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審決分類 審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C22C
管理番号 1280226
審判番号 無効2011-800219  
総通号数 168 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-12-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2011-10-28 
確定日 2013-09-02 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3324074号「高強度高延性容器用鋼板およびその製造方法」の特許無効審判事件についてされた平成24年 3月22日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成24年(行ケ)第10151号、平成25年 2月20日)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第3324074号は、平成10年5月26日に出願(特願平10-144912号)されたものであって、平成14年7月5日に、その特許権の設定登録(請求項の数4)がされ、平成23年10月28日に、請求人JFEスチール株式会社から本件無効審判が請求された。
これに対して、被請求人新日鐵住金は、平成24年3月15日付けで訂正請求(請求項の数1)を行い、平成24年3月22日付けで一次審決(結論:訂正認容。請求不成立)がされたところ、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成24年(行ケ)第10151号、平成25年2月20日判決言渡)がされた。(なお、請求項2?4の削除については、平成24年3月30日に確定している。)
その後、当審において、平成25年4月9日付け(平成25年4月25日付けで手続補正(方式))で訂正請求書の提出がされ、平成25年6月7日付けで弁駁書が提出された。

第2 平成25年4月9日付け訂正請求書による訂正(以下、「本件訂正」という。)について

1 請求の趣旨・本件訂正の内容
本件訂正の請求の趣旨は、「特許第3324074号の明細書を、訂正請求書に添付した明細書のとおりに訂正することを求める。」というものであって、本件訂正の内容は、以下の訂正事項1?5からなるものである。
なお、明細書について、訂正前のものを「特許明細書」と、訂正後のものを「訂正明細書」といい、訂正箇所に下線を付した。

(1)訂正事項1
特許明細書の特許請求の範囲の請求項1において、
「重量%で、C:0.005?0.040%を含有し、JIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力が430MPa以上、全伸びが15%以下で、10%の冷間圧延前後のJIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力の差が120MPa以下で、引張強度と0.2%耐力の差が20MPa以上であることを特徴とする板厚0.4mm以下の高強度高延性容器用鋼板。」とあるのを、
「重量%で、C:0.005?0.040%、Si:0.001?0.1%、Mn:0.01?0.5%、P:0.002?0.04%、S:0.002?0.04%、Al:0.010?0.100%、N:0.0005?0.0060%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、JIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力が430MPa以上、全伸びが10%以上、15%以下で、10%の冷間圧延前後のJIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力の差が120MPa以下で、引張強度と0.2%耐力の差が20MPa以上であることを特徴とする板厚0.4mm以下の高強度高延性容器用鋼板。」と訂正する。

(2)訂正事項2
発明の名称について、特許明細書において、「高強度高延性容器用鋼板およびその製造方法」とあるのを、
「高強度高延性容器用鋼板」と訂正する。

(3)訂正事項3
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0001】において、
「・・・鋼板の製造方法に関するものである。」(審決注;「・・・」は、記載の省略を表す。以下、同じ。)とあるのを、
「・・・鋼板に関するものである。」と訂正する。

(4)訂正事項4
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0008】において、
「すなわち、本発明の要旨とするところは、重量%で、C:0.005?0.040%を含有し、0.2%耐力が430MPa以上、全伸びが15%以下であり、10%の冷間圧延前後の0.2%耐力の差が120MPa以下を満足するようにし、さらに引張強度と0.2%耐力の差が20MPa以上または200℃、1時間の人工時効後の降伏点伸びが2%以上とすることでフランジ成形性の向上を図るものである。」とあるのを、
「すなわち、本発明の要旨とするところは、重量%で、C:0.005?0.040%、Si:0.001?0.1%、Mn:0.01?0.5%、P:0.002?0.04%、S:0.002?0.04%、Al:0.010?0.100%、N:0.0005?0.0060%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、JIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力が430MPa以上、全伸びが10%以上、15%以下であり、10%の冷間圧延前後のJIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力の差が120MPa以下を満足するようにし、さらに引張強度と0.2%耐力の差が20MPa以上であることを特徴とする板厚0.4mm以下の高強度高延性容器用鋼板である。」と訂正する。

(5)訂正事項5
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0027】の【表2】において、材料番号5、13及び15の3行を削除し、訂正明細書の発明の詳細な説明の段落【0027】の【表2】と訂正をする。
すなわち、特許明細書において
「【表2】


