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審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 C12N
管理番号 1295496
審判番号 不服2013-7699  
総通号数 182 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-25 
確定日 2014-12-09 
事件の表示 特願2009-230370「サイトカイン受容体ファミリーのメンバーであるMU-1」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 3月18日出願公開、特開2010- 57489〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年3月17日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1998年3月17日 米国)に出願された特願平11-547283号の一部を、特許法第44条第1項の規定により平成21年10月2日に分割出願したものであって、平成24年8月16日付で特許請求の範囲について手続補正がなされたが、同年12月19日付で拒絶査定がなされ、これに対して平成25年4月25日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付で特許請求の範囲について手続補正がなされたものである。

2.平成25年4月25日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成25年4月25日付の手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正後の本願発明
上記補正により、補正前の請求項2、27、及び31?47が削除され、請求項1は、補正前の
「【請求項1】
(a)配列番号:1のヌクレオチド配列;
(b)配列番号:1のヌクレオチド236からヌクレオチド1852までのヌクレオチド配列;
(c)配列番号:1のヌクレオチド299からヌクレオチド1852までのヌクレオチド配列;
(d)配列番号:1のヌクレオチド299からヌクレオチド943までまたは236からヌクレオチド943までのヌクレオチド配列;
(e)遺伝学的コードの縮重の結果として(a)?(d)のいずれかに示すヌクレオチドとは配列が異なっているヌクレオチド配列;
(f)厳密な条件下で(a)?(d)のいずれかに示すヌクレオチド配列に対してハイブリダイゼーションしうるヌクレオチド配列;
(g)配列番号:2の配列の種相同体をコードするヌクレオチド配列;および
(h)(a)?(d)のいずれかに示すヌクレオチド配列の対立遺伝子変種
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド。」から、
「【請求項1】
(a)配列番号:1のヌクレオチド配列;
(b)配列番号:1のヌクレオチド236からヌクレオチド1852までのヌクレオチド配列;
(c)配列番号:1のヌクレオチド299からヌクレオチド1852までのヌクレオチド配列;
(d)配列番号:1のヌクレオチド299からヌクレオチド943までまたは236からヌクレオチド943までのヌクレオチド配列;および
(e)遺伝学的コードの縮重の結果として(a)?(d)のいずれかに示すヌクレオチドとは配列が異なっているヌクレオチド配列
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド。」へと補正された。

上記請求項1の補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「(a)?(h)からなる群より選択されるヌクレオチド配列」を「(a)?(e)からなる群より選択されるヌクレオチド配列」へと択一的に記載された要素を削除するものであり、その補正前の請求項1に記載された発明とその補正後の当該請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、請求項1についての上記補正は平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下、「本願補正発明1」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

(2)第36条第4項
(2-1)実施可能要件
本願補正発明1は、ポリヌクレオチドという化学物質に係る発明であり、化学物質に係る発明を当業者が実施することができるよう発明の詳細な説明に記載されているとされるためには、当業者であればその物質を作ることができ、かつ、使用することができるよう、発明の詳細な説明が記載されていなければならない。
すなわち、化学物質としてのポリヌクレオチドがコードするポリペプチドにどのような機能があるのかが、発明の詳細な説明に記載され、あるいは発明の詳細な説明の記載から推認できなければ、その化学物質をどのように使用できるかについて記載されていないことになり、当業者が化学物質に係る発明の実施をすることができる程度に、明確かつ十分に発明の詳細な説明が記載されていないことになる。

