• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01G
管理番号 1283724
審判番号 不服2012-17897  
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-09-13 
確定日 2014-01-16 
事件の表示 特願2007-273617「組合せ秤及び計量印字システム」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 5月14日出願公開、特開2009-103491〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯・原査定の拒絶の理由

特許出願: 平成19年10月22日
拒絶査定: 平成24年6月14日(送達日:同年同月19日)
拒絶査定不服審判の請求: 平成24年9月13日
手続補正: 平成24年9月13日 (以下、「補正1」という。)
審尋: 平成25年7月16日(発送日:同年同月23日)
審尋回答: 平成25年9月24日

そして、原査定の拒絶の理由は、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、本願出願前に国内又は外国において頒布された刊行物である特開平1-244319号公報(発明の名称:手動盛合わせ計量装置、 出願人:株式会社石田衡器製作所、 以下「引用例」という。)に記載された発明、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができた、というものである。


第2 本願発明
本願の請求項1ないし3に係る発明は、補正1によって補正された明細書、特許請求の範囲、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明は次のとおりである。

「複数のグループに分けられるとともに同一グループにおいて同一種類の被計量物の重量を計量し、異なるグループにおいて異なる種類の被計量物の重量を計量することで、複数種類の被計量物の重量を計量する複数の計量部と、前記計量された重量を用いて、全種類を含み、かつ、少なくとも、合計重量が目標重量の許容範囲内となるような被計量物の組合せを選択する演算部とを備え、組合せられた複数種類の被計量物を1つの容器に収容するための組合せ秤であって、
被計量物に関する被計量物情報を記憶する記憶部と、外部出力部とをさらに備え、前記演算部は前記被計量物情報及び計量された重量に基づいて、組合せに選択された被計量物の種類ごとの成分量を算出するとともに該成分量に関するデータを前記外部出力部を介して外部へ出力する、組合せ秤。」(以下「本願発明」という。)


第3 引用例記載の事項・引用発明
これに対して引用例には、「手動盛合わせ計量装置」(発明の名称)に関し、次の事項(a)ないし(b)が図面とともに記載されている。

(a)
「(従来の技術)
スーパーマーケットの商品パック部門などでは複数種類の食料品を組合わせ、その合計重量が所望する所定重量になるように、個々の食料品の重量を選択して、一つの商品パックに詰合わせてショーケースに並べて販売が行われている。
また、進物用の詰合わせ商品では、例えば丸物ハムの詰合わせセットで、ロースハム、ボンレスハムおよび手作り焼豚の三種の食品をそれぞれほぼ一定重量ずつ計量し、これら食品の合計重量を所定重量になるよう組合せて3点詰合わせセットとして進物用に販売されている。」(第1頁右欄第5行?同第16行)

(b)
「(実施例)
つぎに本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
第1図は本発明の一実施例を示す構成ブロック図である。
同図において、1は計量器となる秤で、例えば10個が用いられて#1?#10の符号が付せられており、それぞれの秤には被計量商品の計量データのA/D変換器や入/出力回路が設けられ、後述する本体部に接続されている。
・・・
本体部8はマイクロコンピュータよりなり、CPU、メモリ装置、入/出力回路などを備え、#1?#10の秤1からの計量データに基づいて演算やメモリ装置に格納した制御プログラムに応じて各種の指令や、表示装置9に重量表示などの指令を行うものである。表示装置9は本体部8に接続され、LEDまたはLCDなどにより計量値などを表示するもので、組合わせ計量による合計の重量値や、#1?#10のそれぞれの秤の計量値などを表示できるものである。なお、表示装置9の一部にはテンキーを有するキーパネルを備えており、所望する合計重量の目標値やその上限値などを本体部8に入力できるよう構成されている。
第2図は本実施例の作動の一例を示す処理フロー図であり、つぎに第2図を用いて本実施例の作動を説明する。
ステップ1では組合わせ商品の合計重量の目標値とその上限値との設定を行って表示部9に設けたキーパネルより入力する。
ステップ2では#1の秤を組合わせ商品の例えばA品種の計量用として必らず組合わせに参加させる、いわゆる強制参加の秤として設定する。
つぎにステップ3にて#2?#10の秤をB,C品種の計量用として二分割して、例えば#2?#6の秤をB品種の計量用のグループとし、#7?#10の秤をC品種の計量用のグループとして設定を行い、ステップ4にてB品種を#2?#6の秤にそれぞれほぼ所定量をのせて計量する。また、ステップ5ではC品種を#7?#10の秤のそれぞれに、はぼ所定量のせて計量する。
ステップ6ではA品種を#1の秤にのせて計量するが、この計量により#1の秤の計量データが本体部8に送信されると本体部8では
[目標値(+上限値)]-(#1の計量値)=X の演算が行われて、Xの重量値が算出される(ステップ7)。
ついでステップ8では(#2?#6)と(#7?#10)とのグループのそれぞれの計量値から、組合わせてXの重量値になるような計量値が、1つずつ選択されて当該計量値に対応する秤に設けたLEDが点灯される(ステップ9)。
ステップ10では作業者がLEDが点灯している秤からB品種、およびC品種の商品をとり、さらに#1の秤からA品種をとって組合わせ商品を完成させると、LEDが消灯することになる。
・・・
以上本発明を上述の一実施例によって説明したが、本発明の主旨の範囲内で、例えばA,B,Cの3品種でなく、品種の数を増加させたり、また商品の性質によっては秤のグループ分割を変形させるように、種々の変形や応用が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。」(第2頁左下欄第10行?第3頁左下欄第20行)

