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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G09C
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G09C
管理番号 1293529
審判番号 不服2013-256  
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-01-08 
確定日 2014-11-06 
事件の表示 特願2007-317232「カラーを利用した暗号化方法および暗号化装置」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 6月25日出願公開、特開2009-139722〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯

1.本件請求に係る出願(以下「本願」と記す)は
平成19年12月7日付けの出願であって、
平成21年7月14日付けで審査請求がなされ、
平成23年12月13日付けで拒絶理由通知(平成23年12月20日発送)がなされ、
平成24年2月17日付けで意見書が提出されるとともに、
同日付けで手続補正書が提出され、
平成24年9月28日付けで拒絶査定(平成24年10月9日謄本発送・送達)がなされたものである。

2.本件審判請求は
「原査定を取り消す、本願は特許をすべきものであるとの審決を求める。」との趣旨で
平成25年1月8日付けで請求されたものであって、
同日付けで手続補正書が提出され、
平成25年3月29日付けで特許法第164条第3項に定める報告(前置報告)がなされ、
平成25年8月13日付けで当該報告に対する意見を求める旨の審尋(平成25年8月20日発送)がなされ、これに対して
平成25年10月18日付けで回答書が提出され、
平成26年3月5日付けで上記平成25年1月8日付けの手続補正書による補正の却下の決定(平成26年3月18日発送)がなされるとともに、
同日付けで拒絶理由通知(平成26年3月11日発送)がなされ、
平成26年5月12日付けで意見書が提出されるとともに、
同日付けで手続補正書が提出され、
平成26年6月30日付けで最後の拒絶理由通知(平成26年7月1日発送)がなされ、
平成26年8月29日付けで意見書が提出されるとともに、
同日付けで手続補正書が提出されたものである。



第2.本願発明の認定
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」と言う。)は、上記平成26年8月29日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、その請求項1に記載されたとおりの次のものと認める。

<本願発明>
「1つのコンピュータもしくはその周辺装置で、または、通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステムでデータまたは情報を暗号化する暗号化方法であり、
前記データまたは情報を、演算処理のため一時的に保持するメモリ上で、カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって、または、RGBに係る数値の順列に対して乱数を割り当ててソートした順列並び換え処理で作られたカラー変換キーを利用する情報変換型のカラー変換処理によって、カラー画像ファイルに変換して暗号化するステップと、
前記カラー画像ファイルを保存用のメモリに保存するステップと、
前記データまたは情報を取得する必要があるときに、前記一時的に保持するメモリで、前記カラー変換テーブルまたは前記カラー変換キーに基づくカラー逆変換処理により、前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップとを有し、
前記データまたは情報を前記保存用のメモリに保存するときには前記カラー画像ファイルで保存し、前記データまたは情報を前記一時的に保持するメモリで使用するときには前記カラー画像ファイルから前記逆変換で取り出すことを特徴とするカラーを利用した暗号化方法。」



第3.先行技術

本願の出願前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、上記平成26年3月5日付けの拒絶理由通知において引用された、下記引用文献には、それぞれ、下記引用文献記載事項が記載されている。(下線は当審付与。)

<引用文献1>
国際公開第2000/72228号(2000年11月30日国際公開)

<引用文献記載事項1-1>
「上記の複数のカラーのそれぞれにコンピュータオブジェクトを対応付ける。ここで「コンピュータオブジェクト」とは、コンピュータの内部またはコンピュータを介して取り扱われる文字、記号、図形、数式、画像、音声等の個々のデータまたは情報(以下必要に応じて「データ・情報」と記す)のことを意味する。かかるコンピュータオブジェクトを記録することを、対応付けられたカラーを記録媒体のドットに印刷することによって実現する。カラーを利用したかかる記録を記録媒体に行うことによって、同時にコンピュータオブジェクトを記憶することが可能となる。この場合において、カラーを属性として記録媒体のドットに印刷されたもの(これを「実体」とする)を「カラーエンティティ」と呼ぶことにする。」(明細書第3頁第16行?第4頁第1行)

<引用文献記載事項1-2>
「第1図で説明したように或るコンピュータ10と他のコンピュータ16の間で通信装置15を経由してデータのやり取りのための通信を行う場合において、データのやり取りをカラー数値を用いて暗号として行うには第6C図に示される関係を、コンピュータ10,16の各々が有することが必要である。つまり、通信装置15によるコンピュータ10からコンピュータ16へのデータの送信をカラー数値を利用した暗号手法で行うようにするためには、コンピュータ10,16が両方共に前述の組aであって同じ変換関係を有していることが必要である。
なお、第6C図に示される上記関係はコンピュータ10,16の間でのみ有していることに限定されるものではなく、コンピュータ10とこのコンピュータ10に接続される入出力装置であるプリンタ21やその他の装置23等との間で情報を暗号としてやり取りする場合も、第6C図に示される上記関係を有するように構成できるものである。
以上のように同じ変換関係を有する組a,b,cの選択およびこれらの組合せ・変換関係の構成は任意である。
また通信装置15に代えてFDD、HDDなどのその他の記録媒体によるコンピュータ処理においても上記と同様に可能である。」(明細書第23頁第2行?同頁第18行)

<引用文献記載事項1-3>
「次に、第7図を参照して、コンピュータ10において、コンピュータオブジェクトをカラーエンティティまたはカラー数値の形へ変換し、記録し、または通信により伝達し、または再現等する手順を説明する。
コンピュータ10に対して、記録媒体60に記録された1つまたは複数のデータまたは情報(データ・情報:文字、記号、図形、数式、画像、音声など)111が与えられたとき、コンピュータ10はそれらを前述した入力装置112によって読み込む。コンピュータ10に読み込まれたデータ・情報は、コンピュータ10内においてコンピュータオブジェクト113として示されている。当該コンピュータオブジェクト113は、直ちに処理されるか、または一旦補助記憶装置13に保管される。補助記憶装置13におけるブロック114はコンピュータオブジェクトの記憶の状態を示している。
次にCPU11は、コンピュータオブジェクト113をカラー数値115に変換する。CPU11では、前述の主記憶装置12(第7図では図示せず)に格納されるプログラムに基づきカラー数値・オブジェクト変換部116を実現し、このカラー数値・オブジェクト変換部116が、補助記憶装置13に格納された前述のカラー数値・オブジェクト対応表102を用いて、読み込んだまたは補助記憶装置13に保管されたコンピュータオブジェクトをカラー数値115へ変換する。データ・情報をカラー数値として記録する場合、あるいは通信による情報伝送をする場合は、上記のカラー数値115そのものを、入出力制御装置14を介して出力しまたは通信する。すなわち、入出力制御装置14およびデータ入出力装置117を介して記録されたカラー数値118として出力され、また入出力制御装置14および他のコンピュータとの情報通信部119を介して配信カラー数値120として出力される。」(明細書第23頁第19行?第24頁第17行)