(2-2)本願明細書の記載
本願明細書の段落【0002】には、
「発明の背景
ヘマトポイエチンとして知られる種々の調節分子が同定されており、それらは造血細胞または血液細胞の種々の集団の発達および増殖に関与している。大部分のヘマトポイエチンは、標的細胞表面の受容体との相互作用により、特定の生物学的活性を示す。通常には、サイトカイン受容体は1、2または3本の鎖からなっている。多くのサイトカイン受容体およびIL-12 p40のごときいくつかのサイトカインは蛋白のなかでもヘマトポイエチン受容体スーパーファミリーのメンバーである。ヘマトポイエチン受容体スーパーファミリーの新たなメンバーの同定は、造血の調製、免疫応答の調節ならびにサイトカインおよび受容体を包含するヘマトポイエチンスーパーファミリーの他のメンバーの同定において有用でありうる。(下線は当審により付与した。以下同じ。)
これまで不明であったヘマトポイエチン受容体スーパーファミリーのメンバーのDNAおよび蛋白配列を同定し決定することが望ましいであろう。」と記載されている。
また、段落【0005】には、
「好ましい具体例の詳細な説明
本発明者らは、MU-1ヘマトポイエチン受容体スーパーファミリー鎖(以下、「MU-1」または「MU-1蛋白」という)をコードするポリヌクレオチド(ネズミおよびヒトのMU-1をコードするポリヌクレオチドを包含するが、これらに限らない)を初めて同定し、これを提供した。
ヒトIL-5受容体(LMTNAFISIIDDLSKYDVQVRAAVSSMCREAGLWSEWSQPIYVGNDEHKPLREWFVIVIMATICFILLIL、配列番号:1)の70個のアミノ酸からなる領域を用い、TBLASTNアルゴリズムを用いてGenBank ESTデータベースを検索した。ヒト染色体16p12由来のゲノムBACクローンAC002303中の配列がこの領域に対して相同性があると同定され、これが新規ヘマトポイエチン受容体をコードしている可能性が示唆された。ヌクレオチド40886の1000bp以内の読み枠を調べたところ、GenPeptのBLASTP検索を用いてサイトカイン受容体ファミリーのメンバーが特別に同定された。この読み枠の末端に存在する停止コドンは、エキソン/イントロン境界にまたがるトランジションを示すものと解釈された。
ついで、染色体16p12由来のこのBACクローン中に含まれる遺伝子からRNAが転写されるかどうかを調べた。サイトカイン受容体ファミリー内で保存されたペプチド配列を含む最大のORFセグメントに基づいてPCRプライマーを合成した。プライマー
GAGTCCGAGGAGAAAGCTGATCTCA(5p)(配列番号:4)
および
GAAAGATGACCGGGTCACTCCATT(3p)(配列番号:5)
をPCRに使用して、種々のヒト組織由来のファージライブラリー(Clontech)をスクリーニングした。32P標識されたオリゴヌクレオチド
ACTCGAGCTATGAGCTGCAGGTGCGGGCA(配列番号:6)
に特異的にハイブリダイゼーションする、期待された164bpのサイズのPCR生成物が肺、腎臓、胎盤および心臓由来のファージにおいて観察された。オリゴヌクレオチド
ACTCGAGCTATGAGCTGCAGGTGCGGGCA(配列番号:7)
を用いて、全長cDNAクローンNN14-1b(MU-1)を同定、精製し、配列決定した。DNA配列および推定アミノ酸配列をそれぞれ配列番号:1および配列番号:2に示す。その読み枠はヘマトポイエチン受容体ファミリーの新規メンバーをコードする。その配列は、当該ファミリーに特徴的なリーダー配列、保存されたシステインペアー、PP、およびWSXWS(配列番号:8)モチーフならびに膜貫通ドメインおよび伸長した細胞質ドメインを有する。ついで、GenPeptを用いてこの配列をFASTA並置比較したところ、ヒトIL-2Rbに関して最大の相同性が示された。当該受容体鎖の推定アミノ酸配列はアミノ酸1?21の推定シグナル配列を含む。成熟MU-1は配列番号:2のアミノ酸24?538の配列を有すると考えられる。膜貫通ドメインはアミノ酸237?254において見られる。
MU-1 cDNAは1998年3月10日にAmerican type Culture Collectionに寄託され、受託番号ATCC を付与された。」と記載されている。
さらに、段落【0013】?【0015】には、
「サイトカインおよび細胞増殖/分化活性
本発明蛋白はサイトカイン活性、細胞増殖活性(誘導もしくは阻害)または細胞分化活性(誘導もしくは阻害)を示しうるか、またはある種の細胞集団において他のサイトカインの産生を誘導しうる。今日まで見いだされてきた多くの蛋白性因子(すべての既知サイトカインを包含)は、1またはそれ以上の因子依存的細胞増殖アッセイにおいて活性を示しており、よって、アッセイはサイトカイン活性の便利な確認法として役立つ。本発明蛋白の活性は、細胞系(32D、DA2、DA1G、T10、B9、B9/11、BaF3、MC9/G、M+(preB M+)、2E8、RB5、DA1、123、T1165、HT2、CTLL2、TF-1、Mo7eおよびCMKを包含するが、これらに限らない)のための多くの常套的な因子依存的細胞増殖アッセイのいずれかにより確認される。
本発明蛋白の活性を、とりわけ、下記方法により測定してもよい:
・・・(途中省略)・・・
抗原に対するT細胞クローンの応答についてのアッセイ(特に、増殖およびサイトカイン産生を測定することによりAPC-T細胞相互作用ならびに直接的なT細胞の効果を同定する)は、Current Protocols in Immunology, Ed by J. E. Coligan, A.M. Kruisbeek, D.H. Margulies, E.M. Shevach, W Strober, Pub. Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience (Chapter 3, In Vitro assays for Mouse Lymphocyte Function; Chapter 6, Cytokines and their cellular receptors; Chapter 7, Immunologic studies in Humans); Weinberger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77: 6091-6095, 1980; Weinberger et al., Eur. J. Immun. 11: 405-411, 1981; Takai et al., J. Immunol. 137: 3494-3500, 1986; Takai et al., J. Immunol. 140: 508-512, 1988に記載されたものを包含するが、これらに限らない。」との一般的な記載があり、段落【0016】?【0021】には、「免疫刺激または抑制活性」について、段落【0022】?【0023】には、「造血調節活性」について、本願補正発明1の単離ポリヌクレオチドがコードするポリペプチド(以下、「MU-1」という。)の活性を確認するための試験方法が記載され、段落【0024】?【0025】には「研究用途および有用性」、段落【0026】には「栄養としての用途」が記載されている。
しかしながら、本願明細書には、可能性のある活性・機能が列挙されているだけであり、MU-1の何らかの具体的な活性を確認した記載はない。

