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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q
管理番号 1284799
審判番号 不服2012-18571  
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-09-24 
確定日 2014-02-12 
事件の表示 特願2008- 76026「ウェブサイトを介して顧客関係管理システム用の論理構造のような論理構造に基づいてユーザーインタフェースを提示するエンジン」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 7月24日出願公開、特開2008-171449〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は,平成14年(2002年)3月27日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2001年3月28日,米国)を国際出願日とする特願2003-504214号の一部を平成20年3月24日に新たな特許出願としたものであって,平成23年1月14日付けの拒絶理由通知に対して同年4月8日付けで手続補正がなされ,平成24年1月6日付けの拒絶理由通知に対して同年4月16日付けで手続補正がなされたが,同年5月18日付けで拒絶査定がなされ,これに対して平成24年9月24日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされ,さらに平成25年3月7日付けの審尋に対して同年7月10日付けで回答書が提出されたものである。

2.本願発明
平成24年9月24日付けの手続補正は,特許請求の範囲についてするものであり,当該補正は,審判請求人が平成24年9月24日付けの審判請求書で「この補正は,分割当初明細書の段落[0041]-[0044]などの開示に基づくものであり,かつ各請求項に記載の発明の技術的内容をより明りょう化するものである。したがって,今回の補正は,いずれも補正要件を満足することは自明である。」と主張しているとおり,「明りょうでない記載の釈明」を目的とするものに該当すると認められるので,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第4号に掲げられた事項を目的とするものに該当し,適法になされたものである。
したがって,本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,平成24年9月24日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「 【請求項1】
コンピュータによって実行される方法であって,
コンピュータが,データベースから,第1のメモリにスクリプト定義をロードする段階を備え,当該スクリプト定義の構成要素は,顧客関係管理ユーザーインタフェースの一部として,ユーザーに提示されるべき,論理的にリンクされた質問の組を含み,前記方法はさらに,
コンピュータが,利用可能な言語をユーザーへ提示するとともに,ユーザーからの指定に応答して,前記スクリプト定義に含まれるテキストが指定された言語に翻訳された状態のスクリプト定義を前記第1のメモリにロードする段階と,
コンピュータが,中間ユニットが保持するデータのうち,ユーザーが見ている現行のページに備えられた一式の質問をユーザーインタフェースに表示する段階を備え,ユーザーインタフェースに表示される構成要素のデータは,記録テーブル,グラフィックス又はツリー制御機能を有するツリーであるナビゲーションツリーを含むものであり,前記方法はさらに,
コンピュータが,前記質問の組をリンクしている前記スクリプト定義の少なくとも一部に基づく提示順序で,前記スクリプト定義を実行して得られる質問を表示する段階と,
コンピュータが,前記スクリプト定義の少なくとも一部に基づく表示順序で質問を表示するためのファイルを作成して,ネットワークを介して伝送し,前記スクリプト定義の構成要素を前記ユーザーインタフェースの一部としてクライアント端末に提示できるようにする段階と,を備える方法。」

3.引用例
(1)引用例1
原査定の拒絶の理由に引用された,国際公開第00/33226号(以下,「引用例1」という。)には,図面とともに以下の事項が記載されている。

(ア)「Scripts, as used herein, are interactive tools that guide a user, as a telemarketer, a sales person, or a technical support technician through a telephone or in-person/point of sale/point of service interaction with a customer. Scripts are characterized by branching from a question to particular subsequent questions, or to an associated database, as a function of the customer's answer to a previous question or an output of an associated database, thereby automatically guiding the user- customer dialog while enforcing workflow and the business process.」(第1頁第15行?同頁第21行)
(当審仮訳:本明細書で使用する様なスクリプト(script)は,電話または人/販売地点/サービス地点による顧客との対話を介して,通信販売員,販売員または技術サポート要員等であるユーザーを案内する対話式ツールである。スクリプトの特徴は,前の質問に対する顧客の回答の関数としてまたはデータベースの出力の関数として,質問からそれに続く特定の質問へと分岐したりまたは質問からそれに関連するデータベースへと分岐し,これにより自動的にユーザー-顧客ダイアログが案内されて,作業フローおよびビジネスプロセスが強化されることにある。)

