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審決分類 審判 全部無効 1項3号刊行物記載  D21B
管理番号 1279648
審判番号 無効2011-800091  
総通号数 167 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-11-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2011-06-03 
確定日 2013-09-27 
事件の表示 上記当事者間の特許第3749463号発明「製紙用の円錐型パルプ離解装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3749463号の請求項1ないし3に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯
特許第3749463号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし3に係る発明は、平成13年9月25日に特許出願され(特願2001-291426号)、平成17年12月9日に特許権の設定登録がなされたものである。
これに対して、平成23年6月3日に、本件無効審判が請求された。
請求書副本は、被請求人あてに郵送されたが送達されず、公示送達に付された(官報掲載 平成24年1月20日)。
これに対して、被請求人から何ら応答がなかった。


第2.本件発明
本件特許の請求項1ないし3に係る発明は、特許明細書、特許請求の範囲及び図面の記載から見て、その特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載されたとおりのものと認めるべきところ、請求項2に記載された「請求項1に載の」は、「請求項1に記載の」の明らかな誤記であると認められるから、「請求項1に記載の」と読み替えて、次のとおりのものと認める。

「【請求項1】
支持構造体(1)を用いて形成される、製紙用の円錐型パルプ離解装置であって、
上記支持構造体(1)は、内部に水平状に配置された枠体(2)及び前蓋体(3)を支持するとともに、上記前蓋体(3)の軸心上に設けられた離解しようとする材料装入用の入口(5)と周面部に設けられた離解済材料取出用の出口(6)とを有する、上記入口(5)から出口(6)へと拡開する円錐状の離解チャンバ(4)を画定し、
上記支持構造体(1)に回転軸(7)が設けられ、該回転軸(7)は上記枠体(2)の内方に前進可能にかつその自由端部が上記離解チャンバ(4)と同軸状に配置され、
上記離解チャンバ(4)の内部に、内離解円錐体(13)及び外離解円錐体(14)から成る一対の静止円錐体を配置するとともにこれらの静止円錐体間に上記回転軸(7)の自由端部に上記入口(5)から出口(6)へと拡開する重ね合せ円錐ロータを配置し、この重ね合せ円錐ロータが、小径端基部の周方向に離解しようとする材料を流通する、複数の開口(9)を配列するとともに該小径端基部に軸方向に延びる円筒管部(10)を有する、円錐状回転体(8)であって、回転軸(7)の自由端部に軸方向における位置を調節可能に固定される、円錐状回転体(8)の内周面及び外周面に、それぞれ、対応する内離解円錐体(11)及び外離解円錐体(12)から成る一対の回転円錐体を配置することにより、重ね合せ円錐ロータの内外に2つの離解円錐面部を形成した離解機構部を設けたことを特徴とする、製紙用の円錐型パルプ離解装置。
【請求項2】
相補的な内離解円錐体(13)と外離解円錐体(14)から成る、静止円錐体対を、それぞれ、枠体(2)における離解チャンバ(4)の底部と前蓋体(3)の内面部に、軸方向における位置を調節可能にかつ重ね合せ円錐ロータにおける内離解円錐体(11)と外離解円錐体(12)にそれぞれ対向するように固定することにより、上記一対の静止円錐体(13、14)と上記重ね合せ円錐ロータ間に、2つの中間円錐面又は離解領域を画定した、請求項1に記載の円錐型パルプ離解装置。
【請求項3】
重ね合せ円錐ロータが、離解回転軸(7)の自由端部の所定位置に固定可能とした円錐状回転体(8)により形成され、該円錐状回転体(8)の内周面及び外周面に、それぞれ、離解ブレード又はウィングを取付けて二重離解面部を形成した、請求項1に記載の円錐型パルプ離解装置。」

(以下、上記請求項1に係る発明を「本件特許発明1」、上記請求項2に係る発明を「本件特許発明2」、上記請求項3に係る発明を「本件特許発明3」という。)


第3.審判請求人の主張
審判請求人が主張する無効理由の要旨は、次のとおりである。

無効理由1
本件の請求項1?3に係る各特許発明は、特許請求の範囲の記載が明確でないから、特許法第36条第6項第2号の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきである。

無効理由2
本件の請求項1?3に係る各特許発明は、甲第1号証に記載された発明と同一又は、甲第1号証に記載された発明に基づいて、出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号又は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきである。


第4.当審の判断
請求人が主張する無効理由2について検討する。

1.甲第1号証に記載された発明
甲第1号証は、本件特許の特許出願前に頒布された刊行物である米国特許第5836530号明細書(1998年11月17日発行)であって、図面とともに以下の事項が記載されている。(翻訳文は請求人が提出したものに基づく。)

