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審決分類 審判 査定不服 特29条特許要件(新規) 特許、登録しない。 G06Q
管理番号 1291338
審判番号 不服2013-11653  
総通号数 178 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-10-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-06-19 
確定日 2014-08-28 
事件の表示 特願2011- 60540「寄付等の供託金による社会貢献事業において使用する事業必須項目記載表の組合わせ」拒絶査定不服審判事件〔平成23年10月27日出願公開,特開2011-216086〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は,平成23年3月18日を出願日(国内優先権主張日:平成22年3月18日,日本)とする出願であって,平成24年11月9日付けで拒絶理由通知がなされ,平成25年1月15日付けで意見書の提出とともに手続補正がなされたが,平成25年3月12日付けで拒絶査定がなされ,これに対して平成25年6月19日付けで拒絶査定不服審判請求がなされ,平成25年8月1日付けの手続補正により審判請求書における請求の理由の補正がなされたものである。

2.本願発明について
本願の請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,平成25年1月15日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された,次のとおりのものである。
なお,分説記号(a)ないし(k)は当審で付したものである。
「【請求項1】
(a)社会貢献事業への加盟企業・団体及びその関係企業団体を,
肉牛飼育家畜農家と,一次流通会社と,屠畜場と,食肉加工会社と,食肉卸会社と,小売業者と,ブランド管理会社と,各種地域・社会貢献活動団体と,により構成すると共に,
各種加盟企業・団体が寄付等の供託金による社会貢献事業において使用するための事業必須項目記載表を,認定基準マスタ(101)と,認定会社マスタ(102)と,認定牛マスタ(103)と,資金管理マスタ(104)と,貢献事業マスタ(105)と,認識マーク表と,流通履歴情報表と,の組み合わせにより構成し,
(b)認定基準マスタ(101a)は,社会貢献事業1に加盟を希望する流通事業者たる企業・団体が当該隣の加盟に必要な認定基準を具備しているか否かの審査に使用する表であり,加盟申請を行う企業・団体を識別検索するために各企業・団体毎に付する企業キー項目欄と,
加盟申請を行った企業・団体の名称を記載する認定基準名欄と,
加盟申請を行った企業・団体が過去に資格を失った履歴を記載する資格失効欄と,
加盟申請を行った企業・団体がどのような職種であるかを示す取引形態の区分を記載する取引形態区分欄と,
加盟申請を行った企業・団体が過去に業務停止などの懲罰を受けたか否かを記載する懲罰履歴チェック欄と,
懲罰の有効期限を記載する懲罰有効期限欄と,
加盟申請を行った企業・団体が過去に加盟申請を行ったか否かを記載する過去申請履歴欄と,
過去に加盟申請した企業・団体が有効期限を満たしているか否かを記載する過去申請履歴有効期限欄と,
加盟申請を行った企業・団体の資本金,事業年数,従業員数等の会社の概要を示す項目を記載する会社概要欄と,より構成しており,
(c)流通牛認定基準マスタ(101b)は,牛肉飼育家畜が流通させようとする牛が必要な認定基準を満たしているか否かを審査するために使用する表であり,
ブランド管理会社によりブランド牛の識別検索するためにブランド牛の種類毎にそれぞれ付されるブランド牛キー項目欄と,
ブランド管理会社によりブランド牛の認定基準名を記載するブランド牛認定基準欄と,
牛肉飼育家畜農家が流通申請を行った牛固有の識別番号へのチェックの有無を記載する個体識別番号チェック欄と,
牛の品種のチェック結果を記載する品種チェック欄と,
牛の産地のチェック結果を記載する産地チェック欄と,
牛の性別のチェック結果を記載する性別チェック欄と,
牛の加工日のチェック結果を記載する加工日チェック欄と,
牛の屠畜日のチェック結果を記載する屠畜日チェック欄と,
牛肉飼育家畜農家が流通申請を行った牛の格付けランクのチェック結果を記載する格付チェック欄と,
