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審判番号(事件番号) データベース 権利
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判定2014600021 審決 特許
判定2014600025 審決 特許
判定2014600057 審決 特許
判定2014600047 審決 特許

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審決分類 審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) E04H
管理番号 1289623
判定請求番号 判定2014-600006  
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 2014-08-29 
種別 判定 
判定請求日 2014-03-07 
確定日 2014-07-10 
事件の表示 上記当事者間の特許第4271774号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 イ号製品説明書に示す落下防止装置は、特許第4271774号の特許請求の範囲の請求項3に係る発明の技術的範囲に属しない。 
理由 第1 判定請求人の請求の趣旨及び被請求人の答弁の趣旨

本件判定請求の趣旨は,イ号製品説明書に示す落下防止装置(以下,「イ号物件」という。)が,特許第4271774号の特許請求の範囲の請求項3に係る発明(以下,「本件特許発明」という。)の技術的範囲に属する,との判定を求めたものである。


第2 本件特許発明

本件特許発明は,特許明細書及び図面の記載からみて,特許請求の範囲の請求項3に記載されたとおりのものであり,構成要件に分説すると,次のとおりである。(以下,各構成要件を「構成要件A」等という。)
「A. 自動車が載置されるパレットを昇降する昇降装置を備えた立体駐車機に取り付けられ,該パレットの落下を防止するパレット落下防止装置であって,
B. 当該装置の筐体と一体に形成され,前記立体駐車機を構成する支柱又は桁に当該装置を取り付けるための取付孔,及び当該装置を仮止めするための仮止孔を有する取付板を備え,
C. 前記仮止孔に雌ネジを形成したことを特徴とするパレット落下防止装置。」


第3 イ号物件

1.請求人によるイ号物件の特定
請求人は判定請求書の「6 請求の理由(4)イ号製品の説明」において,「イ号製品の構成は別紙イ号製品説明書記載のとおりである」とし,「イ号製品説明書」において,

「a イ号製品は,自動車が載置されるパレットを昇降する昇降装置を備えた立体駐車機に取り付けられ,そのパレットの落下を防止するパレット固定ユニット1(Pallete Fixer Unit)である。
b イ号製品は,パレット固定ユニットの筐体1と一体に形成された取付板2を備え,取付板2は,立体駐車場の支柱又は桁にパレット固定ユニット(イ号製品)を取り付けるための取付孔3?4及びパレット固定ユニット(イ号製品)を仮止めするための仮止孔5を有する。
c 仮止孔5には雌ネジが形成されている。ただし,取付板2自体の孔の内周面5aには雌ネジが形成されておらず,取付板2の裏面に固定されたナット部材5bの内周面に雌ネジが形成されている。」と説明している。


2.当審によるイ号物件の特定

イ号物件は,請求人の提出したイ号製品説明書及び甲第2号証写真1?16に記載されたものであるが,上記「仮止孔5」の説明は,判定請求書,イ号製品説明書,甲第2号証からみて明確でないので,被請求人の提出した答弁書を参酌して以下,検討する。

被請求人の提出した答弁書に添付された乙第1号証は「イ号製品の仕様書及び取扱注意事項」であり,また,乙第2号証はイ号製品の取付強度についての荷重試験が記載されている。
そして,答弁書の7.(2)では,以下のように主張されている。
「上記『イ号製品説明書』の【写真1】において取付板2には,長手方向に一側部に一列に並んだ3つの孔が認められる。また,同【写真2】,【写真3】では,取付板2の裏面の,この3つの孔のうち真ん中の孔位置において,内周面に雌ネジが形成されているナット部材5bが固定されていることが認められる。
・・・(中略)・・・
この『ナット付き取付孔』は,パレット固定ユニットの立体駐車場の支柱又は桁への取付けにおいて,必須の取付孔となるものである。イ号製品は,取付板2の長手方向の一側部に一列に並んだ3つの孔を,いずれも取付孔として作用させることで初めて,パレットを支持してその落下を防止するために必要十分な強度を得ているのである。」

