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審決分類 審判 全部無効 特36条4項詳細な説明の記載不備  F04D
審判 全部無効 2項進歩性  F04D
審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  F04D
審判 全部無効 特174条1項  F04D
管理番号 1269835
審判番号 無効2012-800066  
総通号数 160 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-04-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2012-04-27 
確定日 2013-02-07 
事件の表示 上記当事者間の特許第3306749号発明「立軸ポンプ」の特許無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。 
理由 I.手続の経緯
本件特許第3306749号の請求項1ないし8に係る発明についての出願は,平成 9年12月26日に特許出願したものであって,平成14年 5月17日に設定登録(請求項の数8)されたものである。
また,平成21年11月27日付けで,国土交通省中部地方整備局長,株式会社電業社機械製作所,社団法人河川ポンプ施設技術協会により,訂正審判が請求され,訂正を認める審決(訂正2009-390142号)が平成22年 1月 7日に確定した。
そして,平成24年 4月27日付けで請求人 株式会社酉島製作所により本件無効審判が請求された。
次に,同年 7月30日付けで被請求人 国土交通省中部地方整備局長,株式会社電業社機械製作所,社団法人河川ポンプ施設技術協会により答弁書が提出され,同年 9月 5日付けで審理事項通知書が通知され,同年10月19日付けで被請求人より口頭審理陳述要領書が提出され,同年10月26日付けで請求人より口頭審理陳述要領書が提出された。
そして,同年11月 9日に口頭審理が行われたところである。

II.本件特許発明
本件特許第3306749号の請求項1ないし8に係る発明は,平成21年11月27日付け訂正明細書(以下,単に「訂正明細書」という。)の特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された以下のとおりのものである。
「【請求項1】吐出しエルボの外壁をポンプ軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁にこれと一体的に減速装置を付設し,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸と前記減速装置を連結して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項2】吐出しエルボの外壁をポンプ軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸と前記減速装置を連結し,前記減速装置の入力軸を水平方向に突出させてこれに駆動装置を連結し,この駆動装置と前記吐出しエルボを同じ床に配設して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項3】吐出しエルボの外壁をポンプ軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸と前記減速装置を連結し,前記減速装置は,前記ポンプ軸に連結される減速のための歯車列の出力段と,水平方向に軸承される入力軸とを有し,前記入力軸は,前記ポンプ軸と平行な中間軸を介して前記出力段に連結されることによって,前記出力段よりも下方に配置され,前記ポンプ軸を前記吐出しエルボの外壁の上方に設けた隔壁を貫通させて,前記吐出しエルボの外壁と前記隔壁の間に空間部を形成し,前記隔壁を含んで前記減速装置のケーシングを形成し,前記空間部をその側方で外部と連通するように構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項4】吐出しエルボの外壁をポンプ軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸と前記減速装置を連結し,前記吐出しエルボの外壁を含んで前記減速装置のケーシングを形成し,前記減速装置の潤滑油がこのケーシング内で前記吐出しエルボの外壁に接して流下しまたは溜まるように構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項5】吐出しエルボの外壁をポンプ軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸と前記減速装置を連結し,前記減速装置のケーシング内を通過して両端開口部が大気に開放される空気管を設け,前記減速装置の入力軸にファンを固定または連結し,前記ファンによる送風が前記空気管内を一端開口部から他端開口部へ流れるように構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項6】吐出しエルボの外壁をポンプ軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸と前記減速装置を連結し,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸に,前記減速装置の歯車列の出力段の歯車を固定配設して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項7】吐出しエルボの外壁をポンプ軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸と前記減速装置を連結し,前記減速装置は,前記ポンプ軸に連結される減速のための歯車列の出力段と,水平方向に軸承される入力軸とを有し,前記入力軸は,前記ポンプ軸と平行な中間軸を介して前記出力段に連結されることによって,前記出力段よりも下方に配置され,前記減速装置の歯車列の出力段の歯車を筒状シャフトに固定配設し,この筒状シャフトを前記吐出しエルボの外壁から突出する前記ポンプ軸に嵌合させるとともに連結して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項8】請求項7記載の立軸ポンプにおいて,前記ポンプ軸を前記吐出しエルボの外壁の上方に設けた隔壁を貫通させ,この隔壁を含んで前記減速装置のケーシングを形成し,前記筒状シャフトの前記隔壁に臨む下端部で前記ポンプ軸との間に前記ポンプ軸と同軸上の隙間を形成し,この隙間に前記ポンプ軸と同軸上で筒体を遊嵌挿入するとともにその下端部を前記隔壁に水密構造に固定配設して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。」

III.請求人及び被請求人の主張の概略
1.請求人の主張
(1)無効理由ア(補正制限違反に係る理由)
平成10年 3月18日付け手続補正書(甲第2号証)による補正は,特許法第17条の2第3項の要件を満たさない不適法なものであるので,本件特許の請求項1ないし8に係る発明は,同法第123条第1項第1号に該当し,無効とすべきものである。

(2)無効理由イ(記載不備に係る理由)
(2-1)特許法第36条第6項第1号違反
請求項2?8に係る発明の「吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し」は,発明の詳細な説明に記載したものではないから,これらの請求項に係る発明に対する特許は,特許法第36条第6項第1号に規定された要件を満たしていない特許出願に対してなされたもので,特許法第123条第1項第4号に該当し,無効とすべきものである。

(2-2)特許法第36条第6項第2号違反
本件特許請求の範囲の請求項1に記載された「吐出しエルボの外壁にこれと一体的に減速装置を付設し」の「付設」,及び請求項2?7に記載された「前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し」の「付設」の意味が不明であるから,請求項1?7は明確ではない。
また,本件特許請求の範囲の請求項3,8に記載された「吐出しエルボの外壁の上方に設けた隔壁」の「隔壁」の意味が不明であるから,請求項3,8は明確ではない。
よって,本件特許請求の範囲の請求項1?8に係る発明に対する特許は,特許法第36条第6項第2号に規定された要件を満たしていない特許出願に対してなされたもので,特許法第123条第1項第4号に該当し,無効とすべきものである。

(2-3)特許法第36条第4項違反
発明の詳細な説明の段落【0015】の「鋼板などで形成して適宜な手段で吐出しエルボ30の外壁に固定」との記載は,当業者が実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえない。
よって,本件特許請求の範囲の請求項1?8に係る発明に対する特許は,特許法第36条第4項に規定された要件を満たしていない特許出願に対してなされたもので,特許法第123条第1項第4号に該当し,無効とすべきものである。

(3)無効理由ウ(進歩性の欠如)
(3-1)請求項2の無効理由1
本件特許の請求項2に係る発明は,甲第6-1号証に記載の発明と甲第14号証又は甲第16-1号証に記載された発明とに基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が特許出願前に容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって,請求項2に係る発明に対する特許は,特許法第123条第1項第2号に該当し,本件特許は無効とすべきものである。

(3-2)請求項2の無効理由2
本件特許の請求項2に係る発明は,甲12-1号証乃至甲第13号証の公然実施発明と甲第14号証又は甲第16-1号証とに記載された発明に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が特許出願前に容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって,請求項2に係る発明に対する特許は,特許法第123条第1項第2号に該当し,本件特許は無効とすべきものである。

(3-3)請求項3の無効理由1
本件特許の請求項3に係る発明は,甲第6-1号証に記載の発明と甲第17号証又は甲第18号証に記載された発明とに基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が特許出願前に容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって,請求項3に係る発明に対する特許は,特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とすべきものである。

(3-4)請求項3の無効理由2
本件特許の請求項3に係る発明は,甲12-1号証乃至甲第13号証の公然実施発明と甲第17号証又は甲第18号証に記載された発明とに基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が特許出願前に容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって,請求項3に係る発明に対する特許は,特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とすべきものである。

(3-5)請求項7の無効理由1
本件特許の請求項7に係る発明は,甲第6-1号証に記載の発明と甲第17号証又は甲第18号証に記載された発明とに基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が特許出願前に容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって,請求項7に係る発明に対する特許は,特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とすべきものである。

(3-6)請求項7の無効理由2
本件特許の請求項7に係る発明は,甲第12-1号証乃至甲第13号証に記載の発明と甲第17号証又は甲第18号証に記載された発明と周知技術に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が特許出願前に容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって,請求項7に係る発明に対する特許は,特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とすべきものである。