牛の傷等による傷みの瑕疵のチェック結果を記載する瑕疵チェック欄と,
牛肉の霜降りの度合いのチェック結果を記載する霜降りチェック欄と,
牛肉の色合い・光沢等のチェック結果を記載するカラーチェック欄と,
流通牛認定基準マスタの作成日等のその他の項目を記載するマスタ作成項目欄と,より構成しており,
(d)認定会社マスタ(102)は,社会貢献事業に加盟が認められた流通事業者である企業・団体のデータを登録記載するための表であり,
ブランド管理会社の管理者によって加盟を認められた企業・団体を識別検索するために企業・団体毎にそれぞれ付される会社コード項目欄と,
企業・団体が参加を認可された日付を記載する認定年月日項目欄と,
加盟を認可された企業・団体の法人区分を記載する法人区分項目欄と,
企業・団体の会社名を記載する会社名項目欄と,
加盟認可を受けた企業・団体の代表者を記載する代表者項目欄と,
企業・団体の住所を記載する現在地項目欄と,
企業・団体の電話やFAX等の連絡番号を記載する連絡番号欄と,
加盟を認可された企業・団体の認定年月日や資本金等の会社概要を記載する会社概要欄と,より構成しており,
(e)認定牛マスタ(103)は,牛肉飼育家畜農家(10)が飼育したブランド牛の詳細を記載するために使用する表であり,
流通申請を認可されたブランド牛の検索をするためにブランド牛毎に付される識別コードを記載する団体識別コード項目欄と,ブランド牛の品種を記載するための品種項目欄と,
ブランド牛の最長肥育地を産地として記載するための産地項目欄と,
ブランド牛の性別を記載する性別項目欄と,
ブランド牛の出生年月日を記載する出生年月日項目欄と,
ブランド牛を屠畜した屠畜場を記載する屠畜項目欄と,
屠畜場から発行される証明書記載の枝番号を記載する屠畜番号項目欄と,
ブランド牛の格付を記載する格付項目欄と,
傷等による傷みの瑕疵の情報を記載する瑕疵情報項目欄と,
ブランド牛の霜降りの度合いを記載する霜降り項目欄と,
ブランド牛の色合いと光沢を記載する色彩項目欄と,
ブランド牛の屠畜から小売業者(60)により消費者に販売されるまでの有効期限を記載すする有効期限項目欄と,
認定牛マスタ(103)の作成者,更新者,作成日,更新日等を記載するマスタ作成者項目欄と,
ブランド牛を加工した食肉加工会社(40)や食肉卸会社(50)を記載する流通項目欄とより構成しており,
(f)資金管理マスタ(104)は,社会貢献事業に加盟している企業・団体からの供託金の収入や支出を管理するためと共に,販売拡大及び小売業者(60)への販売促進のための資金等の支出を管理するための表であり,
ブランド管理会社(90)の収入金及び支出を検索するため収入及び支出度に付する資金管理項目欄と,
企業・団体から徴収した社会貢献事業を行うための資金毎に管理名を記載する資金管理名項目欄と,
補助金,供託金,支援金等の資金の管理区分を記載する資金管理区分項目欄と,
資金の貸付先や借入先を記載する貸方科目・借方科目欄と,より構成しており,
(g)貢献事業マスタ(105)は,社会貢献事業に加盟する流通業者から拠出された供託金を運用し,小売業者(60)が供託金を資金として実施した社会貢献事業を知るために使用する表であり,ブランド管理会社(90)によって実施された社会貢献事業を検索するために各事業毎に付する事業キー項目欄と,
実施した社会貢献活動の事業区分を記載する事業区分項目欄と,
実施した社会貢献活動の事業名を記載する事業名項目欄と,
実施した社会貢献活動の実施された場所を記載する事業場所項目欄と,
実施した社会貢献活動の開始及び終了の年月日を記載する事業有効日項目欄と,
実施した社会貢献活動が実施可能な所定の資格条件を満たしていることを記載する基本参加条件項目欄と,
実施した社会貢献活動のためにブランド管理会社(90)が支出した基本となる金額を記載する支出基本項目欄と,より構成しており,
(h)ブランド牛に付すための認識マーク(F)は,消費者(70)が認識マークFを目視することにより認識マーク(F)の付されたブランド牛の小売業者(60)が社会貢献活動による社会的評価を受けることを認識し,消費者(70)に購買意欲を喚起させて販売促進となるように機能するものであり,ブランド牛に割り振られる固有の番号となる数字又はアルファベットより構成され,ブランド牛の全加工処理流通経路において,所定の手段で所定の位置に一貫して表記されて最終的には小売業者(60)の社会貢献活動の特定表記に使用され,更にはブランド牛の流通に関わった複数の流通業者の履歴を表す流通履歴情報欄を有した個体識別番号(F2)より構成されており,