請求人の提出した判定請求書,判定請求書に添付されたイ号製品説明書に基づき,被請求人の上記主張を参酌して,イ号物件は次のとおりのものと特定する。(以下,各構成を「構成(a)」等という。)

【イ号物件】
「(a)自動車が載置されるパレットを昇降する昇降装置を備えた立体駐車機に取り付けられ,そのパレットの落下を防止するパレット固定ユニットであって,
(b)パレット固定ユニットの筐体1と一体に形成された取付板2を備え,取付板2は,立体駐車場の支柱又は桁にパレット固定ユニットを取り付けるための一側部に一列に並んだ3つの孔を備え,この3つの孔のうち真ん中の孔位置において,取付板2の裏面にナット部材5bが固定されており,
(c)真ん中の取付孔は,取付板2自体の孔の内周面5aには雌ネジが形成されておらず,固定されたナット部材5bの内周面に雌ネジが形成されているパレット固定ユニット。」


第4 当事者の主張

1.請求人の主張

請求人は,判定請求書において,概略次の理由により,イ号物件は本件特許発明の技術的範囲に属する旨を主張している。(「イ号製品」は,「イ号物件」と読み替える。以下同様。)

(1)構成要件Bの「仮止孔を有する取付板」とは,「板」自体にくりぬかれた孔のみを意味すると限定的に解釈すべきではなく,「板」と何らかの部材が一体となって「孔」(向こうまで突き抜けた所)が構成されていてもよい。
(2)構成要件Cの「前記仮止孔に雌ネジを形成したこと」について,ボルトのみを用いて,仮止孔に形成された雌ネジと螺合させることで,装置を固定できる機能を有していれば,本件発明の課題を解決できる。そのためには取付板自体に雌ネジが形成されている必要はなく,取付板に設けられた仮止孔の一部に雌ネジが形成されていれば足りる。
(3)当業者であれば必ずしも取付板22自体の孔の内周面に雌ネジを形成する場合だけでなく,仮止孔に形成された雌ネジに関する限定はなく,取付板22とナット機能を果たす部材が一体となって仮止孔H2を形成することは当然に認識できたものであるから明細書に記載されているに等しいといえる。
(4)構成要件Cの「前記仮止孔に雌ネジを形成した」の「仮止孔」は,他の部材と一体に構成された孔であってもよく,その内周面の一部に雌ネジが形成されているものであってもよい。
(5)イ号物件のナット部材5bが一体となった構成は,「仮止めするための」機能を果たすことができるので,取付板自体の孔とナット部材を含めた全体の構成を「仮止孔」と捉えるべきである。


2.被請求人の主張
被請求人は,判定請求答弁書において,イ号物件は,本件特許発明の技術的範囲に属さない理由を次のように主張している。

(1)イ号物件は,取付板2の長手方向の一側部に一列に並んだ3つの孔を,いずれも取付孔として作用させることでパレットを支持してその落下を防止するために必要十分な強度を得ているものであり,「その取付作業や取替作業で作業者が一人の場合でも容易に行えるようにするために,パレット固定ユニットを仮止めする」といった技術的思想は存在しない。
(2)仮に「ナット付き取付孔」を仮止めしても,不安定さが残り引き続きこれを支える必要がある。また,パレット固定ユニットを仮止めするのであれば,「ナット付き取付孔」に先にボルトを取付け,その後に,他の孔にボルトを取付けるといったボルトの取付けに順序が発生することとなるが,イ号物件にはそのような制限はない。
(3)仮止孔ではない「ナット付き取付孔」が取付板2の一側部に一列に並んだ3つの孔のうちの真ん中の孔位置において,その裏面にナット部材5bを固定してなる構成である意義について説明する。そのような構成としなければ,パレット固定ユニットの立体駐車場の支柱又は桁への取付作業時に,当該孔位置でのネジ締めが不可能となるからである。
(4)本件発明のパレット防止装置が備えるべき,パレットを支持してその落下を防止するための必要な強度等は,仮止めを行った後の,取付孔を通じたボルトとナットによるネジ締めにより達成されているものと考えられる。仮止孔の目的が,あくまで仮止めであることを鑑みれば,仮止孔を通じた雄ネジの螺合によっては,備えるべき強度に寄与しないと思量することが合理的である。
(5)3ヶ所止めにて必要十分な強度を得てパレットを支持するイ号物件と,本件特許発明とは,課題及び効果が明確に異なっている。
(6)孔が形成されている板等の孔位置にナットを固定しておき,固定されたナットへ,取付作業時にボルト等を螺合しようとする手段は,従来周知(乙第3?6号証)である。


