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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06Q
管理番号 1282560
審判番号 不服2012-2032  
総通号数 170 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-02-02 
確定日 2013-12-02 
事件の表示 特願2008-274568「賃貸住宅の賃借人募集に適用する写真」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 5月 6日出願公開、特開2010-102576〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成20年10月24日の特許出願であって,平成23年8月23日付けの拒絶理由通知に対して,平成23年10月17日に意見書の提出とともに手続補正がなされ,平成23年11月2日付けの拒絶査定に対して平成24年2月2日に審判請求がなされるとともに手続補正がなされ,平成25年1月21日付けで当審より拒絶理由を通知したところ,平成25年3月18日に意見書の提出とともに手続補正がなされたものである。

第2 本願発明について
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,平成25年3月18日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される,次のとおりのものである。
「賃貸住宅の賃借人を募集するのに,賃貸住宅情報誌を使い募集する場合は募集(検索)条件ごとに整理・表示された,募集する賃貸住宅の一覧表とその関連箇所のなかに,またインターネットを使い募集する場合は募集(検索)条件ごとに整理・表示される賃貸住宅の一覧表とその関連箇所のなかに,5種類の規格写真(それぞれ仲介業者が提出した一枚のデジタル写真がそのまま利用される)が使われており,該5種類の規格写真の一つである「建物外観写真」に関して,一般の画像編集ソフトにはないレイヤー写真技術機能を有効活用して「建物外観写真」を作成する方法において,
第1工程では,該賃貸住宅の情報と該外観写真の内容の解析により得られた写真の背景色・柄(白色・各種単色,複数の種類の模様)が,コンピュータの記憶手段等に事前に準備・記憶されており,
コンピュータの情報処理により,記憶されている該背景・柄を写真の背景として適用され,レイヤーの1枚目のシートである「背景レイヤー」が自動的に作成され,
第2工程では,該賃貸住宅の情報と各外観写真の内容の解析により得られた複数枚の外観写真とそのレイアウト情報(複数枚の写真を配置・組合)が,コンピュータの記憶手段等に事前に準備・記憶されており,
コンピュータの情報処理により,第1工程で作成された「背景レイヤー」追加され,記憶された該複数枚の外観写真がそのレイアウト情報に基づき,自動的に配置され,レイヤーの2枚目のシートである「レイヤー1」が自動的に作成され,
第3工程では,該賃貸住宅の各種情報と各外観写真の内容の解析により得られた,解析情報I(表題)に対応する言葉(アパート・マンション名)とそのレイアウト情報(文字種類・大きさ・色,文字配置)が,コンピュータの記憶手段等に事前に準備・記憶されており,
コンピュータの情報処理により,第2工程で作成された「レイヤー1」に追加され,記憶された写真の解析情報Iに対応する該言葉が,そのレイアウト情報に基づき自動的に配置され,レイヤーの3枚目のシートである「レイヤー2」が自動的に作成され,
第4工程では,該賃貸住宅の各種情報と各外観写真の内容の解析により得られた,解析情報2(内容説明)に対応する言葉(建物構造,建物階数,賃貸募集部屋の建物での位置)とそのレイアウト情報(文字種類・配置,文字色)が,コンピュータの記憶手段等に事前に準備・記憶されており,
コンピュータの情報処理により,第3工程で作成された「レイヤー2」に追加され,記憶された写真の解析情報IIに対応する該言葉が,そのレイアウト情報に基づき自動的に配置され,レイヤーの4枚目のシートである「レイヤー3」が自動的に作成され,
第5工程では,該賃貸住宅の各種情報と各外観写真の内容の解析により得られた,解析情報III(特長・宣伝)とその解析情報IIIに対応する言葉(建物築年数,建物所在地,建物方位,建物近隣駅,建物の生活・防犯環境,学校区,近隣の主要施設,賃貸住宅の賃料・敷金・礼金・保証金・管理費・共益費・水道料・仲介手数料)とそのレイアウト情報(文字種類・配置,文字色)が,コンピュータの記憶手段等に事前に準備・記憶されており,
コンピュータの情報処理により,第4工程で作成された「レイヤー3」に追加され,記憶された写真の解析情報IIIに対応する該言葉が,そのレイアウト情報に基づき自動的に配置がされ,レイヤーの5枚目のシートである「レイヤー4」が自動的に作成され,
第1工程と,第2工程と,第3工程と,第4工程と,第5工程で作成されたレイヤーを使い,「背景レイヤー」,「レイヤー1」・・・と順次下から自動的に重ねた合成写真が作成され,各工程の内容が機能・作用的に複合・総合された内容となった合成写真を,上記の「建物外観写真」として,
通信ネットワークを介して,賃貸住宅情報誌の業者・賃貸住宅業者の端末に,又インターネットの賃貸住宅ポータルサイトの業者に送信し,従来から実施されている一枚のデジタル写真のみよりも,賃借人に伝わる情報量を質・量共に著しく大きくし,賃貸住宅の賃借人の募集効果を顕著なものとする方法」

第3 当審における拒絶の理由について
当審における平成25年1月21日付けで通知した拒絶理由の概要は,以下のとおりである。
『この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
引用例1:国際公開第2005/055104号
引用例2:特開2004-310384号公報
・請求項1
・引用例1,2
・備考
(以下略)』