証拠方法
甲第1号証:特願平9-368834号の願書に最初に添付した明細書
甲第2号証:特願平9-368834号の平成10年3月18日付けの手続補正書
甲第3号証:特願平9-368834号の平成14年2月26日付けの手続補正書
甲第4号証:特許第3306749号公報
甲第5号証:第1210174号特許審決公報
甲第6-1号証:立軸ポンプPシリーズ(VERTICAL LINESHAFT PUMPS P SERIES),1996年,キャピラリ社(CAPRARI S.p.A.)
甲第6-2号証:甲第6-1号証の翻訳文
甲第7号証:東芝シュネデールエレクトリック株式会社 ブリーフプレゼンテーション(Brief Presentation),2003年5月,東芝シュネデールエレクトリック株式会社
甲第8号証:経歴書,1994年,株式会社電業社機械製作所
甲第9号証:3インチ深井戸用水中ポンプ SQ/SQE,1999年8月,グルンドフォスポンプ株式会社
甲第10-1号証:モレキュラー・ファクツ・ヨーロッパ(Molecular Facts Europe),1986年12月,ペルゾナ・モレキュラー・メクライフ社(BELZONA MOLECULAR METALIFELTD., )
甲第10-2号証:甲第10-1号証の翻訳文
甲第11-1号証:ポンプ選定ガイド(Pump Selection Guide),1992年7月,ゴールズポンプス社(Goulds Pumps,Inc.)
甲第11-2号証:甲第11-1号証の翻訳文
甲第12-1号証:寺方ポンプ場機械設備 完成図面 図番:BM-64056?2,昭和41年(1966年),株式会社酉島製作所
甲第12-2号証:寺方ポンプ場機械設備 完成図面 図番:XD-18766,昭和41年(1966年),株式会社西島製作所
甲第12-3号証:寺方ポンプ場機械設備 完成図面 図番:XD-18768, 昭和41年(1966年),株式会社酉島製作所
甲第13号証: 寺方ポンプ場の立軸ポンプ(製品番号90992)の写真,株式会社酉島製作所
甲第14号証:河川ポンプ設備要覧第24ページ及び第34ページ,平成6年(1994年)1月,社団法人河川ポンプ施設技術協会
甲第15号証:排水機場設備点検・整備実務要領第50ページ,平成3年(1991)1月,財団法人国土開発技術研究センター
甲第16-1号証:ポンプハンドブック第2版(PUMP HANDBOOK SECOND EDITION)第6.125ページ乃至第6.129ページ及び第9.52ページ乃至第9.53ページ,1986年,マグローヒルブック社(M_(C)GRAW-HILL BOOK COMPANY)
甲第16-2号証:甲第16-1号証の翻訳文
甲第17号証:実務家のための最新ポンプ設備工学ハンドブック,昭和63年(1988年)12月1日,ポンプ設備研究会
甲第18号証:ポンプ工学第1巻第3号第177ページ乃至第183ページ,1965年(昭和40年)11月1日,株式会社産発
甲第19号証:ポンプハンドブック345?348ページ,昭和56年(1981年)8月10日,地人書館
甲第20-1号証:ポンプハンドブック(PUMP HANDBOOK )6-124ページ?6-127ページ,1976年(昭和51年),マグローヒルブック社(M_(C)GRAW-HILL BOOK COMPANY)
甲第20-2号証:甲第20-1号証の翻訳文
甲第21号証:実願平2-91955号(実開平4-49229号)のマイクロフイルム
甲第22号証:実願昭61-170452号(実開昭63-75645号)のマイクロフイルム
甲第23号証:特開2000-314387号公報(特願平11-126427号)
甲第24号証:特願平11-126427号における平成21年7月14日(起案日)付けの拒絶理由通知書
甲第25号証:米国議会図書館オンラインカタログ(LIBRARY OF CONGRESS ONLINE CATALOG)

2.被請求人の主張
(1)無効理由ア
(1-1)当初明細書又は図面の開示内容
出願当初の明細書の段落【0015】には,「しかも,減速装置50のケーシング76は,隔壁36を含んで吐出しエルボ30の外壁と一体的に形成される。・・・。また,ケーシング76は,その一部が吐出しエルボ30と一体的に鋳造されても良いが,鋼板などで形成しても良い。そのうえ,ケーシング76は,減速装置50の歯車列の組み立てが容易なように適宜に分割可能に形成される。」(下線部は,被請求人による。)と記載されていた。
当該明細書の記載において,後者の「ケーシング76を鋼板などで形成する」という技術は,前者の一体的な鋳造と対照的に記載されていることからすれば,ケーシングを吐出しエルボとは,別体で構成することを開示するものである。
したがって,出願当初の明細書又は図面の記載によれば,
(i)吐出しエルボとケーシング(減速装置)とを,一体的に形成する構成,及び,
(ii)吐出しエルボとは別体として,ケーシング(減速装置)を形成し,当該吐出しエルボに当該別体のケーシング(減速装置)を固定して付設する構成,
の両方が,出願当初の明細書において開示されていたものである。

(1-2)明細書の自発補正がいわゆる新規事項の追加でないこと
請求人が指摘する,平成10年3月18日付けの手続補正書における「また,ケーシング76は,その一部が吐出しエルボ30と一体的に鋳造されても良いが,鋼板などで形成して適宜な手段で吐出しエルボ30の外壁に固定されても良い。」(甲第2号証の段落【0015】,下線は被請求人による。)との本件明細書の補正は,上述した2.(1)(1-1)(ii)のように,吐出しエルボとケーシングとを別体として形成した上で固定して付設する場合において,適宜な手段,すなわち,取付部材等の他部材による固定手段を用いることを,より明確にした補正である。
当該補正は,当初明細書に開示された範囲内の補正であることはもちろんのこと,何ら新たな技術的事項を導入するものでもないから,新規事項の追加にはあたらない。

(1-3)特許請求の範囲の自発補正もいわゆる新規事項の追加でないこと
上述したとおり,自発補正後の請求項1(及び請求項3?請求項9)に係る発明における「吐出しエルボの外壁に(別体の)減速装置を付設」する構成は,両者の間に取付部材等の他部材を介在させるものも含めて,当初明細書に記載されていた範囲内のものであって,何ら新たな技術的事項を導入したものではないから,いわゆる新規事項の追加ではない。
なお,念のため付言すると,上記手続補正書による請求項1(及び請求項3?請求項9)の「これとー体的に」を削除した補正は,当初明細書の範囲内において,吐出しエルボと減速装置とが一体のものと別体のものを含む上位概念として補正したものであるところ,いわゆる最初の拒絶理由通知前の自発補正において,特許請求の範囲を上位概念化する補正は,何ら不適法になる余地はない。

(2)無効理由イ
(2-1)特許法第36条第6項第1号違反
2.(1)(1-1)(ii)のところで述べたように,吐出しエルボとは別体として,ケーシング(減速装置)を形成し,当該吐出しエルボに,当該別体のケーシング(減速装置)を固定して付設する構成は,発明の詳細な説明に記載されているのであるから,減速装置50のケーシング76を吐出しエルボ30の外壁と一体化させる(一体不可分にする)ことなく減速装置50を吐出しエルボ30に付設する構成は,発明の詳細な説明に記載されているといえる。

(2-2)特許法第36条第6項第2号違反
(2-2-1)「付設」について
「付設」とは,その通常の用語の意義からすれば,「付属して設けること」であり(乙第3号証),その意味も明確である。その上で,請求項1?7には「前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し」と記載されており,文言上,「付設」のための固定手段について何ら限定されていない。したがって,「付設」には,減速装置が吐出しエルボの外壁に一体的に(一体不可分に)付設された構成はもとより,別体として形成した減速装置を吐出しエルボの外壁に取付け部材等の固定手段を用いて付設する場合も当然に含まれると解釈されるべきである。例えば,請求人が例示した構造例(審判請求書15?16頁の図A?図C)はいずれも,「吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し」ているといえる。

(2-2-2)「隔壁」について
「隔壁」とは,広辞苑第五版(乙第4号証)によれば「間をへだてる壁。仕切り」であり,本件特許においては,エルボの外壁から間を隔てる壁という程度の意味であり,その意味も明確である。

(2-3)特許法第36条第4項第1号違反
ケーシングを鋼板で形成することは当業者に周知の技術であり,そのようなケーシングを,例えばフランジとボルトを用いた適宜な手段によって,エルボの外壁に固定することは,当業者に自明である。したがって,本件特許の発明の詳細な説明は,当業者が実施できる程度に明確且つ十分に記載されているといえる。

(3)無効理由ウ
(3-1)請求項2の無効理由1
・甲第6-1号証と甲第14号証又は甲第16-1号証を組み合わせる動機付けはなく,それらを組合わせることには矛盾がある。
・甲第6-1号証と甲第14号証又は甲第16-1号証を組み合わせても,請求項2の構成要件のすべてを充足していない。

(3-2)請求項2の無効理由2
・守口市ポンプ(甲第12-1号証?甲第13号証)には,相違点を克服する動機付けが存在しない。
・守口市ポンプ(甲第12-1号証?甲第13号証)と甲第14号証又は甲第16-1号証を組み合わせても,請求項2の構成要件のすべてを充足していない。