上記記載(a)ないし(b)、及び図面の第1?2図の記載から、引用例には、次の発明が記載されていると認められる。

「#1の秤と#2?#6の秤のグループ、#7?#10の秤のグループに分けられ、#1の秤でA品種を計量し、#2?#6の秤のグループでB品種を計量し、#7?#10の秤のグループでC品種を計量する#1?#10の秤1と、前記計量された計量値から、品種A,B,Cを含み、かつ、
[商品の合計重量の目標値(+上限値)]-(#1の計量値)=X
として、(#2?#6)と(#7?#10)とのグループのそれぞれの計量値から、組合せてXの重量値になるような計量値を、1つずつ選択する指令を行う本体部8とを備え、組合せられた品種B,C及びAの商品をとって、一つの商品パックに詰合わせるための手動盛合わせ計量装置。」(以下「引用発明」という。)


第4 対比
本願発明と引用発明とを、主たる構成要件毎に、順次対比する。

まず、引用発明における「#1の秤と#2?#6の秤のグループ、#7?#10の秤のグループに分けられ、#1の秤でA品種を計量し、#2?#6の秤のグループでB品種を計量し、#7?#10の秤のグループでC品種を計量する#1?#10の秤1」は、本願発明における「複数のグループに分けられるとともに同一グループにおいて同一種類の被計量物の重量を計量し、異なるグループにおいて異なる種類の被計量物の重量を計量することで、複数種類の被計量物の重量を計量する複数の計量部」に相当する。
また、引用発明においては、「商品の合計重量の目標値(+上限値)」を用いてXの値を求め、組合せる商品を選択しているのであるから、「上限値」を許容範囲とする組合せ選択が行われているといえる。したがって、引用発明における「前記計量された計量値から、品種A,B,Cを含み、かつ、[商品の合計重量の目標値(+上限値)]-(#1の計量値)=X として、(#2?#6)と(#7?#10)とのグループのそれぞれの計量値から、組合せてXの重量値になるような計量値を、1つずつ選択する指令を行う本体部8」は、本願発明における「前記計量された重量を用いて、全種類を含み、かつ、少なくとも、合計重量が目標重量の許容範囲内となるような被計量物の組合せを選択する演算部」に相当する。
さらに、引用発明における「組合せられた品種B,C及びAの商品をとって、一つの商品パックに詰合わせるための手動盛合わせ計量装置」は、本願発明における「組合せられた複数種類の被計量物を1つの容器に収容するための組合せ秤」に相当する。