(イ)「A script is assembled from a set of modular elements. The modular elements are, in increasing order of granularity, the script, one or more pages within the script, one or more questions per page, a set of answers for each question, branching logic from the answer set, and an associated database or databases which input and/or output data in response to questions and/or answers thereto. A script may have a plurality of pages, each such page having a plurality of questions displayed in one view. Each question, in turn, has an answer set, with the answers having branches to other modules, for example, other pages or questions. ・・・ Modular elements, which are ordered and directed sets of questions, answers, answer- driven branches, and answer driven database accesses, serve to control and guide the employee-customer interaction. This is done by enforcing business processes during the interaction. The questions are logically related questions within the business process. Enforcing business processes through branching and database accesses enables users, as well as call center agents, to interact with customers in a useful and productive manner.」(第4頁第30行?第5頁第15行)
(当審仮訳:スクリプトはモジューラーエレメントから構成される。モジューラーエレメントは,粒度(granularity)の大きい順に,スクリプトと,スクリプト内の一つ以上のページと,ページ当たりの一つ以上の質問と,各質問に関する回答のセットと,回答セットからの分岐ロジックと,質問および/またはそれに対する回答に応じてデータを入出力する一つまたは複数の関連するデータベースとである。スクリプトは複数のページを有しても良く,各ページは一画面に表示される複数の質問を有する。そして各質問は一つの回答セットを有しており,回答は例えば別のページまたは質問等の別のモジューラーエレメントへの分岐(ブランチ)を有する。・・・モジューラーエレメントは,質問,回答,回答によって行われる分岐,および回答によって行われるデータベースへのアクセスの順序だったセットであり,被雇用者-顧客の対話を制御し案内するように用いられる。このことは,対話においてビジネスプロセスを強化することによって行われる。質問はビジネスプロセスにおいて理論的に関係する質問である。分岐およびデータベースへのアクセスを介してビジネスプロセスを強化することにより,ユーザーおよびコールセンターエージェントが有効且つ生産的方法で顧客と対話することが可能になる。)

(ウ)「That is, a user in the field may receive only scripts applicable to his or her customer set or product set. In this way, a script may be created that is specific to input from a database of customer data and product data and a specific user's contact list. The output is both a script that is directly applicable to the customer set, and the user's "task list." 」(第6頁第29行?同頁第33行)
(当審仮訳:即ち,フィールド内のユーザーは彼らの顧客セットまたは製品セットに適用可能なスクリプトだけを受信する。この方法においてスクリプトは,顧客データおよび製品データのデータベースと,特定のユーザーの接続リストとからの入力に対して特有なものとして生成される。出力は顧客セットに直接適用可能なスクリプトおよびユーザーの「タスクリスト」である。)

(エ)「 Moreover, the desktop view may provide a section of the screen that displays script-page-question treeing and/or script - page - question - answer - link treeing, in order to enable the user to easily navigate around the script. 」(第7頁第11行?同頁第13行)
(当審仮訳:さらにデスクトップの画面は,ユーザーがスクリプト内で容易に進行することができるように,スクリプト-ページ-質問のツリーおよび/またはスクリプト-ページ-質問-回答-リンクのツリーをスクリーンの一部に表示する。)

(オ)「The method, system, and program of our invention provide a high degree of flexibility to support complex scripting needs, including multi-lingual call scripts supporting multi-lingual call centers, and easy local personalization and modification.」(第8頁第1行?同頁第3行)
(当審仮訳:本発明の方法,システムおよびプログラムは,多言語コールセンターをサポートする多言語コールスクリプトを含む複雑なスクリプトの必要性をサポートするため,および局所的固有化および修正を容易にすることをサポートするために,高度な柔軟性を提供する。)

(カ)「The method and system of our invention is operable in various scenarios, including, but not limited to (i) a connected standard call center application, (ii) a thin client; (iii) over the World Wide Web or other internet or intranet.」(第8頁第22行?同頁第24行)
(当審仮訳:本発明の方法およびシステムは,それに限られるわけではないが,接続された標準コールセンターアプリケーション,わずかな客,World Wide Webまたは別のインターネットまたはイントラネット上を含む種々の場面において作動させることができる。)

(キ)「DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
According to our invention, there is provided a system and a method for facilitating interaction between a customer and a service provider. The system contains a script and an associated database, where a script is a hierarchical set of structured pages, and at least one of the pages contains a structured set of questions. The questions each have a set of likely responses, where at least one and preferably more of the likely responses causes the system to either link to an associated database, or link to another question in the script.
The system, 101, of the invention is shown in Figure 10. The system includes a database, 103, running on a database server 105 with a database management system 107, and a call center terminal, 111, running or having network access to the script software 113. The terminal 111 is linked to the database server 105 and the database, either in a client-server relationship or through an internet or intranet.」(第10頁第32行?第11頁第13行)
(当審仮訳:発明の詳細な説明
本発明によれば,顧客とサービスプロバイダとの間の対話を促進するシステムおよび方法が提供される。このシステムはスクリプトと,関連するデータベースとを含み,スクリプトは構成された階層状のページのセットであり,上記ページの少なくとも一つは,構成された質問のセットを含む。上記質問はそれぞれ適当な応答のセットを有し,適当な応答の少なくとも一つ,好ましくはそれより多くが,システムが関連するデータベースへリンクするように,あるいは,スクリプト内の他の質問へリンクするようにする。
本発明のシステム101は図10に示されている。このシステムは,データベース管理システム107を備えたデータベースサーバー105上で作動するデータベース103と,スクリプトソフトウェア113へのネットワークアクセスを作動するまたは有するコールセンターターミナル111とを含む。ターミナル111はデータベースサーバー105およびデータベースへ,クライアントサーバーリレイションシップ(client-server relationship)において,またはインターネットあるいはイントラネットを介してリンクされる。)

