• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1293018
審判番号 不服2013-9450  
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-05-22 
確定日 2014-10-15 
事件の表示 特願2010-534099「ワイヤレス信号のプリアンブル設計」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 5月22日国際公開、WO2009/064648、平成23年 2月10日国内公表、特表2011-504686〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2008年(平成20年)11月5日(優先権主張2007年11月16日、米国、優先権主張2007年11月16日、米国、優先権主張2008年2月1日、米国)を国際出願日とする国際出願であって、平成24年6月11日付けの拒絶理由の通知に対し、同年12月19日付けで手続補正がされ、平成25年1月15日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月22日に審判請求がなされるとともに同日付けで手続補正がなされたものである。


2.平成25年5月22日付けの手続補正書による補正
平成25年5月22日付け審判請求書において、審判請求人は、
「各独立請求項1、9、17、18、19、20、32、44、45及び46の補正は、限定的減縮を目的として行ったものであり、その「前記低再使用プリアンブルは、前記ワイヤレス信号のリソースの一部のみを使用する」における補正箇所(下線部)については、本願発明の当初明細書の[発明の実施の形態]の欄の記載、特には、段落[0034]等の記載に基づくものです。」
と主張している。
しかしながら、平成25年5月22日付けの手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)は、以下の理由により、特許法第17条の2第5項第2項に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正であるというよりも、特許法第17条の2第5項第4号に規定する「明りょうでない記載の釈明」を目的とする補正であると認められる。

2-1.本件補正が「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正であるか否か
本件補正前の請求項1の「前記プリアンブルを低再使用プリアンブルとして送信すること」なる記載事項に関し、「低再使用プリアンブル」なる用語は、学術用語、学術文献などで慣用されている技術用語ではないから、本件補正前の請求項1の上記記載事項を以てして、その技術的意義が明確であったとはいえず、本件補正前の記載は明りょうでない記載である。
このため、該記載事項を把握するためには、本願明細書の記載を参酌せざるを得ないため、本件補正前のものであっても、該記載事項は、当初明細書の段落【0034】で裏付けられた範囲の事項であったというべきである。

これに対して、本件補正後の請求項1は、「前記プリアンブルを低再使用プリアンブルとして送信すること」なる記載事項に対して、「前記低再使用プリアンブルは、前記ワイヤレス信号のリソースの一部のみを使用する」との限定を加えられており、形式的には限定が加わってはいるものの、限定された事項は、当初明細書の段落【0034】の記載に基づく事項であって、該限定が加えられる前の本件補正前であっても、該記載事項を把握する際に参酌された事項であるから、実質的に、該記載事項が示す技術的範囲に変更はないと解するのが妥当である。

してみると、本件補正については、特許請求の範囲の減縮(特許法第17条の2第5項第2項)を目的として補正されたものとはいえない。

2-2.本件補正が「明りょうでない記載の釈明」を目的とする補正であるか否か
審判請求と同時にされた補正が、明りょうでない記載の釈明を目的する補正に該当するには、
(1)補正前の記載が明りょうでない記載であること、
(2)補正後の記載が釈明された記載になっていること、
(3)拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものであること、
が要件とされる。
ここで、「明りょうでない記載」とは、請求項の記載そのものが文理上、意味が不明りょうであること、請求項自体の記載内容が他の記載との関係において不合理を生じていること、又は、請求項自体の記載は明りょうであるが請求項に記載した発明が技術的に正確に特定されず不明りょうであること等であり、「釈明」とは、それらの不明りょうさを正して、「その記載本来の意味内容」を明らかにすることである。

そこで、(1)の本件補正前の記載が明りょうでない記載であるかどうかを検討すると、上記「2-1.」で検討したように、本件補正前の請求項1の「前記プリアンブルを低再使用プリアンブルとして送信すること」なる記載事項の「低再使用プリアンブル」なる用語は、学術用語、学術文献などで慣用されている技術用語ではないから、本件補正前の請求項1の上記記載事項を以てして、その技術的意義が明確であったとはいえず、本件補正前の記載は明りょうでない記載である。

次に、(2)の本件補正後の記載は不明りょうさが正され、「その記載本来の意味内容」が明らかにされているかどうかを検討すると、本件補正後の請求項1の「前記プリアンブルを低再使用プリアンブルとして送信すること、を備え、前記低再使用プリアンブルは、前記ワイヤレス信号のリソースの一部のみを使用する」なる記載事項は、当初明細書の段落【0034】の記載に基づいて、「低再使用プリアンブル」なる用語に対して、「前記ワイヤレス信号のリソースの一部のみを使用する」と定義することで、「低再使用プリアンブル」の技術的意義を明確にするものであって、「その記載本来の意味内容」を明らかにするものとあるといえる。