(j)流通履歴情報欄は,個体識別番号(F2)を示す項目と,流通経路においてブランド牛の流通に関係した各流通関係者を示す項目と,
小売業者(60)が行った社会貢献活動の内容を示す項目とより構成されている
(k)ことを特徴とする寄付等の供託金による社会貢献事業において使用する事業必須項目記載表の組合わせよりなることを特徴とする寄付等の供託金による社会貢献事業において使用する事業必須項目記載表の組合わせ。」

3.原査定の拒絶の理由について
(1)平成24年11月9日付けの拒絶理由で通知した特許法第29条第1項柱書の規定に関する拒絶の理由(以下「理由A」という。)の概要は,以下のとおりである。
「A.この出願の下記の請求項に記載されたものは,下記の点で特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから,特許を受けることができない。


請求項に係る発明が,自然法則以外の法則(例えば,経済法則),人為的取決め(例えば,ゲームのルールそれ自体),数学上の公式,人間の精神活動に当たるとき,あるいはこれらのみを利用しているとき(例えば,ビジネスを行う方法それ自体)は,その発明は,自然法則を利用したものとはいえず,「発明」に該当しない。
ここで,請求項1に記載されたものは,「商品流通システム」を構成する「小売業者」「流通事業者」「ブランド管理会社」の業務内容を特定する記載がなされているのみであり,技術的事項として特定する記載はない。
してみれば,この請求項に記載された事項に基づいて把握される発明は,所謂「コンピュータ・システム」ではなく,人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないから,全体として自然法則を利用したものであるとは認められず,「発明」に該当しない。
また,仮に,全てコンピュータによる処理であるとしても,その業務上の機能を果たすために,コンピュータのハードウエア資源をどのようにして用いて具体的に実現された技術的手段であるのかを特定するものではないので,どちらにしても「自然法則を利用した技術的思想の創作」とは言えない。
同様の理由から,請求項2,3についても,「自然法則を利用した技術的思想の創作」とは言えない。」
(2)また,上記理由Aについて,平成25年3月12日付けの拒絶査定の概要は,以下のとおりである。
「(理由Aについて)
上記手続補正書によって補正された請求項1についてみても,「寄付等の供託金による社会貢献事業において使用する事業必須項目記載表の組合わせ。」と記載されており,表の組合わせは人為的取決めであり,結局,単に人間による業務行為を人為的に取決めたものでしかないから,依然として自然法則を利用した技術的思想の創作とは言えず,特許法第2条でいう「発明」に該当しないものである。
(仮に,「事業必須項目記載表」そのものであったとしても,物理的構造を特定するものではなく,情報の単なる提示に該当し,自然法則を利用した技術的思想の創作とは言えないものである。)」

4.理由Aについての当審の判断
(1)特許法第2条第1項には,「この法律で「発明」とは,自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。」と規定され,同法第29条第1項柱書には,「産業上利用することができる発明をしたものは,次に掲げる発明を除き,その発明について特許を受けることができる。」と規定されている。
したがって,請求項に係る発明が「自然法則を利用した技術的思想の創作」でないときは,その発明は特許法29条1項柱書に規定する要件を満たしておらず,特許を受けることができない。
また,『審査基準 第II部 第1章 1.1発明に該当しないもの類型 (4)自然法則を利用していないもの』には,
「請求項に係る発明が,自然法則以外の法則(例えば,経済法則),人為的な取決め(例えば,ゲームのルールそれ自体),数学上の公式,人間の精神活動に当たるとき,あるいはこれらのみを利用しているとき(例えば,ビジネスを行う方法それ自体)は,その発明は,自然法則を利用したものとはいえず,「発明」に該当しない。逆に,発明を特定するための事項に自然法則を利用していない部分があっても,請求項に係る発明が全体として自然法則を利用していると判断されるときは,その発明は,自然法則を利用したものとなる。以上のように,どのような場合に,全体として自然法則を利用したものとなるかは,技術の特性を考慮して判断する。