<引用文献記載事項1-4>
「さらにデータ・情報をカラーエンティティとして記録する場合は、前述の主記憶装置12に格納されるプログラムによってCPU11内にカラー・カラー数値変換部121が実現され、このカラー・カラー数値変換部121が補助記憶装置13に保管されたカラー・カラー数値対応表101を用いてカラー数値115をカラーに変換し、入出力制御装置14およびカラー入出力装置122を介してカラーエンティティ123を出力する。」(明細書第24頁第18行?同頁第24行)

<引用文献記載事項1-5>
「反対にカラーエンティティ123を入力するときは、カラー入出力装置122の入力装置部分、例えば前述のCCDカメラ51等の入力装置により、各カラードットのカラーエンティティを読み取り、入出力制御装置14を介してカラーとして入力する。CPU11内のカラー・カラー数値変換部121は、入力されたカラーを、補助記憶装置13のカラー・カラー数値対応表101を用いてカラー数値115に変換する。得られたカラー数値115は、さらに、CPU11内のカラー数値・オブジェクト変換部116によって補助記憶装置13のカラー数値・オブジェクト対応表102を用いてコンピュータオブジェクト113に変換され、こうして再現が行われる。再現されたコンピュータオブジェクト113は、出力装置124により再現されたデータ・情報125として出力され、利用に供する。」(明細書第24頁第25行?第25頁第10行)

<引用文献記載事項1-6>
「【請求項30】複数のコンピュータオブジェクトを取り扱うコンピュータに設けられたコンピュータオブジェクトの記録再生装置であり、
記録媒体上のカラードットのカラーを読み込んで前記コンピュータに入力するカラー入力装置と、
前記複数のコンピュータオブジェクトのうち或るコンピュータオブジェクトを記録する指示がなされたとき、予め定められたカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づき前記コンピュータオブジェクトをカラーに変換してカラー出力命令を発し、または入力された前記カラーを前記のカラーとコンピュータオブジェクトの対応関係に基づきコンピュータオブジェクトに再現する処理部と、
前記カラー出力命令に従って記録媒体にカラーエンティティを記録するカラー出力装置と、
再現された前記コンピュータオブジェクトを出力する出力装置とを備え、
前記コンピュータオブジェクトの記録と再生を行うことを特徴とするコンピュータオブジェクトの記録再生装置。」

<引用文献記載事項1-7>
「【請求項32】複数のコンピュータ間においてカラー数値を用いてネットワークによる通信またはデータ記憶媒体によるデータ伝達を行い、受信したカラー数値を、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係またはカラーとカラー数値の対応関係を用いて、必要に応じてコンピュータオブジェクトまたはカラーに再現するようにし、通信経路またはデータ伝達経路の上ではコンピュータオブジェクトそのものを扱わないことを特徴とするコンピュータオブジェクトの通信方法。」


<引用文献2>
特開2003-233310号公報(平成15年8月22日出願公開)

<引用文献記載事項2-1>
「【請求項1】電子データとして記憶されている暗号化の対象となる源情報を、色の配列に変換する暗号化方法であって、
記憶されている源情報に含まれている異なる構成要素毎に単一または複数の異なる色を任意に対応させた色変換ファイルを作成する工程と、
前記色変換ファイルを検索して各構成要素に対応する色を抽出することにより、源情報の各構成要素を対応する色に変換し、源情報を色の配列に変換する工程と、
を含むことを特徴とする暗号化方法。」

<引用文献記載事項2-2>
「【請求項5】源情報を色の配列に変換する工程に続いて、
源情報が変換された色のデータを含む暗号ファイルを作成する工程と、
前記暗号ファイルのデータを含むランダムな色が配列された暗号画像ファイルを作成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1?4のいずれかに記載の暗号化方法。」

<引用文献記載事項2-3>
「【請求項13】電子データとして記憶されている暗号化の対象となる源情報について、源情報に含まれている異なる構成要素毎に単一または複数の異なる色を任意に対応させた色変換ファイルを作成し、前記色変換ファイルを検索して各構成要素に対応する色を抽出することにより源情報の各構成要素を対応する色に変換し、源情報が変換された色のデータを含む暗号ファイルを作成し、前記色変換ファイルおよび前記暗号ファイルのデータを含む暗号画像ファイルを作成する、ことによって得られた暗号画像ファイルを基に、
前記暗号画像ファイルに含まれている前記色変換ファイルおよび前記暗号ファイルを読み取る工程と、
読み取った色変換ファイルを検索して各色に対応する構成要素を抽出することにより、読み取った暗号ファイルに含まれる各色を対応する構成要素に変換する工程と、
を含むことを特徴とする源情報への復号化方法。」

<引用文献記載事項2-4>
「【0002】
【従来技術】現在では、文字、図形、音声等の数多くの情報が、コンピューター、携帯端末、携帯電話等の記憶部を有する装置に記憶され、必要に応じてインターネット、イントラネット等の通信回線を介して世界中に伝送されている。この記憶されているまたは伝送される情報の中には、個人のプライバシーに関わる情報や、企業の顧客リスト、経営戦略文書等の、秘密性を要する情報も含まれている。しかしながら、この秘密性を要する情報は、他人のコンピューターへの不正侵入により漏洩したり改ざんされたりする可能性がある。
【0003】そこで、情報の秘密性を保つために、例えばファイアーウォールの利用により他人の不正侵入を防止するほか、侵入された場合に備えて、情報を一定の規則性・法則性(「鍵」)に基づき暗号化し、暗号化した状態で記憶し、また通信回線を介して伝送し、そして暗号化時の「鍵」と同一のまたは関連した「鍵」により暗号情報を復号化する方法が広く用いられている。例えば、経営戦略文書等の機密文書は意味不明な文字配列の文書に変換され、必要時に元の機密文書に戻される。」

<引用文献記載事項2-5>
「【0016】請求項5に記載の暗号化方法によると、秘密文書等の源情報が色に変換されて、ランダムな色配列の中に隠された画像ファイルとして保存され、または必要に応じて通信回線を介して伝送されるため、画像ファイルが暗号化された重要情報を含んでいることが極めてわかりにくい。」