第5 対比・判断

イ号物件が本件特許発明に係る前記分説した各構成要件A?Cを充足するか否かについて,以下に対比・判断をする。

1.構成要件Aの充足性について

イ号物件の構成(a)は,本件特許発明の構成要件Aを充足しており,この点について被請求人も争っていない。

2.構成要件Bの充足性について

(1)イ号物件の構成(b)と,本件特許発明の構成要件Bを対比する。
構成要件Bにおいて,取付板が「当該装置を仮止めするための仮止孔」を有するのに対し,イ号物件の構成(b)は,取付板が「パレット固定ユニットの筐体1と一体に形成された取付板2を備え,取付板2は,立体駐車場の支柱又は桁にパレット固定ユニットを取り付けるための一側部に一列に並んだ3つの孔を備え,この3つの孔のうち真ん中の孔位置において,取付板2の裏面にナット部材5bが固定されて」いる。

(2)本件特許発明の構成要件Bの「当該装置を仮止めするための仮止孔」とイ号物件の構成(b)の「真ん中の取付孔」の技術的関係について,以下に検討する。

本件発明は,落下防止装置に係る物の発明であって,その構成として「取付孔」と「仮止孔」の二つの孔を備えているところ,両孔の構成の差異については,その用途をもって特定されているだけで,物の構成としての差異は明らかでないが,別の構成として明示されている以上,その構成は異なるものであると解するべきである。
そこで,本件特許明細書を参酌すると,そこには,構成要件Bの「当該装置を仮止めするための仮止孔」に関して,次のように記載されている。(下線は当審にて付した。)

(a)「【請求項3】(中略)当該装置を仮止めするための仮止孔を有する取付板を備え,前記仮止孔に雌ネジを形成したことを特徴とするパレット落下防止装置。」

(b)「【0015】
このように構成された本発明のパレット落下防止装置では,当該装置を立体駐車機を構成する支柱又は桁に取り付ける際に,まず,雌ネジが形成された仮止孔を用いて,これと螺合する雄ネジが形成されたボルトにより仮止めする。この仮止めは,ナットを必要としないため,例えば,当該装置を片手で支えていても,他方の片手で簡単にネジ止めすることができる。」

(c)「【0022】
このうち,取付板22には,ボルトを貫通させる大径の取付孔H1と,仮止用に設けられた小径の仮止孔H2とが穿設されており,仮止孔H2の内周面には雌ネジが形成されている。また,筐体24の前壁24aには,後述するレバー28を出し入れするための開口部26が形成されている。そして,これら取付板22と筐体24とは,溶接により一体化されている。」

(d)「【0029】
このように構成されたパレット落下防止装置20は,次のようにして,立体駐車機2を構成する桁Kの下部に固定される。
即ち,まず,取付板22に形成された仮止孔H2と,これに対応して桁Kに形成された桁側仮止孔とを重ね合わせるように,パレット落下防止装置20の位置決めを行い,仮止孔H2の雌ネジに螺合する雄ネジが形成されたボルトを,重ね合わされた桁側仮止孔,仮止孔H2に,桁Kの上側から挿入してネジ止めする。これにより,取付孔H1と桁Kに形成された桁側取付孔とが,重ね合わされた状態となるため,これにボルトを貫通させ,ナットにて締め付けることにより,パレット落下防止装置20の取付作業を終了する。」
(e)「【0033】・・・(中略)・・・
また,本実施例のパレット落下防止装置20においては,当該装置20を桁Kの下部に取り付けるための取付板22に,取付孔H1及び仮止孔H2が穿設されており,特に仮止孔H2の内周面には雌ネジが形成されている。【0034】
このため,仮止孔H2を用いて,仮止めを行う際には,仮止孔H2の雌ネジに螺合するボルトを用いることで,ナットを使用することなく,パレット落下防止装置20を桁Kに固定することができる。このため,片手で当該装置20を支持していても,他方の片手のみでボルト締めを行うことができ,一人で仮止め作業を行うことができる。」

