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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1294725
審判番号 不服2013-5571  
総通号数 181 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-03-26 
確定日 2014-12-04 
事件の表示 特願2008- 10196「コンピュータサーバの認証センタおよび携帯端末並びに認証内容をコンピュータサーバの認証センタから送信する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 7月30日出願公開,特開2009-169894〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由
第1 手続の経緯

本件審判請求に係る出願(以下,「本願」という。)は,平成20年1月21日を出願日とする出願であって,平成23年1月13日付けで審査請求がなされ,平成24年10月4日付けで拒絶理由通知(同年10月9日発送)がなされ,これに対して同年12月10日付けで意見書が提出されると共に同日付けで手続補正がなされたが,同年12月21日付けで拒絶査定(平成25年1月9日謄本送達)がなされたものである。
これに対して,「原査定を取り消す,本願は特許をすべきものであるとの審決を求める。」との請求の趣旨で,平成25年3月26日付けで審判請求がなされると共に同日付けで手続補正がなされ,同年5月30日付けで審査官により特許法第164条第3項に定める報告(前置報告)がなされ,同年11月5日付けで当審により特許法第134条第4項の規定に基づく審尋(同年11月12日発送)がなされ,平成26年1月10日付けで回答書の提出があった。


第2 平成25年3月26日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]

平成25年3月26日付けの手続補正を却下する。

[理由]

1.補正の内容

平成25年3月26日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)の内容は,平成24年12月10日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1乃至3の記載

「【請求項1】
無線通信によりデータを送受信する携帯端末へ認証内容を送信するコンピュータサーバの認証センタであって,ユーザが利用する利用機器に接近すると電磁誘導パルスにより携帯端末を携帯する前記ユーザを認証する手段と,前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信し,前記認証センタが証明依頼情報を受信した場合,証明内容情報を前記携帯端末または前記利用機器へ送信する手段と,前記ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが盗難または紛失の届け情報を受信したときに,前記認証センタから証明内容情報の送信を拒否する手段と,を備えることを特徴とするコンピュータサーバの認証センタ。
【請求項2】
無線通信によりデータを送受信する携帯端末または利用機器へ認証内容を送信するコンピュータサーバの認証センタであって,ユーザが利用する利用機器に接近すると電磁誘導パルスにより前記携帯端末を認証する手段と,前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信し,前記認証センタが証明依頼情報を受信した場合に証明内容情報を前記携帯端末または前記利用機器へ送信する手段と,前記ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが盗難または紛失の届け情報を受信したときに,前記認証センタから前記携帯端末または前記利用機器へ証明内容情報の送信を拒否する手段と,を備えることを特徴とするコンピュータサーバの認証センタ。
【請求項3】
無線通信によりデータを送受信する携帯端末へ認証内容をコンピュータサーバの認証センタから送信する方法であって,ユーザが携帯する携帯端末が利用する利用機器に接近すると電磁誘導パルスにより携帯端末が認証され,前記携帯端末から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信し,前記認証センタが証明依頼情報を受信した場合,証明内容情報を前記利用機器へ送信し,前記ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが前記携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信したときに,前記認証センタから前記利用機器へ証明内容情報の送信を拒否するステップを含むことを特徴とする認証内容をコンピュータサーバの認証センタから送信する方法。」(以下,この特許請求の範囲に記載された請求項を「補正前の請求項」という。)

を,

「【請求項1】
無線通信によりデータを送受信する携帯端末または利用機器へ認証内容を送信するコンピュータサーバの認証センタであって,
ユーザが利用する前記利用機器に接近すると電磁誘導パルスにより前記携帯端末を携帯する前記ユーザを認証する第1のプログラム手段と,
前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信した場合,暗号化された鍵情報の証明内容情報を前記携帯端末または前記利用機器へ送信する第2のプログラム手段と,
前記ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが前記携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信したとき,前記利用機器に接近しユーザを認証する第1のプログラム手段の動作を停止し,かつ,前記認証センタは前記証明内容情報の送信を拒否する第3のプログラム手段と,を備えることを特徴とするコンピュータサーバの認証センタ。
【請求項2】
無線通信によりデータを送受信する携帯端末または利用機器へ認証内容を送信するコンピュータサーバの認証センタであって,
ユーザが利用する利用機器に接近すると電磁誘導パルスにより前記携帯端末を認証する第1のプログラム手段と,
前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信した場合,暗号化された鍵情報の証明内容情報を前記携帯端末または前記利用機器へ送信する第2のプログラム手段と,
前記ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが前記携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信したとき,前記利用機器に接近し前記携帯端末を認証する第1のプログラム手段の動作を停止し,かつ,前記認証センタは前記証明内容情報の送信を拒否する第3のプログラム手段と,を備えることを特徴とするコンピュータサーバの認証センタ。
【請求項3】
無線通信によりデータを送受信する携帯端末または利用機器へ認証内容をコンピュータサーバの認証センタから送信する方法であって,
ユーザが利用する利用機器に接近すると電磁誘導パルスにより携帯端末を携帯する前記ユーザまたは前記携帯端末を認証するステップと,
前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信した場合,暗号化された鍵情報の証明内容情報を前記携帯端末または前記利用機器へ送信するステップと,
前記ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが前記携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信したとき,前記利用機器に接近し前記ユーザまたは前記携帯端末を認証する前記ステップの動作を停止し,かつ,前記認証センタは前記証明内容情報の送信を拒否するステップと,を含むことを特徴とする認証内容をコンピュータサーバの認証センタから送信する方法。」(以下,この特許請求の範囲に記載された請求項を「補正後の請求項」という。)

に補正することを含むものである。


2.補正内容の分析

(1)本件補正後の請求項1に係る補正は,下記の補正事項1乃至8よりなるものである。

<補正事項1>
本件補正前の請求項1の
「無線通信によりデータを送受信する携帯端末」との記載を,
「無線通信によりデータを送受信する携帯端末または利用機器」に変更する補正。

<補正事項2>
本件補正前の請求項1の
「前記ユーザを認証する手段」との記載を,
「前記ユーザを認証する第1のプログラム手段」に変更する補正。

<補正事項3>
本件補正前の請求項1の
「前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信し,前記認証センタが証明依頼情報を受信した場合」との記載を,
「前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信した場合」に変更する補正。