とあるのを、訂正明細書において
「【表2】


と訂正する。

2 訂正の適否についての判断

(1)訂正の目的
ア 訂正事項1について
訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1において、鋼板の成分組成について、任意量含有するとされていたSi、Mn、P、S、Al、Nの所定量(重量%)を含有するとともに、残部がFeおよび不可避不純物であることを規定し、また、鋼板の「全伸び」について、その下限値を「10%以上」と規定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

イ 訂正事項2?5について
訂正事項2?5は、訂正事項1による訂正に伴い、特許請求の範囲の請求項1の記載と、発明の名称、発明の詳細な説明の記載とが整合するように明りょう化するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。

ウ 小括
以上のとおりであるから、訂正事項1?5を有する本件訂正は、平成23年法律第63号改正附則第2条第18項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第134条の2第1項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものに該当する。

(2)新規事項の追加の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否

ア 訂正事項1について
鋼板の成分組成について、特許明細書の発明に詳細な説明の「【0010】【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。まず、成分について説明する。成分は全て重量%である。Cは、本発明での熱延条件の制限によって軟質化効果を得られる0.005%から0.040%とする。・・・。【0011】通常の鋼板に不可避的に含有されるSi,Mn,P,S,Al,N等は一般に容器用に用いられる鋼板に含有される程度に含有される。その範囲は、Si:0.001?0.1%、Mn:0.01?0.5%、P:0.002?0.04%、S:0.002?0.04%、Al:0.010?0.100%、N:0.0005?0.0060%である。」(第2頁第4欄第33?49行)との記載によれば、特許明細書には、0.005%?0.040%のCを含有する鋼板、すなわち、有用な成分元素としてCを含有し残部がFeである鋼板であって、不可避的にSi:0.001?0.1%、Mn:0.01?0.5%、P:0.002?0.04%、S:0.002?0.04%、Al:0.010?0.100%、N:0.0005?0.0060%を含有し、それ以外の「等」にて表現される不可避的な元素等を含有する鋼板が記載されているといえるから、鋼板の成分組成は、発明の詳細な説明に記載されたものといえる。
また、「全伸びが10%以上」について、特許明細書の発明の詳細な説明の【0027】の【表2】において、「材料番号8」の鋼は、訂正後の請求項1に係る発明における、鋼の成分組成、0.2%耐力(430MPa以上)、全伸び(10%以上、15%以下)、10%の冷間圧延前後の0.2%耐力の差(120MPa以下)、及び、引張強度と0.2%耐力の差(20MPa以上)のすべてを満たす具体例であって、それらのうちの全伸びは、「10%」であるから、「全伸びが10%以上」の根拠となるものである。 してみると、訂正事項1は、特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、新規事項の追加にはあたらないし、また、減縮を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。

イ 訂正事項2?5について
前記「ア」に記載したとおり、訂正事項1は、特許明細書の範囲内においてしたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでないから、訂正事項1による訂正に伴い、特許請求の範囲と発明の詳細な説明との記載が整合するように明りょう化することを目的とする、訂正事項2?5が、特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでないことは明らかである。

ウ 小括
よって、本件訂正は、平成23年法律第63号改正附則第2条第18項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第134条の2第5項において準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合する。

(3)訂正の適否についての結論
以上のとおりであるから、本件訂正は、平成23年法律第63号改正附則第2条第18項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第134条の2第1項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、同条第5項において準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するので、これを認める。

第3 本件訂正発明
本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】重量%で、C:0.005?0.040%、Si:0.001?0.1%、Mn:0.01?0.5%、P:0.002?0.04%、S:0.002?0.04%、Al:0.010?0.100%、N:0.0005?0.0060%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、JIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力が430MPa以上、全伸びが10%以上、15%以下で、10%の冷間圧延前後のJIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力の差が120MPa以下で、引張強度と0.2%耐力の差が20MPa以上であることを特徴とする板厚0.4mm以下の高強度高延性容器用鋼板。」(以下、「本件訂正発明」という。)