(1)「In conformity with the illustrations of by the aforementioned figures, the paper manufacture conical-type pulp refiners improvements, which constitute the present invention objective, initially comprise a support structure 1 (FIG. 4), which sustains a framework 2, horizontally disposed and with a front lid 3, said set of framework 2 and front lid 3, internally defining a conical-shaped refining chamber 4, with sole and axial entrance 5 of the material to be refined, centered on the front lid 3 itself, and radial side exit 6 of the material already refined, the set also including a rotatory axis 7, naturally supported by the support structure 1, advancing into the framework 2 interior and with the free end centered inside the mentioned refining conical and internal chamber 4.
Inside the structural set thus formed, and more specifically inside the refining conical chamber 4, the refining set itself is mounted, including a stationary conicals pair and a rotatory conicals pair, the latter positioned between the former, thus defining two refining conical surfaces.
As to the pair of rotatory conicals aforementioned, it is formed as from a conical rotor 8 (FIGS. 1 and 2), with the smaller base having an opening circumferential alignment 9, passage for the material, and involving an internal and axial cylindrical tube 10, firmly applicable, but with axial adjustment possibility, on the rotatory axis 7 free end, the referred conical rotor 8 receiving, on their respective internal and external faces, the corresponding refining conical, internal 11 and external 12, where they stay steadily disposed, thus composing a rayed conical rotor (FIG. 3).
Obviously, and in another embodiment, as shown in FIGS. 5 and 6, the rayed conical rotor might be formed as from an identical rayed conical 15, also fixable on the refiner rotatory free end, and itself endowed with double refining face, by the application of refining blades or wings 16 on the very conical rotor internal 17 and external 18 faces.
On its turn, and additionally, the stationary conical pair, that is, the internal conical refiner 13 and the external conical refiner 14 are fixedly mounted, but also with axial adjustment possibilities, respectively on the refining chamber bottom 4 of framework 2 and on said chamber front lid 3 internal face, positioned directly towards the internal 11 and external 12 conical refiners of the rayed conical rotor, and with the consequent delimitation, between them, of two intermediate conical surfaces or refining zones (FIG. 4)」(第2欄第30行?第3欄第7行)」

(翻訳文)
「添付図面に示されるように、本発明の改良された製紙用の円錐パルプ離解装置は、基本的に、支持構造体1(図4)により構成される。支持構造体1は、水平に配置された前蓋体3を具備する枠体2を支持している。枠体2と前蓋体3との組合せ体は、内部に円錐形の離解チャンバ4を画定している。離解チャンバ4は、前蓋体3と同心状に、軸方向に沿って離解しようとする材料を装入するための単一の入口5を有するとともに、半径方向側面部に、離解済の材料を取り出すための出口6を有する。離解器対は、支持構造体1に支持されるとともに枠体2の内方に進行可能とされた回転軸7を含み、該回転軸7は、上記円錐状離解チャンバ4の内部に同心の自由端部を有する。
上記装置の内部、更に詳しくは、離解円錐チャンバ4の内部は、つぎのようにして形成される。即ち、当該離解器対は、一対の静止円錐体と、一対の回転円錐体とにより構成される。上記一対の静止円錐体間に、上記一対の回転円錐体を挿入して配置され、このようにして、2つの円錐状離解面が形成される。
前述した回転円錐体対は円錐状回転体8(図1及び図2)を用いて形成され、該円錐状回転体8の小径端基部に、円周方向に配列された装入材料通過用の複数の開口9と内部に軸方向に延びる円筒管部10とが設けられる。円筒管部10は、回転軸7の自由端部に軸方向における位置を調節可能に取付けられる。円錐状回転体8の内周面及び外周面に、それぞれ、対応する内離解円錐体11及び外離解円錐体12が収容され、このようにして、重ね合せ円錐ロータ(図3)が形成される。
明らかなように、図5及び図6に示す変形例において、重ね合せ円錐ロータは、上記実施例におけると同様、離解回転自由端部に固定するようにした円錐状回転体15を用いて形成される。該円錐状回転体自体の内周面17及び外周面18に、それぞれ、離解ブレード又はウィング16を取付けて二重離解面部を形成する。
さて、上記実施例において、静止円錐体対、即ち、内離解円錐体13と外離解円錐体14は、それぞれ、枠体2における離解チャンバ4の底面部と該離解チャンバ4における前蓋体3の内面部に固定され、軸方向における位置が調節可能にかつ重ね合せ円錐ロータの内円錐離解面11と外円錐離解面12に直接対向するように配置することにより、上記離解チャンバ4の底部と前蓋体3の内面部間に、2つの中間円錐面又は離解面領域(図4)が画定される。」