(留意事項)
ビジネスを行う方法やゲームを行う方法に関連する発明は,物品,器具,装置,システムなどを利用している部分があっても,全体として自然法則を利用しない場合があるので,慎重に検討する必要がある。なお,ビジネスを行う方法やゲームを行う方法という観点ではなく,ビジネス用コンピュータ・ソフトウエアやゲーム用コンピュータ・ソフトウエアという観点から発明すれば,「発明」に該当する可能性がある。(コンピュータ・ソフトウエア関連発明における判断については,「第VII部 第1章 コンピュータ・ソフトウエア関連発明」2.2参照)」
と記載されている。
(2)そこで,本願発明が特許法第2条第1項で規定する「発明」に該当するものであるのか,すなわち「自然法則を利用した技術的思想の創作」であるのかについて検討する。
(2-1)事項(a)及び(k)について
本願が解決しようとする課題は,明細書の第【0005】段落ないし第【0007】段落に「【0005】かかるシステムの特徴は,第一に,商品価格中に予め社会貢献料の金額が含まれているので社会貢献料は消費者が負担しており,第二には,社会貢献は最終的には商品のメーカが行うということであった。」,「【0006】上記システムでは,消費者は商品を可及的に安価に購入したいという意図に反する。また,商品メーカが社会より社会奉仕の評価を受けるのみであり,消費者と直接に接する小売店には社会的評価は発生しないこととなり,小売店の販売促進努力を喚起することにならないという欠点があった。」,「【0007】本発明は,斯かる事情に鑑みてなされたものであって,小売業者は社会貢献活動による社会的評価を受けることにより,当該小売業者と接する消費者に購買意欲を換起させて販売促進に多いに役立つとともに,商品流通に係る全企業の繁栄に貢献することができる社会貢献事業を伴う商品流通システムを提供する。」と記載しているように,小売業者による社会貢献活動により,商品流通に係る全企業の繁栄に貢献することができる社会貢献事業を伴う商品流通システムを提供することであるが,これは社会貢献活動により消費者に対する小売業者のイメージアップを図り,それにより商品流通に係る全企業の繁栄に貢献するというものであり,そもそもこの課題はビジネス上の課題であって技術的課題とはいえないものである。
そして,この課題を解決するための手段として採用されたものは,(a)「社会貢献事業への加盟企業・団体及びその関係企業団体を,肉牛飼育家畜農家と,一次流通会社と,屠畜場と,食肉加工会社と,食肉卸会社と,小売業者と,ブランド管理会社と,各種地域・社会貢献活動団体と,により構成すると共に,各種加盟企業・団体が寄付等の供託金による社会貢献事業において使用するための事業必須項目記載表を,認定基準マスタ(101)と,認定会社マスタ(102)と,認定牛マスタ(103)と,資金管理マスタ(104)と,貢献事業マスタ(105)と,認識マーク表と,流通履歴情報表と,の組み合わせにより構成し」であり,また,(k)「寄付等の供託金による社会貢献事業において使用する事業必須項目記載表の組合わせよりなることを特徴とする寄付等の供託金による社会貢献事業において使用する事業必須項目記載表の組合わせ」である。
ここで,上記事項(a)における「社会貢献事業への加盟企業・団体及びその関係企業団体を,肉牛飼育家畜農家と,一次流通会社と,屠畜場と,食肉加工会社と,食肉卸会社と,小売業者と,ブランド管理会社と,各種地域・社会貢献活動団体と,により構成する」との記載は,本願の課題である「社会貢献事業を伴う商品流通システム」の構成を特定したものであるが,ここでいう「社会貢献事業を伴う商品流通システム」は,企業,団体,会社や業者などの組織からなる社会的な商品流通の仕組み(システム)そのものであって,この仕組み自体は経済法則や人為的な取り決めに基づくものであり,自然法則が関与する余地はない。
また,上記事項(a)のおける「各種加盟企業・団体が寄付等の供託金による社会貢献事業において使用するための事業必須項目記載表を,認定基準マスタ(101)と,認定会社マスタ(102)と,認定牛マスタ(103)と,資金管理マスタ(104)と,貢献事業マスタ(105)と,認識マーク表と,流通履歴情報表と,の組み合わせにより構成し」,及び,事項(k)における「寄付等の供託金による社会貢献事業において使用する事業必須項目記載表の組合わせよりなることを特徴とする寄付等の供託金による社会貢献事業において使用する事業必須項目記載表の組合わせ」では,「各種加盟企業・団体が寄付等の供託金による社会貢献事業」である上記社会的な商品流通の仕組みにおいて使用するための「事業必須項目記載表」を特定するものである。