(ク)「The method and system of the invention are implemented in computer code that causes the system to present a question to a user, receive a response from the user, and branch as a result of the response. The branch may be a link to the associated database, or to another question in the script. Where the link is to an associated database, it may cause a query of the associated database. In turn, the associated database may cause the database to output a link to another question in the script, or to output data related to the interaction. Alternatively, the computer program code may cause a link to another question which is in the same page or another page in the script.」(第11頁第20行?同頁第28行)
(当審仮訳:本発明の方法およびシステムはコンピュータコードで実行され,それはシステムがユーザーに質問を提示し,ユーザーからの応答を受け,応答の結果として分岐(ブランチ)する。このブランチは,関連するデータベース,あるいはスクリプト内の他の質問へのリンクである。このリンクが関連するデータベースへのものである場合,それは関連するデータベースのクエリーを導く。次いで,関連するデータベースは,データベースがスクリプト内の他の質問へのリンクを出力する,または対話に関連したデータを出力するようにする。あるいは,コンピュータプログラムコードは,同じページまたはスクリプト内の他のページにある他の質問へのリンクを生じさせる。)

(ケ)「Figure 6 shows the script 11 view seen by a user, with text 15, questions 17 ("Need license key ?" "Need upgrade to Siebel 99", "Need assistance on new Smart Script"), with the answer to "Need assistance on new Smart Script" leading to another question ("How long have you been working with Smart Script?) and answer 19 choice box, and a subsequent question "Have you read the documentation?" 19. ・・・ Users view the scripts and navigate through different pages by clicking on the linked script or page nav bar. Opening up the linked script nav bar explodes the view into all of the scripts linked to this script.」(第15頁第19行?第16頁第1行)
(当審仮訳:図6は,ユーザーによって見られるスクリプト11ビューであり,テキスト15と,“ニュースマートスクリプト(new Smart Script)に関する補助は必要ですか”に対する回答であって他の質問(どれくらいの間スマートスクリプトを取り扱っていますか?)に導く回答を備えた質問17(“ライセンスキーは必要ですか?”“シーベル99(Siebel 99)へのアップグレードは必要ですか?”“ニュースマートスクリプトに関する補助は必要ですか”)と,回答19選択ボックスと,後続する質問“文書は読みましたか?”19とを備えている。・・・ユーザーはスクリプトを見て,リンクされたスクリプトまたはページナビゲーションバー(nav bar)をクリックすることによって様々なページに移動する。リンクされたスクリプトナビゲーションバーを開くことにより,このスクリプトにリンクされている全てのスクリプトへのビューを一斉に開く。)

(コ)「The explorer tree view, 71, shown on the left of Figure 7, allows users to navigate through the list of scripts, pages and questions in a hierarchical fashion. ・・・ The Explorer shows a tree control of the script path with the groups and questions answered. The user is able to navigate to any place in the script from that tree control.」(第16頁第6行?同頁第14行)
(当審仮訳:図7の左に示されているエクスプローラツリービュー71は,ユーザーがスクリプト,ページおよび質問のリストを階層的に移動できるようにしている。・・・エクスプローラはグループおよび回答された質問と共にスクリプトパスのツリーコントロールを示している。ユーザーはそのツリーコントロールからスクリプトの任意の場所に移動することができる。)

(サ)「When a script is launched, the page sequence determines which pages will come into view first. ・・・ Multiple questions for a given page may appear at the same time and the user can enter answers to the questions in any sequence.」(第16頁第32行?第17頁第8行)
(当審仮訳:スクリプトが実行されると,ページシーケンスは,どのページを最初に見えるようにするかを決定する。・・・所定のページに対して複数の質問が同時に現れてもよく,ユーザーは任意の順番で質問に答えることができる。)

(シ)「Translations are many to one for questions and answers. There must exist a translation for each question for each language the call script may be taken in (since the translation of the question is the actual text displayed in the wizard). 」(第18頁第25行?同頁第27行)
(当審仮訳:一つの質問,回答に対して多くの翻訳がある。コールスクリプトが取り入れられうる各言語について,各質問について,翻訳がなければならない。(質問の翻訳は,ウィザードで表示された実際のテキストであるので))

(ス)「A script has a translation which includes the label for the call script and a long column which can be used to store information related to the call script (such as help). Scripts are stored in S_CS_PATH, branches in S_CS_EDGE and script translations in S_CS_PATH_LANG.」(第19頁第25行?同頁第28行)
(当審仮訳:スクリプトは,コールスクリプト用ラベルと,(ヘルプなどの)コールスクリプトに関連する情報をセーブするために使用することができるロングカラムとを有する翻訳を有する。スクリプトはS_CS_PATHにセーブされ,ブランチはS_CS_EDGEにセーブ記憶され,スクリプトの翻訳はS_CS_PATH_LANGにセーブされる。)

(セ)「Like scripts, questions and answers, pages have translations. The S_CS_PAGE_LANG table contains child records of S_CS_PAGE for each specified language.」(第21頁第18行?同頁第20行)
(当審仮訳:スクリプト,質問,および回答と同じように,ページは翻訳を有する。S_CS_PAGE_LANGのテーブルには,特定された各言語についてS_CS_PAGEの子(child)記録が含まれる。)

