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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04M 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04M |
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管理番号 | 1287043 |
審判番号 | 不服2013-12423 |
総通号数 | 174 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2014-06-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-07-01 |
確定日 | 2014-04-24 |
事件の表示 | 特願2008-279954「携帯電子機器」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 5月13日出願公開、特開2010-109712〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成20年10月30日の出願であって,平成25年3月26日に拒絶査定がなされ,これに対し,同年7月1日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同日付けで手続補正がなされたものである。 第2 補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成25年7月1日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.本願発明と補正後の発明 上記手続補正(以下「本件補正」という。)は,平成24年9月18日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された, 「表示部が設けられ,樹脂部材にて形成される第1の筐体と, 操作部が設けられる第2の筐体と, 前記第1の筐体と前記第2の筐体とを回動自在に連結するヒンジ部と,を備え, 前記表示部が設けられる第1の筐体には,外方に突出するつば部が形成されたインサート板金がインサート成形により一体成形され, 前記つば部は,前記ヒンジ部の周辺の一部を覆う位置に配置されて,前記樹脂部材に一体成形されていることを特徴とする携帯電子機器。」 という発明(以下「本願発明」という。)を, 平成25年7月1日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された, 「表示部が設けられ,樹脂部材にて形成される第1の筐体と, 操作部が設けられる第2の筐体と, 前記第1の筐体と前記第2の筐体とを回動自在に連結するヒンジ部と,を備え, 前記表示部が設けられる第1の筐体には,外方に突出するつば部が形成されたインサート板金がインサート成形により一体成形され, 前記つば部は,前記ヒンジ部の内,前記第1の筺体に形成された剛性の弱い回動部の周辺の一部を覆う位置に配置されて,前記樹脂部材に一体成形されていることを特徴とする携帯電子機器。」 という発明(以下「補正後の発明」という。)に補正することを含むものである。(下線は,補正箇所を示す。) 2.新規事項の有無,シフト補正の有無,補正の目的要件について 本件補正は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において,本願発明の「ヒンジ部の周辺」を「ヒンジ部の内,前記第1の筺体に形成された剛性の弱い回動部の周辺」と限定して特許請求の範囲を減縮するものである。 したがって,本件補正は,特許法第17条の2第3項(新規事項),特許法第17条の2第4項(シフト補正要件)及び同法第17条の2第5項(補正の目的)の規定に適合している。 3.独立特許要件について 上記本件補正は,特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから,上記補正後の発明が,特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて,以下に検討する。 (1)補正後の発明 上記「1.本願発明と補正後の発明」の項で「補正後の発明」として認定したとおりである。 (2)引用発明 原審の拒絶理由に引用された,特開2008-245160号公報(以下「引用例」という。)には,その名称を「電子機器」として図面とともに以下の事項が記載されている。 ア.「【0001】 本発明は,携帯電話機,デジタルカメラ,PDA,ゲーム機等の電子機器に関する。」(3頁) イ.「【0016】 図1は,本発明の実施形態に係る電子機器としての携帯電話機1の外観を示す斜視図である。 【0017】 携帯電話機1は,いわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており,開閉可能に連結された第1筐体3及び第2筐体5を備えている。第1筐体3及び第2筐体5は,連結部7により連結されている。」(5頁) ウ.「【0019】 第1筐体3には,例えば,通話用のスピーカ97(図11参照)の放音口9,図形や文字情報等を含む画像を表示する表示部11が設けられている。