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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F01N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F01N
管理番号 1285229
審判番号 不服2013-4245  
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-03-05 
確定日 2014-02-26 
事件の表示 特願2009-515553「断熱二重壁を有する排気系部品及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成19年12月21日国際公開、WO2007/146568、平成21年11月19日国内公表、特表2009-540215〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成19年5月23日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2006年6月15日、(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成24年2月6日付けで拒絶理由通知がなされ、平成24年5月11日付けで意見書および手続補正書が提出され、平成24年10月31日付けで拒絶査定がなされ、平成25年3月5日付けで拒絶査定不服の審判請求がなされると同時に、同日付けで手続補正書が提出され、平成25年5月23日付けで当審による審尋がなされ、平成25年8月22日付けで回答書が提出されたものである。


第2 平成25年3月5日付け手続補正についての補正の却下の決定
<補正の却下の決定の結論>
平成25年3月5日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

<理由>
1 本件補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1については、本件補正により補正される前の(すなわち、平成25年5月11日付けで提出された手続補正書で補正された)下記(1)を、下記(2)へ補正するものである。

(1)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1
「 【請求項1】
内側管と、該内側管を囲む外側管と、該内側及び外側管を連結し且つ該内側及び外側管と共に包囲された空隙を画定する第1及び第2の環状シール部と、該包囲された空隙を充填したガラスバブルであって、嵩容積に基づいて、該ガラスバブルの少なくとも90パーセントが120マイクロメートル未満の粒度を有する粒度分布を有するガラスバブルとを含み、
嵩容積に基づいて、50パーセントを超える前記ガラスバブルが50マイクロメートルを超える粒度を有し、
前記ガラスバブルが0.1?0.15グラム/ミリリットルの範囲の真密度を有する、断熱二重壁を有する排気系部品。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1
「 【請求項1】
内側管と、該内側管を囲む外側管と、該内側及び外側管を連結し且つ該内側及び外側管と共に包囲された空隙を画定する第1及び第2の環状シール部と、該包囲された空隙を充填したガラスバブルであって、嵩容積に基づいて、該ガラスバブルの少なくとも90パーセントが120マイクロメートル未満の粒度を有する粒度分布を有するガラスバブルとを含み、
嵩容積に基づいて、50パーセントを超える前記ガラスバブルが50マイクロメートルを超える粒度を有し、
嵩容積に基づいて、10パーセントの前記ガラスバブルが30マイクロメートル以下の粒度を有し、
前記ガラスバブルが0.1?0.15グラム/ミリリットルの範囲の真密度を有する、断熱二重壁を有する排気系部品。」
(なお、下線は補正箇所を示すためのもので請求人が付したものである。)
2 本件補正の適否
2-1 本件補正の目的
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1については、「嵩容積に基づいて、10パーセントの前記ガラスバブルが30マイクロメートル以下の粒度を有し、」という事項を加えることにより、本件補正前の「包囲された空隙を充填したガラスバブル」の「粒度」を限定したものである。
したがって、本件補正は、特許請求の範囲の請求項1については、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

2-2 独立特許要件の検討
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。) が、特許出願の際独立して特許を受けられるものか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)どうかを検討する。

(1)引用文献
(1-1)引用文献の記載
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先権主張の日前に頒布された刊行物である米国特許第5024289号明細書(以下、「引用文献」という。)には、図面とともに次の記載がある(以下、順に「記載1a」ないし「記載1d」という。)。なお、『』内は、当審日本語仮訳を示す。

1a 「Referring now to the drawing, insulated, double-walled exhaust pipe 10 comprises an inner pipe 12 of stainless steel or other heat and corrosion resistant material, an outer pipe 14 of similar construction, and, low-density, high-temperature resistant, inorganic spheroids 16 which occupy the annular gap between the two concentric pipes and the annular flanges 18 which serve to contain the low-density spheroidal insulation as well as to supply a means of attaching the pipe to an exhaust manifold, muffler, or the like.」
『当審仮訳:図面を参照すると、断熱二重壁を有する排気管10は、ステンレス鋼または他の耐熱性、耐食性耐熱材料からなる内管12と、同じ材料からなる外管14と、前記2つの同心管の間の環状間隙に充填される低密度、高耐熱性の無機材料からなる球状体16と、前記低密度断熱性の球状体を封止するだけでなく、排気マニホールドやマフラー等に管を取り付ける手段を有する環状のフランジ18から構成される。』(明細書第3欄第4行ないし13行)

