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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1290232
審判番号 不服2013-1533  
総通号数 177 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-01-28 
確定日 2014-07-29 
事件の表示 特願2010-507648「照明デバイスおよび照明方法」拒絶査定不服審判事件〔平成20年11月13日国際公開、WO2008/137977、平成22年 8月 5日国内公表、特表2010-527156〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯・本願発明
本願は、2008年5月8日(パリ条約による優先権主張2007年5月8日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成22年1月12日付け及び平成24年7月25日付けで手続補正がなされ、同年9月25日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成25年1月28日付けで拒絶査定不服審判請求がなされ、その後当審において、同年7月19日付けで拒絶理由が通知され、平成26年1月21日付けで手続補正がなされたものである。

そして、本願の請求項に係る発明は、平成26年1月21日付け手続補正による補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された以下の事項によって特定されるものと認められる。

「【請求項1】
照明デバイスであって、
少なくとも1つの固体発光体を含む第1のグループの固体発光体と、
第1のルミネッセンス材料と
を備え、
前記第1のグループの固体発光体はそれぞれ、光照射状態で、近紫外線領域内にピーク波長を有する光を放射し、
前記ルミネッセンス材料は、励起された場合、約490nm?約555nmの範囲内に主波長を有する光を放射し、
前記第1のグループの固体発光体それぞれが光照射状態で、前記第1のルミネッセンス材料の少なくとも一部が励起された場合、(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され前記照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光との混合は、他の光が存在しない場合に、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が前記第2の点と第3の点を結び、第3の線分が前記第3の点と第4の点を結び、第4の線分が前記第4の点と第5の点を結び、第5の線分が前記第5の点と前記第1の点を結び、前記第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、前記第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、前記第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、前記第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、前記第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、前記第1の線分、前記第2の線分、前記第3の線分、前記第4の線分、および前記第5の線分によって囲まれた1931CIE色度図上の領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合された光の照射をもたらすよう構成されている
ことを特徴とする照明デバイス。
【請求項2】
請求項1記載の照明デバイスにおいて、前記第1のグループの固体発光体それぞれが光照射状態で、前記第1のグループの固体発光体から放射された少なくとも一部の光が前記第1のルミネッセンス材料の少なくとも一部を励起するよう構成され、(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され前記照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光との混合は、他の光が存在しない場合に、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が前記第2の点と第3の点を結び、第3の線分が前記第3の点と第4の点を結び、第4の線分が前記第4の点と第5の点を結び、第5の線分が前記第5の点と前記第1の点を結び、前記第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、前記第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、前記第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、前記第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、前記第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、前記第1の線分、前記第2の線分、前記第3の線分、前記第4の線分、および前記第5の線分によって囲まれた1931CIE色度図上の領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合された光の照射をもたらすよう構成されている
ことを特徴とする照明デバイス。
【請求項3】
請求項1又は2記載の照明デバイスにおいて、該照明デバイスは少なくとも第1のパッケージを備え、該パッケージは、前記第1のグループの固体発光体の少なくとも1つと、前記第1のルミネッセンス材料の少なくとも一部とを含んでいることを特徴とする照明デバイス。
【請求項4】
請求項1?3いずれかに記載の照明デバイスにおいて、該照明デバイスは更に光照射状態で約600nm?約630nmの範囲内に主波長を有する光を放射する少なくとも1つの固体発光体を備えていることを特徴とする照明デバイス。
【請求項5】
請求項1?3いずれかに記載の照明デバイスにおいて、該照明デバイスは更に光照射状態で約600nm?約630nmの範囲内に主波長を有する光を放射する少なくとも1つの固体発光体を備え、
前記第1のグループの固体発光体のそれぞれと、約600nm?約630nmの範囲内に主波長を有する光を放射する前記少なくとも1つの固体発光体とが光照射状態の場合に、(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され前記照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光と、(3)約600nm?約630nmの範囲内に主波長を有する光を放射する前記少なくとも1つの固体発光体によって放射されて前記照明デバイスから放射される光との混合は、別の光が存在しない場合に、1931CIE色度図上の黒体軌跡上の少なくとも1つの点の20マクアダム楕円内にある1つの点を定義する1931CIE色度図上のx、y座標を持つ混合された光の照射をもたらすよう構成されている
ことを特徴とする照明デバイス。
【請求項6】
請求項5記載の照明デバイスにおいて、前記第1のグループの固体発光体のそれぞれと、約600nm?約630nmの範囲内に主波長を有する光を放射する前記少なくとも1つの固体発光体とが光照射状態の場合に、前記照明デバイスから放射される光は、少なくとも85のCR Raを有することを特徴とする照明デバイス。
【請求項7】
請求項1?3いずれかに記載の照明デバイスにおいて、該照明デバイスは、励起されると約600nm?約630nmの範囲内に主波長を有する光を放射する第2のルミネッセンス材料を備え、前記第1のグループの固体発光体のそれぞれが光照射状態である場合に、(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され前記照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光と、(3)前記第2のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光との混合は、別の光が存在しない場合に、1931CIE色度図上の黒体軌跡上の少なくとも1つの点の20マクアダム楕円内にある1つの点を定義する1931CIE色度図上のx、y座標を持つ混合光の照射をもたらすよう構成されてい
ることを特徴とする照明デバイス。
【請求項8】
請求項7記載の照明デバイスにおいて、前記第1のグループの固体発光体のそれぞれが光照射状態の場合に、前記照明デバイスから放射される光は、少なくとも85のCR Raを有することを特徴とする照明デバイス。
【請求項9】
請求項1記載の照明デバイスにおいて、
該照明デバイスは更に、少なくとも第1の電力線を備え、
該第1の電力線にエネルギーが供給されたとき、(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され前記照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光との混合は、他の光が存在しない場合に、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が前記第2の点と第3の点を結び、第3の線分が前記第3の点と第4の点を結び、第4の線分が前記第4の点と第5の点を結び、第5の線分が前記第5の点と前記第1の点を結び、前記第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、前記第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、前記第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、前記第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、前記第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、前記第1の線分、前記第2の線分、前記第3の線分、前記第4の線分、および前記第5の線分によって囲まれた1931CIE色度図上の領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合された光の照射をもたらすよう構成されている
ことを特徴とする照明デバイス。
【請求項10】
請求項9記載の照明デバイスにおいて、
該照明デバイスは更に、約600nm?約630nmの範囲内に主波長を有する光を放射する少なくとも1つの発光体を備え、
前記第1の電力線にエネルギーが供給されたとき、(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され前記照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光と、(3)約600nm?約630nmの範囲内に主波長を有する光を放射する前記少なくとも1つの発光体によって放射されて前記照明デバイスから放射される光との混合は、別の光が存在しない場合に、1931CIE色度図上の黒体軌跡上の少なくとも1つの点の20マクアダム楕円内にある1つの点を定義する1931CIE色度図上のx、y座標を持つ混合された光の照射をもたらすよう構成されている
ことを特徴とする照明デバイス。
【請求項11】
請求項1?10記載の照明デバイスにおいて、前記第1のグループの固体発光体の少なくとも1つは発光ダイオードであることを特徴とする照明デバイス。
【請求項12】
照明方法であって、
少なくとも1つの固体発光体を含む第1のグループの固体発光体に光照射を行わせて近紫外線領域にピーク波長を有する光を照射するステップと、
第1のルミネッセンス材料の少なくとも一部を励起して約490nm?約555nmの範囲内に主波長を有する光を放射するステップと
を含み、
(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射され前記照明デバイスから放射される光との混合は、別の光が存在しない場合に、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が前記第2の点と第3の点を結び、第3の線分が前記第3の点と第4の点を結び、第4の線分が前記第4の点と第5の点を結び、第5の線分が前記第5の点と前記第1の点を結び、前記第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、前記第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、前記第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、前記第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、前記第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、前記第1の線分、前記第2の線分、前記第3の線分、前記第4の線分、および前記第5の線分によって囲まれた1931CIE色度図上の領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合された光の照射をもたらす
ことを特徴とする照明方法。
【請求項13】
請求項12記載の照明方法において、前記第1のグループの固体発光体から放射された光の少なくとも一部は、前記ルミネッセンス材料の少なくとも一部を励起することを特徴とする照明方法。
【請求項14】
請求項12又は13記載の照明方法において、
該方法はさらに、約600nm?約630nmの範囲内にピーク波長を有する光を放射する第2のルミネッセンス材料を励起するステップを備え、
(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され前記照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光と、(3)前記第2のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光との混合は、別の光が存在しない場合に、1931CIE色度図上の黒体軌跡上の少なくとも1つの点の20マクアダム楕円内にある1つの点を定義する1931CIE色度図上のx、y座標を持つ混合された光の照射をもたらす
ことを特徴とする照明方法。
【請求項15】
請求項12又は13記載の照明方法において、
該方法はさらに、約600nm?約630nmの範囲内に主波長を有する光を放射する少なくとも1つの固体発光体を励起するステップを備え、
(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され前記照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光と、(3)約600nm?約630nmの範囲内に主波長を有する光を放射する前記少なくとも1つの固体発光体によって放射されて前記照明デバイスから放射される光との混合は、別の光が存在しない場合に、1931CIE色度図上の黒体軌跡上の少なくとも1つの点の20マクアダム楕円内にある1つの点を定義する1931CIE色度図上のx、y座標を持つ混合された光の照射をもたらす
ことを特徴とする照明方法。」(以下、請求項1、2、9及び12に係る発明を、それぞれ、「本願発明1」、「本願発明2」、「本願発明9」及び「本願発明12」という。)