第4 当審の判断
1.各引用例について
(1)当審の拒絶理由通知で引用した引用例1(国際公開第2005/055104号)には,以下の記載がある。
(以下「引用例1摘記事項」という。)
(ア)「 技術分野
本発明は,ネットワークを利用した,賃貸住宅の物件情報の公開と入居予約,及び入居申明込みを行う賃貸住宅仲介システムに関する。」
(1ページ2行?5行)
(イ)「発明の開示
前述した目的を達成するために第1の発明は,賃貸住宅を所有する賃貸者の第1の端末装置と,入居希望者の第2の端末装置と, 前記賃貸住宅の評価を行う第三者の第3の端末装置と,サーバと,がネットワークを介して接続されるシステムであって,前記サーバ は,前記第1の端末装置から受け取った前記賃貸住宅の物件情報を登録,保持する第1の保持手段と,前記第3の端末装置から受け取 つた前記賃貸住宅の評価情報を保持する第2の保持手段と,前記第2の端末装置に前記物件情報と前記評価情報等を提供する情報提供手段と,を具備することを特徴とする賃貸住宅仲介システムである。」
(2ページ10行?20行)
(ウ)「賃貸者102は,賃貸住宅108を保有する賃貸住宅供給者であり,端末装置103を有する。端末装置103には,Webブラゥザが搭載される。端末装置103は,Webブラウザを介して,サーバ101のシステムサイト110にアクセスし,賃貸者102の保有する賃貸住宅108の物件情報301の入力,登録を行い,サーバ101からの入居希望者104からの入居予約申込み情報を受信し,申込み結果通知,空室通知等をサーバ101に送信する。 尚,端末装置103は,パーソナルコンピュータ,携帯情報端末(Personal Digital Assistant)等である。
入居希望者106は,賃貸住宅108を求める賃貸住宅需要者であり,端末装置103を有する。端末装置103は,Webブラゥザを介して,サーバ101のシステムサイト110にアクセスし,公開されている賃貸住宅108の物件情報310,チェックシート,賃貸住宅108に設置されたカメラ107による内覧映像を閲覧し,入居申込み/予約等を行い,申込み結果/空室情報を受信する。」
(10ページ1行?15行)
(エ)「物件情報データベース300には,複数の物件情報301を蓄 積する。物件情報301は,物件I D,物件概要情報311,間取り図面312,価格情報313,画像情報314,物件現況情報315,チェックシ一ト情報316等を有する。物件概要情報311は,物件名,物件所在地,築年月日,間取り,設備等の情報である。価格情報 313は,貸料,共益費,駐車場料,敷金,礼金,更新料,仲介料等の情報である。画像情報314は,予め,カメラ,デジタルカメラ,カメラ付き携帯電話,ビデオカメラ等で撮った賃貸住宅108の内外部の静止画像,動画像等である。」
(12ページ12行?20行)
(オ)「第11図は,物件情報入力画面1100を示す。第11図に示 すように,物件情報入力画面1100は,物件名,所在地,最寄沿線,最寄駅名等を有する物件概要情報311,間取り図面312,価格情報313,写真,撮影部分,撮影日等を有する画像情報314,満室/空室,入居可能日等を有する物件現況情報315等の物件情報301の入力フィールドと,送信ポタン1101等からなる 。写真は,例えばデジタルカメラ,カメラ付き携帯電話,ビデオ力メラ等による静止画像,動画像等である。
賃貸者102は,物件情報301のデータを入力し,送信ボタン1101クリックにより,制御部401は入力データをサーバ101に送信する(ステップ 705)。サーバ101の制御部201は,受信した入力データを,カテゴリに分類し(例えば,画像情報314は賃貸住宅108の内部/外部等に分類する),物件情報データベース300の物件情報301に登録,保持する(ステップ706 )」
(15ページ8行?22行)
(カ)第11図には,物件情報入力画面であって,間取り図面とともに,物件写真と撮影部分とコメントと撮影日などからなる画像情報を入力すること,第12図には,物件情報トップ画面であって,間取り図面とともに,画像情報を表示することが記載されている。

(2)引用例1発明について。
上記引用例1摘記事項によれば,引用例1には,以下の発明が記載されていると認められる。
(以下,「引用例1発明」という。)
「ネットワークを利用した,賃貸住宅の物件情報の公開を行う賃貸住宅仲介システムであって,
賃貸住宅を所有する賃貸者の第1の端末装置と,入居希望者の第2の端末装置と,サーバとがネットワークを介して接続され,
サーバは賃貸者の第1の端末装置から受け取った賃貸住宅の物件情報を登録・保持して入居希望者の第2の端末装置に物件情報を提供し,
賃貸者はWebブラウザが搭載される端末装置を介してサーバにアクセスして賃貸住宅の物件情報の入力・登録を行い,
入居希望者は端末装置のWebブラウザを介してサーバにアクセスし,公開されている賃貸住宅の物件情報を閲覧するものであり,
物件情報データベースには,複数の物件情報の物件概要情報や価格情報とともに,間取り図面や画像情報を有し,画像情報はデジタルカメラ等で撮った賃貸住宅の内外部の静止画像であり,
賃貸者は,物件情報入力画面で,物件概要情報や価格情報や間取り図面とともに,写真・撮影部分・撮影日等を有する画像情報を入力フィールドで入力し,サーバに送信し,サーバは物件情報データベースに,物件概要情報や価格情報や間取り図面とともに賃貸住宅の内部/外部の画像情報として登録し,
画像情報は物件写真と撮影部分とコメントと撮影日などからなる賃貸住宅仲介システム。」