1b 「The low-density, inorganic spheroids 16 are preferably in the 0.2-0.5 g/cc bulk density range. Individual spheroids can range from as small as 0.2 mm diameter to as large as 15 mm diameter. The larger spheroids may be used when the space between the inner and outer pipe is sufficiently large. Spheroids of 0.6-1.4 mm diameter in a gap of 3 to 10 mm are preferred for normal automobiles exhaust pipes.」
『当審仮訳:低密度、無機球状体16は、嵩密度が0.2から0.5グラム/ ccの範囲にあることが好ましい。個々の球状体は、直径0.2 mm程の小さなものから直径15mm程の大きなものまである。内管と外管との間の間隙が十分に大きいときには、より大きな球状体を使用する。通常の自動車の排気管には、3から10mmの間隙で0.6から1.4mmの直径の球状体が好適である。』(明細書第3欄第35行ないし42行)

1c 「The preferred composition of the spheroids is sodium silicate and clay, as described in U.S. Pat. No. 4,657,810 which is assigned to the present assignee and is incorporated herein by reference. These spheroids are low cost, impermeable to water, and are thermally stable to 1100℃. They are commercially available from 3M Company under the tradename Macrolite Ceramic Spheres. Other suitable materials may include hollow glass spheres, alumina-silica spheres, or other low density, inorganic spheres as described in U.S. Pat. No. 4,039,480 or low density, metal oxide spheres such as zirconium oxide, magnesium oxide, calcium oxide, aluminum oxide, and silicon oxide, as described in U.S. Pat. No. 3,792,136. If the exhaust gas temperature is sufficiently low, hollow glass spheres can also be used.」
『当審仮訳:球状体の好ましい組成物は、本明細書に参考文献として示され、譲渡された米国特許第4657810号に記載されているように、ケイ酸ナトリウムと粘土である。これらの球状体は、水に対して不透過性で低コストであり、1100℃まで熱的に安定している。これらは、商品名Macrolite Ceramic Spheresで3M社から市販されている。他の好適な材料としては、中空ガラス球体、アルミナ - シリカ球体、米国特許第4039480に記載されているような低密度無機質球状体、米国特許第3792136に記載されている酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等のような低密度金属酸化物球状体等が含まれる。排気温度が十分に低ければ、中空ガラス球体を使用することもできる。』(明細書第3欄第43行ないし57行)

1d 「A 30.5 cm section of a double-walled exhaust pipe was formed using an inner stainless steel pipe having an outer diameter of 4.76 cm and an outer stainless steel pipe having an inside diameter of 6.03 cm, resulting in an annular gap between them of about 6.35 mm. The wall thickness of each pipe was about 1.6 mm. The pipes were welded on one end to a connecting annular flange.」
『当審仮訳:長さ30.5cmの二重壁を有する排気管は、外径4.76cmのステンレス製内管と内径6.03cmのステンレス製外管を用いて形成され、その結果、約6.35mmの環状の隙間が生じた。各パイプの壁厚は約1.6mmであった。それぞれの管の一方の端部は環状フランジに溶接されている。』(明細書第4欄第42行ないし48行)

(1-2)引用文献の記載事項
引用文献の記載1aないし記載1d及び図面の記載から、引用文献には、次の事項が記載されていると認める(以下、順に「記載事項1A」ないし「記載事項1C」という。)。

1A 引用文献の記載1aの「図面を参照すると、断熱二重壁を有する排気管10は、ステンレス鋼または他の耐熱性、耐食性耐熱材料からなる内管12と、同じ材料からなる外管14と、前記2つの同心管の間の環状間隙に充填される低密度、高耐熱性の無機材料からなる球状体16と、前記低密度断熱性の球状体を封止するだけでなく、排気マニホールドやマフラー等に管を取り付ける手段を有する環状のフランジ18から構成される。」という記載、1dの「長さ30.5cmの二重壁を有する排気管は、外径4.76cmのステンレス製内管と内径6.03cmのステンレス製外管を用いて形成され、その結果、約6.35mmの環状の隙間が生じた。各パイプの壁厚は約1.6mmであった。それぞれの管の一方の端部は環状フランジに溶接されている。」並びにFig.1及びFig.2によると、引用文献には、内管12と、該内管12を囲む外管14と、該内管12及び外管14を連結し且つ内管及び外管と共に包囲された環状間隙を画定する環状のフランジ18と、該包囲された環状間隙を充填した低密度、高耐熱性の無機材料からなる球状体16とを含む断熱二重壁を有する排気管10が記載されている。