第4 請求人の主張

被請求人より提出のあった平成25年4月9日付けの訂正請求書を平成25年5月2日付けで請求人に送付し弁駁を求めたところ、請求人は、平成25年6月7日付けの弁駁書にて、前記訂正請求書に記載された「請求の趣旨」及び「請求の理由」を認めるとともに、審判請求時において主張した無効理由1のうちの「特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に適合していない。」とする無効理由、及び、「本件訂正発明は、甲第1号証に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、同項の規定により特許を受けることができない。」とする無効理由2については、撤回した。
したがって、請求人は、審理の全趣旨によれば、本件訂正を認めた上で、「本件訂正発明についての特許を無効とする。審判請求は被請求人の負担とする。」との審決を求め、以下の無効理由1のみを主張するものである。

無効理由1;
本件訂正発明についての特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対しされたものであるから、特許法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきである。
第5 被請求人の主張

被請求人は、平成24年1月13日付けの答弁書によれば、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、審理の全趣旨によれば、本件訂正は認められるものであり、本件訂正発明については無効理由はないと主張するものである。

第6 無効理由1について

無効理由1の一つは、本件訂正発明に係る特許請求の範囲には、C以外の元素の含有量が特定されていないから、鋼板の強度を向上させる元素であるSi、Mn、P、Nなどの添加によるものを含むところ、発明の詳細な説明には、Si、Mn、P、Nなどの添加により鋼板の強度を向上させることは記載されていないし、Si、Mn、P、Nなどを多量に添加した鋼板に高い2CRを施した場合には、良好な延性が得られなくなり、高い2CRを施した場合にも良好な延性を持った鋼板を提供するとの課題を解決できなくなるというものである。(「鋼板の成分」についての無効理由)

また、無効理由1の他の一つは、訂正明細書の発明の詳細な説明の段落【0023】によれば、高延性(フランジ成形性が良好であること)は、鋼板の全伸びによって評価されているから、全伸びの下限を示す必要があるところ、訂正明細書の発明の詳細な説明には、実施例として、全伸びが10%以上であるフランジ成形性の良好な鋼板が開示されているが、特許請求の範囲に記載された、その他の要件を満たしつつ、全伸びが10%を下回るフランジ成形性の良好な鋼板は開示されていないから、本件訂正発明に係る特許請求の範囲は、鋼板の全伸びに関し、サポート要件を満たしていない。(「鋼板の全伸び」についての無効理由)

1 訂正明細書の記載事項

(1)本件訂正発明に係る特許請求の範囲の記載は、前記「第3」に記載のとおりである。

(2)また、訂正明細書の発明の詳細な説明には、以下の記載がある。

「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は飲料缶などの金属容器に利用される鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
缶飲料、食品缶などに代表される容器用鋼板については、缶コスト削減のため、素材の薄手化が求められている。この時、薄手化に伴う缶強度の低下を補うため鋼板自体を高強度化することが必要である。一般には高強度材はSi,Mn,P,Nb,Tiなどの添加により製造されるが、容器用鋼板は、飲料缶、食品缶などにも使用されることや、低コスト化の観点から元素の添加は好ましくない。
【0003】
また薄手材では、焼鈍工程においてヒートバックルと呼ばれる鋼板の腰折れのため生産効率が阻害される場合があるが、この対策としては鋼板の焼鈍温度を低く抑えることや通板板厚を厚くすることが有効であり、再結晶の観点から焼鈍温度を高く設定せざるを得ない状況下、焼鈍時には目的の板厚より厚い鋼板を通板し、その後再冷延(2CR)を施し、目的とする板厚を得る方法が実用化されている。この方法は缶強度を確保する観点で、極薄材の適用による強度低下分を加工硬化により補うので都合のよい製造法である。
【0004】
しかし、鋼板の薄手化が進行する中で、2CR率の上昇は必然となり、材料の硬質化に伴う延性劣化が新たな問題となりつつある。代表的には缶胴と缶底または缶蓋を巻き締める際に、缶胴端部の径を広げる加工(フランジ成形)における割れが問題となる。」