(2)上記(1)の事項及びFIG.1ないし6から、次のア.?カ.の事項が記載されていると認められる。
ア.支持構造体1を用いて形成される、製紙用の円錐型パルプ離解装置であって、上記支持構造体1が、内部に水平状に配置された枠体2及び前蓋体3を支持するとともに、上記前蓋体3の軸心上に設けられた離解しようとする材料装入用の入口5と周面部に設けられた離解済材料取出用の出口とを有する、上記入口5から前記出口へと拡開する円錐状の離解チャンバ4を画定していること。
イ.上記支持構造体1に回転軸7が設けられ、該回転軸7は上記枠体2の内方に延びるようにかつその自由端部が上記離解チャンバ4と同軸状に配置されていること。
ウ.上記離解チャンバ4の内部に、内離解円錐体13及び外離解円錐体14から成る一対の静止円錐体を配置するとともにこれら一対の静止円錐体間に上記回転軸7の自由端部に上記入口5から出口へと拡開する重ね合せ円錐ロータを配置すること。
エ.上記重ね合せ円錐ロータが、小径端基部の周方向に離解しようとする材料を流通する、複数の開口9を配列するとともに該小径端基部に軸方向に延びる円筒管部10を有する、円錐状回転体8であって、回転軸7の自由端部に軸方向における位置を調節可能に固定される、円錐状回転体8の内周面及び外周面に、それぞれ、対応する内離解円錐体11及び外離解円錐体12から成る一対の回転円錐体を配置することにより、重ね合せ円錐ロータの内外に、すなわち一対の静止円錐体と重ね合せ円錐ロータ間に、2つの離解円錐面部、中間円錐面若しくは離解領域又は二重離解面部を形成又は画定した離解機構部が構成されていること。
オ.相補的な内離解円錐体13と外離解円錐体14から成る、静止円錐体対を、それぞれ、枠体2における離解チャンバ4の底部と前蓋体3の内面部に、軸方向における位置を調節可能にかつ重ね合せ円錐ロータにおける内離解円錐体11と外離解円錐体12にそれぞれ対向するように固定することにより、上記一対の静止円錐体13、14と上記重ね合せ円錐ロータ間に、2つの中間円錐面又は離解領域を画定すること。
カ.重ね合せ円錐ロータが、離解回転軸7の自由端部の所定位置に固定可能とした円錐状回転体8により形成され、該円錐状回転体8の内周面及び外周面に、それぞれ、離解ブレード又はウィングを取付けて二重離解面部を形成すること。

上記(1)及び(2)から、甲第1号証には次の3つの発明(以下、各発明をそれぞれ「甲1発明1」、「甲1発明2」及び「甲1発明3」という。)が記載されていると認められる。

甲1発明1
「支持構造体(1)を用いて形成される、製紙用の円錐型パルプ離解装置であって、
上記支持構造体1は、内部に水平状に配置された枠体2及び前蓋体3を支持するとともに、上記前蓋体3の軸心上に設けられた離解しようとする材料装入用の入口5と周面部に設けられた離解済材料取出用の出口6とを有する、上記入口5から出口6へと拡開する円錐状の離解チャンバ4を画定し、
上記支持構造体1に回転軸7が設けられ、該回転軸7は上記枠体2の内方に延びるようにかつその自由端部が上記離解チャンバ4と同軸状に配置され、
上記離解チャンバ4の内部に、内離解円錐体13及び外離解円錐体14から成る一対の静止円錐体を配置するとともにこれらの静止円錐体間に上記回転軸7の自由端部に上記入口5から出口6へと拡開する重ね合せ円錐ロータを配置し、この重ね合せ円錐ロータが、小径端基部の周方向に離解しようとする材料を流通する、複数の開口9を配列するとともに該小径端基部に軸方向に延びる円筒管部10を有する、円錐状回転体8であって、回転軸7の自由端部に軸方向における位置を調節可能に固定される、円錐状回転体8の内周面及び外周面に、それぞれ、対応する内離解円錐体11及び外離解円錐体12から成る一対の回転円錐体を配置することにより、重ね合せ円錐ロータの内外に2つの離解円錐面部を形成した離解機構部を設けたことを特徴とする、製紙用の円錐型パルプ離解装置。」

甲1発明2
「相補的な内離解円錐体13と外離解円錐体14から成る、静止円錐体対を、それぞれ、枠体2における離解チャンバ4の底部と前蓋体3の内面部に、軸方向における位置を調節可能にかつ重ね合せ円錐ロータにおける内離解円錐体11と外離解円錐体12にそれぞれ対向するように固定することにより、上記一対の静止円錐体13、14と上記重ね合せ円錐ロータ間に、2つの中間円錐面又は離解領域を画定した、甲1発明1の円錐型パルプ離解装置。」

甲1発明3
「重ね合せ円錐ロータが、離解回転軸7の自由端部の所定位置に固定可能とした円錐状回転体8により形成され、該円錐状回転体8の内周面及び外周面に、それぞれ、離解ブレード又はウィングを取付けて二重離解面部を形成した、甲1発明1の円錐型パルプ離解装置。」

