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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A47J
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A47J
審判 査定不服 産業上利用性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A47J
管理番号 1290986
審判番号 不服2013-8764  
総通号数 178 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-10-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-22 
確定日 2014-08-11 
事件の表示 特願2012- 42411号「かまど型炊飯器」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 8月22日出願公開、特開2013-162999号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成24年2月10日の出願であって、平成24年7月26日付けで明細書の手続補正がなされ、平成24年11月5日付けで特許請求の範囲及び明細書の手続補正がなされ、平成25年2月7日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成25年4月23日(平成25年4月18日付け)に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同時に特許請求の範囲の手続補正がなされたものである。
その後、前置審査において、平成25年6月18日付けで拒絶理由が通知され、これに対して、平成25年7月23日付けで特許請求の範囲の手続補正がなされたものである。
そして、平成25年10月7日付けで審尋がなされ、これに対して、平成25年10月17日付けで回答書が提出されたものである。
さらに、当審において、平成26年3月25日付けで拒絶理由が通知され、これに対して、平成26年4月21日付けで意見書が提出されたものである。

2.本願の特許請求の範囲及び明細書の記載内容
2-1.本願の特許請求の範囲の記載内容
平成25年7月23日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の記載内容は、以下のとおりである。

【請求項1】
(1)明細書の段落(0005)を削除する。
(2)(請求項1)の記載を「従来型炊飯器についている(1)加熱用ヒーターと(3)内釜の底部分に皮製で縦横15センチの座布団形状に製作した(2)座布団1枚を敷きこれに大サジ2から3杯の水をかけてから内釜に、米と水を定量に入れて炊飯器にセットしたら電源にスイッチいれると、(1)加熱ヒーターにより(2)座布団に熱が伝わり(2)座布団に付着した水分が加熱により水蒸気となり(3)内釜の外側部分と(4)炊飯器内側の隙間に水蒸気が溜って蒸気圧が、あがってきて一気圧を超えてくると(3)内釜内の湯、温度もあがり100度以上の飽和状態になり、米を短時間で煮ることのできる、炊飯を行うことを特徴とする、かまど型炊飯器」に変更する。

2-2.本願の明細書の記載内容
平成24年11月5日付け手続補正書により補正された明細書の記載内容は、以下のとおりである。

【発明の名称】かまど型炊飯器
【技術分野】
【0001】
本発明は、内釜内温度をかまど同様に100度以上に上げて炊飯することに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の炊飯器は、100度以下で飽和温度になっているためにおいしい、ご飯がたけていない炊飯器である。
【先行技術文献】
【0003】
従来の炊飯器では、内釜内に蒸気圧をかけても、糖質 気圧 等いろいろな条件で100度以上の温度対にはならない。
【特許文献1】
【非特許文献1】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
〔イ〕従来の炊飯器では、米がよく煮えない。
〔ロ〕内釜の水温度が、100度に達しない。
〔ハ〕加熱ヒーターが、長時間使用されるので、ムダな動力を消費してしまう。
〔ニ〕蒸す時間が、長すぎる。
〔ホ〕電気料金が、かかりすぎる。
本発明は、以上の問題を解決する為のものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
出願時の明細書又は図面には座布団が07センチであることは記載されておらずまた出願時の明細書又は図面から自明な事項でもないので平成24年7月26日付けの手続補正書は出願の明細書又は図面に記載した事項の範囲においてしたものでない
明細書の段落[0005]の「厚さ0、7センチ」の記載を解除する。
【図面の簡単な説明】
【00006】
【図1】本発明の正面図
【符号の説明】
1 加熱ヒーター
2 皮革製座布団
3 内釜
4 炊飯器
【発明の効果】
【0007】
従来型炊飯器は、ただたんに、蒸気圧をあげるだけで内釜内の温度は、考えていない、だから米が、よく煮えない又時間もかかります。
【本発明を実施するための形態】
【0008】
従来型炊飯器についている。〔1〕加熱ヒーターと〔3〕内釜の底部分に、〔2〕皮革製座布団を15センチ角1枚を、敷きこれに大サジ2から3杯の水を、かけてから〔3】内釜に米と水、定量に入れて〔4〕炊飯器に、セットしてから電源に、スイッチを、入れて炊飯をする。
底部分〔1〕加熱ヒーターに電源が、はいり〔2〕皮革製座布団の、加熱がはじまり、〔2〕皮革製座布団に付着した、水分が、あたためられ熱励起が発生し、温度上昇で、蒸気が発生し、〔3〕内釜を囲んでいる、隙間を蒸気にて、圧力をあげるから1気圧を、こえたために〔3〕内釜内の温度上昇がはじまり、100度の飽和状態になり、短時間でよく煮える、〔4〕炊飯器である。
【符号の説明】
【0009】
1 加熱ヒーター
2 皮革製座布団
3 内釜
4 炊飯器