(3)当審の拒絶理由通知で引用した引用例2(特開2004-310384号公報)には,以下の記載がある。
(以下「引用例2摘記事項」という。)
(ア)「【0028】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態について説明する。
図1は,本発明のWebページ広告システムの一実施の形態を示す図であり,広告サービス会社ホスト10,サイトオーナーサーバ20,ネットユーザ端末30を備え
(以下略)」
(イ)「【0040】
図3は,壁紙広告50の具体例を示す図である。この場合,壁紙広告50を法人サイトオーナーが経営する,オンラインスポーツショップに投下した例となっている。有名スポーツブランドのイメージキャラクターとして,有名プロスポーツ選手が起用されている。壁紙広告50は,Webサイトのトップページ又は各コンテンツページに表示される。また,壁紙広告50には,タレントの画像54,壁紙広告ロゴアイコン55及びゲットインフォアイコン56等が含まれている。これら,タレントの画像54,壁紙広告ロゴアイコン55,ゲットインフォアイコン56等は壁紙広告50内の任意の位置に配置されるようにすることができる。また符号58はサイトオーナーのホームページのコンテンツであり,タイトル,本文,飾り文字,リンク,各ボタン類等である。また符号59は壁紙広告50の内容物であり,メーカーロゴ,ロゴマーク,キャッチコピー等があり,壁紙広告50内の任意の位置に配置されるようにすることができる。これら壁紙広告セットは,広告サービス会社ホスト10より提供される広告データセットに含まれている。セット内のレイヤー状のデータは全て同じセットを示すファイルID70と同一サイトオーナーを示す送信者ID80が振られている構造になっている。特に壁紙広告データは,部分毎に何層かのレイヤーに分かれており,人物レイヤー,商品レイヤー,メーカーロゴレイヤー,キャッチコピーレイヤー,背景レイヤー,壁紙広告ロゴアイコンレイヤー,ゲットインフォアイコンレイヤー等がある。これらを,ホームページ作成ソフトウェアに壁紙広告用の機能を付加したものといえる広告管理編集アップロードソフトウェア及び/又は同一機能を有する市販ソフトにより編集して,サイトにアップする。このソフトウェアは一般に壁紙広告ソフトウェアと呼ばれるもので,サービス加入後広告サービス会社ホストから無償ダウンロードできる。セット内容には送信者ID80を持つ。この場合,受信者ID90ともいえる,イオプログラム60も入っている。このソフトウェアには画像処理機能があり,明度,彩度,色相,モノクロ,セピア,パステルカラー,リサイズ,2,4,8,16,32分割,特殊効果用フィルター等様々組み合わせて変換できる豊富な機能がある。さらに多機能なレイアウト機能があるので,人物やロゴ,コピーなど好きな場所に配置でき,ネットにアップしたときどう見えるか確かめながら,サイトの内容物に広告を溶け込ませてページを作成できる。広告サービス会社が用意し,工夫を凝らした豊富なバリエーションを無編集で使用することもできる。また,各レイヤーはこのソフトウェアによって管理され,分割して不正利用できず,セット内のレイヤーはロゴや,コピーなども含め全てアップする規定となる。広告のアップ時は編集前のpsd,pxa等のレイヤー形式からjpg等の標準形式に変換,確定して全てこのソフトウェア一つでアップまでできる。また,送信者ID80を持つ壁紙広告50は,同じ送信者ID80をシリアルナンバーとして打ち込まれたソフトウェアでしか取り扱えず,アップする場所や数量等も,このソフトにより制限を受ける。ここで,壁紙広告ロゴアイコン55をクリックすると,広告サービス会社の提供するサービスサイトへ別ウィンドウを開きジャンプする様になっている。サービスに興味を持ったネットユーザは,ここで情報を得て上記のソフトウェアやイオプログラム60,また無料壁紙を入手でき,サービスの加入や契約が行える。また,ゲットインフォアイコン56をクリックすると,別ウィンドウを開き広告主企業のサイトにジャンプし,広告されていた商品やサービスの宣伝,販売ページに飛べる様になっている。これらは,広告サービス会社が任意に設定でき飛ぶ先はどこでもよい。例えばあらゆるファイルに設定し,それらをダウンロードすることもできる。
【0041】
図4は,壁紙広告50の一つエンター広告(ウェブポスター)の具体例を示す図である。この場合,壁紙広告50を大手法人サイトオーナー,ここでは有名ポータルサイトを運営する企業サイトに投下した例である。大手家電メーカーのイメージキャラクターとして,有名タレントが起用されている。この壁紙広告50は,上記同様に,Webサイトのトップページ又は各コンテンツページに表示できるが,ネットユーザが一番最初に目にするページに配すことを目的としたものである。そしてそれは,サイトの入り口,つまり雑誌に例えると表紙の役目を持ち,十分なインプレッション効果を発揮してから,ネットユーザをページインさせることができる。よって,壁紙広告をオリジナルクオリティーでそのまま,サイトの情報と重ねず,それ以前のページを設けてアップすることが有効である。具体例は有名な最大手検索エンジンに入る,入り口ページに壁紙広告50を配すことを想定したものである。この場合,符号58にあるサイトのタイトルの下のenterの文字から,検索ページにジャンプできる。また,壁紙広告50には,タレントの画像54,壁紙広告ロゴアイコン55,ゲットインフォアイコン56に加え,商品画像57等が含まれている。これら,タレントの画像54,壁紙広告ロゴアイコン55,ゲットインフォアイコン56,商品画像57等は壁紙広告50内の任意の位置に配置されるようにすることができる。また,このような大手有名ポータルサイトに,エンター広告等として壁紙広告を投下する場合,時間おき,PVおきに別の壁紙広告が貼られていく,サイクル壁紙広告を使用してもよい。各部品はそれぞれ任意のページ,ファイルへクリックスルーさせる機能を持たせてもよい。また,その設定にクリッカブルマップ機能を用いてもよい。」
(ウ)図4には,背景のレイヤと,商品画像57のレイヤと,キャッチコピー59のレイヤであって「DC-XYZ300」なる言葉と「ギガピクセル」なる言葉と「迫真」なる言葉とから変換された広告が表示されている。


(4)引用例2発明について。
上記引用例2摘記事項によれば,引用例2には以下の発明が記載されていると認められる。
(以下「引用例2発明」という。)
「Webページ広告システムであって,
壁紙広告の壁紙広告データは,部分毎に何層かのレイヤーに分かれており,商品レイヤー,キャッチコピーレイヤー,背景レイヤー等からなり,市販ソフトにより編集して,サイトにアップするものであり,
ソフトウェアは画像処理機能があり,明度,彩度,色相,モノクロ,セピア,パステルカラー,リサイズ等,様々組み合わせて変換できる機能や,レイアウト機能であって,人物やロゴ,コピーなど好きな場所に配置でき,ネットにアップしたときどう見えるか確かめながら,サイトの内容物に広告を溶け込ませてページを作成できるものであり,
各レイヤーはソフトウェアによって管理され,広告のアップ時は編集前のpsd,pxa等のレイヤー形式からjpg等の標準形式に変換,確定してアップするものであり,
壁紙広告には商品画像57等が含まれ,壁紙広告50内の任意の位置に配置されるようにすることができ,背景のレイヤと,商品画像のレイヤと,キャッチコピーのレイヤであって「DC-XYZ300」なる言葉と「ギガピクセル」なる言葉と「迫真」なる言葉とから変換されたキャッチコピーのレイヤを含む広告が表示されているWebページ広告システム。」

