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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 H04W |
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管理番号 | 1293956 |
審判番号 | 不服2013-7180 |
総通号数 | 181 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-01-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-04-18 |
確定日 | 2014-11-12 |
事件の表示 | 特願2010-254728「無線通信システムにおけるW-CDMA信号およびOFDM信号の多重化」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 6月23日出願公開、特開2011-124992〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,2005年(平成17年)6月3日(優先権主張 2004年(平成16年)6月4日 米国)を国際出願日とする特願2007-515609号の一部を平成22年11月15日に新たな特許出願として出願したものであって,同年12月15日付けで手続補正書の提出がなされ,平成24年7月18日付けで拒絶理由が通知され,同年11月26日付けで意見書とともに手続補正書の提出がなされ,同年12月12日付けで拒絶査定され,平成25年4月18日付けで拒絶査定不服審判の請求と同時に手続補正書の提出がなされ,同年5月10日付けで前置報告され,同年8月14日付けで上記前置報告を基に審尋を通知し,平成26年2月18日付けで回答書の提出がなされたものである。 第2 本願拒絶の概要 本願拒絶の概要を,[1]平成24年7月18日付け拒絶理由通知書(以下「拒絶理由通知」という。),[2]平成24年12月12日付け拒絶査定(以下「拒絶査定」という。),[3]平成25年8月14日付け審尋(以下「審尋」という。)の記載(下線は当審が付与。)により確認する。 [1]拒絶理由通知の概要について 拒絶理由通知には次の記載がある。 この出願は、次の理由によって拒絶をすべきものです。これについて意見がありましたら、この通知書の発送の日から3か月以内に意見書を提出してください。 理由 1.平成22年12月15日付けでした手続補正(以下「本件補正」という。)は、下記の点で外国語書面の翻訳文(以下「翻訳文」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 2.この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 3.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 4.この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 ≪引用文献等一覧≫ 1.特表2008-502225号公報 ≪理由1,2≫ 本件補正により補正された請求項1,6,9,11,23及び段落【0079】には、「(OFDM)シンボルの持続時間(持続期間)が、通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される」ことが記載されているが、「シンボルの持続時間」が「遅延拡散」又は「コヒーレンス時間」に基づいて選択される構成について、翻訳文には記載されていない。 翻訳文の請求項11には、上記と同様の事項が記載されているものの、発明の詳細な説明には、持続時間であるスーパーフレームサイズをレーテンシを減らすために選択すること(段落【0033】)、スーパーフレームサイズを様々な要因に基づいて選択すること(段落【0035】)及びOFDMシンボル持続時間がおおよそ200μsから220μsであるように選択すること(段落【0062】)が記載されているのみであって、具体的に持続時間(スーパーフレームサイズ)を「遅延拡散」又は「コヒーレンス時間」に基づいて選択することについては何ら記載されていない。 よって、請求項1,6,9,11,23及び段落【0079】についてした補正は、翻訳文に記載した事項の範囲内においてされたものでない。 また、請求項1-12,23に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。 なお、本件補正がなされた明細書、特許請求の範囲又は図面における請求項1-12,23及び段落【0079】に記載した事項は、翻訳文に記載した事項の範囲内にないことが明らかであるから、当該請求項に係る発明については新規性、進歩性等の特許要件についての審査を行っていない。 また、上記と同様の理由により、本願の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項は、原出願(特願2007-515609号)の翻訳文に記載された事項の範囲内のものでないから、本願は原出願の適法な分割出願であるとは認められない。よって、出願日及び優先日は遡及しないものとして審査を行った。 ≪理由3,4≫ [請求項]13-22 [引用文献]1 [備 考] 引用文献1には、請求項13-22に係る発明と同様の発明が記載されている。 よって、本願の請求項13-22に係る発明と引用文献1に記載された発明は、発明の構成に差異がない。 また、本願の請求項13-22に係る発明は、引用文献1に記載の発明に基づいて、当業者が容易に為し得たものである。 なお、上記≪理由1,2≫において記載したとおり、本願の出願日及び優先日は遡及しないものとして審査を行った。 拒絶の理由が新たに発見された場合には拒絶の理由が通知される。 [2]拒絶査定の概要について 拒絶査定には次の記載がある。 出願日(遡及日) 平成17年6月3日 この出願については、平成24年7月18日付け拒絶理由通知書に記載した理由2によって、拒絶をすべきものです。 なお、意見書及び手続補正書の内容を検討しましたが、拒絶理由を覆すに足りる根拠が見いだせません。 備考 出願人は意見書の(3-2)において、本願発明の「シンボルの持続期間」について、本願明細書の(A)段落【0065】に「遅延拡散」に基づいて選択されることが記載されており、(B)段落【0076】に「コヒーレンス時間」に基づいて選択されることが記載されている旨主張している。 以下、上記主張について検討する。 (A)本願明細書の段落【0065】には、「異なるOFDMシンボル」が「周期的なプレフィックス持続時間よりも長い遅延拡散を抑制するために使用される」ことが記載されており、OFDMシンボルによって遅延拡散が抑制されるものと認められるものの、遅延拡散に基づいてシンボルの持続期間の選択を行うことについては記載されていない。 (B)本願明細書の段落【0076】には、「OFDMのためのおよそ1秒のTTL」によって「各コヒーレンス時間間隔が数ミリ秒であり得る場合、データが多重コヒーレンス時間間隔全体にわたって広げられる」ことが記載されており、所定のTTLによって所定のコヒーレンス時間間隔の場合にパフォーマンスを改善し得るものと認められるものの、コヒーレンス時間に基づいてシンボルの持続期間の選択を行うことについては記載されていない。 したがって、本願の請求項1-12,23に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。 ------------- なお、この出願は下記の点で特許法第37条に規定する要件を満たしていないので、併せて通知する。 請求項1-12,23に係る発明は、第2波形(OFDM波形)における各シンボルの持続時間を遅延拡散及びコヒーレンス時間に基づいて選択するものである。 これに対し、請求項13-22に係る発明は、スーパーフレームの各アウターフレームの中の各タイムスロットに対しW-CDMA又はOFDMを選択するものである。 上記両発明は、複数のタイムスロットに第1波形(W-CDMA波形)及び第2波形(OFDM波形)を割り当てるものである構成において共通するが、当該構成は特開2004-158901号公報(第3図等)に記載されているように、本願出願時において既に公知であって、先行技術に対する貢献をもたらすものではないから、経済産業省令で定める特別な技術的特徴であるとはいえない。 よって、請求項1-12,23に係る発明と、請求項13-22に係る発明との間に、同一の又は対応する特別な技術的特徴を見いだすことができず、上記両発明は発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当しないから、この出願は特許法第37条に規定する要件を満たさない。 [3]審尋の概要について 審尋には次の記載がある。 この審判請求に係る出願については、下記の通り報告します。 記 ・根拠条文 第36条第6項第1号 ・請求項 1-13 ・特許査定できない理由 請求人は審判請求書の3.(1)において、補正後の請求項1に記載の「前記第2波形における各シンボルの持続期間は通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される」という事項について、本願明細書の段落【0062】、【0065】、【0076】に記載されている旨主張しているので、以下検討する。 