「【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、焼鈍工程での腰折れによる生産性の低下およびフランジ成形時の加工性劣化を回避した、高い2CRを施した場合にも良好な延性を持った鋼板を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特に2CR率が10%以上で製造される板厚0.4mm以下の鋼板の成分、熱延条件および焼鈍条件と材質との関係を検討するうち、成分、特にC量を特定範囲に限定し、焼鈍時のOAを制御した鋼板では2CR率が上昇しても従来鋼ほど延性が劣化しないことを知見し、高温巻取、OA省略型の技術に関する発明を特願平9-42041号で出願した。さらに、熱延条件、冷延後の焼鈍条件についてさらなる検討を加え、10%以上の高2CR率で容器用鋼板を製造するにあたり、焼鈍工程での冷却条件を制御し、特定の0.2%耐力、全伸び、加工硬化を示す鋼板が、熱延条件によらず同じ2CR率でも非常に良好なフランジ成形性を示すことを知見し、本発明を達成したものである。
【0008】
すなわち、本発明の要旨とするところは、重量%で、C:0.005?0.040%、Si:0.001?0.1%、Mn:0.01?0.5%、P:0.002?0.04%、S:0.002?0.04%、Al:0.010?0.100%、N:0.0005?0.0060%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、JIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力が430MPa以上、全伸びが10%以上、15%以下であり、10%の冷間圧延前後のJIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力の差が120MPa以下を満足するようにし、さらに引張強度と0.2%耐力の差が20MPa以上であることを特徴とする板厚0.4mm以下の高強度高延性容器用鋼板である。」

「【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。まず、成分について説明する。成分は全て重量%である。Cは、本発明での熱延条件の制限によって軟質化効果を得られる0.005%から0.040%とする。C量がこの範囲にない場合には本発明の効果が得られない。特にCが0.040%に近い場合には、熱延条件の影響が大きく現れ、低温巻取ではフランジ成形性が劣る場合もあるので上限を0.040%とした。望ましくは0.03%以下とするのがよい。
【0011】
通常の鋼板に不可避的に含有されるSi,Mn,P,S,Al,N等は一般に容器用に用いられる鋼板に含有される程度に含有される。その範囲は、Si:0.001?0.1%、Mn:0.01?0.5%、P:0.002?0.04%、S:0.002?0.04%、Al:0.010?0.100%、N:0.0005?0.0060%である。
【0012】
鋼板の0.2%耐力は本発明鋼では430MPa以上に限定する。これは、原板でこれ以下の0.2%耐力であれば本発明によらなくともフランジ成形性の良好な鋼板が製造可能なためである。
【0013】
鋼板の全伸びは本発明鋼では15%以下に限定する。これは、原板の全伸びがこれ以上であれば本発明によらなくともフランジ成形性の良好な鋼板が製造可能なためである。
【0014】
鋼板の加工硬化挙動の限定は本発明の重要な要件の一つである。加工硬化挙動は一般には引張試験の応力-歪曲線における加工硬化指数、いわゆるn値で表される場合が多いが、本発明鋼が対象としているフランジ成形性の指標にはならない。本発明で限定すべき加工硬化挙動の指標および限定範囲は、引張強度と0.2%耐力の差を20MPa以上、または鋼板に10%の冷間圧延を施した場合の0.2%耐力の上昇量を120MPa以下とすることである。
【0015】
・・・。加工硬化挙動がこの範囲にない場合は、製缶工程でのフランジ成形性が顕著に劣化する。
【0016】
・・・。板厚は本発明鋼の用途を考え、0.4mm以下と限定する。
【0017】
鋼板の0.2%耐力、全伸びは、成分、熱延、焼鈍、2CR条件により変化し、従来鋼と同様に材質調整されるが、本発明の特徴である加工硬化挙動および時効特性を制御するには焼鈍工程での冷却時の熱履歴が重要で、600℃から200℃までの平均冷却速度を20℃/sec以上とするのが有効であり、600℃から200℃の温度範囲の任意の温度での冷却速度の最大値を40℃/sec以上とすることも効果がある。
【0018】
特にこれらの平均冷却速度を40℃/sec以上、最大冷却速度を60℃/sec以上とすればより顕著な効果を得ることができる。これらに加え、熱延条件、焼鈍条件、再冷延条件を調整することで達成できる。・・・。
【0019】
本発明では鋼板の強度はSi,Mn,Pなどの添加によらず、主として2CRによる加工硬化を想定している。この時の2CR率は10?50%の範囲で本発明の効果を十分に得ることができる。」