<引用文献記載事項2-6>
「【0029】図1は、本実施の形態の暗号化方法を実施する暗号化装置1の構成を示す図である。暗号化装置1は、源情報、暗号画像ファイルのセキュリティー確保のために使用する識別番号等を入力するための入力部2;暗号化方法を実施するための暗号化プログラム31、源情報を記憶した源情報ファイル32、源情報に含まれている異なる構成要素と異なる色とを対応させた結果を記憶する色変換ファイル33、源情報の各構成要素を色変換ファイル33に基づいて対応する色に変換した結果を記憶する暗号ファイル34、および色変換ファイル33および暗号ファイル34のデータを含むランダムな色配列から成る暗号画像ファイル35、をそれぞれ記憶する記憶部3;暗号画像ファイル35を表示するための表示部4;およびこれらと連動して本実施の形態の暗号化方法を実行するための処理部5;を備えている。尚、本実施の形態の暗号化方法は、汎用のコンピューター、携帯端末、携帯電話等の他、上述のような、記憶部、処理部、入力部、および表示部を備えた専用装置によっても実施することができる。」

<引用文献記載事項2-7>
「【0056】次に復号化方法の実施の形態について説明する。図7は、本実施の形態の復号化方法を実施するための復号化装置21の構成を示す図である。復号化装置21は、暗号画像ファイルの識別番号を入力するための入力部22;復号化方法を実施するための復号化プログラム36、および暗号化過程で作成された暗号画像ファイル35、をそれぞれ記憶する記憶部23;源情報を表示するための表示部24;およびこれらと連動して本実施の形態の復号化方法を実行するための処理部25;を備えている。尚、本実施の形態の復号化方法は、汎用のコンピューター、携帯端末、携帯電話等の他、上述のような、記憶部、処理部、入力部、および表示部を備えた専用装置によっても実施することができる。」


<引用文献3>
特開2004-186974号公報(平成16年7月2日出願公開)

<引用文献記載事項3-1>
「【請求項9】
文字コードと色データとを対応付ける文字コード・色データ対応表を参照して入力された文字コードを色データに変換するステップと、変換後の色データを画像印刷物として出力するステップとを備えたことを特徴とする暗号化方法。
【請求項10】
前記画像印刷物の色データを読み込むステップと、読み込んだ色データを前記文字コード・色データ対応表を参照して文字コードに復号するステップとを備えたことを特徴とする請求項8または9記載の暗号化方法。」

<引用文献記載事項3-2>
「【請求項14】
請求項8から13のいずれか1項に記載の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。」

<引用文献記載事項3-3>
「【0026】
暗号化処理部4は、携帯電話などの端末内で動作し、暗号前データ5の暗号化および、暗号前データ5の暗号化により生成された暗号化画像7を復号化する機能を有する。」

<引用文献記載事項3-4>
「【0045】
復号化されたパスワードを携帯電話の表示部に表示させることにより、表示されたパスワードを人間が読んでセキュリティールームへの入室やパーソナルコンピュータへのアクセスに使用することができる。
【0046】
これにより、現在の生活の中で多数存在するパスワードの値を記憶していなくても、このような方法を使用すれば、簡単にパスワードを確認することができるようになる。」

<引用文献記載事項3-5>
「【0054】
通常、紙ベースで保管されている秘密文章ファイルを、本発明のような暗号化を行うことで、暗号化された紙ベースの印刷物として保管できる。従い、紙ベースで保管されている秘密文章を盗み読みされてしまう被害が減少できる。
【0055】
文章ファイルの各文字コードを色データに置き換え、暗号化することは、紙ベースでは1文字を1ピクセルで表現することであるため、印刷物1枚に格納できる文字の情報は色データに置き換えて暗号化した方が、遥かに多い文字情報を格納することができる。従い、紙ベースで大量の文書ファイルを保管しているような場合は、暗号化することで保管する印刷物の枚数が減少でき、保管スペースの減少にもなる。」

<引用文献記載事項3-6>
「【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、文字列を少ないピクセルで安価で簡易に暗号化することができるという効果がある。多数存在するパスワードを全て記憶しておかなくても、本発明の暗号化システムを使用すれば、簡単に瞬時にパスワードを知ることができる。
【0067】
また、切符・定期・観戦チケット・駐車券等の媒体や個人所有物に対して、個人ID番号値や個人情報を色データに変換したものを発行元あるいは自分自身で印刷もしくは押印することで、紛失・盗難時に簡易的にそれらの媒体を有効・無効にすることができるという効果がある。」


<引用文献4>
特開平9-293021号公報(平成9年11月11日出願公開)

<引用文献記載事項4-1>
「【請求項2】コンピュータのハード・ディスク上に記憶されている選択されたファイルのセットを保護する方法にして、
a.選択されたファイルのセットの各ファイルを暗号キーでもって暗号化するステップ、
b.前記コンピュータの承認されたユーザによって入力された秘密キーでもって前記暗号キーをスクランブルするステップ、
c.前記秘密キーのアルゴリズム的変形でもって前記暗号キーをスクランブルするステップ、
d.前記暗号キーのスクランブルされたバージョン、即ち、スクランブル・バージョンを両方とも前記ハード・ディスク上に記憶するステップ、
e.前記ファイルのセットからファイルをアクセスすることを望んでいるユーザによって入力されたキーでもって及び前記入力されたキーから前記アルゴリズム的変形によって変形されたキーでもって前記暗号キーのスクランブル・バージョンを両方とも非スクランブル化するステップ、
f.前記ステップeにおいて非スクランブル化された前記暗号キーの2つの非スクランブル・バージョンを比較して前記2つの非スクランブル・バージョンが一致するかどうかをチェックするステップであって、前記入力されたキーが前記秘密キーに対応する場合には前記2つの非スクランブル・バージョンが一致するとするステップ、
g.前記2つの非スクランブル・バージョンが一致する場合、前記ファイルのセットのうちの、アプリケーション・プログラムがオープンしようとしている任意のファイルを非暗号化するステップ、及び
h.前記ユーザが前記秘密キーを所定の試行回数後でも入力できなかった後、前記ステップgにおいて非暗号化された任意のファイルを自動的に再暗号化するステップを含む方法。」

<引用文献記載事項4-2>
「【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、コンピュータのハード・ディスク上に記憶されている選択されたファイルを保護する方法を開示する。本発明によれば、選択されたファイルは、コンピュータが或ユーザ定義された期間の間アイドルした後、自動的に暗号化される。しかし、暗号キーはオリジナルの形でハード・ディスク上に記憶されるのではなく、これが本発明の主要な特徴である。」


<引用文献5>
特開2006-222944号公報(平成18年8月24日出願公開)