まず、段落【0062】には「総OFDMシンボル持続時間」が「周期的プレフィックス持続時間」を含むことが記載されており、段落【0065】には「周期的なプレフィックス持続時間」より長い「遅延拡散」が抑制されることが記載されていることから、本願の発明の詳細な説明に「シンボルの持続期間」と「遅延拡散」との間に一定の関係があることが記載されているものと解し得るものの、抑制したい「遅延拡散」の長さに基づいて「周期的なプレフィックス持続時間」を選択する等、「遅延拡散」を基点とした「周期的プレフィックス持続時間」の選択を行うことについては何ら記載されていない。すなわち、本願の発明の詳細な説明には、「シンボルの持続期間」を「遅延拡散」に基づいて選択するという事項は記載されていない。 そして、段落【0075】?【0076】には「コヒーレンス時間間隔」が数ミリ秒であり得る場合にはデータが多重コヒーレンス時間間隔全体にわたって広げられるので、およそ1秒の「1つのスーパーフレームである全伝送時間間隔(TTI)」によりパフォーマンスを改善し得ることが記載されており、望ましい「コヒーレンス時間」から「スーパーフレーム」を決定することが記載されているものと解し得るものの、「スーパーフレーム」と「シンボルの持続期間」の具体的関係について、フレーム内のタイムスロットにOFDMシンボルが含まれる構造(図4A等)及びフレーム内のタイムスロット数が固定されていてもよいこと(段落【0051】)は記載されているが、タイムスロット内のOFDMシンボル数が固定であることについては何ら記載されていないから、「スーパーフレーム」が決定されても「シンボルの持続期間」を一意に導くことができるとは認められない。すなわち、本願の発明の詳細な説明には、「シンボルの持続期間」を「コヒーレンス時間」に基づいて選択するという事項は記載されていない。 したがって、本願の発明の詳細な説明には、「シンボルの持続期間」を「遅延拡散」および「コヒーレンス時間」に基づいて選択することについて記載されておらず、補正後の請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。そして、上記は補正後の請求項2-13に係る発明についても同様である。 なお、請求人は審判請求書の3.(1)において、補正後の請求項1に記載の上記事項は出願当初の請求項11に記載されている旨も主張しているが、出願当初の請求項11は発明の詳細な説明ではなく特許請求の範囲に記載されたものであるから、当該主張は採用できない。 第3 当審の判断 1.優先権主張の効果及び分割の効果(特許法第44条第2項に規定する効果)について 上記拒絶理由では,平成22年12月15日付け手続補正においてした「特許請求の範囲の請求項1,6,9,11,23及び段落【0079】」に係る補正は,翻訳文に記載した事項の範囲内においてされたものでないことを理由に,優先権主張の効果及び分割の効果を認めないとした。 しかし,上記拒絶査定によれば,本願の出願日を平成17年6月3日として,上記拒絶理由通知の理由2,つまり「この出願は,特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない」ことを理由に,本願は拒絶査定された。 以上から,本願は,適法に,特願2007-515609号の一部を新たな特許出願とした出願であって,また優先権主張も有効である。 2.平成25年4月18日付け手続補正について 平成25年4月18日付け手続補正(以下「本件審判請求時補正」という。)は,平成24年11月26日付け手続補正書の特許請求の範囲の記載(下線は請求人が付与。) 「 【請求項1】 第1無線技術に従って第1波形を生成する第1変調器と; 第2無線技術に従って第2波形を生成する第2変調器と、なお前記第2波形における各シンボルの持続期間は通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される;そして 第1タイムスロット上に前記第1波形を多重化し、第2タイムスロット上に前記第2波形を多重化するマルチプレクサと; を備える装置。 【請求項2】 前記第1無線技術はスペクトラム拡散無線技術であり、前記第2無線技術はマルチキャリア無線技術である、請求項1記載の装置。 【請求項3】 前記第2無線技術は直交周波数分割多重(OFDM)、インタリーブ周波数分割多元接続(IFDMA)、または局地的FDMA(LFDMA)である、請求項2記載の装置。 【請求項4】 前記第1無線技術はユニキャスト伝送用の直交周波数分割多重(OFDM)であり、前 記第2無線技術はマルチキャスト伝送あるいはブロードキャスト伝送用のOFDMである、請求項1記載の装置。 【請求項5】 前記第1波形は少なくとも1つのユニキャスト伝送用であり、前記第2波形はマルチキャスト伝送あるいはブロードキャスト伝送用である、請求項1記載の装置。 【請求項6】 広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形を生成する第1変調器と; 直交周波数分割多重(OFDM)波形を生成する第2変調器と、なお、前記第2変調器 は少なくとも1つのOFDMシンボルを生成し、そして前記少なくとも1つのOFDMシンボルを備える前記OFDM波形を形成し、各OFDMシンボルの持続時間が、通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される;そして 第1タイムスロット上に前記W-CDMA波形を多重化し、第2タイムスロット上に前記OFDM波形を多重化するマルチプレクサと; を備える装置。 【請求項7】 前記多重化されたW-CDMAおよびOFDMの波形に対し変調された信号を生成し、 そしてダウンリンク上で前記変調された信号を送信する送信機 を更に備える請求項6記載の装置。 【請求項8】 前記第2変調器は3つのOFDMシンボルを生成し、そして前記3つのOFDMシンボルを備える前記OFDM波形を形成する、請求項6記載の装置。 【請求項9】 広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形を生成することと; 少なくとも1つのOFDMシンボルを備える直交周波数分割多重(OFDM)波形を生成することと、なお、各OFDMシンボルの持続期間は通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される; 第1タイムスロット上に前記W-CDMA波形を多重化することと;そして 第2タイムスロット上に前記OFDM波形を多重化することと: を備える方法。 【請求項10】 前記多重化されたW-CDMAおよびOFDMの波形の変調された信号を生成することと;そして 前記変調された信号をダウンリンク上で送信することと; を更に備える請求項9記載の方法。 【請求項11】 広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形を生成するための手段と; 少なくとも1つのOFDMシンボルを備える直交周波数分割多重(OFDM)波形を生成するための手段と、なお、各OFDMシンボルの持続期間は通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される; 第1タイムスロット上に前記W-CDMA波形を多重化するための手段と;そして 第2タイムスロット上に前記OFDM波形を多重化するための手段と; を備える装置。 【請求項12】 前記多重化されたW-CDMAおよびOFDMの波形の変調された信号を生成するための手段と;そして 前記変調された信号をダウンリンク上で送信するための手段と; を更に備える、請求項11記載の装置。 【請求項13】 スーパーフレームの各アウターフレーム中の各タイムスロットに対し複数の無線技術の中から少なくとも1つの無線技術を選択するコントローラと、なお、前記スーパーフレームは複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のタイムスロットを備える;そして 前記タイムスロットに対し選択された前記少なくとも1つの無線技術に従って各タイムスロットのデータを処理するプロセッサと; を備え、 前記コントローラは、前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の各フレームの各タイムスロットに対し前記複数の無線技術の中から少なくとも1つの無線技術を選択し、各アウターフレームは複数のフレームを備え、各フレームは少なくとも2つのタイムスロットを備え、前記コントローラは、各フレーム中の少なくとも1つのタイムスロットに対し広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)を選択し、そして、前記フレーム中の各残りのタイムスロットに対しW-CDMAあるいは直交周波数分割多重(OFDM)を選択する; 装置。 【請求項14】 前記複数の無線技術は、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)と直交周波数分割多重(OFDM)とを含む、請求項13記載の装置。 【請求項15】 各アウターフレーム中の前記複数のタイムスロットは、ダウンリンク伝送のために使用される、請求項13記載の装置。 【請求項16】 各アウターフレーム中の前記複数のタイムスロットの各々は、ダウンリンク又はアップリンクの伝送のために使用可能である、請求項13記載の装置。 