2.対比
(1)引用例1発明と,本願発明とを対比する。
(ア)引用例1発明は,「ネットワークを利用した,賃貸住宅の物件情報の公開を行う賃貸住宅仲介システム」であって,「サーバは賃貸者の第1の端末装置から,ネットワークを介して受け取った賃貸住宅の物件情報を登録・保持し,ネットワークを介して入居希望者の第2の端末装置に物件情報を提供する」ものである。
してみると,引用例1発明と本願発明とは,後記する点で相違するものの,「賃貸住宅の賃借人を募集するのにインターネットを使い募集するもの」である点で共通する。
(イ)引用例1発明は,「物件情報データベースには,複数の物件情報の物件概要情報や価格情報とともに,間取り図面や画像情報」を有し,「画像情報はデジタルカメラ等で撮った賃貸住宅の内外部の静止画像」であって「サーバ」は「物件情報データベース」に,「間取り図面」とともに「賃貸住宅の内部/外部」の「画像情報」を登録する。
ここで,画像情報は物件写真と撮影部分とコメントと撮影日などからなる。
これらの,「間取り図面」,「賃貸住宅の内部の画像情報の物件写真」,「賃貸住宅の外部の画像情報の物件写真」は,本願発明の,「5種類の規格写真」のうちの,「部屋間取写真」,「建物室内写真」,「建物外観写真」に相当する。
してみると,引用例1発明と本願発明とは,後記する点で相違するものの,少なくとも,「賃貸住宅の複数の規格写真」が使われており,「規格写真の一つである建物外観写真」が使われている点で共通する。
(ウ)引用例1発明は,「賃貸者」が,「Webブラウザが搭載される端末装置を介してサーバにアクセスして賃貸住宅の物件情報の入力・登録」を行うものであり,「物件情報入力画面で,物件概要情報や価格情報や間取り図面とともに,写真・撮影部分・撮影日等を有する画像情報を入力してサーバに送信し,サーバは物件情報データベースに,物件概要情報や価格情報や間取り図面とともに賃貸住宅の内部/外部の画像情報として登録」するものであり,サーバに送信する写真は,デジタルカメラ等で撮った賃貸住宅の外部の静止画像の写真である。
つまり,賃貸者がデジタルカメラ等で撮った賃貸住宅の外部の静止画像の写真を,Webブラウザが搭載される端末装置の,物件情報入力画面の入力フィールドで入力してサーバに送信する。
してみると,引用例1発明と本願発明とは,後記する点で相違するものの,少なくとも,「建物外観写真」を作成し,「作成した建物外観写真と物件情報を通信ネットワークを介して,インターネットの賃貸住宅ポータルサイトの業者に送信し,建物外観写真と物件情報とにより賃借人に必要な情報を伝える」という点で共通する。
(エ)以上(ア)?(ウ)の点で,引用例1発明と本願発明とは,「賃貸住宅の賃借人の募集の方法」の発明である点で共通する。

以上(ア)?(エ)のことから,引用例1発明と本願発明は,以下の点で一致し,また相違する。
[一致点]
「賃貸住宅の賃借人を募集するのにインターネットを使い募集するものであって,賃貸住宅の複数の規格写真が使われており,規格写真の一つである建物外観写真に関して,建物外観写真を作成し,
作成した建物外観写真と物件情報を通信ネットワークを介して,インターネットの賃貸住宅ポータルサイトの業者に送信し,建物外観写真と物件情報により賃借人に必要な情報を伝える賃貸住宅の賃借人の募集の方法。」

[相違点1]
本願発明では,「賃貸住宅の賃借人を募集」するのに,「賃貸住宅情報誌を使い募集する場合は募集(検索)条件ごとに整理・表示された,募集する賃貸住宅の一覧表とその関連箇所のなかに,またインターネットを使い募集する場合は募集(検索)条件ごとに整理・表示される賃貸住宅の一覧表とその関連箇所のなかに,5種類の規格写真(それぞれ仲介業者が提出した一枚のデジタル写真がそのまま利用される)が使われており,該5種類の規格写真の一つである『建物外観写真』」を作成して送信するものであるのに対し,引用例1発明の「賃貸住宅の外部の画像情報の物件写真」は,そのようなものではない点。
[相違点2]
本願発明の「建物外観写真」は,「一般の画像編集ソフトにはないレイヤー写真技術機能を有効活用して『建物外観写真』を作成」し,送信するものであり,「背景」のレイヤーに,「外観写真」のレイヤー,「解析情報」のレイヤーを順次追加して重ねた合成写真を「建物外観写真」として作成し,業者に送信するものであって,
「背景」は,「賃貸住宅の情報と外観写真の内容の解析により得られた写真の背景色・柄(白色・各種単色,複数の種類の模様)」からなり,
「外観写真」は,「賃貸住宅の情報と各外観写真の内容の解析により得られた複数枚の外観写真とそのレイアウト情報(複数枚の写真を配置・組合)」からなり,
「解析情報」は,「賃貸住宅の各種情報と各外観写真の内容の解析により得られた言葉とそのレイアウト情報」からなり,
ここで,
「解析情報」が「解析情報I(表題)」と「解析情報II(内容説明)」と「解析情報III(特徴・宣伝)」とからなり,
「表題」は,「賃貸住宅の各種情報と各外観写真の内容の解析により得られた表題に対応する言葉(アパート・マンション名)とそのレイアウト情報(文字種類・大きさ・色,文字配置)」からなり,
「内容説明」は,「賃貸住宅の各種情報と各外観写真の内容の解析により得られた内容説明に対応する言葉(建物構造,建物階数,賃貸募集部屋の建物での位置)とそのレイアウト情報(文字種類・配置,文字色)」からなり,
「特徴宣伝」は,「賃貸住宅の各種情報と各外観写真の内容の解析により得られた特長・宣伝と対応する言葉(建物築年数,建物所在地,建物方位,建物近隣駅,建物の生活・防犯環境,学校区,近隣の主要施設,賃貸住宅の賃料・敷金・礼金・保証金・管理費・共益費・水道料・仲介手数料)とそのレイアウト情報(文字種類・配置,文字色)」からなり,
これらを,「背景」のレイヤー,「外観写真」のレイヤー,「表題」のレイヤー,「内容説明」のレイヤー.「特徴宣伝」のレイヤーにより,
背景のレイヤーでは,「第1工程」であって,「背景色・柄が,コンピュータの記憶手段等に事前に準備・記憶されており,コンピュータの情報処理により,記憶されている該背景・柄を写真の背景として適用され,レイヤーの1枚目のシートである背景レイヤーが自動的に作成」され,
外観写真のレイヤーでは,「第2工程」であって,「複数枚の外観写真とそのレイアウト情報が,コンピュータの記憶手段等に事前に準備・記憶されており,コンピュータの情報処理により,第1工程で作成された『背景レイヤー』に追加され,記憶された複数枚の外観写真がそのレイアウト情報に基づき,自動的に配置され,レイヤーの2枚目のシートである『レイヤー1』が自動的に作成」され,
表題のレイヤーでは,「第3工程」であって,「言葉とそのレイアウト情報が,コンピュータの記憶手段等に事前に準備・記憶されており,コンピュータの情報処理により,第2工程で作成された『レイヤー1』に追加され,言葉が,そのレイアウト情報に基づき自動的に配置され,レイヤーの3枚目のシートである『レイヤー2』が自動的に作成」され,
内容説明のレイヤーでは,「第4工程」であって,「言葉とそのレイアウト情報が,コンピュータの記憶手段等に事前に準備・記憶されており,コンピュータの情報処理により,第3工程で作成された『レイヤー2』に追加され,記憶された言葉が,そのレイアウト情報に基づき自動的に配置され,レイヤーの4枚目のシートである『レイヤー3』が自動的に作成」され,
特徴宣伝のレイヤーでは,「第5工程」であって,「言葉とそのレイアウト情報が,コンピュータの記憶手段等に事前に準備・記憶されており,コンピュータの情報処理により,第4工程で作成された『レイヤー3』に追加され,言葉が,そのレイアウト情報に基づき自動的に配置がされ,レイヤーの5枚目のシートである『レイヤー4』が自動的に作成されるで作成」されるものであり,
「『第1工程』と,『第2工程』と,『第3工程』と,『第4工程』と,『第5工程』で作成されたレイヤーを使い,『背景レイヤー』,『レイヤー1』・・・と順次下から自動的に重ねた合成写真が作成され,各工程の内容が機能・作用的に複合・総合された内容となった合成写真を,『建物外観写真』として,通信ネットワークを介して,賃貸住宅情報誌の業者・賃貸住宅業者の端末に,又インターネットの賃貸住宅ポータルサイトの業者に送信し,従来から実施されている一枚のデジタル写真のみよりも,賃借人に伝わる情報量を質・量共に著しく大きくし,賃貸住宅の賃借人の募集効果を顕著なものとする」ものであるのに対し,引用例1発明は,そのようなものではない点。

