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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1282451
審判番号 訂正2013-390055  
総通号数 170 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-02-28 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2013-04-10 
確定日 2013-06-13 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第5221399号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第5221399号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第5221399号は,平成21年1月13日に出願された特願2009-4348号に係り,平成25年3月15日にその特許権の設定の登録がなされたものである。

2.審判請求の要旨
本件審判請求の要旨は,本件特許第5221399号の特許請求の範囲を,本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを求めるものである。(以下,本件特許第5221399号の明細書及び特許請求の範囲を,それぞれ「本件明細書」,「本件特許請求の範囲」という。)
その訂正内容は,次のとおりである。

<訂正事項1>
本件特許請求の範囲の請求項2を削除する。

<訂正事項2>
本件明細書の段落【0011】,【0023】及び【0024】を削除する。

<訂正事項3>
本件特許請求の範囲の請求項3の「請求項1または2に記載の遊技機」を,
「請求項1に記載の遊技機」と訂正する。

3.当審の判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1は,本件特許請求の範囲における請求項2の削除であるから,特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
そして,上記訂正事項1は請求項2の削除であるから,実質的に特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当せず,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また,上記訂正事項1は請求項2の削除であるから,訂正後の特許請求の範囲に記載された発明は特許出願の際独立して特許を受けることができることができるものである。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は,上記訂正事項1によって請求項2が削除されたことに伴い,本件明細書の請求項2に関連する記載が含まれる段落を削除するものであるから,特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
そして,上記訂正事項2は本件明細書に記載された事項に基づいたものであって,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであるから,新規事項の追加に該当せず,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもない。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は,上記訂正事項1によって請求項2が削除されたことに伴い,請求項3が請求項2を引用することが不可能となり,請求項1のみを引用するようにしたものであるから,特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
また、本件特許請求の範囲の請求項3が「請求項1または2」と、二つの請求項を引用していたところ、上記訂正事項3によって「請求項1」のみとすることで、請求項3に記載された特許発明の技術的範囲を実質的に狭めたといえるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものでもある。
そして,上記訂正事項3は実質的な変更を伴っておらず,本件明細書に記載された事項に基づいたものであって,願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであるから,新規事項の追加に該当せず,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものでもない。
さらに,上記訂正事項3は上述のとおり請求項3が引用する請求項の数を減じただけのことであり、実質的な変更を伴ったものではないから,訂正後の特許請求の範囲に記載された発明は特許出願の際独立して特許を受けることができることができるものである。

(4)特許法施行規則に基づく一群の請求項について
訂正後の請求項3は請求項1を引用しているから,訂正後の請求項1及び3は,特許法施行規則第46条の2第1号に規定する関係を有する一群の請求項である。
したがって,訂正事項3に係る請求は,特許法第126条第3項の規定に適合するものである。

4.むすび
以上のとおりであるから,本件訂正審判の請求は,特許法第126条第1項ただし書第1号及び3号に掲げる事項を目的とするものである。
また,同条第5項乃至第7項の規定にも適合する。
よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球が始動口に入球することによって大当たりの抽選を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の弾球遊技機では、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する。このような遊技機は、抽選の結果に応じて図柄変動を停止させたときの特別図柄が特定の態様となった場合に、通常より多くの賞球数が得られる、いわゆる大当たりと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。
【0003】
そして近年では、表示領域に特別図柄ではなく、装飾図柄により抽選の結果を視覚的に演出することが一般的となっている(特許文献1参照)。これは、特別図柄は表現上の制約が多いため、装飾図柄を用いて演出を行うことで、表現の自由度が高くなるという利点があるからである。また、装飾図柄を用いた演出処理については、遊技機にサブ制御基板等を設けて実行させることができるため、例えばメイン制御基板のメモリの容量などを気にせずに装飾図柄を用いた種々の演出を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-110951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような理由から、装飾図柄を利用する場合、特別図柄に演出的な役割をもたせる必要がなくなるため、特別図柄は、液晶ディスプレイの隅の小さい領域に表示されるだけであればよく、上記特許文献1に示すように、例えば、3や7やその他の数字(0?9など)を表示できればよいものとなる。このようなことから、最近の遊技機における特別図柄の表示においては、例えば7セグメントのような簡素な表示器が用いられることが多い。
【0006】
ところが、演出的な役割を実質的に装飾図柄に任せたとしても、特別図柄は、抽選の結果に応じて大当たりを発生させるか否かを示す役割を担うものであるため、上記のような簡素な表示であると、遊技者が幾度か遊技を繰り返すことによって容易に特別図柄ごとの表示態様を覚えることができてしまう。したがって、遊技者が特別図柄の表示態様を一通り覚えてしまうと、該特別図柄の表示態様から大当たりか否か等(または特別図柄の種類)を容易に判別することが可能となってしまう。
【0007】
さらに、近年では、複数の特別図柄を表示可能な遊技機(いわゆる1種1種タイプとも呼ばれる遊技機に代表されるように特別図柄表示器を複数有する遊技機)も知られるようになっている。このような遊技機においては、特別図柄表示器ごとに専用のプログラムやコマンド(特別図柄を表示させるためのプログラムあるいはコマンド)を用意しておく必要がある。
【0008】
しかしながら、このように特別図柄表示器ごとに専用のコマンドを用意することは、
メイン制御基板等のプログラム容量を圧迫したり、CPUの負荷を増大させたりすることになってしまう。かといって特別図柄表示器ごとに専用のプログラムやコマンドを設けずにも同一のものを利用した場合、上記のような簡素な表示器では遊技者が特別図柄の表示態様を覚えやすく、特別図柄の表示態様から大当たりか否か等(または特別図柄の種類)を容易に判別することが可能となってしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑み、複数の特別図柄表示器を有する遊技機において、特別図柄の表示態様から大当たりか否か等の抽選結果を遊技者が容易に判別できにくくするとともに、メイン制御基板等のプログラム容量やCPUの負荷を軽減させることのできる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明は、特別図柄を変動表示させ所定時間経過後に当該変動表示を停止させる特別図柄変動表示手段と、遊技盤に設けられた始動口への遊技球の入球を契機に遊技データを取得して、賞球を獲得可能な特別遊技の実行の権利獲得の抽選を行うとともに、前記特別図柄変動表示手段による特別図柄の変動表示を開始させる権利を発生させ、所定時間経過後に当該変動表示が停止となるとき、前記抽選の結果に基づく特別図柄を前記特別図柄変動表示手段に表示させる制御を実行する制御手段を備えた遊技機であって、前記始動口は、第1始動口と、第2始動口とを含み、前記特別図柄変動表示手段は、複数の発光体が配置された発光体群から形成されているとともに、前記第1始動口への遊技球の入球を契機として特別図柄の変動表示を開始させる第1特別図柄変動表示手段と、前記第2始動口への遊技球の入球を契機として特別図柄の変動表示を開始させる第2特別図柄変動表示手段とを含み、前記制御手段は、前記第1始動口への遊技球の入球を契機とする前記抽選の結果に基づいて前記第1特別図柄変動表示手段を制御する制御コマンドと、前記第2始動口への遊技球の入球を契機とする前記抽選の結果に基づいて前記第2特別図柄変動表示手段を制御する制御コマンドを共通のコマンドとしてそれぞれ対応する前記特別図柄変動表示手段に送信し、前記第1特別図柄変動表示手段を形成する第1発光体群と、前記第2特別図柄変動表示手段を形成する第2発光体群とは、互いに前記複数の発光体が同一態様にて配置される一方、同一の前記制御コマンドに基づいて点灯する該発光体が、前記第1発光体群における発光体と前記第2発光体群における発光体とで非対称の位置関係にあることを特徴とする。
【0011】(削除)
【0012】
第3の発明は、前記第1発光体群および前記第2発光体群は、同一態様である所定の形状をなすとともに、前記第1発光体群が配置された方向に相違して前記第2発光体群が配置されることを特徴とする。
【0013】
始動口(第1始動口、第2始動口)は遊技盤に設けられており、この遊技盤に発射された遊技球が入球もしくは通過可能に構成されている。この第1始動口および第2始動口は、遊技球が入球もしくは通過したことを検出することができるものであれば、その構成は特に限定されるものではない。
上記第1始動口または第2始動口に遊技球が入球もしくは通過すると、遊技データの取得による抽選がなされる。この遊技データは、乱数発生手段により取得される乱数やコマンド等からなる。遊技データによる抽選により、特別遊技(大当たり遊技)を実行する権利獲得の有無や、以後の遊技状態が決定される。このとき、上記抽選に基づく特別図柄が特別図柄変動表示手段(第1特別図柄変動表示手段または第2特別図柄変動表示手段)に表示される。
【0014】
遊技データには、いわゆる大当たりに当選する遊技データと、ハズレの遊技データとが含まれており、大当たりに当選する遊技データの中には、さらに複数種類の遊技データが含まれている。つまり、実行する大当たり遊技の内容や、以後の遊技状態が高確率遊技状態となるのか低確率遊技状態となるのかが適宜組み合わされた、複数種類の大当たりが設けられている。
【0015】
変動表示とは、大当たりか否かの抽選結果を特別図柄によって遊技者に報知することを意味しており、変動を開始してから最終的に特別図柄が遊技者に表示されるまでには、所定の時間を要する。特別図柄は、最終的に抽選結果が遊技者に報知されればよい。したがって、変動が開始してから最終的に特別図柄が遊技者に表示されるまでの間、つまり変動中における遊技者への表示は必須ではなく、変動中に遊技者に何ら表示がなされない場合も、本発明でいう変動表示に含まれる。
【0016】
制御手段が特別図柄変動表示手段を制御する制御コマンドとは、特別図柄を表示させるためのコマンド、プログラムなどを広く含む。したがって、制御コマンドが共通のコマンドということは、第1特別図柄変動表示手段および第2特別図柄変動表示手段が共通のコマンドあるいは共通のプログラムで制御されることをいう。
【0017】
複数の発光体とは、例えばLED、ドットマトリクス等、多数の発光体を点灯させることにより種々の発光態様を取ることができるものが望ましい。よって、本発明においては、いわゆる7セグメント表示は好ましくない。
【0018】
また、「点灯する、発光体群における発光体」には、いくつかの発光体が同時に点灯している場合のそれらの組合せも含む。例えば、個々の発光体に番号を付しておいた場合に、何番と何番が発光しているかという組合せを意味する。
【0019】
また、非対称の位置関係とは、形状の同じ第1発光体群と第2発光体群とにおいて、任意の点灯信号によって点灯する発光体が、第1発光体群と第2発光体群とでお互い対称の関係に位置していない(対称となる位置に配置されていない)ことを意味する。この対称の関係には、線対称、点対称、反転、鏡像等となる関係を広く含む。
【0020】
所定の形状とは、例えば、三角形、ひし形等々の多角形を広く含む。また、円形であっても、回転等、向きを変えたときに該形状が回転あるいは向きを変えたことが見た目上で認識(識別)できるものであればよい。そのため、いわゆる正円(真円)は除かれる。
また、第1発光体群が配置された方向と相違して第2発光体群が配置されることとは、例えば、所定の形状を三角形「△」とした場合に、第1発光体群「△」に対し、三角形の頂角の向きを変えた「▽」を第2発光体群として、「△」「▽」となるように配置することを意味する。
【発明の効果】
【0021】
第1の発明によれば、制御手段は、第1特別図柄変動表示手段を制御する制御コマンドと、第2特別図柄変動表示手段を制御する制御コマンドを共通のコマンドとしてそれぞれ対応する特別図柄変動表示手段に送信する。また、第1発光体群と第2発光体群とで複数の発光体を同一態様にて配置するため、第1発光体群の形状と第2発光体群の形状は同じ形状となる。ところが、第1発光体群と第2発光体群では、同じ制御コマンドに基づいてもそれぞれ発光パターンは異なるものとなる。これにより、遊技者が特別図柄の表示態様を一通り覚えるまでには膨大な時間を要することとなる。したがって、特別図柄の表示態様から大当たりか否かを遊技者が容易に判別できにくい遊技機を提供することができる。
【0022】
また、特別図柄を表示させるためのコマンドは、第1特別図柄変動表示手段および第2特別図柄変動表示手段ともに共通のコマンドとしたため、メイン制御基板等のプログラム容量やCPUの負荷を軽減させることができる。
【0023】(削除)
【0024】(削除)
【0025】
第3の発明によれば、第1発光体群と第2発光体群は群(一つの集合体、かたまり)として見ると同一態様である所定の形状を成すように個々の発光体が配置される。そして、第1発光体群と第2発光体群とは、この所定の形状でみて、互いに異なる方向となるよう配置される。このため、より一層、遊技者が特別図柄の表示態様を一通り覚えるために膨大な時間を要することとなる。したがって、特別図柄の表示態様から大当たりか否かを遊技者が容易に判別できにくい遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態の遊技機の正面図である。
【図2】図1の部分拡大図であり、始動口の開閉状態を示す図である。
【図3】図1の部分拡大図であり、大入賞口の開閉状態を示す図である。
【図4】制御手段のブロック図である。
【図5】主制御基板のROMに格納された主なプログラムを示す図である。
【図6】他の基板のROMに格納された主なプログラムを示す図である。
【図7】主制御基板のRAMに設けられた主な記憶領域を示す図である。
【図8】主制御基板におけるルーチン処理を示す図である。
【図9】主制御基板における入賞ゲート通過処理を示すフローチャートである。
【図10】主制御基板における普通図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図11】主制御基板における第2始動口処理を示すフローチャートである。
【図12】主制御基板における始動口入球処理を示すフローチャートである。
【図13】主制御基板のRAMに設けられた特別図柄保留記憶領域の概念図である。 【図14】主制御基板における特別図柄変動処理を示すフローチャートである。
【図15】主制御基板における大当たり判定処理を示すフローチャートである。
【図16】遊技データと、遊技データを判定するテーブルの一例を示す図である。
【図17】特別図柄表示器19,20におけるLED群の一例を示す図である。
【図18】特別図柄表示器19,20に停止表示される特別図柄の種類別の点灯パターンの一例を示す図である。
【図19】特別図柄表示器19,20におけるLED群の点灯状態の一例(1)を示す図である。
【図20】特別図柄表示器19,20におけるLED群の点灯状態の一例(2)を示す図である。
【図21】主制御基板における変動パターン選択処理を示すフローチャートである。
【図22】主制御基板における変動停止中処理を示すフローチャートである。
【図23】主制御基板における大入賞口処理を示すフローチャートである。
【図24】主制御基板における大当たり遊技処理(長当たり遊技処理)を示すフローチャートである。
【図25】主制御基板における大当たり遊技処理(短当たり遊技処理)を示すフローチャートである。
【図26】主制御基板における小当たり遊技処理を示すフローチャートである。
【図27】主制御基板における出力処理を示すフローチャートである。
【図28】副制御基板におけるルーチン処理を示す図である。
【図29】副制御基板における演出実行コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図30】副制御基板における特別遊技コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図31】副制御基板における長当たり用コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図32】副制御基板における短当たり用コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【図33】副制御基板における小当たり用コマンド受信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明の遊技機の一例を示す正面図、図2は当該遊技機に設けられた始動口の部分拡大図、図3は遊技盤に設けられた大入賞口の部分拡大図である。
遊技機1は、遊技盤2を備えており、この遊技盤2の下部位置には操作ハンドル3が回動可能に設けられている。この操作ハンドル3には、その回動角度を検出するための回動角検出SW3aが設けられており、この回動角検出SW3aの検出角度に応じた電圧が、遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド4a(図3参照)に印加される。そして、発射用ソレノイド4aに電圧が印加されると、発射用ソレノイド4aが印加電圧に応じて作動するとともに、操作ハンドル3の回動角度に応じた強さで遊技球が発射される。
【0028】
上記のようにして発射された遊技球は、レール5a,5b間を上昇して遊技盤2の上部位置に達した後、遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた不図示の複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域6には、複数の普通入賞口7が設けられている。これら各普通入賞口7には、普通入賞口検出SW7aが設けられており、この普通入賞口検出SW7aが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
【0029】
さらに、上記遊技領域6であって、上記普通入賞口7の上方には、入賞ゲート8が遊技球を通過可能に設けられている。入賞ゲート8には、遊技球の通過を検出するゲート検出SW8aが設けられており、このゲート検出SW8aが遊技球の通過を検出すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。
【0030】
また、上記遊技領域6の下部位置には、上記普通入賞口7と同様に、遊技球が入球可能な第1始動口9が設けられている。また、第1始動口9の真下には、第2始動口10が設けられている。第2始動口10は、図2(a)に示すように、一対の可動片10bを有しており、これら一対の可動片10bが閉状態に維持される第1の態様と、図2(b)に示すように、一対の可動片10bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口10が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口10の真上に位置する第1始動口9が障害物となって、遊技球の受入れを不可能または困難としている。一方で、第2始動口10が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片10bが受け皿として機能し、第2始動口10への遊技球の入球が容易となる。つまり、第2始動口10は、第1の態様にあるときには遊技球の入球機会がほとんどなく、第2の態様にあるときには遊技球の入球機会が増すこととなる。