第2 当審において通知した拒絶の理由
当審において平成25年7月19日付けで通知した拒絶の理由の概要は、次のとおりである。

「第1 記載不備(特許法第36条第4項第1号、同条第6項第2号)
この出願は、発明の詳細な説明及び特許請求の範囲の記載が、下記の点で特許法第36条第4項第1号及び同条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。



ア …
イ 本願の請求項1及び12には、「…第1のグループの固体発光体はそれぞれ、光照射状態で、約380nm?約430nmの範囲内にピーク波長を有する光を放射し、前記ルミネッセンス材料は、励起された場合、約490nm?約555nmの範囲内に主波長を有する光を放射し、前記第1のグループの固体発光体それぞれが光照射状態で、前記第1のルミネッセンス材料の少なくとも一部が励起された場合、(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され前記照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光との混合は、他の光が存在しない場合に、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が前記第2の点と第3の点を結び、第3の線分が前記第3の点と第4の点を結び、第4の線分が前記第4の点と第5の点を結び、第5の線分が前記第5の点と前記第1の点を結び、前記第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、前記第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、前記第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、前記第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、前記第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、前記第1の線分、前記第2の線分、前記第3の線分、前記第4の線分、および前記第5の線分によって囲まれた1931 CIE色度図上の領域内にある点を定義するx、y色座標(以下「本願色座標」という。)を有する混合された光の照射をもたらすよう構成されている」等と記載されている。
しかしながら、「(約380nm?約430nmの範囲内に主波長を有する光を放射する)第1のグループの固体発光体」及び「(約490nm?約555nmの範囲内に主波長を有する光を放射する)ルミネッセンス材料」を用いたとしても、そもそも、色度図上の2点の表す2つの色を混ぜた色は、その2点を結ぶ線上の色になるから(必要なら、特開2006-350916号公報(【0003】)、特開平8-43206号公報(【0016】)参照。)、これらの二つの発光体を用いても、原理的に本願色座標を有する混合光を得ることはできないものと解される。
よって、当業者は、本願明細書を見ても、請求項1、12及びそれらを引用する各請求項に係る発明を実施することができない(審決注:以下、この理由を「理由a」という。)。
ウ 本願の請求項1、2、9及び12には、上記イで摘記したのと同様の記載がされているが、
(ア)…
(イ)上記(1)及び(2)の光の混合によって本願色座標の光をもたらすようにした理由(技術上の意義)が不明であって、当業者は、本願明細書を見ても、一体、何が発明であるのかを理解することができない(審決注:以下、この理由を「理由b」という。)。
(ウ)具体的に、一体、何をどのようにすれば、上記(1)及び(2)の光の混合により、本願色座標の光をもたらすようにできるのか不明であるから、当業者は、本願明細書を見ても、請求項1、2、9及び12に係る発明を実施することができない(審決注:以下、この理由を「理由c」という。)。
エ …
オ …
カ …


第2 進歩性(特許法第29条第2項)
本願出願の請求項1?15に係る発明(以下、それぞれを「本願発明1」?「本願発明15」という。)は、その優先日前日本国内または外国において頒布された下記の引用刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献については引用文献一覧参照)