(f)図1の記載から,取付板22において,レバー28側である一側部に取付孔H1が穿設され,カバー25側である他側部に仮止孔H2が穿設されることが見て取れる。

(3)以上のことからすると,本件特許発明の「当該装置を仮止めするための仮止孔」は,上記記載事項(a)の「仮止孔を有する取付板を備え,前記仮止孔に雌ネジを形成したものであって」,それによって上記記載事項(b)「ナットを必要としないため,例えば,当該装置を片手で支えていても,他方の片手で簡単にネジ止めすることができる」,及び,記載事項(d)「仮止孔H2の雌ネジに螺合する雄ネジが形成されたボルトを,重ね合わされた桁側仮止孔,仮止孔H2に,桁Kの上側から挿入してネジ止めする」作用を生ずるものである。
また,パレット落下防止装置20がパレットを支持する際には,レバー8の凸条部40がパレットと当接し,レバー8に対し,パレットの荷重が下方向に作用する。そして,パレットの荷重により凸条部40に加わる力は,パレット落下防止装置20に回転力を生じさせるものとなる。つまり,パレット落下防止装置20には,一側部において下方,他側部においては上方の力が作用するものと解される。
してみれば,取付孔H1においては,パレット落下防止装置20の重量とパレットの荷重の大部分を担う取付孔としての強度が必要となるのに対し,仮止孔H2においては,仮止めのためにパレット落下防止装置20の重量に耐え得る程度の強度が要求されるものの,取付孔としての機能は要求されるものではないと解すべきである。

(4)イ号物件の「真ん中の取付孔」は,取付板の真ん中の取付孔の内周面には雌ネジが形成されておらず,ボルト締めに際しては,取付板の裏面に固定されたナットを使用するものであり,他の2つの取付孔と同じ孔径を有するものと解される。
そうすると,イ号物件の「真ん中の取付孔」は,取付板に穿設された孔の内周面に雌ネジが形成されておらず,ナットを必要とするものであり,イ号物件の「真ん中の取付孔」は本件発明の「当該装置を仮止めするための仮止孔」に相当しない。
また,仮に,本件発明の仮止孔が,雌ネジをナットのような付加的な部材の形態で備えるものを包含するとしても,被請求人が提出するイ号物件の仕様書である乙第1号証には「4.定格 4-7耐静荷重・30kNの荷重を加えてゆき,製品の亀裂,破壊(変形は除く)が無きこと。」と記載され,乙第2号証の「荷重試験による取付強度検証」において,真ん中の取付孔にボルトを締め付けない場合は,耐静荷重30kNを満足できないことが示されているように,イ号物件における構成(b)の「一側部に一列に並んだ3つの孔」は,いずれもパレットの落下を防止する機能を実現するために,パレット固定ユニットを取り付けるものであり,「真ん中の取付孔」はパレット固定ユニットの取付孔として作用するのに必要な強度を備えるものであって,また,他の2つの取付孔よりも先にボルトを取付け,仮止めすることを目的とするものではないので,イ号物件の「真ん中の取付孔」は,仮止めするための「仮止孔」に相当するものとは言えない。
むしろ,イ号製品の構成及び説明によれば,乙第1号証の「特記事項 (3)本製品を取り付けの際はM12ボルト(強度区分4.8以上)3ヶ所止めにて取り付けて下さい。」(注:丸数字は括弧数字として表示する。)の記載から,真ん中の孔は,ボルトとナットにより締め付けられる取付孔として構成されるところ,乙第2号証の報告書に記載のように筐体内部に手やナットを挿入できる隙間のない構成であるから,ナットの取付が困難であることに鑑みて予めナットが固定されたものとみるべきであって,仮止孔としての使用を目的として構成されたものではないと解される。