「【0021】
また、本発明鋼を溶接により缶同部を製造する3ピース缶用素材として用いる場合には、溶接部が硬化し、熱影響部が軟化するためフランジ成形時に熱影響部に歪が集中し、フランジ成形性が鋼板延性のみならず溶接部および熱影響部の特性に影響される場合がある。溶接部および熱影響部の硬度制御のため、B,Nbなどが添加される場合があるが、これらの微量元素を添加しても本発明の効果が失われるものではない。」

「【0023】
【実施例】
本発明ではフランジ成形性は鋼板の全伸びによって評価した。3ピース缶用途での板取り方向や2P用途でのしごき方向との兼ね合いを考え、素材の圧延方向と90°の方向の引張試験値を使用する。
【0024】
表1に示す各成分の鋼について熱間圧延、冷間圧延、焼鈍後、2CRを施して鋼板を製造し、引張試験により材質を測定した。熱延のスラブ加熱温度は1200℃、仕上げ温度890℃とした。
【0025】
これらの鋼について製造条件および材質を表2に示す。加工硬化挙動および時効特性を本発明のように制御することで、熱延条件によらず良好な延性が得られていることが確認できる。また、加工硬化挙動および時効特性に加え、焼鈍工程の冷却条件は本発明内に制御することでさらなる延性向上が達成される。
【0026】
【表1】


【0027】
【表2】
(前記「第2」の「1」の「(5)訂正事項5」の訂正明細書の「表2」を参照。)
【0028】
【発明の効果】
以上述べたごとく本発明によれば、焼鈍時の生産性を改善できる高2CR率によってもフランジ成形性が良好な極薄容器用鋼板を得ることができる。」
2 鋼板の成分についての判断
ア 本件訂正発明に係る特許請求の範囲の記載は、前記「第3」に記載のとおりであるところ、鋼板の成分について、「C:0.005?0.040%を含有し」、さらに、「Si:0.001?0.1%、Mn:0.01?0.5%、P:0.002?0.04%、S:0.002?0.04%、Al:0.010?0.100%、N:0.0005?0.0060%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼板」であるから、本件訂正発明は、具体的にどのような成分及び組成範囲を有する鋼板であるのか、一義的に定まるものである。

イ そして、訂正明細書の発明の詳細な説明には、a)素材の薄手化に伴う缶強度の低下を補うため、鋼板自体を高強度化することが必要であるが、Si,Mn,P,Nb,Tiなどの添加は好ましくないこと(段落【0002】)、b)焼鈍時には目的の板厚より厚い鋼板を通板し、その後再冷延(2CR)を施し、目的とする板厚を得る方法は、缶強度を確保する観点で、極薄材の適用による強度低下分を加工硬化により補うので都合のよい製造法であること(段落【0003】)、c)本件訂正発明では、鋼板の強度はSi,Mn,Pなどの添加によらず、主として2CRによる加工硬化を想定していること(段落【0019】)が記載され、また、訂正明細書の発明の詳細な説明には、具体的な鋼板の成分として、C:0.005?0.040%のほか、Si:0.001?0.1%、Mn:0.01?0.5%、P:0.002?0.04%、S:0.002?0.04%、Al:0.010?0.100%、N:0.0005?0.0060%を含有するものが開示され(段落【0010】、【0011】)、6種の鋼(表1のaないしf)を用いて、所定の製造方法(段落【0009】、【0017】、【0018】、【0024】)により鋼板を製造したところ、「JIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力が430MPa以上、全伸びが15%以下」及び「10%の冷間圧延前後のJIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力の差が120MPa以下で、引張強度と0.2%耐力の差が20MPa以上」を満たし、鋼板のフランジ成形性が良好なものが複数あったことが記載されている。(表2)
以上のとおり、訂正明細書の発明の詳細な説明には、添加が好ましくないSi,Mn,P,Nb,Tiなどの元素によらず、主として2CRによる加工硬化により高強度化を達成することを前提として、C:0.005?0.040%のほか、Si:0.001?0.1%、Mn:0.01?0.5%、P:0.002?0.04%、S:0.002?0.04%、Al:0.010?0.100%、N:0.0005?0.0060%を含有する(残部はFe及び不可避的不純物である)鋼を用いて、所定の製造方法により鋼板を製造すること、製造された鋼板が、「JIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力が430MPa以上、全伸びが15%以下」及び「10%の冷間圧延前後のJIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力の差が120MPa以下で、引張強度と0.2%耐力の差が20MPa以上」を満たし、良好なフランジ成形性を有するものであることが開示されていると認める。