しかしながら,ここで特定される各種「表の組合せ」は,紙上もしくはコンピュータ上のものにかかわらず,上記社会的な商品流通の仕組みにおいて行う事業に使用する道具として,各種「表の組合せ」を人為的に取り決めたものでしかないし,また,ここでの各種「表」自体は単に名称を特定したにすぎないものであるから,上記請求項の記載からは自然法則を利用しているといえる事項は見当たらない。
なお,上記各種表については以下に検討する。
(2-2)事項(b)について
上記事項(b)は,「認定基準マスタ(101a)は,社会貢献事業1に加盟を希望する流通事業者たる企業・団体が当該隣の加盟に必要な認定基準を具備しているか否かの審査に使用する表であり,加盟申請を行う企業・団体を識別検索するために各企業・団体毎に付する企業キー項目欄と,加盟申請を行った企業・団体の名称を記載する認定基準名欄と,加盟申請を行った企業・団体が過去に資格を失った履歴を記載する資格失効欄と,加盟申請を行った企業・団体がどのような職種であるかを示す取引形態の区分を記載する取引形態区分欄と,加盟申請を行った企業・団体が過去に業務停止などの懲罰を受けたか否かを記載する懲罰履歴チェック欄と,懲罰の有効期限を記載する懲罰有効期限欄と,加盟申請を行った企業・団体が過去に加盟申請を行ったか否かを記載する過去申請履歴欄と,過去に加盟申請した企業・団体が有効期限を満たしているか否かを記載する過去申請履歴有効期限欄と,加盟申請を行った企業・団体の資本金,事業年数,従業員数等の会社の概要を示す項目を記載する会社概要欄と,より構成しており」であり,上記「事業必須項目記載表」を構成する表の一つである「認定基準マスタ(101a)」を特定するものである。
該表は「社会貢献事業1に加盟を希望する流通事業者たる企業・団体が当該隣の加盟に必要な認定基準を具備しているか否かの審査に使用する表」であって,該表の内容に基づいて人間や組織が加盟に必要な認定基準を具備しているか否かの審査に使用するものであり,そもそも認定基準自体は人間や組織が人為的に取り決めたものであるし,人間や組織が行う審査自体に自然法則が利用されているとは到底いえないものである。
また,「認定基準マスタ(101a)」の表の内容についてみると,「加盟申請を行う企業・団体を識別検索するために各企業・団体毎に付する企業キー項目欄」,「加盟申請を行った企業・団体の名称を記載する認定基準名欄」,「加盟申請を行った企業・団体が過去に資格を失った履歴を記載する資格失効欄」,「加盟申請を行った企業・団体がどのような職種であるかを示す取引形態の区分を記載する取引形態区分欄」,「加盟申請を行った企業・団体が過去に業務停止などの懲罰を受けたか否かを記載する懲罰履歴チェック欄」,「懲罰の有効期限を記載する懲罰有効期限欄」,「加盟申請を行った企業・団体が過去に加盟申請を行ったか否かを記載する過去申請履歴欄」,「過去に加盟申請した企業・団体が有効期限を満たしているか否かを記載する過去申請履歴有効期限欄」,「加盟申請を行った企業・団体の資本金,事業年数,従業員数等の会社の概要を示す項目を記載する会社概要欄」が存在しているものの,これらは上記認定基準を具備しているか否かの審査に必要となる“情報”を人為的に取り決めたものでしかなく,当該「認定基準マスタ(101a)」の表自体にも自然法則が利用されているとはいえないものである。
(2-3)事項(c)について
上記事項(c)は,「流通牛認定基準マスタ(101b)は,牛肉飼育家畜が流通させようとする牛が必要な認定基準を満たしているか否かを審査するために使用する表であり,ブランド管理会社によりブランド牛の識別検索するためにブランド牛の種類毎にそれぞれ付されるブランド牛キー項目欄と,ブランド管理会社によりブランド牛の認定基準名を記載するブランド牛認定基準欄と,牛肉飼育家畜農家が流通申請を行った牛固有の識別番号へのチェックの有無を記載する個体識別番号チェック欄と,牛の品種のチェック結果を記載する品種チェック欄と,牛の産地のチェック結果を記載する産地チェック欄と,牛の性別のチェック結果を記載する性別チェック欄と,牛の加工日のチェック結果を記載する加工日チェック欄と,牛の屠畜日のチェック結果を記載する屠畜日チェック欄と,牛肉飼育家畜農家が流通申請を行った牛の格付けランクのチェック結果を記載する格付チェック欄と,牛の傷等による傷みの瑕疵のチェック結果を記載する瑕疵チェック欄と,牛肉の霜降りの度合いのチェック結果を記載する霜降りチェック欄と,牛肉の色合い・光沢等のチェック結果を記載するカラーチェック欄と,流通牛認定基準マスタの作成日等のその他の項目を記載するマスタ作成項目欄と,より構成しており」であり,上記「事業必須項目記載表」を構成する表の一つである「流通牛認定基準マスタ(101b)」を特定するものである。