備考;
(1)本願発明4、7、8、10、11、14に対して
引用刊行物1には、「励起光源として400nmの発光スペクトルを有する発光素子を使用し、蛍光体として、BaSi_(2)O_(2)N_(2):Euオキシ窒化物蛍光体を用いる発光装置であって、前記BaSi_(2)O_(2)N_(2):Euオキシ窒化物蛍光体の発光ピーク波長は496nmであり(表1、実施例1)、蛍光体中には、オキシ窒化物蛍光体と共に、赤色に発光する(Ca,Sr)_(2)Si_(5)N_(8):Euからなる第2の蛍光体が含まれている、白色系発光装置。」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。そして、引用発明において、演色性を高めるために、「(400nmの発光スペクトルを有する)発光素子」からの光と「(発光ピーク波長が496nmである)BaSi_(2)O_(2)N_(2):Euオキシ窒化物蛍光体」からの光の混合が、1931CIE色度図上でどのx、y色座標に位置するものとなすか、また、赤色発光蛍光体の発光主波長をどの範囲となすかは、いずれも当業者が、当該引用発明を実施する上で設計上適宜に定めるべき事項であるところ、本願明細書の記載をみても、本願発明4、7、8、10、11、14において、上記光の混合が、本願の請求項1に記載されたような領域内のx、y色座標に位置するものとした点、及び、赤色発光蛍光体の発光主波長を約600nm?約630nmと定めた点に設計的事項の域を超えるほどの格別の技術的意義があるものとは認められず、本願発明4、7、8、10、11、14の奏する効果が、引用発明から当業者が予測困難な程の格別顕著なものということはできない。
また、白色発光する発光ダイオード光源において、黒体放射軌跡に沿った発光が得られるようになすことが本願の優先日時点で周知であることに照らせば(必要なら、引用刊行物2?4参照。)、引用発明において、「(赤色発光の)第2の蛍光体」からの光を混合したものが、1931CIE色度図上の黒体軌跡に載る少なくとも1つの点の20マクアダム楕円内に収まるようになすことは、当業者が必要に応じて適宜になし得る設計的事項である。
(2)…
(3)本願発明1?3、9、12、13に対して
本願発明1?3、9、12、13も、上記(1)及び(2)と同様の理由で、当業者が容易に発明をすることができたものである。

引 用 刊 行 物 一 覧
1 特開2004-210921号公報(特に、【0137】?【0156】、【0092】?【0102】参照。)
2 特開平10-242513号公報(【0028】参照。)
3 特開平11-199781号公報(【0022】参照。)
4 特表2002-510866号公報(【0028】参照。)」


第3 当審の判断
1 記載不備(特許法第36条第4項第1号)について
(1)本願明細書の記載
当審において平成25年7月19日付けで通知した拒絶の理由(上記第2参照。)において「第1 記載不備」として指摘したア?カのうち、イ、ウ(イ)及びウ(ウ)に関連する記載として、本願明細書には以下のア?オがある(なお、以下のア?オは補正されていない。)。

ア 「【0024】

【発明が解決しようとする課題】
【0025】
固体発光体、例えば、発光ダイオードを使用して様々な用途で白色光を利用できるようにし、しかもエネルギー効率を高め、平均演色評価数(CRI Ra)を改善し、発光効率(lm/W)を上げ、および/または耐用期間を延ばすような方法が継続して求められている。」
イ 「【0030】
…白色LEDランプの効率および長寿命という特徴(つまり、比較的に低効率の光源の使用を避ける)と許容可能な色温度、良好な演色評価数、広い範囲にわたって単純な制御回路という特徴を併せ持つ高効率の白色光源が必要である。
【0031】
本発明の主題に従って、高い発光効率を実現しつつ高いCRT Raを実現することを目的として、固体発光体の第1のグループに光照射を行わせ、固体発光体の第1のグループのそれぞれが近紫外線領域内のピーク波長を有する近紫外線を放射するようにすることと、ルミホール(lumiphors)の第1のグループを励起し、ルミホールの第1のグループのそれぞれが約490nmから約555nmの範囲内の主波長を有する光を放射するようにし、ここで、(1)固体発光体の第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光と(2)ルミホールの第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光との混合が、追加の光なしに、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が第2の点と第3の点を結び、第3の線分が第3の点と第4の点を結び、第4の線分が第4の点と第5の点を結び、第5の線分が第5の点と第1の点を結び、第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、第1、第2、第3、第4、および第5の線分によって囲まれた1931 CIE色度図上の領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合光照射をもたらすことと、このような光の混合を、この光の混合と組み合わせたときに白色光と知覚される光をもたらすオレンジ色または赤色の光と組み合わせることとを含む方法が提供される。」
ウ 「【0033】
本発明の主題の第1の態様によれば、照明デバイスが実現され、このデバイスは、固体発光体の第1のグループと、ルミホールの第1のグループとを含み、ここで、固体発光体の第1のグループのそれぞれは、光照射状態の場合に、近紫外線領域のピーク波長を有する光を放射し、ルミホールの第1のグループのそれぞれは、励起された場合、約490nmから約555nmの範囲内の主波長を有する光を放射し、固体発光体の第1のグループのそれぞれが光照射状態の場合、(1)固体発光体の第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光と(2)ルミホールの第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光との混合は、追加の光が存在しない場合に、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が第2の点と第3の点を結び、第3の線分が第3の点と第4の点を結び、第4の線分が第4の点と第5の点を結び、第5の線分が第5の点と第1の点を結び、第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、第1、第2、第3、第4、および第5の線分によって囲まれた1931 CIE色度図上の領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合光照射をもたらす。
【0034】
本発明の主題のこの態様によるいくつかの実施形態では、固体発光体の第1のグループのそれぞれが光照射状態の場合、照明デバイスは、少なくとも85のCRI Ra、いくつかの実施形態では少なくとも90のCRI Ra、いくつかの実施形態では少なくとも92のCRI Ra、および、いくつかの実施形態では少なくとも95のCRI Raを有する光を放射する。
【0035】
本発明の主題の第2の態様によれば、照明デバイスが実現され、このデバイスは、固体発光体の第1のグループと、ルミホールの第1のグループと、少なくとも1つの第1の電力線を含み、ここで、固体発光体の第1のグループのそれぞれは、光照射状態の場合に、近紫外線領域のピーク波長を有する光を放射し、ルミホールの第1のグループのそれぞれは、励起された場合、約490nmから約555nmの範囲内の主波長を有する光を放射し、エネルギーが第1の電力線に供給される場合、(1)固体発光体の第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光と(2)ルミホールの第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光との混合は、追加の光が存在しない場合に、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が第2の点と第3の点を結び、第3の線分が第3の点と第4の点を結び、第4の線分が第4の点と第5の点を結び、第5の線分が第5の点と第1の点を結び、第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、第1、第2、第3、第4、および第5の線分によって囲まれた1931 CIE色度図上の領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合光照射をもたらす。
【0036】
本発明の主題の第3の態様によれば、照明の方法が提供され、この方法は、固体発光体の第1のグループに光照射を行わせ、固体発光体の第1のグループのそれぞれが近紫外線領域内のピーク波長を有する光を放射するようにすることと、ルミホールの第1のグループを励起し、ルミホールの第1のグループのそれぞれが約490nmから約555nmの範囲内の主波長を有する光を放射するようにすることとを含み、ここで、(1)固体発光体の第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光と(2)ルミホールの第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光との混合が、追加の光が存在しない場合に、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が第2の点と第3の点を結び、第3の線分が第3の点と第4の点を結び、第4の線分が第4の点と第5の点を結び、第5の線分が第5の点と第1の点を結び、第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、第1、第2、第3、第4、および第5の線分によって囲まれた1931 CIE色度図上の領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合光照射をもたらす。
【0037】
本発明の主題のこの態様による、いくつかの実施形態では、照明デバイスから放射される光の混合は、少なくとも85のCRI Ra、いくつかの実施形態では少なくとも90のCRI Ra、いくつかの実施形態では少なくとも92のCRI Ra、および、いくつかの実施形態では少なくとも95のCRI Raを有する。