(2-3)当審の判断
上記のとおり、本願明細書には、MU-1の活性・機能について具体的に記載されておらず、MU-1がヘマトポイエチン受容体ファミリーの新規メンバーと推定できることが示されているだけである。
ここで、原査定の拒絶の理由で引用したCytokine, 1993, Vol.5, No.2, p.95-106には、ヘマトポイエチン受容体ファミリーは、保存されたシステインペアー及びWSXWSモチーフを共通して有し、IL-2R?IL-7R、IL-9R、GM-CSFR、GHR、EPOR、LIFR等の様々なヘマトポイエチンに対する受容体が包含されることが記載されているが(第95頁右欄25?33行、Fig.1、第96頁右欄第5?8行)、IL-2はT細胞の増殖分化促進活性、EPOは赤血球系細胞増殖刺激活性、またGHは成長促進活性及び蛋白質同化促進活性をそれぞれ有するように(IL-2:「現代化学増刊18 サイトカイン-免疫応答および細胞の増殖・分化因子-」、1990年、株式会社東京化学同人、第13頁左欄第1?9行、EPO:同第101頁左欄第1?4行、GH:「生化学辞典(第1版第8刷)」、1984年、株式会社東京化学同人、第687頁「成長ホルモン」の項参照)、リガンドであるヘマトポイエチンはきわめて多様な生理活性を有しており、各々のヘマトポイエチンを認識しそのシグナルを細胞内に伝達するヘマトポイエチン受容体は、部分構造上の共通性を有する一方、きわめて多様な機能を有することが本願出願時の技術常識である。
また、ヘマトポイエチン受容体であれば共通した活性・機能を有するという本願出願時の技術常識も存在しないから、MU-1がその部分構造の特徴からヘマトポイエチン受容体ファミリーに属すると推定されたことで、その機能が自ずと推認されるとはいえない。
また、同じく原査定の拒絶の理由で引用した、本願出願後に頒布された刊行物であるPNAS, 2000, Vol.97, No.21, p.11439-11444には、MU-1とアミノ酸配列が一致するNILRのアミノ酸110?350の領域がIL-2Rbと27%の配列同一性を有していることが記載されているが(第11441頁右欄第27?29行)、本願出願時の技術常識を参酌しても、27%程度のアミノ酸配列同一性からでは、MU-1とIL-2Rbが同じ機能を有するとは推認できない。
さらに、「研究用途および有用性」又は「栄養としての用途」は、ポリペプチドが化学物質であることから自ずと有する機能であるから、技術的に意味のある機能とは認められない。
したがって、本願明細書には、MU-1にどのような活性・機能があるかが記載されておらず、かつ技術常識を参酌してもそれを推認できないから、本願の発明の詳細な説明は、本願補正発明1のMU-1をコードするポリヌクレオチドを使用できるように記載されておらず、本願補正発明1を当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていない。