該表は「牛肉飼育家畜が流通させようとする牛が必要な認定基準を満たしているか否かを審査するために使用する表」であって,該表の内容に基づいて人間や組織が必要な認定基準を具備しているか否かの審査を行うために使用するものであり,そもそも認定基準自体は人間や組織が人為的に取り決めたものであるし,人間や組織が行う審査自体に自然法則が利用されているとは到底いえないものである。
また,「流通牛認定基準マスタ(101b)」の表の内容についてみると,各種情報「欄」が存在しているものの,これらは上記認定基準を具備しているか否かの審査に必要となる“情報”を人為的に取り決めたものでしかなく,当該「流通牛認定基準マスタ(101b)」の表自体にも自然法則が利用されているとはいえないものである。
(2-4)事項(d)について
上記事項(d)は,「認定会社マスタ(102)は,社会貢献事業に加盟が認められた流通事業者である企業・団体のデータを登録記載するための表であり,ブランド管理会社の管理者によって加盟を認められた企業・団体を識別検索するために企業・団体毎にそれぞれ付される会社コード項目欄と,企業・団体が参加を認可された日付を記載する認定年月日項目欄と,加盟を認可された企業・団体の法人区分を記載する法人区分項目欄と,企業・団体の会社名を記載する会社名項目欄と,加盟認可を受けた企業・団体の代表者を記載する代表者項目欄と,企業・団体の住所を記載する現在地項目欄と,企業・団体の電話やFAX等の連絡番号を記載する連絡番号欄と,加盟を認可された企業・団体の認定年月日や資本金等の会社概要を記載する会社概要欄と,より構成しており」であり,上記「事業必須項目記載表」を構成する表の一つである「認定会社マスタ(102)」を特定するものである。
該表は「社会貢献事業に加盟が認められた流通事業者である企業・団体のデータを登録記載するための表」であって,各種情報「欄」が存在しているものの,単に加盟が認められた企業・団体のデータとして,人為的に取り決められた情報が登録記載される表でしかなく,当該「認定会社マスタ(102)」の表自体に自然法則が利用されているといえるものではない。
(2-5)事項(e)について
上記事項(e)は,「認定牛マスタ(103)は,牛肉飼育家畜農家(10)が飼育したブランド牛の詳細を記載するために使用する表であり,流通申請を認可されたブランド牛の検索をするためにブランド牛毎に付される識別コードを記載する団体識別コード項目欄と,ブランド牛の品種を記載するための品種項目欄と,ブランド牛の最長肥育地を産地として記載するための産地項目欄と,ブランド牛の性別を記載する性別項目欄と,ブランド牛の出生年月日を記載する出生年月日項目欄と,ブランド牛を屠畜した屠畜場を記載する屠畜項目欄と,屠畜場から発行される証明書記載の枝番号を記載する屠畜番号項目欄と,ブランド牛の格付を記載する格付項目欄と,傷等による傷みの瑕疵の情報を記載する瑕疵情報項目欄と,ブランド牛の霜降りの度合いを記載する霜降り項目欄と,ブランド牛の色合いと光沢を記載する色彩項目欄と,ブランド牛の屠畜から小売業者(60)により消費者に販売されるまでの有効期限を記載すする有効期限項目欄と,認定牛マスタ(103)の作成者,更新者,作成日,更新日等を記載するマスタ作成者項目欄と,ブランド牛を加工した食肉加工会社(40)や食肉卸会社(50)を記載する流通項目欄とより構成しており」であり,上記「事業必須項目記載表」を構成する表の一つである「認定牛マスタ(103)」を特定するものである。
該表は「牛肉飼育家畜農家(10)が飼育したブランド牛の詳細を記載するために使用する表」であって,各種情報「欄」が存在しているものの,単にブランド牛の詳細として,人為的に取り決められた情報が記載される表でしかなく,当該「認定牛マスタ(103)」の表自体に自然法則が利用されているといえるものではない。