【請求項17】 各フレームに対し、少なくとも1つのタイムスロットはダウンリンク伝送のために使用され、少なくとも1つのタイムスロットはアップリンク伝送のために使用され、そして、各残りのタイムスロットは、ダウンリンク又はアップリンクの伝送のために使用可能である、請求項13記載の装置。 【請求項18】 各フレームに対し、少なくとも1つのタイムスロットはアップリンク伝送のために使用され、そして、各残りのタイムスロットは、ダウンリンク又はアップリンクの伝送のために使用可能である、請求項13記載の装置。 【請求項19】 各フレームは、10ミリ秒の持続時間を有し、15タイムスロットを備える、請求項13記載の装置。 【請求項20】 前記スーパーフレームは、ほぼ1秒の持続時間を有する、請求項13記載の装置。 【請求項21】 スーパーフレームの各アウターフレーム中の各タイムスロットに対し複数の無線技術の中から少なくとも1つの無線技術を選択することと、なお、前記スーパーフレームは複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のタイムスロットを備える;そして 前記タイムスロットに対し選択された前記少なくとも1つの無線技術に従って各タイムスロットのデータを処理することと; を備え、 前記複数の無線技術の中から前記少なくとも1つの無線技術が、前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の各フレームの各タイムスロットに対し選択され、各アウターフレームは複数のフレームを備え、そして、各フレームは少なくとも2つのタイムスロットを備え、 広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)が、各フレーム中の少なくとも1つのタイムスロットに対し選択され、W-CDMAあるいは直交周波数分割多重(OFDM)が、前記フレームの中の各残りのタイムスロットに対し選択される、 方法。 【請求項22】 スーパーフレームの各アウターフレーム中の各タイムスロットに対し複数の無線技術の中から少なくとも1つの無線技術を選択するための手段と、なお、前記スーパーフレームは複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のタイムスロットを備える;そして 前記タイムスロットに対し選択された前記少なくとも1つの無線技術に従って各タイムスロットのためのデータを処理するための手段と; を備え、 前記複数の無線技術の中から前記少なくとも1つの無線技術が、前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の各フレームの各タイムスロットに対し選択され、各アウターフレームは複数のフレームを備え、そして、各フレームは少なくとも2つのタイムスロットを備え、 広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)が、各フレーム中の少なくとも1つのタイムスロットに対し選択され、W-CDMAあるいは直交周波数分割多重(OFDM)が、前記フレームの中の各残りのタイムスロットに対し選択される、 装置。 【請求項23】 インストラクションを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記インストラクションは、 コンピュータに、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形を生成させるためのコードと; コンピュータに、少なくとも1つのOFDMシンボルを備える直交周波数分割多重(OFDM)波形を生成させるためのコードと、なお、各OFDMシンボルの持続期間は通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される; コンピュータに、第1タイムスロット上に前記W-CDMA波形を多重化させるためのコードと;そして コンピュータに、第2タイムスロット上に前記OFDM波形を多重化させるためのコードと; を備える、 コンピュータ読み取り可能な記録媒体。」を, 「 【請求項1】 第1無線技術に従って第1波形を生成する第1変調器と; 第2無線技術に従って第2波形を生成する第2変調器と、なお、前記第2波形における各シンボルの持続期間は通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される;そして 第1タイムスロット上に前記第1波形を多重化し、第2タイムスロット上に前記第2波形を多重化するマルチプレクサと; を備える装置。 【請求項2】 前記第1無線技術はスペクトラム拡散無線技術であり、前記第2無線技術はマルチキャリア無線技術である、請求項1記載の装置。 【請求項3】 前記第2無線技術は直交周波数分割多重(OFDM)、インタリーブ周波数分割多元接続(IFDMA)、または局地的FDMA(LFDMA)である、請求項2記載の装置。 【請求項4】 前記第1無線技術はユニキャスト伝送用の直交周波数分割多重(OFDM)であり、前記第2無線技術はマルチキャスト伝送あるいはブロードキャスト伝送用のOFDMである、請求項1記載の装置。 【請求項5】 前記第1波形は少なくとも1つのユニキャスト伝送用であり、前記第2波形はマルチキャスト伝送あるいはブロードキャスト伝送用である、請求項1記載の装置。 【請求項6】 広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形を生成する第1変調器と; 直交周波数分割多重(OFDM)波形を生成する第2変調器と、なお、前記第2変調器は少なくとも1つのOFDMシンボルを生成し、そして前記少なくとも1つのOFDMシンボルを備える前記OFDM波形を形成し、各OFDMシンボルの持続期間が、通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される;そして 第1タイムスロット上に前記W-CDMA波形を多重化し、第2タイムスロット上に前記OFDM波形を多重化するマルチプレクサと; を備える装置。 【請求項7】 前記多重化されたW-CDMAおよびOFDMの波形に対し変調された信号を生成し、そしてダウンリンク上で前記変調された信号を送信する送信機 を更に備える請求項6記載の装置。 【請求項8】 前記第2変調器は3つのOFDMシンボルを生成し、そして前記3つのOFDMシンボルを備える前記OFDM波形を形成する、請求項6記載の装置。 【請求項9】 広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形を生成することと; 少なくとも1つのOFDMシンボルを備える直交周波数分割多重(OFDM)波形を生成することと、なお、各OFDMシンボルの持続期間は通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される; 第1タイムスロット上に前記W-CDMA波形を多重化することと;そして 第2タイムスロット上に前記OFDM波形を多重化することと: を備える方法。 【請求項10】 前記多重化されたW-CDMAおよびOFDMの波形の変調された信号を生成することと;そして 前記変調された信号をダウンリンク上で送信することと; を更に備える請求項9記載の方法。 【請求項11】 広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形を生成するための手段と; 少なくとも1つのOFDMシンボルを備える直交周波数分割多重(OFDM)波形を生成するための手段と、なお、各OFDMシンボルの持続期間は通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される; 第1タイムスロット上に前記W-CDMA波形を多重化するための手段と;そして 第2タイムスロット上に前記OFDM波形を多重化するための手段と; を備える装置。 【請求項12】 前記多重化されたW-CDMAおよびOFDMの波形の変調された信号を生成するための手段と;そして 前記変調された信号をダウンリンク上で送信するための手段と; を更に備える、請求項11記載の装置。 【請求項13】 インストラクションを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記インストラクションは、 コンピュータに、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形を生成させるためのコードと; コンピュータに、少なくとも1つのOFDMシンボルを備える直交周波数分割多重(OFDM)波形を生成させるためのコードと、なお、各OFDMシンボルの持続期間は通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される; コンピュータに、第1タイムスロット上に前記W-CDMA波形を多重化させるためのコードと;そして コンピュータに、第2タイムスロット上に前記OFDM波形を多重化させるためのコードと; を備える、 コンピュータ読み取り可能な記録媒体。」とすることを含むものである。 