(ソ)「Invoking Scripts
Scripts are invoked on a specific applet, against its business components. These have been and continue to be invoked using the applet InvokeMethod RunCallScript. Because Scripts are not applet-specific and in fact cause a new view to be gone to, they are invoked using the application InvokeMethod RunScript.」(第22頁第16行?同頁第20行)
(当審仮訳:スクリプトの起動
スクリプトはビジネスのコンポーネントに抗して,特定のアプレット上で起動される。これらスクリプトはアプレットインボークメソッドランコールスクリプトを用いて起動されており,かつ起動され続けている。スクリプトがアプレットに特有のものでなくかつ実際,新しい画面が表示される(gone)ようにするので,これらスクリプトはアプリケーションインボークメソッドランスクリプトを用いて起動される。)

(タ)「The Script UI
The method and system of our invention includes a screen tab "SmartScripts" which will be used when scripts are started programmatically and which can be navigated to by the user.
When the Script tab is clicked on by the user, a dialog will come up which forces them to choose a Script (any script with NULL business components). When a script is started programmatically, the specified script will be set up automatically.」(第23頁第20行?同頁第27行)
(当審仮訳:スクリプトUI
本発明の方法およびシステムには,スクリプトがプログラム上で開始されたときに用いられかつユーザーにより操作されうるスクリーンタブ「スマートスクリプト」が含まれる。
スクリプトタブがユーザーによりクリックされると,ユーザーにスクリプト(NULLビジネスコンポーネントを備えたあらゆるスクリプト)を選択せしめるダイアログが現れる。スクリプトがプログラム上で開始されると,特定されたスクリプトが自動的に設定されることになる。)

(チ)「If the customer is calling about Foo, then the user (that is, the call center representative) can move through the script. As the customer answers questions for the user, the script navigates the user through the call. The workflow changes based on answers the customer has provided, so that the user is saying things that are meaningful to the customer.」(第24頁第25行?同頁第29行)
(当審仮訳:顧客がFooに関して呼び出すと,ユーザー(即ち,呼出センターの代表)はスクリプトを通じて移動することができる。ユーザーのための質問に顧客が回答すると,スクリプトは呼出を通じてユーザーを誘導する。作業フローは顧客が提供した回答に基づき,ユーザーが顧客にとって意味のある事柄を言うように,変化する。)

(ツ)「If the customer decides to order the product, the user can enter order information directly into the script, or have the system launch the order entry view or even launch another system.」(第25頁第5行?同頁第7行)
(当審仮訳:顧客が製品の注文を決定すると,ユーザーは注文情報をスクリプト内に直接入力することができ,またはシステムに注文入力画面を表示させることができ(launch),または別のシステムを始動させることさえできる。)

(a)上記摘記事項(ア)の「本明細書で使用する様なスクリプト(script)は,電話または人/販売地点/サービス地点による顧客との対話を介して,通信販売員,販売員または技術サポート要員等であるユーザーを案内する対話式ツールである。」との記載,上記摘記事項(イ)の「モジューラーエレメントは,質問,回答,回答によって行われる分岐,および回答によって行われるデータベースへのアクセスの順序だったセットであり,被雇用者-顧客の対話を制御し案内するように用いられる。・・・分岐およびデータベースへのアクセスを介してビジネスプロセスを強化することにより,ユーザーおよびコールセンターエージェントが有効且つ生産的方法で顧客と対話することが可能になる。」との記載,上記摘記事項(キ)の「本発明によれば,顧客とサービスプロバイダとの間の対話を促進するシステムおよび方法が提供される。」との記載からみて,引用例1には,「通信販売員,販売員または技術サポート要員等であるユーザーが顧客と対話する際に,対話式ツールであるスクリプトを用いて対話を制御しユーザーを案内することにより,ユーザーと顧客との対話を促進する方法」が記載されていると認められる。

(b)上記摘記事項(キ)の「本発明のシステム101は図10に示されている。このシステムは,データベース管理システム107を備えたデータベースサーバー105上で作動するデータベース103と,スクリプトソフトウェア113へのネットワークアクセスを作動するまたは有するコールセンターターミナル111とを含む。ターミナル111はデータベースサーバー105およびデータベースへ・・・リンクされる。」との記載,上記摘記事項(ク)の「本発明の方法およびシステムはコンピュータコードで実行され,それはシステムがユーザーに質問を提示し,ユーザーからの応答を受け,応答の結果として分岐(ブランチ)する。・・・コンピュータプログラムコードは,同じページまたはスクリプト内の他のページにある他の質問へのリンクを生じさせる。」との記載からみて,引用例1の「方法」は,「コンピュータコードで実行されるものであり,かつ,データベースサーバー105上で作動するデータベース103にリンクされるとともに,スクリプトソフトウェア113へのネットワークアクセスを有するコールセンターターミナル111において実行されるもの」である。

