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審決分類 再審 全部無効 判示事項別分類コード:なし  C09D
管理番号 1281701
審判番号 再審2012-950001  
総通号数 169 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-01-31 
種別 無効の審決 
審判請求日 2012-06-19 
確定日 2012-11-26 
事件の表示 上記当事者間の特許第4096736号発明「酸化チタン系熱放射性塗料」に係るの特許無効審判事件(無効2010-800006)の確定審決に対する再審事件ついて、次のとおり審決する。 
結論 本件再審の請求を却下する。 再審に関する費用は、請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯
本件は、特許第4096736号(以下、「本件特許権」という。)に係る特許無効審判事件(無効2010-800006号.以下、「本件無効審判」という。)の確定審決に対する再審(以下、「本件再審」という。)事件であり、本件に関するこれまでの経緯は次のとおりである。

平成13年11月14日 国際出願(PCT/JP2001/009932(優先権主張 平成12年11月15日:日本))による特許出願(特願2002-543601号)
平成20年 3月21日 本件特許権の設定登録
平成22年 1月 6日 本件無効審判請求
平成22年11月12日 本件無効審判の審決(請求成立.送達日:平成22年11月20日、以下、「本件審決」という。)
平成22年12月15日 知的財産高等裁判所への訴えの提起(平成22年(行ケ)第10389号.以下、「本件審決取消訴訟」という。)
平成23年10月 4日 判決言渡(請求棄却)
平成23年10月20日 本件審決確定
平成23年11月17日 再審請求(再審2011-950002号)
平成24年 4月11日 再審の審決(請求却下)
平成24年 5月21日 再審の審決確定
平成24年 6月19日 本件再審請求(再審2012-950001号)
平成24年 6月25日 上申書の提出

また、本件特許権には、他の無効審判事件について、次の経緯がある。

・無効2008-800128号
平成20年 7月 8日 特許無効審判請求(無効2008-800128号)
平成21年 4月10日 審決(請求不成立)
平成21年 5月19日 知的財産高等裁判所への訴えの提起(平成21年(行ケ)第10130号)
平成21年10月13日 判決言渡(請求棄却)
平成21年10月27日 審決確定

・無効2009-800257号
平成21年12月25日 特許無効審判請求(無効2009-800257号)
平成23年11月22日 審決(請求却下)
平成24年 1月 4日 審決確定

2.本件再審請求
平成24年6月19日付けの再審請求書によれば、本件再審の請求の趣旨は、「原審決を取り消す。請求費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めるというものである。
そして、本件再審の請求の理由として、請求人は「請求理由1」ないし「請求理由11」を挙げている。その概要は次のとおりと認められる。