(3)の拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものかどうかを検討すると、平成24年6月11日付け拒絶理由通知では、理由1として、本願の全請求項に係る発明が特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないことが通知されるとともに、理由2として、本願の全請求項に係る発明が特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないことが通知され、これに対して、平成24年12月19日付け手続補正書による補正で、「前記プリアンブルを低再使用プリアンブルとして送信すること」なる事項を特定するととともに、同日付け意見書で、「このような本願発明に対して、審査官殿が引用なされた国際公開第2006/023536号(以下、引用文献1と称します)は、上記のような「低再使用プリアンブル」について開示も示唆もしていません。」と主張し、本件補正で、該「低再使用プリアンブル」に関して、「前記低再使用プリアンブルは、前記ワイヤレス信号のリソースの一部のみを使用する」なる事項を特定したものである。
このため、上記「前記プリアンブルを低再使用プリアンブルとして送信すること」を、補正対象とする補正は、通知された拒絶理由についてするものであるといえる。

してみると、本件補正は(1)?(3)の要件を満たし、本件補正前の記載が明りょうでない記載であり、本件補正後の記載が不明りょうさが正されていて、「その記載本来の意味内容」が明らかにされているとともに、拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてなされたものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的として補正されたものといえる。

よって、本件補正については、明りょうでない記載の釈明(特許法第17条の2第5項第4号)を目的として補正されたものといえる。


3.本願発明
本願の請求項1?46に係る発明は、平成25年5月22日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?46に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、次のとおりのものである(なお、下線は、請求人が付した。)。

「【請求項1】
ワイヤレス通信の方法であって、
ワイヤレス信号を送信している基地局(BS)に関係するネットワークオーバーヘッド情報を備える、前記ワイヤレス信号のプリアンブルを生成すること、
前記プリアンブル内に前記BSのための一意またはある程度一意のセクタIDを提供する情報を含めること、及び
前記プリアンブルを低再使用プリアンブルとして送信すること、
を備え、
前記低再使用プリアンブルは、前記ワイヤレス信号のリソースの一部のみを使用する、方法。」


3.引用文献
原査定で引用された、本願の優先日前に国際公開された国際公開第2006/023536号(以下、「引用文献」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている(なお、下線は当審が付した。)。
なお、当審訳として引用文献に対応する特表2008-510437号公報(平成20年4月3日国内公表)を参考している。

ア.「[0005] The downlink radio signals from the base stations to mobile stations may include voice or data traffic signals or both. In addition, the base stations generally need to transmit preamble signals in their downlink radio signals to identify to the mobile stations, the corresponding cells and corresponding segments in the cells from which the downlink radio signals are transmitted. Such a preamble signal from a base station allows a mobile station to synchronize its receiver in both time and frequency with the observed downlink signal and to acquire the identity, such as IDcell and Segment, of the base station that transmits the downlink signal. 」
(当審訳:【0005】参考
基地局から移動局へのダウンリンク無線信号は音声またはデータトラフィック信号或いはその両者を含むことができる。さらに、基地局は通常、ダウンリンク無線信号を送信するセルの対応するセル及び対応するセグメントを移動局に対して識別するために、通常、それらのダウンリンク無線信号中でプリアンブル信号を送信する必要がある。基地局からのこのようなプリアンブル信号によって、移動局は、その受信機を時間及び周波数の両者において、観察されるダウンリンク信号に同期させ、ダウンリンク信号を送信する基地局のIDcellおよびSegmentのようなアイデンティティを獲得することが可能である。 )

イ.「[0006] IEEE 802.16 OFDMA has been developed to provide wireless communications based on an orthogonal frequency division multiple access (OFDMA) modulation technique. In the DL preambles currently defined in IEEE 802.16 OFDMA, the MSSs store predefined and handcrafted pseudo-noise (PN) like sequences for identifying IDcell numbers and segment numbers of the adjacent cells. In operation, an MSS captures the preamble symbols in received downlink signals and correlates the preamble in each received downlink signal with the stored pseudo-noise (PN) like sequences to determine IDcell and Segment of a specific sector for that received downlink signal. These preamble sequences are handcrafted in advance and are processed by the MSS one at a time. There are more than 100 such sequences (e.g., 114) in some implementations of the current IEEE 802.16 OFDMA. Performing the cross- correlation with such a large number of preamble sequences can be time consuming, and thus can adversely affect the quality of service to a mobile station, especially when the mobile station is rapidly moving.」
(当審訳:【0006】参考
IEEE 802.16 OFDMAは直交周波数分割多元アクセス(OFDMA)変調技術に基づいた無線通信を行うために開発されている。IEEE 802.16 OFDMAで現在規定されているDLプリアンブルでは、MSSは隣接するセルのIDcell番号およびセグメント番号を識別するためのシーケンスのような予め規定され手作業で作られた擬似雑音(PN)を記憶する。動作において、MSSは受信されたダウンリンク信号中のプリアンブルシンボルを捕捉し、各受信されたダウンリンク信号中のプリアンブルを、その受信されたダウンリンク信号の特定のセクタのIDcellおよびSegmentを決定するためのシーケンスのような記憶された擬似雑音(PN)とを相関させる。これらのプリアンブルシーケンスは前もって手作業で作られ、一度に1つMSSにより処理される。現在のIEEE 802.16 OFDMAの幾つかの構成には100を超える数(例えば114)のこのようなシーケンスが存在する。このような多数のプリアンブルシーケンスとの相互相関を行うことは時間がかかり、したがって特に、移動局が迅速に移動中であるときには、移動局に対するサービス品質に悪影響を与えかねない。)