【0042】
本発明の主題の第1および第2の態様によるいくつかの実施形態では、(1)照明デバイスは、さらに、ルミホールの第2のグループを含み、(2)ルミホールの第2のグループは、励起された場合に、約600nmから約630nmの範囲内の主波長を有する光を放射する。このようないくつかの実施形態では、固体発光体の第1のグループのそれぞれが光照射状態の場合に、(1)固体発光体の第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光と(2)ルミホールの第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光と(3)ルミホールの第2のグループによって放射された照明デバイスから放射される光との混合は、追加の光が存在しない場合に、1931 CIE色度図上の黒体軌跡に載っている少なくとも1つの点の40個のマクアダム楕円(または20個のマクアダム楕円、または10個のマクアダム楕円、または5個のマクアダム楕円、または3個のマクアダム楕円)内にある点を定義するx、y座標が1931 CIE色度図上にある組み合わされた光照射をもたらす。
【0043】
本発明の主題の第1および第2の態様によるいくつかの実施形態では、(1)照明デバイスは、さらに、固体発光体の第2のグループを含み、(2)固体発光体の第2のグループは、光照射状態の場合に、約600nmから約630nmの範囲内の主波長を有する光を放射する。このようないくつかの実施形態では、固体発光体の第1のグループのそれぞれが光照射状態であり、固体発光体の第2のグループのそれぞれが光照射状態の場合に、(1)固体発光体の第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光と(2)ルミホールの第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光と(3)固体発光体の第2のグループによって放射された照明デバイスから放射される光の混合は、追加の光が存在しない場合に、1931 CIE色度図上の黒体軌跡に載っている少なくとも1つの点の40個のマクアダム楕円(または20個のマクアダム楕円、または10個のマクアダム楕円、または5個のマクアダム楕円、または3個のマクアダム楕円)内にある点を定義するx、y座標が1931 CIE色度図上にある組み合わされた光照射をもたらす。

【0045】
本発明の主題の第3の態様によるいくつかの実施形態では、この方法は、さらに、ルミホールの第2のグループを励起し、ルミホールの第2のグループのそれぞれが約600nmから約630nmの範囲内の主波長を有する光を放射するようにすることを含む。このようないくつかの実施形態では、(1)固体発光体の第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光と(2)ルミホールの第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光と(3)ルミホールの第2のグループによって放射された照明デバイスから放射される光の混合は、追加の光が存在しない場合に、1931 CIE色度図上の黒体軌跡に載っている少なくとも1つの点の40個のマクアダム楕円(または20個のマクアダム楕円、または10個のマクアダム楕円、または5個のマクアダム楕円、または3個のマクアダム楕円)内にある点を定義するx、y座標が1931 CIE色度図上にある組み合わされた光照射をもたらす。
【0046】
本発明の主題の第3の態様によるいくつかの実施形態では、この方法は、さらに、固体発光体の第2のグループに光照射を行わせ、固体発光体の第2のグループのそれぞれが約600nmから約630nmの範囲内の主波長を有する光を放射するようにすることを含む。このようないくつかの実施形態では、(1)固体発光体の第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光と(2)ルミホールの第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光と(3)固体発光体の第2のグループによって放射された照明デバイスから放射される光の混合は、追加の光が存在しない場合に、1931 CIE色度図上の黒体軌跡に載っている少なくとも1つの点の40個のマクアダム楕円(または20個のマクアダム楕円、または10個のマクアダム楕円、または5個のマクアダム楕円、または3個のマクアダム楕円)内にある点を定義するx、y座標が1931 CIE色度図上にある組み合わされた光照射をもたらす。
【0047】
本発明の主題の第1または第2の態様によるいくつかの実施形態では、エネルギーが第1の電力線に供給される場合、600nmから700nmの範囲外の主波長を有する光を放射する固体発光体およびルミホールからの照明デバイスから放射されるすべての光の混合は、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が第2の点と第3の点を結び、第3の線分が第3の点と第4の点を結び、第4の線分が第4の点と第5の点を結び、第5の線分が第5の点と第1の点を結び、第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、第1、第2、第3、第4、および第5の線分によって囲まれた1931 CIE色度図上の領域内にある点を定義するx、y色座標を有する。
【0048】
本発明の主題の第4の態様によれば、パッケージ化された固体発光体が実現され、このパッケージ化された固体発光体は、第1の固体発光体と、ルミホールの第1のグループとを含み、ここで、第1の固体発光体は、光照射状態の場合に、近紫外線領域のピーク波長を有する光を放射し、ルミホールの第1のグループのそれぞれは、励起された場合、約490nmから約555nmの範囲内の主波長を有する光を放射し、第1の固体発光体が光照射状態の場合、(1)第1の固体発光体によって放射された照明デバイスから放射される光と(2)ルミホールの第1のグループによって放射された照明デバイスから放射される光との混合は、追加の光が存在しない場合に、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が第2の点と第3の点を結び、第3の線分が第3の点と第4の点を結び、第4の線分が第4の点と第5の点を結び、第5の線分が第5の点と第1の点を結び、第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、第1、第2、第3、第4、および第5の線分によって囲まれた1931 CIE色度図上の領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合光照射をもたらす。
【0049】
本発明の主題の第4の態様によるいくつかの実施形態では、パッケージ化された固体発光体は、さらに、ルミホールの第2のグループを含み、ルミホールの第2のグループのそれぞれは、励起された場合に、約600nmから約630nmの範囲内の主波長を有する光を放射する。このようないくつかの実施形態では、第1の固体発光体が光照射状態の場合に、(1)第1の固体発光体によって放射されたパッケージ化された固体発光体から放射される光と(2)ルミホールの第1のグループによって放射されたパッケージ化された固体発光体から放射される光と(3)ルミホールの第2のグループによって放射されたパッケージ化された固体発光体から放射される光の混合は、1931 CIE色度図上の黒体軌跡に載っている少なくとも1つの点の40個のマクアダム楕円(または20個のマクアダム楕円、または10個のマクアダム楕円、または5個のマクアダム楕円、または3個のマクアダム楕円)内にある点を定義するx、y座標が1931 CIE色度図上にある組み合わされた光照射をもたらす。」
エ 「【0062】
黒体軌跡にそって配置される色度座標(つまり、色点)は、プランクの公式E(λ)=Aλ^(-5)/(e^((B/T))-1)に従うが、ただし、Eは放射強度、λは放射波長、Tは黒体の色温度、AおよびBは定数である。黒体軌跡上にある、または黒体軌跡に近い位置にある色座標は、人間観察者にとって心地よい白色光をもたらす。…」
オ 「【0115】
図4は、本発明の主題による照明デバイスの第1の実施形態を示している。
【0116】
図4を参照すると、照明デバイス10が示されている。…
【0117】
第1のパッケージ化されたLED 16aが図5に示されている。LED 16aは、光照射状態のときに、近紫外線領域内のピーク波長を有する光を放射するLEDチップ31、および励起状態のときに、約490nmから約555nmの範囲内に主波長を有する光を放射するルミホール35aを含む。
【0118】
第2のパッケージ化されたLED 16bが図6に示されている。LED 16bは、光照射状態のときに、約600nmから約630nmまでの範囲内に主波長を有する光を放射するLEDチップ21を含む(また、LED 16bはルミホールを含まない)。