(3-3)請求項3の無効理由1
・甲第6-1号証と甲第17号証又は甲第18号証を組み合わせる動機付けがない。
・甲第6-1号証と甲第17号証又は甲第18号証を組み合わせても,請求項3の構成要件をすべて充足させることはできない。

(3-4)請求項3の無効理由2
・守口市ポンプ(甲第12-1号証?甲第13号証)は,カップリング連結であり,カップリングの連結を解くことによって,出力軸とポンプ軸が分離できるようになっているので,ポンプ軸は減速装置の底板(請求項3における「隔壁」に相当)を貫通していない。すなわち,減速装置の出力軸が減速装置の底板を貫通している。
・守口市ポンプ(甲第12-1号証?甲第13号証)のモーター台(ギア台)に形成された空間は,請求項3の空間部の作用効果を有していないので,請求項3の「空間部」に相当しない。
・守口市ポンプ(甲第12-1号証?甲第13号証)には相違点を克服する動機付けがない。
・守口市ポンプ(甲第12-1号証?甲第13号証)と甲第17号証又は甲第18号証を組み合わせても,請求項3の構成要件を充足していない。

(3-5)請求項7の無効理由1
・甲第6-1号証と甲第17号証又は甲第18号証を組み合わせる動機付けがない。
・甲第6-1号証と甲第17号証又は甲第18号証を組み合わせても,請求項7の構成要件をすべて充足させることはできない。

(3-6)請求項7の無効理由2
・守口市ポンプには相違点を克服する動機付けがない。
・守口市ポンプ(甲第12-1号証?甲第13号証)と甲第17号証又は甲第18号証,及び周知技術(甲第19号証?甲第20-2号証,甲第21号証,甲第22号証)を組み合わせても,請求項7の構成要件を充足していない。

V.当審の判断
1.無効理由アについて
(1-1)出願当初の明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)の開示内容について
両当事者の争点となっている「吐出しエルボの外壁にこれと一体的に減速装置を付設し」及び「吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し」なる記載に関連する当初明細書等の記載を列挙する。

・「【請求項1】 吐出しエルボの外壁をポンプ軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁にこれと一体的に減速装置を付設し,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸と前記減速装置を連結して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項2】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記減速装置の入力軸を水平方向に突出させてこれに駆動装置を連結し,この駆動装置と前記吐出しエルボを同じ床に配設して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。」

・「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,設置高さを低くし得る立軸ポンプに関するものである。」

・「【0004】
本発明は,上述のごとき従来の立軸ポンプの設置構造の問題点を解消すべくなされたもので,設置高さが低い立軸ポンプを提供することを目的とする。」

・「【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために,本発明の立軸ポンプは,吐出しエルボの外壁をポンプ軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁にこれと一体的に減速装置を付設し,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸と前記減速装置を連結して構成されている。
【0006】
また,前記減速装置の入力軸を水平方向に突出させてこれに駆動装置を連結し,この駆動装置と前記吐出しエルボを同じ床に配設して構成しても良い。」

・「【0014】
図1および図2において,吐出しエルボ30の外壁の上面に孔32が穿設されて,グランドパッキンを介してポンプ軸34が水密構造で貫通突出される。さらに,その上方に設けられた隔壁36に孔38が穿設されて,オイルシールを介してポンプ軸34がやはり水密構造で貫通突出される。この隔壁36と吐出しエルボ30の外壁によりその間に空間部40が形成され,その側方に窓42が設けられて外部と連通されている。そして,この吐出しエルボ30の外壁に,これと一体的に減速装置50が付設され,ポンプ軸34と連結され,またその入力軸52が吐出し方向と反対側に水平方向に突出される。」

・「【0015】
・・・しかも,減速装置50のケーシング76は,隔壁36を含んで吐出しエルボ30の外壁と一体的に形成される。このケーシング76に,軸受56,58,64,66,72,74が適宜固定されることは勿論である。また,ケーシング76は,その一部が吐出しエルボ30と一体的に鋳造されても良いが,鋼板などで形成しても良い。そのうえ,ケーシング76は,減速装置50の歯車列の組み立てが容易なように適宜に分割可能に形成される。・・・」

・「【0016】
そして,図2に示すごとく,吐出しエルボ30が配設された床84に,減速装置50の入力軸52に適宜に軸継手を介して連結された駆動装置86が配設される。ここで,入力軸52は吐出しエルボ30の吐出し側と反対側で水平方向に突出されているので,駆動装置86は吐出し方向と同一線上に配設され得る。この床84の下には吸込水槽88が設けられ,吐出しエルボ30から揚水管90と羽根車ケーシング92および吸込ベル94が一体的に水面下まで懸垂配設されることは勿論である。
【0017】
かかる構成にあっては,吐出しエルボ30の外壁に減速装置50が付設されるので,立軸ポンプの設置高さが低くなり,背丈の高いクレーンなどを必要とせず,容易に組み立てることができる。しかも,設置するポンプ建屋は,従来のごとく2床構造である必要がなく,床は1つで良く,それだけポンプ建屋の建築費用も安価なものとなる。・・・」

・「【0025】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明の立軸ポンプは構成されているので,以下のごとき格別な効果を奏する。
【0026】
請求項1記載の立軸ポンプにあっては,減速装置を吐出しエルボの外壁にこれと一体的に付設するので,立軸ポンプの設置高さが低いものとなる。そこで,組み立てが容易である。
【0027】
また,請求項2記載の立軸ポンプにあっては,減速装置に連結した駆動装置を,吐出しエルボと同じ床に配設するので,従来のごとき2床構造のポンプ建屋を必要とせず,それだけポンプ建屋の建築費用が安価なものとなる。」(下線部は,当審による。)

まず,当初明細書の段落【0001】,【0004】の記載によれば,この出願は,「設置高さが低い立軸ポンプを提供すること」を目的ないし課題としている。
次に,当初明細書の特許請求の範囲の請求項1には,「吐出しエルボの外壁にこれと一体的に減速装置を付設し」と記載されており,当初明細書の特許請求の範囲の請求項2?8は,請求項1を直接的又は間接的に引用しているから,特許請求の範囲では,減速装置が吐出しエルボの外壁と一体的になっているものを開示している。
また,当該当初明細書の段落【0014】,【0015】の記載によれば,「ケーシング76は吐出しエルボ30の外壁に一体的に形成される」ことを前提として,後者の「ケーシング76を鋼板などで形成する」という技術は,前者の一体的な鋳造と対照的に記載されていることからすれば,ケーシングを吐出しエルボとは,別体で構成することを開示するものである。
そこで,別体で構成したケーシングを吐出しエルボの外壁に一体化する際に,何らかの固着手段を用いることは技術常識である。
そして,当初明細書の段落【0017】には,「かかる構成にあっては吐出しエルボ30の外壁に減速装置50が付設されるので,立軸ポンプの設置高さが低くな」る旨記載されており,この出願の目的ないし課題である「設置高さの低い立軸ポンプを提供すること」を達成するものとして,「吐出しエルボの外壁に減速装置が付設される」ことを示唆しているといえる。
また,「吐出しエルボの外壁に減速装置が一体的に付設される」ものでなくても「吐出しエルボの外壁に減速装置が付設され」ていれば,立軸ポンプの設置高さが付設しないものよりも低くなることは,当業者にとって自明である。
さらに,請求項2の「減速装置に連結した駆動装置を,吐出しエルボと同じ床に配設する」という構成によっても,立軸ポンプの装置全体における設置高さを低くできることは明らかである。
なお,出願当初の図面(特に図1,図3)には,ケーシングと吐出しエルボが同一のハッチングを付与されて,一体的に形成されたものしか図示されていない。

そうすると,これらの当初明細書又は図面のすべての記載を総合すると,以下の事項が開示されているといえる。
(1)吐出しエルボとケーシング(減速装置)とを,一体的に鋳造する構成,
(2)吐出しエルボとは別体として,ケーシング(減速装置)を形成し,当該吐出しエルボの外壁に当該別体のケーシング(減速装置)を何らかの固着手段を用いて一体的に(直接的に一体化)する構成(溶接を含む),
(3)吐出しエルボの外壁にケーシング(減速装置)を付設する構成により,立軸ポンプの設置高さを低くすること,
(4)減速装置に連結した駆動装置を,吐出しエルボと同じ床に配設する構成により,立軸ポンプの装置全体における設置高さを低くすること,等。