(1)請求理由1
特許無効審判請求は、特許法第131条第2項で規定する「特許を無効にする根拠となる事実を具体的に特定し、かつ、立証を要する事実ごとに、証拠との関係を記載したものでなければならない」という要件を満たすものでなければならないところ、本件無効審判における請求の理由はこの条件を満たしていない。本件無効審判請求書においては、本件特許発明に係る特許請求の範囲の文章を構成する全ての語句に対して順にA?Fの符号を振って、特許を無効にする根拠となる事実を具体的に特定したものと主張しているが、そのようなことをもって、特許を無効にする根拠となる事実を具体的に特定したものとはいえない。
(2)請求理由2
特許無効審判請求は、特許法第131条第2項で規定する「立証を要する事実ごとに、証拠との関係を記載したものでなければならない」という要件を満たすものでなければならないところ、本件無効審判における請求の理由には、立証を要する事実の特定がなく、かつ、これを立証する証拠もないから、本件無効審判における請求の理由はこの条件を満たしていない。無効審判請求における請求の理由であげられた甲1?7号証は、請求人の自白によって、特許を無効にする根拠となる事実を立証する証拠として否定されるものである。
(3)請求理由3
本件無効審判における請求の理由は、平成20年7月8日付けで提起された特許無効審判請求事件(無効2008-800128号)における確定審決に抵触する。
(4)請求理由4
本件無効審判の審決は、本件無効審判請求が特許法第131条第2項で規定する「特許を無効にする根拠となる事実を具体的に特定し、かつ、立証を要する事実ごとに、証拠との関係を記載したものでなければならない」という要件を満たすものでないから却下すべきであるとの主張にも拘わらず、本案審理に入ってなされたものである点、審決の理由が無効審判請求人が申し立てない理由であるにも拘わらず意見を申し立てる機会を与えること(特許法第153条第2項)なくなされたものである点、で特許法の規定に違反するものである。
(5)請求理由5
本件無効審判の審決は、無効審判請求における甲2号証に係る科学常識に反する主張を是認して審決の理由とするものであるから、重大な瑕疵のあるものである。
(6)請求理由6
本件無効審判の審決は、無効審判請求における甲2号証の2を改ざんした甲2号証による捏造された虚偽の事実に基づいてなされたものである。
(7)請求理由7
本件無効審判の審決は、本件無効審判請求が特許法第131条第2項で規定する「特許を無効にする根拠となる事実を具体的に特定し、かつ、立証を要する事実ごとに、証拠との関係を記載したものでなければならない」という要件を満たすものでないから却下すべきであるとの主張にも拘わらず、それについて判断をしないでなされたものであるから、審決に影響を及ぼすべき重要事項について、判断の遺脱がある。
(8)請求理由8
本件無効審判の審決は、審判官の職権濫用に依るものである。
(9)請求理由9
無効審判請求人の主張には反言があり、反言をもって訴えを提起することは、民訴法上許されない。
(10)請求理由10
本件無効審判の審決は、科学常識に反する言辞を弄してなるものである。
(11)請求理由11
本件無効審判の審決は、無効審判請求人に組みしてなされたものであるから、審判官の公正中立の原則に反するものである。

3.請求の理由について
(1)特許法第171条第2項について
再審の事由について、特許法第171条第2項には「民事訴訟法第338条第1項及び第2項並びに第339条(再審の事由)の規定は、前項の再審の請求に準用する。」と規定され、準用する民事訴訟法第338条第1項柱書には「次に掲げる事由がある場合には、確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。ただし、当事者が控訴若しくは上告によりその事由を主張したとき、又はこれを知りながら主張しなかったときは、この限りでない。」と規定されている。
これを特許法の再審請求に即していえば、民事訴訟法第338条第1項ただし書の事由があるときは特許法第174条の準用する同条第135条により不適法として却下すべきものと解するのが相当であり、民事訴訟法第338条第1項ただし書にいう「控訴若しくは上告」とは、「審決取消訴訟の提起若しくは同訴訟に対する上告」のことをいうことは明らかである(知的財産高等裁判所 平成19年(行ケ)第10407号)から、上記のただし書は、当事者が再審事由に該当する審決取消事由を審決確定前に「審決取消訴訟又は同訴訟に対する上告」により主張したが棄却された場合や、当該事由が存在することを知りながら「審決取消訴訟又は同訴訟に対する上告」で主張しなかった場合は、審決確定後に再審を請求することは許されないことを規定しているといえる。
そして、本件再審の請求書に記載された上記「請求理由1」ないし「請求理由11」は、いずれも本件無効審判の審決の理由又は判断について請求人の独自の見解に基づく不服を述べるものであるが、これらの請求理由が仮に民事訴訟法第338条第1項各号に掲げる事項のいずれかに該当するものであったとしても、請求人は本件無効審判の審決に上記「請求理由1」ないし「請求理由11」に該当する瑕疵があれば、いずれの請求理由についても、その基礎とする事項は、その正否はさておき、本件無効審判の審決を見れば認識できるものである(遅くとも、本件無効審判の審決の内容を見た結果、取消訴訟を提起しようと判断した時点では認識できたものと認められる。)から、本件再審の請求人は、先に提起した本件審決取消訴訟において上記「請求理由1」ないし「請求理由11」についての主張をすることができたものといえる。
そうすると、請求人が上記「請求理由1」ないし「請求理由11」を本件審決取消訴訟において主張したのであれば再審事由に該当する審決取消事由を「審決取消訴訟又は同訴訟に対する上告」により主張したことになるし、上記「請求理由1」ないし「請求理由11」を本件審決取消訴訟において主張しなかったのであれば、当該事由が存在することを知りながら「審決取消訴訟又は同訴訟に対する上告」で主張しなかったことに該当するといえる。
よって、上記「請求理由1」ないし「請求理由11」は、民事訴訟法第338条第1項各号に掲げる事由のいずれかに該当するとしても、同項ただし書に該当するものと認められるので、再審請求の理由としては認めることができないものである。