なお、上記第1始動口9および第2始動口10には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出SW9aおよび第2始動口検出SW10aがそれぞれ設けられており、これら検出SWが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、検出SW9a、10aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば4個の遊技球)が払い出される。
【0031】
そして、図1に示すように、上記第2始動口10のさらに下方には、大入賞口11が設けられている。この大入賞口11は、通常は大入賞口開閉扉11bを備えており、この大入賞口開閉扉11bによって、通常は大入賞口11が図3(a)に示す閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、後述する大入賞口開閉ソレノイド11cが通電され、該大入賞口開閉ソレノイド11cによって大入賞口開閉扉11bが図3(b)のとおりに開放され、大入賞口11が開状態となる。このように、大入賞口開閉扉11bが開放されると、大入賞口開閉扉11bが、遊技球を大入賞口11内に導くための受け皿として機能し、遊技球が大入賞口11に入球可能となる。大入賞口11には大入賞口検出SW11aが設けられており、この大入賞口検出SW11aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
上記大入賞口11のさらに下方、すなわち、遊技領域6の最下部には、普通入賞口7、第1始動口9、第2始動口10、および大入賞口11のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するための排出口12が設けられている。
【0032】
また、大入賞口11に入球した遊技球は、通路40を介して遊技盤2の背面側に排出されるが、この通路40には、上記大入賞口検出SW11aが設けられている。したがって、大入賞口11に入球した遊技球は、大入賞口検出SW11aによって検出された後に、上記排出口12等から排出された遊技球と同様に回収されることとなる。
【0033】
そして、上記大入賞口11内には、当該大入賞口11に入球した遊技球が、所定の確率で入球しうる継続入賞口30が設けられている。この継続入賞口30に入球した遊技球は、通路31を介して遊技盤2の背面側に排出されるが、この通路31には、継続入賞口30への遊技球の入球を検出するセンサからなる継続入賞口検出SW31aが設けられている。したがって、継続入賞口30に入球した遊技球は、継続入賞口検出SW31aによって検出された後に、上記排出口12等から排出された遊技球と同様に回収されることとなる。
【0034】
また、上記遊技盤2には、さまざまな演出を行う演出装置が設けられている。
具体的には、上記遊技領域6の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる演出表示装置13が設けられており、この演出表示装置13の右側面には、演出役物装置14が設けられている。さらに、遊技盤2の上部位置および下部位置の双方には、演出用照明装置16が設けられており、上記操作ハンドル3の左側には、演出ボタン17が設けられている。
【0035】
上記演出表示装置13は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球したときには、抽選結果を遊技者に報知する装飾図柄が変動表示される。装飾図柄というのは、例えば3つの数字をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、特定の図柄(数字)を配列表示するものである。これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄によって、抽選結果が遊技者に報知される。この装飾図柄の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクター等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにしている。
【0036】
上記演出役物装置14は、遊技機1のタイトル(例えば、機種名など)を示した装飾飾りとしての機能に加えて、図示しない可動装置15を備えており、この可動装置15の作動により上下動するものとなっている。この上下動の可動範囲は図示の位置から演出表示装置13の略中央の位置まで上下動可能となっている。例えば、演出表示装置13においていずれかの演出が実行されているときに可動装置15を作動させて、あたかも演出役物装置14が突然落下してきたかのような衝撃を遊技者に与えるができる。このように演出役物装置14は、演出に面白みを付与するものとなっている。
また、演出用照明装置16は、それぞれ複数のライト16aを備えており、各ライト16aの光の照射方向や発光色を変更しながら、さまざまな演出を行うようにしている。
【0037】
また、上記操作ハンドル3の左側には、遊技者が押圧操作可能な演出ボタン17が設けられている。この演出ボタン17は、例えば、上記演出表示装置13に当該演出ボタン17を操作するようなメッセージが表示されたときのみ有効となる。演出ボタン17には、演出ボタン検出SW17aが設けられており、この演出ボタン検出SW17aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
さらに、図1には示していないが、遊技機1にはスピーカからなる音声出力装置18(図4参照)が設けられており、上記の各演出装置に加えて、音声による演出も行うようにしている。
【0038】
そして、遊技領域6の下方には、第1特別図柄表示器19、第2特別図柄表示器20、普通図柄表示器21、第1保留表示器22、第2保留表示器23、普通図柄保留表示器24が設けられている。
上記第1特別図柄表示器19は、第1始動口9に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのものである。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示器19に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。なお、第1特別図柄表示器19に表示される特別図柄については後述する。
【0039】
より詳細には、第1始動口9に遊技球が入球すると、大当たりの抽選が行われることとなるが、この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、所定時間を経過したところで遊技者に報知される。したがって、所定時間が経過するまでの間、第1特別図柄表示器19にはLEDを点滅させる等、あたかも現在抽選が行われているような表示(変動表示)がなされる。そして、所定時間が経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示器20は、第2始動口10に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様についても後述する。
【0040】
また、普通図柄表示器21は、入賞ゲート8を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示器21が点灯し、その後、上記第2始動口10が所定時間、第2の態様に制御される。なお、この普通図柄についても、入賞ゲート8を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで、普通図柄表示器21を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。
【0041】
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球して、即座に特別図柄の変動表示を行えない場合には、一定の条件のもとで特別図柄の変動表示の権利が留保される。より詳細には、第1始動口9に遊技球が入球して留保される特別図柄の変動表示の権利は第1保留(U1)として留保され、第2始動口10に遊技球が入球して留保される特別図柄の変動表示の権利は第2保留(U2)として留保される。
これら両保留は、それぞれ上限留保個数を4個に設定し、その留保個数は、それぞれ第1保留表示器22と第2保留表示器23とに表示される。なお、第1保留(U1)が1つの場合には、第1保留表示器22の左側のLEDが点灯し、第1保留(U1)が2つの場合には、第1保留表示器22の2つのLEDが点灯する。また、第1保留(U1)が3つの場合には、第1保留表示器22の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留(U1)が4つの場合には、第1保留表示器22の2つのLEDが点滅する。また、第2保留表示器23においても、上記と同様に第2保留(U2)の留保個数が表示される。
そして、普通図柄の上限留保個数も4個に設定されており、その留保個数が、上記第1保留表示器22および第2保留表示器23と同様の態様によって、普通図柄保留表示器24において表示される。
【0042】
(制御手段の内部構成)
次に、図4を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。本実施形態においては、制御手段100は、主制御基板101、副制御基板102、賞球制御基板103、ランプ制御基板104、および演出制御基板105から構成されている。
【0043】
主制御基板101は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板101は、CPU101a、ROM101b、RAM101cを備えている。CPU101aは、各検出SWやタイマからの入力信号に基づいて、ROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。RAM101cは、CPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0044】
上記主制御基板101の入力側には、普通入賞口検出SW7a、ゲート検出SW8a、第1始動口検出SW9a、第2始動口検出SW10a、大入賞口検出SW11a、継続入賞口検出SW31aが接続されており、遊技球の検出信号が主制御基板101に入力するようにしている。
【0045】
また、主制御基板101の出力側には、役物作動装置25が接続されている。この役物作動装置25は、第2始動口10の一対の可動片10bを開閉動作させる第2始動口開閉ソレノイド10cと、大入賞口開閉扉11bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド11cとによって構成される。さらに、主制御基板101の出力側には、第1特別図柄表示装置19と、第2特別図柄表示装置20と、普通図柄表示装置21と、第1保留表示器22と、第2保留表示器23と、普通図柄保留表示器24とが接続されており、出力ポートを介して各種信号が出力される。
なお、上記各種信号は、本実施形態における点灯信号または制御コマンドの一例に該当する。
また、主制御基板101は、遊技店のホールコンピュータにおいて遊技機の管理をするために必要となる外部情報信号を遊技情報出力端子板(不図示)に出力する。
【0046】
副制御基板102は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板102は、CPU102a、ROM102b、RAM102cを備えており、主制御基板101に対して、当該主制御基板101から副制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。CPU102aは、主制御基板101から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出SW17aやタイマからの入力信号に基づいて、ROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、コマンドをランプ制御基板104または演出制御基板105に送信する。RAM102cは、CPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0047】
賞球制御基板103は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この賞球制御基板103は、CPU103a、ROM103b、RAM103cを備えており、主制御基板101に対して、双方向に通信可能に接続されている。CPU103aは、回動角検出SW3aからの入力信号に基づいて、ROM103bに格納されたプログラムを読み出して、遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド4aを通電制御する。また、賞球制御基板103の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すためのモータ等を備えた賞球払出装置26が接続されている。CPU103aは、主制御基板101から送信されたコマンドに基づいて、ROM103bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置26を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、RAM103cは、CPU103aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0048】
ランプ制御基板104は、上記各基板と同様に、CPU104a、ROM104b、RAM104cを備えており、遊技盤2に設けられた演出用照明装置16を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出役物14,可動装置15を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板104は、副制御基板102に接続されており、副制御基板102から送信されたコマンドに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
【0049】
演出制御基板105は、上記演出表示装置13の画像表示制御を行うための画像CPU105a1、画像ROM105b1、画像RAM105c1、VRAM105dと、上記音声出力装置18の音声出力制御を行うための音声CPU105a2、音声ROM105b2、音声RAM105c2とを備えている。この演出制御基板105は、上記副制御基板102に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記演出表示装置13および音声出力装置18を接続している。
【0050】
上記画像ROM105b1には、演出表示装置13に表示される装飾図柄や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPU105a1が副制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、所定の画像データをROM105b1からVRAM105dに読み出して、演出表示装置13における表示制御をする。なお、CPU105a1は、演出表示装置13に対して、背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、キャラクター画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、装飾図柄画像、キャラクター画像は、演出表示装置13の表示画面上において重畳表示される。
すなわち、装飾図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAM105dに記憶させる。
【0051】
また、上記音声ROM105b2には、音声出力装置18から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPU105a2は、副制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置18における音声出力制御をする。
【0052】
(主制御基板のROMに格納された主なプログラム)
図5は、遊技の進行を制御する主制御基板101のROM101bに格納された主なプログラムの一例を示し、図6は、演出を制御する副制御基板102、ランプ制御基板104、演出制御基板105の各ROMに格納された主なプログラムの一例を示している。なお、図5、図6に示すプログラムは、本実施形態における制御のうち、特徴的な制御を行うプログラムを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のプログラムが多数設けられている。
【0053】
図5に示すように、主制御基板101のROM101bには、遊技球が入賞ゲート8を通過したことを契機に機能するプログラムとして、普通図柄処理プログラム200が格納されている。また、ROM101bには、普通図柄処理プログラム200のサブプログラムとして機能する入賞ゲート通過時処理プログラム201、普通図柄変動時処理プログラム202、第2始動口制御プログラム203が格納されている。さらに、ROM101bには、上記入賞ゲート通過時処理プログラム201のサブプログラムとして機能する当たり乱数抽選プログラム201aと、普通図柄変動時処理プログラム202のサブプログラムとして機能する当たり乱数判定プログラム202aが格納されている。
【0054】
また、ROM101bには、遊技球が第1始動口9または第2始動口10に入球したことを契機に機能するプログラムとして、特別図柄処理プログラム220が格納されている。また、ROM101bには、特別図柄処理プログラム220のサブプログラムとして機能する始動口入球時処理プログラム221、特別図柄変動時処理プログラム222が格納されている。さらに、ROM101bには、上記始動口入球時処理プログラム221のサブプログラムとして機能する特別図柄保留数カウントプログラム221a、大当たり乱数抽選プログラム221b、図柄乱数抽選プログラム221c、リーチ乱数抽選プログラム221dが格納されている。また、ROM101bには、上記特別図柄変動時処理プログラム222のサブプログラムとして機能する大当たり判定処理プログラム222a、変動パターン選択処理プログラム222b、変動乱数抽選プログラム222c、特別図柄変動表示プログラム222d、変動停止中処理プログラム222eが格納されている。
【0055】
また、ROM101bには、後述する特別遊技中に機能するプログラムとして、特別遊技処理プログラム240が格納されている。また、ROM101bには、特別遊技処理プログラム240のサブプログラムとして機能する大入賞口処理プログラム241と、さらにこの大入賞口処理プログラム241のサブプログラムとして機能する大当たり遊技処理プログラム241a、小当たり遊技処理プログラム241bが格納されている。
そして、ROM101bには、上記各プログラムによって確定されたコマンドを、副制御基板102や賞球制御基板103、または外部接続装置(不図示)に送信する出力処理プログラム260が格納されている。なお、外部接続装置とは、例えば、遊技機1に隣接して設けられ、当該遊技機1に遊技球を貸し出すための貸球装置や、遊技機1の上方に設けられ、当該遊技機1における大当たりの回数等を表示する表示装置、あるいは各遊技機の進行状況等を把握するためのホールコンピュータ等である。
【0056】
(他の基板のROMに格納された主なプログラム)
副制御基板102のROM102bには、主制御基板101から送信された後述する演出実行コマンドを受信したときに機能するプログラムとして、演出実行コマンド受信時処理プログラム320が格納されている。また、ROM102bには、演出実行コマンド受信時処理プログラム320のサブプログラムとして機能する演出乱数抽選プログラム321、演出乱数判定処理プログラム322が格納されている。
また、ROM102bには、主制御基板101から送信された後述する特別遊技コマンドを受信したときに機能するプログラムとして、特別遊技コマンド受信時処理プログラム330が格納されている。また、ROM102bには、上記特別遊技コマンド受信時処理プログラム330のサブプログラムとして機能する長当たり用コマンド受信時処理プログラム331、短当たり用コマンド受信時処理プログラム332、および小当たり用コマンド受信時処理プログラム333が格納されている。
さらに、ROM102bには、副制御基板102において確定した演出用のコマンドを、上記ランプ制御基板104や演出制御基板105に送信する演出用コマンド送信プログラム334が格納されている。
【0057】
また、演出制御基板105のROM105b1には、副制御基板102から送信された演出用コマンドを受信したときに機能するプログラムとして、演出表示装置制御プログラム341が格納されている。なお、上記演出表示装置制御プログラム341は、装飾図柄変動表示プログラム342、長当たり遊技用演出制御プログラム343、短当たり遊技用演出制御プログラム344、および小当たり遊技用演出制御プログラム345に分類される。また、副制御基板105のROM105b2には、副制御基板102から送信された演出用コマンドを受信したときに機能するプログラムとして、音声出力装置制御プログラム346が格納されている。
また、ランプ制御基板104のROM104bには、副制御基板102から送信された演出用コマンドを受信したときに機能するプログラムとして、演出役物装置作動プログラム360、演出用照明装置制御プログラム361が格納されている。
【0058】
(主制御基板のRAMの主な記憶領域)