ウ そうすると、本件訂正発明は、訂正明細書の発明の詳細な説明に記載されたものである。

3 鋼板の全伸びについての判断
ア 本件訂正発明に係る特許請求の範囲の記載は、前記「第3」に記載のとおりであるところ、全伸びについては、10%以上、15%以下と特定するものである。
ここで、訂正明細書の発明の詳細な説明には、「鋼板の全伸びは本発明鋼では15%以下に限定する。これは、原板の全伸びがこれ以上であれば本発明によらなくともフランジ成形性の良好な鋼板が製造可能なためである。」(段落【0013】)との記載があるところ、かかる記載は、鋼板の全伸びが15%以下であっても、「10%の冷間圧延前後のJIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力の差が120MPa以下」及び「引張強度と0.2%耐力の差が20MPa以上」の各要件を満たすことにより、フランジ成形性が良好となることを意味するものと解される。
また、訂正明細書の発明の詳細な説明には、鋼板の全伸びが10%以上で、「10%の冷間圧延前後のJIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力の差が120MPa以下」及び「引張強度と0.2%耐力の差が20MPa以上」の各要件を満たし、フランジ成形性が良好である実施例(表1、2)が開示されている。

イ そうすると、全伸びについて、10%以上、15%以下と特定する、本件訂正発明は、訂正明細書の発明の詳細な説明に記載されたものである。

第7 むすび
以上のとおり、訂正明細書の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に適合しており、本件特許は、特許法123条第1項第4号に該当せず、無効とされるべきものではない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定により準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
高強度高延性容器用鋼板
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】重量%で、C:0.005?0.040%、Si:0.001?0.1%、Mn:0.01?0.5%、P:0.002?0.04%、S:0.002?0.04%、Al:0.010?0.100%、N:0.0005?0.0060%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、JIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力が430MPa以上、全伸びが10%以上、15%以下で、10%の冷間圧延前後のJIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力の差が120MPa以下で、引張強度と0.2%耐力の差が20MPa以上であることを特徴とする板厚0.4mm以下の高強度高延性容器用鋼板。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は飲料缶などの金属容器に利用される鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
缶飲料、食品缶などに代表される容器用鋼板については、缶コスト削減のため、素材の薄手化が求められている。この時、薄手化に伴う缶強度の低下を補うため鋼板自体を高強度化することが必要である。一般には高強度材はSi,Mn,P,Nb,Tiなどの添加により製造されるが、容器用鋼板は、飲料缶、食品缶などにも使用されることや、低コスト化の観点から元素の添加は好ましくない。
【0003】
また薄手材では、焼鈍工程においてヒートバックルと呼ばれる鋼板の腰折れのため生産効率が阻害される場合があるが、この対策としては鋼板の焼鈍温度を低く抑えることや通板板厚を厚くすることが有効であり、再結晶の観点から焼鈍温度を高く設定せざるを得ない状況下、焼鈍時には目的の板厚より厚い鋼板を通板し、その後再冷延(2CR)を施し、目的とする板厚を得る方法が実用化されている。この方法は缶強度を確保する観点で、極薄材の適用による強度低下分を加工硬化により補うので都合のよい製造法である。
【0004】
しかし、鋼板の薄手化が進行する中で、2CR率の上昇は必然となり、材料の硬質化に伴う延性劣化が新たな問題となりつつある。代表的には缶胴と缶底または缶蓋を巻き締める際に、缶胴端部の径を広げる加工(フランジ成形)における割れが問題となる。
【0005】