<補正事項4>
本件補正前の請求項1の
「証明内容情報」との記載を,
「暗号化された鍵情報の証明内容情報」に変更する補正。

<補正事項5>
本件補正前の請求項1の
「前記携帯端末または前記利用機器へ送信する手段」との記載を,
「前記携帯端末または前記利用機器へ送信する第2のプログラム手段」に変更する補正。

<補正事項6>
本件補正前の請求項1の
「盗難または紛失の届け情報」との記載を,
「前記携帯端末の盗難または紛失の届け情報」に変更する補正。

<補正事項7>
本件補正前の請求項1の
「前記認証センタから証明内容情報の送信を拒否する」との記載を,
「前記利用機器に接近しユーザを認証する第1のプログラム手段の動作を停止し,かつ,前記認証センタは前記証明内容情報の送信を拒否する」に変更する補正。

<補正事項8>
本件補正前の請求項1の
「送信を拒否する手段」との記載を,
「送信を拒否する第3のプログラム手段」に変更する補正。

(2)本件補正後の請求項2に係る補正は,下記の補正事項9乃至15よりなるものである。

<補正事項9>
本件補正前の請求項2の
「前記携帯端末を認証する手段」との記載を,
「前記携帯端末を認証する第1のプログラム手段」に変更する補正。

<補正事項10>
本件補正前の請求項2の
「前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信し,前記認証センタが証明依頼情報を受信した場合」との記載を,
「前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信した場合」に変更する補正。

<補正事項11>
本件補正前の請求項2の
「証明内容情報」との記載を,
「暗号化された鍵情報の証明内容情報」に変更する補正。

<補正事項12>
本件補正前の請求項2の
「前記携帯端末または前記利用機器へ送信する手段」との記載を,
「前記携帯端末または前記利用機器へ送信する第2のプログラム手段」に変更する補正。

<補正事項13>
本件補正前の請求項2の
「盗難または紛失の届け情報」との記載を,
「前記携帯端末の盗難または紛失の届け情報」に変更する補正。

<補正事項14>
本件補正前の請求項2の
「前記認証センタから前記携帯端末または前記利用機器へ証明内容情報の送信を拒否する」との記載を,
「前記利用機器に接近し前記携帯端末を認証する第1のプログラム手段の動作を停止し,かつ,前記認証センタは前記証明内容情報の送信を拒否する」に変更する補正。

<補正事項15>
本件補正前の請求項2の
「送信を拒否する手段」との記載を,
「送信を拒否する第3のプログラム手段」に変更する補正。

(3)本件補正後の請求項3に係る補正は,下記の補正事項16乃至21よりなるものである。

<補正事項16>
本件補正前の請求項3の
「無線通信によりデータを送受信する携帯端末」との記載を,
「無線通信によりデータを送受信する携帯端末または利用機器」に変更する補正。

<補正事項17>
本件補正前の請求項3の
「ユーザが携帯する携帯端末が利用する利用機器に接近すると電磁誘導パルスにより携帯端末が認証され」との記載を,
「ユーザが利用する利用機器に接近すると電磁誘導パルスにより携帯端末を携帯する前記ユーザまたは前記携帯端末を認証するステップと」に変更する補正。

<補正事項18>
本件補正前の請求項3の
「前記携帯端末から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信し,前記認証センタが証明依頼情報を受信した場合」との記載を,
「前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信した場合」に変更する補正。

<補正事項19>
本件補正前の請求項3の
「証明内容情報」との記載を,
「暗号化された鍵情報の証明内容情報」に変更する補正。

<補正事項20>
本件補正前の請求項3の
「前記利用機器へ送信し」との記載を,
「前記携帯端末または前記利用機器へ送信するステップ」に変更する補正。

<補正事項21>
本件補正前の請求項3の
「前記認証センタから前記利用機器へ証明内容情報の送信を拒否する」との記載を,
「前記利用機器に接近し前記ユーザまたは前記携帯端末を認証する前記ステップの動作を停止し,かつ,前記認証センタは前記証明内容情報の送信を拒否する」に変更する補正。


3.新規事項追加禁止要件

本件補正が,特許法第17条の2第3項の規定を満たすものであるか否か,即ち,本件補正が願書に最初に添付された明細書,特許請求の範囲又は図面(以下,これを「当初明細書等」という。)の範囲内でなされたものであるかについて,以下に検討する。

まず,上記<補正事項7>に関し,補正後の請求項1は,その記載からして,「ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが前記携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信したとき」の処理として,次の発明特定事項(a)を追加している。

(a)「前記利用機器に接近しユーザを認証する第1のプログラム手段の動作を停止し」という技術的事項

また,上記<補正事項14>に関し,補正後の請求項2は,その記載からして,「ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが前記携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信したとき」の処理として,次の発明特定事項(b)を追加している。

(b)「前記利用機器に接近し前記携帯端末を認証する第1のプログラム手段の動作を停止し」という技術的事項

さらに,上記<補正事項21>に関し,補正後の請求項3は,その記載からして,「ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが前記携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信したとき」の処理として,次の発明特定事項(c)を追加している。