3.判断
[相違点1]について。
「インターネットを使い賃貸住宅の賃借人を募集する」ものであって,「募集(検索)条件ごとに整理・表示される賃貸住宅の一覧表とその関連箇所のなかに,5種類の規格写真が使われる」ことは,周知の事項である。(以下「周知の事項A」という。)
例えば,特開2001-306667号公報(以下「周知例1」という。)には,「通信ネットワークを介して行う売買または賃貸対象の不動産情報の提供および検索システムに関する(【0001】)ものであって,ユーザが検索条件を入力して検索実行を指示すると・・・該当物件を抽出(【0034】)し,ユーザがこの結果画面S2上の所望の物件位置のホットスポットを指示することにより,当該物件の外観画面S3,S4,S5に選択的に移行する(【0036】)ことができ,ユーザはこの外観画面から,当該物件の間取図画面S6,明細地図画面S7,・・・へ移行する(【0037】)ことができ,間取図画面S6から,当該物件各部の写真画像(玄関,各部屋,窓外の写真画像)画面S9?S11,・・・へ移行(【0039】)し,間取図における「台所」をクリックしたときに表示(【0056】)される」ことが記載されており,図面の記載をみると,【図8】に「外観画像」が,【図9】に「明細地図画面」が,【図10】に「間取図画面」が,【図11】に「部屋の内部写真」が,【図13】に台所の画面例が,それぞれ記載されている。
ここで,「賃貸住宅情報誌を使い募集」することは,「インターネットを使い募集」することと同様,普通に行われている周知の事項である。(以下「周知の事項B」という。)
してみると,引用例1発明の,賃貸住宅の賃借人を募集するための,賃貸住宅仲介システムの物件情報データベースや物件情報を登録し,閲覧させる構成に,周知の事項A,Bを適用することにより,引用例1発明の,建物の外観写真である,「賃貸住宅の外部の画像情報の物件写真」を,「賃貸住宅情報誌を使い募集する場合は募集(検索)条件ごとに整理・表示された,募集する賃貸住宅の一覧表とその関連箇所のなかに,またインターネットを使い募集する場合は募集(検索)条件ごとに整理・表示される賃貸住宅の一覧表とその関連箇所のなかに,5種類の規格写真(それぞれ仲介業者が提出した一枚のデジタル写真がそのまま利用される)が使われており,該5種類の規格写真の一つである『建物外観写真』」を作成し,送信する構成とすることは,当業者が容易に想到することができたものである。

[相違点2]について。
(以下のア?エの見出しは,判断を整理するために付したものである。)

ア 相違点2の「建物外観写真」との事項について
(ア)まず,相違点2に係る「レイヤー写真技術機能を有効活用して作成した建物外観写真」との事項が,いかなるものであるのか確認する。
(イ)本願の明細書及び図面の記載によれば,本願発明の5種類の規格写真は図1?図5であって,従来のものが図6?図10である。
ここで,図面の簡単な説明には,図1は「本発明の文言・説明文の追加された「建物外観写真」(例)である。」ことが記載され,図6は「従来の「建物外観写真」(例)である。」ことが記載されている。
しかし,図6には建物外観写真に,「交通至便」,「閑静住宅地環境良好」などの文字や説明文が追加されており,他方,図1には建物の外観写真以外の文言・説明文は見当たらない。
このことから,「図6」が本願発明の「レイヤー写真技術機能を有効活用して作成した建物外観写真」であると解する。
そして図6には,上側に建物の外観の写真があり,下側が無地面であって,無地面に「交通至便」,「閑静住宅地環境良好」などの文字や説明文が追加されている。
(ウ)つまり本願発明の,「背景」のレイヤーに,「外観写真」のレイヤー,「解析情報」のレイヤーを順次追加して重ねた合成写真である「建物外観写真」の具体的実施例は,例えば図6のものであって,上側に建物の外観写真があり,下側が無地面であって,無地面に「交通至便」,「閑静住宅地環境良好」などの文字・説明文が追加されているものである。
この「交通至便」,「閑静住宅地環境良好」などの文字・説明文は,利用者に物件をアピールするものである。
(エ)このことから,図6の無地面が背景のレイヤーであり,上側の建物の外観写真が外観写真のレイヤーであり,「交通至便」,「閑静住宅地環境良好」という賃貸住宅のアピールの文字や説明文が「解析情報」のレイヤーであって,これら各レイヤーを作成し,順次重ねることにより作成した図6の「建物外観写真」が,「レイヤー写真技術機能を有効活用して作成した建物外観写真」であると確認できる。