2CR材でフランジ成形性の良好な鋼板としては特開平3-257123号公報のように成分、熱延条件や2CR率を制限したものがあるが、さらなる特性向上が望まれる。また、本発明者らは特願平9-42041号において熱延で高温巻取し、焼鈍時の過時効処理(OA)を省略することで固溶Cを多量に残存させ、2CR後の延性を改善する方法を出願した。しかし、この方法では高温巻取が必須となるため、コイル長手位置や幅位置での材質の均一性に劣るという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、焼鈍工程での腰折れによる生産性の低下およびフランジ成形時の加工性劣化を回避した、高い2CRを施した場合にも良好な延性を持った鋼板を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特に2CR率が10%以上で製造される板厚0.4mm以下の鋼板の成分、熱延条件および焼鈍条件と材質との関係を検討するうち、成分、特にC量を特定範囲に限定し、焼鈍時のOAを制御した鋼板では2CR率が上昇しても従来鋼ほど延性が劣化しないことを知見し、高温巻取、OA省略型の技術に関する発明を特願平9-42041号で出願した。さらに、熱延条件、冷延後の焼鈍条件についてさらなる検討を加え、10%以上の高2CR率で容器用鋼板を製造するにあたり、焼鈍工程での冷却条件を制御し、特定の0.2%耐力、全伸び、加工硬化を示す鋼板が、熱延条件によらず同じ2CR率でも非常に良好なフランジ成形性を示すことを知見し、本発明を達成したものである。
【0008】
すなわち、本発明の要旨とするところは、重量%で、C:0.005?0.040%、Si:0.001?0.1%、Mn:0.01?0.5%、P:0.002?0.04%、S:0.002?0.04%、Al:0.010?0.100%、N:0.0005?0.0060%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、JIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力が430MPa以上、全伸びが10%以上、15%以下であり、10%の冷間圧延前後のJIS5号試験片による引張試験における0.2%耐力の差が120MPa以下を満足するようにし、さらに引張強度と0.2%耐力の差が20MPa以上であることを特徴とする板厚0.4mm以下の高強度高延性容器用鋼板である。
【0009】
また、それを製造する上で、特に焼鈍工程での600℃?200℃の冷却速度を20℃/sec以上、または600℃から200℃の温度範囲の任意の温度での冷却速度の最大値を40℃/sec以上とすることが有効であり、さらに他の工程条件、すなわち熱延のスラブ加熱温度や仕上げ温度を特定すること、また再冷延率を10%以上50%以下に特定することを組み合わせることも有効である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。まず、成分について説明する。成分は全て重量%である。Cは、本発明での熱延条件の制限によって軟質化効果を得られる0.005%から0.040%とする。C量がこの範囲にない場合には本発明の効果が得られない。特にCが0.040%に近い場合には、熱延条件の影響が大きく現れ、低温巻取ではフランジ成形性が劣る場合もあるので上限を0.040%とした。望ましくは0.03%以下とするのがよい。
【0011】
通常の鋼板に不可避的に含有されるSi,Mn,P,S,Al,N等は一般に容器用に用いられる鋼板に含有される程度に含有される。その範囲は、Si:0.001?0.1%、Mn:0.01?0.5%、P:0.002?0.04%、S:0.002?0.04%、Al:0.010?0.100%、N:0.0005?0.0060%である。
【0012】
鋼板の0.2%耐力は本発明鋼では430MPa以上に限定する。これは、原板でこれ以下の0.2%耐力であれば本発明によらなくともフランジ成形性の良好な鋼板が製造可能なためである。
【0013】
鋼板の全伸びは本発明鋼では15%以下に限定する。これは、原板の全伸びがこれ以上であれば本発明によらなくともフランジ成形性の良好な鋼板が製造可能なためである。
【0014】
鋼板の加工硬化挙動の限定は本発明の重要な要件の一つである。加工硬化挙動は一般には引張試験の応力-歪曲線における加工硬化指数、いわゆるn値で表される場合が多いが、本発明鋼が対象としているフランジ成形性の指標にはならない。本発明で限定すべき加工硬化挙動の指標および限定範囲は、引張強度と0.2%耐力の差を20MPa以上、または鋼板に10%の冷間圧延を施した場合の0.2%耐力の上昇量を120MPa以下とすることである。
【0015】
冷延における加工硬化量は通常、ロール径、パス回数、潤滑、温度などの圧延条件によりわずかに変動するが、本発明では通常の実験室で行うことができる条件、すなわちロール径100mm?400mm、パス回数は1?5パス、潤滑はパーム油、温度は室温とした場合の値で評価される。加工硬化挙動がこの範囲にない場合は、製缶工程でのフランジ成形性が顕著に劣化する。