3.当審の拒絶理由
当審において、平成26年3月25日付けで通知した拒絶理由の理由1及び理由2は、次のとおりである。

【理由1】本件出願は、特許請求の範囲及び明細書の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号及び第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
【理由2】本願の請求項1に係る発明は、下記の点で特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。

【理由1】について
1.特許請求の範囲の請求項には、補正の説明ではなく、発明を特定するために必要な事項が記載されていなければなりません。
しかし、平成25年7月23日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の【請求項1】における「(1)明細書の段落(0005)を削除する。」、「(2)(請求項1)の記載を」及び「に変更する。」の各記載は、発明を特定するために必要な事項とは認められませんので、特許請求の範囲には、特許を受けようとする発明が明確に記載されていません。

上記のように【請求項1】の記載は不明確ではありますが、上記手続補正書の【補正の内容】の【請求項1】の「(2)」の記載をみると、「」書き内の記載が、本願に係る「かまど型炊飯器」と認められますので、本拒絶理由通知書においては、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)を、この「」書き内の記載に基づいて、次のように認定します。
「従来型炊飯器についている(1)加熱用ヒーターと(3)内釜の底部分に皮製で縦横15センチの座布団形状に製作した(2)座布団1枚を敷きこれに大サジ2から3杯の水をかけてから内釜に、米と水を定量に入れて炊飯器にセットしたら電源にスイッチいれると、(1)加熱ヒーターにより(2)座布団に熱が伝わり(2)座布団に付着した水分が加熱により水蒸気となり(3)内釜の外側部分と(4)炊飯器内側の隙間に水蒸気が溜って蒸気圧が、あがってきて一気圧を超えてくると(3)内釜内の湯、温度もあがり100度以上の飽和状態になり、米を短時間で煮ることのできる、炊飯を行うことを特徴とする、かまど型炊飯器」

2.平成24年11月5日付け手続補正書により、明細書の段落【0005】が「出願時の明細書又は図面には座布団が07センチであることは記載されておらずまた出願時の明細書又は図面から自明な事項でもないので平成24年7月26日付けの手続補正書は出願の明細書又は図面に記載した事項の範囲においてしたものでない明細書の段落[0005]の「厚さ0、7センチ」の記載を解除する。」と補正されました。
しかし、明細書の段落【0005】は、補正の説明ではなく、本願発明の説明が記載されるところですので、明細書の記載内容が分かりづらくなっています。

3.明細書の段落【0002】に背景技術として「従来の炊飯器は、100度以下で飽和温度になっているためにおいしい、ご飯がたけていない炊飯器である。」と、また、同段落【0004】に発明が解決しようとする課題として「〔ロ〕内釜の水温度が、100度に達しない。」とそれぞれ記載されていますが、大気圧等により若干違いがあるものの、一般的な炊飯器においても炊飯時の内釜の水温度は、水の沸点、すなわち100℃(圧力炊飯器の場合はそれ以上)まで上がることが技術常識ですので、本願発明の解決しようとする課題が明確ではありません。

4.本願発明は、「(2)座布団に付着した水分が加熱により水蒸気となり(3)内釜の外側部分と(4)炊飯器内側の隙間に水蒸気が溜って蒸気圧が、あがってきて一気圧を超えてくると(3)内釜内の湯、温度もあがり100度以上の飽和状態」になるものとされていますが、「(3)内釜内の湯」の飽和温度は、内釜内の圧力に関係するものと考えられるところ、内釜内の圧力ではなく、「(3)内釜の外側部分と(4)炊飯器内側の隙間に水蒸気が溜って蒸気圧」が上ることにより、内釜内の湯の温度が上がるとしている上記記載は技術的に矛盾しています。