(c)「前記利用機器に接近し前記ユーザまたは前記携帯端末を認証する前記ステップの動作を停止し」という技術的事項

そこで,当初明細書等を参照すると,ユーザから認証センタが携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信したときの処理について,発明の詳細な説明には以下の技術的事項が記載されている。(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)
「【0064】
図2は,本発明の実施の形態にかかる認証センタ14および携帯端末12の通常時のブロック図である。無線通信によりデータを送受信する携帯端末12へ認証内容を送信するコンピュータサーバの認証センタ14は,ユーザが利用する利用機器10に接近すると電磁誘導パルスにより自動的に認証する手段(コンピュータサーバに記憶された第1のプログラム)と,携帯端末12から認証センタ14へ証明依頼情報を所定間隔で受信し,認証センタ14が証明依頼情報を受信た場合,証明内容情報を携帯端末12へ送信する手段(コンピュータサーバに記憶された第2のプログラム)と,ユーザから通信回線または電話にて認証センタ14が盗難または紛失の届け情報を受信したときに,認証センタ14から証明内容情報の送信を拒否する手段を備えるているが,通常時は,認証センタ14は,証明依頼情報を受信た場合,証明内容情報を携帯端末12へ送信するように構成されている。
【0065】
このように構成すると,認証センタ14は「通常時」に認証情報を携帯端末12へ送信するとともに「盗難または紛失時」には認証情報の送信を規制(例えば,無効信号の送信)若しくは拒否することが出来る。なお,本発明は,認証情報の受信側が携帯端末12でもよく,利用機器10でもよいことはいうまでもない。」
すなわち,上記記載を参酌しても,ユーザから認証センタが携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信したときの処理として,「認証センタ14から証明内容情報の送信を拒否する手段を備える」や「「盗難または紛失時」には認証情報の送信を規制(例えば,無効信号の送信)若しくは拒否することが出来る。」という記載はあるが,発明特定事項(a),(b),(c)に関する記載は認められない。
また,図1の盗難・紛失時の利用機器のブロック内に「機能せず」との記載があるものの,この図1の記載が上記発明特定事項(a),(b),(c)を意味するものであると直ちに認めることはできない。
そして,当初明細書等のその他の箇所を参酌しても,上記発明特定事項(a),(b),(c)を直接的にも間接的にも示唆する記載は見あたらない。
してみれば,上記発明特定事項(a),(b),(c)が含む態様は,当初明細書等には,記載も示唆もなく,また自明な事項でもない。

よって,補正後の請求項1乃至3に記載された上記発明特定事項(a),(b),(c)を追加する本件補正は,当初明細書等に記載した範囲内でしたものではない。


4.目的要件

本件補正は,上記「第2 1.」のとおり本件審判の請求と同時にする補正であり,特許請求の範囲についてする補正をしようとするものであるから,本件補正が,特許法17条の2第5項の規定を満たすものであるか否か,すなわち,本件補正が,特許法第17条の2第5項に規定する請求項の削除,特許請求の範囲の減縮(特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る),誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)の何れかを目的としたものであるかについて,補正事項ごとに以下に検討する。

(1)補正事項1,16について
本件補正前の発明特定事項である「無線通信によりデータを送受信する携帯端末」を「無線通信によりデータを送受信する携帯端末または利用機器」に変更することは,限定を目的とするものとは認められない。
また,請求項の削除,誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)のいずれにも該当しない。

(2)補正事項2,9について
本件補正前の発明特定事項である「認証する手段」を「認証する第1のプログラム手段」に限定することを目的とするものである。
また,本件補正によっても,補正前の請求項に記載された発明とその補正後の請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であることは明らかである。

(3)補正事項3,10について
本件補正前の発明特定事項である「前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信し,前記認証センタが証明依頼情報を受信した場合」を「前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信した場合」に変更することは,日本語としての明らかな誤記を訂正することを目的とするものである。

(4)補正事項4,11,19について
本件補正前の発明特定事項である「証明内容情報」を「暗号化された鍵情報の証明内容情報」に限定することを目的とするものである。
また,本件補正によっても,補正前の請求項に記載された発明とその補正後の請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であることは明らかである。

(5)補正事項5,12について
本件補正前の発明特定事項である「送信する手段」を「送信する第2のプログラム手段」に限定することを目的とするものである。
また,本件補正によっても,補正前の請求項に記載された発明とその補正後の請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であることは明らかである。

(6)補正事項6,13について
本件補正前の発明特定事項である「盗難または紛失の届け情報」を「前記携帯端末の盗難または紛失の届け情報」に限定することを目的とするものである。
また,本件補正によっても,補正前の請求項に記載された発明とその補正後の請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であることは明らかである。

(7)補正事項7について
本件補正前の発明特定事項である「前記認証センタから証明内容情報の送信を拒否する」を「前記利用機器に接近しユーザを認証する第1のプログラム手段の動作を停止し,かつ,前記認証センタは前記証明内容情報の送信を拒否する」に限定することを目的とするものである。
また,本件補正によっても,補正前の請求項に記載された発明とその補正後の請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であることは明らかである。

(8)補正事項8,15について
本件補正前の発明特定事項である「送信を拒否する手段」を「送信を拒否する第3のプログラム手段」に限定することを目的とするものである。
また,本件補正によっても,補正前の請求項に記載された発明とその補正後の請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であることは明らかである。

(9)補正事項14ついて
本件補正前の発明特定事項である「前記認証センタから前記携帯端末または前記利用機器へ証明内容情報の送信を拒否する」を「前記利用機器に接近し前記携帯端末を認証する第1のプログラム手段の動作を停止し,かつ,前記認証センタは前記証明内容情報の送信を拒否する」に限定することを目的とするものである。
また,本件補正によっても,補正前の請求項に記載された発明とその補正後の請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であることは明らかである。

(10)補正事項17について
本件補正前の発明特定事項である「電磁誘導パルスにより携帯端末が認証され」を「電磁誘導パルスにより携帯端末を携帯する前記ユーザまたは前記携帯端末を認証するステップと」に変更することは,限定を目的とするものとは認められない。
また,請求項の削除,誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)のいずれにも該当しない。

(11)補正事項18について
本件補正前の発明特定事項である「前記携帯端末から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信し,前記認証センタが証明依頼情報を受信した場合」を「前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信した場合」に変更することは,限定を目的とするものとは認められない。
また,請求項の削除,誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)のいずれにも該当しない。

(12)補正事項20について
本件補正前の発明特定事項である「前記利用機器へ送信し」を「前記携帯端末または前記利用機器へ送信するステップ」に変更することは,限定を目的とするものとは認められない。
また,請求項の削除,誤記の訂正,或いは,明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)のいずれにも該当しない。

(13)補正事項21について
本件補正前の発明特定事項である「前記認証センタから前記利用機器へ証明内容情報の送信を拒否する」を「前記利用機器に接近し前記ユーザまたは前記携帯端末を認証する前記ステップの動作を停止し,かつ,前記認証センタは前記証明内容情報の送信を拒否する」に限定することを目的とするものである。
また,本件補正によっても,補正前の請求項に記載された発明とその補正後の請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であることは明らかである。