1B 引用文献の記載1bの「低密度、無機球状体16は、嵩密度が0.2から0.5グラム/ ccの範囲にあることが好ましい。個々の球状体は、直径0.2 mm程の小さなものから直径15mm程の大きなものまである。内管と外管との間の間隙が十分に大きいときには、より大きな球状体を使用する。通常の自動車の排気管には、3から10mmの間隙で0.6から1.4mmの直径の球状体が好適である。」という記載並びにFig.1及びFig.2によると、引用文献には、低密度、無機球状体16は、直径0.2mm程の小さなものから直径15mm程の大きなものまであり、嵩密度が0.2から0.5グラム/ ccの範囲にあることが記載されている。

1C 引用文献の記載1cの「球状体の好ましい組成物は、本明細書に参考文献として示され、譲渡された米国特許第4657810号に記載されているように、ケイ酸ナトリウムと粘土である。これらの球状体は、水に対して不透過性で低コストであり、1100℃まで熱的に安定している。これらは、商品名Macrolite Ceramic Spheresで3M社から市販されている。他の好適な材料としては、中空ガラス球体、アルミナ - シリカ球体、米国特許第4039480に記載されているような低密度無機質球状体、米国特許第3792136に記載されている酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等のような低密度金属酸化物球状体等が含まれる。排気温度が十分に低ければ、中空ガラス球体を使用することもできる。」という記載並びにFig.1及びFig.2によると、引用文献には、これらの球状体は、中空ガラス球体が含まれることが記載されている。

(1-3)引用文献に記載された発明
引用文献の記載1aないし1d、記載事項1Aないし1C及び図面の記載を整理すると、引用文献には、次の発明が記載されていると認める。

「内管12と、該内管12を囲む外管14と、該内管12及び外管14を連結し且つ内管及び外管と共に包囲された環状間隙を画定する環状のフランジ18と、該包囲された環状間隙を充填した低密度、高耐熱性の無機材料からなる球状体16であって、前記球状体16は中空ガラス球体であり、直径0.2mm程の小さなものから直径15mm程の大きなものまで含み、0.2から0.5グラム/ ccの範囲にある嵩密度を有する、断熱二重壁を有する排気管10」(以下、「引用発明」という。)

(2)対比
本願補正発明と引用発明を対比する。
引用発明における「内管12」は、その構成、機能及び技術的意義からみて、本願補正発明における「内側管」に相当し、以下同様に、「外管14」は「外側管」に、「該内管12及び外管14を連結し且つ内管及び外管と共に包囲された環状間隙を画定する環状のフランジ18」は「該内側及び外側管を連結し且つ該内側及び外側管と共に包囲された空隙を画定する第1及び第2の環状シール部」に、「中空ガラス球体」は「ガラスバブル」に、「断熱二重壁を有する排気管10」は「断熱二重壁を有する排気系部品」に、それぞれ相当する。

したがって、両者は、
「内側管と、該内側管を囲む外側管と、該内側及び外側管を連結し且つ該内側及び外側管と共に包囲された空隙を画定する第1及び第2の環状シール部と、該包囲された空隙を充填したガラスバブルからなる、断熱二重壁を有する排気系部品。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

「ガラスバブル」に関して、本願補正発明では、「嵩容積に基づいて、該ガラスバブルの少なくとも90パーセントが120マイクロメートル未満の粒度を有する粒度分布を有するガラスバブルとを含み、嵩容積に基づいて、50パーセントを超える前記ガラスバブルが50マイクロメートルを超える粒度を有し、嵩容積に基づいて、10パーセントの前記ガラスバブルが30マイクロメートル以下の粒度を有し、前記ガラスバブルが0.1?0.15グラム/ミリリットルの範囲の真密度を有する」のに対し、引用発明では「直径0.2mm程の小さなものから直径15mm程の大きなものまで含み、0.2から0.5グラム/ ccの範囲にある嵩密度を有する」ものである点(以下、「相違点」という。)。