主制御基板101のRAM101cは、主に図7に示す記憶領域を有している。なお、以下に列挙する記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
RAM101cには、普通図柄保留数(G)記憶領域400、普通図柄保留記憶領域401、特別図柄保留数(U)記憶領域402、特別図柄保留記憶領域403、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域406、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408、大入賞口入球数(C)記憶領域409、遊技状態記憶領域410が設けられている。そして、遊技状態記憶領域410は、補助遊技開始フラグ記憶領域410a、時短遊技フラグ記憶領域410b、高確率遊技フラグ記憶領域410c、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410d、短当たり遊技開始フラグ記憶領域410e、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fを備えている。
なお、副制御基板102のRAM102cにも、記憶領域が複数設けられているが、その具体的な構成については、後述する遊技の進行制御の説明中で行うこととする。
【0059】
(遊技状態の説明)
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施形態においては、「低確率遊技状態」「高確率遊技状態」「時短遊技状態」「非時短遊技状態」「長当たり遊技状態」「短当たり遊技状態」「小当たり遊技状態」のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。ただし、遊技の進行中において、遊技状態が「低確率遊技状態」または「高確率遊技状態」である場合には、必ず「時短遊技状態」または「非時短遊技状態」となっている。つまり、「低確率遊技状態」であって、かつ「時短遊技状態」である場合と、「低確率遊技状態」であって、かつ「非時短遊技状態」である場合とが存在することとなる。なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本実施形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
【0060】
本実施形態において「低確率遊技状態」というのは、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が2/601に設定された遊技状態をいう。ここでいう大当たりの当選とは、後述する「長当たり遊技」または「短当たり遊技」を実行する権利を獲得することである。
これに対して「高確率遊技状態」というのは、上記大当たりの当選確率が20/601に設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、「長当たり遊技」または「短当たり遊技」を実行する権利の獲得が容易となる。
【0061】
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、入賞ゲート8を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選に要する時間が29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口10の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、入賞ゲート8を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われるが、その抽選結果は、当該抽選が開始されてから29秒後に確定する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、その後、第2始動口10が約0.2秒間、第2の態様に制御される。
【0062】
これに対して「時短遊技状態」というのは、上記普通図柄の抽選に要する時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口10の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。
なお、本実施形態においては、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を90%に設定しており、この当選確率は「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらない。したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、入賞ゲート8を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動口10が第2の態様に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技者が遊技球を費消せずに遊技を進行することが可能となるが、ここに「時短遊技状態」の本来の目的がある。
ただし、「時短遊技状態」において、普通図柄の抽選における当たりの当選確率を「非時短遊技状態」よりも高くすることで、「時短遊技状態」を設けた上記の目的を達成するようにしても構わない。
【0063】
本実施形態において「長当たり遊技状態」というのは、第1始動口9または第2始動口10に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、長当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技状態をいう。
「長当たり遊技状態」においては、大入賞口11が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における大入賞口11の総開放時間は最大30秒に設定されており、この間に大入賞口11に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「長当たり遊技状態」は、大入賞口11に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な遊技状態である。
【0064】
本実施形態において「短当たり遊技状態」というのは、第1始動口9もしくは第2始動口10に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、短当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技状態をいう。
「短当たり遊技状態」においては、大入賞口11が開放されるラウンド遊技を計2回行う。ただし、各ラウンド遊技においては大入賞口11が1回のみ開放し、その開放時間が0.1秒に設定されている。この間に大入賞口11に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるが、上記のとおり大入賞口11の開放時間が極めて短いため、遊技球が入球することはほとんどなく、また、遊技球が入球したとしても、1回のラウンド遊技で1個?2個程度しか遊技球が入球することはない。なお、この「短当たり遊技状態」においても、大入賞口11に遊技球が入球した場合には、所定の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
【0065】
本実施形態において「小当たり遊技状態」というのは、第1始動口9もしくは第2始動口10に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技状態をいう。
「小当たり遊技状態」においても、上記「短当たり遊技状態」と同様、大入賞口11が2回開放される。このときの大入賞口11の開放時間、開閉タイミング、開閉態様は、上記「短当たり遊技状態」と同じか、または、遊技者が「小当たり遊技状態」と「短当たり遊技状態」との判別を不能もしくは困難な程度に近似している。ただし、大入賞口11に遊技球が入球した場合には、上記と同様に所定の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
【0066】
なお、本実施形態においては、上記「長当たり遊技」と「短当たり遊技」とを「大当たり遊技」と称し、この「大当たり遊技」と上記「小当たり遊技」とを総称して「特別遊技」という。
そして、主制御基板101においては、RAM101cの遊技状態記憶領域410にフラグを記憶することによって、現在の遊技状態が上記のいずれの遊技状態であるのかを把握するようにしている。
また、遊技状態がある遊技状態から他の遊技状態に変更するのは、上記大当たりの抽選の結果、「大当たり」に当選した場合である。本実施形態においては複数種類の「大当たり」が設けられており、当選した「大当たり」の種類に応じて、以後の遊技状態が変更する。以下に、本実施形態において設けられた「大当たり」について説明する。
【0067】
(大当たりの種類の説明)
本実施形態においては、「高確率時短付き長当たり」、「通常時短付き長当たり」、「高確率時短付き短当たり」、「通常時短付き短当たり」、「高確率時短無し短当たり」、「通常時短無し短当たり」の6種類の大当たりが設けられている。
【0068】
「高確率時短付き長当たり」というのは、3つの遊技価値が付与されるものである。この「高確率時短付き長当たり」に当選すると、1つ目の遊技価値として、上記「長当たり遊技状態」となり、遊技者は多量の賞球を獲得することが可能となる。そして、この「長当たり遊技状態」が終了すると、2つ目の遊技価値として、「高確率遊技状態」にて遊技が進行するとともに、3つ目の遊技価値として、「時短遊技状態」にて遊技が進行する。これにより、遊技者は、多量の賞球を獲得した上に、当該賞球の獲得後、遊技球の費消を低減しながら、再度大当たりの当選を早期に実現することができる。なお、本実施形態においては、「高確率遊技状態」および「時短遊技状態」は、特別図柄の変動表示が最大10000回行われるまで継続する。したがって、確率から考えれば、再度大当たりに当選するまで「高確率遊技状態」および「時短遊技状態」が継続することとなる。
【0069】
「通常時短付き長当たり」というのは、2つの遊技価値が付与されるものである。この「通常時短付き長当たり」に当選すると、1つ目の遊技価値として、上記「長当たり遊技状態」となり、遊技者は多量の賞球を獲得することが可能となる。また、「長当たり遊技状態」が終了すると、2つ目の遊技価値として、「時短遊技状態」にて遊技が進行する。ただし、「長当たり遊技状態」の終了後、「高確率遊技状態」ではなく「低確率遊技状態」にて遊技が進行する点で、上記「高確率時短付き長当たり」と相異する。なお、本実施形態においては、「通常時短付き長当たり」に当選して「時短遊技状態」となった場合には、特別図柄の変動表示が最大100回行われたところで、当該「時短遊技状態」が終了する。
このように、本実施形態においては、多量の賞球を獲得することが可能な「長当たり遊技状態」の終了後に、大当たりの当選確率が高い「高確率遊技状態」にて遊技が進行する長当たりと、大当たりの当選確率が低確率である「低確率遊技状態」にて遊技が進行する長当たりとが設けられている。
【0070】
「高確率時短付き短当たり」というのは、遊技状態が上記「短当たり遊技状態」に移行するとともに、この「短当たり遊技状態」の終了後に、「高確率遊技状態」および「時短遊技状態」にて遊技が進行するものである。この「高確率時短付き短当たり」に当選した場合には、多量の賞球を即座に獲得することはできないが、以後の遊技状態が「高確率遊技状態」となるため、以後の遊技において多量の賞球を獲得する可能性が高くなる。また、「高確率時短付き短当たり」に当選すると、当該短当たり遊技の終了後に、「時短遊技状態」となるため、再度大当たりに当選するまでの遊技球の費消を低減することが可能となる。なお、この「高確率時短付き短当たり」に当選した場合にも、上記「高確率遊技状態」および「時短遊技状態」は、特別図柄の変動表示が最大10000回行われるまで継続する。
【0071】
「通常時短付き短当たり」というのは、遊技状態が上記「短当たり遊技状態」に移行するとともに、この「短当たり遊技状態」の終了後に、「時短遊技状態」にて遊技が進行するものである。なお、上記「高確率時短付き短当たり」と同様に、以後の遊技状態が「時短遊技状態」となるため、特別図柄の変動表示が100回行われるまでは、遊技球の費消を低減することが可能となる。なお、「低確率遊技状態」において、「通常時短付き短当たり」に当選した場合には、以後、「時短遊技状態」にて遊技を進行することができるというメリットを享受するだけであるが、「高確率遊技状態」において、当該「通常時短付き短当たり」に当選してしまうと、以後、「低確率遊技状態」に転落してしまうというデメリットがある。
【0072】
なお、本実施形態においては、「通常時短付き短当たり」も「高確率時短付き短当たり」も、大入賞口11の開閉動作、および、「時短遊技状態」へ移行後の第2始動口10の開閉動作を同じにしている。また、後で説明するように、「通常時短付き短当たり」と「高確率時短付き短当たり」とで、演出内容も同じにしている。したがって、遊技者にとっては、「短当たり遊技状態」の終了後に、「高確率遊技状態」となっているのか「低確率遊技状態」となっているのかを判別するのが非常に困難となっている。このように、「通常時短付き短当たり」を設けたることによって、遊技状態が「高確率遊技状態」となっているのか「低確率遊技状態」となっているのかについて、遊技者に疑念を抱かせて、遊技の興趣を高めることが可能となる。
【0073】
「高確率時短無し短当たり」というのは、上記「高確率時短付き短当たり」と同様に、「短当たり遊技状態」が終了した後、「高確率遊技状態」へ移行するものである。ただし、この「高確率時短無し短当たり」は、短当たり遊技の終了後に「時短遊技状態」とならない点で、上記「高確率時短付き短当たり」と相異する。この「高確率時短無し短当たり」に当選した場合にも、多量の賞球を即座に獲得することはできない。しかも、以後、「時短遊技状態」にもならないため、「高確率時短付き短当たり」よりも遊技球の費消が多くなる。ただし、以後の遊技状態が「高確率遊技状態」となるため、以後の遊技において、長当たりに当選することによる多量の賞球獲得の可能性は高い。なお、この「高確率時短無し短当たり」に当選した場合にも、上記「高確率遊技状態」は、特別図柄の変動表示が最大10000回行われるまで継続する。
【0074】
「通常時短無し短当たり」というのは、「短当たり遊技状態」が終了した後、「低確率遊技状態」にて遊技が進行するものである。つまり、この「通常時短無し短当たり」に当選しても、「高確率遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれにも移行することがない。しかも、短当たり遊技によっては、多量の賞球を獲得することが不可能であるため、遊技者にとっては、大当たり当選による遊技価値がほとんど付与されていないこととなる。このような「通常時短無し短当たり」を設けた理由は、主に、遊技状態を、賞球を払い出すことなく「高確率遊技状態」から「低確率遊技状態」に復帰させることにある。また、「低確率遊技状態」において「通常時短無し短当たり」に当選しても遊技状態は何ら変化しない。したがって、遊技者に「高確率時短無し短当たり」と「通常時短無し短当たり」との区別がつかないようにすれば、短当たり遊技の終了後に、「高確率遊技状態」となっているのか「低確率遊技状態」となっているのかについて、遊技者に疑念を抱かせて、遊技の興趣を高めることができる。
【0075】
なお、本実施形態においては、「大当たり」とは別に「小当たり」が設けられており、「小当たり」に当選した場合には、以後の遊技状態が「小当たり遊技状態」となる。ただし、「小当たり」に当選した場合には、「小当たり遊技状態」の終了後に、「高確率遊技状態」や「時短遊技状態」等の遊技状態が変更することはない。例えば、「高確率遊技状態」において「小当たり」に当選した場合には、「小当たり遊技状態」の終了後も「高確率遊技状態」が継続する。
なお、「高確率時短無し短当たり」は本発明の第1データに該当し、「小当たり」は本発明の第2データに該当する。
【0076】
次に、遊技機1における遊技の進行について、制御手段100の制御を示すフローチャートを用いて説明する。
図8は、主制御基板101において実行される主なサブルーチンを示しており、CPU101aは、図示の全てのサブルーチンを0.004秒ごとに繰り返し行っている。なお、ここでは、入賞ゲート通過処理→普通図柄変動処理→第2始動口処理→始動口入球処理→特別図柄変動処理→大入賞口処理→賞球処理→出力処理、という順にサブルーチンが実行されるものとしているが、これは説明の都合によるものである。実際は、検出SWからの信号に基づいてなされる処理(入賞ゲート通過処理、始動口入球処理)→変動処理(普通図柄変動処理、特別図柄変動処理)→役物を作動させる処理(第2始動口処理、大入賞口処理)→賞球処理→出力処理、の順にサブルーチンが実行される方が望ましい。
【0077】
(入賞ゲート通過処理)
主制御基板101のCPU101aは、まず、ROM101bから入賞ゲート通過時処理プログラム201を読み出して、図9に示す入賞ゲート通過処理を行う。
【0078】
(ステップS101)
入賞ゲート通過時処理プログラム201は、ゲート検出SW8aが信号を検出したか、すなわち、遊技球が入賞ゲート8を通過したか否かを判断する。ゲート検出SW8aが信号を検出していない場合、すなわち、遊技球が入賞ゲート8を通過していない場合には、入賞ゲート通過処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
【0079】
(ステップS102)
上記ステップS101において、ゲート検出SW8aがONしていると判断した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域400に記憶された普通図柄の保留数(G)が4未満であるか否かを判断する。その結果、普通図柄の保留数(G)が4であった場合には、入賞ゲート通過処理を終了して、次のサブルーチンが実行される。
【0080】
(ステップS103)
上記ステップS102において、保留数(G)が4未満であった場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域400に、記憶されている現在の保留数(G)に「1」を加算して記憶する。
【0081】
(ステップS104)
次に、CPU101aは、入賞ゲート通過時処理プログラム201のサブプログラムである当たり乱数抽選プログラム201aを読み出して、予め用意された乱数(例えば、0?250)から1の乱数を取得する。この当たり乱数抽選プログラム201aによって取得された乱数は、普通図柄保留記憶領域401に記憶される。
これにより、入賞ゲート通過処理が終了する。
【0082】
(普通図柄変動処理)
上記のようにして入賞ゲート通過処理が終了すると、CPU101aは、ROM101bから普通図柄変動時処理プログラム202を読み出して、図10に示す普通図柄変動処理を行う。
【0083】
(ステップS201)
普通図柄変動時処理プログラム202は、RAM101cの補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされているか否かを判断する。ここでいう「補助遊技」とは、第2始動口10が第2の態様に制御されていることを意味するものであり、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされる場合というのは、第2始動口10が第2の態様に制御されている場合である。したがって、このステップS201では、第2始動口10が第2の態様に制御されている最中であるか否かを判断することとなる。そして、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされている場合、すなわち、第2始動口10が第2の態様に制御されている場合には、普通図柄変動処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
【0084】
(ステップS202)
上記ステップS201において、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされていない場合、すなわち、第2始動口10が第1の態様に制御されている場合には、普通図柄の変動表示中であるか否かを判断する。
【0085】
(ステップS203)
ステップS201およびステップS202の双方において「NO」と判断される場合というのは、第2始動口10が第1の態様に維持されており、また、普通図柄の変動表示も行われていない場合である。
この場合には、普通図柄保留記憶領域401に記憶された乱数に基づいて、普通図柄の変動表示を開始することができる。ただし、普通図柄保留記憶領域401に乱数が記憶されていない場合、すなわち、保留数(G)が「0」の場合には普通図柄の変動表示は行われないため、ここでは保留数(G)が「1」以上であるか否かを判断する。その結果、保留数(G)が「0」であった場合には、普通図柄変動処理を終了して、次のサブルーチンが実行される。
【0086】
(ステップS204)
上記ステップS203において、保留数(G)が「1」以上であると判断した場合には、普通図柄保留数(G)記憶領域400に記憶されている値(G)から「1」を減算した新たな保留数(G)を記憶する。
【0087】
(ステップS205)
次に、CPU101aは、普通図柄変動時処理プログラム202のサブプログラムである当たり乱数判定プログラム202aを読み出して、普通図柄保留記憶領域401に記憶された当たり乱数の判定を行う。なお、複数の当たり乱数が記憶されている場合には、当該当たり乱数が記憶された順に読み出されるようにしている。
そして、ROM101bには、この当たり乱数の判定を行うテーブルが設けられており、当たり乱数判定プログラム202aは、読み出した乱数を上記のテーブルに照らし合わせて当たりか否かの判定を行う。例えば、上記テーブルによれば、「0」?「250」の当たり乱数のうち、「0」?「224」までの乱数が当たりと判定され、その他の乱数はハズレと判定される。つまり、本実施形態においては、普通図柄の当選確率が90%程度に設定されている。