5.本願発明は、「(1)加熱ヒーターにより(2)座布団に熱が伝わり(2)座布団に付着した水分が加熱により水蒸気となり」としていますが、「大サジ2から3杯の水」は、通常の炊飯器に用いる加熱ヒータであれば数分で全て水蒸気となると予測されます。そうすると、その後の炊飯中の「(3)内釜の外側部分と(4)炊飯器内側の隙間」の蒸気圧は、そのまま維持できるのか、下がってよいのか分かるように記載されていません。
また、上記したように水分が全て蒸発した後は、ヒーターに接触している皮製の座布団が焦げる危険があると考えられますが、その対策が分かるように記載されていません。
さらに、「大サジ2から3杯の水」の水蒸気の熱だけでは内釜を十分に加熱できないものと考えられますが、本願発明は、内釜の底部に皮製の座布団が配置されていて、加熱ヒータの熱が内釜に伝わりにくい構造となっていますので、内釜を十分に加熱できることが分かるように記載されていません。

6.一般的な炊飯器では、内釜の底部の温度を検知して加熱ヒータの制御を行っています。それに対して、本願発明においては、内釜の底部に座布団が配置され、内釜の温度を検出するのが困難なものと考えられますが、加熱ヒータをどのように制御しているのか分かるように記載されていません。

【理由2】について
上記【理由1】の「3.」?「6.」において述べましたように、本願発明は、その技術内容及び安全性などに問題があり、実用的な炊飯ができるとは考えられません。
よって、本願発明は、特許法第29条第1項柱書でいう産業上利用することができる発明に該当するとはいえません。

4.判断
4-1.理由1について
(1)「1.」について
特許請求の範囲は、発明を特定するために必要な事項を記載するものであって、その記載は、特許を受けようとする発明が明確であることを要する。
しかし、特許請求の範囲の【請求項1】における「(1)明細書の段落(0005)を削除する。」、「(2)(請求項1)の記載を」及び「に変更する。」の各記載は、発明を特定するために必要な事項とは認められないことより、特許請求の範囲には、特許を受けようとする発明が明確に記載されているとはいえない。

上記のように【請求項1】の記載は不明確ではあるが、【請求項1】の「(2)」の記載をみると、「」書き内の記載が、本願に係る「かまど型炊飯器」と解釈し得るので、便宜上、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)を、この「」書き内の記載に基づいて、次のように認定し、以下の「2.」?「6.」及び理由2についての判断を行う。
「従来型炊飯器についている(1)加熱用ヒーターと(3)内釜の底部分に皮製で縦横15センチの座布団形状に製作した(2)座布団1枚を敷きこれに大サジ2から3杯の水をかけてから内釜に、米と水を定量に入れて炊飯器にセットしたら電源にスイッチいれると、(1)加熱ヒーターにより(2)座布団に熱が伝わり(2)座布団に付着した水分が加熱により水蒸気となり(3)内釜の外側部分と(4)炊飯器内側の隙間に水蒸気が溜って蒸気圧が、あがってきて一気圧を超えてくると(3)内釜内の湯、温度もあがり100度以上の飽和状態になり、米を短時間で煮ることのできる、炊飯を行うことを特徴とする、かまど型炊飯器」

(2)「2.」について
明細書(発明の詳細な説明)の記載は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであることを要する。
しかし、明細書の段落【0005】の記載は、本願発明の内容を説明したものでないことは明らかであるので、明細書(発明の詳細な説明)の記載は、発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえない。

(3)「3.」について
明細書(発明の詳細な説明)の記載は、発明が解決しようとする課題及びその解決手段その他のその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が発明の技術上の意義を理解するために必要な事項を記載することによりしなければならない(特許法施行規則第24条の2)。
しかし、明細書(発明の詳細な説明)の記載は、上記拒絶理由において指摘したたとおり、本願発明の解決しようとする課題が明確でないことより、経済産業省令で定めるところにより記載したものとはいえない。
なお、請求人は、平成26年4月21日付け意見書において「特に米の場合には、産地や銘柄で米の水にとける糖分量や大気圧の変化で飽和温度が変化します、このために100度に達しないで飽和温度になり米が良く煮えるのに時間がかかりすぎて米の芯まで煮えない。」と主張するが、一般的に水に糖分など他の物質が溶解すると、沸点(飽和温度)は100度以上に上昇することが技術常識であり、また、天候などのによる大気圧の変化程度では、水の沸点は格別変化するものではないことより、上記請求人の主張は採用できない。