(14)小結

以上のとおり,上記補正事項2,4-9,11-15,19,21の目的は限定的減縮,上記補正事項3,10の目的は誤記の訂正であるものの,上記補正事項1,16-18,20の目的は請求項の削除,限定的減縮,誤記の訂正,不明瞭な記載の釈明の何れにも該当しないものである。

してみると,本件補正は,特許法第17条の2第5項第1号の請求項の削除,同条同項第2号の特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって,その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。),同条同項第3項の誤記の訂正,同条同項第4項の明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)を目的とするものに限られるものではない。

したがって,本件補正は,特許法第17条の2第5項の規定に違反する。


5.独立特許要件

以上のように,本件補正は,限定的減縮を目的とする上記補正事項2,4-9,11-15,19,21を含むものである。そこで,限定的減縮を目的として補正された本件補正後の請求項2に記載された発明(以下,「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)以下に検討する。

5-1.特許法第36条(記載要件)について

(1)上記3.で述べたとおり,本件補正後の請求項2の「前記利用機器に接近し前記携帯端末を認証する第1のプログラム手段の動作を停止し」は当初明細書等において,図1の盗難・紛失時の利用機器について,「機能せず」との記載があるだけであり,この図1の記載が本件補正後の請求項2の認証センタが備える「第1のプログラム手段の動作を停止し」を意味するものであると認めることはできず,他のすべての記載を総合しても,導き出し得るものではない。
そうすると,本件補正後の請求項2に係る発明は,本件補正後の発明の詳細な説明に記載されていないものである。なお,本件補正後の発明の詳細な説明の段落【0059】には,本件補正後の請求項2の記載が転記されているが,この記載だけでは本件補正後の請求項2に係る発明が実質的に記載されていると認めることができない。
また,このため,本件補正後の発明の詳細な説明は,請求項2に係る発明について,当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではない。

(2)本件補正後の請求項2の発明特定事項である「暗号化された鍵情報の証明内容情報」は,暗号化された鍵情報それ自体が証明内容情報であることを意味しているのか,それとも,暗号化された鍵情報が証明内容情報の一部を構成しているのか特定することができず,また,暗号化された鍵情報と他の発明特定事項との関係がどのようなものであるか不明確になっている。
この点に関し,本願明細書の発明の詳細な説明の段落【0062】には,「なお,証明内容情報は暗号化された「鍵情報」を用いるとよい。」との記載があるが,この記載からは「鍵情報」と「証明内容情報」との関係,「鍵情報」と他の発明特定事項との関係を具体的に把握することはできないことから,発明特定事項である「暗号化された鍵情報の証明内容情報」の意味は発明の詳細な説明を参酌しても明確に把握し得ないものである。
してみると,本件補正後の請求項2に係る発明は,明確でない。
また,このため,本件補正後の発明の詳細な説明は,請求項2に係る発明について,当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではない。

(3)小結

よって,本件補正後の発明の詳細な説明及び特許請求の範囲の記載は,特許法第36条第4項第1号,同条第6項第1号および第2号に規定する要件を満たしておらず,本件補正後の請求項2に係る発明は,特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。


5-2.特許法第29条第2項(進歩性)について

(1)本件補正発明

本件補正発明は,上記平成25年3月26日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項2に記載された以下のとおりのものと認める。

「無線通信によりデータを送受信する携帯端末または利用機器へ認証内容を送信するコンピュータサーバの認証センタであって,
ユーザが利用する利用機器に接近すると電磁誘導パルスにより前記携帯端末を認証する第1のプログラム手段と,
前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信した場合,暗号化された鍵情報の証明内容情報を前記携帯端末または前記利用機器へ送信する第2のプログラム手段と,
前記ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが前記携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信したとき,前記利用機器に接近し前記携帯端末を認証する第1のプログラム手段の動作を停止し,かつ,前記認証センタは前記証明内容情報の送信を拒否する第3のプログラム手段と,を備えることを特徴とするコンピュータサーバの認証センタ。」

(2)引用文献

(2-1)引用文献1に記載されている技術的事項及び引用発明1

本願出願前に頒布され,原審の拒絶査定の理由である上記平成24年10月4日付けの拒絶理由通知において引用された,特開2007-41921号公報(平成19年2月15日出願公開,以下,「引用文献1」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

A 「【0073】
次に,本実施例に係る携帯電話端末100における非接触IC110の利用制限方式について説明する。図2は,本実施例に係る携帯電話端末100における非接触IC110の利用制限方式を説明するための説明図である。同図に示すように,本実施例に係る利用制限方式は,携帯電話端末100と,リーダライタ200と,リーダライタ管理装置300との組み合わせによって実現される。
【0074】
携帯電話端末100は,非接触IC110を備えた携帯電話端末である。リーダライタ200は,電磁波による無線通信によって携帯電話端末100の非接触IC110に対して各種情報の読み書きをおこなう装置である。
【0075】
リーダライタ管理装置300は,ネットワーク等により接続されたリーダライタ200を管理するための装置であり,ロック対象データベース310を備える。ロック対象データベース310は,ロック状態にすべき非接触ICのチップ製造番号を格納したデータベースである。」

B 「【0076】
ここでは,携帯電話端末100を不正に取得した第3者が,非接触IC110を利用したサービスを不正に受けようとしているものとする。この第3者がサービスを受けるために携帯電話端末100をリーダライタ200にかざすと(ステップS101),リーダライタ200は,携帯電話端末100からチップ製造番号を取得し,このチップ製造番号をもつ非接触ICについての使用可否の判定をリーダライタ管理装置300に要求する(ステップS102)。
【0077】
要求を受信したリーダライタ管理装置300は,要求に含まれるチップ製造番号を取得し,ロック対象データベース310と照合する(ステップS103)。ここで,携帯電話端末100の正規の所有者が携帯電話端末100の利用制限を申請済みであり,携帯電話端末100に搭載された非接触IC110のチップ製造番号がロック対象データベース310に既に登録済みであったとする。」