【0088】
(ステップS206)(ステップS207)(ステップS208)
上記ステップS205における当たり乱数の判定の結果、当たりと判定された場合(ステップS206の「YES」)には当たり図柄がセットされ、ハズレと判定された場合(ステップS206の「NO」)にはハズレ図柄がセットされる。
ここでいう当たり図柄とは、上記普通図柄表示器21において最終的にLEDが点灯する図柄のことであり、ハズレ図柄とは最終的にLEDが点灯せずに消灯する図柄のことである。また、当たり図柄のセットとは、普通図柄表示器21においてLEDを点灯させるコマンドを所定の記憶領域に記憶させることであり、ハズレ図柄のセットとは、普通図柄表示器21においてLEDを消灯させるコマンドを所定の記憶領域に記憶させることである。
【0089】
(ステップS209)
次に、普通図柄変動時処理プログラム202は、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされているか否かを判断する。時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされている場合というのは、遊技状態が時短遊技状態にあるときであり、上記フラグがONされていない場合というのは、遊技状態が非時短遊技状態にあるときである。
【0090】
(ステップS210)(ステップS211)
上記ステップS209において、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされていると判断した場合には変動時間を3秒にセットし、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされていないと判断した場合には変動時間を29秒にセットする。このステップS210またはステップS211の処理によって、普通図柄の変動表示の時間が決定されることとなる。
【0091】
(ステップS212)
上記のようにして変動時間がセットされたら、普通図柄変動時処理プログラム202は、普通図柄表示器21において普通図柄の変動表示を開始する。普通図柄の変動表示というのは、普通図柄表示器21においてLEDを所定の間隔で点滅させ、あたかも現在抽選中であるかのような印象を遊技者に与えるものである。この普通図柄の変動表示は、上記ステップS210またはステップS211において設定された時間だけ継続して行われることとなる。
【0092】
(ステップS213)
また、普通図柄変動時処理プログラム202は、上記ステップS212において普通図柄の変動表示を開始するとともに、時間の計測を開始する。
これにより、普通図柄変動処理が終了する。
【0093】
(ステップS214)
一方、上記ステップS202において普通図柄の変動表示中であると判断した場合、すなわち、CPU101aが普通図柄変動処理を開始したときに、普通図柄の変動表示が行われている場合には、設定された変動時間を経過したか否かを判断する。つまり、本実施形態においては、0.004秒おきに主制御基板101における全てのルーチン処理が行われる。上記ステップS202において「YES」と判断される場合というのは、当該ルーチン処理よりも前に行われたルーチン処理によって、ステップS201?ステップS213の処理が行われた場合である。したがって、このステップS214においては、それ以前に行われたルーチン処理によって設定された変動時間(3秒または29秒)を経過したか否かを判断することとなる。その結果、設定された変動時間を経過していないと判断した場合には、そのまま変動表示を継続して行う必要があるため、普通図柄変動処理を終了して次のサブルーチンを実行する。
【0094】
(ステップS215)
一方、上記ステップS214において、設定された変動時間を経過したと判断した場合には、普通図柄表示器21における普通図柄の変動を停止する。このとき、普通図柄表示器21には、それ以前のルーチン処理によって設定された普通図柄(当たり図柄またはハズレ図柄)が停止表示する。これにより、普通図柄の抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。
【0095】
(ステップS216)
上記ステップS215において普通図柄の変動を停止したら、それ以前のルーチン処理によって設定された変動時間をリセットする。
【0096】
(ステップS217)(ステップS218)
そして、設定されていた普通図柄が当たり図柄であった場合には、ステップS218において、補助遊技開始フラグ記憶領域410bにフラグをONして、普通図柄変動処理を終了する。これにより、次に実行されるサブルーチンである第2始動口処理において、補助遊技が開始されることとなる。一方、設定されていた普通図柄がハズレ図柄であった場合には、そのまま普通図柄変動処理を終了する。
【0097】
(第2始動口処理)
上記のようにして普通図柄変動処理が終了すると、CPU101aは、ROM101bから第2始動口制御プログラム203を読み出して、図11に示す第2始動口処理を行う。
【0098】
(ステップS301)
第2始動口制御プログラム203は、まず、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされているか否かを判断する。補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされている場合としては、次の2つの場合がある。1つは、当該ルーチン処理の開始時には補助遊技が開始されていないが当該ルーチン処理によって補助遊技を開始する場合である。他の1つは、当該ルーチン処理の開始時に既に補助遊技が実行されている場合である。
そして、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされていないと判断した場合には、第2始動口処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
【0099】
(ステップS302)
上記ステップS301において、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにフラグがONされていると判断した場合には、第2始動口制御プログラム203が、補助遊技中であるか否かを判断する。すでに補助遊技が実行されている場合には、後述するステップS308の処理が行われる。
【0100】
(ステップS303)
上記ステップS302において、補助遊技がまだ実行されていないと判断した場合、すなわち、上記したように、当該ルーチン処理の開始時には補助遊技が開始されていないが当該ルーチン処理によって補助遊技を開始する場合には、第2始動口制御プログラム203が、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされているか否かを判断する。
【0101】
(ステップS304)(ステップS305)
上記ステップS303において時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされていると判断した場合、すなわち、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、第2始動口制御プログラム203が開放時間を3.5秒にセットする。一方、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされていないと判断した場合には、第2始動口制御プログラム203が開放時間を0.2秒にセットする。
ここで、開放時間というのは、第2始動口10の一対の可動片10bを第2の態様に制御する時間のことである。したがって、ここでは、第2始動口10を第2の態様に所定時間制御するためのコマンドが読み出されてセットされることとなる。
【0102】
(ステップS306)
上記ステップS304またはステップS305において開放時間をセットしたら、第2始動口制御プログラム203が、第2始動口開閉ソレノイド10cに通電を開始する。これにより、第2始動口10が開放して第2の態様に制御されることとなる。
【0103】
(ステップS307)
また、第2始動口制御プログラム203は、第2始動口開閉ソレノイド10cに通電を開始するのと同時に、時間の計測を開始する。
【0104】
(ステップS308)
次に、第2始動口制御プログラム203は、上記ステップS304またはステップS305において設定された開放時間を経過したか否かを判断する。なお、ステップS302において「NO」と判断され、当該ルーチン処理においてステップS303?ステップS307の処理が行われた場合には、必ずステップS308で「NO」と判断され、次のサブルーチンが実行されることとなる。
これに対して、上記ステップS302において、補助遊技中であると判断された場合には、当該ルーチン以前のルーチンにおいて設定された開放時間を経過したと判断される場合がある。ただし、当該ルーチンの開始時において、すでに補助遊技が実行されていたとしても、設定された開放時間を経過していなければ(ステップS308の「NO」)、当該第2始動口処理を終了して、次のサブルーチンが実行される。
【0105】
(ステップS309)
上記ステップS308において、第2始動口制御プログラム203が、設定された開放時間を経過したと判断した場合には、第2始動口開閉ソレノイド10cの通電を停止する。これにより、第2始動口10は第1の態様に復帰し、再び遊技球の入球が不可能または困難となり、実行されていた補助遊技が終了することとなる。
【0106】
(ステップS310)
上記のように第2始動口開閉ソレノイド10cの通電を停止したら、第2始動口制御プログラム203は、設定された開放時間をリセットする。
【0107】
(ステップS311)
最後に、第2始動口制御プログラム203は、補助遊技開始フラグ記憶領域410aにおけるフラグをOFFして第2始動口処理を終了し、次のサブルーチンを実行することとなる。
【0108】
(始動口入球処理)
上記のようにして第2始動口処理が終了すると、CPU101aは、ROM101bから始動口入球時処理プログラム221を読み出して、図12に示す始動口入球処理を行う。
【0109】
(ステップS401)
始動口入球時処理プログラム221は、第1始動口検出SW9aが信号を検出したか、すなわち、遊技球が第1始動口9に入球したか否かを判断する。第1始動口検出SW9aが信号を検出していない場合、すなわち、遊技球が第1始動口9に入球していない場合には、始動口入球処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
【0110】
(ステップS402)
上記ステップS401において、第1始動口検出SW9aがONしていると判断した場合には、特別図柄保留数(U)記憶領域402に記憶された第1保留(U1)が4未満であるか否かを判断する。その結果、第1保留(U1)が上限留保個数の「4」であった場合には、始動口入球処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
【0111】
(ステップS403)
上記ステップS402において、第1保留(U1)が4未満であった場合には、CPU101aが特別図柄保留数カウントプログラム221aを読み出して、特別図柄保留数(U)記憶領域402に、記憶されている現在の第1保留数(U1)に「1」を加算して記憶する。
【0112】
(ステップS404)
さらに、CPU101aは、大当たり乱数抽選プログラム221bを読み出して、大当たり乱数を取得するとともに、この取得した大当たり乱数を特別図柄保留記憶領域403に記憶する。なお、大当たり乱数とは、大当たり、小当たり、ハズレのいずれかを決定するものであり、上記大当たり乱数抽選プログラム221bは、「0」?「600」の601個の乱数から一つの大当たり乱数を無作為に抽出する。続いて、CPU101aは、図柄乱数抽選プログラム221cを読み出して、図柄乱数を取得するとともに、この取得した図柄乱数を特別図柄保留記憶領域403に記憶する。なお、図柄乱数とは、大当たりの種類(長当たり、短当たり、高確率遊技状態への移行の有無、時短遊技状態への移行の有無)、すなわち、大当たりに当選した場合に、どのような遊技価値が付与されるのかを決定するものであり、図柄乱数抽選プログラム221cは、「0」?「250」の251個の乱数から一つの図柄乱数を無作為に抽出する。さらに、CPU101aは、リーチ乱数抽選プログラム221dを読み出して、リーチ乱数を取得するとともに、この取得したリーチ乱数を特別図柄保留記憶領域403に記憶する。なお、リーチ乱数とは、リーチ有り演出をするか否かを決定するものであり、リーチ乱数抽選プログラム221dは、「0」?「250」の251個の乱数から一つのリーチ乱数を無作為に抽出する。
【0113】
上記のように取得された各乱数は、特別図柄保留記憶領域403に記憶されることとなるが、この特別図柄保留記憶領域403の概念図を図13に示す。この図13(a)からも明らかなように、特別図柄保留記憶領域403は、第1記憶部403a?第8記憶部403hまでの8つの記憶部を有している。また、各記憶部403a?403hには、図13(b)に示すように、第1始動口9に遊技球が入球して乱数が取得されたのか、第2始動口10に遊技球が入球して乱数が取得されたのかという情報が記憶される。また、各記憶部403a?403hには取得された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数の3つの乱数が記憶される。
そして、当該ステップS404において取得された各乱数は、第1記憶部403aから順に記憶していく。例えば、第1記憶部403a?第8記憶部403hのいずれにも乱数が記憶されていない場合には、第1記憶部403aに取得した乱数を記憶する。また、例えば、第1記憶部403a?第4記憶部403dまで、すでに乱数が記憶されている場合には、第5記憶部403eに取得した乱数を記憶する。
【0114】
なお、上記のようにして第1始動口検出SW9aがONしている場合の処理が終了すると、今度は第2始動口検出SW10aがONしているか否かを判断し、上記ステップS401?ステップS404と同様の処理が繰り返される。
これにより、始動口入球処理が終了となり、CPU101aは次のサブルーチンを実行することとなる。
【0115】
(特別図柄変動処理)
上記のようにして始動口入球処理が終了すると、CPU101aは、ROM101bから特別図柄変動時処理プログラム222を読み出して、図14に示す特別図柄変動処理を行う。
【0116】
(ステップS501)
特別図柄変動時処理プログラム222は、まず、ROM101bの長当たり遊技開始フラグ記憶領域410d、短当たり遊技開始フラグ記憶領域410e、小当たり遊技開始フラグ記憶領域401fのいずれかにフラグがONされているか、すなわち特別遊技中であるかを判断する。その結果、特別遊技中であると判断した場合には、特別図柄変動処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
【0117】
(ステップS502)
また、特別遊技中でない場合には、特別図柄変動時処理プログラム222が、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する。
【0118】
(ステップS503)
さらに、特別図柄の変動中ではない場合には、特別図柄変動時処理プログラム222が、特別図柄保留数(U)記憶領域402に記憶された特別図柄の保留数(U)が1以上であるかを判断する。より詳細には、第1保留(U1)または第2保留(U2)が少なくとも1つ留保されているかを判断する。第1保留(U1)、第2保留(U2)のいずれも記憶されていない場合には、特別図柄変動処理を終了して、次のサブルーチンを実行する。
【0119】
(ステップS504)
上記ステップS503において、特別図柄の保留数(U)が「1」以上であると判断した場合には、特別図柄保留数(U)記憶領域402に記憶されている値(U)から「1」を減算した新たな保留数(U)を記憶する。
【0120】
(ステップS505)
続いて特別図柄変動時処理プログラム222は、特別図柄保留記憶領域403に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、第1記憶部403a?第8記憶部403hに記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。例えば、第5記憶部403eに記憶されているデータは、第4記憶部403dにシフトさせる。このとき、第1記憶部403aに記憶されているデータは、所定の処理領域に書き込まれるとともに、特別図柄保留記憶領域403からは消去されることとなる。
【0121】
(ステップS600)
そして、CPU101aは、ROM101bから大当たり判定処理プログラム222aを読み出して、上記ステップS505において所定の処理領域に書き込まれたデータに基づいて、大当たり判定処理を実行する。
【0122】
(ステップS601)
図15に示すように、大当たり判定処理プログラム222aは、高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされているか否かを判断する。高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合である。
【0123】
(ステップS602)(ステップS603)
上記ステップS601において、現在の遊技状態が高確率遊技状態であると判断した場合には、ステップS602において、「高確率時乱数判定テーブル」を選択する。一方、上記ステップS601において、現在の遊技状態が高確率遊技状態ではない(低確率遊技状態)と判断した場合には、ステップS603において、「低確率時乱数判定テーブル」を選択する。
【0124】
(ステップS604)
そして、大当たり判定処理プログラム222aが、上記ステップS505において処理領域に書き込まれた大当たり乱数を、上記ステップS602またはステップS603で選択された「高確率時乱数判定テーブル」または「低確率時乱数判定テーブル」に基づいて判定する。
【0125】
ここで、大当たり判定処理プログラム222aが行う大当たり乱数の判定について図16(a)を用いて説明する。
図16(a)は、大当たりの当選確率、および大当たり乱数の一例を示している。図16(a)に示すとおり、大当たり乱数は0?600までの601個の乱数から一つ取得される。そして、低確率遊技状態においては低確率時乱数判定テーブルに基づいて大当たり乱数の判定が行われるが、この低確率時乱数判定テーブルによれば、7および317の2つの乱数が大当たりと判定される。一方、高確率遊技状態においては高確率時乱数判定テーブルに基づいて大当たり乱数の判定が行われる。この高確率時乱数判定テーブルによれば、7,37,67,97,127,157,187,217,247,277,317,337,367,397,427,457,487,517,547,577の20個の乱数が大当たりと判定される。
このように、特別図柄保留記憶領域403に記憶された乱数が同一であったとしても、「高確率時乱数判定テーブル」を用いた場合と、「低確率時乱数判定テーブル」を用いた場合とで、異なる判定結果が得られることとなる。
【0126】
また、本実施形態においては、「小当たり」の当選についても、大当たり乱数によって決定される。この「小当たり」というのは、上記「小当たり遊技」を実行する権利を獲得するものである。なお、本実施形態においては、遊技状態とは関わりなく、言い換えれば、「低確率時乱数判定テーブル」を用いても「高確率時乱数判定テーブル」を用いても、大当たり乱数が50もしくは100であった場合に「小当たり」と判定される。
そして、「大当たり」、「小当たり」のいずれにも該当しない場合、ハズレと判定されることとなる。
【0127】
(ステップS605)(ステップS606)
そして、上記ステップS604における大当たり乱数の判定の結果、大当たりと判定した場合には、大当たり判定処理プログラム222aが、さらに処理領域に書き込まれた図柄乱数を判定して、大当たりの種類を決定する。
【0128】
大当たり判定処理プログラム222aが行う図柄乱数の判定について図16(b)を用いて説明する。図16(b)は、大当たりに当選した場合に付与される遊技価値の種類、すなわち大当たりの種類とその当選確率、および図柄乱数の一例を示し、図16(b-1)は、第1始動口9に遊技球が入球して取得された第1保留(U1)を判定する際のテーブルの一例、図16(b-2)は、第2始動口10に遊技球が入球して取得された第2保留(U2)を判定する際のテーブルの一例である。また、図16(b-3)は、上記大当たり乱数の判定の結果、小当たりに当選したと判定された場合に用いられるテーブルの一例であり、第1保留(U1)および第2保留(U2)の双方ともに、同じテーブルが用いられる。
【0129】
上記ステップS604において、第1保留(U1)について、上記大当たり乱数が大当たりに当選していると判定された場合には、大当たり判定処理プログラム222aが、図16(b-1)に示すテーブルに基づいて図柄乱数を判定し、6種類の大当たりの中からいずれか一つの大当たりを決定する。
一方、第2保留(U2)について、上記大当たり乱数が大当たりに当選していると判定された場合には、大当たり判定処理プログラム222aが、図16(b-2)に示すテーブルに基づいて図柄乱数を判定し、図示の2種類の大当たりの中からいずれかの大当たりを決定する。
【0130】
なお、第2保留(U2)について、「高確率時短付き長当たり」または「通常時短付き長当たり」のいずれかのみに当選するようにしたのは、次の理由からである。すなわち、非時短遊技状態においては、第2始動口10にほとんど遊技球が入球しない。言い換えれば、非時短遊技状態においては、大当たりの抽選のほとんどが、第1始動口9に遊技球が入球したことを契機として行われる。したがって、非時短遊技状態において、6種類の大当たりのうちのいずれかが当選するようにすることで、遊技の興趣を高めるようにしている。
【0131】