してみると、両者の一致点及び相違点は、以下のとおりである。

(一致点)
「複数のグループに分けられるとともに同一グループにおいて同一種類の被計量物の重量を計量し、異なるグループにおいて異なる種類の被計量物の重量を計量することで、複数種類の被計量物の重量を計量する複数の計量部と、前記計量された重量を用いて、全種類を含み、かつ、少なくとも、合計重量が目標重量の許容範囲内となるような被計量物の組合せを選択する演算部とを備え、組合せられた複数種類の被計量物を1つの容器に収容するための組合せ秤。」

(相違点)
本願発明の組合せ秤においては、「被計量物に関する被計量物情報を記憶する記憶部と、外部出力部とをさらに備え、前記演算部は前記被計量物情報及び計量された重量に基づいて、組合せに選択された被計量物の種類ごとの成分量を算出するとともに該成分量に関するデータを前記外部出力部を介して外部へ出力する」とされているのに対し、引用発明においては、そのようなことは行われていない点。


第5 判断
上記相違点について検討する。

食料品用秤においては、原査定の拒絶の理由で引用された、以下に示す周知例1及び周知例2にも開示されているように、被計量物に関する被計量物情報を記憶する記憶部(ROM_(2)20又は単位成分量メモリ41)と、外部出力部(プリンタへの出力部)とを備え、前記被計量物情報及び計量された重量に基づいて、被計量物の成分量を算出して、食料品の重量とともに蛋白質、糖質、食塩相当量等の成分量をプリンタ出力するようにしたものは、周知(以下、「周知技術1」という。)である。

周知例1:特開昭62-273416号公報
「従来の技術
この種の装置により発行されたラベルは、スーパーマーケット等において食料品によく用いられている。第5図に示すものは、そのようなラベルの一例である。ラベル1には、計量した食料品の単価、重量、全体の値段の他、メツセージ等が印字されている。一方、ラベルの別の一例を第6図に示す。このラベル2には、前記ラベル1に印字された情報の他に、それらの情報の内容を記号化したバーコードが印字されている。」(第1頁右欄第6行?同第15行)

「発明の実施例
本発明の一実施例を第1図ないし第3図に基づいて説明する。第2図に全体の外観を示す。ロードセルによる秤部10が設けられ、この秤部1にはその後方に本体ケース11が連設されている。
・・・
ついで、各部の接続状態を第1図にブロック図として示す。前記秤部10は、アナログデジタル変換器(ADCという)17を介してCPU18に接続されている。このCPU18には、プログラム用メモリーとしてのROM_(1)19と、栄養量記憶手段としてのROM_(2)20と、RAM21とが接続されている。また、前記CPU18に対しては、前記表示装置12、前記操作部13、前記プリンタ部15およびディップスイッチ22がそれぞれ接続されたI/Oブロック23が接続されている。
ここで、前記ROM_(2)20の記憶内容について説明する。このROM_(2)20には、女子栄養大学出版部が刊行した1985年版の食品成分表の内容に基づいたデータが記憶されている。すなわち、この食品成分表では、各食品の食品番号は、食品の種類を示す番号、食品名を示す番号、調理された方法を示す番号の三種類で構成されている。そして、各食品ごとに、その食品100gに含まれている多数種類の栄養素量がそれぞれ記載されている。これらの栄養素としては、エネルギー、蛋白質、脂質、炭水化物、無機質、ビタミン等であり、また、食塩相当量および廃棄量も記載されている。・・・
このとき、ラベル16には、計量した食料品が含む総体の栄養量も同時に印字される。すなわち、CPU18やROM_(1)19等は、秤部10において計量した食料品の重量と、ROM_(2)20が記憶するその食料品が1g当りに含む栄養量とを積算する栄養量計算手段24として作動する。そこで、この栄養量計算手段24によってその食料品の総体の栄養量が計算される。そして、その計算結果を含む食料品の各種データがプリンタ部15によりラベル16に印字される。これにより、各食料品についての栄養量計算の手間が省け、栄養管理が容易になる。」(第2頁右上欄第15行?第3頁左上欄第19行)

周知例2:実願昭58-62780号(実開昭59-168135号)のマイクロフィルム
「この考案は・・・食品を計量することによって、その食品に含まれるカロリー・塩分・糖分・蛋白質・ビタミン等(以下成分という)のうち指定された1つの量を算出し、その成分量を印字または表示する機能を有する電子秤に関するものである。」(第2頁第12行?同第17行)