C 「【0078】
リーダライタ管理装置300は,ロック対象データベース310に使用可否確認要求のあったチップ製造番号を発見すると,リーダライタ200に対して使用不可通知を応答する(ステップS104)。そして,リーダライタ200は,使用不可通知を受信すると,携帯電話端末100に対してロック要求を送信する(ステップS105)。
【0079】
携帯電話端末100の非接触IC110は,ロック要求を受信するとロック状態フラグに「1」を設定し,自身をロック状態にする。この後,非接触IC110は,ロック解除のための情報以外の入出力を受け付けない状態となる。
【0080】
なお,図2の例では,リーダライタ200とリーダライタ管理装置300が1台ずつ記載されているが,リーダライタ管理装置300が複数のリーダライタを管理する構成とすることもできする。また,同図では,リーダライタ200とリーダライタ管理装置300を独立した装置として構成しているが,これらを一体の装置として構成することもできる。」

ここで,上記引用文献1に記載されている事項を検討する。

(ア)上記Aの「図2は,本実施例に係る携帯電話端末100における非接触IC110の利用制限方式を説明するための説明図である。同図に示すように,本実施例に係る利用制限方式は,携帯電話端末100と,リーダライタ200と,リーダライタ管理装置300との組み合わせによって実現される。」,「リーダライタ管理装置300は,ネットワーク等により接続されたリーダライタ200を管理するための装置であり」との記載からすると,携帯電話端末はリーダライタを介してリーダライタ管理装置と接続され,利用制限に係るデータを送受信するのは明らかであり,また,上記Aの「携帯電話端末100は,非接触IC110を備えた携帯電話端末である。リーダライタ200は,電磁波による無線通信によって携帯電話端末100の非接触IC110に対して各種情報の読み書きをおこなう装置である。」との記載から,携帯電話端末は非接触ICを備えていると解されるから,引用文献1には,
「非接触ICを備えた携帯電話端末とリーダライタを介して利用制限に係るデータを送受信するリーダライタ管理装置」
が記載されていると解される。

(イ)上記Bの「ここでは,携帯電話端末100を不正に取得した第3者が,非接触IC110を利用したサービスを不正に受けようとしているものとする。この第3者がサービスを受けるために携帯電話端末100をリーダライタ200にかざすと(ステップS101),リーダライタ200は,携帯電話端末100からチップ製造番号を取得し,このチップ製造番号をもつ非接触ICについての使用可否の判定をリーダライタ管理装置300に要求する(ステップS102)。…(中略)…要求を受信したリーダライタ管理装置300は,要求に含まれるチップ製造番号を取得し」との記載からすると,サービスを受けるために携帯電話端末がリーダライタにかざされると,リーダライタは携帯電話端末から非接触ICのチップ製造番号を取得し,リーダライタ管理装置はリーダライタから非接触ICのチップ製造番号を取得することが読みとれるから,リーダライタ管理装置は,携帯電話端末の非接触ICのチップ製造番号を取得する手段(以下,「受信手段」とよぶ。)を実質的に備えているといえる。
また,上記Aの「携帯電話端末100は,非接触IC110を備えた携帯電話端末である。リーダライタ200は,電磁波による無線通信によって携帯電話端末100の非接触IC110に対して各種情報の読み書きをおこなう装置である。」との記載からすると,携帯電話端末がリーダライタにかざされると,リーダライタは,電磁波による無線通信によって携帯電話端末の非接触ICのチップ製造番号を取得することが読みとれるから,引用文献1には,
「サービスを受けるために携帯電話端末がリーダライタにかざされると,電磁波による無線通信により前記リーダライタが前記携帯電話端末のチップ製造番号を取得し,前記リーダライタから前記チップ製造番号を受信する受信手段」
が記載されていると解される。

(ウ)上記Bの「この第3者がサービスを受けるために携帯電話端末100をリーダライタ200にかざすと(ステップS101),リーダライタ200は,携帯電話端末100からチップ製造番号を取得し,このチップ製造番号をもつ非接触ICについての使用可否の判定をリーダライタ管理装置300に要求する(ステップS102)。…(中略)…要求を受信したリーダライタ管理装置300は,要求に含まれるチップ製造番号を取得し,ロック対象データベース310と照合する(ステップS103)。」との記載からすると,リーダライタ管理装置はリーダライタから携帯電話端末の非接触ICの使用可否の判定の要求を受信して,前記要求に含まれている非接触ICのチップ製造番号をロック対象データベースと照合する手段(以下,「照合手段」とよぶ。)を実質的に備えているといえるから,引用文献1には,
「リーダライタから携帯電話端末の非接触ICの使用可否の判定の要求を受信し,前記要求に含まれている非接触ICのチップ製造番号をロック対象データベースと照合する照合手段」
が記載されていると解される。

(エ)上記Bの「ここで,携帯電話端末100の正規の所有者が携帯電話端末100の利用制限を申請済みであり,携帯電話端末100に搭載された非接触IC110のチップ製造番号がロック対象データベース310に既に登録済みであったとする。」との記載からすると,携帯電話端末の正規の所有者が利用制限を申請すると,携帯電話端末の非接触ICのチップ製造番号がロック対象データベースに登録されることが読みとれる。
また,上記Bの「要求を受信したリーダライタ管理装置300は,要求に含まれるチップ製造番号を取得し,ロック対象データベース310と照合する(ステップS103)。」との記載,上記Cの「リーダライタ管理装置300は,ロック対象データベース310に使用可否確認要求のあったチップ製造番号を発見すると,リーダライタ200に対して使用不可通知を応答する(ステップS104)。そして,リーダライタ200は,使用不可通知を受信すると,携帯電話端末100に対してロック要求を送信する(ステップS105)。」との記載からすると,リーダライタ管理装置は,照合手段がリーダライタから取得した使用可否の判定要求に含まれる製造番号をロック対象データベースで発見すると,リーダライタに対して使用不可通知を応答する手段(以下,「照合手段」とよぶ。)を実質的に備えているといえるから,引用文献1には,
「携帯電話端末の正規の所有者が利用制限を申請すると,前記携帯電話端末の非接触ICのチップ製造番号がロック対象データベースに登録され,照合手段がリーダライタから取得した前記携帯電話端末の前記チップ製造番号を前記ロック対象データベースで発見すると,前記リーダライタに対して使用不可通知を応答する応答手段」
が記載されていると解される。