イ 相違点2の「レイヤーを重ねた合成写真」との事項について
(ア)引用例2発明によれば,引用例2には「商品レイヤー,キャッチコピーレイヤー,背景レイヤー」からなる3層のレイヤーを「市販ソフトにより編集し,編集前のpsd,pxa等のレイヤー形式からjpg等の標準形式に変換,確定」して,「広告データ」を,「サイトにアップ」すること(以下「引用例2発明A」という。)が開示される。
(イ)引用例2発明Aの「商品レイヤー」の「商品」は,インターネットで広告される「商品」であるから,本願発明のインターネットで賃借人を募集する「賃貸住宅」に相当し,「商品レイヤーの画像」,より具体的には図4の商品である「デジタルカメラの画像」は,本願発明の「建物の外観写真」に相当する。
(ウ)引用例2発明Aの「キャッチコピーレイヤー」の「キャッチコピー」は,より具体的には,図4の「DC-XYZ300」,「ギガピクセル」,「迫真」などの文字や説明であって,商品の名称・構造・宣伝などで商品のアピールをするものであるから,引用例2発明Aのアピールのための「キャッチコピー」は,本願発明の,表題・内容説明・特徴・宣伝など賃貸住宅をアピールするための「解析情報」に相当する。
(エ)引用例2発明Aの「背景レイヤー」は,「商品」や「キャッチコピー」の「背景」になるものであるから,本願発明の「建物の外観写真」や「解析情報」の「背景」に相当する。
(オ)引用例2発明Aは,「商品レイヤー,キャッチコピーレイヤー,背景レイヤー」からなる3層のレイヤーを「市販ソフトにより編集し,編集前のpsd,pxa等のレイヤー形式からjpg等の標準形式に変換,確定」してサイトにアップするものである。
レイヤー形式(psd等)から標準形式(jpg等)に変換,確定することは,本願発明の「レイヤーを重ねて合成写真」とすることに相当する。

(カ)ここで,引用例1発明と引用例2発明とは,販売と賃貸との差はあるものの,ともにインターネット上に商品の広告写真をアップする点で共通する。
そのような商品の広告ではアピールが必要である点でも共通する。
(キ)さらに,引用例2発明の市販ソフトは,デジタルカメラで撮影したどのような写真であっても,インターネット上にアップする場合に利用可能な汎用ソフトであることをかんがみれば,引用例1発明の物件情報入力画面で,デジタルカメラで撮影した建物の外観写真をアップする際,引用例2発明の市販ソフトで引用例2発明Aのように,アピールする商品写真としてアップしようとすること,つまり,レイヤ技術で建物の外観写真の背景部分にアピールする解析情報を付加して建物外観写真を作成し,サーバにアップして賃貸住宅のアピールをしようとすることは,当業者が容易に想到することができたものである。

以上(ア)?(キ)のことから,引用例1発明で,賃貸者が第1の端末装置で「賃貸住宅の外部の画像情報の物件写真」を入力して送信する際,引用例2発明Aを適用することにより,「市販ソフトで,背景に,商品である建物の外観写真と,アピールするキャッチコピーである解析情報の各レイヤを重ねて写真を合成してから送信する」よう構成すること,つまり,「一般の画像編集ソフトにはないレイヤー写真技術機能を有効活用して『建物外観写真』を作成するものであり,背景のレイヤーに,外観写真のレイヤー,解析情報のレイヤーを順次追加して重ねた合成写真を建物外観写真として作成して送信する」よう構成することは,当業者が容易に想到することができたものである。

ウ 相違点2の「解析情報」との事項と,背景や写真や文字の「選択」と「配置」に係る事項について
(ア)ここで,賃貸や分譲等の住宅の広告では,物件の情報そのものが利用者にアピールすることが知られている。(以下「周知の事項C」という。)
例えば,周知例1の【図8】には,分譲住宅の例であるが,建物の外観写真に,「4LDK:6,800万円:藤沢徒歩13分」などの物件情報の言葉が添えられている。
(イ)そして,賃貸住宅の物件情報として,「アパート・マンション名,建物構造,建物階数,賃貸募集部屋の建物での位置,建物築年数,建物所在地,建物方位,建物近隣駅,建物の生活・防犯環境,学校区,近隣の主要施設,賃貸住宅の賃料・敷金・礼金・保証金・管理費・共益費・水道料・仲介手数料などの情報」が必要であることが知られている。(以下「周知の事項D」という。)
(ウ)してみると,賃貸住宅をアピールするための,名称や構造や宣伝である「キャッチコピー」つまり「解析情報」としてこれらの物件情報を採用することは,当業者が適宜なし得る設計的事項である。

(エ)ここで,物件情報の,アパート・マンション名など物件を特定する情報と,建物構造,建物階数,賃貸募集部屋の建物での位置などの構造の情報と,建物築年数,建物所在地,建物方位,建物近隣駅,建物の生活・防犯環境,学校区,近隣の主要施設,賃貸住宅の賃料・敷金・礼金・保証金・管理費・共益費・水道料・仲介手数料などの情報は,アピールの程度や,その言葉を用いるのにふさわしい場面が異なることが明らかであり,これらの物件情報を使い分けることが必要であることが明らかである。
(オ)そして,引用例2発明の市販ソフトは,文字などの配置を自由にして使い勝手を良くするよう,レイヤーの枚数を必要に応じて任意の枚数とできることが知られている。(以下「周知の事項E」という。)
例えば,引用例2摘記事項(イ)には,部分毎に何層かのレイヤーに分かれて広告データを作成することが記載されている。
(カ)してみると,賃貸住宅をアピールするための解析情報である物件情報を,物件を特定するアパート・マンション名と,構造を特定する建物構造・階数・位置の情報と,その他環境・費用格等の情報を,それらの文字を配置をしやすいように切り分けて,「解析情報」のレイヤーを,アパート・マンション名などの解析情報I(表題)のレイヤーと,建物構造,建物階数,賃貸募集部屋の建物での位置などの解析情報II(内容説明)のレイヤーと,その他,建物築年数,建物所在地,建物方位,建物近隣駅,建物の生活・防犯環境,学校区,近隣の主要施設,賃貸住宅の賃料・敷金・礼金・保証金・管理費・共益費・水道料・仲介手数料などの解析情報III(特徴・宣伝)のレイヤーとからなるよう構成することは,当業者が適宜なし得る設計的事項である。