<引用文献記載事項5-1>
「【請求項15】
ファイルの暗号化および復号化のための複数のキーを管理する手段を備えるコンピュータにおいて、前記手段は、
第一のキーを使ってキーリストを復号化する手段と、
前記第一のキーを前記キーリストに追加する手段と、
第二のキーを使って前記キーリストを暗号化する手段と
を備えたことを特徴とするコンピュータ。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータにおいて、
前記第一のキーを使って少なくともひとつのファイルを暗号化する手段と、
前記少なくともひとつのファイルとともに前記第一のキーを指し示すポインタを記憶する手段と
をさらに備えたことを特徴とするコンピュータ。
【請求項17】
請求項15に記載のコンピュータにおいて、
前記第一のキーを使って少なくともひとつのファイルを復号化する手段と、
前記第二のキーを使って前記少なくともひとつのファイルを暗号化する手段と
をさらに備えたことを特徴とするコンピュータ。」


<引用文献6>
特表2006-510958号公報(平成18年3月30日公表)

<引用文献記載事項6-1>
「【請求項48】
a.プロセッサと、
b.物理メモリと、
c.上記物理メモリに接続されたセカンダリデバイスと、
d.上記物理メモリとセカンダリデバイスの間でデータが転送される際に、該データを暗号化及び復号するよう構成されたカーネルを含むオペレーティングシステムとを備えるコンピュータシステム。」



第4.引用文献1記載の発明に基づく新規性進歩性の検討

1.引用発明の認定

(1)上記引用文献記載事項1-7等から引用文献1には
「複数のコンピュータ間においてカラー数値を用いてデータ記憶媒体によるデータ伝達を行い、受信したカラー数値を、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係を用いて、必要に応じてコンピュータオブジェクトに再現するようにし、データ伝達経路の上ではコンピュータオブジェクトそのものを扱わないコンピュータオブジェクトの通信方法」
が説明されていると言える。

(2)上記引用文献記載事項1-1における「ここで「コンピュータオブジェクト」とは、コンピュータの内部またはコンピュータを介して取り扱われる文字、記号、図形、数式、画像、音声等の個々のデータまたは情報(以下必要に応じて「データ・情報」と記す)のことを意味する。」との記載等から、
「前記コンピュータオブジェクトとは、コンピュータの内部またはコンピュータを介して取り扱われる文字、記号、図形、数式、画像、音声等の個々のデータまたは情報」
であると言える。

(3)上記引用文献記載事項1-1における「かかるコンピュータオブジェクトを記録することを、対応付けられたカラーを記録媒体のドットに印刷することによって実現する。」との記載や、上記引用文献記載事項等1-4の「カラー数値115をカラーに変換し」「カラーエンティティ123を出力する。」との記載等から、
「前記カラー数値とはカラーに変換され該カラーを記録媒体のドットに印刷することによってカラーエンティティとして出力し得るもの」
であると言える。

(4)上記引用文献記載事項1-3等から、
「前記データ伝達経路の上で扱われるデータは、カラー数値・オブジェクト対応表を用いて、コンピュータオブジェクトをカラー数値へ変換し上記のカラー数値を、入出力制御装置を介して出力されたもの」
であると言える。

(5)上記引用文献記載事項1-5等から、
「前記再現はカラー数値を前記カラー数値・オブジェクト対応表を用いてコンピュータオブジェクトに変換することで行われるもの」
であると言える。

(6)上記引用文献記載事項1-2等から、
「前記データ伝達をカラー数値を用いて暗号として行う」
ことも読み取れる。

(7)よって、引用文献1には、下記引用発明1が記載されていると認められる。

<引用発明1>
「複数のコンピュータ間においてカラー数値を用いてデータ記憶媒体によるデータ伝達を行い、受信したカラー数値を、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係を用いて、必要に応じてコンピュータオブジェクトに再現するようにし、データ伝達経路の上ではコンピュータオブジェクトそのものを扱わないコンピュータオブジェクトの通信方法であって、
前記コンピュータオブジェクトとは、コンピュータの内部またはコンピュータを介して取り扱われる文字、記号、図形、数式、画像、音声等の個々のデータまたは情報であり、
前記カラー数値とはカラーに変換され該カラーを記録媒体のドットに印刷することによってカラーエンティティとして出力し得るものであり、
前記データ伝達経路の上で扱われるデータは、カラー数値・オブジェクト対応表を用いて、コンピュータオブジェクトをカラー数値へ変換し上記のカラー数値を、入出力制御装置を介して出力されたものであり、
前記再現はカラー数値を前記カラー数値・オブジェクト対応表を用いてコンピュータオブジェクトに変換することで行われるものであり、
前記データ伝達をカラー数値を用いて暗号として行う通信方法。」


2.対比
以下、本願発明と引用発明1とを比較する。

(1)引用発明1は「前記データ伝達をカラー数値を用いて暗号として行う通信方法」であり、これは「複数のコンピュータ間においてカラー数値を用いてデータ記憶媒体によるデータ伝達を行」うものであるから、本願発明と同様に「1つのコンピュータもしくはその周辺装置で、または、通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステムでデータまたは情報を暗号化する暗号化方法」と言えるものである。

(2)
ア.引用発明1における「コンピュータオブジェクトをカラー数値へ変換」することは、本願発明における「暗号化するステップ」に対応付けられるものであるところ、引用発明1における「データ伝達」は「カラー数値を用いて暗号として行」われるものなのであるから、前者も「暗号化するステップ」と言えるものである。

イ.また、引用発明1における「データ伝達」は「データ記憶媒体による」ものであり、引用発明1における「カラー数値」とは「カラーに変換され該カラーを記録媒体のドットに印刷することによってカラーエンティティとして出力し得るもの」なのであるから、引用発明1の「データ伝達経路の上で扱われるデータ」も「カラー画像ファイル」と言えるものである。

ウ.引用発明1における「コンピュータオブジェクトをカラー数値へ変換」することは、「カラー数値・オブジェクト対応表を用いて」なされるものであり、該「対応表」は「カラー変換テーブル」にほかならない。

エ.そして、引用発明1において「コンピュータオブジェクトをカラー数値へ変換」する際には、この「カラー数値・オブジェクト対応表を用いて」行われるのであるから、この処理は「カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理」とも言えるものである。

オ.そして、当該分野の技術常識を勘案すれば、このような変換処理が主記憶装置などの「演算処理のため一時的に保持するメモリ」を用いてなされることは明らかである。

カ.したがって、引用発明1と本願発明は
「前記データまたは情報を、演算処理のため一時的に保持するメモリ上で、カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって」「カラー画像ファイルに変換して暗号化するステップ」
を有する点で共通する。

(3)引用発明1における「カラー数値を、入出力制御装置を介して出力」することは、本願発明における「保存用のメモリに保存するステップ」に対応付けられるものであるところ、前者は「データ記憶媒体」に上記「カラー画像ファイル」とも言える「データ伝達経路の上で扱われるデータ」を記憶させるものであることは明らかであり、この「データ記憶媒体」は「保存用のメモリ」とも言えるものである。
したがって、引用発明1も本願発明と同様に
「前記カラー画像ファイルを保存用のメモリに保存するステップ」
を有するものであると言える。