(中略) 【0020】 第2筐体5には,例えば,通話用のマイクロフォン39(図2参照)の収音口13,ユーザの操作を受け付ける操作部15が設けられている。(中略) 【0021】 連結部7は,例えば,第1筐体3の長手方向の一方の端部である第1端部3dと,第2筐体5の長手方向の一方の端部である第2端部5dとを含んで構成されている。具体的には,以下のとおりである。第1筐体3の第1端部3dには,連結凹部3eが形成されている。第2筐体5の第2端部5dには,連結突部5eが形成されている。連結突部5eは,連結凹部3eに挿入される。そして,連結突部5eの回転軸RA方向両側においては,連結突部5e及び連結凹部3eの,回転軸RA方向において互いに対向する面に,軸部品としてのヒンジパーツ8A,8B(図2参照。以下,単に「ヒンジパーツ8」といい,これらを区別しないことがある。)が挿入される。なお,ヒンジパーツ8A,8Bは,例えば,特に図示しないが,連結突部5eに挿入される部分と,当該部分に対して回転軸RA回りに回転可能な,連結凹部3eに挿入される部分とを有して構成されている。」(5頁) エ.「【0022】 図2は,第2筐体5の分解斜視図である。 【0023】 第2筐体5においては,図2の紙面上方側から順に,キープレート21,フロントケース23,キーアセンブリ25,シールドアセンブリ27,回路基板29及びバッテリー31,リアケース33,並びに,バッテリーリッド35が積層されている。(中略) 【0024】 (中略)連結部7を構成する連結突部5eは,フロントケース23に形成されている。」(5頁?6頁) オ.「【0042】 図4(a)は,フロントケース23の平面図であり,図4(b)は,図4(a)のIVb-IVb線における断面図であり,図4(c)は,図4(a)のIVc-IVc線における断面図である。 【0043】 フロントケース23は,第1材料としての樹脂により形成された,第1筐体部材としての樹脂部55と,第2材料としての金属により形成され,樹脂部55に一部が埋設された,第2筐体部材としての板金部57とを有している。」(8頁) カ.「【0046】 図5(a)は,板金部57の斜視図であり,図5(b)は,図5(a)の領域Vbの拡大図であり,図5(c)は,図5(a)の領域Vcの拡大図である。 【0047】 板金部57は,第2筐体5の対向面部5aを構成する基部57aと,基部57aの縁部から基部57aに交差する方向に延びる連結部側折り返し部57b及び側面側折り返し部57cとを有している。 【0048】 (中略) 【0049】 図5(a)及び図5(b)に示すように,連結部側折り返し部57bは,基部57aの連結部7側(図5(a)の右上側)の縁部から,キートップ17が露出する側(図5(a)の上方側)へ延びている。」(9頁) キ.「【0051】 図6は,樹脂部55と,板金部57との重なりを示すフロントケース23の平面図である。図中,白抜き部分は,樹脂部55のみの部分であり,ハッチング部分は,板金部57のみの部分であり,黒塗りの部分は,樹脂部55と板金部57との重なり部分である。樹脂部55と板金部57との重なり部分では,基本的に板金部57は樹脂部55に埋設されている。」(9頁) ク.「【0053】 図7(a)は,図4(b)の領域VIIaの拡大図であり,図7(b)は,図4(c)の領域VIIbの拡大図である。 【0054】 図7(a)に示すように,板金部57の基部57aの連結部7側(図7(a)の上方側)の端部は,樹脂部55の対向面構成部55aに埋設されており,連結部側折り返し部57bは,連結部7を構成する連結突部5eに埋設されている。連結部側折り返し部57bは,基部57aから,連結突部5eの突出側(図7(a)の左側)に延びている。従って,連結部側折り返し部57bの基部57aからの高さは,対向面構成部55aの,基部57aから連結突部5eの突出側への厚さよりも大きいが,端部側折り返し部57bは,樹脂部55外部へ露出しない。」(9頁?10頁) ケ.「【0056】 以上のようなフロントケース23は,例えば,いわゆるインサート成形により構成される。具体的には,まず,板金部57が形成される。板金部57は,例えば,一枚の板金に対して,打ち抜き加工,曲げ加工,絞り加工等のプレス加工を行うことにより形成される。次に,板金部57は,射出成形機の一対の金型のキャビティ内に配置されるとともに,一対の金型に挟持される。そして,樹脂部55となるべき溶融した樹脂がキャビティ内に射出,充填されることにより,フロントケース23は形成される。」(10頁) コ.「【0085】 (中略)従って,板金部57は,回路基板29とバッテリー31との間の補強だけでなく,連結部側折り返し部57bにより,連結部7の補強にも寄与し,効果的に利用される。」(14頁) サ.「【0092】 (中略)連結突部及び連結凹部を有する筐体である場合,第1筐体部材(樹脂部)及び第2筐体部材(板金部)を有する筐体には,連結突部でなく,連結凹部が設けられてもよい。 【0093】 第1筐体部材及び第2筐体部材により構成される所定面部は,他の筐体に対向する面部や操作部が設けられる面部に限定されない。例えば,他の筐体に対向する面部や操作部が設けられる面部の背面であってもよい。表示装置が設けられる筐体の表示面側の面部であってもよい。」(15頁) 上記ア?