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審決分類 審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) A01K
管理番号 1285446
判定請求番号 判定2013-600034  
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 2014-04-25 
種別 判定 
判定請求日 2013-10-30 
確定日 2014-03-13 
事件の表示 上記当事者間の特許第5219277号の判定請求事件について,次のとおり判定する。 
結論 イ号図面並びにその説明書に示すペット用トイレ「しつけるトレーメッシュプラス」(商品名)は,特許第5219277号発明の技術的範囲に属しない。 
理由 第1 判定請求人の請求の趣旨及び被請求人の答弁の趣旨
本件判定請求の趣旨は,イ号図面並びにその説明書に示すペット用トイレ「しつけるトレーメッシュプラス」(商品名)(以下,「イ号物件」という。)が,特許第5219277号(以下,「本件特許」という。)発明(以下,「本件特許発明」という。)の技術的範囲に属する,との判定を求め,他方,被請求人は,答弁の趣旨として,イ号物件は,本件特許発明の技術的範囲に属しないとの判定を求めたものである。

第2 本件特許発明
本件特許発明は,特許明細書及び図面の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものであって,その構成,目的及び効果は,以下のとおりである。

(1)本件特許発明の構成
「【請求項1】周縁付近に立設部を有するトイレ本体と,
トイレ本体の立設部に装着する枠部材と,
当該枠部材に取り付けるメッシュ部材とを備え,
前記メッシュ部材は係止部を有し,前記枠部材は被係止部を有し,当該メッシュ部材の係止部が枠部材の被係止部に着脱自在に係止し,
前記トイレ本体に尿吸収性のシーツを載置し,当該シーツを前記メッシュ部材又は/及び枠部材で固定するものであり,
前記メッシュ部材の係止部は,当該メッシュ部材の周縁部付近から垂下させた垂下片に設けた爪部であり,
前記枠部材の被係止部は,当該枠部材の内周側から下方に向けて延在した垂下部に設けた被係止片であり,
前記メッシュ部材から垂下させた垂下片に設けた爪部が枠部材の被係止部に係止する際に,当該爪部を有する垂下片が内外方向に撓みやすくなっていることを特徴とするペット用トイレ。」

そして,本件特許発明を構成要件に分説すると以下のとおりである。
「A 周縁付近に立設部を有するトイレ本体と,
B トイレ本体の立設部に装着する枠部材と,
C 当該枠部材に取り付けるメッシュ部材とを備え,
C_(1) 前記メッシュ部材は係止部を有し,
B_(1) 前記枠部材は被係止部を有し,
D 当該メッシュ部材の係止部が枠部材の被係止部に着脱自在に係止し,
E 前記トイレ本体に尿吸収性のシーツを載置し,当該シーツを前記メッシュ部材又は/及び枠部材で固定するものであり,
C_(2) 前記メッシュ部材の係止部は,当該メッシュ部材の周縁部付近から垂下させた垂下片に設けた爪部であり,
B_(2) 前記枠部材の被係止部は,当該枠部材の内周側から下方に向けて延在した垂下部に設けた被係止片であり,
C_(3) 前記メッシュ部材から垂下させた垂下片に設けた爪部が枠部材の被係止部に係止する際に,当該爪部を有する垂下片が内外方向に撓みやすくなっていることを特徴とする
F ペット用トイレ。」

第3 イ号物件
(1)判定請求人の特定したイ号物件
(ア)判定請求人は,判定請求書の「6.(5)」において,イ号物件を次のように特定している。
「a 周縁付近に立設部を有するトイレ本体と,
b トイレ本体の立設部に装着する枠部材と,
c 当該枠部材に取り付けるメッシュ部材とを備え,
c_(1) メッシュ部材は係止部を有し,
c_(2) メッシュ部材(30)の係止部(32)は,メッシュ部材(30)の周縁部(30a)から垂下させた垂下片(32a)に爪(32b)を有する。
c’_(3) 垂下片(32a)は断面が略コ字形状になっていて,爪(32b)が内外方向に撓みやすいように孔状に切り欠いた撓み孔(32c)を有し,垂下片(32a)の先端には外側に折り返した持手部(32d)を有する。
b_(1) 枠部材(20)は被係止部を有する。
b’_(2) 枠部材(20)は内周部から下方に向けて垂下した矩形筒状の垂下部(21)に被係止爪(22)を有する。
d メッシュ部材(30)の爪(32b)が枠部材(20)の被係止爪(22)に着脱自在に係止する。
e トイレ本体(10)のシーツ載置部(11)にシーツを載置し,メッシュ部材(30)にて固定する。
f ペット用トイレである。」