(4)
ア.引用発明1における「コンピュータオブジェクトに再現する」ことは、本願発明における「前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップ」に対応付けられるものであるところ、前者は「受信したカラー数値を、カラー数値とコンピュータオブジェクトの対応関係を用いて、必要に応じて」なされるものであるから、前者も「前記データまたは情報を取得する必要があるときに」「前記カラー変換テーブル」「に基づくカラー逆変換処理により、前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップ」とも言えるものである。

イ.また、当該分野の技術常識を勘案すれば、引用発明1における「コンピュータオブジェクトに再現する」処理も、主記憶装置などの「演算処理のため一時的に保持するメモリ」すなわち「前記一時的に保持するメモリ」においてなされることは明らかである。

ウ.したがって、引用発明1と本願発明は
「前記データまたは情報を取得する必要があるときに、前記一時的に保持するメモリで、前記カラー変換テーブルに基づくカラー逆変換処理により、前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップ」
を有する点で共通する。

エ.なお、本願発明は「1つのコンピュータもしくはその周辺装置で、または、通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステムでデータまたは情報を暗号化する暗号化方法」であり「1つのコンピュータ」での暗号化方法に限定されていない点や、本願の発明の詳細な説明や図面においても、特に「通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステムでデータまたは情報を暗号化する暗号化方法」を除外する記載もないことなどからみて、本願発明の「逆変換するステップ」における「前記一時的に保持するメモリ」は、「暗号化するステップ」において用いられる「演算処理のため一時的に保持するメモリ」と共通のメモリを意味するのではなく、単に後者と同一の機能や用途のメモリを意味するものと解すべきものであり、上記ア.?ウ.においてはこの解釈に基づいて対比したものであるが、一のコンピュータが暗号化と復号化等の対となる処理の双方を行うように構成することは、通常採用されている構成である(必要があれば引用文献記載事項1-6、3-3、4-1、4-2、5-1、6-1等参照)から、仮に本願発明の「逆変換するステップ」における「前記一時的に保持するメモリ」が、「暗号化するステップ」において用いられる「演算処理のため一時的に保持するメモリ」と共通のメモリを意味するとしても、本審決の結論に影響するものではない。

(5)引用発明1は上記(2)?(4)で示したとおり「前記データまたは情報を、演算処理のため一時的に保持するメモリ上で、カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって」「カラー画像ファイルに変換して暗号化するステップ」「前記カラー画像ファイルを保存用のメモリに保存するステップ」「前記データまたは情報を取得する必要があるときに、前記一時的に保持するメモリで、前記カラー変換テーブル」「に基づくカラー逆変換処理により、前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップ」を有するものであるところ、引用発明1における「コンピュータオブジェクト」とは、「コンピュータの内部またはコンピュータを介して取り扱われる文字、記号、図形、数式、画像、音声等の個々のデータまたは情報」であるから、引用発明1における「必要に応じてコンピュータオブジェクトに再現する」のは当該「コンピュータオブジェクト」を「コンピュータの内部またはコンピュータを介して取り扱」うためになされることは明らかであり、当該分野の技術常識を勘案すれば、これは主記憶装置などの「前記一時的に保持するメモリで使用するとき」になされるとも言えるものである。
したがって、引用発明1も本願発明と同様に
「前記データまたは情報を前記保存用のメモリに保存するときには前記カラー画像ファイルで保存し、前記データまたは情報を前記一時的に保持するメモリで使用するときには前記カラー画像ファイルから前記逆変換で取り出す」
ものであると言える。

(6)よって、本願発明と引用発明1とは下記一致点1で一致する。

<一致点1>
「1つのコンピュータもしくはその周辺装置で、または、通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステムでデータまたは情報を暗号化する暗号化方法であり、
前記データまたは情報を、演算処理のため一時的に保持するメモリ上で、カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって、カラー画像ファイルに変換して暗号化するステップと、
前記カラー画像ファイルを保存用のメモリに保存するステップと、
前記データまたは情報を取得する必要があるときに、前記一時的に保持するメモリで、前記カラー変換テーブルに基づくカラー逆変換処理により、前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップとを有し、
前記データまたは情報を前記保存用のメモリに保存するときには前記カラー画像ファイルで保存し、前記データまたは情報を前記一時的に保持するメモリで使用するときには前記カラー画像ファイルから前記逆変換で取り出すことを特徴とするカラーを利用した暗号化方法。」


3.判断・まとめ
本願発明は「暗号化するステップ」における変換手法に関して「カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって」行うものとするか「RGBに係る数値の順列に対して乱数を割り当ててソートした順列並び換え処理で作られたカラー変換キーを利用する情報変換型のカラー変換処理によって」行うものとするかの選択肢、および「逆変換するステップ」における変換手法に関して「前記カラー変換テーブル」に基づくものとするか「前記カラー変換キー」に基づくものとするかの選択肢を有するものであるところ、前者の選択肢に関して「カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって」行うものを発明を特定するための事項と仮定し、かつ後者の選択肢に関して「前記カラー変換テーブル」に基づくものを発明を特定するための事項と仮定したときの発明と引用発明1との対比を行った場合には両者に相違点がない。
したがって、本願発明は引用文献1に記載された発明である。


4.進歩性について
引用発明1に対して周知慣用技術の付加・削除・転換等をすることは、当業者であれば容易になし得るものであり、本願発明は、これによって格別な作用効果が奏されるものではないものも包含するものである。
例えば、一のコンピュータにおいて暗号化された情報をハードディスク等に記憶しておき、当該コンピュータが該暗号化された情報を使用する際にはこれを解読してから使用することは周知慣用技術である(必要があれば引用文献記載事項4-1、5-1、6-1参照。)ところ、引用発明1の用途として該周知慣用技術への適用・転用を試みることは、当業者の通常の創作力の発揮と言え、これによって格別な作用効果が奏されるものでもない。
したがって、本願発明は、引用文献1に記載される発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもあるとも言える。