これに対して、第2始動口10に遊技球が入球した場合も、6種類の大当たりが当選するようにしてしまうと、時短遊技状態を設けたことによって、遊技者の遊技に対する意欲をかえって減退させてしまうおそれがある。
例えば、「高確率時短付き短当たり」に当選して時短遊技状態となった場合に、さらに「通常時短付き短当たり」や「通常時短無し短当たり」に当選してしまうと、「高確率時短付き短当たり」に当選したことによる遊技価値を享受することができず、遊技に対する遊技者の意欲が一気に減退してしまう。
【0132】
また、例えば、「高確率時短付き短当たり」に当選して時短遊技状態となった場合に、再度いずれかの「短当たり」に頻繁に当選することとなれば、遊技者は多量の賞球を獲得するという遊技の最大の目的を達成することがなかなかできず、遊技に対する意欲が一気に減退しかねない。このような事態が、時短遊技状態においては頻繁に発生することとなる。
そこで、上記の事態が頻繁に発生することがないよう、第2保留(U2)については、「高確率時短付き長当たり」または「通常時短付き長当たり」のいずれかのみに当選するようにしたのである。
【0133】
また、上記大当たり乱数の判定の結果、小当たりに当選したと判定した場合には、大当たり判定処理プログラム222aが、図16(b-3)に示すテーブルに基づいて、小当たりの種類を判定(決定)する。
なお、本実施形態においては、「小当たり」の種類として「小当たり1」と「小当たり2」とが設けられている。ただし、いずれの「小当たり」に当選しても、その後に実行される小当たり遊技の内容は全く同一であり、「小当たり1」と「小当たり2」とでは、特別図柄表示器19,20に停止表示される特別図柄のみが異なる(図17参照)。
【0134】
(ステップS607)
上記のようにして大当たりの種類を決定したら、大当たり判定処理プログラム222aが当該大当たりの種類に対応する大当たり図柄(特別図柄)をセットする。大当たり図柄のセットとは、特別図柄の変動表示が終了する際に、決定した大当たり図柄を特別図柄表示器19,20に停止表示するための処理である。したがって、処理領域に書き込まれた各乱数が、第1保留(U1)に係る場合には特別図柄表示器19に大当たり図柄が表示されるように処理を行い、第2保留(U2)に係る場合には特別図柄表示器20に大当たり図柄が表示されるように処理を行う。
【0135】
(ステップS608)(ステップS609)(ステップS610)
また、上記ステップS605で大当たりではないと判断した場合には、大当たり乱数の判定の結果が小当たりであるか否かを判断する(ステップS608)。その結果、小当たりであった場合には、大当たり判定処理プログラム222aが、図柄乱数の判定を行って小当たりの種類(小当たり1、小当たり2)を決定し(不図示)、当該小当たりの種類に対応する小当たり図柄(特別図柄)をセットする(ステップS609)。一方、ステップS608において、小当たりでないと判断した場合には、大当たり判定処理プログラム222aがハズレ図柄をセットする。
【0136】
ここで、第1特別図柄表示器19、第2特別図柄表示器20に表示される特別図柄について説明する。図17に示すように、第1特別図柄表示器19および第2特別図柄表示器20は、8個のLED(図17において1?8までの番号が付されている)が図示したように配置されたLED群から構成されている。このLED群は、図示のような形状を成しており、第1特別図柄表示器19を構成するLED群(第1LED群)と第2特別図柄表示器20を構成するLED群(第2LED群)とは、お互い上下反転して配置されている。
なお、上記LEDは、本実施形態における発光体に該当し、LED群は本実施形態における発光体群に該当する。
【0137】
また、各LEDに付された番号(1?8)は、該LEDの固有番号(以下「LED番号」という)を示しており、例えば、「高確率時時短付き長当たり」の場合には、LED番号1,5,7,8を点灯させる(図18参照)といったように、特別図柄の種類に応じて予め決められた番号のLEDを点灯させるようにしている。
【0138】
そして、図18は、特別図柄の種類別のLEDの点灯パターンを示すものである。この点灯パターンは、第1特別図柄表示器19および第2特別図柄表示器20に共通したものとなっている。
なお、上記点灯パターンは本実施形態における点灯信号の一例に該当する。
【0139】
ここで、第1特別図柄表示器19を構成する第1LED群と、第2特別図柄表示器20を構成する第2LED群をLED群の形状から比較すると、それぞれのLED群の形状は同じ形状である(ひし形の一つの頂角が欠けたような形状、図17)。ところが、LED番号ごとに見ると、位置関係が対照になっていない。すなわち、第2LED群を上下反転させてみても、該反転した第2LED群の各LED番号が、第1LED群の各LED番号と合致しない。このような配置態様としたのは、同一の特別図柄であっても、第1特別図柄表示器19において表示される点灯パターンと、第2特別図柄表示器20において表示される点灯パターンが同一パターンとなってしまうことを回避する目的からである。また、このようにすれば、同一の特別図柄を表示させるためのプログラムは一つ設けておけば事足りることとなる。
例えば、上記のように「高確率時時短付き長当たり」で、LED番号1,5,7,8を点灯させる場合であっても、第1特別図柄表示器19において表示される点灯パターン(図19(a)参照)と、第2特別図柄表示器20において表示される点灯パターン(図19(b)参照)は全く異なる(規則性が無い)ものとなるため、遊技者が特別図柄の点灯パターンを一通り学習するには膨大な時間を要することとなる。したがって、特別図柄の点灯パターンから特別図柄の種類を遊技者が容易に判別しにくくすることができる。
なお、点灯パターンが「全く異なる」若しくは「規則性が無い」とは、線対称、点対称、反転、鏡像等の関係になっていないことを意味するものである。
【0140】
なお、図20は、ハズレの場合に特別図柄表示器19,20に表示される点灯パターン(図20(a)および図20(b))と、小当たり2の場合に特別図柄表示器19,20に表示される点灯パターン(図20(c)および図20(d))に表示される点灯パターンを示したものである。これらからも、たとえ遊技者が特別図柄表示器19,20のどちらか一方の特別図柄表示器における特別図柄の点灯パターンを覚えたとしても、他方の特別図柄表示器ではその覚えた点灯パターンを当てはめることができないため、遊技者が特別図柄の点灯パターンを一通り学習するためには膨大な時間を必要とすることとなる。したがって、特別図柄の表示態様からは大当たりか否か等の抽選結果を遊技者が容易に判別しにくいものとすることができる。また、このことは、遊技者が特別図柄の点灯パターンを覚えようという意欲を減退させる効果も奏する。
【0141】
(ステップS700)
上記のようにして大当たり判定処理が終了したら、次にCPU101aは、変動パターン選択処理プログラム222bを読み出して、変動パターンを決定する。
【0142】
(ステップS701)
図21に示すように、変動パターン選択処理プログラム222bは、上記ステップS600における大当たり判定処理の結果が大当たりであるか否かを判断する。
【0143】
(ステップS702)
そして、大当たり判定処理の結果が大当たりであった場合には、大当たり用テーブルを選択してセットする。
【0144】
(ステップS703)(ステップS704)
また、上記大当たり判定処理の結果が大当たりでないと判断した場合には、さらに大当たり判定処理の結果が小当たりであるか否かを判断する。大当たり処理の結果が小当たりであった場合(ステップS703の「YES」)には、小当たり用テーブルを選択してセットする(ステップS704)。
【0145】
(ステップS705)
そして、大当たり判定処理の結果が、大当たりでも小当たりでもなく、ハズレであった場合には、変動パターン選択処理プログラム222bがリーチ乱数判定テーブルに基づいて、処理領域に書き込まれたリーチ乱数の判定を行う。リーチ乱数の判定について、図16(c)を用いて説明する。図16(c)は、リーチ演出の有無とその出現確率、およびリーチ乱数の一例を示している。
【0146】
すでに説明したとおり、リーチ乱数は、0?250の乱数の中から無作為に1つ取得される。本実施形態においては、大当たり乱数がハズレであると判定された場合にのみ、リーチ乱数判定テーブルに基づいてリーチ乱数の判定を行う。リーチ乱数判定テーブルは、0?24の乱数がリーチ有り演出と判定され、その他の乱数がリーチ無し演出と判定される。したがって、ハズレ時には、リーチ無し演出が実行される確率が高くなる一方で、遊技者に期待感を与えるいわゆるガセリーチ演出が10%程度の確率で実行されることとなる。一方、大当たり時および小当たり時には、必ずリーチ有り演出が実行されるため、本実施形態においては、リーチ乱数が取得されるものの、当該リーチ乱数の判定は行わないこととしている。
ここで、リーチ乱数によって決定されるリーチ有り演出、リーチ無し演出というのは、演出表示装置13において行われる装飾図柄演出の態様を示すものである。つまり、特別図柄の変動表示中には、「1」?「9」の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が、3列表示されており、後述する特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロールを開始する。
【0147】
そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後に当該スクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示するとともに、最後の1列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ有り演出のなかには、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクターが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるスーパーリーチ演出が含まれている。
一方、リーチ無し演出は、上記のように遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
【0148】
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、演出表示装置13においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。なお、大当たりに当選した場合には、上記のようなリーチ有り演出が必ず行われ、最終的に横または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。
【0149】
(ステップS706)(ステップS707)(ステップS708)
上記のようにして行われるリーチ乱数の判定の結果、リーチ有り演出と判定した場合、すなわち、リーチ乱数が「0」?「24」であった場合には、リーチ用テーブルを選択してセットし、リーチ無し演出と判定した場合、すなわち、リーチ乱数が「25」?「250」であった場合には、ハズレ用テーブルを選択してセットする。
【0150】
(ステップS709)
次に、CPU101aは、変動乱数抽選プログラム222cを読み出して、上記リーチ乱数と同様に、「0」?「250」から1の乱数を無作為に抽出する。
【0151】
(ステップS710)
そして、変動パターン選択処理プログラム222bは、上記ステップS709で抽出した変動乱数を、上記大当たり用テーブル、小当たり用テーブル、リーチ用テーブル、ハズレ用テーブルに基づいて判定する。各テーブルは、特別図柄の変動時間と、特別図柄の変動中に行われる演出の内容を決定するものである。例えば、大当たり用テーブルは、「0」?「10」の変動乱数を、変動時間1分のリーチ有り演出Aと判定し、「11」?「20」の変動乱数を、変動時間2分のリーチ有り演出Bと判定する。なお、大当たり用テーブル、小当たり用テーブル、リーチ用テーブルに基づいて変動乱数を判定した場合、必ずリーチ有り演出と判定され、ハズレ用テーブルに基づいて変動乱数を判定した場合、必ずリーチ無し演出と判定される。
【0152】
(ステップS711)
上記のようにして変動パターンが決定したら、変動パターン選択処理プログラム222bが上記決定のとおりにコマンドをセットし、変動パターン選択処理を終了する。
【0153】
(ステップS506)
次に、特別図柄変動時処理プログラム222は、図16に示すように、上記ステップS600およびステップS700で決定された、大当たりの判定結果および変動パターンに係る情報を副制御基板102に送信するために、演出実行コマンドをセットする。この演出実行コマンドには、少なくとも「大当たり」「小当たり」「ハズレ」の大当たりの判定結果に係る情報と、特別図柄の変動時間および演出の態様(リーチ有り演出かリーチ無し演出か)とに係る情報を有している。
【0154】
(ステップS507)
そして、CPU101aは、特別図柄変動表示プログラム222dを読み出して、特別図柄表示器19または20において特別図柄の変動表示を開始する。つまり、処理領域に書き込まれた情報が、第1保留(U1)に係る場合には特別図柄表示器19を点滅させ、第2保留(U2)に係る場合には特別図柄表示器20を点滅させる。
【0155】
(ステップS508)
上記のようにして特別図柄の変動表示を開始したら、特別図柄変動時処理プログラム222が、変動時間の計測を開始する。
【0156】
(ステップS509)
一方、上記ステップS502において「YES」と判断する場合というのは、当該特別図柄変動処理以前のルーチン処理(特別図柄変動処理)において、上記ステップS507およびステップS508の処理が行われ、特別図柄の変動表示が行われている場合である。したがって、この場合には、ステップS711においてセットされた変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、セットされた時間を経過していないと判断した場合には、特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0157】
(ステップS510)
上記ステップS509において、セットされた時間を経過したと判断した場合には、特別図柄変動時処理プログラム222が、当該特別図柄変動処理以前のルーチン処理(特別図柄変動処理)において、上記ステップS600でセットされた特別図柄を特別図柄表示器19,20に停止表示する。これにより、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
【0158】
(ステップS511)
そして、特別図柄変動時処理プログラム222は、セットされている変動時間をリセットする。
【0159】
(ステップS800)
上記のようにして特別図柄を停止表示することにより、大当たりの抽選結果が確定する。したがって、主制御基板101においては、大当たりの抽選結果に応じて、以後の遊技状態等を確定する必要がある。そこで、ここでは大当たりの抽選結果に応じて以後の遊技を進行すべく、図22に示す変動停止中処理が行われる。
【0160】
(ステップS801)
CPU101aは変動停止中処理プログラム222eを読み出して、セットされている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判断する。
【0161】
(ステップS802)
上記ステップS801において、セットされている特別図柄は大当たり図柄ではないと判断した場合には、変動停止中処理プログラム222eが、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされているか否かを判断する。時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合である。
【0162】
(ステップS803)
現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407に記憶されている(J)から「1」を減算した演算値を、新たな残り変動回数(J)として記憶する。
【0163】
(ステップS804)(ステップS805)
そして、上記残り変動回数(J)が「0」になるということは、時短遊技状態における特別図柄の変動表示が所定回数行われたことを意味する。したがって、残り変動回数(J)=0の場合には、変動停止中処理プログラム222eが、時短遊技フラグ記憶領域410bに記憶されているフラグをOFFする。なお、現在の遊技状態が時短遊技状態でない場合には、上記ステップS803?ステップS805の処理は行われない。
【0164】
(ステップS806)
変動停止中処理プログラム222eは、高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされているか否かを判断する。高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグがONされている場合というのは、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合である。
【0165】
(ステップS807)
現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合には、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域406に記憶されている(X)から「1」を減算した演算値を、新たな残り変動回数(X)として記憶する。
【0166】
(ステップS808)(ステップS809)
そして、上記残り変動回数(X)が「0」になるということは、高確率遊技状態における特別図柄の変動表示が所定回数行われたことを意味する。したがって、残り変動回数(X)=0の場合には、変動停止中処理プログラム222eが、高確率遊技フラグ記憶領域410bに記憶されているフラグをOFFする。なお、現在の遊技状態が高確率遊技状態でない場合には、上記ステップS807?ステップS809の処理は行われない。
【0167】
(ステップS810)(ステップS811)
また、変動停止中処理プログラム222eは、セットされている特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判断し、小当たり図柄であった場合には、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグをONして、変動停止中処理を終了する。
【0168】
(ステップS812)
一方、上記ステップS801において、セットされている特別図柄が大当たり図柄であると判断した場合には、変動停止中処理プログラム222eが、その大当たり図柄が高確率の大当たり図柄であるかをさらに判断する。つまり、セットされている特別図柄が、「高確率時短付き長当たり」「高確率時短付き短当たり」「高確率時短無し短当たり」のいずれかに係る図柄であるかを判断する。
【0169】
(ステップS813)
上記ステップS812において、セットされている特別図柄が、高確率の大当たりに係る図柄であった場合には、変動停止中処理プログラム222eが、高確率遊技フラグ記憶領域410cにフラグをONする。なお、現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合には、すでにフラグがONされているため、そのままフラグをONしたままにする。
【0170】
(ステップS814)
また、変動停止中処理プログラム222eは、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域406に、以後、大当たり乱数の判定を何回まで「高確率時乱数判定テーブル」で行うのかを記憶する。本実施形態においては、上限変動回数(X)に「10000」が記憶される。
【0171】
(ステップS815)
これに対して、上記ステップS812において、セットされている大当たり図柄が通常の大当たり図柄であると判断した場合、つまり、セットされている特別図柄が、「通常短付き長当たり」「通常時短付き短当たり」「通常時短無し短当たり」のいずれかに係る図柄であると判断した場合には、変動停止中処理プログラム222eが、高確率遊技フラグ記憶領域410cのフラグをOFFする。なお、現在の遊技状態が低確率遊技状態である場合には、もともとフラグがOFFになっているため、そのままフラグをOFFしたままにする。
【0172】
(ステップS816)
また、変動停止中処理プログラム222は、高確率遊技状態の残り変動回数(X)記憶領域406にデータが記憶されている場合には、当該データをリセットする。
【0173】
(ステップS817)
また、変動停止中処理プログラム222eは、上記大当たり図柄が時短付きの大当たり図柄であるかをさらに判断する。つまり、セットされている特別図柄が、「高確率時短付き長当たり」「通常時短付き長当たり」「高確率時短付き短当たり」「通常時短付き短当たり」のいずれかに係る図柄であるかを判断する。
【0174】
(ステップS818)
上記ステップS817において、上記大当たり図柄が時短付きの大当たり図柄であると判断した場合には、変動停止中処理プログラム222eは、時短遊技フラグ記憶領域410bにフラグをONする。
【0175】
(ステップS819)(ステップS820)(ステップS821)
そして、変動停止中処理プログラム222eは、上記大当たり図柄が高確率の大当たり図柄である場合(ステップS819の「YES」)、すなわち、「高確率時短付き長当たり」または「高確率時短付き短当たり」に係る図柄である場合には、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407に「10000」を記憶する(ステップS820)。一方、上記大当たり図柄が通常の大当たり図柄である場合(ステップS819の「NO」)、すなわち、「通常時短付き長当たり」または「通常時短付き短当たり」に係る図柄である場合には、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407に「100」を記憶する(ステップS821)。