(1-2)平成10年3月18日付けの手続補正書における特許請求の範囲と明細書の補正について
本件特許に係る出願当初の請求項1?8に記載は以下のとおりである。(甲第1号証)
「【請求項1】 吐出しエルボの外壁をポンプ軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁にこれと一体的に減速装置を付設し,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸と前記減速装置を連結して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項2】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記減速装置の入力軸を水平方向に突出させてこれに駆動装置を連結し,この駆動装置と前記吐出しエルボを同じ床に配設して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項3】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記ポンプ軸を前記吐出しエルボの外壁の上方に設けた隔壁を貫通させて,前記吐出しエルボの外壁と前記隔壁の間に空間部を形成し,前記隔壁を含んで前記減速装置のケーシングを形成し,前記空間部をその側方で外部と連通するように構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項4】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁を含んで前記減速装置のケーシングを形成し,前記減速装置の潤滑油がこのケーシング内で前記吐出しエルボの外壁に接して流下しまたは溜まるように構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項5】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記減速装置のケーシング内を通過して両端開口部が大気に開放される空気管を設け,前記減速装置の入力軸にファンを固定または連結し,前記ファンによる送風が前記空気管内を一端開口部から他端開口部へ流れるように構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項6】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸に,前記減速装置の歯車列の出力段の歯車を固定配設して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項7】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記減速装置の歯車列の出力段の歯車を筒状シャフトに固定配設し,この筒状シャフトを前記吐出しエルボの外壁から突出する前記ポンプ軸に嵌合させるとともに連結して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項8】 請求項7記載の立軸ポンプにおいて,前記ポンプ軸を前記吐出しエルボの外壁の上方に設けた隔壁を貫通させ,この隔壁を含んで前記減速装置のケーシングを形成し,前記筒状シャフトの前記隔壁に臨む下端部で前記ポンプ軸との間に前記ポンプ軸と同軸上の隙間を形成し,この隙間に前記ポンプ軸と同軸上で筒体を遊嵌挿入するとともにその下端部を前記隔壁に水密構造に固定配設して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。」
出願当初の特許請求の範囲2?8はいずれも請求項1の従属項であり,請求項1には「吐出しエルボの外壁にこれと一体的に減速装置を付設し」とあった。よって,請求項2?8の立軸ポンプはいずれも「吐出しエルボの外壁にこれと一体的に減速装置を付設し」たものである。
そして,平成10年3月18日付け手続補正書(甲第2号証)では,下記のように補正された。
「【請求項1】 吐出しエルボの外壁をポンプ軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸と前記減速装置を連結して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項2】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁にこれと一体的に減速装置を付設して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項3】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記減速装置の入力軸を水平方向に突出させてこれに駆動装置を連結し,この駆動装置と前記吐出しエルボを同じ床に配設して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項4】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記ポンプ軸を前記吐出しエルボの外壁の上方に設けた隔壁を貫通させて,前記吐出しエルボの外壁と前記隔壁の間に空間部を形成し,前記隔壁を含んで前記減速装置のケーシングを形成し,前記空間部をその側方で外部と連通するように構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項5】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁を含んで前記減速装置のケーシングを形成し,前記減速装置の潤滑油がこのケーシング内で前記吐出しエルボの外壁に接して流下しまたは溜まるように構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項6】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記減速装置のケーシング内を通過して両端開口部が大気に開放される空気管を設け,前記減速装置の入力軸にファンを固定または連結し,前記ファンによる送風が前記空気管内を一端開口部から他端開口部へ流れるように構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項7】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸に,前記減速装置の歯車列の出力段の歯車を固定配設して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項8】 請求項1記載の立軸ポンプにおいて,前記減速装置の歯車列の出力段の歯車を筒状シャフトに固定配設し,この筒状シャフトを前記吐出しエルボの外壁から突出する前記ポンプ軸に嵌合させるとともに連結して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項9】 請求項8記載の立軸ポンプにおいて,前記ポンプ軸を前記吐出しエルボの外壁の上方に設けた隔壁を貫通させ,この隔壁を含んで前記減速装置のケーシングを形成し,前記筒状シャフトの前記隔壁に臨む下端部で前記ポンプ軸との間に前記ポンプ軸と同軸上の隙間を形成し,この隙間に前記ポンプ軸と同軸上で筒体を遊嵌挿入するとともにその下端部を前記隔壁に水密構造に固定配設して構成したことを特徴とする立軸ポンプ。」
請求項1では,補正前の「吐出しエルボの外壁にこれと一体的に減速装置を付設し」が補正後には,「吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し」となり,「これと一体的に」が削除された。
また,同手続補正書では,上記のように「これと一体的に」に関し,新たな請求項2が追加され,出願当初の請求項2?8は番号が1個ずつ繰り下がって請求項3?9となった。
そして,平成10年3月18日付け手続補正書(甲第2号証)による補正後の請求項3?9は,いずれも直接的又は間接的に請求項1を引用するが,新たな請求項2を引用していない。
そうすると,同手続補正書による補正後の請求項3?9では,「吐出しエルボの外壁」と「減速装置」の関係について,「減速装置」が「吐出しエルボの外壁」に対して「一体的」であることが削除されている。その結果,これらの請求項3?9は,「減速装置」が「吐出しエルボの外壁」に対して「一体的」でない態様も含むものに拡張された。
一方,平成10年3月18日付け手続補正書(甲第2号証)により,当初明細書の段落【0015】の「また,ケーシング76は,その一部が吐出しエルボ30と一体的に鋳造されても良いが,鋼板などで形成しても良い。」という記載が,「また,ケーシング76は,その一部が吐出しエルボ30と一体的に鋳造されても良いが,鋼板などで形成して適宜な手段で吐出しエルボ30の外壁に固定されても良い。」(下線部は,当審による。)と補正された。
そうすると,「減速装置」(ケーシング)が「吐出しエルボの外壁」に対して「一体的」でない態様である,吐出しエルボの外壁に固定された鋼板などで形成された適宜な手段は,別体のケーシング(減速装置)が,例えばギア台のような別部材を介在して,吐出しエルボの外壁に付設された構成を含むことになる。
そして,この見解は,口頭審理における両当事者の主張に合致している。
さらに,吐出しエルボの外壁に減速装置が「一体的に付設された」ことは,設置高さの低い立軸ポンプを提供すること(段落【0004】)という発明の目的ないし課題に本質的に関係するものであるが,設置高さの低い立軸ポンプを提供するものとしては,吐出しエルボの外壁に減速装置が「一体的に付設された」構成だけでなく,吐出しエルボの外壁にケーシング(減速装置)が「付設された」構成でも達成できるから,吐出しエルボの外壁に減速装置が「一体的に付設された」ことは,設置高さの低い立軸ポンプを提供すること(段落【0004】)という発明の目的ないし課題の解決に不可欠の構成要件とはいえない。
そして,上記1.(1-1)(1)?(4)で述べたように,当初明細書又は図面のすべての記載を総合すると,以下の事項が開示されている。
(1)吐出しエルボとケーシング(減速装置)とを,一体的に鋳造する構成,
(2)吐出しエルボとは別体として,ケーシング(減速装置)を形成し,当該吐出しエルボの外壁に当該別体のケーシング(減速装置)を何らかの固着手段を用いて一体的に(直接的に一体化)する構成(溶接を含む),
(3)吐出しエルボの外壁にケーシング(減速装置)を付設する構成により,立軸ポンプの設置高さを低くすること,
(4)減速装置に連結した駆動装置を,吐出しエルボと同じ床に配設する構成により,立軸ポンプの装置全体における設置高さを低くすること,等。
してみれば,上記吐出しエルボとは別体のケーシング(減速装置)が,例えばギア台のような別部材を介在して,吐出しエルボの外壁に付設された構成は,上記(3)に開示されていることになるから,当業者にとって,当初明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項であって,新たな技術的事項を導入するものではないから,平成10年3月18日付け手続補正書(甲第2号証)の当該補正は,出願当初の明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてするものである。

(1-3)小括
以上のとおりであるから,平成10年 3月18日付け手続補正書(甲第2号証)による補正は,特許法第17条の2第3項の要件を満たさないものであるので,本件特許の請求項1ないし8に係る発明は,同法第123条第1項第1号に該当し,無効とすべきものであるとする請求人の主張は採用することができない。

2.無効理由イについて
(2-1)特許法第36条第6項第1号違反
訂正明細書の請求項2?8に係る発明の「吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し」の記載(請求項8は請求項7を引用している。)に対応して,訂正明細書の発明の詳細な説明の「また,ケーシング76は,その一部が吐出しエルボ30と一体的に鋳造されても良いが,鋼板などで形成して適宜な手段で吐出しエルボ30の外壁に固定されても良い。」の記載における「適宜な手段」は,吐出しエルボとは別体として,ケーシング(減速装置)を形成し,当該吐出しエルボの外壁に当該別体のケーシング(減速装置)を何らかの固着手段を用いて一体的に(直接的に一体化)する構成(溶接を含む)だけでなく,別体のケーシング(減速装置)が,例えばギア台のような別部材を介在して,吐出しエルボの外壁に付設された構成を含むものであって,減速装置のケーシングを吐出しエルボの外壁と一体的に(直接的に一体化)することなく減速装置を吐出しエルボに付設する構成は,発明の詳細な説明に記載されているといえる。