(キ)ここで,引用例2発明によれば,引用例2発明Aの市販ソフトは,「画像処理機能があり,明度,彩度,色相,モノクロ,セピア,パステルカラー,リサイズー等,様々組み合わせて変換できる機能や,レイアウト機能であって,人物やロゴ,コピーなど好きな場所に配置でき,ネットにアップしたときどう見えるか確かめながら,サイトの内容物に広告を溶け込ませてページを作成できる」こと(以下「引用例2発明B」という。)が開示される。
(ク)してみると,市販ソフトを用いて賃借人にアピールできるように各レイヤーにおける配置を検討すること,つまり,どのような「賃貸住宅の外部の画像情報の物件写真」を採用してどこに「配置」をするかを検討し,これが引き立つような「背景」を選択し,アピールに「ふさわしい文字やその大きさや色,その配置」を検討することは,当業者が適宜なし得る設計的事項である。
その際,「賃貸住宅の外部の画像情報の物件写真」は,例えば角地の物件では2方向からの写真が求められることなどから,「複数枚の外観写真」とすることも,当業者が適宜なし得る設計的事項である。

以上,(ア)?(ク)のことから,引用例1発明で,賃貸者が第1の端末装置で「賃貸住宅の外部の画像情報の物件写真」を入力して送信する際,引用例2発明及び周知の事項を適用することにより,
「背景」を,「賃貸住宅の情報と外観写真の内容の解析により得られた写真の背景色・柄(白色・各種単色,複数の種類の模様)」からなるよう構成し,
「外観写真」を,「賃貸住宅の情報と各外観写真の内容の解析により得られた複数枚の外観写真とそのレイアウト情報(複数枚の写真を配置・組合)」からなるよう構成し,
「解析情報」を,「賃貸住宅の各種情報と各外観写真の内容の解析により得られた言葉とそのレイアウト情報」からなるよう構成し,
ここで,
「解析情報」を「解析情報I(表題)」と「解析情報II(内容説明)」と「解析情報III(特徴・宣伝)」とからなるよう構成し,
「表題」を,「賃貸住宅の各種情報と各外観写真の内容の解析により得られた表題に対応する言葉(アパート・マンション名)とそのレイアウト情報(文字種類・大きさ・色,文字配置)」からなるよう構成し,
「内容説明」を,「賃貸住宅の各種情報と各外観写真の内容の解析により得られた内容説明に対応する言葉(建物構造,建物階数,賃貸募集部屋の建物での位置)とそのレイアウト情報(文字種類・配置,文字色)」からなるよう構成し,
「特徴宣伝」を,「賃貸住宅の各種情報と各外観写真の内容の解析により得られた特長・宣伝と対応する言葉(建物築年数,建物所在地,建物方位,建物近隣駅,建物の生活・防犯環境,学校区,近隣の主要施設,賃貸住宅の賃料・敷金・礼金・保証金・管理費・共益費・水道料・仲介手数料)とそのレイアウト情報(文字種類・配置,文字色)」からなるよう構成することは,当業者が適宜なし得る設計的事項である。

エ 相違点2の「各レイヤーを重ね合わせる工程」との事項について。
(ア)引用例2発明によれば,引用例2には,市販ソフトの「レイアウト機能で人物やロゴ,コピーなどを好きな場所に配置して作成された各レイヤー」は,市販ソフトの「ソフトウェアによって,広告のアップ時は編集前のpsd,pxa等のレイヤー形式からjpg等の標準形式に変換,確定」すること(以下「引用例2発明C」という。)が開示されている。
つまり,引用例2発明Cによれば,配置された人物などの場所の情報がコンピュータに記憶され,記憶された場所の情報にしたがって,レイヤーが作成され,作成されたレイヤーが順次重ねられ,順次所定の場所にロゴやコピーが配置されるという工程を経て,1枚の広告が生成される。
(イ)この引用例2発明Cによれば,選択された「背景」を「コンピュータの記憶手段」に「事前に準備・記憶」されるよう構成し,「コンピュータの情報処理」により,「記憶されている背景を適用して,レイヤーの1枚目のシートである背景レイヤーを自動的に作成」するよう構成し,以後順次に,採用された「写真」や「言葉」とその「レイアウト」の情報が「コンピュータの記憶手段」等に「事前に準備・記憶」されるよう構成し,「コンピュータの情報処理」により,「写真や言葉が,そのレイアウト情報に基づき自動的に配置」されて,「前の工程で作成された『レイヤー』に追加」されるよう構成し,「レイヤーの次のシートである次の『レイヤー』が自動的に作成」されるように構成することは,実質的に引用例発明Cの市販ソフトの「形式変換,確定」を説明したものにすぎないのであり,そのように構成することは,当業者が適宜なし得る設計的事項である。
(ウ)つまり,「背景」のレイヤー,「外観写真」のレイヤー,「表題」のレイヤー,「内容説明」のレイヤー,「特徴宣伝」のレイヤーにより,
背景のレイヤーでは,「背景色・柄」が,「コンピュータの記憶手段等」に「事前に準備・記憶」され,「コンピュータの情報処理」により,「記憶されている背景・柄を写真の背景として適用」して,「レイヤーの1枚目のシートである背景レイヤーを自動的に作成」する「第1工程」とし,
外観写真のレイヤーでは,「複数枚の外観写真とそのレイアウト情報」が,「コンピュータの記憶手段」等に「事前に準備・記憶」され,「コンピュータの情報処理」により,「第1工程で作成された『背景レイヤー』に追加」され,「記憶された複数枚の外観写真がそのレイアウト情報に基づき,自動的に配置」され,「レイヤーの2枚目のシートである『レイヤー1』を自動的に作成」する「第2工程」とし,
表題のレイヤーでは,「言葉とそのレイアウト情報」が,「コンピュータの記憶手段」等に「事前に準備・記憶」され,「コンピュータの情報処理」により,「第2工程で作成された『レイヤー1』に追加」され,「言葉が,そのレイアウト情報に基づき自動的に配置」され,「レイヤーの3枚目のシートである『レイヤー2』を自動的に作成」する「第3工程」とし,
内容説明のレイヤーでは,「言葉とそのレイアウト情報」が,「コンピュータの記憶手段」等に「事前に準備・記憶」され,「コンピュータの情報処理」により,「第3工程で作成された『レイヤー2』に追加」され,「記憶された言葉が,そのレイアウト情報に基づき自動的に配置」され,「レイヤーの4枚目のシートである『レイヤー3』を自動的に作成」する「第4工程」とし,
特徴宣伝のレイヤーでは,「言葉とそのレイアウト情報」が,「コンピュータの記憶手段」等に「事前に準備・記憶」され,「コンピュータの情報処理」により,「第4工程で作成された『レイヤー3』に追加」され,「言葉が,そのレイアウト情報に基づき自動的に配置」され,「レイヤーの5枚目のシートである『レイヤー4』を自動的に作成」する「第5工程」とし,
「『第1工程』と,『第2工程』と,『第3工程』と,『第4工程』と,『第5工程』で作成されたレイヤーを使い,『背景レイヤー』,『レイヤー1』・・・と順次下から自動的に重ねた合成写真」を生成するよう構成することは,当業者が適宜なし得る設計的事項である。