【0176】
(ステップS822)(ステップS823)
また、変動停止中処理プログラム222eが、上記大当たり図柄を時短無しの大当たり図柄であると判断した場合、つまり、セットされている特別図柄が、「高確率時短無し短当たり」または「通常時短無し短当たり」に係る図柄であると判断した場合には、時短遊技フラグ記憶領域410bにおいてフラグをOFFする(ステップS822)とともに、時短遊技状態の残り変動回数(J)記憶領域407に記憶されている値(J)をクリアする(ステップS823)。なお、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、もともとフラグがOFFされているため、そのままフラグをOFFしたままにする。
【0177】
(ステップS824)(ステップS825)(ステップS826)
さらに、変動停止中処理プログラム222eは、上記大当たり図柄が長当たりの大当たり図柄であるかを判断する。つまり、セットされている特別図柄が、「高確率時短付き長当たり」または「通常時短付き長当たり」に係る図柄であるかを判断する。その結果、上記大当たり図柄が長当たりの大当たり図柄であると判断した場合には、変動停止中処理プログラム222eが、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dにフラグをONする(ステップS825)。一方、上記大当たり図柄が短当たりの大当たり図柄であると判断した場合には、変動停止中処理プログラム222eが、短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eにフラグをONする(ステップS826)。
これにより、変動停止中処理および特別図柄変動処理が終了し、CPU101aは次のサブルーチンを実行することとなる。
【0178】
(大入賞口処理)
上記のようにして特別図柄変動処理が終了すると、CPU101aは、ROM101bから大入賞口処理プログラム241を読み出して、図23に示す大入賞口処理を行う。
【0179】
(ステップS901)(ステップS902)
大入賞口処理プログラム241は、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dまたは短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eにフラグがONされているか否かを判断する(ステップS901)。上記いずれかの記憶領域にフラグがONされている場合には、ONされているフラグが長当たり遊技開始フラグであるか否かを判断する(ステップS902)。そして、長当たり遊技開始フラグがONされていると判断した場合には、図24に示す長当たり遊技処理を行う。
一方、長当たり遊技開始フラグがONされていないと判断した場合には、図25に示す短当たり遊技処理を行う。
【0180】
(ステップS903)
一方、上記ステップS901において、上記いずれの記憶領域にもフラグがONされていない場合には、大入賞口処理プログラム241が、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグがONされているか否かを判断する。その結果、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグがONされている場合には、図26に示す小当たり遊技処理を行う。これに対して、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグが記憶されていない場合には、大入賞口処理を終了し、CPU101aが次のサブルーチンを実行する。
【0181】
(大当たり遊技処理)
上記ステップS901において、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dまたは短当たり遊技開始フラグ記憶領域410eにフラグがONされていると判断した場合には、大当たり遊技処理として、CPU101aが大当たり遊技処理プログラム241aを読み出して、図24に示す長当たり遊技処理、図25に示す短当たり遊技処理を開始する。
【0182】
(長当たり遊技処理)
(ステップS1001)
長当たり遊技は、オープニングコマンド(長当たり用オープニングコマンド)を送信することによって開始となる。このオープニングコマンドは、主制御基板101における大当たり遊技処理の開始情報を、副制御基板102に送信するためのものである。したがって、大当たり遊技処理プログラム241aは、このオープニングコマンドが既に送信されているか否かを判断する。
【0183】
(ステップS1002)
上記ステップS1001において、オープニングコマンドはまだ送信されていないと判断した場合(ステップS1001の「NO」)には、大当たり遊技処理プログラム241aが、長当たり用オープニングコマンドをセットする。
上記長当たり用オープニングコマンドは、長当たり遊技を開始するという情報を、副制御基板102に送信するためのものである。
【0184】
(ステップS1003)
上記のようにしてオープニングコマンドをセットしたら、大当たり遊技処理プログラム241aが、オープニング時間の計測を開始する(ステップS1003)。このようにして、オープニング時間の計測を開始したら、長当たり遊技処理を終了する。なお、副制御基板102が長当たり用オープニングコマンドを受信すると、副制御基板102において長当たり遊技開始にあたってのオープニング演出が実行される。
【0185】
(ステップS1004)
上記ステップS1001において、既にオープニングコマンドが送信されていると判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、現在オープニング中であるか否かを判断する。
【0186】
(ステップS1005)
上記ステップS1004において、現在オープニング中であると判断した場合には、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判断する。その結果、設定時間を経過していない場合には、当該長当たり遊技処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0187】
(ステップS1006)
上記ステップS1005において、設定時間を経過していると判断した場合には、大入賞口入球数(C)記憶領域409をクリアする。ただし、上記ステップS1004においてオープニング中と判断し、上記ステップS1005において、当該オープニングの設定時間が経過していると判断した場合には、大入賞口入球数(C)記憶領域409には何も記憶されていない。したがって、当該ステップS1006における処理は、後述するステップS1011においてインターバル中と判断され、上記ステップS1005において設定されたインターバル時間が経過したと判断された場合のみ行われる。
【0188】
(ステップS1007)
次に、大当たり遊技処理プログラム241aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。なお、現在オープニング中であり(ステップS1004の「YES」)、かつ、設定されたオープニング時間を経過したと判断した場合(ステップS1005の「YES」)には、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408には何も記憶されていない。つまり、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408には「1」を記憶することとなる。
【0189】
(ステップS1008)
また、大当たり遊技処理プログラム241aは、主制御基板101におけるラウンド遊技の開始情報を副制御基板102に送信すべく、ラウンド開始コマンドをセットする。なお、長当たり遊技状態において副制御基板102がラウンド開始コマンドを受信すると、例えば「第5ラウンド」といった具合に演出用の表示が行われる。
【0190】
(ステップS1009)
そして、大当たり遊技処理プログラム241aは、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を開始して大入賞口開閉扉11bを開放するとともに、RAM101cの所定の記憶領域に、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電時間を30秒と設定する。
【0191】
(ステップS1010)
上記のようにして大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を開始したら、大当たり遊技処理プログラム241aは開放時間の計測を開始する。
【0192】
(ステップS1011)
一方、上記ステップS1004において、オープニング中ではないと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、現在インターバル中であるか否かを判断する。詳しくは後述するが、ここでいうインターバルとは、ラウンド遊技とラウンド遊技との間に設定された休止時間のことであり、本実施形態においては2秒に設定している。したがって、インターバル中と判断された場合には、上記ステップS1005において、2秒というインターバル時間を経過したか否かを判断し、設定時間(2秒)を経過していなければ、当該大当たり遊技処理を終了して次のサブルーチンを実行する。
これに対して、上記設定時間を経過している場合には、次のラウンド遊技を開始するための処理として、ステップS1006?ステップS1010の処理を実行する。
【0193】
(ステップS1012)
上記ステップS1011において、インターバル中ではないと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、現在エンディング中であるか否かを判断する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判断した場合には、ステップS1024において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判断し、設定時間を経過したと判断した場合には、ステップS1025において、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dに記憶されているフラグをOFFして、当該長当たり遊技処理を終了する。一方、ステップS1024において、設定時間を経過していないと判断した場合には、そのまま当該長当たり遊技処理を終了する。
【0194】
(ステップS1013)(ステップS1014)
これに対して、上記ステップS1012において、エンディング中ではないと判断する場合というのは、オープニング中、インターバル中、エンディング中のいずれでもない場合、すなわち、長当たり遊技において大入賞口11の開放中ということになる。したがって、ここでは、大当たり遊技処理プログラム241aが、大入賞口検出SW11aがONしているか否かを判断し(ステップS1013)、当該検出SW11aがONしている場合には、大入賞口入球数(C)記憶領域409に記憶された入球数(C)に「1」を加算して、新たに入球数(C)を記憶する(ステップS1014)。なお、大当たり遊技処理プログラム241aは、ステップS1014において入球数(C)が加算されたときに大入賞口検出SW11aをOFFする。
【0195】
(ステップS1015)(ステップS1016)(ステップS1017)
次に、大当たり遊技処理プログラム241aは、設定された開放時間、言い換えれば、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電時間(長当たり遊技=30秒)を経過したか否かを判断する(ステップS1015)。その結果、設定時間を経過したと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を停止する(ステップS1017)。
また、設定された開放時間内であっても、大入賞口11に所定個数(例えば9個)の遊技球が入球した場合(ステップS1016の「YES」)には、上記と同様に、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を停止する。
なお、設定時間が経過しておらず、また、入球数(C)が所定個数に達していない場合には、そのまま当該長当たり遊技処理を終了する。
【0196】
(ステップS1018)
大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を停止したら、大当たり遊技処理プログラム241aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に記憶されたラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判断する。なお、長当たり遊技開始フラグ記憶領域410dにフラグがONされている場合には、RAM101cに、最大ラウンド遊技回数として「15」が記憶されている。大当たり遊技処理プログラム241aは、RAM101cに記憶されているこれらのデータと、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に記憶されたラウンド遊技回数(R)とを照らし合わせることにより、上記ラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判断する。
【0197】
(ステップS1019)(ステップS1020)
上記ステップS1018において、ラウンド遊技回数(R)は最大でないと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、インターバル時間をセットする。本実施形態においては、ラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始するまでのインターバルを2秒としているため、RAM101cの所定の記憶領域に2秒と記憶し(ステップS1019)、インターバル時間の計測を開始する(ステップS1020)。
【0198】
(ステップS1021)
上記ステップS1018において、ラウンド遊技回数(R)が最大に達したと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に記憶されたラウンド遊技回数(R)をリセットする。
【0199】
(ステップS1022)(ステップS1023)
また、大当たり遊技処理プログラム241aは、大当たり遊技終了の情報を副制御基板102に送信するためにエンディングコマンド(長当たり用エンディングコマンド)をセットする(ステップS1022)。また、これと同時に、RAM101cの所定の記憶領域に、エンディングに要する時間すなわちエンディング時間(例えば5秒)を記憶するとともに、エンディング時間の計測を開始する(ステップS1023)。
以上のようにして長当たり遊技処理が終了したら、次のサブルーチンを実行する。
【0200】
(短当たり遊技処理)
(ステップS1051)
短当たり遊技は、オープニングコマンド(短当たり用オープニングコマンド)を送信することによって開始となる。このオープニングコマンドは、主制御基板101における大当たり遊技処理の開始情報を、副制御基板102に送信するためのものである。したがって、大当たり遊技処理プログラム241aは、このオープニングコマンドが既に送信されているか否かを判断する。
【0201】
(ステップS1052)
上記ステップS1051において、オープニングコマンドはまだ送信されていないと判断した場合(ステップS1051の「NO」)には、大当たり遊技処理プログラム241aが、短当たり用オープニングコマンドをセットする。
上記短当たり用オープニングコマンドは、短当たり遊技を開始するという情報を、副制御基板102に送信するためのものである。
【0202】
(ステップS1053)
上記のようにしてオープニングコマンドをセットしたら、大当たり遊技処理プログラム241aが、オープニング時間の計測を開始する(ステップS1003)。このようにして、オープニング時間の計測を開始したら、短当たり遊技処理を終了する。なお、副制御基板102が短当たり用オープニングコマンドを受信すると、副制御基板102において短当たり遊技開始にあたってのオープニング演出が実行される。
【0203】
(ステップS1054)
上記ステップS1051において、既にオープニングコマンドが送信されていると判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、現在オープニング中であるか否かを判断する。
【0204】
(ステップS1055)
上記ステップS1054において、現在オープニング中であると判断した場合には、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判断する。その結果、設定時間を経過していない場合には、当該短当たり遊技処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0205】
(ステップS1056)
上記ステップS1055において、設定時間を経過していると判断した場合には、大入賞口入球数(C)記憶領域409をクリアする。ただし、上記ステップS1054においてオープニング中と判断し、上記ステップS1055において、当該オープニングの設定時間が経過していると判断した場合には、大入賞口入球数(C)記憶領域409には何も記憶されていない。したがって、当該ステップS1056における処理は、後述するステップS1061においてインターバル中と判断され、上記ステップS1055において設定されたインターバル時間が経過したと判断された場合のみ行われる。
【0206】
(ステップS1057)
次に、大当たり遊技処理プログラム241aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に、記憶されている現在のラウンド遊技回数(R)に「1」を加算して記憶する。なお、現在オープニング中であり(ステップS1054の「YES」)、かつ、設定されたオープニング時間を経過したと判断した場合(ステップS1055の「YES」)には、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408には何も記憶されていない。つまり、まだラウンド遊技が1回も行われていないので、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408には「1」を記憶することとなる。
【0207】
(ステップS1058)
また、大当たり遊技処理プログラム241aは、主制御基板101におけるラウンド遊技の開始情報を副制御基板102に送信すべく、ラウンド開始コマンドをセットする。なお、短当たり遊技状態において副制御基板102がラウンド開始コマンドを受信しても、演出用の制御は何もなされない。
【0208】
(ステップS1059)
そして、大当たり遊技処理プログラム241aは、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を開始して大入賞口開閉扉11bを開放するとともに、RAM101cの所定の記憶領域に、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電時間を0.1秒と設定する。
【0209】
(ステップS1060)
上記のようにして大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を開始したら、大当たり遊技処理プログラム241aは開放時間の計測を開始する。
(ステップS1061)
一方、上記ステップS1054において、オープニング中ではないと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、現在インターバル中であるか否かを判断する。ここでいうインターバルも、既に説明した通り2秒に設定している。したがって、インターバル中と判断された場合には、上記ステップS1055において、2秒というインターバル時間を経過したか否かを判断し、設定時間(2秒)を経過していなければ、当該大当たり遊技処理を終了して次のサブルーチンを実行する。
これに対して、上記設定時間を経過している場合には、次のラウンド遊技を開始するための処理として、ステップS1056?ステップS1060の処理を実行する。
【0210】
(ステップS1062)
上記ステップS1061において、インターバル中ではないと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、現在エンディング中であるか否かを判断する。ここでいうエンディングとは、予め設定されたラウンド遊技を全て終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判断した場合には、ステップS1076において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判断し、設定時間を経過したと判断した場合には、ステップS1077において、短当たり遊技開始フラグ記憶領域410dに記憶されているフラグをOFFして、当該短当たり遊技処理を終了する。一方、ステップS1076において、設定時間を経過していないと判断した場合には、そのまま当該短当たり遊技処理を終了する。
【0211】
(ステップS1063)(ステップS1064)
これに対して、上記ステップS1062において、エンディング中ではないと判断する場合というのは、オープニング中、インターバル中、エンディング中のいずれでもない場合、すなわち、短当たり遊技において大入賞口11の開放中ということになる。したがって、ここでは、大当たり遊技処理プログラム241aが、大入賞口検出SW11aおよび継続入賞口検出SW31aがONしているか否かを判断し(ステップS1063)、当該検出SW11aおよび31aがONしている場合には、大入賞口入球数(C)記憶領域409に記憶された入球数(C)に「1」を加算して、新たに入球数(C)を記憶する(ステップS1064)。なお、大当たり遊技処理プログラム241aは、ステップS1064において大入賞口検出SW11aのONにより入球数(C)が加算されたときに当該大入賞口検出SW11aをOFFする。なお、継続入賞口検出SW31aのONにより入球数(C)が加算されたときには、当該継続入賞口検出SW31aのOFFは当該ステップS1064では行われない(詳細は後述する)。