(2-2)特許法第36条第6項第2号違反
(2-2-1)「付設」について
「付設」とは,その通常の用語の意義からすれば,「付属して設けること」であり(乙第3号証),その意味も明確である。その上で,請求項1?7には「吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し」と記載されており,文言上,「付設」のための固定手段について何ら限定されていない。
したがって,「付設」には,減速装置が吐出しエルボの外壁に一体的に(直接的に一体化して)付設された構成はもとより,別体として形成した減速装置を吐出しエルボの外壁に,例えばギア台のような別部材を介在して付設する場合も当然に含まれると解釈されるべきである。

(2-2-2)「隔壁」について
「隔壁」とは,広辞苑第五版(乙第4号証)によれば「間をへだてる壁。仕切り」であり,本件特許においては,エルボの外壁から間を隔てる壁という程度の意味であり,その意味も明確である。

(2-3)特許法第36条第4項第1号違反
ケーシングを鋼板で形成することは当業者に周知の技術であり,そのようなケーシングを,例えばフランジとボルトを用いた適宜な手段によって,エルボの外壁に固定することは,当業者にとって自明である。
したがって,本件特許の発明の詳細な説明は,当業者が実施できる程度に明確且つ十分に記載されているといえる。

(2-4)小括
以上のとおりであるから,本件特許請求の範囲の請求項1?8に係る発明に対する特許は,特許法第36条第6項第1号,同条第6項2号,同条第4項第1号に規定された要件を満たしていないので,特許法第123条第1項第4号に該当し,無効とすべきものであるとする請求人の主張は採用することができない。

3.無効理由ウについて
(3-0)各甲号証の記載事項の認定
(ア)甲第6-1号証
甲第6-1号証は,本件特許出願前の1996年5月に頒布された刊行物である,イタリアのキャピラリ社(CAPRARI S.p.A. )の「立軸ポンプPシリーズ(VERTICAL LINESHAFT PUMPS P SERIES)」という標題のカタログであり,表紙を含めて6枚目の左図には,以下の発明が記載されていると認められる。
構成a:吐出しエルボの外壁をポンプ軸に接続された軸が貫通突出している。
構成b:前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設している。
構成c:前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸に接続された軸と前記減速装置を連結している。
構成d:前記減速装置は,前記ポンプ軸に接続された軸に連結される減速のための歯車列の出力段と,水平方向に軸承され突出させた入力軸とを有する。
構成e:前記入力軸は,前記入力軸に固定されたかさ歯車が,前記ポンプ軸に接続された軸に連結された筒状シャフトに固定配設されたかさ歯車に噛み合うことで,前記筒状シャフトに固定配設されたかさ歯車よりも下方に配置されている。
構成f:前記減速装置の歯車列の歯車を前記筒状シャフトに固定配設している。
構成g:この筒状シャフトを前記吐出しエルボの外壁から突出する前記ポンプ軸に接続された軸に嵌合するとともに連結して構成している。具体的には,前記筒状シャフト内に前記ポンプ軸に接続された軸を差し込んで嵌合させ,前記筒状シャフトの上端において前記筒状シャフトと前記ポンプ軸に接続された軸を継手により連結している。前記継手は,前記筒状シャフトに固定された下側の要素と,前記筒状シャフトの上端から突出する部分の前記ポンプ軸に接続された軸に固定された上側の要素とを,ボルトで固定する構成である。
構成h:前記ポンプ軸に接続された軸を前記吐出しエルボの外壁の上方に設けた隔壁を貫通させて,前記吐出しエルボの外壁と前記隔壁の間に空間部を形成し,前記隔壁を含んで前記減速装置のケーシングを形成している。
構成i:前記空間部をその側方の窓部で外部と連通させている。
構成j:立軸ポンプ。

(イ)甲第12-1号証ないし甲第12-3号証及び甲第13号証
本件特許出願前の昭和41年11月頃より守口市ポンプ寺方ポンプ場において請求人の製造販売に係る立軸ポンプ(「守口市寺方ポンプ場 製品番号90992号」)が公然実施されている(甲第12-1号証ないし甲第12-3号証及び甲第13号証を以下「守口市ポンプ」という。)。
公然実施された守口市ポンプは,以下の発明を有すると認められる。
構成a’:吐出しエルボの外壁からポンプ軸が貫通突出している。
構成b’:前記吐出しエルボの外壁にギア台を介して減速機が搭載されている。
構成c’:前記吐出しエルボの外壁から突出したポンプ軸と前記減速機をカップリング連結している。
構成d’:前記減速機の入力軸を水平方向に突出させてこれにディーゼルエンジンを連結している。
構成e’:前記ギア台に空間を形成して前記空間の側方は窓を介して外部と連通している。
構成f’:立軸ポンプ

(ウ)甲第14号証
本件特許出願前の平成6年1月に頒布された刊行物である「河川ポンプ設備要覧」(甲第14号証)の第24ページの図4.21及び第34ページの図1.6は,「一床式立軸ポンプ」の構成を示すが,いずれも吐出しエルボが設置された床に嵩上げした一段高い別の床が形成され,その一段高い床に駆動装置が設置されているものと認められる。
また,本文中にも,「斜流及び軸流ポンプで歯車減速機のみポンプ上部に取り付け,原動機を別の高さの床に据付けることがあるが,このような場合も一床式という(図4-21)。」なる記載があり,実質的に同じ高さの床とは認められない。

(エ)甲第15号証
本件特許出願前の平成3年1月に頒布された刊行物である「排水機場設備点検・整備実務要領」(甲第15号証)の第50ページのグラフ(図-3-3)の横に示された図に,「立軸ポンプの吐出しベントの上にギア台を介して直交型の減速機を載置した構成」が記載されている。

(オ)甲第16-1号証
本件特許出願前の1986年に頒布された刊行物である「ポンプハンドブック(第2版)」(PUMP HANDBOOK Second Edition 甲第16-1号証,甲第16-2号証はその翻訳文)の第9.53ページの図4に,ディーゼルエンジンと立形タービン消火ポンプが連結された概念的な構成が示されている。
この図面では,別れて記載された立形タービン消火ポンプの設置面とディーゼルエンジンの設置面の高さが同じようにも見えるが,概念図に過ぎず,設置面の高さについて何ら明記されていない上に,駆動装置と減速装置との高さが異なるのが一般的であるから,図面に床が別れて記載されているのを,同じ床と判断することはできないものと認められる。

(カ)甲第17号証,甲第18号証
本件特許出願前の昭和63年12月に頒布された刊行物である「実務家のための最新ポンプ設備工学ハンドブック」(甲第17号証)の第119ページの「(3)傘形減速機」の欄には「ディーゼル機関,横軸電動機などで立軸ポンプを駆動する際に使用される」とあり,「図2・57に傘形歯車減速機の構造例を示す。」とある。
そして,同ページの図2・57傘形歯車減速機の構造の(b)傘歯車減速機(二段)には,以下の構造を有する立軸ポンプ用の傘形歯車減速機が記載されている。
・水平方向に延びる入力軸に固定された傘小歯車は出力軸と平行に鉛直方向に延びる中間軸に固定された傘大歯車に噛み合っている。中間軸の傘大歯車より上方の部分に固定された平歯車は出力軸に固定された出力歯車に噛み合っている。
・入力軸の軸線は出力歯車の厚みの方向に中心よりも下方に位置している。
また,本件特許出願前の1965年11月に頒布された刊行物である「ポンプ工学」(甲第18号証)の第177ページに「主ポンプは立軸型固定翼軸流ポンプで」と記載され,第179ページの図4(歯車減速機組立断面図)には,甲第17号証の図2・57と同様な事項が記載されている。
しかしながら,甲第17号証の図2・57(b)及び甲第18号証の図4に記載された減速機は,入力軸を可能な限り,上方に配置し,出力段(傘大歯車及び傘小歯車)に近づけることによって,減速機をコンパクト化する従来の設計思想に基づくものである。具体的には,中間軸の傘大歯車の歯面を上向きにすることにより,入力軸が取り付けられた傘小歯車が傘歯車の上方に位置し,入力軸を可能な限り上方にかつ出力歯車及び入力歯車の高さに近づくように構成されている。
よって,甲第17号証及び甲第18号証は,入力軸を出力段よりも積極的に下げて配置しようとする技術思想を開示するものではない。