つまり,本件審判請求時補正は,特許請求の範囲について,(i) 本件審判請求時補正の前の請求項13ないし請求項22を削除し,(ii) 本件審判請求時補正の前の請求項23を請求項13とし,(iii) 本件審判請求時補正の前の請求項1に記載された「なお前記第2波形における各シンボルの持続期間」を「なお、前記第2波形における各シンボルの持続期間」とし,(iv) 請求項6に記載された「各OFDMシンボルの持続時間が」を「各OFDMシンボルの持続期間が」とすることを含むものである。 したがって,本件審判請求時補正は,請求項の削除及び誤記の訂正を目的としたものである。 3.原査定の理由(36条6項1号)について (1) 上記拒絶理由通知及び上記拒絶査定によれば,平成24年11月26日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし12,及び23に記載された発明を特定する事項である「「シンボル持続期間」は「遅延時間」及び「コヒーレンス時間」に基づいて選択される」ことの記載が,発明の詳細な説明に記載されたものではない。 これを理由に本願は,特許法第36条第6項第1号の規定する要件を満たしていないものとされ,拒絶された。 (2) さらに,上記審尋によれば,平成25年4月18日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1,6,9,11,13に記載された発明を特定する事項である「「シンボル持続期間」は「遅延時間」及び「コヒーレンス時間」に基づいて選択される」ことの記載が,発明の詳細な説明には記載されたものでない。 よって,依然として本願は,特許法第36条第6項第1号の規定する要件を満たしていない,つまり,原査定の理由を解消していないとされた。 4.請求人の主張 (1) 平成25年4月18日付け審判請求書における主張 平成25年4月18日付け審判請求書(以下「審判請求書」という。)における請求人の主張(審判請求書「3 (1) 理由2(サポート要件違反)について」)の概要は次のとおりである。 ア 「補正後の請求項1に記載された「前記第2波形における各シンボルの持続期間は通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される」との事項は、例えば、本願出願当初の特許請求の範囲の請求項11された事項によってサポートされています。 すなわち、出願当初の請求項11には、「[請求項11]各OFDMシンボルの持続時間が、通信リンクの予測された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される、請求項8記載の装置。」と記載されています。そして、上記出願当初の請求項11の内容は、平成22年12月15日の補正により、本願明細書段落[0079]に付記されています。 また、補正後の請求項1に記載された「第2波形における各シンボルの持続期間」は、上記出願当初の請求項11に記載された「各OFDMシンボルの持続時間」に対応しています。 したがいまして、補正後の請求項1に記載された上記事項は、本願明細書に記載されているということができます。」 イ 「補正後の請求項1に記載された上記事項は、例えば、本願明細書段落[0062]、[0065]、[0076]の記載によってもサポートされています。 まず、本願明細書段落[0062]には、シンボル持続時間に関連して、OFDMシンボル用の様々なパラメータ([表2])が、システム条件および他の考慮事項に基づいて選択されることが記載されております。また、[表2]には、「総OFDMシンボル持続時間(Tofdm)」が「周期的プレフィックス持続時間(Tcp)」を含むことが記載されています。 さらに、本願明細書段落[0065]には、遅延拡散に関連して、次の事項が記載されています。 「FDMパイロットはまた、2つよりも多いサブバンドセットからなる他の互い違いパターン、例えば、3×互い違い、4×互い違い、等の場合、で送信されることができる。互い違いのものは、レシーバ(receiver)が、(1)周波数領域のシステム帯域幅全体を一様にサンプリングし(evenly sample)、そして(2)周期的なプレフィックス持続時間よりもより長い遅延拡散を抑制するために使用されることができる、より長いチャネルインパルス応答推定値を引き出す、ことを可能にする。」 すなわち、この段落には、周期的なプレフィックス持続時間よりもより長い遅延拡散を抑制すること、別の見方をすれば、遅延拡散に基づいて周期的なプレフィックス持続時間を選択できることが記載されているといえます。 これらの記載を総合すれば、本願明細書には、遅延拡散に基づいてシンボルの持続時間の選択を行うことが記載されているといえます。 次に、本願明細書段落[0076]には、次の事項が記載されています。 「各コヒーレンス時間間隔が数ミリ秒であり得る場合、データが多重コヒーレンス時間間隔全体にわたって広げられるので、W-CDMAのための80msのTTIと比較して、OFDMのためのおよそ1秒のTTIはパフォーマンスを改善し得る。」 この段落には、OFDMのTTI(1つのE-MBMS物理チャネルに対する1つのスーパーフレームである全伝送時間間隔)のフレーム構造について、コヒーレンス時間間隔が数ミリ秒の場合にはパフォーマンスを改善しうることが記載されており、別の見方をすれば、コヒーレンス時間に基づいてスーパーフレームのフレーム構造を選択しうることが記載されているといえます。 ここで、スーパーフレームのフレーム構造にはOFDMシンボル持続時間が含まれていることを考慮すると、本願明細書には、コヒーレンス時間に基づいてOFDMシンボル持続時間を選択できることが記載されているといえます。」 (2) 平成26年2月18日付け回答書における主張 平成26年2月18日付け回答書における請求人の主張(回答書「2.本願発明が特許されるべき理由」)の概要は次のとおりである(下線は当審が付与。)。 「前置報告書において「補正後の請求項1に記載の上記事項は出願当初の請求項11に記載されている旨も主張しているが、出願当初の請求項11は発明の詳細な説明ではなく特許請求の範囲に記載されたものであるから、当該主張は採用できない。」とご判断されています。 出願当初の請求項11は、平成22年12月15日の補正により、本願明細書の段落[0079]に付記されております。このような補正は、明細書について行う補正であって、出願当初の明細書および特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において行ったものであることから、適法な補正ということができます。この補正により、出願当初の請求項11の内容は、明細書中の発明の詳細な説明に記載されたものとなります。 したがいまして、本願補正後の請求項1に記載の事項は、本願明細書の発明の詳細な説明に記載されているといえますので、「出願当初の請求項11は発明の詳細な説明ではなく特許請求の範囲に記載されたものである」との審査官殿のご判断は失当というほかはありません。 さらに、補正後の請求項1に記載された上記事項は、審判請求書においても主張しましたように、例えば、本願明細書段落[0062]、[0065]、[0076]の記載によってもサポートされているということができます。」 5.検討 (1) 特許請求の範囲の記載が,特許法第36条第6項第1号の規定(以下「明細書のサポート要件」という。)に適合するか否かは,特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し,(i) 特許請求の範囲に記載された発明が,発明の詳細な説明に記載された発明で,その記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か,また,(ii) その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものであるといえる(当審注 知財高裁判決 平成17(行ケ)10042号参照。)。 これを前提に,平成25年4月18日付け手続補正書の特許請求の範囲(以下「本件特許請求の範囲」という。)の請求項6に記載された発明(以下「本件請求項6記載発明」という。)について,明細書のサポート要件に適合するか否かについて検討する。 (2) 本件特許請求の範囲の記載について 本件請求項6記載発明に係る本件請求項6には, 「【請求項6】 広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形を生成する第1変調器と; 直交周波数分割多重(OFDM)波形を生成する第2変調器と、なお、前記第2変調器は少なくとも1つのOFDMシンボルを生成し、そして前記少なくとも1つのOFDMシンボルを備える前記OFDM波形を形成し、各OFDMシンボルの持続期間が、通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される;そして 第1タイムスロット上に前記W-CDMA波形を多重化し、第2タイムスロット上に前記OFDM波形を多重化するマルチプレクサと; を備える装置。」が記載(下線は当審が付与。上記2に摘記した事項を再掲。)されている。 (3) 本件明細書の発明の詳細な説明の記載について 本件明細書には,次の事項が記載(下線は当審が付与。)されている。 ア 「【背景】 (分野) 本発明は、概して、通信に関し、より具体的には、無線通信システムにおけるデータ伝送に関係する。 (背景) 無線通信システムは、様々な通信サービス、例えば、音声、パケットデータ、マルチメディアブロードキャスト、テキストメッセージなど、を提供するために広く有効的に使用されている。