「第1図において・・・41は商品コード別に単位成分表を記憶する単位成分量メモリであって、・・・55は成分量演算手段で、単位成分量メモリ41から読み出した単位成分量と上記正味重量とから成分量を算出する。・・・9は該食品の単価・正味重量・価格・成分量等をラベルまたはレシート紙に印字するプリンタであって・・・」(第8頁第10行?第10頁第16行)

引用発明は、上記「第3 引用例記載の事項・引用発明」の(a)に示したように、「合計重量が所望する所定重量になるように、個々の食料品の重量を選択して、一つの商品パックに詰合わせ」るための計量装置であり、その内容物の成分量を出力表示することは自明の課題といえる。また引用発明においては、品種A,B,C毎の計量も行われているのであるから、周知技術1を引用発明に採用して、「組合せに選択された被計量物の種類ごとの成分量を算出するとともに該成分量に関するデータを前記外部出力部を介して外部へ出力する」程度のことは、当業者が容易になし得たものである。その際に、成分量の算出を本体部8(前記演算部に相当)で行うようにするか、他の処理部を設けるかは、設計事項に過ぎない。
また、引用発明に周知技術1を採用することにより、新たな作用効果が奏されるものでもない。


第6 請求人の主張について
審判請求人は、前記審尋への回答において、概略、以下のように主張しているので、検討する。
(1)請求人の主張の概要
「2.引用文献1の内容
引用文献1に記載のミックス機能を有する組合せ秤は、ロースハム、ボンレスハム、および焼豚を被計量物としており、いずれも原材料は肉である。このように同じような原材料の被計量物を組み合わせる場合は、被計量物の種類ごとの成分量を算出する必要はない。なぜなら、同じような原材料の被計量物は、被計量物の割合が多少変化しても全体の重量が同じであれば成分量は同じとみなすことができるからである。」

「3.本願発明の課題について
従来のミックス機能を有する組合せ秤は、基本的に類似の種類の被計量物を対象とするものであった。・・・
このように原材料の全く異なる被計量物を組み合わせる場合、従来にはない新たな課題が生じることになる。つまり、従来のように類似の種類の被計量物を組み合わせる場合は割合が多少変わったとしても全体が同じ重量であれば同じ成分量とみなすことができたが、全く異なる種類の被計量物を組み合わせる場合は、被計量物の割合が変わると成分量は大きく変化する。そのため、被計量物の割合に応じて成分量をその都度算出することが有効となるのである。
そこで、本願発明は、「ミックス組合せ機能を有する組合せ秤において、被計量物の割合に応じて個別に成分量等を算出する」ことを課題とした。」

「4.課題と進歩性の関係について
・・・引用文献1に記載の発明は本願発明と共通する課題を意識したものとは言えないから、上述した本願発明の課題が自明な課題であるか、容易に着想しうる課題でない限り、本願発明は進歩性を有するといえる。そして、通常の組合せ秤からは本願発明の課題が導かれないことは言うまでもなく、ミックス機能を有する組合せ秤であっても従来の使用方法によれば、本願発明の課題は導かれない。そのため、本願発明の課題が自明なものでなく、また、容易に着想しうるものでないことは明らかである。よって、本願発明は進歩性を有する。」

「5.前置報告書での課題の扱い
・・・つまり、組合せ秤では、組み合わせられた被計量物の合計重量が常に同じであるから、成分量を予め算出しておくことができ、一般的な秤のように毎回成分量を算出する必要はないのである。そして、このことはミックス機能を有する組合せ秤であっても、従来のように使用する場合は当てはまる。
このように、組合せ秤とは機能が全く異なる通常の秤(単に計量のみ行う秤)の課題を根拠にして、本願発明の課題が自明又は容易に着想しうるかのような前置報告書の認定は明らかに誤りである。 」