(2)イ号物件についての当審での検討
(ア)上記判定請求人のイ号物件の特定を基に,さらにイ号図面,イ号写真並びにその説明書及び商品名「しつけるトレーメッシュプラス」及びボンビグループを示すウェブサイトの写し(甲第2号証)の記載,請求人の主張,及び,被請求人の主張を参酌して,イ号物件の構成を特定する。なお,符号は請求人が付したものを用いる。

(イ)上述の「a」について,イ号図面の図4からみて,イ号物件ではトイレ本体(10)の周縁に立設部(12)が形成されているものと認められる。

(ウ)上述の「c_(2)」について,イ号図面の図5及び8からみて,イ号物件では,垂下片(32a)の下部から外方向に水平に延設された撓み孔(32c)のある部材を「連結部材」と認定し,その「連結部材」の外側端部から上方に垂直に延びて上端部で持手部(32a)の内側と連結する部材を「立設部材」と認定すると,メッシュ部材(30a)の係止部(32)は,メッシュ(31)の垂下片(32a)の下部と外方向で水平方向の連結部材が連結しており,連結部材の外側端部から上方に向けて延在した立設部材を形成しており,この立設部材の下端寄りに内側方向に突出した爪(32b)を有しているものと認められる。

(エ)上述の「c’_(3)」について,判定請求人は,判定請求書においてイ号物件の「垂下片(32a)」は「断面が略コ字形状」になっているとしているが,「垂下片(32a)」は,字義とおり垂下している片,すなわち垂れ下がっている部材と認め,イ号図面の図8(a)の垂下片(32a)の指示線で示された支持メッシュ部材(30)の周縁部(30a)から垂下させた部材のみであると認定した。
また,イ号図面の図5及び8からみて,イ号物件では,上記(ウ)の「連結部材」にある,請求人が規定する撓み孔(32c)は,撓むことに関係するか不明であるが,枠部材(20)の垂下部(21)が挿入されることになるので,「挿入孔(32c)」と認定すると,係止部(32)はメッシュ(31)の垂下片(32a)の下部と外方向で水平方向の連結部材が連結しており,この連結部材の外側端部から上方に向けて延在した立設部材を形成しており,この立設部材の上端部は持手部(32a)の内側と連結しており,さらに立設部材の爪(32b)を有する部分に対応して連結部材を切り欠いて設けた挿入孔(32c)を有しているものと認められる。

(オ)上述の「b_(2)」について,被係止部は枠部材(20)の内周部から下方に向けて延在した垂下部(21)を有しており,この垂下部(21)の形状は矩形形状であり,さらにこの垂下部(21)の下端から外側に向けて突出した被係止爪(22)を有しているものと認められる。

(カ)上述の「d」について,メッシュ部材の係止部が枠部材の被係止部に着脱自在となっていることから,持手部(32d)を持って下方向に引っ張った場合は,メッシュ部材の係止部は少ない移動量であっても外側方向に撓んでメッシュ部材を枠部材から外すことができ,また,少ない移動量であっても内側方向に撓んでメッシュ部材を枠部材に係止することができるものであるので,メッシュ部材の係止部は内外方向に撓みやすくなっていて係止しているものと認められる。

(キ)上述の「e」について,「商品名 しつけるトレーメッシュプラスS, サイズ W480×D350×H40mm」(甲第2号証第2頁の中央部)との記載と,その2行上方の「”しつけるトレーメッシュプラスS”にピッタリサイズのペットシーツはしつけるシーツレギュラーサイズ(30×45cm)をおすすめします。」との記載からみて,横幅48cm×縦幅35cmのペット用トイレに横幅45cm×縦幅30cmのペットシーツを載置しているものと認められ,「メッシュカバーでいたずら防止」(甲第2号証第1頁下方)との記載及び商品説明の図(甲第2号証第2頁最上部)からみて,メッシュカバーでペットシーツをいたずらによりずれないように固定しているものと認められ,「メッシュ部分は取り外し可能。」,「イタズラ癖が無くなれば,メッシュをはずしてお使いいただけます。」(甲第2号証第2頁最上部)との記載及び商品説明の図からみてメッシュを外してもペット用トイレとして機能するものと認められる。また,シーツを枠で固定することはペット用トイレにおいて常套手段である。以上のことを考慮すれば,イ号物件はトイレ本体に載置したペット用シーツをメッシュ部材及び枠部材で固定し得るものと認められる。