(2-6)事項(f)について
上記事項(f)は,「資金管理マスタ(104)は,社会貢献事業に加盟している企業・団体からの供託金の収入や支出を管理するためと共に,販売拡大及び小売業者(60)への販売促進のための資金等の支出を管理するための表であり,ブランド管理会社(90)の収入金及び支出を検索するため収入及び支出度に付する資金管理項目欄と,企業・団体から徴収した社会貢献事業を行うための資金毎に管理名を記載する資金管理名項目欄と,補助金,供託金,支援金等の資金の管理区分を記載する資金管理区分項目欄と,資金の貸付先や借入先を記載する貸方科目・借方科目欄と,より構成しており」であり,上記「事業必須項目記載表」を構成する表の一つである「資金管理マスタ(104)」を特定するものである。
該表は「社会貢献事業に加盟している企業・団体からの供託金の収入や支出を管理するためと共に,販売拡大及び小売業者(60)への販売促進のための資金等の支出を管理するための表」であって,各種情報「欄」が存在しているものの,単に収入や支出を管理するための表として,経済法則や人為的取り決めに基づいて選択された情報が記載される表でしかなく,当該「資金管理マスタ(104)」の表自体に自然法則が利用されているといえるものではない。
(2-7)事項(g)について
上記事項(g)は,「貢献事業マスタ(105)は,社会貢献事業に加盟する流通業者から拠出された供託金を運用し,小売業者(60)が供託金を資金として実施した社会貢献事業を知るために使用する表であり,ブランド管理会社(90)によって実施された社会貢献事業を検索するために各事業毎に付する事業キー項目欄と,実施した社会貢献活動の事業区分を記載する事業区分項目欄と,実施した社会貢献活動の事業名を記載する事業名項目欄と,実施した社会貢献活動の実施された場所を記載する事業場所項目欄と,実施した社会貢献活動の開始及び終了の年月日を記載する事業有効日項目欄と,実施した社会貢献活動が実施可能な所定の資格条件を満たしていることを記載する基本参加条件項目欄と,実施した社会貢献活動のためにブランド管理会社(90)が支出した基本となる金額を記載する支出基本項目欄と,より構成しており」であり,上記「事業必須項目記載表」を構成する表の一つである「貢献事業マスタ(105)」を特定するものである。
該表は「社会貢献事業に加盟する流通業者から拠出された供託金を運用し,小売業者(60)が供託金を資金として実施した社会貢献事業を知るために使用する表」であって,各種情報「欄」が存在しているものの,単に小売業者が実施した社会貢献事業の内容として,人為的に取り決められた情報が記載される表でしかなく,当該「貢献事業マスタ(105)」の表自体に自然法則が利用されているといえるものではない。
(2-8)事項(h)について
上記事項(h)は,「ブランド牛に付すための認識マーク(F)は,消費者(70)が認識マークFを目視することにより認識マーク(F)の付されたブランド牛の小売業者(60)が社会貢献活動による社会的評価を受けることを認識し,消費者(70)に購買意欲を喚起させて販売促進となるように機能するものであり,ブランド牛に割り振られる固有の番号となる数字又はアルファベットより構成され,ブランド牛の全加工処理流通経路において,所定の手段で所定の位置に一貫して表記されて最終的には小売業者(60)の社会貢献活動の特定表記に使用され,更にはブランド牛の流通に関わった複数の流通業者の履歴を表す流通履歴情報欄を有した個体識別番号(F2)より構成されており」であり,上記「事業必須項目記載表」を構成する表の一つである「認識マーク表」を特定するものである。
また,この「ブランド牛に付すための認識マーク(F)」は「消費者(70)が認識マークFを目視することにより認識マーク(F)の付されたブランド牛の小売業者(60)が社会貢献活動による社会的評価を受けることを認識し,消費者(70)に購買意欲を喚起させて販売促進となるように機能するもの」と記載しているように,消費者である人間に対する情報の提示を目的とするもの,つまり提示する情報にのみ特徴を有するものである。ここでは「ブランド牛に割り振られる固有の番号となる数字又はアルファベットより構成され,ブランド牛の全加工処理流通経路において,所定の手段で所定の位置に一貫して表記されて最終的には小売業者(60)の社会貢献活動の特定表記に使用され,更にはブランド牛の流通に関わった複数の流通業者の履歴を表す流通履歴情報欄を有した個体識別番号(F2)」が提示されるものであるが,該情報は上記「ブランド牛の小売業者(60)が社会貢献活動による社会的評価を受けることを認識し,消費者(70)に購買意欲を喚起させて販売促進となるように機能する」と記載しているように,いわゆるブランドイメージの向上や販売促進のための宣伝のために選択された情報である。