ウ.「[0037] Some examples described here add a common preamble after the legacy cell-specific preamble or add a common post- amble every L subframes, where L is an integer number greater than 0, for fast time and frequency synchronization and fast cell search. This common preamble or post-amble may be implemented as repetitions of one sequence common for all base stations, or repetitions of one of N possible sequences each of which is common for a group of base stations. 」
(当審訳:【0018】参考
ここで説明する幾つかの例は、高速度の時間及び周波数同期と高速度のセル探索のために、共通のプリアンブルをレガシーセル特定プリアンブルの後に付加するか、共通のポストアンブルをLサブフレーム毎に付加し、ここでLは0よりも大きい整数である。この共通のプリアンブルまたはポストアンブルは、全ての基地局に共通の1シーケンスの反復として、またはそれぞれが基地局のグループに共通しているN個の可能なシーケンスのうちの1つの反復として構成されることができる。 )

エ.図3には、DLサブフレームkの一部として共通のプリアンブルシンボル310及びレガシープリアンブルシンボル320が挿入された、時間ドメインOFDMダウンリンクサブフレーム構造が記載されている。

技術常識を参酌すれば、上記ア?エの摘示事項からみて、引用文献には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「基地局は、ダウンリンク無線信号を送信するセルの対応するセル及び対応するセグメントを移動局に対して識別するために、それらのダウンリンク無線信号中でIEEE 802.16 OFDMAで現在規定されているDLプリアンブル信号を送信し、
移動局は、基地局からのこのようなプリアンブル信号によって、その受信機を時間及び周波数の両者において、観察されるダウンリンク信号に同期させ、ダウンリンク信号を送信する基地局のIDcellおよびSegmentのようなアイデンティティを獲得し、
DLサブフレームkの一部として、共通のプリアンブルをレガシーセル特定プリアンブルの後に付加した時間ドメインOFDMダウンリンクサブフレーム構造を有する方法。」


4.対比
引用発明は、「基地局は、ダウンリンク無線信号を送信するセルの対応するセル及び対応するセグメントを移動局に対して識別するために、それらのダウンリンク無線信号中でIEEE 802.16 OFDMAで現在規定されているDLプリアンブル信号を送信し」、「移動局は、基地局からのこのようなプリアンブル信号によって、その受信機を時間及び周波数の両者において、観察されるダウンリンク信号に同期させ、ダウンリンク信号を送信する基地局のIDcellおよびSegmentのようなアイデンティティを獲得し」ている。
してみると、基地局と移動局との間で、ダウンリンク無線信号の送受信が行われており、引用発明は、本願発明と同様に、「ワイヤレス通信の方法」であるといえる。

引用発明は、「基地局は、ダウンリンク無線信号を送信するセルの対応するセル及び対応するセグメントを移動局に対して識別するために、それらのダウンリンク無線信号中でIEEE 802.16 OFDMAで現在規定されているDLプリアンブル信号を送信し」、「移動局は、基地局からのこのようなプリアンブル信号によって、その受信機を時間及び周波数の両者において、観察されるダウンリンク信号に同期させ、ダウンリンク信号を送信する基地局のIDcellおよびSegmentのようなアイデンティティを獲得し」ている。
そして、引用発明における「基地局のIDcellおよびSegmentのようなアイデンティティ」は、「ワイヤレス信号を送信している基地局(BS)に関係するネットワークオーバーヘッド情報」であるといい得る。
また、IEEE 802.16においては、基地局が、送信するプリアンブル等のオーバヘッド情報を生成し、網から受信したデータをワイヤレス通信インターフェースを用いて送信するために、生成したプリアンブル等のオーバヘッド情報をデータに付加して、ワイヤレス通信インターフェースのフレームとして送信することは、当業者にとって常套手段にすぎないことに鑑みると、引用発明において、送信するプリアンブル情報を生成していると理解するのが妥当である。
してみると、引用発明は、本願発明と同様に、「ワイヤレス信号を送信している基地局(BS)に関係するネットワークオーバーヘッド情報を備える、前記ワイヤレス信号のプリアンブルを生成すること」を備えているといえる。