【0120】
第1のパッケージ化されたLED 16aによって放射された照明デバイス10から出る光は、1931 CIE色度図上の第1の領域、例えば、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が第2の点と第3の点を結び、第3の線分が第3の点と第4の点を結び、第4の線分が第4の点と第5の点を結び、第5の線分が第5の点と第1の点を結び、第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有し、特定の例では2850Kの光については0.3706、0.4370の、3400Kの光については0.3550、0.4089のx、y座標を有する点を含む、第1、第2、第3、第4、および第5の線分によって囲まれた領域内にある点を定義するx、y色座標を有する、1931 CIE色度図上の点に対応する。
【0121】
第1のパッケージ化されたLED 16aによって放射された照明デバイス10から出る光と、第2のパッケージ化されたLED 16bによって放射された照明デバイス10から出る光との組合せは、1931 CIE色度図上の黒体軌跡上の少なくとも1つの点の10個のマクアダム楕円内にある1931 CIE色度図上の1つの点に対応する。
【0122】
図7は、本発明の主題による照明デバイスの第2の実施形態を示している。第2の実施形態は、第1のパッケージ化されたLED 16aおよび第2のパッケージ化されたLED 16bの代わりに、第2の実施形態はLEDチップ46、第1のルミホール53、および第2のルミホール51を含むパッケージ化されたLED 45(LED 45の一部を示している図8参照)を含むことを除き、第1の実施形態に類似している。LEDチップ46は、光照射状態のときに、近紫外線領域内のピーク波長を有する光を放射する。第1のルミホール53は、励起状態のときに、約490nmから約555nmの範囲内の主波長を有する光を放射する。第2のルミホール51は、励起状態のときに、約600nmから約630nmの範囲内の主波長を有する光を放射する。
【0123】
図9は、本発明の主題による照明デバイスの第3の実施形態を示している。第3の実施形態は、第2のパッケージ化されたLED 16bの代わりに、第3の実施形態では、光照射状態のときに、近紫外線領域にピーク波長を有する光を放射するLEDチップ31、および励起状態のときに約600nmから約630nmまでの範囲内の主波長を有する光を放射するルミホール45aを含むパッケージ化されたLED 16c(図10に示されている)を含むことを除き、第1の実施形態に類似している。

【0125】
図12は、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が第2の点と第3の点を結び、第3の線分が第3の点と第4の点を結び、第4の線分が第4の点と第5の点を結び、第5の線分が第5の点と第1の点を結び、第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、第1、第2、第3、第4、および第5の線分によって囲まれている1931 CIE色度図上の領域50を示している。」

(2)記載不備に関する当審の判断
ア 理由a、cについて
(ア)本願明細書の上記記載(上記(1)ア参照。)によれば、本願特許請求の範囲の請求項1、2、9及び12に係る発明が解決しようとする課題は、「固体発光体、例えば、発光ダイオードを使用して様々な用途で白色光を利用できるようにし、しかもエネルギー効率を高め、平均演色評価数(CRI Ra)を改善し、発光効率(lm/W)を上げ、および/または耐用期間を延ばす」点にあると認められる。
しかるところ、上記(1)イ(【0031】)、ウ(【0042】、【0043】、【0045】、【0046】、【0049】)、エ(【0062】)及びオ(【0118】、【0122】、【0123】)によれば、本願特許請求の範囲の請求項1、2、9及び12に係る発明において、「少なくとも1つの固体発光体を含む第1のグループの固体発光体と、第1のルミネッセンス材料とを備え、前記第1のグループの固体発光体はそれぞれ、光照射状態で、近紫外線領域内にピーク波長を有する光を放射し、前記ルミネッセンス材料は、励起された場合、約490nm?約555nmの範囲内に主波長を有する光を放射し、前記第1のグループの固体発光体それぞれが光照射状態で、前記第1のルミネッセンス材料の少なくとも一部が励起された場合、(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され前記照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光との混合」が、「他の光が存在しない場合に、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が前記第2の点と第3の点を結び、第3の線分が前記第3の点と第4の点を結び、第4の線分が前記第4の点と第5の点を結び、第5の線分が前記第5の点と前記第1の点を結び、前記第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、前記第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、前記第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、前記第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、前記第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、前記第1の線分、前記第2の線分、前記第3の線分、前記第4の線分、および前記第5の線分によって囲まれた1931CIE色度図上の領域(以下「本願特定領域」という。)内にある点を定義するx、y色座標を有する混合された光の照射をもたらすよう構成されている」理由は、「このような光の混合」を「オレンジ色または赤色の光(約600nmから約630nmの範囲内の主波長を有する光)と組み合わせ」たときに、「(人間観察者にとって心地よい)白色光と知覚される光をもたらす」ためであると認められる。
(イ)しかしながら、そもそも、色度図上の2点の表す2つの色を混ぜた色は、その2点を結ぶ線上の色になるから(必要なら、特開2006-350916号公報(【0003】)、特開平8-43206号公報(【0016】)参照。)、「近紫外線領域内にピーク波長を有する光を放射する)第1のグループの固体発光体」と、「(約490nm?約555nmの範囲内に主波長を有する光を放射する)ルミネッセンス材料」を用いたとしても、本願特定領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合された光を得ることは原理的にできないものと解される。
(ウ)加えて、本願明細書には、「(近紫外線領域内にピーク波長を有する光を放射する)第1のグループの固体発光体」と「(約490nm?約555nmの範囲内に主波長を有する光を放射する)ルミネッセンス材料」を用いるにしても、一体何をどのようにすれば、これら「第1のグループの固体発光体」及び「ルミネッセンス材料」からの放射光を混合して、上記本願特定領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合された光を得ることができるのかについて、具体的な説明は何らなされてはいないから、当業者は、本願明細書を見ても、本願特許請求の範囲の請求項1、2、9及び12に係る発明を実施することができない。
(エ)すなわち、本願明細書は、その発明の詳細な説明が、当業者が本願特許請求の範囲の請求項1、2、9及び12に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものであるとはいえないものといえるから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たさないものである。