(キ)甲第19号証ないし甲第20-2号証
本件特許出願前の昭和56年 8月10日に頒布された刊行物である「ポンプハンドブック 初版」(甲第19号証)の第345ページ左欄第8?12行には,「たとえば,原動機が横形でなければならないのに(ディーゼル機関のように),ポンプが立形の場合がある。そこで,直角歯車装置(図6.113と図6.116)をたとえ歯車比が1:1で速度変更がなくても”曲り角”で動力を伝達するように組み込むことができる。」と記載されている。そして第347ページの左上の図6.116には,まがりばかさ歯車立形ポンプ駆動装置の断面が図示されている。
甲第19号証は,米国で出版された英語の刊行物である「ポンプハンドブック(PUMP HANDBOOK)」の初版(甲第20-1号証,甲第20-2号証はその翻訳文)の日本語版である。甲第20-1号証は,本件特許出願前の1976年に出版されている。
甲20-1号証の第6-124ページの第6?10行には,甲第19号証の第345ページ左欄第8?12行と同様の,「たとえば,原動機が横形でなければならないのに(ディーゼル機関のように),ポンプが立形の場合がある。そこで,直角歯車装置(図1と図4)をたとえ歯車比が1:1で速度変更がなくても”曲り角”で動力を伝達するように組み込むことができる。」と記載されている。そして,甲第20-1号証の第6-127ページには,図4(Fig.4)として甲第19号証の図6.116と同じ図面が示されている。
甲20-1号証の第6-127ページの図4(甲第19号証の第347ページの左上の図6.116と同一である)には,以下の構成を有する「まがりばかさ歯車立形ポンプ駆動装置」が記載されている。
構成α:入力軸のかさ歯車と噛み合っている出力段のかさ歯車は筒状シャフトに固定されている。
構成β:筒状シャフト内に出力軸を差し込んで嵌合させている。
構成γ:筒状シャフトの上端において筒状シャフトと出力軸は継手により連結されている。継手は,筒状シャフトに固定された下側の要素と,筒状シャフトの上端から突出する部分の出力軸に固定された上側の要素とを,ボルトで固定する構成である。

(ク)甲第21号証
本件特許出願前の平成4年4月27日に頒布された刊行物である実願平2-91955号(実開平4-49229号)のマイクロフィルム(甲第21号証)には,以下の事項が記載されている。
・「[産業上の利用分野]
PTOギヤー(動力取り出し用ギヤー)がポンプ等の被駆動体を駆動するためPTOギヤーと被駆動体の両者の軸部を連結する連結部の連結構造に関する。」(明細書第1ページ第13行?第17行)

・「PTOギヤー1は軸部1a,1bを有し,軸部1a,1bはケース2及びケース2に取り付けられたケース3にそれぞれ嵌合したベアリング4a,4bにより支承されている。」(明細書第3ページ第17行?第20行)

・「アイドルギヤー5は図示していない駆動ギヤーと噛み合って駆動され,アイドルギヤー5はPTOギヤー1と噛み合ってPTOギヤー1を駆動させる。
PTOギヤー1の軸部1aには内径スプラインが刻設してありポンプ8の軸部8aの外径に刻設してあるスプラインと嵌合している。
PTOギヤー1の軸部1bの中心部には孔1b-1が削孔されており,孔1b-1には連結部材10が嵌合されており,PTOギヤー1の軸部1bに垂直にあけられた孔1b-2及び連結部材10に垂直にあけられた孔10-1にそれぞれピン11を貫通させて取り付ける。連結部材10の内径にはスプライン10aが刻設され,該スプライン10aにはポンプ9の軸9aに刻設されたスプラインが嵌合している。
以上説明した実施例では右側の軸部1bについて実施した例について説明したが左右両側について実施してもよい。」(明細書第4ページ第2行?第20行)

(コ)甲第22号証
本件特許出願前の昭和63年5月20日に頒布された刊行物である実願昭61-170452号(実開昭63-75645号)のマイクロフィルム(甲第22号証)には,「原動機の動力をポンプ等の作業機に伝動する歯車伝動装置」(第2ページ第10行?第11行)に関し,以下の事項が記載されている。
・「(8)はピニオン(7)を駆動軸(1a)に固定するためのボルト,(9)は外周面の中間部に歯部(9a)を有する平歯車で,ピニオン(7)と噛み合う第2のギアとして作用しかつ中心に軸嵌合用の孔(9b)を有するボス突出形に形成されている。」(明細書第5ページ第3行?第8行)

・「さらにポンプ(3)の軸(3a)を平歯車(9)の孔(9b)に挿し込んでキー(22)により平歯車(9)を軸(3a)に固定した状態でポンプ(3)をセツト台(18)上に置き」(明細書第7ページ第1行?第4行)

・第2図からみて,「キー22は,ポンプの軸(3a)を平歯車の孔(9b)に対して,回転方向に固定するものであって,軸方向に固定するものではないこと」は明らかである。

(3-1)請求項2の無効理由1について
本件特許の請求項2に係る発明と甲第6-1号証に記載された発明とを対比すると,後者の「立軸ポンプ」は前者の「立て軸ポンプ」及び「立軸ポンプ」に相当し,後者の「ポンプ軸に接続された軸」と前者の「ポンプ軸」とは,「ポンプの側の軸」である点で共通し,後者の「減速装置は,ポンプ軸に接続された軸に連結される減速のための歯車列の出力段と,水平方向に軸承され突出させた入力軸とを有する」態様と,前者の「減速装置の入力軸を水平方向に突出させてこれに駆動装置を連結」する態様とは,「減速装置の入力軸を水平方向に突出させ」る概念において共通する。
そうすると,両者は,
「吐出しエルボの外壁をポンプの側の軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,
前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し,
前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプの側の軸と前記減速装置を連結し,
前記減速装置の入力軸を水平方向に突出させた,
立軸ポンプ」
の点で一致し,以下の各点で相違すると認められる。

<相違点1>
ポンプの側の軸が,本件特許の請求項2に係る発明では,「ポンプ軸」であるのに対して,甲第6-1号証に記載された発明では,「ポンプ軸に接続された軸」である点。

<相違点2>
本件特許の請求項2に係る発明では,「減速装置の入力軸を水平方向に突出させてこれに駆動装置を連結し,この駆動装置と吐出しエルボを同じ床に配設して構成した」のに対して,甲第6-1号証に記載された発明では,減速装置は水平方向に軸承され突出させた入力軸とを有する(減速装置の入力軸を突出させた)ものの,それ以上の特定はなされていない点。

上記相違点について検討する。
<相違点1について>
ポンプ軸が,下側のポンプ軸(以下,「軸2」という)と上側のポンプ軸に接続された軸(以下,「軸1」という。)で構成されている場合には,ポンプ軸が予め連結された軸1,2より構成されているので,吐出しエルボを機場の床に据え付けた後に,減速装置を軸1の上方から吊り降ろして筒状シャフトに軸1を嵌合し連結することができる。
これに対し,軸2はポンプ軸であるが,軸1はポンプ軸を構成せず,減速装置の部品であると仮定した場合,減速装置を軸1の上方から吊り降ろして,軸1を吐出しエルボ内に進入させ,吐出しエルボの内部で軸1の下端を軸2の上端で継手により連結する必要が生じる。吐出しエルボの内部で継手により軸1,2を連結するのは,作業性の点からすると現実的とはいえない。そもそも軸1を減速装置の軸とする場合には,軸の外側にさらに筒状シャフトを設ける必要はない。
以上によれば,軸1,2は1本のポンプ軸を単に分割構造にして継手で連結したものであって,軸1つまり「ポンプ軸に接続された軸」をポンプ軸とする方が自然である。
よって,甲第6-1号証に記載された発明の「ポンプ軸に接続された軸」を「ポンプ軸」とすることは,当業者が適宜なし得る事項である。