引用発明は、「基地局は、ダウンリンク無線信号を送信するセルの対応するセル及び対応するセグメントを移動局に対して識別するために、それらのダウンリンク無線信号中でIEEE 802.16 OFDMAで現在規定されているDLプリアンブル信号を送信し」、「移動局は、基地局からのこのようなプリアンブル信号によって、その受信機を時間及び周波数の両者において、観察されるダウンリンク信号に同期させ、ダウンリンク信号を送信する基地局のIDcellおよびSegmentのようなアイデンティティを獲得し」ている。
そして、引用発明における「ダウンリンク無線信号を送信するセルの対応するセル及び対応するセグメントを移動局に対して識別するため」の「基地局のIDcellおよびSegmentのようなアイデンティティ」は、基地局のための一意のIDを提供する情報といい得る。
してみると、引用発明は、本願発明と同様に、「前記プリアンブル内に前記BSのための一意またはある程度一意のIDを提供する情報を含めること」を備えているといえる。

したがって、本願発明と引用発明とを対比すると、次の点で、一致及び相違する。

<一致点>
ワイヤレス通信の方法であって、
ワイヤレス信号を送信している基地局(BS)に関係するネットワークオーバーヘッド情報を備える、前記ワイヤレス信号のプリアンブルを生成すること、
前記プリアンブル内に前記BSのための一意またはある程度一意のIDを提供する情報を含めること、
を備える、方法。

<相違点1>
本願発明は、プリアンブルが提供する情報としてセクタIDを含めているのに対して、引用発明は、「基地局のIDcellおよびSegmentのようなアイデンティティ」を含めている点。

<相違点2>
本願発明では、「前記プリアンブルを低再使用プリアンブルとして送信すること、を備え、前記低再使用プリアンブルは、前記ワイヤレス信号のリソースの一部のみを使用する」のに対して、引用発明では、これらについて特定されていない点。


5.当審の判断
相違点1について、以下、検討する。
IEEE 802.16において、セルを複数のセクタに分割すること、セルを分割したセクタ毎にIDを設けること、及び、セクタIDを基地局がネットワークオーバーヘッド情報として送信するは、当業者にとって常套的に行われている事項である。
そして、セクタIDやIDcellにより基地局を一意に識別可能であるから、セクタIDやIDcellが基地局のための一意のIDであることは、当業者にとって明らかである。
してみると、引用発明において、基地局のための一意のIDとして提供する情報に、セクタIDを含めるようにすることは、当業者であれば容易になし得る事項である。

相違点2について、以下、検討する。
引用発明は、「DLサブフレームkの一部として、共通のプリアンブルをレガシーセル特定プリアンブルの後に付加した時間ドメインOFDMダウンリンクサブフレーム構造を有する方法。」である。
時間ドメインOFDMダウンリンクサブフレーム構造おけるOFDMシンボルは、DLサブフレームを構成するリソースの1つであることから、引用発明は、DLサブフレームkというワイヤレス信号のリソースの一部を、共通のプリアンブル及びレガシーセル特定プリアンブルとして使用し、共通のプリアンブル及びレガシーセル特定プリアンブルからなるプリアンブルに割り当てられたワイヤレス信号のリソースの一部を、基地局を一意に識別可能なレガシーセル特定プリアンブルと使用しているといい得る。
このため、引用発明は、基地局を一意に識別可能なレガシーセル特定プリアンブルをワイヤレス信号の理スースの一部のみを使用するものであるといえ、低再使用プリアンブルとして送信しているといえる。
してみると、引用発明では、直接的な記載はないものの、実質的に、「前記プリアンブルを低再使用プリアンブルとして送信すること、を備え、前記低再使用プリアンブルは、前記ワイヤレス信号のリソースの一部のみを使用する」ものであり、相違点2において、本願発明と引用発明とは、実質的に相違していないと判断するのが妥当である。

そして、本願発明の構成によってもたらされる効果は、当業者ならば引用発明から容易に予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。

よって、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。
 
審理終結日 2014-05-13 
結審通知日 2014-05-20 
審決日 2014-06-02 
出願番号 特願2010-534099(P2010-534099)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲高▼須 甲斐  
特許庁審判長 江口 能弘
特許庁審判官 近藤 聡
佐藤 聡史
発明の名称 ワイヤレス信号のプリアンブル設計  
代理人 中村 誠  
代理人 幸長 保次郎  
代理人 野河 信久  
代理人 井上 正  
代理人 河野 直樹  
代理人 堀内 美保子  
代理人 峰 隆司  
代理人 白根 俊郎  
代理人 岡田 貴志  
代理人 佐藤 立志  
代理人 砂川 克  
代理人 竹内 将訓  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 井関 守三  
代理人 赤穂 隆雄  
代理人 福原 淑弘  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