イ 理由bについて
(ア)上記ア(ア)で述べたとおり、本願明細書の記載によれば、本願特許請求の範囲の請求項1、2、9及び12に係る発明が解決しようとする課題は、「固体発光体(発光ダイオード)を使用して…白色光を利用できるようにし、…エネルギー効率を高め、平均演色評価数(CRI Ra)を改善し、発光効率(lm/W)を上げ、…耐用期間を延ばす」点にあると認められるところ、本願特許請求の範囲の請求項1、2、9及び12に係る発明において、「『(1)第1のグループの固体発光体によって放射される(近紫外線領域内にピーク波長を有する)光』と、『(2)第1のルミネッセンス材料によって放射される(約490nm?約555nmの範囲内に主波長を有する)光』との混合が、他の光が存在しない場合に、本願特定領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合された光の照射をもたらすよう構成されている」理由は、「このような光の混合」を「オレンジ色または赤色の光(約600nmから約630nmの範囲内の主波長を有する光)と組み合わせ」たときに、「白色光と知覚される光をもたらす」ためであると認められる。
(イ)しかしながら、上記「(1)第1のグループの固体発光体によって放射される(近紫外線領域内にピーク波長を有する)光」と、「(2)第1のルミネッセンス材料によって放射される(約490nm?約555nmの範囲内に主波長を有する)光」の混合が、「オレンジ色または赤色の光(約600nmから約630nmの範囲内の主波長を有する光)と組み合わせ」たときに「白色光と知覚される光をもたらす」ものであるにしても、本願明細書には、これら2つの光の混合を、他の光が存在しない場合に、何故、本願特定領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合された光の照射をもたらすよう構成したのかという理由について、具体的な説明は何らされてはいないから、当業者は、本願明細書を見ても、その技術上の意義を全く理解することができず、本願特許請求の範囲の請求項1、2、9及び12に係る発明において、一体何が発明であるのかを理解することができない。
(ウ)すなわち、本願明細書の発明の詳細な説明は、本願特許請求の範囲の請求項1、2、9及び12に係る発明の技術上の意義を当業者が理解できる程度に記載したものということができないものであるから、特許法第36条第4項の経済産業省令(特許法施行規則第24条の2)で定めるところにより記載されたものではない。

ウ 小括
上記アのとおり、本願明細書の発明の詳細な説明は、当業者が本願特許請求の範囲の請求項1、2、9及び12に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものであるとはいえないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
また、上記イのとおり、本願明細書の発明の詳細な説明は、本願特許請求の範囲の請求項1、2、9及び12に係る発明の技術上の意義を当業者が理解できる程度に記載したものであるとはいえず、特許法第36条第4項第1号の経済産業省令(特許法施行規則第24条の2)で定めるところにより記載されたものではない。

2 進歩性(特許法第29条第2項)について
(1)引用刊行物の記載事項
本願の優先日前に頒布され、当審における拒絶の理由に引用した刊行物である特開2004-210921号公報(以下「引用刊行物」という。)には、図とともに下記の事項が記載されている。

ア 「【0015】
…本発明は、紫外から可視光領域の励起光源により励起され、波長変換される青緑色系から緑色系に発光色を有する蛍光体を用いる発光装置を提供することを目的とする。また、発光効率の高い、再現性に優れた発光装置を提供することを目的とする。」
イ 「【0034】
本発明は、紫外から可視光の短波長領域に発光波長を有する励起光源と、該励起光源からの光の少なくとも一部を吸収し、波長変換を行い、前記励起光源の発光色と異なる発光色を有する蛍光体と、を有する発光装置であって、前記蛍光体は、青緑色から緑色系領域に発光ピーク波長を有するBaを必須とするオキシ窒化物蛍光体が含有されていることを特徴とする発光装置に関する。これにより発光効率が高く、演色性に優れた発光装置を提供することができる。また、紫外から可視光の短波長領域に発光波長を有する励起光源からの光の一部と、青緑色から緑色系領域に発光ピーク波長を有するオキシ窒化物蛍光体からの光の一部とが、混色光となり、青紫色から緑色領域に発光色を有する発光装置を提供することができる。
【0035】
ここで、紫外から可視光の短波長領域は、特に限定されないが240?480nmの領域をいう。
【0036】
前記励起光源は、発光素子であることが好ましい。発光素子は、小型で電力効率が良く鮮やかな色の発光をする。また、該発光素子は、半導体素子であるため球切れなどの心配がない。さらに初期駆動特性が優れ、振動やオン・オフ点灯の繰り返しに強いという特徴を有する。そのため、発光素子とオキシ窒化物蛍光体とを組み合わせる発光装置であることが好ましい。
【0037】
前記発光素子の発光層は、Inを含む窒化物半導体を有することが好ましい。これにより、発光素子は、360?410nm付近に発光ピーク波長を有する光を放出し、該発光素子からの光により、前記オキシ窒化物蛍光体が励起され、所定の発光色を示す。前記オキシ窒化物蛍光体は、360?410nm近傍で強く発光するため、該波長域の発光素子が求められているからである。また、発光スペクトル幅を狭くさせることが可能であることから、オキシ窒化物蛍光体を効率よく励起することができるとともに、発光装置からは実質的に色調変化に影響を与えることのない発光スペクトルを放出することができる。