(3)当審が認定したイ号物件
以上のことを総合すると,イ号物件は,次のとおりのものと認める。
「a 周縁に立設部を有するトイレ本体と,
b トイレ本体の立設部に装着する枠部材と,
c 当該枠部材に取り付けるメッシュ部材とを備え,
c_(1) メッシュ部材は係止部を有し,
c_(2) メッシュ部材(30)の係止部(32)は,メッシュ(31)の垂下片(32a)の下部と外方向で水平方向の連結部材で連結しており,この連結部材の外側端部から上方に向けて延在した立設部材を形成しており,この立設部材の下端寄りに内側方向に突出した爪(32b)を有し,
c’_(3) 係止部(32)は,立設部材の上端部が持手部(32a)の内側と連結しており,この立設部材の爪(32b)を有する部分に対応して連結部材を切り欠いて設けた挿入孔(32c)を有し,
b_(1) 枠部材は被係止部を有し,
b’_(2) 被係止部は枠部材(20)の内周部から下方に向けて延在した矩形形状の垂下部(21)を有し,この垂下部(21)の下端から外側に向けて突出した被係止爪(22)を有し,
d 当該メッシュ部材の係止部が枠部材の被係止部に着脱自在及び内外方向に係止し,
e トイレ本体に尿吸収性のシーツを載置し,当該シーツをメッシュ部材及び枠部材で固定するものである
f ペット用トイレ」 (以下「構成a」等という。)

第4 当事者の主張
(1)判定請求人の主張
請求人は,下記甲第1,2号証を挙げて,イ号物件を「第3 (1)」に記載したように特定した上で,判定請求書の「6.(6)」において,概略以下の理由によりイ号物件は,本件特許発明の技術的範囲に属する旨主張している。
甲第1号証 特許第5219277号公報の写し
甲第2号証 商品名「しつけるトレーメッシュプラス」及びボンビグルー プを示すウェブサイトの写し

(ア)「一致点」として,「本件特許発明の構成において,構成A,B,C,C_(1),C_(2),B_(1),D,E,Fは,イ号商品の構成a,b,c,c_(1),c_(2),b_(1),d,e,fと一致することは明白である。」

(イ)「相違点」として,「本件特許発明とイ号商品とで,具体的な態様において相違するのは,本件特許発明の構成B_(2)に対するイ号商品b’_(2) と,本件特許発明の構成C_(3)に対するイ号商品のc’_(3) である。」

(ウ)「イ号商品の被係止爪(22)は枠部材(20)の内周部(側)から垂下させた矩形筒状に設けたものであるのに対して本件特許発明は被係止部が『垂下部に設けた被係止片』と表現されているのと相違する。
しかし,本件特許発明における被係止片とはメッシュ部材(30)の爪が係止するためのものであり,被係止用の爪を有している点でイ号商品の被係止部と実質的な差はない。」

(エ)「イ号商品は爪(32b)を内外方向に撓みやすくする手段として,垂下片(32a)の他にさらに撓み孔(32c)と持手部(32d)有しているのに対して,本件特許発明は『垂下片が内外方向に撓みやすくなっている。』のが要件である。
本件特許発明の特徴であるメッシュ部材(30)の周縁部付近から垂下させた垂下片(32a)をイ号商品に有する点において,すでに本件特許の要件C_(3)を具備しているものであり,撓み孔(32c)及び持手部(32d)は単なる付加的構造に過ぎない。」

(2)被請求人の主張
被請求人は,下記乙第1号証を挙げて,判定請求答弁書において,概略以下の理由によりイ号物件は,本件特許発明の技術的範囲に属しないとの判定を求めている。
乙第1号証 本件特許出願の日前の公知文献(特開2007-14321 号公報)

(ア)「一致点」として,「本件特許発明の構成において,構成B,C,C_(1),B_(1),D,E,Fは,イ号の構成b,c,c_(1),b_(1),d,e,fと一致するとしても差し支え無い。
本件特許発明の構成において,構成Aは,「周縁付近」という極めて曖昧な技術的範囲の外縁を不明確なものとする記載が含まれていることを前提として,イ号の構成aの「周縁」がこれに含まれる可能性については否定しない。
本件特許発明の構成において構成B_(2)がイ号の構成b’_(2) と一致するか否かについては否定しない。」