以上,(ア)乃至(エ)で指摘した事項から,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認める。

「非接触ICを備えた携帯電話端末とリーダライタを介して利用制限に係るデータを送受信するリーダライタ管理装置であって,
サービスを受けるために前記携帯電話端末が前記リーダライタにかざされると,電磁波による無線通信により前記リーダライタが前記携帯電話端末のチップ製造番号を取得し,前記リーダライタから前記チップ製造番号を受信する受信手段と,
前記リーダライタから前記携帯電話端末の前記非接触ICの使用可否の判定の要求を受信し,前記要求に含まれている前記非接触ICの前記チップ製造番号をロック対象データベースと照合する照合手段と,
携帯電話端末の正規の所有者が利用制限を申請すると,前記携帯電話端末の非接触ICのチップ製造番号が前記ロック対象データベースに登録され,前記照合手段が前記リーダライタから取得した前記携帯電話端末の前記チップ製造番号を前記ロック対象データベースで発見すると,前記リーダライタに対して使用不可通知を応答する応答手段と,
を備えるリーダライタ管理装置。」

(2-2)引用文献2に記載されている技術的事項

本願出願前に頒布され,原審の拒絶査定の理由である上記平成24年10月4日付けの拒絶理由通知において引用された,特開2007-183991号公報(平成19年7月19日出願公開,以下,「引用文献2」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

D 「【0047】
(参考情報2 非接触ICカード:サービス端末の表示システム例)
次に,参考情報2として,サービス端末にて非接触ICカード内の情報を表示する際の表示システム例について図3を用いて説明する。なお,本表示システムの説明においては,交通ゲートでサービス情報を表示する例を用いる。
【0048】
図中,(1)は非接触ICカード,(2)はサービス端末で,この例では鉄道乗車券の改札機,(2-1)は非接触ICカード(1)に電磁波を送るためのアンテナ,(2-2)は人の出入りを制御するための扉,(2-3)は扉(2-2)とアンテナ(2-1)を制御するための制御回路,(2-4)はサービス端末(2)のアンテナ部分に埋め込んである表示部である。
【0049】
図4は,本表示システム例に用いる非接触ICカード及びサービス端末(改札機)との基本的な処理の流れを示す。
(I)カードの活性化:非接触ICカード(1)がサービス端末(2)からの電磁波に近づき,動作可能な電力を得られると,その結果活性化される(ST1)。
【0050】
(II)アンチコリージョン処理:サービス端末(2)が接続要求を送信する。非接触ICカード(1)がレスポンスを端末へ送信する。これによりサービス端末(2)は通信可能な非接触ICカード(1)の存在を検知する(ST2)。
(III)相互認証:非接触ICカード(1)とサービス端末(2)間相互で認証交信が実施され,同定認証が成立する(ST3)。」

(2-3)引用文献3に記載されている技術的事項

本願出願前に頒布され,原審の拒絶査定の理由である上記平成24年10月4日付けの拒絶理由通知において引用された,特開2001-325435号公報(平成13年11月22日出願公開,以下,「引用文献3」という。)には,関連する図面とともに,以下の技術的事項が記載されている。
(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。)

D 「【0002】
【従来の技術】本人を識別するためのIDを有するカードとして例えばクレジットカードがある。クレジットカードを使用する際には,使用先の端末装置でカードを読み取り,そのデータを管理センターへ送る。管理センターでは,受け取ったデータから,カードの有効性,盗難あるいは紛失の届けの有無等を判定し,問題がなければ端末装置に対して使用許可の返事を送る。端末装置では,使用許可の返事を受け取った後,次の操作に進む。」


(3)対比

本件補正発明と引用発明とを対比する。

(3-1)引用発明の「リーダライタ管理装置」は「リーダライタ」を介して「リーダライタ」を利用する「携帯電話端末」と接続されることから,引用発明の「携帯電話端末」,「リーダライタ」はそれぞれ,本件補正発明の「無線通信によりデータを送受信する携帯端末」,「利用機器」に相当し,引用発明における「携帯電話端末」の「利用制限に係るデータ」は,“利用認証に係るデータ”とみることができることから,引用発明の「利用制限に係るデータ」は,本件補正発明の「認証内容」と“利用認証に係るデータ”という点で共通するといえる。
そうすると,引用発明の「非接触ICを備えた携帯電話端末とリーダライタを介して利用制限に係るデータを送受信するリーダライタ管理装置」と本件補正発明の「無線通信によりデータを送受信する携帯端末または利用機器へ認証内容を送信するコンピュータサーバの認証センタ」とは,後記する点で相違するものの,“無線通信によりデータを送受信する携帯端末または利用機器へ利用認証に係るデータを送信する管理装置”である点で一致しているといえる。

(3-2)引用発明の「携帯電話端末」は,ユーザにより「リーダライタ」にかざされることは明らかであり,リーダライタが「携帯電話端末」の非接触ICから取得した「チップ製造番号」は,非接触ICの使用可否の判定のために「リーダライタ管理装置」が受信することから,引用発明は「携帯電話端末」の非接触ICの「チップ製造番号」を確認しているとみることができる。
また,引用発明の「リーダライタ管理装置」における非接触ICの「チップ製造番号」の受信処理は,プログラムにより実行されることは明らかである。
そうすると,引用発明の「サービスを受けるために携帯電話端末がリーダライタにかざされると,電磁波による無線通信により前記リーダライタが前記携帯電話端末のチップ製造番号を取得し,前記リーダライタから前記チップ製造番号を受信する受信手段」と,本件補正発明の「ユーザが利用する前記利用機器に接近すると電磁誘導パルスにより前記携帯端末を認証する第1のプログラム手段」とは,後記する点で相違するものの,“ユーザが利用する利用機器に接近すると電磁波により携帯端末のデータを確認する処理を実行する第1のプログラム手段”である点で共通しているといえる。

(3-3)本件補正発明は,認証センタが携帯端末または利用機器から「証明依頼情報」を受信するところ,「証明依頼情報」は利用機器の使用が可能であることを判定し,証明することを依頼するものであるといえるから,引用発明と本件補正発明とは“携帯端末または利用機器から送信される使用可否に関わる判定処理の要求を受信する”点で共通しているといえる。
また,引用発明の「リーダライタ管理装置」における非接触ICの使用可否の判定処理は,プログラムを用いて実行されることは明らかである。
そうすると,引用発明の「リーダライタから携帯電話端末の非接触ICの使用可否の判定の要求を受信し,前記要求に含まれている非接触ICのチップ製造番号をロック対象データベースと照合する照合手段」と,本件補正発明の「前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信した場合,暗号化された鍵情報の証明内容情報を前記携帯端末または前記利用機器へ送信する第2のプログラム手段」とは,後記する点で相違するものの,“携帯端末または利用機器から送信される使用可否に関わる判定処理の要求を受信した場合,使用可否の判定処理を実行する第2のプログラム手段”である点で共通しているといえる。