これらのシステムは、利用可能なシステムリソースを共有することにより複数のユーザに対し通信をサポートすることができる多元接続性システム(multiple-access system)かもしれない。そのような多元接続性システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、そして直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムを含む。CDMAシステムは、広帯域CDMA(W-CDMA)、cdma2000などのような無線アクセス技術(a radio access technology)(RAT)をインプリメントできる。RATは、無線の通信(over-the-air communication)に対し使用される技術を指す。W-CDMAは、「第三世代協力プロジェクト」(3GPP)という名のコンソーシアムからのドキュメントの中で説明されている。cdma2000は、「第三世代協力プロジェクト2」(3GPP2)という名のコンソーシアムからのドキュメントの中で説明されている。3GPPと3GPP2のドキュメントは公に利用可能である。 W-CDMAおよびcdma2000は、直接シーケンスCDMA(DS-CDMA)無線技術を使用する。DS-CDMAは、W-CDMAではスクランブル符号(a scrambling code)と呼ばれそしてcdma2000では擬似ランダム雑音(PN)符号(a pseudo-random noise (PN) code)と呼ばれる拡散符号を使って、狭帯域信号をシステム帯域幅全体にわたってスペクトル的に広げる。DS-CDMAは、ある長所、例えば、多元接続性、狭帯域拒否などをサポートする容易さなど、有する。然しながら、DS-CDMAは、システム帯域幅全体にわたってフラット(flat)ではない周波数応答である、周波数選択性フェージングの影響を受けやすい。周波数選択性フェージングは、無線チャネルの時間分散に起因し、符号間干渉(ISI)を引き起こし、それは性能を下げうる。イコライザを持った複雑なレシーバは、符号間干渉を抑制するように努めることが必要とされるかもしれない。 それ故に、複数のユーザをサポートでき、そして改善されたパフォーマンスを提供できる、無線通信システムに対する技術的必要性がある。」(【0002】ないし【0005】) イ 「【発明の概要】 無線通信システムにおける異なるタイプの伝送に対し良好なパフォーマンスを提供できる、フレーム構造および伝送技術が、ここに説明される。フレーム構造と伝送技術は、様々な無線技術、例えば、W-CDMA、そして直交周波数分割多重(OFDM)などに対し、使用されることができる。フレーム構造と伝送技術はまた、様々なタイプの伝送(例、特定ユーザ向け伝送、マルチキャスト伝送、およびブロードキャスト伝送)に対し、また、様々なサービス(例、拡張されたマルチメディアブロードキャスト/マルチキャストサービス(E-MBMS))に対しても使用されることができる。」(【0006】) ウ 「 一実施形態では、OFDMシンボル持続時間は、おおよそ200μsから220μsであるように選択されている。もし各タイムスロットが667μsの持続時間を有する場合は、そのとき各E-MBMSスロットは3つのOFDMシンボル、あるいはL=3、を含んでいる。表2は、例示的な実施形態に従ってOFDMシンボル用の様々なパラメータを示す。この実施形態の場合、総数1024のサブバンドがあり、2つのバンド端の各々にある68のサブバンドは使用されていない、そして、888の中心サブバンドは、データ及び/又はパイロットを送るために使用されてもよい。システム条件および他の考慮事項に基づき、これらのパラメータに対し他の値もまた選択されてよく、また、これは本発明の範囲内である。 【表2】 FDMパイロットは、各OFDMシンボルの中で送られ、チャネル推定(channel estimation)のために使用されるかもしれない。FDMパイロットは、総数Sのサブバンド(S total subbands)全体にわたって(例、均一に)分布するPサブバンド上で送られるパイロットである、但しP>1。表2の中で示される例示的な実施形態の場合、FDMパイロットは、8つのサブバンドによって間隔をあけられるP=128サブバンド上で送られることができる。U=888使用可能サブバンドは、そのとき、FDMパイロット(あるいはパイロットサブバンド)のために使用される111のサブバンドと、トラフィックデータ(あるいはデータサブバンド)のために使用される777のサブバンドと、を含むだろう。パイロットとデータは136のガードサブバンド(guard subbands)上で送信されない。 図8は例示的なFDMパイロット伝送方式を示す。簡単にするために、図8は、図4Aの中で示される多重化例の最初の7つのタイムスロットのみを示す。最初の2つのタイムスロットはW-CDMAスロットである。それに続く各タイムスロットは、3つのOFDMシンボルを含むOFDMスロットである。FDMパイロットは、P’=111パイロットサブバンド上で各OFDMシンボルの中で送られる。 チャネル推定パフォーマンスを改善するために、FDMパイロットは、互い違いに配置され(staggered)、異なるOFDMシンボルの中で異なるサブバンド上で送信されことができる。図8の中で示される例の場合、FDMパイロットは、2つのサブバンドセットからなる互い違いのパターン(staggering pattern)で送信され、それは2の互い違いファクタあるいは2×互い違い(a staggering factor of two or 2x staggering)と呼ばれる。FDMパイロットは、1つのOFDMシンボルの中の第1セットのサブバンド上で、そのあと次のOFDMシンボル中の第2セットのサブバンド上で、そのあと次のOFDMシンボル中の第1サブバンドセット上で、等等で、送信される。第1セット中のサブバンドは、第2セット中のサブバンドからの4つで相殺される。FDMパイロットはまた、2つよりも多いサブバンドセットからなる他の互い違いパターン、例えば、3×互い違い、4×互い違い、等の場合、で送信されることができる。互い違いのものは、レシーバ(receiver)が、(1)周波数領域のシステム帯域幅全体を一様にサンプリングし(evenly sample)、そして(2)周期的なプレフィックス持続時間よりもより長い遅延拡散を抑制するために使用されることができる、より長いチャネルインパルス応答推定値を引き出す、ことを可能にする。」(【0062】ないし【0065】) エ 「 各E-MBMS物理的チャネルの場合、ターボ符号と(n、k)リードソロモン符号は、時間多様性を捕らえる(capture)ために使用されることができるし、又、パフォーマンスを改善することもできる。リードソロモン符号はアウター符号として使用されることができ、また、ターボ符号はインナー符号として使用されることができる。リードソロモン符号レート(n、k)は、(16、12)、(16、14)に、及び/又は、ブロック符号化を簡単にするためにいくつかの他の符合レートに、制限されてもよい。理論上、1つのE-MBMS物理的チャネルに対する1つのスーパーフレームである全伝送時間間隔(TTI)にわたってターボ符号化を行なうことが好もしい。ターボ符号は、アウター符号なしで単独で使用されてもよく、そして、十分なインターリービングで、システムにおける時間多様性を利用する(exploit)ことが可能である。然しながら、実際的見地から、デコーダバッファサイズ(decoder buffer size)によって課された制限がある。これらの場合では、ターボ符号化されたパケット(Turbo coded packets)の長さは制限されるかもしれないし。また、時間多様性はアウター符号で集められるかもしれない。アウター符号は、各OFDM伝送のために使用されてもよいし、あるいは使用されないかもしれない。アウター符号の主要な役割は、時間多様性を集めること(collecting time diversity)において支援することである。 時間多様性を集めることは、ここに説明されるフレーム構造によって、さらに容易にできる。フレーム構造は、およそ1秒(例、1.28秒)のTTIを提供できる。各コヒーレンス時間間隔が数ミリ秒であり得る場合、データが多重コヒーレンス時間間隔全体にわたって広げられるので、W-CDMAのための80msのTTIと比較して、OFDMのためのおよそ1秒のTTIはパフォーマンスを改善し得る。およそ1秒のTTI全体にわ たってのバースト中のトラフィックデータの伝送はまた、バッテリパワー消費を減らすことができる。E-MBMS伝送の場合、端末は、各アウターフレーム中で送られたバーストを受け取るために周期的にウェイクアップ状態になる(wake up)かもしれないし、また、バッテリパワーを節約するためにバースト間はスリープ状態になる(sleep)かもしれない。各バーストは、1つのタイムスロットあるいは0.667msと同じくらい短いかもしれない。対照的に、端末は、W-CDMA伝送を受け取るために、80msTTI全体の間、ウェイクアップ状態であることが必要かもしれない。 ここに説明されたフレーム構造と伝送技術は、様々な手段によってインプリメントされることができる。例えば、これらの技術は、ハードウェア、ソフトウェアあるいはそれの組合せ中でインプリメントされるかもしれない。