2.対比、判断
(1)本件特許発明1と甲1発明1との対比、判断
ア 対比
本件特許発明1と甲1発明1とを対比すると、両者は
「支持構造体(1)を用いて形成される、製紙用の円錐型パルプ離解装置であって、
上記支持構造体(1)は、内部に水平状に配置された枠体(2)及び前蓋体(3)を支持するとともに、上記前蓋体(3)の軸心上に設けられた離解しようとする材料装入用の入口(5)と周面部に設けられた離解済材料取出用の出口(6)とを有する、上記入口(5)から出口(6)へと拡開する円錐状の離解チャンバ(4)を画定し、
上記支持構造体(1)に回転軸(7)が設けられ、該回転軸(7)はその自由端部が上記離解チャンバ(4)と同軸状に配置され、
上記離解チャンバ(4)の内部に、内離解円錐体(13)及び外離解円錐体(14)から成る一対の静止円錐体を配置するとともにこれらの静止円錐体間に上記回転軸(7)の自由端部に上記入口(5)から出口(6)へと拡開する重ね合せ円錐ロータを配置し、この重ね合せ円錐ロータが、小径端基部の周方向に離解しようとする材料を流通する、複数の開口(9)を配列するとともに該小径端基部に軸方向に延びる円筒管部(10)を有する、円錐状回転体(8)であって、回転軸(7)の自由端部に軸方向における位置を調節可能に固定される、円錐状回転体(8)の内周面及び外周面に、それぞれ、対応する内離解円錐体(11)及び外離解円錐体(12)から成る一対の回転円錐体を配置することにより、重ね合せ円錐ロータの内外に2つの離解円錐面部を形成した離解機構部を設けた製紙用の円錐型パルプ離解装置。」
である点で一致し、次の点で一応相違する。

(相違点)
回転軸(7)について、本件特許発明1では「回転軸(7)は上記枠体(2)の内方に前進可能に」配置されるのに対し、甲1発明1においては、「回転軸7は上記枠体2の内方に延びるように」配置されている点。

イ 相違点についての判断
本件特許発明1における「回転軸(7)は上記枠体(2)の内方に前進可能に・・・配置され」という記載は、請求項1の記載からは必ずしもその技術的意味が明瞭ではないが、本件特許明細書及び図面を参照すると、前記記載は「回転軸(7)は上記枠体(2)の内方に延びるように配置される」という意味であると解される。
してみると、前記相違点は、表現上の差異に過ぎず、実質的な相違点ではない。

ウ 小括
したがって、本件特許発明1は、甲1発明1と同一であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである。

(2)本件特許発明2と甲1発明2との対比、判断
本件発明2と甲1発明2とを対比すると、両者においてそれぞれ引用される本件特許発明1と甲1発明1は、前記したとおり同一の発明であり、さらに両者は、
「相補的な内離解円錐体(13)と外離解円錐体(14)から成る、静止円錐体対を、それぞれ、枠体(2)における離解チャンバ(4)の底部と前蓋体(3)の内面部に、軸方向における位置を調節可能にかつ重ね合せ円錐ロータにおける内離解円錐体(11)と外離解円錐体(12)にそれぞれ対向するように固定することにより、上記一対の静止円錐体(13、14)と上記重ね合せ円錐ロータ間に、2つの中間円錐面又は離解領域を画定した」という点でも一致する。
したがって、本件特許発明2は、甲1発明2と同一であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである。

(3)本件特許発明3と甲1発明3との対比、判断
本件発明3と甲1発明3とを対比すると、両者においてそれぞれ引用される本件特許発明1と甲1発明1は、前記したとおり同一の発明であり、さらに両者は、
「重ね合せ円錐ロータが、離解回転軸(7)の自由端部の所定位置に固定可能とした円錐状回転体(8)により形成され、該円錐状回転体(8)の内周面及び外周面に、それぞれ、離解ブレード又はウィングを取付けて二重離解面部を形成した」という点でも一致する。
したがって、本件特許発明3は、甲1発明3と同一であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである。


第5.むすび
以上のとおり、請求人の主張する無効理由2には理由があるから、他の無効理由について論及するまでもなく、本件特許の請求項1ないし3に係る発明は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。

審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-12-17 
結審通知日 2012-12-19 
審決日 2013-01-07 
出願番号 特願2001-291426(P2001-291426)
審決分類 P 1 113・ 113- Z (D21B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 菊地 則義  
特許庁審判長 河原 英雄
特許庁審判官 熊倉 強
紀本 孝
登録日 2005-12-09 
登録番号 特許第3749463号(P3749463)
発明の名称 製紙用の円錐型パルプ離解装置  
代理人 入江 一郎  

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