(3-4)本件補正発明は,ユーザから通信回線または電話にて認証センタが携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信するところ,盗難または紛失の届け情報は携帯端末の利用制限を申請する情報であるといえる。
また,引用発明は,照合手段がリーダライタから取得した携帯電話端末のチップ製造番号をロック対象データベースで発見すると,利用制限リーダライタに対して使用不可通知を応答するところ,本件補正発明は,携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信した場合,利用機器に接近しユーザを認証する第1のプログラム手段の動作を停止し,かつ,認証センタは証明内容情報の送信を拒否しており,両者は実施の態様が異なるものの,携帯端末により利用機器の使用ができないようにするための利用制限処理を実行する点で共通しているといえる。
また,引用発明の「リーダライタ管理装置」における携帯電話端末の非接触ICの利用制限処理は,プログラムを用いて実行されることは明らかである。
そうすると,引用発明の「携帯電話端末の正規の所有者が利用制限を申請すると,前記携帯電話端末の非接触ICのチップ製造番号がロック対象データベースに登録され,照合手段がリーダライタから取得した前記携帯電話端末の前記チップ製造番号を前記ロック対象データベースで発見すると,前記リーダライタに対して使用不可通知を応答する応答手段」と,本件補正発明の「前記ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが前記携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信したとき,前記利用機器に接近し前記携帯端末を認証する第1のプログラム手段の動作を停止し,かつ,前記認証センタは前記証明内容情報の送信を拒否する第3のプログラム手段」とは,後記する点で相違するものの,“ユーザから携帯端末の利用制限の情報を受信したとき,携帯端末により利用機器の使用ができないようにする利用制限処理を実行する第3のプログラム手段”である点で共通しているといえる。

以上から,本件補正発明と引用発明とは,以下の点で一致し,また,以下の点で相違する。

(一致点)

「無線通信によりデータを送受信する携帯端末または利用機器へ利用認証に係るデータを送信する管理装置であって,
ユーザが利用する前記利用機器に接近すると電磁波により前記携帯端末のデータを確認する処理を実行する第1のプログラム手段と,
前記携帯端末または前記利用機器から送信される使用可否に関わる判定処理の要求を受信した場合,使用可否の判定処理を実行する第2のプログラム手段と,
前記ユーザから前記携帯端末の利用制限の情報を受信したとき,前記携帯端末により前記利用機器の使用ができないようにする利用制限処理を実行する第3のプログラム手段と,
を備える管理装置。」

(相違点1)

携帯端末からのデータの確認処理に関し,本件補正発明は,ユーザが利用する利用機器に接近すると「電磁誘導パルス」により「携帯端末を認証」するのに対して,引用発明は,携帯電話端末がリーダライタにかざされると,「電磁波」による無線通信により「携帯電話端末のチップ製造番号を受信」する点。

(相違点2)

利用機器の使用可否の判定要求に対する処理に関し,本件補正発明は,携帯端末または利用機器から「所定間隔で」送信される「証明依頼情報」を受信した場合,「暗号化された鍵情報の証明内容情報を前記携帯端末または前記利用機器へ送信する」のに対して,引用発明は,リーダライタから携帯電話端末の非接触ICの使用可否の判定の要求を受信し,前記非接触ICのチップ製造番号をロック対象データベースと照合するものの,証明内容情報の送信については言及がない点。

(相違点3)

利用機器の利用制限処理に関して,本件補正発明は,「利用機器に接近し携帯端末を認証する第1のプログラム手段の動作を停止」し,かつ,「証明内容情報の送信を拒否する」のに対して,引用発明は,リーダライタに対して使用不可通知を応答する点。

(相違点4)

携帯端末または利用機器へ利用認証に係るデータを送信する装置が,本件補正発明は,「コンピュータサーバの認証センタ」であるのに対して,引用発明は,「リーダライタ管理装置」である点。


(4)当審の判断

上記相違点1乃至4について検討する。

(4-1)相違点1について

引用発明は,携帯電話端末の非接触ICの使用可否の判定のために,リーダライタが携帯電話端末の非接触ICから取得したチップ製造番号を受信するところ,ユーザが携帯する非接触ICカードにサービス端末から電磁波を送り,非接触ICカードからの応答により,非接触ICカードの認証を行う旨の技術は,例えば,引用文献2に記載されるように当該技術分野の周知技術であった。
また,非接触ICカードがアンテナを介して,リーダ装置とパルス波形のデータを電波により送受信する旨の技術も本願出願前には当該技術分野において周知技術であった。(必要とあれば,特開2003-288554号公報を参照のこと。)
そして,引用発明において,上記周知技術を適用し,適宜,電磁波により携帯電話端末が備える非接触ICのチップ製造番号を受信して,携帯電話端末の認証を行うとともに,電磁誘導パルスにより非接触ICを備える携帯電話端末の認証を無線で行うこと,すなわち,相違点1に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

よって,相違点1は格別なものではない。

(4-2)相違点2について

引用発明は,リーダライタから携帯電話端末の非接触ICの使用可否の判定の要求を受信し,前記非接触ICのチップ製造番号をロック対象データベースと照合した結果,使用可と判定された場合の処理については言及がないところ,使用先の端末が認証媒体から読み取ったデータについて,管理センタで当該認証媒体の有効性や盗難,紛失の有無等を判定し,問題がない場合に使用許可情報を当該端末に返信する旨の技術は,例えば,引用文献3に記載されるように,本願出願前に当該技術分野において普通に実施されていた周知技術であった。
また,リーダライタから送信される携帯電話端末の非接触ICの使用可否の判定の要求を所定間隔で送信されるようにすることや,上記のような認証媒体の使用許可情報を暗号化された鍵情報で生成することも,当業者にとって適宜選択し得た設計的事項である。
そうすると,引用発明において,上記周知技術を適用し,リーダライタからの携帯電話端末の非接触ICの使用可否の判定の要求を所定間隔で送信される証明依頼情報とし,適宜,非接触ICが使用可の場合に暗号化された鍵情報の証明内容情報をリーダライタへ送信すること,すなわち,相違点2に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