第5.引用文献2記載の発明に基づく新規性進歩性の検討

1.引用発明の認定

(1)引用文献2は上記引用文献記載事項2-1、2-2記載のとおりの「暗号化方法」と、上記引用文献記載事項2-3記載のとおりの「復号化方法」とが説明されている文献であるところ、上記引用文献記載事項2-6、2-7等からは該「暗号化方法」と該「復号化方法」とを「汎用のコンピューターによって実施する」ことが読み取れる。
したがって、引用文献2には
「電子データとして記憶されている暗号化の対象となる源情報を、色の配列に変換する暗号化方法であって、記憶されている源情報に含まれている異なる構成要素毎に単一または複数の異なる色を任意に対応させた色変換ファイルを作成する工程と、前記色変換ファイルを検索して各構成要素に対応する色を抽出することにより、源情報の各構成要素を対応する色に変換し、源情報を色の配列に変換する工程と、該源情報を色の配列に変換する工程に続いて、源情報が変換された色のデータを含む暗号ファイルを作成する工程と、前記暗号ファイルのデータを含むランダムな色が配列された暗号画像ファイルを作成する工程とを含む暗号化方法と、
前記暗号画像ファイルを基に、前記暗号画像ファイルに含まれている前記色変換ファイルおよび前記暗号ファイルを読み取る工程と、読み取った色変換ファイルを検索して各色に対応する構成要素を抽出することにより、読み取った暗号ファイルに含まれる各色を対応する構成要素に変換する工程と、を含む源情報への復号化方法と
を汎用のコンピューターによって実施」
する暗号化および復号化方法が記載されていると言える。

(2)上記引用文献記載事項2-5等から、
「前記暗号画像ファイルは画像ファイルとして保存されるものである」
と言える。

(3)よって、引用文献2には、下記引用発明2が記載されていると認められる。

<引用発明2>
「電子データとして記憶されている暗号化の対象となる源情報を、色の配列に変換する暗号化方法であって、記憶されている源情報に含まれている異なる構成要素毎に単一または複数の異なる色を任意に対応させた色変換ファイルを作成する工程と、前記色変換ファイルを検索して各構成要素に対応する色を抽出することにより、源情報の各構成要素を対応する色に変換し、源情報を色の配列に変換する工程と、該源情報を色の配列に変換する工程に続いて、源情報が変換された色のデータを含む暗号ファイルを作成する工程と、前記暗号ファイルのデータを含むランダムな色が配列された暗号画像ファイルを作成する工程とを含む暗号化方法と、
前記暗号画像ファイルを基に、前記暗号画像ファイルに含まれている前記色変換ファイルおよび前記暗号ファイルを読み取る工程と、読み取った色変換ファイルを検索して各色に対応する構成要素を抽出することにより、読み取った暗号ファイルに含まれる各色を対応する構成要素に変換する工程と、を含む源情報への復号化方法と
を汎用のコンピューターによって実施し
前記暗号画像ファイルは画像ファイルとして保存されるものである
暗号化および復号化方法。」


2.対比
以下、本願発明と引用発明2とを比較する。

(1)引用発明2は「汎用のコンピューターによって実施する暗号化および復号化方法」であるところ、本願発明は「逆変換するステップ」も有していることから「復号化」も含めたものを「暗号化方法」と表現しているものと認められる。
してみると、引用発明2も本願発明と同様に「1つのコンピュータもしくはその周辺装置で、または、通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステムでデータまたは情報を暗号化する暗号化方法」とも言えるものである。

(2)
ア.引用発明2における「暗号化方法」は、本願発明における「暗号化するステップ」に対応付けられるものであるところ、前者における「暗号画像ファイル」は「ランダムな色が配列された」ものであり「カラー画像ファイル」とも言えるものである。また、前者は最終的には「暗号画像ファイルを作成する」のであるから「暗号化するステップ」とも言えるものである。
したがって、前者も「カラー画像ファイルに変換して暗号化するステップ」と言えるものである。

イ.引用発明2における「色変換ファイル」は本願発明における「カラー変換テーブル」に対応付けられるものであるところ、前者は「記憶されている源情報に含まれている異なる構成要素毎に単一または複数の異なる色を任意に対応させた」ものなのであるから後者と同様に「カラー変換テーブル」とも言えるものである。

ウ.そして、引用発明2における「源情報を色の配列に変換する工程」においては「前記色変換ファイルを検索して各構成要素に対応する色を抽出することにより、源情報の各構成要素を対応する色に変換」するのであるから「カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理」を行うものとも言える。

エ.また、当該分野の技術常識を勘案すれば、引用発明2における「変換」や「作成」が「汎用のコンピューター」の主記憶装置などの「演算処理のため一時的に保持するメモリ」においてなされることは明らかである。

オ.したがって、引用発明2と本願発明は
「前記データまたは情報を、演算処理のため一時的に保持するメモリ上で、カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって」、「カラー画像ファイルに変換して暗号化するステップ」
を有する点で共通する。

(3)引用発明2における「暗号画像ファイル」は、「画像ファイルとして保存されるもの」であるから、「保存用のメモリ」に保存されることは明らかである。
したがって、引用発明2も、本願発明と同様に
「前記カラー画像ファイルを保存用のメモリに保存するステップ」
を有していると言える。

(4)
ア.引用発明2における「復号化方法」は本願発明における「逆変換するステップ」に対応付けられるものであるところ、前者における「構成要素に変換する工程」では「読み取った色変換ファイルを検索して各色に対応する構成要素を抽出することにより、読み取った暗号ファイルに含まれる各色を対応する構成要素に変換する」のであるから、前者も「前記カラー変換テーブル」「に基づくカラー逆変換処理により、前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップ」とも言えるものである。

イ.また、暗号化情報の復号は「必要時に」なされるのが普通であるから(引用文献記載事項2-4参照)、引用発明2における「復号化方法」が「源情報」を取得する必要があるときになされることも明らかである。

ウ.そして、当該分野の技術常識を勘案すれば、引用発明2における「逆変換」が「汎用のコンピューター」の主記憶装置などの「一時的に保持するメモリ」においてなされることは明らかである。

エ.したがって、引用発明2と本願発明とは
「前記データまたは情報を取得する必要があるときに、前記一時的に保持するメモリで、前記カラー変換テーブル」「に基づくカラー逆変換処理により、前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップ」
を有する点で共通する。

オ.なお、該「前記一時的に保持するメモリ」に関しては、上記第4.2.(4)エ.と同様のことが言える。

(5)引用発明2においては上記(2)?(4)で示したとおり「前記データまたは情報を、演算処理のため一時的に保持するメモリ上で、カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって、」「カラー画像ファイルに変換して暗号化するステップ」「前記カラー画像ファイルを保存用のメモリに保存するステップ」「前記データまたは情報を取得する必要があるときに、前記一時的に保持するメモリで、前記カラー変換テーブル」「に基づくカラー逆変換処理により、前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップ」を有するものであるところ、引用発明2における「復号化方法」は「汎用のコンピューターによって実施」するものであるところ、これが「源情報」を取得する必要があるときになされるものであることは明らかであり、その際には主記憶装置などの「一時的に保持するメモリ」が「使用」されることは明らかである。
したがって、引用発明2も本願発明と同様に
「前記データまたは情報を前記保存用のメモリに保存するときには前記カラー画像ファイルで保存し、前記データまたは情報を前記一時的に保持するメモリで使用するときには前記カラー画像ファイルから前記逆変換で取り出す」
ものであると言える。