【0212】
(ステップS1065)(ステップS1066)(ステップS1067)
次に、大当たり遊技処理プログラム241aは、設定された開放時間、言い換えれば、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電時間(短当たり遊技=0.1秒)を経過したか否かを判断する(ステップS1065)。その結果、設定時間を経過したと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を停止する(ステップS1067)。
また、設定された開放時間内であっても、大入賞口11に所定個数(例えば9個)の遊技球が入球した場合(ステップS1066の「YES」)には、上記と同様に、大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を停止する。
なお、設定時間が経過しておらず、また、入球数(C)が所定個数に達していない場合には、そのまま当該短当たり遊技処理を終了する。
【0213】
(ステップS1068)
大入賞口開閉ソレノイド11cの通電を停止したら、大当たり遊技処理プログラム241aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に記憶されたラウンド遊技回数(R)が1を超えているか否か判断する。
なお、ラウンド遊技回数(R)が1であると判断した場合には、そのまま当該短当たり遊技処理を終了する。
【0214】
(ステップS1069)
上記ステップS1068においてラウンド遊技回数(R)が1を超えていると判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aは、継続入賞口検出SW31aがONしているか否かを判断する。
【0215】
(ステップS1070)
上記ステップS1069において継続入賞口検出SW31aがONしていると判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に記憶されたラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判断する。なお、短当たり遊技開始フラグ記憶領域410dにフラグがONされている場合にも、RAM101cに、最大ラウンド遊技回数として「15」が記憶されている。大当たり遊技処理プログラム241aは、RAM101cに記憶されているこれらのデータと、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に記憶されたラウンド遊技回数(R)とを照らし合わせることにより、上記ラウンド遊技回数(R)が最大であるか否かを判断する。
【0216】
(ステップS1071)(ステップS1072)
上記ステップS1070において、ラウンド遊技回数(R)は最大でないと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、インターバル時間をセットする。本実施形態においては、ラウンド遊技が終了してから次のラウンド遊技が開始するまでのインターバルを2秒としているため、RAM101cの所定の記憶領域に2秒と記憶し(ステップS1071)、インターバル時間の計測を開始する(ステップS1072)。
【0217】
(ステップS1073)
上記ステップS1070において、ラウンド遊技回数(R)が最大に達したと判断した場合には、大当たり遊技処理プログラム241aが、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に記憶されたラウンド遊技回数(R)をリセットする。
なお、上記ステップS1069において継続入賞口検出SW31aがONではないと判断した場合にも、大当たり遊技処理プログラム241aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域408に記憶されたラウンド遊技回数(R)をリセットする。また、大当たり遊技処理プログラム241aは、当該ステップS1073において継続入賞口検出SW31aをOFFする。
【0218】
(ステップS1074)(ステップS1075)
また、大当たり遊技処理プログラム241aは、大当たり遊技終了の情報を副制御基板102に送信するためにエンディングコマンド(短当たり用エンディングコマンド)をセットする(ステップS1074)。また、これと同時に、RAM101cの所定の記憶領域に、エンディングに要する時間すなわちエンディング時間(例えば5秒)を記憶するとともに、エンディング時間の計測を開始する(ステップS1075)。
以上のようにして短当たり遊技処理が終了したら、次のサブルーチンを実行する。
【0219】
(小当たり遊技処理)
上記ステップS903において、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fにフラグがONされていると判断した場合には、CPU101aが小当たり遊技処理プログラム241bを読み出して、図26に示す小当たり遊技処理を開始する。
【0220】
(ステップS1101)
小当たり遊技は、オープニングコマンドを送信することによって開始となる。このオープニングコマンドは、主制御基板101における小当たり遊技処理の開始情報を、副制御基板102に送信するためのものである。したがって、小当たり遊技処理プログラム241bは、このオープニングコマンドが既に送信されているか否かを判断する。
【0221】
(ステップS1102)
上記ステップS1101において、オープニングコマンドはまだ送信されていないと判断した場合には、小当たり遊技処理プログラム241bが、副制御基板102に小当たり用オープニングコマンドを送信する。
本実施形態では、副制御基板102において実行される小当たり用オープニングコマンドに基づく小当たり用オープニング演出、および、短当たり用オープニングコマンドに基づく短当たり用オープニング演出(上記ステップS1053参照)は同じ態様の演出としている。これにより、副制御基板102における小当たり遊技の開始と、短当たり遊技の開始との判別を不能にすることができる。なお、このとき、小当たり遊技処理プログラム241bが、上記大当たり遊技処理プログラム241aと同様に、短当たり用オープニングコマンドをセットしてもよい。つまり、小当たり遊技の開始時と、短当たり遊技の開始時とで、同一のコマンドをセットすることで、副制御基板102における小当たり遊技の開始と、短当たり遊技の開始との判別を不能にしても構わない。
【0222】
(ステップS1103)
上記のようにしてコマンドをセットしたら、小当たり遊技処理プログラム241bは、オープニング時間の計測を開始して、当該小当たり遊技処理を終了する。
【0223】
(ステップS1104)
上記ステップS1101において、既にオープニングコマンドが送信されていると判断した場合には、小当たり遊技処理プログラム241bが、現在オープニング中であるか否かを判断する。
【0224】
(ステップS1105)
上記ステップS1104において、現在オープニング中であると判断した場合には、予め設定されたオープニング時間を経過したか否かを判断する。その結果、設定時間を経過していないと判断した場合には、当該小当たり遊技処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0225】
(ステップS1106)(ステップS1107)
上記ステップS1105において、設定時間を経過していると判断した場合には、大入賞口開閉ソレノイド11cを通電制御するためのコマンドをセットする。このコマンドは、大入賞口開閉ソレノイド11cに対して、0.1秒間の通電を2秒のインターバルをもって2回行う命令である。つまり、上記大当たり遊技処理と異なり、小当たり遊技処理においては、大入賞口開閉ソレノイド11cに対する制御、すなわち大入賞口11の開閉動作が一連の動作として行われることとなり、当該連続動作がオープニング時間を経過したところで開始となる。
また、小当たり遊技処理プログラム241bは、大入賞口作動時間の計測を開始して(ステップS1107)、当該小当たり遊技処理を終了する。
【0226】
(ステップS1108)
一方、上記ステップS1104において、オープニング中ではないと判断した場合には、小当たり遊技処理プログラム241bが、現在エンディング中であるか否かを判断する。ここでいうエンディングとは、予め設定された大入賞口の開閉制御を終了した後の処理をいうものである。したがって、現在エンディング中であると判断した場合には、ステップS1117において、設定されたエンディング時間を経過したか否かを判断し、設定時間を経過したと判断した場合には、ステップS1118において、小当たり遊技開始フラグ記憶領域410fのフラグをOFFして、当該小当たり遊技処理を終了する。これに対して、ステップS1117において、設定時間を経過していないと判断した場合には、そのまま当該小当たり遊技処理を終了する。
【0227】
(ステップS1109)(ステップS1110)
これに対して、上記ステップS1108において、エンディング中ではないと判断した場合というのは、オープニング中、エンディング中のいずれでもない場合、すなわち、小当たり遊技において大入賞口11が連続作動中ということになる。したがって、ここでは、小当たり遊技処理プログラム241bが、大入賞口検出SW11aがONしているか否かを判断し(ステップS1109)、当該検出SW11aがONしている場合には、大入賞口入球数(C)記憶領域409に記憶された入球数(C)に「1」を加算して、新たに入球数(C)を記憶する(ステップS1110)。なお、小当たり遊技処理プログラム241bは、ステップS1109において入球数(C)が加算されたときに大入賞口検出SW11aをOFFする。
【0228】
(ステップS1111)(ステップS1112)(ステップS1113)
次に、小当たり遊技処理プログラム241bは、設定された作動時間を経過したか否かを判断する(ステップS1111)。ここでいう作動時間とは、1回目の大入賞口開閉ソレノイド11cの通電時間(0.1秒)+インターバル時間(2秒)+2回目の大入賞口開閉ソレノイド11cの通電時間(0.1秒)の合計2.2秒である。この作動時間を経過すると、大入賞口開閉ソレノイド制御が終了となる(ステップS1113)。
また、設定された開放時間内であっても、大入賞口11に所定個数(例えば9個)の遊技球が入球した場合(ステップS1112の「YES」)には、小当たり遊技処理プログラム241bが大入賞口開閉ソレノイド制御を終了する。
なお、作動時間が経過しておらず、また、入球数(C)が所定個数に達していない場合には、そのまま当該小当たり遊技処理を終了する(ステップS1112のNO)。
【0229】
(ステップS1114)
上記ステップS1113において、大入賞口開閉ソレノイド制御が終了したら、小当たり遊技処理プログラム241bが、大入賞口入球数(C)記憶領域409に記憶された入球数(C)をリセットする。
【0230】
(ステップS1115)(ステップS1116)
また、小当たり遊技処理プログラム241bは、小当たり遊技終了の情報を副制御基板102に送信するためにエンディングコマンドをセットする(ステップS1115)。本実施形態では、副制御基板102において実行される小当たり用エンディングコマンドに基づく小当たり用エンディング演出、および、短当たり用エンディングコマンドに基づく短当たり用エンディング演出(上記ステップS1074参照)は同じ態様の演出としている。これにより、副制御基板102における小当たり遊技の終了と、短当たり遊技の終了との判別を不能にすることができる。なお、このときセットされるエンディングコマンドについても、短当たり遊技状態においてセットされる短当たり用エンディングコマンドと同じものであってもよい。つまり、オープニングコマンドと同様、エンディングコマンドについても、短当たり遊技と小当たり遊技とで同じコマンドがセットされることで、副制御基板102における小当たり遊技の終了と、短当たり遊技の終了との判別を不能にしても構わない。また、これと同時に、RAM101cの所定の記憶領域に、エンディングに要する時間(例えば5秒)を記憶するとともに、エンディング時間の計測を開始する(ステップS1116)。
以上のようにして小当たり遊技処理が終了したら、次のサブルーチンを実行する。
【0231】
上記のようにして大入賞口処理が終了すると、CPU101aは、ROM101bから賞球処理プログラムを読み出して、各検出SWの検出信号に応じて所定の賞球を払い出す処理を行う(図7参照)。本実施形態においては、当該賞球処理については詳細な説明は省略する。そして、賞球処理が終了したら、最後にCPU101aが出力処理プログラム260を読み出して、出力処理を実行する。
【0232】
(ステップS1201)?(ステップS1209)
出力処理プログラム260は、図27に示すように、各コマンドを副制御基板102に送信する。ステップS1201において送信される演出実行コマンドは、特別図柄変動処理においてセットされたコマンドである(図14参照)。
ステップS1202?ステップS1204において送信される各コマンドは、それぞれ長当たり遊技処理中にセットされたコマンドであり(図24参照)、ステップS1205?ステップS1207において送信されるコマンドは、短当たり遊技処理中にセットされたコマンドである(図25参照)。
また、ステップS1208?ステップS1209において送信されるコマンドは、小当たり遊技処理中にセットされたコマンドである(図26参照)。
【0233】
(ステップS1210)
そして、上記各サブルーチン処理において確定した内容は、コマンドとして外部装置へ送信される。外部装置としては、例えば、遊技機1の上方に設置された表示装置があげられる。この表示装置には、大当たりの総抽選回数や、大当たりの当選回数、または高確率大当たりの当選回数等のさまざまな情報を遊技者に報知するものであり、こうした情報を遊技者に報知すべく、出力処理プログラム260は、必要な情報をコマンドとして外部装置に送信する。
【0234】
以上のようにして、主制御基板101においては、CPU101aが各メインプログラムやサブプログラムを読み出して、上記した全ての処理を0.004秒ごとに実行している。
【0235】
次に、主制御基板101から各コマンドが送信された際の、副制御基板102における処理について説明する。主制御基板101から送信された各コマンドは、副制御基板102のRAM102cに記憶される。副制御基板102のCPU102aは、RAM102cにコマンドが記憶されたか否かを、例えば0.004秒おきに見に行くとともに、記憶されている各コマンドに基づいて演出を制御する。図28は、副制御基板102において実行される主なサブルーチンを示しており、CPU102aは、演出実行コマンド受信処理→特別遊技コマンド受信処理→演出用コマンド送信処理を繰り返し行っている。
【0236】
(演出実行コマンド受信処理)
CPU102aは、ROM102bから演出実行コマンド受信時処理プログラム320を読み出して、図29に示す演出実行コマンド受信処理を実行する。
【0237】
(ステップS1301)
演出実行コマンド受信時処理プログラム320は、RAM102cに演出実行コマンドが記憶されているか否かを判断する。その結果、演出実行コマンドが記憶されていない場合には、当該演出実行コマンド受信処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0238】
(ステップS1302)
上記ステップS1301において演出実行コマンドが記憶されていると判断した場合には、ROM102bに格納された複数の演出テーブルの中から、演出実行コマンドに基づいて1の演出テーブルを選択する。
演出実行コマンドは、これから変動表示が開始される特別図柄の内容、すなわち、大当たり、小当たり、ハズレのいずれに係る特別図柄の変動表示が開始されるのかという情報を有している。また、この特別図柄の変動表示の際に行われる演出が、リーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのか、さらにはその演出の時間に係る情報を有している。
【0239】
そして、ROM102bには、長当たり演出テーブル、短当たりおよび小当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、ハズレリーチ無し演出テーブルが格納されている。これら各テーブルには、主制御基板101で決定される変動時間に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、ハズレリーチ無し演出テーブルには、4秒用、8秒用、12秒用のテーブルが設けられており、長当たり演出テーブルには、1分、1分30秒、2分のテーブルが設けられている。
演出実行コマンド受信時処理プログラム320は、上記複数のテーブルの中から、受信した演出実行コマンドが有している情報に基づいて1の演出テーブルを選択する。例えば、受信した演出実行コマンドが、「ハズレ」「リーチ無し演出」「変動時間4秒」という情報を有している場合には、4秒用のハズレリーチ無し演出テーブルを選択する。
【0240】
(ステップS1303)(ステップS1304)
次に、CPU102aは演出乱数抽選プログラム321を読み出して、「0」?「250」の乱数の中から1の乱数を無作為に抽出する(ステップS1303)。
そして、CPU102aは演出乱数判定処理プログラム322を読み出して、上記取得した乱数を、上記ステップS1302で決定した演出テーブルに基づいて判定する。演出テーブルにおいては、乱数と演出パターンとが対応付けられており、乱数に応じて多数の演出パターンの中から1の演出パターンを決定する。ここでは、演出表示装置13における装飾図柄パターン、演出役物装置14,可動装置15の動作パターン、演出用照明装置16の照射パターン、音声出力装置18から出力する音声パターンがそれぞれ決定される。
【0241】
(ステップS1305)
上記のようにして、特別図柄の変動表示中に行われる演出パターンが決定したら、演出実行コマンド受信時処理プログラム320が、当該演出パターンに係る演出確定コマンドをセットする。
これにより、演出実行コマンド受信処理が終了となり、CPU102aは、次のサブルーチンを実行する。
【0242】
(特別遊技コマンド受信処理)
上記のようにして演出実行コマンド受信処理が終了すると、CPU102aは、ROM102bから特別遊技コマンド受信時処理プログラム330を読み出して、図30に示す特別遊技コマンド受信処理を行う。
【0243】
(ステップS1401)
特別遊技コマンド受信時処理プログラム330は、RAM102cに長当たり用コマンド(オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、エンディングコマンド)が記憶されているか否かを判断する。その結果、長当たり用コマンドが記憶されている場合には、図31に示す長当たり用コマンド受信処理を行う。
【0244】
(ステップS1402)
一方、上記ステップS1401において、特別遊技コマンド受信時処理プログラム330が、RAM102cに長当たり用コマンドが記憶されていないと判断した場合には、さらに短当たり用コマンド(オープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、エンディングコマンド)が記憶されているか否かを判断する。その結果、短当たり用コマンドが記憶されている場合には、図32に示す短当たり用コマンド受信処理を行う。
【0245】
(ステップS1403)
また、上記ステップS1402において、特別遊技コマンド受信時処理プログラム330が、RAM102cに短当たり用コマンドが記憶されていないと判断した場合には、さらに小当たり用コマンド(オープニングコマンド、エンディングコマンド)が記憶されているか否かを判断する。その結果、小当たり用コマンドが記憶されている場合には、図33に示す小当たり用コマンド受信処理を行う。
なお、RAM102cに、小当たり用コマンドも記憶されていないと判断した場合には、CPU102aが当該特別遊技コマンド受信処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
【0246】
(長当たり用コマンド受信処理)
上記ステップS1401において、RAM102cに長当たり用コマンドが記憶されていると判断した場合には、CPU102aが長当たり用コマンド受信時処理プログラム331を読み出して、図31に示す長当たり用コマンド受信処理を開始する。
【0247】
(ステップS1501)
長当たり用コマンド受信時処理プログラム331は、RAM102cに記憶されているコマンドが、長当たり用オープニングコマンドであるか否かを判断する。
【0248】
(ステップS1502)
RAM102cに長当たり用オープニングコマンドが記憶されている場合には、長当たり用コマンド受信時処理プログラム331が、まず、長当たり遊技中に行われる演出に係るコマンド(長当たり遊技中演出コマンド)をセットする。ここでセットされる「長当たり遊技中演出コマンド」は、演出表示装置13に画像を表示するためのコマンド、演出役物装置14,15を作動するためのコマンド、演出用照明装置16を点灯するためのコマンド、音声出力装置18から音声を出力するためのコマンドである。これら各コマンドに基づいて行われる演出は、長当たり遊技の開始から終了まで継続的に行われるものである。
【0249】
(ステップS1503)
また、長当たり用コマンド受信時処理プログラム331は、長当たり遊技の開始時に行われる演出に係るコマンド(長当たり用オープニング演出コマンド)をセットする。「長当たり用オープニング演出コマンド」によって実行される演出とは、例えば、演出表示装置13や音声出力装置18において、「長当たり遊技開始」というメッセージを表示したり、音声で報知したりするものである。上記長当たり遊技中演出コマンドおよび長当たり用オープニング演出コマンドをセットしたら、CPU102aは、当該ルーチン処理における長当たり用コマンド受信処理を終了し、次のサブルーチン処理を実行する。