よって,相違点2は格別なものではない。

(4-3)相違点3について

引用発明は,携帯電話端末の正規の所有者が利用制限を申請すると,リーダライタからの携帯電話端末の非接触ICの使用可否の判定の要求に対して,リーダライタ管理装置が使用不可通知を応答するところ,使用先の端末が認証媒体から読み取ったデータについて,問題がない場合に使用許可情報を当該端末に返信する,すなわち,認証媒体の有効性や盗難,紛失等の問題がある場合には使用許可情報を送信しないようにする旨の技術は,例えば,引用文献3に記載されるように,本願出願前に当該技術分野において普通に実施されていた周知技術であった。
そして,認証媒体を備えた携帯電話端末のリーダライタでの利用を制限するために,リーダライタ管理装置が使用不可通知を応答するか,使用を可能とする処理を中止するかは,当業者にとって適宜選択し得た設計的事項である。
そうすると,引用発明において,上記周知技術を適用し,携帯電話端末の利用を制限するために,リーダライタに対して使用不可通知を応答することに代えて,適宜,リーダライタからの携帯電話端末のチップ製造番号の受信を停止し,かつ,使用許可情報の送信を拒否すること,すなわち,相違点3に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

よって,相違点3は格別なものではない。

(4-4)相違点4について

ユーザ端末に対し,利用認証に係るデータを認証センタのコンピュータサーバから送信することは,当該技術分野における周知技術であった。
そして,引用発明の「リーダライタ管理装置」をサーバにより構成し,認証センタに配置するかどうかは,当業者にとって適宜選択し得た設計的事項である。
そうすると,引用発明において,上記周知技術を適用し,適宜,リーダライタ管理装置を認証センタのコンピュータサーバにより実現すること,すなわち,相違点4に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

よって,相違点4は格別なものではない。

(4-5)小結

上記で検討したごとく,相違点1乃至4は格別のものではなく,そして,本件補正発明の奏する作用効果は,上記引用発明及び当該技術分野の周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。
したがって,本件補正発明は,上記引用発明及び当該技術分野の周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができない。


5-3.中結

上記5-1.のとおり,本件補正後の発明の詳細な説明及び特許請求の範囲の記載は,特許法第36条第4項第1号,同条第6項第1号および第2号に規定する要件を満たしておらず,本件補正後の請求項2に係る発明は,この理由によって特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

上記5-2.のとおり,本件補正発明は,その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

したがって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反する。


6.結び

上記3.のとおり,本件補正は,特許法第17条の2第3項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

上記4.のとおり,本件補正は,特許法第17条の2第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

上記5.のとおり,本件補正は,仮に特許法第17条の2第5項第2号に掲げる事項を目的としたものであるとしても,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって,上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。


第3 本件審判請求の成否について

1.本願発明の認定

平成25年3月26日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので,本件補正後の請求項2に対応する本件補正前の請求項に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,平成24年12月10日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項2に記載された事項により特定される,以下のとおりのものである。

「無線通信によりデータを送受信する携帯端末または利用機器へ認証内容を送信するコンピュータサーバの認証センタであって,ユーザが利用する利用機器に接近すると電磁誘導パルスにより前記携帯端末を認証する手段と,前記携帯端末または前記利用機器から所定間隔で送信される証明依頼情報を前記認証センタが受信し,前記認証センタが証明依頼情報を受信した場合に証明内容情報を前記携帯端末または前記利用機器へ送信する手段と,前記ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが盗難または紛失の届け情報を受信したときに,前記認証センタから前記携帯端末または前記利用機器へ証明内容情報の送信を拒否する手段と,を備えることを特徴とするコンピュータサーバの認証センタ。」

2.引用文献に記載されている技術的事項及び引用発明の認定

原査定の拒絶の理由に引用された,引用発明は,前記「第2 平成25年3月26日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「5.独立特許要件」の「5-2.特許法第29条第2項(進歩性)について」の「(2)引用文献」に記載したとおりである。

3.対比・判断

本願発明は,前記「第2 平成25年3月26日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「5.独立特許要件」の「5-2.特許法第29条第2項(進歩性)について」で検討した本件補正発明の発明特定事項である
「ユーザが利用する利用機器に接近すると電磁誘導パルスにより前記携帯端末を認証する第1のプログラム手段」から「第1のプログラム」を削除し,
「暗号化された鍵情報の証明内容情報を前記携帯端末または前記利用機器へ送信する第2のプログラム手段」から「暗号化された鍵情報の」,「第2のプログラム」を削除し,
「前記ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが前記携帯端末の盗難または紛失の届け情報を受信したとき,前記利用機器に接近し前記携帯端末を認証する第1のプログラム手段の動作を停止し,かつ,前記認証センタは前記証明内容情報の送信を拒否する第3のプログラム手段」を「前記ユーザから通信回線または電話にて前記認証センタが盗難または紛失の届け情報を受信したときに,前記認証センタから前記携帯端末または前記利用機器へ証明内容情報の送信を拒否する手段」としたものである。
そうすると,本願発明の発明特定事項を全て含む本件補正発明が,前記「第2 平成25年3月26日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「5.独立特許要件」の「5-2.特許法第29条第2項(進歩性)について」の「(2)引用文献」乃至「(4)当審の判断」に記載したとおり,引用発明及び当該技術分野の周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,上記特定の限定を省いた本願発明も同様の理由により,引用発明及び当該技術分野の周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび

以上のとおり,本願の請求項2に係る発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから,その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-10-02 
結審通知日 2014-10-07 
審決日 2014-10-21 
出願番号 特願2008-10196(P2008-10196)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 561- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮司 卓佳  
特許庁審判長 山崎 達也
特許庁審判官 小林 大介
辻本 泰隆
発明の名称 コンピュータサーバの認証センタおよび携帯端末並びに認証内容をコンピュータサーバの認証センタから送信する方法  
代理人 坂本 智弘  

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