(3)相違点についての判断
そこで、上記相違点について、以下に検討する。

一般に、実験的に数値範囲を最適化又は好適化することは当業者の通常の創作能力の発揮というべきであるから、公知技術に対して数値限定を加えることにより、特許を受けようとする発明が進歩性を有するというためには、当該数値範囲を選択することが当業者に容易であったとはいえないことが必要であり、これを基礎付ける事情として、当該数値範囲に臨界的意義があることが明細書に記載され、当該数値限定の技術的意義が明細書上明確にされていなければならない。
これに対して、本願明細書の段落【0020】に「多種多様なガラスバブルが、市販されているか、ないしは当該技術分野において既知の別の方法によって利用可能である。有用なガラスバブルは、嵩容積に基づいて、ガラスバブルの少なくとも90パーセントが150、120、110、100、90マイクロメートル未満、又はこれより小さい粒度さえも有する、粒度分布を有する。幾つかの実施形態では、50パーセントを超えるガラスバブルが、30、40、50、60、80、90マイクロメートルを超える、又は100マイクロメートルさえも超える粒度を有する場合がある。粒度の等級分けは、例えば、ふるい分け又は風力分級のような、当該技術分野において周知の方法によって達成されることができる。典型的には、ガラスバブルの真密度(即ち、充填効率の影響を受けない密度であり、且つ、例えば、空気比重びん法によって又はアルキメデス法によって決定されてよい)は、0.05?0.4グラム/ミリリットル、より典型的には0.1?0.15グラム/ミリリットルの範囲にあるが、これらの範囲から外れた真密度も使用されてよい。」と記載されていることから、粒度においてはかなり広い範囲のものが、真密度においては全ての範囲のものが有用なガラスバルブとされており、さらに、本願補正発明の数値限定である「嵩容積に基づいて、該ガラスバブルの少なくとも90パーセントが120マイクロメートル未満の粒度を有する粒度分布を有するガラスバブルとを含み、嵩容積に基づいて、50パーセントを超える前記ガラスバブルが50マイクロメートルを超える粒度を有し、嵩容積に基づいて、10パーセントの前記ガラスバブルが30マイクロメートル以下の粒度を有し、前記ガラスバブルが0.1?0.15グラム/ミリリットルの範囲の真密度を有する」に含まれる「スコッチライトK1ガラスバブル」と前記数値限定に含まれない「スコッチライトK37ガラスバブル」をそれぞれ採用した場合の内側管と外側管の温度差は、前者を採用した場合が320℃で後者を採用した場合が315℃と記載されており(本願明細書の【表2】を参照。)、ほとんど差が認められないので、前記数値限定の臨界的意義が明らかにされているとは認められない。
してみると、粒径範囲が20?200μmの発泡シリカ粉末を内燃機関の排気系機器の耐火断熱材として用いることは周知技術(例えば、特開昭61-163282号公報の特に第2ページ左下欄第12行ないし18行参照。以下、「周知技術」という。)であるので、引用発明における「ガラスバブル」を嵩容積に基づく粒度分布及び真密度を適宜設定することで、上記相違点に係る本件補正発明の発明特定事項とすることは当業者であれば容易になしえたことである。
そして、本願補正発明が、引用発明及び周知技術からは予想しえない格別の効果を奏するものとも認められない。

2-3 むすび
したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないので、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記<補正の却下の決定の結論>のとおり決定する。


第3 本願発明について
1 本願発明
以上のとおり、本件補正は却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1及び2に係る発明は、平成24年5月11日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲並びに願書に最初に添付された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2 <理由>1(1)」のとおりである。

2 引用文献の記載、引用文献の記載事項及び引用文献に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先権主張の日前に頒布された刊行物(以下、上記「第2<理由>2 2-2(1)(1-1)と同様に「引用文献」という。)には、上記「第2<理由>2 2-2(1)(1-1)」の通りの記載があり、該記載及び図面から、上記「第2<理由>2 2-2(1)(1-2)」のとおりの事項が記載されていると認める。
そして、引用文献には、上記「第2<理由>2 2-2(1)(1-3)」のとおりの発明(以下、上記「第2<理由>2 2-2(1)(1-3)と同様に「引用発明」という。)が記載されていると認める。

3 対比・判断
上記「第2<理由>2 2-1」で検討したように、本願補正発明は本願発明の特定事項に限定を加えたものである。そして、本願発明の発明特定事項に限定を加えた本願補正発明が、上記「第2<理由>2 2-2(2)及び(3)」のとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである以上、本願発明も、同様に、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-09-27 
結審通知日 2013-10-01 
審決日 2013-10-15 
出願番号 特願2009-515553(P2009-515553)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F01N)
P 1 8・ 575- Z (F01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 今関 雅子  
特許庁審判長 林 茂樹
特許庁審判官 中村 達之
金澤 俊郎
発明の名称 断熱二重壁を有する排気系部品及びその製造方法  
代理人 青木 篤  
代理人 石田 敬  
代理人 古賀 哲次  
代理人 鈴木 康義  
代理人 出野 知  
代理人 蛯谷 厚志  

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