(2)検討
まず、引用例(引用文献1)に記載の計量装置は、上記「第3 引用例記載の事項・引用発明」の(a)に示したように、「スーパーマーケットの商品パック部門などで」販売される、「複数種類の食料品を組合わせ、その合計重量が所望する所定重量になるように、個々の食料品の重量を選択して、一つの商品パックに詰合わせ」たものも被計量物としている。ここで、スーパーマーケットなどで販売される、複数種類の食料品を組合わせた商品パックと言えば、常識的には、牛肉と野菜類を組み合わせたすき焼きセットや、キャンディーとチョコレート等を組み合わせた菓子の詰め合わせ等を含むものが直ちに想起される(必要であれば、下記の参考文献を参照のこと。)のであって、特に類似の品種同士の組合せに限定される理由はないといえる。

参考文献1:実願昭62-196766号(実開平1-102731号)のマイクロフィルム
「近年、スーパーマーケットやデパートや一般小売店では、・・・セット商品または詰め合わせ商品と称される商品の販売が増えている。・・・例えばすきやきセット、シャブシャブセット、・・・の様なものがある。」(第2頁第19行?第3頁第7行 また、第8図も参照のこと。)

参考文献2:特開平7-198466号公報
「【0002】
【従来の技術】従来から、一つの容器に、複数の異なる種類の製品がミックスした状態で入れられている場合がある。例えば、食品において、ピーナッツとおかきがミックスした状態で、あるいはキャンディとチョコレートがミックスした状態で、それぞれ袋詰めされて店頭で販売されている」

参考文献3:特開2007-71850号公報
「【0003】
また、スーパーマーケット等における別の販売形態として、異なる種類の品物を組合せたセットを作成して販売することも日常的に行われている。セットの例としては、すき焼きセット、しゃぶしゃぶセット、水煮セット、おつまみセット、つくだにセット、ハムの詰め合わせ、キャンデーの詰め合わせ等が挙げられる。」

参考文献4:実願昭63-121940号(実開平2-43626号)のマイクロフィルム
「近年、・・・このようなミックス商品としては、・・・スーパーマーケット等においては、例えば、おでんセット、天ぷらセット等と称して、必要な材料を所定に加工したものを寄せ集めて1つにパッケージしたもの等がある。」(第2頁第1行?同第14行)

したがって、審判請求人の、「引用文献1に記載のミックス機能を有する組合せ秤は、ロースハム、ボンレスハム、および焼豚を被計量物としており、いずれも原材料は肉である。」及び、「従来のミックス機能を有する組合せ秤は、基本的に類似の種類の被計量物を対象とするものであった。」、「組合せ秤では、組み合わせられた被計量物の合計重量が常に同じであるから、成分量を予め算出しておくことができ、一般的な秤のように毎回成分量を算出する必要はないのである。そして、このことはミックス機能を有する組合せ秤であっても、従来のように使用する場合は当てはまる。」といった上記主張は、いずれも根拠がない。

次に、成分表示に関する課題について検討する。
上記周知例1,2からも明らかなように、食料品について成分量表示を行うことは周知な課題に過ぎない。そして、引用発明は、複数種類の食料品を組み合わせた商品パックを被計量物として含むものである。複数種類を組み合わせたことによって、食料品の成分表示の必要性が消滅することはないのであり、引用発明において成分表示を行うべきことは自明の課題であるといえる。
そして、引用発明においては、既に各品種毎の重量測定が行われており、また被計量物情報について見ても、上記周知例1,2に示されているように、各品種毎の重量当たり成分量データとして提供されるのが一般的である。そうすると、各品種毎の測定重量と各品種毎の重量当たり成分量データとから、直ちに各品種毎の成分量が算出できることは、もはや当業者にとって自明の範疇のものといえる。逆に、例えばすき焼きセットを想定すれば、そこに含まれる牛肉と白菜とが全く異なる成分量を持つことは明らかなのであって、セット全体の成分量を求めるとしても、まずは各々の品種毎の成分量を求め、それらの合計値を算出しようとすることが自然であるといえる。

したがって、審判請求人の主張は採用できない。


第7 むすび
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
以上のとおりであるから、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-11-14 
結審通知日 2013-11-19 
審決日 2013-12-02 
出願番号 特願2007-273617(P2007-273617)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G01G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 哲  
特許庁審判長 飯野 茂
特許庁審判官 小林 紀史
中塚 直樹
発明の名称 組合せ秤及び計量印字システム  
代理人 特許業務法人 有古特許事務所  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