【0039】
前記蛍光体は、オキシ窒化物蛍光体と共に用いられる第2の蛍光体が含有されており、該第2の蛍光体は、前記励起光源からの光、及び、前記オキシ窒化物蛍光体からの光、の少なくとも一部を波長変換し、可視光領域に発光ピーク波長を有していること特徴とする発光装置に関する。これにより、励起光源からの光と、オキシ窒化物蛍光体の光と、第2の蛍光体の光と、の混色により、可視光領域に発光色を有する発光装置を提供することができる。該発光装置は、励起光源の発光色から、オキシ窒化物蛍光体の発光色、又は第2の蛍光体の発光色までの波長域であれば、所望の発光色を放出することができる。

【0042】
前記発光装置は、前記励起光源からの光の一部と、前記オキシ窒化物蛍光体からの光と、前記第2の蛍光体からの光と、のうち少なくとも2以上の光が混合されて放出されることが好ましい。これにより、発光装置の発光色を調整し、所望の発光色を放出することができる。特に、紫外線領域で発光する発光素子を用いる場合、人間の目は、ほとんど紫外線領域の発光色を見ることができない。そのため、オキシ窒化物蛍光体からの光と、第2の蛍光体の光と、の混合による発光色を示す。…
【0043】
前記発光装置は、前記励起光源の有する発光ピーク波長から、前記オキシ窒化物蛍光体の有する発光ピーク波長若しくは第2の蛍光体の有する発光ピーク波長までの、中間の発光色を有することができる。励起光源の有する発光スペクトルは、オキシ窒化物蛍光体、若しくは、第2の蛍光体よりも、短波長側にあり、高いエネルギーを有している。この高いエネルギー領域からオキシ窒化物蛍光体及び第2の蛍光体の低いエネルギー領域までの発光色を放出することができる。…異なる例として、発光素子の発光ピーク波長が紫外領域にあり、励起された第1の蛍光体の発光ピーク波長が緑色にあり、励起された第2の蛍光体の発光ピーク波長が黄色と赤色にある場合、やや黄色みがかった白色系及び多色系の発光色を示すことが可能である。…」
ウ 「【0136】
【実施例】
以下、本発明の実施例について詳述する。
【0137】
(蛍光体)
図4は、実施例1乃至5のオキシ窒化物蛍光体をEx=400nmで励起したときの発光スペクトルを示す図である。…
【0138】
実施例1乃至5は、Baの一部をEuで置換しており、該Eu濃度を変えている。実施例1は、Ba_(0.97)Eu_(0.03)Si_(2)O_(2)N_(2)である。

【0149】
表1は、実施例1乃至5のオキシ窒化物蛍光体をEx=400nmで励起させたときの発光特性を示す。
【0150】
【表1】



【0151】
実施例1乃至5のオキシ窒化物蛍光体の反射スペクトルを測定した。測定の結果、実施例1乃至5は、290nmから470nmまで、高い吸収率を示す。そのため、290nmから470nmまでの励起光源からの光を効率よく吸収し、波長変換を行うことができる。」
エ 上記ウ【0150】【表1】(実施例1)に照らせば、Ba_(0.97)Eu_(0.03)Si_(2)O_(2)N_(2)なるオキシ窒化物蛍光体の発光ピーク波長は496nmであることがみてとれる。

よって、これらの記載を総合すると、引用刊行物には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「紫外から可視光の短波長領域に発光波長を有する励起光源と、該励起光源からの光の少なくとも一部を吸収し、波長変換を行い、前記励起光源の発光色と異なる発光色を有する蛍光体と、を有する発光装置であって、
前記蛍光体は、青緑色から緑色系領域に発光ピーク波長を有するBaを必須とするオキシ窒化物蛍光体が含有されており、
前記励起光源は、小型で電力効率が良く鮮やかな色の発光をする発光素子であることが好ましく、前記発光素子の発光層は、Inを含む窒化物半導体を有することが好ましく、これにより、発光素子は、360?410nm付近に発光ピーク波長を有する光を放出し、該発光素子からの光により、前記オキシ窒化物蛍光体が励起され、所定の発光色を示し、前記オキシ窒化物蛍光体は、360?410nm近傍で強く発光し、
前記蛍光体は、オキシ窒化物蛍光体と共に用いられる第2の蛍光体が含有されており、該第2の蛍光体は、前記励起光源からの光、及び、前記オキシ窒化物蛍光体からの光、の少なくとも一部を波長変換し、可視光領域に発光ピーク波長を有しており、
発光素子の発光ピーク波長が紫外領域にあり、励起された第1の蛍光体の発光ピーク波長が緑色にあり、励起された第2の蛍光体の発光ピーク波長が黄色と赤色にある場合、やや黄色みがかった白色系及び多色系の発光色を示すことが可能であり、
Ba_(0.97)Eu_(0.03)Si_(2)O_(2)N_(2)なるオキシ窒化物蛍光体をEx=400nmで励起させたときの発光ピーク波長が496nmである、発光装置。」

(2)本願発明1について
ア 対比
本願発明1と引用発明を対比する。
(ア)引用発明の「励起光源」は、「紫外から可視光の短波長領域に発光波長を有する」ものであって、「小型で電力効率が良く鮮やかな色の発光をする発光素子であることが好ましく、…360?410nm付近に発光ピーク波長を有する光を放出」するものであるから、本願発明1の「(少なくとも1つの固体発光体を含む)第1のグループの固体発光体」に相当する。
(イ)引用発明の「蛍光体」は、「青緑色から緑色系領域に発光ピーク波長を有するBaを必須とするオキシ窒化物蛍光体が含有されており」、「(360?410nm付近に発光ピーク波長を有する光を放出する)発光素子からの光により…励起され、所定の発光色を示」すものであって、「Ba_(0.97)Eu_(0.03)Si_(2)O_(2)N_(2)なるオキシ窒化物蛍光体をEx=400nmで励起させたときの発光ピーク波長が496nmである」ものであるから、
a 引用発明の「蛍光体」は、本願発明1の「(第1の)ルミネッセンス材料」に相当し、
b 引用発明は、本願発明1の「前記ルミネッセンス材料は、励起された場合、約490nm?約555nmの範囲内に主波長を有する光を放射し」との事項を備える。
(ウ)引用発明の「発光装置」は、本願発明1の「照明デバイス」に相当する。