(4)「4.」について
明細書(発明の詳細な説明)の記載は、上記拒絶理由において指摘したとおり、技術的に矛盾した記載があることより、発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえない。
なお、請求人は、平成26年4月21日付け意見書において「皮革型座布団に付着した水分が炊飯器底部の加熱ヒーターにより蒸気が発生し内釜の外側部分と炊飯器の内側部分の隙間に蒸気がたまり大気圧以上にあがり内釜内の温度も加熱ヒーターにより100度の飽和温度に達し米が、美味しく炊ける。」と主張するが、内釜内の水の沸点(飽和温度)は、「内釜の外側部分と炊飯器の内側部分の隙間」の圧力ではなく、内釜内の圧力が関係するものであることから、上記請求人の主張は採用できない。

(5)「5.」について
明細書(発明の詳細な説明)の記載は、上記拒絶理由において指摘したとおり、炊飯中の蒸気圧をどのように維持するのか、皮製の座布団が焦げるのをどのように防げるのか、そして、内釜を十分にどのようにして加熱できるかが明確でないことより、発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえない。
なお、請求人は、平成26年4月21日付け意見書において「皮革製品なのは水分が、なくなったとき加熱ヒーターにより発火する事を考えて、皮革製品で不燃性を使用したのである 叉水分が蒸発し内釜内外側部分と炊飯器内側部分の隙間の圧力が下っても内釜内の温度は100度に達した飽和温度を保てる、蒸気が無くなるまでには炊飯は終了します。」と主張するが、「皮革製品」は耐熱性があるといえても、不燃性ではなく、表面温度が数百度になる加熱ヒーターからの熱により、少なくとも焦げる程度のことは明らかであり、また、数十分かかる炊飯時間において、「大サジ2から3杯の水」により蒸気をどのように保つことができるのか技術的に明らかではないことより、上記請求人の主張は採用できない。

(6)「6.」について
明細書(発明の詳細な説明)の記載は、上記拒絶理由において指摘したたとおり、加熱ヒータをどのように制御しているのかが明確ではないことより、発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるとはいえない。
なお、請求人は、平成26年4月21日付け意見書において「従来型炊飯器にて自動炊飯を行うので加熱ヒーターは炊飯が終了終わればヒーターも切れますまた保温状態に入っては保温になります。」と主張するが、従来型炊飯器は、上記拒絶理由において指摘したたとおり、一般的に内釜の底部の温度を検知して加熱ヒータの制御を行っているが(例えば、特開昭61-240917号公報、特開昭57-34820号公報参照)、本願発明は内釜の底部に座布団が配置されているため、どのようにして内釜の温度を検出して加熱ヒーターの制御をしているのか、ひいては、炊飯が終了したことをどのようにして判断するのかが明確ではないことより、上記請求人の主張は採用できない。

4-2.理由2について
上記「4-2.理由1について」の(3)?(6)において述べたように、本願発明は、その技術内容及び安全性などに問題があり、実用的な炊飯ができるとは考えられない。
よって、本願発明は、特許法第29条第1項柱書でいう産業上利用することができる発明に該当するとはいえない。

5.むすび
以上のとおり、この出願は、特許法第36条第4項及び第6項第2号に規定する要件を満たしていなく、また、本願発明は、特許法第29条第1項柱書きに規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができないものでもあることより、本願は、拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-06-09 
結審通知日 2014-06-17 
審決日 2014-06-24 
出願番号 特願2012-42411(P2012-42411)
審決分類 P 1 8・ 14- WZ (A47J)
P 1 8・ 537- WZ (A47J)
P 1 8・ 536- WZ (A47J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 丹治 和幸田村 佳孝  
特許庁審判長 竹之内 秀明
特許庁審判官 山崎 勝司
鳥居 稔
発明の名称 かまど型炊飯器  
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