(イ)「相違点」として,「本件特許発明の構成とイ号の構成とで上記定義に基づいて相違するのは,本件特許発明の構成C_(2)に対するイ号の構成c_(2)と,本件特許発明の構成C_(3)に対するイ号の構成c’_(3)である。」

(ウ)「本件特許発明の構成C_(2)と,判定請求人によって定義されたイ号の構成c_(2)は,比較することができない。
構成C_(2)は,『係止部=爪部』を定義しているのに対し,構成c_(2)は,『係止部(32)⊃垂下部(32a)⊃爪(32b)』又は,『係止部(32)⊃垂下部(32a)+爪(32b)』を意味する。
このように,比較の対象とならない構成による対比には意味がなく,結果として判定請求人の主張はことごとく失当であると言わざるを得ない。」
(エ)「持手部(32d)を持って外方向に引っ張ったとしても,合成樹脂で構成されたイ号商品のメッシュ部材は少なくとも内外方向に撓むことはないし,持手部(32d)を持って下方向に引っ張った場合は,爪部(32b)は内外方向というよりも,敢えて言うなら寧ろ上下方向に撓むことができるように構成されている。
孔(32c)を挟んで,『周縁部(30a)から下方に延びる部分』と水平方向に3箇所で結合する『該水平方向に延びる部分の先端から上方に延びる部分』は,合成樹脂の性質上,『該下方に延びる部分の下部から水平方向に延びる部分』が延在する方向には容易に撓むことはなく,『該下方に延びる部分の下部から水平方向に延びる部分』に直交する方向,つまり,上下方向への撓みを期待されていることは明らかである。
また,孔(32c)は,撓みを期待するための構成ではなく,矩形筒状の垂下部(21)の通過を許容すると共に,該孔(32c)縁と矩形筒状の垂下部(21)とによって,枠部材(20)に対するメッシュ部材(30)の位置決め規制を期待する構成に他ならない。」

第5 当審の判断
本件特許発明と当審で認定したイ号物件とを対比する。
(1)争いのない点
イ号物件の構成b,c,c_(1),b_(1),d,e,fは,本件特許発明の構成要件B,C,C_(1),B_(1),D,E,Fを充足しており,この点について当事者間に争いはないものと認められる。

(2)構成要件Aの充足性について
イ号物件の構成aと構成要件Aとを対比する。
構成要件Aにおいて,トイレ本体において立設部を形成する場所をトイレ本体の「周縁付近」としているのに対し,イ号物件の構成aでは「周縁」としている。
ここで,特許明細書の段落0006の「メッシュ部材の周縁部付近と表現したのは,周縁よりの位置であればよく,周縁に限定しない趣旨である」との記載からみて,「周縁付近」は,「周縁」と「周縁より」の位置を合わせた位置を意味するものと解される。
してみると,構成要件Aの「周縁付近」も,同様に「周縁」と「周縁より」の位置を合わせた位置を意味するものと解されることから,立設部を周縁に位置させているイ号物件の構成aは本件特許発明の構成要件Aを充足する。

(3)構成要件B_(2)の充足性について
イ号物件の構成b’_(2)と構成要件B_(2)とを対比する。
構成要件B_(2)において,「枠部材の被係止部は,当該枠部材の内周側から下方に向けて延在した垂下部に設けた被係止片」としているので,本件特許発明において「被係止部」は「垂下部に設けた被係止片」である。
それに対して,イ号物件において「被係止部」に対応するものは,「垂下部(21)の下端から外側に向けて突出した被係止爪(22)」である。「被係止爪(22)」は「係止部(32)」の「爪(32b)」が係止されるものであるから被係止部材ということができ,「被係止片」と解されることから,垂下部の下端から外側に向けて突出した被係止爪であるイ号物件の構成b’_(2)は本件特許発明の構成要件B_(2)を充足する。

