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審決分類 審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) A47J
管理番号 1271039
判定請求番号 判定2012-600035  
総通号数 160 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 2013-04-26 
種別 判定 
判定請求日 2012-10-01 
確定日 2013-03-08 
事件の表示 上記当事者間の特許第4690504号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 イ号図面(写真)及びその説明書に示す「スチームIHジャー炊飯器(形式番号:SR-SX102)」は、特許第4690504号発明の技術的範囲に属しない。 
理由 第1 請求の趣旨・手続の経緯
1.請求の趣旨
本件判定請求の趣旨は、イ号図面(写真)及びイ号物件説明に示す、被請求人であるパナソニック株式会社(以下「被請求人」という。)が製造した、スチームIHジャー炊飯器(形式番号:SR-SX102)(以下「イ号物件」という。)が、特許第4690504号の請求項1記載の発明の技術的範囲に属する、との判定を求めるものである。

2.手続の経緯
平成22年12月 7日 出願
平成23年 2月25日 特許登録
平成24年10月 1日 本件判定請求
平成24年10月24日 審尋(発送日10月26日)
平成24年11月15日 回答書
平成24年11月22日 手続補正書
平成24年12月28日 判定請求答弁書

第2 本件特許発明
特許第4690504号の請求項1に係る発明(以下「本件特許発明」という。)は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであり、その発明を構成要件に分説すると次のとおりである。

なお、請求人は、本件特許発明の一部の構成要件のみを抽出し分説しているため、本件特許発明を分説したものとはいえないので、被請求人の分説(A)?(P)(以下、それぞれ本件特許発明の構成要件(A)?(P)等という。)のとおりとする。

(A)外釜本体の内側に連結付帯する部材や本体内釜と本体外蓋に内部部材を設け、前記本体内釜内部に備える炊飯内鍋と炊飯内鍋蓋を設け一体の炊飯器を構成した保温時炊き立て米飯機能を有する保温付電気炊飯器であって、前記保温付炊飯器は、円筒底周縁全体に底を形成し円筒上部縁の肩に蝶番を備え前記外釜本体を設け、内側に円形空間を備え円筒底周縁全体に底を形成し前記両内外釜上部肩で連結し二層として前記本体内釜を設け、且つ、前記本体内釜の底中心に円形開口部を設け、
(B)前記円形開口部上に前記円形開口部より大きな円形中心に熱応動開閉器の頭部が突出するよう円形開口部を設けた前記本体内釜を設け、
(C)前記本体内釜に炊飯内鍋を入れると前記本体内釜に設けた熱応動開閉器に接触し米飯は炊き上がる炊飯内鍋を設け、
(D)円形ドーム型本体外蓋は上部にフックや前記外釜本体と係合さす蝶番を備え前記本体外蓋裏に突起を備える平板の裏蓋を設け形成し、
(E)前記外釜本体内側の円形空間に四角形の開口部を備えた給水口14を前記外釜内壁に係合させ給水タンクとタイマー付IC電動給水コックと接続されているフロート逆止弁続いて蒸気逆止弁を設け、
(F)前記外釜本体の底中央に熱応動開閉器を前記本体内釜と接合させ設け、
(G)その横に円形パイプ状の水加熱器と加熱ヒーターを抱合わせ横U字型に接合させ設け、
(H)第2次加圧パイプを前記外釜本体と前記本体内釜内の肩に設けた孔を貫通させ嵌合し、
(I)前記第2次加圧パイプの一方には伸縮自在パイプの先に蒸気噴出口を設け、
(J)前記各部材の接続には銅製パイプを設け形成し、
(K)前記炊飯内鍋は、上部に前記炊飯内蓋を載せるヒンジと前記炊飯内鍋を取り出す持ち手を設け、
(L)前記内蓋は、円形で二つの円形突起台形と円形中心に円形の台形を設け、
(M)円形の中心に本体外蓋裏に設けてある内蓋止めと脱着自在な穴を設け、
(N)前記円形の内蓋15の外側縁の上部返し部と円形中心に円形突起台形間に円周を等間隔にして5つの吹出し穴(第2次蒸気噴出口8)や中心に円形突起台形と円形の台形間に円周を等間隔にして8つの吹出し穴(第1次蒸気噴出口13)を設け、
(O)前記外釜本体の蝶番と前記本体外蓋の蝶番を係合させ一体化させ前記本体外蓋を閉めることにより第2蒸気溜気通過室と第1蒸気溜気通過室が気密室になり圧縮された蒸気は炊飯内蓋に設けられた第2次蒸気噴出口と第1次蒸気噴出口より炊飯内鍋の保温状態の米飯に霧状の蒸気が噴出されるようにしたことを特徴とする、
(P)保温時炊き立て米飯機能を有する保温付電気炊飯器。