したがって、両者は、
「照明デバイスであって、
少なくとも1つの固体発光体を含む第1のグループの固体発光体と、
第1のルミネッセンス材料と
を備え、
前記ルミネッセンス材料は、励起された場合、約490nm?約555nmの範囲内に主波長を有する光を放射する、
照明デバイス。」
である点で一致し、次の点で相違する。

本願発明1は、第1のグループの固体発光体が、それぞれ、光照射状態で、近紫外線領域内にピーク波長を有する光を放射し、第1のグループの固体発光体それぞれが光照射状態で、第1のルミネッセンス材料の少なくとも一部が励起された場合、(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され前記照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光との混合は、他の光が存在しない場合に、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が前記第2の点と第3の点を結び、第3の線分が前記第3の点と第4の点を結び、第4の線分が前記第4の点と第5の点を結び、第5の線分が前記第5の点と前記第1の点を結び、前記第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、前記第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、前記第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、前記第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、前記第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、前記第1の線分、前記第2の線分、前記第3の線分、前記第4の線分、および前記第5の線分によって囲まれた1931CIE色度図上の領域(本願特定領域)内にある点を定義するx、y色座標を有する混合された光の照射をもたらすよう構成されているのに対し、引用発明は、励起光源が紫外から可視光の短波長領域に発光波長を有し、上記のような本願特定色座標を有する混合された光の照射をもたらすように構成されているのか否か明らかでない点(以下「相違点」という。)。

進歩性に関する当審の判断
上記相違点につき検討する。
引用発明の「励起光源」は、「紫外から可視光の短波長領域に発光波長を有する」ものであるところ、引用刊行物には、「…紫外から可視光の短波長領域は、特に限定されないが240?480nmの領域をいう。」と記載され(上記(1)イ【0035】参照。)、前記「励起光源」の発光波長が近紫外線領域(240?380nm)であっても良いことが示唆されているから、引用発明において、当該「励起光源」を、光照射状態で、近紫外線領域内にピーク波長を有する光を放射するものとなすことは、当業者が容易になし得ることである。そして、本願明細書の【0031】、【0042】、【0043】、【0045】、【0046】、【0049】、【0062】(上記1(1)イ?エ参照。)等の記載によれば、本願発明1において、「少なくとも1つの固体発光体を含む第1のグループの固体発光体と、第1のルミネッセンス材料とを備え、前記第1のグループの固体発光体はそれぞれ、光照射状態で、近紫外線領域内にピーク波長を有する光を放射し、前記ルミネッセンス材料は、励起された場合、約490nm?約555nmの範囲内に主波長を有する光を放射し、前記第1のグループの固体発光体それぞれが光照射状態で、前記第1のルミネッセンス材料の少なくとも一部が励起された場合、(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され前記照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光との混合」が、「他の光が存在しない場合に、第1の線分が第1の点と第2の点を結び、第2の線分が前記第2の点と第3の点を結び、第3の線分が前記第3の点と第4の点を結び、第4の線分が前記第4の点と第5の点を結び、第5の線分が前記第5の点と前記第1の点を結び、前記第1の点は0.32、0.40のx、y座標を有し、前記第2の点は0.36、0.48のx、y座標を有し、前記第3の点は0.43、0.45のx、y座標を有し、前記第4の点は0.42、0.42のx、y座標を有し、前記第5の点は0.36、0.38のx、y座標を有する、前記第1の線分、前記第2の線分、前記第3の線分、前記第4の線分、および前記第5の線分によって囲まれた1931CIE色度図上の領域(本願特定領域)内にある点を定義するx、y色座標を有する混合された光の照射をもたらすよう構成されている」理由は、「このような光の混合」を「オレンジ色または赤色の光(約600nmから約630nmの範囲内の主波長を有する光)と組み合わせ」たときに、「(人間観察者にとって心地よい)白色光と知覚される光をもたらす」ためであると認められるところ(上記1(2)ア(ア)参照。)、白色発光する発光ダイオード光源において、黒体放射軌跡に沿った発光が得られるようになすことは本願の優先日時点で周知であることに照らせば(必要なら、特開平10-242513号公報(【0028】)、特開平11-199781号公報(【0022】)、特表2002-510866号公報(【0028】)参照。)、引用発明において、上記「励起光源」によって放射され発光装置から放射される近紫外線領域内にピーク波長を有する光と、「(該励起光源からの光により励起される)オキシ窒化物蛍光体」によって放射されて発光装置から放射される青緑色から緑色系領域に発光ピーク波長を有する光との混合光が、発光ピーク波長が黄色と赤色にある第2の蛍光体からの光とさらに混合された際に黒体放射軌跡に沿った白色となるよう、当該混合光の、他の光が存在しない場合の1931CIE色度図上のx、y座標を定めることは、当業者が設計上適宜になし得る事項である。そして、本願明細書の記載をみても、本願発明1において、他の光が存在しない場合に、(1)前記第1のグループの固体発光体によって放射され前記照明デバイスから放射される光と、(2)前記第1のルミネッセンス材料によって放射されて前記照明デバイスから放射される光との混合を、上記本願特定領域内にある点を定義するx、y色座標を有する混合された光の照射をもたらすよう構成されているものとした点に設計的事項の域を超えるほどの格別の技術的意義があるものとも認められない。
したがって、引用発明において、上記相違点に係る本願発明の構成となすことは、当業者が容易になし得ることである。

よって、本願発明1は、引用刊行物に記載された発明、引用刊行物の記載事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)本願発明2、9及び12について
本願発明2、9及び12についても、上記2において本願発明1について検討したのと同様の理由で、引用刊行物に記載された発明、引用刊行物の記載事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)小括
以上のとおり、本願の請求項1、2、9及び12に係る発明は、引用刊行物に記載された発明、引用刊行物の記載事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


第4 むすび
上記第3の1のとおり、本願明細書の発明の詳細な説明は、特許法第36条第4項第1項に規定する要件を満たしていない。また、本願明細書の発明の詳細な説明は、特許法第36条第4項第1号の経済産業省令(特許法施行規則第24条の2)で定めるところにより記載されたものとはいえない。
また、上記第3の2のとおり、本願の請求項1、2、9及び12に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-03-04 
結審通知日 2014-03-05 
審決日 2014-03-19 
出願番号 特願2010-507648(P2010-507648)
審決分類 P 1 8・ 536- WZ (H01L)
P 1 8・ 121- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 角地 雅信  
特許庁審判長 吉野 公夫
特許庁審判官
藤本 義仁
黒瀬 雅一
発明の名称 照明デバイスおよび照明方法  
代理人 大牧 綾子  
代理人 小野 新次郎  
代理人 富田 博行  
代理人 小林 泰  
代理人 星野 修  
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