(エ)そして,このような工程により生成された建物外観写真は,「各工程の内容が機能・作用的に複合・総合された内容となった合成写真」であるから,「通信ネットワークを介して,賃貸住宅情報誌の業者・賃貸住宅業者の端末に,又インターネットの賃貸住宅ポータルサイトの業者に送信し,従来から実施されている一枚のデジタル写真のみよりも,賃借人に伝わる情報量を質・量共に著しく大きくし,賃貸住宅の賃借人の募集効果を顕著なもの」となるのは,当業者には自明のことである。

以上,ア?エのことから,引用例1発明に,引用例2発明及び周知の事項を適用することにより,相違点2に係る発明の構成とすることは,当業者が容易に想到することができたものである。

以上判断したとおり,本願発明における上記[相違点1],[相違点2]に係る発明特定事項は当業者が容易に想到することができたものであり,相違点を総合しても,想到することが困難な格別の事項は見いだせない。
そして,本願発明の作用効果も,引用例1発明,引用例2発明及び周知の事項から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって,本願発明は,引用例1発明,引用例2発明及び周知の事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

4.審判請求人の主張の参酌
審判請求人の主張は,つまり,本願発明は「選択発明」であるというものである。
いわゆる「選択発明」は,「先願発明の構成要件が上位概念で表現されており,その先願発明の実施例として示されていない下位概念を構成要件とする後願の発明が,その構成要件である下位概念のものによって奏される作用効果が異質のものであるとき,又は同質の効果であっても,格段の差異がある場合に認められる」(平成21(行ケ)第10430号 判決言渡日2011/02/28)ところ,本願発明は,引用例1発明,引用例2発明及び周知の事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,引用例1発明を先願発明として一応検討する。
本願発明が,「刊行物に記載されていない有利な効果であって,刊行物において上位概念で示された発明が有する効果とは異質な効果,又は同質であるが際だって優れた効果を有し,これらが技術水準から当業者が予測できたものでないときは,進歩性を有する。」(平成14(行ケ)第00524号 判決言渡日 2003/12/2)かどうか検討する。
審判請求人は平成25年3月18日付け意見書で以下の主張をしている。
「レイヤーを使った合成写真と一般的な編集画像には差異があり,重要なことであるため,その差異に関して述べます。レイヤーを使った合成写真は一般的な画像編修ソフトを使い作成した編修画像から作成する写真とは特性上大きく異なります。すなわち,レイヤーによる5枚の合成画像を賃貸住宅誌やインターネットの賃貸住宅の一覧表のなかの写真として適用すると下記特長があることから,よくマッチングし大きい効果を発揮し,賃借人の募集効果を顕著なものにします(詳細は「明細書」の「0009」,「0010」,「0012」など参照)。
〇合成写真を「JPEG形式」で保存するのではなく,「PSD形式」で保存するため,画像・文字の劣化がない。一方,合成画像は賃貸情報誌やインターネットの一覧表のなかで使われる5枚の写真は大きさも小さく作成する必要がある。したがって,劣化がなく鮮明な画像と文字を使うことにより必要な諸情報が賃借人によく伝わる。
〇「PSD形式」で保存するため,5枚の合成写真の内容は賃貸条件・内容などの変化により,一部変更を含む変更の必要が頻繁に発生するが,変更が必要な個々のレイヤーのみの変更・修正により鮮明な合成画像を簡単に作成でき,変更ごとに画像の劣化が進むようなことは起こらない。そのため,業務が忙しく画像編集の専門でない不動産業者でも直接担当して作成することができ易い。
したがって,レイヤーの基本機能は周知とはいえ,一般的な編集画像による写真に比べ上記のような特長を有するレイヤーを使った合成写真を,賃貸住宅の賃貸住宅情報誌の募集(検索)条件ごとの賃貸住宅の一覧表や,インターネットの賃貸住宅情報専門のポータルサイトのなかの募集(検索)条件ごとの賃貸住宅の一覧表のなかで適用することは(すなわち組合せることにより),よく組合されておりマッチングして大きい効果を発揮し,賃借人に伝わる情報量を質・量共に著しく大きくし,賃借人の募集効果を顕著なものにします。画像の劣化,画像の鮮明度,操作性などを認識・考慮して,レイヤーによる合成写真を上記一覧表に使うことは不動産業者など当業者が容易に発明し得るものではない。事実そういう適用例・事例は皆無です。」(平成25年3月18日付け意見書の第2ページ9行?32行)
つまり,審判請求人の主張は,「情報量を大きくする」ことができ,「修正・更新により画像の劣化が生じない」というものである。
しかし,審判請求人が主張する効果は,引用例2発明の市販ソフトを用いて,引用例2発明のように,商品にアピールを加えた写真をアップすることにより奏しうる効果そのものである。
つまり,本願発明が奏しうる効果は,引用例1発明,引用例2発明及び周知の事項から予測しうる範囲のものである。
審判請求人の主張を採用することはできない。


5.むすび
以上のとおり,本願発明は,引用例1発明,引用例2発明及び周知の事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,本願は当審で通知した上記拒絶理由によって拒絶されるべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-09-13 
結審通知日 2013-09-24 
審決日 2013-10-07 
出願番号 特願2008-274568(P2008-274568)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大野 朋也  
特許庁審判長 清田 健一
特許庁審判官 須田 勝巳
金子 幸一
発明の名称 賃貸住宅の賃借人募集に適用する写真  
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