された発明においては、そのように特定されていない点(以下、「相違点3」という。)。

4.判断
上記相違点1については、前記「第2.[理由2]2.-2(5)1)相違点1」で検討済みであり、相違点3については、同じく前記「(5)2)相違点2」で検討したように、慣用手段であることから、引用文献に記載された発明に上記慣用手段を適用して、相違点3に係る本願発明のように特定することは当業者が容易に推考し得るものである。

しかも、本願発明は、全体構成でみても、引用文献に記載された発明及び慣用手段から予測できる作用効果以上の顕著な作用効果を奏するものとも認められない。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献に記載された発明及び慣用手段に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。

なお、審判請求人は平成24年5月17日付けの回答書において、平成23年6月16日付けの手続補正書の特許請求の範囲を補正する用意があるとして、補正案を提示しているものの、当該補正案(以下、補正案に記載された発明を「本願補正案発明」という。)を検討しても、本願補正案発明は引用文献に記載された発明及び慣用手段から、当業者が容易に想到できたものといえることを付言する。
 
審理終結日 2012-07-25 
結審通知日 2012-08-01 
審決日 2012-08-16 
出願番号 特願2008-516868(P2008-516868)
審決分類 P 1 8・ 57- Z (F02M)
P 1 8・ 121- Z (F02M)
P 1 8・ 575- Z (F02M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 島倉 理  
特許庁審判長 小谷 一郎
特許庁審判官 金澤 俊郎
藤原 直欣
発明の名称 流体供給システム用の圧力勾配投与システム  
代理人 萼 経夫  
代理人 萼 経夫  
代理人 萼 経夫  
代理人 小野塚 薫  
代理人 小野塚 薫  
代理人 萼 経夫  
代理人 萼 経夫  
代理人 萼 経夫  
代理人 小野塚 薫  
代理人 小野塚 薫  
代理人 小野塚 薫  
代理人 小野塚 薫  

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