(2-4)審判請求人の主張
審判請求人は平成25年6月11日付の審判請求書の手続補正書において、
「保存されたシステインペアー、WSXWSモチーフ、膜貫通ドメイン、伸長した細胞質ドメインは、サイトカイン受容体ファミリーメンバーであるヒトIL-2Rbが有する構造的特徴であることが本願出願時にすでに知られていた(例えば、Ann. Rev. Immunol. (1996) 14: 179-205(参考文献5として提出)の182頁図1、本文2-5行目)。
上記段落中のヒトIL-2Rbとの最大の相同性の旨の記載もふまえると、上記段落の記載は、本願発明のポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質とヒトIL-2Rbとの構造の共通性を述べている。
タンパク質はポリペプチド高分子であり、その高分子の鎖全体として構成される高次の立体構造により生体内で機能を発揮する。構造に共通性があればその機能にも共通性があると想定される。
細胞増殖や免疫刺激など、ヒトIL-2Rbの機能は、本願出願時に当業者に知られていた。例えば、Ann. Rev. Immunol. (1996) 14: 179-205(参考文献5)においては、「IL-2RbとIL-2Rgの細胞膜ドメインにおいてのヘテロ二量体化は、T細胞増殖のための細胞内シグナルを生じさせ、一方、IL-2Rbのホモ二量体化が、B細胞増殖のためのシグナル伝達に十分である」と述べている(参考文献5の191ページ22-25行)。
したがって、当業者は本願明細書に基づき、請求項1に記載のポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質は、本願出願時にすでに機能が知られているヒトIL-2Rbと類似の機能を示すと想定できる。すなわち本願発明は、当業者が明細書の記載に基づき、有用なものであるとして産業上利用可能であるように使用できるものである。」(主張1)
「本願発明のMU-1タンパク質が有用であることは、平成24年8月16日(提出日)付意見書にて述べた、MU-1(IL-21R)-Fcの関節リウマチモデルマウスおよびループスモデルマウスに対する活性(参考文献1-3)および、抗IL-21R抗体のループスモデルマウスに対する活性(参考文献4)において実験によっても確認されている。」(主張2)
と主張している。
上記主張1について検討する。保存されたシステインペアー、WSXWSモチーフ、膜貫通ドメイン等の部分構造は、IL-2Rbを含むヘマトポイエチン受容体スーパーファミリーに共通する構造的特徴であり、かつ、ヘマトポイエチン受容体スーパーファミリーはきわめて多様な機能を有するメンバーを包含していることが本願出願時の技術常識であるから、共通する構造的特徴からMU-1の具体的な機能が推認できるとはいえず、また、MU-1はIL-2Rbとのアミノ酸配列同一性が27%であっても、本願出願時の技術常識を参酌すると27%程度のアミノ酸配列同一性から両者が同じ機能を有すると推認されないことは上記(2-3)で述べたとおりであり、審判請求人の主張1は採用することができない。
次に主張2について検討する。審判請求人が平成24年8月16日付の意見書に添付した、本願出願後に頒布された参考資料1?4には、MU-1(IL-21R)-Fcの関節リウマチモデルマウスやループスモデルマウスに対する活性が記載されている。
しかしながら、本願明細書には、MU-1がIL-21Rであるとの記載はないし、インターロイキン受容体がそれぞれ異なる活性・機能を有することは、本願出願時の技術常識である。
したがって、参考文献1?4のような本願出願後に頒布された刊行物の記載を参酌することは、本願明細書の記載の不備を出願後に補うものであるから、上記主張2も採用できない。

(3)むすび
以上のとおり、本件補正は平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成25年4月25日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本出願に係る発明は、平成24年8月16日付手続補正書により補正された請求項1?47により記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち請求項1には以下のとおり記載されている。
「【請求項1】
(a)配列番号:1のヌクレオチド配列;
(b)配列番号:1のヌクレオチド236からヌクレオチド1852までのヌクレオチド配列;
(c)配列番号:1のヌクレオチド299からヌクレオチド1852までのヌクレオチド配列;
(d)配列番号:1のヌクレオチド299からヌクレオチド943までまたは236からヌクレオチド943までのヌクレオチド配列;
(e)遺伝学的コードの縮重の結果として(a)?(d)のいずれかに示すヌクレオチドとは配列が異なっているヌクレオチド配列;
(f)厳密な条件下で(a)?(d)のいずれかに示すヌクレオチド配列に対してハイブリダイゼーションしうるヌクレオチド配列;
(g)配列番号:2の配列の種相同体をコードするヌクレオチド配列;および
(h)(a)?(d)のいずれかに示すヌクレオチド配列の対立遺伝子変種
からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む単離ポリヌクレオチド。」(以下、「本願発明1」という。)

4.原査定の理由
原査定の拒絶の理由の1つは、本願の発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていないというものである。

5.第36条第4項について
本願発明1は、本願補正発明1をその一態様として包含するものである。
そして、本願補正発明1について、本願が、特許法第36条第4項に規定する要件を満たさないのは、上記2.(2-3)に記載した理由のとおりである。
したがって、本願発明1についても同様の理由により、本願は特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない。

6.むすび
以上のとおりであるから、本願は、本願請求項1に記載の発明について、特許法第36条第4項に規定する要件を満たしておらず、特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-07-09 
結審通知日 2014-07-14 
審決日 2014-07-28 
出願番号 特願2009-230370(P2009-230370)
審決分類 P 1 8・ 536- Z (C12N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 福間 信子引地 進渡邉 潤也  
特許庁審判長 鈴木 恵理子
特許庁審判官 小堀 麻子
冨永 みどり
発明の名称 サイトカイン受容体ファミリーのメンバーであるMU-1  
代理人 四本 能尚  

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