(6)よって、本願発明と引用発明2とは下記一致点2で一致する。

<一致点2>
「1つのコンピュータもしくはその周辺装置で、または、通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステムでデータまたは情報を暗号化する暗号化方法であり、
前記データまたは情報を、演算処理のため一時的に保持するメモリ上で、カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって、カラー画像ファイルに変換して暗号化するステップと、
前記カラー画像ファイルを保存用のメモリに保存するステップと、
前記データまたは情報を取得する必要があるときに、前記一時的に保持するメモリで、前記カラー変換テーブルに基づくカラー逆変換処理により、前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップとを有し、
前記データまたは情報を前記保存用のメモリに保存するときには前記カラー画像ファイルで保存し、前記データまたは情報を前記一時的に保持するメモリで使用するときには前記カラー画像ファイルから前記逆変換で取り出すことを特徴とするカラーを利用した暗号化方法。」


3.判断・まとめ
本願発明は「暗号化するステップ」における変換手法に関して「カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって」行うものとするか「RGBに係る数値の順列に対して乱数を割り当ててソートした順列並び換え処理で作られたカラー変換キーを利用する情報変換型のカラー変換処理によって」行うものとするかの選択肢、および「逆変換するステップ」における変換手法に関して「前記カラー変換テーブル」に基づくものとするか「前記カラー変換キー」に基づくものとするかの選択肢を有するものであるところ、前者の選択肢に関して「カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって」行うものを発明を特定するための事項と仮定し、かつ後者の選択肢に関して「前記カラー変換テーブル」に基づくものを発明を特定するための事項と仮定したときの発明と引用発明2との対比を行った場合には両者に相違点がない。
したがって、本願発明は引用文献2に記載された発明である。


4.進歩性について
引用発明2に関しても上記第4.4.と同様のことが言える。
したがって、本願発明は、引用文献2に記載される発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもあると言える。



第6.引用文献3記載の発明に基づく新規性進歩性の検討

1.引用発明の認定

(1)引用文献3では上記引用文献記載事項3-1、3-2記載のとおりの「暗号化方法」が記載され、また、上記引用文献記載事項3-3等から該「暗号化方法」の各ステップを「コンピュータ」が実行することを読み取ることができる。
したがって、引用文献3には、
「文字コードと色データとを対応付ける文字コード・色データ対応表を参照して入力された文字コードを色データに変換するステップと、
変換後の色データを画像印刷物として出力するステップと、
前記画像印刷物の色データを読み込むステップと、
読み込んだ色データを前記文字コード・色データ対応表を参照して文字コードに復号するステップとを備え、
前記各ステップをコンピュータが実行する暗号化方法」
が記載されていると言える。

(2)上記引用文献記載事項3-4等から、
「前記コンピュータは、前記文字コードの色データへの変換および、前記復号をする機能を有する暗号化処理部を有して」
いると言える。

(3)上記引用文献記載事項3-5等から、
「前記画像印刷物は暗号化された紙ベースの印刷物として保管されるもの」
であることを読み取ることができる。

(4)上記引用文献記載事項3-4、3-6等から、上記「暗号化方法」が
「復号化された文字コードを表示部に表示させて文字コードを確認することや簡単に瞬時に前記文字コードを知ることができる」
ものであると言える。

(5)よって、引用文献3には、下記引用発明3が記載されていると認められる。

<引用発明3>
「文字コードと色データとを対応付ける文字コード・色データ対応表を参照して入力された文字コードを色データに変換するステップと、
変換後の色データを画像印刷物として出力するステップと、
前記画像印刷物の色データを読み込むステップと、
読み込んだ色データを前記文字コード・色データ対応表を参照して文字コードに復号するステップとを備え、
前記各ステップをコンピュータが実行する暗号化方法であって、
前記コンピュータは、前記文字コードの色データへの変換および、前記復号をする機能を有する暗号化処理部を有しており、
前記画像印刷物は暗号化された紙ベースの印刷物として保管されるものであり、
復号化された文字コードを表示部に表示させて文字コードを確認することや簡単に瞬時に前記文字コードを知ることができる暗号化方法。」


2.対比
以下、本願発明と引用発明3とを比較する。

(1)引用発明3は「文字コードを色データに変換するステップ」を備えた「コンピュータが実行する暗号化方法」であるから、引用発明3も本願発明と同様に「1つのコンピュータもしくはその周辺装置で、または、通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステムでデータまたは情報を暗号化する暗号化方法」とも言えるものである。

(2)
ア.引用発明3における「文字コードを色データに変換するステップ」「画像印刷物として出力するステップ」は、本願発明における「暗号化するステップ」に対応付けられるものであるところ、前者によって出力される「画像印刷物」は「暗号化された紙ベースの印刷物として保管されるもの」なのであるから、前者も「暗号化するステップ」とも言えるものである。

イ.引用発明3における「画像印刷物」は「色データを」「出力」したものであり、また、引用発明3における「読み込むステップ」においては、該「画像印刷物」の「色データ」が「読み込」まれるのであるから、「カラー画像」が印刷されたものと言えるものであることは明らかである。そして、本願発明における「カラー画像ファイル」との用語はこのような印刷物も含むものと解すべきものであるから、引用発明3における「画像印刷物」は本願発明における「カラー画像ファイル」に相当すると言える。

ウ.引用発明3における「文字コード・色データ対応表」は本願発明における「カラー変換テーブル」に相当すると言える。

エ.そして、引用発明3における「文字コードを色データに変換するステップ」は、この「文字コード・色データ対応表を参照して」なされるのであるから「カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理」を行うものとも言える。

オ.また、当該分野の技術常識を勘案すれば、引用発明3における「文字コードを色データに変換するステップ」「画像印刷物として出力するステップ」がコンピュータの主記憶装置などの「演算処理のため一時的に保持するメモリ」を用いてなされることは明らかである。

カ.したがって、引用発明3と本願発明は
「前記データまたは情報を、演算処理のため一時的に保持するメモリ上で、カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって」「カラー画像ファイルに変換して暗号化するステップ」
を有する点で共通する。