なお、構成要件(K)の「炊飯内釜」は、「炊飯内釜」を「取り出す」ことが不可能であることから、「炊飯内鍋」の誤記と認められ、また、構成要件(O)の「前記外釜蓋」はそれ以前に「外釜蓋」はなく「前記本体外蓋」の誤記と認められるので、本件特許発明を上記のように認定した(下線は当審にて付与。)。

第3 イ号物件
1.イ号図面及びその説明について
イ号物件は請求人の提出した甲第2号証の10頁の上部に記載された製品であるが、その図面及び説明は判定請求書及び回答書、手続補正書をみても明確でないので、被請求人の提出した答弁書に基づいて以下、検討する。
被請求人の提出した答弁書に添付された乙第1号証の図1?図4のイ号図面(写真)は、イ号物件を示すものであり、答弁書(3?4頁)には、以下のように、イ号物件の構成についての説明が記載されている(なお、被請求人が記載の「イ号製品」は「イ号物件」と読み替える)。
「(1)図1に示すように、イ号製品は、内部に本体内釜102が形成された略有底筒状の外釜本体101と、本体内釜内102に収容され、米と水とが入れられる炊飯内鍋103とを備える。外釜本体101の上部には、外釜本体101の上部開口部を開閉可能な中空構造の本体外蓋104が取り付けられている。本体外蓋104の内側(外釜本体101の上部開口部を覆う側)には、炊飯内鍋103の上部開口部を密閉可能な略円盤状の炊飯内鍋蓋105が着脱可能に取り付けられている。外釜本体101と本体外蓋104とは上面視にて大略四角形状を有している。また、本体内釜102の底部中央には、炊飯内鍋103の温度を検出する鍋温度センサ115が設けられている。
(2)外釜本体101における本体内釜102の外側には、給水タンク106が着脱可能に収容される。給水タンク106は、蒸気を生成するための水を入れる有底筒状の容器である。なお、外釜本体101における給水タンク106を収容する部分には、収容された状態の給水タンク106を外周面側より加熱する加熱コイル107が設けられている。加熱コイル107は、給水タンク106内の水を加熱して蒸気を発生させる。
(3)本体外蓋104には、閉止状態にて、給水タンク106の上部開口と連通される蒸気導入口108が設けられている。給水タンク106にて生成された蒸気が、蒸気導入口108を通じて、本体外蓋104内に導かれる。
(4)図2に示すように、本体外蓋104内には、蒸気を加熱する蒸気加熱ヒータ109と、蒸気導入口108を通して給水タンク106より導かれた蒸気を蒸気加熱ヒータ109へと導く第1蒸気パイプ110と、蒸気加熱ヒータ109にて加熱された蒸気を炊飯内鍋103へと導く第2蒸気パイプ112とが備えられている。また、本体外蓋104の内側には、第2蒸気パイプ112と連通された第1蒸気噴出口113が形成されており、この第1蒸気噴出口113に連通するように炊飯内鍋蓋105に第2蒸気噴出口114が形成されている(図1参照)。なお、炊飯内鍋103に対して第2蒸気噴出口114は1個のみ設けられている。また、第1蒸気パイプ110および第2蒸気パイプ112には、ステンレス製パイプが用いられている。蒸気加熱ヒータ109は、第1蒸気パイプ110より導かれた蒸気を加熱して過熱蒸気を生成する。
(5)このような構成のイ号製品における蒸気の流れを主に図3および図4に示す。加熱コイル107により給水タンク106内の水が加熱されることにより蒸気が生成され、生成された蒸気は、給水タンク106の上部開口と連通される本体外蓋104の蒸気導入口108を通じて本体外蓋104内へ導かれる。
(6)導入された蒸気は第1蒸気パイプ110により蒸気加熱ヒータ109へと導かれて、蒸気加熱ヒータ109にて過熱蒸気が生成される。過熱蒸気は第2蒸気パイプ112、第1蒸気噴出口113、および第2蒸気噴出口114を通じて、炊飯内鍋103内へと供給される。」