(c)上記摘記事項(ア)の「スクリプトの特徴は,前の質問に対する顧客の回答の関数としてまたはデータベースの出力の関数として,質問からそれに続く特定の質問へと分岐したりまたは質問からそれに関連するデータベースへと分岐し,これにより自動的にユーザー-顧客ダイアログが案内されて,作業フローおよびビジネスプロセスが強化されることにある。」との記載からみて,引用例1には,「スクリプトの特徴は,前の質問に対する顧客の回答の関数としてまたはデータベースの出力の関数として,質問からそれに続く特定の質問へと分岐したりまたは質問からそれに関連するデータベースへと分岐し,これにより自動的にユーザー-顧客ダイアログが案内されて,作業フローおよびビジネスプロセスが強化されることにあり,」との事項が記載されている。

(d)上記摘記事項(イ)の「スクリプトはモジューラーエレメントから構成される。モジューラーエレメントは,粒度(granularity)の大きい順に,スクリプトと,スクリプト内の一つ以上のページと,ページ当たりの一つ以上の質問と,各質問に関する回答のセットと,回答セットからの分岐ロジックと,質問および/またはそれに対する回答に応じてデータを入出力する一つまたは複数の関連するデータベースとである。スクリプトは複数のページを有しても良く,各ページは一画面に表示される複数の質問を有する。そして各質問は一つの回答セットを有しており,回答は例えば別のページまたは質問等の別のモジューラーエレメントへの分岐(ブランチ)を有する。」との記載からみて,引用例1には,「スクリプトは,モジューラーエレメントから構成され,モジューラーエレメントは,スクリプトと,スクリプト内の一つ以上のページと,ページ当たりの一つ以上の質問と,各質問に関する回答のセットと,回答セットからの分岐ロジックと,質問および/またはそれに対する回答に応じてデータを入出力する一つまたは複数の関連するデータベースとであり,スクリプトは複数のページを有しても良く,各ページは一画面に表示される複数の質問を有し,各質問は一つの回答セットを有しており,回答は例えば別のページまたは質問等の別のモジューラーエレメントへの分岐(ブランチ)を有し,」との事項が記載されている。

(e)上記摘記事項(オ)の「本発明の方法,システムおよびプログラムは,多言語コールセンターをサポートする多言語コールスクリプトを含む複雑なスクリプトの必要性をサポートする・・・ために,高度な柔軟性を提供する。」との記載,上記摘記事項(シ)の「一つの質問,回答に対して多くの翻訳がある。コールスクリプトが取り入れられうる各言語について,各質問について,翻訳がなければならない。(質問の翻訳は,ウィザードで表示された実際のテキストであるので)」の記載,上記摘記事項(ス)の「スクリプトは,コールスクリプト用ラベルと,(ヘルプなどの)コールスクリプトに関連する情報をセーブするために使用することができるロングカラムとを有する翻訳を有する。スクリプトはS_CS_PATHにセーブされ,ブランチはS_CS_EDGEにセーブ記憶され,スクリプトの翻訳はS_CS_PATH_LANGにセーブされる。」の記載,上記摘記事項(セ)の「スクリプト,質問,および回答と同じように,ページは翻訳を有する。S_CS_PAGE_LANGのテーブルには,特定された各言語についてS_CS_PAGEの子(child)記録が含まれる。」との記載からみて,引用例1には,「スクリプトは,多言語コールセンターをサポートする多言語コールスクリプトであり,このスクリプトを構成するページや質問は,各言語について,翻訳を有しており,」との事項が記載されている。

(f)上記摘記事項(ケ)の「図6は,ユーザーによって見られるスクリプト11ビューであり,テキスト15と,・・・質問17・・・と,回答19選択ボックスと,後続する質問・・・19とを備えている。」「ユーザーはスクリプトを見て,リンクされたスクリプトまたはページナビゲーションバー(nav bar)をクリックすることによって様々なページに移動する。リンクされたスクリプトナビゲーションバーを開くことにより,このスクリプトにリンクされている全てのスクリプトへのビューを一斉に開く。」との記載からみて,引用例1には,「ユーザーによって見られるスクリプトビューには,ページナビゲーションバーが設けられており,ユーザーがこれをクリックすることによって,様々なページに移動することができ,」との事項が記載されている。

(g)上記摘記事項(ソ)の「スクリプトはビジネスのコンポーネントに抗して,特定のアプレット上で起動される。これらスクリプトはアプレットインボークメソッドランコールスクリプトを用いて起動されており,かつ起動され続けている。スクリプトがアプレットに特有のものでなくかつ実際,新しい画面が表示される(gone)ようにするので,これらスクリプトはアプリケーションインボークメソッドランスクリプトを用いて起動される。」との記載,上記摘記事項(タ)の「本発明の方法およびシステムには,スクリプトがプログラム上で開始されたときに用いられかつユーザーにより操作されうるスクリーンタブ「スマートスクリプト」が含まれる。スクリプトタブがユーザーによりクリックされると,ユーザーにスクリプト(NULLビジネスコンポーネントを備えたあらゆるスクリプト)を選択せしめるダイアログが現れる。スクリプトがプログラム上で開始されると,特定されたスクリプトが自動的に設定されることになる。」との記載からみて,引用例1には,「スクリプトは,特定のアプレット上で起動されるものであり,スクリーンタブ『スマートスクリプト』がユーザーによりクリックされると,ユーザーにスクリプトを選択せしめるダイアログが現れ,特定されたスクリプトが自動的に設定され,」との事項が記載されている。