【0250】
(ステップS1504)
これに対して、上記ステップS1501において、RAM102cに記憶されているコマンドが、長当たり用オープニングコマンドではないと判断した場合には、長当たり用コマンド受信時処理プログラム331が、上記RAM102cに記憶されているコマンドが、ラウンド開始コマンドであるか否かを判断する。
【0251】
(ステップS1505)
RAM102cに記憶されているコマンドが、ラウンド開始コマンドであると判断した場合には、長当たり用コマンド受信時処理プログラム331が、ラウンド演出コマンドをセットする。このラウンド演出コマンドは、演出表示装置13において、例えば「第5ラウンド」というメッセージを重畳表示させるものである。
【0252】
(ステップS1506)
一方、RAM102cに記憶されているコマンドが、ラウンド開始コマンドでない場合というのは、長当たり用エンディングコマンドがRAM102cに記憶されている場合である。したがって、この場合には、長当たり用コマンド受信時処理プログラム331が、長当たり用エンディング演出コマンドをセットする。なお、長当たり用エンディング演出コマンドがランプ制御基板104または演出制御基板105に送信されると、長当たり遊技の開始から継続的に行われていた演出が終了し、エンディングに係る演出が新たに行われる。
【0253】
(短当たり用コマンド受信処理)
上記ステップS1402において、RAM102cに短当たり用コマンドが記憶されていると判断した場合には、CPU102aが短当たり用コマンド受信時処理プログラム332を読み出して、図32に示す短当たり用コマンド受信処理を開始する。
【0254】
(ステップS1601)
短当たり用コマンド受信時処理プログラム332は、RAM102cに記憶されているコマンドが、短当たり用オープニングコマンドであるか否かを判断する。
【0255】
(ステップS1602)
RAM102cに短当たり用オープニングコマンドが記憶されている場合には、短当たり用コマンド受信時処理プログラム332が、短当たり遊技中に行われる演出に係るコマンド(短当たり遊技中演出コマンド)をセットする。ここでセットされる「短当たり遊技中演出コマンド」は、演出表示装置13に画像を表示するためのコマンド、演出役物装置14,15を作動するためのコマンド、演出用照明装置16を点灯するためのコマンド、音声出力装置18から音声を出力するためのコマンドである。これら各コマンドに基づいて行われる演出は、短当たり遊技または小当たり遊技の開始から終了まで継続的に行われるものである。
【0256】
なお、上記長当たり遊技においては、大入賞口11に遊技球が所定個数入球したところでラウンド遊技が終了するため、長当たり遊技に要する時間は、遊技球の入球状況によって毎回異なる。一方、短当たり遊技および小当たり遊技においては、大入賞口11の開放時間が極めて短いため、所定個数の遊技球が大入賞口11に入球したことによって大入賞口11が閉成することはない。言い換えれば、短当たり遊技における大入賞口の開放時間、すなわち短当たり遊技に要する時間は、毎回必ず同じになる。したがって、当該ステップS1602においてセットされる短当たり遊技中演出コマンドは、例えば30秒等、設定した時間で演出が終了するようにセットされる。
【0257】
(ステップS1603)
上記ステップS1601において、RAM102cに記憶されているコマンドが、短当たり用オープニングコマンドではないと判断した場合には、短当たり用コマンド受信時処理プログラム332が、上記RAM102cに記憶されているコマンドが、ラウンド開始コマンドであるか否かを判断する。
本実施形態においては、主制御基板101から副制御基板102に短当たり用ラウンド開始コマンドが送信されても、副制御基板102は何ら制御を行うことはない。したがって、当該ステップS1603において、RAM102cに記憶されたコマンドが、短当たり用ラウンド開始コマンドであると判断した場合には、CPU102aがそのまま短当たり用コマンド受信処理を終了し、次のルーチン処理を実行する。
【0258】
(ステップS1604)
RAM102cに記憶されているコマンドが、ラウンド開始コマンドでないと判断する場合というのは、短当たり用エンディングコマンドがRAM102cに記憶されている場合である。したがって、この場合には、短当たり用コマンド受信時処理プログラム332が、短当たり用エンディング演出コマンドをセットする。なお、短当たり用エンディング演出コマンドがセットされても、短当たり遊技の開始時から行われている演出表示装置13または音声出力装置18における演出はそのまま継続して行われる。当該短当たり用エンディング演出コマンドに基づいて実行される演出は、例えば、演出用照明装置16の点灯による演出等である。
【0259】
(小当たり用コマンド受信処理)
上記ステップS1403において、RAM102cに小当たり用コマンドが記憶されていると判断した場合には、CPU102aが小当たり用コマンド受信時処理プログラム333を読み出して、図33に示す小当たり用コマンド受信処理を開始する。
【0260】
(ステップS1701)
小当たり用コマンド受信時処理プログラム333は、RAM102cに記憶されているコマンドが、小当たり用オープニングコマンドであるか否かを判断する。
【0261】
(ステップS1702)
RAM102cに小当たり用オープニングコマンドが記憶されている場合には、小当たり用コマンド受信時処理プログラム333が、小当たり遊技中に行われる演出に係るコマンド(小当たり遊技中演出コマンド)をセットする。ここでセットされる「小当たり遊技中演出コマンド」は、演出表示装置13に画像を表示するためのコマンド、演出役物装置14,15を作動するためのコマンド、演出用照明装置16を点灯するためのコマンド、音声出力装置18から音声を出力するためのコマンドである。これら各コマンドに基づいて行われる演出は、小当たり遊技の開始から終了まで継続的に行われるものである。
なお、小当たり遊技中演出コマンドに基づいて実行される演出は、上記短当たり遊技中演出コマンドに基づいて実行される演出と同じ態様のものとしている。つまり、小当たり遊技中と、短当たり遊技中とで、同一態様の演出を実行するようにしている。
【0262】
(ステップS1703)
上記ステップS1701において、RAM102cに記憶されているコマンドが、小当たり用オープニングコマンドではないと判断する場合というのは、RAM102cに小当たり用エンディングコマンドが記憶されている場合である。なぜなら、主制御基板101の小当たり遊技の制御においては、上記長当たり遊技や短当たり遊技の制御と異なり、ラウンド開始コマンドがセットされることはなく、オープニングコマンドかエンディングコマンドしか副制御基板102に送信しないからである。
したがって、上記ステップS1701において、RAM102cに記憶されているコマンドが、小当たり用オープニングコマンドではないと判断した場合には、小当たり用コマンド受信時処理プログラム333が、小当たり用エンディング演出コマンドをセットする。
これにより、小当たり用コマンド受信処理が終了となり、次のルーチン処理が実行されることとなる。
(演出用コマンド送信処理)
上記のようにして、各演出用のコマンドがセットされたら、CPU102aが演出用コマンド送信プログラム334を読み出して、セットされたコマンドをランプ制御基板104または演出制御基板105に送信する。これにより、副制御基板102におけるルーチン処理が終了する。
【0263】
上記のようにして、副制御基板102から演出制御基板105に演出用コマンドが送信されると、画像CPU105a1が画像ROM105b1からプログラムを読み出して、受信した演出用コマンドに基づいて演出表示装置13における画像表示を制御する。
具体的には、副制御基板102の演出実行コマンド受信処理において、演出確定コマンドがセットされた場合には、画像CPU105a1が装飾図柄変動表示プログラム342を読み出して、特別図柄の変動表示中に行われる装飾図柄の変動表示を開始する。つまり、演出制御基板105が演出確定コマンドを受信した場合には、装飾図柄変動表示プログラム342が、画像ROM105b1に格納された上記演出確定コマンドに対応する装飾図柄データを、VRAM105dに書き込んで演出表示装置13に表示制御する。これにより、演出表示装置13には、所定時間にわたって装飾図柄の変動表示が行われることとなる。
【0264】
また、副制御基板102の長当たり用コマンド受信処理において、長当たり遊技中演出コマンド、長当たり用オープニング演出コマンド、ラウンド演出コマンド、長当たり用エンディング演出コマンドがセットされた場合には、画像CPU105a1が長当たり遊技用演出制御プログラム343を読み出して、演出表示装置13における画像表示を制御する。
一方、副制御基板102の短当たり用コマンド受信処理において、短当たり遊技中演出コマンドがセットされた場合には、画像CPU105a1が短当たり遊技用演出制御プログラム344を読み出して、演出表示装置13における画像表示を制御する。
さらに、副制御基板102の小当たり用コマンド受信処理において、小当たり遊技中演出コマンドがセットされた場合には、画像CPU105a1が小当たり遊技用演出制御プログラム345を読み出して、演出表示装置13における画像表示を制御する。
また、演出制御基板105において、演出表示装置13を制御する際には、受信した演出用コマンドに基づいて、音声CPU105a2が音声ROM105b2から音声出力装置制御プログラム346を読み出して、音声出力装置18における音声を出力制御する。
【0265】
また、ランプ制御基板104においては、CPU104aが、受信した演出用コマンドに基づいて演出役物装置作動プログラム360を読み出して、演出役物装置14,15を作動制御する。
また、CPU104aは、受信した演出用コマンドに基づいて演出用照明装置制御プログラム361を読み出して、演出用照明装置16を制御する。
【0266】
以上、本実施形態によれば、第1LED群と第2LED群とで複数のLEDを同一態様にて配置するため、第1LED群の形状と第2LED群の形状は同じ形状となる。ところが、第1LED群と第2LED群では、LED番号ごとには対応した配置関係となっていない。したがって、同一の特別図柄であってもそれぞれの点灯パターンは異なるものとなる。これにより、遊技者が特別図柄の表示態様を一通り覚えるまでには膨大な時間を要することとなり、特別図柄の表示態様から大当たりか否かを遊技者が容易に判別しにくくすることができる。
【0267】
また、特別図柄を表示させるためのコマンドは、第1特別図柄表示器19および第2特別図柄表示器20ともに共通のコマンドを送信することとしたので、主制御基板101等のプログラム容量やCPU101aの負荷を軽減させることができる。
【0268】
さらに、第1LED群と第2LED群は互いに上下反転した方向となるよう配置されるため、より一層、遊技者が特別図柄の表示態様を一通り覚えるために膨大な時間を要することとなり、特別図柄の表示態様から大当たりか否かを遊技者が容易に判別しにくくすることができる。
なお、本実施形態のように、第1LED群と第2LED群とを上下反転させることに限定されず、これらがお互い異なる方向となるように配置するものであってもよい。
【0269】
なお、本実施形態は、以下の効果も奏する。
本実施形態によれば、遊技者が多量の賞球を獲得できる長当たり遊技と、遊技状態が高確率遊技状態もしくは低確率遊技状態に移行したかもしれないという期待感や不安感を遊技者に与える短当たり遊技とで、ラウンド遊技の回数を同じにしたので、ラウンド遊技の実行可能回数を遊技者に報知する必要がない。
しかも、短当たり遊技は、継続入賞口30に所定個数の遊技球が入球しなかったときに終了となる。したがって、短当たり遊技と長当たり遊技とでラウンド遊技の回数を同じに設定しても、大入賞口11が設定回数だけ開閉する前に短当たり遊技を終了させることができる。これにより、短当たり遊技における大入賞口11の開閉回数を少なくすることが可能となり、大入賞口11の瞬時の開閉を何回も繰り返して行うことによる摩耗を低減させることができる。
【0270】
そして、この短当たり遊技が終了したときの大入賞口11の開閉回数と、小当たり遊技における大入賞口11の開閉回数とを同一回数にしたので、短当たり遊技において継続入賞口30に遊技球が入球しない限りにおいて、短当たり遊技と、小当たり遊技との見分けを遊技者がつけることができない。つまり、継続入賞口30に遊技球が入球しない限り、遊技者は短当たり遊技が行われているのか、小当たり遊技が行われているのかを判別することができなくなり、これら短当たり遊技と小当たり遊技とを設けたことによる遊技の興趣を担保することができる。
しかも、小当たり遊技における大入賞口11の開閉回数を2回に設定し、また、短当たり遊技が無条件で継続する回数も2回に設定したので、小当たり遊技および短当たり遊技に要する時間が短くなり、長時間にわたって遊技が中断することもない。
【0271】
なお、短当たり遊技において、継続入賞口30に遊技球が入球した場合には、大入賞口11が3回以上開閉するのに対して、小当たり遊技においては、継続入賞口30に遊技球が入球しても、大入賞口11は2回しか開閉しない。したがって、継続入賞口30に遊技球が入球すると、短当たり遊技が実行されているのか、小当たり遊技が実行されているのかを遊技者が判別することが可能となる。言い換えれば、継続入賞口30に遊技球を入球させることによって、遊技者は以後の遊技状態が高確率遊技状態や低確率遊技状態へ移行する可能性があるのかないのかを判別することができる。遊技者は、短当たり遊技と小当たり遊技とを判別したいと考えるのが一般的であるため、こうした遊技者心理から短当たり遊技や小当たり遊技中に、遊技者に遊技球を発射させることが可能となり、遊技の中断を防止することができる。
【0272】
なお、上記実施形態においては、「高確率時短無し短当たり」と「通常時短無し短当たり」とが設けられており、例えば低確率遊技状態において、「通常時短無し短当たり」に当選しても遊技状態が変わることはない。
つまり、継続入賞口30に遊技球を入球させて短当たり遊技であることを遊技者が判別できたとしても、当該短当たり遊技が「通常時短無し短当たり」の当選に係る短当たり遊技であった場合には、結果的に、小当たりと何ら変わるところがない。このように「通常時短無し短当たり」を設けることによって、短当たりであることを遊技者が判別したとしても、必ずしも遊技状態が移行するとは限らないという認識を遊技者にもたせることができる。
【0273】
すなわち、「高確率時短無し短当たり」のみを設けた遊技機において、短当たり遊技が実行されたことを遊技者が判別した場合には、遊技状態が高確率遊技状態になったと遊技者が認識する。より詳細には、大入賞口11の開閉が短当たり遊技に係るものであると判別し、かつ、その後に時短遊技状態とならなかった場合には、必ず高確率遊技状態になっていると遊技者が認識することとなる。
しかしながら、「通常時短無し短当たり」を設けた遊技機においては、大入賞口11の開閉が短当たり遊技に係るものであると判別しても、当該短当たり遊技が「通常時短無し短当たり」に係る可能性がある。そのため、遊技者は、大入賞口11の開閉が短当たり遊技に係るものであると判別できたとしても、その後の遊技状態が、高確率遊技状態になっているかもしれないという期待感を抱くにとどまることとなる。
【0274】
ただし、「通常時短無し短当たり」を設けた場合には、高確率遊技状態における「小当たり」の意義が増すこととなる。なぜなら、高確率遊技状態において「通常時短無し短当たり」に当選してしまうと、遊技状態が低確率遊技状態に復帰してしまうため、高確率遊技状態にて大入賞口11が開閉動作すると、遊技者は当該動作が小当たりに係るものであることを切望する。つまり、小当たりに当選しても、小当たり遊技の終了後に遊技状態が変化することはないため、遊技状態が変化するおそれがある「短当たり」ではなく、高確率遊技状態が維持される「小当たり」であることを遊技者は望むこととなる。したがって、「通常時短無し短当たり」を設けることによって、遊技状態に関わらず、短当たりや小当たりによる遊技の興趣を高めることができる。
【0275】
また、上記実施形態においては、短当たり遊技が実行される大当たりとして、「高確率時短付き短当たり」および「通常時短付き短当たり」が設けられている。そして、これらのいずれの短当たりも、大入賞口11の開閉動作の態様が上記小当たりと同じである。したがって、「高確率時短付き短当たり」や「通常時短付き短当たり」に係る短当たり遊技中においては、やはり小当たり遊技との差異を遊技者が判別することができない。しかしながら、「高確率時短付き短当たり」および「通常時短付き短当たり」においては、どちらも短当たり遊技の終了後に時短遊技状態となるため、第2始動口10の開閉頻度が高くなる。そのため、短当たり遊技が終了してすぐに、大入賞口11の開閉が短当たり遊技に係るものであったことを、遊技者に認識されてしまう。そこで、「高確率時短付き短当たり」や「通常時短付き短当たり」においては、ラウンド遊技が15回まで継続された場合にのみ、時短遊技状態が開始することとすれば、上記「高確率時短付き短当たり」や「通常時短付き短当たり」に当選しても、ラウンド遊技が2回で終了する限りにおいて、短当たり遊技が実行されたのか小当たり遊技が実行されたのかを、遊技者に判別不能とすることができる。ただし、「高確率時短付き短当たり」や「通常時短付き短当たり」であることが遊技者に簡単に判別できたとしても、本発明に何ら影響を及ぼすものではない。
【0276】
また、上記実施形態においては、短当たり遊技および小当たり遊技において、大入賞口11の開閉動作を一瞬で行うようにして、大入賞口11に遊技球がほとんど入球しないようにしている。これにより、遊技者は短当たり遊技と小当たり遊技とを見分けることがほとんど不可能となる。
これに対して、短当たり遊技や小当たり遊技中に継続入賞口30に遊技球がある程度入球するようにして、短当たり遊技が実行されているのか、小当たり遊技が実行されているのかを、遊技者がある程度判別できるようにしてもよい。このように、短当たり遊技と小当たり遊技とを判別しやすくすることで、以後の遊技状態を報知することによる新たな遊技性をもたせることができる。この場合には、短当たり遊技および小当たり遊技における大入賞口11の開放時間をある程度長くしたり、あるいは継続入賞口30を設けずに、継続条件を大入賞口11に遊技球が入球することとしたりすればよい。
【0277】
(その他の実施形態についての言及)
本発明の遊技機としては、上記実施形態に示した遊技機1に限定されない。例えば、大入賞口を複数有した遊技機も本発明の遊技機として好適である。このような遊技機では、例えば、複数の大入賞口を、長当たり専用の大入賞口、短当たりおよび小当たり専用の大入賞口とすることにより、大当たりの種類(小当たり)に応じて遊技球の入球が可能となる大入賞口が変わることとなるため、大当たり遊技や小当たり遊技中の単調さを解消することができる利点がある。
【符号の説明】
【0278】
9 第1始動口
10 第2始動口
19 第1特別図柄表示器
20 第2特別図柄表示器
100 制御手段
101 主制御基板
101a CPU
101b ROM
102 副制御基板
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特別図柄を変動表示させ所定時間経過後に当該変動表示を停止させる特別図柄変動表示手段と、
遊技盤に設けられた始動口への遊技球の入球を契機に遊技データを取得して、賞球を獲得可能な特別遊技の実行の権利獲得の抽選を行うとともに、前記特別図柄変動表示手段による特別図柄の変動表示を開始させる権利を発生させ、所定時間経過後に当該変動表示が停止となるとき、前記抽選の結果に基づく特別図柄を前記特別図柄変動表示手段に表示させる制御を実行する制御手段を備えた遊技機であって、
前記始動口は、第1始動口と、第2始動口とを含み、
前記特別図柄変動表示手段は、
複数の発光体が配置された発光体群から形成されているとともに、
前記第1始動口への遊技球の入球を契機として特別図柄の変動表示を開始させる第1特別図柄変動表示手段と、前記第2始動口への遊技球の入球を契機として特別図柄の変動表示を開始させる第2特別図柄変動表示手段とを含み、
前記制御手段は、
前記第1始動口への遊技球の入球を契機とする前記抽選の結果に基づいて前記第1特別図柄変動表示手段を制御する制御コマンドと、前記第2始動口への遊技球の入球を契機とする前記抽選の結果に基づいて前記第2特別図柄変動表示手段を制御する制御コマンドを共通のコマンドとしてそれぞれ対応する前記特別図柄変動表示手段に送信し、
前記第1特別図柄変動表示手段を形成する第1発光体群と、前記第2特別図柄変動表示手段を形成する第2発光体群とは、互いに前記複数の発光体が同一態様にて配置される一方、
同一の前記制御コマンドに基づいて点灯する該発光体が、前記第1発光体群における発光体と前記第2発光体群における発光体とで非対称の位置関係にあることを特徴とする遊技機。
【請求項2】(削除)
【請求項3】
前記第1発光体群および前記第2発光体群は、同一態様である所定の形状をなすとともに、
前記第1発光体群が配置された方向に相違して前記第2発光体群が配置されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2013-05-31 
出願番号 特願2009-4348(P2009-4348)
審決分類 P 1 41・ 851- Y (A63F)
P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 上田 正樹  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 瀬津 太朗
吉村 尚
登録日 2013-03-15 
登録番号 特許第5221399号(P5221399)
発明の名称 遊技機  
代理人 特許業務法人エビス国際特許事務所  
代理人 特許業務法人 エビス国際特許事務所  

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