2.イ号物件の構成
被請求人が提出した答弁書のイ号写真及びイ号物件の説明並びに請求人が提出した甲第2号証(被請求人パナソニック株式会社発行のカタログ)及び甲第3号証(インターネット会員サイト通販カタログ「CLUBPanasonic」)からみて、イ号物件は、次の構成a?pを備えるものと認められる。

(a)外釜本体101の内側に連結付帯する部材や本体内釜102と本体外蓋104に内部部材を設け、前記本体内釜102内部に備える炊飯内鍋103と炊飯内鍋蓋104を設け一体の炊飯器を構成した保温時炊き立て米飯機能を有する保温付電気炊飯器であって、前記保温付炊飯器は、四角柱底周縁全体に底を形成し四角柱上部縁の肩に蝶番を備え前記外釜本体101を設け、内側に円形空間を備え円筒底周縁全体に底を形成し前記両内外釜上部肩で連結し前記本体内釜102を設け、且つ、前記本体内釜102の底中心に円形開口部を設け、
(b)前記円形開口部上に前記円形開口部より大きな円形中心に鍋温度センサ115の頭部が突出するよう円形開口部を設けた前記本体内釜102を設け、
(c)前記本体内釜102に炊飯内鍋103を入れると前記本体内釜102に設けた鍋温度センサ115に接触し米飯は炊き上がる炊飯内鍋103を設け、
(d)四角形ドーム型本体外蓋104は上部にフックや前記外釜本体101と係合さす蝶番を備え前記本体外蓋104裏に平板の裏蓋を設け形成し、
(e)前記外釜本体101内側で本体内釜102の外側の両内外釜上部肩にある収容部内に上部開口を有する有底筒状の給水タンク106を設け、蒸気は給水タンク106内の水が加熱されることにより発生され、給水タンク106の上部開口と連通される本体外蓋104の蒸気導入口108を通じて本体外蓋104内へ導かれ、第1蒸気パイプ110により蒸気加熱ヒータ109へと導かれて、過熱蒸気が生成され、
(f)前記外釜本体101の底中央に鍋温度センサ115を前記本体内釜102と接合させ設け、
(g)前記給水タンク106の収納部に給水タンク106を外周面側より加熱する加熱コイル107を設け、本体外蓋104内に蒸気加熱ヒータ109を設け前記鍋温度センサ115の周囲に炊飯内鍋103を加熱する渦巻き状の誘導加熱コイルを設け、
(h)本体外蓋104内には、蒸気を加熱する蒸気加熱ヒータ109と、蒸気導入口108を通して給水タンク106より導かれた蒸気を蒸気加熱ヒータ109へと導く第1蒸気パイプ110と、蒸気加熱ヒータ109にて加熱された蒸気を炊飯内鍋103へと導く第2蒸気パイプ112とが設けられ、本体外蓋104の内側には、第2蒸気パイプ112と連通された第1蒸気噴出口113が形成されており、この第1蒸気噴出口113に連通するように炊飯内鍋蓋105に第2蒸気噴出口114が形成され、
(i)前記第1蒸気パイプ110及び第2蒸気パイプ112はステンレス製で、第2蒸気パイプの先に第1蒸気噴出口113を設け、
(j)前記各部材の接続にはステンレス製パイプを設け形成し、
(k)前記炊飯内鍋は、上部に前記炊飯内蓋を載せ、前記炊飯内鍋を取り出す持ち手を設け、
(l)前記内蓋は、円形でほぼ平坦であり、
(m)円形の周縁の一部に本体外蓋裏に設けてある内蓋止めの溝と脱着自在な係止部を設け、
(n)前記円形の内蓋に1つの吹出し穴(第2蒸気噴出口114)を設け、
(o)前記外釜本体の蝶番と前記本体外蓋の蝶番を係合させ一体化させ前記本体外蓋を閉めることにより蒸気は炊飯内蓋に設けられた第2蒸気噴出口114より炊飯内鍋の保温状態の米飯に霧状の蒸気が噴出されるようにした、
(p)保温時炊き立て米飯機能を有する保温付電気炊飯器。