(3)引用発明3における「暗号化された紙ベースの印刷物として保管」をすることは、本願発明における「保存するステップ」に対応付けられるものであるところ、引用発明3における「紙ベースの印刷物」も情報を記憶する手段すなわち「メモリ」として使用されていると言える。
したがって、引用発明3も本願発明と同様に
「前記カラー画像ファイルを保存用のメモリに保存するステップ」
を有するものであると言える。

(4)
ア.引用発明3における「読み込むステップ」「復号するステップ」は、本願発明における「逆変換するステップ」に対応付けられるものであるところ、前者における「読み込むステップ」では「前記画像印刷物の色データを読み込」み、「復号するステップ」では「読み込んだ色データを前記文字コード・色データ対応表を参照して文字コードに復号する」のであるから、前者も「前記カラー変換テーブル」「に基づくカラー逆変換処理により、前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップ」と言えるものである。

イ.引用発明3における「読み込むステップ」「復号するステップ」は「復号化された文字コードを表示部に表示させて文字コードを確認すること」や「簡単に瞬時に前記文字コードを知る」ためになされるものであるから、「前記データまたは情報を取得する必要があるときに」なされるものであると言える。

ウ.そして、当該分野の技術常識を勘案すれば、引用発明3における「復号するステップ」がコンピュータの主記憶装置などの「前記一時的に保持するメモリ」を用いてなされることは明らかである。

エ.したがって、引用発明3と本願発明は
「前記データまたは情報を取得する必要があるときに、前記一時的に保持するメモリで、前記カラー変換テーブル」「に基づくカラー逆変換処理により、前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップ」
を有する点で共通する。

(5)引用発明3においては上記(2)?(4)で示したとおり「前記データまたは情報を、演算処理のため一時的に保持するメモリ上で、カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって、」「カラー画像ファイルに変換して暗号化するステップ」「前記カラー画像ファイルを保存用のメモリに保存するステップ」「前記データまたは情報を取得する必要があるときに、前記一時的に保持するメモリで、前記カラー変換テーブル」「に基づくカラー逆変換処理により、前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップ」を有するものであるところ、引用発明3における「読み込むステップ」「復号するステップ」は「復号化された文字コードを表示部に表示させて文字コードを確認すること」や「簡単に瞬時に前記文字コードを知る」ためになされるものであり、その際には主記憶装置などの「前記一時的に保持するメモリ」で「使用」されることは明らかである。
したがって、引用発明3も本願発明と同様に
「前記データまたは情報を前記保存用のメモリに保存するときには前記カラー画像ファイルで保存し、前記データまたは情報を前記一時的に保持するメモリで使用するときには前記カラー画像ファイルから前記逆変換で取り出す」
ものであると言える。

(6)よって、本願発明と引用発明3とは下記一致点3で一致する。

<一致点3>
「1つのコンピュータもしくはその周辺装置で、または、通信回線で接続された複数のコンピュータから成るコンピュータシステムでデータまたは情報を暗号化する暗号化方法であり、
前記データまたは情報を、演算処理のため一時的に保持するメモリ上で、カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって、カラー画像ファイルに変換して暗号化するステップと、
前記カラー画像ファイルを保存用のメモリに保存するステップと、
前記データまたは情報を取得する必要があるときに、前記一時的に保持するメモリで、前記カラー変換テーブルに基づくカラー逆変換処理により、前記カラー画像ファイルを前記データまたは情報に逆変換するステップとを有し、
前記データまたは情報を前記保存用のメモリに保存するときには前記カラー画像ファイルで保存し、前記データまたは情報を前記一時的に保持するメモリで使用するときには前記カラー画像ファイルから前記逆変換で取り出すことを特徴とするカラーを利用した暗号化方法。」


3.判断・まとめ
本願発明は「暗号化するステップ」における変換手法に関して「カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって」行うものとするか「RGBに係る数値の順列に対して乱数を割り当ててソートした順列並び換え処理で作られたカラー変換キーを利用する情報変換型のカラー変換処理によって」行うものとするかの選択肢、および「逆変換するステップ」における変換手法に関して「前記カラー変換テーブル」に基づくものとするか「前記カラー変換キー」に基づくものとするかの選択肢を有するものであるところ、前者の選択肢に関して「カラー変換テーブルを利用する情報置換型のカラー変換処理によって」行うものを発明を特定するための事項と仮定し、かつ後者の選択肢に関して「前記カラー変換テーブル」に基づくものを発明を特定するための事項と仮定したときの発明を特定するための事項と仮定したときの発明と引用発明3との対比を行った場合には両者に相違点がない。
したがって、本願発明は引用文献3に記載された発明である。


4.進歩性について

(1)引用発明3に関しても上記第4.4.と同様のことが言える。

(2)また、「メモリ」との用語は半導体メモリや磁気ディスク等の所謂電子的記録媒体に限定する狭義の解釈がなされることもあるが、当該狭義の解釈を採用した場合には、本願発明がカラー画像ファイルを保存用の「メモリ」に保存するのに対して、引用発明では「紙ベースの印刷物」を保管している点に相違点が認められ、その余の点では一致すると言える。しかしながら、電子的記録媒体は紙ベースの印刷物の代替手段として周知慣用のものであり、これを引用発明に適用して本願発明をなすことも当業者の通常の創作力の発揮にすぎないものである。

(3)また、引用文献3に記載の「データ記憶部」を本願発明における「演算処理のため一時的に保持するメモリ」に対応付けることも可能であるところ、この場合には、後者が「一時的に保持する」メモリであるのに対し、前者は「一時的に保持する」か否か明確なものではない点で引用文献3に記載のものと本願発明とは相違し、その余の点では一致すると言える。しかしながら、セキュリティの確保を要する情報は使用後に直ちに廃棄するのが普通であるから、引用文献3に記載の「データ記憶部」を演算処理のため「一時的に保持する」メモリとすることで本願発明をなすことも当業者の通常の創作力の発揮にすぎないものである。

(4)したがって、本願発明は、引用文献3に記載される発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでもあると言える。



第7.むすび
上記第4.3.、第5.3.、第6.3.のとおり、本願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから特許法第29条第1項第3号の発明に該当し同条同項の規定により特許を受けることができない。

上記第4.4.、第5.4.、第6.4.のとおり、本願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、その余の請求項についての検討をするまでもなく、本願は拒絶すべきものであるから、原査定を取り消し本願は特許をすべきものであるとすることはできない。

よって、上記結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-09-11 
結審通知日 2014-09-16 
審決日 2014-09-25 
出願番号 特願2007-317232(P2007-317232)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G09C)
P 1 8・ 113- WZ (G09C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中里 裕正  
特許庁審判長 仲間 晃
特許庁審判官 辻本 泰隆
山崎 達也
発明の名称 カラーを利用した暗号化方法および暗号化装置  
代理人 田宮 寛祉  

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