ハードウェアインプリメンテーションの場合、基地局で異なる無線技術に対しタイムスロットおよびプロセスデータを割り当てるために使用される処理ユニットは、1以上の、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、ここに記載された機能を行なうように設計された他の電子ユニット、あるいはそれらの組合せの中でインプリメントされることができる。端末でデータを受け取るために使用される処理ユニットもまた、1以上のASIC、DSP、プロセッサなどの中でインプリメントされることができる。」(【0075】ないし【0077】) オ 「 開示された実施形態の以上の説明は、当業者の誰もが本発明を作りまたは使用するのを可能とするように提供されている。これらの実施形態の様々な変形は当業者には容易に明らかであり、そして、ここに定義された包括的な原理は本発明の精神或いは範囲を逸脱することなく他の実施形態に適用されることが出来る。従って、本発明は、ここで示された実施形態に限定されるように意図されてはおらず、ここに開示された原理及び新規な特徴と整合する最も広い範囲が与えられるべきものである。 以下に、本願発明の当初の[特許請求の範囲]に記載された発明を付記する。 [1] 第1無線技術に従って第1波形を生成する第1変調器と; 第2無線技術に従って第2波形を生成する第2変調器と;そして 第1タイムスロット上に前記第1波形を多重化し、第2タイムスロット上に前記第2波形を多重化するマルチプレクサと; を備える装置。 [2] 前記第1無線技術はスペクトラム拡散無線技術であり、前記第2無線技術はマルチキャリア無線技術である、[1]記載の装置。 [3] 前記第2無線技術は直交周波数分割多重(OFDM)、インタリーブ周波数分割多元接続(IFDMA)、または局地的FDMA(LFDMA)である、[2]記載の装置。 [4] 前記第1無線技術はユニキャスト伝送用の直交周波数分割多重(OFDM)であり、前記第2無線技術はマルチキャスト伝送あるいはブロードキャスト伝送用のOFDMである、[1]記載の装置。 [5] 前記第1波形は少なくとも1つのユニキャスト伝送用であり、前記第2波形はマルチキャスト伝送あるいはブロードキャスト伝送用である、[1]記載の装置。 [6] 広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形を生成する第1変調器と; 直交周波数分割多重(OFDM)波形を生成する第2変調器と;そして 第1タイムスロット上に前記W-CDMA波形を多重化し、第2タイムスロット上に前記OFDM波形を多重化するマルチプレクサと; を備える装置。 [7] 前記多重化されたW-CDMAおよびOFDMの波形に対し変調された信号を生成し、そしてダウンリンク上で前記変調された信号を送信する送信機を、 更に備える[6]記載の装置。 [8] 前記第2変調器は少なくとも1つのOFDMシンボルを生成し、そして前記少なくとも1つのOFDMシンボルを備える前記OFDM波形を形成する、[6]記載の装置。 [9] 前記第2変調器は少なくとも1つのOFDMシンボルを生成し、そして前記少なくとも1つのOFDMシンボルを備える前記OFDM波形を形成する、[6]記載の装置。 [10] 前記第2変調器は3つのOFDMシンボルを生成し、そして前記3つのOFDMシンボルを備える前記OFDM波形を形成する、[6]記載の装置。 [11] 各OFDMシンボルの持続時間が、通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される、[8]記載の装置。 [12] 広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形を生成することと; 直交周波数分割多重(OFDM)波形を生成することと; 第1タイムスロット上に前記W-CDMA波形を多重化することと;そして 第2タイムスロット上に前記OFDM波形を多重化することと; を備える方法。 [13] 前記OFDM波形を生成することは、 少なくとも1つのOFDMシンボルを生成することと、そして 前記少なくとも1つのOFDMシンボルを備えるOFDM波形を形成することと、 を備える、[12]記載の方法。 [14] 多重化されたW-CDMAおよびOFDMの波形の変調された信号を生成することと;そして 前記変調された信号をダウンリンク上で送信することと; を更に備える[12]記載の方法。 [15] 広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形を生成するための手段と; 直交周波数分割多重(OFDM)波形を生成するための手段と; 第1タイムスロット上に前記W-CDMA波形を多重化するための手段と;そして 第2タイムスロット上に前記OFDM波形を多重化するための手段と; を備える装置。 [16] 前記OFDM波形を生成するための前記手段は、 少なくとも1つのOFDMシンボルを生成するための手段と、そして 前記少なくとも1つのOFDMシンボルを備える前記OFDM波形を形成するための手段と、 を備える、[15]記載の装置。 [17] 前記多重化されたW-CDMAおよびOFDMの波形の変調された信号を生成するための手段と;そして 前記変調された信号をダウンリンク上で送信するための手段と; を更に備える、[15]記載の装置。 [18] スーパーフレームの各アウターフレーム中の各タイムスロットに対し複数の無線技術の中から少なくとも1つの無線技術を選択するコントローラと、なおここでは、前記スーパーフレームは複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のタイムスロットを備える;そして 前記タイムスロットに対し選択された前記少なくとも1つの無線技術に従って各タイムスロットのデータを処理するプロセッサと; を備える装置。 [19] 前記複数の無線技術は、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)と直交周波数分割多重(OFDM)とを含む、[18]記載の装置。 [20] 各アウターフレーム中の前記複数のタイムスロットは、ダウンリンク伝送のために使用される、[18]記載の装置。 [21] 各アウターフレーム中の前記複数のタイムスロットの各々は、ダウンリンク又はアップリンクの伝送のために使用可能である、[18]記載の装置。 [22] 前記コントローラは、前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の各フレームの各タイムスロットに対し前記複数の無線技術の中から少なくとも1つの無線技術を選択し、前記スーパーフレームは前記複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のフレームを備え、そして、各フレームは少なくとも2つのタイムスロットを備える、[18]記載の装置。 [23] 前記コントローラは各フレーム中の少なくとも1つのタイムスロットに対し広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)を選択し、そして、前記フレーム中の各残りのタイムスロットに対しW-CDMAあるいは直交周波数分割多重(OFDM)を選択する、[22]記載の装置。 [24] 各フレームに対し、少なくとも1つのタイムスロットはダウンリンク伝送のために使用され、少なくとも1つのタイムスロットはアップリンク伝送のために使用され、そして、各残りのタイムスロットは、ダウンリンク又はアップリンクの伝送のために使用可能である、[22]記載の装置。 [25] 各フレームに対し、少なくとも1つのタイムスロットはアップリンク伝送のために使用 され、そして、各残りのタイムスロットは、ダウンリンク又はアップリンクの伝送のために使用可能である、[22]記載の装置。 [26] 各フレームは、10ミリ秒の持続時間を有し、15タイムスロットを備える、[22]記載の装置。 [27] 前記スーパーフレームは、ほぼ1秒の持続時間を有する、[18]記載の装置。 [28] スーパーフレームの各アウターフレーム中の各タイムスロットに対し複数の無線技術の中から少なくとも1つの無線技術を選択することと、なおここでは、前記スーパーフレームは複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のタイムスロットを備える;そして 前記タイムスロットに対し選択された前記少なくとも1つの無線技術に従って各タイムスロットのデータを処理することと; を備える方法。 [29] 前記複数の無線技術は、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)と直交周波数分割多重(OFDM)とを含む、[28]記載の方法。 [30] 少なくとも1つの無線技術を選択することは、 前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の各フレームの各タイムスロットに対し前記複数の無線技術の中から少なくとも1つの無線技術を選択することを備え、 前記スーパーフレームは前記複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のフレームを備え、そして、各フレームは少なくとも2つのタイムスロットを備える、[28]記載の方法。 [31] 少なくとも1つの無線技術を選択することは、 各フレーム中の少なくとも1つのタイムスロットに対し広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)を選択することと、なおここで、前記スーパーフレームは前記複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のフレームを備え、そして、各フレームは少なくとも2つのタイムスロットを備える;そして 各フレーム中の各残りのタイムスロットに対しW-CDMAあるいは直交周波数分割多重(OFDM)を選択することと; を備える、[28]記載の方法。 [32] スーパーフレームの各アウターフレーム中の各タイムスロットに対し複数の無線技術の中から少なくとも1つの無線技術を選択するための手段と、なおここでは、前記スーパーフレームは複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のタイムスロットを備える;そして 前記タイムスロットに対し選択された前記少なくとも1つの無線技術に従って各タイムスロットのためのデータを処理するための手段と; を備える装置。 [33] 前記複数の無線技術は、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)と直交周波数分割多重(OFDM)とを含む、[32]記載の装置。 [34] スーパーフレームの各アウターフレーム中の少なくとも1つのタイムスロットを物理的チャネルに割り当てるコントローラと、なおここでは、前記スーパーフレームは複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のタイムスロットを備える;そして 前記物理的チャネル用のデータを、前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の前 記物理的チャネルに割り当てられた前記少なくとも1つのタイムスロット上に多重化するマルチプレクサと; を備える装置。 [35] 前記コントローラは、前記物理的チャネルに、前記スーパーフレーム中の各アウターフレームの同じ位置の中の前記少なくとも1つのタイムスロットを割り当てる、[34]記載の装置。 [36] 直交周波数分割多重(OFDM)と広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)は、前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の前記複数のタイムスロットに対し使用可能である、[34]記載の装置。 [37] 前記物理的チャネルは、特定の端末に送られるユニキャスト伝送用である、[34]記載の装置。 [38] 前記物理的チャネルは、複数の端末に送られるマルチキャスト伝送用であるか、又は、ブロードキャスト伝送用である、[34]記載の装置。 [39] 符号化方式に基づき前記物理的チャネル用の前記データを符号化し、そして、前記物理的チャネル用の符号化されたデータを変調方式に基づき変調シンボルにマッピングするプロセッサを、更に備え、前記の符号化方式および変調方式は、前記スーパーフレーム用の前記物理的チャネルに対し選択される、[34]記載の装置。 [40] 前記プロセッサは、前記物理的チャネル用の前記データをブロック符号で符号化し、そして更に、ブロック符号化されたデータを畳み込み符号又はターボ符号で符号化する、[39]記載の装置。 [41] 前記物理的チャネルのための直交周波数分割多重(OFDM)変調を行なう変調器を更に備える、[34]記載の装置。 [42] 複数のバースト中の前記物理的チャネル用の前記データを前記スーパーフレームの前記複数のアウターフレーム上で送信する送信機を更に備える、[34]記載の装置。 [43] 前記物理的チャネルは、ブロードキャストサービス用のデータを搬送する、[34]記載の装置。 [44] 前記コントローラは、前記物理的チャネルに前記スーパーフレーム中の各アウターフレームの少なくとも1つのフレーム中の少なくとも1つのタイムスロットを割り当て、前記スーパーフレームは前記複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のフレームを備え、各フレームは少なくとも2つのタイムスロットを備える、[34]記載の装置。 [45] スーパーフレームの各アウターフレーム中の少なくとも1つのタイムスロットを物理的チャネルに割り当てることと、なおここでは、前記スーパーフレームは複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のタイムスロットを備える;そして 前記物理的チャネル用のデータを、前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の前記物理的チャネルに割り当てられた前記少なくとも1つのタイムスロット上に多重化することと; を備える方法。 [46] 直交周波数分割多重(OFDM)と広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)は、前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の前記複数のタイムスロットに対し使用可能である、[45]記載の方法。 [47] 前記スーパーフレームのための前記物理的チャネルに対し選択された符号化方式に基づき前記物理的チャネル用の前記データを符号化することと;そして、 前記スーパーフレームのための前記物理的チャネルに対し選択された変調方式に基づき前記物理的チャネル用の符号化されたデータを変調シンボルにマッピングすることと; を更に備える、[45]記載の方法。 [48] 複数のバースト中の前記物理的チャネル用の前記データを前記スーパーフレームの前記複数のアウターフレーム上で送信することを更に備える、[45]記載の方法。 [49] スーパーフレームの各アウターフレーム中の少なくとも1つのタイムスロットを物理的チャネルに割り当てるための手段と、なおここでは、前記スーパーフレームは複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のタイムスロットを備える;そして 前記物理的チャネル用のデータを、前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の前記物理的チャネルに割り当てられた前記少なくとも1つのタイムスロット上に多重化するための手段と; を備える装置。 [50] 直交周波数分割多重(OFDM)と広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)は、前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の前記複数のタイムスロットに対し使用可能である、[49]記載の装置。 [51] 前記スーパーフレームのための前記物理的チャネルに対し選択された符号化方式に基づき前記物理的チャネル用の前記データを符号化するための手段と;そして、 前記スーパーフレームのための前記物理的チャネルに対し選択された変調方式に基づき前記物理的チャネル用の符号化されたデータを変調シンボルにマッピングするための手段と; を更に備える、[49]記載の装置。 [52] 複数のバースト中の前記物理的チャネル用の前記データを前記スーパーフレームの前記複数のアウターフレーム上で送信するための手段を更に備える、[49]記載の装置。 [53] サンプルを受け取り、第1タイムスロット中で送られた広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形にサンプルを提供し、そして第2タイムスロット中で送られた直交周波数分割多重(OFDM)波形にサンプルを提供するデマルチプレクサと; 前記W-CDMA波形のための前記サンプルを処理する第1復調器と;そして 前記OFDM波形のための前記サンプルを処理する第2復調器と; を備える装置。 [54] 第1タイムスロット中の広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)波形を受け取ること; 第2タイムスロット中の直交周波数分割多重(OFDM)波形を受け取ること; W-CDMAを使用して送られたデータを得るために前記の受け取られたW-CDMA波形を処理することと; OFDMを使用して送られたデータを得るために前記の受け取られたOFDM波形を処理することと; を備える方法。 [55] スーパーフレームの各アウターフレーム中の物理的チャネルに割り当てられた少なくとも1つのタイムスロットを決定するコントローラと、なおここでは前記スーパーフレームは複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のタイムスロットを備える;そして 前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の前記物理的チャネルに割り当てられた前記少なくとも1つのタイムスロットの中で受け取られたサンプルを提供するデマルチプレクサと; を備える装置。 [56] 直交周波数分割多重(OFDM)と広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)は、前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の前記複数のタイムスロットに対し使用可能である、[55]記載の装置。 [57] 前記物理的チャネルのためのサンプル上で直交周波数分割多重(OFDM)復調を行ない、そして前記物理的チャネルにシンボルを提供する復調器、 を更に備える[55]記載の装置。 [58] 前記スーパーフレーム用の前記物理的チャネルに対し選択される、変調方式と符号化方式とに基づき、前記物理的チャネルのための前記シンボルを復調しそして復号するプロセッサを、更に備える[55]記載の装置。 [59] スーパーフレームの各アウターフレーム中の物理的チャネルに割り当てられた少なくとも1つのタイムスロットを決定することと、なおここでは前記スーパーフレームは複数のアウターフレームを備え、各アウターフレームは複数のタイムスロットを備える;そして 前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の前記物理的チャネルに割り当てられた前記少なくとも1つのタイムスロットの中で受け取られたサンプルを逆多重化することと; を備える方法。 [60] 直交周波数分割多重(OFDM)と広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)は、前記スーパーフレームの各アウターフレーム中の前記複数のタイムスロットに対し使用可能である、[59]記載の方法。 [61] 前記物理的チャネルのためのシンボルを得るために前記物理的チャネルのための前記サンプル上で直交周波数分割多重(OFDM)復調を行なうことと; 前記スーパーフレームのための前記物理的チャネルのために選択された変調方式に基づき前記物理的チャネルのための前記シンボルを復調することと;そして 前記スーパーフレームのための前記物理的チャネルのために選択された符号化方式に基づき前記物理的チャネル用の変調されたデータを復号することと; を更に備える、[59]記載の方法。」(【0079】) (4) 発明の詳細な説明に記載された発明と本件請求項6記載発明との対比 ア 特許請求の範囲に発明として記載して特許を受けるためには,明細書の発明の詳細な説明に,当該発明の課題が解決できることを当業者において認識できるように記載しなければならないというべきであることは,上記「(1)」に述べたとおりである。 そして,上記「(2)」における摘記からも明らかなとおり,本件請求項6記載発明は,「W-CDMA波形を生成する第1変調器と,OFDM波形を生成し,少なくとも1つのOFDMシンボルを生成し,そして前記少なくとも1つのOFDMシンボルを備える前記OFDM波形を形成する第2変調器と,第1タイムスロット上に前記W-CDMA波形を多重化し,第2タイムスロット上に前記OFDM波形を多重化するマルチプレクサと,を備える装置」に対し,さらに各「OFDMシンボル」は,その持続期間が「通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される」ことを特定するもの,つまり,前記「OFDMシンボル」の選択に「遅延拡散及びコヒーレンス時間」に基づくとの限定を附したものである。 そうすると,このような発明において,特許請求の範囲の記載が,明細書のサポート要件に適合するためには,(i) 発明の詳細な説明は,その限定が附されたOFDMシンボルの構成と得られる効果(性能)との技術的な意味が,特許出願時において,具体的な開示がなくとも当業者に理解できる程度に記載するか,また,(ii) その記載や示唆がなくとも特許出願時の技術常識を参酌して,当該構成が所望の効果(性能)が得られると当業者において認識できる程度に,具体例を開示して記載することを要するというべきである。 イ そこで,本件明細書の記載が,本件請求項6記載発明との関係で,上記「(1)」の明細書のサポート要件に適合するか否かについてみると, (i) 上記「(3) ウ」における摘記によれば「OFDMシンボル」の「持続時間」又は「持続期間」が「おおよそ200μsから220μs」であるように選択されること, (ii) 上記「(3) ウ」における摘記によれば,「遅延拡散」は,「周期的なプレフィックス時間よりもより長い」場合,互い違いの「FDMパイロット」を使用して抑制されるもの,つまり,「遅延拡散」は互い違いの「FDMパイロット」を使用して「周期的なプレフィックス時間」よりもより長くならないように抑制されるものであること, (iii) 上記「3.エ」における摘記によれば「コヒーレンス時間」の間隔が「数ミリ秒」で有り得,「コヒーレンス時間」の間隔全体にわたってデータを広げることのできること, (iv) 上記「(3) オ」における摘記「[11]」によれば「OFDMシンボルの持続時間が、通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間に基づいて選択される」こと, の記載は発見できる。 上記の記載によれば,「遅延拡散」を周期的なプレフィックス時間よりもより長くならないように抑制すること,「コヒーレンス時間」の間隔を数ミリ秒とすること,によって,「OFDMシンボル」の「持続時間」又は「持続期間」は「おおよそ200μsから220μs」であるように選択されることになると解される。 しかし,上記「持続時間」又は「持続期間」を「おおよそ200μsから220μs」であるとする選択に関し,(i)「遅延拡散」を周期的なプレフィックス時間よりもより長くならないように抑制することにより,どのようにして所望の「持続時間」又は「持続期間」を得たのか,また,前記「持続時間」又は「持続期間」と「遅延拡散」とがどのような技術的関係を有し,該技術的関係が所望の「持続時間」又は「持続期間」の「選択」にどのような関係を有するのか,そして,(ii)「コヒーレンス時間」の間隔を数ミリ秒とすることにより,どのようして所望の「持続時間」又は「持続期間」を得たのか,また,前記「持続時間」又は「持続期間」と「コヒーレンス時間」若しくは「コヒーレンス時間」の間隔とがどのような技術的関係を有し,該技術的関係が所望の「持続時間」又は「持続期間」の「選択」にどのような関係を有するのか,という点について,これらに関する記載も示唆も,本件明細書の発明の詳細な説明には,発見することができない。 つまり,「OFDMシンボル」の「持続時間」又は「持続期間」の選択が,「通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間」若しくは「遅延拡散およびコヒーレンス時間」が,どのように基づくのかを具体例を開示若しくは示唆したといえる記載も,また,その選択によって得られる効果,性能に関する記載も発見できない。 そうすると,本件明細書に接する当業者において,「OFDMシンボル」の「持続時間」又は「持続期間」の選択が,「通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間」又は「遅延拡散およびコヒーレンス時間」に基づいていることを,具体例により裏付けられていると認識することは,本件出願時の技術常識を参酌して,可能ではないというべきであり,そして,本件明細書の発明の詳細な説明におけるこのような記載のみでは,本件出願時の技術常識を参酌して,当該選択が通信リンクの予期された遅延拡散およびコヒーレンス時間」又は「遅延拡散およびコヒーレンス時間」に基づくことで,所望の効果(性能)が得られると当業者において認識できる程度に,具体例を開示して記載しているということはできない。 つまり,本件特許請求の範囲の本件請求項6の記載が,明細書のサポート要件に適合するということはできない。 また,本件特許請求の範囲の請求項1,9,11,13の記載についても,同様に明細書のサポート要件に適合するということはできない。 そうすると,請求項1,9,11,13を直接的若しくは間接的に引用する請求項2ないし8,10,12の記載についても明細書のサポート要件に適合するということはできない。 第4 むすび 以上のとおりであるから,本件特許請求の範囲の請求項1ないし13の記載は,本件明細書の発明の詳細な説明に記載したものであるということはできない。 したがって,本件請求項1ないし13に記載された発明は,特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないので,本願は拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2014-06-13 |
結審通知日 | 2014-06-17 |
審決日 | 2014-06-30 |
出願番号 | 特願2010-254728(P2010-254728) |
審決分類 |
P
1
8・
537-
Z
(H04W)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 北元 健太 |
特許庁審判長 |
江口 能弘 |
特許庁審判官 |
吉田 隆之 近藤 聡 |
発明の名称 | 無線通信システムにおけるW-CDMA信号およびOFDM信号の多重化 |
代理人 | 野河 信久 |
代理人 | 赤穂 隆雄 |
代理人 | 井関 守三 |
代理人 | 峰 隆司 |
代理人 | 蔵田 昌俊 |
代理人 | 砂川 克 |
代理人 | 幸長 保次郎 |
代理人 | 竹内 将訓 |
代理人 | 井上 正 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 佐藤 立志 |
代理人 | 白根 俊郎 |
代理人 | 堀内 美保子 |
代理人 | 福原 淑弘 |
代理人 | 河野 直樹 |
代理人 | 岡田 貴志 |