そして,「小売業者(60)の社会貢献活動の特定表記に使用され」る機能や「ブランド牛の流通に関わった複数の流通業者の履歴を表す流通履歴情報欄」を備えているとしても,その情報自体は消費者である人間に提示することを目的として経済法則や人為的取り決めに基づいて選択されたものであり,自然法則を利用しているとはいえないものである。
(2-9)事項(j)について
事項(j)は,「流通履歴情報欄は,個体識別番号(F2)を示す項目と,流通経路においてブランド牛の流通に関係した各流通関係者を示す項目と,小売業者(60)が行った社会貢献活動の内容を示す項目とより構成されている」であり,上記「事業必須項目記載表」を構成する表の一つである「流通履歴情報表」を特定するものである。
該表は「個体識別番号(F2)を示す項目」,「流通経路においてブランド牛の流通に関係した各流通関係者を示す項目」,「小売業者(60)が行った社会貢献活動の内容を示す項目」から構成されるものであって,流通の履歴を記載し,また,上記「個体識別番号(F2)」に基づいて該履歴を参照可能な表であるとしても,当該「流通履歴情報表」の表自体は,上記(2-8)で示したようにいわゆるブランドイメージの向上や販売促進のための宣伝のために,消費者である人間に提示することを目的として経済法則や人為的取り決めに基づいて選択され配列されたものであり,自然法則を利用しているとはいえないものである。
(2-10)事項(a)ないし(j)の全体について
上記(2-1)ないし(2-9)で示したように,本願発明の各事項(a)ないし(j)はいずれも自然法則を利用しているとはいえないものであるし,また,全体についてみても,上記(2-1)で示したように,「社会貢献事業への加盟企業・団体及びその関係企業団体を,肉牛飼育家畜農家と,一次流通会社と,屠畜場と,食肉加工会社と,食肉卸会社と,小売業者と,ブランド管理会社と,各種地域・社会貢献活動団体と,により構成する」社会的な商品流通の仕組みにおいて,その事業に使用するための「各種加盟企業・団体が寄付等の供託金による社会貢献事業において使用するための事業必須項目記載表を,認定基準マスタ(101)と,認定会社マスタ(102)と,認定牛マスタ(103)と,資金管理マスタ(104)と,貢献事業マスタ(105)と,認識マーク表と,流通履歴情報表と,の組み合わせ」を特定するものであって,具体的には事項(b)ないし(j)に示される各表に記載される情報を特定したものであり,これら情報は経済法則や人為的取り決めに基づいて選択されたものにすぎないから,請求項の記載全体としてみても自然法則を利用しているとはいえないものである。
(3)まとめ
上記(2)で述べたとおり,本願発明は自然法則を利用した技術的思想の創作であるとはいえず,特許法第2条でいう「発明」に該当しないものである。
よって,本願発明は特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていない。

5.むすび
以上のとおり,本願発明は,自然法則を利用した技術的思想の創作であるとはいえず,特許法第2条でいう「発明」に該当しないものであるので,特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしておらず,特許を受けることができない。

よって結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-06-24 
結審通知日 2014-07-01 
審決日 2014-07-14 
出願番号 特願2011-60540(P2011-60540)
審決分類 P 1 8・ 1- Z (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 裕子  
特許庁審判長 手島 聖治
特許庁審判官 須田 勝巳
金子 幸一
発明の名称 寄付等の供託金による社会貢献事業において使用する事業必須項目記載表の組合わせ  
代理人 松尾 憲一郎  
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