(4)構成要件C_(2)の充足性について
イ号物件の構成c_(2)と構成要件C_(2)とを対比する。
構成要件C_(2)において,「メッシュ部材の周縁部付近から垂下させた垂下片」としているので,本件特許発明において「垂下片」を設けている位置は「メッシュ部材の周縁部付近」である。
それに対して,イ号物件において「メッシュ部材(30)」(本件特許発明の「メッシュ部材」に相当するもの)は,「メッシュ(31)」と,「メッシュ(31)の垂下片(32a)の下部と外方向で水平方向の連結部材で連結」した「係止部(32)」からなり,「係止部(32)」は「メッシュ(31)」の各短辺に1つずつ形成されるのみで「メッシュ(31)」の全周に形成されるものではなく,「係止部(32)」は「メッシュ(31)」を「枠部材(20)」に係止するために形成したものであることからみて,「メッシュ部材(30)」の周縁部は,「メッシュ(31)」の全周に形成された「垂下片(32a)」の部分であり,周縁部には「枠部材(20)」に係止するために付加的に,「垂下片(32a)」,「連結部材」,「立設部材」,「持手部(32d)」が連続的に形成されていると解するのが自然である。
そうすると,本件特許発明の「メッシュ部材の周縁部付近」とは,「第5(2)」でも指摘した特許明細書の段落0006の記載を踏まえると,イ号物件の「メッシュ部材(30)」の「周縁部(30a)」とそれからみて「メッシュ部材(30)」の主体をなす「メッシュ(31)」側の近傍部分を示すものと解されるので,イ号物件の「垂下片(32a)」が,本件特許発明の「メッシュ部材の周縁部付近から垂下させた垂下片」に相当すると認められる。
そして,イ号物件において「メッシュ部材(30)」の周縁部付近から垂下されているのは「垂下片(32a)」であり,当該「垂下片(32a)」が爪部を有していないことは明らかであることから,イ号物件の構成c_(2)は本件特許発明の構成要件C_(2)を充足しない。
なお,イ号物件の「爪(32b)」を有する「立設部材」は,前記の如く「メッシュ(31)」と別の部材として扱われるものであり,仮にそれを「メッシュ部材(31)の垂下片(32a)」と一体のものとして取り扱ったところで,下記(5)に記載するように「垂下させた垂下片」といえるものではないので,「周縁部付近から垂下させた垂下片」に相当するものということはできない。

(5)構成要件C_(3)の充足性について
イ号物件の構成c’_(3)と構成要件C_(3)とを対比する。
構成要件C_(3)において,「メッシュ部材から垂下させた垂下片に設けた爪部」としているが,上記(4)のとおり,イ号物件において「メッシュ部材(30)」の周縁部付近から垂下されているのは「垂下片(32a)」であり,「垂下片(32a)」が爪部を有していないことは明らかであることから,イ号物件の構成c’_(3)は本件特許発明の構成要件C_(3)を充足しない。
次に,判定請求人は,判定請求書においてイ号物件の「垂下片(32a)」は「断面が略コ字形状」になっているとして,「垂下片(32a)」の構成を,「垂下片(32a)」のみでなく,「垂下片(32a)」,「連結部材」及び「立設部材」が連続的に形成されているものとしている。しかしながら,「連結部材」は水平であり,「立設部材」は立設しているので,「連結部材」及び「立設部材」も垂下していると解することができない。そして,爪部を有しているのは「立設部材」であって垂下しているとは認められないことから,この場合も同様にイ号物件の構成c’_(3)は本件特許発明の構成要件C_(3)を充足しない。

第6 むすび
以上のとおり,イ号物件は本件特許発明の構成要件C_(2)及びC_(3)を充足しないから,イ号物件は,本件特許発明の技術的範囲に属しない。
また,本件の他の請求項2及び3に係る発明は,請求項1に係る発明にさらに限定を加えたものであるから,イ号物件は,本件の請求項2及び3に係る発明の技術的範囲に当然に属しない。
したがって,イ号物件は,本件特許発明の技術的範囲に属しない。
よって,結論のとおり判定する。
 
別掲
 
判定日 2014-03-04 
出願番号 特願2009-13701(P2009-13701)
審決分類 P 1 2・ 1- ZB (A01K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 竹中 靖典  
特許庁審判長 高橋 三成
特許庁審判官 中川 真一
杉浦 淳
登録日 2013-03-15 
登録番号 特許第5219277号(P5219277)
発明の名称 ペット用トイレ  
代理人 大谷 嘉一  
代理人 大田 英司  
代理人 永田 元昭  
代理人 永田 良昭  
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