(h)上記摘記事項(サ)の「スクリプトが実行されると,ページシーケンスは,どのページを最初に見えるようにするかを決定する。・・・所定のページに対して複数の質問が同時に現れてもよく,ユーザーは任意の順番で質問に答えることができる。」との記載からみて,引用例1には,「スクリプトが実行されると,どのページを最初に見えるようにするかを決定し,所定のページに対して複数の質問が現れ,ユーザーは質問に答える」との事項が記載されている。

そうすると,上記摘記事項(ア)?(ツ)の記載及び図面の記載から,引用例1には,次のとおりの発明(以下,「引用例1発明」という。)が記載されていると認められる。

「通信販売員,販売員または技術サポート要員等であるユーザーが顧客と対話する際に,対話式ツールであるスクリプトを用いて対話を制御しユーザを案内することにより,ユーザーと顧客との対話を促進する方法であって,
当該方法は,コンピュータコードで実行されるものであり,かつ,データベースサーバー105上で作動するデータベース103にリンクされるとともに,スクリプトソフトウェア113へのネットワークアクセスを有するコールセンターターミナル111において実行されるものであり,
スクリプトの特徴は,前の質問に対する顧客の回答の関数としてまたはデータベースの出力の関数として,質問からそれに続く特定の質問へと分岐したりまたは質問からそれに関連するデータベースへと分岐し,これにより自動的にユーザー-顧客ダイアログが案内されて,作業フローおよびビジネスプロセスが強化されることにあり,
スクリプトは,モジューラーエレメントから構成され,モジューラーエレメントは,スクリプトと,スクリプト内の一つ以上のページと,ページ当たりの一つ以上の質問と,各質問に関する回答のセットと,回答セットからの分岐ロジックと,質問および/またはそれに対する回答に応じてデータを入出力する一つまたは複数の関連するデータベースとであり,スクリプトは複数のページを有しても良く,各ページは一画面に表示される複数の質問を有し,各質問は一つの回答セットを有しており,回答は例えば別のページまたは質問等の別のモジューラーエレメントへの分岐(ブランチ)を有し,
スクリプトは,多言語コールセンターをサポートする多言語コールスクリプトであり,このスクリプトを構成するページや質問は,各言語について,翻訳を有しており,
ユーザーによって見られるスクリプトビューには,ページナビゲーションバーが設けられており,ユーザーがこれをクリックすることによって,様々なページに移動することができ,
スクリプトは,特定のアプレット上で起動されるものであり,スクリーンタブ『スマートスクリプト』がユーザーによりクリックされると,ユーザーにスクリプトを選択せしめるダイアログが現れ,特定されたスクリプトが自動的に設定され,
スクリプトが実行されると,どのページを最初に見えるようにするかを決定し,所定のページに質問が現れ,ユーザーは質問に答える
方法。」

4.対比・判断
(1)対比
(a)引用例1発明の方法は,コンピュータコードで実行されるものであり,かつ,コールセンターターミナル111において実行されるものであるから,引用例1発明の「方法」と本願発明の「方法」とは,「コンピュータによって実行される方法」である点で共通している。

(b)
(b-1)引用例1発明の「スクリプト」は,ユーザーが顧客と対話する際に,ユーザーを案内するために用いられる対話式ツールであるから,引用例1発明の「スクリプト」が本願発明の「スクリプト定義」に相当する。
(b-2)引用例1発明のスクリプトは,モジューラーエレメントから構成されており,モジューラーエレメントは,スクリプトを構成する要素であるといえるから,引用例1発明の「モジューラーエレメント」が本願発明の「スクリプト定義の構成要素」に相当する。
(b-3)引用例1発明の「顧客」は,「通信販売員,販売員または技術サポート要員等であるユーザー」から「質問」を提示されて,これに回答する回答者であるから,引用例1発明の「顧客」が本願発明の「ユーザー」に相当する。
そして,引用例1発明のスクリプトは,「通信販売員,販売員または技術サポート要員等であるユーザー」に用いられるものであるから,当該スクリプトに含まれる「質問」が表示される「画面」が本願発明の「顧客関係管理ユーザーインタフェース」に相当し,また,引用例1発明の「質問」は,「顧客関係管理ユーザーインタフェースの一部として,ユーザーに提示されるべき」ものであるということができる。
(b-3)引用例1発明において,モジューラーエレメントは,「一つ以上の質問」を「含ん」でいる。
そして,引用例1発明では,スクリプトにより,「前の質問に対する顧客の回答の関数としてまたはデータベースの出力の関数として,質問からそれに続く特定の質問へと分岐したりまたは質問からそれに関連するデータベースへと分岐し」たりしているから,モジューラーエレメントが「含む」「一つ以上の質問」は,「論理的にリンクされた質問の組」であるということができる。
(b-5)上記(b-1)?(b-4)のことから,引用例1発明と本願発明とは,後記する点で相違するものの,「スクリプト定義の構成要素は,顧客関係管理ユーザーインタフェースの一部として,ユーザーに提示されるべき,論理的にリンクされた質問の組を含み」の点で共通している。