<相違点2について>
まず,本件特許の請求項2に係る発明の「同じ床」とは,本件特許明細書の段落【0016】の「図2に示すごとく,吐出しエルボ30が配設された床84に減速装置50の入力軸52に適宜の軸継手を介して連結された駆動装置86が配設される。」という記載及び本件特許の図2からみて,同じ高さの床を意味していると認められる。
そして,3.(3-0)(ウ)で上述したように,甲第14号証の立軸ポンプ(吐出しポンプ)及び傘歯車減速機(減速装置)の設置面とディーゼル機関(駆動装置)の設置面は実質的に同じ高さではない。
また,3.(3-0)(オ)で上述したように,甲第16-1号証の第9.53ページの図4は,概念図に過ぎず,設置面の高さについて何ら明記されていない上に,駆動装置と減速装置との高さが異なるのが一般的であるから,図面に床が別れて記載されているのを,同じ床つまり同じ高さの床と判断することはできない。
よって,甲第6-1号証に記載された発明に,甲第14号証又は甲第16-1号証に記載された事項を適用しても,相違点2に係る本件特許の請求項2に係る発明の構成にはならない。
したがって,本件特許の請求項2に係る発明は,甲第6-1号証に記載の発明と甲第14号証又は甲第16-1号証に記載された事項とに基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3-2)請求項2の無効理由2について
本件特許の請求項2に係る発明と公然実施された守口市ポンプの発明とを対比すると,後者の「立軸ポンプ」は前者の「立て軸ポンプ」及び「立軸ポンプ」に相当し,以下同様に,「減速機」は「減速装置」に,「ディーゼルエンジン」は「駆動装置」にそれぞれ相当する。
そして,後者の「吐出しエルボの外壁にギア台を介して減速機が搭載され」た態様は,前者の「吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し」た態様に相当し,後者の「吐出しエルボの外壁から突出したポンプ軸と減速機をカップリング連結し」た態様は,前者の「吐出しエルボの外壁から突出したポンプ軸と減速装置を連結し」た態様に相当する。
そうすると,両者は,
「吐出しエルボの外壁をポンプの側の軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,
前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し,
前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプの側の軸と前記減速装置を連結し,
前記減速装置の入力軸を水平方向に突出させてこれに駆動装置を連結した,
立軸ポンプ」
の点で一致し,以下の各点で相違すると認められる。

<相違点>
本件特許の請求項2に係る発明では,「この駆動装置と吐出しエルボを同じ床に配設して構成した」のに対して,公然実施された守口市ポンプの発明では,そのような特定はなされていない点。

上記相違点について検討する。
上記(3-1)請求項2の無効理由1の<相違点2について>で検討したのと同様の理由により,公然実施された守口市ポンプの発明に甲第14号証又は甲第16-1号証に記載された事項を適用しても,相違点に係る本件特許の請求項2に係る発明の構成にはならない。
したがって,本件特許の請求項2に係る発明は,公然実施された守口市ポンプの発明と甲第14号証又は甲第16-1号証に記載された事項とに基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3-3)請求項3の無効理由1について
本件特許の請求項3に係る発明と甲第6-1号証に記載された発明とを対比すると,後者の「立軸ポンプ」は前者の「立て軸ポンプ」及び「立軸ポンプ」に相当する。
また,後者の「ポンプ軸に接続された軸」と前者の「ポンプ軸」とは,「ポンプの側の軸」である点で共通し,後者の「減速装置は,ポンプ軸に接続された軸に連結される減速のための歯車列の出力段と,水平方向に軸承され突出させた入力軸とを有する」態様と,前者の「減速装置は,ポンプ軸に連結される減速のための歯車列の出力段と,水平方向に軸承される入力軸とを有」する態様とは,「減速装置は,ポンプの側の軸に連結される減速のための歯車列の出力段と水平方向に軸承される入力軸を有」する概念において共通し,後者の「入力軸は,前記入力軸に固定されたかさ歯車が,前記ポンプ軸に接続された軸に連結された筒状シャフトに固定配設されたかさ歯車に噛み合うことで,前記筒状シャフトに固定配設されたかさ歯車よりも下方に配置され」る態様と,前者の「入力軸は,ポンプ軸と平行な中間軸を介して出力段に連結されることによって,前記出力段よりも下方に配置され」る態様とは,「入力軸は,出力段に連結されることによって,ポンプの側の軸に連結される出力段の歯車よりも下方に配置され」る概念において共通する。
そうすると,両者は,
「吐出しエルボの外壁をポンプの側の軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,
前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し,
前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプの側の軸と前記減速装置を連結し,
前記減速装置は,前記ポンプの側の軸に連結される減速のための歯車列の出力段と,水平方向に軸承される入力軸とを有し,
前記入力軸は,出力段に連結されることによって,ポンプの側の軸に連結される出力段の歯車よりも下方に配置され,
前記ポンプの側の軸を前記吐出しエルボの外壁の上方に設けた隔壁を貫通させて,前記吐出しエルボの外壁と前記隔壁の間に空間部を形成し,前記隔壁を含んで前記減速装置のケーシングを形成し,
前記空間部をその側方の窓部で外部と連通するように構成した,
立軸ポンプ。」
の点で一致し,以下の点で相違する。

<相違点1>
ポンプの側の軸が,本件特許の請求項3に係る発明では,「ポンプ軸」であるのに対して,甲第6-1号証に記載された発明では,「ポンプ軸に接続された軸」である点。

<相違点2>
本件特許の請求項3に係る発明では,「入力軸は,ポンプ軸と平行な中間軸を介して出力段に連結されることによって,前記出力段よりも下方に配置され」るのに対して,甲第6-1号証に記載された発明では,入力軸は,前記入力軸に固定されたかさ歯車が,ポンプ軸に接続された軸に連結された筒状シャフトに固定配設されたかさ歯車に噛み合うことで,前記筒状シャフトに固定配設されたかさ歯車よりも下方に配置されている点。

上記相違点について検討する。
<相違点1について>
上記(3-1)請求項2の無効理由1の<相違点1について>で検討したのと同様の理由により,相違点1に係る本件特許の請求項3に係る発明の構成とすることは,当業者が適宜なし得たものである。

<相違点2について>
上記 3.(3-0)(カ)で上述したように,甲第17号証,甲第18号証に記載された立軸ポンプの減速機は,「入力軸は,出力軸と平行な中間軸を介して出力段に連結される」ものではあるが,入力軸を出力段よりも「積極的」に下げて配置しようとする技術思想を開示するものではないから,甲第6-1号証に記載された発明に甲第17号証,甲第18号証に記載された事項を適用して,前記相違点2に係る本件特許の請求項3に係る発明の構成とすることはできない。

したがって,本件特許の請求項3に係る発明は,甲第6-1号証に記載の発明と甲第17号証又は甲第18号証に記載された事項とに基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3-4)請求項3の無効理由2について
本件特許の請求項3に係る発明と公然実施された守口市ポンプの発明とを対比すると,後者の「立軸ポンプ」は前者の「立て軸ポンプ」及び「立軸ポンプ」に相当し,以下同様に,「減速機」は「減速装置」に,「ディーゼルエンジン」は駆動装置にそれぞれ相当する。
また,後者の「吐出しエルボの外壁にギア台を介して減速機が搭載され」た態様は,前者の「吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し」た態様に相当し,後者の「吐出しエルボの外壁から突出したポンプ軸と減速機をカップリング連結し」た態様は,前者の「吐出しエルボの外壁から突出したポンプ軸と減速装置を連結し」た態様に相当する。
そして,後者の「減速機の入力軸を水平方向に突出させてこれにディーゼルエンジンを連結し」た態様と,前者の「減速装置は,ポンプ軸に連結される減速のための歯車列の出力段と,水平方向に軸承される入力軸とを有し」た態様とは,「減速装置は,水平方向の入力軸を有し」た概念において共通し,後者の「ギア台に空間を形成して前記空間の側方は窓を介して外部と連通している」態様と,前者の「ポンプ軸を吐出しエルボの外壁の上方に設けた隔壁を貫通させて,前記吐出しエルボの外壁と前記隔壁の間に空間部を形成し,前記隔壁を含んで減速装置のケーシングを形成し,前記空間部をその側方で外部と連通するように構成した」態様とは,ギア台は「吐出しエルボの外壁と隔壁の間」に設置されているものの,ギア台の空間が吐出しエルボの外壁自体と隔壁自体との間に形成されたものではないから,「空間部を形成し,前記空間部をその側方で外部と連通するように構成した」概念において共通する。
そうすると,両者は,
「吐出しエルボの外壁からポンプ軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,
前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し,
前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸と前記減速装置を連結し,
前記減速装置は水平方向の入力軸を有し,
空間部を形成して前記空間部をその側方で外部と連通するように構成した,
立軸ポンプ。」
の点で一致し,以下の各点で相違すると認められる。

<相違点1’>
本件特許の請求項3に係る発明では,「減速装置は,ポンプ軸に連結される減速のための歯車列の出力段と,水平方向に軸承される入力軸とを有し,前記入力軸は,前記ポンプ軸と平行な中間軸を介して前記出力段に連結されることによって,前記出力段よりも下方に配置され」るのに対して,公然実施された守口市ポンプの発明では,「減速機(減速装置)の入力軸を水平方向に突出させた」ものの,それ以上の特定はなされていない点。

<相違点2’>
本件特許の請求項3に係る発明では,「ポンプ軸を吐出しエルボの外壁の上方に設けた隔壁を貫通させて,前記吐出しエルボの外壁と前記隔壁の間に空間部を形成し,前記隔壁を含んで減速装置のケーシングを形成し,前記空間部をその側方で外部と連通するように構成した」のに対して,公然実施された守口市ポンプの発明では,吐出しエルボの外壁と隔壁の間の一部に設置されたギア台に空間(空間部)を形成し,前記空間(空間部)の側方は窓を介して外部と連通しているものの,それ以上の特定はなされていない点。