サの記載及び関連する図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると, a.上記ア,イの記載及び図1によれば,引用例には,第1筐体3と第2筐体5とを開閉可能に連結する連結部7を備えた折り畳み式の携帯電話機1が記載されていると認められる。また,上記ウの記載によれば,上記携帯電話機は,表示部11が設けられる第1筐体3と,操作部15が設けられる第2筐体5とを備えるものといえる。 b.上記エ,オの記載によれば,第2筐体5のフロントケース23は,樹脂により形成された樹脂部55と,金属により形成され樹脂部55に一部が埋設された板金部57とを有しており,上記カの記載によれば,板金部57は,基部57aの縁部から基部57aに交差する方向に伸びる連結部側折り返し部57bを有し,上記キ,ケの記載によれば,フロントケース23には,板金部57が樹脂部55に埋設されているようにインサート成形により一体成形されていると認められる。ここで,上記カの記載及び図5(a),(b)によれば,連結部側折り返し部57bは,基部57aの連結部7側の縁部から外方に突出していることは明らかである。 したがって,引用例には,「前記操作部が設けられる第2筐体には,外方に突出する連結部側折り返し部が形成された板金部がインサート成形により一体成形される」ことが記載されていると認められる。 また,第2筐体5のフロントケース23の樹脂部材55は樹脂により形成されているから,第2筐体は,「操作部が設けられ,樹脂にて形成される第2筐体」といえる。 c.上記クの記載及び図4(b),図7(a)によれば,連結部側折り返し部57bは,基部57aから連結突部5eの突出側に延びており,連結部側折り返し部57bの基部57aからの高さは,対向面構成部55aの,基部57aから連結突部5eの突出側への厚さよりも大きいが,樹脂部55外部へ露出しないのであるから,連結部側折り返し部57bはフロントケースの連結突部5eの樹脂部55外部に露出しない程度に突出側に伸びているものと解される。そして,上記ウの記載によれば,連結突部5eには軸部品としてのヒンジパーツが挿入されるのであるから,「前記連結部側折り返し部は連結部の周辺の一部を覆う位置に配置されて,前記樹脂に一体成形されている」といえる。 以上を総合すると,引用例には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「表示部が設けられる第1筐体と, 操作部が設けられ,樹脂にて形成される第2筐体と, 前記第1筐体と前記第2筐体とを開閉可能に連結する連結部と,を備え, 前記操作部が設けられる第2筐体には,外方に突出する連結部側折り返し部が形成された板金部がインサート成形により一体成形され, 前記連結部側折り返し部は連結部の周辺の一部を覆う位置に配置されて,前記樹脂に一体成形されている,折り畳み式の携帯電話機。」 (3)対比・判断 ア.引用発明の「折り畳み式の携帯電話機」は「携帯電子機器」といえる。 引用発明の「第1筐体」は,補正後の発明のように「樹脂部材にて形成される」ことは明らかにされていないが,表示部が設けられる筐体である点で,補正後の発明の「第1の筐体」に相当する。また,引用発明の「第2筐体」は,操作部が設けられる筐体である点で,補正後の発明の「第2の筐体」に相当する。ここで,補正後の発明の「樹脂部材にて形成される」と引用発明の「樹脂にて形成される」とは,単なる表現の差異にすぎない。 引用発明の「連結部」は,第1筐体と第2筐体を開閉可能に連結するものであり,上記(2)ウの記載に照らせば,連結突部,連結凹部及び軸部品としてのヒンジパーツを備え,ヒンジパーツは,連結突部5eに挿入される部分と,当該部分に対して回転軸RA回りに回転可能な,連結凹部3eに挿入される部分とを有して構成されているから,補正後の発明の「前記第1の筐体と前記第2の筐体とを回動自在に連結するヒンジ部」に相当する。 イ.引用発明の「板金部」はインサート成形により一体成形されるものであるから「インサート板金」と称することは任意であり,また,引用発明の「外方に突出する連結部側折り返し部」を「外方に突出するつば部」と称することは任意である。 したがって,補正後の発明と引用発明とは,樹脂部材で形成され,インサート板金が一体成形される筐体が,第1の筐体であるか第2の筐体であるかの点で差異はあるものの,「一方の筐体には,外方に突出するつば部が形成されたインサート板金がインサート成形により一体成形され」る点で一致している。 ウ.補正後の発明の「つば部」と引用発明の「連結部側折り返し部」とは,以下の相違点2は別として,「前記ヒンジ部の周辺の一部を覆う位置に配置されて,前記樹脂部材に一体成形されている」点で一致している。 したがって,補正後の発明と引用発明は,以下の点で一致し,また,相違している。 (一致点) 「表示部が設けられる第1の筐体と, 操作部が設けられる第2の筐体と, 前記第1の筐体と前記第2の筐体とを回動自在に連結するヒンジ部と,を備え, 一方の筐体には,外方に突出するつば部が形成されたインサート板金がインサート成形により一体成形され, 前記つば部は,前記ヒンジ部の周辺の一部を覆う位置に配置されて,前記樹脂部材に一体成形されている,携帯電子機器。」 (相違点1) 「樹脂部材にて形成され」,「インサート板金が一体成形され」る「一方の筐体」が,補正後の発明は「表示部が設けられ」る「第1の筐体」であるのに対し,引用発明は「操作部が設けられ」る「第2筐体」である点。 (相違点2) 「ヒンジ部の周辺の一部」が,補正後の発明は「ヒンジ部の内,前記第1の筺体に形成された剛性の弱い回動部の周辺の一部」であるのに対し,引用発明は当該事項を明らかにしていない点。 以下,上記各相違点について検討する。 (相違点1について) 引用例の【0092】,【0093】には,「第1筐体部材(樹脂部)及び第2筐体部材(板金部)を有する筐体には,連結突部でなく,連結凹部が設けられてもよい。」,「第1筐体部材及び第2筐体部材により構成される所定面部は,他の筐体に対向する面部や操作部が設けられる面部に限定されない。例えば,他の筐体に対向する面部や操作部が設けられる面部の背面であってもよい。表示装置が設けられる筐体の表示面側の面部であってもよい。」(上記(2)サ参照。)との記載がある。すなわち,引用例には,樹脂部材にて形成されインサート板金が一体成形される筐体を「表示部が設けられる第1の筐体」とすることが示唆されている。そして,引用例の【0085】の「連結部側折り返し部57bにより,連結部7の補強にも寄与し,」(上記(2)コ参照。)との記載のとおり,引用発明は連結部の補強をも意図していることに鑑みれば,「樹脂部材にて形成され」,「インサート板金が一体成形され」る「一方の筐体」を「表示部が設けられ」る「第1の筐体」とすることは,当業者が容易になし得ることに過ぎない。 (相違点2について) 引用例の【0092】の上記記載によれば,連結凹部の樹脂部55に露出しない程度に連結部側折り返し部を突出させることが示唆されているといえ,連結凹部は軸部品であるヒンジパーツの周りを回転することは明らかである(上記(2)ウ参照。)。そして,ヒンジパーツが挿入される連結凹部は本件明細書でいう「回動部」に相当し,軸部品であるヒンジパーツは本件明細書でいう「支持部」に相当するところ,一般にこれらの部位は他の部位よりも剛性が低いと考えられる。そして,上述のとおり,引用発明は連結部側折り返し部を連結部の補強とすることも意図しているから,連結部の補強に寄与するために一般に剛性が低いと考えられる部位の周辺の一部を覆う位置に連結部側折り返し部を設けるようにすることは容易になし得ることに過ぎない。 また,本件明細書の【0025】の「この亀裂やマイクロクラックは,ヒンジ部4のうち剛性が弱いとされる回動部23あるいは支持部24に生じることとなる。回動部23に亀裂やマイクロクラックが生じた場合,回動部23につば部14が設けられているために,・・・」記載によれば,「ヒンジ部の内,前記第1の筺体に形成された剛性の弱い回動部の周辺の一部」とは「回動部23」(上記「連結凹部」に相当。)を含むことは明らかであり,更に,原審の拒絶理由に引用された,国際公開第2007/023847号の[0028]及び図8にも,ヒンジの内,回動部の周辺の一部を覆う位置に金属構造体を配置することが示されてことにも鑑みれば,相違点2は何ら格別ではない。 したがって,相違点2は当業者が容易になし得ることに過ぎない。 そして,補正後の発明に関する作用・効果も,引用発明から当業者が予測できる範囲のものである。 以上のとおりであるから,補正後の発明は引用発明に基いて容易に発明することができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4.結語 以上のとおり,本件補正は,補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1.本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので,本願発明は,上記「第2 補正却下の決定」の「1.本願発明と補正後の発明」の項で「本願発明」として認定したとおりである。 2.引用発明 引用発明は,上記「第2 補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の「(2)引用発明」の項で認定したとおりである。 3.対比・判断 そこで,本願発明と引用発明とを対比するに,本願発明は,補正後の発明から本件補正に係る構成を省いたものである。 そうすると,本願発明の構成に本件補正に係る限定を付加した補正後の発明が,上記「第2 補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項で検討したとおり,引用発明に基いて容易に発明することができたものであるから,上記補正後の発明から本件補正に係る限定を省いた本願発明も,同様の理由により,容易に発明できたものである。 4.むすび 以上のとおり,本願発明は,引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2014-02-20 |
結審通知日 | 2014-02-25 |
審決日 | 2014-03-11 |
出願番号 | 特願2008-279954(P2008-279954) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04M)
P 1 8・ 575- Z (H04M) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山岸 登 |
特許庁審判長 |
菅原 道晴 |
特許庁審判官 |
山澤 宏 新川 圭二 |
発明の名称 | 携帯電子機器 |
代理人 | 志賀 正武 |