(c)
(c-1)引用例1発明のスクリプトは,ページを有し,各ページは一画面に表示される複数の質問を有しており,このページを画面に表示するものであるから,引用例1発明と本願発明とは,「コンピュータが,ページに備えられた一式の質問をユーザーインタフェースに表示する段階を備え」ている点で共通している。
(c-2)引用例1発明では,ユーザによって見られるスクリプトビューに,ページナビゲーションバーが設けられており,ユーザがこれをクリックすることによって,様々なページに移動することができる。ここで,引用例1発明の「スクリプトビューに設けられているページナビゲーションバー」は,ユーザによって見られるものであるから,本願発明の「ユーザーインタフェースに表示される構成要素のデータ」に相当する。
引用例1発明の「ページナビゲーションバー」は,これをクリックすることによって,スクリプト内の様々なページに移動することができるものであるから,引用例1発明の「ページナビゲーションバー」と本願発明の「ツリー制御機能を有するツリーであるナビゲーションツリー」とは,スクリプト内を移動する「スクリプト内移動手段」である点で共通している。
(c-3)以上の(c-1),(c-2)のことから,引用例1発明と本願発明とは,後記する点で相違するものの,「コンピュータが,ページに備えられた一式の質問をユーザーインタフェースに表示する段階を備え,ユーザーインタフェースに表示される構成要素のデータは,スクリプト内移動手段を含むものであり」の点で共通している。

(d)引用例1発明では,スクリプトが実行されると,どのページを最初に見えるようにするかを決定し,所定のページに質問が現れるようになっており,これが本願発明の「コンピュータが,質問の組をリンクしているスクリプト定義の少なくとも一部に基づく提示順序で,スクリプト定義を実行して得られる質問を表示する段階」に相当する。

そうすると,本願発明と引用例1発明とは,

「コンピュータによって実行される方法であって,
スクリプト定義の構成要素は,顧客関係管理ユーザーインタフェースの一部として,ユーザーに提示されるべき,論理的にリンクされた質問の組を含み,前記方法はさらに,
コンピュータが,ページに備えられた一式の質問をユーザーインタフェースに表示する段階を備え,ユーザーインタフェースに表示される構成要素のデータは,スクリプト内移動手段を含むものであり,前記方法はさらに,
コンピュータが,前記質問の組をリンクしている前記スクリプト定義の少なくとも一部に基づく提示順序で,前記スクリプト定義を実行して得られる質問を表示する段階と,
を備える方法。」

の点で一致し,以下の点で相違する。

[相違点1]
本願発明は,「コンピュータが,データベースから,第1のメモリにスクリプト定義をロードする段階を備え」ているのに対して,引用例1発明は,そのような段階を備えることは特定されていない点。

[相違点2]
本願発明は,「コンピュータが,利用可能な言語をユーザーへ提示するとともに,ユーザーからの指定に応答して,前記スクリプト定義に含まれるテキストが指定された言語に翻訳された状態のスクリプト定義を前記第1のメモリにロードする段階」を備えているのに対して,引用例1発明は,そのような段階を備えることは特定されていない点。

[相違点3]
ユーザーインターフェースに表示する一式の質問が,本願発明では,「中間ユニットが保持するデータのうち,ユーザーが見ている現行のページ」に備えられたものであるのに対して,引用例1発明は,そのような構成となっていない点。

[相違点4]
スクリプト内を移動するための「スクリプト内移動手段」が,本願発明では,「ツリー制御機能を有するツリーであるナビゲーションツリー」であるのに対して,引用例1発明では,「ページナビゲーションバー」である点。

[相違点5]
本願発明は,「コンピュータが,前記スクリプト定義の少なくとも一部に基づく表示順序で質問を表示するためのファイルを作成して,ネットワークを介して伝送し,前記スクリプト定義の構成要素を前記ユーザーインタフェースの一部としてクライアント端末に提示できるようにする段階」を備えているのに対して,引用例1発明は,そのような段階を備えることが特定されていない点。