第4 構成要件の充足性について
1.構成要件(E)について
イ号物件の構成(e)の「給水タンク」は内部に収容した水を加熱し蒸気を生成し、その蒸気は、給水タンク106の上部開口と連通される本体外蓋104の蒸気導入口108を通じて本体外蓋104内へ導かれ、その後、本体外蓋104内に導入された蒸気は第1蒸気パイプ110により蒸気加熱ヒータ109へと導かれて、蒸気加熱ヒータ109にて過熱蒸気が生成されるものであり、本件特許発明の構成要件(E)の「給水タンク」のように「外釜本体内側の円形空間に四角形の開口部を備えた給水口14」を有し、さらに、「給水タンク」に「タイマー付IC電動給水コック」、「フロート逆止弁」、および「蒸気逆止弁」接続しているものには相当しない。
したがって、イ号物件の構成(e)は、本件特許発明の構成要件(E)を充足しない。

2.構成要件(G)について
イ号物件の構成(g)の「加熱コイル107」は本体内側102の外側における給水タンク106の周囲に設けられ、かつコイル状の形態を有するとともに、「蒸気加熱ヒータ109」は本体外蓋104内に設けられており、設置場所が外釜本体の底中央とは異なる蒸気発生に用いる2つの加熱手段であるイ号物件の構成(g)の「加熱コイル107」及び「蒸気加熱ヒータ109」は、本件特許発明の構成要件Gの「その横(外釜本体の底中央)に」設けられた「円形パイプ状の水加熱器と加熱ヒーター」に相当しない。
したがって、イ号物件の構成(g)は、本件特許発明の構成要件(G)を充足しない。

3.構成要件(H)について
イ号物件では、本体外蓋104内に、第1蒸気パイプ110および第2蒸気パイプ112が設けられており、外釜本体と本体内釜102内の肩に相当する部分にパイプが嵌め合わされるような孔は設けられておらず、イ号物件の構成(h)の「第1蒸気パイプ」及び「第2蒸気パイル」は、本件特許発明の構成要件(H)の「前記外釜本体と前記本体内釜内の肩に設けた孔を貫通させ嵌合」する「第2次加圧パイプ」に相当しない。
したがって、イ号物件の構成(h)は、本件特許発明の構成要件(H)を充足しない。

4.構成要件(N)について
イ号物件では、炊飯内鍋蓋105には「吹出し穴」として「第2蒸気噴出口114」が1個のみ設けられているので、イ号物件の構成(n)の「吹出し穴」の「第2蒸気噴出口114」は、本件特許発明の構成要件(N)の「内蓋15」に多数設けられた「5つの吹出し穴(第2次蒸気噴出口8)」及び「8つの吹出し穴(第1次蒸気噴出口13)」に相当しない。
したがって、イ号物件の構成(n)は、本件特許発明の構成要件(N)を充足しない。

第5 むすび
以上のように、イ号物件は、少なくとも本件特許発明の構成要件(E)、(G)、(H)(N)を充足しないから、イ号物件の構成(a)?(d)、(f)、(i)?(m)、(o)、(p)について検討するまでもなく、イ号物件は、本件特許発明の技術的範囲に属しない。
よって、結論のとおり判定する。
 
別掲 請求人の提出した甲第2号証の10頁の上部に記載された製品

 
判定日 2013-02-28 
出願番号 特願2010-272158(P2010-272158)
審決分類 P 1 2・ 1- ZB (A47J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 一ノ瀬 覚  
特許庁審判長 森川 元嗣
特許庁審判官 長浜 義憲
山崎 勝司
登録日 2011-02-25 
登録番号 特許第4690504号(P4690504)
発明の名称 保温時も炊き立て米飯機能を有する保温付電気炊飯器  
代理人 岡部 博史  
代理人 鮫島 睦  
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