上記相違点について検討する。
<相違点1’について>
守口市ポンプの発明の減速機(減速装置)側にある軸は,ポンプ軸とカップリング連結されたものであり,従来の技術の減速機(減速装置)の出力軸であって,ポンプ軸とはいえない。
そして,上記 3.(3-0)(カ)で上述したように,甲第17号証,甲第18号証に記載された立軸ポンプの減速機は,「入力軸は,出力軸と平行な中間軸を介して出力段に連結される」ものではあるが,入力軸を出力段よりも「積極的」に下げて配置しようとする技術思想を開示するものではないから,守口ポンプの発明に甲第17号証,甲第18号証に記載された事項を適用して,上記相違点1’に係る本件特許の請求項3に係る発明の構成とすることはできない。

<相違点2’について>
守口市ポンプの減速機(減速装置)の底板(隔壁)があれば,この隔壁を貫通するのは,ポンプ軸とカップリング連結された減速機の出力軸と認められ,ポンプ軸とはいえない。
また,上述したように守口市ポンプのギア台の空間は,吐出しエルボの外壁自体と隔壁自体との間に形成されたものではない上に,空間に設けた窓の作用も,カップリングの点検・分解等のためのものであり(審判請求書第29ページ第14行?第16行),本件特許の請求項3に係る発明の「流体が空間部に漏れ出しても側方の外部に排出される」という作用効果を奏するものではない。
よって,守口市ポンプの発明に基づいて,上記相違点2’に係る本件特許の請求項3に係る発明の構成とすることが容易に想到できるものではない。

したがって,本件特許の請求項3に係る発明は,公然実施された守口市ポンプの発明と甲第17号証又は甲第18号証に記載された事項とに基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3-5)請求項7の無効理由1について
本件特許の請求項7に係る発明と甲第6-1号証に記載された発明とを対比すると,上記(3-3)請求項3の無効理由1についてにおける対比に加えて,後者の「減速装置の歯車列の歯車を筒状シャフトに固定配設し」た態様は,前者の「減速装置の歯車列の出力段の歯車を筒状シャフトに固定配設し」た態様に相当する。
そうすると,両者は,
「吐出しエルボの外壁をポンプの側の軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,
前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し,
前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプの側の軸と前記減速装置を連結し,
前記減速装置は,前記ポンプの側の軸に連結される減速のための歯車列の出力段と,水平方向に軸承される入力軸とを有し,
前記入力軸は,出力段に連結されることによって,ポンプの側の軸に連結される出力段の歯車よりも下方に配置され,
前記減速装置の歯車列の出力段の歯車を筒状シャフトに固定配設し,
この筒状シャフトを前記吐出しエルボの外壁から突出する前記ポンプの側の軸に嵌合させるとともに連結して構成した,
立軸ポンプ。」
の点で一致し,以下の点で相違する。

<相違点1>
ポンプの側の軸が,本件特許の請求項7に係る発明では,「ポンプ軸」であるのに対して,甲第6-1号証に記載された発明では,「ポンプ軸に接続された軸」である点。

<相違点2>
本件特許の請求項7に係る発明では,「入力軸は,ポンプ軸と平行な中間軸を介して出力段に連結されることによって,前記出力段よりも下方に配置され」るのに対して,甲第6-1号証に記載された発明では,入力軸は,前記入力軸に固定されたかさ歯車が,ポンプ軸に接続された軸に連結された筒状シャフトに固定配設されたかさ歯車に噛み合うことで,前記筒状シャフトに固定配設されたかさ歯車よりも下方に配置されている点。

上記相違点について検討すると,上記相違点1,2は,上記(3-3)請求項3の無効理由1の相違点1,2とそれぞれ同様である。
そうすると,本件特許の請求項7に係る発明は,上記(3-3)請求項3の無効理由1と同様な理由により,甲第6-1号証に記載された発明と甲第17号証又は甲第18号証に記載された事項とに基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3-6)請求項7の無効理由2について
本件特許の請求項7に係る発明と公然実施された守口市ポンプの発明とを対比すると,上記(3-4)請求項3の無効理由2についてにおける対比を参照すると,両者は,
「吐出しエルボの外壁からポンプ軸が貫通突出する立て軸ポンプにおいて,
前記吐出しエルボの外壁に減速装置を付設し,
前記吐出しエルボの外壁から突出した前記ポンプ軸と前記減速装置を連結し,
前記減速装置は水平方向の入力軸を有した,
立軸ポンプ。」
の点で一致し,以下の各点で相違すると認められる。

<相違点1’>
本件特許の請求項7に係る発明では,「減速装置は,ポンプ軸に連結される減速のための歯車列の出力段と,水平方向に軸承される入力軸とを有し,前記入力軸は,前記ポンプ軸と平行な中間軸を介して前記出力段に連結されることによって,前記出力段よりも下方に配置され」るのに対して,公然実施された守口市ポンプの発明では,「減速機(減速装置)の入力軸を水平方向に突出させたものの,それ以上の特定はなされていない点。

<相違点2’>
本件特許の請求項7に係る発明では,「減速装置の歯車列の出力段の歯車を筒状シャフトに固定配設し,この筒状シャフトを吐出しエルボの外壁から突出するポンプ軸に嵌合させるとともに連結して構成した」のに対して,公然実施された守口市ポンプの発明では,そのような特定はなされていない点。

上記相違点について検討する。
<相違点1’について>
相違点1’は,上記(3-4)請求項3の無効理由2についてにおいて検討した<相違点1’>と同様であるから,上記(3-4)請求項3の無効理由2についての<相違点1’について>において検討したのと同様な理由により,守口ポンプの発明に甲第17号証,甲第18号証に記載された事項を適用して,上記相違点1’に係る本件特許の請求項7に係る発明の構成とすることはできない。

<相違点2’について>
甲第6-1号証には,上述したように,「減速装置の歯車列の(出力段の)歯車を筒状シャフトに固定配設し,この筒状シャフトを吐出しエルボの外壁から突出するポンプ軸に接続された軸に嵌合するとともに連結して構成した立軸ポンプ」が記載されており,上記(3-1)請求項2の無効理由1についての<相違点1について>で述べたように,該「ポンプ軸に接続された軸」を「ポンプ軸」と解することが,技術的に自然なことといえるから,上記相違点2’に係る本件特許の請求項7に係る発明の構成とすることは,甲第6-1号証等(甲第19号証?甲第20-2号証,甲第21号証,甲第22号証)の周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。

したがって,本件特許の請求項7に係る発明は,公然実施された守口市ポンプの発明と甲第17号証又は甲第18号証に記載された事項及び周知技術とに基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3-7)小括
以上のとおり,本件特許の請求項2,3,7に係る発明は,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができないものであり,本件特許の請求項2,3,7に係る発明の特許は,特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とすべきものであるとする請求人の主張は採用することができない。

VI.むすび
以上のとおりであるから,請求人の主張及び証拠方法によっては,本件特許の請求項1?8に係る発明の特許を無効とすることはできない。
審判に関する費用については,特許法169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-11-30 
結審通知日 2012-12-04 
審決日 2012-12-19 
出願番号 特願平9-368834
審決分類 P 1 113・ 537- Y (F04D)
P 1 113・ 55- Y (F04D)
P 1 113・ 536- Y (F04D)
P 1 113・ 121- Y (F04D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 黒瀬 雅一  
特許庁審判長 大河原 裕
特許庁審判官 川口 真一
藤井 昇
登録日 2002-05-17 
登録番号 特許第3306749号(P3306749)
発明の名称 立軸ポンプ  
代理人 阪本 政敬  
代理人 小林 正和  
代理人 青井 秀夫  
代理人 奥村 直樹  
代理人 小林 正和  
代理人 小林 正和  
代理人 辻居 幸一  
代理人 奥村 直樹  
代理人 前堀 義之  
代理人 田中 光雄  
代理人 松下 満  
代理人 渡邊 徹  
代理人 吉田 和彦  
代理人 井野 砂里  
代理人 倉澤 伊知郎  
代理人 渡邊 徹  
代理人 弟子丸 健  
代理人 井野 砂里  
代理人 井野 砂里  
代理人 前田 厚司  
代理人 辻居 幸一  
代理人 吉田 和彦  
代理人 渡邊 徹  
代理人 吉田 和彦  
代理人 松下 満  
代理人 弟子丸 健  
代理人 辻居 幸一  
代理人 倉澤 伊知郎  
代理人 奥村 直樹  
代理人 松下 満  
代理人 弟子丸 健  
代理人 倉澤 伊知郎  
代理人 山崎 宏  
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