(2)判断
上記相違点について検討する。

まず,[相違点3]及び[相違点5]について検討する。

[相違点3]及び[相違点5]について
引用例1発明の「顧客」は,「通信販売員,販売員または技術サポート要員等であるユーザー」から「質問」を提示されて,これに回答する回答者である。
また,上記摘記事項(チ)には「ユーザーのための質問に顧客が回答すると,スクリプトは呼出を通じてユーザーを誘導する。作業フローは顧客が提供した回答に基づき,ユーザーが顧客にとって意味のある事柄を言うように,変化する。」と記載され,上記摘記事項(ツ)には,「顧客が製品の注文を決定すると,ユーザーは注文情報をスクリプト内に直接入力することができ,またはシステムに注文入力画面を表示させることができ」と記載されているように,スクリプトで定義される質問は,顧客に向けられたものであり,これに回答するのもまた顧客であるから,スクリプトで定義された質問を,「通信販売員,販売員または技術サポート要員等であるユーザー」を介することなく直接顧客に提示して,顧客から直接回答を得るように構成することには何ら困難性がない。
そして,その際,例えば周知のインターネット技術を採用して,スクリプトで定義された質問を表示するための「(HTML)ファイルを作成して」,「ネットワーク(インターネット)を介して伝送し」,顧客の「クライアント端末に提示」するように構成すること,及び,サーバからクライアント端末へ送信するデータを保持するために,「中間ユニット」を設けることは,当業者が適宜なし得る設計的事項である。
してみれば,引用例1発明において,「コンピュータが,スクリプト定義の少なくとも一部に基づく表示順序で質問を表示するためのファイルを作成して,ネットワークを介して伝送し,前記スクリプト定義の構成要素をユーザーインタフェースの一部としてクライアント端末に提示できるようにする段階」を備えるように構成するとともに,ユーザーインターフェースに表示する一式の質問を,「中間ユニットが保持するデータのうち,ユーザーが見ている現行のページ」に備えられたものとすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

[相違点1]及び[相違点2]について
引用例1発明のスクリプトは,多言語コールセンターをサポートする多言語コールスクリプトであり,このスクリプトを構成するページや質問は,各言語について,翻訳を有しているものである。
そして,一般に,情報サービスを提供する際に,当該サービスの提供に使用する言語をユーザーに選択可能とすることは普通に行われていることであり,引用例1発明において,顧客に直接質問を提示する際,当該顧客に,「利用可能な言語を提示」して,所望の言語を「指定」させるように構成することには何ら困難性がない。
一方,引用例1発明において,スクリプトは,特定のアプレット上で起動されるものであり,スクリーンタブ『スマートスクリプト』がユーザーによりクリックされると,ユーザーにスクリプトを選択せしめるダイアログが現れ,特定されたスクリプトが自動的に設定されるものである。
ここで,コンピュータ技術において,処理に必要な情報をRAMにロードして,処理を実行することは技術常識であり,また,その際に,処理に必要な情報のみをロードすれば効率的であることは自明なことであるから,引用例1発明において,各言語の翻訳のうちの,「指定された言語」の翻訳のみをロードするように構成することは当業者であれば当然に考えることである。
以上のことから,引用例1発明において,「コンピュータが,データベースから,第1のメモリにスクリプト定義をロードする段階を備え」るようにし,また,「コンピュータが,利用可能な言語をユーザーへ提示するとともに,ユーザーからの指定に応答して,スクリプト定義に含まれるテキストが指定された言語に翻訳された状態のスクリプト定義を第1のメモリにロードする段階」を備えるように構成することは,当業者が容易に想到し得たことである。

[相違点4]について
上記摘記事項(エ)には,「デスクトップの画面は,ユーザーがスクリプト内で容易に進行することができるように,スクリプト-ページ-質問のツリーおよび/またはスクリプト-ページ-質問-回答-リンクのツリーをスクリーンの一部に表示する。」と記載され,上記摘記事項(コ)には,「エクスプローラツリービュー71は,ユーザーがスクリプト,ページおよび質問のリストを階層的に移動できるようにしている。・・・エクスプローラはグループおよび回答された質問と共にスクリプトパスのツリーコントロールを示している。ユーザーはそのツリーコントロールからスクリプトの任意の場所に移動することができる。」と記載されているように,引用例1には,管理者用画面においてではあるが,スクリプト-ページ-質問のツリーを表示して,ユーザーがスクリプト,ページおよび質問のリストを階層的に移動できる仕組みが記載されている。
してみれば,引用例1発明において,スクリプト内を移動するための「スクリプト内移動手段」として,「ツリー制御機能を有するツリーであるナビゲーションツリー」を採用することは,当業者が容易に想到し得たことである。

そして,本願発明の作用効果も,引用例1発明,引用例1記載事項及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。

したがって,本願発明は,引用例1発明,引用例1記載事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおり,本願発明は,引用例1発明,引用例1記載事項及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,本願は他の請求項について検討するまでもなく拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-09-11 
結審通知日 2013-09-17 
審決日 2013-09-30 
出願番号 特願2008-76026(P2008-76026)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中内 大介塩田 徳彦  
特許庁審判長 手島 聖治
特許庁審判官 清田 健一
須田 勝巳
発明の名称 ウェブサイトを介して顧客関係管理システム用の論理構造のような論理構造に基づいてユーザーインタフェースを提示するエンジン  
代理人 佐々木 眞人  
代理人 堀井 豊  
代理人 仲村 義平  
代理人 深見 久郎  
代理人 森田 俊雄  
代理人 荒川 伸夫  
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