【0016】
鋼板の時効性の限定も本発明の重要な要件の一つである。特定の0.2%耐力、全伸び、加工硬化挙動を持った鋼板について、200℃、1時間の人工時効後の降伏点伸びを2%以上とすることにより、本発明の効果が得られる。板厚は本発明鋼の用途を考え、0.4mm以下と限定する。
【0017】
鋼板の0.2%耐力、全伸びは、成分、熱延、焼鈍、2CR条件により変化し、従来鋼と同様に材質調整されるが、本発明の特徴である加工硬化挙動および時効特性を制御するには焼鈍工程での冷却時の熱履歴が重要で、600℃から200℃までの平均冷却速度を20℃/sec以上とするのが有効であり、600℃から200℃の温度範囲の任意の温度での冷却速度の最大値を40℃/sec以上とすることも効果がある。
【0018】
特にこれらの平均冷却速度を40℃/sec以上、最大冷却速度を60℃/sec以上とすればより顕著な効果を得ることができる。これらに加え、熱延条件、焼鈍条件、再冷延条件を調整することで達成できる。これらの原因は明らかではないが、焼鈍での冷速を制御し、Cの存在形態を変えることで、2CR時の炭化物周辺で集中して起きる転位の複雑な交絡を回避し、その後のフランジ成形時にバウシンガー効果的な挙動により転位の再配列が起き、破断までの歪が増大するためと考えられる。
【0019】
本発明では鋼板の強度はSi,Mn,Pなどの添加によらず、主として2CRによる加工硬化を想定している。この時の2CR率は10?50%の範囲で本発明の効果を十分に得ることができる。
【0020】
本発明の効果は焼鈍前の熱履歴、製造履歴によらない。熱延を行う場合のスラブはインゴット法、連続鋳造法など製造法は限定されず、また熱延に至るまでの熱履歴にもよらないためスラブ再加熱法、鋳造したスラブを再加熱することなく直接熱延するCC-DR法、さらには粗圧延などを省略した薄スラブ鋳造によっても本発明の効果を得ることができる。
【0021】
また、本発明鋼を溶接により缶同部を製造する3ピース缶用素材として用いる場合には、溶接部が硬化し、熱影響部が軟化するためフランジ成形時に熱影響部に歪が集中し、フランジ成形性が鋼板延性のみならず溶接部および熱影響部の特性に影響される場合がある。溶接部および熱影響部の硬度制御のため、B,Nbなどが添加される場合があるが、これらの微量元素を添加しても本発明の効果が失われるものではない。
【0022】
通常、本発明鋼板は表面処理鋼板用の原板として使用されるが、表面処理により本発明の効果は何ら損なわれるものではない。缶用表面処理としては通常、錫、クロム(ティンフリー)などが施される。また、近年使用されるようになっている有機被膜を被覆したラミネート鋼板用の原板としても発明の効果を損なうことなく使用できる。
【0023】
【実施例】
本発明ではフランジ成形性は鋼板の全伸びによって評価した。3ピース缶用途での板取り方向や2P用途でのしごき方向との兼ね合いを考え、素材の圧延方向と90°の方向の引張試験値を使用する。
【0024】
表1に示す各成分の鋼について熱間圧延、冷間圧延、焼鈍後、2CRを施して鋼板を製造し、引張試験により材質を測定した。熱延のスラブ加熱温度は1200℃、仕上げ温度890℃とした。
【0025】
これらの鋼について製造条件および材質を表2に示す。加工硬化挙動および時効特性を本発明のように制御することで、熱延条件によらず良好な延性が得られていることが確認できる。また、加工硬化挙動および時効特性に加え、焼鈍工程の冷却条件は本発明内に制御することでさらなる延性向上が達成される。
【0026】
【表1】

【0027】
【表2】

【0028】
【発明の効果】
以上述べたごとく本発明によれば、焼鈍時の生産性を改善できる高2CR率によってもフランジ成形性が良好な極薄容器用鋼板を得ることができる。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2013-07-04 
結審通知日 2013-07-09 
審決日 2013-07-22 
出願番号 特願平10-144912
審決分類 P 1 113・ 537- YA (C22C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 徳永 英男  
特許庁審判長 山田 靖
特許庁審判官 小川 進
木村 孔一
登録日 2002-07-05 
登録番号 特許第3324074号(P3324074)
発明の名称 高強度高延性容器用鋼板  
代理人 内藤 俊太  
代理人 香取 英夫  
代理人 香取 英夫  
代理人 田中 久喬  
代理人 田中 久喬  
代理人 松本 悟  
代理人 奥井 正樹  
代理人 内藤 俊太  

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