(5)よって,イ号物件の構成(b)の「パレット固定ユニットの筐体1と一体に形成された取付板2を備え,取付板2は,立体駐車場の支柱又は桁にパレット固定ユニットを取り付けるための一側部に一列に並んだ3つの孔を備え,この3つの孔のうち真ん中の孔位置において,取付板2の裏面にナット部材5bが固定されており」は,本件特許発明の構成要件Bの「当該装置の筐体と一体に形成され,前記立体駐車機を構成する支柱又は桁に当該装置を取り付けるための取付孔,及び当該装置を仮止めするための仮止孔を有する取付板を備え」を充足していない。


3.構成要件Cの充足性について

イ号物件の構成(c)と,本件特許発明の構成要件Cを対比すると,本件特許発明の構成要件Cは,「前記仮止孔に雌ネジを形成したことを特徴とするパレット落下防止装置。」であるところ,上記2.に記載のように,イ号物件の「真ん中の取付孔」は,取付板22に穿設された仮止めするための仮止孔に相当するものではないので,イ号物件の構成cは,本件特許発明の構成要件Cを充足していない。

4.均等の判断
(1)請求人の主張
請求人は,判定請求書6.(5)エにおいて,「仮に,本件特許発明の「仮止孔」が,取付板自体の孔であると限定的に解釈し,イ号製品が文言上,構成要件Cを充足しないとしても」,「雌ネジは仮止めする手段として何らかの形でナットの機能を果たす雌ネジが形成されておれば足り,必ずしも仮止孔自体に雌ネジが形成されていることが本質的部分となるわけではなく,均等侵害である。」旨を主張している。

(2)被請求人の主張
被請求人は,判定請求答弁書において,「イ号製品は,仮止孔や仮止めする技術的思想が存在しないから,本件特許発明の技術的範囲と均等なものとしても認められない。」旨を主張している。

(3)当審の判断
請求人は,「仮に,本件特許発明の「仮止孔」が,取付板自体の孔であると限定的に解釈」した場合に,構成要件Cを充足しないことを前提として,均等侵害を主張するものであるが,そもそも,上記2.において記載したように,イ号物件は,本件特許発明の「当該装置を仮止めするための仮止孔を有する取付板」に対応する構成を有しておらず,そして,パレット落下防止装置を仮止めするという技術的思想を有するものではないから,本件特許発明の構成要件Cを充足する前提を欠くものである。
そうすると,上記請求人の主張する「雌ネジは仮止めする手段として何らかの形でナットの機能を果たす雌ネジが形成されておれば足り,必ずしも仮止孔自体に雌ネジが形成されていることが本質的部分となるわけではな」いか否かは,上記3.の「構成要件Cを充足していない」との結論に影響を及ぼすものではない。
したがって,上記請求人の主張は採用できるものではない。


第6 むすび

以上のとおり,イ号物件は本件特許得発明の構成要件B,Cを充足しないから,イ号物件は,本件特許発明の技術的範囲に属しない。

よって,結論のとおり判定する。
 
別掲
 
判定日 2014-06-30 
出願番号 特願平11-137275
審決分類 P 1 2・ 1- ZB (E04H)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 新田 亮二  
特許庁審判長 高橋 三成
特許庁審判官 竹村 真一郎
中川 真一
登録日 2009-03-06 
登録番号 特許第4271774号(P4271774)
発明の名称 パレット落下防止装置  
代理人 福田 伸一  
代理人 松本 賢人  
代理人 名古屋国際特許業務法人  
代理人 田村 拓也  
代理人 水野 健司  
代理人 水崎 慎  

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