(2)特許法第173条について
再審を請求できる期間について、特許法第173条第1項には「再審は、請求人が審決が確定した後再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならない。」と規定されている。
そして、本件再審の請求人が、本件再審の請求理由とする上記「請求理由1」ないし「請求理由11」については、その基礎とする事項は、本件無効審判の審決を見れば認識できるものである(遅くとも、本件無効審判の審決の内容を見た結果、取消訴訟を提起しようと判断した時点では認識できたものと認められる。)から、本件再審の請求人は、上記「請求理由1」ないし「請求理由11」について、取消訴訟の判決の確定によって本件無効審判の審決が確定し再審請求が可能となった平成23年10月20日には知っていたもの認められる。
そうすると、本件再審の請求がされた平成24年6月19日は「審決が確定した後再審の理由を知つた日から三十日以内」を経過しているから、本件再審の請求は、特許法第173条第1項の規定に適合しないものといえる。
また、「請求理由3」は、本件無効審判事件の確定審決が平成20年7月8日付けで提起された特許無効審判請求事件(無効2008-800128号)における確定審決に抵触することを理由とするものであるが、本件無効審判事件における無効理由は、本件特許の請求項1及び2に係る発明が特許法第29条第2項に違反するか否かであるから、特許無効審判請求事件(無効2008-800128号)と本件無効審判事件とは、別の事実(異なる無効理由)及び証拠に基づく無効審判請求であって(本件無効審判事件に係る平成22年(行ケ)第10389号の確定判決(平成23年10月4日判決言渡)参照。)、本件無効審判事件の確定審決が特許無効審判請求事件(無効2008-800128号)における確定審決に抵触しないことは明らかであり、「請求理由1」?「請求理由11」はいずれも、同条第6項(「第一項及び第四項の規定は、当該審決が前にされた確定審決と抵触することを理由とする再審の請求には、適用しない。」)に該当しないものである。
よって、上記「請求理由1」ないし「請求理由11」は、特許法第173条第1項の規定に違反するものと認められるので、再審請求の理由としては認めることができないものである。

(3)まとめ
以上のとおり、本件再審の請求理由は、いずれも、特許法第171条第2項において準用する民事訴訟法第338条第1項ただし書に該当するものであり、また、特許法第173条第1項の規定に違反するものであるから、本件再審の請求は、不適法な再審請求である。
そして、その補正をするにしても、特許法第174条第2項で準用する同法第131条の2第1項本文の規定により、その補正は請求の要旨を変更しない範囲に限られ、新たな請求理由の追加・変更をすることはできないから、補正によって本件再審の請求を適法なものとすることはできない。
なお、請求人は、平成24年9月14日付け審理終結通知に対して、平成24年9月30日付けで審理再開申立書を提出しているが、その理由としている事項は、いずれも、あえて審理を再開する必要性の認められないものであるので、本件再審の審理を再開しないこととする。

4.むすび
よって、本件再審の請求は、不適法な再審請求であって、その補正をすることができないものであるから、特許法第174条第2項で準用する同法第135条の規定により、審決をもってこれを却下する。
再審に関する費用については、特許法第174条第2項で準用する同法第169条第2項でさらに準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人の負担とする。
よって、上記結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-09-14 
結審通知日 2012-09-19 
審決日 2012-10-16 
出願番号 特願2002-543601(P2002-543601)
審決分類 P 5 113・ - X (C09D)
最終処分 審決却下  
前審関与審査官 藤原 浩子  
特許庁審判長 星野 紹英
特許庁審判官 新居田 知生
小石 真弓
登録日 2008-03-21 
登録番号 特許第4096736号(P4096736)
発明の名称 無  
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